図1に、本発明を適用する回胴式遊技機を示す。回胴式遊技機は、一般にパチスロと呼ばれ、遊技機規則、すなわち平成16年(2004年)1月30日の国家公安委員会規則第1での改正を経た昭和60年(1985年)2月12日の国家公安委員会規則第4「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」に適合するスロットマシンである。以下、用語及びその技術内容は現行の遊技機規則に準ずる。
遊技機筐体8Bは、リアキャビネット8R及びキャビネット枠8W、扉状の上下フロントキャビネット8E,8Fを備える。上フロントキャビネット8Eには、動画や所定の情報をフルカラーで映し出す演出表示装置7を構成する液晶表示装置70、リールパネル8、上装飾ランプ81,左装飾ランプ82,右装飾ランプ83,液晶表示装置70の角に臨む4つのアクセント装飾ランプ84,リールパネル8の上・左・右に臨むパネル装飾ランプ85を備える。下フロントキャビネット8Fには、操作部8S、腰部パネル8P、左下装飾ランプ86、右下装飾ランプ87を備える。81〜87の総称として、装飾ランプ88という。91〜94はBGMや各種効果音等を出音するスピーカ、8Mはメダル払出口、8Gはメダル受皿、8Tは灰皿である。なお、左右は、遊技機に対面した遊技者目線における左右を意味する。以下、同様である。
リールパネル8の透明な表示窓80の内部には、複数の可変表示要素となる左リール1L、中リール1C、右リール1Rを備え、それぞれのリール帯10L,10C,10Rの外周に配列した図柄のうち連続する3コマを窓越しに臨ませている。定常回転時を含む通常の正転時、各図柄は上から下にスクロールする。
表示窓80には、遊技結果を判定する有効ラインを表示する線画や模様、ライン電飾等は意図的に付していない。表示窓80の窓越しに表示される複数列及び複数段の図柄表示位置、すなわち、左・中・右リール1L,1C,1Rの3列とそれぞれの上・中・下の3段との、列と段で特定される3×3=9個の図柄表示位置において、例えば中段ライン(左中−中中−右中)のみを有効ラインとしている。もっとも、上段ライン(左上−中上−右上)、下段ライン(左下−中下−右下)、右下がりライン(左上−中中−右下)、右上がりライン(左下−中中−右上)、上V字ライン(左上−中中−右上)、下V字ライン(左中−中下−右中)等、同一段又は一段違いで隣接する図柄表示位置同士を1本の直線又は折れ線で結んだ他のラインを有効ラインとしてもよいし、中段ラインを含めた2本以上のラインを有効ラインとしてもよい。
操作部8Sには、遊技媒体たる遊技メダルを投入するメダル投入口2、遊技者操作を演出に関与させるプッシュボタンPBとダイヤルDAをもつジョグダイヤルJD、貯留装置の電磁的記録すなわちクレジットから一回の遊技に必要な規定数例えば3枚(3BET)の掛けメダルを引き落とすベットボタン3、クレジットに残る数のメダルをメダル受皿8Gに落す精算ボタン4、各リール1L,1C,1Rの可変表示(回転)を開始させるスタートスイッチとなるスタートレバー5、各リール1L,1C,1Rに対応して設け、対応するリールの可変表示(回転)を個別に停止させるストップスイッチとなる左ストップボタン6L、中ストップボタン6C、右ストップボタン6R、メダル投入口2下流のメダル詰り時に押すメダル返却ボタン20、ドアキー穴8Kを備える。
リールパネル8には、現時のクレジット数を表示させるクレジット表示器DL1、入賞による払出メダル枚数を表示させるペイアウト表示器DL2、充当掛けメダルが1枚、2枚、3枚になる毎に点灯させる1〜3枚ランプEL1〜3、掛けメダルが受付可能なとき点灯させるベットランプELb、スタートレバー5による始動操作が可能なとき点灯させるスタートランプELs、再遊技に係る図柄の組合せが表示されたとき点灯させるリプレイランプELrを含む遊技基本ランプ類30を備える。
また、ストップボタン6L,6C,6Rを押す順番に正解した時に投入メダル数を超える高配当のメダルが払出される押し順小役についての正解の押し順や狙うべき図柄を報知させるいわゆるアシストタイム(以下、ATという)の作動中に、液晶表示装置70でのナビ報知と共に必要に応じて点灯させるランプであって、左ストップボタン6Lを押すべきときに点灯させる左停止ランプ71、中ストップボタン6Cを押すべきときに点灯させる中停止ランプ72、右ストップボタン6Rを押すべきときに点灯させる右停止ランプ73を含む演出表示装置7を構成する遊技演出ランプ類700を備える。
ベットランプELbの点灯時、掛けメダルが0の状態でメダル投入口2からメダル1枚を入れると1枚ランプEL1が点灯し、さらに1枚入れると2枚ランプEL2が点灯し、さらに1枚入れると3枚ランプEL3が点灯し、規定数に達する。規定数の掛けメダルになると、スタートランプELsが点灯し、スタートレバー5による始動操作が可能となる。規定数に達した状態からスタートレバー5を操作しないでメダル投入口2にさらにメダルを入れると、クレジット表示器DL1のカウンタを進め、所定上限数である50枚まで貯留可能となる。入賞により払出されたメダルも50枚まではクレジットに加算され、50枚を超えて払出されたメダルは、メダル払出口8Mからメダル受皿8Gに受止められる。
図2に示すように、各リール1L,1C,1Rは、同一径に対応させるリール帯10L,10C,10Rにより、第1図柄数として21個の各図柄に均等ステップ数24を割付けた21コマリール、又は、第2図柄数として20個の各図柄に不均等ステップ数26,24を割付けた20コマリールを構成している。各リール帯10L,10C,10Rの外周面には、赤7、白7、バー、チェリー、スイカ1、スイカ2、ベル、リプレイ、ブランク1、ブランク2の全10種類の図柄を、21コマリールでは図柄番号0〜20(丸で囲む番号)に対応させ、20コマリールでは図柄番号0〜19(丸で囲む番号)に対応させ、それぞれ独特の縦の並びに従って印刷等により描いており、エンドレスに図柄をスクロールさせる。21コマリールと20コマリールとは、機種に応じてどちらか一方が採用される。なお、実際のリール帯10L,10C,10R上に、図柄番号や図柄名やステップ数が印刷等されていないのは言うまでもない。
20コマリールにおける不均等ステップ数は、ステップ数の多い方を26、ステップ数の少ない方を24とし、その差を2以上の偶数具体的には最も好ましい例として2ステップとしており、且つ、何れも偶数としている。20コマリールにおける0を含む図柄番号0〜19を5で割った整数解の余りが奇数となる図柄番号1,3,6,8,11,13,16,18に対応する各図柄に少ない方の偶数ステップ数である24ステップを割付け、その他の図柄番号0,2,4,5,7,9,10,12,14,15,17,19の各図柄に多い方の偶数ステップ数である26ステップを割付けている。こうして、ステップ数26を割付ける図柄とステップ数24を割付ける図柄とを所定の繰返しパターン(「26,24,26,24,26」の4回繰返しパターン)により配置し、不均等ステップ数を割付ける20コマリールにおいても、各リール1L,1C,1Rの外周に各図柄をほぼ均等に分散して配置している。
図3に示すように、各リール1L,1C,1Rは、ステッピングモータSM(12L,12C,12R)の駆動軸たるシャフトSHに直結させる中心部のハブ13と、放射状に延びる複数本例えば4本のスポーク14と、各リール帯10L,10C,10を巻回して貼付ける左右のリング15a,15bと複数の連結片15cをもつリム15とを構成要素にもち、これら各構成要素を光透過性又は光反射性のよい素材例えば透明樹脂材料で形成したリールドラム16を有する。各リール1L,1C,1Rに設けるインデックスID(1Li,1Ci,1Ri)は、リールドラム16の3本のスポーク14に設ける爪穴17aに二股爪17bを係合させる3箇所の取付部17を介して取付け、正転時のオンエッジ部18aとオフエッジ部18bを見込む角度が180度で、丁度半周ずつオン期間とオフ期間とが生起される半円弧状で、且つ遮光性のよい素材例えば黒色樹脂材料で形成した帯部品18から成る。
3箇所の取付部17による3点支持により帯部品18は、両端が突っ張り且つ真ん中が中心に向けて押され、シャフトSHの中心から等距離の弓状に良好に保持される。帯部材18は、静止部材側に支持するホトセンサから成る各インデックスセンサIDs(11L,11C,11R)のギャップGP中を通過する。帯部品18がギャップGPの光を遮るオンエッジ部18aの通過とその光を再び通過させるオフエッジ部18bの通過が丁度半周毎に現れ、一回転中、2箇所のリール変位角すなわちオンエッジ対応角とオフエッジ対応角とで、ステッピングモータSMに供給する励磁パルスのステップ数を補正可能にしている。備考欄では、光の遮断及び通過位置に楔の先端を向けた簡略表記によりインデックスセンサIDsを示している。各インデックスセンサIDs及び各ステッピングモータSMは、筐体内の収めるリールボックスの構成要素の一つとなるモータプレート19に支持している。
20コマリールでは、例えば、表示窓80中の中段等に定める基準位置に対し、図柄番号0番の図柄が通過し始めるときにオンエッジ部18aがインデックスセンサIDsに到達してインデックスセンサIDsがオフからオンに切換わるオンエッジが検出され、図柄番号0番から180度変位した図柄番号10番の図柄が通過し始めるときにオフエッジ部18bがインデックスセンサIDsから離間してインデックスセンサIDsがオンからオフに切換わるオフエッジが検出される。オンエッジの検出時、一回転分の総ステップ数の0補正値として、基準位置を通過する現在図柄の図柄カウンタFGCに図柄番号0番を、コマ単位のステップ数を管理するステップカウンタSPCに図柄番号0番のステップ数26に対応した降順管理(25〜0)による初期ステップ数25を上書きにより各格納する。オフエッジの検出時、一回転分の総ステップ数の半分の252補正値として、図柄カウンタFGCに図柄番号10番を、ステップカウンタSPCに図柄番号10番のステップ数26に対応した初期ステップ数25を上書きにより各格納する。なお、図柄カウンタFGC及びステップカウンタSPCは、各リール1L,1C,1R毎に主制御装置MCのRAM上に設けている。
21コマリールでは、同じく、表示窓80中の中段等に定める基準位置に対し、図柄番号0番の図柄が通過し始めるときにオンエッジが検出され、図柄番号0番から180度変位した図柄番号11番の図柄の丁度真ん中が通過し始めるときにオフエッジが検出される関係となる。オンエッジの検出時、一回転分のステップ数の0補正値として、図柄カウンタFGCに図柄番号0番を、ステップカウンタSPCに図柄番号0番のステップ数24に対応した降順管理による初期ステップ数23を上書きにより各格納する。オフエッジの検出時、一回転分のステップ数の半分の252補正値として、図柄カウンタFGCに図柄番号11番を、ステップカウンタSPCに図柄番号11番のステップ数24に対応した中央ステップ数12を上書きにより各格納する。
なお、基準位置は有効ラインと必ずしも一致させる必要はなく、表示窓80中の上段や下段に定めてもよいし、表示窓80外に定めてもよい。基準位置と有効ラインとが異なる場合には、基準位置に停止対象とする図柄を停止させると、有効ラインに当せん役に対応した図柄が表示される関係になるように停止対象の図柄を決定することになる。インデックスIDは、180度の帯部材18に代えて120度等の任意角度の帯部材でもよく、この場合、オンエッジ検出時又はオフエッジ検出時の補正値を、それぞれのオンエッジ対応角又はオフエッジ対応角に適合する値にする。また、帯部材に代え、シャフトSHに一体化するディスクによりオンエッジとオフエッジを検出する方式でもよい。さらに、小突起等から成る一つのインデックスを複数箇所に配置する2個以上のインデックスセンサによりその通過等を検出し、一回転中に2以上の補正を可能にしてもよい。
図4に示すように、遊技機筐体8Bの内部に組込む制御装置CNは、遊技機規則でいう主基板に対応する主制御装置MCと、この主制御装置MCから一方向性通信仕様に従って送信する情報を受信する遊技機規則でいう「周辺基板」に対応する周辺制御装置SCとを含む。一方向性通信仕様とは、主基板に関して遊技機規則で規定する「周辺基板が送信する信号を受信することができるものでないこと」を満たす通信仕様をいう。
主制御装置MCは、メインCPU、ROM、RAMを備える。入力ポートI1に、各インデックスセンサ11L,11C,11R、各ストップボタン6L,6C,6R、ベットボタン3、精算ボタン4、スタートレバー5、メダル投入口2の下流に設ける投入メダルセンサ21、遊技機筐体8Bに内蔵するメダル払出装置HPの出口に設ける払出メダルセンサ23の各信号を入力している。出力ポートO1から、各ストップボタン6L,6C,6Rの内蔵LED61,62,63を、モータドライバ回路Dr1を介して各ステッピングモータ12L,12C,12R(SM)を、LEDドライバ回路Dr2を介して遊技基本ランプ類30を、ソレノイドドライバ回路Dr3を介してリール始動後に追投入されるメダルをメダル受皿8Gに落すメダルブロッカー22を、モータドライバ回路Dr4を介してメダル払出装置HPのメダル払出モータ24を各制御している。
主制御装置MCのROM上には、規定数の掛けメダルの投入下、スタートレバー5の操作を契機に、例えば、第1種特別役物に係る役物連続作動装置RBBと第2種特別役物に係る役物連続作動装置CBBとによる特別役、メダルを獲得できる押し順小役を含む複数の入賞役(小役)、次遊技を新たなメダルの投入無しで行える複数の再遊技役(リプレイ)等、予め定めた役の当否を決定する内部抽せんを実行する内部抽せん手段Kを構築している。有効ライン(中段)上の「左図柄」−「中図柄」−「右図柄」の組合せで示すと、RBBは「バー」−「バー」−「バー」の表示で作動し、CBBは「リプレイ」−「ベル」−「ベル」の表示で作動し、再遊技役は「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」等の表示で作動し、小役は「ベル」−「ベル」−「ベル」等の表示で入賞となる。内部抽せんでは、スタートレバー5の操作時、主制御装置MCのRAM上で高速更新する例えば2バイトカウンタから抽出する乱数値が、その取り得る0〜65535の範囲内において役に対応づけて区分した何れの当せんエリアに属する否かかで当該ゲームでの当せん役を決定している。
また、主制御装置MCのROM上には、スタートレバー5の操作後で且つ前遊技の開始から最低遊技間隔の4.1秒経過後に各リール1L,1C,1Rを正転側に加速処理して定常回転速度に到達させる遊技機規則第6条別表第二(3)ロでいう回胴回転装置を制御する回胴回転装置制御手段V1と、各リール1L,1C,1Rを対応するストップボタン6L,6C,6Rの操作により個別に停止させて有効ラインに内部抽せんで決定した当せん役に対応した図柄の組合せの表示を許容させる同別表第二(3)ハでいう回転停止装置を制御する回転停止装置制御手段V2を含むリール制御手段Vを構築している。
回胴回転装置制御手段V1には、各リール1L,1C,1Rそれぞれについて、定常回転到達前及び定常回転下で電源が停電等で落ちた後の電断復帰時を含む非定常回転下で非セット状態のオフとするインデックスフラグを定常回転下でインデックスIDの検出があったときにセット状態のオンとするインデックスフラグ設定手段V10を設けている。
また、回胴回転装置制御手段V1には、各リール1L,1C,1Rそれぞれについて、非定常回転速度から定常回転速度に到達した後に最先にインデックスIDを検出したとき、この最先検出に係る一のリール変位角(オンエッジ対応角又はオフエッジ対応角)に対応した補正値によりステッピングモータSMの励磁パルスのステップ数を初回補正する初回補正手段V11と、初回補正に係る一のリール変位角を他のリール変位角と区別するための情報を、補正ポイントフラグIPFを初期値0からオンエッジ対応の1又はオフエッジ対応の2に書換え等することにより記憶する初回補正情報記憶手段V12と、初回補正の後、少なくともストップボタン6L,6C,6Rの操作がされるまで、初回補正情報記憶手段V12の記憶に基づく初回補正に係る一のリール変位角でのインデックスIDの検出時に、この一のリール変位角に対応した補正値により励磁パルスのステップ数を補正する第2回目以降補正手段V13と、初回補正の後、初回補正情報記憶手段V12の記憶に基づく初回補正に係らない他のリール変位角でのインデックスIDの検出時に、励磁パルスのステップ数を補正しない第2回目以降非補正手段V14とを設けている。
なお、回胴回転装置制御手段V1による加速処理中、全リール1L,1C,1Rの全図柄に対して、内部抽せんで決定した当せん役に応じて、再遊技役>入賞役(小役)>特別役の順に従う役別優先順位付けと、当せん役が入賞役(小役)の場合には、払出枚数が多い高配当の小役を優先引込みする枚数優先及び図柄の組合せの種類が多い小役を優先引込みする個数優先に対応させる役内優先順位付けとをした停止候補検索データをRAM上で初期作成し、回転停止装置制御手段V2でする停止制御に備える。
回転停止装置制御手段V2による第1番目の停止では、ストップボタンによる停止操作を検出して停止要求フラグがオンとなったときに基準位置に既に到達している図柄カウンタFGCの現在図柄よりも上流に連続する0コマ目(即止め)、1コマ目、2コマ目、3コマ目、4コマ目の原則5コマの後続図柄(CBB中の1以上の特定のリール例えば右リール1Rの停止については図柄カウンタFGCの現在図柄よりも上流に連続する0コマ目(即止め)、1コマ目の原則2コマの後続図柄)について、加速処理中に作成した停止候補検索データに基づき、最も優先順位の高い最上位の図柄を検索するロジック演算を行うと共に、最上位の図柄が複数ある場合は予めROM上で定義した停止テーブルを参照することにより、最も引込み優先順位の高い唯一の停止図柄を決定する。そして、決定した停止図柄が基準位置に到達するタイミング、すなわち図柄カウンタFGCが決定した停止図柄の図柄番号に更新され且つステップカウンタSPCの値が停止図柄に対応する降順管理による初期ステップ数に更新されたときに、第1停止に係るリールのステッピングモータSMに全相励磁等による停止パルスを供給する。
第1停止が完了すると、次のストップボタンの操作を受付可能とするまでの停止操作間隔期間中(例えば約200msの間)に、第1停止による表示出目に応じて、表示の対象外となる図柄及び又は図柄の組合せの種類の数が変わることとなる図柄について、未停止リールの停止候補検索データを書き換え、第2番目以後の停止に備える。第2番目の停止では、停止要求フラグがオンとなったときに基準位置に到達している図柄の上流に連続する同じく原則5コマ等の後続図柄について、第1番目の停止後に書き換えた停止候補検索データに基づき、上記同様なロジック演算あるいはロジック演算及び停止テーブルの参照により、最も引込み優先順位の高い唯一の停止図柄を決定し、決定した停止図柄が基準位置に到達するタイミングで同様に停止パルスを供給する。
第2停止が完了すると、最後のストップボタンの操作を受付可能とするまでの停止操作間隔期間中(例えば約200msの間)に、第1,第2停止による表示出目に応じて、表示の対象外となる図柄及び又は当せんしていない役の完成を阻止するために蹴飛ばして停止不可とする図柄について、未停止リールの停止候補検索データを書き換え、第3番目の停止に備える。第3番目の停止では、停止要求フラグがオンとなったときに基準位置に到達している図柄の上流に連続する同じく原則5コマ等の後続図柄について、第2番目の停止後に書き換えた停止候補検索データに基づき、上記同様なロジック演算あるいはロジック演算及び停止テーブルの参照により、最も引込み優先順位の高い図柄で且つ当せんしていない役が完成することのない唯一の停止図柄を決定し、決定した停止図柄が基準位置に到達するタイミングで同様に停止パルスを供給する。
こうして、全リール1L,1C,1Rの停止が完了し、1回の遊技の結果が導出される。第1停止、第2停止、第3停止それぞれの停止操作がされた後、それぞれの停止操作に基づいてリールが停止に至るまでの滑り期間中に、初回補正情報記憶手段V12の記憶に基づく初回補正に係る一のリール変位角でインデックスIDが検出されても、インデックスフラグがセット状態のオンにあり、かつ、リールの停止操作がされた停止要求フラグがオンであることを条件に、励磁パルスのステップ数の補正をしないで停止処理を行うこととしている。この非補正停止処理手段V21は回転停止装置制御手段V2に設けている。
非補正停止処理手段V21の作動を、停止要求フラグのオンだけでなく、インデックスフラグのオンを条件としているのは、定常回転後に一旦オンになったインデックスフラグがオフとなる電断復帰がなかったことを担保するためである。よって、インデックスフラグがオフの場合、非補正停止処理手段V21は作動させず、改めて、定常回転後の最先検出に係るインデックスの検出により、インデックスフラグをオンにすると共に初回補正を行うことになる。この場合、電断前に一旦オンとなった停止要求フラグは、無効にしてもよいが、有効とする場合は、インデックスフラグをオンとし且つ初回補正をした後の次割込以降で行う停止制御に用いることになる。
また、主制御装置MCのROM上には、遊技結果が入賞なら所定配当数のメダルを払出すメダル払出手段P、遊技結果が再遊技の作動なら次ゲームの掛けメダルを同一規定数で自動投入するメダル自動投入手段N、遊技結果が特別役内部中や役物作動中等への遊技状態の移行を伴うのなら遊技状態を移行させる遊技状態移行手段J、内部抽せんに引き続いて実行するフリーズ抽せん(ここでいうフリーズは本来の遊技進行を中断して所定の演出を行うこと)により当せん役別に定めた所定確率に基づいて今回ゲームの開始時又は次ゲーム以後の開始時に各リール1L,1C,1Rを逆回転等させる所定の回胴演出の当否を決定するフリーズ抽せん手段F、その当せんに係る回胴演出を実行させる回胴演出実行手段Gを構築している。
さらに、主制御装置MCのROM上には、アシストタイムATの作動を内部当せん役等と関連付けた所定作動条件下で決定するAT作動決定手段H1、アシストタイムATの作動を延長させることとなる継続ゲーム数等の上乗せを内部当せん役等と関連付けた所定上乗せ条件下で決定するAT上乗せ決定手段H2、アシストタイムATの作動決定から作動終了までを管理するAT継続管理手段H3、押し順小役についての正解押し順等のAT指示情報を主制御装置MCで管理するペイアウト表示器DL2の表示機能を借りて構築するメインモニタMAに出力させると共に周辺制御装置SCで管理する液晶表示装置70等に出力させるAT指示情報出力手段H4を構築している。
周辺制御装置NCは、サブCPU、ROM、RAMを備える。入力ポートI2に、主制御装置MCからの送信情報、ジョグダイヤルJDの信号を入力している。出力ポートO2から、ランプドライバ回路Dr5を介して表示窓80に臨む9つの図柄をリール帯10L,10C,10Rの背面から照明するリールバックランプBL1〜9を、LEDドライバ回路Dr6を介して遊技演出ランプ類700を、LCDドライバ回路Dr7を介して液晶表示装置70を、LEDドライバ回路Dr8を介して装飾ランプ88を、パワーアンプ回路Dr9を介してスピーカ91〜94を各制御している。
主制御装置MCからの送信情報すなわち周辺制御装置NCの受信情報には、ベットボタン3の操作情報を含むメダル投入情報、スタートレバー5の操作情報を含むリール始動情報、内部抽せんによる当せんフラグ情報、ストップボタン6L,6C,6Rの操作情報、遊技結果情報、遊技状態情報、フリーズ及び回胴演出情報、AT作動情報、AT指示情報、AT上乗せ情報、AT終了情報、エラー情報等、主制御装置MCで検出し又は決定若しくは実行する各種情報が含まれる。
周辺制御装置NCのROM上には、主制御装置MCからの受信情報に基づいて、液晶表示装置70等にAT指示情報出力手段H4から出力するAT指示情報に従ったナビ例えば正解押し順が「左中右」ならストップボタン位置に対応させて「123」等を表示させるナビ手段X1、ナビ手段X1の表示に連動してスピーカ91〜94から操作すべきストップボタンが左か中か右かを音声で知らせる音声ナビ手段X2、遊技状態、回胴演出、AT期間等に応じて液晶表示装置70に映し出す動画展開等を変更表示させる演出表示手段Y1、これに連動してスピーカ91〜94から効果音やBGMを出音させる効果音出力手段Y2を構築している。
図5に示すように、各ステッピングモータSMは、鉄芯外周に多数のロータ小歯をもつ永久磁石内蔵式のロータRmと、磁極内周に複数のステータ小歯をもつ複数組の磁極にA相、B相、C相(Aバー相(Aの反転相))、D相(Bバー相(Bの反転相))の巻線を巻回したステータSwとを有し、一の巻線をオンにする1相励磁パルスを供給するステップと、一の巻線及び隣接する他の巻線をオンにする2相励磁パルスを供給するステップとを交互に繰返す1−2相励磁により、励磁パルスの1ステップ更新により半ステップ角(2ステップ更新により1ステップ角)ずつ変位させる。また、励磁パルスのステップ更新方向を変更することにより正転と逆転とを可能にしている。
各ステッピングモータSMは、1ステップ角が約1.43度、励磁パルスを1ステップ更新する割込み時間tは1.49ms、504ステップで一回転する仕様のものを用いている。よって、定常時、20コマリールも、21コマリールも、各リール1L,1C,1Rを1.49ms×504≒751msで一回転させて1分間に約79.9回転させる。ステッピングモータSMは、同期はずれとなるいわゆる脱調が起こらない限り、定常回転時、504回のステップ更新により丁度一回転する。図柄が一コマ移動するのに要する時間は、20コマリールでは平均約37.6ms、21コマリールでは約35.8msとなり、遊技機規則において通常時のリール停止操作から停止までの規定時間が「190ms以内」というのは、((190÷37.6)−1)の整数解=4コマ、((190÷35.8)−1)の整数解=4コマが許容される最大滑りコマ数となる。
各ステッピングモータSMを停止させる停止パルスは、[b]の停止シーケンスに示すように、A相、B相、C相、D相の各巻線を所定時間(例えば135割込に相当する201.15ms)について全てオンにする全相励磁パルスを用いている。最先のインデックスID検出に基づく初回補正時の励磁パルスを1相励磁とし、一図柄のステップ数を何れも偶数としているため、各図柄に対するステップ更新は1相励磁で始まり2相励磁で終わり、原則的に全相励磁パルスを供給する直前の励磁パルスは2相励磁となる。2相励磁の次に全相励磁パルスを供給すると、ステッピングモータSMのロータRmは、もう1/2角以上変位して、ステータSmとの物理的関係が、2相励磁位置よりも安定な1相励磁位置に対応した位置で停止される。慣性により、最大8ステップ更新分程度滑って停止することがあるが、この場合にも、1相励磁位置に対応した位置で停止する。よって、2相励磁の次に全相励磁パルスを供給すると、全体として滑らかで綺麗な停止が行える。所定時間の全相励磁による停止パルスの供給後、A相、B相、C相、D相の各巻線を全てオフにする励磁開放を行う。なお、停止パルス自体は、全相励磁に代え、所定時間の3相励磁や2相励磁としてもよい。
加速処理は、[c]の加速シーケンスに示すように、前回の全相励磁パルスの印加直前の2相励磁パルスパターンから励磁を始め、最初は35割込時間(35t=52.15ms)の長いオン時間の2相励磁、このオン時間を管理するシーケンスカウンタの1減算結果(1割込毎の減算結果)が0となった次のステップ更新で5割込時間の1相励磁、以後、8割込時間の2相励磁、2割込時間の1相励磁、5割込時間の2相励磁等と徐々にオン時間を短くしていき、約134ms経過後に定常回転速度に到達させる。全リール1L,1C,1Rについて、定常回転に到達後、最先のインデックスID検出に基づいて初回補正をした後、各ストップボタン6L,6C,6Rの内蔵LED61,62,63を点灯させてストップボタン6L,6C,6Rによる停止操作を受付可能にする。なお、定常回転に到達した旨の判定は、加速処理に要した時間約134msの経過後0〜数十ms例えば50msの所定の停止禁止期間を確保した後としてもよい。
図6に、1.49msの1割込時間毎にする各リール1L,1C,1Rの各ステッピングモータSMの制御フローを示す。先ず、ステッピングモータSMのモータ状態が、停止状態、加速状態、定常回転状態、停止中状態(停止状態に至るまでの過渡的状態)の何れにあるかを管理するRAM上に設けるモータ状態フラグを確認する(ステップs1、以下、s+ステップ番号で表記する)。停止状態なら何もせず即終了となる(s2でYES)。s3でYESとなる加速状態は、スタートレバー5の操作後で且つ前遊技の開始から最低遊技間隔の4.1秒経過後にセットされる。加速処理では、シーケンスカウンタの1減算結果が0になる毎に(s4でYES)、図5[c]の加速シーケンスの励磁パルスパターンを順にセットし(s5)、加速シーケンスが終了しないうちは(s6でNO)、セットした励磁パルスパターンのオン時間に対応した割込数をシーケンスカウンタにセットする(s7)。加速シーケンスが終了すると(s6でYES)、補正ポイントフラグIPFに初期値0をセットし(s8)、モータ状態を定常回転状態にセットする(s9)。
定常回転状態になると(s10でYES)、1割込毎に1相励磁パターン又は2相励磁パターンを交互にセットし(s11)、今回2相励磁(次回1相励磁)であるとき(s12でYES)、又は、インデックスセンサIDsの検出結果に変化がなくインデックスIDのエッジ検出が未だないとき(s13でNO)、所定上限を超えて長期間インデックスIDのエッジが検出されない上限逸脱による回転エラーの有無を判定する(s14)。上限逸脱による回転エラーがないとき(s14でNO)、一図柄のステップ数を管理するステップカウンタSPCが既に0に達している場合は(s15でYES)、図柄カウンタFGCの現在図柄番号を更新し(s16)、更新した図柄番号に対応するステップ数の初期値をステップカウンタSPCにセットする(s17)。ステップカウンタSPCが0に達していない場合は(s15でNO)、ステップカウンタSPCを1減算して更新する(s18)。
定常回転処理において、インデックスセンサIDsの検出結果が変化してインデックスIDのエッジが検出されても(s13でYES)、未だインデックスフラグがオンされていないとき(s19でNO)、インデックスセンサIDsがオフからオンに変化するオンエッジの検出であった場合は(s20でYES)、補正ポイントフラグIPFが未だ初期値0のとき(s21でYES)、定常回転状態にあるかを再確認した後(S22でYES)、補正ポイントフラグIPFにオンエッジ対応角にて初回補正をする旨の「1」をセットし(S23)、インデックスフラグをオフからオンにし(S24)、オンエッジ補正により初回補正をする(S25)。この初回補正後、補正ポイントフラグIPF=1に基づいて(S26でYES)、オンエッジ補正により第2回目以降の補正がされる(S25)。初回補正がオンエッジ補正でなくオフエッジ補正となる場合は、オンエッジが検出されても、IPFが1でないことに基づいて(S26でNO)、オンエッジ補正はされない。
図7に示すように、オンエッジ補正では、一回転分の総ステップ数の0補正値として、20コマリールでは、図柄カウンタFGCに図柄番号0番を、ステップカウンタSPCに図柄番号0番のステップ数26に対応した初期ステップ数25を上書きにより各格納し、21コマリールでは、図柄カウンタFGCに図柄番号0番を、ステップカウンタSPCに図柄番号0番のステップ数24に対応した初期ステップ数23を上書きにより各格納する。こうして、オンエッジ対応角での最先検出に係るオンエッジ検出による初回補正がされる。オン期間が本来の252ステップより長い254ステップとなり、理想よりも実際のオフエッジ部18bが長く、254ステップ目でオフエッジが検出されても、ここでの補正はされない。第2回目以降は、初回補正と同じオンエッジの検出のみにより、一回転に一回ずつオンエッジ補正がされることになる。
一方、図6の定常回転処理において、インデックスセンサIDsの検出結果が変化してインデックスIDのエッジが検出されても(s13でYES)、未だインデックスフラグがオンされていないとき(s19でNO)、インデックスセンサIDsがオンからオフに変化するオフエッジの検出であった場合は(s20でNO)、補正ポイントフラグIPFが未だ初期値0のとき(s27でYES)、定常回転状態にあるかを再確認した後(s28でYES)、補正ポイントフラグIPFにオフエッジ対応角にて初回補正をする旨の「2」をセットし(s29)、インデックスフラグをオフからオンにし(s30)、オフエッジ補正により初回補正をする(s31)。この初回補正後、補正ポイントフラグIPF=2に基づいて(s32でYES)、オフエッジ補正により第2回目以降の補正がされる(s31)。初回補正がオフエッジ補正でなくオンエッジ補正となる場合は、オフエッジが検出されても、IPFが2でないことに基づいて(s32でNO)、オフエッジ補正はされない。
図8に示すように、オフエッジ補正では、一回転分の総ステップ数の半分の252補正値として、20コマリールでは、図柄カウンタFGCに図柄番号10番を、ステップカウンタSPCに図柄番号10番のステップ数26に対応した初期ステップ数25を上書きにより各格納し、21コマリールでは、図柄カウンタFGCに図柄番号11番を、ステップカウンタSPCに図柄番号11番の中央ステップ数12を上書きにより各格納する。こうして、オフエッジ対応角での最先検出に係るオフエッジ検出による初回補正がされる。オフ期間が本来の252ステップより短い250ステップとなり、理想よりも実際のオンエッジ部18aが長く、502ステップ目でオンエッジが検出されても、ここでの補正はされない。第2回目以降は、初回補正と同じオフエッジの検出のみにより、一回転に一回ずつオフエッジ補正がされることになる。
図6の定常回転処理において、インデックスIDのエッジが検出され且つインデックスフラグがオンのときは(s19でYES)、所定下限を超えて短期間のうちにインデックスIDのエッジが検出される下限逸脱による回転エラーの有無を判定し(s33)、回転エラーがない場合は(s33でNO)、インデックスフラグがオンであることを再確認した(s34)直後に停止要求フラグのオンを確認し(s35)、インデックスフラグがオンで且つ停止要求フラグがオンのとき(s34でYES且つs35でYES)、インデックスIDのエッジの検出による補正は行わずに、ステップカウンタSPCの更新等(s15〜s18)を経て、停止要求フラグのオンに基づく停止処理を行うことになる(s36)。停止要求フラグがオンで(s36でYES)、図柄カウンタFGCの現在図柄が停止図柄に決定した図柄に更新されて現在図柄=停止図柄となったとき(s37でYES)、インデックスフラグのオンを再確認した後(s38でYES)、停止要求フラグをリセットし(s39)、全相励磁パルスをセットし(s40)、全相励磁時間をセットし(s41)、モータ状態を停止中状態にセットする(s42)。なお、例外的に、 20コマリールでのCBB中の右リール1Rの停止については、停止要求フラグがオンになったときの図柄カウンタの図柄の二つ上の1コマ目の図柄を引き込むと規定制限時間の75msを超過することとなる場合、停止要求フラグがオンになったときの図柄カウンタの図柄を即時停止させるか或いはこの図柄の一つ上の0コマ目の図柄を停止させるようにしている。
モータ状態が停止中状態にある停止中処理では、全相励磁時間を減算し(s43)、その結果が0となってタイムアップした後(s44でYES)、励磁を開放し(s45)、モータ状態を停止状態にセットする(s46)。こうして、各リール1L,1C,1R毎の回転及び停止の制御がされる。なお、上限逸脱又は下限逸脱による回転エラーが検出された場合、モータ状態を加速状態にセットし(s47)、加速処理から処理を繰り返すことになる。上限逸脱による回転エラーの検出(s14)は2相励磁のときに行い、下限逸脱による回転エラーの検出(s33)は1相励磁のときに行うこととしており、エラーを判定するためのカウンタビット数を節約している。
以上の実施形態では20コマリール又は21コマリールを示したが、一リールの図柄数が全16コマで、0を含む4の倍数となる図柄番号0,4,8,12に対応する各図柄に少ない方の偶数ステップ数30を割付け、その他の図柄番号1,2,3,5,6,7,9,10,11,13,14,15の各図柄に多い方の偶数ステップ数32を割付け、最大滑りコマ数を3コマとした16コマリールに適用してもよい。また、アシストタイムATの作動等を主制御装置MCで決定するようにしたが、周辺制御装置SCで決定するようにしてもよい。
回胴式遊技機は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項で規定するぱちんこ屋の営業に供されるのが本来であるが、その他の店舗等の営業に供されるスロットマシンや、同法律の規制が及ばないアーケードゲーム機等にも本発明を適用できる。なお、以上の説明中、確率や数字、図柄の組合せ等は一例示に過ぎないのは言うまでも無い。