JP6743150B2 - 単一細胞の核酸配列分析 - Google Patents
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Description
本出願は、米国仮特許出願62/211,597(2015年8月28日出願)に対し優先権を主張し、さらに本出願は、米国仮特許出願61/985,983(2014年4月29日出願)及び61/987,433(2014年5月1日出願)に対して優先権を主張するPCT出願PCT/US15/28062(2015年4月28日出願)の部分継続出願である。これらのより早い出願の各々は参照によりその全体が本明細書に含まれる。
(政府補助)
本発明は、公衆衛生サービス(PHS)が提供する国立衛生研究所(NIH)グラント番号MH098977の下で政府の補助を受けて達成された。当該政府は本発明に一定の権利を有する。
組織のmRNAの内容の全て又は部分の直接的シークエンシングの利用は増え続けている。しかしながら、直接的シークエンシングによって細胞のmRNAの内容を分析する従来の方法は、典型的には何百万の細胞を含む組織サンプルから得られる大量のmRNAを分析することを必要とする。このことは、遺伝子発現を大量のmRNAで分析する場合には単一細胞に存在する機能情報の多くが失われるかあいまいになることを意味する。加えて、動的プロセス(例えば細胞周期)を集団の平均として観察することは不可能である。同様に、複雑な組織(例えば脳)の別個の細胞型は細胞を個々に分析する場合にのみ調べることが可能である。
調べようとする単一細胞の単離に使用される適切な細胞表面マーカーはしばしば存在せず、マーカーが存在するときでさえも、少数の単一細胞では遺伝子発現の自然な変動域を捉えるには十分ではない。必要なことは、複数個の単一細胞における遺伝子発現の分析に用いることができるcDNAライブラリーを調製する方法である。
本出願は電子書式の配列表とともに出願されている。当該配列表は、IP−1388−US_SequenceListing.txtと表題を付したファイル(2015年9月15日作成、4Kb)として提供される。当該配列表の電子書式情報は参照によりその全体が本明細書に含まれる。
ある実施態様では、1つの単一細胞に由来する核酸を分析する方法及び組成物が本明細書で提示される。いくつかの実施態様では、当該核酸配列分析方法及び組成物を用いて、1つの単一細胞小器官に由来する核酸からシークエンシングライブラリーを調製できる。いくつかの実施態様では、細胞小器官は1つの単一細胞に由来する核であってもよい。いくつかの実施態様では、細胞小器官は単一細胞から入手される。他の例示的細胞小器官にはミトコンドリア及びリボソームが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
いくつかの実施態様では、当該方法は、cDNAにタグを取り込んで複数個のタグ付加cDNAサンプルを提供する工程を含み、ここで各タグ付加cDNAサンプルのcDNAは1つの単一細胞に由来するmRNAに相補性である。ある実施態様では、タグは細胞特異的識別子配列及び固有の分子識別子(UMI)配列を含む。いくつかの実施態様では、第一鎖合成プライマーはタグを含む。いくつかの実施態様では、TSOプライマーはタグを含む。いくつかの実施態様では、複数の単一細胞の核に由来するタグ付加cDNAをプールし、場合により増幅させることができる。
いくつかの実施態様では、当該方法は、1つの単一細胞に由来するミクロRNA(miRNA)、小干渉RNA(siRNA)、リボソームRNA、又はミトコンドリアDNAからシークエンシングライブラリーを調製する工程を含む。当該方法は、1つの単一細胞から複数の細胞小器官を遊離させて複数個の細胞小器官を提供する工程を含む。当該複数の細胞小器官は空間的に互に分離され、したがって1つの小器官は空間的隔離区画に存在する。DNAの第一鎖は、ミクロRNA(miRNA)、小干渉RNA(siRNA)、リボソームRNA、又はミトコンドリアDNAから第一鎖合成プライマーにより合成される。いくつかの実施態様では、第一鎖合成プライマーはランダマーである。いくつかの実施態様では、第一鎖合成プライマーはランダマーであり、さらにプライマー結合部位を含む。いくつかの実施態様では、第一鎖合成プライマーは、第一鎖特異的合成プライマー及びランダマーの混合物である。いくつかの実施態様では、第一鎖合成プライマーは第一鎖特異的合成プライマー及びランダマーの混合物であり、各々はさらに第一の増幅プライマー結合部位を含む。
ある実施態様では、複数の細胞小器官(例えば核、ミトコンドリア、リボソーム)は蛍光活性化細胞選別(FACS)によって空間的に分離され、各細胞小器官は、空間的隔離区画(例えば単一マイクロウェル又はフリューダイム(Fluidigm)C1チップ)中に選別される。いくつかの実施態様では、各細胞小器官は、固体表面に固定されることによって空間的隔離区画中に空間的に分離される。例えば、前記は抗体を介して実施され、この場合、抗体は細胞小器官に特異的に結合し、かつ抗体は固体表面に固定される。いくつかの実施態様では、固体表面はフローセル又はビーズである。
ある種の実施態様では、当該方法はさらに、タグ付加cDNAフラグメントを増幅し、増幅タグ付加cDNAフラグメントを生成する工程を含む。いくつかの特徴では、増幅工程は、追加の配列を増幅生成物の5’末端に付加する工程を含む。
いくつかの特徴では、追加の配列は、固相支持体での増幅のためにプライマー結合配列を含む。いくつかの特徴では、追加の配列は追加のインデックス配列を含む。
ある種の実施態様では、当該方法はさらに、増幅タグ付加cDNAフラグメントを固相支持体上で増幅する工程を含む。
ある種の実施態様では、当該方法はさらに、増幅生成物を固相支持体上でシークエンシングする工程を含む。
いくつかの特徴では、トランスポザーゼ混合物は、本質的に1つのタイプのアダプター配列を有するトランスポソームから成る。
ある種の実施態様では、当該方法はさらに、タグ付加cDNAフラグメントをシークエンシングする工程を含む。
いくつかの特徴では、シークエンシング工程は3’タグの計測を含む。
いくつかの特徴では、シークエンシング工程は全トランスクリプトームの分析を含む。
いくつかの特徴では、第一鎖の合成はランダムプライマーの混合物を用いて実施され、ランダムプライマーはさらにタグを含む。
いくつかの特徴では、第一鎖合成プライマーは二本鎖部分を含む。いくつかの実施態様では、二本鎖部分を含む第一鎖合成プライマーはさらに1つの一本鎖ループを一方の末端に含む。いくつかの特徴では、第一鎖合成プライマーはヘアピンを形成できる領域を含む。
いくつかの特徴では、第一鎖合成プライマーは、一本鎖の第一鎖合成プライマーと比較して連結副産物を減少させる。
いくつかの特徴では、第一鎖合成プライマーはRNA領域を含む。
いくつかの特徴では、第一鎖合成プライマーは相補性オリゴヌクレオチドとハイブリダイズし、それによって二本鎖部分を形成する。
さらにまた複数個のビーズが本明細書で提示され、ここで、各ビーズは複数個のオリゴヌクレオチドを含み、各オリゴヌクレオチドは以下を含む:(a)リンカー、(b)増幅プライマー結合部位、(c)場合により固有分子識別子(各オリゴヌクレオチドについて相違する)、(d)ビーズ特異的配列(当該ビーズの各オリゴヌクレオチドで同じであるが、他のビーズでは異なる)、及び(e)mRNAを捕捉し逆転写をプライミングする捕捉配列。
いくつかの特徴では、捕捉配列はオリゴdTを含む。
いくつかの特徴では、各ビーズは、他のビーズから隔離された分離小滴に存在する。
1つ以上の実施態様の詳細が添付の図面及び下記の記述で説明される。他の特色、目的及び利点は、当該記述及び図面からさらに特許請求の範囲から明白となるであろう。
これまでのところ、単一細胞のRNA−Seqのためにもっとも一般的に用いられる方法は、CLONTECHTM SMART−SEQTM技術又はその誘導技術を土台とする。簡単に言えば、オリゴ(dT)プライマーが第一鎖cDNA合成反応をプライミングする。逆転写酵素(SMARTSCRIBETM)がmRNAの5’末端に達するとき、当該酵素のターミナルトランスフェラーゼ活性はいくつかの付加的な非鋳型ヌクレオチドを当該cDNAの3’末端に付加する。鋳型スイッチオリゴ(この非鋳型ヌクレオチドストレッチと塩基対を形成するように設計されている)は、アニーリングして伸長した鋳型を作出し、当該RTが当該オリゴヌクレオチドの末端の複製を継続することを可能にする(図1)。
本明細書で提示される方法は、例えばUS2012/0010091の開示(参照によりその全体が本明細書に含まれる)に記載されているように、サンプル特異的タグを付加したcDNAを作製する方法を含むことができる。本明細書で用いられるように、単一細胞タグ付加逆転写及びSTRTという用語は、例えばUS2012/0010091の参照により本明細書に取り込んだ資料に開示された方法を指す。いくつかの実施態様では、二本鎖cDNAはSTRT法ではDNaseで分解されない。その代わりに、二本鎖cDNAは、トランスポザーゼでタグメンテーションされる(例えば標準ネクストエラ)。
二本鎖cDNAは続いて、例えば、全トランスクリプトームRNA−SeqのためにはNEXTREATM若しくはTRUSEQTMを用い、又は5’末端シークエンシングのためには酵素分解、例えばDNase I若しくはフラグメンターゼを用いその後アダプター連結を実施してシークエンシングライブラリーに変換され得る。両方法には賛否両論がある。すなわち、前者では、サンプルバーコードがライブラリー調製中に導入された後で多重化され得るだけであるが、後者は、バーコードは第一鎖合成工程中に導入できるのでcDNA合成後に多重化できる。したがって、サンプル当たりの処理能力が高ければ高いほど及び経費が安ければ安いほど後者が有利である。しかしながら、両方法により得られる情報は異なる用途を有する。すなわち、前者は全トランスクリプトームのシークエンシングを可能にし、後者は遺伝子発現レベルのみ審問する。
いくつかの実施態様では、第一鎖合成は、(定着させた)オリゴdTで(或いは場合により1つのランダマー又は2つのランダマーの組合せで)プライミングされ、前記にはサンプルバーコード(BC)、増幅プライマー結合部位、及び場合により鋳型スイッチ(TS)プライマー配列が添付される。いくつかの実施態様では、増幅プライマー結合部位はトランスポザーゼアダプター配列であり、例えばネクストエラアダプター配列V2.A14又はV2.B15である。当該バーコードは、分子バーコード(固有分子識別子又は“UMI”(前記はPCR重複物の検出を可能にするであろう))の後ろにあっても前にもあってもよい。逆転写酵素がmRNAの5’末端に到達するとき、上記及びUS2012/0010091の本明細書取り込み資料に記載されたように鋳型スイッチが生じる。鋳型スイッチは、TSプライマー配列の相補物を第一鎖cDNAに取り込む。サンプルバーコードは第一鎖cDNAに取り込まれているので、異なるサンプルがこの時点でプールされ得る。続いて、第一鎖プールは二本鎖にされ、さらに場合によってTSプライマーによりPCR反応で増幅される(図2A)。cDNAの両末端が相補性配列を含むという事実のために、ヘアピン構造の形成はより小さなフラグメント(例えば人工産物など)の増幅の抑制をもたらすであろう。
いくつかの実施態様では、図2B及び3Bに示すように、cDNAはTSオリゴで増幅される。この単一プライマーPCRは小アンプリコン(例えばプライマーダイマーなど)を抑制する。cDNAプールはトランスポザーゼ(例えば“NEXTERATM”)でタグメンテーションできる。前記トランスポザーゼは、典型的な2つのアダプターではなく1つのアダプターを含むだけである。図2B及び3Bに示す例では、トランスポザーゼはV2.B15オリゴをローディングされる。タグメンテーションの後で、p5−V2.A14及びp7−V2.B15増幅プライマーによるPCRは当該cDNAの3’末端フラグメントを優先的に増幅する。2つのタグメンテーション事象によって生成されたフラグメント(“対称性フラグメント”)はPCRの間抑制され、シークエンシング可能なフラグメントを生成しないであろう。例えば、図2B及び3Bに示すように、対称性フラグメントから生じる増幅生成物は、増幅生成物の5’及び3’の両末端にP7プライマー配列を提示し、P5及びP7増幅プライマーを保持する標準イルミナ(Illumina)フローセルでシークエンシング可能クラスターを形成しないであろう。加えて、それらは、それらの相補性末端のためにPCRの間抑制されるであろう。対照的に、3’末端フラグメントは増幅後にP5及びP7プライマー結合部位を保持し、イルミナフローセルでシークエンシング可能なクラスターを形成することができる。ペアエンドシーケンシングは、リード1でサンプルのBC及びUMIをもたらし、リード2でcDNA配列をもたらす。
その後のプール化、クリーンアップ、単一プライマーcDNA PCR増幅、タグメンテーション及びシークエンシングライブラリー調製を、1本の単一チューブで2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100又は100を超える細胞のために実施することができる。したがって、本明細書に記載する方法及び組成物は多重化に極めて馴染みやすい。例として、図5に示すように、本明細書で提供される方法は、細胞レベルの多重化を可能にする(例えば96ウェルプレートに付き96サンプル)。さらにまた、当該方法は、固有にバーコードを付したプレートを用いて更なる多重化を可能にする(例えば96ウェルプレートを識別するバーコードを取り込むためにタグメンテーションを実施する)。これらの方法は自動化に馴染みやすく、経費及び時間の目覚ましい軽減を提供する。
第一鎖合成プライマーにおけるサンプルバーコード及びUMIの順序は変動させることができる。例えば、いくつかの実施態様では、サンプルバーコードはUNIに対し3’に配置される。いくつかの実施態様では、サンプルバーコードはUNIに対し5’に配置される。いくつかの実施態様では、サンプルバーコードはUNIと直に連続する。いくつかの実施態様では、サンプルバーコード(BC)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11以上のヌクレオチドによりUMIから隔てられる。いくつかの実施態様では、サンプルバーコード(BC)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11以上のヌクレオチドによりUMIとオーバーラップする。
図7(複数の単一細胞)に示すように、非対称性タグメンテーション(ネクストエラV2.B15/V2.A14バージョン)と比較してどちらかの対称性タグメンテーション(ネクストエラV2.B15バージョン)を用いて遺伝子発現を分析したとき、顕著な数の遺伝子が検出され、さらに他のメトリックが得られた。図8は、2つのトランスポザーゼアダプター(V2.A14及びV2.B15)を用いるタグメンテーションに対してただ1つのトランスポザーゼアダプター(V2.B15)を用いて実施したときには、転写カバー域が転写物の3’末端に向けてほぼ完全に偏向することを示す。
同様に、いくつかの実施態様では、サンプル及びUMIバーコード付与は、UMI及び/又は第一鎖合成用バーコードタグ付加プライマーを保持するビーズとともに個々の細胞を隔離することによって実施できる。いくつかの実施態様では、ビーズはエマルジョン中の小滴に隔離される。いくつかの実施態様では、ビーズは小滴アクチュエータを用いて隔離及び/又は操作される。図12に示すように、ビーズによるバーコード付与は、ビーズのセットを作成することによって実施できる(各ビーズは1つ又は複数の固有バーコードセットを保持する)。
いくつかの実施態様では、本明細書で提供される方法を利用して、全トランスクリプトームシークエンシングを実施することができる。そのような実施態様では、第一鎖合成はランダマーを用いて拡張される。図9Aに示すように、ランダムプライミングは、ランダマーがハイブリダイズし第一鎖合成をプライミングできる転写物の全長に沿って任意の場所でシークエンシング可能なフラグメントのウィンドウを拡張する。ランダマーは、他のアダプター及びプライマー結合部位(例えばトランスポソームアダプター配列及び/又は鋳型切換え(TS)プライマー)に加えて、サンプルバーコード及び固有の分子識別子の同じ組合せを含むことができる。鋳型切換え及び第二鎖合成は、オリゴdTプライミングcDNA合成について上記で述べたように実施できる。得られた二本鎖cDNAを上記に述べたように続いてタグメンテーション反応に付すことができる。オリゴdTプライマーに対しランダマーを使用する違いは、転写物の3’部分ではなくて転写物の完全な又は実質的に完全な配列を得ることができるということである。図6(100pgのRNA)に示すように、第一鎖合成のためのオリゴdT及びランダマーの混合物と比較して、どちらかのオリゴdTを用いて遺伝子発現を分析したとき、顕著な数の遺伝子が検出されさらに他のメトリックが得られた。
第一鎖合成のプライミングにランダマーを用いたときに生じ得る副産物の1つのタイプは連結副産物である。特に、図9Bに示すいくつかの状況では、ランダマーは他のランダムプライマーとハイブリダイズし、RNA転写物とのアニーリングを打ち負かすことがある。生じたcDNA生成物はさらにまたランダムプライミングに付され、鋳型切換え事象の連鎖が生じ得る。この連鎖は、連結副産物の形成(鋳型切換えオリゴヌクレオチドの存在に依存し得る)をもたらし得る。
本明細書で用いられるように、“ランダマー”及び“ランダムプライマー”という用語は互換的に用いられる。ランダマーという用語は、各位置で4倍縮退性を示すことができるランダムプライマーを指す。
いくつかの実施態様では、ランダマーは、当業界で公知の多様なランダム配列長を有する任意の核酸プライマーである。例えば、ランダマーは、3、4、5、6、7、8、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は20を超えるヌクレオチドの長さを有するランダム配列を含むことができる。ある種の実施態様では、複数個のランダムプライマーは多様な長さを有するランダマーを含むことができる。ある種の実施態様では、複数個のランダマーは長さが等しいランダマーを含むことができる。ある種の実施態様では、複数個のランダマーは約5から約18ヌクレオチドの長さであるランダム配列を含むことができる。いくつかの実施態様では、複数個のランダマーはランダムヘキサマーを含む。ランダムプライマー(及び特にランダムヘキサマー)は市場で入手でき、増幅反応(例えばマルチ入れ替え増幅(MDA))で広く用いられる(MDAはREPLI−g全ゲノム増幅キット(QIAGEN, Valencia, CA)で具体化される)。本明細書に提示する方法及び組成物では任意の適切な長さのランダマーを用い得ることは理解されよう。
3’ランダム配列部分及び5’指定配列部分を含む例示的ランダマー配列を以下に示す:
GTGTAGATCT CGGTGGTCGC CGTATCATTN NNNN
GTGTAGATCT CGGTGGTCGC CGTATCATTN NNNNN
GTGTAGATCT CGGTGGTCGC CGTATCATTN NNNNNN
GTGTAGATCT CGGTGGTCGC CGTATCATTN NNNNNNN
GTGTAGATCT CGGTGGTCGC CGTATCATTN NNNNNNNN
ATCTCGTATG CCGTCTTCTG CTTGNNNNN
ATCTCGTATG CCGTCTTCTG CTTGNNNNNN
ATCTCGTATG CCGTCTTCTG CTTGNNNNNNN
ATCTCGTATG CCGTCTTCTG CTTGNNNNNNNN
ATCTCGTATG CCGTCTTCTG CTTGNNNNNNNNN
本明細書で用いられるように、“SMART−Seqプラス”という用語はRNAからcDNAを調製する方法を指し、前記方法は第一鎖合成プライマー(第一増幅プライマー結合部位を含む)、ランダマー(第一増幅プライマー結合部位を含む)、及びオリゴヌクレオチド切換えオリゴヌクレオチド(cDNAの第一鎖に部分的に相補性であり、さらに第二増幅プライマー結合部位を含む)を用いる。いくつかの実施態様では、第一鎖合成プライマーはオリゴ(dT)部分を含む。
本明細書で用いられるように、“バーコード”又は“BC”は、サンプル又は核酸物質の供給源を識別するために用いることができる核酸タグを指す。したがって、核酸サンプルが複数の供給源に由来する場合、各核酸サンプルの核酸は異なる核酸タグを付され、したがってサンプルの供給源を識別することができる。バーコード(一般的にはインデックス、タグなどと称される)は当業者に周知である。当業界で公知であり、米国特許8,053,192号及びPCT公開広報WO05/068656の開示でも例示されている、任意の適切なバーコード又はバーコードセットを用いることができる(前記文献は参照によりその全体が本明細書に含まれる)。単一細胞のバーコード付与は、例えばU.S.2013/0274117(参照によりその全体が本明細書に含まれる)の開示に記載されているように実施できる。
1つ以上の供給源に由来する核酸は多様なタグ配列を取り込むことができる。このタグ配列は、長さが好ましくは100ヌクレオチド(二本鎖分子の場合は塩基対)まで、好ましくは長さが1から10ヌクレオチド、もっとも好ましくは長さが4、5又は6ヌクレオチドであり、さらにヌクレオチドの組合せを含む。例えばある実施態様で、タグの形成に6塩基対が選択され4つの異なるヌクレオチドの並べ替えが用いられる場合、合計4096の核酸アンカー(例えばヘアピン)(その各々が固有の6塩基タグを有する)を作成できる。
本明細書で用いられるように、UMI、固有識別子、及び固有の分子識別子という用語は、複数個の核酸分子の各々に添付される固有の核酸配列を指す。例えば第一鎖合成時に核酸分子に取り込まれるとき、UMIはその後の増幅偏向の修正に用いることができる。前記偏向の修正は、増幅後にシークエンシングされる固有の分子識別子(UMI)を直接計測することによって実施される。UMIの設計、取り込み、及び適用は、当業界で公知のように、例えば以下の文献の開示で例示されるように実施できる:WO 2012/142213;Islam et al.Nat.Methods (2014) 11:163−166;及びKivioja, T.et al.Nat.Methods (2012) 9: 72−74(前記文献の各々は参照によりその全体が本明細書に含まれる)。
本明細書で用いられるように、“タグメンテーション”という用語は、トランスポソーム複合体によるDNAの改変を指し、前記トランスポソーム複合体は、トランスポゾン末端配列を含むアダプターと複合体を形成したトランスポザーゼ酵素を含む。タグメンテーションは、DNAの同時断片化及び二重体フラグメントの両鎖の5’末端へのアダプターの連結をもたらす。トランスポザーゼ酵素を除去する精製工程に続いて、例えばPCR、連結、又は当業者に公知の他の適切な方法によって当該改造フラグメントの末端に追加配列を付加することができる。
本発明の方法は、トランスポザーゼ末端配列を受け入れて標的核酸を断片化でき、移転末端を添付するが非移転末端を添付しない任意のトランスポザーゼを利用することができる。“トランスポソーム”は少なくとも1つのトランスポザーゼ酵素及びトランスポザーゼ認識部位で構成される。“トランスポソーム”と呼ばれるいくつかのそのような系では、トランスポザーゼはトランスポゾン認識部位と機能的な複合体を形成することができ、前記は転移反応を触媒することができる。トランスポザーゼ又はインテグラーゼはトランスポザーゼ認識部位と結合し、トランスポザーゼ認識部位を標的核酸に挿入できる。前記プロセスはときに“タグメンテーション”と称される。いくつかのそのような挿入事象では、トランスポザーゼ認識部位の一方の鎖が標的核酸に挿入され得る。
標準的なサンプル調製方法では、各鋳型は挿入物のどちらかの末端にアダプターを含み、さらにしばしば多数の工程が、DNA又はRNAの改変及び改変反応の所望の生成物の精製の両方のために必要とされる。これらの工程は、改造フラグメントをフローセルに付加する前に溶液中で実施され、そこで当該フラグメントはプライマー伸長反応によって表面に連結される(前記伸長反応は、当該表面に共有結合したプライマーの末端にハイブリダイズしたフラグメントをコピーする)。続いて、これらの“シード”鋳型は、数回の増幅サイクルによりコピーされた鋳型のモノクローン性クラスターを生じる。
いくつかの実施態様では、トランスポゾン系技術をDNA断片化のために利用することができる。前記技術は、例えばNEXTERATM DNAサンプル調製キット(Illumina, Inc.)のためのワークフローで具体化され、この場合、ゲノムDNAは操作されたトランスポゾンによって断片化することができる(前記操作されたトランスポゾンは、インプットDNAを同時に断片化及びタグ付加し(“タグメンテーション”)、それによって当該フラグメントの末端に固有のアダプター配列を含む断片化核酸分子の集団を作製する)。
いくつかの実施態様は以下の使用を含む:超活性Tn5トランスポザーゼ及びTn5型トランスポザーゼ認識部位(Goryshin and Reznikoff, J.Biol.Chem., 273:7367, 1998)、又はMuAトランスポザーゼ並びにR1及びR2末端配列を含むMuトランスポザーゼ認識部位(Mizuuchi, K., Cell, 35: 785, 1983;Savilahti, H, et al., EMBO J., 14: 4893, 1995)。超活性Tn5トランスポザーゼと複合体を形成する例示的なトランスポザーゼ認識部位は、例えばEZ−Tn5TMトランスポザーゼ(Epicentre Biotechnologies, Madison, Wis.)である。
本明細書で提供するある種の実施態様で用いることができる転移系の更なる例には以下が含まれる:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)Tn552(Colegio et al., J.Bacteriol., 183: 2384−8, 2001;Kirby C et al., Mol.Microbiol., 43: 173−86, 2002)、Ty1(Devine & Boeke, Nucleic Acids Res., 22: 3765−72, 1994;及び国際特許公開WO 95/23875)、トランスポゾンTn7(Craig, N L, Science.271: 1512, 1996;Craig, N L, Review in: Curr Top Microbiol Immunol., 204:27−48, 1996)、Tn/O及びIS10(Kleckner N, et al., Curr Top Microbiol Immunol., 204:49−82, 1996)、Marinerトランスポザーゼ(Lampe D J, et al., EMBO J., 15: 5470−9, 1996)、Tc1(Plasterk R H, Curr.Topics Microbiol.Immunol., 204: 125−43, 1996)、Pエレメント(Gloor, G B, Methods Mol.Biol., 260: 97−114, 2004)、Tn3(Ichikawa & Ohtsubo, J Biol.Chem.265:18829−32, 1990)、細菌挿入配列(Ohtsubo & Sekine, Curr.Top.Microbiol.Immunol.204: 1−26, 1996)、レトロウイルス(Brown, et al., Proc Natl Acad Sci USA, 86:2525−9, 1989)、及び酵母のレトロトランスポゾン(Boeke & Corces, Annu Rev Microbiol.43:403−34, 1989)。更なる例には以下が含まれる:IS5、Tn10、Tn903、IS911、及びトランスポザーゼファミリー酵素の操作バージョン(Zhang et al., (2009) PLoS Genet.5:e1000689.Epub 2009 Oct.16;Wilson C.et al (2007) J.Microbiol.Methods 71:332−5)。
核酸の5’及び/又は3’末端に付加されるアダプターはユニバーサル配列を含むことができる。ユニバーサル配列は、2つ以上の核酸分子と共通である(すなわち共有される)ヌクレオチド配列の領域である。場合により、当該2つ以上の核酸分子はまた配列相違領域を有する。したがって、例えば5’アダプターは同一又はユニバーサル核酸配列を含むことができ、3’アダプターは同一又はユニバーサル配列を含むことができる。複数個の核酸分子の種々のメンバーに存在し得るユニバーサル配列は、ただ1つのユニバーサルプライマー(当該ユニバーサル配列に相補性である)を用いて多くの種々の配列の複製又は増幅を可能にすることができる。本明細書に提示する例で用いられるいくつかのユニバーサルプライマー配列には、V2.A14及びV2.B15 NEXTERATM配列が含まれる。しかしながら、任意の適切なアダプター配列を本明細書に提示する方法及び組成物で利用できることは理解されよう。例えば、Tn5モザイク末端配列(Mosaic End Sequence)A14(Tn5MEA)及び/又はTn5モザイク末端配列B15(Tn5MEB)(下記に示す相補性非移転配列(NTS)を含む)を本明細書で提供する方法に用いることができる。
Tn5MEA:5’−TCGTCGGCAGCGTCAGATGTGTATAAGAGACAG−3’(配列番号:1)
Tn5MEB:5’−GTCTCGTGGGCTCGGAGATGTGTATAAGAGACAG−3’(配列番号:2)
Tn5 NTS:5’−CTGTCTCTTATACACATCT−3’(配列番号:3)
いくつかの実施態様では、サンプルバーコードを保持するプライマーは溶液中に存在できる。加えて或いはまた別に、UMI配列を保持するプライマーは溶液中に存在できる。例えば、固相支持体は1つ以上の小滴でもよい。したがって、ある種の実施態様では、複数個の小滴が存在でき、この場合、当該複数個の小滴の各々は固有のサンプルバーコード及び/又はUMI配列(前記の各々は分子に固有である)を保持する。したがって、いくつかの実施態様では、バーコードは小滴に固有であること、及びUMIは分子に固有でありしたがって小滴収集物内でUMIは何度も繰り返されることは当業者には理解されるであろう。いくつかの実施態様では、個々の細胞を識別するために、サンプルバーコード及び/又はUMI配列の固有のセットを有する小滴と個々の細胞を接触させる。いくつかの実施態様では、個々の細胞の溶解物を識別するために、サンプルバーコード及び/又はUMI配列の固有のセットを有する小滴と個々の細胞の溶解物を接触させる。いくつかの実施態様では、個々の細胞の精製核酸を識別するために、サンプルバーコード及び/又はUMI配列の固有のセットを有する小滴と個々の細胞の精製核酸を接触させる。
複数個の小滴の各々がサンプルバーコード及び/又はUMI配列の固有のセットを保持する本明細書に提示する実施態様では、小滴を形成及び操作するために任意の適切な系を用いることができる。
小滴アクチュエータのビーズに関して“ビーズ”とは、小滴アクチュエータ上の又は小滴アクチュエータに近接する小滴と相互作用することができる任意のビーズ又は粒子を意味する。ビーズは任意の広範囲の形状(例えば球体、大まかな球体、卵形、円盤形、立方形、非晶質、及び他の三次元形状)であり得る。ビーズは、例えば、小滴アクチュエータ上の小滴として小滴処理を受ける能力を有し得るか、又はそうでなければ小滴アクチュエータ上の小滴が小滴アクチュエータ上の及び/又は小滴アクチュエータから離れたビーズと接触することを可能にする態様で、ビーズは小滴アクチュエータに対して構成され得る。ビーズは、小滴内に、小滴処理間隙内に、又は小滴処理表面上に提供され得る。ビーズは、小滴処理間隙に対して外側にあるか、又は小滴処理表面から離れて位置する貯水槽に提供することが可能で、前記貯水槽は、ビーズを含む小滴が小滴処理間隙に到達するか又は小滴処理表面に接触することを可能にする流路と結合され得る。ビーズは、広範囲の物質(例えば樹脂及びポリマーを含む)を用いて製造することができる。ビーズは任意の適切なサイズであることができ、例えばマイクロビーズ、マイクロ粒子、ナノビーズ、ナノ粒子を含む。いくつかの事例では、ビーズは磁気応答性であり、他の事例では、ビーズは顕著には磁気応答性ではない。磁気応答性ビーズのためには、磁気応答性物質が実質的にビーズの全て、ビーズの部分、又はビーズのただ1つの成分を構成することができる。ビーズの残り部分にはとりわけポリマー物質、コーティング、及びアッセイ試薬の添付を可能にする部分が含まれ得る。
ビーズの特徴を本開示の多重的特徴で利用することができる。多重化に適切であるとともに、そのようなビーズから放出されるシグナルを検出及び分析する方法に適する特徴を有するビーズの例は以下で見出すことができる:米国特許公開No.20080305481(Whitman et al.)、発明の名称“Systems and Methods for Multiplex Analysis of PCR in Real Time(PCRのリアルタイム多重分析のための系及び方法)”(2008年12月11日公開);米国特許公開No.20080151240(Roth)、発明の名称“Methods and Systems for Dynamic Range Expansion(動的範囲を拡張するための方法及び系)”(2008年6月26日公開);米国特許公開No.20070207513(Sorensen et al.)、発明の名称“Methods, Products, and Kits for Identifying an Analyte in a Sample(サンプル中の分析物を識別する方法、製品及びキット)”(2007年9月6日公開);米国特許公開No.20070064990(Roth)、発明の名称“Methods and Systems for Image Data Processing(画像データ処理のための方法及び系)”(2007年3月22日公開);米国特許公開No.20060159962(Chandler et al.)、発明の名称“Magnetic Microspheres for use in Fluorescence−based Applications(蛍光系適用で使用される磁性ミクロ球体)”(2006年7月20日公開);米国特許公開No.20050277197(Chandler et al.)、発明の名称“Microparticles with Multiple Fluorescent Signals and Methods of Using Same(多重蛍光シグナルを有するミクロ粒子及び前記を用いる方法)”(2005年12月15日公開);及び米国特許公開No.20050118574(Chandler et al.)、発明の名称“Multiplexed Analysis of Clinical Specimens Apparatus and Method(臨床標本の多重化分析装置及び方法)”(2005年6月2日公開)(前記文献の全ての開示は参照により本明細書に含まれる)。
“磁気応答性”とは磁場に応答することを意味する。“磁気応答性ビーズ”は、磁気応答性材料を含むか又は前記で構成される。磁気応答性材料の例には、常磁性材料、強磁性材料、フェリ磁性材料、及びメタ磁性材料が含まれる。適切な常磁性材料の例には、鉄、ニッケル、及びコバルトともに酸化金属、例えばFe3O4、BaFe12O19、CoO、NiO、Mn2O3、Cr2O3及びCoMnPが含まれる。
“貯水槽”とは囲い又は部分的囲いを意味し、液体を保持、貯蔵又は供給するための構造を有する。本開示の小滴アクチュエータ系はオン−カートリッジ貯水槽及び/又はオフ−カートリッジ貯水槽を含むことができる。オン−カートリッジ貯水槽は、(1)オン−アクチュエータ貯水槽(小滴処理間隙内又は小滴処理表面上の貯水槽);(2)オフ−アクチュエータ貯水槽(小滴アクチュエータカートリッジ上の貯水槽であるが小滴処理間隙の外側にあり、小滴処理表面と接触しない);又は(3)ハイブリッド貯水槽(オン−アクチュエータ領域及びオフ−アクチュエータ領域を有する)であり得る。オフ−アクチュエータ貯水槽の例は上部基板内の貯水槽である。オフ−アクチュエータ貯水槽は典型的には開口部又は流路により流体連絡があり、前記開口部又は流路は、オフ−アクチュエータ貯水槽から小滴処理間隙に(例えばオン−アクチュエータ貯水槽に)液体を流すために配置される。オフ−カートリッジ貯水槽は、小滴アクチュエータカートリッジの部分では全くないが小滴アクチュエータカートリッジのいくらかの部分へ液体を流す貯水槽であり得る。例えば、オフ−カートリッジ貯水槽は、系の部分又は小滴アクチュエータカートリッジが処理中に連結されるドッキングステーションであってもよい。同様に、オフ−カートリッジ貯水槽は、試薬保存容器又は注射器であることができ、後者はオン−カートリッジ貯水槽に又は小滴処理間隙に流体を強制的に送り込むために用いられる。オフ−カートリッジ貯水槽を用いる系は、典型的には流体移送手段を含み、それによってオフ−カートリッジ貯水槽からオン−カートリッジ貯水槽に又は小滴処理間隙に液体を移すことができる。
“上部”、“底部”、“〜の上方に”、“〜の下に”及び“〜上の”という用語は、小滴アクチュエータの成分の相対的位置、例えば小滴アクチュエータの上部及び底部基板の相対的位置に関する説明を通して用いられる。小滴アクチュエータはその空間的方向性に関係なく機能を有することは理解されよう。
任意の形状の液体(例えば、移動していようと静止していようと小滴又は連続体)が、電極、アレー、マトリックス又は表面“の上に”、“に”、又は“の上方に”存在すると記載されるとき、そのような液体は、当該電極/アレー/マトリックス/表面と直接接触することができるか、又は1つ以上の層若しくはフィルム(当該液体と当該電極/アレー/マトリックス/表面との間に挿入される)と接触することができる。ある実施態様では、充填流動体は、そのような液体と当該電極/アレー/マトリックス/表面との間のフィルムとみなすことができる。
小滴が、小滴アクチュエータの“上に存在する”又は小滴アクチュエータに“ローディングされる”と記載されるとき、小滴アクチュエータを用いて当該小滴での1つ以上の小滴処理の遂行を促進する態様で当該小滴が小滴アクチュエータ上に配置されていること、又は当該小滴から生じるシグナルの特性の検出又はシグナルの検出を促進する態様で当該小滴が小滴アクチュエータ上に配置されていること、及び/又は当該小滴は当該小滴アクチュエータ上で小滴処理に付されていることは理解されるべきである。
いくつかの実施態様では、サンプルバーコードを保持するプライマーは固相支持体に固定できる。加えて或いはまた別に、UMI配列を保持するプライマーは固相支持体に固定できる。例えば、固相支持体は1つ以上のビーズであり得る。したがって、ある種の実施態様では、複数個のビーズを提示でき、この場合、複数個のビーズの各々は固有のサンプルバーコード及び/又はUMI配列を保持する。いくつかの実施態様では、個々の細胞は、個々の細胞の識別のために、固有のサンプルバーコードセット及び/又はUMI配列を有する1つ以上のビーズと接触される。いくつかの実施態様では、個々の細胞の溶解物は、個々の細胞溶解物の識別のために、固有のサンプルバーコードセット及び/又はUMI配列を有する1つ以上のビーズと接触される。いくつかの実施態様では、個々の細胞の精製核酸は、個々の細胞の精製核酸の識別のために、固有のサンプルバーコードセット及び/又はUMI配列を有する1つ以上のビーズと接触される。ビーズは、当業界で公知の任意の適切な態様で、例えば上記に記載の小滴アクチュエータを用いて操作することができる。
“固体表面”、“固相支持体”及び本明細書の他の文法的等価語は、本明細書に記載のプライマー、バーコード及び配列の添付のために適切な、又は添付のために適切であるように改変できる任意の材料を指す。当業者には理解されるところであるが、可能な基板の数は非常に大きい。可能な基板には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):ガラス及び改変又は官能化ガラス、プラスチック(アクリル、ポリスチレン及びスチレンと他の材料とのコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリウレタン、テフロン(登録商標)(TeflonTM)などを含む)、多糖類、ナイロン又はニトロセルロース、セラミクス、樹脂、シリカ又はシリカ系材料(シリコン及び改変シリコンを含む)、炭素、金属、無機ガラス、プラスチック、光ファイバー束、及び他の多様なポリマー。いくつかの実施態様のために特に有用な固相支持体及び固体表面はフローセル装置に存在する。例示的なフローセルは下記でさらに詳細に示される。
いくつかの実施態様では、固相支持体は表面にウェル又は窪みのアレーを含む。前記は、多様な技術を用い当業界で一般的に知られているように製作できる。前記技術には、例えばフォトリソグラフィー、捺印技術、鋳型技術及び微細エッチング技術が含まれるが、ただしこれらに限定されない。当業者には理解されるところであるが、用いられる技術は、アレー基板の組成及び形状に左右されるであろう。
いくつかの実施態様では、固相支持体又はその表面は、非平板状、例えば管又は容器の内側若しくは外側表面である。いくつかの実施態様では、固相支持体はマイクロ球体又はビーズを含む。“マイクロ球体”又は“ビーズ”又は“粒子”或いは本明細書の他の文法的等価語は、小さな別々の粒子を意味する。適切なビーズ組成物には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):プラスチック、セラミクス、ガラス、ポリスチレン、メチルスチレン、アクリルポリマー、常磁性材料、トリアゾル、カーボングラファイト、二酸化チタン、ラテックス又は架橋デキストラン、例えばセファロース、セルロース、ナイロン、架橋ミセル及びテフロン(登録商標)。固相支持体のために本明細書で概略した任意の他の材料も同様にいずれも用いることができる。以下のガイドブック(“Microsphere Detection Guide”, Bangs Laboratories(Fishers Ind.))は有用な手引きである。
ビーズは球体である必要はなく、不規則な粒子を用いることができる。また別に或いは前記に加えて、ビーズは多孔性でもよい。ビーズのサイズはナノメートル(すなわち100nm)からミリメートル(すなわち1mm)の範囲であり、約0.2ミクロンから約200ミクロンのビーズが好ましく、約0.5から約5ミクロンのビーズが特に好ましいが、ただしいくつかの実施態様では、それよりも小さい又は大きいビーズを用いることができる。
本出願を通して、多様な刊行物、特許及び/又は特許出願が参照されている。これら刊行物の全開示が参照により本出願に含まれる。
含むという用語は本明細書では制限がないことが意図され、記載の成分だけでなく任意の追加成分をさらに包含する。
多数の実施態様を記載してきた。それにもかかわらず、多様な改変を実施できることは理解されよう。したがって、他の実施態様も以下の特許請求の範囲内である。
Claims (27)
- 以下の工程を含む、複数個の単一細胞からcDNAライブラリーを調製する方法:
各単一細胞からmRNAを遊離させて個々のmRNAの複数個のサンプルを提供する工程であって、個々のmRNAサンプルの各々のmRNAが1つの単一細胞に由来する工程;
個々のmRNAサンプルの各々のmRNAからcDNAの第一鎖を第一鎖合成プライマーにより合成し、さらに当該cDNAにタグを取り込み複数個のタグ付加cDNAサンプルを提供する工程であって、各タグ付加cDNAサンプルのcDNAが1つの単一細胞に由来するmRNAと相補性であり、さらに当該タグが細胞特異的識別子配列、第1リードシーケンシングアダプター配列、及び固有分子識別子(UMI)配列を含む工程;
当該タグ付加cDNAサンプルをプールする工程;
当該プールしたcDNAサンプルを増幅させて、プールされたタグ付加二本鎖cDNAを生成する工程;及び
前記プールされたタグ付加二本鎖cDNAを、第2リードシーケンシングアダプター配列を含むトランスポゾンと複合したトランスポザーゼをそれぞれが含む複数のトランスポソーム複合体と接触させることにより、前記プールされたタグ付加二本鎖cDNAにトランスポザーゼによるタグメンテーション反応を実施し、cDNAライブラリーを生成する工程であって、前記第2リードシーケンシングアダプター配列が、第1リードシーケンシングアダプター配列とは異なっており、前記cDNAライブラリーが、第1鎖上に前記第1リードシーケンシングアダプター配列を有し、第2鎖上に前記第2リードシーケンシングアダプター配列を有する、複数個のタグ付加cDNAフラグメントを有する工程。 - さらに、前記cDNAライブラリーのタグ付加cDNAフラグメントを増幅して増幅タグ付加cDNAフラグメントを生成する工程を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記タグ付加cDNAフラグメントの増幅工程が追加の配列を当該増幅生成物の5’末端に付加する工程を含む、請求項2に記載の方法。
- 当該追加の配列が、固相支持体上での相補的なプライマー結合配列へのハイブリダイゼーションのため、及び、固相支持体上での前記タグ付加cDNAフラグメントの増幅のためのプライマー結合配列を含む、請求項3に記載の方法。
- さらに、固相支持体上で、前記増幅タグ付加cDNAフラグメントを前記相補的なプライマー結合配列にハイブリダイズする工程、及び、当該増幅タグ付加cDNAフラグメントを固相支持体上で増幅させる工程を含む、請求項4に記載の方法。
- さらに、固相支持体上で増幅生成物をシークエンシングする工程を含む、請求項5に記載の方法。
- 当該タグメンテーション反応が、Tn5トランスポザーゼを含むトランスポザーゼ混合物と二本鎖cDNAを接触させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記複数のトランスポソーム複合体が本質的に、前記第2リードシーケンシングアダプター配列を含むトランスポゾンを有するトランスポソームから成る、請求項7に記載の方法。
- さらに、前記cDNAライブラリーの当該タグ付加cDNAフラグメントをシークエンシングする工程を含む、請求項1に記載の方法。
- シークエンシング工程が3’タグの計測を含む、請求項9に記載の方法。
- シークエンシング工程が全トランスクリプトームの分析を含む、請求項9に記載の方法。
- 第一鎖の合成が、ランダムプライマーの混合物を用いて実施され、当該ランダムプライマーがタグを含む、請求項1に記載の方法。
- 当該第一鎖合成プライマーが二本鎖部分を含む、請求項12に記載の方法。
- 当該第一鎖合成プライマーが、一本鎖の第一鎖合成プライマーと比較して連結副産物を減少させる、請求項13に記載の方法。
- 当該第一鎖合成プライマーがヘアピンを形成できる領域を含む、請求項13に記載の方法。
- 当該第一鎖合成プライマーがRNA領域を含む、請求項13に記載の方法。
- 当該第一鎖合成プライマーが相補性オリゴヌクレオチドとハイブリダイズし、それによって二本鎖部分を形成する、請求項13に記載の方法。
- 前記第1鎖合成プライマーが、ビーズに結合し、前記合成が、タグ付加cDNAサンプルを前記ビーズ上に合成することを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記mRNAを各単一細胞から遊離する前に、各単一細胞を前記ビーズを有する小滴内に封入することを含む、請求項18に記載の方法。
- 前記小滴が、小滴アクチュエータを用いて生成される、請求項19に記載の方法。
- 前記遊離と、前記各タグ付加cDNAサンプルの合成とが、前記小滴内で実施される、請求項19に記載の方法。
- 前記タグ付加cDNAサンプルをプールする工程が、前記タグ付加cDNAサンプルが結合したビーズをプールすることを含む、請求項18又は21に記載の方法。
- 前記第一鎖合成プライマーは、オリゴdTプライマーとランダマープライマーとの混合物である、請求項1に記載の方法。
- 前記各単一細胞からのmRNAの遊離が、前記mRNAを各単一細胞の核から遊離させて複数の個々のmRNAサンプルを提供することを含み、前記個々のmRNAサンプル中のmRNAが、単一の核に由来する、請求項1に記載の方法。
- 以下の工程を含む、複数の単一細胞の細胞小器官からcDNAシークエンシングライブラリーを調製する方法:
単一細胞の細胞小器官を空間的に分離する工程;
mRNA、ミクロRNA、小干渉RNA、リボソームRNA、及び/又はミトコンドリアRNAを、各単一細胞の細胞小器官から遊離させ、複数の個々のRNAサンプルを提供する工程であって、個々のRNAサンプルの各々の前記RNAが1つの単一細胞の細胞小器官に由来する工程;
個々のRNAサンプルの各々のRNAから、第一鎖合成プライマーによりcDNAの第1鎖を合成し、前記cDNAにタグを取り込み、複数のタグ付加cDNAサンプルを提供する工程であって、各タグ付加cDNAサンプル中のcDNAが、1つの単一細胞の細胞小器官由来のRNAと相補性であり、前記タグが、細胞特異的識別子配列と、任意に固有分子識別子(UMI)配列とを含む工程;
前記複数の単一細胞の細胞小器官由来の前記タグ付加cDNAサンプルをプールする工程;
前記プールしたcDNAサンプルを増幅させて二本鎖cDNAを含むDNAライブラリーを生成する工程;及び
前記プールされたタグ付加cDNAサンプルにトランスポザーゼによるタグメンテーション反応を実施し、各cDNAを切断すると同時にアダプターを前記cDNAの各鎖に取り込み、それによって複数の単一細胞の細胞小器官由来の前記cDNAライブラリーを生成する工程。 - 前記第一鎖合成プライマーが、オリゴdTプライマーとランダマープライマーとの混合物である、請求項25記載の方法。
- 前記細胞小器官が、核、ミトコンドリア、及びリボソームから選択される、請求項25に記載の方法。
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