JP6744995B2 - 無線タグリーダ、無線タグシステム、及び、無線タグリーダの制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、無線タグの読み取りを行う無線タグリーダ、無線タグリーダを含む無線タグシステム、及び、無線タグリーダの制御方法に関する。
無線タグに格納された情報を、非接触の無線通信により読み取る無線タグリーダが良く知られている。このような無線タグの読み取りを、複数の読み取り位置で行う用途がある。このような用途では、読み取り位置毎に無線タグリーダの設備が必要となり、設置にかかるコストが高くなるという問題がある。
このような問題に関連する技術が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された無線タグリーダは、アンテナを所定範囲で移動させながら無線タグから受信する電波の強度を記録し、電波強度が最大値を記録した座標に無線タグが存在すると識別する。この無線タグリーダを用いて、複数の読み取り位置を含む範囲でアンテナを移動させれば、1つの無線タグリーダで複数の読み取り位置に対応することができる。この場合、読み取り位置毎に無線タグリーダの設備を設ける必要がなく、設置にかかるコストを抑えることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の無線タグリーダは、アンテナの移動範囲を予め定めておく必要があり、移動範囲外に読み取り位置を変更することが難しい。すなわち、特許文献1に記載された無線タグリーダには、複数の読み取り位置で無線タグの読み取りを行う際に、無線タグリーダ数を減らすことはできても、読み取り位置の変更に対する柔軟性が低いという問題がある。
本発明は、上述の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、読み取り位置の変更の場合に対する柔軟性が高い無線タグリーダ、無線タグシステム及び無線タグシステムの制御方法を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る無線タグリーダは、アンテナと、上記アンテナを移動させる移動部と、上記アンテナを介して無線タグに格納された情報を読み取る読取部と、を備え、現在地を示す位置識別子であって、上記アンテナを介して上記読取部が読み取った位置識別子、及び、上記アンテナの移動先を示す位置識別子に基づいて、上記アンテナの移動方向を決定する移動方向決定部と、上記移動先を示す位置識別子を上記読取部が読み取り可能な読取可能領域内まで、上記移動方向決定部が決定した移動方向に上記アンテナを移動させるよう、上記移動部を制御する移動制御部と、を備えている。
また、本発明の一態様に係る無線タグシステムは、上述の無線タグリーダと、上記位置識別子を格納する無線タグと、を含む。
また、本発明の一態様に係る無線タグリーダの制御方法は、アンテナと、上記アンテナを移動させる移動部と、上記アンテナを介して無線タグに格納された情報を読み取る読取部と、を備えた無線タグリーダを制御する方法であって、現在地を示す位置識別子であって、上記アンテナを介して上記読取部が読み取った位置識別子、及び、上記アンテナの移動先を示す位置識別子に基づいて、上記アンテナの移動方向を決定する工程と、上記移動先を示す位置識別子を上記読取部が読み取り可能な読取可能領域内まで、上記移動方向を決定する工程で決定された移動方向に上記アンテナを移動させるよう、上記移動部を制御する工程と、を含む。
本発明の一態様によれば、読み取り位置の変更の場合に対する柔軟性が高い無線タグリーダ、無線タグシステム及び無線タグシステムの制御方法を実現することができる。
以下、本発明の各実施形態について説明する。なお、各実施形態において、同一の構成及び同一の工程には同一の符号を付し重複する説明を省略する。なお、以下の説明において、無線タグとは、情報を格納するIC(Integrated Circuit)チップ、及び、無線通信を行うアンテナからなるタグを指すものとする。無線タグに格納し得る情報としては、無線タグが付される個体を識別するための個体情報の他に、後述する位置識別子、動作制御情報、動作制御識別子等が挙げられる。
なお、以下の各実施形態の説明において、ある地点の「近傍」とは、その地点又はその地点の周辺を指すものとする。また、ある地点の「周辺」とは、その地点に位置する無線タグと通信可能な範囲、又は、その地点に位置する無線タグリーダと通信可能な範囲をいう。
〔第1の実施形態〕
(生産システムの構成)
本発明の第1の実施形態としての無線タグシステム1は、生産システム900に適用される。まず、生産システム900の構成について、図1を参照して説明する。図1は、無線タグシステム1を含む生産システム900の構成を示すブロック図である。
(生産システムの構成)
本発明の第1の実施形態としての無線タグシステム1は、生産システム900に適用される。まず、生産システム900の構成について、図1を参照して説明する。図1は、無線タグシステム1を含む生産システム900の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、生産システム900は、生産対象の物品902が移動する生産ライン909上に、製造装置901_1〜901_Nを有する。ここで、Nは、1以上の自然数である。図1においては、N=3の場合を示しているが、製造装置901_1〜901_Nの個数Nは任意である。生産システム900は、屋内(例えば、工場内)に設置されていてもよいし、屋外に設置されていてもよい。なお、以下では、製造装置901_1、製造装置901_2、及び製造装置901_3のそれぞれを代表して、製造装置901_iと記載する。ここで、iは、1以上N以下の自然数である。物品902は、生産システム900の生産ライン909上を上流から下流に向かって移動する。図1において、破線の矢印は、物品902が移動する方向を示している。なお、製造装置901_1、製造装置901_2、及び製造装置901_3は、互いに同じ種類の製造装置であってもよいし、互いに異なる種類の製造装置であってもよい。なお、製造装置901_iのうち、それぞれの製造装置は、それぞれ、他と同一種類の装置であってもよいし、それぞれ他と異なる種類の装置であってもよい。
物品902には、無線タグ903が付されている。無線タグ903は、本発明の一態様における読み取り対象の無線タグの一例である。無線タグ903は、物品902に関する各種の情報を格納している。例えば、無線タグ903は、物品902の種別を表す情報を格納していてもよい。また、無線タグ903は、物品902の個体を識別する情報を格納していてもよい。また、無線タグ903は、物品902に関するその他の情報を格納していてもよい。また、無線タグ903は、これらの各種情報の任意の組み合わせを格納していてもよい。
製造装置901_iは、生産ライン909上を移動する物品902に対して生産に関わる処理を施す。製造装置901_iに物品902が搬入される搬入口近傍及び搬出される搬出口近傍には、それぞれ、無線タグ903の読み取り位置が定められている。具体的には、製造装置901_1に物品902が搬入される搬入口近傍には、読み取り位置9000_1が定められ、搬出口近傍には、読み取り位置9000_2が定められている。また、製造装置901_2に物品902が搬入される搬入口近傍には、読み取り位置9000_3が定められ、搬出口近傍には、読み取り位置9000_4が定められている。また、製造装置901_3に物品902が搬入される搬入口近傍には、読み取り位置9000_5が定められ、搬出口近傍には、読み取り位置9000_6が定められている。また、生産ライン909上において無線タグリーダ10の移動を開始させる移動開始地点にも、読み取り位置9000_0が定められている。なお、図1では、移動開始地点(すなわち、読み取り位置9000_0)が、他の読み取り位置9000_1〜9006のうち最も上流側にある読み取り位置9000_1よりもさらに上流側に定められている例を示している。ただし、移動開始地点の生産ライン909上での位置は、これに限定されない。例えば、移動開始地点は、他の読み取り位置9000_1〜9006のうち隣り合う2つの読み取り位置の間に定められていてもよい。また、移動開始地点は、他の読み取り位置9000_1〜9006のうち最も下流側にある読み取り位置9000_6よりもさらに下流側に定められていてもよい。また、移動開始地点は、他の読み取り位置9000_1〜9000_6の何れかと同一の位置に定められていてもよい。以下、読み取り位置9000_0〜9000_6のそれぞれを、読み取り位置9000_jとも記載する。なお、jは0以上M以下の自然数であり、Mは1以上の自然数である。本実施形態では、M=6の例を示しているが、無線タグシステム1に定められる読み取り位置9000_jの個数は、任意である。また、本実施形態では、製造装置901_iのそれぞれに定められる読み取り位置が2箇所である例を示しているが、各製造装置901_iに定められる読み取り位置の数は、限定されない。また、読み取り位置9000_jは、図1に示した位置に限定されない。また、各読み取り位置9000_jには、無線タグ90_jが据え置かれる。無線タグ90_jの詳細については後述する。
また、生産ライン909の近傍には、生産ライン909に沿ってレール905が敷設されている。レール905上を、後述の無線タグリーダ10が移動する。
(無線タグシステム全体の構成)
次に、本発明の第1の実施形態に係る無線タグシステム1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図2は、無線タグリーダ10の構成を示すブロック図である。図1に示すように、無線タグシステム1は、無線タグリーダ10と、ホスト装置80と、複数の据え置きの無線タグ90_0〜90_Mとを含む。ここで、Mは、1以上の自然数である。図1においては、M=6の場合を示しているが、無線タグ90_0〜90_Mの個数(M+1)は任意である。なお、以下では、無線タグ90_0、90_1、90_2、90_3、90_4、90_5、及び90_6を代表して、無線タグ90_jと記載する。ここで、jは、0以上M以下の自然数である。無線タグリーダ10は、上述のレール905上を移動可能に構成される。移動方向は、生産ライン909の上流側に向かう上流方向及び下流側に向かう下流方向の何れかである。図1において、一点鎖線の矢印は、無線タグリーダ10が移動可能な方向を示している。
次に、本発明の第1の実施形態に係る無線タグシステム1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図2は、無線タグリーダ10の構成を示すブロック図である。図1に示すように、無線タグシステム1は、無線タグリーダ10と、ホスト装置80と、複数の据え置きの無線タグ90_0〜90_Mとを含む。ここで、Mは、1以上の自然数である。図1においては、M=6の場合を示しているが、無線タグ90_0〜90_Mの個数(M+1)は任意である。なお、以下では、無線タグ90_0、90_1、90_2、90_3、90_4、90_5、及び90_6を代表して、無線タグ90_jと記載する。ここで、jは、0以上M以下の自然数である。無線タグリーダ10は、上述のレール905上を移動可能に構成される。移動方向は、生産ライン909の上流側に向かう上流方向及び下流側に向かう下流方向の何れかである。図1において、一点鎖線の矢印は、無線タグリーダ10が移動可能な方向を示している。
また、図2に示すように、無線タグリーダ10は、アンテナ11と、アンテナ角度制御部111と、移動部12と、読取部13と、制御部14と、電源部15とを含む。制御部14は、移動方向決定部141と、移動制御部142と、動作制御部143と、通信部144とを含む。
アンテナ11及び読取部13は、ケーブル等を介して通信可能に接続される。制御部14は、ケーブル等を介してアンテナ角度制御部111、移動部12、及び読取部13の各部と制御可能に接続される。また、通信部144は、無線ネットワーク、有線ネットワーク又はこれらの組み合わせを介してホスト装置80と通信可能に接続される。また、電源部15は、アンテナ角度制御部111、移動部12、読取部13、及び制御部14の各部に電力を供給するよう、これらの各部と接続される。
(据え置きの無線タグの構成)
次に、据え置きの無線タグ90_jの構成の詳細について説明する。複数の据え置きの無線タグ90_jの各々は、生産ライン909上に設定された読み取り位置9000_j各々の近傍に配置されている。読み取り位置9000_jは、前述のように、移動開始地点と、製造装置901_iの搬入口近傍及び搬出口近傍とに設定されているため、N×2+1(Nは1以上の自然数)箇所となっている。本実施形態において、各読み取り位置9000_j近傍に据え置かれる無線タグ90が1つずつであるとすると、据え置きの無線タグ90_jの個数Mは、N×2+1個となる。なお、据え置きの無線タグ90_jの個数は、必ずしも読み取り位置9000_jの数と同一でなくてもよい。
次に、据え置きの無線タグ90_jの構成の詳細について説明する。複数の据え置きの無線タグ90_jの各々は、生産ライン909上に設定された読み取り位置9000_j各々の近傍に配置されている。読み取り位置9000_jは、前述のように、移動開始地点と、製造装置901_iの搬入口近傍及び搬出口近傍とに設定されているため、N×2+1(Nは1以上の自然数)箇所となっている。本実施形態において、各読み取り位置9000_j近傍に据え置かれる無線タグ90が1つずつであるとすると、据え置きの無線タグ90_jの個数Mは、N×2+1個となる。なお、据え置きの無線タグ90_jの個数は、必ずしも読み取り位置9000_jの数と同一でなくてもよい。
据え置きの無線タグ90_jは、位置識別子を格納している。位置識別子とは、読み取り位置9000_jを識別するIDである。据え置きの無線タグ90_jは、格納される位置識別子によって識別される読み取り位置9000_j近傍に据え置かれる。換言すると、据え置きの無線タグ90_jには、据え置かれた位置近傍の読み取り位置9000_jを識別する位置識別子が格納される。なお、無線タグ90_jが据え置かれる場所としては、例えば、無線タグリーダ10の動線の脇、すなわち、生産ライン909近傍が挙げられる。また、無線タグリーダ10の動線が挙げられる。ただし、無線タグ90_jは、製造装置901_iの内部または表面に据え置かれていても構わない。
ここで、読み取り位置9000_jに変更がある場合、据え置きの無線タグ90_jを更新する2つの手法について説明する。1つ目の手法では、各読み取り位置9000_jに、生産システム900の上流側から下流側に向かって、1から順に自然数の位置識別子が順次付与されることが前提である。この場合、各読み取り位置9000_jに据え置かれた無線タグ90_jには、読み取り位置9000_jの配置順序にしたがって、1から順に自然数の位置識別子が格納されることになる。もし、読み取り位置9000_jに追加や削除があった場合、位置識別子は、読み取り位置9000_jの新たな配置順序にしたがって付与しなおされる。そして、追加された読み取り位置9000_jには新たな無線タグ90_jが据え置かれ、削除された読み取り位置9000_jからは無線タグ90_jが取り除かれる。その上で、各読み取り位置9000_jに据え置かれた無線タグ90_jには、付与し直された位置識別子が、据え置かれた読み取り位置9000_jの配置順序にしたがって、格納されることになる。ただし、格納すべき位置識別子に変更がない無線タグ90_jについては、位置識別子を更新する処理は省略可能である。
2つ目の手法では、ホスト装置80又は制御部14が、生産ライン909上での読み取り位置9000_jの配置順序を表す位置識別子の列を管理することが前提である。このような位置識別子の列を、以降、配置順序情報とも記載する。この場合、各読み取り位置9000_jに据え置かれた無線タグ90_jには、予め、配置順序情報にしたがって位置識別子が格納されることになる。もし、新たな読み取り位置9000_jが追加されるときは、ホスト装置80又は制御部14は、既存の配置順序情報に、新たな読み取り位置9000_jに付与した新たな位置識別子を、新たな読み取り位置9000_jの挿入位置に対応する位置に挿入する。そして、新たな読み取り位置9000_jには、新たな無線タグ90_jが据え置かれ、新たな位置識別子が格納される。また、既存の読み取り位置9000_jが削除されるときは、ホスト装置80又は制御部14は、既存の配置順序情報から、該当する読み取り位置9000_jの位置識別子を削除する。そして、該当する読み取り位置9000_jから、無線タグ90_jが取り除かれる。
このように、自身が据え置かれる読み取り位置9000_jを識別する位置識別子を格納した無線タグ90_jは、読み取り位置9000_jの変更の場合に柔軟に対応できる。これにより、製造装置901_iのレイアウト変更、又は、製造装置901_iの追加や削除がある場合に、柔軟に対応することが可能となる。なお、読み取り位置9000_jに変更がある場合の据え置きの無線タグ90_jを更新する手法は、上述した2つの手法に限定されない。
また、各据え置きの無線タグ90_jは、位置識別子に加えて、動作制御情報を格納している。動作制御情報とは、無線タグリーダ10の移動先において無線タグリーダ10が無線タグ903から情報を読み取る際の、各部の動作を制御する情報である。1つの据え置きの無線タグ90は、複数の動作制御情報を格納していてもよい。また、各動作制御情報には、動作制御識別子が付与されている。
具体的には、動作制御情報は、アンテナ11の角度を指示する情報を含んでいてもよい。また、例えば、動作制御情報は、アンテナ11の出力パワーを指示する情報を含んでいてもよい。また、例えば、動作制御情報は、読取部13の受信感度を指示する情報を含んでいてもよい。また、例えば、動作制御情報は、無線タグ903から読み取る情報の種類を指定する情報を含んでいてもよい。そのような情報を、以下、読取対象指定情報とも記載する。すなわち、動作制御情報は、読取対象指定情報を含んでいてもよい。例えば、読取対象指定情報は、物品902の種別を指定する情報であってもよい。また、例えば、読取対象指定情報は、物品902に関するその他の情報の種類を指定する情報であってもよい。また、例えば、読取対象指定情報は、1つ以上の種別を指定する情報、又は、その他の情報の種類を指定する情報の組み合わせであってもよい。
(ホスト装置の構成)
次に、ホスト装置80の構成の詳細について説明する。ホスト装置80は、プロセッサ、メモリ及びネットワークインタフェースを含むコンピュータ装置によって構成される。ホスト装置80は、無線タグリーダ10に対して、移動先を示す位置識別子及び移動先で適用すべき動作制御識別子の組を送信する。動作制御識別子については後述する。また、ホスト装置80は、無線タグリーダ10から、読み取り位置9000_jを示す位置識別子及び、読み取り位置9000_j近傍に存在する無線タグ903から動作制御識別子に基づき読み取られた情報の組を受信する。ホスト装置80のこれらの機能は、メモリに格納されたプログラム及びデータをプロセッサが読み込んで実行するとともにネットワークインタフェースを介して無線タグリーダ10と通信を行うことにより実現される。
次に、ホスト装置80の構成の詳細について説明する。ホスト装置80は、プロセッサ、メモリ及びネットワークインタフェースを含むコンピュータ装置によって構成される。ホスト装置80は、無線タグリーダ10に対して、移動先を示す位置識別子及び移動先で適用すべき動作制御識別子の組を送信する。動作制御識別子については後述する。また、ホスト装置80は、無線タグリーダ10から、読み取り位置9000_jを示す位置識別子及び、読み取り位置9000_j近傍に存在する無線タグ903から動作制御識別子に基づき読み取られた情報の組を受信する。ホスト装置80のこれらの機能は、メモリに格納されたプログラム及びデータをプロセッサが読み込んで実行するとともにネットワークインタフェースを介して無線タグリーダ10と通信を行うことにより実現される。
例えば、ホスト装置80は、無線タグリーダ10に対して、ある移動先への移動が完了する度に、次の移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組を送信してもよい。あるいは、ホスト装置80は、無線タグリーダ10に対して、移動すべきタイミング毎に、次の移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組を送信してもよい。このような構成は、無線タグリーダ10の移動範囲の大部分において、無線タグリーダ10及びホスト装置80が互いに通信可能である環境に適している。
また、例えば、ホスト装置80は、無線タグリーダ10に対して、移動すべき読み取り位置9000_jの順序に従って、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組を並べた列を予め送信するようにしてもよい。このような位置識別子及び動作制御識別子の組の列を、以降、移動順序情報とも記載する。このような構成は、無線タグリーダ10の移動範囲の大部分において、無線タグリーダ10及びホスト装置80が互いに通信することが困難な環境に適している。
(無線タグリーダの構成)
次に、無線タグリーダ10の各部の構成の詳細について説明する。
次に、無線タグリーダ10の各部の構成の詳細について説明する。
アンテナ11は、アンテナ角度制御部111によって角度を調整可能に構成される。アンテナ角度制御部111は、外部からの制御に基づき動作する。アンテナ11により通信可能な通信エリアの方向は、アンテナ11の角度の調整により変更される。また、アンテナ11は、読取部13から取得した電気信号を電磁波に変換して通信エリア内に放射する。また、アンテナ11は、通信エリア内の無線タグから受けた電磁波を電気信号に変換して読取部13へ提供する。なお、無線タグリーダ10は、1つのアンテナ11に限らず、複数のアンテナ11を含んでいてもよい。その場合、無線タグリーダ10は、アンテナ11毎に、その角度を調整するアンテナ角度制御部111を含む。
移動部12は、無線タグリーダ10全体をレール905上で移動させる。また、移動部12は、外部からの制御に基づき移動可能に構成される。例えば、移動部12は、無線タグリーダ10全体を支持する台座と、レール905上を走行する車輪と、車輪を回転駆動する外部から制御可能な駆動装置とを含んで構成される。
読取部13は、アンテナ11を介して、無線タグに格納された情報を受信する。例えば、読取部13は、アンテナ11を介して読み取りを指示する情報を、近傍に存在し得る無線タグ90_j又は903に向けて送信する。そして、読取部13は、読み取りを指示する情報を受信した無線タグから、アンテナ11を介して当該無線タグに格納された情報を受信することにより読み取る。読み取る情報の一例としては、位置識別子、動作制御識別子、物品識別情報等があるが、これらに限られない。
制御部14は、プロセッサ、メモリ及びネットワークインタフェースを含むコンピュータ装置によって構成される。制御部14の各機能ブロックである移動方向決定部141、移動制御部142、動作制御部143及び通信部144は、メモリに格納されたプログラム及びデータをプロセッサが読み込んで実行するとともにネットワークインタフェースを介してホスト装置80と通信を行うことによりソフトウェアの機能として実現される。ただし、制御部14の各機能ブロックの一部又は全部は、専用のハードウェアにより実現されてもよい。
移動方向決定部141は、現在地を示す位置識別子と、移動先を示す位置識別子とに基づいて、移動方向を決定する。現在地を示す位置識別子は、無線タグリーダ10の現在地近傍の据え置きの無線タグ90_jから読取部13が読み取った位置識別子である。また、移動先を示す位置識別子は、前述のように、ホスト装置80から受信される。なお、移動方向決定部141は、ホスト装置80との通信を、後述の通信部144を介して行う。移動方向とは、現在地から移動先まで無線タグリーダ10を移動させる方向である。ここで、前述のように、無線タグリーダ10は、生産ライン909に沿って移動する。生産ライン909の途中に分岐が無いと仮定すれば、移動方向としては、上流方向及び下流方向の何れかが決定される。このような移動方向決定部141の構成により、本実施形態では、読み取り位置9000_jが分岐のない生産ライン909近傍に設定されている場合に、アンテナ11の移動方向を容易に決定することが可能な無線タグリーダ10を実現できる。また、このような移動方向決定部141の構成により、本実施形態では、読み取り位置9000_jが分岐のない生産ライン909近傍に設定されている場合に、アンテナ11の移動方向を容易に決定することが可能な無線タグシステム1を実現することができる。また、同様に、本実施形態では、読み取り位置9000_jが分岐のない生産ライン909近傍に設定されている場合に、アンテナ11の移動方向を容易に決定することが可能な無線タグリーダの制御方法を実現することができる。
具体的には、移動方向決定部141は、現在地を示す位置識別子及び移動先を示す位置識別子の順序関係に基づいて、移動方向を決定する。この場合、位置識別子間の順序関係は、各位置識別子によって識別される読み取り位置9000_jの生産ライン909上での配置順序関係を表しているものとする。
例えば、前述のように、位置識別子が、配置順序に従った自然数で表されているとする。この場合、移動方向決定部141は、現在地を示す位置識別子と移動先を示す位置識別子との大小関係に基づいて、上流方向及び下流方向の何れかを移動方向として決定する。
あるいは、移動方向決定部141は、前述した配置順序情報を取得してもよい。配置順序情報は、ホスト装置80から受信されてもよいし、制御部14のメモリに予め記憶されていてもよい。この場合、移動方向決定部141は、配置順序情報を参照することにより、移動先を示す位置識別子により識別される読み取り位置9000_jが、現在地を示す位置識別子により識別される読み取り位置9000_jからみて上流側にあるか下流側にあるかを判断する。そして、移動方向決定部141は、判断結果に基づいて、上流方向及び下流方向の何れかを移動方向として決定する。
移動制御部142は、移動方向決定部141が決定した移動方向に無線タグリーダ10を移動させるよう移動部12を制御する。そして、移動制御部142は、ホスト装置80から受信された移動先を示す位置識別子を、アンテナ11を介して読取部13が読み取り可能な読取可能領域内まで無線タグリーダ10が移動すると、無線タグリーダ10の移動を停止するよう移動部12を制御する。
具体的には、移動制御部142は、移動中のアンテナ11を介して読取部13によって読み取られる位置識別子と、移動先を示す位置識別子とに基づいて、無線タグリーダ10が移動先に到達したか否かを判断する。ここでは、移動先に到達するとは、移動先を示す位置識別子が読み取り可能な読取可能領域内の何れかの位置に到達することである。そして、移動制御部142は、無線タグリーダ10が移動先に到達したと判断した場合、無線タグリーダ10の移動を停止させるよう移動部12を制御する。
なお、移動先に到達したとの判断は、移動先を示す位置識別子が、移動中に読取部13により読み取られた位置識別子と初めて一致した時点で行われてもよい。あるいは、移動先に到達したとの判断は、当該時点に基づいて決まるタイミング(例えば、当該時点から所定時間経過後、又は、当該時点から所定距離移動後、等)で行われてもよい。あるいは、移動先に到達したとの判断は、移動先を示す位置識別子を表す情報の受信強度等に基づいて行われてもよい。
受信強度に基づいて移動先に到達したか否かを判断する方法としては、例えば、以下の3つの方法が挙げられる。第1の判断方法は、移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jと通信可能な範囲内にアンテナ11が入っているか否か、換言すれば、アンテナ11が、移動先を示す位置識別子を受信可能であるか否かを判断する方法である。ここで、無線タグ90_jと通信可能な範囲内にアンテナ11が入っているとの判断は、アンテナ11が移動先を示す位置識別子と受信可能であると無線タグリーダ10が判断することにより行われるとする。また、無線タグ90_jと通信可能な範囲内にアンテナ11が入っていないとの判断は、アンテナ11が移動先を示す位置識別子と受信不可であると無線タグリーダ10が判断することにより行われるとする。
第2の判断方法は、移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jにアンテナ11が近接しているか否か、すなわち、アンテナ11が、移動先を示す位置識別子を予め定められた下限値以上の強度で受信しているか否かを判断する方法である。ここで、移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jにアンテナ11が近接しているとの判断は、アンテナ11が、移動先を示す位置識別子を予め定められた下限値以上の強度で受信していると無線タグリーダ10が判断することにより行われるとする。また、移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jにアンテナ11が近接していないとの判断は、アンテナ11が、移動先を示す位置識別子を予め定められた下限値以上の強度で受信していないと無線タグリーダ10が判断することにより行われるとする。
第3の判断方法は、移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jにアンテナ11が第2の判断方法により近接している場合よりも一層近接している(以下、単に一層近接しているとも記載する。)か否か、すなわち、アンテナ11が、移動先を示す位置識別子を最大強度で受信しているか否かを判断する方法である。ここで、移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jにアンテナ11が一層近接しているとの判断は、アンテナ11が、移動先を示す位置識別子を最大強度で受信していると無線タグリーダ10が判断することにより行われるとする。また、移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jにアンテナ11が一層近接していないとの判断は、アンテナ11が、移動先を示す位置識別子を最大強度で受信していないと無線タグリーダ10が判断することにより行われるとする。
移動制御部142は、これら3つの判断方法の少なくとも何れかによって移動先に到達したか否かを判断する。
さらに、移動制御部142は、アンテナ11の移動を停止させる際、上述した3つの判断方法の少なくとも何れかにより得られた判断結果に基づいて、アンテナ11の移動速度(本実施形態のように、アンテナ11が無線タグリーダ10と共に移動する場合は、無線タグリーダ10の移動速度)を制御することができる。
第2の判断方法により得られた判断結果に基づいてアンテナ11の移動速度を制御する方法としては、例えば、以下の3つの方法が挙げられる。第1の制御方法は、第2の判断方法に従い移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jにアンテナ11が近接したと判断された時点で、アンテナ11の減速を開始する方法である。その後、移動制御部142は、例えば、アンテナ11が停止するまで、アンテナ11の移動速度を徐々に低下させる。第2の制御方法は、第2の判断方法に従い移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jにアンテナ11が近接したと判断された時点で、アンテナ11の移動を通常移動から低速移動に切り替える方法である。その後、移動制御部142は、例えば、予め定められた時間に亘ってアンテナ11を低速運転させた後、アンテナ11を停止させる。第3の制御方法は、第2の判断方法に従い移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jにアンテナ11が近接したと判断された時点で、直ちにアンテナ11の移動を停止させる方法である。
また、第1の判断方法及び第2の判断方法により得られた判断結果に基づいてアンテナ11の移動速度を制御する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。まず、移動制御部142は、上述した第1の判断方法に従い移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jと通信可能な範囲内にアンテナ11が入ったと判断された時点で、アンテナ11の減速を開始するか、又は、アンテナ11の移動を通常移動から低速移動に切り替える。その後、移動制御部142は、上述した第2の判断方法に従い移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jにアンテナ11が近接したと判断された時点で、アンテナ11を停止させる。このような制御方法によれば、アンテナ11が、移動先を示す位置識別子を予め定められた下限値以上の強度で受信しているか否かに応じてアンテナ11を停止させることができるので、移動先となる読み取り位置にアンテナ11を近接させることが可能な無線タグリーダ10を実現することができる。
また、第1の判断方法、第2の判断方法、及び第3の判断方法により得られた判断結果に基づいてアンテナ11の移動速度を制御する方法としては、以下の方法が挙げられる。まず、移動制御部142は、上述した第1の判断方法に従い移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jと通信可能な範囲内にアンテナ11が入ったと判断された時点で、アンテナ11の減速を開始するか、又は、アンテナ11の移動を通常移動から低速移動に切り替える。その後、移動制御部142は、上述した第2の判断方法に従い移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jにアンテナ11が近接したと判断された時点で、アンテナ11を一旦停止させる。その後、移動制御部142は、移動先を示す位置識別子の受信強度をモニタしながら、一旦停止した位置の近傍でアンテナ11を往復移動させる。この往復運動において、移動制御部142は、上述した第3の判断方法に従い移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jにアンテナ11が一層近接する地点(以下、単に近接地点とも記載する。)を特定し、特定した地点にアンテナ11を停止させる。このような制御方法によれば、アンテナ11が、移動先を示す位置識別子を最大強度で受信しているか否かに応じてアンテナ11を停止させることができるので、移動先となる読み取り位置にアンテナ11を一層近接させることが可能な無線タグリーダ10を実現することができる。
なお、上記の制御方法においては、上述した第1の判断方法に従い移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jと通信可能な範囲内にアンテナ11が入ったと判断されるまでにおいては、アンテナ11の移動方向、又は、移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jが存在する方向を向くようにアンテナ11の角度を制御してもよい。また、上記制御方法においては、上述した第1の判断方法に従い移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jと通信可能な範囲内にアンテナ11が入ったと判断されるまでにおいては、アンテナ11の出力パワーをハイパワー(通常パワーよりも高い予め定められたパワー)に制御してもよい。また、アンテナ11が減速する間、アンテナ11の移動を通常移動から低速移動に切り替えるまでの間、又は、低速移動後から近接地点を特定する作業を開始するまでにおいては、近接地点の確認用の方向として予め定められた方向を向くようにアンテナ11の角度を制御してもよい。また、上記の制御方法においては、また、アンテナ11が減速する間、アンテナ11の移動を通常移動から低速移動へと切り替えるまでの間、又は、低速移動後から近接地点を特定する作業を開始するまでにおいては、アンテナ11の出力パワーをハイパワーから通常パワーに戻してもよい。このように、第3の判断方法に従い移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jに対する近接地点を特定する作業を開始する前に、近接地点の確認用の方向として予め定められた方向を向くようにアンテナ11の角度を制御することで、特定される近接地点のばらつきを抑えることができる。
動作制御部143は、移動先を示す位置識別子を格納する無線タグ90_jから、読取部13が読み取った1つ以上の動作制御情報を取得する。また、動作制御部143は、読み取った動作制御情報のうち、ホスト装置80から受信した動作制御識別子に対応する動作制御情報を特定する。そして、動作制御部143は、特定した動作制御情報に基づいて、無線タグリーダ10の自装置の各部(以下、段落の内容によっては単に各部とも記載する場合がある。また、具体的な構成については後述する。)を制御する。
例えば、特定した動作制御情報に、アンテナ11の角度を指示する情報が含まれているとする。この場合、動作制御部143は、当該情報にしたがって、角度を調整するようアンテナ角度制御部111を制御する。また、例えば、特定した動作制御情報に、アンテナ11の出力パワーを指示する情報が含まれているとする。この場合、動作制御部143は、当該情報にしたがって、出力パワーを調整するようアンテナ11を制御する。また、例えば、特定した動作制御情報に、読取部13の受信感度を指示する情報が含まれているとする。この場合、動作制御部143は、当該情報にしたがって、受信感度を調整するよう読取部13を制御する。また、例えば、特定した動作制御情報に、読み取る情報を指定する条件が含まれているとする。この場合、動作制御部143は、当該条件にしたがって、移動先近傍に存在する無線タグ903から読み取った情報をフィルタリングする。
また、動作制御部143は、移動先近傍に存在する無線タグ903から読取部13が読み取った読取情報と、当該移動先を示す位置識別子とを、ホスト装置80に送信する。なお、読取情報は、無線タグ903に格納された情報であり、例えば、後述する物品識別情報である。また、ホスト装置80への送信は、後述の通信部144を介して行われる。例えば、動作制御部143は、ホスト装置80に対して、移動先近傍に存在する無線タグ903から読取情報が読み取られる度に、当該読取情報及び当該位置識別子の組を送信してもよい。このような構成は、無線タグリーダ10の移動範囲の大部分において、無線タグリーダ10及びホスト装置80が互いに通信可能である環境に適している。
また、例えば、動作制御部143は、移動先近傍に存在する無線タグ903から読取情報を読み取る度に、当該読取情報と、当該移動先の読み取り位置9000_jを示す位置識別子とを関連付けてメモリに蓄積してもよい。この場合、動作制御部143は、ホスト装置80に対して、所定のタイミングで、メモリに蓄積した情報及び位置識別子の組を一括して送信してもよい。この場合、所定のタイミングとは、例えば、ホスト装置80との通信が可能となったタイミングであってもよいし、ホスト装置80から送信指示を受けたタイミングであってもよい。あるいは、所定のタイミングとは、所定の読み取り位置9000_jに到達したタイミングであってもよい。このような構成は、無線タグリーダ10の移動範囲の大部分において、無線タグリーダ10及びホスト装置80が互いに通信することが困難な環境に適している。
通信部144は、ホスト装置80との間で通信を行う。なお、通信部144は、ホスト装置80間との間の通信を、無線ネットワーク、有線ネットワーク又はこれらの組み合わせを介して行う。
電源部15は、無線タグリーダ10の各部に電力を供給する。また、電源部15は、充電可能に構成され、例えば、前述した移動開始地点において、電源(図示せず)から供給される電力により充電されるよう構成されていてもよい。
(無線タグリーダの制御方法)
次に、無線タグリーダ10の制御方法について、図3を参照して説明する。図3は、無線タグリーダ10の制御方法S1を説明するフローチャートである。制御方法S1は、制御部14によって実行され、以下の工程を含む。
次に、無線タグリーダ10の制御方法について、図3を参照して説明する。図3は、無線タグリーダ10の制御方法S1を説明するフローチャートである。制御方法S1は、制御部14によって実行され、以下の工程を含む。
工程S101:移動方向決定部141は、無線タグリーダ10の現在地近傍に据え置かれた無線タグ90_jから読取部13が読み取った位置識別子を取得する。この位置識別子は、現在地を示す位置識別子である。
工程S102:移動方向決定部141は、ホスト装置80から、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組を受信する。なお、工程S101、S102の実行順序は、必ずしもこの順番でなくてもよく、工程S102、S101の順に実行されてもよい。
工程S103:移動方向決定部141は、現在地を示す位置識別子と、移動先を示す位置識別子とが同一であるか否かを判断する。同一であると判断された場合、後述の工程S108が実行される。同一でないと判断された場合、次の工程S104が実行される。
工程S104:移動方向決定部141は、現在地を示す位置識別子と、移動先を示す位置識別子とに基づいて、移動方向を決定する。
工程S105:移動制御部142は、無線タグリーダ10を、移動方向決定部141によって決定された移動方向に移動させるよう移動部12を制御する。
工程S106:移動制御部142は、移動中のアンテナ11を介して読取可能な据え置きの無線タグ90_jから読取部13が読み取った位置識別子を取得する。そして、移動制御部142は、取得した位置識別子と、移動先を示す位置識別子とに基づいて、無線タグリーダ10が移動先に到達したか否かを判断する。
前述のように、移動制御部142は、工程S106において、取得した位置識別子と移動先を示す位置識別子とが初めて一致した時点またはその時点に基づくタイミングで、無線タグリーダ10が移動先に到達したと判断してもよい。あるいは、移動制御部142は、移動先を示す位置識別子の受信強度に基づいて、移動先に到達したか否かを判断してもよい。
無線タグリーダ10が移動先に到達したと判断した場合、次の工程S107が実施される。無線タグリーダ10が移動先に到達していないと判断した場合、工程S106が繰り返される。
工程S107:移動制御部142は、無線タグリーダ10の移動を停止するよう、移動部12を制御する。
工程S108:動作制御部143は、移動先を示す位置識別子を格納する無線タグ90_jから読取部13が読み取った1つ以上の動作制御情報のうち、工程S102で受信した動作制御識別子に対応する動作制御情報を特定する。
工程S109:動作制御部143は、特定した動作制御情報にしたがって、無線タグリーダ10の各部の動作を制御する。例えば、動作制御部143は、動作制御情報にしたがって、アンテナ11の角度を調整するようアンテナ角度制御部111を制御する。また、例えば、動作制御部143は、動作制御情報にしたがって、出力パワーを調整するようアンテナ11を制御する。また、例えば、動作制御部143は、動作制御情報にしたがって、受信感度を調整するよう読取部13を制御する。
工程S110:動作制御部143は、移動先近傍に存在する無線タグ903から読取部13が読み取った情報を、動作制御情報にしたがってフィルタリングする。
工程S111:動作制御部143は、工程S110でフィルタリングされた結果得られた情報と、工程S102で受信された移動先を示す位置識別子とを、ホスト装置80に送信する。
工程S112:移動方向決定部141は、次の移動先を示す位置識別子があるか否かを判断する。次の移動先を示す位置識別子がある場合、再び工程S101〜S110が実施される。次の移動先を示す位置識別子がない場合、制御部14は、無線タグリーダ10の動作を終了させる。
なお、次の移動先を示す位置識別子の有無の判断は、工程S112の実施時点から所定の経過時間内に、ホスト装置80から次の移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組が受信されたか否かに基づいて行われてもよい。あるいは、次の移動先を示す位置識別子の有無の判断は、前述した移動順序情報に基づいて行われてもよい。移動順序情報は、予めホスト装置80から受信されたものであってもよい。この場合、移動方向決定部141は、ホスト装置80から予め前述の移動順序情報を受信しておき、工程S102において、移動順序情報の中から次の移動先を示す位置識別子を順次取得すればよい。また、移動方向決定部141は、予め前述の移動順序情報をメモリに格納しておき、工程S102において、メモリに格納された移動順序情報の中から次の移動先を示す位置識別子を順次取得してもよい。
また、制御部14は、工程S111において、当該情報及び位置識別子の組を、ホスト装置80に送信する代わりにメモリに蓄積してもよい。その場合、前述のように、制御部14は、蓄積した当該情報及び位置識別子の組を、所定のタイミングで一括してホスト装置80に送信すればよい。
(他の適用例)
本実施形態では、無線タグシステム1が、生産ライン909上を移動する生産対象の物品902に付された無線タグ903を、読み取り対象として適用する例について説明した。その他、本実施形態の無線タグシステム1は、生産システムにおいて用いられる用具に付された無線タグを読み取り対象とする場合にも適用できる。
本実施形態では、無線タグシステム1が、生産ライン909上を移動する生産対象の物品902に付された無線タグ903を、読み取り対象として適用する例について説明した。その他、本実施形態の無線タグシステム1は、生産システムにおいて用いられる用具に付された無線タグを読み取り対象とする場合にも適用できる。
そのような他の適用例について、図4を参照して説明する。図4は、線状の製品(面状の製品であってもよい)を生産する生産システム910の構成を説明するブロック図である。図4に示すように、生産システム910は、製造装置911_1〜911_Nを有する。ここで、Nは、1以上の自然数である。図4においては、N=2の場合を示しているが、製造装置911_1〜911_Nの個数Nは任意である。生産システム910は、屋内(例えば、工場内)に設置されていてもよいし、屋外に設置されていてもよい。なお、以下では、製造装置911_1、製造装置911_2、…、製造装置911_Nを代表して、製造装置911_iと記載する。ここで、iは、1以上N以下の自然数である。なお、製造装置911_1及び製造装置911_2は、互いに同じ種類の製造であってもよいし、互いに異なる種類の製造装置であってもよい。
各製造装置911_iの搬入口には、線状の物品が巻かれたボビン912a_iが配置される。なお、ボビン912a_iとは、ボビン912a_1及び912a_2のそれぞれを指す。搬入口に配置されたボビン912a_iからは、線状の物品が繰り出されて製造装置911_i内に搬入される。また、各製造装置911_iの搬出口には、搬入口のボビン912a_iとは別のボビン912b_iが配置される。ボビン912b_iは、ボビン912a_iと形状、構造、及び材料が同じボビンであってもよいし、ボビン912a_iと形状、構造、又は材料が異なるボビンであってもよい。なお、ボビン912b_iとは、ボビン912b_1及び912b_2のそれぞれを指す。搬出口に配置されたボビン912b_iは、製造装置911_iから搬出される線状の物品を巻き取る。なお、図4に示す破線の矢印は、線状の物品が各製造装置911_iに搬入及び搬出される方向を示している。以降、ボビン912a_i及び912b_iのそれぞれを、単にボビン912とも記載する。各ボビン912の種類は、他のボビン912と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
なお、ある製造装置911_iの搬出口のボビン912b_iは、他の製造装置911_k(kは1以上N以下の自然数、ただし、k≠i)の搬入口のボビン912a_kと同一のボビンである場合もある。これは、線状の物品を巻き取り終わったボビン912b_iが、他の製造装置911_kの搬入口に配置され得るからである。その場合、ある製造装置911_iの搬出口から他の製造装置911_kの搬入口へのボビン912の移動は、作業者によって行われてもよいし、他の移動手法によって行われてもよい。ただし、線状の物品を巻き取り終わったボビン912b_iは、必ずしも他の製造装置911_kの搬入口に配置される必要はなく、また、ある製造装置911_kの搬入口のボビン912a_kは、必ずしも他の製造装置911_iの搬出口から移動されたものである必要はない。
ボビン912a_iには、無線タグ903a_iが付される。また、ボビン912b_iには、無線タグ903b_iが付される。なお、無線タグ903a_iとは、無線タグ903a_1及び903a_2のそれぞれを指す。また、無線タグ903b_iとは、無線タグ903b_1及び903b_2のそれぞれを指す。以降、無線タグ903a_i及びb_iのそれぞれを、単に無線タグ903とも記載する。この場合、無線タグ903は、ボビン912に関する各種の情報を格納している。例えば、無線タグ903は、ボビン912の種別を表す情報、ボビン912の個体を識別する情報、ボビン912の巻取状態に関する情報、ボビン912に関するその他の情報、又は、これらの情報の任意の組み合わせを格納していてもよい。なお、ボビン912の個体を識別する情報以外の情報は、無線タグ903に格納せず、外部のデータベース等において管理しても構わない。
製造装置911_iは、搬入口から搬入される線状の物品に対して生産に関わる処理を施し、搬出口から搬出する。製造装置911_iの搬入口近傍及び搬出される搬出口近傍は、それぞれ、無線タグ903の読み取り位置9000_jとして定められている。また、生産システム910において無線タグリーダ10の移動を開始させる移動開始地点にも、読み取り位置9000_jが定められている。なお、本実施形態では、製造装置911_iのそれぞれに定められる読み取り位置9000_jが2箇所である例を示しているが、各製造装置911_iに定められる読み取り位置9000_jの数及び読み取り位置9000_jの全体数は、限定されない。また、読み取り位置9000_jは、図4に示した位置に限定されない。
また、無線タグリーダ10を移動させるレール915は、各製造装置911_iの搬入口及び搬出口、並びに、移動開始地点に定められ読み取り位置9000_jを通るよう敷設されているものとする。そして、レール915に沿う方向の一方を上流方向とみなし、他方を下流方向とみなす。
また、各無線タグ90_jは、読み取り位置9000_jの位置識別子を格納し、当該読み取り位置9000_j近傍に据え置かれる。なお、無線タグ90_jが据え置かれる場所としては、例えば、無線タグリーダ10の動線の脇、すなわち、レール915の脇が挙げられる。また、例えば、無線タグリーダ10の動線が挙げられる。また、例えば、製造装置901_iとボビン912との間に設けられた柱の上面が挙げられる。また、例えば、製造装置901_iが設置された接地面上が挙げられる。
このような他の適用例においても、本実施形態の無線タグシステム1は、同様に動作して同様の効果を奏する。この場合、例えば、本実施形態の無線タグシステム1は、線状の製品を生産する生産システム910において、製造装置911_iの搬入口及び搬出口で用いられたボビン912の個体番号やその巻取状態等をトレースする用途等に用いることができる。
(無線タグリーダの制御方法の具体例)
次に、無線タグリーダ10の制御方法S1の具体例を、図5〜図9を参照しながら説明する。この具体例における無線タグリーダ10は、図4を用いて説明した生産システム910を変形した生産システム910Aに適用される。図5は、生産システム910Aに適用される無線タグリーダ10の構成を説明するブロック図である。図5に示すように、生産システム910Aは、製造装置911_1、911_2及び911_3を有する。なお、製造装置911_1、911_2及び911_3は、他と同一種類の装置であってもよいが、この具体例では、互いに異なる種類の装置であるものとする。
次に、無線タグリーダ10の制御方法S1の具体例を、図5〜図9を参照しながら説明する。この具体例における無線タグリーダ10は、図4を用いて説明した生産システム910を変形した生産システム910Aに適用される。図5は、生産システム910Aに適用される無線タグリーダ10の構成を説明するブロック図である。図5に示すように、生産システム910Aは、製造装置911_1、911_2及び911_3を有する。なお、製造装置911_1、911_2及び911_3は、他と同一種類の装置であってもよいが、この具体例では、互いに異なる種類の装置であるものとする。
図5において、製造装置911_1は、搬入口にセットした種別Aの部材916aに加工を施し、出来上がった線状の半製品Qを、搬出口にセットしたボビン912b_1に巻き取る装置である。半製品Qを巻き取ったボビン912b_1は、製造装置911_2の搬入口に配置されてもよく、その場合、ボビン912a_2とみなされる。
製造装置911_2は、搬入口にセットされたボビン912a_2に巻かれた半製品Q、種別Bの部材916b及び種別Cの部材916cの3点に加工を施し、出来上がった線状の半製品Rを、搬出口にセットしたボビン912b_2に巻き取る装置である。半製品Rを巻き取ったボビン912b_2は、製造装置911_3の搬入口に配置されてもよく、その場合、ボビン912_a3とみなされる。
製造装置911_3は、搬入口にセットされたボビン912_a3に巻かれた半製品R及び種別Dの部材916dの2点に種別Gの治具917を用いて加工を施し、出来上がった線状の半製品Sを、搬出口にセットしたボビン912b_3に巻き取る装置である。なお、治具917としては、半製品Rの移動方向若しくは幅を変更するための治具などが挙げられる。半製品Rが平面状の場合には、レジストマスクを行うための治具、抜型を行うための治具等を、治具917として用いることもできる。
次に、この具体例における読み取り位置9000_j及び無線タグ90_jについて説明する。この具体例では、移動開始地点、各製造装置911_iの搬入口近傍、搬出口近傍、及び、製造装置911_3の治具取り付け位置のそれぞれ近傍に、読み取り位置9000_jが定められ、無線タグ90_jが据え置かれている。具体的には、移動開始地点近傍の読み取り位置9000_0に据え置かれた無線タグ90_0には、位置識別子として0が格納されている。また、製造装置911_1の搬入口近傍の読み取り位置9000_1に据え置かれた無線タグ90_1には、位置識別子として1が格納されている。製造装置911_1の搬出口近傍の読み取り位置9000_2に据え置かれた無線タグ90_2には、位置識別子として2が格納されている。製造装置911_2の搬入口近傍の読み取り位置9000_3に据え置かれた無線タグ90_3には、位置識別子として3が格納されている。製造装置911_2の搬出口近傍の読み取り位置9000_4に据え置かれた無線タグ90_4には、位置識別子として4が格納されている。製造装置911_3の搬入口近傍の読み取り位置9000_5に据え置かれた無線タグ90_5には、位置識別子として5が格納されている。製造装置911_3の治具取り付け位置近傍の読み取り位置9000_6に据え置かれた無線タグ90_6には、位置識別子として6が格納されている。製造装置911_3の搬出口近傍の読み取り位置9000_7に据え置かれた無線タグ90_7には、位置識別子として7が格納されている。この具体例では、無線タグ90_jに格納された位置識別子としてのjを、「位置識別子:j」と記載する。
また、ボビン912、部材916a〜916d及び治具917のそれぞれには、無線タグ903_1〜903_10の何れかが付されている。無線タグ903_1〜903_10のそれぞれを、無線タグ903とも記載する。無線タグ903には、図6に示すように、付されている物品の種別を示す情報(図6における「A」)と、付されている物品の個体番号を示す情報(図6における「001」)と少なくとも含む物品識別情報が格納されている。ただし、ボビン912に付された無線タグ903には、当該ボビン912の物品識別情報が格納されていてもよいし、当該ボビン912に巻かれた線状の半製品の物品識別情報が格納されていてもよい。前者の場合、ボビン912に巻かれた半製品の物品識別情報は、外部のデータベース等において当該ボビン912の物品識別情報と関連付けられる。なお、図5に示した各種物品(部材916a〜916d、治具917、半製品Q,R,S)の種別は、A、B、C、D、G、Q、R、Sの8種類の何れかで表されている。種別Aの部材916aについては、その部材に付された無線タグ903に格納された物品識別情報において、その物品の種別を示す情報も「A」となる。種別Bの部材916b、種別Cの物品916c、種別Dの治具917についても同様である。一方、半製品Qについては、その半製品が巻き付けられたボビン912の物品識別情報と外部のデータベース等において関連付けられたその半製品の物品識別情報において、その半製品の種別を示す情報も「Q」となる。半製品R、半製品Sについても同様である。ただし、無線タグ903に物品識別情報として格納可能な、上述した各種物品の種別を示す情報は、これらの8種類に限らず、何種類であってもよい。
また、据え置きの無線タグ90_jには、それぞれ、位置識別子に加えて、動作制御識別子が付された動作制御情報が格納されている。図7は、無線タグ90_3に格納される動作制御情報の一例である。無線タグ90_3には、動作制御識別子として「301」が付与された動作制御情報と、動作制御識別子として「302」が付与された動作制御情報とが格納されている。以降、動作制御識別子としての「X」を、「動作制御情報:X」とも記載する。例えば、無線タグ90_3に格納される動作制御識別子:301の動作制御情報は、読取対象指定情報として「Q,B」を含む。これは、半製品Q及び種別Bの物品識別情報を読み取ることを指定している。また、この動作制御情報は、水平角度として「+315度」及び垂直角度として「+30度」を含む。これは、アンテナ11の方位角(無線タグリーダ10を上面視した際に、アンテナ11が向いている方向と地面と平行な基準方向とのなす角)及び仰角(無線タグリーダ10を側面視した際に、アンテナ11が向いている方向と地面と平行な基準方向とのなす角)を、それぞれ、+315度及び+30度に制御することを指定している。なお、角度に付された符号「+」は、その角度が予め定められた方向を基準として時計回りに測った角度であることを示し、角度に付された符号「−」は、その角度が予め定められた方向を基準として時計回りに測った角度であることを示す。また、この動作制御情報は、出力パワーとして「+25dBm」を含む。これは、アンテナ11の出力パワーを指定する値であり、後述の「+10dBm」よりも広いエリアに存在する無線タグ90_jから情報を受信可能とする設定例である。また、この動作制御情報は、受信感度として「−60dBm」を含む。これは、読取部13の受信感度を指定する値である。また、この動作制御情報は、フィルタ情報として「C」を含む。これは、読み取った物品識別情報のうち、種別Cを含む物品識別情報を除外することを指定している。読取対象指定情報は、読み取りたい物品の種別を指定する情報と見做し得るのに対して、フィルタ情報は、読み取っても無視する物品の種別を指定する情報と見做し得る。
また、動作制御識別子:302の動作制御情報は、読取対象指定情報として「C」を含む。これは、種別Cの物品識別情報を読み取ることを指定している。また、この動作制御情報は、水平角度として「+45度」及び垂直角度として「+60度」を含む。これは、アンテナ11の方位角及び仰角を、それぞれ、+45度(基準とする方向から時計回りに45度)及び+60度(基準とする方向から上向きに60度)に制御することを指定している。また、この動作制御情報は、出力パワーとして「+10dBm」を含む。これは、アンテナ11の出力パワーを指定する値であり、前述の「+25dBm」よりも狭いエリアに存在する無線タグ90_jから情報を受信可能とする設定例である。また、この動作制御情報は、受信感度として「−60dBm」を含む。これは、読取部13の受信感度を指定する値である。なお、この動作制御情報は、フィルタ情報を含んでいない。
このように、無線タグ90_3には、複数の動作制御情報を格納することができる。図5に示した具体例に即してより具体的に言うと、無線タグ90_3には、(1)半製品Qに対応する無線タグ903_3に格納された情報を読み取るための動作制御情報と、(2)種別Bの部材916bに対応する無線タグ903_4に格納された情報を読み取るための動作制御情報と、(3)種別Cの部材916cに対応する無線タグ903_5に格納された情報を読み取るための動作制御情報とを、それぞれ格納することができる。これにより、(1)無線タグ903_3を読み取る場合には、アンテナ11の角度や出力パワーを無線タグ903_3の読み取りに適した状態に設定し、(2)無線タグ903_4を読み取る場合には、アンテナ11の角度や出力パワーを無線タグ903_4の読み取りに適した状態に設定し、(3)無線タグ903_5を読み取る場合には、アンテナ11の角度や出力パワーを無線タグ903_5の読み取りに適した状態に設定することができる。その結果、製造装置911_2の搬入口において、半製品Q、種別Bの部材916b、及び種別Cの部材916cのうち少なくとも2種類の物品において、それぞれの物品の付け間違いを検出することも可能となる。
次に、この具体例におけるホスト装置80について説明する。ホスト装置80は、位置識別子及び動作制御識別子の組み合わせリストを記憶している。図8は、組み合わせリストの一例である。組み合わせリストにおいて、位置識別子及び動作制御識別子の組み合わせは、当該位置識別子を格納する無線タグ90_jに格納されている動作制御識別子を表している。換言すると、位置識別子及び動作制御識別子の組み合わせは、当該位置識別子によって識別される読み取り位置9000_jにおいて、無線タグリーダ10に適用可能な動作制御情報を表している。なお、この例では、ホスト装置80は、組み合わせリストに、該当する動作制御識別子に対応する動作制御情報の概要を表す情報を含めて記憶している。これは、ホスト装置80の管理者が、組み合わせリストを管理する際に参照するための情報である。各工程における「製造装置911_1−搬入口」等の位置に関する情報は、その工程における読み取り位置を表し、その読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_iに格納された位置識別子に対応する。また、各工程における「部材A」等の物品に関する情報は、その工程において読取対象とする物品の種別を表し、その物品に貼付された無線タグ903に格納された物品識別情報に対応する。また、各工程における「生産開始前」などのタイミングに関する情報は、その工程における読み取りタイミングを表し、位置識別子及び動作制御識別子を含む読取指令を送信するタイミングとしてホスト装置80にて管理されている情報に対応する。なお、この組み合わせリストには、位置識別子:2に関連付けられた動作制御情報の概要として、生産開始前に製造装置911_1の搬出口にボビンQが配置されていることを確認する旨が記載されている。なお、このような確認を行う目的は、生産開始前に製造装置911_1の搬出口にボビンQが配置されていない場合、半製品に異物が混入することになるからである。なお、動作制御情報の概要は、装置が参照する情報ではなく、本発明の一態様の実施に必要な情報ではない。したがって、ホスト装置80は、組み合わせリストに、必ずしも動作制御情報の概要を表す情報を含めて記憶しなくてもよい。
また、ホスト装置80は、無線タグリーダ10に移動順序を指示するため、このような組み合わせリストに基づいて、前述した移動順序情報を生成する。図9は、移動順序情報の一例である。この移動順序情報は、まず、位置識別子:3の読み取り位置9000_3において動作制御情報:301に基づく読み取りを行い、次に、位置識別子:4の読み取り位置9000_4において動作制御情報:401に基づく読み取りを行い、以降、図示の順序で読取を行うことを表している。
また、この具体例では、ホスト装置80は、移動順序情報にしたがって位置識別子及び動作制御識別子の組を無線タグリーダ10に送信する。ここでは、ホスト装置80は、位置識別子及び動作制御識別子の組を1組無線タグリーダ10に送信後、無線タグリーダ10から位置識別子及び読取情報の組を受信すると、次の組を無線タグリーダ10に送信するものとする。
また、初期状態では、無線タグリーダ10が、移動開始地点に位置しているとする。なお、移動開始地点は、前述したように、無線タグリーダ10の移動を開始させる地点であり、その近傍に定められた読み取り位置9000_0近傍に据え置かれた無線タグ90_0と通信可能な位置である。
この場合、移動方向決定部141は、読取部13が無線タグ90_0から読み取った、現在地を示す位置識別子:0を取得する(工程S101)。
次に、移動方向決定部141は、ホスト装置80から、移動先を示す位置識別子:3及び動作制御識別子:301の組を受信したとする(工程S102)。位置識別子:3が示す読み取り位置9000_3は、製造装置911_2の搬入口近傍である。
次に、移動方向決定部141は、現在地を示す位置識別子:0と、移動先を示す位置識別子:3とを比較して、移動先を示す位置識別子の方が大きいため、移動方向として下流方向を決定する(工程S103でNo、工程S104)。
次に、移動制御部142は、無線タグリーダ10を下流方向に移動するよう移動部12を制御する(工程S105)。詳細には、移動制御部142は、アンテナ11の出力パワーをハイパワーに制御するとともに、アンテナ11が移動方向を向くようアンテナ角度制御部111を制御した上で、無線タグリーダ10を下流方向に移動させるよう移動部12を制御する。
次に、移動制御部142は、移動中のアンテナ11から読み取り可能となった無線タグ90_1から読取部13が読み取った位置識別子:1を取得する。そして、移動制御部142は、移動中に読み取られた位置識別子:1と、移動先を示す位置識別子:3とが一致しないため、無線タグリーダ10が移動先に到達していないと判断する(工程S106でNo)。
そこで、移動制御部142は、工程S106を繰り返す。すなわち、移動制御部142は、移動中のアンテナ11から次に読み取り可能となった無線タグ90_2から読取部13が読み取った位置識別子:2を取得する。そして、移動制御部142は、移動中に読み取られた位置識別子:2と、移動先を示す位置識別子:3とが一致しないため、無線タグリーダ10が移動先に到達していないと判断する(工程S106でNo)。
そこで、移動制御部142は、移動先を示す位置識別子:3が読み取り可能になるまで、工程S106をさらに繰り返す。ここで、移動先を示す位置識別子:3が読み取り可能になるとは、移動先となる読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_3と通信可能になることを指す。なお、ここでは、移動制御部142が、移動先を示す位置識別子の受信感度に基づいて、無線タグリーダ10が移動先に到達したと判断する例について説明している。
そして、移動制御部142は、移動先を示す位置識別子:3が読み取り可能になる(工程S106でYes)と、移動制御部142は、無線タグリーダ10の移動を停止させるよう移動部12を制御する(工程S107)。なお、無線タグリーダ10の移動を停止させる際、移動制御部142の移動速度を制御する方法については、既に詳細に説明したとおりである。
次に、動作制御部143は、移動先を示す位置識別子:3を格納する無線タグ90_3から読取部13が読み取った動作制御情報のうち、工程S102で受信した動作制御識別子:301に対応する動作制御情報を特定する(工程S108)。
動作制御部143は、動作制御識別子:301の動作制御情報にしたがって、無線タグリーダ10の各部を制御する。具体的には、動作制御部143は、アンテナ11の方位角及び仰角を、それぞれ、基準とする方向から+315度及び+30度にするようアンテナ角度制御部111を制御する。また、動作制御部143は、アンテナ11の出力パワーを+25dBmに制御する。また、動作制御部143は、読取部13の受信感度を−60dBmに制御する(工程S109)。
ここで、製造装置911_2の搬入口近傍には、半製品Qが巻かれたボビン912a_2と、種別Bの部材916bと、種別Cの部材916cとが存在している。そこで、動作制御部143は、半製品Qが巻かれたボビン912a_2に付された無線タグ903_3から、読取部13が読み取った物品識別情報「Q001」を取得したとする。また、動作制御部143は、種別Bの部材916bに付された無線タグ903_4から、読取部13が読み取った情報「B001」を取得したとする。また、動作制御部143は、種別Cの部材916cに付された無線タグ903_5から、読取部13が読み取った情報「C001」を取得したとする。そして、動作制御部143は、読み取った物品識別情報のうち、動作制御識別子:301の動作制御情報に含まれる読取対象指定情報「Q,B」及びフィルタ情報「C」にしたがって、「C001」を除外し、「Q001」及び「B001」を得る(工程S110)。
動作制御部143は、工程S110で得られた情報「Q001」及び「B001」と、当該移動先を示す位置識別子:3との組を、ホスト装置80に送信する(工程S111)。
移動方向決定部141は、次の移動先を示す位置識別子があるか否かを判断する(工程S112)。ここでは、次の移動先を示す位置識別子:4及び動作制御識別子:401の組が、ホスト装置80から受信されたとする。位置識別子:4が示す読み取り位置9000_4は、製造装置901_2の搬出口近傍である。
そこで、制御部14は、次の移動先があると判断し(工程S112でYES)、再び、同様に工程S101〜S110を実行する。これにより、製造装置901_2の搬出口近傍に無線タグリーダ10が移動する。そして、動作制御識別子:401の動作制御情報にしたがって、アンテナ21の水平角度、垂直角度及び出力パワーと、読取部13の受信感度とが調整され、物品識別情報が読み取られる。
このようにして、制御部14は、次の移動先を示す位置識別子があれば、工程S101〜S110を再度実行し、次の移動先を示す位置識別子がなければ、制御部14は、次の移動先がないと判断し(工程S112でNO)、無線タグリーダ10の動作を終了させる。なお、移動先がないと判断した場合の処理として、移動開始地点である読み取り位置9000_0に無線タグリーダ10を戻してもよい。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、複数の読み取り位置9000_jで無線タグ903の読み取りを行う際に必要となる無線タグリーダ10の数を読み取り位置9000_jの数より少なくしながらも、読み取り位置9000_jの変更の場合に対する柔軟性をより向上させた無線タグリーダ10および無線タグシステム1を実現できる。また、同様に、読み取り位置9000_jの変更の場合に対する柔軟性をより高くすることが可能な無線タグリーダ10の制御方法を実現できる。
本実施形態では、複数の読み取り位置9000_jで無線タグ903の読み取りを行う際に必要となる無線タグリーダ10の数を読み取り位置9000_jの数より少なくしながらも、読み取り位置9000_jの変更の場合に対する柔軟性をより向上させた無線タグリーダ10および無線タグシステム1を実現できる。また、同様に、読み取り位置9000_jの変更の場合に対する柔軟性をより高くすることが可能な無線タグリーダ10の制御方法を実現できる。
その理由について説明する。本実施形態では、無線タグリーダ10が、現在地を示す位置識別子と、移動先を示す位置識別子とに基づいて、アンテナ11の移動方向を決定し、決定した移動方向にしたがって、移動先を示す位置識別子が読取可能な読取可能領域内までアンテナ11を移動させるからである。ここで、現在地を示す位置識別子は、アンテナ11の現在地近傍に据え置かれた無線タグ90_jから読取部13が読み取った位置識別子である。また、移動先を示す位置識別子は、ホスト装置80から受信されたものである。
このように構成されることにより、本実施形態では、1つの無線タグリーダ10により、複数の読み取り位置9000_jに移動して読み取り対象の無線タグから情報を読み取ることが可能な無線タグリーダ10を実現できる。また、このように構成されることにより、本実施形態では、1つの無線タグリーダ10により、複数の読み取り位置9000_jに移動して読み取り対象の無線タグから情報を読み取ることが可能な無線タグシステム1を実現できる。また、同様に、本実施形態では、1つの無線タグリーダ10を用いて、複数の読み取り位置9000_jに移動して読み取り対象の無線タグから情報を読み取ることが可能な無線タグリーダ10の制御方法を実現できる。
また、本実施形態では、無線タグ90_jを据え置く位置を変更したり、据え置きの無線タグ90_jに格納される位置識別子を書き換えたりする場合において、これだけで、1つの無線タグリーダ10により、複数の読み取り位置9000_jに移動して読み取り対象の無線タグから情報を読み取ることが可能となる。したがって、読み取り位置9000_jの変更の場合に柔軟に対応可能な無線タグリーダ10を実現できる。また、本実施形態では、無線タグ90_jを据え置く位置を変更したり、据え置きの無線タグ90_jに格納される位置識別子を書き換えたりするだけで、1つの無線タグリーダ10により、複数の読み取り位置9000_jに移動して読み取り対象の無線タグから情報を読み取ることが可能となる。したがって、読み取り位置9000_jの変更の場合に柔軟に対応可能な無線タグシステム1を実現できる。また、同様に、本実施形態では、無線タグ90_jを据え置く位置を変更したり、据え置きの無線タグ90_jに格納される位置識別子を書き換えたりする場合において、これだけで、1つの無線タグリーダ10を用いて、複数の読み取り位置9000_jに移動して読み取り対象の無線タグから情報を読み取ることが可能となる。したがって、読み取り位置9000_jの変更の場合に柔軟に対応可能な無線タグリーダ10の制御方法を実現できる。
また、本実施形態は、ホスト装置80から受信した移動先を示す位置識別子に基づいて無線タグリーダ10が動作することにより、ホスト装置80によって、無線タグリーダ10の移動先を制御することができる。したがって、このように据え置きの無線タグ90_jに格納される位置識別子だけでなく、ホスト装置80によっても無線タグリーダ10を制御でき、別々の位置情報で管理することが可能となる。このため、比較的簡易な構成で読み取り位置9000_jの変更の場合に柔軟に対応可能な無線タグリーダ10を実現できる。また、読み取り位置9000_jの変更の場合に比較的容易かつ柔軟に対応可能な無線タグリーダ10を実現できる。
また、1つの無線タグリーダ10が複数の読み取り位置9000_jのうち少なくとも1つの読み取り位置9000_jの近傍に存在する場合においては、以下の作用効果を得ることができる。すなわち、本実施形態は、1つの無線タグリーダ10によって、複数の読み取り位置9000_jのそれぞれに適した動作内容で、無線タグリーダ10の制御部14が、無線タグリーダ10のアンテナ11、アンテナ角度制御部111、移動部12、及び読取部13といった自装置の各部(全部又は一部)を動作させることができる。したがって、本実施形態によれば、自装置の各部の動作条件の変更の場合に対する柔軟性が高い無線タグリーダ10、無線タグシステム1、及び、無線タグリーダ10の制御方法を実現することができる。
その理由について説明する。本実施形態において、無線タグリーダ10は、移動先近傍に据え置かれた無線タグ90_jから読みこんだ動作制御情報に基づいて、無線タグリーダ10のアンテナ11、アンテナ角度制御部111、移動部12、及び読取部13の各部(全部又は一部)を制御するからである。なお、アンテナ11、アンテナ角度制御部111、移動部12、及び読取部13の何れが制御対象となるかは、動作制御情報に応じて決まる。
このように構成されることにより、本実施形態は、例えば、同一の無線タグリーダ10を用いる場合でも、読み取り位置9000_jに応じてアンテナ11の角度、出力パワー、読取部13の受信感度、読み取り対象とする物品の種別、及び、読み取り対象としない物品の種別等の動作制御情報を柔軟に変更することができる。また、周辺の電波環境の変化に柔軟に適応することが可能な無線タグリーダ10および無線タグシステム1を実現できる。
また、本実施形態は、同一の読み取り位置9000_jであっても、指示に応じて異なる動作内容で、無線タグリーダ10の各部を動作させることができる。
その理由について説明する。本実施形態において、移動先近傍に据え置かれた無線タグ90_jは、複数の動作制御情報を格納可能となっているからである。そして、無線タグリーダ10は、移動先近傍に据え置かれた無線タグ90_jから読みこんだ動作制御情報のうち、無線タグリーダ10の移動先において適用すべき動作制御識別子が付された動作制御情報を参照して、上述した各部を制御するからである。
このように構成されることにより、本実施形態は、例えば、無線タグリーダ10を1つの読み取り位置9000_jに滞在させながら、その近傍の異なる方面にそれぞれ存在する複数の種別の物品902に付された無線タグ903から、情報の読み取りを行うことができる。
以上説明したような効果を有する本実施形態の無線タグシステム1は、生産ライン909上を物品902が移動する生産システム900において、製造装置901_iを通過した物品902の種別や個体番号等をトレースする用途等に用いることができる。
(変形例1)
本実施形態において、複数の読み取り位置9000_jが、分岐が無い生産ライン909上に設定されるものとして説明した。これに対して、本実施形態は、次のように変形することにより、複数の読み取り位置9000_jが、2次元又は3次元の空間内に敷設された、分岐を有する経路上に設定される場合や、2次元または3次元の空間中の任意の位置に設定される場合にも適用可能である。
本実施形態において、複数の読み取り位置9000_jが、分岐が無い生産ライン909上に設定されるものとして説明した。これに対して、本実施形態は、次のように変形することにより、複数の読み取り位置9000_jが、2次元又は3次元の空間内に敷設された、分岐を有する経路上に設定される場合や、2次元または3次元の空間中の任意の位置に設定される場合にも適用可能である。
この変形例において無線タグシステム1が適用される生産システム900Bの構成を、図10に示す。図10において、生産システム900Bには、製造装置901_1〜901_3近傍の間に分岐を有するレール905Bが敷設されている。レール905Bは、分岐地点905bにおいて、上流から2つの下流方向d1及びd2に分岐している。据え置きの無線タグ90_jには、位置識別子及び動作制御情報に加えて、方向情報が格納される。方向情報とは、当該位置識別子が示す読み取り位置9000_jに対する、他の位置識別子が示す読み取り位置9000_jの相対的な方向を表す情報である。例えば、方向情報は、他の位置識別子と、相対的な方向との組により表される。なお、レール905Bにおける分岐点の数や分岐数等の分岐形態は、図10に示した形態に限定されない。
ここで、無線タグ90_2に格納される方向情報の一例を、図11に示す。この例では、位置識別子「2」が格納された無線タグ90_2には、他の位置識別子「1」及び方向情報「上流方向」の組が格納されている。これは、位置識別子:1によって識別される読み取り位置9000_1は、この無線タグ90_2が近傍に据え置かれた読み取り位置9000_2に対して、上流方向にあることを示している。また、位置識別子「2」が格納された無線タグ90_2には、他の位置識別子「3」及び方向情報「下流方向d2」の組が格納されている。これは、位置識別子:3によって識別される読み取り位置9000_3は、この無線タグ90_2が近傍に据え置かれた読み取り位置9000_2に対して、下流方向d2にあることを示している。なお、このような方向情報を格納した無線タグが、分岐地点近傍に据え置かれていてもよい。その場合、分岐地点近傍に据え置かれた無線タグは、少なくとも方向情報を格納していればよく、必ずしも位置識別子や動作制御情報を格納していなくてもよい。
この場合、移動方向決定部141は、図3に示した工程S104において、次のように動作する。すなわち、移動方向決定部141は、現在地を示す位置識別子を格納する無線タグ90_jから読取部13が読み取った方向情報を取得する。そして、移動方向決定部141は、取得した方向情報のうち、移動先を示す位置識別子に関連付けられた方向を、移動方向として決定すればよい。また、無線タグリーダ10の移動中に、移動経路の近傍に据え置かれた無線タグに格納された方向情報が、読取部13によって読み取られたとする。この場合、移動方向決定部141は、新たに読み取られた方向情報のうち、移動先を示す位置識別子に関連付けられた方向を、新たな移動方向として決定すればよい。そして、この場合、移動制御部142は、新たに決定された移動方向に無線タグリーダ10を移動させるよう、移動部12を制御する。
なお、移動方向決定部141は、移動方向を決定するための方向情報として、読取部13により読み取られた方向情報に限らず、ホスト装置80から受信した方向情報を適用してもよい。この場合、移動方向決定部141は、図3に示した工程S102において、ホスト装置80から、位置識別子及び動作制御識別子に加えて、方向情報を受信してもよい。
なお、本変形例では、無線タグリーダ10が、2次元又は3次元の空間内に敷設された、分岐を有するレール905上を移動するものとして説明した。これに限らず、無線タグリーダ10は、2次元又は3次元空間を自在に移動可能に構成されていてもよい。その場合、方向情報として、例えば、ある読み取り位置9000_jから見た他の読み取り位置9000_k(k≠j)の方向を表す情報を用いればよい。また、無線タグリーダ10を3次元区の中で自在に移動可能とする場合、移動部12として、例えば、プロペラを用いればよい。
図12の(a)は、複数の読み取り位置が2次元の空間上に設定された無線タグシステム1を示す斜視図である。図12の(a)に示す無線タグシステム1においては、2次元空間である床の上に3つの読み取り位置9000_0〜9000_2が設定されており、各読み取り位置9000_j(jは0以上2以下の自然数)の近傍には、その読み取り位置に対応する位置識別子が格納された無線タグ90_jが据え置かれている。無線タグリーダ10は、この床の上を自在に移動することが可能であり、例えば、読み取り位置9000_0の近傍に配置された無線タグ903から各種情報を読み取る。なお、図12の(a)においては、読み取り位置9000_0〜9000_2、据え置き無線タグ90_0〜90_2、読取対象とする無線タグ903、及び無線タグリーダ10のみを図示し、その他の構成要素については図示を省略している。
図12の(a)に示す無線タグシステム1において、各読み取り位置9000_jの近傍に据え置かれた無線タグ90_jには、位置識別子及び動作制御情報に加えて、その読み取り位置9000_jから見た他の読み取り位置9000_k(kは0以上2以下のjとは異なる自然数)の方向を表す方向情報が、他の読み取り位置9000_kの位置識別子「k」と関連付けて格納されている。例えば、読み取り位置9000_0の近傍に据え置かれた無線タグ90_0には、(1)読み取り位置9000_0から見た読み取り位置9000_1の方向を表す方向情報が、読み取り位置9000_1の位置識別子「1」と関連付けて格納されおり、(2)読み取り位置9000_0から見た読み取り位置9000_2の方向を表す方向情報が、読み取り位置9000_2の位置識別子「2」と関連付けて格納されている。
図12の(b)は、複数の読み取り位置が3次元の空間上に設定された無線タグシステム1を示す斜視図である。図12の(b)に示す無線タグシステム1においては、3次元空間である部屋の中に3つの読み取り位置9000_0〜9000_2が設定されており、各読み取り位置9000_j(jは0以上2以下の自然数)の近傍には、その読み取り位置に対応する位置識別子が格納された無線タグ90_jが据え置かれている。無線タグリーダ10は、この部屋の中を自在に移動することが可能であり、例えば、読み取り位置9000_0の近傍に配置された無線タグ903から各種情報を読み取る。なお、図12の(b)においては、読み取り位置9000_0〜9000_2、据え置き無線タグ90_0〜90_2、読取対象とする無線タグ903、及び無線タグリーダ10のみを図示し、その他の構成要素については図示を省略している。
図12の(b)に示す無線タグシステム1において、各読み取り位置9000_jの近傍に据え置かれた無線タグ90_jには、位置識別子及び動作制御情報に加えて、その読み取り位置9000_jから見た他の読み取り位置9000_k(kは0以上2以下のjとは異なる自然数)の方向を表す方向情報が、他の読み取り位置9000_kの位置識別子「k」と関連付けて格納されている。例えば、読み取り位置9000_0の近傍に据え置かれた無線タグ90_0には、(1)読み取り位置9000_0から見た読み取り位置9000_1の方向を表す方向情報が、読み取り位置9000_1の位置識別子「1」と関連付けて格納されおり、(2)読み取り位置9000_0から見た読み取り位置9000_2の方向を表す方向情報が、読み取り位置9000_2の位置識別子「2」と関連付けて格納されている。
図12の(a)及び(b)に示す無線タグシステム1において、無線タグリーダ10の移動方向決定部141は、次のように動作する。すなわち、移動方向決定部141は、現在地の近傍に位置する無線タグ90_jから読取部13が読み取った方向情報を取得する。そして、移動方向決定部141は、取得した方向情報のうち、移動先を示す位置識別子に関連付けられた方向情報が表す方向を、移動方向として決定する。例えば、移動先を示す位置識別子が位置識別子「2」である場合、移動方向決定部141は、無線タグ90_0から取得した方向情報のうち、位置識別子「2」に関連付けられた方向情報、すなわち、読み取り位置9000_0から見た読み取り位置9000_2の方向を、移動方向として決定する。
以上のように変形することにより、本実施形態は、複数の読み取り位置9000_jが、分岐を有する経路上に設定される場合や、2次元又は3次元の空間中の任意の位置に設定される場合にも、上述と同様の効果を奏しながら、アンテナ11の移動方向を容易に決定することが可能な無線タグリーダ10および無線タグシステム1を実現できる。
(変形例2)
また、本実施形態は、無線タグリーダ10の移動速度を制御可能に変形してもよい。
また、本実施形態は、無線タグリーダ10の移動速度を制御可能に変形してもよい。
このような変形例に係る無線タグシステム1Aの構成を図13に示す。図13において、無線タグシステム1Aは、無線タグシステム1と同様に生産システム900に適用される。また、無線タグシステム1Aは、無線タグシステム1と同様の構成に加えて、無線タグ99を有する。無線タグ99は、速度制御情報を格納しており、速度制御位置9009に据え置かれる。ここで、速度制御情報とは、無線タグリーダ10の移動速度の制御内容を表す情報である。速度制御情報は、例えば、速度を指定する情報であってもよい。また、速度制御情報は、例えば、減速や加速等といった速度の変更を指示する情報であってもよい。また、速度制御位置とは、無線タグリーダ10の移動速度を制御する位置である。速度制御位置と読み取り位置9000_jとを共用する場合、読み取り位置9000_jの近傍に据え置かれる無線タグ90_jが、位置識別子及び動作制御情報に加えて、速度制御情報をさらに格納していてもよい。また、読み取り位置9000_jと異なる位置に速度制御位置が定められる場合、速度制御位置近傍に据え置かれる無線タグ99は、少なくとも速度制御情報を格納していればよく、位置識別子や動作制御情報を格納していなくてもよい。なお、速度制御情報を格納する無線タグ99の個数及びその位置は、図13に示したものに限らず、任意である。
この場合、移動制御部142は、次のように動作するよう変形される。具体的には、移動制御部142は、図3の工程S105において、読取部13が読み取った速度制御情報が示す速度にしたがって、移動部12が無線タグリーダ10を移動させるよう制御する。例えば、現在地を示す位置識別子を格納する無線タグ90_jに、速度制御情報が格納されていたとする。この場合、移動制御部142は、移動方向決定部141によって決定された移動方向に、速度制御情報にしたがった速度で無線タグリーダ10を移動させるよう、移動部12を制御する。また、無線タグリーダ10の移動中に、移動経路の近傍に据え置かれた無線タグに格納された速度制御情報が、読取部13によって読み取られたとする。この場合、移動制御部142は、無線タグリーダ10の移動速度を、読み取られた速度制御情報にしたがって変更するよう、移動部12を制御する。
これにより、本実施形態は、無線タグリーダ10の移動速度を制御することが可能となる。例えば、本実施形態は、移動先の読み取り位置9000_jに近づくにつれて無線タグリーダ10の移動速度を減速する、といった制御を行うことができる。
以上のように変形することにより、本実施形態は、上述と同様の効果を奏しながら、無線タグリーダ10の移動開始前後又は移動中に、その移動速度を制御可能な無線タグリーダ10を実現することができる。また、現在地を示す位置識別子を格納する無線タグ90_jの周辺等に、無線タグリーダ10の移動速度を加速する速度制御情報が格納された上記の無線タグ99が設けられている場合、移動先の読み取り位置9000_jに向かって無線タグリーダ10の移動速度を加速できるので、無線タグリーダ10をより迅速に、移動先の読み取り位置9000_jおよびその周辺に停止できるといった速度制御が可能な無線タグリーダ10も実現できる。また、移動先の読み取り位置9000_jより上流側に、無線タグリーダ10の移動速度を減速する速度制御情報が格納された上記の無線タグ99が設けられている場合、移動先の読み取り位置9000_jに近づくにつれて無線タグリーダ10の移動速度を減速できるので、無線タグリーダ10がより確実に、移動先の読み取り位置9000_jおよびその周辺に停止できるといったより精密な位置制御が可能な無線タグリーダ10も実現できる。
(変形例3)
また、本実施形態は、無線タグリーダ10の移動先において読み取り対象とした無線タグ903に、情報を書き込むよう制御することも可能である。この場合、無線タグリーダ10は、書込部(不図示)をさらに備えるよう構成される。書込部は、アンテナ11を介して無線タグに情報を書き込む。また、読み取り位置9000_j近傍に据え置かれた無線タグ90_jは、無線タグ903に対する書き込み内容を指示する動作制御情報をさらに含む。このように変形した場合、動作制御部143は、図3の工程S110において、無線タグリーダ10の移動先で読み取った動作制御情報にしたがって、無線タグ903に対する書き込みを行うよう書込部を制御すればよい。無線タグ903に書き込む情報の一例としては、無線タグ903が付された物品902の使用状況(例えば、ボビン912に巻かれた線状の物品の残量)等が挙げられるが、これに限られない。
また、本実施形態は、無線タグリーダ10の移動先において読み取り対象とした無線タグ903に、情報を書き込むよう制御することも可能である。この場合、無線タグリーダ10は、書込部(不図示)をさらに備えるよう構成される。書込部は、アンテナ11を介して無線タグに情報を書き込む。また、読み取り位置9000_j近傍に据え置かれた無線タグ90_jは、無線タグ903に対する書き込み内容を指示する動作制御情報をさらに含む。このように変形した場合、動作制御部143は、図3の工程S110において、無線タグリーダ10の移動先で読み取った動作制御情報にしたがって、無線タグ903に対する書き込みを行うよう書込部を制御すればよい。無線タグ903に書き込む情報の一例としては、無線タグ903が付された物品902の使用状況(例えば、ボビン912に巻かれた線状の物品の残量)等が挙げられるが、これに限られない。
なお、動作制御部143は、書き込み内容を指示する動作制御情報として、読取部13により読み取られた動作制御情報に限らず、ホスト装置80から受信した動作制御情報を適用してもよい。例えば、図3に示した工程S102において、ホスト装置80から、位置識別子及び動作制御識別子に加えて、書込み内容を指示する動作制御情報を受信しているとする。この場合、動作制御部143は、工程S110において、ホスト装置80から受信した動作制御情報にしたがって書込部を制御すればよい。
なお、ここでは、無線タグ903に対する情報の書き込みについて説明したが、各読み取り位置に据え置かれた無線タグ90_jに対する情報の書き込み又は更新を実施することも可能である。例えば、無線タグ90_jに格納された位置識別子、動作制御情報、又は動作制御識別子を更新する必要が生じた場合、無線タグリーダ10は、ホスト装置80からの指示に従い、無線タグ90_jに格納された位置識別子、動作制御情報、又は動作制御識別子を更新する。無線タグ90_jに格納された位置識別子の更新が必要になる場合としては、例えば、読み取り位置の追加に伴い位置識別子を振り直す場合が挙げられる。また、無線タグ90_jに格納された動作制御情報の更新が必要になる場合としては、例えば、無線環境に対応するためにアンテナ11の角度を変更する場合が挙げられる。
(その他の変形例)
本実施形態では、無線タグシステム1が、ホスト装置80を含む例について説明した。ただし、無線タグシステム1は、ホスト装置80を含んでいなくてもよい。この場合、無線タグリーダ10の制御部14は、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組又はその列を予めメモリに記憶しておけばよい。あるいは、無線タグリーダ10の制御部14は、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組又はその列を、外部から取得される情報に基づき算出可能な機能を有していてもよい。また、無線タグリーダ10の制御部14は、無線タグ903から読み取った情報及び読み取り位置9000_jの位置識別子の組を、別途接続される出力装置に出力してもよい。
本実施形態では、無線タグシステム1が、ホスト装置80を含む例について説明した。ただし、無線タグシステム1は、ホスト装置80を含んでいなくてもよい。この場合、無線タグリーダ10の制御部14は、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組又はその列を予めメモリに記憶しておけばよい。あるいは、無線タグリーダ10の制御部14は、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組又はその列を、外部から取得される情報に基づき算出可能な機能を有していてもよい。また、無線タグリーダ10の制御部14は、無線タグ903から読み取った情報及び読み取り位置9000_jの位置識別子の組を、別途接続される出力装置に出力してもよい。
また、本実施形態では、読み取り対象の無線タグ903は、生産システム900の経路上を移動する物品902に付されるものとして説明した。これに限らず、読み取り対象の無線タグ903は、生産システム900内に存在するその他の物品に付されていてもよい。そのような物品とは、例えば、作業者が携帯又は装着する物品や、塗料、薬品等の副資材、製造装置911に付帯する治具、制作指示書、マニュアル等の物品であってもよい。
また、本実施形態において、ホスト装置80が、無線タグリーダ10に対して、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組の列である移動順序情報を、予め一括して送信しておく構成について説明した。この場合、ホスト装置80は、移動順序情報に従って順次移動先に移動中の無線タグリーダ10に対して、割り込み情報を送信してもよい。割り込み情報は、移動順序情報としてホストから受信済の、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組よりも優先して少なくとも異なる移動先に移動するよう指示する情報である。そのような異なる移動先を、優先移動先とも記載する。割り込み情報は、優先移動先を示す位置識別子を少なくとも含む。また、割り込み情報は、優先移動先において無線タグリーダ10に適用すべき動作制御識別子を含んでいてもよい。この場合、移動方向決定部141及び移動制御部142は、割り込み情報を受信した時点で、次の移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子として、割り込み情報に含まれる優先移動先を示す位置識別子を適用すればよい。また、動作制御部143は、優先移動先において無線タグリーダ10の各部の動作を制御するにあたり、割り込み情報に含まれる動作制御識別子を用いてもよい。そして、移動方向決定部141及び移動制御部142は、優先移動先に無線タグリーダ10を移動させて各部の動作を制御した後、当初受信していた移動順序情報のうち未だ訪問していない移動先から順に、次の移動先として適用して動作すればよい。
また、本実施形態において、位置識別子として、自然数が適用される例について説明した。この他、位置識別子は、読み取り位置9000_jの地理的な区画を表す情報を含んで表されていてもよい。例えば、位置識別子を、「n−m」と表すことも可能である。なお、n、mは、共に自然数である。この場合、位置識別子「n−m」は、区画「n」におけるm番目の読み取り位置9000_jに付与される。また、区画「n」は、nの値の大きさの順に経路上を区画しているとする。また、位置識別子「n−m」が付された読み取り位置9000_jは、区画「n」内で、mの値の大きさの順に経路上に並んでいるものとする。この場合、移動方向決定部141は、現在地を示す位置識別子「n1−m1」と、移動先を示す位置識別子「n2−m2」とを比較して、n1及びn2の値の大小関係に基づいて、移動方向を決定すればよい。また、移動方向決定部141は、n1及びn2が等しい場合、m1及びm2の大小関係に基づいて、移動方向を決定すればよい。
〔第2の実施形態〕
(製造装置の構成)
本発明の第2の実施形態としての無線タグシステム2は、線状の製品(面状の製品であってもよい)を製造する製造装置921に適用される。まず、製造装置921の構成について、図14を参照して説明する。図14は、製造装置921の構成を示すブロック図である。なお、図14における無線タグ99及び速度制御位置9009は、後述する変形例において利用される構成であり、本実施形態における必須の構成ではない。
(製造装置の構成)
本発明の第2の実施形態としての無線タグシステム2は、線状の製品(面状の製品であってもよい)を製造する製造装置921に適用される。まず、製造装置921の構成について、図14を参照して説明する。図14は、製造装置921の構成を示すブロック図である。なお、図14における無線タグ99及び速度制御位置9009は、後述する変形例において利用される構成であり、本実施形態における必須の構成ではない。
線状の物品が巻かれたボビン922aは、製造装置921の搬入口に配置される。搬入口に配置されたボビン922aからは、線状の物品が繰り出されて製造装置921内に搬入される。また、製造装置921の搬出口には、搬入口のボビン922aとは別のボビン922bが配置される。ボビン922bは、ボビン922aと形状、構造、及び材料が同じボビンであってもよいし、ボビン922aと形状、構造、又は材料が異なるボビンであってもよい。搬出口に配置されたボビン922bは、製造装置921から搬出される線状の物品を巻き取る。以降、ボビン922a及び922bのそれぞれを、単にボビン922とも記載する。なお、図14に示す破線の矢印は、線状の物品が製造装置921に搬入及び搬出される方向を示している。
ボビン922aには、無線タグ923aが付される。また、ボビン922bには、無線タグ923bが付される。以降、無線タグ923a及び923bのそれぞれを、単に無線タグ923とも記載する。無線タグ923は、自身が付されたボビン922に関する各種の情報を格納している。例えば、無線タグ923は、ボビン922の種別を表す情報、ボビン922の個体を識別する情報、ボビン922の巻取状態に関する情報、ボビン922に関するその他の情報、又は、これらの情報の任意の組み合わせを格納していてもよい。なお、ボビン922の個体を識別する情報以外の情報は、無線タグ923に格納せず、外部のデータベース等において管理しても構わない。また、ボビン922の個体を識別する情報は、外部のデータベース等において、ボビン922に巻き付けられる半製品の物品識別情報に関連付けられていてもよい。
製造装置921は、搬入口から搬入される線状の物品に対して生産に関わる処理を施し、搬出口から搬出する。製造装置921の搬入口近傍及び搬出される搬出口近傍は、それぞれ、無線タグ923の読み取り位置9002_j(jは0以上1以下の自然数)として定められている。なお、本実施形態では、製造装置921に定められる読み取り位置が2箇所である例を示しているが、読み取り位置9002_jの数は、限定されない。
また、製造装置921内には、アンテナ21及びアンテナ角度制御部211を移動させる移動部22が設置される。アンテナ21、アンテナ角度制御部211及び移動部22は、後述の無線タグリーダ20の一部を構成する。移動部22は、例えば、アンテナ21及びアンテナ角度制御部211を支持する台座と、台座を移動する車輪と、搬入口近傍の読み取り位置9002_j及び搬出口近傍の読み取り位置9002_j間に敷設されたレールと、車輪を回転駆動する駆動装置とによって構成されていてもよい。
(無線タグシステム全体の構成)
本発明の第2の実施形態に係る無線タグシステム2の構成について、図14を参照して説明する。図14において、無線タグシステム2は、無線タグリーダ20と、ホスト装置82と、複数の据え置きの無線タグ92とを含む。無線タグリーダ20は、上述の移動部22と、当該移動部22により移動可能に構成されるアンテナ21及びアンテナ角度制御部211と、読取部23と、制御部24とを含む。制御部24は、移動方向決定部241と、移動制御部242と、動作制御部243とを含む。
本発明の第2の実施形態に係る無線タグシステム2の構成について、図14を参照して説明する。図14において、無線タグシステム2は、無線タグリーダ20と、ホスト装置82と、複数の据え置きの無線タグ92とを含む。無線タグリーダ20は、上述の移動部22と、当該移動部22により移動可能に構成されるアンテナ21及びアンテナ角度制御部211と、読取部23と、制御部24とを含む。制御部24は、移動方向決定部241と、移動制御部242と、動作制御部243とを含む。
アンテナ21及び読取部23は、ケーブル等を介して通信可能に接続される。制御部24は、他の各部と、ケーブル等を介して各部を制御可能に接続される。また、制御部24は、無線ネットワーク、有線ネットワーク又はこれらの組み合わせを介してホスト装置82と通信可能に接続される。
(据え置きの無線タグの構成)
次に、据え置きの無線タグ92の詳細な構成について説明する。複数の据え置きの無線タグ92の各々は、製造装置921に設定された読み取り位置9002_j各々の近傍に配置されている。読み取り位置9002_jは、前述のように、搬入口近傍及び搬出口近傍に設定されている。本実施形態において、各読み取り位置9002_j近傍に据え置かれる無線タグ92が1つずつであるとすると、据え置きの無線タグ92の個数は、2つとなる。以降、各据え置きの無線タグ92を、据え置きの無線タグ92_j(jは0又は1)と記載する場合もある。ただし、据え置きの無線タグ92_jの個数は、2つに限定されない。また、据え置きの無線タグ92_jの個数は、必ずしも読み取り位置9002_jの数と同一でなくてもよい。例えば、さらなる読み取り位置9002_jが、搬入口近傍の読み取り位置9002_j及び搬出口近傍の読み取り位置9002_j間に敷設されたレール上の任意の位置に設定されていてもよい。
次に、据え置きの無線タグ92の詳細な構成について説明する。複数の据え置きの無線タグ92の各々は、製造装置921に設定された読み取り位置9002_j各々の近傍に配置されている。読み取り位置9002_jは、前述のように、搬入口近傍及び搬出口近傍に設定されている。本実施形態において、各読み取り位置9002_j近傍に据え置かれる無線タグ92が1つずつであるとすると、据え置きの無線タグ92の個数は、2つとなる。以降、各据え置きの無線タグ92を、据え置きの無線タグ92_j(jは0又は1)と記載する場合もある。ただし、据え置きの無線タグ92_jの個数は、2つに限定されない。また、据え置きの無線タグ92_jの個数は、必ずしも読み取り位置9002_jの数と同一でなくてもよい。例えば、さらなる読み取り位置9002_jが、搬入口近傍の読み取り位置9002_j及び搬出口近傍の読み取り位置9002_j間に敷設されたレール上の任意の位置に設定されていてもよい。
据え置きの無線タグ92_jは、位置識別子を格納している。位置識別子については、第1の実施形態で説明した通りである。例えば、搬入口(上流側)近傍の読み取り位置9002_jに位置識別子として0が付与され、搬出口(下流側)近傍の読み取り位置9002_jに位置識別子として1が付与されてもよい。なお、3つ以上の読み取り位置9002_jが設定されている場合、搬入口(上流)側の読み取り位置9002_jから搬出口(下流)側の読み取り位置9002_jに向かって、0から順に自然数の位置識別子が付与されていてもよい。据え置きの無線タグ92_jは、格納される位置識別子によって識別される読み取り位置9002_j近傍に据え置かれる。換言すると、据え置きの無線タグ92_jには、据え置かれた位置近傍の読み取り位置9002_jを識別する位置識別子が格納される。なお、無線タグ92_jが据え置かれる場所としては、例えば、無線タグリーダ20の動線の脇が挙げられる。また、例えば、無線タグリーダ20の動線が挙げられる。また、例えば、製造装置921とボビン922との間に設けられた柱の上面が挙げられる。また、例えば、製造装置921が設置された接地面上が挙げられる。
また、各据え置きの無線タグ92_jは、位置識別子に加えて、動作制御識別子が付与された動作制御情報を格納している。動作制御情報については、第1の実施形態で説明した通りであるため、本実施形態における説明を省略する。
(ホスト装置の構成)
ホスト装置82は、第1の実施形態で説明したホスト装置80と同様に構成される。
ホスト装置82は、第1の実施形態で説明したホスト装置80と同様に構成される。
(無線タグリーダの構成)
次に、無線タグリーダ20の各部の構成について説明する。アンテナ21及びアンテナ角度制御部211は、製造装置921内に設置される。また、アンテナ21及びアンテナ角度制御部211は、製造装置921内に設置された移動部22によって移動される。その他の点については、アンテナ21及びアンテナ角度制御部211は、第1の実施形態におけるアンテナ11と同様に構成されるため、本実施形態における説明を省略する。
次に、無線タグリーダ20の各部の構成について説明する。アンテナ21及びアンテナ角度制御部211は、製造装置921内に設置される。また、アンテナ21及びアンテナ角度制御部211は、製造装置921内に設置された移動部22によって移動される。その他の点については、アンテナ21及びアンテナ角度制御部211は、第1の実施形態におけるアンテナ11と同様に構成されるため、本実施形態における説明を省略する。
移動部22は、前述したように、製造装置921内に設置される。その他の点については、第1の実施形態における移動部12と同様に構成されるため、本実施形態における説明を省略する。
なお、アンテナ21、アンテナ角度制御部211及び移動部22の一部または全部は、製造装置921の外部に存在してもよい。
読取部23は、第1の実施形態における読取部13と同様に構成される。ただし、読取部23は、第1の実施形態における読取部13と異なり、移動部22に支持されておらず、アンテナ21と共に移動することはない。
制御部24は、プロセッサ、メモリ及びネットワークインタフェースを含むコンピュータ装置によって構成される。制御部24の各機能ブロックである移動方向決定部241、移動制御部242、動作制御部243及び通信部244は、メモリに格納されたプログラム及びデータをプロセッサが読み込んで実行するとともにネットワークインタフェースを介してホスト装置82と通信を行うことによりソフトウェアの機能として実現される。ただし、制御部24の各機能ブロックの一部又は全部は、専用のハードウェアにより実現されてもよい。なお、制御部24は、第1の実施形態における制御部14と異なり、移動部22に支持されておらず、アンテナ21と共に移動することはない。
移動方向決定部241は、第1の実施形態における移動方向決定部141と同様に構成される。
移動制御部242は、移動方向決定部241が決定した移動方向にアンテナ21を移動させるよう移動部22を制御する。そして、移動制御部242は、移動先近傍に据え置かれた無線タグ92_jから移動先を示す位置識別子を読取部23が読み取り可能な読取可能領域内にアンテナ21が移動すると、アンテナ21の移動を停止するよう移動部22を制御する。
移動制御部242によって、アンテナ21が移動先に到達したか否かを判断する構成については、第1の実施形態で説明した通りであるため、本実施形態における説明を省略する。
動作制御部243、通信部244及び電源部25は、第1の実施形態における動作制御部143、通信部144及び電源部15と、それぞれ同様に構成される。
(無線タグリーダの制御方法)
次に、無線タグリーダ20の制御方法について、図15を参照して説明する。図15は、無線タグリーダ20の制御方法S2を説明するフローチャートである。制御方法S2は、制御部24によって実行され、以下の工程を含む。
次に、無線タグリーダ20の制御方法について、図15を参照して説明する。図15は、無線タグリーダ20の制御方法S2を説明するフローチャートである。制御方法S2は、制御部24によって実行され、以下の工程を含む。
工程S201:移動方向決定部241は、アンテナ21の現在地近傍に据え置かれた無線タグ92_jから読取部23が読み取った位置識別子を取得する。この位置識別子は、現在地を示す位置識別子である。
工程S202:移動方向決定部241は、ホスト装置82から、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組を受信する。なお、工程S201、S202の実行順序は、必ずしもこの順番でなくてもよく、工程S202、S201の順に実行されてもよい。
工程S203:移動方向決定部241は、現在地を示す位置識別子と、移動先を示す位置識別子とが同一であるか否かを判断する。同一であると判断された場合、後述の工程S208が実行される。同一でないと判断された場合、次の工程S204が実行される。
工程S204:移動方向決定部241は、現在地を示す位置識別子と、移動先を示す位置識別子とに基づいて、移動方向を決定する。
工程S205:移動制御部242は、アンテナ21を、移動方向決定部241によって決定された移動方向に移動させるよう移動部22を制御する。
工程S206:移動制御部242は、移動中のアンテナ21を介して読取可能な据え置きの無線タグ92_jから読取部23が読み取った位置識別子を取得する。そして、移動制御部242は、取得した位置識別子と、移動先を示す位置識別子とに基づいて、アンテナ21が移動先に到達したか否かを判断する。
前述のように、移動制御部242は、工程S206において、取得した位置識別子と移動先を示す位置識別子とが初めて一致した時点またはその時点に基づくタイミングで、アンテナ21が移動先に到達したと判断してもよい。あるいは、移動制御部242は、移動先を示す位置識別子を表す情報の受信強度に基づいて、移動先に到達したか否かを判断してもよい。
アンテナ21が移動先に到達したと判断した場合、次の工程S207が実施される。アンテナ21が移動先に到達していないと判断した場合、工程S206が繰り返される。
工程S207:移動制御部242は、アンテナ21の移動を停止するよう、移動部22を制御する。
工程S208:動作制御部243は、移動先を示す位置識別子を格納する無線タグ92_jから読取部23が読み取った1つ以上の動作制御情報のうち、工程S202で受信した動作制御識別子に対応する動作制御情報を特定する。
工程S209:動作制御部243は、特定した動作制御情報にしたがって、無線タグリーダ20の各部の動作を制御する。例えば、動作制御部243は、動作制御情報にしたがって、アンテナ21の角度を調整するようアンテナ角度制御部211を制御する。また、例えば、動作制御部243は、動作制御情報にしたがって、出力パワーを調整するようアンテナ21を制御する。また、例えば、動作制御部243は、動作制御情報にしたがって、受信感度を調整するよう読取部23を制御する。
工程S210:動作制御部243は、移動先近傍に存在する無線タグ923から読取部23が読み取った情報を、動作制御情報にしたがってフィルタリングする。
工程S211:動作制御部243は、工程S210で得られた情報と、当該移動先を示す位置識別子とを、ホスト装置82に送信する。
工程S212:移動方向決定部241は、次の移動先を示す位置識別子があるか否かを判断する。次の移動先を示す位置識別子がある場合、再び工程S201〜S210が実施される。次の移動先を示す位置識別子がない場合、制御部24は、無線タグリーダ20の動作を終了させる。なお、移動先がないと判断した場合の処理として、移動開始地点である読み取り位置9002_0に無線タグリーダ20を戻してもよい。
なお、次の移動先を示す位置識別子の有無の判断の詳細については、第1の実施形態と同様であるため、本実施形態における説明を省略する。また、工程S211において当該情報及び位置識別子の組を送信する代わりに蓄積する動作については、第1の実施形態と同様であるため、本実施形態における説明を省略する。
(無線タグリーダの制御方法の具体例)
次に、無線タグリーダ20の制御方法S2の具体例を図6、図14〜図16を参照しながら説明する。
次に、無線タグリーダ20の制御方法S2の具体例を図6、図14〜図16を参照しながら説明する。
ここでは、製造装置921の搬入口近傍に据え置かれた無線タグ92_0には、位置識別子として0が格納されている。また、製造装置921の搬出口近傍に据え置かれた無線タグ92_1には、位置識別子として1が格納されている。
また、ボビン922に付されている無線タグ923には、本発明の第1の実施形態の具体例で参照した図6に示した情報と同様の情報が格納されている。ここでは、種別A又はBは、ボビン922の種別を表すものとする。また、個体番号は、ボビン922の個体番号を表すものとする。
また、据え置きの無線タグ92_jには、それぞれ、位置識別子に加えて、動作制御識別子が付された動作制御情報が格納されている。図16は、無線タグ92_jに格納される動作制御情報の一例を示す図である。図16に示すように、無線タグ92_0には、動作制御識別子101の動作制御情報が格納されている。この動作制御識別子:101の動作制御情報は、読取対象指定情報として「A」を含む。これは、種別として「A」を含む物品識別情報を読み取ることを指定している。また、この動作制御情報は、水平角度として「+315度」及び垂直角度として「+30度」を含む。これは、アンテナ21の方位角及び仰角を、それぞれ、基準とする方向から+315度(時計回りに315度)及び+30度(上向きに30度)に制御することを指定している。また、この動作制御情報は、出力パワーとして「+25dBm」を含む。これは、アンテナ21の出力パワーを指定する値である。また、この動作制御情報は、受信感度として「−60dBm」を含む。これは、読取部13の受信感度を指定する値である。また、無線タグ92_1には、動作制御識別子:201の動作制御情報が格納されている。動作制御識別子:201の動作制御情報は、読取対象指定情報として「B」を含む。これは、種別として「B」を含む物品識別情報を読み取ることを指定している。動作制御識別子:201の動作制御制御情報に含まれる読取対象指定情報以外の情報については、水平角度を除き、動作制御識別子:101の動作制御制御情報に含まれる情報と同様である。これは、読み取り位置9002_0においては、無線タグ923aが読み取り位置9002_0の左方向にあるのに対して、読み取り位置9002_1においては、無線タグ923bが読み取り位置9002_1の右方向にあるためである。
また、初期状態では、アンテナ21が、搬出口近傍の読み取り位置9002_1にあるとする。
この場合、移動方向決定部241は、読取部23が無線タグ92_1から読み取った、現在地を示す位置識別子:1を取得する(工程S201)。
次に、移動方向決定部241は、ホスト装置82から、移動先を示す位置識別子:0及び動作制御識別子:101の組を受信したとする(工程S202)。位置識別子:0が示す読み取り位置9002_0は、製造装置921の搬入口近傍である。
次に、移動方向決定部241は、現在地を示す位置識別子:1と、移動先を示す位置識別子:0とに基づいて、搬入口(上流)側に向かう移動方向を決定する(工程S203でNo、工程S204)。
次に、移動制御部242は、搬入口側に向かう方向にアンテナ21を移動させるよう、移動部22を制御する(工程S205)。
次に、移動制御部242は、移動中のアンテナ21から読み取り可能となった無線タグ92_0から読取部23が読み取った位置識別子:0を取得する。そして、移動制御部242は、読み取った位置識別子:0と、移動先を示す位置識別子:0とが一致するため、アンテナ21が移動先に到達したと判断する(工程S206でYES)。すなわち、アンテナ21は、製造装置921の搬入口近傍に到達したことになる。
なお、ここでは、移動制御部242は、読み取った位置識別子と移動先を示す位置識別子とが移動後初めて一致した時点で、アンテナ21が移動先に到達したと判断する例について説明している。
そこで、移動制御部242は、アンテナ21の移動を停止させるよう、移動部22を制御する(工程S207)。
次に、動作制御部243は、移動先を示す位置識別子:0を格納する無線タグ92_0から読取部23が読み取った動作制御情報のうち、工程S202で受信した動作制御識別子:101に対応する動作制御情報を特定する(工程S208)。
動作制御部243は、動作制御識別子:101の動作制御情報にしたがって、無線タグリーダ20の各部を制御する。具体的には、動作制御部243は、アンテナ21の方位角及び仰角を、それぞれ、基準とする方向から+315度及び+30度にするよう、アンテナ角度制御部211を制御する。また、動作制御部243は、アンテナ21の出力パワーを+25dBmに制御する。また、動作制御部243は、読取部23の受信感度を−60dBmに制御する(工程S209)。
ここで、製造装置921の搬入口近傍に、種別Aのボビン922aに加えて、種別Cのボビン922c(不図示)が存在したとする。ボビン922cには、無線タグ923c(不図示)が付されているとする。そこで、動作制御部243は、種別Cのボビン922cに付された無線タグ923cから読み取られた情報「C001」を取得する。また、動作制御部243は、種別Aのボビン922aに付された無線タグ923aから読み取られた情報「A001」を取得する。そして、動作制御部243は、読み取った情報を、動作制御識別子101の動作制御情報に含まれる読取対象指定情報にしたがって種別Aを含むものでフィルタリングした結果、「A001」を得る(工程S210)。
動作制御部243は、工程S210で得られた情報「A001」と、当該移動先を示す位置識別子:0との組を、ホスト装置82に送信する(工程S211)。
移動方向決定部241は、次の移動先を示す位置識別子があるか否かを判断する(工程S212)。ここでは、次の移動先を示す位置識別子:1及び動作制御識別子:201の組がホスト装置82から受信されたとする。位置識別子:1が示す読み取り位置9002_1は、製造装置921の搬出口近傍である。
そこで、制御部24は、次の移動先があると判断し(工程S212でYES)、再び、同様に工程S201〜S210を実行する。これにより、製造装置921の搬出口近傍にアンテナ21が移動する。そして、動作制御識別子:201の動作制御情報にしたがって、アンテナ21の水平角度、垂直角度及び出力パワーと、読取部23の受信感度とが調整され、物品識別情報が読み取られる。
そして、次の移動先を示す位置識別子がなければ、制御部24は、次の移動先がないと判断し(工程S212でNO)、無線タグリーダ20の動作を終了させる。なお、移動先がないと判断した場合の処理として、移動開始地点である読み取り位置9002_0に無線タグリーダ20を戻してもよい。
(本実施形態の効果)
本実施形態は、1台の製造装置921の内部にアンテナ21を移動する移動部22を設置することにより、製造装置921の外部に無線タグリーダ20を移動させるスペースの確保が困難である場合にも、本発明の第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
本実施形態は、1台の製造装置921の内部にアンテナ21を移動する移動部22を設置することにより、製造装置921の外部に無線タグリーダ20を移動させるスペースの確保が困難である場合にも、本発明の第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施形態において、読取部23が移動部22に支持されておらず、アンテナ21と共に移動しない例について説明した。これに限らず、本実施形態において、読取部23を、移動部22によって支持するよう構成することも可能である。この場合、読取部23は、アンテナ21と共に移動する。この場合であっても、本実施形態は、上述と同様の効果を奏する。
(変形例1)
本実施形態は、無線タグリーダ20の移動速度を制御可能な形態に変形することが可能である。
本実施形態は、無線タグリーダ20の移動速度を制御可能な形態に変形することが可能である。
このような変形例に係る無線タグシステム2の構成を図14に示す。図14において、無線タグシステム2は、無線タグシステム2と同様に製造装置921に適用される。また、無線タグシステム2は、無線タグシステム2と同様の構成に加えて、無線タグ99を有する。無線タグ99は、速度制御情報を格納しており、速度制御位置9009に据え置かれる。ここで、速度制御情報とは、無線タグリーダ20の移動速度の制御内容を表す情報である。速度制御情報は、例えば、速度を指定する情報であってもよい。また、速度制御情報は、例えば、減速や加速等といった速度の変更を指示する情報であってもよい。また、速度制御位置とは、無線タグリーダ20の移動速度を制御する位置である。速度制御位置と読み取り位置9002_jとを共用する場合、読み取り位置9002_jの近傍に据え置かれる無線タグ92_jが、位置識別子及び動作制御情報に加えて、速度制御情報をさらに格納していてもよい。また、読み取り位置9002_jと異なる位置に速度制御位置が定められる場合、速度制御位置近傍に据え置かれる無線タグ99は、少なくとも速度制御情報を格納していればよく、位置識別子や動作制御情報を格納していなくてもよい。なお、速度制御情報を格納する無線タグ99の個数及びその位置は、図14に示したものに限らず、任意である。
この場合、移動制御部242は、次のように動作するよう変形される。具体的には、移動制御部242は、図15の工程S205において、読取部23が読み取った速度制御情報が示す速度にしたがって、移動部22が無線タグリーダ20を移動させるよう制御する。例えば、現在地を示す位置識別子を格納する無線タグ92_jに、速度制御情報が格納されていたとする。この場合、移動制御部242は、移動方向決定部241によって決定された移動方向に、速度制御情報にしたがった速度で無線タグリーダ20を移動させるよう、移動部22を制御する。また、無線タグリーダ20の移動中に、移動経路の近傍に据え置かれた無線タグに格納された速度制御情報が、読取部23によって読み取られたとする。この場合、移動制御部242は、無線タグリーダ20の移動速度を、読み取られた速度制御情報にしたがって変更するよう、移動部22を制御する。
これにより、本実施形態は、無線タグリーダ20の移動速度を制御することが可能となる。例えば、本実施形態は、移動先の読み取り位置9002_jに近づくにつれて無線タグリーダ20の移動速度を減速する、といった制御を行うことができる。
以上のように変形することにより、本実施形態は、上述と同様の効果を奏しながら、無線タグリーダ20の移動開始前後又は移動中に、その移動速度を制御可能な無線タグリーダ20を実現することができる。また、現在地を示す位置識別子を格納する無線タグ92_jの周辺等に、無線タグリーダ20の移動速度を加速する速度制御情報が格納された上記の無線タグ99が設けられている場合、移動先の読み取り位置9002_jに向かって無線タグリーダ20の移動速度を加速できるので、無線タグリーダ20をより迅速に、移動先の読み取り位置9002_jおよびその周辺に停止できるといった速度制御が可能な無線タグリーダ20も実現できる。また、移動先の読み取り位置9002_jより上流側に、無線タグリーダ20の移動速度を減速する速度制御情報が格納された上記の無線タグ99が設けられている場合、移動先の読み取り位置9002_jに近づくにつれて無線タグリーダ20の移動速度を減速できるので、無線タグリーダ20がより確実に、移動先の読み取り位置9002_jおよびその周辺に停止できるといったより精密な位置制御が可能な無線タグリーダ20も実現できる。
(変形例2)
また、本実施形態は、無線タグリーダ20の移動先において読み取り対象とした無線タグ923に情報を書き込む形態に変形することが可能である。この場合、無線タグリーダ20は、書込部(不図示)をさらに備えるよう構成される。書込部は、アンテナ21を介して無線タグに情報を書き込む。また、読み取り位置9002_j近傍に据え置かれた無線タグ92_jは、無線タグ923に対する書き込み内容を指示する動作制御情報をさらに含む。このように変形した場合、動作制御部243は、図15の工程S210において、無線タグリーダ20の移動先で読み取った動作制御情報にしたがって、無線タグ923に対する書き込みを行うよう書込部を制御すればよい。無線タグ923に書き込む情報の一例としては、無線タグ923が付された物品922の使用状況(例えば、ボビン922に巻かれた線状の物品の残量)等が挙げられるが、これに限られない。
また、本実施形態は、無線タグリーダ20の移動先において読み取り対象とした無線タグ923に情報を書き込む形態に変形することが可能である。この場合、無線タグリーダ20は、書込部(不図示)をさらに備えるよう構成される。書込部は、アンテナ21を介して無線タグに情報を書き込む。また、読み取り位置9002_j近傍に据え置かれた無線タグ92_jは、無線タグ923に対する書き込み内容を指示する動作制御情報をさらに含む。このように変形した場合、動作制御部243は、図15の工程S210において、無線タグリーダ20の移動先で読み取った動作制御情報にしたがって、無線タグ923に対する書き込みを行うよう書込部を制御すればよい。無線タグ923に書き込む情報の一例としては、無線タグ923が付された物品922の使用状況(例えば、ボビン922に巻かれた線状の物品の残量)等が挙げられるが、これに限られない。
なお、動作制御部243は、書き込み内容を指示する動作制御情報として、読取部23により読み取られた動作制御情報に限らず、ホスト装置80から受信した動作制御情報を適用してもよい。例えば、図15に示した工程S202において、ホスト装置80から、位置識別子及び動作制御識別子に加えて、書込み内容を指示する動作制御情報を受信しているとする。この場合、動作制御部243は、工程S210において、ホスト装置80から受信した動作制御情報にしたがって書込部を制御すればよい。
(その他の変形例)
本実施形態では、無線タグシステム2が、ホスト装置80を含む例について説明した。ただし、無線タグシステム2は、ホスト装置80を含んでいなくてもよい。この場合に、無線タグシステム2の制御部24に対する変更点は、第1の実施形態のその他の変形例において説明した、無線タグシステム1の制御部14に対する変更点と同様である。
本実施形態では、無線タグシステム2が、ホスト装置80を含む例について説明した。ただし、無線タグシステム2は、ホスト装置80を含んでいなくてもよい。この場合に、無線タグシステム2の制御部24に対する変更点は、第1の実施形態のその他の変形例において説明した、無線タグシステム1の制御部14に対する変更点と同様である。
また、本実施形態では、読み取り対象の無線タグ923は、製造装置921の経路上を移動する物品922に付されるものとして説明した。これに限らず、読み取り対象の無線タグ923は、製造装置921内に存在するその他の物品に付されていてもよい。そのような物品とは、例えば、作業者が携帯又は装着する物品や、塗料、薬品等の副資材、製造装置911に付帯する治具、制作指示書、マニュアル等の物品であってもよい。
また、本実施形態において、ホスト装置80が、無線タグリーダ20に対して、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組の列である移動順序情報を、予め一括して送信しておく構成について説明した。この場合、ホスト装置80は、移動順序情報に従って順次移動先に移動中の無線タグリーダ20に対して、割り込み情報を送信してもよい。割り込み情報は、移動順序情報としてホストから受信済の、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組よりも優先して少なくとも異なる移動先に移動するよう指示する情報である。そのような異なる移動先を、優先移動先とも記載する。割り込み情報は、優先移動先を示す位置識別子を少なくとも含む。また、割り込み情報は、優先移動先において無線タグリーダ20に適用すべき動作制御識別子を含んでいてもよい。この場合、移動方向決定部241及び移動制御部242は、割り込み情報を受信した時点で、次の移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子として、割り込み情報に含まれる優先移動先を示す位置識別子を適用すればよい。また、動作制御部243は、優先移動先において無線タグリーダ20の各部の動作を制御するにあたり、割り込み情報に含まれる動作制御識別子を用いてもよい。そして、移動方向決定部241及び移動制御部242は、優先移動先に無線タグリーダ20を移動させて各部の動作を制御した後、当初受信していた移動順序情報のうち未だ訪問していない移動先から順に、次の移動先として適用して動作すればよい。
また、本実施形態において、位置識別子として、自然数が適用される例について説明した。この他、位置識別子は、読み取り位置9002_jの地理的な区画を表す情報を含んで表されていてもよい。例えば、位置識別子を、「n−m」と表すことも可能である。なお、n、mは、共に自然数である。この場合、位置識別子「n−m」は、区画「n」におけるm番目の読み取り位置9002_jに付与される。また、区画「n」は、nの値の大きさの順に経路上を区画しているとする。また、位置識別子「n−m」が付された読み取り位置9002_jは、区画「n」内で、mの値の大きさの順に経路上に並んでいるものとする。この場合、移動方向決定部241は、現在地を示す位置識別子「n1−m1」と、移動先を示す位置識別子「n2−m2」とを比較して、n1及びn2の値の大小関係に基づいて、移動方向を決定すればよい。また、移動方向決定部241は、n1及びn2が等しい場合、m1及びm2の大小関係に基づいて、移動方向を決定すればよい。
〔第3の実施形態〕
(生産ロボットの構成)
本発明の第3の実施形態としての無線タグシステム3は、生産ロボット931に適用される。まず、生産ロボット931の構成について、図17を参照して説明する。図17は、生産ロボット931に適用された無線タグシステム3の構成を示すブロック図である。なお、図17における無線タグ99及び速度制御位置9009は、後述する変形例において利用される構成であり、本実施形態における必須の構成ではない。
(生産ロボットの構成)
本発明の第3の実施形態としての無線タグシステム3は、生産ロボット931に適用される。まず、生産ロボット931の構成について、図17を参照して説明する。図17は、生産ロボット931に適用された無線タグシステム3の構成を示すブロック図である。なお、図17における無線タグ99及び速度制御位置9009は、後述する変形例において利用される構成であり、本実施形態における必須の構成ではない。
生産ロボット931は、物品932を製造する装置である。生産ロボット931は、支点9521を中心に回転するアーム952と、アーム952を回転駆動する駆動部953と、駆動部953を制御するアーム制御部954とを有する。アーム952は、先端に処理機構を有し、物品932に対する処理を行う。アーム952、駆動部953及びアーム制御部954は、後述する無線タグリーダ30の移動部32として動作する。
物品932は、アーム952の先端の処理機構(図示せず)によって処理可能な複数の処理位置の何れかに配置される。物品932には、無線タグ933が付される。無線タグ933は、物品932に関する各種の情報を格納している。例えば、無線タグ933は、物品932の種別を表す情報、物品932の個体を識別する情報、物品932に関するその他の情報、又は、これらの情報の任意の組み合わせを格納していてもよい。なお、物品932の個体を識別する情報以外の情報は、無線タグ933に格納せず、外部のデータベース等において管理しても構わない。
また、アーム952の先端の処理機構によって処理可能な複数の処理位置は、無線タグ933の読み取り位置9003_j(jは0以上2以下の自然数)として定められている。なお、本実施形態では、生産ロボット931に定められる読み取り位置が3箇所である例を示しているが、読み取り位置9003_jの数は、限定されない。
(無線タグシステム全体の構成)
本発明の実施形態に係る無線タグシステム3の構成について、図17を参照して説明する。図17において、無線タグシステム3は、無線タグリーダ30と、ホスト装置83と、複数の据え置きの無線タグ93とを含む。無線タグリーダ30は、アンテナ31と、アンテナ角度制御部311と、移動部32と、読取部33と、制御部34とを含む。制御部34は、移動方向決定部341と、移動制御部342と、動作制御部343とを含む。
本発明の実施形態に係る無線タグシステム3の構成について、図17を参照して説明する。図17において、無線タグシステム3は、無線タグリーダ30と、ホスト装置83と、複数の据え置きの無線タグ93とを含む。無線タグリーダ30は、アンテナ31と、アンテナ角度制御部311と、移動部32と、読取部33と、制御部34とを含む。制御部34は、移動方向決定部341と、移動制御部342と、動作制御部343とを含む。
移動部32は、前述したように、生産ロボット931のアーム952、駆動部953及びアーム制御部954によって構成される。
アンテナ31は、移動部32の一部であるアーム952の先端近傍に設置される。アンテナ31及び読取部33は、ケーブル等を介して通信可能に接続される。制御部34は、他の各部と、ケーブル等を介して各部を制御可能に接続される。また、制御部34は、無線ネットワーク、有線ネットワーク又はこれらの組み合わせを介してホスト装置83と通信可能に接続される。
(据え置きの無線タグの構成)
複数の据え置きの無線タグ93の各々は、生産ロボット931に設定された読み取り位置9003_j各々の近傍に配置されている。読み取り位置9003_jは、前述のように、アーム952の先端の処理機構によって処理可能な処理位置に設定されている。本実施形態において、各読み取り位置9003_j近傍に据え置かれる無線タグ93が1つずつであるとすると、据え置きの無線タグ93の個数は、3つとなる。以降、各据え置きの無線タグ93を、据え置きの無線タグ93_j(jは0以上2以下の自然数)と記載する場合もある。ただし、据え置きの無線タグ93_jの個数は、3つに限定されない。また、据え置きの無線タグ93_jの個数は、必ずしも読み取り位置9003_jの数と同一でなくてもよい。
複数の据え置きの無線タグ93の各々は、生産ロボット931に設定された読み取り位置9003_j各々の近傍に配置されている。読み取り位置9003_jは、前述のように、アーム952の先端の処理機構によって処理可能な処理位置に設定されている。本実施形態において、各読み取り位置9003_j近傍に据え置かれる無線タグ93が1つずつであるとすると、据え置きの無線タグ93の個数は、3つとなる。以降、各据え置きの無線タグ93を、据え置きの無線タグ93_j(jは0以上2以下の自然数)と記載する場合もある。ただし、据え置きの無線タグ93_jの個数は、3つに限定されない。また、据え置きの無線タグ93_jの個数は、必ずしも読み取り位置9003_jの数と同一でなくてもよい。
据え置きの無線タグ93_jは、位置識別子を格納している。この場合、位置識別子は、アーム952の先端の処理機構による処理位置を識別するIDである。位置識別子は、その順序関係が、アーム952の先端の回転移動経路939上における読み取り位置9003_jの配置順序関係を表すよう定められている。
なお、無線タグ93_jが据え置かれる場所としては、例えば、回転移動経路939上に設置された設備(図示せず)の内部または表面が挙げられる。また、例えば、回転移動経路939近傍が挙げられる。
また、各据え置きの無線タグ93_jは、位置識別子に加えて、動作制御識別子が付与された動作制御情報を格納している。動作制御情報については、第1の実施形態で説明した通りであるため、本実施形態における説明を省略する。
(ホスト装置の構成)
ホスト装置83は、第1の実施形態で説明したホスト装置80と同様に構成される。
ホスト装置83は、第1の実施形態で説明したホスト装置80と同様に構成される。
(無線タグリーダの構成)
アンテナ31及びアンテナ角度制御部311は、アーム952の回転に伴い移動される。その他の点については、アンテナ31及びアンテナ角度制御部311は、第1の実施形態におけるアンテナ11及びアンテナ角度制御部111と同様に構成されるため、本実施形態における説明を省略する。
アンテナ31及びアンテナ角度制御部311は、アーム952の回転に伴い移動される。その他の点については、アンテナ31及びアンテナ角度制御部311は、第1の実施形態におけるアンテナ11及びアンテナ角度制御部111と同様に構成されるため、本実施形態における説明を省略する。
移動部32は、前述したように、生産ロボット931の内部に設置される。その他の点については、第1の実施形態における移動部12と同様に構成されるため、本実施形態における説明を省略する。
読取部33は、第1の実施形態における読取部13と同様に構成される。ただし、読取部33は、第1の実施形態における読取部13と異なり、アーム952に支持されておらず、アンテナ31と共に移動することはない。なお、生産ロボット931が移動部を備え、この移動部により生産ロボット931が全体として移動する構成を採用することもできる。
制御部34は、プロセッサ、メモリ及びネットワークインタフェースを含むコンピュータ装置によって構成される。制御部34の各機能ブロックである移動方向決定部341、移動制御部342、動作制御部343及び通信部344は、メモリに格納されたプログラム及びデータをプロセッサが読み込んで実行するとともにネットワークインタフェースを介してホスト装置83と通信を行うことによりソフトウェアの機能として実現される。ただし、制御部34の各機能ブロックの一部又は全部は、専用のハードウェアにより実現されてもよい。なお、制御部34は、第1の実施形態における読取部13と異なり、アーム952に支持されておらず、アンテナ31と共に移動することはない。
移動方向決定部341は、第1の実施形態における移動方向決定部141に対して、決定する移動方向が若干異なる。本実施形態では、位置識別子は、回転移動経路939における読み取り位置9003_jの配置順序関係を表すよう定められている。そこで、移動方向決定部341は、現在地を示す位置識別子と、移動先を示す位置識別子との順序関係に基づいて、移動方向として右回転または左回転の何れかを決定する。以降、本実施形態では、移動方向を、回転方向とも記載する。その他の点については、移動方向決定部341は、第1の実施形態における移動方向決定部141と同様に構成されるため、本実施形態における説明を省略する。
移動制御部342は、移動方向決定部141が決定した回転方向にアンテナ31を移動させるよう指示する情報を、移動部32の一部を構成するアーム制御部954に送信する。これにより、アーム制御部954は、指示された回転方向にアーム952を回転させるよう駆動部953を制御する。そして、移動制御部342は、アンテナ31が移動先に到達すると、アーム952の回転を停止させるよう指示する情報を、アーム制御部954に送信する。
移動制御部342によって、アンテナ31が移動先に到達したか否かを判断する構成については、第1の実施形態で説明した通りであるため、本実施形態におけるさらなる説明を省略する。
動作制御部343、通信部344及び電源部35は、は、第1の実施形態における動作制御部143、通信部144及び電源部15と、それぞれ同様に構成される。
(無線タグリーダの制御方法)
次に、無線タグリーダ30の制御方法について、図18を参照して説明する。図18は、無線タグリーダ30の制御方法S3を説明するフローチャートである。制御方法S3は、制御部34によって実行され、以下の工程を含む。
次に、無線タグリーダ30の制御方法について、図18を参照して説明する。図18は、無線タグリーダ30の制御方法S3を説明するフローチャートである。制御方法S3は、制御部34によって実行され、以下の工程を含む。
工程S301:移動方向決定部341は、アンテナ31の現在地近傍に据え置かれた無線タグ93_jから読取部33が読み取った位置識別子を取得する。この位置識別子は、現在地を示す位置識別子である。
工程S302:移動方向決定部341は、ホスト装置83から、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組を受信する。なお、工程S301、S302の実行順序は、必ずしもこの順番でなくてもよく、工程S302、S301の順に実行されてもよい。
工程S303:移動方向決定部341は、現在地を示す位置識別子と、移動先を示す位置識別子とが同一であるか否かを判断する。同一であると判断された場合、後述の工程S308が実行される。同一でないと判断された場合、次の工程S304が実行される。
工程S304:移動方向決定部341は、現在地を示す位置識別子と、移動先を示す位置識別子とに基づいて、回転方向を決定する。
工程S305:移動制御部342は、アーム952を、移動方向決定部341によって決定された回転方向に回転させるよう、アーム制御部954を制御する。
工程S306:移動制御部342は、アーム952の回転に伴い移動中のアンテナ31を介して読取可能な据え置きの無線タグ93_jから、読取部33が読み取った位置識別子を取得する。そして、移動制御部342は、取得した位置識別子と、移動先を示す位置識別子とに基づいて、アンテナ31が移動先に到達したか否かを判断する。
前述のように、移動制御部342は、工程S306において、取得した位置識別子と移動先を示す位置識別子とが初めて一致した時点またはその時点に基づくタイミングで、アンテナ31が移動先に到達したと判断してもよい。あるいは、移動制御部342は、移動先を示す位置識別子を表す情報の受信強度に基づいて、移動先に到達したか否かを判断してもよい。
アンテナ31が移動先に到達したと判断した場合、次の工程S307が実施される。アンテナ31が移動先に到達していないと判断した場合、工程S306が繰り返される。
工程S307:移動制御部342は、アーム952の回転を停止するよう、アーム制御部954を制御する。
工程S308:動作制御部343は、移動先を示す位置識別子を格納する無線タグ93_jから読取部33が読み取った1つ以上の動作制御情報のうち、工程S302で受信した動作制御識別子に対応する動作制御情報を特定する。
工程S309:動作制御部343は、特定した動作制御情報にしたがって、無線タグリーダ30の各部の動作を制御する。例えば、動作制御部343は、動作制御情報にしたがって、アンテナ31の角度を調整するようアンテナ角度制御部311を制御する。また、例えば、動作制御部343は、動作制御情報にしたがって、出力パワーを調整するようアンテナ31を制御する。また、例えば、動作制御部343は、動作制御情報にしたがって、受信感度を調整するよう読取部33を制御する。
工程S310:動作制御部343は、移動先近傍に存在する無線タグ93_jから読取部33が読み取った情報を、動作制御情報にしたがってフィルタリングする。
工程S311:動作制御部343は、工程S310で得られた情報と、当該移動先を示す位置識別子とを、ホスト装置83に送信する。
工程S312:移動方向決定部341は、次の移動先を示す位置識別子があるか否かを判断する。次の移動先を示す位置識別子がある場合、再び工程S301〜S310が実施される。次の移動先を示す位置識別子がない場合、制御部34は、無線タグリーダ30の動作を終了させる。なお、移動先がないと判断した場合の処理として、移動開始地点である読み取り位置9003_0に無線タグリーダ30を戻してもよい。
なお、次の移動先を示す位置識別子の有無の判断の詳細については、第1の実施形態と同様であるため、本実施形態における説明を省略する。また、工程S311において当該情報及び位置識別子の組を送信する代わりに蓄積する動作については、第1の実施形態と同様であるため、本実施形態における説明を省略する。
(無線タグリーダの制御方法の具体例)
次に、無線タグリーダ30の制御方法S3の具体例を、図6、図17〜図18を参照しながら説明する。
次に、無線タグリーダ30の制御方法S3の具体例を、図6、図17〜図18を参照しながら説明する。
ここでは、生産ロボット931における3つの処理位置それぞれの近傍には、無線タグ93_0、93_1及び93_2が据え置かれている。また、無線タグ93_0、93_1及び93_2には、それぞれ、位置識別子として0、1及び2が格納されている。
また、物品932に付されている無線タグ933には、本発明の第1の実施形態の具体例で参照した図6に示した情報と同様の情報が格納されている。
また、据え置きの無線タグ93_jには、それぞれ、位置識別子に加えて、動作制御識別子が付された動作制御情報が格納されている。無線タグ93_0には、動作制御識別子:101の動作制御情報が格納されているものとする。また、無線タグ93_1には、動作制御識別子:201の動作制御情報が格納されているものとする。また、無線タグ93_2には、動作制御識別子:301の動作制御情報が格納されているものとする。なお、動作制御識別子:101の動作制御情報及び動作制御識別子:201の動作制御情報については、図16を参照して説明した本発明の第2の実施形態における具体例と同様であるものとする。
また、初期状態では、アーム952の先端が、無線タグ93_0の近傍の読み取り位置9003_0にあるとする。
この場合、移動方向決定部341は、読取部33が無線タグ93_0から読み取った、現在地を示す位置識別子:0を取得する(工程S301)。
次に、移動方向決定部341は、ホスト装置83から、移動先を示す位置識別子:1及び動作制御識別子:201の組を受信したとする(工程S302)。
次に、移動方向決定部341は、現在地を示す位置識別子0と、移動先を示す位置識別子1とに基づいて、移動方向として右回転を決定する(工程S303でNo、工程S304)。
次に、移動制御部342は、アーム952を右回転方向に移動するようアーム制御部954を制御する(工程S305)。
次に、移動制御部342は、移動中のアンテナ31から読み取り可能となった無線タグ93_1から読取部33が読み取った位置識別子1を取得する。そして、移動制御部342は、読み取った位置識別子:1と、移動先を示す位置識別子:1とが一致するため、アンテナ31が移動先に到達したと判断する(工程S306でYES)。
なお、ここでは、移動制御部342は、読み取った位置識別子と移動先を示す位置識別子とが移動後初めて一致した時点で、アンテナ31が移動先に到達したと判断する例について説明している。
そこで、移動制御部342は、アーム952の回転を停止させるようアーム制御部954を制御する(工程S307)。
次に、動作制御部343は、移動先を示す位置識別子:1を格納する無線タグ93_1から読取部33が読み取った動作制御情報のうち、工程S302で受信した動作制御識別子:201に対応する動作制御情報を特定する(工程S308)。
動作制御部343は、動作制御識別子:201の動作制御情報にしたがって、無線タグリーダ30の各部を制御する。具体的には、動作制御部343は、アンテナ31の水平角度を+315度及び垂直角度を+30度にするよう、アンテナ角度制御部311を制御する。また、動作制御部343は、アンテナ31の出力パワーを+25dBmに制御する。また、動作制御部343は、読取部33の受信感度を−60dBmに制御する(工程S309)。
ここで、位置識別子:2で識別される処理位置近傍に、種別Aの物品932と、種別Bの物品932とが存在したとする。そこで、動作制御部343は、種別Aの物品932に付された無線タグ933から読み取られた情報「A001」を取得する。また、動作制御部343は、種別Bの物品932に付された無線タグ933から読み取られた情報「B001」を取得する。そして、動作制御部343は、読み取った情報を、動作制御識別子201の動作制御情報にしたがって種別Bを含むものでフィルタリングした結果、「B001」を得る(工程S310)。
動作制御部343は、工程S310でフィルタリングした結果得られた情報「B001」と、移動先である読み取り位置9003_1を示す位置識別子:1との組を、ホスト装置83に送信する(工程S311)。
移動方向決定部341は、次の移動先を示す位置識別子があるか否かを判断する(工程S312)。ここでは、次の移動先を示す位置識別子3及び動作制御識別子:301の組がホスト装置83から受信されたとする。
そこで、制御部34は、次の移動先があると判断し(工程S312でYES)、再び、同様に工程S301〜S310を実行する。これにより、位置識別子:3で識別される処理位置にアンテナ31が移動するまで、アーム952が回転する。そして、動作制御識別子:301にしたがって、アンテナ31の水平角度、垂直角度及び出力パワーと、読取部33の受信感度とが調整され、物品識別情報が読み取られる。
そして、次の移動先を示す位置識別子がなければ、制御部34は、次の移動先がないと判断し(工程S312でNO)、無線タグリーダ30の動作を終了させる。なお、移動先がないと判断した場合の処理として、移動開始地点である読み取り位置9003_0に無線タグリーダ30を戻してもよい。
(本実施形態の効果)
本実施形態は、生産ロボット931の一部を用いてアンテナ31を移動する移動部32を構成することにより、比較的アンテナの移動が困難な回転方向についてもアンテナ31をこの回転方向に容易に移動することが可能な構成を実現しつつ、本発明の第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
本実施形態は、生産ロボット931の一部を用いてアンテナ31を移動する移動部32を構成することにより、比較的アンテナの移動が困難な回転方向についてもアンテナ31をこの回転方向に容易に移動することが可能な構成を実現しつつ、本発明の第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施形態において、読取部33がアーム952に支持されておらず、アンテナ31と共に移動しない例について説明した。これに限らず、本実施形態において、読取部33を、アーム952によって支持するよう構成することも可能である。この場合、読取部33は、アンテナ31と共に移動する。この場合であっても、本実施形態は、上述と同様の効果を奏する。
(変形例1)
本実施形態においては、複数の読み取り位置9003_jが回転移動経路939に沿って設定される形態について説明した。しかしながら、本実施形態は、次のように変形することにより、複数の読み取り位置9003_jが2次元または3次元の空間中の任意の位置に設定される場合にも適用可能である。
本実施形態においては、複数の読み取り位置9003_jが回転移動経路939に沿って設定される形態について説明した。しかしながら、本実施形態は、次のように変形することにより、複数の読み取り位置9003_jが2次元または3次元の空間中の任意の位置に設定される場合にも適用可能である。
図19の(a)は、複数の読み取り位置が2次元の空間上に設定された無線タグシステム3を示す斜視図である。図19の(a)に示す無線タグシステム3においては、2次元空間である床の上に3つの読み取り位置9003_0〜9003_2が設定されており、各読み取り位置9003_j(jは0以上2以下の自然数)の近傍には、その読み取り位置に対応する位置識別子が格納された無線タグ93_jが据え置かれている。無線タグリーダ30は、アンテナ31をこの床の上で自在に移動させることが可能であり、例えば、読み取り位置9003_0の近傍に配置された無線タグ903から各種情報を読み取る。この際、無線タグリーダ30のアンテナ31の移動は、無線タグリーダ30の移動制御部342が、生産ロボット931のアーム952を方位角方向や仰角方向やアーム952の軸回りに回転させたり、伸縮させたりすることにより実現される。なお、図19の(a)においては、読み取り位置9003_0〜9003_2、据え置き無線タグ93_0〜93_2、読取対象とする無線タグ903、及び無線タグリーダ30のみを図示し、その他の構成要素については図示を省略している。
図19の(a)に示す無線タグシステム3において、各読み取り位置9003_jの近傍に据え置かれた無線タグ93_jには、位置識別子及び動作制御情報に加えて、その読み取り位置9003_jから見た他の読み取り位置9003_k(kは1以上3以下のjとは異なる自然数)の方向を表す方向情報が、他の読み取り位置9003_kの位置識別子「k」と関連付けて格納されている。例えば、読み取り位置9003_0の近傍に据え置かれた無線タグ93_0には、(1)読み取り位置9003_0から見た読み取り位置9003_1の方向を表す方向情報が、読み取り位置9003_1の位置識別子「1」と関連付けて格納されおり、(2)読み取り位置9003_0から見た読み取り位置9003_2の方向を表す方向情報が、読み取り位置9003_2の位置識別子「2」と関連付けて格納されている。
図19の(b)は、複数の読み取り位置が3次元の空間上に設定された無線タグシステム3を示す斜視図である。図19の(b)に示す無線タグシステム3においては、3次元空間である部屋の中に3つの読み取り位置9003_0〜9003_2が設定されており、各読み取り位置9003_j(jは0以上2以下の自然数)の近傍には、その読み取り位置に対応する位置識別子が格納された無線タグ93_jが据え置かれている。無線タグリーダ30は、アンテナ31をこの床の上で自在に移動させることが可能であり、例えば、読み取り位置9003_0の近傍に配置された無線タグ903から各種情報を読み取る。この際、無線タグリーダ30のアンテナ31の移動は、無線タグリーダ30の移動制御部342が、生産ロボット931のアーム952を方位角方向や仰角方向やアーム952の軸回りに回転させたり、伸縮させたりすることにより実現される。なお、図19の(b)においては、読み取り位置9003_0〜9003_2、据え置き無線タグ93_0〜93_2、読取対象とする無線タグ903、及び無線タグリーダ30のみを図示し、その他の構成要素については図示を省略している。
図19の(b)に示す無線タグシステム3において、各読み取り位置9003_jの近傍に据え置かれた無線タグ93_jには、位置識別子及び動作制御情報に加えて、その読み取り位置9003_jから見た他の読み取り位置9003_k(kは0以上2以下のjとは異なる自然数)の方向を表す方向情報が、他の読み取り位置9003_kの位置識別子「k」と関連付けて格納されている。例えば、読み取り位置9003_0の近傍に据え置かれた無線タグ93_0には、(1)読み取り位置9003_0から見た読み取り位置9003_1の方向を表す方向情報が、読み取り位置9003_1の位置識別子「1」と関連付けて格納されおり、(2)読み取り位置9003_0から見た読み取り位置9003_2の方向を表す方向情報が、読み取り位置_9002の位置識別子「2」と関連付けて格納されている。
図19の(a)及び(b)に示す無線タグシステム3において、無線タグリーダ30の移動方向決定部341は、次のように動作する。すなわち、移動方向決定部341は、現在地の近傍に位置する無線タグ93_jから読取部33が読み取った方向情報を取得する。そして、移動方向決定部341は、取得した方向情報のうち、移動先を示す位置識別子に関連付けられた方向情報が表す方向を、移動方向として決定する。例えば、移動先を示す位置識別子が位置識別子「1」である場合、移動方向決定部341は、無線タグ93_0から取得した方向情報のうち、位置識別子「1」に関連付けられた方向情報、すなわち、読み取り位置9003_0から見た読み取り位置9003_1の方向を、移動方向として決定する。
以上のように変形することにより、本実施形態は、複数の読み取り位置9003_jが、分岐を有する経路上に設定される場合や、2次元又は3次元の空間中の任意の位置に設定される場合にも、上述と同様の効果を奏しながら、アンテナ31の移動方向を容易に決定することが可能な無線タグリーダ30および無線タグシステム3を実現できる。
(変形例2)
また、本実施形態は、無線タグリーダ30の移動速度を制御可能に変形してもよい。
また、本実施形態は、無線タグリーダ30の移動速度を制御可能に変形してもよい。
このような変形例2に係る無線タグシステム3の構成を、図17を参照して説明する。図17において、変形例2に係る無線タグシステム3は、無線タグシステム3と同様に生産ロボット931に適用される。また、変形例2に係る無線タグシステム3は、無線タグシステム3と同様の構成に加えて、無線タグ99を有する。無線タグ99は、速度制御情報を格納しており、速度制御位置9009に据え置かれる。ここで、速度制御情報とは、アンテナ31の移動速度の制御内容を表す情報である。速度制御情報は、例えば、速度を指定する情報であってもよい。また、速度制御情報は、例えば、減速や加速等といった速度の変更を指示する情報であってもよい。また、速度制御位置とは、アンテナ31の移動速度を制御する位置である。速度制御位置と読み取り位置9003_jとを共用する場合、読み取り位置9003_jの近傍に据え置かれる無線タグ93_jが、位置識別子及び動作制御情報に加えて、速度制御情報をさらに格納していてもよい。また、読み取り位置9003_jと異なる位置に速度制御位置が定められる場合、速度制御位置近傍に据え置かれる無線タグ99は、少なくとも速度制御情報を格納していればよく、位置識別子や動作制御情報を格納していなくてもよい。なお、速度制御情報を格納する無線タグ99の個数及びその位置は、図17に示したものに限らず、任意である。
この場合、移動制御部342は、次のように動作するよう変形される。具体的には、移動制御部342は、図18の工程S305において、読取部33が読み取った速度制御情報が示す速度にしたがって、移動部32がアンテナ31を移動させるよう制御する。例えば、現在地を示す位置識別子を格納する無線タグ93_jに、速度制御情報が格納されていたとする。この場合、移動制御部342は、移動方向決定部341によって決定された移動方向に、速度制御情報にしたがった速度でアンテナ31を移動させるよう、移動部32を制御する。また、アンテナ31の移動中に、移動経路の近傍に据え置かれた無線タグに格納された速度制御情報が、読取部33によって読み取られたとする。この場合、移動制御部342は、アンテナ31の移動速度を、読み取られた速度制御情報にしたがって変更するよう、移動部32を制御する。
これにより、本実施形態は、アンテナ31の移動速度を制御することが可能となる。例えば、本実施形態は、移動先の読み取り位置9003_jに近づくにつれてアンテナ31の移動速度を減速する、といった制御を行うことができる。
以上のように変形することにより、本実施形態は、上述と同様の効果を奏しながら、アンテナ31の移動開始前後又は移動中に、その移動速度を制御可能なアンテナ31を実現することができる。また、現在地を示す位置識別子を格納する無線タグ93_jの周辺等に、アンテナ31の移動速度を加速する速度制御情報が格納された上記の無線タグ99が設けられている場合、移動先の読み取り位置9003_jに向かってアンテナ31の移動速度を加速できるので、アンテナ31をより迅速に、移動先の読み取り位置9003_jおよびその周辺に停止できるといった速度制御が可能なアンテナ31も実現できる。また、移動先の読み取り位置9003_jより上流側に、アンテナ31の移動速度を減速する速度制御情報が格納された上記の無線タグ99が設けられている場合、移動先の読み取り位置9003_jに近づくにつれてアンテナ31の移動速度を減速できるので、アンテナ31がより確実に、移動先の読み取り位置9003_jおよびその周辺に停止できるといったより精密な位置制御が可能なアンテナ31も実現できる。
(その他の変形例)
また、本実施形態は、アンテナ31の移動先において読み取り対象とした無線タグ903に、情報を書き込むよう制御することも可能である。この場合、無線タグリーダ30は、書込部(不図示)をさらに備えるよう構成される。この書込部の機能は、第1の実施形態の変形例3において説明した書込部の機能と同様である。
また、本実施形態は、アンテナ31の移動先において読み取り対象とした無線タグ903に、情報を書き込むよう制御することも可能である。この場合、無線タグリーダ30は、書込部(不図示)をさらに備えるよう構成される。この書込部の機能は、第1の実施形態の変形例3において説明した書込部の機能と同様である。
また、本実施形態では、無線タグシステム3が、ホスト装置80を含む例について説明した。ただし、無線タグシステム3は、ホスト装置80を含んでいなくてもよい。この場合に、無線タグシステム3の制御部34に対する変更点は、第1の実施形態の「その他の変形例」において説明した、無線タグシステム1の制御部14に対する変更点と同様である。また、本実施形態では、読み取り対象の無線タグ933は、回転移動経路939の近傍に配置された物品932に付されるものとして説明した。ただし、これに限らず、読み取り対象の無線タグ933は、回転移動経路939の近傍に存在するその他の物品に付されていてもよい。そのような物品の例は、第1の実施形態のその他の変形例において説明した物品の例と同様である。
また、本実施形態において、ホスト装置80が、無線タグリーダ30に対して、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組の列である移動順序情報を、予め一括して送信しておく構成について説明した。この場合、ホスト装置80は、移動順序情報に従って順次移動先に移動中の無線タグリーダ30に対して、割り込み情報を送信してもよい。割り込み情報は、移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子の組よりも優先して少なくとも異なる移動先に移動するよう指示する情報である。そのような異なる移動先を、優先移動先とも記載する。割り込み情報は、優先移動先を示す位置識別子を少なくとも含む。また、割り込み情報は、優先移動先において無線タグリーダ30に適用すべき動作制御識別子を含んでいてもよい。この場合、移動方向決定部341及び移動制御部342は、割り込み情報を受信した時点で、次の移動先を示す位置識別子及び動作制御識別子として、割り込み情報に含まれる優先移動先を示す位置識別子を適用すればよい。また、動作制御部343は、優先移動先において無線タグリーダ30の各部の動作を制御するにあたり、割り込み情報に含まれる動作制御識別子を用いてもよい。そして、移動方向決定部341及び移動制御部342は、優先移動先に無線タグリーダ30を移動させて各部の動作を制御した後、当初受信していた移動順序情報のうち未だ訪問していない移動先から順に、次の移動先として適用して動作すればよい。
また、本実施形態において、位置識別子として、自然数が適用される例について説明した。この他、位置識別子は、読み取り位置9003_jの地理的な区画を表す情報を含んで表されていてもよい。例えば、位置識別子を、「n−m」と表すことも可能である。なお、n、mは、共に自然数である。この場合、位置識別子「n−m」は、区画「n」におけるm番目の読み取り位置9003_jに付与される。また、区画「n」は、nの値の大きさの順に経路上を区画しているとする。また、位置識別子「n−m」が付された読み取り位置9003_jは、区画「n」内で、mの値の大きさの順に経路上に並んでいるものとする。この場合、移動方向決定部341は、現在地を示す位置識別子「n1−m1」と、移動先を示す位置識別子「n2−m2」とを比較して、n1及びn2の値の大小関係に基づいて、移動方向を決定すればよい。また、移動方向決定部341は、n1及びn2が等しい場合、m1及びm2の大小関係に基づいて、移動方向を決定すればよい。
〔第4の実施形態〕
上述した第1及び第2の実施形態では、本発明の一態様の無線タグシステムを、製品を生産する生産システムに適用する例について説明した。本実施形態では、本発明の一態様の無線タグシステムを、倉庫に保管される物品の在庫を管理する用途に用いる例について説明する。
上述した第1及び第2の実施形態では、本発明の一態様の無線タグシステムを、製品を生産する生産システムに適用する例について説明した。本実施形態では、本発明の一態様の無線タグシステムを、倉庫に保管される物品の在庫を管理する用途に用いる例について説明する。
本発明の第4の実施形態としての無線タグシステム7は、倉庫970に適用される。まず、倉庫970の構成について、図20を参照して説明する。図20は、無線タグシステム7及び倉庫970の構成を示すブロック図である。
(倉庫の構成)
図20に示すように、倉庫970は、エリア971_1〜971_Nによって構成される。ここで、Nは、1以上の自然数である。図20においては、N=3の場合を示しているが、エリア971_1〜971_Nの個数Nは任意である。倉庫970は、屋内(例えば、工場内)に設置されていてもよいし、屋外に設置されていてもよい。なお、以下では、エリア971_1〜エリア971_Nのそれぞれを代表して、エリア971_iと記載する。ここで、iは、1以上N以下の自然数である。
図20に示すように、倉庫970は、エリア971_1〜971_Nによって構成される。ここで、Nは、1以上の自然数である。図20においては、N=3の場合を示しているが、エリア971_1〜971_Nの個数Nは任意である。倉庫970は、屋内(例えば、工場内)に設置されていてもよいし、屋外に設置されていてもよい。なお、以下では、エリア971_1〜エリア971_Nのそれぞれを代表して、エリア971_iと記載する。ここで、iは、1以上N以下の自然数である。
また、各エリア971_iには、ラック971_i_1〜971_i_nが設置されている。ここで、nは、1以上の自然数である。図20においては、n=3の場合を示しているが、各エリア971_iにおけるラックの個数nは任意である。また、図20においては、各エリア971_iに同数ずつのラックが設置されている例を示しているが、各エリア971_iに設置されるラックの数は、必ずしも他のエリア971_iに設置されるラックの数と同一でなくてもよい。なお、以下では、ラック971_i_1〜971_i_nのそれぞれを代表して、ラック971_i_kとも記載する。ここで、kは、1以上n以下の自然数である。
物品972_1〜972_mの各々は、エリア971_iの何れかに保管されている。ここで、mは、1以上の自然数である。図20においては、m=12の場合を示しているが、物品972_1〜972_mの個数mは任意である。なお、以下では、物品972_1〜972_mのそれぞれを代表して、物品972_lと記載する。ここで、lは、1以上m以下の自然数である。
図20の例では、エリア971_1には、物品972_1〜972_4が保管されている。詳細には、物品972_1は、ラック971_1_1に保管されている。また、物品972_2は、ラック971_1_2に保管されている。また、物品972_3及び物品972_4は、ラック971_1_3に保管されている。同様に、エリア972_2には、物品972_5〜972_8の各々が、ラック971_2_1〜971_2〜3の何れかに図示のように保管されている。また、エリア972_3には、物品972_9〜972_12の各々が、ラック971_3_1〜971_3_3の何れかに図示のように保管されている。なお、各エリア971_i及び各ラック971_i_kに保管される物品972_lの個数は、任意であり、必ずしも他のエリア971_i又は他のラック971_i_kに保管される物品972_lと同数でなくてもよい。
物品972_lには、無線タグ973_lが付されている。無線タグ973_lは、本発明の一態様における読み取り対象の無線タグの一例である。無線タグ973_lは、物品972_lに関する各種の情報を格納している。例えば、無線タグ973_lは、物品972_lの種別を表す情報を格納していてもよい。また、無線タグ973_lは、物品972_lの個体を識別する情報を格納していてもよい。また、無線タグ973_lは、物品972_lに関するその他の情報を格納していてもよい。また、無線タグ973_lは、これらの各種情報の任意の組み合わせを格納していてもよい。
(読み取り位置の構成)
各エリア971_iには、それぞれ、無線タグ973からの情報の読み取り位置が定められている。具体的には、エリア971_1には、読み取り位置9007_1と、読み取り位置9007_2とが定められている。読み取り位置9007_1としては、ラック971_1_1内にある無線タグ973_lからの情報の読み取りに適した位置が定められているとする。また、読み取り位置9007_2としては、ラック971_1_2又は971_1_3内にある無線タグ973_lからの情報の読み取りに適した位置が定められているとする。
各エリア971_iには、それぞれ、無線タグ973からの情報の読み取り位置が定められている。具体的には、エリア971_1には、読み取り位置9007_1と、読み取り位置9007_2とが定められている。読み取り位置9007_1としては、ラック971_1_1内にある無線タグ973_lからの情報の読み取りに適した位置が定められているとする。また、読み取り位置9007_2としては、ラック971_1_2又は971_1_3内にある無線タグ973_lからの情報の読み取りに適した位置が定められているとする。
同様に、エリア971_2には、読み取り位置9007_3と、読み取り位置9007_4とが定められている。読み取り位置9007_3としては、ラック971_2_1内にある無線タグ973_lからの情報の読み取りに適した位置が定められているとする。また、読み取り位置9007_2としては、ラック971_2_2又はラック971_2_3内にある無線タグ973_lからの情報の読み取りに適した位置が定められているとする。
同様に、エリア971_3には、読み取り位置9007_5と、読み取り位置9007_6とが定められている。読み取り位置9007_5としては、ラック971_3_1内にある無線タグ973_lからの情報の読み取りに適した位置が定められているとする。また、読み取り位置9007_6としては、ラック971_3_2又はラック971_3_3内にある無線タグ973_lからの情報の読み取りに適した位置が定められているとする。
また、後述の無線タグリーダ70の移動を開始させる移動開始地点には、読み取り位置9007_0が定められている。
また、読み取り位置9007_0〜9007_6の各位置を通る経路975には、レールが敷設されている。経路975上を、後述の無線タグリーダ70が移動する。なお、以下では、説明を簡単にするため、経路975上において、読み取り位置9007_0がある側を上流と称し、9007_6がある側を下流と称する。また、読み取り位置9007_0から9007_6に向かう方向を下流方向と称し、読み取り位置9007_6から9007_0に向かう方向を上流方向と称する。
図20では、移動開始地点(すなわち、読み取り位置9007_0)が、他の読み取り位置9007_1〜9007_6のうち最も上流側にある読み取り位置9007_1よりもさらに上流側に定められている例を示している。ただし、移動開始地点の経路975上での位置は、これに限定されない。例えば、移動開始地点は、他の読み取り位置9007_1〜9007_6のうち隣り合う2つの読み取り位置の間に定められていてもよい。また、移動開始地点は、他の読み取り位置9007_1〜9007_6のうち最も下流側にある読み取り位置9007_6よりもさらに下流側に定められていてもよい。また、移動開始地点は、他の読み取り位置9007_1〜9007_6の何れかと同一の位置に定められていてもよい。以下、読み取り位置9007_0〜9007_6のそれぞれを、読み取り位置9007_jとも記載する。なお、jは0以上M以下の自然数であり、Mは1以上の自然数である。本実施形態では、M=6の例を示しているが、無線タグシステム7に定められる読み取り位置9007_jの個数は、任意である。また、本実施形態では、エリア971_iのそれぞれに定められる読み取り位置が2箇所ずつである例を示しているが、各エリア971_iに定められる読み取り位置の数は、限定されない。また、読み取り位置9007_jは、図20に示した位置に限定されない。また、各読み取り位置9007_j近傍には、無線タグ97_jが据え置かれる。無線タグ97_jの詳細については後述する。
(無線タグシステム全体の構成)
次に、本発明の第4の実施形態に係る無線タグシステム7の構成について、図20を参照して説明する。図20に示すように、無線タグシステム7は、無線タグリーダ70と、ホスト装置87と、複数の据え置きの無線タグ97_0〜97_Mとを含む。前述のように、Mは、1以上の自然数である。図20においては、M=6の場合を示しているが、無線タグ97_0〜97_Mの個数(M+1)は任意である。なお、以下では、無線タグ97_0、97_1、97_2、97_3、97_4、97_5、及び97_6の各々を代表して、無線タグ97_jと記載する。ここで、jは、0以上M以下の自然数である。無線タグリーダ70は、上述の経路975上を移動可能に構成される。移動方向は、上流方向及び下流方向の何れかである。図20において、一点鎖線の矢印は、無線タグリーダ70が移動可能な方向を示している。
次に、本発明の第4の実施形態に係る無線タグシステム7の構成について、図20を参照して説明する。図20に示すように、無線タグシステム7は、無線タグリーダ70と、ホスト装置87と、複数の据え置きの無線タグ97_0〜97_Mとを含む。前述のように、Mは、1以上の自然数である。図20においては、M=6の場合を示しているが、無線タグ97_0〜97_Mの個数(M+1)は任意である。なお、以下では、無線タグ97_0、97_1、97_2、97_3、97_4、97_5、及び97_6の各々を代表して、無線タグ97_jと記載する。ここで、jは、0以上M以下の自然数である。無線タグリーダ70は、上述の経路975上を移動可能に構成される。移動方向は、上流方向及び下流方向の何れかである。図20において、一点鎖線の矢印は、無線タグリーダ70が移動可能な方向を示している。
(据え置きの無線タグの構成)
次に、据え置きの無線タグ97の詳細な構成について説明する。複数の据え置きの無線タグ97の各々は、読み取り位置9007_j各々の近傍に配置されている。本実施形態において、各読み取り位置9007_j近傍に据え置かれる無線タグ97が1つずつであるとすると、各エリア971_iに据え置かれる無線タグ97の個数は、2つずつとなる。以降、各据え置きの無線タグ97を、据え置きの無線タグ97_j(jは、0以上M以下の自然数)とも記載する。ただし、据え置きの無線タグ97_jの個数は、M個に限定されない。また、据え置きの無線タグ97_jの個数は、必ずしも読み取り位置9007_jの数と同一でなくてもよい。
次に、据え置きの無線タグ97の詳細な構成について説明する。複数の据え置きの無線タグ97の各々は、読み取り位置9007_j各々の近傍に配置されている。本実施形態において、各読み取り位置9007_j近傍に据え置かれる無線タグ97が1つずつであるとすると、各エリア971_iに据え置かれる無線タグ97の個数は、2つずつとなる。以降、各据え置きの無線タグ97を、据え置きの無線タグ97_j(jは、0以上M以下の自然数)とも記載する。ただし、据え置きの無線タグ97_jの個数は、M個に限定されない。また、据え置きの無線タグ97_jの個数は、必ずしも読み取り位置9007_jの数と同一でなくてもよい。
据え置きの無線タグ97_jは、位置識別子と、動作制御識別子が付与された動作制御情報とを格納している。位置識別子及び動作制御情報については、第1の実施形態で説明した通りである。なお、無線タグ97_jが据え置かれる場所としては、例えば、無線タグリーダ70の動線の脇が挙げられる。また、例えば、無線タグリーダ70の動線が挙げられる。また、例えば、エリア971_iに設置されたラック971_i_kを構成する柱の表面、又は棚の上面が挙げられる。また、例えば、そのようなラック971_i_kが設置された接地面上が挙げられる。
(ホスト装置の構成)
次に、ホスト装置87の構成の詳細について説明する。ホスト装置87は、プロセッサ、メモリ及びネットワークインタフェースを含むコンピュータ装置によって構成される。ホスト装置87は、第1の実施形態におけるホスト装置80と同様に構成されることに加えて、次の機能を有する。ホスト装置87は、無線タグリーダ70に対して、移動順序情報を一括して送信する機能を有する。また、ホスト装置87は、無線タグリーダ70から、各読み取り位置9007_jを巡回して読み取った1つ以上の読取情報を一括して受信する機能を有する。以降、一括して受信する1つ以上の読取情報を、読取情報リストとも記載する。してまた、ホスト装置87は、無線タグリーダ70から受信した読取情報リストをメモリに記憶しておき、読取情報リストの履歴に基づいて、物品972の増減を検出して出力する機能を有する。例えば、ホスト装置87は、前回受信した読取情報リストに含まれていた物品識別情報と、今回受信した読取情報リストに含まれていた物品識別情報とを比較し、増減のあった物品識別情報を検出して表示装置に表示するようにしてもよい。ホスト装置87のこれらの機能は、メモリに格納されたプログラム及びデータをプロセッサが読み込んで実行するとともにネットワークインタフェースを介して無線タグリーダ70と通信を行うことにより実現される。
次に、ホスト装置87の構成の詳細について説明する。ホスト装置87は、プロセッサ、メモリ及びネットワークインタフェースを含むコンピュータ装置によって構成される。ホスト装置87は、第1の実施形態におけるホスト装置80と同様に構成されることに加えて、次の機能を有する。ホスト装置87は、無線タグリーダ70に対して、移動順序情報を一括して送信する機能を有する。また、ホスト装置87は、無線タグリーダ70から、各読み取り位置9007_jを巡回して読み取った1つ以上の読取情報を一括して受信する機能を有する。以降、一括して受信する1つ以上の読取情報を、読取情報リストとも記載する。してまた、ホスト装置87は、無線タグリーダ70から受信した読取情報リストをメモリに記憶しておき、読取情報リストの履歴に基づいて、物品972の増減を検出して出力する機能を有する。例えば、ホスト装置87は、前回受信した読取情報リストに含まれていた物品識別情報と、今回受信した読取情報リストに含まれていた物品識別情報とを比較し、増減のあった物品識別情報を検出して表示装置に表示するようにしてもよい。ホスト装置87のこれらの機能は、メモリに格納されたプログラム及びデータをプロセッサが読み込んで実行するとともにネットワークインタフェースを介して無線タグリーダ70と通信を行うことにより実現される。
(無線タグリーダの構成)
次に、無線タグリーダ70の各部の構成について説明する。図21は、無線タグリーダ70の構成を示すブロック図である。無線タグリーダ70は、アンテナ71と、アンテナ角度制御部711と、移動部72と、読取部73と、制御部74と、電源部75とを含む。制御部74は、移動方向決定部741と、移動制御部742と、動作制御部743と、通信部744とを含む。これらの各部は、第1の実施形態における各部と同様に構成されるため、説明を繰り返さない。
次に、無線タグリーダ70の各部の構成について説明する。図21は、無線タグリーダ70の構成を示すブロック図である。無線タグリーダ70は、アンテナ71と、アンテナ角度制御部711と、移動部72と、読取部73と、制御部74と、電源部75とを含む。制御部74は、移動方向決定部741と、移動制御部742と、動作制御部743と、通信部744とを含む。これらの各部は、第1の実施形態における各部と同様に構成されるため、説明を繰り返さない。
(無線タグリーダの制御方法の具体例)
次に、無線タグリーダ70の制御方法の具体例について図6、図22〜25を参照しながら説明する。なお、無線タグリーダ70の制御方法は、図3を参照して説明した第1の実施形態に係る無線タグリーダ10の制御方法S1と同様であるため、本実施形態における詳細な説明を省略し、ここでは、その具体例について説明する。
次に、無線タグリーダ70の制御方法の具体例について図6、図22〜25を参照しながら説明する。なお、無線タグリーダ70の制御方法は、図3を参照して説明した第1の実施形態に係る無線タグリーダ10の制御方法S1と同様であるため、本実施形態における詳細な説明を省略し、ここでは、その具体例について説明する。
この具体例では、各読み取り位置9007_jに、経路975の上流側から下流側に向かって、0から順に自然数の位置識別子jが順次付与されているものとする。そして、各読み取り位置9007_j近傍に配置された無線タグ97_jには、それぞれ、次のように情報が格納されている。すなわち、無線タグ97_jは、位置識別子:jを格納している。また、無線タグ97_1〜97_6の各々は、位置識別子に加えて、1つ以上の動作制御情報を格納している。各動作制御情報は、読み取り位置9007_jにおいて、対象とするラック971_i_k内にある無線タグ973_lから情報を読み取るのに適した内容である。
図22は、無線タグ97_jに格納される情報の一例を示す図である。図22において、例えば、無線タグ97_1は、位置識別子:1と、動作制御識別子701が付与された動作制御情報を格納している。動作制御識別子701が付与された動作制御情報は、読み取り位置9007_1において、ラック971_1_1内にある無線タグ973_lから情報を読み取るのに適した内容であるとする。なお、図22において、動作制御情報に含まれる情報の詳細については、図示を省略している。
また、例えば、無線タグ97_2は、位置識別子:2と、動作制御識別子702が付与された動作制御情報と、動作制御識別子703が付与された動作制御情報とを格納している。動作制御識別子702が付与された動作制御情報は、読み取り位置9007_2において、ラック971_1_2内にある無線タグ973_lから情報を読み取るのに適した構成であるとする。動作制御識別子703が付与された動作制御情報は、読み取り位置9007_2において、ラック971_1_3内にある無線タグ973_lから情報を読み取るのに適した構成であるとする。
また、この具体例では、物品972_lに付された無線タグ973_lには、当該物品972_lの固体を識別する物品識別情報が格納されているものとする。図23は、無線タグ973_lに格納される物品識別情報の具体例を示す図である。図23において、例えば、無線タグ973_1には、物品971_1の物品識別情報「A001」が格納されている。
また、この具体例において、ホスト装置87は、位置識別子及び動作制御識別子の組み合わせリストを記憶している。図24は、組み合わせリストの一例である。図24において、各位置識別子に関連付けられた動作制御識別子は、当該位置識別子によって識別される読み取り位置において、対象とするラック971_i_k内にある無線タグ973_lの読み取りに適した構成の動作制御情報の動作制御識別子である。
また、ホスト装置87は、無線タグリーダ70に移動順序を指示するため、このような組み合わせリストに基づいて、前述した移動順序情報を生成する。図25は、移動順序情報の一例である。図25に示す移動順序情報は、位置識別子を1から順に昇順に含み、最後に、位置識別子0を含んでいる。すなわち、この移動順序情報は、読み取り位置9007_1〜9007_6を順に巡回した後、最後に、移動開始地点である読み取り位置9007_0に戻るという移動順序を表している。
また、この具体例では、ホスト装置87は、移動開始地点にある無線タグリーダ70に移動順序情報を一括して送信後、各読み取り位置を巡回して移動開始地点に戻ってきた無線タグリーダ70から、位置識別子及び読取情報の組を受信するものとする。
また、この具体例では、無線タグリーダ70は、ホスト装置87から一括して受信した移動順序情報にしたがって、順次読み取り位置9007_jを移動しながら、移動先の読み取り位置9007_jにおいて動作制御情報にしたがって無線タグ973_lからの読み取りを行うものとする。
また、この具体例では、ホスト装置87は、移動開始地点である読み取り位置9007_0にある無線タグリーダ70と通信可能であればよく、それ以外の経路975上にある無線タグリーダ70とは、必ずしも通信可能でなくてもよい。なお、以下の説明において、無線タグリーダ70は、既に、ホスト装置87から移動順序情報を一括して受信しているものとする。
まず、移動方向決定部741は、読取部73によって無線タグ97_0から読み取られた、現在地を示す位置識別子:0を取得する(工程S101)。
次に、移動方向決定部741は、ホスト装置87から受信された移動順序情報に基づいて、移動先を示す位置識別子:1及び動作制御識別子:701の組を取得する(工程S102)。
次に、移動方向決定部741は、現在地を示す位置識別子:0と、移動先を示す位置識別子:1とを比較して、移動先を示す位置識別子の方が大きいため、移動方向として下流方向を決定する(工程S103でNo、工程S104)。
次に、移動制御部742は、無線タグリーダ70を下流方向に移動するよう移動部72を制御し、無線タグリーダ70を、移動先識別子:1によって識別される読み取り位置9007_1(エリア971_1内)で停止させる(工程S105〜S107)。なお、工程S105〜S107の制御の詳細については、第1の実施形態において説明した通りであるため、説明を繰り返さない。
次に、動作制御部743は、移動先を示す位置識別子:1を格納する無線タグ97_1から、読取部73によって読み取られた動作制御情報701が、工程S102で取得した動作制御識別子:701と同一であると判断する(工程S108)。
そこで、動作制御部743は、動作制御識別子:701の動作制御情報にしたがって、無線タグリーダ70の各部を制御する(工程S109)。前述したように、動作制御識別子:701の動作制御情報は、前述のように、エリア971_1内のラック971_1_1内にある無線タグ973_lからの情報の読み取りに適した内容である。
そして、動作制御部743は、ラック971_1_1に保管された物品972_1に付された無線タグ973_1から、物品識別情報「A001」を取得する(工程S110)。
そして、動作制御部743は、「位置識別子:1及び物品識別情報:A001」の組を、メモリに記憶する(工程S111)。
次に、移動方向決定部741は、ホスト装置87から受信済みの移動順序情報に基づいて、次の移動先を示す位置識別子があるか否かを判断する(工程S112)。ここでは、次の移動先を示す位置識別子:2及び動作制御識別子:702の組がある。
そこで、制御部74は、次の移動先があると判断し(工程S112でYES)、再び、同様に工程S101〜S111を実行する。
具体的には、同じエリア971_1内の読み取り位置9007_2に、無線タグリーダ70が移動する(工程S101〜107)。
そして、動作制御識別子:702の動作制御情報にしたがって、無線タグリーダ70の各部が調整される(工程S108〜S109)。これにより、ラック971_1_2に保管されている物品972_2に付された無線タグ973_2から、物品識別情報「B001」が読み取られる(工程S110)。そして、動作制御部743は、「位置識別子:2及び物品識別情報:B001」の組を、メモリに追加して記憶する(工程S111)。
次に、移動方向決定部741は、ホスト装置87から受信済みの移動順序情報に基づいて、次の移動先を示す位置識別子があるか否かを判断する(工程S112)。ここでは、次の移動先を示す位置識別子:2及び動作制御識別子:703の組がある。
そこで、制御部74は、次の移動先があると判断し(工程S112でYES)、再び、同様に工程S101〜S111を実行する。
具体的には、現在地の移動識別子:2と、次の移動識別子:2とが同一であるため(工程S103でYes)、無線タグリーダ70は、読み取り位置9007_2から移動しない。
そして、動作制御識別子:703の動作制御情報にしたがって無線タグリーダ70の各部が調整される(工程S108〜S109)。これにより、ラック971_1_3に保管されている物品972_3及び972_4にそれぞれ付された無線タグ973_3及び972_4から、物品識別情報「A002」及び「B002」が読み取られる(工程S110)。そして、動作制御部743は、「位置識別子:2及び物品識別情報:A002」の組と、「位置識別子:2及び物品識別情報:B002」の組とを、メモリに追加して記憶する。
以降、制御部74は、次の移動先を示す位置識別子があれば、工程S101〜S111を再度実行する。そして、読み取り位置9007_0に無線タグリーダ70が戻ると、制御部74は、次の移動先を示す位置識別子がないと判断する(工程S112でNO)。そして、制御部74は、これまでの各工程S111でメモリに記憶した位置識別子及び読取情報の組を、読取情報リストとしてホスト装置87に送信する。読取情報リストは、例えば、「位置識別子:1及び物品識別情報:A001、位置識別子:2及び物品識別情報:B001、位置識別子:2及び物品識別情報:A002、位置識別子:2及び物品識別情報:B002、・・・・・」との情報を含む。
そして、ホスト装置87は、読取情報リストを、受信時刻に関連付けてメモリに記憶する。また、ホスト装置87は、前回受信した読取情報リストをメモリから取得し、今回受信した読取情報リストと比較して、増減した物品識別情報を検出する。そして、ホスト装置87は、増減した物品識別情報を、表示装置に表示してもよい。
また、ホスト装置87は、前回受信した読取情報リストをメモリから取得し、今回受信した読取情報リストと比較して、関連付けられた位置識別子が変化した物品識別情報を検出してもよい。そのような物品識別情報が表す物品972_lは、保管場所が変更されている可能性がある。そして、ホスト装置87は、位置識別子が変化した物品識別情報を、表示装置に表示してもよい。
なお、無線タグリーダ70の制御方法の具体例において、同一の物品識別情報が複数回重複して読み取られる可能性がある。例えば、同一のエリア971_i_k内の異なる読み取り位置9007_jにおいて、同一の物品識別情報が重複して読み取られる可能性がある。また、例えば、同一の読み取り位置9007_jでの異なる動作制御情報に基づく各読み取り動作において、同一の物品識別情報が重複して読み取られる可能性がある。このような場合、動作制御部743は、重複して読み取られた複数の同一の物品識別情報のうち何れか1つを選択し、選択しなかった物品識別情報を破棄してもよい。このような物品識別情報を選択する処理は、例えば、アンテナ71による受信強度に基づいて行われてもよい。例えば、動作制御部743は、工程S111で、位置識別子及び物品識別情報の組に、アンテナ71による受信強度を関連付けて記憶する。そして、動作制御部743は、新たに記憶した物品識別情報が、それまでに記憶されている物品識別情報の何れかと同一であれば、受信強度が小さい方の物品識別情報を、メモリから削除してもよい。
また、無線タグリーダ70の制御方法の具体例において、無線タグリーダ70は、移動開始前に、移動順序情報をホスト装置87から一括して受信し、移動開始地点に戻った後、読取情報リストをホスト装置87に一括して送信するものとして説明した。これに限らず、無線タグリーダ70は、移動先となる位置識別子及び動作制御情報の組を、移動先に到達する度にホスト装置87から受信してもよい。また、無線タグリーダ70は、無線タグ973から読取情報を読み取る度に、位置識別子及び読取情報の組をホスト装置87に送信してもよい。
また、本実施形態において、経路975を通るレールは、読み取り位置9007_jの各位置を通りながらループ状に形成されていてもよい。この場合、無線タグリーダ70は、ステップS104において、移動先を示す位置識別子と現在地における位置識別子とに基づいて、移動方向として時計回り方向又は反時計回り方向を決定する。具体的には、無線タグリーダ70は、現在地から移動先までの時計回り方向の距離と、反時計回り方向の距離とを比較し、近い方を移動方向として決定してもよい。例えば、無線タグリーダ70は、各読み取り位置9007_j間の距離がほぼ同じであると仮定して各方向の距離を比較することにより、移動方向を決定してもよい。また、無線タグリーダ70は、予め記憶した各読み取り位置9007_j間の距離を用いて各方向の距離を比較することにより、移動方向を決定してもよい。なお、経路975を通るレールがループ状である場合に移動方向を決定する手法は、これらに限られない。
また、無線タグリーダ70の制御方法の具体例において、無線タグリーダ70は、ステップS112で次の移動先がないと判断した場合、動作を終了するものとして説明した。これに限らず、無線タグリーダ70は、ステップS112で次の移動先がないと判断した場合、移動順序情報の先頭から順に、ステップS101からの処理を繰り返してもよい。換言すると、無線タグリーダ70は、移動順序情報が示す各読み取り位置9007_jの巡回を繰り返すよう構成されていてもよい。また、この場合、移動順序情報は、途中で更新されてもよい。また、この場合、移動開始地点として定義した読み取り位置9007_0に戻る度に、無線タグリーダ70は、巡回のための各種の動作を行ってもよい。巡回のための各種の動作としては、例えば、電源部75の充電、ホスト装置87からの新たな移動順序情報の受信等が挙げられるが、これらに限られない。
また、本実施形態において、経路975を通るレールが敷設される場所としては、様々なバリエーションが考えられる。例えば、レールは、ラック971_i_kの接地面に敷設されていてもよい。また、レールは、ラック971_i_kの頭上に敷設されていてもよい。ただし、レールが敷設される場所は、これらに限られない。
また、本実施形態において、経路975には、必ずしもレールが敷設されていなくてもよい。例えば、移動部72が、ドローンによって構成されている場合、無線タグリーダ70は、経路975を含む空間を移動することができ、レールは不要である。
(本実施形態の効果)
本実施形態は、倉庫内に複数の読み取り位置9007_jを設置して据え置きの無線タグ97_jを配置し、第1の実施形態と同様の構成の無線タグリーダ70を用いることにより、倉庫に保管される物品の在庫を確認することができる。本実施形態は、必要となる無線タグリーダ70の数を、倉庫の各エリアに設定される読み取り位置9007_jの数より少なくしながらも、倉庫の構成変更等による読み取り位置9007_jの変更の場合に対する柔軟性をより向上させることができる。
本実施形態は、倉庫内に複数の読み取り位置9007_jを設置して据え置きの無線タグ97_jを配置し、第1の実施形態と同様の構成の無線タグリーダ70を用いることにより、倉庫に保管される物品の在庫を確認することができる。本実施形態は、必要となる無線タグリーダ70の数を、倉庫の各エリアに設定される読み取り位置9007_jの数より少なくしながらも、倉庫の構成変更等による読み取り位置9007_jの変更の場合に対する柔軟性をより向上させることができる。
また、本実施形態は、無線タグリーダ70が倉庫970内の各読み取り位置9007_jを一巡するのに要する時間が、各無線タグ973からの読み取りが必要とされる間隔より短い場合に適している。例えば、倉庫970に対する物品972_lの出し入れが頻繁でないケースでは、頻繁なケースに比べて、在庫確認を行う頻度は少なくてよい。換言すると、本実施形態は、物品972_lの出し入れが頻繁でないケースにおいて在庫確認を行う用途に適している。このような用途において、本実施形態は、各読み取り位置9007_j近傍に無線タグリーダを据え置く場合と比べて、無線タグリーダ70の数をより少なくしながら、適切な頻度で在庫確認を行うことができる。ただし、本実施形態の用途は、上述した用途に限られない。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、各実施形態に開示された技術的手段の一部を省略して得られる実施形態、及び、異なる実施形態に各々開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、各実施形態に開示された技術的手段の一部を省略して得られる実施形態、及び、異なる実施形態に各々開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上述した各実施形態においては、本発明の一態様を製品の生産に適用した例について説明した。しかしながら、本発明の適用範囲は、これに限定されない。すなわち、本発明は、任意の物品の管理に適用することが可能である。したがって、任意の物品に貼付された無線タグに格納された情報を読み取る無線タグリーダ、そのような無線タグリーダを含む無線タグシステム、及び、そのような無線タグリーダを制御する制御方法は、何れも本発明の範疇に含まれる。また、そのような無線タグシステムを含む管理システムも、本発明の範疇に含まれる。
図26は、任意の物品の管理に利用することが可能な無線タグシステム4を示す斜視図である。この無線タグシステム4は、無線タグリーダ40と、読み取り位置9004_0〜9004_2の近傍に据え置かれた無線タグ94_0〜94_2により構成されており、任意の物品Aに貼付された無線タグ904に格納された情報を読み取る。なお、無線タグ94_0〜94_2のそれぞれを、単に無線タグ94とも記載する。各読み取り位置9000_j(jは0以上2以下の自然数)の近傍に据え置かれた無線タグ94_jには、上述した各実施形態と同様、その読み取り位置に対応する位置識別子と、その読み取り位置における無線タグリーダ40の動作を制御するための動作制御情報と、が格納されている。
無線タグリーダ40は、図27に示すように、アンテナ81と、アンテナ角度制御部811と、移動部82と、読取部83と、制御部84と、電源部85とを含む。制御部84は、移動方向決定部841と、移動制御部842と、動作制御部843と、通信部844とを含む。これらの各部は、第1の実施形態における無線タグリーダ10の各部と同様に構成されるため、詳細な説明を繰り返さない。
無線タグリーダ40は、図27に示した各部を有することにより、現在地を示す位置識別子であって、無線タグ(例えば、無線タグ94_0)から読み取った位置識別子(例えば、位置識別子:0)、及び、移動先を示す位置識別子であって、不図示のホスト装置から取得した位置識別子(例えば、位置識別子:1)に基づいて移動方向を決定し、移動先を示す位置識別子(例えば、位置識別子:1)を読み取り可能な読取可能領域内まで、決定した移動方向に移動する。また、移動先において、無線タグリーダ40は、無線タグ(例えば、無線タグ94_1)から読み取った動作制御情報に基づいて、自装置の各部の動作を制御する。
以上のように構成された無線タグシステム4及び無線タグリーダ40は、図3を参照して説明した第1の実施形態と同様に動作することにより、第1の実施形態と同様の効果を奏する。すなわち、複数の読み取り位置9004_0〜9004_2の近傍に据え置かれた無線タグ94_0〜94_2の読み取りを行う際に必要となる無線タグリーダ40の数を読み取り位置9004_0〜9004_2の数(ここでは3個)より少なくしながらも、読み取り位置9004_0〜9004_2の変更の場合に対する柔軟性をより高くすることができる。また、本利用例は、無線タグリーダ40の動作条件(例えばアンテナの角度、出力パワー、受信感度など)の変更の場合に対する柔軟性をより高くすることができる。
また、例えば、上述した各実施形態、各変形例、及び付記事項において、据え置きの無線タグ(90、92、93、94、97)が、位置識別子及び動作制御情報を格納する例について説明した。しかしながら、本発明の一態様における据え置きの無線タグは、少なくとも位置識別子を格納していればよく、必ずしも動作制御情報を格納していなくてもよい。
また、例えば、上述した各実施形態、各変形例、及び付記事項において、無線タグリーダ(10、20、30、40、70)は、移動制御部(142、242、342、742、842)及び動作制御部(143、243、343、743、843)を含む例について説明した。しかしながら、本発明の一態様における無線タグリーダは、少なくとも移動制御部を含んでいればよく、必ずしも動作制御部を含んでいなくてもよい。換言すると、本発明の一態様における無線タグリーダは、少なくとも自装置の移動制御を行う機能を有するものであり、必ずしも自装置の動作制御を行う機能を有していなくてもよい。
このような、少なくとも自装置の移動制御を行う機能を有する本発明の一態様の無線タグリーダは、AGV(Automatic Guided Vehicle)、ロボット掃除機、ドローン、ゲーム機、自動運転機能を備えた自動車、探査車等といった、各種の自律制御移動体に搭載することが可能である。
〔まとめ〕
上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)は、アンテナ(11、21、31、71、81)と、上記アンテナ(11、21、31、71、81)を移動させる移動部(12、22、32、72、82)と、上記アンテナ(11、21、31、71、81)を介して無線タグ(90、92、93、94、97、903、904、923、933、973)に格納された情報を読み取る読取部(13、23、33、73、83)と、を備え、現在地を示す位置識別子であって、上記アンテナ(11、21、31、71、81)を介して上記読取部(13、23、33、73、83)が読み取った位置識別子、及び、上記アンテナ(11、21、31、71、81)の移動先を示す位置識別子に基づいて、上記アンテナ(11、21、31、71、81)の移動方向を決定する移動方向決定部(141、241、341、741、841)と、上記移動先を示す位置識別子を上記読取部(13、23、33、73、83)が読み取り可能な読取可能領域内まで、上記移動方向決定部(141、241、341、741、841)が決定した移動方向に上記アンテナ(11、21、31、71、81)を移動させるよう、上記移動部(12、22、32、72、82)を制御する移動制御部(142、242、342、742、842)と、を備えている。
上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)は、アンテナ(11、21、31、71、81)と、上記アンテナ(11、21、31、71、81)を移動させる移動部(12、22、32、72、82)と、上記アンテナ(11、21、31、71、81)を介して無線タグ(90、92、93、94、97、903、904、923、933、973)に格納された情報を読み取る読取部(13、23、33、73、83)と、を備え、現在地を示す位置識別子であって、上記アンテナ(11、21、31、71、81)を介して上記読取部(13、23、33、73、83)が読み取った位置識別子、及び、上記アンテナ(11、21、31、71、81)の移動先を示す位置識別子に基づいて、上記アンテナ(11、21、31、71、81)の移動方向を決定する移動方向決定部(141、241、341、741、841)と、上記移動先を示す位置識別子を上記読取部(13、23、33、73、83)が読み取り可能な読取可能領域内まで、上記移動方向決定部(141、241、341、741、841)が決定した移動方向に上記アンテナ(11、21、31、71、81)を移動させるよう、上記移動部(12、22、32、72、82)を制御する移動制御部(142、242、342、742、842)と、を備えている。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、上記移動部(12、22、32、72、82)は、上記現在地を示す位置識別子及び上記移動先を示す位置識別子を含む複数の位置識別子によって互いに識別される複数の読み取り位置を通る経路に沿って上記アンテナ(11、21、31、71、81)を移動させ、上記移動方向決定部(141、241、341、741、841)は、上記現在地を示す位置識別子、及び、上記移動先を示す位置識別子の順序関係に基づいて、上記経路に沿う方向の一方及び他方の何れかを上記移動方向として決定する、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、上記移動部(12、22、32、72、82)は、上記現在地を示す位置識別子及び上記移動先を示す位置識別子を含む複数の位置識別子によって互いに識別される複数の読み取り位置を含む空間内で上記アンテナ(11、21、31、71、81)を移動させ、上記移動方向決定部(141、241、341、741、841)は、上記移動先を示す位置識別子に関連付けられた方向情報であって、上記現在地を示す位置識別子に対応する読み取り位置に対する上記移動先を示す位置識別子に対応する読み取り位置の相対的な方向を表す方向情報に基づいて、上記移動方向を決定する、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、上記移動制御部(142、242、342、742、842)は、上記現在地若しくは上記移動先において、又は、上記現在地から上記移動先まで移動中に、上記アンテナ(11、21、31、71、81)を介して上記読取部(13、23、33、73、83)が読み取った速度制御情報に基づいて、上記移動部(12、22、32、72、82)の移動速度を制御する、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、上記移動方向決定部(141、241、341、741、841)は、上記移動先を示す位置識別子をホスト装置から受信し、受信した当該位置識別子に基づいて、上記アンテナ(11、21、31、71、81)の移動方向を決定する、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、上記アンテナ(11、21、31、71、81)は、上記製品を生産するロボット(931)のアームに取り付けられ、上記移動部(12、22、32、72、82)は、上記アームによって構成される、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、製品の生産ライン又は生産ライン周辺には、上記現在地を示す位置識別子及び上記移動先を示す位置識別子を含む複数の位置識別子によって互いに識別される複数の読み取り位置が設定され、上記複数の読み取り位置のそれぞれ又はそれぞれの周辺には、上記位置識別子を格納する無線タグ(90、92、93、94、97)が据え置かれ、上記移動部(12、22、32、72、82)は、上記生産ラインに沿って上記アンテナ(11、21、31、71、81)を移動させる、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、製品の製造装置(901、911、921)又は製造装置(901、911、921)周辺には、上記現在地を示す位置識別子及び上記移動先を示す位置識別子を含む複数の位置識別子によって互いに識別される複数の読み取り位置が設定され、上記複数の読み取り位置のそれぞれ又はそれぞれの周辺には、上記位置識別子を格納する無線タグ(90、92、93、94、97)が据え置かれ、上記移動部(12、22、32、72、82)は、上記複数の読み取り位置間で上記アンテナ(11、21、31、71、81)を移動させる、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、製品の生産ライン又は生産ライン周辺には、上記現在地を示す位置識別子及び上記移動先を示す位置識別子を含む複数の位置識別子によって互いに識別される複数の読み取り位置が設定され、上記複数の読み取り位置のそれぞれ又はそれぞれの周辺には、上記位置識別子を格納する無線タグ(90、92、93、94、97)が据え置かれ、上記アンテナ(11、21、31、71、81)は、上記製品を生産するロボット(931)のアームに取り付けられ、上記移動部(12、22、32、72、82)は、上記アームによって構成される、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、上記読取可能領域内において上記アンテナ(11、21、31、71、81)を介して上記読取部(13、23、33、73、83)が読み取った動作制御情報に基づいて、上記アンテナ(11、21、31、71、81)の移動先における自装置の各部の動作を制御する動作制御部(143、243、343、743、843)をさらに備える、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、上記動作制御部(143、243、343、743、843)は、上記動作制御情報に含まれる、上記アンテナ(11、21、31、71、81)の角度を指示する情報に基づいて、上記アンテナ(11、21、31、71、81)の角度を調整する、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、上記動作制御部(143、243、343、743、843)は、上記動作制御情報に含まれる、上記アンテナ(11、21、31、71、81)の出力パワーを指示する情報に基づいて、上記アンテナ(11、21、31、71、81)の出力パワーを調整する、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、上記動作制御部(143、243、343、743、843)は、上記動作制御情報に含まれる、上記読取部(13、23、33、73、83)の受信感度を指示する情報に基づいて、上記読取部(13、23、33、73、83)の受信感度を調整する、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、上記動作制御部(143、243、343、743、843)は、上記動作制御情報に含まれる、上記移動先において上記アンテナ(11、21、31、71、81)を介して読み取る情報の種類を指定する情報に基づいて、上記読取部(13、23、33、73、83)により読み取った情報をフィルタリングする、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)において、上記動作制御部(143、243、343、743、843)は、上記読取可能領域内において上記アンテナ(11、21、31、71、81)を介して上記読取部(13、23、33、73、83)が読み取った複数の動作制御情報のうち、外部から取得した動作制御識別子により特定される動作制御情報に基づいて、自装置の各部の動作を制御する、ことが好ましい。
また、上述した実施形態に係る無線タグシステム(1、2、3、4、7)は、上述の無線タグリーダ(10、20、30、40、70)と、上記位置識別子を格納する無線タグと、を含む。
また、上述した実施形態に係る無線タグリーダ(10、20、30、40、70)の制御方法は、アンテナ(11、21、31、71、81)と、上記アンテナ(11、21、31、71、81)を移動させる移動部(12、22、32、72、82)と、上記アンテナ(11、21、31、71、81)を介して無線タグに格納された情報を読み取る読取部(13、23、33、73、83)と、を備えた無線タグリーダ(10、20、30、40、70)を制御する方法であって、現在地を示す位置識別子であって、上記アンテナ(11、21、31、71、81)を介して上記読取部(13、23、33、73、83)が読み取った位置識別子、及び、上記アンテナ(11、21、31、71、81)の移動先を示す位置識別子に基づいて、上記アンテナ(11、21、31、71、81)の移動方向を決定する工程(S104、S204、S304)と、上記移動先を示す位置識別子を上記読取部(13、23、33、73、83)が読み取り可能な読取可能領域内まで、上記移動方向を決定する工程(S104、S204、S304)で決定された移動方向に上記アンテナ(11、21、31、71、81)を移動させるよう、上記移動部(12、22、32、72、82)を制御する工程(S105、S205、S305)と、を含む。
1、2、3、4、7 無線タグシステム
10、20、30、40、70 無線タグリーダ
11、21、31、71、81 アンテナ
12、22、32、72、82 移動部
13、23、33、73、83 読取部
14、24、34、74、84 制御部
15、25、35、75、85 電源部
80、82、83、87 ホスト装置
90、92、93、94、97 据え置きの無線タグ
903、904、923、933、973 読み取り対象の無線タグ
111、211、311、711、811 アンテナ角度制御部
141、241、341、741、841 移動方向決定部
142、242、342、742、842 移動制御部
143、243、343、743、843 動作制御部
144、244、344、744、844 通信部
900、910 生産システム
901、911、921 製造装置
909 生産ライン
931 生産ロボット
10、20、30、40、70 無線タグリーダ
11、21、31、71、81 アンテナ
12、22、32、72、82 移動部
13、23、33、73、83 読取部
14、24、34、74、84 制御部
15、25、35、75、85 電源部
80、82、83、87 ホスト装置
90、92、93、94、97 据え置きの無線タグ
903、904、923、933、973 読み取り対象の無線タグ
111、211、311、711、811 アンテナ角度制御部
141、241、341、741、841 移動方向決定部
142、242、342、742、842 移動制御部
143、243、343、743、843 動作制御部
144、244、344、744、844 通信部
900、910 生産システム
901、911、921 製造装置
909 生産ライン
931 生産ロボット
Claims (17)
- アンテナと、上記アンテナを移動させる移動部と、上記アンテナを介して無線タグに格納された情報を読み取る読取部と、を備え、
現在地を示す位置識別子であって、上記アンテナを介して上記読取部が読み取った位置識別子、及び、上記アンテナの移動先を示す位置識別子に基づいて、上記アンテナの移動方向を決定する移動方向決定部と、
上記移動先を示す位置識別子を上記読取部が読み取り可能な読取可能領域内まで、上記移動方向決定部が決定した移動方向に上記アンテナを移動させるよう、上記移動部を制御する移動制御部と、を備えている、
ことを特徴とする無線タグリーダ。 - 上記移動部は、上記現在地を示す位置識別子及び上記移動先を示す位置識別子を含む複数の位置識別子によって互いに識別される複数の読み取り位置を通る経路に沿って上記アンテナを移動させ、
上記移動方向決定部は、上記現在地を示す位置識別子、及び、上記移動先を示す位置識別子の順序関係に基づいて、上記経路に沿う方向の一方及び他方の何れかを上記移動方向として決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線タグリーダ。 - 上記移動部は、上記現在地を示す位置識別子及び上記移動先を示す位置識別子を含む複数の位置識別子によって互いに識別される複数の読み取り位置を含む空間内で上記アンテナを移動させ、
上記移動方向決定部は、上記移動先を示す位置識別子に関連付けられた方向情報であって、上記現在地を示す位置識別子に対応する読み取り位置に対する上記移動先を示す位置識別子に対応する読み取り位置の相対的な方向を表す方向情報に基づいて、上記移動方向を決定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線タグリーダ。 - 上記移動制御部は、上記現在地若しくは上記移動先において、又は、上記現在地から上記移動先まで移動中に、上記アンテナを介して上記読取部が読み取った速度制御情報に基づいて、上記移動部の移動速度を制御する、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の無線タグリーダ。 - 上記移動方向決定部は、上記移動先を示す位置識別子をホスト装置から受信し、受信した当該位置識別子に基づいて、上記アンテナの移動方向を決定する、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の無線タグリーダ。 - 上記アンテナは、製品を生産するロボットのアームに取り付けられ、
上記移動部は、上記アームによって構成される、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の無線タグリーダ。 - 製品の生産ライン又は生産ライン周辺には、上記現在地を示す位置識別子及び上記移動先を示す位置識別子を含む複数の位置識別子によって互いに識別される複数の読み取り位置が設定され、上記複数の読み取り位置のそれぞれ又はそれぞれの周辺には、上記位置識別子を格納する無線タグが据え置かれ、
上記移動部は、上記生産ラインに沿って上記アンテナを移動させる、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の無線タグリーダ。 - 製品の製造装置又は製造装置周辺には、上記現在地を示す位置識別子及び上記移動先を示す位置識別子を含む複数の位置識別子によって互いに識別される複数の読み取り位置が設定され、上記複数の読み取り位置のそれぞれ又はそれぞれの周辺には、上記位置識別子を格納する無線タグが据え置かれ、
上記移動部は、上記複数の読み取り位置間で上記アンテナを移動させる、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の無線タグリーダ。 - 製品の生産ライン又は生産ライン周辺には、上記現在地を示す位置識別子及び上記移動先を示す位置識別子を含む複数の位置識別子によって互いに識別される複数の読み取り位置が設定され、上記複数の読み取り位置のそれぞれ又はそれぞれの周辺には、上記位置識別子を格納する無線タグが据え置かれ、
上記アンテナは、上記製品を生産するロボットのアームに取り付けられ、
上記移動部は、上記アームによって構成される、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の無線タグリーダ。 - 上記読取可能領域内において上記アンテナを介して上記読取部が読み取った動作制御情報に基づいて、上記アンテナの移動先における自装置の各部の動作を制御する動作制御部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の無線タグリーダ。 - 上記動作制御部は、上記動作制御情報に含まれる、上記アンテナの角度を指示する情報に基づいて、上記アンテナの角度を調整する、
ことを特徴とする請求項10に記載の無線タグリーダ。 - 上記動作制御部は、上記動作制御情報に含まれる、上記アンテナの出力パワーを指示する情報に基づいて、上記アンテナの出力パワーを調整する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載の無線タグリーダ。 - 上記動作制御部は、上記動作制御情報に含まれる、上記読取部の受信感度を指示する情報に基づいて、上記読取部の受信感度を調整する、
ことを特徴とする請求項10から12の何れか1項に記載の無線タグリーダ。 - 上記動作制御部は、上記動作制御情報に含まれる、上記移動先において上記アンテナを介して読み取る情報の種類を指定する情報に基づいて、上記読取部により読み取った情報をフィルタリングする、
ことを特徴とする請求項10から13の何れか1項に記載の無線タグリーダ。 - 上記動作制御部は、上記読取可能領域内において上記アンテナを介して上記読取部が読み取った複数の動作制御情報のうち、外部から取得した動作制御識別子により特定される動作制御情報に基づいて、自装置の各部の動作を制御する、
ことを特徴とする請求項10から14の何れか1項に記載の無線タグリーダ。 - 請求項1から15の何れか1項に記載の無線タグリーダと、
上記位置識別子を格納する無線タグと、
を含むことを特徴とする無線タグシステム。 - アンテナと、上記アンテナを移動させる移動部と、上記アンテナを介して無線タグに格納された情報を読み取る読取部と、を備えた無線タグリーダを制御する方法であって、
現在地を示す位置識別子であって、上記アンテナを介して上記読取部が読み取った位置識別子、及び、上記アンテナの移動先を示す位置識別子に基づいて、上記アンテナの移動方向を決定する工程と、
上記移動先を示す位置識別子を上記読取部が読み取り可能な読取可能領域内まで、上記移動方向を決定する工程で決定された移動方向に上記アンテナを移動させるよう、上記移動部を制御する工程と、を含む、
ことを特徴とする無線タグリーダの制御方法。
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