JP2019139144A - シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録シートPの撓み量の変動によるシートシワの発生を抑えることができるシート搬送装置を提供する。【解決手段】シートに搬送力を付与する第一搬送手段15及び第二搬送手段34と、第一搬送手段15と第二搬送手段34との間に配設され、第一搬送手段15から送り出されてくるシートPを第二搬送手段34に向けて案内する案内部材80とを有するシート搬送装置であって、案内部材80の位置を案内部材80の移動によって調整する位置調整手段と、第一搬送手段15から第二搬送手段34に向けて搬送中のシートPの撓み量を検知する撓み量検知手段82とを備え、撓み量検知手段82による検知結果に基づいて案内部材80を搬送中のシートPに近づける方向や遠ざける方向に移動させるようにした。【選択図】図8
Description
本発明は、シート搬送装置及び画像形成装置に関するものである。
従来、シートに搬送力を付与する第一搬送手段及び第二搬送手段と、第一搬送手段と第二搬送手段との間に配設され、第一搬送手段から送り出されてくるシートを第二搬送手段に向けて案内する案内部材とを有するシート搬送装置が知られている。また、かかるシート搬送装置を用いる画像形成装置も知られている。
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置は、第一搬送手段としての転写ユニットと、第二搬送手段としての定着装置と、それらの間に配設された案内部材としてのガイド部材とを備えている。転写ユニットは、中間転写ベルトと転写ローラとの当接による二次転写ニップに挟み込んだ記録シートを定着装置に向けて搬送しながら、ニップ内で中間転写ベルト上のトナー像を記録シートに二次転写する。ガイド部材は、二次転写ニップを通過した記録シートのトナー像が記録されていない方の面に接触しながら、記録シートを定着装置に向けて案内する。定着装置は、転写ユニットから送られてくる記録シートをローラ対の当接による定着ニップに挟み込んで機外に向けて搬送しながら、記録シートの表面にトナー像を定着せしめる。二次転写ニップを通過した厚紙などの腰の強い記録シートがガイド部材を押圧する方向に大きく撓んでも、その撓み力で可撓性の案内部材が押されて撓むことで、記録シートを案内部材から離れる方向に撓ませることを防止する。これにより、搬送中の記録シートのトナー像形成面を搬送路内の何らかの部材に擦り付けることによる画像乱れの発生を回避することができるとされている。
しかしながら、この画像形成装置は、記録シートの撓み量の変動によるシートシワの発生を抑えることができなかった。
上述した課題を解決するために、本発明は、シートに搬送力を付与する第一搬送手段及び第二搬送手段と、前記第一搬送手段と前記第二搬送手段との間に配設され、前記第一搬送手段から送り出されてくるシートを前記第二搬送手段に向けて案内する案内部材とを有するシート搬送装置において、前記案内部材の位置を前記案内部材の移動によって調整する位置調整手段と、前記第一搬送手段から前記第二搬送手段に向けて搬送中のシートの撓み量を知るための所定の情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段による取得結果に基づいて前記位置調整手段を制御する制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
本発明によれば、記録シートの撓み量の変動によるシートシワの発生を抑えることができるという優れた効果がある。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を作像するための4つの作像ユニット1Y,1M,1C,1Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を作像するための4つの作像ユニット1Y,1M,1C,1Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。
四つの作像ユニット1Y,1M,1C,1Kのうち、Kトナー像を形成するための作像ユニット1Kを例にすると、これは図2に示されるように、潜像担持体としてのドラム状の感光体2Kを有している。また、ドラムクリーニング装置3K、除電装置、帯電装置4K、現像装置5K等も有している。作像ユニット1Kは、プリンタ本体に脱着可能であり、ユニット内の消耗部品を一体的に交換できるようになっている。
帯電装置4Kは、駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、Kトナーを用いる現像装置5KによってYトナー像に現像される。そして、後述する無端状の中間転写ベルト16上に一次転写される。
ドラムクリーニング装置3Kは、一次転写工程を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色用の作像ユニット(1Y,1M,1C)においても、同様にして感光体(2Y,2M,2C)上に(Y,M,C)トナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト16上に一次転写される。
現像装置5Kは、Kトナーを収容する縦長のホッパ部6Kと、現像部7Kとを有している。ホッパ部6K内には、駆動手段によって回転駆動されるアジテータ8K、これの鉛直方向下方で駆動手段によって回転駆動される撹拌パドル9K、これの鉛直方向で駆動手段によって回転駆動されるトナー供給ローラ10Kなどが配設されている。
ホッパ部6K内のKトナーは、アジテータ8Kや撹拌パドル9Kの回転駆動によって撹拌されながら、自重によってトナー供給ローラ10Kに向けて移動する。トナー供給ローラ10Kは、金属製の芯金と、これの表面に被覆された発泡樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部6K内のKトナーをローラ部の表面に付着させながら回転する。
現像装置5Kの現像部7K内には、感光体2Kとトナー供給ローラ10Kとに当接しながら回転する現像ローラ11Kや、これの表面に先端を当接させる規制ブレード12Kなどが配設されている。
現像ローラ11Kは、回転軸部材と、これの周面に固定された導電性ウレタンゴム層とを有するローラからなり、所定の線速で回転駆動する。
トナー供給ローラ10Kは、金属製の芯金と、これの表面に被覆された導電性発泡ウレタンからなるローラ部とを有するローラからなる。そして、ホッパ部6K内のKトナーをローラ部で捕捉して所定の線速で回転駆動しながら、現像ローラ11Kに当接してKトナーを供給する。
規制ブレード12Kは、金属製プレートからなり、先端に所定の角度の折り曲げ加工が施されている。
ホッパ部6K内のトナー供給ローラ10Kに付着したKトナーは、現像ローラ11Kとトナー供給ローラ10Kとの当接部で現像ローラ11Kの表面に供給される。現像部材たる現像ローラ11Kと、トナー供給体たるトナー供給ローラ10Kとは、互いの当接部で互いの表面を逆方向に移動させるように回転駆動する。トナー供給ローラ10Kは当接部で自らの表面を現像ローラ11Kとは逆方向に移動させることで、現像ローラ11K上のKトナーを回収したり、現像ローラ11Kに対して新たなKトナーを供給したりする。
現像ローラ11Kに供給されたKトナーは、現像ローラ11Kの回転に伴って現像ローラ11Kと規制ブレード12Kとの当接部を通過する際に、規制ブレード12Kとの摺擦によって摩擦帯電が促されるとともに、ローラ表面上での層厚が均一に規制される。そして、層厚規制後のKトナーは、現像ローラ11Kと感光体2Kとの当接部である現像領域において、感光体2K表面のK用の静電潜像に付着する。この付着により、K用の静電潜像がKトナー像に現像される。
現像領域を通過した後の現像ローラ11Kの表面には、現像に寄与しなかったKトナーが付着しているが、その付着量は均一ではなく、静電潜像に対応したムラがある。このような状態の現像ローラ11Kの表面に対して、そのまま新たなKトナーを供給すると、トナー付着量のムラを残したままになるので、現像濃度ムラを引き起こしてしまう。このため、現像領域を通過した後の現像ローラ11Kの表面からKトナーを回収した後に、新たなKトナーを現像ローラ11Kの表面に供給することが望ましい。
そこで、実施形態に係るプリンタでは、既に述べたように、トナー供給ローラ10Kの表面を現像ローラ11Kとの当接部で現像ローラ11Kとは逆方向に移動させる構成を採用している。かかる構成では、当接部の入口(現像ローラ11K表面が当接部に進入する位置)の付近で、トナー供給ローラ10Kによって現像ローラ11Kの表面上からKトナーを掻き取って回収する。その後、当接部の中央から出口付近にかけての領域で、トナー供給ローラ10Kの表面上のKトナーを現像ローラ11Kの表面に供給することが可能になる。
現像ローラ11Kには、現像電源から出力される現像バイアスが印加される。その現像バイアスは、Kトナーの帯電極性と同極性であり、且つその絶対値が感光体2Kの地肌部電位の絶対値と静電潜像電位の絶対値との間の値になっている。
トナー供給ローラ10Kには、供給電源152Kから出力される供給バイアスが印加される。その供給バイアスは、Kトナーの帯電極性と同極性であり、且つその絶対値が現像バイアスの絶対値よりも大きな値になっている。このため、現像ローラ11Kとトナー供給ローラ10Kとの当接部では、トナー供給ローラ10K上のKトナーに対して、トナー供給ローラ10K側から現像ローラ11K側に向かう静電気力が付与される。これにより、トナー供給ローラ10K上のKトナーが効率良く現像ローラ11Kに転移する。
規制ブレード12Kには、規制電源から出力される規制バイアスが印加される。その規制バイアスは、Kトナーの帯電極性と同極性であり、且つその絶対値が現像バイアスの絶対値よりも大きな値になっている。このため、規制ブレード12Kと現像ローラ11Kとの当接部に進入したKトナーは、現像ローラ11K表面に向けて押し付けられて摩擦帯電が助長される。
K用の作像ユニットについて説明したが、Y,M,C用の作像ユニット1Y,1M,1Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体2Y,2M,2C表面にY,M,Cトナー像が形成される。
図1において、作像ユニット1Y,1M,1C,1Kの鉛直方向上方には、光書込ユニット70が配設されている。潜像書込装置たる光書込ユニット70は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光Lにより、作像ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける感光体2Y,2M,2C,2Kを光走査する。一様帯電せしめられた感光体2Y,2M,2C,2Kの表面における全域のうち、レーザー光Lが照射された領域は、電位を減衰させて静電潜像を担持する。なお、光書込ユニット70は、光源から発したレーザー光(L)を、ポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
作像ユニット1Y,1M,1C,1Kの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト16を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる第一搬送手段としての転写ユニット15が配設されている。転写装置の一部である転写ユニット15は、中間転写ベルト16の他に、従動ローラ17、駆動ローラ18、4つの一次転写ローラ19Y,19M,19C,19Kなどを有している。また、二次転写ローラ20、ベルトクリーニング装置21、クリーニングバックアップローラ22なども有している。
従動ローラ17、駆動ローラ18、クリーニングバックアップローラ22及び4つの一次転写ローラ19Y,19M,19C,19Kは、中間転写ベルト16のループ内側に配設されている。これらのうち、クリーニングバックアップローラ22や、4つの一次転写ローラ19Y,19M,19C,19Kは、中間転写ベルト16の裏面に当接している駆動ローラ18は、駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動されることで、中間転写ベルト16を同方向に無端移動せしめる。
4つの一次転写ローラ19Y,19M,19C,19Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト16を感光体2Y,2M,2C,2Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、感光体2Y,2M,2C,2Kとが当接するY,M,C,K用の一次転写ニップが形成されている。
一次転写ローラ19Y,19M,19C,19Kには、一次転写バイアス電源によってそれぞれ一次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体2Y,2M,2C,2Kの静電潜像と、一次転写ローラ19Y,M,C,Kとの間に一次転写電界が形成される。なお、一次転写ローラ19Y,19M,19C,19Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
Y用の作像ユニット1Yの感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴って上述のY用の一次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト16上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写せしめられた中間転写ベルト16は、その無端移動に伴ってM,C,K用の一次転写ニップを通過する際に、感光体2M,2C,2K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト16上には四色トナー像が形成される。
駆動ローラ18は、中間転写ベルト16における周方向の全領域のうち、後述する二次転写ニップを形成する箇所を自らの周面に掛け回してベルト湾曲箇所を形成する転写裏打ちローラとして機能している。転写ユニット15の二次転写ローラ20は、駆動ローラ18の回転軸より水平方向下側に二次転写ローラ20の回転軸があり、駆動ローラ18の曲率に沿って湾曲する前記ベルト湾曲箇所にベルトおもて面側から当接して二次転写ニップを形成している。かかる構成の二次転写ローラ20、及び駆動ローラ18のうち、何れか一方には、転写バイアス電源によって直流電圧と交流電圧とを重畳した二次転写バイアスが印加される。また、他方は、アース接続されている。これにより、二次転写ローラ20と駆動ローラ18との間に、二次転写電界が形成される。
転写ユニット15の鉛直方向下方には、シートたる記録シートPを複数枚重ねたシート束の状態で収容している給送カセット30が、プリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給送カセット30は、紙束の一番上の記録シートPに給紙ローラ30aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録シートPを給紙路31に向けて送り出す。
給紙路31の末端付近には、レジストローラ対32が配設されている。このレジストローラ対32は、給送カセット30における紙排出側の端部の斜め上方に配設されている。給送カセット30内からカセット側方に向けてほぼ水平方向に排出された記録シートPは、排出後直ちに約90[°]の角度で大きく方向転換せしめられて、レジストローラ対32のレジストニップに向けて送られる。
レジストローラ対32は、給送カセット30から送り出された記録シートPをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録シートPを上述の二次転写ニップ内で中間転写ベルト16上の四色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録シートPを二次転写ニップに向けて送り出す。
二次転写ニップで記録シートPに密着せしめられた中間転写ベルト16上の4色トナー像は、二次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録シートP上に一括二次転写され、記録シートPの白色と相まって、フルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録シートPは、二次転写ニップを通過すると、二次転写ローラ20や中間転写ベルト16から曲率分離する。そして、転写後搬送路33を経由して、二次転写ニップの上方で中間転写ベルト16から離れる側に配設された定着装置34に送り込まれる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト16には、記録シートPに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト16のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置21によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト16のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ22は、ベルトクリーニング装置21によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
第二搬送手段としての定着装置34は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ34bとによって定着ニップを形成している。定着装置34内に送り込まれた記録シートPは、その未定着トナー像記録面を定着ローラ34aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
定着装置34内から排出された記録シートPは、定着後搬送路35を経由した後、排紙路36と反転前搬送路41との分岐点にさしかかる。定着後搬送路35の側方には、回動軸42aを中心にして回動駆動される切替爪42が配設されており、その回動によって定着後搬送路35の末端付近を閉鎖したり開放したりする。
定着装置34から記録シートPが送り出されるタイミングでは、切替爪42が図中実線で示す回動位置で停止して、定着後搬送路35の末端付近を開放している。よって、記録シートPが定着後搬送路35から排紙路36内に進入して、排紙ローラ対37のローラ間に挟み込まれる。
テンキー等からなる操作部に対する入力操作や、パーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対37に挟み込まれた記録シートPがそのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバー50の上面であるスタック部にスタックされる。
一方、両面プリントモードに設定されている場合には、次のような動作が行われる。即ち、先端側を排紙ローラ対37に挟み込まれながら排紙路36内を搬送される記録シートPの後端側が定着後搬送路35を通り抜けると、切替爪42が図中一点鎖線の位置まで回動して、定着後搬送路35の末端付近が閉鎖される。これとほぼ同時に、排紙ローラ対37が逆回転を開始する。すると、記録シートPは、今度は後端側を先頭に向けながら搬送されて、反転前搬送路41内に進入する。
図1は、実施形態に係るプリンタを正面側から示している。図紙面に直交する方向の手前側がプリンタの前面であり、奥側が後面である。また、実施形態に係るプリンタの図中右側が右側面、左側が左側面である。プリンタの右端部は、回動軸40aを中心に回動することで筐体本体に対して開閉可能な反転ユニット40になっている。排紙ローラ対37が逆回転すると記録シートPがこの反転ユニット40の反転前搬送路41内に進入して、鉛直方向上側から下側に向けて搬送される。そして、反転搬送ローラ対43のローラ間を経由した後、半円状に湾曲している反転搬送路44内に進入する。更に、その湾曲形状に沿って搬送されるのに伴って上下面が反転せしめられながら、鉛直方向上側から下側に向けての進行方向も反転して、鉛直方向下側から上側に向けて搬送される。その後、上述した給紙路31内を経て、二次転写ニップに再進入する。そして、もう一方の面にもフルカラー画像が一括二次転写された後、転写後搬送路33、定着装置34、定着後搬送路35、排紙路36、排紙ローラ対37を順次経由して、機外へと排出される。
反転ユニット40は、外部カバー45と揺動体46とを有している。具体的には、反転ユニット40の外部カバー45は、プリンタ本体の筐体に設けられた回動軸40aを中心にして回動するように支持されている。この回動により、外部カバー45は、その内部に保持している揺動体46とともに筐体に対して開閉する。
図中点線で示されるように、外部カバー45がその内部の揺動体46とともに開かれると、反転ユニット40とプリンタ本体側との間に形成されていた各種部材が外部に露出する。具体的には、給紙路31、二次転写ニップ、転写後搬送路33、定着ニップ、定着後搬送路35、排紙路36が縦に二分されて、外部に露出する。これにより、給紙路31、二次転写ニップ、転写後搬送路33、定着ニップ、定着後搬送路35、排紙路36内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
また、揺動体46は、外部カバー45が開かれた状態で、外部カバー45に設けられた揺動軸を中心にして回動するように外部カバー45に支持されている。この回動により、揺動体46が外部カバー45に対して開かれると、反転前搬送路41や反転搬送路44が縦に2分されて外部に露出する。これにより、反転前搬送路41内や反転搬送路44内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
プリンタの筐体の上カバー50は、図中矢印で示されるように、回動軸51を中心にして回動自在に支持されており、図中反時計回り方向に回転することで、筐体に対して開いた状態になって、筐体の上部開口を外部に向けて大きく露出させる。これにより、光書込ユニット70が露出する。
なお、実施形態に係るプリンタでは、転写ユニット15の構成の簡素化や装置の小型化をできるだけ図るために、中間転写ベルト16を2本の張架ローラ(17、18)だけで張架している。かかる構成では、何れか一方(17、18)を駆動ローラとして機能させることになるが、実施形態に係るプリンタでは、転写裏打ちローラとして機能する方の張架ローラを駆動ローラとして機能させている。これにより、転写裏打ちローラに多機能をもたせているが、転写裏打ちローラと駆動ローラとを別々にしてもよい。
この複写機では、水平方向の装置サイズの小型化を図る狙いで、レジストニップから、二次転写ニップと定着ニップとを経て、排紙路36に至るまでのシート搬送経路を、上下方向に延在させている。そして、そのシート搬送経路では、記録シートPを下方から上方に向けて搬送する。この搬送において、レジストニップと二次転写ニップとでのシートの引っ張り合いや、二次転写ニップと定着ニップとでのシートの引っ張り合いによる画像不良の発生を防止するために、搬送線速を次のような速さに設定している。即ち、「レジストニップ>二次転写ニップ>定着ニップ」となる若干の速さ差である。なお、レジストニップの搬送線速は、レジストローラ対32の表面線速である。また、二次転写ニップの搬送線速は、中間転写ベルト16や二次転写ローラ20の表面線速である。また、定着ニップの搬送線速は、定着ローラ34aや加圧ローラ34bの表面線速である。
搬送線速を上述のような速さに設定していることで、レジストニップと二次転写ニップとの間や、二次転写ニップと定着ニップとの間で記録シートPを撓ませて、ニップ間でのシート引っ張り合いによる画像不良の発生を抑えることができる。
しかしながら、環境が変化したり、連続プリント時間が長くなったりなどして、ニップを形成しているローラの外径が変化すると、ニップにおける搬送速度も変化する。そして、それに伴ってニップ間での記録シートPの撓み量も変化する。
次に、従来装置で発生する不具合について説明する。
図3は、従来装置におけるシート搬送路とその周囲とを、二次転写ニップと定着ニップとの間のシート部分における姿勢の第一例とともに示す構成図である。同図に示される従来装置において、これまで説明してきた実施形態に係るプリンタと同様の機能を有する部材には、実施形態に係るプリンタと同じ符号を付している。
図3は、従来装置におけるシート搬送路とその周囲とを、二次転写ニップと定着ニップとの間のシート部分における姿勢の第一例とともに示す構成図である。同図に示される従来装置において、これまで説明してきた実施形態に係るプリンタと同様の機能を有する部材には、実施形態に係るプリンタと同じ符号を付している。
同図において、中間転写ベルト16と二次転写ローラ20との当接による二次転写ニップと、定着ローラ34aと加圧ローラ34bとの当接による定着ニップとの間には、転写側案内部材98と、定着側案内部材99とがシート搬送経路に沿って配設されている。転写側案内部材98は二次転写ニップの出口の近くに配設され、定着側案内部材99は定着ニップの入口の近くに配設されている。
二次転写ニップを通過した記録シートPの先端側は、まず、転写側案内部材98に接触して定着装置34に向けて案内される。その後、搬送に伴って転写側案内部材98から離間すると、次に、定着側案内部材99に接触して定着ニップ入口に向けて案内される。基本的には、このような挙動をとるが、同図においては、記録シートPが転写側案内部材98、定着側案内部材99の両方から離間した状態になっている。これは、環境(主に温度)が変化したり、連続プリントが長時間行われたりなどの理由から、二次転写ニップを形成しているローラと、定着ニップを形成しているローラとが互いに異なる偏心で外周の形を回転変化させたことによるものである。例えば異なる偏心の径の変化により、二次転写ニップの搬送速度に対する定着ニップの搬送速度の比率が、設計よりも大きくなったことで、記録シートPの両ニップ間での撓み量が設計よりも小さくなったのである。このため、本来であれば、記録シートPが転写側案内部材98と定着側案内部材99とに接触しながら搬送されるところ、それらの案内部材から離間してしまっているのである。
このように離間している状態であるので、何の部材にも接触していないため、シート搬送に伴ってそのパターンが微妙に変動する。この変動により、記録シートPが細かくバタツキながら定着ニップに進入すると、記録シートPにシワが発生してしまう。
図4は、従来装置におけるシート搬送路とその周囲とを、ニップ間におけるシート部分の姿勢の第二例とともに示す構成図である。この第二例では、図3に示される第一例に比べて、ニップ間のシート部分の撓み量が大きくなっている。ローラ径変化の偏心の違いにより、二次転写ニップの搬送速度に対する定着ニップの搬送速度の比率が、設計よりも小さくなったことで、記録シートPが定着ニップの上流でつまり、記録シートPの両ニップ間での撓み量が設計よりも大きくなったのである。このため、図示の例では、ニップ間のシート部分が定着側案内部材99に向けて大きく撓むだけでなく(定着側案内部材99に接している撓み部分)、定着ニップの入口付近において定着側案内部材99から離れる方向にも撓んでいる。このようにニップ間のシート部分が大きく撓みながら定着ニップに進入すると、記録シートPにシワが発生してしまう。
なお、特許文献1に記載の画像形成装置では、ガイド部材として可撓性のものを用いている。そして、厚紙などの腰の強い記録シートPの撓み量が大きくなるのに伴って撓み部分がガイド部材を押圧する力が強くなると、ガイド部材が押圧方向に撓む。これにより、記録シートの撓み部分を収容する空間を増やして、定着ニップ入口付近で転写ニップ出口付近の撓みとは逆方向に記録シートを撓ませることを回避することで、記録シートのバタツキを抑えることができると考えられる。
しかしながら、薄紙などの腰の弱い記録シートPでは、撓み量が大きくなってもガイド部材を十分な力で押圧しないことから、ガイド部材を撓ませることができずにバタツキを発生させてしまうと考えられる。
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
図5は、実施形態に係るプリンタにおけるシート搬送路とその周囲とを、ニップ間におけるシート部分の姿勢の第一例とともに示す構成図である。同図において、二次転写ニップと定着ニップとの間には、転写側案内部材80と、定着側案内部材83とがシート搬送経路に沿って配設されている。転写側案内部材80は二次転写ニップの出口の近くに配設され、定着側案内部材83は定着ニップの入口の近くに配設されている。
図5は、実施形態に係るプリンタにおけるシート搬送路とその周囲とを、ニップ間におけるシート部分の姿勢の第一例とともに示す構成図である。同図において、二次転写ニップと定着ニップとの間には、転写側案内部材80と、定着側案内部材83とがシート搬送経路に沿って配設されている。転写側案内部材80は二次転写ニップの出口の近くに配設され、定着側案内部材83は定着ニップの入口の近くに配設されている。
二次転写ニップを通過した記録シートPの先端側は、まず、転写側案内部材80に接触して定着装置34に向けて案内される。その後、搬送に伴って転写側案内部材80から離間すると、次に、定着側案内部材83に接触して定着ニップ入口に向けて案内される。同図に示される第一例では、ニップ間におけるシート部分の撓み量が設計に近い値になっている。このため、ニップ間のシート部分は、転写側案内部材80と定着側案内部材83とに接触しながら、ばたつくことなく定着ニップに進入する。
転写側案内部材80は、シート搬送経路に対して近づいたり遠ざかったりする方向(矢印B方向、矢印A方向)に往復移動可能に保持体によって保持されている。転写側案内部材80の図中右側方には、回転可能なカム81が配設されている。転写側案内部材80はバネによって図中矢印A方向(シート搬送経路から遠ざかる方向)に付勢されてカム81に突き当たっている。カム81がカムモーターの短時間の駆動によって少しだけ回転すると、転写側案内部材80のカム81に対する突き当たり位置が図中矢印A、B方向に変位する。この変位により、転写側案内部材80のシート案内面の位置が図中矢印A、B方向に変位する。
定着側案内部材83の図中右側方には、超音波距離センサーなどからなる撓み量センサー82が配設されている。この撓み量センサー82は、定着側案内部材83に設けられた開口を通じて、二次転写ニップと定着ニップとの間(以下、ニップ間という)で搬送されている記録シートPと、自らの距離を記録シートPの撓み量の代替値として検知する。後述するように、その距離が大きくなるほど、「ニップ間」のシート部分における撓み量が設計よりも小さくなる。つまり、前記距離と、撓み量とは反比例の関係にある。以下、便宜上、前記距離を検知することを、撓み量を検知するとも言う。
このプリンタでは、転写側案内部材80を往復移動可能に保持する保持体と、カム81と、これの駆動源である後述するカムモーターと、転写側案内部材80を付勢するバネとにより、案内部材の位置を調整する位置調整手段が構成されている。また、第一搬送手段たる転写ユニット15と、案内部材たる転写側案内部材80と、第二搬送手段たる定着装置34と、前述の位置調整手段と、撓み量検知手段たる撓み量センサー82と、制御手段たる後述の制御部とにより、シート搬送装置が構成されている。
図6は、実施形態に係るプリンタにおける電気回路の要部を示すブロック図である。同図において、制御部100は、プリンタの各機器の駆動を制御したり、各種センサーからの出力信号に基づいて所定の演算処理をしたりするものであり、CPU100a、RAM100b、ROM100c、不揮発メモリー100dなどを有している。この制御部100には、カムモータードライバー101、撓み量センサー82、回転センサー103、ベルトモータードライバー104、レジストモータードライバー106、レジストセンサー108、定着入口センサー109などが電気接続されている。
カムモータードライバー101は、カム81(図5参照)の回転駆動源となるカムモーター102の駆動量を制御するものである。制御部100がカムモータードライバー101に制御信号を送ることで、カムモータードライバー101がカムモーター102をその制御信号に応じた回転方向及び回転量で回転させる。これにより、カム81が前記制御信号に応じた回転角度だけ正回転又は逆回転して、転写側案内部材(図5の80)のシート案内面の位置を無段階で変位させる。つまり、転写側案内部材の位置を無段階で調整することができる。
カム81の回転軸の周面における所定の位置には、被検部材が固定されており、回転軸と一体となって回転する。カム81が所定の回転姿勢(以下、基準回転姿勢という)になると、この被検部材が透過型光学センサーからなる回転センサー103の発光素子と受光素子との間に介在して、回転センサー103が検知信号を制御部100に出力する。制御部100は、その検知信号を受信することで、カム81について基準回転姿勢になったタイミングを把握することができる。
ベルトモータードライバー104は、中間転写ベルト(図5の16)を無端移動せしめる駆動ローラ(図5の18)の回転駆動源となるベルト駆動モーター105の駆動を制御するものである。制御部100がベルトモータードライバー104に制御信号を送ることで、ベルトモータードライバー104がベルト駆動モーター105をその制御信号に応じた速度で回転させる。
レジストモータードライバー106は、レジストローラ対(図5の32)の回転駆動源となるレジストモーター107の駆動を制御するものである。制御部100がレジストモータードライバー106に制御信号を送ることで、レジストモータードライバー106がレジストモーター107をその制御信号に応じた速度で回転させる。
レジストセンサー108は、反射型光学センサーからなり、レジストニップの入口付近を通過する記録シートPを検知して、検知信号を制御部100に出力するものである。その検知信号により、制御部100は、記録シートPについてレジストニップの入口付近に存在することを把握することができる。
定着入口センサー109は、反射型光学センサーからなり、定着ニップの入口付近を通過する記録シートPを検知して、検知信号を制御部100に出力するものである。その検知信号により、制御部100は、記録シートPについて定着ニップの入口付近に存在することを把握することができる。
「ニップ間」のシート部分における撓み量は上述したように変動するが、それぞれの撓み量に対応する、転写側案内部材80の適切な位置が個別に存在する。撓み量がどのように変動しても、変動後の撓み量に対応する適切な位置(以下、適正位置という)まで転写側案内部材80を移動させれば、撓み量の変動に起因する前記シート部分のバタツキによるシワの発生を抑えることが可能である。
そこで、制御部100は、予めの実験によって構築された適正位置テーブルをROM100c内に記憶している。この適正位置テーブルは、撓み量センサー82によって検知される撓み量と、これに対応する転写側案内部材80の矢印A、B方向における適正位置とを関連付けたデーターテーブルである。撓み量が大きくなるほど、「ニップ間」のシート搬送経路から遠ざかった位置を適正位置として関連付けている。この適正位置は、位置情報そのものではなく、代替値として、カムモーター102の正転駆動量の情報になっている。上述した基準回転姿勢で停止しているカム81を、その正転駆動量だけ正転駆動することで、転写側案内部材80を撓み量に対応する適正位置に移動させることができる。以下、それぞれの正転駆動量を適正駆動量という。
適正位置は、それに対応する撓み量で撓んでいるシート部分を転写側案内部材80から離間させない値に設定されている。これにより、撓み量を減少させたシート部分を転写側案内部材80からの離間を防止して、離間によってシート部分をばたつかせることによるシート皺の発生を防止することができる。
制御部100は、プリント命令信号を受信すると、カムモータードライバー101に制御信号を送信して、回転センサー103から検知信号が送られてくるまで、カムモーター102を逆転駆動する。この逆転駆動によってカム81を基準回転姿勢で停止させると、次に、カムモータードライバー101に対し、カムモーター102を予め記憶している基準駆動量だけ正転駆動するための制御信号を送信した後、基準駆動量を前回駆動量として不揮発メモリー100dに記憶する。これにより、カム81を基準回転姿勢から所定の回転角度だけ正転させることで、転写側案内部材80を基準位置まで移動させる。この基準位置は、「ニップ間」のシート部分の撓み量が設計通りの大きさになっているときに適正位置となる位置である。なお、前回駆動量は、カムモーター102の駆動履歴の直近における基準駆動量又は適正駆動量を示すものである。前述した基準位置への移動では、基準駆動量を使用しているので、基準駆動量を前回駆動量として記憶したのである。
その後、連続プリント動作が開始され、「ニップ間」のシート部分の撓み量が経時的に設計値からずれていくと、撓み量センサー82による検知結果に基づいて制御部100が撓み量の変動を把握する。すると制御部100は、撓み量の検知結果に対応する転写側案内部材80の適正駆動量を適正位置テーブルから特定してから、不揮発メモリーに記憶している前回駆動量を読み込んで、適正駆動量から前回駆動量を減じた減算駆動量を算出する。次に、適正駆動量を前回駆動量として更新記憶した後に、カムモータードライバー101に対し、カムモーター102を減算駆動量だけ駆動するための制御信号を送信する。この制御信号を受けたカムモータードライバー101は、減算駆動量が正極性であれば、減算駆動量だけカムモーター102を正転駆動させる。これに対し、減算駆動量が負極性であれば、減算駆動量の絶対値の分だけカムモーター102を逆転駆動させる。それらの正転駆動、又は逆転駆動により、カム81が適切な回転角度だけ回転して、転写側案内部材80が適正位置まで移動する。
図7は、制御部100によって実施される位置調整制御の処理フローを示すフローチャートである。同図において、プリント命令信号を受信した制御部100は(ステップ1でY:以下、ステップをSと記す)、基準調整処理を実施して(S2)、転写側案内部材80を基準位置まで移動させる。この基準調整処理は、上述したように、カム81を基準回転姿勢まで回転させてから、基準駆動量だけ正回転させる処理である。
次いで、制御部100は、定着入口センサー109から検知信号が送られてくると(S3でY)、即ち、「ニップ間」にシート部分が存在するようになると、撓み量センサー82による撓み量の検知結果を取得した後(S4)、その検知結果に対応する適正駆動量を適正位置テーブルから特定する(S5)。そして、適正駆動量から前回駆動量を減じて減算駆動量を算出すると(S6)、前回駆動量を更新した後に、減算駆動量の分だけカムモーター102を駆動させて転写側案内部材80を適正位置まで移動させる(S7)。その後、残りのプリントがある場合には(S8でY)、処理フローをS3にループさせる一方で、残りのプリントがない場合には(S8でN)、一連の処理フローを終了する。
図8は、実施形態に係るプリンタにおけるシート搬送路とその周囲とを、ニップ間におけるシート部分の姿勢の第二例とともに示す構成図である。この第二例では、「ニップ間」におけるシート部分の撓み量がそれまでよりも少なくなった状態を示している。撓み量がより小さくなると、図示のように、搬送中の記録シートPと、撓み量センサー82との距離とがより大きくなる。制御部100は、撓み量がそれまでよりも小さくなると、同図に示されるように、転写側案内部材80を図中矢印B方向に移動させてシート搬送経路により近づける。これにより、撓み量を減少させたシート部分が転写側案内部材80から離間して支持を失うことを防止することで、離間によるシート部分のバタツキに起因するシート皺の発生を防止することができる。
図9は、実施形態に係るプリンタにおけるシート搬送路とその周囲とを、ニップ間におけるシート部分の姿勢の第三例とともに示す構成図である。この第三例では、「ニップ間」におけるシート部分の撓み量がそれまでよりも大きくなった状態を示している。すると、図示のように、搬送中の記録シートPと、撓み量センサー82との距離とがより小さくなる。制御部100は、撓み量がそれまでよりも大きくなると、同図に示されるように、転写側案内部材80を図中矢印A方向に移動させてシート搬送経路からより遠ざける。これにより、撓み量を増加させたシート部分の撓み部分を収容するスペースを確保して、そのシート部分を転写側案内部材80に強く押し付けることによるシート部分の不規則な蛇行撓みの発生を防止する。よって、不規則な蛇行撓みの発生によるシート部分のバタツキに起因するシート皺の発生を防止することができる。
また、情報取得手段として、撓み量検知手段たる撓み量センサー82を用いた例について説明したが、シートの撓み量を知ることができる所定の情報を取得するものであれば、情報取得手段は撓み量センサー82に限られるものではない。例えば、次の組み合わせを情報取得手段として用いることも可能である。第一搬送手段による搬送速度(例えばローラ表面線速)を検知する第一速度検知手段と、第二搬送手段による搬送速度(例えばローラ表面線速)を検知する第二速度検知手段に、それらの検知結果の差に基づいて撓み量を算出する算出手段との組み合わせである。
これまで、本発明を適用したシート搬送装置を搭載したプリンタについて説明したが、同シート搬送装置をプリンタとは異なる装置に搭載してもよい。例えば、画像読取装置としてのスキャナーや、プリント後の記録シートを複数枚綴じたり、パンチ穴を開けたり、整合したりする後処理装置に同シート搬送装置を搭載してもよい。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、シートに搬送力を付与する第一搬送手段(例えば転写ユニット15)及び第二搬送手段(例えば定着装置34)と、前記第一搬送手段と前記第二搬送手段との間に配設され、前記第一搬送手段から送り出されてくるシートを前記第二搬送手段に向けて案内する案内部材(例えば転写側案内部材80)とを有するシート搬送装置であって、前記案内部材の位置を前記案内部材の移動によって調整する位置調整手段(例えば、保持体、カム81、カムモータードライバー101、カムモーター102、回転センサー103などからなるもの)と、前記第一搬送手段から前記第二搬送手段に向けて搬送中のシートの撓み量を知るための所定の情報を取得する情報取得手段(例えば撓み量センサー82)とを備え、前記情報取得手段による取得結果に応じて前記案内部材を前記位置調整手段によって前記第一搬送手段と前記第二搬送手段との間のシート部分に接近させる方向や前記シート部分から遠ざかる方向に移動させることを特徴とするものである。
[第1態様]
第1態様は、シートに搬送力を付与する第一搬送手段(例えば転写ユニット15)及び第二搬送手段(例えば定着装置34)と、前記第一搬送手段と前記第二搬送手段との間に配設され、前記第一搬送手段から送り出されてくるシートを前記第二搬送手段に向けて案内する案内部材(例えば転写側案内部材80)とを有するシート搬送装置であって、前記案内部材の位置を前記案内部材の移動によって調整する位置調整手段(例えば、保持体、カム81、カムモータードライバー101、カムモーター102、回転センサー103などからなるもの)と、前記第一搬送手段から前記第二搬送手段に向けて搬送中のシートの撓み量を知るための所定の情報を取得する情報取得手段(例えば撓み量センサー82)とを備え、前記情報取得手段による取得結果に応じて前記案内部材を前記位置調整手段によって前記第一搬送手段と前記第二搬送手段との間のシート部分に接近させる方向や前記シート部分から遠ざかる方向に移動させることを特徴とするものである。
第1態様においては、制御手段が搬送中のシートの撓み量に基づいて位置調整手段を制御して、案内部材の位置をその撓み量に対応する適切な位置に調整する。これにより、第一搬送手段による搬送速度と、第二搬送手段による搬送速度との速度差(前者>後者)が温度変動等によって設計値よりも小さくなってシートの撓み量を小さくしてシートを案内部材から離間させることを防止する。また、前記速度差が温度変動等によって設計値よりも大きくなってシートの撓み量を大きくしたことで、シートを案内部材に強く当接して不規則な蛇行形状で撓ませることを防止する。従って、案内部材から離間させたシートを不安定に細かくバタツキながら第二搬送手段に進入させることによるシート皺の発生を抑えることができる。加えて、不規則な蛇行形状に撓ませたシートを撓み形状の変化に伴ってバタツキながら第二搬送手段に進入させることによるシート皺の発生を抑えることもできる。
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記情報取得手段として、前記撓み量を検知する撓み量検知手段を用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、実際に検知した撓み量を位置調整手段の制御に用いることで、所定の情報に基づいて算出した撓み量と実際の撓み量との誤差に起因するシート皺発生の抑制効果の低下を回避することができる。
第2態様は、第1態様において、前記情報取得手段として、前記撓み量を検知する撓み量検知手段を用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、実際に検知した撓み量を位置調整手段の制御に用いることで、所定の情報に基づいて算出した撓み量と実際の撓み量との誤差に起因するシート皺発生の抑制効果の低下を回避することができる。
[第3態様]
第3態様は、第1態様又は第2態様であって、前記撓み量が大きくなるにつれて前記案内部材を前記位置調整手段によって前記シート部分から遠ざける方向に移動させることを特徴とするものである。かかる構成では、撓み量の検知結果に基づいて、シートをばたつかせない適正位置に案内部材を移動させることができる。
第3態様は、第1態様又は第2態様であって、前記撓み量が大きくなるにつれて前記案内部材を前記位置調整手段によって前記シート部分から遠ざける方向に移動させることを特徴とするものである。かかる構成では、撓み量の検知結果に基づいて、シートをばたつかせない適正位置に案内部材を移動させることができる。
[第4態様]
第4態様は、第3態様であって、前記撓み量に基づいて、前記案内部材を前記シート部分から離間させない移動量で移動させて前記位置を調整することを特徴とするものである。かかる構成では、撓み量を比較的小さくしたシートを案内部材から離間させることによるシートのバタツキの発生を防止することができる。
第4態様は、第3態様であって、前記撓み量に基づいて、前記案内部材を前記シート部分から離間させない移動量で移動させて前記位置を調整することを特徴とするものである。かかる構成では、撓み量を比較的小さくしたシートを案内部材から離間させることによるシートのバタツキの発生を防止することができる。
[第5態様]
第5態様は、第3態様又は第4態様において、カムの回転によって前記案内部材を移動させるように前記位置調整手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、案内部材の位置を無段階で調整することができる。
第5態様は、第3態様又は第4態様において、カムの回転によって前記案内部材を移動させるように前記位置調整手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、案内部材の位置を無段階で調整することができる。
[第6態様]
第6態様は、シートに画像を記録する記録手段(例えば転写ユニット15)と、前記記録手段に向けて記録シートを搬送するか、あるいは、前記記録手段を通過した記録シートを所定の搬送先に向けて搬送するシート搬送手段とを備える画像形成装置(例えばプリンタ)において、前記シート搬送手段として、第1、第2、第3、第4又は第5態様を用いたことを特徴とするものである。
第6態様は、シートに画像を記録する記録手段(例えば転写ユニット15)と、前記記録手段に向けて記録シートを搬送するか、あるいは、前記記録手段を通過した記録シートを所定の搬送先に向けて搬送するシート搬送手段とを備える画像形成装置(例えばプリンタ)において、前記シート搬送手段として、第1、第2、第3、第4又は第5態様を用いたことを特徴とするものである。
[第7態様]
第7態様は、第6態様において、前記記録手段として、像担持体に担持されるトナー像をシートに転写する転写手段(例えば転写ユニット15)を用い、前記シートにトナー像を定着せしめる定着手段(例えば定着装置34)を設け、前記転写手段を通過した記録シートを前記搬送先としての前記定着手段に向けて搬送するように、前記シート搬送装置を構成したことを特徴とするものである。
第7態様は、第6態様において、前記記録手段として、像担持体に担持されるトナー像をシートに転写する転写手段(例えば転写ユニット15)を用い、前記シートにトナー像を定着せしめる定着手段(例えば定着装置34)を設け、前記転写手段を通過した記録シートを前記搬送先としての前記定着手段に向けて搬送するように、前記シート搬送装置を構成したことを特徴とするものである。
15:転写ユニット(第一搬送手段、記録手段、転写手段)
34:定着装置(第二搬送手段)
80:転写側案内部材(案内部材)
81:カム(位置調整手段の一部)
82:撓み量センサー(情報取得手段、撓み量検知手段)
100:制御部(制御手段)
101:カムモータードライバー(位置調整手段の一部)
102:カムモーター(位置調整手段の一部)
103:回転センサー(位置調整手段の一)
34:定着装置(第二搬送手段)
80:転写側案内部材(案内部材)
81:カム(位置調整手段の一部)
82:撓み量センサー(情報取得手段、撓み量検知手段)
100:制御部(制御手段)
101:カムモータードライバー(位置調整手段の一部)
102:カムモーター(位置調整手段の一部)
103:回転センサー(位置調整手段の一)
Claims (7)
- シートに搬送力を付与する第一搬送手段及び第二搬送手段と、前記第一搬送手段と前記第二搬送手段との間に配設され、前記第一搬送手段から送り出されてくるシートを前記第二搬送手段に向けて案内する案内部材とを有するシート搬送装置であって、
前記案内部材の位置を前記案内部材の移動によって調整する位置調整手段と、前記第一搬送手段から前記第二搬送手段に向けて搬送中のシートの撓み量を知るための所定の情報を取得する情報取得手段とを備え、前記情報取得手段による取得結果に応じて前記案内部材を前記位置調整手段によって前記第一搬送手段と前記第二搬送手段との間のシート部分に接近させる方向や前記シート部分から遠ざかる方向に移動させることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1のシート搬送装置において、
前記情報取得手段として、前記撓み量を検知する撓み量検知手段を用いたことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1又は2のシート搬送装置であって、
前記撓み量が大きくなるにつれて前記案内部材を前記位置調整手段によって前記シート部分から遠ざける方向に移動させることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項3のシート搬送装置であって、
前記撓み量に基づいて、前記案内部材を前記シート部分から離間させない移動量で移動させて前記位置を調整することを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項3又は4のシート搬送装置において、
カムの回転によって前記案内部材を移動させるように前記位置調整手段を構成したことを特徴とするシート搬送装置。 - シートに画像を記録する記録手段と、前記記録手段に向けて記録シートを搬送するか、あるいは、前記記録手段を通過した記録シートを所定の搬送先に向けて搬送するシート搬送手段とを備える画像形成装置において、
前記シート搬送手段として、請求項1、2、3、4又は5のシート搬送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6の画像形成装置において、
前記記録手段として、像担持体に担持されるトナー像をシートに転写する転写手段を用い、前記シートにトナー像を定着せしめる定着手段を設け、前記転写手段を通過した記録シートを前記搬送先としての前記定着手段に向けて搬送するように、前記シート搬送装置を構成したことを特徴とする画像形成装置。
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