図1に、本発明を適用する回胴式遊技機を示す。回胴式遊技機は、一般にパチスロと呼ばれ、遊技機規則、すなわち平成16年(2004年)1月30日の国家公安委員会規則第1での改正を経た昭和60年(1985年)2月12日の国家公安委員会規則第4「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」に適合するスロットマシンである。以下、用語及びその技術内容は現行の遊技機規則に準ずる。
遊技機筐体8Bは、ハニカムリアキャビネット8R及びキャビネット枠8W、扉状の上下フロントキャビネット8E,8Fを備える。上フロントキャビネット8Eには、動画等をフルカラーで映し出す上部液晶表示装置71、サーチライトを模したドットマトリクス表示装置73、リールパネル8、展開及び収納可能な組ランプe1〜3をもつ左上可動ランプE1,同組ランプe4〜6をもつ右上可動ランプE2,同組ランプe7〜9をもつ左下可動ランプE3,同組ランプe10〜12をもつ右下可動ランプE4、左上ランプE5,右上ランプE6、リールパネル8を囲む門型ランプE7〜E11を備える。下フロントキャビネット8Fには、操作部8S、演出用の下部液晶ボタンABを兼用し且つ上部液晶表示装置71と協働した動画等を表示させる可動式ビジョンATVから成る下部液晶表示装置72、その両脇のサイドランプE12,E13を備える。91〜94はBGMや各種効果音等を出音するスピーカ、8Mはメダル払出口、8Gはメダル受皿である。なお、左右は、遊技機に対面した遊技者目線における左右を意味する。以下、同様である。
リールパネル8の透明な表示窓80の内部には、複数の可変表示要素となる左リール1L、中リール1C、右リール1Rを備え、それぞれのリール帯10L,10C,10Rの外周に全部で20コマ配列した図柄のうち連続する3コマを窓越しに臨ませている。定常回転時を含む通常の正転時、各図柄は上から下にスクロールする。表示窓80の窓越しに表示される複数列及び複数段の図柄表示位置、すなわち、左・中・右リール1L,1C,1Rの3列とそれぞれの上・中・下の3段との、列と段で特定される3×3=9個の図柄表示位置において、例えば中段ライン(左中−中中−右中)のみを有効ラインとしている。なお、他のラインを含めて2本以上のラインを有効ラインとしてもよい。
操作部8Sには、遊技媒体たる遊技メダルを投入するメダル投入口2i、開始ボタンbi・上下左右の移動ボタンb1〜4・終了ボタンboをもち、音量、画像輝度、BGM、キャラクター等を選択変更できる実機カスタマイズボタンBT、貯留装置の電磁的記録すなわちクレジットから一回の遊技に必要な規定数例えば3枚(3BET)の掛けメダルを引き落とすベットボタン3、クレジットに残る数のメダルをメダル受皿8Gに落す精算ボタン4、各リール1L,1C,1Rの可変表示(回転)を開始させるスタートスイッチとなるスタートレバー5、各リール1L,1C,1Rに対応して設け、対応するリールの可変表示(回転)を個別に停止させるストップスイッチとなる左ストップボタン6L、中ストップボタン6C、右ストップボタン6R、メダル投入口2i下流のメダル詰り時に押すリジェクトボタン2R、ドアキー穴8Kを備える。
また、現時のクレジット数を表示させるクレジット表示器DL1、入賞による払出メダル枚数を表示させると共に適合する停止操作情報を報知するアシストタイムATの作動時にそのAT指示情報のコードを表示させるメインモニタMAを兼ねるペイアウト表示器DL2、充当掛けメダルが1枚、2枚、3枚になる毎に点灯させる1〜3枚ランプEL1〜3、掛けメダルが受付可能なとき点灯させるベットランプELb、スタートレバー5による始動操作が可能なとき点灯させるスタートランプELs、再遊技に係る図柄の組合せが表示されたとき点灯させるリプレイランプELrを含む遊技基本ランプ類30を備える。
ベットランプELbの点灯時、掛けメダルが0の状態でメダル投入口2iからメダル1枚を入れると1枚ランプEL1が点灯し、さらに1枚入れると2枚ランプEL2が点灯し、さらに1枚入れると3枚ランプEL3が点灯し、規定数に達する。規定数の掛けメダルになると、スタートランプELsが点灯し、スタートレバー5による始動操作が可能になる。規定数に達した状態からスタートレバー5を操作しないでメダル投入口2iにさらにメダルを入れると、クレジット表示器DL1のカウンタを進め、所定上限数である50枚まで貯留可能となる。入賞により払出されたメダルも50枚まではクレジットに加算され、50枚を超えて払出されたメダルは、メダル払出口8Mからメダル受皿8Gに受止められる。
図2に示すように、各リール帯10L,10C,10Rの外周面には、赤7、白7、バー、スイカ1、スイカ2、ベル1、べル2、チェリー、リプレイ、ハートの全10種類の図柄を、図柄番号0,1〜19に対応させ且つ独特の縦の並びに従って印刷等により描いている。各リール1L,1C,1Rは20コマの図柄を配する20コマリールである。
各リール1L,1C,1Rの駆動には、標準的な21コマリール駆動用の1ステップ角が約1.43度、1−2相励磁により504ステップで一回転する仕様のステッピングモータを用いている。21コマリールの場合、一図柄あたり504/21=24ステップの均等ステップ数を割付けることができるが、20コマリールでは、504/20=25.2で整数解にならないため、不均等ステップ数を割付けている。ステップ数の多い方を26、ステップ数の少ない方を24とし、図柄番号0〜19を5で割った整数解の余りが奇数となる図柄番号1,3,6,8,11,13,16,18の図柄に少ない方の24ステップを割付け、その他の図柄番号0,2,4,5,7,9,10,12,14,15,17,19の図柄に多い方の26ステップを割付けている。
定常回転状態時、各リール1L,1C,1Rは、504ステップと1割込時間1.49msを乗じた750.96msで一回転する。1分間に約80回転となる。図柄が一コマ移動するのに要する時間は、平均約37.55msとなり、遊技機規則において通常時のリール停止操作から停止までの規定時間が「190ms以内」というのは、((190÷37.55)−1)の整数解=4コマが許容される最大滑りコマ数となる。
図3に示すように、各リール1L,1C,1Rは、ステッピングモータSM(12L,12C,12R)の駆動軸たるシャフトSHに直結させる中心部のハブ13と、放射状に延びる複数本例えば4本のスポーク14と、各リール帯10L,10C,10を巻回して貼付ける左右のリング15a,15bと複数の連結片15cをもつリム15とを構成要素にもち、これら各構成要素を光透過性又は光反射性のよい素材例えば透明樹脂材料で形成したリールドラム16を有する。各リール1L,1C,1Rに設けるインデックスID(1Li,1Ci,1Ri)は、リールドラム16の3本のスポーク14に設ける爪穴17aに二股爪17bを係合させる3箇所の取付部17を介して取付け、正転時のオンエッジ部18aとオフエッジ部18bを見込む角度が180度で、丁度半周ずつオン期間とオフ期間とが生起される半円弧状で、且つ遮光性のよい素材例えば黒色樹脂材料で形成した帯部品18から成る。
3箇所の取付部17による3点支持により帯部品18は、両端が突っ張り且つ真ん中が中心に向けて押され、シャフトSHの中心から等距離の弓状に良好に保持される。帯部材18は、静止部材側に支持するホトセンサから成る各インデックスセンサIDs(11L,11C,11R)のギャップGP中を通過する。帯部品18がギャップGPの光を遮るオンエッジ部18aの通過とその光を再び通過させるオフエッジ部18bの通過が丁度半周毎に現れ、一回転中、2箇所のリール変位角すなわちオンエッジ対応角とオフエッジ対応角とで、ステッピングモータSMに供給する励磁パルスのステップ数を補正可能にしている。備考欄では、光の遮断及び通過位置に楔の先端を向けた簡略表記によりインデックスセンサIDsを示している。各インデックスセンサIDs及び各ステッピングモータSMは、筐体内の収めるリールボックスの構成要素の一つとなるモータプレート19に支持している。
表示窓80中の例えば上段に定める所定基準位置に対し、図柄番号8番の図柄が通過終盤に達し、この図柄に割付けたステップ数24の初期値23から0に向けてカウントダウンする降順管理のステップ数が1になったとき、オンエッジ部18aがインデックスセンサIDsに到達してインデックスセンサIDsがオフからオンに切換わるオンエッジが検出される予定となり、オンエッジの検出によりオンエッジ補正がされる。同じく上段に定める所定基準位置に対し、図柄番号8番から180度変位した図柄番号18番の図柄が通過終盤に達し、この図柄に割付けたステップ数24の初期値23から0に向けてカウントダウンする降順管理のステップ数が1になったとき、オフエッジ部18bがインデックスセンサIDsから離間してインデックスセンサIDsがオンからオフに切換わるオフエッジが検出される予定となり、オフエッジの検出によりオフエッジ補正がされる。
オンエッジの検出時、所定基準位置を通過中の図柄の図柄番号を管理する図柄カウンタFGCに図柄番号8番の8を、所定基準位置を通過中の図柄のステップ数を管理するステップカウンタSPCに1を上書きにより各格納する。オンエッジの検出直前の図柄カウンタFGCの図柄番号及びステップカウンタSPCのステップ数が本来のあるべき図柄カウンタFGC=8、ステップカウンタSPC=2(1の直前の2)ではなく、仮にズレが生じていたとしても、オンエッジの検出により図柄カウンタFGCに8、ステップカウンタSPCに1を格納することにより、補正(オンエッジ補正)がされることになる。なお、図柄カウンタFGC及びステップカウンタSPCは、各リール1L,1C,1R毎に主制御装置MCのRWM上に設けている。
オフエッジの検出時、図柄カウンタFGCに図柄番号18番の18を、ステップカウンタSPCに1を上書きにより各格納する。オフエッジの検出直前の図柄カウンタFGCの図柄番号及びステップカウンタSPCのステップ数が本来のあるべき図柄カウンタFGC=18、ステップカウンタSPC=2(1の直前の2)ではなく、仮にズレが生じていたとしても、オフエッジの検出により図柄カウンタFGCに18、ステップカウンタSPCに1を格納することにより、補正(オフエッジ補正)がされることになる。オンエッジ又はオフエッジの検出による初回の補正が各リールについてされた後、ストップボタン6L,6C,6Rの操作を受付可能にする。
所定基準位置は有効ラインと一致させても一致させなくてもよく、表示窓80中の中段や下段に定めてもよいし、表示窓80外に定めてもよい。所定基準位置と有効ラインとが異なる場合には、所定基準位置に停止対象とする図柄を停止させると、有効ラインに当せん役に対応した図柄が表示される関係になるように停止対象の図柄を決定することになる。また、インデックスは、任意の固定した回転角においてリール一回転毎にオン又はオフが少なくとも1回検出されるものであれば、リールに一体化する突起物等をセンサで検知するものや、ステッピングモータのシャフトに一体化するディスクの切欠き等をセンサで検知するもの等、どのようなタイプのものでもよい。
図4に示すように、遊技機筐体8Bの内部に組込む制御装置CNは、遊技の進行を管理し、内部抽せん、入賞によるメダルの払出し、再遊技の作動、役物の作動、アシストタイムATの作動等の遊技者利益に関係する主遊技制御を実行させる所謂メイン側と呼ばれる遊技機規則でいう主基板に対応する主制御装置MCと、この主制御装置MCから一方向性通信仕様に従って送信する情報を受信して主制御装置MCでの決定事項に基づいて演出制御を実行させる所謂サブ側と呼ばれる遊技機規則でいう周辺基板に対応する周辺制御装置SCとを含む。一方向性通信仕様とは、主基板に関して遊技機規則で規定する「周辺基板が送信する信号を受信することができるものでないこと」を満たす通信仕様をいう。
主制御装置MCは、読み出し専用のリードオンリーメモリROM及び読み書き可能なリードライトメモリーRWMを内蔵したZ80互換チップから成る8ビットのメインCPUを備え、例えば12MHzのシステムクロック動作環境下で使用している。メインCPUは、基本的なZ80仕様に所定の遊技機用拡張仕様を適用している。
メインCPUの入力ポートI1には、各リール1L,1C,1Rのインデックスセンサ11L,11C,11R(IDs)、各ストップボタン6L,6C,6R、ベットボタン3、精算ボタン4、スタートレバー5、メダル投入口2iから受入れたメダルを選別して検出するメダルセレクター2に設けるメダル投入センサーSEN0及びメダル通過センサーSEN1,2、メダルセレクター2からメダルを受け継いでメダル払出装置HPのホッパータンクに放出するRシュートに設けるRシュートセンサーSEN3、メダル払出装置HPの出口に設けるメダル払出センサーSEN4の各信号を入力している。出力ポートO1から、各ストップボタン6L,6C,6Rの内蔵LED61,62,63を、モータドライバDr1を介して各リール1L,1C,1Rに駆動軸SHを結合させる各ステッピングモータ12L,12C,12R(SM)を、LEDドライバDr2を介して遊技基本ランプ類30を、ソレノイドドライバDr3を介してメダルセレクター2からメダルを離脱させてメダル受皿8Gに戻すブロッカー爪部28を突出させるブロッカーソレノイド28sを、モータドライバDr4を介してメダル払出装置HPのメダル払出モータHPmを各制御している。
メインCPUのROM上には、スタートレバー5の操作を契機に、ハード又はソフトウェア上で高速更新する例えば2バイトカウンタから抽出する乱数値が、その取り得る0〜65535の範囲内において役に対応づけて区分した何れの当せんエリアに属するかに応じて、入賞、再遊技の作動、役物の作動に係る何れかの当せん役又は不当せんを決定する内部抽せん手段K、スタートレバー5の操作後で且つ前遊技の開始から4.1秒経過後に全リールを正転側に加速処理して定常回転速度(80回転/分)に到達させる回胴回転装置制御手段V1と各リールを対応するストップボタンの操作により個別に停止させて有効ラインに当せん役に対応した図柄の組合せの表示を許容させる回転停止装置制御手段V2とを含むリール制御手段V、遊技結果が入賞なら所定配当数のメダルを払出すメダル払出手段M、遊技結果が再遊技の作動なら次ゲームの掛けメダルを同一規定数で自動投入するメダル自動投入手段Q、遊技結果が役物作動中等への移行を伴うのなら遊技状態を移行させる遊技状態移行手段J、所定のフリーズ抽せんにより当せん役別に定めた所定確率により各リールを逆回転等させる所定の回胴演出の当否を決定するフリーズ抽せん手段W、その当せんに係る回胴演出を実行させる回胴演出実行手段Gを設けている。
なお、回胴回転装置制御手段V1による加速処理中、全リール1L,1C,1Rの全図柄に対して、内部抽せんで決定した当せん役に応じて、再遊技役>入賞役(小役)>役物の順に従う役別優先順位付けと、当せん役が入賞役(小役)の場合には、払出枚数が多い高配当の小役を優先引込みする枚数優先及び図柄の組合せの種類が多い小役を優先引込みする個数優先に対応させる役内優先順位付けとをした停止候補検索データをRWM上で初期作成し、回転停止装置制御手段V2でする停止制御に備える。
回転停止装置制御手段V2による第1番目の停止では、ストップボタンによる停止操作を検出して停止要求フラグがオンとなったときに図柄カウンタFGCの通過中図柄よりも上流に連続する0コマ目(即止め)、1コマ目、2コマ目、3コマ目、4コマ目の原則5コマの後続図柄について、加速処理中に作成した停止候補検索データに基づき、最も優先順位の高い最上位の図柄を検索するロジック演算を行うと共に、最上位の図柄が複数ある場合は予めROM上で定義した停止テーブルを参照することにより、最も引込み優先順位の高い唯一の停止図柄を決定する。そして、決定した停止図柄が所定基準位置たる上段の適正位置に到達するタイミング、すなわち図柄カウンタFGCが決定した停止図柄の図柄番号に更新され且つステップカウンタSPCの値が停止図柄に対応する降順管理による初期ステップ数(26ステップ数の図柄は25、24ステップ数の図柄は23)に更新されたときに、第1停止に係るリールのステッピングモータSMに全相励磁等による停止パルスを供給する。
第1停止が完了すると、次のストップボタンの操作を受付可能とするまでの停止操作間隔期間中(例えば約200msの間)に、第1停止による表示出目に応じて、表示の対象外となる図柄及び又は図柄の組合せの種類の数が変わることとなる図柄について、未停止リールの停止候補検索データを書き換え、第2番目以後の停止に備える。第2番目の停止では、停止要求フラグがオンとなったときに図柄カウンタFGCの通過中図柄よりも上流に連続する同じく原則5コマの後続図柄について、第1番目の停止後に書き換えた停止候補検索データに基づき、上記同様なロジック演算あるいはロジック演算及び停止テーブルの参照により、最も引込み優先順位の高い唯一の停止図柄を決定し、決定した停止図柄が上段の適正位置に到達するタイミングで同様に停止パルスを供給する。
第2停止が完了すると、最後のストップボタンの操作を受付可能とするまでの停止操作間隔期間中(例えば約200msの間)に、第1,第2停止による表示出目に応じて、表示の対象外となる図柄及び又は当せんしていない役の完成を阻止するために蹴飛ばして停止不可とする図柄について、未停止リールの停止候補検索データを書き換え、第3番目の停止に備える。第3番目の停止では、停止要求フラグがオンとなったときに図柄カウンタFGCの通過中図柄よりも上流に連続する同じく原則5コマの後続図柄について、第2番目の停止後に書き換えた停止候補検索データに基づき、上記同様なロジック演算あるいはロジック演算及び停止テーブルの参照により、最も引込み優先順位の高い図柄で且つ当せんしていない役が完成することのない唯一の停止図柄を決定し、決定した停止図柄が上段の適正位置に到達するタイミングで同様に停止パルスを供給する。こうして、全リール1L,1C,1Rの停止が完了し、1回の遊技の結果が導出される。
また、メインCPUのROM上には、アシストタイムATの作動を内部当せん役等と関連付けた所定作動条件下で決定するAT作動決定手段H1、アシストタイムATの作動を延長させることとなる継続ゲーム数等の上乗せを内部当せん役等と関連付けた所定上乗せ条件下で決定するAT上乗せ決定手段H2、アシストタイムATの作動決定から作動終了までを管理するAT継続管理手段H3、押し順小役についての正解押し順等のAT指示情報を主制御装置MCで管理するペイアウト表示器DL2の表示機能を借りて構築するメインモニタMAに出力させると共に周辺制御装置SCで管理する液晶表示装置71等に出力させるAT指示情報出力手段H4を設けている。
周辺制御装置SCは、外付けする読み出し専用のリードオンリーメモリROMと、内蔵及び外付けする読み書き可能なリードライトメモリーRWMをもつ32ビットRISC(Reduced Instruction Set Computer)チップマイコンから成るサブCPUを備え、例えば約200MHzのシステムクロック動作環境下で使用している。サブCPUは、リアルタイムオペレーティングシステムRTOS(Real−Time Operating System)の管理下、画像演出や音声演出等に関するタスクに割当てるCPU時間、優先順位を制御することにより、適切且つ効率的なタスクの並行処理を可能にしている。
サブCPUの入力ポートI2には、主制御装置MCからの送信情報、実機カスタマイズボタンBT、下部液晶ボタンABの信号を入力している。主制御装置MCからの送信情報すなわち周辺制御装置SCの受信情報には、メイン側初期化完了情報、ベットボタン3の操作情報を含むメダル投入情報、スタートレバー5の操作情報を含むリール始動情報、内部抽せんによる当せんフラグ情報、ストップボタン6L,6C,6Rの操作情報、遊技結果情報、遊技状態情報、フリーズ及び回胴演出情報、AT作動情報、AT指示情報、AT上乗せ情報、AT終了情報、エラー情報等、主制御装置MCで検出し又は決定若しくは実行する各種情報が含まれる。
サブCPUは、I2Cのマイクロコントローラとしても機能し、CPU内蔵I2CのシリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAに、リアルタイムクロックRTCのシリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAを接続している。シリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAとは、それぞれ、抵抗rpを介してサブCPUの主動作電位vdd=3.3Vにプルアップしている。リアルタイムクロックRTCの時計機能は、遊技機の電源オンオフに拘らず、二次電池等のバックアップ電源Btにより例えば10年以上の長期間にわたり継続的に維持される。
サブCPUのROM上には、主制御装置MCからの受信情報に基づいて、上部液晶表示装置71にAT指示情報出力手段H4から出力するAT指示情報に従ったナビ例えば正解押し順が「左中右」ならストップボタン位置に対応させて「123」等を表示させる表示ナビ手段X1、この表示ナビに連動してスピーカ91〜94から操作すべきストップボタンが左か中か右かを音声で知らせる音声ナビ手段X2、遊技状態、回胴演出、AT期間等に応じて液晶表示装置71,72及びドットマトリクス表示装置73に映し出す動画展開等を変更表示させる画像演出手段X3、これに連動して各種ランプE1〜E13の点灯及び発光色を制御するランプ演出手段X4、スピーカ91〜94から効果音やBGMを出音させる音声演出手段X5、可動ランプE1〜E4の展開及び収納を制御するメカ演出手段X6、下部液晶ボタンABの押圧に連動させて振動発生装置90を駆動する振動演出手段X7等を設けている。
サブCPUのCPU内蔵バスにはI2CコントローラI2Cnを接続しており、このI2CコントローラI2CnのシリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAを、表示窓80に臨む9つの図柄をリール帯10L,10C,10Rの背面から照明するリールバックランプBL1〜9を制御するLDEドライバDr5、可動ランプE1〜4を制御するLEDドライバDr6、その他の上フロントキャビネット8Eに設けるランプE5〜11を制御するLEDドライバDr7、下フロントキャビネット8Fに設けるランプE12,13を制御するLEDドライバDr8の各シリアルクロックラインSCLとシリアルデータラインSDAに接続している。
上部液晶表示装置71及び下部液晶表示装置72は、VDP(Video Display Processor)、出力ポートO2、LCDドライバDr9,10を介して制御している。ドットマトリクス表示装置73は、出力ポートO2、LEDドライバD11を介して制御している。可動ランプE1〜4を駆動するステッピングモータm1〜4は、出力ポートO2、モータドライバDr12を介して制御している。振動発生装置90は、出力ポートO2、モータドライバDr13を介して制御している。スピーカ91〜94からの音声は、音声IC、出力ポートO2、パワーアンプDr14を介して制御している。下部液晶ボタンABをロックしてその押圧を禁止する下部液晶ボタンロッカーARは、出力ポートO2、ソレノイドドライバDr15を介して制御している。
図5は、ステッピングモータSMの内部構造を直線上に展開して示したものである。ステッピングモータSMは、積層鋼板から成る鉄芯外周に1ピッチずつずらせた63対のN極小歯Rn及びS極小歯Rsをもつ永久磁石内蔵式のロータRmと、各磁極内周に6個のステータ小歯Stをもつ積層鋼板から成る4つの磁極、すなわち、A相正巻線A1及びAバー相逆巻線A2バーを巻回した磁極A、B相正巻線B1及びBバー相逆巻線B2バーを巻回した磁極B、Aバー相正巻線A1バー及びA相逆巻線A2を巻回した磁極Aバー(Aの反転磁極。以下、磁極Cともいう)、Bバー相正巻線B1バー及びB相逆巻線B2を巻回した磁極Bバー(Bの反転磁極。以下、磁極Dともいう)を全部で2組備えるステータSwとを有する。
円周方向に、A,B,C,D,A,B,C,Dの各磁極が並ぶ。磁極は全部で8極ある。各磁極は外周の環状磁路Sqで一体化される。なお、一回転に要するステップ数及び又は小歯の構成を変更することにより、A,B,C,Dの各磁極を、1組或は3組等としてもよい。
A相正巻線A1とA相逆巻線A2とは磁極への巻回方向は逆だが直列接続され、励磁パルスパターンのA相オンにより、磁極AをS極、磁極CをN極にする。B相正巻線B1とB相逆巻線B2とは磁極への巻回方向は逆だが直列接続され、励磁パルスパターンのB相オンにより、磁極BをS極、磁極DをN極とする。Aバー相正巻線A1バーとAバー相逆巻線A2バーとは磁極への巻回方向は逆だが直列接続され、励磁パルスパターンのAバー相オンにより、磁極CをS極、磁極AをN極とする。Bバー相正巻線B1バーとBバー相逆巻線B2バーとは磁極への巻回方向は逆だが直列接続され、励磁パルスパターンのBバー相オンにより、磁極DをS極、磁極BをN極とする。それぞれ、アンペアの右ネジの法則による。
小歯を一つにした等価モデルで示すとおり、1「A相1相励磁」位置は、ロータのN極1番(N1極。以下、同様)はS極の磁極Aに、ロータのS極3番(S3極。以下、同様)はN極の磁極Cに広い面積で各対面し、一の停止安定位置PAとなる。3「B相1相励磁」位置は、N2極はS極の磁極Bに、S4極はN極の磁極Dに広い面積で各対面し、一の停止安定位置PBとなる。5「Aバー相1相励磁」位置は、N3極はS極の磁極Cに、S5極はN極の磁極Aに広い面積で各対面し、一の停止安定位置PCとなる。7「Bバー相1相励磁」位置は、N4極はS極の磁極Dに、S1極はN極の磁極Bに広い面積で各対面し、一の停止安定位置PDとなる。
2「A相及びB相の2相励磁」では、磁極A,BがS極、磁極C,DがN極となる。4「B相及びAバー相の2相励磁」では、磁極B,CがS極、磁極D,AがN極となる。6「Aバー相及びBバー相の2相励磁」では、磁極C,DがS極、磁極A,BがN極となる。8「Bバー相及びA相の2相励磁」では、磁極D,AがS極、磁極B,CがN極となる。これら2、4、6、8の2相励磁位置は、1、3、5、7の1相励磁位置に比べて、不安定な位置にあり、ステータSw側の磁化を取り除くと、ロータRm側の永久磁石作用により、最短移動により停止安定位置PA,PB,PC,PDの何れかで止まる。
通常の定常回転時、1相励磁と2相励磁とを、1割込時間t=1.49ms毎に交互に繰返す1−2相励磁により駆動する。1「A相1相励磁」から8「Bバー相及びA相の2相励磁」までの8ステップにより、ある一つの小歯が1小歯分について移動する。ロータRmの小歯は63対あるため、8×63=504ステップで一回転することになる。励磁パルスパターンのステップ更新順序が1,2,3,4,5,6,8,1,2・・・の場合は正転、1,8,7,6,5,4,3,2,1,8・・・の場合は逆転することになる。
定常回転中のステッピングモータSMを停止させる停止パルスは、2、4、6、8何れかの2相励磁の次に、A相、B相、Aバー相、Bバー相全てを、所定時間(例えば135割込に相当する201.15ms )についてオンにする全相励磁パルスを用いている。2相励磁の次に全相励磁をかけると、磁極AのA相正巻線A1又はAバー相逆巻線A2バーの何れか一方側、磁極BのB相正巻線B1又はBバー相逆巻線B2バーの何れか一方側、磁極CのAバー相正巻線A1バー又はA相逆巻線A2の何れか一方側、磁極DのBバー相正巻線B1バー又はB相逆巻線B2の何れか一方側は全相励磁前からオンであるが、オフであった他方側の巻線は全相励磁への切換後に電源に接続されて閉じた回路となり、この閉じた回路に全相励磁前からオンの一方側の巻線による磁束が鎖交することになる。
このため、電磁誘導により他方側の巻線に鎖交磁束の変化を妨げる向きに磁束を生じさせる誘導電流が流れる。この誘導電流は電源からの電流と同じ向きとなる。よって、一方側の巻線による磁束を他方側の巻線による反対磁束で急激に打ち消し、ステータSwの各磁極A,B,C,Dは直ちに除磁される。このため、ステータSwの残留磁気によりロータRmが加速等されるのを低減でき、低振動かつ短時間内に、ステータ側の小歯Stとロータ側の小歯Rn及び又はSnが広い面積で近接して対面する1相励磁位置に対応する何れかの停止安定位置PA,PB,PC,PDで停止する。
図6にリール停止時の速度変化の実測データを示す。この実測データは、レーザ速度計により各リール1L,1C,1Rの速度を測定し、横軸を時間軸に、縦軸を速度対応の電圧軸に置換えたオシロスコープ上のモニター結果である。横軸の時間軸は5目盛で20ms、縦軸の速度相当電圧軸は5目盛で1Vである。ステッピングモータSMは加速と減速を繰り返しながら回転する振動特性を有し、定常回転状態の速度も小刻みに変動している。全相励磁による停止パルスを供給した時点から、急激に減速し、停止間際において、逆転側への戻り変位と、正転側への進み変位を若干伴う小振動を経て、電圧0すなわち速度0となり、何れかの停止安定位置PA,PB,PC,PDで止まる。斜線を付した減速中の速度を積分した値が全相励磁供給開始からの変位となり、概ね8ステップ数前後例えば6〜8ステップ変位することになる。
なお、モニター結果において、電圧が正側(+側)で且つ右上がり勾配は正転側の加速域にあり、電圧が正側(+側)で且つ右下がり勾配は正転側の減速域にあり、電圧が負側(−側)で且つ右上がり勾配は逆転側の減速域にあり、電圧が負側(−側)で且つ右下がり勾配は逆転側の加速域にある。以下、同様である。
図5の8番「Bバー相及びA相の2相励磁」の次のステップで全相励磁による停止パルスを供給したとした場合、6〜8ステップ数変位して、7番の停止安定位置PDか、1番の停止安定位置PAで停止する可能性が高い。6ステップ以下の変位、8ステップを超える変位がされた場合、3番の停止安定位置PCや、5番の停止安定位置PCで停止する可能性もある。しかし、必ず、4つの停止安定位置の何れか一つで止まる。なお、135割込時間の全相励磁の後、全相をオフにして励磁を開放させ、停止状態を維持する。
停止状態から定常回転状態に加速する加速シーケンス(加速処理)で最初に供給する初期励磁パルスは、前回停止時の全相励磁による停止パルス供給直前の2相励磁パルスと同一相をオンにする仕様にしており、停止パルス供給直前が8番「Bバー相及びA相の2相励磁」なら、初期励磁パルスは、8番「Bバー相及びA相の2相励磁」となる。この初期励磁パルスの供給前に、7番の停止安定位置PDで停止していた場合、8番「Bバー相及びA相の2相励磁」は正転側にステップ更新数が1ステップだけ進んだものとなり、8番「Bバー相及びA相の2相励磁」による初期励磁パルスを供給すると、最初に正方向に少し変位して振動する第1の挙動+0を伴う。
初期励磁パルスの供給前に、1番の停止安定位置PAで停止していた場合、8番「Bバー相及びA相の2相励磁」は逆転側にステップ更新数が1ステップだけ遅れたものとなり、8番「Bバー相及びA相の2相励磁」による初期励磁パルスを供給すると、最初に逆方向に少し変位して振動する第2の挙動+1を伴う。
初期励磁パルスの供給前に、3番の停止安定位置PBで停止していた場合、8番「Bバー相及びA相の2相励磁」は逆転側にステップ更新数が3ステップ遅れたものとなり、8番「Bバー相及びA相の2相励磁」による初期励磁パルスを供給すると、最初に逆方向にやや大きく変位して振動する第3の挙動+2を伴う。
初期励磁パルスの供給前に、5番の停止安定位置PCで停止していた場合、8番「Bバー相及びA相の2相励磁」は正転側にステップ更新数が3ステップ進んだものとなり、8番「Bバー相及びA相の2相励磁」による初期励磁パルスを供給すると、最初に正方向にやや大きく変位して振動する第4の挙動+3を伴う。
図7に、レーザ速度計による各挙動+0,+1,+2,+3の実測結果(モニター結果)を示す。図7は、初期励磁パルスを例えば100割込時間=149msについて供給し、初期励磁パルスから次の励磁パルスに切換えるタイミングを設定するための評価試験用データであって、4つの挙動を初期励磁パルスの供給開始時の時刻合わせをして、一画面上に重ねて表示したものである。なお、横軸の時間軸は5目盛で40ms、縦軸の速度相当電圧軸は5目盛で2Vである。
第1の挙動+0と第2の挙動+1は位相差約180度、第3の挙動+2と第4の挙動+3は位相差約180度となり、第1の挙動+0と第4の挙動+3はほぼ同位相、第2の挙動+1と第3の挙動+2はほぼ同位相となる。よって、速度を微分して求める、速度の傾きを示す加速度について考察すると、第1の挙動+0又は第4の挙動+3のときに加速度が正から負に切り換わるタイミングと、第2の挙動+1又は第3の挙動+2のときに加速度が負から正に切り換わるタイミングはほぼ同じ時刻t1,t3,t5,t7・・・となり、第1の挙動+0又は第4の挙動+3のときに加速度が負から正に切り換わるタイミングと、第2の挙動+1又は第3の挙動+2のときに加速度が正から負に切り換わるタイミングはほぼ同じ時刻t2,t4,t6,t8・・・となる。
時刻t1〜t5では、特に第3,第4の挙動+2,+3のときの振動が大きく、時刻t7,t8・・・は、振動は小さいが、加速時間が長くなる。よって、振動がある程度小さく、かつ、加速時間があまり長くならないように、時刻t6すなわち初期励磁パルスの供給から約62msで、次励磁パルスへの切換えを行うこととした。実際には、1割込時間tが1.49msのため、42t=62.58msでその切換えを行うこととした。すなわち、42t=62.58msについて2相励磁による初期励磁パルスを供給した後、1相励磁による次励磁パルスに切換える。
以後、できるだけ低振動下で定常回転状態に到達させるため、9t=13.41msの1相励磁、11t=16.39msの2相励磁、1割込t=1.49msの1相励磁、4t=5.96msの2相励磁、1割込t=1.49msの1相励磁、2t=2.98msの2相励磁、1割込t=1.49msの1相励磁・・・と切換える。加速シーケンスでの加速時間は、定常回転状態への切換えに要する1割込時間を加えて、72t=107.28msとなる。
図8に、第1の挙動+0となる場合及び第2の挙動+1となる場合について、決定した加速シーケンスに従った、レーザ速度計による実測結果(モニター結果)を示す。なお、横軸の時間軸は5目盛で40ms、縦軸の速度相当電圧軸は5目盛で1Vである。
第1の挙動+0では、初期励磁パルスの供給後、最初に正方向(正転側)に変位し、加速度+(プラス)の右上がり勾配で正転側の速度が増加し、頂点の加速度0点を過ぎて、加速度−(マイナス)の右下がり勾配で正転側の速度が減少し、速度0となる正転側折返し点fで折返して逆転に転じ、加速度−の右下がり勾配で逆転側の速度が増加し、底点の加速度0点を過ぎて、加速度+の右上がり勾配で逆転側の速度が減少し、速度0となる逆転側折返し点bで折返して正転に転じる。
3つ目の正転側折返し点f3と逆転側折返し点b3の中間に位置し、底点の加速度0点付近で42割込時間の62.58msに達する。この62.58msの時点は、加速度0を含む所定加速度正負切換期間中にあり、この62.58msの時点で次励磁パルスの1相励磁に切換えられる。正転側折返し点f3と逆転側折返し点b3の中間に位置し、逆転側及び正転側への加速がされないタイミングで次励磁パルスの更新がされるため、次励磁パルスへの切り換え時に大きな振動等を伴うことはなく、脱調を引き起こすこともない。
第2の挙動+1では、初期励磁パルスの供給後、最初に逆方向(逆転側)に変位し、加速度−の右下がり勾配で逆転側の速度が増加し、底点の加速度0点を過ぎて、加速度+の右上がり勾配で逆転側の速度が減少し、速度0となる逆転側折返し点bで折返して正転に転じ、加速度+の右上がり勾配で正転側の速度が増加し、頂点の加速度0点を過ぎて、加速度−の右下がり勾配で正転側の速度が減少し、速度0となる正転側折返し点fで折返して逆転に転じる。
3つ目の逆転側折返し点b3と正転側折返し点f3の中間に位置し、頂点の加速度0点付近で42割込時間の62.58msに達する。この62.58msの時点は、加速度0を含む所定加速度正負切換期間中にあり、この62.58msの時点で次励磁パルスの1相励磁に切換えられる。逆転側折返し点b3と正転側折返し点f3の中間に位置し、正転側及び逆転側への加速がされないタイミングで次励磁パルスの更新がされるため、次励磁パルスへの切り換え時に大きな振動等を伴うことはなく、脱調を引き起こすこともない。
加速シーケンスの後、引き続いて41割込時間に当る61.09ms等の所定の停止禁止タイマ区間を確保し、さらに最初にリールインデックスを検出した以後、ストップボタン6L,6C,6Rの内蔵LED61,62,63を点灯させてストップボタン6L,6C,6Rによる停止操作を受付可能にする。
なお、図示は省略したが、第3の挙動+2は、初期励磁パルスの供給時の速度変動が大きいが、第1の挙動+0とほぼ同様な変化特性となる。第4の挙動+3は、初期励磁パルスの供給時の速度変動が大きいが、第2の挙動+1とほぼ同様な変化特性となる。これら第3の挙動+2、第4の挙動+3のときも、次励磁パルスへの切り換え時に大きな振動等を伴うことはなく、脱調を引き起こすこともない。
図9に、主制御装置MCでの1.49msの1割込時間毎にする各リール1L,1C,1Rの各ステッピングモータSMのモータ制御処理を示す。先ず、ステッピングモータSMのモータ状態が、停止状態、加速状態、定常回転状態、停止中状態(停止状態に至るまでの過渡的状態)の何れにあるかを管理するRWM上に設けるモータ状態フラグを確認する(ステップs1、以下、s+ステップ番号で表記する)。停止状態なら何もせず即終了となる(s2でYES)。加速状態なら加速処理に移行する(s3)。加速状態は、スタートレバー5の操作後で且つ前遊技の開始から最低遊技間隔の4.1秒経過後にセットされる。定常回転状態なら定常回転処理に移行する(s4)。これら以外は停止中処理に移行する(s4でNO)。
加速処理では、シーケンスカウンタの1減算結果が0になる毎に(s5でYES)、図7の加速シーケンスの励磁パルスパターンを順にセットし(s6)、加速シーケンスが終了しないうちは(s7でNO)、セットした励磁パルスパターンのオン時間に対応した割込数をシーケンスカウンタにセットしてモータ制御処理を終える(s8)。加速シーケンスが終了すると(s7でYES)、モータ状態を定常回転状態にセットしてモータ制御処理を終える(s9)。
定常回転中処理では、1割込毎に1相励磁パターン又は2相励磁パターンをセットし(s10)、ステップカウンタSPC及び図柄カウンタFGCを1ステップずつ更新する図柄情報更新処理をする(s11)。続いて、停止禁止タイマのタイムアップを判定し(s12)、タイムアップ前の停止禁止区間なら、モータ制御処理を終える。
タイムアップ後のインデックス補正待ち以降の場合、オンエッジを検出したときは(s13)、所定下限を超えて短期間のうちにインデックスIDのエッジが検出される下限逸脱による回転エラーの有無を判定し(s14)、エラー無しの場合、図柄カウンタFGCに18、ステップカウンタSPCに1をセットするオンエッジ補正による図柄情報初期化処理をする(s15)。一方、オフエッジを検出したときは(s16)、同じく下限逸脱による回転エラーの有無を判定し(s17)、エラー無しの場合、図柄カウンタFGCに8、ステップカウンタSPCに1をセットするオフエッジ補正による図柄情報初期化処理をする(s18)。
オンエッジ、オフエッジ何れの検出もない場合、所定上限を超えて長期間インデックスIDのエッジが検出されない上限逸脱による回転エラーの有無を判定し(s19)、エラーの場合(s19でYES)、下限逸脱によるエラーの場合(s14又はs17でYES)と同様、加速処理からやり直すためにモータ状態を加速状態にセットしてモータ制御処理を終える(S20)。
s15のオンエッジ補正後又はs18のオフエッジ補正後若しくはs19でエラー無し判定の後、ストップボタン6L,6C,6Rが受付可能状態で押されることによりセットされる停止要求フラグのオンを判定し(s21)、停止要求フラグがオンで(s21でYES)、かつ、図柄カウンタFGCの現在図柄が停止図柄に決定した図柄に更新されて現在図柄=停止図柄、ステップカウンタSPC=ステップ数の初期値(25又は23)となったとき(s22でYES)、停止要求フラグをリセットし(s23)、全相励磁パルスをセットし(s24)、全相励磁時間をセットし(s25)、モータ状態を停止中状態にセットしてモータ制御処理を終える(s26)。停止要求フラグがオフのとき(s21でNO)、又は、現在図柄=停止図柄でないとき(s22でNO)、定常回転状態を継続したままモータ制御処理を終える。
停止中処理では、全相励磁時間を減算し(s27)、その結果が0となってタイムアップした後(s28でYES)、励磁を開放し(s29)、モータ状態を停止状態にセットしてモータ制御処理を終える(s30)。全相励磁時間がタイムアップ前なら(s28でNO)、停止中状態を維持したままモータ制御処理を終える。
図10に、やや小径の16コマリールを示す。各リール帯10L,10C,10Rの外周面には、バー、ブドウ、プラム、べル、チェリー、リプレイ、ハート1、ハート2の全8種類の図柄を、図柄番号0,1〜15に対応させて描いている。0を含む図柄番号が4の倍数となる図柄番号0,4,8,12に対応する各図柄に少ない方の偶数ステップ数30を割付け、その他の図柄番号1,2,3,5,6,7,9,10,11,13,14,15の各図柄に多い方の偶数ステップ数32を割付けている。オンエッジ補正では、図柄カウンタFGCに図柄番号14を、ステップカウンタSPCに1を上書きする。オフエッジ補正では、図柄カウンタFGCに図柄番号6を、ステップカウンタSPCに1を上書きする。最大滑りコマ数は3コマとなる。
図11に16コマリールの停止時の挙動、図12に16コマリールの加速シーケンスにおける初期励磁パルスから次励磁パルスへの切換タイミングを決定する評価試験結果、図13に加速シーケンスの実測結果を示す。図12の評価試験では、初期励磁パルスを200割込時間=298msについて供給している。リール1L,1C,1Rは小径であるが、同一のステッピングモータSMを用い、同一電源で駆動することとしていることから、リール径の違いによる大差はなく、上記と同様な加速シーケンスにより振動の小さい良好な加速結果が得られた。なお、以上の説明中、具体的数字や図柄等は一例示に過ぎない。