JP6744646B2 - 表面処理装置 - Google Patents
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Description
処理液が収容される処理槽と、
前記処理槽内に配置される少なくとも一つの陽極と、
N(Nは2以上の整数)個の陰極レールと、
前記処理液に浸漬される複数のワークの各一つをそれぞれ保持し、かつ、前記N個の陰極レールと接触して前記複数のワークの各一つを陰極に設定する複数の治具と、
前記N個の陰極レールの各一つと前記少なくとも一つの陽極に接続される少なくともN個の整流器と、
を有し、
前記複数の治具の各々は、前記N個の陰極レールの各一つから前記複数のワークの各一つを含む異なるN個の部位の各一つに導通されるN個の導通経路を含み、前記N個の導通経路は互いに絶縁される表面処理装置に関する。
処理液が収容される処理槽と、
前記処理槽内に配置される少なくとも一つの陽極と、
N(Nは複数)個の陰極接続部と、
前記処理液に浸漬される複数のワークを保持し、かつ、前記複数の陰極接続部と接触して前記複数のワークの各一つを独立した陰極に設定する治具と、
前記N個の陰極接続部の各一つと前記少なくとも一つの陽極に接続されるN個の整流器と、
を有し、
前記複数の治具は、前記N個の陰極接続部の各一つから前記複数のワークの各一つに導通されるN個の導通経路を含み、前記N個の導通経路は互いに絶縁される表面処理装置に関する。本発明の他の態様では、バッチ処理される複数のワークの各々を独立した陰極に設定して緻密な電流制御を可能とすることができる。
図1は本実施形態に係るメッキ装置(広義には表面処理装置)の断面図である。図1において、このメッキ装置1は、回路基板等のワーク2をメッキするメッキ処理部が1以上の処理ユニット3−1〜3−n(nは自然数)を連結して構成される。複数の処理ユニット3−1〜3−nは実質的に同一の構造を有することができる。複数の処理ユニット3−1〜3−nの各々では、ワーク2を連続搬送しても良いし、ワーク2を間欠搬送しても良い。間欠搬送式のメッキ装置1とした場合、複数の処理ユニット3−1〜3−nの各々では、少なくとも一つ、図1ではM(Mは2以上の整数)個例えばM=4個のワーク2が間欠停止可能である。図1は最大サイズのワーク2を示し、メッキ装置1はその最大サイズ以下のワーク2を処理することができる汎用性を有する。以下では、間欠搬送式のメッキ装置1を例に挙げて説明する。なお、本発明は複数の処理ユニットを連結しない構造、つまり、単一の処理ユニットで複数のワークを間欠または連続搬送するものにも適用できることは言うまでもない。
図4は、搬送治具30の一例を示している。この搬送治具30は、水平アーム部300と、垂直アーム部310と、ワーク保持部320と、被案内部330と、複数例えば2つの第1,第2被給電部340A,340Bと、被押動片350とを有する。水平アーム部300は、間欠搬送方向Aと直交する方向Bに沿って延びる。垂直アーム部310は水平アーム部300に垂下して保持される。ワーク保持部320は垂直アーム部310に固定される。ワーク保持部320は、上部フレーム321と、上部フレーム321に例えば昇降可能に支持される下部フレーム322とを含む。上部フレーム321には、ワーク2の上部をクランプする複数のクランパー323が設けられる。下部フレーム322には、ワーク2の下部をクランプする複数のクランパー324が設けられる。ワーク2には下部のクランパー324により下向きのテンションが付与される。ただし、ワーク2が厚い場合や、ワーク2の下部から給電しない場合には、下部フレーム322及びクランパー324を省略しても良い。
図5に示すように各処理ユニット3−1〜3−n(図5は2つの処理ユニットのみ図示)は、N(Nは2以上の整数)本例えばN=2本の陰極レール40A,40Bを有する。2本の陰極レール40A,40Bは、搬送方向Aと平行に配置される。2本の陰極レール40A,40Bの各々は、好ましくは処理ユニット3−1〜3−n毎に分割された複数の分割陰極レール40−1〜40−n(図5は2つの分割陰極レール40−1,40−2のみを示す)を有し、搬送方向Aで連続するように連結される。分割陰極レール40−1〜40−nの各々は、図5及び図6(A)に示すように、絶縁レール41上にて間隔(非導電部)42をあけて、ワーク2が停止される各セル毎に一つずつ計4つの導電部43を有する。陰極レール40Aにそれぞれ設けられた4つの導電部43の各々は、各処理ユニット3−1〜3−nの4箇所の停止位置にてワーク2を保持して停止された図4に示す搬送治具30の第1被給電部340A(2つの接触子342,343)と電気的に導通される。陰極レール40Bにそれぞれ設けられた4つの導電部43の各々は、各処理ユニット3−1〜3−nの4箇所の停止位置にてワーク2を保持して停止された図4に示す搬送治具30の第2被給電部340B(2つの接触子342,343)と電気的に導通される。なお、図5では各処理ユニット3−1〜3−nに収容されるメッキ液の液面Lが示され、ワーク2はメッキ液中に浸漬される。
各処理ユニット3−1〜3−nのM=4箇所の停止位置(セル)にて、M=4つのワーク2の各々に流れる電流は、各セル毎に2つずつ設けられた整流器50の各々により独立して制御される。しかも、セル間では陰極同士が絶縁され、陽極同士も絶縁されるので、各一つのワーク2毎に絶縁分離させて、各整流器50によりワーク2を個別的に給電制御することができる。加えて、セル間では遮蔽板23により電界を分離することで、セル間での影響を排除して、ワーク2毎の個別給電が担保される。それにより、ワーク2のメッキ品質を向上させることができる。
ワーク2がセル間で間欠搬送される間も、整流器50によりワーク2に電流が供給される。ここで、間欠搬送中に、図4に示す搬送治具30の2つの接触子342,343の少なくとも一方は陰極レール上の導電部43と接触している。つまり、搬送上流側の接触子342が間隔42の位置にて絶縁レール41と接触しても、搬送下流側の接触子343は導電部43と接触している。同様に、搬送下流側の接触子343が間隔42の位置にて絶縁レール41と接触しても、搬送上流側の接触子342は隣のセルの導電部43と接触している。それらの過程で、搬送下流側の接触子343が例えばセル11−1の導電部43と接触し、搬送上流側の接触子342はセル11−2の導電部43と接触する。この場合、ワーク2はセル11−1及びセル11−2に対応する2つの整流器50から電流が供給される。このセル間を移動する過程の状態(乗り継ぎ状態)を、図8に模式的に示す。図8において、図4に示す搬送治具30の被給電部340が模式的に示され、被給電部340(第1,第2被給電部340A,340Bの総称である)は上流側セルの導電部43と下流側セルの導電部43とに接触している。ここで、ワーク2が停止している時の整流器50の出力を維持してワーク2を間欠搬送すると、2つの整流器50と接続される乗り継ぎ中のワーク2には過渡的に2倍の電流が流れる虞がある。特に、間欠搬送速度が遅いほど、過渡電流の影響は大きい。
各処理ユニット3−1〜3−nの4つのセル11−1〜11−4にて、図9に示すように、平面視で、停止位置にあるワーク2の各面(表面及び裏面)と陽極20との間に少なくとも1本のノズル管60をさらに設けることができる。ノズル管60は、ワーク(陰極)2と陽極20との間に形成される電界を遮るので、複数のノズル管60を設ける場合でもその本数は少ないことが好ましい。ノズル管60は、図9に示すようにメッキ液を噴出する複数の噴出口60Aを有する。図10に示すノズル管60の噴出口60Aは垂直方向ピッチPは従来の連続搬送式に用いられるピッチ(例えば7.5mm)よりも小さく、噴出口60Aの外径以上でかつ5mm以下とすることができる。単位時間当たりのメッキ液供給量を多くするためである。加えて、小さいサイズのチップや密なパターンに均等にメッキ液を供給するためにも、ピッチPは小さい方が良い。なお、図10ではワーク2の表裏面側のノズル管60はワーク2を挟んで対向配置されているが、非対向位置に設けても良い。対向配置させればワーク2が液圧で変形することを解消でき、非対向配置させるとワーク2の貫通孔にメッキ液を供給し易くなる。なお、連続搬送方式でもノズル管が設けられるが、その本数は一処理ユニットに十数本と多い。
本実施形態では、各処理ユニット3−1〜3−n毎に間欠搬送装置を設けることが好ましい。処理ユニットの数nを変更しても間欠搬送装置を再設計する必要がないからである。その便宜を求めなければ、特許文献1のように循環式間欠搬送装置を用いても良いし、各処理ユニット3−1〜3−nに共用される一つの間欠搬送装置を用いても良い。なお、以下に説明する間欠搬送装置は、必ずしも複数の処理ユニットを連結してメッキ槽を形成するものに限定されない。
Claims (11)
- 処理液が収容される処理槽と、
前記処理槽内に配置される少なくとも一つの陽極と、
N(Nは2以上の整数)個の陰極レールと、
前記処理液に浸漬される複数のワークの各一つをそれぞれ保持し、かつ、前記N個の陰極レールと接触して前記複数のワークの各一つを陰極に設定する複数の治具と、
前記N個の陰極レールの各一つと前記少なくとも一つの陽極に接続される少なくともN個の整流器と、
を有し、
前記複数の治具の各々は、前記N個の陰極レールの各一つからN個の陰極設定部位の各一つに導通される、互いに絶縁されるN個の導通経路を含み、前記N個の陰極設定部位は、前記N個の導通経路が設けられた一つの治具に保持される一つのワークを含む異なるN個の部位であることを特徴とする表面処理装置。 - 請求項1において、
前記N個の導通経路は、前記N個の陰極レールの各一つから前記複数のワークの各一つの異なるN個の部位に導通されることを特徴とする表面処理装置。 - 請求項2において、
前記複数の治具の各々はワークをクランプする少なくともN個のクランパーを含み、
前記複数のワークの各一つの異なる部位は、前記少なくともN個のクランパーで把持される少なくとも各一つの部位であることを特徴とする表面処理装置。 - 請求項3において、
前記少なくともN個のクランパーで把持される前記少なくとも各一つの部位は、前記複数の治具の各一つに保持される前記複数のワークの各一つの上端部と下端部とを含むことを特徴とする表面処理装置。 - 請求項3において、
前記少なくとも一つの陽極は、前記複数のワークの表面及び裏面と対向する少なくとも2つの陽極を含み、
前記少なくともN個のクランパーで把持される前記少なくとも各一つの部位は、前記複数の治具の各一つに保持される前記複数のワークの各一つの前記表面と前記裏面とを含むことを特徴とする表面処理装置。 - 請求項1において、
前記複数の治具の各々は、前記複数のワークの各一つの周囲にダミー被処理部を含み、
前記N個の導通経路は、前記N個の陰極レールの少なくとも一つから前記複数のワークの各一つに導通される第1導通経路と、前記N個の陰極レールの少なくとも他の一つから前記ダミー被処理部に導通される第2の導通経路と、を含むことを特徴とする表面処理装置。 - 請求項1乃至6のいずれか一項において、
前記少なくともN個の整流器のうちの少なくとも2個は、1個の整流器で兼用され、前記1個の整流器の端子は、前記N個の陰極レールの一つを介して前記N個の導通経路の一つに接続されると共に、可変抵抗器と前記N個の陰極レールの他の一つを介して前記N個の導通経路の他の一つに接続されることを特徴とする表面処理装置。 - 請求項1乃至7のいずれか一項において、
前記複数の治具を、前記処理槽内のM(Mは2以上の整数)個の停止位置を始点及び/または終点として、間欠的に搬送させる間欠搬送装置をさらに有し、
前記N個の陰極レールの各々は、前記M個の停止位置にそれぞれ停止されたM個の治具にそれぞれ接触され、かつ、電気的に絶縁されたM個の導電部を含み、
前記少なくともN個の整流器は、計N×M個の導電部に対応してN×M個設けられ、前記N×M個の整流器の各一つが前記N×M個の導電部の各一つと接続されていることを特徴とする表面処理装置。 - 請求項1乃至8のいずれか一項において、
前記少なくとも一つの陽極は、前記M個の停止位置にそれぞれ停止されるM個のワークと対向する少なくともM個の陽極を含み、
前記M個の陽極の各一つが、前記M個の停止位置にそれぞれ停止されるM個の治具の各一つと接続されるN個の整流器と共通接続されること特徴とする表面処理装置。 - 処理液が収容される処理槽と、
前記処理槽内に配置される少なくとも一つの陽極と、
N×M(N,Mは2以上の整数)個の陰極接続部と、
前記処理液に浸漬されるM個のワークを保持し、かつ、前記N×M個の陰極接続部と接触して前記M個のワークの各一つをN個の陰極に設定する治具と、
前記N×M個の陰極接続部の各一つと前記少なくとも一つの陽極に接続されるN×M個の整流器と、
を有し、
前記治具は、前記N×M個の陰極接続部の各一つから前記M個のワークの各一つの異なるN個の部位に導通されるN×M個の導通経路を含み、前記N×M個の導通経路は互いに絶縁されることを特徴とする表面処理装置。 - 請求項10において、
前記N×M個の整流器のうちの少なくとも2個は1個の整流器で兼用され、前記1個の整流器の端子は、前記M個のワークの一つの異なるN個の部位に導通されるN個の導通経路の一つに接続されると共に、前記N個の導通経路の他の一つに可変抵抗器を介して接続されることを特徴とする表面処理装置。
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