JPH0752121Y2 - 紙検知センサ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、複写機、ファクシミリ、レーザプリンタ等に
おいて、送入または送出される紙との接触を受力してマ
グネットや光遮断用部材を移動させ、その移動による磁
束量や光量の変化を検知することによりスイッチングを
行なうように設けた磁電変換素子や光電変換素子を用い
た紙検知センサに関する。

［従来の技術］ 従来、例えばリードスイッチ方式の紙検知センサの場
合、第４図に示すように、送られてきた紙Ａと接触する
レバー21と、該レバー21の一端に固着されたマグネット
24と、該マグネット24の離接による磁束量の変化を検知
する磁電変換素子23と、を備えて構成されている。

しかし、紙Ａと接触する部位を有するレバー21は通常プ
ラスチック材からなるため摩耗し易い。したがって、レ
バーの先端がすり減って紙を検知しなくなり、誤動作の
原因となっていた。

そこで、プラスチック材のなかでも、耐摩耗特性が優れ
たポリアセタール等を使用することが行なわれている。

ところが、近年、上記した複写機等の紙送りスピードが
著しく高速化する傾向があるため、ポリアセタール等を
使用してもプラスチック製では十分な耐摩耗効果を奏す
ることはできないという問題がある。

また、紙通過スピードの高速化に伴い、紙との摩擦によ
る静電気の発生もより大きな障害となってきている。

したがって、かかる静電気の発生により、その放電時に
発生する雑音（ノイズ）が機器内部の他の部品や電子回
路等に悪影響を及ぼし、複写物のトナー定着不良や移写
（線状の汚れ）を惹き起こすという問題がある。

そこで、本考案は、レバーの耐摩耗特性を向上させ、近
年の高速化した装置においても長期使用を可能にすると
ともに、紙とレバーとの接触により発生した静電気の帯
電を防止することができる紙検知センサの提供を目的と
する。

［課題を解決するための手段］ 本考案の紙検知センサは、磁電変換素子または光電変換
素子を装着したフレームと、支軸を介して該フレームに
対し回動可能に取り付けられ、一端部に通過紙接触用の
受力作用部を備えるとともに、他端部に前記磁電変換素
子または光電変換素子に近接・離間してそのスイッチン
グを制御するための制御部を設けたアクチュエータレバ
ーと、を有してなる紙検知センサにおいて、前記アクチ
ュエータレバーが、少なくともその受力作用部に金属メ
ッキを施したプラスチック材からなり、かつ、該メッキ
部にアース接続部を連結したこと、を特徴とする。

［実施例］ 以下、本考案の紙検知センサを第１図乃至第３図に示し
た一実施例に基づき説明する。

１は本実施例にかかる磁電変換素子を備えたリードスイ
ッチ方式の紙検知センサを示す。２は固定板６及びその
両側端に配設される固定用側板７を介して、複写機やプ
リンタ等の本体機器に着脱自由に取り付けられるフレー
ムである。なお、第３図において、11,12は取り付け位
置決め用突部である。

このフレーム２はプラスチック材等からなり、第１図及
び第２図に示すように、磁電変換素子3aを内蔵した箱体
３が一端部に装着されているとともに、一対の相対面し
た側板部2a,2bとを有する成形体である。なお、磁電変
換素子3aは、リード線（図示せず）を介してスイッチン
グ用の電気回路に接続される。

４はアクチュエータレバーであり、ポリアセタール等の
プラスチック材からなるとともに、その少なくとも受力
作用部4aすなわち送られてくる紙Ａと接触する部分の外
面に金属メッキ８を施したものである。すなわち、表面
平滑性および硬度に優る金属メッキ８を施すことによ
り、アクチュエータレバー４の耐摩耗特性を向上させた
ものである。

９は紙Ａとレバー４との接触により発生する静電気を放
電して帯電を防止するために、該金属メッキ部８に連結
したアース接続ケーブルである。

上記アクチュエータレバー４は、その略中央部に上記側
板部2a,2b間に軸架される支軸部4cが一体形成されてお
り、該支軸部4cを支点に正逆回転可能に構成されてい
る。また、該アクチュエータレバー４の下端には、上記
磁電変換素子3aと近接・離間して該素子3aのスイッチン
グを制御するマグネット部５が固着されている。そし
て、支軸部4cに装着した巻きばね等の弾性部材10によ
り、常時は磁電変換素子3a側に接近付勢されている。

なお、本実施例では、支軸部4cを一体形成したアクチュ
エータレバー４を使用しているが、アクチュエータレバ
ー４にボス部を形成し、該ボス部にレバーと別体に成形
した支軸を挿通して上記側板2a,2b間に軸架するように
してもよい。

［作用］ 上記した構成からなる本考案の紙検知センサ１は、ファ
クシミリや複写機等の所定箇所に配設されて次のように
作用する。

まず、常時においては、レバー４は弾性部材10の弾性力
により、マグネット部５が磁電変換素子3aに近接せしめ
られている。而して、マグネット部５からの磁束によ
り、該磁電変換素子3aからONまたはOFF信号が出力され
ている。

一方、第１図矢印Ｐ方向から送られてきた紙Ａが、紙検
知センサ１の上方部を通過しようとすると、該紙Ａがア
クチュエータレバー４の受力作用部4aと当接し、該アク
チュエータレバー４を、弾性部材10の弾性力に抗して矢
印Ｑ方向に回動させる。

これにより、アクチュエータレバー４の下端に固着され
たマグネット部５も同様に矢印Ｑ方向に回動して、磁電
変換素子3aとマグネット部５とが離間する。その結果、
マグネット部５の磁電変換素子3aに対する磁束量が変化
し、該磁電変換素子3aからこの変化に対応する電気信号
が出力される。

かかる紙検知センサ１によれば、アクチュエータレバー
４の少なくとも受力作用部4aに金属メッキ８が施されて
いるので、紙Ａとの接触によるレバー４の摩耗を防止す
ることができる。

また、接触時に生じる静電気は、アース接続ケーブル９
を介して放電されるので静電気が帯電することがない。

なお、上記した実施例は本考案を何ら限定するものでは
なく、例えば、磁電変換素子3a及びマグネット部５に代
えて、光電変換素子及び光遮断用部材を配設するものと
してもよい。

［考案の効果］ 本考案の紙検知センサによれば、少なくとも通過紙との
接触部分に金属メッキを施したアクチュエータレバーを
使用しているので、耐摩耗特性が優れており、近年の高
速化した機器においても安定して長期間使用することが
できる。

また、静電気が帯電することがないので、複写物の定着
不良や移写等の障害を防ぐことができる。

したがって、複写機等の紙通過スピードを一層高速化す
ることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の紙検知センサの一実施例を示す左側面
図、第２図は同実施例の正面図、第３図は同実施例の右
側面図、第４図は従来の紙検知センサを示す側面図、で
ある。 １……紙検知センサ ２……フレーム ３……磁電変換素子用箱体 3a……磁電変換素子 ４……アクチュエータレバー ５……マグネット部 ８……金属メッキ ９……アース接続ケーブル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】磁電変換素子または光電変換素子を装着し
   たフレームと、支軸を介して該フレームに対し回動可能
   に取り付けられ、一端部に通過紙接触用の受力作用部を
   備えるとともに、他端部に前記磁電変換素子または光電
   変換素子に近接・離間してそのスイッチングを制御する
   ための制御部を設けたアクチュエータレバーと、を有し
   てなる紙検知センサにおいて、 前記アクチュエータレバーが、少なくともその受力作用
   部に金属メッキを施したプラスチック材からなり、か
   つ、該メッキ部にアース接続部を連結したことを特徴と
   する紙検知センサ。