以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。なお、以下の説明では、液体吐出装置の一例として、プリントヘッドから液体の一例としてのインクを吐出し、吐出されたインクが媒体に着弾
することで印刷を行うインクジェットプリンターを例に挙げて行う。
1.液体吐出装置の概要
図1は、液体吐出装置1の概略構成を示す上面図である。図2は、液体吐出装置1の概略構成を示す側面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態では、液体吐出装置1は、インクが吐出される媒体Pを搬送するだけで印刷を行う、所謂ライン式のインクジェットプリンターを例示して説明を行う。なお、液体吐出装置1は、ライン式のインクジェットプリンターに限られるのもではなく、媒体Pの搬送に同期してプリントヘッドが移動する所謂シリアル式のインクジェットプリンターであってもよい。
ここで、以下の説明において媒体Pが搬送される搬送方向を方向Xと称し、媒体Pが搬送される上流をX1側、下流をX2側として説明する。また、媒体Pにインクが着弾する着弾面の面内方向において、方向Xに直交する方向を方向Yと称し、方向Yにおける液体吐出装置1の一端をY1側、他端をY2側として説明する。さらに、方向X、及び方向Yの双方に直交する方向であって、プリントヘッド3から媒体Pに吐出されるインクが吐出される方向を方向Zと称し、プリントヘッド3から吐出されるインクは、方向ZのZ2側からZ1側に向かって吐出されるとして説明する。なお、本実施形態において方向X、方向Y、及び方向Zは、互いに直交する軸として説明を行うが、液体吐出装置1が備える構成が、互いに直交して配置されていることに限定されるものではない。
図1及び図2に示すように、液体吐出装置1は、装置本体2、プリントヘッド3、貯留手段4、第1搬送手段5a、及び第2搬送手段5bを有する。
貯留手段4は、装置本体2に固定されている。そして、貯留手段4には、プリントヘッド3に供給されるインクが貯留されている。このようなインクが貯留されている貯留手段4としては、例えば、インクカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、インクの補充が可能なインクタンク等が用いられる。貯留手段4に貯留されているインクは、チューブ等の供給管40を介してプリントヘッド3に供給される。ここで、貯留手段4には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グレー等の複数色のインクが貯留されてもよい。したがって、貯留手段4は、貯留されるインク色に対応する複数のインクカートリッジ、インクパック、及びインクタンクを備えてもよく、さらに、供給管40は、貯留手段4に貯留されるインク色に対応する複数のチューブを備えてもよい。また、貯留手段4は、プリントヘッド3に搭載されていてもよい。
プリントヘッド3には、ケーブル17を介してプリントヘッド駆動回路基板7からインクの吐出を制御するための信号が供給される。そして、プリントヘッド3は、貯留手段4から供給されるインクを、プリントヘッド駆動回路基板7から供給される信号に応じた量、及びプリントヘッド駆動回路基板7から供給される信号に応じたタイミングで吐出する。なお、プリントヘッド3の詳細については、後述する。
第1搬送手段5aは、プリントヘッド3のX1側に位置している。また、第2搬送手段5bは、少なくとも一部がプリントヘッド3のX2側に位置している。第1搬送手段5a及び第2搬送手段5bは、媒体Pを方向Xに沿った方向においてX1側からX2側に向かい搬送する。
第1搬送手段5aは、搬送ローラー51a、従動ローラー52a、及び駆動モーター53aを備える。搬送ローラー51aは、媒体Pのインクが着弾する面とは反対面側、すなわち、媒体PのZ1側に設けられている。搬送ローラー51aには、駆動モーター53aから駆動力が供給される。搬送ローラー51aは、駆動モーター53aから供給される駆動力に従い駆動する。また、従動ローラー52aは、媒体Pのインクが着弾する面側、す
なわち、媒体PのZ2側に設けられている。従動ローラー52aは、搬送ローラー51aとの間で媒体Pを挟持する。そして、従動ローラー52aは、搬送ローラー51aの駆動に従動する。ここで、従動ローラー52aは、付勢部材により生じる応力により媒体Pを搬送ローラー51aに向かって押圧する不図示のバネ等を備えてもよい。
第2搬送手段5bは、搬送ローラー51b、従動ローラー52b、駆動モーター53b、搬送ベルト54b、テンションローラー55b、付勢部材56b、及び押さえローラー57bを備える。
搬送ローラー51bは、方向Xにおいてプリントヘッド3のX2側に位置している。搬送ローラー51bには、駆動モーター53bから駆動力が供給される。そして、搬送ローラー51bは、駆動モーター53bから供給される駆動力に従い駆動する。従動ローラー52bは、方向Xにおいてプリントヘッド3のX1側に位置している。搬送ベルト54bは、無端ベルトであって、搬送ローラー51bと従動ローラー52bとの外周に掛けられている。この搬送ベルト54bは、媒体PのZ1側に位置している。そして、搬送ローラー51bが、駆動モーター53bから供給される駆動力に従い駆動することで、搬送ベルト54bが従動し、その結果、従動ローラー52bが従動する。テンションローラー55bは、搬送ローラー51bと従動ローラー52bとの間であって、搬送ベルト54bの内周面に当接して位置している。テンションローラー55bは、ばね等の付勢部材56bにより生じる付勢力によって、搬送ベルト54bに張力を付与する。これにより、搬送ベルト54bの搬送ローラー51bと従動ローラー52bとの間の面であって、搬送ベルト54bのプリントヘッド3と相対向する面を略平坦とすることができる。
押さえローラー57bは、媒体PのZ2側においてプリントヘッド3のX1側及びX2側のそれぞれに設けられている。そして、押さえローラー57bと搬送ベルト54bとの間で媒体Pが挟持されることで、媒体Pの姿勢が平坦に保たれる。
以上のように構成された液体吐出装置1では、第1搬送手段5a及び第2搬送手段5bが駆動することで、媒体Pが方向Xに沿った方向においてX1側からX2側に向かって搬送されるとともに、媒体Pにプリントヘッド3から所定のタイミングでインクが吐出される。これにより、プリントヘッド3から吐出されたインクが、媒体Pの所望の位置に着弾し、媒体Pに所望の画像が形成される。
2.プリントヘッドの構造
次に、プリントヘッド3の構造について説明する。図3は、プリントヘッド3の構造を示す分解斜視図である。図3に示すように、プリントヘッド3は、複数のヘッド本体31、複数のカバー32、ベース部材33、流路部材34、及びカバー部材35を有する。ここで、図3に示すように、複数のカバー32のそれぞれは、複数のヘッド本体31のそれぞれと対応して設けられている。すなわち、プリントヘッド3は、ヘッド本体31とカバー32との組を複数組有する。なお、図3では、プリントヘッド3が、6個のヘッド本体31、及び6個のカバー32を有する場合を例示しているが、プリントヘッド3が有するヘッド本体31及びカバー32の数はこれに限るものではない。
まず、ヘッド本体31の構造について、図4及び図5を用いて説明する。図4は、ヘッド本体31の分解斜視図である。図5は、ヘッド本体31が有するヘッドチップ310の断面図である。図4に示すようにヘッド本体31は、複数のヘッドチップ310と、保持部材360とを有する。なお、図4には、6個のヘッドチップ310を有するヘッド本体31を例示しているが、これに限るものではない。
図5に示すように、各ヘッドチップ310は、ケース610、保護基板620、圧力室
基板630、流路基板640、及びノズルプレート650を有する。そして、ヘッドチップ310において、ケース610、保護基板620、圧力室基板630、流路基板640、及びノズルプレート650は、接着剤等により接合されている。
ノズルプレート650は、インクが吐出される複数のノズル651を有する。具体的には、ノズルプレート650には、複数のノズル651が方向Xaに沿った方向に並設されたノズル列が、方向Yaに沿った方向に2列で設けられている。ここで、方向Xaとは、媒体Pの搬送方向である方向Xに対して傾斜した方向であって、方向Yaとは、方向X及び方向Yで規定されるX−Y平面において、方向Xaと交差する方向である。すなわち、ヘッド本体31は、ヘッドチップ310が有するノズル651が並設する方向が、媒体P
の搬送方向である方向Xに対して傾斜した方向となるようにプリントヘッド3に搭載される。なお、ノズル651により形成されるノズル列は、2列に限られるものではなく、1列又は3列以上であってもよい。ここで、ノズルプレート650において、ノズル651が開口するZ1側の面を、ノズル面652と称する。
圧力室基板630は、ノズルプレート650のZ2側に位置している。圧力室基板630は、隔壁等によって区画された複数の圧力発生室631を有する。各圧力発生室631は、ノズルプレート650が有するノズル651に対応して位置している。すなわち、圧力室基板630は、ノズルプレート650に設けられるノズル651と同数の圧力発生室631を有する。さらに、圧力室基板630が有する複数の各圧力発生室631は、方向Xaに沿った方向に並設されている。そして、並設された圧力発生室631の列が、方向Yaに沿った方向に2列で位置している。
流路基板640は、ノズルプレート650のZ2側であって、圧力室基板630のZ1側に位置している。換言すれば、流路基板640は、方向Zに沿った方向おいてノズルプレート650と圧力室基板630との間に位置している。流路基板640は、貯留手段4から供給されるインクを複数のノズル651のそれぞれに供給するための共通流路641、分岐流路642、連通流路643、及び個別流路644を有する。
個別流路644は、対応するノズル651及び圧力発生室631と連通している。共通流路641は、圧力室基板630が有する複数の圧力発生室631、及びノズルプレート650が有する複数のノズル651に対して共通に設けられている。共通流路641には、貯留手段4からインクが供給される。共通流路641に供給されたインクは、圧力発生室631に対応して設けられた分岐流路642及び連通流路643を介して、圧力発生室631に供給される。すなわち、分岐流路642及び連通流路643は、共通流路641と対応する圧力発生室631とを連通する。以上のように構成された流路基板640は、共通流路641に供給されたインクを、分岐流路642において複数の圧力発生室631のそれぞれに対応するように分岐した後、連通流路643を介して圧力発生室631に供給する。
圧力室基板630のZ2側の面には、振動板621が接合されている。また、振動板621のZ2側の面には、複数の圧力発生室631に対応する複数の圧電素子60が設けられている。具体的には、各圧電素子60は、電極602,603、及び圧電体層601を含み、振動板621のZ2側の面において、方向Zに沿った方向においてZ1側からZ2側に向かい電極602、圧電体層601、電極603の順に積層されている。そして、各圧電素子60のそれぞれが有する電極602,603の内の一方が、圧電素子60に共通の電圧値の信号を供給する共通電極として構成され、電極602,603の内の他方が、圧電素子60のそれぞれに個別の電圧値の信号を供給する個別電極として構成される。なお、本実施形態では、電極602が個別電極であって、電極603が共通電極であるとして説明を行うが、この限りではない。
以上のように構成された圧電素子60は、電極602と電極603との間の生じた電位差に応じて圧電体層601が変形する。すなわち、圧電素子60は、電極602に供給される信号の電圧値と、電極603に供給される信号の電圧値との電位差に応じて駆動する。そして、圧電素子60が駆動することで、振動板621が変位する。振動板621がZ2側に変位した場合、圧力発生室631の内部圧力が低下する。その結果、圧力発生室631には、分岐流路642及び連通流路643を介して共通流路641からインクが供給される。一方、振動板621がZ1側に変位した場合、圧力発生室631の内部圧力が上昇する。その結果、圧力発生室631に貯留されているインクが、個別流路644を介してノズル651から吐出される。ここで、圧電素子60、圧力発生室631、個別流路644、及びノズル651を含む構成を、プリントヘッド3からインクを吐出する吐出部600と称する。
保護基板620は、振動板621のZ2側に位置している。保護基板620は、圧電素子60を保護するための空間を形成する保持部622を有する。この保持部622によって形成される空間は、圧電素子60の駆動に伴う変位に対して十分な大きさを有する。
ケース610は、流路基板640及び保護基板620のZ2側に位置している。ケース610は、流路基板640の共通流路641に連通する共通液室であるマニホールド611を有する。マニホールド611は、複数のノズル651に供給されるインクを貯留する空間であって、複数のノズル651、及び複数の圧力発生室631に亘り連続して設けられている。このマニホールド611に供給されたインクが、共通流路641に供給される。
また、ヘッド本体31において、保護基板620及びケース610には、方向Zに沿った方向で貫通する貫通孔313が設けられている。貫通孔313には、フレキシブル配線基板311が挿通される。そして、フレキシブル配線基板311の一端は、圧電素子60の電極602,603から引き出されたリード電極と電気的に接続される。すなわち、フレキシブル配線基板311には、圧電素子60を駆動するための信号が伝搬する。また、フレキシブル配線基板311には、集積回路312が実装されている。集積回路312には、フレキシブル配線基板311で伝搬する圧電素子60を駆動するための信号が入力される。そして、集積回路312は、入力される信号に基づいて、圧電素子60を駆動するための信号が電極602に供給されるタイミング制御する。これにより、圧電素子60が駆動するタイミング、及び圧電素子60の駆動量が制御される。したがって、圧電素子60を含む吐出部600から、所定のタイミングで所定量のインクが吐出される。
以上のように構成されたヘッドチップ310は、ヘッド本体31において保持部材360により保持される。図4に示すように、保持部材360は、流路部材361、ホルダー362、及び中継基板363を備える。
流路部材361の内部には、貯留手段4から供給されるインクを各ヘッドチップ310に供給するためのインク流路が設けられている。このインク流路は、流路部材361のZ2側の面に設けられているインク供給部364と連通している。すなわち、貯留手段4から供給されたインクは、インク供給部364を介して流路部材361に供給される。なお、流路部材361の内部に設けられているインク流路は、インク供給部364のそれぞれに対応して設けられている。ここで、図4では流路部材361が4個のインク供給部364を有する図示していが、この限りではない。また、流路部材361の内部には、供給されるインクに含まれるゴミや気泡等の異物を除去するためのフィルター等が設けられていてもよい。
流路部材361の方向Xに沿った両端部には、方向Zに貫通するケーブル挿通孔365が設けられている。ケーブル挿通孔365には、端子群368を介して後述する中継基板363と電気的に接続されたケーブル366が挿通される。ここで、端子群368とは、ケーブル366に含まれる複数の配線のそれぞれに対応した複数の端子を備えた構成であればよく、図4に示すようなコネクター形状の構成に限るものではなく、例えば、中継基板363に設けられた複数の電極であってもよい。
ホルダー362は、流路部材361のZ1側に位置し、図3に示すネジ381によって流路部材361に固定されている。また、ホルダー362は、保持部367を有する。保持部367は、ホルダー362のZ1側の面において、方向Yに亘って連続し、且つ方向Yの両側面に開口する溝状の空間である。そして、保持部367には、複数のヘッドチップ310が不図示の接着剤等によって接合される。これにより、複数のヘッドチップ310が保持部材360に保持される。
また、ホルダー362の内部には、流路部材361の内部に設けられたインク流路と連通する不図示のインク流路が設けられている。インク供給部364から供給されたインクは、流路部材361の内部に設けられたインク流路、及びホルダー362の内部に設けられたインク流路を介して各ヘッドチップ310に供給される。
中継基板363は、流路部材361とホルダー362との間に位置する。中継基板363には、各ヘッドチップ310が有するフレキシブル配線基板311が電気的に接続される。また、中継基板363には、端子群368が設けられている。以上のように構成された中継基板363は、端子群368と電気的に接続されるケーブル366を介して入力される信号を、対応するヘッドチップ310に伝搬するとともに、フレキシブル配線基板311を介して各ヘッドチップ310から出力された信号を、端子群368及びケーブル366を介してヘッド本体31の外部に出力する。
上述したヘッド本体31は、少なくとも一部がカバー32により覆われている。これにより、液体吐出装置1の内部で浮遊するインク滴が各ヘッドチップ310に付着するおそれが低減される。換言すれば、カバー32は、ヘッド本体31が有するヘッドチップ310をインク滴から保護する。
カバー32は、ヘッド本体31に設けられた複数のヘッドチップ310のノズル面652側であるZ1側に設けられている。そして、カバー32とヘッド本体31とは、不図示の接着剤等により接合されている。
図4に示すように、カバー32は、ベース部321及び延設部322,323を備える。ベース部321は、カバー32に覆われるヘッド本体31が有するヘッドチップ310のノズル面652側に設けられる板状部材であり、ヘッド本体31のZ1側の面と不図示の接着剤等によって接合されている。延設部322は、ベース部321の方向Yの両端部からZ2側に向かって延設された板状部材であり、ヘッド本体31の方向Yを覆う大きさを有する。また、延設部323は、ベース部321の方向Xの両端部からZ2側に向かって延設された板状部材であり、ヘッド本体31の方向Yを覆う大きさを有する。すなわち、カバー32は、ベース部321、及び延設部322,323で空間を形成し、形成された当該空間にヘッド本体31が挿入されることで、カバー32は、液体吐出装置1の内部に浮遊するインク滴からヘッドチップ310を保護する。
また、ベース部321は、複数の開口部324を有する。各開口部324は、各ヘッドチップ310に対応し、ヘッドチップ310が有するノズル651によって形成されたノズル列に対応して位置する。これにより、各ヘッドチップ310から吐出されるインクが
、カバー32に阻害されることなく媒体Pに着弾する。
図3に戻り、ベース部材33は、内部にZ1側に開口する空間である収容空間を有する収容部332を備える。そして、当該収容空間に複数のヘッド本体31が収容され保持される。具体的には、ベース部材33の収容部332には、ヘッド本体31のノズル面652側が、収容部332よりもZ1側に突出するように、ヘッド本体31が収容される。この場合において、複数のヘッド本体31のそれぞれは、ノズル面652に位置するノズル列が、方向Xに対して傾斜した方向Xaに沿った方向となるように収容部332に収容されている。
また、ヘッド本体31がベース部材33に収容されている場合において、ヘッド本体31は、スペーサー37を介してベース部材33に固定されている。スペーサー37は、ヘッド本体31のZ2側の面にネジ382によって固定されるとともに、ベース部材33のZ1側の面にネジ383によって固定される。すなわち、ヘッド本体31は、スペーサー37を介してベース部材33に固定される。以上のように、ネジ382によりヘッド本体31に固定されたスペーサー37を、ネジ383によってベース部材33に固定することにより、ベース部材33に対するヘッド本体31の着脱を容易にすることが可能となる。なお、スペーサー37とヘッド本体31とは、ネジ382を用いた固定に限定されるものではなく、例えば、接着剤により接合されてもよい。さらに、ヘッド本体31は、スペーサー37と一体的に構成されていてもよい。
また、ベース部材33は、方向Zに貫通する供給孔331を有する。供給孔331には、ベース部材33に固定されたヘッド本体31が有するインク供給部364が挿通される。また、ベース部材33は、方向Zに貫通する開口部333を有する。開口部333には、ベース部材33に固定されたヘッド本体31が有するケーブル366が挿通されている。
また、収容部332のうち、方向Xに沿った方向で向かい合う両側の外周には、Z2側に開口する段差334が設けられている。段差334のそれぞれには、分岐配線基板335が収容される。分岐配線基板335には、複数の開口部333から導出された複数のヘッド本体31のそれぞれに対応するケーブル366が電気的に接続される。これにより、分岐配線基板335は、複数のヘッド本体31のそれぞれに入力される信号、及び複数のヘッド本体31から出力される信号が伝搬する。
また、分岐配線基板335には、集積回路336が実装されている。なお、図3に示すプリントヘッド3では、2つの分岐配線基板335を図示し、2つの分岐配線基板335のそれぞれが、集積回路336を備えている場合を図示しているが、集積回路336は、2つの分岐配線基板335のいずれか一方のみが備える構成であってもよく、また、プリントヘッド3が備える分岐配線基板335が1つであってもよい。
さらに、分岐配線基板335には、装置本体2に固定されたプリントヘッド駆動回路基板7と電気的に接続されるケーブル17が接続されている。これにより、プリントヘッド駆動回路基板7で生成された各種信号がプリントヘッド3に入力される。
流路部材34は、ベース部材33のZ2側に設けられている。流路部材34は、貯留手段4から供給されたインクを複数のヘッド本体31のそれぞれに分配して供給する。流路部材34の内部には、貯留手段4から供給されたインクを複数のヘッド本体31に供給するための不図示のインク流路が設けられている。この流路部材34の内部に設けられたインク流路は、貯留手段4と接続された供給管40と連通するとともに、ヘッド本体31のインク供給部364と連通している。これにより、貯留手段4から供給されたインクが、
対応するヘッド本体31に供給される。
カバー部材35は、流路部材34のZ2側に設けられている。カバー部材35は、流路部材34、及び分岐配線基板335を覆う箱形の部材である。カバー部材35には、ケーブル17を挿通するための開口部351、及び供給管40を挿通するための開口部352が設けられている。このようなカバー部材35は、ベース部材33の収容部332にネジ385によって固定される。
以上のように、プリントヘッド3は、媒体Pに対してインクを吐出する液体吐出装置1に組み付けられるプリントヘッド3であって、個別電極である電極602に供給される信号を受けてインクを吐出する吐出部600を備える。
3.液体吐出装置の機能構成
次に、液体吐出装置1の機能的構成について説明する。図6は、液体吐出装置1の機能的構成を示す図である。図6に示すように、液体吐出装置1は、プリントヘッド3、媒体搬送機構5、保守機構6、プリントヘッド駆動回路基板7、メイン回路基板8、及び情報出力機構9を有する。また、液体吐出装置1は、プリントヘッド3、媒体搬送機構5、保守機構6、プリントヘッド駆動回路基板7、メイン回路基板8、及び情報出力機構9を電気的に接続するケーブル15〜19を有する。
ケーブル15は、メイン回路基板8に設けられた端子群25aと媒体搬送機構5に設けられた端子群25bとを電気的に接続することで、メイン回路基板8と媒体搬送機構5とを電気的に接続する。ケーブル16は、メイン回路基板8に設けられた端子群26aと保守機構6に設けられた端子群26bとを電気的に接続することで、メイン回路基板8と保守機構6とを電気的に接続する。ケーブル17は、プリントヘッド駆動回路基板7に設けられた端子群27aとプリントヘッド3に含まれる分岐配線基板335に設けられた端子群27bとを電気的に接続することで、プリントヘッド駆動回路基板7とプリントヘッド3とを電気的に接続する。ケーブル18は、メイン回路基板8に設けられた端子群28aとプリントヘッド駆動回路基板7に設けられた端子群28bとを電気的に接続することで、メイン回路基板8とプリントヘッド駆動回路基板7とを電気的に接続する。ケーブル19は、メイン回路基板8に設けられた端子群29aと情報出力機構9に設けられた端子群29bとを電気的に接続することで、メイン回路基板8と情報出力機構9とを電気的に接続する。
ここで、ケーブル15〜19は、フレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)や同軸ケーブル等、伝搬する信号の形態に応じた各種ケーブルが使用される。また、端子群25a,25b,26a,26b,27a,27b,28a,28b,29a,29bのそれぞれは、対応するケーブル15〜19と各回路基板とを電気的に接続できる構成出ればよく、例えば、ケーブル15〜19が着脱可能に取り付けられるコネクターであってもよく、また、各回路の基板上に形成された複数の電極群であってもよい。
また、ケーブル15〜19で伝搬する信号のいずれかが光信号であってもよい。この場合において、対応するケーブル15〜19のいずれかが、光通信ケーブルであってもよく、対応する端子群25a,25b,26a,26b,27a,27b,28a,28b,29a,29bが、光コネクターであってもよい。
すなわち、ケーブル15及び端子群25a,25bが、メイン回路基板8と媒体搬送機構5とを電気的に接続するとは、メイン回路基板8と媒体搬送機構5とを通信可能に接続するとの意味を含む。同様に、ケーブル16及び端子群26a,26bが、メイン回路基板8と保守機構6とを電気的に接続するとは、メイン回路基板8と保守機構6とを通信可
能に接続するとの意味を含む。同様に、ケーブル17及び端子群27a,27bが、プリントヘッド駆動回路基板7とプリントヘッド3とを電気的に接続するとは、プリントヘッド駆動回路基板7とプリントヘッド3とを通信可能に接続するとの意味を含む。同様に、ケーブル18及び端子群28a,28bが、メイン回路基板8とプリントヘッド駆動回路基板7とを電気的に接続するとは、メイン回路基板8とプリントヘッド駆動回路基板7とを通信可能に接続するとの意味を含む。同様に、ケーブル19及び端子群29a,29bが、メイン回路基板8と情報出力機構9とを電気的に接続するとは、メイン回路基板8と情報出力機構9とを通信可能に接続するとの意味を含む。
なお、液体吐出装置1の機能構成を説明するにあたり、図6に示すようにプリントヘッド3は、n個のヘッド本体31を有し、ヘッド本体31のそれぞれは、m個のヘッドチップ310を有するとして説明する。すなわち、プリントヘッド3は、合計n×m個のヘッドチップ310を有するとして説明を行う。そして、以下の説明において、n個のヘッド本体31を区別する場合、ヘッド本体31−1〜31−nと称する場合があり、同様に、m個のヘッドチップ310を区別する場合、ヘッドチップ310−1〜310−mと称する場合がある。また、以下の説明では、プリントヘッド3が1つの分岐配線基板335を備える場合を例に説明を行う。
3.1 メイン回路基板の機能構成
メイン回路基板8は、液体吐出装置1の外部に設けられたホストコンピューター等から入力される画像データに基づいて、液体吐出装置1の各構成を制御するための信号を生成し、対応する構成に出力する。
図7は、メイン回路基板8の詳細を説明するための図である。図7に示すように、メイン回路基板8は、液体吐出装置制御回路81、信号変換回路82、時間計測回路83、電源回路84、及び電圧検出回路85を有する。また、メイン回路基板8には、複数の端子125aを含む端子群25aと、複数の端子126aを含む端子群26aと、複数の端子128aを含む端子群28aと、複数の端子129aを含む端子群29aとが設けられている。
さらに、図7には、媒体搬送機構5、保守機構6、プリントヘッド駆動回路基板7、情報出力機構9、媒体搬送機構5に設けられている端子群25b、端子群25bに含まれる複数の端子125b、保守機構6に設けられている端子群26b、端子群26bに含まれる複数の端子126b、プリントヘッド駆動回路基板7に設けられている端子群28b、端子群28bに含まれる複数の端子128b、情報出力機構9に設けられている端子群29b、及び端子群29bに含まれる複数の端子129bが図示されている。
ここで、以下の説明において、端子群25a,25b,26a,26b,28a,28b,29a,29bのそれぞれに含まれる複数の端子125a,125b,126a,126b,128a,128b,129a,129bを区別する必要がある場合、区別する端子で伝搬する信号の符号を当該端子の末尾に「−」とともに付加することで区別する。具体的には、以下の説明では、端子群αに含まれる複数の端子βの内、信号γが伝搬される端子βを端子β−γと称する。
電源回路84には、商用電源が入力される。そして、電源回路84は、入力される商用電源を例えば42Vの直流電圧である電圧VHVに変換し出力する。電源回路84から出力された電圧VHVは、電圧検出回路85に入力されるとともに、液体吐出装置1の各構成の電源電圧としても用いられる。ここで、液体吐出装置1の各構成は、電圧VHVをそのまま電源電圧、及び駆動電圧として用いてもよく、また、不図示の電圧変換回路により、3.3V、5V、7.5V等の様々な電圧値に変換された電圧信号を電源電圧、及び駆
動電圧として用いてもよい。
電圧検出回路85は、電圧VHVの電圧値に基づいて、液体吐出装置1に商用電源等の電源電圧が供給されているか否かを検出する。そして、電圧検出回路85は、検出結果に応じた論理レベルの電圧検出信号VDETを生成し、時間計測回路83に出力する。例えば、電圧検出回路85は、電圧VHVの電圧値が所定の値を超えた場合、Hレベルの電圧検出信号VDETを時間計測回路83に出力し、電圧VHVの電圧値が所定の値以下である場合、Lレベルの電圧検出信号VDETを時間計測回路83に出力する。なお、電圧検出回路85は、液体吐出装置1に電源電圧が供給されている場合に、Hレベルの電圧検出信号VDETを出力する構成であればよい。したがって、電圧検出回路85は、電圧VHVとは異なる電圧値に基づいて、電圧検出信号VDETの論理レベルを変更してもよく、また、液体吐出装置1に商用電源が供給されているか否かに基づいて、電圧検出信号VDETの論理レベルを変更してもよい。
時間計測回路83は、電圧検出信号VDETに基づいて、液体吐出装置1に電源電圧が供給されているか否かを判定する。そして、時間計測回路83が、電圧検出信号VDETに基づいて液体吐出装置1に電源電圧が供給されていると判定した場合、経過時間情報YMDを生成し液体吐出装置制御回路81に出力する。
液体吐出装置制御回路81は、液体吐出装置1の動作を制御するための各種信号を生成し、液体吐出装置1が有する対応する構成に出力する。
液体吐出装置制御回路81の具体例について説明する。液体吐出装置制御回路81は、媒体搬送機構5の動作を制御するための制御信号CTRL1を生成し、端子群25aに含まれる端子125a−CTRL1から出力する。そして、制御信号CTRL1は、ケーブル15を伝搬し、端子群25bに含まれる端子125b−CTRL1を介して媒体搬送機構5に入力される。
媒体搬送機構5は、前述の第1搬送手段5a及び第2搬送手段5bを含む。第1搬送手段5aに含まれる駆動モーター53a、及び第2搬送手段5bに含まれる駆動モーター53bは、制御信号CTRL1により制御される。すなわち、制御信号CTRL1は、第1搬送手段5aに含まれる駆動モーター53a、及び第2搬送手段5bに含まれる駆動モーター53bの駆動を制御するための信号である。なお、媒体搬送機構5は、制御信号CTRL1を駆動モーター53a,53bを駆動するための信号に変換するための不図示のドライバー回路を含んでもよい。
ここで、端子125a−CTRL1に含まれる端子125aの数、及び端子125b−CTRL1に含まれる端子125bの数は、それぞれ1つに限られるものではない。例えば、制御信号CTRL1がシングルエンドの信号である場合、端子125a−CTRL1及び端子125b−CTRL1は、それぞれが少なくとも1つの端子125a,125bを含み、制御信号CTRL1が差動信号である場合、端子125a−CTRL1及び端子125b−CTRL1は、それぞれが少なくとも2つの端子125a,125bを含む。
また、媒体搬送機構5は、媒体Pの搬送エラーを検出する媒体搬送エラー検出回路58を含む。媒体搬送エラー検出回路58は、プリントヘッド3に搬送される媒体Pに搬送エラーが生じているか否かを検出する。搬送エラーには、液体吐出装置1で搬送される媒体Pに折れ、しわ等が生じている場合に、液体吐出装置1の内部で媒体Pが引っかかることで、媒体Pの正常な供給又は排出ができなくなる所謂ジャム等が挙げられる。そして、媒体搬送エラー検出回路58は、媒体搬送機構5にジャム等の搬送エラーが生じた場合、当該搬送エラーが生じたことを示す媒体搬送エラー信号ERR1を生成し、端子群25bに
含まれる端子125b−ERR1から出力する。そして、媒体搬送エラー信号ERR1は、ケーブル15を伝搬し、端子群25aに含まれる端子125a−ERR1を介して液体吐出装置制御回路81に入力される。ここで、端子125a−EER1に含まれる端子125aの数、及び端子125b−ERR1に含まれる端子125bの数は、端子125a−CTRL1及び端子125b−CTRL1と同様の理由により、1つに限られるものではない。
また、液体吐出装置制御回路81は、保守機構6の動作を制御するための制御信号CTRL2を生成し、端子群26aに含まれる端子126a−CTRL2から出力する。そして、制御信号CTRL2は、ケーブル16を伝搬し、端子群26bに含まれる端子126b−CTRL2を介して保守機構6に入力される。
保守機構6は、ワイピング機構61、フラッシング機構62、及びキャッピング機構63を含む。ワイピング機構61は、プリントヘッド3のノズル面652に付着した紙片等を除去するためにノズル面652を拭き取るワイピング処理を実行する。フラッシング機構62は、プリントヘッド3の内部に貯留されているインクの粘度を適正な範囲に保持するため、或いは、プリントヘッド3の内部に貯留されているインクの粘度に異常が生じた場合、インクの粘度を適正な状態に回復するために、プリントヘッド3の内部に貯留されているインクをノズル651から吐出させるフラッシング処理を実行する。キャッピング機構63は、長期間にわたり液体吐出装置1が使用されない場合等、長期間にわたりプリントヘッド3からインクが吐出されない状態の場合に、プリントヘッド3に貯留されるインクの特性が変化するおそれを低減するために、ノズル651、及びノズル651が形成されたノズル面652にキャップを取り付けるキャッピング処理を実行する。ここで、端子126a−CTRL2に含まれる端子126aの数、及び端子126b−CTRL2に含まれる端子126bの数は、端子125a−CTRL1及び端子125b−CTRL1と同様の理由により、1つに限られるものではない。
なお、保守機構6は、上述したワイピング機構61、フラッシング機構62、及びキャッピング機構63の他に、プリントヘッド3が有する吐出部600を正常な状態に保つため、若しくは吐出部600を正常な状態に回復させるための各種処理を実行するための構成を含んでもよい。
また、液体吐出装置制御回路81は、情報出力機構9の動作を制御するための制御信号CTRL3を生成し、端子群29aに含まれる端子129a−CTRL3から出力する。そして、制御信号CTRL3は、ケーブル19を伝搬し、端子群29bに含まれる端子129b−CTRL3を介して情報出力機構9に入力される。情報出力機構9は、表示ディスプレイ91を有する。表示ディスプレイ91は、制御信号CTRL3に従い、液体吐出装置1の動作状態を示す情報、保守機構6の動作状態を示す情報、プリントヘッド3の使用履歴に関する情報、警告情報等の各種情報を表示する。なお、情報出力機構9は、使用者に対して各種情報を報知できる構成であればよく、例えば、音声、光等により情報を使用者に報知する構成を含んでもよい。ここで、端子129a−CTRL3に含まれる端子129aの数、及び端子129b−CTRL3に含まれる端子129bの数は、端子125a−CTRL1及び端子125b−CTRL1と同様の理由により、1つに限られるものではない。
また、液体吐出装置制御回路81は、液体吐出装置1の外部に設けられたホストコンピューター等の外部機器から入力される画像データ信号IMGに基づいて、RGB信号IRGBを生成し信号変換回路82に出力する。RGB信号IRGBは、入力される画像データ信号IMGに対応する画像データに含まれる赤、緑、青の情報を含む。そして、信号変換回路82は、入力されるRGB信号IRGBを液体吐出装置1で使用されるインク色に
対応する画像信号ICMYに変換し、端子群28aに含まれる端子128a−ICMYから出力する。そして、画像信号ICMYは、ケーブル18を伝搬し、端子群28bに含まれる端子128b−ICMYを介してプリントヘッド駆動回路基板7に入力される。
なお、信号変換回路82は、液体吐出装置制御回路81から入力されるRGB信号IRGBに基づいて生成した信号を、液体吐出装置1で使用されるインク色に対応する信号に変換した後、ハーフトーン処理などの信号処理を施した信号を画像信号ICMYとして端子128a−ICMYから出力してもよく、さらに、ハーフトーン処理を施した後、プリントヘッド3が有する複数の吐出部600に対応する信号に変換した信号を、画像信号ICMYとして端子128a−ICMYから出力してもよい。
また、信号変換回路82は、画像信号ICMYを一対の差動信号に変換した後、端子128a−ICMYからプリントヘッド駆動回路基板7に出力してもよく、画像信号ICMYを光信号等に変換したのち、端子128a−ICMYからプリントヘッド駆動回路基板7に出力してもよい。この場合において、端子128a−ICMYに含まれる端子128aの数、及び端子128b−ICMYに含まれる端子128bの数は、端子125a−CTRL1及び端子125b−CTRL1と同様の理由により、2つに限られるものではない。なお、信号変換回路82が画像信号ICMYを差動信号、光信号等に変換してプリントヘッド駆動回路基板7に出力する場合、メイン回路基板8は、これらの信号を変換するための変換回路を有し、画像信号ICMYが入力されるプリントヘッド駆動回路基板7は、差動信号、光信号等に変換された信号を復元するための復元回路を有する。
また、液体吐出装置制御回路81は、媒体搬送機構5により搬送された媒体Pの搬送情報、媒体搬送機構5から入力される媒体搬送エラー信号ERR1に基づく搬送エラー情報、保守機構6において実行させた保守実行情報、液体吐出装置1の動作時間を示す経過時間情報YMDに基づく動作時間情報等を含む液体吐出装置1の各種情報を液体吐出装置動作情報信号IPDとして端子群28aに含まれる端子128a−IPDから出力する。液体吐出装置動作情報信号IPDは、ケーブル18を伝搬し、端子群28bに含まれる端子128b−ICMYを介してプリントヘッド駆動回路基板7に入力される。この場合において、端子128a−ICMYに含まれる端子128aの数、及び端子128b−ICMYに含まれる端子128bの数は、端子125a−CTRL1及び端子125b−CTRL1と同様の理由により、1つに限られるものではない。
また、液体吐出装置制御回路81には、端子群28bに含まれる端子128b−IHD、ケーブル18、及び端子群28aに含まれる端子128a−IHDを介して、プリントヘッド駆動回路基板7からプリントヘッド3の駆動状況を含むプリントヘッド動作情報信号IHDが入力される。液体吐出装置制御回路81は、入力されるプリントヘッド動作情報信号IHDに基づいて、媒体搬送機構5、保守機構6、及び情報出力機構9のそれぞれを制御するための制御信号CTRL1,CTRL2,CTRL3を生成し出力する。
なお、メイン回路基板8は、1枚の基板で構成されることに限るものではなく、複数の基板で構成されてもよい。具体的には、メイン回路基板8が有する液体吐出装置制御回路81、信号変換回路82、時間計測回路83、電源回路84、及び電圧検出回路85を含むメイン回路基板8に実装される複数の回路の少なくとも一部が、異なる基板に実装され、不図示のコネクターやケーブル等で電気的に接続された構成であってもよい。
3.2 プリントヘッド駆動回路基板の機能構成
図8は、プリントヘッド駆動回路基板7の詳細を説明するための図である。図8に示すように、プリントヘッド駆動回路基板7は、プリントヘッド制御回路71、駆動信号出力回路72、及び吐出部状態判定回路73を有する。また、プリントヘッド駆動回路基板7
には、複数の端子127aを含む端子群27aが設けられている。そして、プリントヘッド駆動回路基板7は、端子128b−ICMYを介して入力される画像信号ICMYに基づいて、プリントヘッド3が有する複数の圧電素子60を駆動させるための駆動信号COM11〜COMnm、及び圧電素子60に駆動信号COM11〜COMnmを供給するタイミングを制御するための印刷データ信号SI11〜SInm、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SW11〜SWnmを生成する。
また、図8には、プリントヘッド3と、プリントヘッド3に設けられている端子群27bと、端子群27bに含まれる複数の端子127bとが図示されている。ここで、以下の説明において、端子群27bに含まれる複数の端子127bを区別する必要がある場合、区別する端子で伝搬する信号の符号を当該端子の末尾に「−」とともに付加することで区別する。具体的には、以下の説明では、端子群αに含まれる複数の端子βの内、信号γが伝搬される端子βを端子β−γと称する。
また、以下の説明において、印刷データ信号SI11〜SInmを特に区別する必要がない場合、単に印刷データ信号SIと称し、切替信号SW11〜SWnmを特に区別する必要がない場合、単に切替信号SWと称し、駆動信号COM11〜COMnmを特に区別する必要がない場合、単に駆動信号COMと称する場合があり、さらに、駆動信号COM11〜COMnmのそれぞれに対応する駆動データ信号dA11〜dAnmを特に区別する必要がない場合、単に駆動データ信号dAと称する場合がある。
プリントヘッド制御回路71には、端子128b−ICMYを介して画像信号ICMYが入力される。そして、プリントヘッド制御回路71は、画像信号ICMYに基づいてプリントヘッド3が備える複数のヘッドチップ310、及び吐出部600に対応する印刷データ信号SI11〜SInm、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SW11〜SWnmを生成する。
そして、プリントヘッド制御回路71が生成した印刷データ信号SI11〜SInmは、端子群27aに含まれる端子127a−SI11〜127a−SInmから出力され、ケーブル17で伝搬して、端子127b−SI11〜127b−SInmを介して、プリントヘッド3に入力され、クロック信号SCKは、端子群27aに含まれる端子127a−SCKから出力され、ケーブル17で伝搬して、端子127b−SCKを介して、プリントヘッド3に入力され、ラッチ信号LATは、端子群27aに含まれる端子127a−LATから出力され、ケーブル17で伝搬して、端子127b−LATを介して、プリントヘッド3に入力され、チェンジ信号CHは、端子群27aに含まれる端子127a−CHから出力され、ケーブル17で伝搬して、端子127b−CHを介して、プリントヘッド3に入力され、切替信号SW11〜SWnmは、端子群27aに含まれる端子127a−SW11〜127a−SWnmから出力され、ケーブル17で伝搬して、端子127b−SW11〜127b−SWnmを介して、プリントヘッド3に入力される。
ここで、印刷データ信号SI11は、ヘッド本体31−1が有するヘッドチップ310−1に入力される印刷データ信号SIに対応し、印刷データ信号SInmは、ヘッド本体31−nが有するヘッドチップ310−mに入力される印刷データ信号SIに対応する。同様に、切替信号SW11は、ヘッド本体31−1が有するヘッドチップ310−1に入力される切替信号SWに対応し、切替信号SWnmは、ヘッド本体31−nが有するヘッドチップ310−mに入力される切替信号SWに対応する。
すなわち、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3が有する合計n×m個のヘッドチップ310のそれぞれに対応する印刷データ信号SI、及び切替信号SWを生成し出力する。
また、プリントヘッド制御回路71は、圧電素子60を駆動させるための駆動信号COM11〜COMnmの波形を規定する駆動データ信号dA11〜dAnmを生成し駆動信号出力回路72に出力する。
駆動信号出力回路72は、入力される駆動データ信号dA11〜dAnmのそれぞれをデジタル/アナログ信号変換したのち、変換されたアナログ信号を電圧VHVに基づいてD級増幅することで駆動信号COM11〜COMnmを生成する。換言すれば、駆動データ信号dA11〜dAnmのそれぞれは、駆動信号COM11〜COMnmの波形を規定するデジタル信号であり、駆動信号出力回路72は、駆動データ信号dA11〜dAnmのそれぞれで規定された波形を電圧VHVに基づいてD級増幅することで対応する吐出部600を駆動するのに十分な最大電圧値であって、且つ電圧値が変化する駆動信号COM11〜COMnmを生成する。そして、駆動信号COM11〜COMnmは、端子群27aに含まれる端子127a−COM11〜127a−COMnmから出力され、ケーブル17で伝搬して、端子127b−COM11〜127b−COMnmを介して、プリントヘッド3に入力される。
以上のように、駆動信号出力回路72は、駆動信号COM11〜COMnmを生成する合計n×m個のD級増幅回路を有する。ここで、駆動データ信号dA11〜dAnmのそれぞれは、駆動信号COM11〜COMnmの波形を規定することができる信号であればよく、例えば、アナログ信号であってもよい。また、駆動信号出力回路72は、駆動データ信号dA11〜dAnmのそれぞれで規定される波形を増幅できればよく、例えば、A級増幅回路、B級増幅回路又はAB級増幅回路等を含んで構成されてもよい。
ここで、駆動信号COM11は、ヘッド本体31−1が有するヘッドチップ310−1に入力される駆動信号COMに対応し、駆動信号COMnmは、ヘッド本体31−nが有するヘッドチップ310−mに入力される駆動信号COMに対応する。そして、駆動データ信号dA11が、駆動信号COM11の波形を規定するデジタル信号であり、駆動データ信号dAnmが、駆動信号COMnmの波形を規定するデジタル信号である。
また、プリントヘッド制御回路71には、吐出部状態判定回路73から、プリントヘッド3が有する吐出部600の状態を示す吐出部状態信号DI11〜DInmが入力される。詳細は後述するが、吐出部状態判定回路73には、端子群27bに含まれる端子127b−NVT11〜127b−NVTnm、ケーブル17、及び端子群27aに含まれる端子127a−NVT11〜127a−NVTnmを介して、プリントヘッド3が備える吐出部600に生じた残留振動に応じた残留振動信号NVT11〜NVTnmが入力される。
吐出部状態判定回路73は、入力される残留振動信号NVT11〜NVTnmに基づいて、対応する吐出部600の状態を示す吐出部状態信号DI11〜DInmを生成し、プリントヘッド制御回路71に出力する。そして、プリントヘッド制御回路71は、入力される吐出部状態信号DI11〜DInmに基づいて、保守機構6にワイピング処理、フラッシング処理等を実行させるか否かを判定し、判定結果を示すプリントヘッド動作情報信号IHDを生成し、端子128b−IHD,ケーブル18、及び端子128a−IHDを介して、液体吐出装置制御回路81に入力する。
ここで、以下の説明において、残留振動信号NVT11〜NVTnmを特に区別する必要がない場合、単に残留振動信号NVTと称し、吐出部状態信号DI11〜DInmを特に区別する必要がない場合、単に吐出部状態信号DIと称する場合がある。また、残留振動信号NVT11は、ヘッド本体31−1が有するヘッドチップ310−1に含まれる吐
出部600に対応する残留振動信号NVTに対応し、残留振動信号NVTnmは、ヘッド本体31−nが有するヘッドチップ310−mに含まれる吐出部600に対応する残留振動信号NVTに対応する。そして、吐出部状態信号DI11とは、残留振動信号NVT11に対応する吐出部600の状態を示し、吐出部状態信号DInmとは、残留振動信号NVTnmに対応する吐出部600の状態を示す。
また、プリントヘッド制御回路71は、後述する分岐配線基板335が有するメモリー200を制御するためのメモリー制御信号MC1〜MCnを出力する。ここで、メモリー200の制御には、メモリー200が、メモリー200に記憶されている情報を読み出す読出処理、及びメモリー200がメモリー200に情報を書き込む書込処理等が挙げられる。
また、プリントヘッド制御回路71が、メモリー200に記憶されている情報を読み出させるためのメモリー制御信号MC1〜MCnを出力した場合、プリントヘッド制御回路71には、メモリー制御信号MC1〜MCnに応じてメモリー200から読み出された情報に対応する記憶データ信号MIが入力される。ここで、メモリー制御信号MC1は、ヘッド本体31−1に対応する情報をメモリー200に読出処理又は書込処理を実行させるために、メモリー200の制御を行うための信号であり、メモリー制御信号MCnは、ヘッド本体31−nに対応する情報をメモリー200に読出処理又は書込処理を実行させるために、メモリー200の制御を行うための信号である。
本実施形態における液体吐出装置1では、プリントヘッド制御回路71から出力されるメモリー制御信号MC1は、印刷データ信号SI11と共通の配線を伝搬してプリントヘッド3に入力され、プリントヘッド制御回路71から出力されるメモリー制御信号MCnは、印刷データ信号SIn1と共通の配線を伝搬してプリントヘッド3に入力される。すなわち、メモリー200に記憶されているヘッド本体31−1に対応する情報を読み出すための読出処理は、印刷データ信号SI11が伝搬する端子、及び配線を介して制御され、メモリー200に記憶されているヘッド本体31−nに対応する情報を読み出すための読出処理は、印刷データ信号SIn1が伝搬する端子、及び配線を介して行われる。
そのため、プリントヘッド制御回路71は、メモリー200に記憶されている情報の読出処理を実行させるためのメモリー制御信号MC1を、印刷データ信号SI11を出力していないタイミングで出力し、メモリー200に記憶されている情報の読出処理を実行させるためのメモリー制御信号MCnを、印刷データ信号SIn1を出力していないタイミングで出力する。これにより、メモリー200を制御するための配線、及び端子を新たに設ける必要がなく、液体吐出装置1が有するケーブル17の配線数、及び端子群が有する端子数を少なくすることが可能となる。なお、以下の説明において、印刷データ信号SI11とメモリー制御信号MC1との双方が出力される端子群αに含まれる複数の端子βを、端子β−SI11_MC1と称し、同様に、印刷データ信号SIij(iは1〜nのいずれかであり、jは1〜mのいずれか)とメモリー制御信号MCiとの双方が出力される端子群αに含まれる複数の端子βを、端子β−SIij_MCiと称する場合がある。
なお、プリントヘッド駆動回路基板7は、1枚の基板で構成されることに限るものではなく、複数の基板で構成されてもよい。具体的には、プリントヘッド駆動回路基板7が有するプリントヘッド制御回路71、駆動信号出力回路72、及び吐出部状態判定回路73を含むプリントヘッド駆動回路基板7に実装される複数の回路の少なくとも一部が、異なる基板に実装され、不図示のコネクターやケーブル等で電気的に接続された構成であってもよい。
ここで、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3を駆動するための印刷デー
タ信号SI11〜SInm、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SW11〜SWnmをプリントヘッド3に出力し、また、駆動信号出力回路72は、プリントヘッド3が有する複数の圧電素子60を駆動させるための駆動信号COM11〜COMnmをプリントヘッド3に出力する。このプリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含み、プリントヘッド3を駆動する構成がプリントヘッド駆動回路の一例である。
3.3 プリントヘッドの機能構成
次に、図6に戻り、プリントヘッド3の機能構成について説明する。図6に示すようにプリントヘッド3は、分岐配線基板335と、n個のヘッド本体31とを有する。そして、n個のヘッド本体31のそれぞれに設けられた端子群373と、端子群373に対応して分岐配線基板335に設けられた端子群368のそれぞれとが、ケーブル366で電気的に接続されている。
また、図9には、端子群373に含まれる複数の端子137と、端子群368に含まれる複数の端子168とが図示されている。以下の説明において、端子群373に含まれる複数の端子137のそれぞれを区別する必要上がる場合、及び端子群368に含まれる複数の端子168のそれぞれを区別する場合、区別する端子で伝搬する信号の符号を当該端子の末尾に「−」とともに付加する。具体的には、以下の説明では、端子群αに含まれる複数の端子βの内、信号γが伝搬される端子βを端子β−γと称する。
まず、図9を用いて分岐配線基板335の機能構成について説明する。図9は、分岐配線基板335の詳細を説明するための図である。分岐配線基板335には、プリントヘッド駆動回路基板7から端子群27aに含まれる複数の端子127b、ケーブル17、及び端子群27bに含まれる複数の端子127bを介して駆動信号COM11〜COMnm、印刷データ信号SI11〜SInm、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SW11〜SWnmが入力される。そして、駆動信号COM11〜COMnm、印刷データ信号SI11〜SInm、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SW11〜SWnmのそれぞれは、分岐配線基板335を伝搬した後、対応するヘッド本体31に入力される。
具体的には、分岐配線基板335は、ヘッド本体31−1に対応する駆動信号COM11〜COM1m、印刷データ信号SI11〜SI1m、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SW11〜SW1mを、ヘッド本体31−1に対応する端子群337に伝搬する。同様に、分岐配線基板335は、ヘッド本体31−nに対応する駆動信号COMn1〜COMnm、印刷データ信号SIn1〜SInm、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SWn1〜SWnmを、ヘッド本体31−nに対応する端子群337に伝搬する。
詳細には、分岐配線基板335では、ヘッド本体31−1に出力される駆動信号COM11〜COM1mのそれぞれが、ヘッド本体31−1が有する端子群368と、ケーブル366を介して電気的に接続される端子群337が有する端子137−COM11〜137−COM1mに伝搬し、印刷データ信号SI11〜SI1mのそれぞれが、ヘッド本体31−1が有する端子群368と、ケーブル366を介して電気的に接続される端子群337が有する端子137−SI11〜137−SI1mに伝搬し、クロック信号SCKが、ヘッド本体31−1が有する端子群368と、ケーブル366を介して電気的に接続される端子群337が有する端子137−SCKに伝搬し、ラッチ信号LATが、ヘッド本体31−1が有する端子群368と、ケーブル366を介して電気的に接続される端子群337が有する端子137−LATに伝搬し、切替信号SW11〜SW1mのそれぞれが、ヘッド本体31−1が有する端子群368と、ケーブル366を介して電気的に接続さ
れる端子群337が有する端子137−SW11〜137−SW1mに伝搬する。
同様に、分岐配線基板335では、ヘッド本体31−nに出力される駆動信号COMn1〜COMnmのそれぞれが、ヘッド本体31−nが有する端子群368と、ケーブル366を介して電気的に接続される端子群337が有する端子137−COMn1〜137−COMnmに伝搬し、印刷データ信号SIn1〜SInmのそれぞれが、ヘッド本体31−nが有する端子群368と、ケーブル366を介して電気的に接続される端子群337が有する端子137−SIn1〜137−SInmに伝搬し、クロック信号SCKが、ヘッド本体31−nが有する端子群368と、ケーブル366を介して電気的に接続される端子群337が有する端子137−SCKに伝搬し、ラッチ信号LATが、ヘッド本体31−nが有する端子群368と、ケーブル366を介して電気的に接続される端子群337が有する端子137−LATに伝搬し、切替信号SWn1〜SWnmのそれぞれが、ヘッド本体31−1が有する端子群368と、ケーブル366を介して電気的に接続される端子群337が有する端子137−SWn1〜137−SWnmに伝搬する。
以上のように、分岐配線基板335は、プリントヘッド駆動回路基板7から端子群27bを介して入力される信号を、ヘッド本体31−1〜31−nのそれぞれに対応する信号毎に分岐した後、ヘッド本体31−1〜31−nに出力する。
また、分岐配線基板335は、メモリー200を含む集積回路336とセレクター202a,202bとを有する。
セレクター202aは、ヘッド本体31−1に対応して設けられている。セレクター202aには、プリントヘッド駆動回路基板7から入力される印刷データ信号SI11、メモリー制御信号MC1、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHが入力される。そして、セレクター202aは、入力されるラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHの論理レベルに応じて、印刷データ信号SI11、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHをヘッド本体31−1に出力するのか、又はメモリー制御信号MC1、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHをメモリー200に出力するのかを選択する。
図29は、セレクター202aの構成の一例を示す図である。図29に示すように、セレクター202aは、AND回路261a、トランジスター262a,263a,264a,265a,266a,267a、及びNOT回路268aを含む。AND回路261aの入力端には、ラッチ信号LATとチェンジ信号CHが入力される。AND回路261aの出力端は、トランジスター262a,263a,264aのゲート端子、及びNOT回路268aの入力端に接続されている。そして、NOT回路268aの出力端は、トランジスター265a,266a,267aのゲート端子と接続されている。
トランジスター262aのソース端子は、メモリー200と接続され、トランジスター265aのソース端子は、ヘッド本体31−1と接続されている。そして、トランジスター262aのドレイン端子、及びトランジスター265aのドレイン端子には、ラッチ信号LATが入力される。また、トランジスター263aのソース端子は、メモリー200と接続され、トランジスター266aのソース端子は、ヘッド本体31−1と接続されている。そして、トランジスター263aのドレイン端子、及びトランジスター266aのドレイン端子には、チェンジ信号CHが入力される。また、トランジスター264aのソース端子は、メモリー200と接続され、トランジスター267aのソース端子は、ヘッド本体31−1と接続されている。そして、トランジスター264aのドレイン端子、及びトランジスター267aのドレイン端子には、印刷データ信号SI11、及びメモリー制御信号MC1が入力される。
以上のように構成されたセレクター202aでは、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHの双方がHレベルの信号である場合、トランジスター262a,263a,264aが導通に制御され、トランジスター265a,266a,267aが非導通に制御される。したがって、印刷データ信号SI11又はメモリー制御信号MC1と、ラッチ信号LATと、チェンジ信号CHとが、メモリー200に入力される。また、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHの少なくとも一方がHレベルの信号でない場合、トランジスター262a,263a,264aが非導通に制御され、トランジスター265a,266a,267aが導通に制御される。したがって、印刷データ信号SI11又はメモリー制御信号MC1と、ラッチ信号LATと、チェンジ信号CHとが、ヘッド本体31−1に入力される。
図9に戻り、セレクター202bは、ヘッド本体31−2〜31−nのそれぞれに対応して設けられている。すなわち、分岐配線基板335には、n−1個のセレクター202bが設けられている。ここで、ヘッド本体31−2〜31−nのそれぞれに対応して設けられているn−1個のセレクター202bはいずれも同じ構成である。そのため、以下の説明では、ヘッド本体31−nに対応するセレクター202bを例に説明を行い、他のセレクター202bの説明は省略する。
ヘッド本体31−nに対応するセレクター202bには、プリントヘッド駆動回路基板7から入力される印刷データ信号SIn1、メモリー制御信号MCn、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHが入力される。そして、セレクター202bは、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHの論理レベルに応じて、印刷データ信号SIn1、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHをヘッド本体31−nに出力するのか、メモリー制御信号MCnをメモリー200に出力するのかを切り替える。
図30は、セレクター202bの構成の一例を示す図である。図30に示すように、セレクター202bは、AND回路261b、トランジスター264b,265b,266b,267b、及びNOT回路268bを含む。AND回路261bの入力端には、ラッチ信号LATとチェンジ信号CHが入力される。AND回路261bの出力端は、トランジスター264bのゲート端子、及びNOT回路268bの入力端に接続されている。そして、NOT回路268bの出力端は、トランジスター265b,266b,267bのゲート端子と接続されている。
トランジスター265bのソース端子は、ヘッド本体31−nと接続され、ドレイン端子には、ラッチ信号LATが入力される。また、トランジスター266bのソース端子は、ヘッド本体31−nと接続され、ドレイン端子には、チェンジ信号CHが入力される。また、トランジスター264bのソース端子は、メモリー200と接続され、トランジスター267bのソース端子は、ヘッド本体31−nと接続されている。そして、トランジスター264bのドレイン端子、及びトランジスター267bのドレイン端子には、印刷データ信号SIn1、及びメモリー制御信号MCnが入力される。
以上のように構成されたセレクター202bでは、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHの双方がHレベルの信号である場合、トランジスター264bが導通に制御され、トランジスター265b,266b,267bが非導通に制御される。したがって、印刷データ信号SIn1又はメモリー制御信号MCnが、メモリー200に入力される。また、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHの少なくとも一方がHレベルの信号でない場合、トランジスター264bが非導通に制御され、トランジスター265b,266b,267bが導通に制御される。したがって、印刷データ信号SIn1又はメモリー制御信号MCnと、ラッチ信号LATと、チェンジ信号CHとは、ヘッド本体31−nに入力される。
メモリー200には、プリントヘッド3の動作状態を示す履歴情報が記憶されている。なお、以下の説明において、メモリー200に記憶されているプリントヘッド3の履歴情報を吐出部関連情報と称する場合がある。なお、メモリー200に記憶されている吐出関連情報の詳細については後述する。
メモリー200には、セレクター202a,202bから印刷データ信号SI11〜SIn1又はメモリー制御信号MC1〜MCnと、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHが入力される。メモリー200は、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHの論理レベルが所定の状態であるの場合に、メモリー制御信号MC1〜MCnに応じた処理を行う。本実施形態では、メモリー200に入力されるラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHの論理レベルがHレベルである場合に、メモリー200は、メモリー制御信号MC1〜MCnに応じた読出処理又は書込処理を実行する。なお、メモリー200に記憶されている情報の読出処理、及び書込処理の具体例、及びメモリー200に記憶される情報の具体例については後述する。
次に、分岐配線基板335と端子群337、ケーブル366、及び端子群368を介して電気的に接続されているヘッド本体31の機能構成について図10を用いて説明する。ここで、プリントヘッド3が有するヘッド本体31−1〜31−nはいずれも同様の構成である。そのため、図10の説明では、ヘッド本体31−1を例に説明を行い、ヘッド本体31−2〜31−nの説明は省略する。
図10は、ヘッド本体31−1の詳細を説明するための図である。図10に示すように、ヘッド本体31−1は、中継基板363、ヘッドチップ310−1〜310−m、及びフレキシブル配線基板311−1〜311−mを有する。そして、中継基板363には、対応する端子群314を介してフレキシブル配線基板311−1〜311−mが共通に接続され、フレキシブル配線基板311−1〜311−mのそれぞれは、対応する端子群315を介してヘッドチップ310−1〜310−mのそれぞれと電気的に接続されている。具体的には、中継基板363とヘッドチップ310−1とは、対応する端子群314,315、及びフレキシブル配線基板311−1を介して電気的に接続され、中継基板363とヘッドチップ310−mとは、対応する端子群314,315とフレキシブル配線基板311−mを介して電気的に接続されている。
中継基板363には、分岐配線基板335から端子群337、ケーブル366、及び端子群368を介して駆動信号COM11〜COM1m、印刷データ信号SI11〜SI1m、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SW11〜SW1mのそれぞれが入力される。具体的には、中継基板363には、端子群368に含まれる端子168−COM11〜168−COM1mのそれぞれを介して、対応する駆動信号COM11〜COM1mが入力され、端子群368に含まれる端子168−SI11〜168−SI1mのそれぞれを介して、対応する印刷データ信号SI11〜SI1mが入力され、端子群368に含まれる端子168−SCKを介して、クロック信号SCKが入力され、端子群368に含まれる端子168−LATを介して、ラッチ信号LATが入力され、端子群368に含まれる端子168−CHを介して、チェンジ信号CHが入力され、端子群368に含まれる端子168−SW11〜168−SW1mのそれぞれを介して、対応する切替信号SW11〜SW1mが入力される。
そして、中継基板363に入力された駆動信号COM11〜COM1m、印刷データ信号SI11〜SI1m、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SW11〜SW1mのそれぞれは、中継基板363で伝搬した後、端子群314を介して対応するフレキシブル配線基板311に入力される。
具体的には、中継基板363は、フレキシブル配線基板311−1及びフレキシブル配線基板311−1と電気的に接続されるヘッドチップ310−1に対応する駆動信号COM11、印刷データ信号SI11、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SW11を、フレキシブル配線基板311−1に出力する。同様に、中継基板363は、フレキシブル配線基板311−m及びフレキシブル配線基板311−mと電気的に接続されるヘッドチップ310−mに対応する駆動信号COM1m、印刷データ信号SI1m、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SW1mを、フレキシブル配線基板311−mに出力する。
すなわち、中継基板363は、分岐配線基板335とm個のヘッドチップ310との間で、駆動信号COM11〜COM1m、印刷データ信号SI11〜SI1m、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SW11〜SW1mを分岐し中継する。
フレキシブル配線基板311−1〜311−mのそれぞれは、集積回路312を有する。また、ヘッドチップ310−1〜310−mは、複数の吐出部600を有する。
フレキシブル配線基板311−1に入力された駆動信号COM11、印刷データ信号SI11、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SW11は、フレキシブル配線基板311−1が有する集積回路312に入力される。そして、フレキシブル配線基板311−1が有する集積回路312は、印刷データ信号SI11、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHで規定されたタイミングで、駆動信号COM11に含まれる信号波形を選択するか否かを制御することで、駆動信号Vin−1を生成し、端子群315を介してヘッドチップ310−1が有する吐出部600に含まれる圧電素子60の電極602に出力する。また、当該圧電素子60の電極603には、基準電圧信号VBSが供給されている。したがって、ヘッドチップ310−1が有する吐出部600に含まれる圧電素子60は、電極602に供給される駆動信号Vin−1と電極603に供給される基準電圧信号VBSとの電位差に応じて駆動する。その結果、対応する吐出部600から当該圧電素子60の駆動に応じた量のインクが吐出される。
また、フレキシブル配線基板311−1が有する集積回路312は、端子群315を介して駆動信号Vin−1に基づいて駆動した吐出部600に生じる残留振動Vout−1が入力される。フレキシブル配線基板311−1が有する集積回路312は、入力される残留振動Vout−1に基づく残留振動信号NVT11を生成する。この残留振動信号NVT11は、中継基板363及び分岐配線基板335を介して、プリントヘッド駆動回路基板7が有する吐出部状態判定回路73に入力される。
ここで、フレキシブル配線基板311−1に入力される切替信号SW11は、集積回路312が、駆動信号Vin−1を出力するのか、若しくは対応する吐出部600で生じた残留振動Vout−1を集積回路312に入力するのかを切り替える。
同様に、フレキシブル配線基板311−mに入力された駆動信号COM1m、印刷データ信号SI1m、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替信号SW1mは、フレキシブル配線基板311−mが有する集積回路312に入力される。そして、フレキシブル配線基板311−mが有する集積回路312は、印刷データ信号SI1m、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHで規定されたタイミングで、駆動信号COM1mに含まれる信号波形を選択するか否かを制御する。これにより、フレキシブル配線基板311−mが有する集積回路312は、駆動信号Vin
−mを生成し、端子群315を介してヘッドチップ310−mが有する吐出部600に含まれる圧電素子60の電極602に出力する。また、当該圧電素子60の電極603には、基準電圧信号VBSが供給されている。したがって、ヘッドチップ310−mが有する吐出部600に含まれる圧電素子60は、電極602に供給される駆動信号Vin−mと電極603に供給される基準電圧信号VBSとの電位差に応じて駆動する。その結果、対応する吐出部600から当該圧電素子60の駆動に応じた量のインクが吐出される。
また、フレキシブル配線基板311−mが有する集積回路312には、端子群315を介して駆動信号Vin−mに基づいて駆動した吐出部600に生じる残留振動Vout−mが入力される。フレキシブル配線基板311−mが有する集積回路312は、入力される残留振動Vout−mに基づく残留振動信号NVT1mを生成する。この残留振動信号NVT1mは、中継基板363及び分岐配線基板335を介して、プリントヘッド駆動回路基板7が有する吐出部状態判定回路73に入力される。
ここで、フレキシブル配線基板311−mに入力される切替信号SW1mは、集積回路312が、駆動信号Vin−mを出力するのか、若しくは対応する吐出部600で生じた残留振動Vout−mを集積回路312に入力するのかを切り替える。
ここで、基準電圧信号VBSは、圧電素子60の変位の基準となる電位の信号であって、例えば、グラウンド電位、DC5.5V、DC6V等の電位の信号である。また、基準電圧信号VBSは、例えば、駆動信号出力回路72、または、不図示の電圧生成回路で生成される。また、以下の説明において、駆動信号Vin−1〜Vin−mを特に区別する必要がない場合、単に駆動信号Vinと称する場合があり、残留振動Vout−1〜Vout−mを特に区別する必要がない場合、単に残留振動Voutと称する場合がある。
ここで、吐出部600に生じる残留振動Voutについて説明する。吐出部600からインクが吐出された後、当該吐出部600に含まれる振動板621には減衰振動が生じる。具体的には、吐出部600からインクが吐出されることで、圧力発生室12の内部圧力が変化する。その後、電極602への駆動信号Vinの供給が停止すると、振動板621には、圧力発生室12の内部圧力が変化に応じた減衰振動が生じる。そして、振動板621が減衰振動することで、振動板621に設けられた圧電素子60が当該減衰振動に応じて変位する。その結果、圧電素子60から当該減衰振動に応じた信号が出力される。この圧力発生室12の内部圧力の変化に起因して生じる減衰振動に基づいて圧電素子60から出力される信号が残留振動Voutである。
以上に説明した残留振動Voutは、吐出部600が正常である場合、吐出部600から吐出されるインクの粘度に異常がある場合、吐出部600が有する圧力発生室12の内部に気泡が混入している場合、及び吐出部600が有するノズル651の近傍に紙粉等が付着している場合等、吐出部600の状態により、周期、及び振動周波数の少なくとも一方が変化する。すなわち、プリントヘッド駆動回路基板7が有する吐出部状態判定回路73は、残留振動信号NVT11〜NVTnmに基づいて、対応する残留振動Voutの周期、及び振動周波数を判定することで対応する吐出部600の状態を判定する。そして、吐出部状態判定回路73は、当該判定結果に基づいて、対応する吐出部600の状態を示す吐出部状態信号DI11〜DInmを生成し、プリントヘッド制御回路71に出力する。
3.4 集積回路312の機能構成
ここで、吐出部600に供給される駆動信号Vin−1を出力すると共に、集積回路312に入力される残留振動Vout−mに基づく残留振動信号NVT1mを生成する集積回路312の構成について説明する。なお、プリントヘッド3が備える集積回路312は
、いずれも同じ構成である。そのため、以下の説明では、ヘッド本体31−1のフレキシブル配線基板311−1が有する集積回路312を例に挙げ説明を行い、他の集積回路312についての説明は省略する。
図11は、集積回路312の詳細を説明するための図である。図11に示すように集積回路312は、駆動信号選択制御回路210を含む。また、駆動信号選択制御回路210は、選択制御回路220、切替回路250、及び残留振動検出回路280を備える。
選択制御回路220には、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、印刷データ信号SI11、及び駆動信号COM11が入力される。そして、選択制御回路220は、クロック信号SCK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び印刷データ信号SI11に基づいて、駆動信号COM11に含まれる信号波形を選択するか否かを制御することで、駆動信号Vin−1を生成し出力する。切替回路250は、切替信号SW11に基づいて、駆動信号Vin−1をヘッドチップ310に供給するのか、又は、駆動信号Vin−1がヘッドチップ310に供給された後に生じる残留振動Vout−1を、残留振動検出回路280に供給するのかを切り替える。そして、残留振動検出回路280は、入力される残留振動Vout−1を検出し、検出した残留振動Vout−1に基づく残留振動信号NVT11を出力する。
まず、選択制御回路220の構成、及び動作について説明する。図12は、選択制御回路220の構成を示すブロック図である。図12に示すように、選択制御回路220は、ヘッドチップ310−1が備える吐出部600と同数の、シフトレジスターSR、ラッチ回路LT、デコーダーDC、及びトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcを備える。換言すれば、選択制御回路220は、シフトレジスターSR、ラッチ回路LT、デコーダーDC、及びトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcの組を、ヘッドチップ310−1が備える吐出部600と同数備える。
なお、以下の説明では、ヘッドチップ310−1がp個の吐出部600を備えるとして説明を行う。そして、選択制御回路220が有するシフトレジスターSR、ラッチ回路LT、デコーダーDC、及びトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcの各要素を、p個の吐出部600のそれぞれに対応して、図12おける上側から順番に、1段、2段、…、p段と称する。ここで、図12には、1段、2段、…、p段のそれぞれに対応するシフトレジスターSRをSR[1],SR[2],…,SR[p]と示し、1段、2段、…、p段のそれぞれに対応するラッチ回路LTをLT[1],LT[2],…,LT[p]と示し、1段、2段、…、p段のそれぞれに対応するデコーダーDCをDC[1],DC[2],…,DC[p]と示し、1段、2段、…、p段のそれぞれに対応する駆動信号Vin−1をVin−1[1],Vin−1[2],…,Vin−1[p]と示し、1段、2段、…、p段のそれぞれに対応するトランスミッションゲートTGaを、TGa[1],TGa[2],…,TGa1[p]と示し、1段、2段、…、p段のそれぞれに対応するトランスミッションゲートTGbを、TGb[1],TGb[2],…,TGb1[p]と示し、1段、2段、…、p段のそれぞれに対応するトランスミッションゲートTGcを、TGc[1],TGc[2],…,TGc1[p]と示している。
選択制御回路220には、クロック信号SCK、印刷データ信号SI11、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び駆動信号COM11が供給される。また、図12に示すように駆動信号COM11は、3つの駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cを含む。
印刷データ信号SI11は、画像の1ドットを形成する場合に対応する吐出部600のノズル651から吐出させるインクの量を規定するデジタルの信号である。詳細には、印
刷データ信号SI11は、p個の吐出部600のそれぞれに対応する3ビットの印刷データ[b1,b2,b3]を含む。すなわち、印刷データ信号SI11は、合計3pビットのデータを含む。そして、印刷データ[b1,b2,b3]によって、吐出部600から吐出されるインクの量を規定する。この印刷データ信号SI11は、クロック信号SCKに同期して選択制御回路220に入力される。選択制御回路220は、入力された印刷データ信号SI11に基づいて、吐出部600から吐出されるインクの量に応じた駆動信号Vin−1を出力する。駆動信号Vin−1は、対応する吐出部600に含まれる圧電素子60に供給される。そして、駆動信号Vin−1が、対応する圧電素子60に供給されることで、媒体Pには、非記録、小ドット、中ドット、及び大ドットの4階調が表現される。また、選択制御回路220は、入力された印刷データ信号SI11に基づいて、吐出部600の状態を検査するための検査用の駆動信号Vin−1も生成する。
シフトレジスターSRのそれぞれは、印刷データ信号SI11に含まれる3ビットの印刷データ[b1,b2,b3]を一旦保持するとともに、クロック信号SCKに従って順次後段のシフトレジスターSRに転送する。詳細には、p個の吐出部600のそれぞれに対応するp個のシフトレジスターSRが縦続に接続されている。そして、シリアルで供給された印刷データ信号SI11は、クロック信号SCKに従って順次後段のシフトレジスターSRに転送される。その後、p個のシフトレジスターSRの全てに印刷データ信号SI11が転送された時点で、クロック信号SCKの供給が停止される。これにより、p個のシフトレジスターSRのそれぞれには、p個の吐出部600のそれぞれに対応する3ビットの印刷データ[b1,b2,b3]が保持される。
p個のラッチ回路LTのそれぞれは、ラッチ信号LATの立ち上がりに同期して、p個のシフトレジスターSRのそれぞれが保持する3ビットの印刷データ[b1,b2,b3]をラッチする。ここで、図12に示すSI11[1]〜SI11[p]は、p個のシフトレジスターSR[1]〜SR[p]のそれぞれで保持され、対応するラッチ回路LT[1]〜LT[p]によってラッチされたp個の印刷データ[b1,b2,b3]を示している。
ところで、液体吐出装置1が印刷を実行する動作期間は、複数の単位動作期間Tuを含む。また、各単位動作期間Tuは、制御期間Ts1とこれに後続する制御期間Ts2とを含む。この複数の単位動作期間Tuには、印刷処理が実行される単位動作期間Tu、吐出異常検出処理が実行される単位動作期間Tu、及び印刷処理及び吐出異常検出処理の両方の処理が実行される単位動作期間Tu等が含まれる。
選択制御回路220には、単位動作期間Tu毎に印刷データ信号SI11が供給される。そして、ラッチ回路LTは、単位動作期間Tu毎に印刷データ信号SI11をラッチする。すなわち、単位動作期間Tu毎にp個の吐出部600に含まれる圧電素子60に、駆動信号Vin−1が供給される。
具体的には、単位動作期間Tuにおいて、プリントヘッド3が印刷処理のみを実行する場合、選択制御回路220は、p個の吐出部600が有する圧電素子60に対して、印刷用の駆動信号Vin−1を供給する。この場合、媒体Pには、各ノズル651から形成される画像に応じた量のインクが吐出される。
一方、単位動作期間Tuにおいて、プリントヘッド3が、吐出異常検出処理のみを実行する場合、選択制御回路220は、p個の吐出部600が有する圧電素子60に対して、検査用の駆動信号Vin−1を供給する。この場合、対応する吐出部600に異常が生じていないかの検出処理が実行される。
また、単位動作期間Tuにおいて、プリントヘッド3が、印刷処理及び吐出異常検出処理の両方を実行する場合、選択制御回路220は、p個の吐出部600が有する圧電素子60の一部に対して、印刷用の駆動信号Vin−1を供給し、残りの吐出部600が有する圧電素子60に対して、検査用の駆動信号Vin−1を供給する。
デコーダーDCは、ラッチ回路LTによってラッチされた3ビット分の印刷データ[b1,b2,b3]をデコードし、制御期間Ts1,Ts2のそれぞれにおいて、Hレベル又はLレベルの選択信号Sa,Sb,Scを出力する。
図13は、デコーダーDCが行うデコードの内容を示す図である。図13に示すように、デコーダーDCは、入力される印刷データ[b1,b2,b3]が[1,0,0]である場合、制御期間Ts1において、選択信号Sa,Sb,ScのそれぞれをH,L,Lレベルに設定し、制御期間Ts2において、選択信号Sa,Sb,ScのそれぞれをL,H,Lレベルに設定する。
図12に戻り、トランスミッションゲートTGa[1]〜TGa[p]のそれぞれには、対応するデコーダーDC[1]〜DC[p]のそれぞれから、選択信号Saが入力される。そして、トランスミッションゲートTGa[1]〜TGa[p]のそれぞれは、入力される選択信号SaがHレベルの場合に導通し、入力される選択信号SaがLレベルの場合に非導通となる。同様に、トランスミッションゲートTGb[1]〜TGb[p]のそれぞれには、対応するデコーダーDC[1]〜DC[p]のそれぞれから、選択信号Sbが入力される。そして、トランスミッションゲートTGb[1]〜TGb[p]のそれぞれは、入力される選択信号SbがHレベルの場合に導通し、入力される選択信号SbがLレベルの場合に非導通となる。同様に、トランスミッションゲートTGc[1]〜TGc[p]のそれぞれには、対応するデコーダーDC[1]〜DC[p]のそれぞれから、選択信号Scが入力される。そして、トランスミッションゲートTGc[1]〜TGc[p]のそれぞれは、入力される選択信号ScがHレベルの場合に導通し、入力される選択信号ScがLレベルの場合に非導通となる。
すなわち、図13に示す例では、印刷データ信号SI11[1]〜SI11[p]に基づいて生成された印刷データ[b1,b2,b3]が[1,0,0]である場合、制御期間Ts1において、対応するトランスミッションゲートTGa[1]〜TGa[p]は導通に制御され、対応するトランスミッションゲートTGb[1]〜TGb[p]は非導通に制御され、対応するトランスミッションゲートTGc[1]〜TGc[p]は非導通に制御される。また、制御期間Ts2においてトランスミッションゲートTGa[1]〜TGa[p]は非導通に制御され、トランスミッションゲートTGb[1]〜TGb[p]は導通に制御され、トランスミッションゲートTGc[1]〜TGc[p]は非導通に制御される。
図12に示すように、トランスミッションゲートTGa[1]〜TGa[p]の一端には、駆動信号COM11の内の駆動信号Com−Aが供給され、トランスミッションゲートTGb[1]〜TGb[p]の一端には、駆動信号COM11の内の駆動信号Com−Bが供給され、トランスミッションゲートTGc[1]〜TGc[p]の一端には、駆動信号COM11の内の駆動信号Com−Cが供給される。また、トランスミッションゲートTGa[1]〜TGa[p],TGb[1]〜TGb[p],TGc[1]〜TGc[p]のそれぞれの他端は、出力端OTNで共通に接続されている。したがって、トランスミッションゲートTGa[1]〜TGa[p],TGb[1]〜TGb[p],TGc[1]〜TGc[p]が、制御期間Ts1,Ts2のそれぞれにおいて導通又は非導通となることで、出力端OTNには、駆動信号COM11に含まれる駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cが出力端OTNに選択的に出力される。この出力端OTNに入力され
る信号が、駆動信号Vin−1として切替回路53に供給される。
図14は、単位動作期間Tuにおける選択制御回路220の動作を説明するための図である。図14に示すように、単位動作期間Tuは、ラッチ信号LATにより規定される。また、単位動作期間Tuに含まれる制御期間Ts1,Ts2は、ラッチ信号LATとチェンジ信号CHとにより規定される。
選択制御回路220に入力される駆動信号COM11の内、駆動信号Com−Aは、単位動作期間Tuにおいて、印刷用の駆動信号Vin−1を生成するための信号である。具体的には、駆動信号Com−Aは、制御期間Ts1に配置された単位波形PA1と、制御期間Ts2に配置された単位波形PA2とを連続させた波形を含む。この単位波形PA1、及び単位波形PA2は、開始のタイミング、及び終了のタイミングにおける電圧値がいずれも基準電位V0である。また、単位波形PA1の電圧値Va11と電圧値Va12との電位差は、単位波形PA2の電圧値Va21と電圧値Va22との電位差よりも大きい。したがって、単位波形PA1が圧電素子60に供給された場合、対応するノズル651から吐出されるインクの量は、単位波形PA2が圧電素子60に供給された場合、対応するノズル651から吐出されるインクの量よりも多い。ここで、以下の説明では、単位波形PA1に基づいてノズル651から吐出されるインクの量を中程度の量と称し、単位波形PA2に基づいてノズル651から吐出されるインクの量を小程度の量と称する。
また、選択制御回路220に入力される駆動信号COM11の内、駆動信号Com−Bは、単位動作期間Tuにおいて、印刷用の駆動信号Vin−1を生成するための信号である。具体的には、駆動信号Com−Bは、制御期間Ts1に配置された単位波形PB1と、制御期間Ts2に配置された単位波形PB2とを連続させた波形を含む。単位波形PB1の電圧値は、開始のタイミング、及び終了のタイミングにおいていずれも基準電位V0であり、単位波形PB2の電圧値は、制御期間Ts2に亘って基準電位V0である。また、単位波形PB1の電圧値Vb11と基準電位V0との電位差は、単位波形PA2の電圧値Va21と基準電位V0との電位差、及び電圧値Va22と基準電位V0との電位差よりも小さい。この単位波形PB1が圧電素子60に供給された場合、対応するノズル651からインクは吐出されない程度に圧電素子60が駆動する。また、単位波形PB2が圧電素子60に供給された場合、圧電素子60は変位しない。したがって、ノズル651からインクは吐出されない。
また、選択制御回路220に入力される駆動信号COM11の内、駆動信号Com−Cは、単位動作期間Tuにおいて、検査用の駆動信号Vinを生成するための信号である。具体的には、駆動信号Com−Cは、制御期間Ts1に配置された単位波形PC1と、制御期間Ts2に配置された単位波形PC2とを連続させた波形を含む。単位波形PC1の開始のタイミングにおける電圧値、及び単位波形PC2の終了のタイミングにおける電圧値は、いずれも基準電位V0である。また、単位波形PC1の電圧値は、基準電位V0から電圧値Vc11に遷移した後、電圧値Vc11から電圧値Vc12に遷移する。単位波形PC2は、制御時刻Tc1まで電圧値Vc12を維持した後、制御期間Ts2が終了する前に電圧値Vc12から基準電位V0に遷移する。
図14に示すように、シリアル信号として供給された印刷データ信号SI11[1]〜SI11[p]は、クロック信号SCKにより順次シフトレジスターSRに伝搬される。そして、クロック信号SCKが停止すると、シフトレジスターSR[1]〜SR[p]には、対応する印刷データ信号SI11[1]〜SI11[p]が保持される。そして、ラッチ信号LATの立ち上がりのタイミング、すなわち、単位動作期間Tuが開始されるタイミングにおいて、p個のラッチ回路LTは、シフトレジスターSR[1]〜SR[p]のそれぞれに保持されている印刷データ信号SI11[1]〜SI11[p]をラッチす
る。p個のデコーダーDCのそれぞれは、制御期間Ts1,Ts2のそれぞれにおいて、ラッチ回路LTによりラッチされた印刷データ信号SI11[1]〜SI11[p]に応じた論理レベルの選択信号Sa,Sb,Scを、図13の内容に従い出力する。p組のトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcのそれぞれは、入力される選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルに基づいて、導通又は非導通に制御される。これにより、駆動信号COM11に含まれる駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cのそれぞれが選択、又は非選択に制御され、その結果、出力端OTNに駆動信号Vin−1が出力される。
以上のように構成された選択制御回路220から単位動作期間Tuにおいて出力される駆動信号Vin−1の波形の一例について説明する。図15は、駆動信号Vin−1の波形の一例を示す図である。
単位動作期間Tuにおいて選択制御回路220に供給される印刷データ信号SI11に含まれる印刷データ[b1,b2,b3]が[1,1,0]の場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをH,L,Lレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをH,L,Lレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Aが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Aが選択される。その結果、選択制御回路220は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PA1と単位波形PA2とを連続させた波形の駆動信号Vin−1を出力する。したがって、当該駆動信号Vin−1が供給される吐出部600が有するノズル651から、単位動作期間Tuにおいて、単位波形PA1に基づく中程度の量のインクと、単位波形PA2に基づく小程度の量のインクとが吐出される。そして、ノズル651から吐出されたインクが媒体Pにおいて結合することで、媒体Pには、大ドットが形成される。
また、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路220に供給される印刷データ信号SI11に含まれる印刷データ[b1,b2,b3]が[1,0,0]の場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをH,L,Lレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,H,Lレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Aが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Bが選択される。その結果、選択制御回路220は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PA1と単位波形PB2とを連続させた波形の駆動信号Vin−1を出力する。したがって、当該駆動信号Vin−1が供給される吐出部600が有するノズル651から、単位動作期間Tuにおいて、単位波形PA1に基づく中程度の量のインクが吐出され、媒体Pには、中ドットが形成される。
また、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路220に供給される印刷データ信号SI11に含まれる印刷データ[b1,b2,b3]が[0,1,0]の場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,H,Lレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをH,L,Lレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Bが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Aが選択される。その結果、選択制御回路220は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PB1と単位波形PA2とを連続させた波形の駆動信号Vin−1を出力する。したがって、当該駆動信号Vin−1が供給される吐出部600が有するノズル651から、単位動作期間Tuにおいて、単位波形PA2に基づく小程度の量のインクが吐出され、媒体Pには、小ドットが形成される。
また、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路220に供給される印刷データ信号SI11に含まれる印刷データ[b1,b2,b3]が[0,0,0]の場合、デコーダーD
Cは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,H,Lレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,H,Lレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Bが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Bが選択される。その結果、選択制御回路220は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PB1と単位波形PB2とを連続させた波形の駆動信号Vin−1を出力する。したがって、当該駆動信号Vin−1が供給される吐出部600が有するノズル651から、単位動作期間Tuにおいて、インクが吐出されない。よって、媒体Pには、ドットが形成されない。この場合において、選択制御回路220が出力する駆動信号Vin−1は、ノズル651からインクが吐出されない程度に圧電素子60を駆動させる。これにより、ノズル付近のインクの増粘を防止することができる。
また、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路220に供給される印刷データ信号SI11に含まれる印刷データ[b1,b2,b3]が[0,0,1]の場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,L,Hレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,L,Hレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Cが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Cが選択される。その結果、選択制御回路220は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PC1と単位波形PC2とを連続させた波形の駆動信号Vin−1を出力する。したがって、当該駆動信号Vin−1が供給される吐出部600が有するノズル651から、単位動作期間Tuにおいて、インクが吐出されない。よって、媒体Pには、ドットが形成されない。この場合において、選択制御回路220が出力する駆動信号Vin−1は、圧電素子60の残留振動を検出するための検査用の波形に相当する。
以上のように、選択制御回路220は、ラッチ信号LATによって規定される周期において、印刷データ信号SIにより規定される条件でトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcの切り替えを制御することで、圧電素子60に供給される駆動信号Vinの波形選択を規定する。すなわち、ラッチ信号LATは、媒体Pにドットが形成される周期を規定する信号であって、換言すれば、媒体Pに対して吐出部600から吐出されるインクの吐出タイミングを規定するための信号である。また、印刷データ信号SIは、ラッチ信号LATにより規定されたインクの吐出タイミングにおいて、駆動信号Vinとして圧電素子60に供給される電圧波形を駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cのそれぞれに含まれる波形から選択するための信号であって、本実施形態では、当該波形の選択を規定するためにトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcの切り替えを制御するための信号である。そして、チェンジ信号CHとは、駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cのそれぞれに含まれる波形の切り替えタイミングを規定する信号である。
なお、本実施形態では、駆動信号COMに含まれる駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cのそれぞれに含まれる波形の切り替えタイミングが同じであるとして説明したが故に、1つのチェンジ信号CHによって、駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cの波形切り替えタイミングを規定するとして説明を行ったが、駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cのそれぞれに含まれる波形の切り替えタイミングは異なっていてもよく、その場合、駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cのそれぞれの波形の切り替えタイミングに対応した複数のチェンジ信号CHが用いられる。
次に、切替回路250の構成、及び動作について説明する。図16は、切替回路250の電気構成を示す図である。切替回路250は、ヘッドチップ310−1が備えるp個の吐出部600と同数のp個の切替スイッチUを備える。なお、図16では、選択制御回路220から出力される駆動信号Vin−1[1],Vin−1[2],…,Vin−1[p]が入力される切替スイッチUをU[1],U[2],…,U[p]と示している。そ
して、p個の吐出部600が有するp個の圧電素子60のうち、駆動信号Vin−1[1],Vin−1[2],…,Vin−1[p]が入力される圧電素子60を、60[1],60[2],…,60[p]と示し、圧電素子60[1],60[2],…,60[p]のそれぞれを含む吐出部600を、600[1],600[2],…,600[p]と示している。
各切替スイッチUは、切替信号SW11に基づいて、選択制御回路220から入力される駆動信号Vin−1を、対応する吐出部600が有する圧電素子60に供給するのか、又は駆動信号Vin−1が圧電素子60に供給された後に生じる残留振動Vout−1を、残留振動検出回路280に供給するのかを切り替える。
具体的には、切替スイッチU[1]には、切替信号SW11[1]が入力される。そして、切替スイッチU[1]は、切替信号SW11[1]に基づいて、駆動信号Vin−1[1]を圧電素子60[1]に供給するのか、又は圧電素子60[1]に駆動信号Vin−1[1]が供給された後に圧電素子60[1]に生じる残留振動Vout−1[1]を、残留振動検出回路280に供給するのかを切り替える。
同様に、切替スイッチU[p]には、切替信号SW11[p]が入力される。そして、切替スイッチU[p]は、切替信号SW11[p]に基づいて、駆動信号Vin−1[p]を圧電素子60[p]に供給するのか、又は圧電素子60[p]に駆動信号Vin−1[p]が供給された後に圧電素子60[p]に生じる残留振動Vout−1[p]を、残留振動検出回路280に供給するのかを切り替える。
ここで、切替信号SW11[1]〜SW11[p]は、単位動作期間Tuにおいて、圧電素子60[1]〜60[p]のうちのいずれか1つが残留振動検出回路280と電気的に接続されるように切替スイッチU[1]〜U[p]を切り替える。換言すれば、残留振動検出回路280は、切替信号SW11に基づいてp個の圧電素子60[1]〜60[p]のそれぞれに対応する残留振動Vout−1[1]〜Vout−1[p]の内のいずれか1つを検出し、対応する吐出部600における残留振動信号NVT11を生成する。そのため、切替信号SW11は、切替スイッチU[1]〜U[p]を順次オンに制御できればよく、切替信号SW11を不図示のレジスターなどにより順次伝搬することで、p個の切替スイッチUを逐次制御する構成であってもよい。なお、以下の説明において、切替回路250から残留振動検出回路280に残留振動Vout−1が入力されるとして説明を行う。
次に、残留振動検出回路280の構成について説明する。図17は、残留振動検出回路280の構成を示すブロック図である。残留振動検出回路280は、残留振動Vout−1を検出し、検出した残留振動Vout−1の周期、及び振動周波数の少なくとも一方を示す残留振動信号NVT11を生成し出力する。
図17に示すように、残留振動検出回路280は、波形整形部281と、周期信号生成部282とを含む。波形整形部281は、残留振動Vout−1からノイズ成分を除去した整形波形信号Vdを生成する。波形整形部281は、例えば、残留振動Vout−1の周波数帯域よりも低域の周波数成分を減衰させた信号を出力するためのハイパスフィルターや、残留振動Vout−1の周波数帯域よりも高域の周波数成分を減衰させた信号を出力するためのローパスフィルター等を備える。すなわち、波形整形部281は、残留振動Vout−1の周波数範囲を限定することで、ノイズ成分が除去された整形波形信号Vdを出力する。また、波形整形部281は、残留振動Vout−1の振幅を調整するための負帰還型の増幅回路や、残留振動Vout−1のインピーダンスを変換するためのインピーダンス変換回路等を含んでもよい。
周期信号生成部282は、整形波形信号Vdに基づき、残留振動Vout−1の周期、及び振動周波数を示す残留振動信号NVT11を生成し出力する。具体的には、周期信号生成部282には、整形波形信号Vdと、マスク信号Mskと、閾値電圧Vthとが入力される。ここで、マスク信号Msk、閾値電圧Vthは、例えば、プリントヘッド制御回路71から供給されてもよく、不図示の記憶部に記憶された情報が読み出されることによって、周期信号生成部282に供給されてもよい。
図18は、周期信号生成部282の動作を説明するための図である。ここで、図18に示す閾値電圧Vthは、整形波形信号Vdの振幅の内、所定のレベルの電位に定められた閾値であり、例えば、整形波形信号Vdの振幅の中心レベルの電位に定められる。周期信号生成部282は、入力される整形波形信号Vdと閾値電圧Vthとに基づいて残留振動信号NVT11を生成し出力する。
具体的には、周期信号生成部282は、整形波形信号Vdの電圧値と閾値電圧Vthとを比較する。そして、周期信号生成部282は、整形波形信号Vdの電位が、閾値電圧Vth以上の場合にHレベルとなり、整形波形信号Vdの電位が、閾値電圧Vth未満の場合にLレベルとなる残留振動信号NVT11を生成する。
残留振動検出回路280で生成された残留振動信号NVT11は、図8に示す吐出部状態判定回路73に入力される。吐出部状態判定回路73は、入力される残留振動信号NVT11の論理レベルがHレベルからLレベルに遷移し、再度Hレベルになるまでの期間を検出することで、残留振動Vout−1の周期、及び振動周波数を計測する。そして、吐出部状態判定回路73は、周期、及び振動周波数を計測結果に基づいて、対応する吐出部600を示す吐出部状態信号DI11を生成し、プリントヘッド制御回路71に入力する。
マスク信号Mskは、整形波形信号Vdの供給が開始される時刻t0から所定の期間Tmskの間だけHレベルとなる信号である。周期信号生成部282は、マスク信号MskがHレベルの期間において残留振動信号NVT11の生成を停止し、マスク信号MskがLレベルの期間において残留振動信号NVT11を生成する。すなわち、周期信号生成部282は、整形波形信号Vdのうち、期間Tmskの経過後の整形波形信号Vdのみを対象として、残留振動信号NVT11を生成する。これにより、残留振動Vout−1が生じた直後に重畳するノイズ成分を除外することが可能となり、周期信号生成部282は、精度の高い残留振動信号NVT11を生成することができる。
ここで、切替スイッチU[1]〜U[p]は例えばトランスミッションゲートで構成される。
以上のように構成された液体吐出装置1において、高電圧の電圧VHVによりプリントヘッド3を駆動するに十分な電圧に増幅され、電圧値が変化する駆動信号COMが高電圧信号の一例である。また、駆動信号COMの内の駆動信号Com−Aに含まれる単位波形PA1が第1電圧波形の一例であり、単位波形PA1と異なる量のインクを吐出させるための単位波形PA2が第2電圧波形の一例である。また、駆動信号Com−Bに含まれる単位波形PB1が第1電圧波形の他の一例であり、単位波形PB1と異なる量のインクを吐出させるための単位波形PB2が第2電圧波形の他の一例である。ここで、駆動信号Vinは、駆動信号Com−Aに含まれる単位波形PA1、単位波形PA2と、駆動信号Com−Bに含まれる単位波形PB1、単位波形PB2とを選択することで生成される。したがって、駆動信号Vinもまた高電圧信号の一例である。そして、駆動信号Vinが供給されることで吐出する複数の吐出部600を有するヘッドチップ310が吐出部群の一
例である。また、ヘッドチップ310に含まれる吐出部600[1]が第1吐出部の一例であり、吐出部600[2]が第2吐出部の一例である。
また、吐出部600[1]に駆動信号Com−Aに含まれる単位波形PA1、単位波形PA2と、駆動信号Com−Bに含まれる単位波形PB1、単位波形PB2とを供給するか否かを切り替えるトランスミッションゲートTGa[1]が第1スイッチの一例であり、吐出部600[2]に駆動信号Com−Aに含まれる単位波形PA1、単位波形PA2と、駆動信号Com−Bに含まれる単位波形PB1、単位波形PB2とを供給するか否かを切り替えるトランスミッションゲートTGa[2]が第2スイッチの一例であり、トランスミッションゲートTGa[1],TGa[2]を含むトランスミッションゲートTGa[1]〜TGa[p]を有する選択制御回路220がスイッチ群の一例である。
また、トランスミッションゲートTGa[1],TGa[2]に対して駆動信号COMを駆動信号Vinとして供給する信号であって、駆動信号COMの最大電圧値と比して最大電圧値が5V以下と低く、電圧値が変化するラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び印刷データ信号SI11〜SInmが低電圧ロジック信号の一例である。さらに、選択制御回路220が有するトランスミッションゲートTGa[1]〜TGa[p]を切り替えることでヘッドチップ310に駆動信号COMを駆動信号Vinとして供給するか否かを切り替えるための印刷データ信号SI11が第1低電圧ロジック信号の一例であり、ヘッドチップ310からインクが吐出される吐出タイミングを規定するラッチ信号LATが第2低電圧ロジック信号の一例であり、駆動信号Com−Aに含まれる単位波形PA1、単位波形PA2、及び駆動信号Com−Bに含まれる単位波形PB1、単位波形PB2の波形切り替えタイミングを規定するチェンジ信号CHが第3低電圧ロジック信号の一例である。
ここで、以下の説明にておいて、図11〜図18に示すようにラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び印刷データ信号SI11〜nmに基づいて、トランスミッションゲートTGa[1]〜TGa[p]、TGb[1]〜TGb[p]、TGc[1]〜TGc[p]を切り替えることで、ヘッドチップ310に駆動信号COMを駆動信号Vinとして供給するか否かを制御することを吐出制御処理と称する。
4.吐出部関連情報と液体吐出装置及びプリントヘッドの動作
以上のように構成された液体吐出装置1では、プリントヘッド3のメモリー200に記憶されている吐出部関連情報に基づいて、液体吐出装置1に組み付けられたプリントヘッド3が新規に製造されたプリントヘッドであるのか、再生、又は再利用されたプリントヘッドであるのかを判定する。
近年の環境負荷低減の観点から、初期不良品や中古品などが生じた製品を再整備し、未使用の製品に準じる状態に仕上げた後、当該製品を再び市場に流通させる所謂リファービッシュ品が注目されている。このようなリファービッシュ品は、廃棄物の量を削減することが可能となり、その結果、環境負荷を低減することができる。このような取り組みに対して、インクジェットプリンターなどの液体吐出装置では、例えば、使用済みインクカートリッジやプリントヘッド等を再整備し、未使用の状態に準じる状態と仕上げることで、再生機として再び市場に流通させる取り組みがなされている。
例えば、インクカートリッジを再整備する場合、使用済みのインクカートリッジを回収し、回収したインクカートリッジに対して、当該インクカートリッジの構造、及び当該インクカートリッジが使用される液体吐出装置の仕様に適したインクを再補充する。以上のように再整備されたインクカートリッジが液体吐出装置に用いられた場合、当該インクカートリッジに補充されたインクが適正な状態であれば、液体吐出装置に過剰な負荷をかけ
ることなく未使用の製品に準じた動作することが可能となる。また、仮にインクカートリッジに補充されたインクが適正な状態でない場合、液体吐出装置においてインクカートリッジは、容易に着脱可能な構造であることが多く、そのため、使用者は、容易に適正なインクが補充されたインクカートリッジに交換することができる。
これに対して、プリントヘッドを再整備する場合、初期不良品が生じた液体吐出装置、及び中古品の液体吐出装置等を回収し、回収した液体吐出装置からプリントヘッドを取り外すこと等が想定される。そして、当該プリントヘッドにおける劣化部品の交換等を行う。しかしながら、プリントヘッドは、複数の部品により構成されており、そのため、再整備されたプリントヘッドでは、当該プリントヘッドの使用状況に応じて構成する部品ごとに残存寿命が異なる場合がある。そして、仮に残存寿命の短い部品を含むプリントヘッドが液体吐出装置に組み付けられた場合、短期間で液体吐出装置におけるインクの吐出特性が悪化するおそれがある。
このようなプリントヘッドを構成する部品の残存寿命は、目視で確認することが困難であり、特にインクが吐出されるノズルは、1つのヘッドチップあたり、数百〜数千個備える場合があることから、その全数の残存寿命を目視で確認するには非常に大きな労力を要する。そして、仮に、残存寿命が短い部品を含む再整備されたプリントヘッドを備えた液体吐出装置が市場に流通した場合、当該液体吐出装置から吐出されるインクの吐出特性が十分でない可能性があり、さらには、液体吐出装置が短寿命となるおそれがある。すなわち、プリントヘッドを再整備し、再整備されたプリントヘッドを備えた液体吐出装置を再び市場に流通させるとの観点において、改善の余地があった。
以上のような再整備されたプリントヘッドを備えた液体吐出装置を再び市場に流通させる場合における問題に対して、本実施形態におけるプリントヘッド3を駆動するプリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3のメモリー200から読み出された吐出部関連情報応じて、プリントヘッド3の駆動を制御する。すなわち、本実施形態におけるプリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72は、プリントヘッド3が有するメモリー200から読み出された吐出部関連情報応じて、再生又は再利用品されるプリントヘッド3を駆動する。
また、本実施形態におけるプリントヘッド3を駆動するプリントヘッド制御回路71は、吐出部関連情報が記憶されているプリントヘッド3に対して、当該吐出部関連情報を読み出す処理を、吐出部600からインクを吐出させるための駆動信号COMをプリントヘッド3に供給する前に行う。これにより、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3の状態に応じてプリントヘッド3を駆動することが可能となる。すなわち、本実施形態におけるプリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72は、再生又は再利用品のプリントヘッド3を駆動することができる。
以上のように、本実施形態におけるプリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3に記憶されている吐出部関連情報に基づいて、目視では確認することが困難なプリントヘッド3の状態を把握したうえで、プリントヘッド3を適切に駆動することが可能となる。その結果、再生又は再利用されるプリントヘッド3を備えた液体吐出装置1を再び市場に流通させるとの観点において、製造者は、プリントヘッド3に記憶された情報に基づく再整備を行うことが可能となり、さらに、再生、又は再利用することが可能なプリントヘッド3が誤って破棄されるおそれを低減することができる。さらに、使用者は、使用期間や使用用途に応じて最適なプリントヘッド3が搭載された液体吐出装置1を選定することが可能となり、使用者の利便性を高めることが可能となる。すなわち、再生又は再利用されるプリントヘッド3を適切な駆動条件で駆動することができる。
そこで、プリントヘッド3を適切な駆動条件で駆動するために、メモリー200の記憶されている吐出部関連情報の一例、メモリー200に記憶されている吐出部関情報の読み出し、及び書き込みの制御方法、及びメモリー200に記憶されている吐出部関情報の読み出しタイミング、及び書き込みタイミングについて説明を行う。
4.1 吐出部関連情報の一例
まず、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報の一例について説明する。図19は、プリントヘッド3が有するメモリー200に記憶されている吐出部関連情報の一例を示す図である。メモリー200には、吐出部関連情報として、累積印刷面数TPに関する情報、経過日数LDに関する情報、エラー回数ECに関する情報、搬送エラー回数CECに関する情報、キャッピング処理回数CPに関する情報、クリーニング処理回数CLに関する情報、及びワイピング処理回数WPに関する情報が記憶されている。具体的には、メモリー200には、累積印刷面数TPに関する情報、経過日数LDに関する情報、エラー回数ECに関する情報、搬送エラー回数CECに関する情報、キャッピング処理回数CPに関する情報、クリーニング処理回数CLに関する情報、及びワイピング処理回数WPに関する情報のそれぞれに対応する3つの閾値情報と、上述の各種処理及び動作が実行された回数を示す履歴情報とが記憶されている。
累積印刷面数TPに関する情報は、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてからの印刷面数を示す情報であって、メモリー200の記憶領域M1〜M4に記憶されている。換言すれば、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報は、累積印刷面数TPに関する値を含む。ここで、印刷面数とは、プリントヘッド3の吐出部600からインクが吐出されている状態において、画像が形成された媒体Pの面数であって、例えば、液体吐出装置1が媒体Pの両面に対してインクを吐出し画像を形成した場合、印刷面数は「2」としてカウントされ、また、液体吐出装置1が媒体Pの片面に対して、画像データ信号IMGに含まれる2ページ分を割り付けて印刷した場合、印刷面数は「1」としてカウントされる。
メモリー200に記憶されている累積印刷面数TPに関する情報の内、累積印刷面数TPの閾値情報の一つである累積印刷面数第1閾値情報TPth1は、記憶領域M1に記憶されている。この累積印刷面数第1閾値情報TPth1は、例えば「1」に設定されている。すなわち、プリントヘッド3が、媒体Pに対して1度でもインクを吐出した場合、累積印刷面数TPは、累積印刷面数第1閾値情報TPth1を上回る。この累積印刷面数第1閾値情報TPth1は、プリントヘッド3に使用履歴があるか否かを判断するための閾値情報でもある。すなわち、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報は、プリントヘッド3の使用履歴に関する値も含む。
メモリー200に記憶されている累積印刷面数TPに関する情報の内、累積印刷面数TPの閾値情報の一つである累積印刷面数第2閾値情報TPth2は、記憶領域M2に記憶されている。また、メモリー200に記憶されている累積印刷面数TPに関する情報の内、累積印刷面数TPの閾値情報で一つである累積印刷面数第3閾値情報TPth3は、記憶領域M3に記憶されている。ここで、メモリー200に記憶されている累積印刷面数第2閾値情報TPth2の値は、累積印刷面数第1閾値情報TPth1の値よりも大きく、累積印刷面数第3閾値情報TPth3の値よりも小さい。
累積印刷面数第3閾値情報TPth3は、プリントヘッド3の再生、又は再利用が可能であるか否かを判別するための閾値情報である。すなわち、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてからの印刷面数を示す累積印刷面数TPが、累積印刷面数第3閾値情報TPth3を上回っている場合、プリントヘッド3は、再生、又は再利用に適さないことを意味する。
累積印刷面数第2閾値情報TPth2は、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の状態を切り分けるための閾値情報である。プリントヘッド3における吐出状態は、初期状態に大きく変動し、所定の吐出回数を経過することで安定する。そこで、累積印刷面数第2閾値情報TPth2を、プリントヘッド3の吐出状態が安定しているか否かを切り分けるための閾値情報とすることで、液体吐出装置1がプリントヘッド3を駆動する場合に、変動する吐出特性を補正する処理を実施するのか否か等、プリントヘッド3の動作を切り分けることが可能となる。これにより、再生、又は再利用されるプリントヘッド3を備えた液体吐出装置1におけるインクの吐出状態を安定することができる。
また、累積印刷面数第2閾値情報TPth2は、累積印刷面数TPが、累積印刷面数第3閾値情報TPth3で規定される閾値情報に達するまでの印刷面数が、所定の印刷面数を以上であるか否かを示す閾値情報であってもよい。これにより、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の各部の残存寿命を推測することが可能となる。したがって、再生、又は再利用さるプリントヘッド3を、組み込まれる液体吐出装置1の使用用途に応じて選定することが可能となり、その結果、使用者の利便性が向上するとともに、廃棄されるプリントヘッド3の量を削減し、環境負荷をさらに低減することが可能となる。
メモリー200に記憶されている累積印刷面数TPに関する情報の内、累積印刷面数TPの履歴情報としての累積印刷面数情報TPcは、記憶領域M4に記憶されている。この、累積印刷面数情報TPcは、プリントヘッド3の吐出部600からインクが吐出されている状態に応じて変化する情報であって、プリントヘッド3がインクを吐出した印刷面数の合計を示す情報である。すなわち、累積印刷面数TPは、吐出部600の使用に応じて変化する情報であって増加する情報である。
経過日数LDに関する情報は、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてから経過した日数を示す情報であって、メモリー200の記憶領域M5〜M8に記憶されている。換言すれば、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報は、経過日数LDに関する値を含む。ここで、経過日数LDに関する情報は、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられている状態において、時間計測回路83によって計測された経過時間情報YMDに基づいて算出されてもよく、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられた日時を不図示の記憶部が記憶し、当該記憶部に記憶された日時の情報と、ホストコンピューター等の外部装置から入力されるに日付情報とに基づいて算出されてもよい。
メモリー200に記憶されている経過日数LDに関する情報の内、経過日数LDの閾値情報の一つである経過日数第1閾値情報LDth1は、記憶領域M5に記憶されている。この経過日数第1閾値情報LDth1は、例えば「1」に設定されている。すなわち、プリントヘッド3が、液体吐出装置1に組み付けられてから1日以上経過した場合、経過日数LDは、経過日数第1閾値情報LDth1を上回る。この経過日数第1閾値情報LDth1は、プリントヘッド3に使用履歴があるか否かを判断するための閾値情報でもある。すなわち、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報は、プリントヘッド3の使用履歴に関する値も含む。
メモリー200に記憶されている経過日数LDに関する情報の内、経過日数LDの閾値情報の一つである経過日数第2閾値情報LDth2は、記憶領域M6に記憶されている。また、メモリー200に記憶されている経過日数LDに関する情報の内、経過日数LDの閾値情報の一つである経過日数第3閾値情報LDth3は、記憶領域M7に記憶されている。ここで、メモリー200に記憶されている経過日数第2閾値情報LDth2の値は、経過日数第1閾値情報LDth1の値よりも大きく、経過日数第3閾値情報LDth3の値よりも小さい。
経過日数第3閾値情報LDth3は、プリントヘッド3の再生、又は再利用が可能であるか否かを判別するための閾値情報である。すなわち、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてから日数を示す経過日数LDが、経過日数第3閾値情報LDth3を上回っている場合、プリントヘッド3は、再生、又は再利用に適さないことを意味する。
経過日数第2閾値情報LDth2は、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の状態を切り分けるための閾値情報である。例えば、経過日数第2閾値情報LDth2は、経過日数LDが、経過日数第3閾値情報LDth3で規定される閾値情報に達するまでの日数が、所定の日数以上であるか否かを示す閾値情報であってもよい。これにより、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の残存寿命を詳細に把握することが可能となる。したがって、再生、又は再利用さるプリントヘッド3を、組み込まれる液体吐出装置1の使用用途に応じて、選定することが可能となり、使用者の利便性が向上するとともに、廃棄されるプリントヘッド3の量を削減し、環境負荷をさらに低減することが可能となる。
メモリー200に記憶されている経過日数LDに関する情報の内、経過日数LDの履歴情報としての経過日数情報LDcは、記憶領域M8に記憶されている。この、経過日数情報LDcは、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組みこまれている状態に応じて変化する情報であって、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組みこまれている経過日数の合計を示す情報である。すなわち、経過日数LDは、吐出部600の使用に応じて変化する情報であって増加する情報である。
エラー回数ECに関する情報は、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてからプリントヘッド3に生じたエラーの回数を示す情報であって、メモリー200の記憶領域M9〜M12に記憶されている。換言すれば、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報は、プリントヘッド3に生じたエラーの情報に関する値を含む。ここで、エラー回数ECに関する情報は、プリントヘッド3にエラーが生じている状態を示す情報であって、具体的には、吐出部600におけるノズル651からのインクが吐出されない吐出部異常、プリントヘッド3に生じた過電圧、過電流異常、及び媒体Pが正常に搬送されない搬送異常等が含まれる。このエラー回数ECは、上述した吐出部状態判定回路73から出力される残留振動信号NVTに基づく吐出部状態信号DI、媒体搬送エラー検出回路58から出力される媒体搬送エラー信号ERR1、及び不図示の過電圧、過電流検出回路から出力される過電圧、過電流異常の有無を示す信号等に基づいて算出される。
メモリー200に記憶されているエラー回数ECに関する情報の内、エラー回数ECの閾値情報の一つであるエラー回数第1閾値情報ECth1は、記憶領域M9に記憶されている。このエラー回数第1閾値情報ECth1は、例えば「1」に設定されている。すなわち、プリントヘッド3が、液体吐出装置1に組み付けられてから1回以上エラーが生じた場合、エラー回数ECは、エラー回数第1閾値情報ECth1を上回る。このエラー回数第1閾値情報ECth1は、プリントヘッド3に使用履歴があるか否かを判断するための閾値情報でもある。すなわち、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報は、プリントヘッド3の使用履歴に関する値も含む。
メモリー200に記憶されているエラー回数ECに関する情報の内、エラー回数ECの閾値情報の一つであるエラー回数第2閾値情報ECth2は、記憶領域M10に記憶されている。また、メモリー200に記憶されているエラー回数ECに関する情報の内、エラー回数ECの閾値情報の一つであるエラー回数第3閾値情報ECth3は、記憶領域M11に記憶されている。ここで、メモリー200に記憶されているエラー回数第2閾値情報ECth2の値は、エラー回数第1閾値情報ECth1の値よりも大きく、エラー回数第3閾値情報ECth3の値よりも小さい。
エラー回数第3閾値情報ECth3は、プリントヘッド3の再生、又は再利用が可能であるか否かを判別するための閾値情報である。すなわち、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてから生じたエラーの回数を示すエラー回数ECが、エラー回数第3閾値情報ECth3を上回っている場合、プリントヘッド3は、再生、又は再利用に適さないことを意味する。
エラー回数第2閾値情報ECth2は、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の状態を切り分けるための閾値情報である。例えば、エラー回数第2閾値情報ECth2は、エラー回数ECが、エラー回数第3閾値情報ECth3で規定される閾値情報に達するまでのエラーの回数が、所定の回数以上であるか否かを示す閾値情報であってもよい。これにより、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の残存寿命を詳細に把握することが可能となる。したがって、再生、又は再利用さるプリントヘッド3を、組み込まれる液体吐出装置1の使用用途に応じて、選定することが可能となり、使用者の利便性が向上するとともに、廃棄されるプリントヘッド3の量を削減し、環境負荷をさらに低減することが可能となる。
メモリー200に記憶されているエラー回数ECに関する情報の内、エラー回数ECの履歴情報としてのエラー回数情報ECcは、記憶領域M12に記憶されている。この、エラー回数情報ECcは、プリントヘッド3にエラーが生じている状態に応じて変化する情報であって、プリントヘッド3にエラーが生じた回数の合計を示す情報である。すなわち、エラー回数情報ECcは、吐出部600の使用に応じて変化する情報であって増加する情報である。
搬送エラー回数CECに関する情報は、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてから媒体Pの搬送時に生じたエラーの回数を示す情報であって、メモリー200の記憶領域M13〜M16に記憶されている。ここで、搬送エラー回数CECに関する情報は、プリントヘッド3に搬送される媒体Pに搬送エラーが生じている状態を示す情報であって、具体的には、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられた後に生じた、媒体搬送機構5において媒体Pが正常に供給又は排出できなくなる所謂ジャム等が含まれる。そして、搬送エラー回数CECは、上述した媒体搬送エラー検出回路58から出力される媒体搬送エラー信号ERR1に基づいて算出される。
この搬送エラー回数CECに関する情報は、エラー回数ECに関する情報に含まれるとともに、本実施形態に示すように、個別に管理されていることが好ましい。媒体搬送機構5において媒体Pが正常に供給又は排出できなくなる所謂ジャム等が生じた場合、媒体Pがプリントヘッド3のノズル面652と接触し、その結果、ノズル651を傷つけるおそれがある。そのため、再生、又は再利用されるプリントヘッド3において、搬送エラー回数CECに関する情報を個別に記憶することで、プリントヘッド3の再生、又は再利用の可否の判断精度を高めることが可能となる。
メモリー200に記憶されている搬送エラー回数CECに関する情報の内、搬送エラー回数CECの閾値情報の一つである搬送エラー回数第1閾値情報CECth1は、記憶領域M13に記憶されている。この搬送エラー回数第1閾値情報CECth1は、例えば「1」に設定されている。すなわち、プリントヘッド3が、液体吐出装置1に組み付けられてから1回以上搬送エラーが生じた場合、搬送エラー回数CECは、搬送エラー回数第1閾値情報CECth1を上回る。この搬送エラー回数第1閾値情報CECth1は、プリントヘッド3に使用履歴があるか否かを判断するための閾値情報でもある。すなわち、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報は、プリントヘッド3の使用履歴に関する値も含む。
メモリー200に記憶されている搬送エラー回数CECに関する情報の内、搬送エラー回数CECの閾値情報の一つである搬送エラー回数第2閾値情報CECth2は、記憶領域M14に記憶されている。また、メモリー200に記憶されている搬送エラー回数CECに関する情報の内、搬送エラー回数CECの閾値情報の一つである搬送エラー回数第3閾値情報CECth3は、記憶領域M15に記憶されている。ここで、メモリー200に記憶されている搬送エラー回数第2閾値情報CECth2の値は、搬送エラー回数第1閾値情報CECth1の値よりも大きく、搬送エラー回数第3閾値情報CECth3の値よりも小さい。
搬送エラー回数第3閾値情報CECth3は、プリントヘッド3の再生、又は再利用が可能であるか否かを判別するための閾値情報である。すなわち、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてから生じた搬送エラーの回数を示す搬送エラー回数CECが、搬送エラー回数第3閾値情報CECth3を上回っている場合、プリントヘッド3は、再生、又は再利用に適さないことを意味する。
搬送エラー回数第2閾値情報CECth2は、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の状態を切り分けるための閾値情報である。例えば、搬送エラー回数第2閾値情報CECth2は、搬送エラー回数CECが、搬送エラー回数第3閾値情報CECth3で規定される閾値情報に達するまでの搬送エラーの回数が、所定の回数以上であるか否かを示す閾値情報であってもよい。これにより、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の残存寿命を詳細に把握することが可能となる。したがって、再生、又は再利用さるプリントヘッド3を、組み込まれる液体吐出装置1の使用用途に応じて、選定することが可能となり、使用者の利便性が向上するとともに、廃棄されるプリントヘッド3の量を削減し、環境負荷をさらに低減することが可能となる。
メモリー200に記憶されている搬送エラー回数CECに関する情報の内、搬送エラー回数CECの履歴情報としての搬送エラー回数情報CECcは、記憶領域M16に記憶されている。この、搬送エラー回数情報CECcは、媒体搬送機構5において媒体Pの搬送エラーが生じている状態に応じて変化する情報であって、プリントヘッド3に媒体Pの搬送エラーが生じた回数の合計を示す情報である。
キャッピング処理回数CPに関する情報は、プリントヘッド3に貯留されるインクの特性の変化を低減するためにノズル651が形成されているノズル面652にキャップを取り付けるキャッピング処理が実行された回数を示す情報であって、メモリー200の記憶領域M17〜M20に記憶されている。すなわち、キャッピング処理回数CPに関する情報は、ノズル651にキャップが取り付けられているキャッピング処理が実行される状態を示す情報であって、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられた後に、ノズル面652にキャップを取り付けるキャッピング処理が実行された回数に基づいて算出される。このようなキャッピング処理は、キャップがプリントヘッド3のノズル面652と接触するため、当該キャップによりノズル651を傷つけるおそれがある。そのため、再生、又は再利用されるプリントヘッド3において、キャッピング処理回数CPに関する情報を個別に記憶することで、プリントヘッド3の再生、又は再利用の可否の判断精度を高めることが可能となる。
メモリー200に記憶されているキャッピング処理回数CPに関する情報の内、キャッピング処理回数CPの閾値情報の一つであるキャッピング処理回数第1閾値情報CPth1は、記憶領域M17に記憶されている。このキャッピング処理回数第1閾値情報CPth1は、例えば「1」に設定されている。すなわち、プリントヘッド3が、液体吐出装置1に組み付けられてから1回以上キャッピング処理が実行された場合、キャッピング処理
回数CPは、キャッピング処理回数第1閾値情報CPth1を上回る。このキャッピング処理回数第1閾値情報CPth1は、プリントヘッド3に使用履歴があるか否かを判断するための閾値情報でもある。
メモリー200に記憶されているキャッピング処理回数CPに関する情報の内、キャッピング処理回数CPの閾値情報の一つであるキャッピング処理回数第2閾値情報CPth2は、記憶領域M18に記憶されている。また、メモリー200に記憶されているキャッピング処理回数CPに関する情報の内、キャッピング処理回数CPの閾値情報の一つであるキャッピング処理回数第3閾値情報CPth3は、記憶領域M19に記憶されている。ここで、メモリー200に記憶されているキャッピング処理回数第2閾値情報CPth2の値は、キャッピング処理回数第1閾値情報CPth1の値よりも大きく、キャッピング処理回数第3閾値情報CPth3の値よりも小さい。
キャッピング処理回数第3閾値情報CPth3は、プリントヘッド3の再生、又は再利用が可能であるか否かを判別するための閾値情報である。すなわち、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてから実行されたキャッピング処理の回数を示すキャッピング処理回数CPが、キャッピング処理回数第3閾値情報CPth3を上回っている場合、プリントヘッド3は、再生、又は再利用に適さないことを意味する。
キャッピング処理回数第2閾値情報CPth2は、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の状態を切り分けるための閾値情報である。例えば、キャッピング処理回数第2閾値情報CPth2は、キャッピング処理回数CPが、キャッピング処理回数第3閾値情報CPth3で規定される閾値情報に達するまでのキャッピング処理の回数が、所定の回数以上であるか否かを示す閾値情報であってもよい。これにより、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の残存寿命を詳細に把握することが可能となる。したがって、再生、又は再利用さるプリントヘッド3を、組み込まれる液体吐出装置1の使用用途に応じて、選定することが可能となり、使用者の利便性が向上するとともに、廃棄されるプリントヘッド3の量を削減し、環境負荷をさらに低減することが可能となる。
メモリー200に記憶されているキャッピング処理回数CPに関する情報の内、キャッピング処理回数CPの履歴情報としてのキャッピング処理回数情報CPcは、記憶領域M20に記憶されている。この、キャッピング処理回数情報CPcは、ノズル651にキャップが取り付けられているキャッピング処理が実行されている状態に応じて変化する情報であって、ノズル651にキャップが取り付けられた回数の合計を示す情報である。
クリーニング処理回数CLに関する情報は、プリントヘッド3のノズル面652に付着した紙片等を除去するためワイピング処理、プリントヘッド3の内部に貯留されているインクの粘度を適正な範囲に保持するためフラッシング処理等、プリントヘッド3から正常にインクを吐出させるためのクリーニング処理が実行された回数を示す情報であって、メモリー200の記憶領域M21〜M24に記憶されている。すなわち、クリーニング処理回数CLに関する情報は、吐出部600にクリーニング処理が実行される状態を示す情報であって、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられた後に、プリントヘッド3に実行されたワイピング処理、フラッシング処理の回数に基づいて算出される。
メモリー200に記憶されているクリーニング処理回数CLに関する情報の内、クリーニング処理回数CLの閾値情報の一つであるクリーニング処理回数第1閾値情報CLth1は、記憶領域M21に記憶されている。このクリーニング処理回数第1閾値情報CLth1は、例えば「1」に設定されている。すなわち、プリントヘッド3が、液体吐出装置1に組み付けられてから1回以上クリーニング処理が実行された場合、クリーニング処理回数CLは、クリーニング処理回数第1閾値情報CLth1を上回る。このクリーニング
処理回数第1閾値情報CLth1は、プリントヘッド3に使用履歴があるか否かを判断するための閾値情報でもある。
メモリー200に記憶されているクリーニング処理回数CLに関する情報の内、クリーニング処理回数CLの閾値情報の一つであるクリーニング処理回数第2閾値情報CLth2は、記憶領域M22に記憶されている。また、メモリー200に記憶されているクリーニング処理回数CLに関する情報の内、クリーニング処理回数CLの閾値情報の一つであるクリーニング処理回数第3閾値情報CLth3は、記憶領域M23に記憶されている。ここで、メモリー200に記憶されているクリーニング処理回数第2閾値情報CLth2の値は、クリーニング処理回数第1閾値情報CLth1の値よりも大きく、クリーニング処理回数第3閾値情報CLth3の値よりも小さい。
クリーニング処理回数第3閾値情報CLth3は、プリントヘッド3の再生、又は再利用が可能であるか否かを判別するための閾値情報である。すなわち、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてからのクリーニング処理回数CLが、クリーニング処理回数第3閾値情報CLth3を上回っている場合、プリントヘッド3は、再生、又は再利用に適さないことを意味する。
クリーニング処理回数第2閾値情報CLth2は、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の状態を切り分けるための閾値情報である。例えば、クリーニング処理回数第2閾値情報CLth2は、クリーニング処理回数CLが、クリーニング処理回数第3閾値情報CLth3で規定される閾値情報に達するまでのクリーニング処理の回数が、所定の回数以上であるか否かを示す閾値情報であってもよい。これにより、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の残存寿命を詳細に把握することが可能となる。したがって、再生、又は再利用さるプリントヘッド3を、組み込まれる液体吐出装置1の使用用途に応じて、選定することが可能となり、使用者の利便性が向上するとともに、廃棄されるプリントヘッド3の量を削減し、環境負荷をさらに低減することが可能となる。
メモリー200に記憶されているクリーニング処理回数CLに関する情報の内、クリーニング処理回数CLの履歴情報としてのクリーニング処理回数情報CLcは、記憶領域M24に記憶されている。この、クリーニング処理回数情報CLcは、プリントヘッド3から正常にインクを吐出させるためのクリーニング処理が実行されている状態に応じて変化する情報であって、クリーニング処理が実行された回数の合計を示す情報である。
ワイピング処理回数WPに関する情報は、プリントヘッド3のノズル面652に付着した紙片等を除去するためワイピング処理が実行された回数を示す情報であって、メモリー200の記憶領域M25〜M28に記憶されている。すなわち、ワイピング処理回数WPに関する情報は、吐出部600からインクが吐出されるノズル651が設けられているノズル面652を拭き取るワイピング処理が実行される状態を示す情報を含む。
このワイピング処理回数WPに関する情報は、クリーニング処理回数CLに関する情報に含まれるとともに、本実施形態に示すように、個別に管理されていることが好ましい。ワイピング処理は、プリントヘッド3のノズル面652を直接拭き取るため、ノズル651を傷つけるおそれがある。そのため、再生、又は再利用されるプリントヘッド3において、ワイピング処理回数WPに関する情報を個別に記憶することで、プリントヘッド3の再生、又は再利用の可否の判断精度を高めることが可能となる。
メモリー200に記憶されているワイピング処理回数WPに関する情報の内、ワイピング処理回数WPの閾値情報の一つであるワイピング処理回数第1閾値情報WPth1は、記憶領域M25に記憶されている。このワイピング処理回数第1閾値情報WPth1は、
例えば「1」に設定されている。すなわち、プリントヘッド3が、液体吐出装置1に組み付けられてから1回以上ワイピング処理が実行された場合、ワイピング処理回数WPは、ワイピング処理回数第1閾値情報WPth1を上回る。このワイピング処理回数第1閾値情報WPth1は、プリントヘッド3に使用履歴があるか否かを判断するための閾値情報でもある。
メモリー200に記憶されているワイピング処理回数WPに関する情報の内、ワイピング処理回数WPの閾値情報の一つであるワイピング処理回数第2閾値情報WPth2は、記憶領域M26に記憶されている。また、メモリー200に記憶されているワイピング処理回数WPに関する情報の内、ワイピング処理回数WPの閾値情報の一つであるワイピング処理回数第3閾値情報WPth3は、記憶領域M27に記憶されている。ここで、メモリー200に記憶されているワイピング処理回数第2閾値情報WPth2の値は、ワイピング処理回数第1閾値情報WPth1の値よりも大きく、ワイピング処理回数第3閾値情報WPth3の値よりも小さい。
ワイピング処理回数第3閾値情報WPth3は、プリントヘッド3の再生、又は再利用が可能であるか否かを判別するための閾値情報である。すなわち、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてから実行されたワイピング処理の回数を示すワイピング処理回数WPが、ワイピング処理回数第3閾値情報WPth3を上回っている場合、プリントヘッド3は、再生、又は再利用に適さないことを意味する。
ワイピング処理回数第2閾値情報WPth2は、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の状態を切り分けるための閾値情報である。例えば、ワイピング処理回数第2閾値情報WPth2は、ワイピング処理回数WPが、ワイピング処理回数第3閾値情報WPth3で規定される閾値情報に達するまでのワイピング処理の回数が、所定の回数以上であるか否かを示す閾値情報であってもよい。これにより、再生、又は再利用されるプリントヘッド3の残存寿命を詳細に把握することが可能となる。したがって、再生、又は再利用さるプリントヘッド3を、組み込まれる液体吐出装置1の使用用途に応じて、選定することが可能となり、使用者の利便性が向上するとともに、廃棄されるプリントヘッド3の量を削減し、環境負荷をさらに低減することが可能となる。
メモリー200に記憶されているワイピング処理回数WPに関する情報の内、ワイピング処理回数WPの履歴情報としてのワイピング処理回数情報WPcは、記憶領域M28に記憶されている。このワイピング処理回数情報WPcは、プリントヘッド3が有する吐出部600からインクが吐出されるノズル651が設けられているノズル面652を拭き取るワイピング処理が実行されている状態に応じて変化する情報であって、ワイピング処理が実行された回数の合計を示す情報である。
ここで、上述したキャッピング処理、クリーニング処理、及びワイピング処理は、プリントヘッド3が有する吐出部600を正常な状態に保つため、若しくは吐出部600を正常な状態に回復させるための各種処理であり、換言すれば、吐出部600及びプリントヘッド3のメンテナンス処理である。すなわち、吐出部関連情報に含まれるキャッピング処理回数CPに関する情報、クリーニング処理回数CLに関する情報、及びワイピング処理回数WPに関する情報は、プリントヘッド3のメンテナンス処理に関する情報として総称することができる。換言すれば、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報は、メンテナンス処理に関する値を含み、当該面テンス処理は、キャッピング処理、クリーニング処理、及びワイピング処理を含む。
ここで、図19に示すメモリー200に記憶される吐出部関連情報は、一例であり、メモリー200には、上述した吐出部関連情報の他に、プリントヘッド3を再生、又は再利
用するための各種情報、例えば、製造年月日、製造場所、初期特性等に関する値が記憶されていてもよい。
4.2 メモリー200に対する情報の書込処理、及び情報の読出処理
次に上述した吐出部関連情報を、メモリー200に記憶する書込処理、及びメモリーに記憶されている吐出部関連情報を含む情報を読み出す読出処理を実行させる場合の動作について説明する。図31は、メモリー200に対する書込処理、及び読出処理を説明するための図である。図32は、メモリー200に対する書込処理、及び読出処理を説明するための図である。ここで、液体吐出装置1が備えるヘッド本体31−1〜31−nに対して行われる書込処理、及び読出処理は同様である。そのため、以下の説明では、ヘッド本体31−1に対する書込処理、及び読出処理について説明し、ヘッド本体31−2〜31−nに対して行われる書込処理、及び読出処理の説明については省略する。
また、以下の説明では、液体吐出装置1が備える各端子群に含まれる端子毎の電位がLレベルの電位である場合をLレベル状態と称し、各端子群に含まれる端子毎の電位がHレベルの電位である場合をHレベル状態と称して説明を行う。
図31及び図32に示すように、時刻t1以前において、プリントヘッド制御回路71は、Lレベルのラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK、印刷データ信号SI11〜SI1m、及びメモリー制御信号MC1を出力する。これにより、プリントヘッド駆動回路基板7に設けられた端子群27aに含まれるラッチ信号LATが伝搬する端子127a−LAT、チェンジ信号CHが伝搬する端子127a−CH、クロック信号SCKが伝搬する端子127a−SCK、印刷データ信号SI11及びメモリー制御信号MC1が伝搬する端子127a−SI11_MC1、及び印刷データ信号SI12〜SI1mが伝搬する端子127a−SI12〜127a−SI1mのそれぞれは、Lレベル状態となる。
したがって、端子127a−LAT,127a−CH,127a−SCK,127a−SI11_MC1,127a−SI12〜127a−SI1mのそれぞれとケーブル17を介して電気的に接続されているプリントヘッド3が有する分岐配線基板335に設けられた端子群27bに含まれる端子127b−LAT,127b−CH,127b−SCK,127b−SI11_MC1,127b−SI12〜127b−SI1mのそれぞれも、Lレベル状態となる。
この場合において、セレクター202aには、端子127b−LAT,CHを介してLレベルのラッチ信号LATとLレベルのチェンジ信号CHとが入力される。したがって、セレクター202aは、入力されるラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK、印刷データ信号SI11、及びメモリー制御信号MC1を、端子群337に出力する。よって、分岐配線基板335に設けられた端子群337に含まれるラッチ信号LATが伝搬する端子137−LAT、チェンジ信号CHが伝搬する端子137−CH、クロック信号SCKが伝搬する端子137−SCK、印刷データ信号SI11及びメモリー制御信号MC1が伝搬する端子137−SI11_MC1のそれぞれがLレベル状態となる。その結果、端子137−LAT,137−CH,137−SCK,137−SI11_MC1のそれぞれと中継基板363を介して電気的に接続されているヘッドチップ310−1に対応する集積回路312に含まれる駆動信号選択制御回路210には、Lレベルのラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK、印刷データ信号SI11、及びメモリー制御信号MC1が入力される。その結果、駆動信号選択制御回路210は、図11〜図18に示すような吐出制御処理を実行しない。
同様に、中継基板363を介して電気的に接続されているヘッドチップ310−2〜3
10−mに対応する集積回路312に含まれる駆動信号選択制御回路210にも、Lレベルのラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK、及び対応する印刷データ信号SI12〜SI1mが入力される。よって、ヘッドチップ310−2〜310−mに対応する集積回路312に含まれる駆動信号選択制御回路210も、吐出制御処理を実行しない。
また、セレクター202aにLレベルのラッチ信号LATとLレベルのチェンジ信号CHとが入力されるが故に、メモリー200には、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、印刷データ信号SI11、及びメモリー制御信号MC1は入力されない。したがって、時刻t1以前において、メモリー200のラッチ信号LATが入力されるLAT入力端子、チェンジ信号CHが入力されるCH入力端子、印刷データ信号SI11及びメモリー制御信号MC1が入力されるSI11_MC1入力端子はLレベル状態となる。さらに、図32に示すようにクロック信号SCKがLレベルであることから、メモリー200においてクロック信号SCKが入力されるSCK入力端子もLレベル状態となる。その結果、メモリー200は書込処理及び読出処理を実行しない。
時刻t1において、プリントヘッド制御回路71は、Hレベルのラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHと、Lレベルのクロック信号SCK、印刷データ信号SI11〜SI1m、及びメモリー制御信号MC1を出力する。これにより、端子127a−LAT及び端子127a−CHはHレベル状態となり、端子127a−SCK、端子127a−SI11_MC1、及び端子127a−SI12〜127a−SI1mのそれぞれは、Lレベル状態を継続する。
したがって、端子127a−LAT,127a−CH,127a−SCK,127a−SI11_MC1,127a−SI12〜127a−SI1mのそれぞれとケーブル17を介して電気的に接続されている端子127b−LAT及び端子127b−CHはHレベル状態となり、端子127b−SCK,127b−SI11_MC1,127b−SI12〜127b−SI1mのそれぞれは、Lレベル状態となる。
この場合において、セレクター202aには、端子127b−LAT,CHを介してHレベルのラッチ信号LATとHレベルのチェンジ信号CHとが入力される。したがって、セレクター202aは、入力されるラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK、印刷データ信号SI11、及びメモリー制御信号MC1を、メモリー200に出力する。
したがって、セレクター202aは、入力されるラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK、印刷データ信号SI11、及びメモリー制御信号MC1を、端子群337には出力しない。よって、分岐配線基板335に設けられた端子群337に含まれる端子137−LAT,137−CH,137−SCK,137−SI11_MC1のそれぞれはLレベル状態となる。その結果、端子137−LAT,137−CH,137−SCK,137−SI11_MC1のそれぞれと中継基板363を介して電気的に接続されているヘッドチップ310−1に対応する集積回路312に含まれる駆動信号選択制御回路210には、Lレベルのラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK、印刷データ信号SI11、及びメモリー制御信号MC1が入力される。よって、駆動信号選択制御回路210は、吐出制御処理を実行しない。
同様に、中継基板363を介して電気的に接続されているヘッドチップ310−2〜310−mに対応する集積回路312に含まれる駆動信号選択制御回路210にも、Lレベルのラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK、及び対応する印刷データ信号SI12〜SI1mが入力される。よって、ヘッドチップ310−2〜310−m
に対応する集積回路312に含まれる駆動信号選択制御回路210も、吐出制御処理を実行しない。
また、セレクター202aにHレベルのラッチ信号LATとHレベルのチェンジ信号CHとが入力されるが故に、セレクター202aに入力されたラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、印刷データ信号SI11、及びメモリー制御信号MC1は、メモリー200に入力される。したがって、時刻t1において、メモリー200のラッチ信号LATが入力されるLAT入力端子、チェンジ信号CHが入力されるCH入力端子がHレベル状態となる。よって、メモリー200は、印刷データ信号SI11及びメモリー制御信号MC1に基づく情報に応じた書込処理、及び読出処理が可能な状態となる。
そして、時刻t2〜t3の期間において、プリントヘッド制御回路71は、Hレベルのラッチ信号LAT、及びHレベルのチェンジ信号CHの出力を継続し、メモリー200の書込処理、及び読出処理を行うための情報を含むメモリー制御信号MC1を出力する。
ここで、メモリー制御信号MC1は、書込処理、及び読出処理を行うための情報を含むが故に、Hレベルの信号とLレベルの信号とが切り替わる。すなわち、時刻t2〜t3の期間において、プリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含むプリントヘッド駆動回路は、端子127a−LATをHレベル状態にする信号を出力し、端子127a−CHをHレベル状態にする信号を出力し、端子127a−SI11_MC1をHレベル状態とLレベル状態とで変化し、メモリー200の書込処理、及び読出処理を行うための信号を出力する。したがって、時刻t2〜t3の期間において、端子127a−LATと電気的に接続されている端子127b−LATはHレベル状態であり、端子127a−CHと電気的に接続されている端子127b−CHはHレベル状態であり、端子127a−SI11_MC1のそれぞれと電気的に接続されている端子127b−SI11_MC1は、Hレベル状態とLレベル状態とで変化する。換言すれば、時刻t2〜t3の期間において、プリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含むプリントヘッド駆動回路は、端子127b−LATがHレベル状態となる信号を出力し、端子127b−CHがHレベル状態となる信号を出力し、端子127b−SI11_MC1がHレベル
状態とLレベル状態とで変化し、メモリー200の書込処理、及び読出処理を行うための信号を出力する。
この場合において、セレクター202aには、Hレベルのラッチ信号LATとHレベルのチェンジ信号CHとが入力されている。したがって、セレクター202aは、メモリー200の書込処理、及び読出処理を行うための情報を含むメモリー制御信号MC1をメモリー200に出力する。これにより、メモリー200は、メモリー制御信号MC1に応じた書込処理又は読出処理を実行する。
また、セレクター202aは、Hレベルのラッチ信号LATとHレベルのチェンジ信号CHとが入力されているが故に、入力されるラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK、印刷データ信号SI11、及びメモリー制御信号MC1を、端子群337に出力しない。よって、分岐配線基板335に設けられた端子群337に含まれる端子137−LAT,137−CH,137−SCK,137−SI11_MC1のそれぞれはLレベル状態となる。その結果、端子137−LAT,137−CH,137−SCK,137−SI11_MC1のそれぞれと中継基板363を介して電気的に接続されているヘッドチップ310−1に対応する集積回路312に含まれる駆動信号選択制御回路210には、Lレベルのラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK、印刷データ信号SI11、及びメモリー制御信号MC1が入力される。したがって、駆動信号選択制御回路210は、吐出制御処理を実行しない。
すなわち、時刻t2〜t3の期間において、プリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含むプリントヘッド駆動回路は、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及びメモリー制御信号MC1に応じてプリントヘッド3に、メモリー200に記憶されている情報を読み出す読出処理を実行させ、且つ、駆動信号選択制御回路210に含まれるトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcを切り替えることで複数の吐出部600に駆動信号COMを供給するか否かを制御する吐出制御処理を実行させない。以上のような時刻t2〜t3の期間におけるプリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含むプリントヘッド駆動回路の動作モードが、第1モードの一例である。
その後、時刻t4において、プリントヘッド制御回路71は、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHをLレベルとする。すなわち、メモリー200への、印刷データ信号SI11及びメモリー制御信号MC1に基づく情報に応じた書込処理、及び読出処理が出来ない状態となる。
そして、時刻t5において、プリントヘッド制御回路71は、印刷データ信号SI11〜SI1mを出力する。この場合において、プリントヘッド制御回路71はLレベルのラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHを出力している。すなわち、プリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含むプリントヘッド駆動回路は、端子127a−LATをLレベル状態にする信号を出力し、端子127a−CHをLレベル状態にする信号を出力する。したがって、端子127a−LATと電気的に接続されている端子127b−LATはLレベル状態となり、端子127a−CHと電気的に接続されている端子127b−CHはLレベル状態となる。その結果、セレクター202aには、Lレベルのラッチ信号LATとLレベルのチェンジ信号CHとが入力される。したがって、セレクター202aは、入力される印刷データ信号SI11を、分岐配線基板335、及び中継基板363を介して電気的に接続されているヘッドチップ310−1に対応する集積回路312に含まれる駆動信号選択制御回路210に出力する。その結果、前述の通り、印刷データ信号SI11は、対応する駆動信号選択制御回路210に含まれるシフトレジスターSRに保持される。
時刻t6において、プリントヘッド制御回路71は、Hレベルのラッチ信号LATと、Lレベルのチェンジ信号CHを出力する。これにより、対応する駆動信号選択制御回路210に含まれるシフトレジスターSRに保持され印刷データ信号SI11〜SI1mが一斉にラッチされる。その結果、時刻t6〜t8の期間において、図11〜図18で説明した吐出制御処理が実行される。
この吐出制御処理が実行されている時刻t5〜t8の期間において、プリントヘッド制御回路71は、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHの少なくとも一方をLレベルとして出力している。すなわち、時刻t5〜t8の期間において、プリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含むプリントヘッド駆動回路は、端子127a−LAT、及び端子127a−CHの少なくとも一方がHレベル状態とならないように、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHを出力する。したがって、時刻t5〜t8の期間において、端子127a−LATと電気的に接続されている端子127b−LAT、及び端子127a−CHと電気的に接続されている端子127b−CHが同時にHレベル状態にはならない。換言すれば、時刻t5〜t8の期間において、プリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含むプリントヘッド駆動回路は、端子127b−LAT、及び端子127b−CHが同時にHレベル状態となることがない信号を出力する。そのため、セレクター202aは、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、クロック信号SCK、印刷データ信号SI11を、メモリー200に出力しない。したがって、時刻t5〜t8の期間において、メモリー200への、書込処理、及び読出処理は実行されない。
以上のように、時刻t5〜t8の期間において、プリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含むプリントヘッド駆動回路は、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及びメモリー制御信号MC1に応じてプリントヘッド3に、メモリー200に記憶されている情報を読み出す読出処理を実行させず、且つ、駆動信号選択制御回路210に含まれるトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcを切り替えることで複数の吐出部600に駆動信号COMを供給するか否かを制御する吐出制御処理を実行する。以上のような時刻t5〜t8の期間におけるプリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含むプリントヘッド駆動回路の動作モードが、第2モードの一例である。
ここで、プリントヘッド3に各信号が入力される分岐配線基板335において、駆動信号COM11が入力される端子127b−COM11が高電圧信号入力端子の一例であり、印刷データ信号SI11が入力される端子127b−SI11_MC1が第1低電圧ロジック信号入力端子の一例であり、ラッチ信号LATが入力される端子127b−LATが第2低電圧ロジック信号入力端子の一例であり、チェンジ信号CHが入力される端子127b−CHが第3低電圧ロジック信号入力端子の一例である。したがって、端子127b−SI11_MC1と端子127b−LATと端子127b−CHとの少なくともいずれかが低電圧ロジック信号入力端子の一例である。
また、上述したように、プリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含むプリントヘッド駆動回路の動作モードを第1モードとするのか、第2モードするかは、端子127b−SI11と電気的に接続された端子127a−SI11_MC11から出力されるメモリー制御信号MC1と、端子127b−LATと電気的に接続された端子127a−LATから出力されるラッチ信号LATと、端子127b−CHと電気的に接続された端子127a−CHから出力されるチェンジ信号CHと、により制御される。すなわち、メモリー制御信号MC1、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHの少なくともいずれかが出力信号の一例である。
4.3 吐出部関連情報の読み出しと液体吐出装置の制御
次に、プリントヘッド制御回路71によるメモリー200に記憶されている吐出部関連情報の読み出す読出処理、メモリー200に吐出部関連情報を書き込む書込処理、及び読み出した吐出部関連情報に基づく液体吐出装置1の動作について説明する。本実施形態における液体吐出装置1において、プリントヘッド制御回路71は、メモリー200から吐出部関連情報を読み出す読出処理を、吐出部600からインクを吐出させる駆動信号Vinをプリントヘッド3に供給する前に行う。
具体的には、プリントヘッド制御回路71が吐出部関連情報の読出処理は、プリントヘッド3に電源電圧を供給した後であって、プリントヘッド3が有するヘッドチップ310に駆動信号Vinを供給する前に行われる。さらに、プリントヘッド制御回路71がメモリー200から吐出部関連情報を読み出す読出処理は、駆動信号Vinをプリントヘッド3が有するヘッドチップ310に供給する前に行われた後であって、駆動信号Vinをプリントヘッド3が有するヘッドチップ310に供給した後にも行われてもよい。
そして、プリントヘッド制御回路71は、メモリー200から読み出しされた吐出部関連情報に応じて、プリントヘッド3の駆動を変更する。具体的には、プリントヘッド制御回路71がメモリー200から読み出した吐出部関連情報が、プリントヘッド3の所定の閾値情報を超えた場合に、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3の駆動を変更する。
図20は、プリントヘッド3に記憶される吐出物関連情報に基づいて動作する液体吐出
装置1に動作を説明するためのフローチャート図である。
図20に示すように、液体吐出装置1が起動される場合、まず液体吐出装置1に電源電圧の供給が開始される(S100)。そして、液体吐出装置1に電源電圧が供給されることで、プリントヘッド制御回路71は、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報を読み出す吐出部関連情報読出処理を実行する(S200)。
図21は、吐出部関連情報読出処理の具体例を示すフローチャート図である。図21に示すように、プリントヘッド制御回路71は、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報を読み出すための読み出し要求があるかについて判定する(S210)。プリントヘッド制御回路71に入力される吐出部関連情報の読み出し要求は、例えば、液体吐出装置1に新たなプリントヘッド3が組み込まれているタイミング、及び使用者の操作によりメモリー200からの読み出した要求が生じたタイミング等で生じる。
そして、プリントヘッド制御回路71は、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報を読み出すための読み出し要求がない場合(S210のN)、吐出部関連情報読出処理を終了する。一方、プリントヘッド制御回路71は、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報を読み出すための読み出し要求がある場合(S210のY)、吐出部関連情報をメモリー200から読み出す(S220)。具体的には、プリントヘッド制御回路71は、メモリー200に記憶されている累積印刷面数TPに関する情報、経過日数LDに関する情報、エラー回数ECに関する情報、搬送エラー回数CECに関する情報、キャッピング処理回数CPに関する情報、クリーニング処理回数CLに関する情報、及びワイピング処理回数WPに関する情報を読み出す。そして、プリントヘッド制御回路71は、メモリー200から読み出した吐出部関連情報を保持する(S230)。
また、プリントヘッド制御回路71は、累積印刷面数TPに関する情報に含まれる累積印刷面数情報TPcを、現累積印刷面数情報TPnとして保持し、経過日数LDに関する情報に含まれる経過日数情報LDcを、現経過日数情報LDnとして保持し、エラー回数ECに関する情報に含まれるエラー回数情報ECcを、現エラー回数情報ECnとして保持し、搬送エラー回数CECに関する情報に含まれる搬送エラー回数情報CECcを、現搬送エラー回数情報CECnとして保持し、キャッピング処理回数CPに関する情報に含まれるキャッピング処理回数情報CPcを、現キャッピング処理回数情報CPnとして保持し、クリーニング処理回数CLに関する情報に含まれるクリーニング処理回数情報CLcを、現クリーニング処理回数情報CLnとして保持し、ワイピング処理回数WPに関する情報に含まれるワイピング処理回数情報WPcを、現ワイピング処理回数情報WPnとして保持する(S240)。これにより、メモリー200に記憶される吐出部関連情報を読み出すための、吐出部関連情報読出処理が終了する。
図20に戻り、液体吐出装置1は吐出部関連情報読出処理(S200)が完了した後、累積印刷面数TPに関する情報、経過日数LDに関する情報、エラー回数ECに関する情報、搬送エラー回数CECに関する情報、キャッピング処理回数CPに関する情報、クリーニング処理回数CLに関する情報、及びワイピング処理回数WPの判定処理(S300)を行う。この判定処理は、図20に示すように累積印刷面数判定処理(S310)、経過日数判定処理(S320)、エラー情報判定処理(S330)、及びメンテナンス情報判定処理(S350)を含む。
図22は、判定処理の内の累積印刷面数判定処理の具体例を示すフローチャート図である。図22に示すように、累積印刷面数判定処理(S310)では、プリントヘッド制御回路71に保持される現累積印刷面数情報TPnと、累積印刷面数第1閾値情報TPth1、累積印刷面数第2閾値情報TPth2、及び累積印刷面数第3閾値情報TPth3と
を比較し、比較結果に応じて累積印刷面数第1フラグTPf1、累積印刷面数第2フラグTPf2、及び累積印刷面数第3フラグTPf3のそれぞれを“1”に設定する。なお、以下の説明において、累積印刷面数第1フラグTPf1、累積印刷面数第2フラグTPf2、及び累積印刷面数第3フラグTPf3は、定常状態が“0”であり、所定の動作状態が生じた場合に、“1”となるとして説明を行うが、これに限るものではない。
図22に示すように累積印刷面数判定処理(S310)においてプリントヘッド制御回路71は、現累積印刷面数情報TPnと累積印刷面数第1閾値情報TPth1とを比較する(S311)。プリントヘッド制御回路71は、現累積印刷面数情報TPnが累積印刷面数第1閾値情報TPth1の値よりも小さい場合(S311のY)、累積印刷面数判定処理(S310)を終了する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現累積印刷面数情報TPnが累積印刷面数第1閾値情報TPth1の値よりも大きい場合(S311のN)、現累積印刷面数情報TPnと累積印刷面数第2閾値情報TPth2とを比較する(S312)。
プリントヘッド制御回路71は、現累積印刷面数情報TPnが累積印刷面数第2閾値情報TPth2の値よりも小さい場合(S312のY)、累積印刷面数第1フラグTPf1を“1”に設定し(S314)、累積印刷面数判定処理(S310)を終了する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現累積印刷面数情報TPnが累積印刷面数第2閾値情報TPth2の値よりも大きい場合(S312のN)、現累積印刷面数情報TPnと累積印刷面数第3閾値情報TPth3とを比較する(S313)。
プリントヘッド制御回路71は、現累積印刷面数情報TPnが累積印刷面数第3閾値情報TPth3の値よりも小さい場合(S313のY)、累積印刷面数第2フラグTPf2を“1”に設定し(S315)、累積印刷面数判定処理(S310)を終了する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現累積印刷面数情報TPnが累積印刷面数第3閾値情報TPth3の値よりも大きい場合(S313のN)、累積印刷面数第3フラグTPf3を“1”に設定し(S316)、累積印刷面数判定処理(S310)を終了する。
図23は、判定処理の内の経過日数判定処理の具体例を示すフローチャート図である。図23に示すように、経過日数判定処理(S320)では、プリントヘッド制御回路71に保持される現経過日数情報LDnと、経過日数第1閾値情報LDth1、経過日数第2閾値情報LDth2、及び経過日数第3閾値情報LDth3とを比較し、比較結果に応じて経過日数第1フラグLDf1、経過日数第2フラグLDf2、及び経過日数第3フラグLDf3のそれぞれを“1”に設定する。なお、以下の説明において、経過日数第1フラグLDf1、経過日数第2フラグLDf2、及び経過日数第3フラグLDf3は、定常状態が“0”であり、所定の動作状態が生じた場合に、“1”となるとして説明を行うが、これに限るものではない。
図23に示すように経過日数判定処理(S320)においてプリントヘッド制御回路71は、現経過日数情報LDnと経過日数第1閾値情報LDth1とを比較する(S321)。プリントヘッド制御回路71は、現経過日数情報LDnが経過日数第1閾値情報LDth1の値よりも小さい場合(S321のY)、経過日数判定処理(S320)を終了する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現経過日数情報LDnが経過日数第1閾値情報LDth1の値よりも大きい場合(S321のN)、現経過日数情報LDnと経過日数第2閾値情報LDth2とを比較する(S322)。
プリントヘッド制御回路71は、現経過日数情報LDnが経過日数第2閾値情報LDth2の値よりも小さい場合(S322のY)、経過日数第1フラグLDf1を“1”に設定し(S324)、経過日数判定処理(S320)を終了する。一方、プリントヘッド制
御回路71は、現経過日数情報LDnが経過日数第2閾値情報LDth2の値よりも大きい場合(S322のN)、現経過日数情報LDnと経過日数第3閾値情報LDth3とを比較する(S323)。
プリントヘッド制御回路71は、現経過日数情報LDnが経過日数第3閾値情報LDth3の値よりも小さい場合(S323のY)、経過日数第2フラグLDf2を“1”に設定し(S325)、経過日数判定処理(S320)を終了する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現経過日数情報LDnが経過日数第3閾値情報LDth3の値よりも大きい場合(S323のN)、経過日数第3フラグLDf3を“1”に設定し(S326)、経過日数判定処理(S320)を終了する。
図24は、判定処理の内のエラー情報判定処理の具体例を示すフローチャート図である。エラー情報判定処理(S330)は、エラー回数判定処理と、搬送エラー回数判定処理とを含む。エラー回数判定処理では、プリントヘッド制御回路71に保持される現エラー回数情報ECnと、エラー回数第1閾値情報ECth1、エラー回数第2閾値情報ECth2、及びエラー回数第3閾値情報ECth3とを比較し、比較結果に応じてエラー回数第1フラグECf1、エラー回数第2フラグECf2、及びエラー回数第3フラグECf3のそれぞれを“1”に設定する。また、搬送エラー回数判定処理では、プリントヘッド制御回路71に保持される現搬送エラー回数情報CECnと、搬送エラー回数第1閾値情報CECth1、搬送エラー回数第2閾値情報CECth2、及び搬送エラー回数第3閾値情報CECth3とを比較し、比較結果に応じて搬送エラー回数第1フラグCECf1、搬送エラー回数第2フラグCECf2、及び搬送エラー回数第3フラグCECf3のそれぞれを“1”に設定する。
なお、以下の説明において、エラー回数第1フラグECf1、エラー回数第2フラグECf2、及びエラー回数第3フラグECf3は、定常状態が“0”であり、所定の動作状態が生じた場合に、“1”となるとして説明を行うが、これに限るものではない。同様に、搬送エラー回数第1フラグCECf1、搬送エラー回数第2フラグCECf2、及び搬送エラー回数第3フラグCECf3は、定常状態が“0”であり、所定の動作状態が生じた場合に、“1”となるとして説明を行うが、これに限るものではない。
図24に示すようにエラー情報判定処理(S330)の内のエラー回数判定処理において、プリントヘッド制御回路71は、現エラー回数情報ECnとエラー回数第1閾値情報ECth1とを比較する(S331)。プリントヘッド制御回路71は、現エラー回数情報ECnがエラー回数第1閾値情報ECth1の値よりも小さい場合(S331のY)、搬送エラー回数判定処理に移行する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現エラー回数情報ECnがエラー回数第1閾値情報ECth1の値よりも大きい場合(S331のN)、現エラー回数情報ECnとエラー回数第2閾値情報ECth2とを比較する(S332)。
プリントヘッド制御回路71は、現エラー回数情報ECnがエラー回数第2閾値情報ECth2の値よりも小さい場合(S332のY)、エラー回数第1フラグECf1を“1”に設定し(S334)、搬送エラー回数判定処理に移行する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現エラー回数情報ECnがエラー回数第2閾値情報ECth2の値よりも大きい場合(S332のN)、現エラー回数情報ECnとエラー回数第3閾値情報ECth3とを比較する(S333)。
プリントヘッド制御回路71は、現エラー回数情報ECnがエラー回数第3閾値情報ECth3の値よりも小さい場合(S333のY)、エラー回数第2フラグECf2を“1”に設定し(S335)、搬送エラー回数判定処理に移行する。一方、プリントヘッド制
御回路71は、現エラー回数情報ECnがエラー回数第3閾値情報ECth3の値よりも大きい場合(S333のN)、エラー回数第3フラグECf3を“1”に設定し(S336)、搬送エラー回数判定処理に移行する。
エラー情報判定処理(S330)の内の搬送エラー回数判定処理において、プリントヘッド制御回路71は、現搬送エラー回数情報CECnと搬送エラー回数第1閾値情報CECth1とを比較する(S341)。プリントヘッド制御回路71は、現搬送エラー回数情報CECnが搬送エラー回数第1閾値情報CECth1の値よりも小さい場合(S341のY)、エラー情報判定処理(S330)を終了する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現搬送エラー回数情報CECnが搬送エラー回数第1閾値情報CECth1の値よりも大きい場合(S341のN)、現搬送エラー回数情報CECnと搬送エラー回数第2閾値情報CECth2とを比較する(S342)。
プリントヘッド制御回路71は、現搬送エラー回数情報CECnが搬送エラー回数第2閾値情報CECth2の値よりも小さい場合(S342のY)、搬送エラー回数第1フラグCECf1を“1”に設定し(S344)、エラー情報判定処理(S330)を終了する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現搬送エラー回数情報CECnが搬送エラー回数第2閾値情報CECth2の値よりも大きい場合(S342のN)、現搬送エラー回数情報CECnと搬送エラー回数第3閾値情報CECth3とを比較する(S343)。
プリントヘッド制御回路71は、現搬送エラー回数情報CECnが搬送エラー回数第3閾値情報CECth3の値よりも小さい場合(S343のY)、搬送エラー回数第2フラグCECf2を“1”に設定し(S345)、エラー情報判定処理(S330)を終了する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現搬送エラー回数情報CECnが搬送エラー回数第3閾値情報CECth3の値よりも大きい場合(S343のN)、搬送エラー回数第3フラグCECf3を“1”に設定し(S346)、エラー情報判定処理(S330)を終了する。
図25は、判定処理の内のメンテナンス情報判定処理の具体例を示すフローチャート図である。メンテナンス情報判定処理(S350)は、キャッピング処理回数判定処理と、クリーニング処理回数判定処理と、ワイピング処理回数判定処理とを含む。
キャッピング処理回数判定処理では、プリントヘッド制御回路71に保持される現キャッピング処理回数情報CPnと、キャッピング処理回数第1閾値情報CPth1、キャッピング処理回数第2閾値情報CPth2、及びキャッピング処理回数第3閾値情報CPth3とを比較し、比較結果に応じてキャッピング処理回数第1フラグCPf1、キャッピング処理回数第2フラグCPf2、及びキャッピング処理回数第3フラグCPf3のそれぞれを“1”に設定する。また、クリーニング処理回数判定処理では、プリントヘッド制御回路71に保持される現クリーニング処理回数情報CLnと、クリーニング処理回数第1閾値情報CLth1、クリーニング処理回数第2閾値情報CLth2、及びクリーニング処理回数第3閾値情報CLth3とを比較し、比較結果に応じてクリーニング処理回数第1フラグCLf1、クリーニング処理回数第2フラグCLf2、及びクリーニング処理回数第3フラグCLf3のそれぞれを“1”に設定する。また、ワイピング処理回数判定処理では、プリントヘッド制御回路71に保持される現ワイピング処理回数情報WPnと、ワイピング処理回数第1閾値情報WPth1、ワイピング処理回数第2閾値情報WPth2、及びワイピング処理回数第3閾値情報WPth3とを比較し、比較結果に応じてワイピング処理回数第1フラグWPf1、ワイピング処理回数第2フラグWPf2、及びワイピング処理回数第3フラグWPf3のそれぞれを“1”に設定する。
なお、以下の説明において、キャッピング処理回数第1フラグCPf1、キャッピング
処理回数第2フラグCPf2、及びキャッピング処理回数第3フラグCPf3は、定常状態が“0”であり、所定の動作状態が生じた場合に、“1”となるとして説明を行うが、これに限るものではない。同様に、クリーニング処理回数第1フラグCLf1、クリーニング処理回数第2フラグCLf2、及びクリーニング処理回数第3フラグCLf3は、定常状態が“0”であり、所定の動作状態が生じた場合に、“1”となるとして説明を行うが、これに限るものではない。同様に、ワイピング処理回数第1フラグWPf1、ワイピング処理回数第2フラグWPf2、及びワイピング処理回数第3フラグWPf3は、定常状態が“0”であり、所定の動作状態が生じた場合に、“1”となるとして説明を行うが、これに限るものではない。
図25に示すようにメンテナンス情報判定処理(S350)の内のキャッピング処理回数判定処理において、プリントヘッド制御回路71は、現キャッピング処理回数情報CPnとキャッピング処理回数第1閾値情報CPth1とを比較する(S351)。プリントヘッド制御回路71は、現キャッピング処理回数情報CPnがキャッピング処理回数第1閾値情報CPth1の値よりも小さい場合(S351のY)、クリーニング処理回数判定処理に移行する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現キャッピング処理回数情報CPnがキャッピング処理回数第1閾値情報CPth1の値よりも大きい場合(S331のN)、現キャッピング処理回数情報CPnとキャッピング処理回数第2閾値情報CPth2とを比較する(S352)。
プリントヘッド制御回路71は、現キャッピング処理回数情報CPnがキャッピング処理回数第2閾値情報CPth2の値よりも小さい場合(S352のY)、キャッピング処理回数第1フラグCPf1を“1”に設定し(S354)、クリーニング処理回数判定処理に移行する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現キャッピング処理回数情報CPnがキャッピング処理回数第2閾値情報CPth2の値よりも大きい場合(S352のN)、現キャッピング処理回数情報CPnとキャッピング処理回数第3閾値情報CPth3とを比較する(S353)。
プリントヘッド制御回路71は、現キャッピング処理回数情報CPnがキャッピング処理回数第3閾値情報CPth3の値よりも小さい場合(S353のY)、キャッピング処理回数第2フラグCPf2を“1”に設定し(S355)、クリーニング処理回数判定処理に移行する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現キャッピング処理回数情報CPnがキャッピング処理回数第3閾値情報CPth3の値よりも大きい場合(S353のN)、キャッピング処理回数第3フラグCPf3を“1”に設定し(S356)、クリーニング処理回数判定処理に移行する。
メンテナンス情報判定処理(S350)の内のクリーニング処理回数判定処理において、プリントヘッド制御回路71は、現クリーニング処理回数情報CLnとクリーニング処理回数第1閾値情報CLth1とを比較する(S361)。プリントヘッド制御回路71は、現クリーニング処理回数情報CLnがクリーニング処理回数第1閾値情報CLth1の値よりも小さい場合(S361のY)、ワイピング処理回数判定処理に移行する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現クリーニング処理回数情報CLnがクリーニング処理回数第1閾値情報CLth1の値よりも大きい場合(S361のN)、現クリーニング処理回数情報CLnとクリーニング処理回数第2閾値情報CLth2とを比較する(S362)。
プリントヘッド制御回路71は、現クリーニング処理回数情報CLnがクリーニング処理回数第2閾値情報CLth2の値よりも小さい場合(S362のY)、クリーニング処理回数第1フラグCLf1を“1”に設定し(S364)、ワイピング処理回数判定処理に移行する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現クリーニング処理回数情報CLn
がクリーニング処理回数第2閾値情報CLth2の値よりも大きい場合(S362のN)、現クリーニング処理回数情報CLnとクリーニング処理回数第3閾値情報CLth3とを比較する(S363)。
プリントヘッド制御回路71は、現クリーニング処理回数情報CLnがクリーニング処理回数第3閾値情報CLth3の値よりも小さい場合(S363のY)、クリーニング処理回数第2フラグCLf2を“1”に設定し(S365)、ワイピング処理回数判定処理に移行する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現クリーニング処理回数情報CLnがクリーニング処理回数第3閾値情報CLth3の値よりも大きい場合(S363のN)、クリーニング処理回数第3フラグCLf3を“1”に設定し(S366)、ワイピング処理回数判定処理に移行する。
メンテナンス情報判定処理(S350)の内のワイピング処理回数判定処理において、プリントヘッド制御回路71は、現ワイピング処理回数情報WPnとワイピング処理回数第1閾値情報WPth1とを比較する(S371)。プリントヘッド制御回路71は、現ワイピング処理回数情報WPnがワイピング処理回数第1閾値情報WPth1の値よりも小さい場合(S371のY)、メンテナンス情報判定処理を終了する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現ワイピング処理回数情報WPnがワイピング処理回数第1閾値情報WPth1の値よりも大きい場合(S371のN)、現ワイピング処理回数情報WPnとワイピング処理回数第2閾値情報WPth2とを比較する(S372)。
プリントヘッド制御回路71は、現ワイピング処理回数情報WPnがワイピング処理回数第2閾値情報WPth2の値よりも小さい場合(S372のY)、ワイピング処理回数第1フラグWPf1を“1”に設定し(S374)、メンテナンス情報判定処理を終了する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現ワイピング処理回数情報WPnがワイピング処理回数第2閾値情報WPth2の値よりも大きい場合(S372のN)、現ワイピング処理回数情報WPnとワイピング処理回数第3閾値情報WPth3とを比較する(S373)。
プリントヘッド制御回路71は、現ワイピング処理回数情報WPnがワイピング処理回数第3閾値情報WPth3の値よりも小さい場合(S373のY)、ワイピング処理回数第2フラグWPf2を“1”に設定し(S375)、メンテナンス情報判定処理を終了する。一方、プリントヘッド制御回路71は、現ワイピング処理回数情報WPnがワイピング処理回数第3閾値情報WPth3の値よりも大きい場合(S373のN)、ワイピング処理回数第3フラグWPf3を“1”に設定し(S376)、メンテナンス情報判定処理(S350)を終了する。
図20に戻り、液体吐出装置1は吐出部関連情報に対応する判定処理(S300)が完了した後、液体吐出駆動処理(S400)を実行する。
図26は、液体吐出駆動処理の具体例を示すフローチャート図である。液体吐出駆動処理(S400)では、判定処理(S300)の判定結果に基づいて、プリントヘッド3の駆動を制御する。ここで、図26では、プリントヘッド3の使用履歴の有無を判定するための閾値情報に対応する累積印刷面数第1フラグTPf1、経過日数第1フラグLDf1、エラー回数第1フラグECf1、搬送エラー回数第1フラグCECf1、キャッピング処理回数第1フラグCPf1、クリーニング処理回数第1フラグCLf1、及びワイピング処理回数第1フラグWPf1を第1フラグ情報Flag1と総称して説明を行い、プリントヘッド3の使用状況を切り分けるための閾値情報に対応する累積印刷面数第2フラグTPf2、経過日数第2フラグLDf2、エラー回数第2フラグECf2、搬送エラー回数第2フラグCECf2、キャッピング処理回数第2フラグCPf2、クリーニング処理
回数第2フラグCLf2、及びワイピング処理回数第2フラグWPf2を第2フラグ情報Flag2と総称して説明を行い、プリントヘッド3を再生又は再利用することが適さないことを示す閾値情報に対応する累積印刷面数第3フラグTPf3、経過日数第3フラグLDf3、エラー回数第3フラグECf3、搬送エラー回数第3フラグCECf3、キャッピング処理回数第3フラグCPf3、クリーニング処理回数第3フラグCLf3、及びワイピング処理回数第3フラグWPf3を第3フラグ情報Flag3と総称して説明を行う。
図26に示すように、プリントヘッド制御回路71は、第1フラグ情報Flag1、第2フラグ情報Flag2、及び第3フラグ情報Flag3のそれぞれが“1”であるか否かの判断を行う(S410)。
第1フラグ情報Flag1、及び第2フラグ情報Flag2に保持されている情報に依らず、第3フラグ情報Flag3として“1”が保持されている場合、プリントヘッド制御回路71は、液体吐出装置1に組み付けられたプリントヘッド3は、再生、又は再利用に適さないと判定する。そのため、組み付けられたプリントヘッド3に異常が生じるおそれを低減させるために、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3の駆動を制限する(S420)。
具体的には、プリントヘッド制御回路71は、駆動信号出力回路72が出力する駆動信号COMの最大電圧値が小さくなるように駆動データ信号dAを補正する。換言すれば、吐出部関連情報が、プリントヘッド3の所定の耐久度数を超えた場合の駆動信号COMの最大電圧値は、吐出部関連情報が、プリントヘッド3の所定の耐久度数を超えていない場合の駆動信号COMの最大電圧値よりも小さい。これにより、プリントヘッド3に過電圧が印加されるおそれが低減される。
また、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3に対して実行されるメンテナンス処理の回数を減らすためのプリントヘッド動作情報信号IHDを生成し、液体吐出装置制御回路81に出力する。換言すれば、吐出部関連情報が、プリントヘッド3の所定の耐久度数を超えた場合に前記プリントヘッドに対して実行されるメンテナンス処理の回数は、吐出部関連情報が、プリントヘッド3の所定の耐久度数を超えていない場合に前記プリントヘッドに対して実行されるメンテナンス処理の回数よりも少ない。これにより、メンテナンス処理によりプリントヘッド3に加わる負荷を低減することができる。
その後、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3が所定の耐久度数を超えており、再生、又は再利用に適さないことを示す警告情報を情報出力機構9に表示させるためのプリントヘッド動作情報信号IHDを生成し、液体吐出装置制御回路81に出力する。そして、液体吐出装置制御回路81は、入力されるプリントヘッド動作情報信号IHDに基づいて、情報出力機構9を制御する。すなわち、プリントヘッド制御回路71は、情報出力機構9から警告情報を報知する(S430)。そして、プリントヘッド制御回路71は、情報出力機構9から警告情報を報知した後、プリントヘッド3の駆動制御が開始しているか否かを判断する(S440)。
また、第1フラグ情報Flag1に保持されている情報に依らず、第2フラグ情報Flag2として“1”が保持され、第3フラグ情報Flag3として“0”が保持されている場合、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3が所定の耐久度数に近づいている旨を示す警告情報を情報出力機構9に表示させるためのプリントヘッド動作情報信号IHDを生成し、液体吐出装置制御回路81に出力する。そして、液体吐出装置制御回路81は、入力されるプリントヘッド動作情報信号IHDに基づいて、情報出力機構9を制御する。すなわち、プリントヘッド制御回路71は、情報出力機構9から警告情報を報知
する(S430)。そして、プリントヘッド制御回路71は、情報出力機構9から警告情報を報知した後、プリントヘッド3の駆動制御が開始しているか否かを判断する(S440)。
また、第1フラグ情報Flag1として“1”が保持され、第2フラグ情報Flag2として“0”が保持され、第3フラグ情報Flag3として“0”が保持されている場合、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3に使用履歴があるものの、再生、又は再利用することが可能であると判断する。そして、プリントヘッド制御回路71は、情報出力機構9から警告情報を報知した後、プリントヘッド3の駆動制御が開始しているか否かを判断する(S440)。
また、第1フラグ情報Flag1として“0”が保持され、第2フラグ情報Flag2として“0”が保持され、第3フラグ情報Flag3として“0”が保持されている場合、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3に使用履歴がないと判断する。そして、プリントヘッド制御回路71は、情報出力機構9から警告情報を報知した後、プリントヘッド3の駆動制御が開始しているか否かを判断する(S440)。
以上のように、プリントヘッド制御回路71は、吐出部関連情報が、プリントヘッド3の所定の耐久度数を超えた場合に情報出力機構9から警告情報を報知する警告動作を行い、吐出部関連情報が、プリントヘッド3の所定の耐久度数を超えていない場合に、情報出力機構9から警告情報を報知する警告動作を行わない。ここで、警告動作とは、情報出力機構9に警告情報を報知することに限られず、音、又は光による警報であってもよく、さらには、上述したプリントヘッド3の駆動を制限することが含まれてもよい。
また、警告情報には、所定の耐久度数に対応する閾値情報を超えた吐出部関連情報が含まれてもよい。すなわち、吐出部関連情報が、プリントヘッド3の所定の耐久度数を超えた場合に吐出部関連情報を出力してもよい。これにより、使用者に対して目視では確認し難いプリントヘッド3の状況を報知することが可能となる。
プリントヘッド3の駆動制御が開始している場合(S440のY)、プリントヘッド制御回路71は、吐出部関連情報の更新処理を行う(S460)。一方、プリントヘッド3の駆動制御が開始してない場合(S440のN)、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3の駆動制御を開始した後(S450)、吐出部関連情報の更新処理を行う(S460)。
図27は、吐出部関連情報の更新処理の一例を示すフローチャート図である。吐出部関連情報の更新処理が開始することで、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3から吐出されるインクが着弾する媒体Pは、新たな印刷面であるか否かを判定する(S461)。プリントヘッド3から吐出されるインクが着弾する媒体Pは、新たな印刷面でない場合(S461のN)、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてから日数が経過したか否かを判定する(S463)。一方、プリントヘッド3から吐出されるインクが着弾する媒体Pが、新たな印刷面である場合(S461のY)、プリントヘッド制御回路71は、現累積印刷面数情報TPnに1を加算した値を、新たな現累積印刷面数情報TPnとして保持し(S462)、その後、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてから日数が経過したか否かを判定する(S463)。
プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けられてから日数が経過していない場合(S463のN)、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3にエラーが発生したか否かを判定する(S465)。一方、プリントヘッド3が液体吐出装置1に組み付けら
れてから日数が経過している場合(S463のY)、プリントヘッド制御回路71は、現経過日数情報LDnに1を加算した値を、新たな現経過日数情報LDnとして保持し(S464)、その後、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3にエラーが発生したか否かを判定する(S465)。
プリントヘッド3にエラーが発生していない場合(S465のN)、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3に搬送エラーが発生したか否かを判定する(S467)。一方、プリントヘッド3にエラーが発生した場合(S465のY)、プリントヘッド制御回路71は、現エラー回数情報ECnに1を加算した値を、新たな現エラー回数情報ECnとして保持し(S466)、その後、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3に搬送エラーが発生したか否かを判定する(S467)。
プリントヘッド3に搬送エラーが発生していない場合(S467のN)、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3にキャッピング処理が実行されたか否かを判定する(S469)。一方、プリントヘッド3に搬送エラーが発生した場合(S467のY)、プリントヘッド制御回路71は、現搬送エラー回数情報CECnに1を加算した値を、新たな現搬送エラー回数情報CECnとして保持し(S468)、その後、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3にキャッピング処理が実行されたか否かを判定する(S469)。
プリントヘッド3にキャッピング処理が実行されていない場合(S469のN)、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3にワイピング処理が実行されたか否かを判定する(S470)。一方、プリントヘッド3にキャッピング処理が実行された場合(S469のY)、プリントヘッド制御回路71は、現キャッピング処理回数情報CPnに1を加算した値を、新たな現キャッピング処理回数情報CPnとして保持し(S470)、その後、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3にワイピング処理が実行されたか否かを判定する(S471)。
プリントヘッド3にワイピング処理が実行されていない場合(S471のN)、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3にクリーニング処理が実行されたか否かを判定する(S473)。一方、プリントヘッド3にワイピング処理が実行された場合(S471のY)、プリントヘッド制御回路71は、現ワイピング処理回数情報WPnに1を加算した値を、新たな現ワイピング処理回数情報WPnとして保持し(S472)、その後、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3にクリーニング処理が実行されたか否かを判定する(S472)。
プリントヘッド3にクリーニング処理が実行されていない場合(S473のN)、
吐出部関連情報の更新処理を終了する。一方、プリントヘッド3にクリーニング処理が実行された場合(S473のY)、プリントヘッド制御回路71は、現クリーニング処理回数情報CLnに1を加算した値を、新たな現クリーニング処理回数情報CLnとして保持し(S474)、その後、吐出部関連情報の更新処理を終了する。
以上のように、吐出部関連情報は、吐出部600の使用に応じて変化する。具体的には、吐出部600の使用に応じて増加する値を含む。なお、本実施形態では、吐出部関連情報に対応する動作が液体吐出装置1、プリントヘッド3、及び吐出部600に生じた場合に、吐出部関連情報の値が増加するとして説明を行ったが、吐出部関連情報は、所定の動作が生じるたびに減少してもよく、その場合、プリントヘッド制御回路71は、対応する値が0となることで各閾値情報に達したと判断してもよい。
図20に戻り、液体吐出装置1は液体吐出駆動処理(S400)を実行した後、プリン
トヘッド制御回路71が保持する吐出部関連情報をメモリー200に書き込むための書込み要求が生じているか否かを判定する(S500)。ここで、プリントヘッド制御回路71がメモリー200に書き込む書込み要求は、プリントヘッド3が同一の液体吐出装置1に組み込まれている状態の任意のタイミングで生じ、例えば、液体吐出装置1に組み込まれるプリントヘッド3の取り外し要求が生じたタイミング、履歴情報が各閾値情報で規定される値を超えたタイミング、及び使用者の操作によりメモリー200への書き込み要求が生じたタイミング等のいずれかで生じてもよい。
プリントヘッド制御回路71が保持する吐出部関連情報をメモリー200に書き込むための書込み要求が生じていない場合(S500のN)、プリントヘッド制御回路71は、液体吐出装置1に供給される電源電圧の遮断要求があるかを判定する(S700)。一方、プリントヘッド制御回路71が保持する吐出部関連情報をメモリー200に書き込むための書込み要求が生じている場合(S500のY)、プリントヘッド制御回路71は、吐出部関連情報書込処理を実行する(S600)。
図28は、吐出部関連情報書き込み処理の一例を示すフローチャート図である。プリントヘッド制御回路71は、累積印刷面数TPに関する情報に含まれる現累積印刷面数情報TPnを、累積印刷面数情報TPcとして、メモリー200の記憶領域M4に書き込み、経過日数LDに関する情報に含まれる現経過日数情報LDnを、経過日数情報LDcとして、メモリー200の記憶領域M8に書き込み、エラー回数ECに関する情報に含まれる現エラー回数情報ECnを、エラー回数情報ECcとして、メモリー200の記憶領域M12に書き込み、搬送エラー回数CECに関する情報に含まれる現搬送エラー回数情報CECnを、搬送エラー回数情報CECcとして、メモリー200の記憶領域M16に書き込み、キャッピング処理回数CPに関する情報に含まれる現キャッピング処理回数情報CPnを、キャッピング処理回数情報CPcとして、メモリー200の記憶領域M20に書き込み、クリーニング処理回数CLに関する情報に含まれる現クリーニング処理回数情報CLnを、クリーニング処理回数情報CLcとして、メモリー200の記憶領域M24に書き込み、ワイピング処理回数WPに関する情報に含まれる現ワイピング処理回数情報WPnを、ワイピング処理回数情報WPcとして、メモリー200の記憶領域M28に書き込む(S610)。これにより、プリントヘッド制御回路71に保持される吐出部関連情報が、メモリー200に記憶され、吐出部関連情報の書込処理が終了する。
以上のように、吐出部関連情報は、プリントヘッド制御回路71に読み出され、吐出部600の使用に応じて変化した後、プリントヘッド制御回路71によって、メモリー200に記憶される。すなわち、メモリー200に記憶されている吐出部関連情報は、吐出部600の使用に応じて変化する。
図20に戻り、プリントヘッド制御回路71による吐出部関連情報の書込処理が完了した後、プリントヘッド制御回路71は、液体吐出装置1に供給される電源電圧の遮断要求があるかを判定する(S700)。そして、液体吐出装置1に供給される電源電圧の遮断要求がない場合(S700のN)、プリントヘッド制御回路71は、吐出部関連情報読出処理(S200)を実行する。一方、液体吐出装置1に供給される電源電圧の遮断要求が生じた場合(S700のY)、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3の駆動制御を停止する(S800)。そして、プリントヘッド3の駆動制御が停止した後、液体吐出装置1への電源電圧の供給が停止される(S900)。
以上のように、本実施形態における液体吐出装置1において、プリントヘッド制御回路71は、メモリー200から吐出部関連情報を読み出す処理を、吐出部600からインクを吐出させる駆動信号Vinをプリントヘッド3に供給する前、プリントヘッド3に電源電圧を供給した後であって、プリントヘッド3に駆動信号Vinを供給する前に行われる
。また、プリントヘッド制御回路71がメモリー200から吐出部関連情報を読み出す処理は、駆動信号Vinをプリントヘッド3に供給する前に行われた後であって、駆動信号Vinをプリントヘッド3に供給した後にも行われてもよい。そして、プリントヘッド制御回路71は、メモリー200から読み出しされた吐出部関連情報に応じて、プリントヘッド3の駆動を変更する。
ここで、メモリーから吐出部か連情報を読み出す処理を実行するプリントヘッド制御回路71が制御部の一例である。
5.作用効果
以上のように、本実施形態におけるプリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3に駆動信号COMを供給する前に、プリントヘッド3の記憶回路200に記憶された吐出部関連情報を読み出す。すなわち、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3の駆動を制御するよりも前に、プリントヘッド3の劣化の度合いや使用状況を把握することができる。したがって、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3の劣化の度合いや使用状況に応じてプリントヘッド3の駆動を制御することが可能となる。すなわち、プリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72は、再利用されるプリントヘッド3を適切に駆動することができる。
また、実施形態におけるプリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3の記憶回路200に記憶されている吐出部600の使用に応じて変化する吐出部関連情報に応じて、プリントヘッド3の駆動を変更する。すなわち、プリントヘッド制御回路71は、プリントヘッド3の吐出部関連情報に基づいてプリントヘッド3の劣化の度合いや使用状況を把握したうえで、プリントヘッド3の駆動を制御する。これにより、プリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72は、再利用されるプリントヘッド3を適切に駆動することができる。
6.変形例
上述した液体吐出装置1、及びプリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含むプリントヘッド駆動回路では、メモリー200に記憶される吐出部関連情報として、累積印刷面数TPに関する情報、経過日数LDに関する情報、エラー回数ECに関する情報、搬送エラー回数CECに関する情報、キャッピング処理回数CPに関する情報、クリーニング処理回数CLに関する情報、及びワイピング処理回数WPに関する情報のそれぞれに対応する3つの閾値情報と、上述の各種処理及び動作が実行された回数を示す履歴情報とが記憶されているとして説明を行ったが、メモリー200に記憶される吐出部関連情報として、履歴情報に変えて、累積印刷面数TPに関する情報、経過日数LDに関する情報、エラー回数ECに関する情報、搬送エラー回数CECに関する情報、キャッピング処理回数CPに関する情報、クリーニング処理回数CLに関する情報、及びワイピング処理回数WPに関する情報のそれぞれに対応する第1フラグ情報Flag1、第2フラグ情報Flag2、及び第3フラグ情報Flag3が記憶されていてもよい。
第1フラグ情報Flag1、第2フラグ情報Flag2、及び第3フラグ情報Flag3は、プリントヘッド3が累積印刷面数TPに関する情報、経過日数LDに関する情報、エラー回数ECに関する情報、搬送エラー回数CECに関する情報、キャッピング処理回数CPに関する情報、クリーニング処理回数CLに関する情報、及びワイピング処理回数WPに関する情報のそれぞれに対応する3つの閾値情報を超えて使用された場合に書き換わる。換言すれば、第1フラグ情報Flag1、第2フラグ情報Flag2、及び第3フラグ情報Flag3は、一度書き換わった場合、再度書き換わらない。そのため、メモリー200が、累積印刷面数TPに関する情報、経過日数LDに関する情報、エラー回数ECに関する情報、搬送エラー回数CECに関する情報、キャッピング処理回数CPに関す
る情報、クリーニング処理回数CLに関する情報、及びワイピング処理回数WPに関する情報のそれぞれに対応する3つの閾値情報と、累積印刷面数TPに関する情報、経過日数LDに関する情報、エラー回数ECに関する情報、搬送エラー回数CECに関する情報、キャッピング処理回数CPに関する情報、クリーニング処理回数CLに関する情報、及びワイピング処理回数WPに関する情報のそれぞれに対応する第1フラグ情報Flag1、第2フラグ情報Flag2、及び第3フラグ情報Flag3と、を吐出部関連情報として記憶することで、メモリー200として、One Time PROMやEPROM等の安価な構成を用いることが可能となる。
また、上記実施形態における液体吐出装置1、及びプリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含むプリントヘッド駆動回路では、メモリー200は、プリントヘッド3の分岐配線基板335に実装される集積回路336に実装されているとして説明を行ったが、図33に示すように、メモリー200がフレキシブル配線基板311に設けられた集積回路312に実装されてもよい。これにより、メモリー200は、ヘッドチップ310毎の使用状況を記憶することが可能となり、再生又は再利用されるプリントヘッド3の使用履歴をより詳細に把握することが可能となる。すなわち、より詳細なプリントヘッドの使用状況を把握することが可能となる。なお、図33に示す変形例では、ヘッドチップ310とメモリー200を含む集積回路312が実装されたフレキシブル配線基板311とがプリントヘッドに相当するとみなすことが出来る。すなわち、図33に示す変形例では、ヘッドチップ310とメモリー200を含む集積回路312が実装されたフレキシブル配線基板311とを含む構成がプリントヘッドの一例である。
また、上記実施形態における液体吐出装置1、及びプリントヘッド制御回路71、及び駆動信号出力回路72を含むプリントヘッド駆動回路において、印刷データ信号SI11とメモリー制御信号MC1とは、プリントヘッド駆動回路基板7に設けられた端子群27aの共通の端子127a−SI11_MC1から出力されるとしたが、図34に示すように、印刷データ信号SI11とメモリー制御信号MC1とがプリントヘッド駆動回路基板7に設けられた端子群27aの異なる端子から出力されていてもよい。この場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することが出来る。
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
上述した実施形態及び変形例から以下の内容が導き出される。
プリントヘッド駆動回路の一態様は、
電圧値が変化する高電圧信号が供給されることで液体を吐出する第1吐出部と、
前記高電圧信号が供給されることで液体を吐出する第2吐出部と、
前記第1吐出部と前記第2吐出部とを含む複数の吐出部を有する吐出部群と、
前記高電圧信号の最大電圧値と比して最大電圧値が低く、電圧値が変化する低電圧ロジック信号に応じて、前記高電圧信号を前記第1吐出部に供給するか否かを切り替える第1スイッチと、
前記低電圧ロジック信号に応じて前記高電圧信号を前記第2吐出部に供給するか否かを切り替える第2スイッチと、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとを含む複数のスイッチを有するスイッチ群と、
メモリーと、
前記高電圧信号が入力される高電圧信号入力端子と、
前記低電圧ロジック信号が入力される低電圧ロジック信号入力端子と、
を備えたプリントヘッドを駆動するプリントヘッド駆動回路であって、
前記低電圧ロジック信号入力端子と電気的に接続された端子から出力信号を出力し、
前記出力信号に応じて、前記プリントヘッドに、前記メモリーに記憶されている情報を読み出す読出処理を実行させ、且つ、前記スイッチ群を切り替えることで前記吐出部群に前記高電圧信号を供給するか否かを制御する吐出制御処理を実行させない、第1モードと、
前記出力信号に応じて、前記プリントヘッドに、前記読出処理を実行させず、且つ、前記吐出制御処理を実行させる、第2モードと、
を有する。
このプリントヘッド駆動回路によれば、プリントヘッドが有するメモリーに記憶された情報を読み出す読出制御は、プリントヘッド駆動回路が出力する出力信号に応じて実行される。したがって、当該メモリーに記録されている情報に基づいてプリントヘッド駆動回路は、プリントヘッドの状態を把握することが可能となる。よってプリントヘッド駆動回路は、再利用されるプリントヘッドを適切に駆動することができる。
また、このプリントヘッド駆動回路によれば、低電圧ロジック信号に入力端子に入力される信号に応じて、メモリーおよび吐出部群に対する制御を同時に実行しない。これにより、メモリーと吐出部群とのそれぞれを制御する信号を伝搬する端子及び配線を個別に設ける必要がない。これにより、プリントヘッド駆動回路に設けられる配線及びコネクターの数を低減することができる。さらに、メモリーと吐出部群とのそれぞれを制御するための配線及びコネクターを共通とできることから、外来ノイズの影響を低減するための回路等も共通化することができる。したがって、プリントヘッド駆動回路が有する基板の小型化が可能となる。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記低電圧ロジック信号は、第1低電圧ロジック信号と、第2低電圧ロジック信号と、
第3低電圧ロジック信号と、を含み、
前記低電圧ロジック信号入力端子は、前記第1低電圧ロジック信号が入力され、Hレベル状態及びLレベル状態の2つの状態を含む第1低電圧ロジック信号入力端子と、前記第2低電圧ロジック信号が入力され、Hレベル状態及びLレベル状態の2つの状態を含む第2低電圧ロジック信号入力端子と、前記第3低電圧ロジック信号が入力され、Hレベル状態及びLレベル状態の2つの状態を含む第3低電圧ロジック信号入力端子と、を含み、
前記第1モードにおいて、前記第2低電圧ロジック信号入力端子がHレベル状態となる信号を出力し、且つ、前記第3低電圧ロジック信号入力端子がHレベル状態となる信号を出力し、且つ、前記第1低電圧ロジック信号入力端子がHレベル状態とLレベル状態とで変化する信号を出力し、
前記第2モードにおいて、前記第2低電圧ロジック信号入力端子及び前記第3低電圧ロジック信号入力端子が同時にHレベル状態となることがない信号を出力してもよい。
このプリントヘッド駆動回路によれば、プリントヘッドが、低電圧ロジック信号入力端子として、Hレベル状態とLレベル状態との2つの状態を有する第1低電圧ロジック信号入力端子、Hレベル状態とLレベル状態との2つの状態を有する第2低電圧ロジック信号
入力端子、及びHレベル状態とLレベル状態との2つの状態を有する第3低電圧ロジック信号入力端子とを有し、プリントヘッド駆動回路が、第2低電圧ロジック信号入力端子の状態と第3低電圧ロジック信号入力端子の状態との組み合わせによって、プリントヘッドにおける読出処理と吐出制御処理とを実行させる。これにより、専用の切替信号配線や端子を必要とせず、よって、プリントヘッド駆動回路に設けられる配線及びコネクターの数をさらに低減することができる。したがって、プリントヘッド駆動回路が有する基板のさらなる小型化が可能となる。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記第1モードにおいて、前記第1低電圧ロジック信号入力端子に前記読出処理を実行させる信号を出力してもよい。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記第2モードにおいて、前記スイッチ群を切り替えることで前記吐出部群に前記高電圧信号を供給するか否かを切り替える前記第1低電圧ロジック信号を出力してもよい。
このプリントヘッド駆動回路によれば、吐出制御処理が実行される場合において、HレベルとLレベルとが切り替わる頻度の高い信号と、メモリーに対して読出制御を実行させる場合に、HレベルとLレベルとが切り替わる信号とが、同じ端子に接続する配線により伝達されることで、吐出制御処理が実行される場合において、HレベルとLレベルとが切り替わる頻度の高い信号と、メモリーに対して読出制御を実行させる場合に、HレベルとLレベルとが切り替わる信号とが同時に出力されず、その結果、吐出制御処理が実行される場合において、HレベルとLレベルとが切り替わる頻度の高い信号と、メモリーに対して読出制御を実行させる場合に、HレベルとLレベルとが切り替わる信号とが互いに干渉するおそれが低減される。よって、安定した信号の伝搬が可能となる。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記第2モードにおいて、前記吐出部群から液体が吐出される吐出タイミングを規定する前記第2低電圧ロジック信号を出力してもよい。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記高電圧信号は、前記吐出部群から吐出される液体の量に応じた第1電圧波形と第2電圧波形とを含み、
前記第2モードにおいて、前記第1電圧波形と前記第2電圧波形との切り替えタイミングを規定する前記第3低電圧ロジック信号を出力してもよい。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記読出処理は、前記プリントヘッドに電源電圧を供給した後であって、前記吐出部群から液体を吐出させる前記高電圧信号が前記吐出部群に供給される前に実行されてもよい。
このプリントヘッド駆動回路によれば、メモリーに保持されている情報を読み出す読出処理を、プリントヘッドに高電圧信号を供給する前に行うことで、プリントヘッドに高電圧信号を出力するよりも前に、プリントヘッドの状態を把握することが可能となる。その結果、プリントヘッドの状態に適さない高電圧信号がプリントヘッドに供給されるおそれが低減する。よって、再利用されるプリントヘッドをより適切な駆動条件の下で駆動することができる。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記読出処理は、前記高電圧信号を前記プリントヘッドに供給した後にも実行されても
よい。
このプリントヘッド駆動回路によれば、メモリーに保持されている情報を読み出す読出処理を、高電圧信号をプリントヘッドに供給した後にも行うことで、プリントヘッドの吐出動作により生じた状態の変化に応じた適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
再生又は再利用された前記プリントヘッドを駆動してもよい。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記メモリーには、前記吐出部群の使用に応じて増加する吐出部関連情報が保持されていてもよい。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記吐出部関連情報は、累積印刷面数に関する値を含んでもよい。
プリントヘッドの吐出特性が変化する要因の1つに液体の吐出回数に起因した劣化が挙げられる。特に搬送される媒体に対して液体を吐出する場合、プリントヘッドと媒体とが微接触するおそれがあり、仮にプリントヘッドと媒体とが微接触した場合、例えば、プリントヘッドに塗布形成されている撥水膜が消耗するおそれがある。このプリントヘッド駆動回路によれば、累積印刷面数に関する吐出部関連情報をメモリーに記録しておくことで、累積印刷面数に関する吐出部関連情報に基づいて、目視で確認することが困難な吐出部群の状態を把握することが可能となり、したがって、吐出部群の状態に応じてプリントヘッドを駆動することが可能となる。よって、プリントヘッドの状態に応じた適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記吐出部関連情報は、経過日数に関する値を含んでもよい。
このプリントヘッド駆動回路によれば、プリントヘッドに含まれる経年劣化が生じるおそれのある部品の劣化の程度を把握することが可能となる。したがって、部品の劣化の程度に応じた適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記吐出部関連情報は、前記プリントヘッドに生じたエラーの情報に関する値を含んでもよい。
このプリントヘッド駆動回路によれば、プリントヘッドに生じたエラーの情報を吐出部関連としてメモリーに記憶しておくことで、エラーにより生じたプリントヘッドに対するストレスの程度を把握することが可能となる。したがって、過去に加わったストレスに起因したプリントヘッドへの影響を加味した適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記吐出部関連情報は、メンテナンス処理に関する値を含んでもよい。
プリントヘッドに実施したメンテナンス処理の回数が少ない場合、プリントヘッドの劣化の程度は低く、一方で、メンテナンス処理の回数が多い場合、プリントヘッドの劣化の程度は高いことが推測できる。したがって、プリントヘッドに実施したメンテナンス処理
の回数に基づいてプリントヘッドの劣化の程度を把握することが可能となる。すなわち、このプリントヘッド駆動回路によれば、プリントヘッドの劣化の程度に応じた適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記メンテナンス処理は、キャッピング処理を含んでもよい。
メンテナンス処理の1つでるキャッピング処理は、プリントヘッドの吐出部群に直接キャップを取り付けるが故に、吐出部群を劣化させるおそれが高い。メンテナンス処理の1つとしてキャッピング処理に関する値を吐出部関連情報として記録することで、より詳細なプリントヘッドの状態を把握することが可能となる。よって、このプリントヘッド駆動回路によれば、プリントヘッドの劣化の程度に応じたより適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記メンテナンス処理は、クリーニング処理を含んでもよい。
メンテナンス処理の1つであるフラッシングやワイピング等のクリーニング処理をプリントヘッドに実施した場合、プリントヘッドに対する負荷が大きくなり、その結果、クリーニング処理の実施の程度によってプリントヘッドの劣化の程度が異なる。このようなクリーニング処理に関する値を吐出部関連情報として記憶することで、より詳細なプリントヘッドの状態を把握することが可能となる。よって、このプリントヘッド駆動回路によれば、プリントヘッドの劣化の程度に応じたより適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記メンテナンス処理は、ワイピング処理を含んでもよい。
ワイピング処理は、プリントヘッドの吐出部群を直接拭き取るが故に、ワイピング処理の実施の回数によって、吐出部群の劣化の程度が異なり、液体の吐出特性に影響を及ぼす可能性がある。このようなワイピング処理に関する値を吐出部関連情報として記憶することで、より詳細なプリントヘッドの状態を把握することが可能となる。よって、このプリントヘッド駆動回路によれば、プリントヘッドの劣化の程度に応じたより適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記吐出部関連情報は、前記プリントヘッドの使用履歴に関する値を含んでもよい。
このプリントヘッド駆動回路によれば、プリントヘッドの使用履歴が吐出部関連情報として記録されているが故に、目視で確認することができないプリントヘッドが未使用品であるのか、再利用品であるのかを容易に識別することができる。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
制御部を有し、
前記制御部は、前記プリントヘッドに前記読出処理を実行させてもよい。
前記プリントヘッド駆動回路の一態様において、
前記制御部は、前記読出処理により読み出された情報に基づいた前記高電圧信号を出力してもよい。
液体吐出装置の一態様は、
プリントヘッドと、
前記プリントヘッドを駆動するプリントヘッド駆動回路と、
備え、
前記プリントヘッドは、
電圧値が変化する高電圧信号が供給されることで液体を吐出する第1吐出部と、
前記高電圧信号が供給されることで液体を吐出する第2吐出部と、
前記第1吐出部と前記第2吐出部とを含む複数の吐出部を有する吐出部群と、
前記高電圧信号の最大電圧値と比して最大電圧値が低く、電圧値が変化する低電圧ロジック信号に応じて、前記高電圧信号を前記第1吐出部に供給するか否かを切り替える第1スイッチと、
前記低電圧ロジック信号に応じて前記高電圧信号を前記第2吐出部に供給するか否かを切り替える第2スイッチと、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとを含む複数のスイッチを有するスイッチ群と、
メモリーと、
前記高電圧信号が入力される高電圧信号入力端子と、
前記低電圧ロジック信号が入力される低電圧ロジック信号入力端子と、
を有し、
前記プリントヘッド駆動回路は、
前記低電圧ロジック信号入力端子と電気的に接続された端子から出力信号を出力し、
前記出力信号に応じて、前記プリントヘッドに、前記メモリーに記憶されている情報を読み出す読出処理を実行させ、且つ、前記スイッチ群を切り替えることで前記吐出部群に前記高電圧信号を供給するか否かを制御する吐出制御処理を実行させない、第1モードと、
前記出力信号に応じて、前記プリントヘッドに、前記読出処理を実行させ、且つ、前記吐出制御処理を実行させる、第2モードと、
を有する。
この液体吐出装置によれば、プリントヘッドが有するメモリーに記憶された情報を読み出す読出制御は、プリントヘッド駆動回路が出力する出力信号に応じて実行される。したがって、当該メモリーに記録されている情報に基づいてプリントヘッド駆動回路は、プリントヘッドの状態を把握することが可能となる。よってプリントヘッド駆動回路は、再利用されるプリントヘッドを適切に駆動することができる。
また、この液体吐出装置によれば、低電圧ロジック信号に入力端子に入力される信号に応じて、メモリーおよび吐出部群に対する制御を同時に実行しない。これにより、メモリーと吐出部群とのそれぞれを制御する信号を伝搬する端子及び配線を個別に設ける必要がない。これにより、プリントヘッド駆動回路に設けられる配線及びコネクターの数を低減することができる。さらに、メモリーと吐出部群とのそれぞれを制御するための配線及びコネクターを共通とできることから、外来ノイズの影響を低減するための回路等も共通化することができる。したがって、プリントヘッド駆動回路が有する基板の小型化が可能となる。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記低電圧ロジック信号は、第1低電圧ロジック信号と、第2低電圧ロジック信号と、第3低電圧ロジック信号と、を含み、
前記低電圧ロジック信号入力端子は、前記第1低電圧ロジック信号が入力され、Hレベル状態及びLレベル状態の2つの状態を含む第1低電圧ロジック信号入力端子と、前記第2低電圧ロジック信号が入力され、Hレベル状態及びLレベル状態の2つの状態を含む第2低電圧ロジック信号入力端子と、前記第3低電圧ロジック信号が入力され、Hレベル状態及びLレベル状態の2つの状態を含む第3低電圧ロジック信号入力端子と、を含み、
前記プリントヘッド駆動回路は、
前記第1モードにおいて、前記第2低電圧ロジック信号入力端子がHレベル状態となる信号を出力し、且つ、前記第3低電圧ロジック信号入力端子がHレベル状態となる信号を出力し、且つ、前記第1低電圧ロジック信号入力端子がHレベル状態とLレベル状態とで変化する信号を出力し、
前記第2モードにおいて、前記第2低電圧ロジック信号入力端子及び前記第3低電圧ロジック信号入力端子が同時にHレベル状態となることがない信号を出力してもよい。
この液体吐出装置によれば、プリントヘッドが、低電圧ロジック信号入力端子として、Hレベル状態とLレベル状態との2つの状態を有する第1低電圧ロジック信号入力端子、Hレベル状態とLレベル状態との2つの状態を有する第2低電圧ロジック信号入力端子、及びHレベル状態とLレベル状態との2つの状態を有する第3低電圧ロジック信号入力端子とを有し、プリントヘッド駆動回路が、第2低電圧ロジック信号入力端子の状態と第3低電圧ロジック信号入力端子の状態との組み合わせによって、プリントヘッドにおける読出処理と吐出制御処理とを実行させる。これにより、専用の切替信号配線や端子を必要とせず、よって、プリントヘッド駆動回路に設けられる配線及びコネクターの数をさらに低減することができる。したがって、プリントヘッド駆動回路が有する基板のさらなる小型化が可能となる。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記第1モードにおいて、前記第1低電圧ロジック信号入力端子に前記読出処理を実行させる信号を出力してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記プリントヘッド駆動回路は、
前記第2モードにおいて、前記スイッチ群を切り替えることで前記吐出部群に前記高電圧信号を供給するか否かを切り替える前記第1低電圧ロジック信号を出力してもよい。
この液体吐出装置によれば、吐出制御処理が実行される場合において、HレベルとLレベルとが切り替わる頻度の高い信号と、メモリーに対して読出制御を実行させる場合に、HレベルとLレベルとが切り替わる信号とが、同じ端子に接続する配線により伝達されることで、吐出制御処理が実行される場合において、HレベルとLレベルとが切り替わる頻度の高い信号と、メモリーに対して読出制御を実行させる場合に、HレベルとLレベルとが切り替わる信号とが同時に出力されず、その結果、吐出制御処理が実行される場合において、HレベルとLレベルとが切り替わる頻度の高い信号と、メモリーに対して読出制御を実行させる場合に、HレベルとLレベルとが切り替わる信号とが互いに干渉するおそれが低減される。よって、安定した信号の伝搬が可能となる。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記プリントヘッド駆動回路は、
前記第2モードにおいて、前記吐出部群から液体が吐出される吐出タイミングを規定する前記第2低電圧ロジック信号を出力してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記高電圧信号は、前記吐出部群から吐出される液体の量に応じた第1電圧波形と第2電圧波形とを含み、
前記プリントヘッド駆動回路は、
前記第2モードにおいて、前記第1電圧波形と前記第2電圧波形との切り替えタイミン
グを規定する前記第3低電圧ロジック信号を出力してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記読出処理は、前記プリントヘッドに電源電圧を供給した後であって、前記吐出部群から液体を吐出させる前記高電圧信号が前記吐出部群に供給される前に実行されてもよい。
この液体吐出装置によれば、メモリーに保持されている情報を読み出す読出処理を、プリントヘッドに高電圧信号を供給する前に行うことで、プリントヘッドに高電圧信号を出力するよりも前に、プリントヘッドの状態を把握することが可能となる。その結果、プリントヘッドの状態に適さない高電圧信号がプリントヘッドに供給されるおそれが低減する。よって、再利用されるプリントヘッドをより適切な駆動条件の下で駆動することができる。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記読出処理は、前記高電圧信号を前記プリントヘッドに供給した後にも実行されてもよい。
この液体吐出装置によれば、前記吐出部関連情報を読み出す処理を、メモリーに保持されている情報を読み出す読出処理を、高電圧信号をプリントヘッドに供給した後にも行うことで、プリントヘッドの吐出動作により生じた状態の変化に応じた適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記プリントヘッド駆動回路は、再生又は再利用された前記プリントヘッドを駆動してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記メモリーには、前記吐出部群の使用に応じて増加する吐出部関連情報が保持されていてもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記吐出部関連情報は、累積印刷面数に関する値を含んでもよい。
プリントヘッドの吐出特性が変化する要因の1つに液体の吐出回数に起因した劣化が挙げられる。特に搬送される媒体に対して液体を吐出する場合、プリントヘッドと媒体とが微接触するおそれがあり、仮にプリントヘッドと媒体とが微接触した場合、例えば、プリントヘッドに塗布形成されている撥水膜が消耗するおそれがある。このプリントヘッド駆動回路によれば、累積印刷面数に関する吐出部関連情報をメモリーに記録しておくことで、累積印刷面数に関する吐出部関連情報に基づいて、目視で確認することが困難な吐出部群の状態を把握することが可能となり、したがって、吐出部群の状態に応じてプリントヘッドを駆動することが可能となる。よって、プリントヘッドの状態に応じた適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記吐出部関連情報は、経過日数に関する値を含んでもよい。
この液体吐出装置によれば、プリントヘッドに含まれる経年劣化が生じるおそれのある部品の劣化の程度を把握することが可能となる。したがって、部品の劣化の程度に応じた適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記吐出部関連情報は、前記プリントヘッドに生じたエラーの情報に関する値を含んでもよい。
この液体吐出装置によれば、プリントヘッドに生じたエラーの情報を吐出部関連としてメモリーに記憶しておくことで、エラーにより生じたプリントヘッドに対するストレスの程度を把握することが可能となる。したがって、過去に加わったストレスに起因したプリントヘッドへの影響を加味した適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記吐出部関連情報は、メンテナンス処理に関する値を含んでもよい。
プリントヘッドに実施したメンテナンス処理の回数が少ない場合、プリントヘッドの劣化の程度は低く、一方で、メンテナンス処理の回数が多い場合、プリントヘッドの劣化の程度は高いことが推測できる。したがって、プリントヘッドに実施したメンテナンス処理の回数に基づいてプリントヘッドの劣化の程度を把握することが可能となる。すなわち、この液体吐出装置によれば、プリントヘッドの劣化の程度に応じた適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記メンテナンス処理は、キャッピング処理を含んでもよい。
メンテナンス処理の1つでるキャッピング処理は、プリントヘッドの吐出部群に直接キャップを取り付けるが故に、吐出部群を劣化させるおそれが高い。メンテナンス処理の1つとしてキャッピング処理に関する値を吐出部関連情報として記録することで、より詳細なプリントヘッドの状態を把握することが可能となる。よって、この液体吐出装置によれば、プリントヘッドの劣化の程度に応じたより適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記メンテナンス処理は、クリーニング処理を含んでもよい。
メンテナンス処理の1つであるフラッシングやワイピング等のクリーニング処理をプリントヘッドに実施した場合、プリントヘッドに対する負荷が大きくなり、その結果、クリーニング処理の実施の程度によってプリントヘッドの劣化の程度が異なる。このようなクリーニング処理に関する値を吐出部関連情報として記憶することで、より詳細なプリントヘッドの状態を把握することが可能となる。よって、この液体吐出装置によれば、プリントヘッドの劣化の程度に応じたより適切な駆動条件の下でプリントヘッド駆動することができる。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記メンテナンス処理は、ワイピング処理を含んでもよい。
ワイピング処理は、プリントヘッドの吐出部群を直接拭き取るが故に、ワイピング処理の実施の回数によって、吐出部群の劣化の程度が異なり、液体の吐出特性に影響を及ぼす可能性がある。このようなワイピング処理に関する値を吐出部関連情報として記憶することで、より詳細なプリントヘッドの状態を把握することが可能となる。よって、この液体吐出装置によれば、プリントヘッドの劣化の程度に応じたより適切な駆動条件の下でプリ
ントヘッド駆動することができる。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記吐出部関連情報は、前記プリントヘッドの使用履歴に関する値を含んでもよい。
この液体吐出装置によれば、プリントヘッドの使用履歴が吐出部関連情報として記録されているが故に、目視で確認することができないプリントヘッドが未使用品であるのか、再利用品であるのかを容易に識別することができる。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記プリントヘッド駆動回路は、制御部を有し、
前記制御部は、前記プリントヘッドに前記読出処理を実行させてもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記制御部は、前記読出処理により読み出された情報に基づいた前記高電圧信号を出力してもよい。