図により記録材判別装置を備えた画像形成装置の一実施形態を具体的に説明する。
[第1実施形態]
先ず、図1〜図9を用いて記録材判別装置を備えた画像形成装置の第1実施形態の構成について説明する。本実施形態では、電子写真方式の画像形成装置1に搭載された記録材判別装置9の一例について説明する。
<画像形成装置>
先ず、図1を用いて記録材判別装置9を備えた画像形成装置1の構成について説明する。図1は記録材判別装置9を備えた画像形成装置1の構成を示す断面説明図である。図1において、2は、紙等の記録材Pを収納する給送カセットである。3は、画像形成装置1の画像形成動作を制御する制御手段となる制御部である。4は、給送カセット2から記録材Pを給送する給送ローラである。
7は、給送された記録材Pを搬送する搬送ローラである。11Y,11M,11C,11Kは、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの各色の現像剤(トナー)をそれぞれ表面上に担持する像担持体となる感光ドラムである。尚、説明の都合上、各感光ドラム11Y,11M,11C,11Kを代表して単に感光ドラム11を用いて説明する場合もある。他の画像形成プロセス手段についても同様である。
各感光ドラム11は、画像形成装置1本体内に設けられた図示しない駆動源となるモータから回転駆動力が伝達されて図1の矢印a方向に回転駆動される
12Y,12M,12C,12Kは、各感光ドラム11Y,11M,11C,11Kの表面を一様に所定の電位に帯電するための帯電手段となる帯電ローラである。13Y,13M,13C,13Kは、各帯電ローラ12によって一様に帯電された各感光ドラム11の表面上に各色の画像データに対応したレーザ光13aを照射して静電潜像を形成するための像露光手段となるレーザスキャナである。
14Y,14M,14C,14Kは、各感光ドラム11の表面上に形成された静電潜像に現像剤(トナー)を供給して現像して可視化するための現像手段となる現像装置である。15Y,15M,15C,15Kは、各現像装置14に回転可能に設けられ、該現像装置14内に収容された現像剤(トナー)を各感光ドラム11の表面に形成された静電潜像に供給して現像するための現像ローラである。
16Y,16M,16C,16Kは、各感光ドラム11の表面上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト17の外周面上に一次転写するための一次転写手段となる一次転写ローラである。中間転写ベルト17は、各一次転写ローラ16により各感光ドラム11の表面上から順次、一次転写された各色のトナー像を重畳して担持する。中間転写ベルト17は、駆動ローラ18、テンションローラ25、二次転写対向ローラ20により回転移動可能に張架されている。
駆動ローラ18は、画像形成装置1本体内に設けられた図示しない駆動源となるモータから回転駆動力が伝達されて中間転写ベルト17を図1の矢印b方向に回転駆動する。テンションローラ25は、中間転写ベルト17にテンション(張力)を付与する。二次転写対向ローラ20に巻回された中間転写ベルト17を介在して二次転写手段となる二次転写ローラ19が対向して設けられている。二次転写ローラ19は、中間転写ベルト17の外周面上に一次転写されたトナー像を記録材Pに二次転写する。
21は定着手段となる定着装置である。定着装置21は、中間転写ベルト17の外周面上のトナー像が二次転写された記録材Pを定着ローラと加圧ローラとにより挟持搬送する際に加熱及び加圧する。これにより記録材P上に二次転写されたトナー像を該記録材Pの表面上に溶融定着させる。
22は、定着装置21によってトナー像が定着された記録材Pを排出トレイ26上に排出する排出ローラである。27は、記録材Pの両面に印刷を行なう際に記録材Pを両面パス10に再給送するスイッチバックローラである。
制御部3には、CPU(Central Processing Unit;中央演算装置)80が設けられている。CPU80により画像形成装置1の画像形成動作が一括して制御される。図示しないホストコンピュータ等から制御部3に印刷命令や画像情報等を含んだ印刷データが入力される。すると、画像形成装置1は画像形成動作を開始する。給送カセット2の昇降可能な図示しない中板上に積載された記録材Pは、給送ローラ4によって繰り出され、図示しない分離手段との協働により一枚ずつ分離給送されて搬送パス8に送り出される。記録材Pは、中間転写ベルト17の外周面上のトナー像の位置と、搬送タイミングとが同期されて給送ローラ4と搬送ローラ7とによって連続的に給送される。
<画像形成動作>
記録材Pが給送ローラ4と搬送ローラ7とによって給送される動作と同期して前述した画像形成手段により記録材Pにトナー画像を形成する以下の一連の画像形成動作が行なわれる。先ず、各帯電ローラ12により各感光ドラム11の表面が一定の電位に帯電される。制御部3に入力された印刷データに基づいて各レーザスキャナ13から出射されたレーザ光13aが各帯電ローラ12により一様に帯電された各感光ドラム11の表面に露光走査され、各感光ドラム11の表面に静電潜像が形成される。
各現像装置14の各現像ローラ15により各感光ドラム11の表面に形成された静電潜像に現像剤(トナー)が供給されて現像され、各色のトナー像として可視化される。各感光ドラム11の表面は、中間転写ベルト17の外周面と接触している。各感光ドラム11は、中間転写ベルト17の図1の矢印b方向の回転移動と同期して図1の矢印a方向に回転する。
各感光ドラム11の表面上に現像された各色のトナー像は、中間転写ベルト17の内周面側に設けられた各一次転写ローラ16により該中間転写ベルト17の外周面上に順次重畳して一次転写される。中間転写ベルト17の外周面上に一次転写された後の各感光ドラム11の表面上に残ったトナーは、図示しないクリーニング手段に設けられたクリーニングブレードにより掻き取って回収し、次の画像形成に供される。
各感光ドラム11の表面上から中間転写ベルト17の外周面上に重畳して一次転写されたトナー像(カラー画像)は、記録材P上に二次転写される。中間転写ベルト17の外周面上のトナー像は、二次転写ローラ19と二次転写対向ローラ20とが対向する二次転写ニップ部Nまで中間転写ベルト17の回転とともに移動する。その後、該二次転写ニップ部Nまで搬送された記録材P上に二次転写される。
記録材Pに二次転写されたトナー像は、定着ローラと加圧ローラとにより構成される定着装置21によって加熱及び加圧されることにより記録材P上に溶融定着される。トナー像が定着された後の記録材Pは、排出ローラ22及びスイッチバックローラ27により挟持搬送されて排出トレイ26上に排出され、通常の画像形成動作を終了する。
また、中間転写ベルト17の外周面上には、クリーニング手段となるクリーニング装置36に設けられた清掃部材となるクリーニングブレード35が当接されている。記録材Pに二次転写された後の中間転写ベルト17の外周面上に残ったトナーをクリーニングブレード35により掻き取って回収し、次の画像形成に供される。
画像形成装置1において、記録材Pの両面に印刷するときは、一面目の画像形成動作を終えた記録材Pは、排出ローラ22及びスイッチバックローラ27により挟持搬送されて該記録材Pの一部が画像形成装置1本体の外に排出される。その後、図示しない両面フラッパを記録材Pの後端部が通過したとき、該両面フラッパが図1の点線で示す両面パス10に切り替えられ、記録材Pの一部を挟持したスイッチバックローラ27が逆回転して該記録材Pが両面パス10に搬送される。
その後、搬送ローラ33,34により両面パス10内を搬送されて反転し、搬送ローラ7により再給送される。そして、記録材Pの一面目の画像形成動作と同様に二面目の画像形成動作を行なった後、該記録材Pは、排出ローラ22及びスイッチバックローラ27により挟持搬送されて排出トレイ26上に排出され、両面の画像形成動作を終了する。
また、画像形成装置1の側面部に設けられた手差しトレイ28上に積載された記録材Pの画像形成が指示される。すると、手差しトレイ28上に積載された記録材Pは図示しない給送ローラにより給送されて両面パス10に合流する。そして、前述したと同様に画像形成動作を行なった後、該記録材Pは、排出ローラ22及びスイッチバックローラ27により挟持搬送されて排出トレイ26上に排出され、画像形成動作を終了する。
<記録材判別装置>
次に図1〜図4を用いて記録材判別装置9の構成について説明する。図1に示すように、記録材搬送路となる搬送パス8上の二次転写ローラ19と二次転写対向ローラ20とが対向する二次転写ニップ部Nよりも記録材Pの搬送方向上流側には、記録材判別装置9が設けられている。本実施形態の記録材判別装置9は、搬送パス8上を搬送される記録材Pの表面状態(透明度、色、表面粗さ等)と坪量とを検知して記録材Pの種類を判別する。
図1に示すように、本実施形態の記録材判別装置9は、発信部となる送信部31と、受信部32とを有する。送信部31と、受信部32とは、保持部材となるレジストレーションユニット300内で記録材Pを搬送する搬送パス8を挟むように設けられる。搬送パス8の一方側には、超音波を送信する送信部31が設けられている。該搬送パス8の他方側には、該送信部31から送信された超音波を受信する受信部32が設けられている。
本実施形態の記録材判別装置9は、発信部となる送信部31と、受信部32とが記録材搬送路となる搬送パス8を挟んで互いに対向するように配置される。
図2(a)は記録材判別装置9の送信部31の構成を示す正面図である。図2(b)は記録材判別装置9の送信部31の構成を示す側面図である。図2(c)は記録材判別装置9の送信部31の構成を示す平面図である。図3(a)は記録材判別装置9の受信部32の構成を示す正面図である。図3(b)は記録材判別装置9の受信部32の構成を示す側面図である。図3(c)は記録材判別装置9の受信部32の構成を示す平面図である。
図2(a)〜(c)に示すように、記録材判別装置9の送信部31は、電気基板31aに超音波送信装置31bが実装されて構成されている。また、図3(a)〜(c)に示すように、記録材判別装置9の受信部32には、超音波受信装置32aと、光照射部32bとが設けられている。光照射部32bには、図示しない発光部と受光部とが設けられおり、該発光部から発光した光が搬送パス8を搬送される記録材Pの表面に反射して受光部に受光される。
受光部に受光された反射光の光量や分布特性に基づいて制御部3により記録材Pの表面状態を検知する。光照射部32bの受光部に受光された反射光の光量や分布特性と、記録材Pの表面状態との関係を予め記憶手段となるメモリ29に記憶しておく。これにより制御部3は、光照射部32bの受光部に受光された反射光の光量や分布特性に基づいて記録材Pの表面状態を検知することができる。
図4(a)は記録材判別装置9の送信部31と受信部32との構成を図1の二次転写ニップ部Nの方向から見た平面説明図である。図4(b)は記録材判別装置9の送信部31に設けられた超音波送信装置31bと、受信部32に設けられた超音波受信装置32aとの構成を示す側面説明図である。図4(c)は記録材判別装置9の受信部32に設けられた光照射部32bと、圧接部材となる押圧コロ32cとの構成を示す側面説明図である。
図4(a),(b)に示すように、送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとは、記録材Pが搬送される搬送パス8を介在して対向して配置されている。また、図4(a),(c)に示すように、受信部32の光照射部32bに対向して押圧コロ32cが回転自在に設けられている。該押圧コロ32cの回転軸32dは、付勢手段となる一対の押圧バネ32sにより付勢力を受けて受信部32の光照射部32bに向かう方向に押圧されている。
押圧コロ32cは、図7に示す第二のガイド部材となる揺動ガイド302に回転自在に軸支されている。レジストレーションローラ5及び従動ローラ6により記録材Pが挟持されて搬送パス8を図7の矢印Z方向に搬送される。記録材Pの搬送力は、該記録材Pの表面と押圧コロ32cの表面との摩擦力を介して該押圧コロ32cに伝達されて該押圧コロ32cが図7の矢印R2方向に従動回転する。
図4(a)に示す送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとは、機械的変位と電気信号との相互変換素子である圧電素子(ピエゾ素子)と、電極端子とを有して同様に構成される。送信部31の超音波送信装置31bでは、電極端子に所定周波数のパルス電圧を入力する。すると、圧電素子が発振して超音波が発生されて空気中を伝搬する。送信部31の超音波送信装置31bから発信された超音波が搬送パス8を搬送される記録材Pに到達すると、超音波によって記録材Pが超音波振動する。
送信部31の超音波送信装置31bから発信された超音波が記録材Pを介して受信部32の超音波受信装置32aに受信される。該超音波受信装置32aに設けられた圧電素子は、記録材Pの坪量(記録材Pの単位面積当たりの質量(g/m2))に応じて、受信した超音波の振幅に応じた出力電圧を電極端子に発生させる。超音波受信装置32aの電極端子に発生する出力電圧に基づいて制御部3により記録材Pの坪量を検知する。超音波受信装置32aの電極端子に発生する出力電圧と、記録材Pの坪量との関係を予め記憶手段となるメモリ29に記憶しておくことで、制御部3は、超音波受信装置32aの電極端子に発生する出力電圧に基づいて記録材Pの坪量を検知することができる。
制御部3は、図4(a)に示す送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとの間で、搬送パス8を搬送される記録材Pを介して超音波を送受信することにより該記録材Pの坪量を検知する。更に、制御部3は、図4(a)に示す光照射部32bに設けられた発光部から発光した光が搬送パス8を搬送される記録材Pの表面に反射して受光部に受光された反射光の光量や分布特性に基づいて記録材Pの表面状態を検知する。
そして、記録材Pの坪量と、表面状態とに基づいて搬送パス8を搬送される記録材Pの種類を判別することができる。記録材Pの坪量と、表面状態と、記録材Pの種類との関係を予め記憶手段となるメモリ29に記憶しておくことで、制御部3は、搬送パス8を搬送される記録材Pの坪量と、表面状態とに基づいて記録材Pの種類を判別することができる。
例えば、記録材Pの種類としては、薄紙(坪量:64g/m2以下)、普通紙(坪量:65g/m2〜105g/m2)が使用される。更に、中厚紙(坪量:106g/m2〜135g/m2)、大厚紙(坪量:136/m2以上)が使用される。更に、グロス紙(光沢紙)、グロスフィルム、OHT(Over Head Transparency)シート(OHP(Over Head Projector)に使用される透明なシート)等が使用される。
例えば、坪量が大きい記録材Pは、受信部32の超音波受信装置32aの電極端子に発生する出力電圧が小さい。一方、坪量が小さい記録材Pは、受信部32の超音波受信装置32aの電極端子に発生する出力電圧が大きくなる。制御部3は、受信部32の超音波受信装置32aの電極端子に発生する出力電圧に基づいて記録材Pの属性の一つである坪量を判定し、該記録材Pの種類を判別するためのパラメータの一つとすることが出来る。
また、制御部3は、光照射部32bに設けられた発光部から発光した光が搬送パス8を搬送される記録材Pの表面に反射して受光部に受光された反射光の光量によって記録材Pが透明なOHTシートであるか否かを判別することが出来る。OHTシートは、透明であり光の透過率が、紙等の他の記録材Pに比べて大幅に高い。このため記録材Pの表面に反射して受光部に受光された反射光の光量は、紙等の他の記録材Pに比べて大幅に小さくなる。従って、記録材Pの表面に反射して光照射部32bの受光部に受光された反射光の光量に基づいて制御部3は、搬送パス8を搬送される記録材PがOHTシートか、或いは、紙等の他の記録材Pであるかの判定ができる。
また、記録材Pの種類によって表面の繊維の粗密度状態が異なる。記録材Pの表面の白色度、記録材Pの表面の色、記録材Pの表面の紙の繊維の粗密度状態によっても光照射部32bに設けられた発光部から発光した光が搬送パス8を搬送される記録材Pの表面に反射して受光部に受光された反射光の光量や分布特性が異なる。
制御部3は、光照射部32bに設けられた発光部から発光した光が搬送パス8を搬送される記録材Pの表面に反射して受光部に受光された反射光の光量や分布特性に基づいて記録材Pの種類を判別できる。例えば、記録材Pの表面の紙の繊維が粗いラフ紙(表面の平滑度が低い)が判別できる。更に、記録材Pが一般に使用される普通紙(ラフ紙よりも表面の平滑度が高い)が判別できる。更に、記録材Pの表面の紙の繊維の圧縮が十分になされているグロス紙(光沢紙)(普通紙よりも表面の平滑度が高い)が判別できる。
このように、制御部3は、光照射部32bに設けられた発光部から発光した光が搬送パス8を搬送される記録材Pの表面に反射して受光部に受光された反射光の光量や分布特性に基づいて記録材Pの表面の紙の繊維状態(表面状態)の違いを検知する。そして、記録材Pの種類を判別するためのパラメータの一つとすることができる。
制御部3は、図4(a)に示す受信部32の超音波受信装置32aの電極端子に発生する出力電圧に基づいて得られた記録材Pの坪量を考慮する。更に、光照射部32bの受光部に受光された反射光の光量や分布特性を考慮する。そして、記録材Pの坪量と、反射光の光量や分布特性に基づいて得られた記録材Pの表面状態との検知結果に応じて記録材Pの種類を判別する。そして、該記録材Pの種類の判別結果に応じて該記録材Pの画像形成条件を適宜設定する。
記録材Pの画像形成条件の設定は、例えば、記録材Pの種類によって記録材Pの搬送速度を変更したり、二次転写時における二次転写ローラ19に印加する二次転写バイアス電圧を変更したり、定着装置21における定着温度を変更する。
本実施形態では、中間転写ベルト17の外周面上のトナー像が二次転写ニップ部Nにおいて記録材Pに二次転写される前に、搬送パス8を搬送される記録材Pの坪量と、表面状態との検知結果を得る。これにより搬送パス8を搬送される記録材Pの種別を判定し、その記録材Pに最適な画像形成条件にて記録材P上に画像形成を行なうことができる。
<センサ位置精度>
図4(a),(b)に示す送信部31の超音波送信装置31bから発信された超音波は、該超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとのセンサ同士の芯ズレ量が小さい方が受信部32の超音波受信装置32aでの受信出力が大きくなる。
図5及び図6は、送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとのセンサ同士の芯ズレ量を横軸に示す。更に、送信部31の超音波送信装置31bからの超音波を一定出力で発信させたときの受信部32の超音波受信装置32aの受信出力を縦軸に示す。
図5の二点鎖線で示すセンサAのように、送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとのセンサ同士の芯ズレ量が「0」のときの受信部32の超音波受信装置32aの受信出力を「100」とする。すると、図5の横軸で示す芯ズレ量が大きくなるにつれて受信出力は低下する。
一般的に送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとで使用されるセンサには、図5の二点鎖線で示すセンサAと、図6の実線で示すセンサBのように個体差がある。このため初期状態で受信部32の超音波受信装置32aの受信出力が一定値以上となるように、送信部31の超音波送信装置31bの送信出力を設定している。
例えば、図6の破線で示すセンサBcのように、図6の横軸で示す芯ズレ量が「0」のときの受信部32の超音波受信装置32aの受信出力B1が、受信出力B2(>B1)になるように送信部31の超音波送信装置31bの送信出力を大きくする調整を行なう。同時に、送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとのセンサ同士の芯ズレ量による受信出力の低下分も補正するように送信部31の超音波送信装置31bの送信出力を設定する。このようにして設定した送信部31の超音波送信装置31bの送信出力は、図1に示すメモリ29に記憶される。
例えば、図5の二点鎖線で示すセンサAと、図6の実線で示すセンサBとにおいて、図5及び図6の横軸で示す芯ズレ量が「S1」のときがある。そのときは、送信部31の超音波送信装置31bの送信出力を上げて図5の一点鎖線で示すセンサAcと、図6の破線で示すセンサBcとに補正する。すると、受信部32の超音波受信装置32aの受信出力の許容範囲W内の所望の受信出力が得られる。
しかしながら、図5及び図6の横軸で示す芯ズレ量が「S2(>S1)」になる場合がある。同様に送信部31の超音波送信装置31bの送信出力を上げて図5の一点鎖線で示すセンサAcと、図6の破線で示すセンサBcとに補正する。補正後の受信部32の超音波受信装置32aの受信出力は、許容範囲W内の所望の受信出力を得ることができない。これにより記録材Pの坪量を判別する精度が低下する。
そこで、記録材Pの坪量を精度良く判定するためには、送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとのセンサ同士の芯ズレ量が小さい(位置精度が良い)ことが求められる。
<レジストレーションユニット>
図7は、図2〜図4に示す記録材判別装置9を設けたレジストレーションユニット300の構成を示す側面説明図である。図8は、図2〜図4に示す記録材判別装置9を設けたレジストレーションユニット300の構成を示す図1の二次転写ニップ部Nの方向から見た平面説明図である。
図7に示すように、保持部材となるレジストレーションユニット300は、図4(a)に示す受信部32と、従動ローラ6とを保持すると共に、記録材Pの搬送をガイドする第一のガイド部材となる搬送ガイド301を保持する。
更に、保持部材となるレジストレーションユニット300は、図4(a)に示す超音波送信装置31bが設けた送信部31を保持する。更に、揺動ガイド302が該レジストレーションユニット300に設けられた回動軸304を中心に該レジストレーションユニット300に対して図7の矢印R1方向に揺動可能に保持される。揺動ガイド302は、記録材Pの搬送をガイドする第二のガイド部材として構成される。
更に、保持部材となるレジストレーションユニット300は、搬送ガイド301に回転自在に軸支された従動ローラ6に対向して設けられたレジストレーションローラ5が回転可能に軸支された搬送ガイド303を有する。
搬送ガイド301と、揺動ガイド302と、搬送ガイド303とは、図8に示すように、レジストレーションユニット300の図1の紙面手前側と奥側にそれぞれ設けられた側板305a,305bによって支持されている。
図9(a)〜(c)は、規制手段となる二次転写ユニット23を回動軸24を中心に揺動させて該画像形成装置1本体に対して着脱操作する様子を示す側面説明図である。二次転写ユニット23は、画像形成装置1本体側に固定されたレジストレーションユニット300に対して回動軸24を中心に揺動する。レジストレーションユニット300には、記録材判別装置9が設けられている。二次転写ユニット23には、二次転写ローラ19が回転可能に軸支されている。
図9(a)に示すように、画像形成装置1本体側に固定されたレジストレーションユニット300に対して二次転写ローラ19を回転可能に軸支した二次転写ユニット23を回動軸24を中心に図9(a)の反時計回り方向に揺動(回動)して装着される。
二次転写ユニット23の回動軸24は、図8に示すレジストレーションユニット300が支持される側板305a,305bに設けられた長穴306内を摺動自在に挿通されている。
そして、図9(a)に示すように、画像形成装置1本体側に固定されたレジストレーションユニット300に対して二次転写ユニット23を回動軸24を中心に図9(a)の反時計回り方向に回動して装着する。そのとき、該二次転写ユニット23の回動軸24とは反対側の端部に設けられた位置決めボス30が画像形成装置1本体側に設けられた図示しない係止部に係止されて固定される。
画像形成装置1本体側に設けられた図示しない係止部と、位置決めボス30とのロックを解除する。すると、図9(b)に示すように、二次転写ユニット23は、回動軸24を中心に図9(b)の時計回り方向に回動して画像形成装置1本体から開放される。
更に、図9(c)に示すように、二次転写ユニット23の長手方向の両端部に設けられた回動軸24を画像形成装置1本体側に設けられた側板305a,305bの長穴306から取り外す。これにより二次転写ユニット23を独立して画像形成装置1本体から脱離することができる。
<第二のガイド部材の位置決め手段>
次に図7〜図9を用いて第二のガイド部材となる揺動ガイド302を第一のガイド部材となる搬送ガイド301に対して位置決めする位置決め手段の構成について説明する。図7及び図8に示すように、揺動ガイド302は、保持部材となるレジストレーションユニット300に設けられた回動軸304により画像形成装置1本体側に設けられた側板305a,305bに対して図7及び図8の矢印X,Z方向の位置が決められる。
また、図8に示すように、揺動ガイド302の記録材Pの搬送パス8の幅方向(図8の上下方向)の外側に設けられた位置決めボス307が搬送ガイド301に設けられた凹部301aと嵌合して係合する。これにより揺動ガイド302の図8の矢印Y方向の位置が決められる。
第二のガイド部材となる揺動ガイド302には、図4(a)に示す圧接部材となる押圧コロ32cが保持されている。押圧コロ32cは、付勢手段となる押圧バネ32sにより付勢されて第一のガイド部材となる搬送ガイド301に設けられた受信部32の光照射部32bに圧接された状態で回転自在に軸支されている。
図8に示すように、押圧コロ32cの回転軸32dは、一端部が揺動ガイド302に係止された付勢手段となる一対の押圧バネ32sにより付勢力を受けて受信部32の光照射部32bに向かう方向に押圧されている。揺動ガイド302には、図8に示す押圧コロ32cを受信部32の光照射部32bに向けて付勢する押圧バネ32sの反力が図8の矢印T1方向に作用する。
本実施形態では、付勢手段となる押圧バネ32sが第二のガイド部材となる揺動ガイド302を第一のガイド部材となる搬送ガイド301から離れる図8の矢印T1方向に付勢する。
一方、図9(a)〜(c)に示す規制手段となる二次転写ユニット23は、保持部材となるレジストレーションユニット300に対して回動軸24を中心に揺動可能に支持されている。
図9(a)に示すように、二次転写ユニット23を回動軸24を中心に図9(a)の反時計回り方向に回動して画像形成装置1本体に装着する。これにより揺動ガイド302に設けられたストッパ部308と、二次転写ユニット23に設けられた受け部37とが当接する。
これにより第二のガイド部材となる揺動ガイド302が図8に示す付勢手段となる押圧バネ32sにより付勢されて第一のガイド部材となる搬送ガイド301から離れることを規制する。
これにより揺動ガイド302の回動軸304を中心とした図7の矢印R1方向の位置が決まる。
一方、揺動ガイド302に設けられる送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとは以下の通りである。センサ同士の個体差や芯ズレ量を補正した超音波受信装置32aの受信出力が得られるように予め設定した超音波送信装置31bと、超音波受信装置32aとの一対のセンサを使用している。
例えば、比較例1として、送信部31の超音波送信装置31bを二次転写ユニット23に直接設けた場合を考慮する。すると、レジストレーションユニット300と、二次転写ユニット23とを一対で使用、或いは、交換する必要がある。
また、比較例2として、受信部32の超音波受信装置32aの位置精度を向上させるために揺動ガイド302をレジストレーションユニット300に対して固定した場合を考慮する。すると、レジストレーションユニット300内で記録材Pのジャムが発生した場合、記録材Pのジャム処理が困難となる。
本実施形態では、送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとを同一のレジストレーションユニット300に設けて位置決めを行なう。これにより送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとのセンサ間の位置精度を向上させることが可能である。
また、図9(b)に示すように、二次転写ユニット23の回動軸24がレジストレーションユニット300に設けられる。更に、送信部31の超音波送信装置31bが設けられる揺動ガイド302を揺動自在に支持する回動軸304もレジストレーションユニット300に設けられる。更に、受信部32の超音波受信装置32aもレジストレーションユニット300に設けられる。
そして、二次転写ユニット23に設けた受け部37と、揺動ガイド302に設けたストッパ部308とが当接する。これにより揺動ガイド302の回動軸304を中心とする図7の矢印R1方向の回動姿勢の位置決めを行なう。これにより送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとのセンサ間の位置精度を向上させることができる。
更に、図9(b)に示すように、揺動ガイド302が回動軸304を中心に図9(b)の時計回り方向に回動する。そして、二次転写ユニット23が回動軸24を中心に図9(b)の時計回り方向に回動する。これにより搬送パス8を開放した状態で、該搬送パス8でジャム(紙詰まり)した記録材Pのジャム処理を容易に行なうことができる。
また、記録材判別装置9の一部を構成する送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとの各センサの故障等により交換が必要となる場合もあり得る。該送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとは、レジストレーションユニット300内にユニット化して設けられている。このためレジストレーションユニット300のみを交換することができる。
また、図9(b)に示すように、揺動ガイド302と二次転写ユニット23とを開放した状態から該二次転写ユニット23を回動軸24を中心に図9(b)の反時計回り方向に回動して画像形成装置1本体に装着する。この操作により、該二次転写ユニット23の受け部37が揺動ガイド302のストッパ部308に係合して該揺動ガイド302を回動軸304を中心に図9(b)の反時計回り方向に回動して一体的に装着することができる。
本実施形態では、規制手段となる二次転写ユニット23の揺動動作と連動して第二のガイド部材となる揺動ガイド302が揺動する。
本実施形態のように揺動ガイド302をレジストレーションユニット300に対して回動軸304を中心に回動自在に設ける。これによりレジストレーションユニット300に設けられた受信部32の超音波受信装置32aと、揺動ガイド302に設けられた送信部31の超音波送信装置31bとのセンサ間の位置精度を向上させることができる。これにより記録材判別装置9による記録材Pの判別精度を向上することが出来る。更に、二次転写ユニット23の揺動動作と連動して揺動ガイド302を回動して搬送パス8を開放することで記録材Pのジャム処理作業性を向上させることができる。
本実施形態の記録材判別装置9では、記録材Pの坪量を検知するための送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとからなる超音波送受信装置を設けた。更に、記録材Pの表面状態を検知するための受信部32の光照射部32bを併設した一例である。他に、超音波送受信装置のみを設けた記録材判別装置9を使用しても良い。
また、本実施形態では、第一のガイド部材となる搬送ガイド301に受信部32を設け、第二のガイド部材となる揺動ガイド302に発信部となる送信部31を設けた一例について説明した。
他に第一のガイド部材となる搬送ガイド301に発信部または受信部の何れか一方を保持すると共に、第二のガイド部材となる揺動ガイド302に、搬送ガイド301に保持されていない発信部または受信部の他方を保持することでも良い。
また、本実施形態では、図8に示す押圧バネ32sの付勢力により図7に示す揺動ガイド302の回動軸304を中心とした矢印R1方向への位置決めを行なう構成とした。他に、重力等の荷重を利用して図7に示す揺動ガイド302の回動軸304を中心とした矢印R1方向への位置決めを行なう構成としても良い。
本実施形態では、記録材判別装置9を備えた画像形成装置1において、記録材Pの判別精度を満足しつつ、記録材Pのジャム処理が容易にできる。更に、記録材判別装置9が故障した際にも該記録材判別装置9の交換が容易となり、高いユーザビリティー(usability;使い易さ)を適用できる。
[第2実施形態]
次に、図10〜図12を用いて記録材判別装置を備えた画像形成装置の第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
前記第1実施形態では、図8に示すように、押圧コロ32cは、一端部が揺動ガイド302に係止された付勢手段となる一対の押圧バネ32sにより回転軸32dが付勢力を受けて受信部32の光照射部32bに圧接されている。
押圧コロ32cは、揺動ガイド302に回転自在に軸支されている。レジストレーションローラ5及び従動ローラ6により記録材Pが挟持されて搬送パス8を図10の矢印Z方向に搬送される。記録材Pの搬送力は、該記録材Pの表面と押圧コロ32cの表面との摩擦力を介して該押圧コロ32cに伝達される。これにより該押圧コロ32cが図7の矢印R2方向に従動回転する。
本実施形態では、図10〜図12に示すように、付勢手段となる押圧バネ309の一端部が第二のガイド部材となる揺動ガイド302に係止して保持される。更に、図12(a)〜(c)に示す該押圧バネ309の他端部が受け部となる二次転写ユニット23に設けられた受け部38に当接する。これにより該押圧バネ309の伸長力による付勢力を受けて該揺動ガイド302に回転自在に軸支された押圧コロ32cが受信部32の光照射部32bに圧接される。
図12(a)に示すように、第二のガイド部材となる揺動ガイド302に一端部が保持された付勢手段となる押圧バネ309は以下の通りである。受け部となる二次転写ユニット23を画像形成装置1本体に装着した状態で該揺動ガイド302を第一のガイド部材となる搬送ガイド301に向かう方向へ付勢する。
受け部となる二次転写ユニット23は、保持部材となるレジストレーションユニット300に対して回動軸24を中心に揺動可能に支持される。
そして、図12(a)に示すように、受け部となる二次転写ユニット23を画像形成装置1本体に装着した状態で以下の通りである。該二次転写ユニット23に設けられた受け部38により付勢手段となる押圧バネ309の第二のガイド部材となる揺動ガイド302に保持される一端部と反対側の他端部を受ける。
圧接部材となる押圧コロ32cは、第二のガイド部材となる揺動ガイド302に保持されている。そして、図12(a)に示すように、受け部となる二次転写ユニット23を画像形成装置1本体に装着した状態で、押圧コロ32cは、付勢手段となる押圧バネ309の伸長力により付勢されて第一のガイド部材となる搬送ガイド301に圧接される。
本実施形態では、受け部となる二次転写ユニット23の回動軸24を中心とする揺動動作と連動して、第二のガイド部材となる揺動ガイド302がレジストレーションユニット300に設けられた回動軸304を中心に揺動する。
図10は、本実施形態の記録材判別装置9を設けたレジストレーションユニット300の構成を示す側面説明図である。図11は、本実施形態の記録材判別装置9を設けたレジストレーションユニット300の構成を示す図1の二次転写ニップ部Nの方向から見た平面説明図である。
前記第1実施形態では、図8に示すように、レジストレーションユニット300の揺動ガイド302の位置決めは、押圧コロ32cを受信部32の光照射部32bに向かう方向に押圧する押圧バネ32sの図8の矢印T1方向の反力を利用する。そして、揺動ガイド302のストッパ部308と、二次転写ユニット23の受け部37とが当接することで位置決めを行なった。
本実施形態では、図10に示すように、レジストレーションユニット300は、図4(a)に示す受信部32と、従動ローラ6とを保持した搬送ガイド301を有する。更に、超音波送信装置31bを設けた送信部31を保持し、レジストレーションユニット300に設けられた回動軸304を中心に図10の矢印R1方向に回動自在に設けられた揺動ガイド302を有する。更に、レジストレーションローラ5を回転可能に軸支した搬送ガイド303を有する。
搬送ガイド301と、揺動ガイド302と、搬送ガイド303とは、図11に示すように、レジストレーションユニット300の図1の紙面手前側と奥側にそれぞれ設けられた側板305a,305bによって支持されている。
図12(a)〜(c)は、レジストレーションユニット300に対して二次転写ユニット23を回動軸24を中心に回動させて該画像形成装置1本体に対して着脱操作する様子を示す側面説明図である。レジストレーションユニット300は、画像形成装置1本体側に固定される。レジストレーションユニット300には、記録材判別装置9が設けられる。二次転写ユニット23には、二次転写ローラ19が回転可能に軸支される。
図12(a)に示すように、画像形成装置1本体側に固定された記録材判別装置9を設けたレジストレーションユニット300に対して二次転写ローラ19が回転可能に軸支された二次転写ユニット23が装着される。二次転写ユニット23の長手方向両端部には回動軸24が設けられている。回動軸24は、画像形成装置1本体に設けられたレジストレーションユニット300の側板305a,305bに設けた長穴306内に摺動自在に挿入されている。
二次転写ユニット23の回動軸24とは反対側の端部には位置決めボス30が設けられている。そして、図12(a)に示すように、画像形成装置1本体側に固定されたレジストレーションユニット300に対して二次転写ユニット23を回動軸24を中心に図12(a)の反時計回り方向に回動して装着する。そのとき、二次転写ユニット23の位置決めボス30が画像形成装置1本体側に設けられた図示しない係止部に係止されて固定される。
画像形成装置1本体側に設けられた図示しない係止部と、位置決めボス30とのロックを解除する。これにより二次転写ユニット23は、図12(b)に示すように、回動軸24を中心に図12(b)の時計回り方向に回動して画像形成装置1本体に対して開放することができる。
また、図12(c)に示すように、二次転写ユニット23の回動軸24をレジストレーションユニット300の側板305a,305bに設けた長穴306から取り外すことで、二次転写ユニット23を独立して画像形成装置1本体から脱離することもできる。
<第二のガイド部材の位置決め手段>
次に図10〜図12を用いて本実施形態の揺動ガイド302の位置決め手段の構成について説明する。図10に示すように、本実施形態の揺動ガイド302は、回動軸304を中心に図10の矢印R1方向に揺動可能に設けられている。これにより画像形成装置1本体に設けられる図11に示す側板305a,305bに対して図10の矢印X,Z方向の位置が決められる。
また、図11に示すように、揺動ガイド302の長手方向(図11の上下方向)において、画像形成装置1に使用される最大の記録材Pが通過する搬送パス8よりも外側に位置決めボス307が設けられている。そして、位置決めボス307が搬送ガイド301に設けられた凹部301aと嵌合して係合する。これにより図11の矢印Y方向の位置が決められる。
図10〜図12に示すように、揺動ガイド302の搬送ガイド301に対向する面とは反対側の面には、付勢手段となる押圧バネ309が係止されている。図12(b)は、揺動ガイド302が回動軸304を中心に図12(b)の時計回り方向に回動して搬送パス8を開放した状態である。その状態から回動軸24を中心に二次転写ユニット23を図12(b)の反時計回り方向に回動する。
これにより図12(a)に示すように、揺動ガイド302に一端部が係止された押圧バネ309の他端部が二次転写ユニット23に設けられた受け部38に当接係合する。
これにより回動軸24を中心に図12(b)の反時計回り方向に回動する二次転写ユニット23に連動して押圧バネ309を介して揺動ガイド302が回動軸304を中心に図12(b)の反時計回り方向に回動する。そして、二次転写ユニット23に設けられた位置決めボス30を画像形成装置1本体に設けられた係止部に係止して二次転写ユニット23を画像形成装置1本体に対して装着する。
そのとき、図11に示すように、揺動ガイド302の位置決めボス307が搬送ガイド301の凹部301aと嵌合して係合する。そして、二次転写ユニット23に回転可能に軸支された二次転写ローラ19が中間転写ベルト17を介在して二次転写対向ローラ20に圧接される。
一端部が揺動ガイド302に係止された押圧バネ309の他端部が二次転写ユニット23の受け部38に当接することで、図12(a)に示すように、押圧バネ309は、該押圧バネ309の伸長力に抗して圧縮される。
一方、二次転写ユニット23の回動軸24は、画像形成装置1本体に設けられた側板305a,305bに形成された長穴306内に摺動自在に嵌入されている。更に、二次転写ユニット23の位置決めボス30が画像形成装置1本体に設けられた係止部に係止して固定されている。
これにより押圧バネ309の伸長力による付勢力は、図11の矢印T2方向に反力を発生する。これにより揺動ガイド302の位置決めボス307が搬送ガイド301の凹部301aの壁面に当接されて、回動軸304を中心とした図10の矢印R1方向の位置が決まる。
このとき揺動ガイド302に回転自在に軸支された押圧コロ32cが受信部32の光照射部32bに圧接される。更に、揺動ガイド302に設けられた送信部31の超音波送信装置31bが、搬送ガイド301に設けられた受信部32の超音波受信装置32aに対向して配置される。
本実施形態では、図12(b)に示すように、送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとを、同一のレジストレーションユニット300に設ける。これにより送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとのセンサ間の位置精度を向上させることができる。
また、回動軸304を中心とした揺動ガイド302の図10の矢印R1方向の回動姿勢の決めを該揺動ガイド302の位置決めボス307と、搬送ガイド301の凹部301aとの嵌合当接により行なう。これにより送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aとのセンサ間の位置精度を向上させることができる。
更に、図12(b)に示すように、揺動ガイド302の開閉操作を二次転写ユニット23の開閉操作と一体的に行なうことが出来る。これにより搬送パス8内で記録材Pの搬送ジャム(紙詰まり)が発生した場合、ユーザによるジャム処理操作が容易にできる。
また、揺動ガイド302に設けられる送信部31の超音波送信装置31bや、搬送ガイド301に設けられる受信部32の超音波受信装置32aや光照射部32b等の各センサの故障等により交換が必要となる場合がある。その場合は、記録材判別装置9を構成する送信部31の超音波送信装置31bと、受信部32の超音波受信装置32aと光照射部32bとは、レジストレーションユニット300内に一体的に設けられている。このためレジストレーションユニット300のみを交換することで記録材判別装置9を交換することが可能である。
これにより記録材判別装置9による記録材Pの判別精度と、搬送パス8内でジャムした記録材Pのジャム処理や記録材判別装置9の交換等の作業性を向上させることができる。
尚、本実施形態の記録材判別装置9では、記録材Pの坪量を検知する超音波送信装置31bと、超音波受信装置32aとを設け、更に、記録材Pの表面状態を検知する光照射部32bとを設けた一例について説明した。他に、記録材判別装置9として、記録材Pの坪量を検知する超音波送信装置31bと、超音波受信装置32aのみを設けて構成することも出来る。
また、本実施形態では、揺動ガイド302の図10の矢印R1方向の回動姿勢の位置決めを押圧バネ309により付勢される揺動ガイド302の位置決めボス307と、搬送ガイド301の凹部301aとの当接嵌合により行なう一例である。他に、押圧バネ309の付勢力の代わりに重力等の他の荷重を利用することもできる。
また、本実施形態では、付勢力を発生させる押圧バネ309を揺動ガイド302に設けた一例について説明した。他に、二次転写ユニット23側に押圧バネ309の一端部を係止し、揺動ガイド302側に該押圧バネ309の他端部を受ける受け部を設けても良い。
このような構成では、付勢手段となる押圧バネ309が第二のガイド部材となる揺動ガイド302を第一のガイド部材となる搬送ガイド301に向かう方向へ付勢する。
また、保持部となる二次転写ユニット23が付勢手段となる押圧バネ309を保持し、保持部材となるレジストレーションユニット300に対して回動軸24を中心に揺動可能に支持される。
圧接部材となる押圧コロ32cは、第二のガイド部材となる揺動ガイド302に保持され、付勢手段となる押圧バネ309により付勢されて第一のガイド部材となる搬送ガイド301に圧接される。
保持部となる二次転写ユニット23の回動軸24を中心とする揺動動作と連動して第二のガイド部材となる揺動ガイド302が回動軸304を中心に揺動する。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
[第3実施形態]
次に、図13及び図14を用いて記録材判別装置を備えた画像形成装置の第3実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。
図13は本実施形態のレジストレーションユニット300の構成を示す側面説明図である。図14は本実施形態のレジストレーションユニット300の構成を図1の二次転写ニップ部Nの方向から見た平面説明図である。
図7及び図10に示した前記各実施形態において、揺動ガイド302に回転自在に軸支された押圧コロ32cと、搬送ガイド301に設けられた光照射部32bとは、各押圧バネ32s,309によって付勢されて常に当接している。この状態で、レジストレーションローラ5及び従動ローラ6により記録材Pを挟持して搬送パス8上を図7及び図10の矢印Z方向に搬送する。
押圧コロ32cは、揺動ガイド302に回転自在に軸支されている。レジストレーションローラ5及び従動ローラ6により挟持されて記録材Pが搬送パス8を図7及び図10の矢印Z方向に搬送される。記録材Pの搬送力は、該記録材Pの表面と押圧コロ32cの表面との摩擦力を介して該押圧コロ32cに伝達されて該押圧コロ32cが図13の矢印R2方向に従動回転する。
一方、光照射部32bは、搬送ガイド301の受信部32に固定されている。このため記録材Pが搬送パス8上の光照射部32bと、押圧コロ32cとの間を搬送されている間は、各押圧バネ32s,309によってそれぞれ付勢されている押圧コロ32cにより該記録材Pが光照射部32bに付勢された状態で摺擦移動する。
記録材Pが光照射部32bの表面上を摺擦することによって該記録材Pと、光照射部32bとの間に静電気帯電が発生する。記録材Pには、該記録材Pの搬送方向の長さ分の静電気のみが帯電される。このため記録材Pに蓄積される電荷量は比較的小さい。
一方、光照射部32bの表面上には、順次新しい記録材Pが搬送されてくる。このため複数の記録材Pが光照射部32bの表面上を摺擦することにより発生する静電気帯電により光照射部32bに蓄積される電荷量は大きなものとなる。そして、光照射部32bに帯電された電荷が所定の基準値を超えた状態で記録材Pが光照射部32bに搬送される。すると、光照射部32bに蓄積していた電荷が記録材Pに移動する。
記録材Pは、光照射部32bから受け取った電荷をもったまま二次転写ローラ19と、中間転写ベルト17の外周面との二次転写ニップ部Nまで搬送されて該中間転写ベルト17の外周面上に形成されたトナー像が記録材Pに二次転写される。
中間転写ベルト17の外周面上に形成されたトナー像を記録材Pに二次転写する際には、二次転写ローラ19の表面電位と、中間転写ベルト17の外周面上のトナー像の電位との電位差によって転写が行なわれる。そのため二次転写ローラ19に所定の二次転写バイアス電圧を印加することによって二次転写ローラ19の表面電位と、中間転写ベルト17の外周面上のトナー像の電位との間に電位差を発生させる。
しかしながら、記録材Pが光照射部32bの表面上を摺擦することによって帯電された記録材Pが二次転写ローラ19へ搬送された場合を考慮する。その場合、二次転写ローラ19に予め設定された二次転写バイアス電圧を印加しても記録材P上で所望の電位差が得られなくなる。このため中間転写ベルト17の外周面上に形成されたトナー像を記録材Pに正しく二次転写できず、画像不良が発生してしまう。そのため光照射部32bに電荷が蓄積されることを防止する必要がある。
本実施形態では、図13及び図14に示すように、第一のガイド部材となる搬送ガイド301に保持されている受信部32の光照射部32bに電気的に接触する除電部材310を設けている。該除電部材310には、図示しない導電性のワイヤが接続されており、該ワイヤは、画像形成装置1本体の装置フレームに接地されている。
レジストレーションローラ5及び従動ローラ6により挟持されて記録材Pが搬送パス8上を図13の矢印Z方向に搬送される。搬送される記録材Pと、光照射部32bとの摺擦によって発生する静電気帯電による電荷は、光照射部32bから除電部材310を介して画像形成装置1本体の装置フレームに接地される。これにより光照射部32bには電荷が蓄積されない。そのため光照射部32bと記録材Pとの摺擦によって発生する静電気帯電による画像不良の発生を防止することができる。
尚、第一のガイド部材となる搬送ガイド301に発信部となる送信部31が保持されている場合には、該送信部31に電気的に接触して除電部材310を設けることが出来る。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。