JP6743128B2 - 血管疾患および非血管疾患を治療するための、液圧作動且つ機能的に統合可能なカテーテルシステム - Google Patents

血管疾患および非血管疾患を治療するための、液圧作動且つ機能的に統合可能なカテーテルシステム Download PDF

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Description

関連出願への相互参照
出願人は対応する米国仮出願第62/191515号(2015年7月13日提出)の優先権を主張し、その内容は参照をもってその全文が本願内に含まれるものとする。
技術分野
本開示は、液圧により可能にされた機能的に統合可能なカテーテルシステム(functionally integratable catheter system)(「FICSシステム」)であって、サポートカテーテル、拡張器、バルーンカテーテル、ロックグリップハンドルおよび操縦ハブを含み、複雑病変および慢性完全閉塞(CTO)を含む血管および非血管の状態/疾患を治療するために、医師がインビボでの組み立てのために様々な構成において機能的且つ寸法的に構成できる、前記システムに関する。
アテローム性動脈硬化症は、血管疾患の特定の種類であり、血管壁の管腔に沿って変性材料が蓄積することによって発現する。アテローム性動脈硬化症は、西側諸国における死亡および罹患の主な原因の1つとして知られている。アテローム性動脈硬化症は、初期の段階では顕著な不快感または痛みがなく、無症状であることがある。しかしながら、その疾患が変わらず進行すると、罹患した血管は可変の組織を示すプラークを発生させることがあり、次第に複雑病変をもたらし、その大きさおよび重症度が、罹患した血管に沿ったプラーク/病変の累積的な形成に起因する血管の実質的な肥大化および硬化に対して直接応答して(a)管腔直径の連続的な減少、(b)血流の制限、および(c)血管の柔軟性の低下を引き起こすことがある。慢性的なプラークの形成(つまり、脂肪質の、線維性および/または石灰化組織物質の混合物で構成される)は、最終的には、血流が局所組織の潅流を支えるには完全に不足するという状態に達することがあり、「慢性完全閉塞」(CTO)として知られる状態をもたらす。閉塞した血管を再度開くためのCTO再疎通治療は、CTO再疎通を可能にする医療機器を設計する技術者にとって、および機器の製造元により提供される臨床的に認可された医療機器の使用を頼りにする医師にとって、多くの固有の技術的な課題を示し得る。理想的には、従事する医師は、患者に特有の解剖学的ばらつきに関わらず、あらゆる大きさおよび重症度の固有の困難なCTOの状況を貫通するために、最も効果的な治療医療機器にアクセスし得る。現在、医師にとって利用可能な介入器具は適しているかもしれないが、しかしながら、製品の設計および患者の解剖学的な複雑さにおける固有の制限ゆえに、いくつかの処置上での非効率性および制限が存在し続けている。アテローム性動脈硬化疾患によって引き起こされる複雑病変および慢性完全閉塞(CTO)を治療するための改善された医療機器を提供することについての未解決の要請がある。
本開示は、あらゆる熟練度の医師が最も困難且つ複雑な血管病状をより便利に短時間で効果的に治療することを可能にする、完全閉塞を含む複雑病変を治療するための包括的な多機能機器のプラットフォームを提供する。本開示は、機能的に統合可能なカテーテルシステム(「FICS」)を提供し、それは相乗的に動作できる治療に特有の「構成」として、臨床作業者が一緒に組み立てることができる「機能ユニット」のためのシステムを示す。FICSは、(a)FICSサポートカテーテル、(b)FICS拡張器、(c)FICS PTAカテーテル、(d)FICSロックグリップハンドル、および(e)FICS操縦ハブを含む、少なくとも5つの主な「機能ユニット」を含む。各々の「機能ユニット」を、製造元によって予め組み立てられた形態で、場合により、臨床作業者が可変の構成に選択的に組み立てることを意図した機能ユニット(a)〜(e)を含む機器のトレイとして予め梱包して提供できる。FICSプラットフォームの構成的な適合性は、現場での治療の選択肢(腔内および/または腔外的再疎通)を提供することによって、医師が効率的に臨床的な介入プロセスの複数の処置上の側面(例えば病変のアクセス、病変の貫通、ガイドワイヤの合わせ(negotiation)、病変の再疎通および拡張)に取り組むことを可能にし、且つ、インビボでの複雑病変の患者にカスタマイズされた多段階の治療(病変の長さに選択的な、多段階の血管形成治療)を可能にする。特に、FICSシステムは、本願で開示される「FICS LLS PTA構成」によってもたらされる、標的の病変の長さに合わせることができる、長さ適合性(「病変の長さ調節性」)のバルーン部材を備えることにより、延伸する複雑病変を再疎通させるために、臨床作業者によって選択的に構成され得る。広範な複雑病変およびCTOを治療するために特有の「FICS構成」を最も効果的に構築するために臨床作業者によって選択的に組み合わせることができる様々な「機能ユニット」および「機能サブユニット」のビジュアルマップを、図17のフローチャート図に示す。
様々な実施態様が、製造元によって様々な「機能ユニット」に予め組み立てられ得るFICS部品に関する。様々な実施態様が、広範な複雑病変およびCTOの治療において特に最も効果的であるように特化して構成され得る種々のFICS「機能ユニット」の選択的な組み合わせを含む、臨床作業者によって一緒に組み立てることができる特有の「構成」に関する。様々な実施態様が、本願内で開示されるFICS「機能ユニット」および「機能サブユニット」の製造方法に関する。様々な実施態様が、いくつかの治療機能を容易にするために、1つまたはそれより多くの開示される「FICS構成」を使用して血管疾患および/または非血管疾患を治療するための方法であって、改善された(a)ガイドワイヤの合わせ、(b)病変の貫通、(c)病変の再疎通、(d)病変の拡張、および(e)血管の管腔の回復を含む、前記方法に関する。
図1は、1つの実施態様として、予め構成された状態での本開示の機能的に統合可能なカテーテルシステム(FICS)の5つの主な機能ユニットを示す。 図2は、腔内的および/または腔外的CTO再疎通のために適合可能な2つの代替的なFICS拡張器を示す。図2Aは、1つの実施態様として、腔内的再疎通に適したFICS CTO拡張器構成のために適合可能な例示的な「CTO貫通」設計を示す。図2Bは、1つの実施態様として、腔外的再疎通に適したFICS再入拡張器構成のために適合可能な例示的な「再入」設計を示す。 図3は、1つの実施態様として、「病変の長さ選択性」のために有用な組み立てられた「FICS LLS PTAカテーテル構成」を示す。 図4は、1つの実施態様として、FICSロックグリップハンドルの内部部品を示す透視図である。 図5は、1つの実施態様として、FICS操縦ハブの内部部品を示す透視断面図である。 図6は、1つの実施態様として、FICS拡張器の遠位チップ中に組み込まれることができる、アンカリングおよび/またはセンタリング機能を有する液圧作動「CTO貫通チップ」の断面図を示す。 図7は、1つの実施態様として、FICS拡張器の遠位チップ中に組み込まれることができる、アンカリングおよび/またはセンタリング機能を有さない液圧作動「CTO貫通チップ」の断面図を示す。 図8は、1つの実施態様として、液圧作動の、操縦可能ではない、長軸に沿って並進運動できるFICS拡張器の遠位チップ部の側面図を示す。 図9は、1つの実施態様として、液圧作動の、操縦可能な、並進運動および長軸周りに回転運動できるFICS拡張器の遠位チップ部の側面図を示す。 図10A〜Bは、腔内的/腔外的再疎通を容易にするための例示的な拡張器チップの設計を示す。図10Aは、1つの実施態様としての、腔内的再疎通に適したFICS拡張器の非展性且つ鈍端(blunt−ended)のハイポチューブを含む「CTO貫通チップ」の拡大図である。図10Bは、1つの実施態様としての、腔外的再疎通に適したFICS拡張器の展性且つ角度がついたハイポチューブを含む「再入チップ」の拡大図である。 図11は、1つの実施態様としての、FICSシステムを使用して複雑病変およびCTOの連続的な治療的処置のためにインビボで実施される多段階血管形成処置の例示的なフロー図である。 図12は、液圧作動拡張器チップ伝送機構の、後退した形態での(図12A)、延伸した形態での(図12B)、および3つの管腔拡張器シャフトを含む(図12C)、断面図を示す。 図13A〜Dは、1つの実施態様として、「CTO貫通チップ」を液圧により伝送するための4つの連続した構成ステージA〜Dを示す横断面図を示す。 図14A〜Dは、1つの実施態様として、インビボでの「病変の長さ選択性」を可能にし且つFICS LLS PTA構成を連続的多段階において展開するための、機能ユニットの相互動作性を示す。 図15は、便宜上の参照として、完全に延伸されたCTO拡張器構成におけるFICSシステムの寸法図であり、個々の「機能ユニット」および「機能サブユニット」の相対的な寸法の相互動作性を示す。 図16A〜Bは、1つの実施態様として、連続的な病変の治療のためのFICS LLS PTAカテーテルのための可膨張性部材のインビボでの「病変の長さに選択的な」機構の横断面図を示す。 図17は、本願内で考慮される可能なFICSシステム「構成」のフローチャートの概要であり、臨床作業者が、広範な複雑病変およびCTOを治療するために最も効果的な治療に特有の「構成」を構築するために選択的に組み合わせることができる様々な「機能ユニット」および「機能サブユニット」のビジュアルマップを示す。
詳細な説明
A. 定義
「a」との用語は、1つまたはそれより多くの修飾された名詞および/または代名詞に関する。
「機能的に統合可能なカテーテルシステム」(「FICSシステム」)との用語は、開示された「機能ユニット」の様々な組み合わせに関し、ここで、各々独自の組み合わせが治療に特有の「構成」として本願内で参照される。FICSシステムは、(a)FICSサポートカテーテル、(b)FICS拡張器、(c)FICS PTAカテーテル、(d)FICSロックグリップハンドル、および(e)FICS操縦ハブを含む、少なくとも5つの主な「機能ユニット」を含む。FICSシステムの各々の「機能ユニット」は、図面、表および実施例を含む以下の小節においてさらに説明される。治療介入の間に一般的なサポートカテーテルおよび/またはガイドワイヤの除去を必要とする従来のやり方とは対照的に、FICSシステムは、FICSサポートカテーテルを定位置に保持することによってFICSサポートカテーテルと他の「機能ユニット」との相対的な位置の安定化を提供することにより、罹患した血管内の複数の病変へ連続的にアクセスすることを可能にする。連続的な多段階の処置において罹患した血管を治療するために臨床作業者が、解体および再組み立てのサイクルを必要に応じて複数回繰り返すことができる。
「構成」または「FICS構成」との用語は、個々の「機能ユニット」の治療に特有の組み合わせに関し、前記機能ユニットは、介入の間に遭遇するあらゆる種類の複雑病変/CTOを治療するために適した複数の相互動作性の機器(つまりFICSシステム)を得るために、臨床作業者(例えば介入医師)によって可逆的に共に組み立てられる、解体される、および再度組み立てられることができる。広範な複雑病変およびCTOを治療するために最も効果的な特有の「FICS構成」を構築するために、臨床作業者が選択的に組み合わせることができる様々な「機能ユニット」および「機能サブユニット」のビジュアルマップが図17で参照される。
「機能サブユニット」との用語は、高度に適合可能なFICSシステムの特定の機能を図17に参照されるような種々の治療に特有の「FICS構成」を提供することによって可能にする/強化するための任意の構成の選択肢として、予め組み立てられた状態で提供され得る「FICSサブユニット」に関する。特に、液圧作動FICS拡張器の遠位のチップ部分のための、様々なCTO貫通チップ(図6、7、8および9)および「再入チップ」(図9および10)の構築におけるいくつかの「設計」の選択肢が開示される。
「予め構成された」との用語は、便宜上、図17に参照されるように、1つまたはそれより多くの動作可能な「FICS構成」を得るために、臨床作業者が一緒に組み立てないかまたは構成しない機能ユニットの状態に関する。
「機能的に統合可能」との用語は、一緒に組み立てられるかまたは相互接続されて、各々予め組み立てられた機能ユニットの動作の効率性と比べて改善された動作上の特性および利益を有する、様々な治療に特有の「FICS構成」になる、開示されるFICSシステムの「機能ユニット」の能力に関する。各々の個々の部品は予め構成された状態において動作できるが、スタンドアローンの機器としては、図17に示される寸法的に構成された機能ユニット(つまりFICS構成)の予測される強化された性能の特徴と比較して限定的な機能しか有さない。本願内で使用される場合、開示されるFICSシステムの様々な「機能ユニット」および「機能サブユニット」の機能的な組み合わせ(相互組み立て/再組み立て)を、第1の医療処置のために使用した後に、罹患した同一または異なる血管における第2の引き続く医療処置の間に(例えば第2の病変の治療のために)使用するために異なる「FICS構成」に再組み立てするのに備えて、可逆的に解体することができる。
「FICSサポートカテーテル」(「SC」)との用語は、介入処置の間に、管腔の空間を通じて他のFICS「機能ユニット」を操作するために構造的にガイドするシールドを提供することによって繊細な血管を保護できる予め配置されたガイドワイヤ(「GW」)の上に位置する安定化カテーテルに関する。特有の特徴として、前記SCは、完全閉塞を含む複雑病変を包括的に治療するために適宜、医師が物理的に支持し且つ他のFICS「機能ユニット」の挿入をガイドすることによって可変的に適合できる遠位の作業端(特定の治療的処置を行うために有用である器具の部位)を含む。
「FICS拡張器」との用語は、まず開口部を作り出し、引き続き他のFICS機能ユニット、例えばFICS LLS PTAカテーテルおよびガイドワイヤのための進入路を形成することによって、罹患した血管を拡張するために有用な「機能ユニット」に関する。FICS拡張器は、液圧作動機構によって遠位方向に突き出されることができる遠位のチップ部を有するシャフトを含む。特有の特徴として、FICS拡張器は、腔内的および/または腔外的再疎通を可能にするための様々な機能を提供できる特別に設計されたチップを組み込むように設計され得る遠位の作業端を有する(図6〜10)。
「FICS CTO拡張器」との用語は、腔内的再疎通のために意図されているFICSサポートカテーテル内で、「CTO貫通チップ」を組み込むFICS拡張器を挿入することによって得られるFICS構成に関する(図2A)。
「FICS再入拡張器」との用語は、腔外的再疎通のために意図されているFICSサポートカテーテル内で、「再入チップ」を組み込むFICS拡張器を挿入することによって得られるFICS構成に関する(図2B)。
「CTO貫通チップ」との用語は、図17に参照される治療に特有の「FICS構成」に適用可能な、CTOの貫通を行うために適するように特化して適合され得る液圧作動FICS拡張器の拡張器チップ部を構築するために考慮される様々なチップの設計に関する(図6〜7、10A)。
「再入チップ」との用語は、図17に参照される治療に特有の「FICS構成」に適用可能な、内膜下のアクセスおよび再入を行うために適するように特化して適合され得る液圧作動FICS拡張器の拡張器チップ部を構築するために考慮される様々なチップの設計に関する。特別なチップの設計は、腔外的再疎通を可能にするために意図されており(図10B)、「FICS再入構成」(図2B)の一部として操縦ハブ(図5)によって制御して扱われることができる。さらには、柔軟性のある/成形可能なチップ区域(図10B)を組み込むことによって、FICS再入チップを制御して逸らすことができる。「FICS再入チップ」は、トルク安定性の、操縦可能なFICS拡張器(図9)と組み合わせる場合に最も有効であり得る。
「FICSロックグリップハンドル」との用語は、作業用ハンドル、および共に組み立てられた機能ユニットを、相対的な順序、配列および位置で維持するための位置安定化機器に関する(図4)。
「FICS操縦ハブ」との用語は、「FICS再入チップ」(図9および10B)を含む「FICS再入」構成(図2B)の一部として有用な、相対的な方向付けにおいて共に組み立てられる機能ユニットの方向的な操縦を制御するための作業用ハンドル(図5)に関する。
「FICS PTAカテーテル」との用語は、他の機能ユニットと組み合わせられて「FICS LLS PTAカテーテル」(図3)を形成できる、遠位端でPTA可膨張性部材を含んで形成されたカテーテル(図1)に関する。
「FICS LLS PTAカテーテル」との用語は、(a)FICSサポートカテーテル(図1)、(b)FICS PTAカテーテル(図1)および(c)FICSロックグリップハンドル(図1および4)を機能的に組み合わせて得られるFICS構成(図3および14)に関する。FICS LLS PTAカテーテルのバルーンの長さおよびバルーンの直径が調節可能であるという特徴は、多段階血管形成処置(図11)を実施するための「病変の長さに選択的な」機能(図16)をもたらす。
「腔内的再疎通」との用語は、この開示におけるFICSシステムの参照において、罹患した血管の管腔内で媒介される介入処置による、罹患した血管を通じた潅流の回復に関し、ここで、液圧作動拡張器の遠位のチップは、治療される血管の管腔内で機能することが意図されている。
「腔外的再疎通」との用語は、この開示におけるFICSシステムの参照において、罹患した血管の内膜下層を通じて媒介される介入処置による、罹患した血管を通じた潅流の回復に関し、ここで、液圧作動拡張器の遠位のチップは、CTOまたは複雑病変に対して遠位で管腔に再入する前に、治療される血管の内膜下層を通過することが意図されている。実際には、「腔外的再疎通」は、CTO/複雑病変を取り囲む内膜下層を強制的に分離し、潅流を回復するための代替的な導管を形成することによって、代替的な血流の経路を作り出すことを可能にする。
「全長」(TL)との用語は、FICSシステムまたは個々の機能ユニットの全長に関する。
「有効長」(Usable Length)(UL)との用語は、FICSシステムまたは個々の機能ユニットの留置/動作長部に関する。
「シース適合性」との用語は、整合する内径の導入器のシースを通じて抵抗なく導入され得るULに沿った器具の最大外径(OD)に関する。
「ガイドワイヤ適合性」との用語は、特定の外径のガイドワイヤを抵抗なく通すための機能ユニット/器具の管腔の最小内径(ID)に関する。
B. 慢性完全閉塞(CTO)および複雑アテローム性動脈硬化症閉塞/病変を治療するための現在の医療機器および処置の、処置上のリスクおよび制限
アテローム性動脈硬化症は一般に、冠状の、神経血管または周囲血管の疾患の亜型に分類でき、脳、頸動脈、冠状動脈、腎臓、肝臓、大動脈腸骨動脈、腸骨、生殖腺、大腿、膝窩、および膝下(BTK)の動脈および静脈の進行性の悪化を含む。罹患した身体は、血管機能の段階的な障害について、代替的な側副血管を形成して、依存組織および器官の十分な血液供給を保持することによって補償することができる。しかしながら、そのような補償機構は一時的に有効であるに過ぎず、且つ依存組織/器官に持続的に潅流させるために辛うじて十分であるに過ぎない。決定器官の不十分な潅流は破壊的な作用を有することがあり、多くの場合、アテローム性動脈硬化の血管によって引き起こされる/悪化させられることがある、狭心症、心筋梗塞(MI)および先天性心不全を含む1つまたはそれより多くのますます深刻な合併症をもたらし、多くの場合、患者の死亡につながる。1つまたはそれより多くの末梢血管の閉塞に起因する末梢血管疾患に苦しむ患者は、複数の関連合併症:(疾患の重症度の順に)跛行、虚血性休息痛、潰瘍形成、重症虚血肢(CLI)、壊疽および/または組織壊死の発症を経験することが多い。バイパスの配置、および四肢切断を含む外科的介入処置を必要とするリスクが高まることに加え、血管疾患によって引き起こされる命を脅かすいくつかの急性の合併症は、塞栓症および脳卒中の発症リスクを高めることがある。
狭められた、狭窄した、または閉塞した血管を通じた十分な潅流の不足を様々な介入処置によって治療することができ、前記介入処置を、患者に特有の状況について、いくつかの臨床的関連要因を考慮して適切に選択できる。一般に、有効な治療的介入は、1つまたはそれより多くの適した薬剤の全身的な投与を、従事する臨床家によるアテローム切除機器、バルーン拡張カテーテルおよび/またはステントの1つまたはそれより多くの適用を必要とする最低限の侵襲で局所的に施される介入処置と共に必要とすることがある。例えば、バルーン拡張カテーテルを、(a)「経皮経管冠状動脈形成術」(PTCA)の間に冠状血管を治療するために使用でき、且つ、(b)「経皮経管血管形成術」(PTA)の間に末梢血管を治療するために使用できる。しかしながら、動脈/静脈内での病変、形成異常、狭窄、閉塞および遮断が標準的な血管介入治療によって有効に治療可能でない場合、患者から取り出された自己移植片で構成されるバイパスを外科的に形成するために有効な、または罹患した血管区域の周りに合成の移植片を形成することによる、「観血的手術」を含む外科的介入が必要とされることがある。しかしながら、組織の損傷がサルベージを超えて不可逆的であるとみなされる場合、バイパスまたは罹患した四肢の外科的切断が唯一の選択肢となることがある。一般に、外科的治療は多くの症候性の患者にとって本質的なリスクおよび外傷をもたらすことがある。結果が成功したとみなされたとしても、その手術は患者の運動性、生活、平均余命および全体的な生活の質を、深く且つ永続的に低下させる影響を残しかねない。
劇的な外科的処置に対する、効果的且つ危険の少ない代替法として、介入処置がより広く受け容れられつつあり、且つ患者に特有の状況によって裏付けられている場合、適度に実施されるようになってきている。末梢動脈疾患の取り扱いについての治療方針および推奨を提案するために、欧州血管外科学会(European Society of Vascular Surgery)および世界血管外科学会連盟(World Federation of Vascular Surgery Societies)は、rans−tlantic Inter−ociety onsensus文書(TASC; 2000, TASC II; 2007)を出版した。それらの推奨は、様々な種類の病変をそれらの寸法(長さ、直径)、閉塞の程度、および罹患した血管の種類に依存して治療するための一般的なガイダンスを提供する。前記の「合意文書」によれば、「TASC A」病変(重症度が最も低い)は、血管内の処置に最も適しているとみなされており、且つ、最も重症のケース、例えば「TASC D」病変については手術が第1に推奨される。それらの「タイプD」病変は、膝窩動脈を含む総大腿動脈または浅大腿動脈のいずれかの「慢性完全閉塞」(>20cm)および膝窩動脈および近位の3分枝血管の「慢性完全閉塞」が該当し得る。しかしながら、浅大腿動脈および膝窩動脈の複雑病変の血管内治療はまだ議論の的となっている。このTASC文書は、TASC BおよびC病変をPTA処置によって治療するための確かな推奨を裏付けるために、より多くの臨床的証拠が必要であることを認めている。「タイプB」病変は、複数の病変(≦5cm)(例えば狭窄または閉塞); 膝下の(infrageniculate)膝窩動脈を含まない単独の狭窄または閉塞(≦15cm); 遠位のバイパスのための流入を改善するための連続的な脛骨血管の不在下での単独または複数の病変; 重度石灰化閉塞(≦5cm); および単独の膝窩狭窄を含む状態について指定され得る。「タイプC」病変は、重度石灰化を伴うまたは伴わない複数の狭窄または閉塞(>15cm)、および2つの血管内介入により以前治療された再発性狭窄または閉塞を含む状態について指定され得る。
特に、慢性閉塞は、血管病状のかなりの部分を示し、且つ、プラーク/病変にアクセスするために従来のガイドワイヤおよびカテーテルに頼る介入の従事者にとっての重大な技術的な課題を歴史的に提示してきた。その治療の結果は、所定の慢性完全閉塞の形態的特性および組成的特性に依存し、より柔らかく且つあまり緻密ではないCTO栓は、最も困難な状況における貫通され得ない密に石灰化したCTOキャップと比べて比較的容易に排除することができる。従って、TASC D病変において最も一般的に遭遇する別途の臨床学的病状としてみなされ得る「慢性完全閉塞」は、経皮的経腔的血管形成によって治療される場合には、処置面で困難なままであり、末梢の介入についての処置の失敗率に有意に寄与することがある。CTO治療に関連する様々な技術的課題にもかかわらず、そのような最低限の侵襲的介入の血管アプローチは、末梢の病状を治療するための第1の選択肢として、従来のバイパス手術に関連する死亡の本質的なリスクを回避するためにますます好まれている。残念ながら、腔内および内膜下のCTO再疎通技術の成功率は、従来のガイドワイヤおよびカテーテル機器を使用して従来通りに実施された場合、最も良くても中程度にとどまっている。血管の状況/疾患、例えば関連する複雑病変およびCTOをより効果的に治療するために医師がカスタマイズできる、様々な患者に適合可能な介入器具を提供する持続的な必要性がある。
第1の処置段階として、慢性閉塞を横切り且つ再疎通させるために、腔内的介入による経皮的なガイドワイヤの合わせが試みられることがある。しかしながら、CTOの経皮的な腔内的再疎通を可能にするための標準的なガイドワイヤおよびカテーテル機器の適用は、中程度の処置成功率しか示さない。ガイドワイヤの合わせにおける失敗は、CTO再疎通における失敗をみちびきかねない。予測される結果に著しく影響を及ぼし得る要因は、病変の長さ、患者に特有の解剖学的な蛇行、病変キャップの石灰化、医療作業者の技能、および流出血管の存在を含む。より近年では、経皮的意図的腔外的再疎通(「PIER」)として知られる、遠位での再入を用いた内膜下の再疎通が、腔内経路が治療的に不成功のままであった場合の実現可能な代替アプローチとしてますます支持されている。この技術は、15cm以上の平均閉塞長を示す複数の区域の拡張され石灰化した閉塞が規則的に観測され得る場合の、浅大腿動脈(SFA)血管形成についての著しい技術的成功と共に適用されている。
内膜下CTOの再疎通アプローチは、いくぶん成功しているものの、その技術自体は全ての場合に適用できるわけではない。典型的には、内膜下CTOの再疎通は、最も先進的な水準の医師の経験、技能および全般的な専門性を必要とし、なぜなら、標的の血管の真腔内への再入の制御および再入部位の位置的な制御を見つけることは、経験不足および/または熟練していない者にとっては潜在的に問題となり得るからである。例えば、再入部位が標的の血管の管腔領域から著しく且つ遠位に延びており、それにより、閉塞した血管の部分を誤って超えて、引き続く内膜下の血管形成またはステント留置が必要とされる可能性が高まる場合、血管の外傷および不確定の合併症が生じることがある。最悪のシナリオでは、CTO再疎通のための不適当なガイドワイヤの合わせが、誤って血管壁を穿孔することに起因して、血管の外傷、破断、切開および/または出血を引き起こしかねない。ガイドワイヤのチップ部分および遠位シャフト部について、効率的で非外傷性の血管のナビゲーションを可能にする特定の水準の柔軟性が望まれる。しかしながら、CTO貫通を試みる場合、この柔軟性はガイドワイヤのチップおよびシャフト部分が折れるまたはねじれることを引き起こしかねず、且つ、ガイドワイヤの全体的な位置の制御性に悪影響を及ぼしかねず、実施の間の機器の安定性に影響する。ガイドワイヤのチップはCTOの典型的に硬化したキャップ表面領域から逸れることがあり、そのチップが、密集して石灰化したプラーク組織から離れて、隣接する柔らかい血管壁のほうに偏心的に方向転換することを引き起こす。内膜下の経路が誤って形成されると、隣接する治療機器、例えばアテローム切除カテーテルまたはバルーン拡張カテーテルの引き続く適用が、本質的に妨げられるか、または処置的に妨害されかねない。さらには、ガイドワイヤの貫通能力は、シャフトの剛性に直接的に比例することがあり、シャフトの剛性はナビゲーションの柔軟性を有することと反比例することがあるので、比較的柔軟性のガイドワイヤは、安全ではあるが効果的な押し込み性の尺度をもたらすためにいくつかの追加的な形態のガイドワイヤサポートを必要とすることがある。
大半の医療機器の場合と同様に、血管閉塞を治療するための様々な介入機器および処置は、実際の用途の間に遭遇する全ての処置面での課題を満足しているわけではない。大半の介入医師は、異なる長さ、密度および重症度を示す広範なスペクトルの病変/閉塞の治療において必要な全ての装備および器具の提供を、機器の製造元に頼らなければならない。この制限は特に複雑病変および完全閉塞の治療について深刻となり、単独の予め製造された機器が不十分であり且つ代替物が存在しない場合、医師が認可された様々な医療機器の部品を再度組み合わせて、それらの状況のために「間に合わせの」または機能できる組み合わせを考案することによって、即席で「アレンジ」して独自の「カスタム」機器を作るのが慣例的である。多くの医療機器および器具は複数の一般的な機能を果たすことができ、且つ特殊な最終用途のためには設計され得ず、且つ/または異なる製造元によって製造された機器は、異なる材料特性および/または寸法的な構成に起因して、機能的に適合性でなく一緒に機能できない。現在の状況下では、単独または複数の血管内の複数の慢性完全閉塞を再疎通させるために著しい専門技術および技能が必要とされることがある。医師の有意な判断は、種々の医療機器部品の最適な組み合わせについての処置の決定をみちびくことができ、所望の治療結果に影響を及ぼす。技術的な課題は、多段階の複雑な処置の間に一緒に良好に機能できる様々な医療機器部品の選択および寸法のマッチングを含むことがある。高度に可変であり、患者に特有の臨床状況にとって最適に位置付けされ得るそのような医療機器部品の処置的な組み合わせを調和させるために、訓練を積んだ専門技術が必要とされることがある。改善されたシステムは、あらゆる技能水準の医師が最も困難且つ複雑な閉塞をより便利に、短時間で、著しく低減されたコストで効果的に治療することを可能にし得る。
C. 複雑なアテローム性動脈硬化症の病変/閉塞を治療するための、機能的に統合可能なカテーテルシステム(「FICS」)
本開示は、患者に特有の解剖学的および臨床的状況に対して、複雑および完全閉塞を治療するために臨床作業者が可変的に構成できる包括的な多機能機器のプラットフォームを提供する。この機器のプラットフォームは、あらゆる技能水準の医師が最も困難且つ複雑な病変/閉塞をより便利に、短時間で、効果的に治療することを可能にする。本開示は、一緒に構成されて相乗的に動作できる「機能ユニット」のシステムである、機能的に統合可能なカテーテルシステム(「FICS」システム)を提供する。FICSシステムは、(a)FICSサポートカテーテル、(b)FICS拡張器、(c)FICS PTAカテーテル、(d)FICSロックグリップハンドル、および(e)FICS操縦ハブを含む、少なくとも5つの主な「機能ユニット」を含む。各々の「機能ユニット」を、製造元によって予め組み立てられた形態で、且つ場合により、臨床作業者が可変の組み合わせ(「FICS構成」)に構成することを意図した機能ユニット(a)〜(e)を含む機器のトレイとして共に梱包して提供できる。特に治療に特有の「機能サブユニット」の例は、本願内に開示される様々な「CTO貫通チップ」および「再入チップ」を含み、ここで各々のチップの設計は、特定の種類の複雑病変および/またはCTOを治療するために特化して設計され得る。「CTO貫通チップ」を組み込んだFICS拡張器を含む任意のFICS構成を、腔内的再疎通を容易にするために使用できる。「再入チップ」を組み込んだFICS拡張器を含む任意のFICS構成を、腔外的再疎通を容易にするために使用できる。個々の「機能ユニット」の各々は予め構成された状態において動作できるのだが、各々の機能ユニットはスタンドアローンの機器としては、血管と非血管組織との両方を冒しているあらゆる複雑病変およびCTOを治療するために図17に参照されるようにいくつかの治療に特有の構成を提供することで高度に適合され得る包括的な多機能機器プラットフォームであるFICSシステムを使用することにより達成し得る相乗効果と比べて、限定的な機能しか有さない。
進行したアテローム性動脈硬化症に苦しむ多くの患者は、共通の罹患した血管に沿った複数の複雑病変を示し、そのことは治療的介入が全てのプラーク/病変を十分な水準に回復して開存させるために連続的な処置(アクセス、再疎通および拡張)を必要とすることを意味する。FICSは、医師によって共に組み立てられ得る広範な状況に特有の器具と概念的に類似した、相互に動作可能な機能ユニット(a)〜(e)の一式を提供する。第1の介入処置(つまり第1の閉塞の治療)において第1の仮想的なFICS構成を用いた後、そのFICS機能ユニットを可逆的に解体して、適宜、同じ患者において第2の引き続く介入処置(つまり、第2の閉塞の治療)のために機能ユニットを異なる構成へと再度組み立てることができる。インビボにおいて同時および/または連続的な適用を実施する臨床作業者が、解体および再組み立てのサイクルを必要に応じて複数回繰り返すことができる。予め展開されたガイドワイヤを用いたFICS機能ユニットの相互動作性は、(a)治療を受けている罹患した血管内に存在する第2または引き続く病変を治療するための再配置のために、FICS SCおよびGWのいずれかを後退させる必要なくその場に留めていられること、(b)多数の病変へのアクセスを連続的に維持できること、(c)処置段階が低減され、時間/費用を節約できること、(d)処置の質を高められること、および(e)作業の利便性を著しく改善できることを意味する。
様々な実施態様が、様々な「機能ユニット」に組み立てられることができるFICS部品に関する。様々な実施態様が、治療の必要に応じて異なる種類の血管状態に対して特化してカスタマイズされるために異なるFICS「機能ユニット」を組み合わせることによって一緒に組み立てることができる特有の構成に関する。様々な実施態様が、FICS「機能ユニット」の製造方法に関する。様々な実施態様が、いくつかの機能を容易にするための治療器具として、1つまたはそれより多くのFICS構成を使用して血管疾患および/または非血管疾患を治療するための方法であって、より効果的な(a)ガイドワイヤの合わせ、(b)病変の貫通、(c)再疎通、(d)血管の拡張、および(e)血管の管腔の修復を含む、前記方法に関する。
D. 機能的に統合可能なカテーテルシステム(「FICS」)の機能ユニットの共組み立て
機能的に統合可能なカテーテルシステム(「FICSシステム」)は、(a)FICSサポートカテーテル、(b)FICS拡張器、(c)FICS PTAカテーテル、(d)FICSロックグリップハンドル、および(e)FICS操縦ハブの、少なくとも5つの主な「機能ユニット」を含む。それらの「機能ユニット」を、相乗的に動作するように設計することができ、且つ、臨床作業者は複雑病変/完全閉塞を治療するための多段階の処置の前/間に一緒に構成することができる。1つの好ましい実施態様において、全ての機能ユニットを、臨床作業者(医師および/または作業する専門家)により可変の構成へと共に組み立てることが意図されている機能ユニット(a)〜(e)を含む機器のトレイとして一緒に梱包することができる。他の好ましい実施態様において、各々の種類の機能ユニット(a)〜(e)を別々に梱包して、交換用の部品として提供することができる。全ての機能ユニットを完全な相互動作性/適合性のために構成し且つ寸法決定することができる。
以下の小節において、参照される機能ユニット(a)〜(e)の各々をより詳細に記載し、図1〜17におけるそれぞれの構造および機能的な特徴を特定する。寸法の特徴を実施例および表1〜7に記載する。便宜上、図17は、本願内で考慮される可能なFICSシステム「構成」のフローチャートの概要を示し、臨床作業者が、広範な複雑病変およびCTOを治療するために最も効果的な治療に特有の「構成」を構築するために選択的に組み合わせることができる様々な「機能ユニット」および「機能サブユニット」のビジュアルマップを示す。
1. FICSシステムについての動作構成
1.1 FICSシステムの予め構成された機能ユニット
図1は、予め構成された状態での本開示の機能的に統合可能なカテーテルシステム(FICS)の5つの主な機能ユニットを示す。図1において、機能的に統合可能なカテーテルシステム(FICS)は、分離可能な5つの部品(上から下に):(a) サポートカテーテル110、(b)ロックグリップハンドル120、(c)拡張器130、(d)PTAカテーテル140、および(e)操縦ハブ150として示されており、ここで、臨床作業者はそれらの分離可能な「機能ユニット」を、特定の治療の目的に適した様々な組み合わせ(「治療に特有の構成」)で一緒に共に組み合わせ且つ再度組み合わせることができる。サポートカテーテル、拡張器、およびPTAカテーテルは、相互動作性のために各々寸法的に適合可能である。構成されたシステムの可変の全長(TL)は、実施例および表1〜7にさらに記載されるとおり、約90〜220cmの範囲内で寸法的に適合可能であり、且つ、可変の有効長ULは、約60〜180cmの範囲内で寸法的に適合可能である。
図1において、FICSサポートカテーテル110は、シャフト部材111、1つまたはそれより多くのフラッシングポート113、およびオスのルアーアダプタ121を含むFICSロックグリップハンドル120に接続できるメスのルアーロックアダプタを有するマニホールド部材112、外部のケーシング部材122、122内で形成される止血バルブ部、およびメスのルアーアダプタ123を含む。該サポートカテーテルはさらに、操作性を強化するための、拡張器またはPTAカテーテルの挿入を受け容れる中心の管腔を含み、且つ、ここで予め構成されたサポートカテーテルの遠位端は、先細りの遠位端を有する従来のサポートカテーテルとは異なり、相互動作可能な設計のためのまっすぐな端部(straight−edged)となっている。サポートカテーテルのまっすぐな端部は、作業的に結合される場合のサポートカテーテルと拡張器/PTAカテーテルとの間の相互動作性を改善する設計上の特徴であり、他の機能ユニットを挿入することにより機能的に増強されて、組み合わせに際して継目のない非外傷性の端部を形成する(図14A)。まっすぐな遠位端は、補強されたチップ領域を含むことがあり、ここで、補強材は放射線不透過性物質を含む。関連する実施態様として、FICSサポートカテーテルシャフトおよびチップ領域は、柔軟性のあるポリマーから形成されることができ、ここで前記ポリマーは構造補強材として埋め込まれた編上げのメッシュを含有することがある。前記の補強された管材および補強されたチップ領域を、バルーン膨張の呼び圧力範囲と破壊圧力を上回る範囲との両方を含むシステムに印加される正の圧力および負の圧力に耐えるように設計することができる。実質的に同時に、補強材は、その中で包まれた/同軸状に受け容れられた可膨張性部材部の放射状の広がりを物理的に妨げることができる。さらには、そのような半硬質の材料組成物/組み合わせは、改善された(a)機器の押し出し性、(b)方向性の曲げ能力、および(c)血管のガイドを強化するための機械的なサポートをもたらすことができる。他の実施態様として、FICSサポートカテーテルは、介入処置の間に使用される造影液および食塩水溶液をもたらし且つ吸引するための、遠位端の近位の側方表面上に組み込まれ得る1つまたはそれより多くのフラッシングオリフィスを含み、ここでそれらのオリフィスはサポートカテーテルの中心の管腔に流体接続して保持されることができ、且つ前記流体は、他の挿入可能な機能ユニットの存在下または不在下で、SCマニホールド中に搭載された1つまたはそれより多くのフラッシングポート(113)を介して移送されることができる。フラッシングポートを、マニホールド中に別途のルアー入口として組み込んでもよいし、または代替的に、フラッシングポートに取り付けられた二方向バルブを含有するようにマニホールドを構成して、媒体の輸送を可能にし且つ吸引、潅流および吸込み機能を可能にすることもできる。マニホールドはさらに、複数のFICS機能ユニットを一緒に一時的に固定する/安定化するための、前記マニホールドと動作的に連結した任意のロッキング機構を備えた、追加的なバルーン導入器および/または止血シールを含むことがある。他の実施態様として、FICSサポートカテーテルは、処置可能な血管内で例えばチップの位置を追跡するために、シャフト表面に沿って(例えば遠位のチップ部に対して近位で)設置された1つまたはそれより多くの遠位に配置された放射線不透過性マーカーを含んで、血管造影機器の視認性を可能にすることができる。他の実施態様として、FICSサポートカテーテルは、FICS機能ユニットを共に組み立てることを補助するために、ユーザーの利便性のための位置的なガイドとしての(例えばフラッシングホールの位置を示す)、1つまたはそれより多くの視覚的または触覚的な表面のマーキングを含む。他の実施態様として、前記サポートカテーテルを、特有の臨床用途のシナリオにおける導入器のシースとして、例えば橈側または上腕のアクセスを介した介入処置を実施する場合に使用することができ、そのことにより、必要とされる部品の数を効果的に低減できる。関連する実施態様として、FICSサポートカテーテルは、他のFICS機能ユニットの不在下または存在下で吸引カテーテルとして機能することができる。
図1において、FICSロックグリップハンドル120は、医師作業者用のユーザーハンドルとして機能できる。FICS製品についての重要な動作部品として、ロックグリップハンドル120は、機能ユニットを相互接続するための相対的な位置の安定化(固定、長さの調節、および止血シール)を提供でき、全般的なシステムの取り扱い性を改善する。FICSロックグリップハンドルを、可逆的にFICSサポートカテーテル、または以下: FICS拡張器、FICS PTAカテーテル、FICS操縦ハブのいずれにも取り付けることができる、単純なポリマーのシリンダー、クリップ、くさびまたはねじとして設計できる。他の実施態様として、FICSロックグリップハンドルを、FICSサポートカテーテルの近位の非留置シャフト部の箇所で取り付けることができる。FICSロックグリップハンドルの他のFICS機能ユニットへの動作的な結合は、ユニット間の長手方向の距離の調節を含む相対的な位置の安定化をもたらすことができる。FICSロックグリップの内部の止血シールを、同軸状に受け容れ可能な様々な直径の機能ユニットを収容するように設計できる。FICSロックグリップハンドルは、臨床作業者による、長さ調節性および取り扱い性の改善のために、視覚的な、聴覚的な、または触覚的なマーキングを含むことができる。他の実施態様として、FICSロックグリップハンドルを、FICSサポートカテーテルおよびFICS拡張器に取り付けるのと同時に構成し、外側のシースとしてのFICSサポートカテーテルと、FICS拡張器の可膨張性部との間に形成されるバルーン長を露出させることができる。他の実施態様として、FICSロックグリップハンドルを、当業者に公知の方法、例えば熱結合または接着結合、溶接、糊付け、ねじ込み、スナップ、クリッピング、締まりばめ、挿入および/または同軸アライメントによってFICSサポートカテーテルにしっかりと取り付けて提供することができる。他の実施態様として、FICSロックグリップハンドルは、機械的な接着、スナップ、摺動、ねじ込み、クリッピング、くさび止めまたは拡張器シャフト中へのキーイングによって、機械的に結合されてFICS拡張器を同軸状に受け容れることができる。他の実施態様として、FICSロックグリップハンドルは、同軸状に受け容れ可能な部品の噛み合う、または嵌め合う表面要素を受け容れるように構成された、ハブ、アダプタ、コネクタ、フィッティング、ジャケットまたはソケットを含むことができる。他の実施態様として、FICSロックグリップハンドルは、FICS拡張器のシャフト、チップおよび/またはFICS PTAの近位のバルーンコーンのいずれかの長手方向のずれを制限する機械的な端部停止を提供する。FICSロックグリップハンドルは図4にさらに記載される。
図1において、FICS拡張器130は、拡張器チップ131、シャフト部材132およびマニホールド部材133を含む。FICS拡張器は、多機能を提供するための任意の構造的な機構を組み込むことができる。関連する実施態様として、FICS拡張器は以下を含むことができる:
(a)二重の管腔構成を有する、遠位に配置された非アンカリング(非膨張性の)拡張器チップ区域、ここで、第1の管腔はGW管腔であり、第2の管腔は、ガイドワイヤ管腔部の周りに同軸状に形成された管状の液圧室に流体接続され得る作動管腔である、または
(b)三重の管腔構成を有する、遠位に配置されたアンカリングおよびセンタリング(可膨張性)拡張器チップ区域、ここで、第1の管腔はGW管腔であり、且つ第2の管腔は、GW管腔部の周りに同軸状に形成された管状の液圧室に流体接続されたチップ作動管腔であり、且つ第3の管腔は可膨張性部材のための膨張管腔であり、ここで前記液圧室は、遠位のシール/ガスケットの近位の側方表面、近位のシール/ガスケットの遠位の側方表面、拡張器シャフトを形成する細長い外側の管状部材の内部表面、およびそこに同軸状に受け容れられる内側の管状部材の外部表面の間に形成される。遠位のシール/ガスケットは、内側の管状部材の外部表面から延伸し、ここで、近位のシール/ガスケットは、細長い外側の管状部材の内側表面から延伸する。内側の管状部材は、中空孔ハイポチューブとして形成されることができ、さらにチップ(ランセット)を含み、且つ管状の液圧室部と封止係合され且つチップ作動管腔と流体接続された、1つまたはそれより多くの円周状に配置されたガスケットを有する、上述の遠位の拡張器チップ区域中に同軸状に埋め込まれ、ここでハイポチューブチップ(ランセット)は、方向的に操縦可能ではない、または操縦可能であり、液圧作動可能な、遠位の拡張器チップの長手部に沿って可逆的に延伸可能な部品として構成されることができ、且つ、輸送の間にその中に包まれ/隠されることができ、ここで、1つまたはそれより多くのガスケットは、ハイポチューブチップ(ランセット)の(長手方向の)延伸範囲を制限する機械的な端部停止として役立つ。他の実施態様として、FICS拡張器は実質的に硬質のチップ領域または区域(閉塞の貫通が可能)を含有でき、それは先細りした実質的に軟質のポリマー材料中に埋め込まれているか、または部分的に封入されて、非外傷性の血管のガイドおよび効果的な閉塞の貫通性を容易にすることができる。他の実施態様として、硬質のチップを、管状部材、例えばハイポチューブから製造することができる。他の実施態様において、FICS拡張器のチップおよび選択されたシャフト領域は異種の機械的特性の要素および/または構造を含んで、拡張器シャフトの定義された長さの部分に沿って可変の剛性の部分を容易にする。他の実施態様として、先細りした拡張器チップは、サポートカテーテルシャフトまたは外被への、継ぎ目がなく且つ非外傷性の移行部を形成できる。FICS拡張器の遠位のシャフト部分に、標的の血管の領域内で拡張器を制御してセンタリングし且つ安全にアンカリングするために機能できる1つまたはそれより多くの可膨張性部材を取り付けることができる。他の実施態様として、1つまたはそれより多くの遠位に配置された放射線不透過性マーカーを拡張器シャフトの表面上に設置して、正確な位置の検証のために血管造影機器の視認性を可能にできる。ハイポチューブのチップの形状および構造を、柔軟性のない/硬質の「CTO貫通チップ」または柔軟性のある/展性の「再入チップ」を形成するために適するように変更してもよい。FICS拡張器は図2 A〜B、5〜9、10 A〜B、15および17にさらに記載されている。FICS拡張器シャフトを、実質的に非圧縮性のシャフト材料、例えば金属または硬質ポリマーで構成されるように設計でき、且つ補強をもたらすことができる。
図1において、FICS PTAカテーテル140は、可膨張性部材(バルーン)141、カテーテルシャフト142、およびマニホールド部材143を含む。前記FICS PATカテーテルは、他のPTAカテーテル製品において見出される標準的な特徴を組み込むことができる。しかしながら、他のPTAカテーテルとは対照的に、前記FICS PTAカテーテルは、一定の長さの可膨張性部材の部分を含み、それはFICSサポートカテーテルによって形成される外側のシース内で同心円状に隠されることができる。作業の間、PTAのバルーン部材をサポートカテーテルの遠位部から進めることができ、バルーン部材の可膨張性部を、治療の必要に応じて罹患した血管に沿って位置する標的の病変の長さを効果的に拡張できる所望の長さまで調節して露出させる。バルーンの膨張部の長さを標的の病変の長さに調節して、固定長の引き延ばされたバルーン(約0〜30cmにわたる調節可能な作業長さを有する)をもたらすことにより、単独のバルーンの長さの制御によって様々な長さの病変を拡張/治療でき、前記バルーンは、介入の間に典型的に遭遇する標的の病変のそれぞれの長さに適合されることができるように、所望の長さで制御して膨張されることができる。例えば、バルーンのより短い膨張部が、同等の長さのより短い標的の病変の全長を拡張するために適していることがある。同様に、バルーンのより長い膨張部が、同等の長さのより長い病変の全長を拡張するために適していることがある。さらには、複数の放射線不透過性のマーキングを、(a)サポートカテーテルシャフトの遠位端と、(b)バルーンの遠位端との両方で備えて、サポートカテーテルから露出され且つ膨張した状態におけるバルーンの長さを決定するための視覚的なガイドを提供することができる。臨床作業者がインビボでの「病変の長さに選択的な」バルーン拡張プロセスの間にサポートカテーテルから露出され得るバルーンの長さを調節することが可能になることにより、PTAカテーテルの可変の有効長は、可膨張性部材(バルーン)の可変の有効長と相関する。まず、FICS PTA拡張器カテーテルをFICSサポートカテーテル中に挿入し、ロックグリップハンドルを使用して安定化させて、可変の長さで膨張され得る単独の延ばされたバルーン部材を使用して可変の長さの病変を治療できる「長さに選択的な」FICS LLS PTA構成を現場で形成できる。作業の間、FICS PTAカテーテルおよび可膨張性部材部を可逆的にFICSサポートカテーテルから可逆的に取り外すことができる。膨張および収縮プロセスの間にサポートカテーテルの遠位端内に後退している(包まれている)ことを常に維持して、多段階のPTA治療を可能にするための元のバルーンの折りたたみ性を保持し、且つバルーンの可膨張性部の最適な形状を保存することによって、最小のバルーン長(図15および表2の機能寸法Cとして示される凹部)が膨張するのを制限できるように、サポートカテーテルの長さを寸法的に構成することができる。FICS PTAカテーテルシャフトを実質的に非圧縮性材料、例えば金属または硬質ポリマーから形成されたハイポチューブ、または補強シャフトで構成できる。
図1において、FICS操縦ハブ150は、医師作業者用の操縦ハンドルとして機能できる。FICS拡張器の重要な動作要素として、操縦ハブ150は、液圧作動拡張器チップ(「CTO貫通チップ」、「再入チップ」)の運動を指示し、システムの全般的な取り扱いを改善するための操縦能力をもたらすことができる。操縦ハブは、図2Bにさらに示され、且つ図5にさらに記載される。操縦ハブは特に、図6〜7、および図9に示されるとおり、図10に示される再入チップを使用して様々な拡張器チップの方向付けを制御するために使用され得る。FICS操縦ハブは、多機能を提供するための任意の構造的な機構を組み込むことができる。関連する実施態様として、FICS操縦ハブは、臨床作業者による方向付け/調節性および取り扱い性の改善のために、視覚的な、聴覚的な、または触覚的なマーキングを含むことができる。他の実施態様として、操縦ハブ組立物によって容易化される回転の方向付け方式を、段階的な半径方向の増分または自由回転可能な動作において実施できる。操縦ハブによって管理される回転の方向付けを、マークされた個々の位置で一時的に固定することもできるし、または動作部材の摩擦抵抗の閾値(例えばトルク)を通じて容易にすることもできる。
1.2 FISC動作構成/機能ユニットの組み立て
機能的に統合可能なカテーテルシステム(FICS)のそれらの分離可能な「機能ユニット」は、多段階血管形成処置の各々の段階のために選択的に調節可能であることが意図されて、医師作業者により種々の機能構成へと連続的に組み立てられる/再度組み立てられることができる。FICS構成は、従事する医師により、動脈硬化の進行した段階に重度に罹患した患者(つまり、複数の病変、延長した病変長、蛇行性の解剖学的構造、完全閉塞)の治療において遭遇する種々の困難な状況に適するように可変的にカスタマイズされることができる。慢性完全閉塞を含む臨床的な状況について、病変の長さ、病変の組織および血管の解剖学的構造におけるばらつきには関わらず、罹患した病変/閉塞を横切り且つ拡張する前に、標的の閉塞は、腔内的に貫通されるか(CTOキャップを直接的に通り抜けることによる)、または腔外的に迂回されるか(内膜下の血管壁を通り抜けることによる)のいずれかでなければならない。複数の病変の存在は、特定の長さおよび組織の特徴を有する各々の病変/閉塞のための連続的な治療を必要とする。理想的な治療器具は、治療に特有の用途のために、ユーザーがインビボで調節可能である。FICS機能ユニットの多構成の動作は、多数の利点:(a)複数且つ最も重症の複雑病変/CTOの治療における処置的/臨床的な有効性、(b)可逆的に組立が可能な、相互動作可能な機能ユニットに起因する実質的な動作の自由度/柔軟性、(c)医師にとっての実質的な動作の利便性、(d)患者と医師との両方の利益についての実質的な時間の節約、および(e)比較的少ない切開しか伴わない高品質のPTAをもたらすことができる。FICS機能ユニットは、異なる機能ユニット間の便利な互換性を可能にすることにより処置的な臨床時間を節約でき、従って、医師は、治療可能なプラーク/病変の特徴(数および寸法的なばらつきに関する)に依存して処置の複雑度が変わり得る各々の処置段階のために、連続的に治療される各々のプラーク/病変のためにサポートカテーテルを引き出す必要なくFICS機能ユニットを迅速に適合させることができ、そのことにより病変のアクセスを失うことが防がれる。例えば、第1の介入処置(つまり第1の閉塞の治療)において第1の仮想的なFICS構成を用いた後、そのFICS機能ユニットを逆の順で解体して、適宜、同じ患者において第2の引き続く介入処置(つまり、第2の閉塞の治療)のために機能ユニットを異なる構成に再度組み立てることができる。インビボにおいて同時および/または連続的な適用を実施する臨床作業者が、解体および再組み立てのサイクルを必要に応じて複数回繰り返すことができる。予め展開されたFICSカテーテルを含むFICS機能ユニットの相互動作性は、(a)罹患した血管の治療全体を通じた連続的な病変のアクセス、および(b)同じ罹患血管内に存在する第2または引き続く病変を治療するためにSC管腔を通じて挿入可能な他のFICS機能ユニットの迅速な交換を可能にするために、SCを展開したままでいられることを意味し、そのことにより、再配置のためにSCを後退させる必要がなくなり、時間が節約され、且つ動作の利便性が改善される。
図2は、腔内的または腔外的CTO再疎通のための2つの代替的なFICS拡張器を示す。FICS拡張器をFICSサポートカテーテルと組み合わせて、図2Aにおける適した「CTO貫通チップ」205と適合するFICS「CTO拡張器」構成を形成することができる。図6〜7は図2Aにおいて205として示される「CTO貫通チップ」のより詳細な記載を示す。図8〜9は、突き出し可能且つ操縦可能な代替的なチップ設計についての詳細な記載を示す。図12A〜Bは、チップの伝送のための液圧作動機構の追加的な動作の詳細を示す。
図2Aは、1つの実施態様として、腔内的再疎通に適したFICS CTO拡張器構成のために適合可能な例示的な「CTO貫通」設計を示す。図2Aにおいて、「CTO拡張器」構成における機能的に統合可能なカテーテルシステム(FICS)を、
(a)FICSロックグリップハンドル230をFICSサポートカテーテル220に取り付けること、および
(b)段階(a)に記載された予め組み立てられたサポートカテーテル/ロックグリップハンドルを通じて、FICS拡張器210を同軸状に挿入すること、
によって一緒に組み立てることができ、従って、FICS拡張器の遠位端に搭載される「CTO貫通」拡張器チップ205(図1内で131としても示され且つ図6〜8内により詳細に説明される)を、示されるとおりFICSサポートカテーテル管の遠位端から部分的に出るように配置し且つ長手方向に固定できる。FICS CTO拡張器と共に組み立てられる場合、FICSサポートカテーテルは、圧力と変位を制御して、CTOの貫通を容易にすることができる。
FICS拡張器をFICSサポートカテーテルおよびFICS操縦ハブと組み合わせて、図2Bにおける適した「再入チップ」206と適合するFICS「再入拡張器構成」を形成することができる。図5は操縦ハブのより詳細な記載を示す。図9、10Bは図2Bの2「再入」拡張器チップ206のより詳細な記載を示す。図12A〜Bは、チップの伝送のための液圧作動機構の追加的な動作の詳細を示す。
図2Bは、1つの実施態様として、腔外的再疎通に適したFICS再入拡張器構成のために適合可能な例示的な「再入」設計を示す。図2Bにおいて、CTO拡張器構成における機能的に統合可能なカテーテルシステム(FICS)を、
(a)FICSロックグリップハンドル230をFICSサポートカテーテル220に取り付けること、および
(b)段階(a)に記載された予め組み立てられたサポートカテーテル/ロックグリップハンドルを通じて、FICS拡張器210を同軸状に挿入すること、
によって一緒に組み立てることができ、従って、FICS拡張器の遠位端に搭載される「再入」拡張器チップ206(図1内で131としても示され且つ図9内でより詳細に説明される拡張器チップ組立品の一部)を、示されるとおりFICSサポートカテーテル管の遠位端から部分的に出るように配置し且つ長手方向に固定できる。拡張器チップ206は、同軸状に揃えられた内側のエラストマーの管を介して操縦ハブ250に取り付けられる。FICS CTO拡張器と共に組み立てられる場合、FICS操縦ハブは、方向付け可能な、圧力と変位を制御する方式で、CTOの迂回/内膜下アクセス/再入を容易にすることができる。指定されたCTOガイドワイヤと同時に使用するために再入チップが備えられてよく、ここで、前記ガイドワイヤはCTO貫通機能を担い、且つ再入チップはFICS操縦ハブと連係してGWについての操縦機能を担う。代替的な実施態様において、再入チップはFICS操縦ハブと連係してGWについての操縦機能を担い、便利な側枝血管へのアクセスを容易にする。
図3は、1つの実施態様として、「病変の長さ選択性」のために有用な組み立てられた「FICS LLS PTA構成」を示す。図3において、LLS PTAカテーテル構成における機能的に統合可能なカテーテルシステムを、
(a)ロックグリップハンドル330をFICSサポートカテーテル320に取り付けること、および
(b)段階(a)に記載された予め組み立てられたサポートカテーテル/ロックグリップハンドルを通じて、FICS PTAカテーテル310を同軸状に挿入すること、
によって一緒に組み立てることができ、従って、PTAカテーテル310中に、遠位に搭載される可膨張性部材305(図1内で特徴141としても示され且つ図12〜13内でさらなる動作が詳細に説明される)を、可膨張性部材141が望み通りに調節可能な長さまで遠位方向に露出されるように、配置し且つ長手方向に固定できる。この構成において、露出される可膨張性部材305の長さは、本願内に記載されるFICS LLS PTAカテーテル構成の「病変の長さに選択的な」部分を示す。FICSサポートカテーテルと共に組み立てられる場合、バルーンの長さは、標的の病変長に対して適切に比例するようにインビボで特化して調節され、少ない処置段階で、有効な病変治療および病変へのアクセスの改善を可能にすることができる。バルーンの長さおよび適切な膨張圧を調節することにより、医師は、仮想的な病変の長さおよび組織に特に適した非常に柔軟性のある高品質のPTAバルーンを展開することができる。従って、調節可能なFICS構成は、治療の品質を高めることができ、切開のリスクの低減、処置の有効性の向上、処置時間および費用の低減をもたらす。この構成において、FICSロックグリップハンドル320は、バルーン拡張の間のFICSサポートカテーテル310の近位の動き(後退)を防止することによって、FICSサポートカテーテル310によって形成される外側のシースの位置を、FICS LLS PTAカテーテルの位置に対して相対的に安定化することができる。図11、14および16は、「FICS LLS PTA」構成のさらなる動作的な詳細を示す。
1.3 臨床者が選択的に構成できる複数のFICS構成の概要
図17は、本願内で考慮される可能なFICSシステム「構成」のフローチャートの概要であり、臨床作業者が、広範な複雑病変およびCTOを治療するために最も効果的な治療に特有の「構成」を構築するために選択的に組み合わせることができる様々な「機能ユニット」および「機能サブユニット」のビジュアルマップを示す。図17の実線で枠付けされたボックスおよび実線の矢印は、所定の治療用途のために有効であることができる「機能ユニット」と「機能サブユニット」との組み合わせを示す。図17に含まれる破線のボックスおよび破線の矢印は、所定の臨床状況のために適している場合、構成され得る「機能ユニット」と「機能サブユニット」との代替的な組み合わせを示す。
図17において、フローチャートは、患者に特有の状況に適するように臨床作業者が選択的に組み立てることができる、特定の治療に特有の「構成」を示す。図の左上から出発して、1700は、臨床作業者が一緒に組み立てることができる様々な「機能ユニット」(1720)および「機能サブユニット(1730)」の選択的な構成(1710)から得られるFICSシステムを示す。1710と並ぶ3つの主なFICS構成を、実線のボックス1711〜1713として示し、それぞれ上から下に、1711は「FICS LLS PTA構成」(図3)を示し、1712は「FICS CTO拡張器構成」(図2A)を示し、且つ1713は「FICS再入拡張器構成」を示す。
「FICS LLS PTA構成」1711は、「実線の」ボックスとして示される以下の3つの主な機能ユニットを組み合わせることによって構成できる: サポートカテーテル1721、PTAカテーテル1723およびロックグリップハンドル1724(図1に図示される個々の機能ユニット; 図3において構成される)。拡張器1722および操縦ハブ1725は破線のボックスによって示され、それは、それらの機能ユニットがサポートカテーテル1721の操縦の間、一時的に用いられ、且つ/またはユーザーの便宜上、それらが任意に含まれ得ることを示す。例えば、拡張器1722をサポートカテーテル1721中に挿入して(ロックグリップハンドル1724によって安定化し)、GW上でのサポートカテーテルの非外傷性の操縦を行った後、「FICS LLS PTA構成」を施すことができる。
「FICS CTO拡張器構成」1712は、「実線の」ボックスとして示される以下の3つの主な機能ユニットを組み合わせることによって構成できる: サポートカテーテル1721、拡張器1722およびロックグリップハンドル1724(図1に図示される個々の機能ユニット; 図2Aにおいて構成される)。PTAカテーテル1723および操縦ハブ1725は、「破線の」ボックスによって示され、それは、それらの機能ユニットが任意であることを意味する(例えば拡張器構成の展開の間に適している)。PTAカテーテル1723(破線のボックスとして示される)は、拡張器構成の一部ではなく、なぜならPTAの展開はCTOの貫通が達成された後にのみ適用可能になるからである。内腔的なCTO貫通を達成するための「FICS CTO拡張器構成」は一般にCTOの直接的な貫通を含むので、操縦ハブ1725(破線のボックスとして示される)(図5に示され、1736として構成される)の操縦性を、場合により適宜選択できる。それらの主な機能ユニットの選択に加えて、臨床作業者は、各々、所定の治療用途のために適した独自の遠位チップ設計を組み込むいくつかのFICS拡張器の設計の選択肢から、「CTO貫通チップ」を構築するためのそれらの選択肢:(a)アンカリングおよびセンタリングできる可膨張性拡張器チップ1734、および(b)非アンカリング/非センタリング(可膨張性部材を有さない)拡張器チップ1735から選択することによって、選択できる。さらには、臨床作業者は、「操縦可能ではない」、鈍端の単独の部材1741(図8、10A)、または「操縦可能な」結合部材1743(図9、10B)のいずれかを有するハイポチューブチップ(ランセットとして形成)を各々含むいくつかの拡張器チップの設計から選択して、患者に特有の状況に適した、治療に特有のFICS構成を構成できる。さらには、「CTO貫通チップ」1742(図6〜8、10Aに示す)を組み込むFICS拡張器を、他の機能ユニット、例えばサポートカテーテルおよびPTAカテーテルと結合して、腔内的再疎通可能な、治療に特有の構成を構築することができる。
「FICS再入拡張器構成」1713は、「実線の」ボックスとして示される以下の3つの主な機能ユニットを組み合わせることによって構成できる: サポートカテーテル1721、拡張器1722およびロックグリップハンドル1724(図1により示される個々の機能ユニット; 図2Bにおいて構成される)。破線のボックスにより示されるPTAカテーテル1723は、任意の機能ユニットである。臨床作業者は各々、所定の治療用途のために適した独自の遠位チップ設計を組み込む、いくつかのFICS拡張器の設計の選択肢から、それらの選択肢:(a)アンカリングおよびセンタリングできる可膨張性拡張器チップ1734、および(b)非アンカリング/非センタリング(可膨張性部材を有さない)拡張器チップ1735から選択することによって、選択できる。さらには、操縦可能ではない単独の部材1741(図8)、または操縦可能な結合部材1743(図9)を各々有するハイポチューブチップ(ランセットとして構成)を含む拡張器チップをさらに選択して、患者に特有の状況に適した、治療に特有のFICS構成を構成できる。操縦ハブ1725(図5に示され、1736として構成される)はさらに、操縦可能な結合部材1743(図9)を制御して管理する必要がある。さらには、「CTO貫通チップ」1742(図6〜8に示す)を組み込むFICS拡張器を、他の機能ユニット、例えばサポートカテーテルおよびPTAカテーテルと結合させることができる。「再入チップ」1745(図9、10Bに示す)を組み込むFICS拡張器を、他の機能ユニット、例えばサポートカテーテルおよびPTAカテーテルと結合して(図1に示す)、腔外的再疎通が可能な、治療に特有の構成を構築することができる。
FICSシステムの一部としての「FICS拡張器」を、病変の長さに選択的な多段階拡張を実施するための、腔内的および/または腔外的再疎通を実施するために治療に有効な器具として提供することができ、ここで、その製造は、治療に特有の拡張器チップ部、例えば
(a)アンカリングおよび/またはセンタリング機能を有さない非膨張性の遠位のポリマー部材、
(b)アンカリングおよび/またはセンタリング機能を示す可膨張性の遠位のポリマー部材、
(c)遠位のポリマー部材の少なくとも一部に同軸状に埋め込まれ、並進運動できる、液圧作動ハイポチューブチップ、
(d)遠位のポリマー部材の少なくとも一部に同軸状に埋め込まれ、並進運動および回転運動できる、液圧作動ハイポチューブチップ、
を構築するために様々なサブユニットを組み込むことによって拡張器のためのいくつかの代替的な設計を提供でき、ここで、内部の管状部材は操縦ハブと結合できるように備えられ、且つ、ハイポチューブの遠位のチップ部は、「CTO貫通チップ」または「再入チップ」のいずれかとして、またはその両方の機能を与えられたチップとして形成され得る。さらなる実施態様として、可膨張性のポリマー部材(b)を、(i)サポートカテーテルおよび(ii)PTAカテーテルを組み合わせることにより形成できる。関連する実施態様として、「CTO拡張器」および/または「再入拡張器」の構成を、a)サポートカテーテル、b)PTAカテーテル、c)ロックグリップ、およびd)それぞれ「CTO貫通チップ」および/または「再入チップ」で形成されるハイポチューブを使用することにより形成でき、ここで、前記PTAカテーテルは、その中に同軸状に受け容れ可能なハイポチューブ部材の作動のための液圧室を含む。
2. FICS機能ユニット
2.1. FICSロックグリップ
図4は、1つの実施態様として、FICSロックグリップハンドルの内部部品を示す透視図である。図4において、FICSロックグリップハンドルは、(左から右に)、第1のケーシング部材420と結合された近位のコネクタ要素411、圧縮性シール421、および遠位のコネクタ要素431と結合された第2のケーシング部材(シャフトロッキングハンドル)430を含み、ここで、それらの部品を、示されるとおりに接続して、動作を可能にできる。第1のケーシング部材420を第2のケーシング部材(シャフトロッキングハンドル)430に、ねじ込み表面部412、432を介して結合/接続して、動作する結合を達成できる。
FICSロックグリップハンドルは、(図2に示すような)FICS拡張器構成および(図3に示すような)FICS LLS PTAカテーテル構成の必須の部品であり、FICS拡張器またはFICS LLS PTAカテーテルのいずれかのシャフト部材が、FICSサポートカテーテルに対して同軸状に係合されることが可能になることにより、好都合な迂回/貫通/横切りのために、いずれかの機能ユニットの遠位のチップを、インビボでFICSサポートカテーテルの遠位端を通じて、標的の閉塞/プラーク/病変に向かって制御して突き出すことができる。FICSロックグリップハンドルは、FICS拡張器またはFICS LLS PTAカテーテルのいずれかのシャフト部を機械的に係合/係脱でき、相対的な並進運動およびそれらの部品のFICSサポートカテーテルに対する位置決定を可能にできる。FICSロックグリップハンドルは、外側のシャフト部の周りの止血シールを提供して、機器の動作の間の過剰な出血を防ぐ。
FICS拡張器またはFICS LLS PTAカテーテルのシャフト部材をロックグリップケーシング部材420および430に、ロックグリップハンドル内に含有される圧縮性シール421を介して可逆的に取り付けることができる。FICS拡張器またはFICS LLS PTAカテーテルを完全に取り外すために、ロックグリップハンドルをロック解除(係脱)でき、且つシャフトを、例えばCTO再疎通処置の完了後にサポートカテーテルの外に引き出すことができる。液圧式のチップ作動機構に基づくFICS拡張器およびシャフトロッキング機構に基づくロックグリップハンドルの独立した搭載は、単独の搭載機器の動作を可能にして、
(a)介入処置の間に治療される血管を通じた血流を制御/制限するための止血シールを独立して容易にし、
(b)シャフト部材をFICSサポートカテーテルに機械的に係合/固定し、
(c)拡張器チップを標的の閉塞/プラーク/病変に液圧により突き出し、且つ
(d)介入の結果を診断的に可視化し且つ/または補助的な治療を行うために、罹患した血管を通じて流体を輸送する。FICSロックグリップを、介入段階全体を通じて、FICSサポートカテーテルの近位のハブ部分で保持することができる。
2.2 FICS操縦ハブ
図5は、1つの実施態様として、FICS操縦ハブの内部部品を示す透視断面図である。図5において、FICS操縦ハブは、(左から右に)、内側表面に沿って配向するバヨネット型の表面溝522を有する第1のケーシング部材520と結合された近位のコネクタ要素521、および整合する外側表面の突起531を有する遠位のコネクタ要素532と結合された第2のケーシング部材530を含み、ここで、それらの部品を、示されるとおりに接続して、動作を可能にできる。第1のケーシング部材520を第2のケーシング部材530に、ガイド表面構造を介して結合/接続して、動作する結合を達成できる。さらには、拡張器チップ(図9の項目910)とさらに隣接するエラストマーの管510(図9の項目940)を、第2のケーシング部材530に取り付けて提供することができる。
第2のケーシング部材530は、第1のケーシング部材の表面の溝522に沿って、自由回転可能な、第1の延伸位置から、長手方向の溝の部分に沿って、1つまたはそれより多くの回転がロックされ且つ並進がロックされた連続的な収縮位置へと動くことができる。図5において、4つの個々のガイドチャネルの全てを、互いに対して90°の角度に設置できる。示されるとおりガイド表面チャネルを配置することにより、第2の部材が第1の延伸位置から1つまたはそれより多くの連続的な収縮位置へと並進して変位され得る一方で、第2のケーシング部材が、0°、90°、180°および270°の範囲内の4つの回転の方向付けの1つを担うことが可能になる。第2のケーシング部材の動作を通じて、相対的な並進運動および回転運動(破線の矢印で示す)を、拡張器チップに直接的に作用させることができる。図6、7および9は操縦ハブを使用する、拡張器チップ構成についての追加的な実施態様/詳細を示す。
FICS操縦ハブは、(図2A〜Bに示すような)FICS拡張器構成の必須の部品であり、「FICS再入」構成またはFICS「CTO拡張器」構成のいずれかのチップ部材が、FICSサポートカテーテルに対して同軸状に係合されることが可能になることにより、好都合な迂回/貫通/横切りのために、いずれかの機能ユニットの遠位のチップを、インビボでサポートカテーテルの遠位端を通じて、標的の閉塞/プラーク/病変付近の内膜下組織に向かって、方向的にガイドし且つ制御して突き出すことができる。FICS操縦ハブは、FICS再入構成またはFICS CTO拡張器構成のいずれかのチップ部を機械的に係合/係脱でき、それらの部品のFICSサポートカテーテルに対する相対的な並進運動および回転運動を可能にできる。
2.3 FICS拡張器およびチップの構成
FICS拡張器を、指定された機能構成においてFICS拡張器の便利な作業性を強化する様々な特徴を備えて予め構成して提供することができる。それぞれのチップ構成を、以下で詳細に説明する。FICS拡張器を、図6〜7に示すようにアンカリング/センタリング機能を備えて、または備えないで提供することができる。さらには、突き出し可能なチップ部を、図8〜9に示すように操縦機能を備えて、または備えないで提供できる。FICS拡張器を、チップ構成に依存して「CTO拡張器」として、または「再入拡張器」として提供できる。1つの実施態様として、FICSサポートカテーテルをFICS拡張器と組み合わせて、腔内的再疎通を実施できる「CTO貫通チップ」(図6〜8および図10A)を有するFICS「CTO拡張器」を形成できる。他の実施態様として、「CTO貫通チップ」(図10A、図6〜8に示される)として遠位に成形され得るハイポチューブ体を、「再入チップ」(図10B、図9に示される)と適合されたハイポチューブ体によって置き換えて、内膜下のアクセスおよび再入を介した腔外的CTO再疎通を実施できる、図2Bに示される「FICS再入拡張器」構成をもたらすことができる。
一般に、FICS拡張器を、少なくとも
(a)同心円状に配置されるハイポチューブから構築されて、慢性完全閉塞の腔内的および/または腔外的再疎通の強化を容易にする、特化して構成された液圧により突き出し可能なチップ、および
(b)ガイドワイヤからFICSサポートカテーテルの遠位端への継ぎ目のない移行をもたらして、非外傷性の通過、ガイドおよびサポートの強化を可能にする、先細りのポリマースリーブまたはシャフト部
を含むように設計できる。FICS拡張器を、外部の管状シールドとして実質的な構造上のガイドおよびサポートを提供できるFICSサポートカテーテルと相互動作性であるように構成する。以下で図6〜10において記載される例示的なFICS拡張器チップの構成に関して、それらのFICS拡張器チップは、FICSサポートカテーテル内に設置されたFICS拡張器のGW管腔区画内に後退したままであり、輸送および操縦作業の間、血管壁をシールドすることができ、そのことにより潜在的な血管の損傷を回避する。
2.3.1 FICS拡張器のアンカリング/非アンカリング態様
図6は、1つの実施態様として、FICS拡張器の遠位チップ中に組み込まれることができる、アンカリングおよび/またはセンタリング機能を有する液圧作動「CTO貫通チップ」の断面図を示す。図6において、「CTO貫通」拡張器チップ610を、作動管腔621および膨張管腔622を有する三重の管腔の放射状に広がることができるポリマー部材620内で同軸状/同心円状に揃えることができ、ここで、610/620部材によって形成されるチップ部は、広がることができる拡張器を示すことができる。FICS拡張器のチップ部610/620は、示されるとおり、FICSサポートカテーテル630の遠位端から出ることができる。液圧室625を、遠位のシール/ガスケット611の近位の側方表面、近位のシール/ガスケット612の遠位の側方表面、拡張器シャフトを形成する細長い管状部材の内部表面、およびその中に同軸状に受け容れられるハイポチューブ部材610の外部表面の間に形成できる。遠位のシール/ガスケットは、外部のハイポチューブ表面から延伸できる。近位のシール/ガスケットは、細長い管状部材の内側表面から延伸できる。
他の実施態様において、CTO貫通拡張器チップは、外側の拡張器シャフト表面内で同軸状に受け容れられたハイポチューブ区域を含み、且つ動作するように液圧作動チップの伝送機構に結合されて、硬化したチップをCTOキャップ領域へと、拡張器シャフトの長軸に沿った相対的な並進運動を通じて制御されて進む。作動機構を、制御可能な二方向性のチップ伝送のために構成できる。拡張器チップ自体を先細りしたポリマースリーブ中に埋め込むまたは先細りしたポリマースリーブで封入して、周直径を拡張器シャフトの円周に徐々に揃えて、継ぎ目のない移行部を可能にすることができる。FICS CTO拡張器のチップおよび遠位のシャフト区域を、方向的に成形可能であるように構成できる。拡張器シャフトを、単独の管腔のポリマースリーブシャフトから、または二重の管腔または多重の管腔のポリマーシャフトから製造して、一時的な血管のセンタリングおよびアンカリング手段のための可膨張性拡張要素を可逆的に組み込むことができるFICS CTO拡張器を提供できる。
図6におけるこの広がることができる構成を、可変の直径および長さの血管に合うように調節できる。膨張される際、放射状に広がることができるポリマー部材620は、「アンカリング」および「センタリング」バルーンとして、液圧作動「CTO貫通」拡張器チップの同軸状に揃えられた(正面)効果的な貫通およびCTOを通じた連続的なガイドワイヤの通過のための、血管アンカリング能力の改善のために役立つことができる。代替的に、そのようなアンカリング「CTO貫通チップ」構成を、同軸状に挿入可能なハイポチューブ要素と、FICS LLS PTAカテーテルの可膨張性部材との同時の組み合わせを通じて提供できる(図示せず)。図8〜9は、突き出し可能且つ操縦可能なチップについての詳細な記載を示す。図12A〜Bは、液圧作動機構の追加的な動作の詳細を示す。
図7は、1つの実施態様として、FICS拡張器の遠位チップ中に組み込まれることができる、アンカリングおよび/またはセンタリング機能を有さない液圧作動「CTO貫通チップ」の断面図を示す。図7において、基本的な非アンカリング拡張器型を、作動管腔721を有する二重の管腔の非膨張性ポリマー部材720内で同軸状/同心円状に揃えられた「CTO貫通チップ」710を提供することによって形成でき、ここで、710/720によって形成されるチップ部は、(定義されたチップ長部に沿って)一定の円周を示す。FICS拡張器のチップ部710/720は、FICSサポートカテーテル730の遠位端から出ることができる。基本的な「CTO貫通チップ」を、示されるとおり、遠位の先細りのチップ部を含み、且つ外側のサポートカテーテルスリーブ730内に受け容れられるように合わせて適合された均一な半径方向の円周の長さ部分を有する、長だ円形のポリマー体720として形成できる。液圧室725を、遠位のシール/ガスケット711の近位の側方表面、近位のシール/ガスケット712の遠位の側方表面、拡張器シャフトを形成する細長い管状部材の内部表面、およびその中に同軸状に受け容れられるハイポチューブ部材710の外部表面の間に形成する。遠位のシール/ガスケットは、外部のハイポチューブ表面から延伸するのに対し、近位のシール/ガスケットは、細長い外側の管状部材の内側表面から延伸する。図8〜9は、突き出し可能な且つ操縦可能なチップ組立品の構成を可能にするための、拡張器チップの断面の半組立品における追加的な詳細を示すのに対し、図12A〜Bは、液圧作動機構の追加的な動作の詳細を示す。
2.3.2 FICS拡張器のための操縦可能ではない/操縦可能なチップの態様
図8は、1つの実施態様として、液圧作動の、操縦可能ではない、長手軸に沿って並進運動できるFICS拡張器の遠位のチップ部の側面図を示す。図8において、液圧作動の、操縦可能ではない拡張器のチップは、操縦ハブに着脱可能である。チップ部材810は、シールおよびスライドできる、円周状に取り付けられた遠位のガスケット820を有する中空孔ハイポチューブから形成されることができる一方で、図6〜7に開示されるポリマーの拡張器チップ部の液圧管腔部分内に埋め込まれることができる。拡張器チップ810は第2の近位のガスケット830を含み、前記ガスケットは、液圧作動チップ部材が所定の長さの閾値を超えて長手方向に延伸することを制限できる機械的な端部停止として作用できる。近位のガスケットの内側の表面形状を先細り状にして、中空の拡張器チップ部の内部の管腔の直径とガイドワイヤ管腔の直径との間の継ぎ目のない移行部が、チップ全体を横切って延伸することを可能にし、そのことによりガイドワイヤが両方の管腔を効率的且つ制限なく通過することが容易になる。操縦可能ではないハイポチューブチップを、単一の、取り付けられておらず且つそれぞれのガスケットの位置および室の寸法によって定義された境界内で自由に動くことができる部材として、液圧室内に埋め込むことができる。ハイポチューブチップ(ランセット)上で近位に位置するガスケットの開口部は、拡張器のGW管腔に対して先細りした表面形状を備えて形成されることができ、従ってあらゆるガイドワイヤが、中空のハイポチューブチップ(ランセット)内に形成されたGW管腔部を継ぎ目なく、著しく制限なく通過および横切ることができる。チップ部材810を、「CTO貫通チップ」または「再入チップ」として提供できる。図12A〜Bは、液圧作動機構の追加的な動作の詳細を示す。
図9は、1つの実施態様として、液圧作動の、操縦可能な、並進運動および長手軸周りに回転運動できるFICS拡張器の遠位チップ部の側面図を示す。図9において、液圧作動の、操縦可能な拡張器のチップは、操縦ハブに取り付け可能である。チップ部材910は、シールおよびスライドできる、円周状に取り付けられた遠位のガスケット920を有する中空孔ハイポチューブから形成されることができる一方で、図6〜7に開示されるポリマーの拡張器チップ部の液圧管腔部分内に埋め込まれることができる。操縦可能なチップ部材910は第2の近位のガスケット930を含み、前記ガスケットは、液圧作動チップ部材が所定の長さの閾値を超えて長手方向に延伸することを制限できる機械的な端部停止として作用できる。近位のガスケットは、エラストマーの管状部材940のための遠位の受け容れ端として役立つことができ、前記エラストマーの管状部材は近位の操縦ハブに取り付けられることができ、チップ部材910の方向的な操縦を可能にする。チップ部材910を、「再入チップ」または「CTO貫通チップ」として提供できる。図5は、近位の取り付け、および管状部材940(図5の項目510に相当)を介した操縦手段についてのさらなる詳細を示す。操縦可能な構成において、ハイポチューブチップ(ランセットとして形成される)を、液圧作動によって長手方向に(液圧室の管腔長に対する機械的な端部停止として作用するそれぞれのガスケット位置910/920によって定義可能な長さの範囲内で)変位(延伸/後退)させることができる。ランセットを、近位のガスケット部および操縦ハブの部材部(第2のケーシング部材)に取り付け可能なエラストマーの管を介してFICS操縦ハブに結合して、ランセット自体に適度な方向操縦性(回転)を付与することができる。図12A〜Bは、液圧作動機構の追加的な動作の詳細を示す。
2.3.3 FICS「CTO貫通」および「再入チップ」
図10A〜Bは、腔内的/腔外的再疎通を容易にするための例示的な拡張器チップの設計を示す。図10Aは、1つの実施態様としての、腔内的再疎通に適したFICS拡張器の非展性且つ鈍端のハイポチューブを含む「CTO貫通チップ」の拡大図である。図10Aにおいて、図6〜8の「CTO貫通チップ」を、示されるとおり、実質的に細長い管状部材1030および鈍端チップ1011を有する、中空孔ハイポチューブから形成できる。CTO貫通チップを、1つまたはそれより多くの実質的に硬質のセラミック、ポリマーまたは金属に基づく材料の組み合わせから形成して、硬化した、石灰化したCTOキャップ領域の穿刺および引き続く貫通を可能にでき、ここで、チップは独立して形成されるか、またはハイポチューブに取り付けられて、押し出し性をさらに高めることができる一方で、CTO貫通の間の遠位の拡張器シャフト区域のあらゆる潜在的な曲げ、折れ、またはねじれを防ぐまたは低減する。「CTO貫通チップ」に適合されたFICS拡張器は、腔内的再疎通を行うために直接的なCTOの通過(「CTO貫通チップ」と適合されたFICS拡張器を使用)が望まれ得る臨床的状況において適している。
図10Bは、1つの実施態様としての、腔外的再疎通に適したFICS拡張器の展性且つ角度がついたハイポチューブを含む「再入チップ」の拡大図である。図10Bにおいて、図9の「再入チップ」は、特に実質的に展性のハイポチューブ区域1020を組み込むことによって、「CTO貫通チップ」(図6〜8および図10A)とは異なり、前記区域は、ハイポチューブ部材1020中に(スロット付き管として、またはらせんパターンで)正確にカットされて、遠位のチップ部1013に近接して配置される。「再入チップ」と適合されたFICS拡張器は、直接的なCTOの通過(「CTO貫通チップ」と適合されたFICS拡張器を使用)が不適切であり得る臨床的状況において適している。「再入チップ」と適合されたFICS拡張器を、「再入処置」と称される経皮的意図的腔外的再疎通の準備において使用でき、それは以下の段階:
(a)標的のCTOの近位付近で内膜下組織層中への方向性の切り込み部を作り出す段階、
(b)形成された開口部をガイドワイヤで横切る段階、
(c)CTOの遠位付近で内膜下の組織層中への方向性の切り込み部を作り出す段階、
(d)形成された開口部をガイドワイヤで横切って、CTOが腔外的に迂回され得る段階、
(e)血管の真腔中への再入を実施する段階、
(f)人口的に形成された腔外的な通路を拡張する段階、および
(g)罹患した血管を通じて潅流を回復する段階
を含む。露出可能なハイポチューブチップ(ランセット)部分を、直線状、角度が付けられた、または成形可能なチップの方向付けを備えて提供できる。ハイポチューブの柔軟性のあるチップを最初に提供し、それを、医師が例えばプリシェーピング器具を使用することによりエクスビボでさらに操作して、目的の特定の形状にし、且つ、予め張力をかけられた状態で拡張器/LLS中に同軸の配置を介して装填(後退)させることができる。予め張力をかけられた区域を露出することによって、例えば、機械的にチップを伝送することによって、チップがインビボで予め成形された構成を呈し、内膜下の組織の貫通の最適化を容易にすることができる。チップ/形状を、可塑性/弾性の変形可能な金属合金から形成できる。代替的に、擬似弾性または超弾性合金、例えばニチノールからチップを形成することにより、有益な形状記憶効果を使用できる。遠位のチップの端部を、正確なカットおよび研磨を通じて形成でき、可変的に角度をつけ、例えば長軸に対して鈍角または鋭角に角度をつけて、鈍いまたはとがらせたチップを可変的に実現して、シャフトの押出性、および方向的にガイド可能な方式で内膜下の組織層中へ効率的に切り込むための能力を改善する。
一般に、液圧により突き出し可能なハイポチューブチップ部分は、直線状の、角度が付けられた、または展性のチップを備えることができる。遠位のチップの端部を、正確なカットおよび研磨のプロセスを通じて形成することもできるし、または可変的に角度を付けることもでき(例えば長軸に対して鈍角または鋭角に角度をつける)、鈍いまたはとがらせたチップを可変的に実現して、シャフトの押出性、方向的な制御、および貫通の間のCTOおよび/または内膜下の組織層中への切り込みの効率を改善する。1つの実施態様として、柔軟性のある再入チップは、内膜下のアクセスの間に血管が穿孔するリスクを最小化するために鈍端であってよい。他の実施態様において、CTO貫通チップは、同時のCTO貫通および/または再入能力を可能にするために柔軟性の区域を備えることができる。ハイポチューブを形成する内側の管状部材は、本明細書にわたって示されるとおり、金属とポリマーとの組み合わせを含むことができる。
3. FICSシステムの動作の特徴
3.1 多段階の処置のために病変の長さ選択性であることができるFICS LLS PTA拡張器の構成
図11は、1つの実施態様としての、FICSシステムを使用した複雑病変およびCTOの連続的な治療的処置のためにインビボで実施される多段階血管形成処置の例示的なフロー図である。図11において、第1の段階1101として、導入器のシースを挿入して、止血条件下でカテーテル機器の血管のアクセスを可能にすることができる。段階1102において、予め配置されたガイドワイヤを標的の治療領域へと制御して進め、病変を横切って配置することができる。段階1103において、FICSサポートカテーテルを、導入器のシースの管腔を通じて且つ予め配置されたガイドワイヤ上に、FICS拡張器と同時に挿入できる。段階1104において、FICSサポートカテーテルおよびFICS拡張器を、制御し且つ同時に、予め配置されたガイドワイヤ上で第1の意図される治療領域、例えば第1の仮定的な複雑病変へと進めることができる。段階1110において、FICS拡張器チップ(「CTO貫通チップ」)を、硬化したCTOの表面キャップ中へと制御して進めて、ガイドワイヤの合わせおよびPTOの貫通を容易にすることができる。段階1111において、FICS拡張器を後退させることができ、且つFICS PTAカテーテルを挿入することができる。段階1112において、FICS PTAカテーテルを、予め配置されたFICSサポートカテーテルを介して、且つ予め配置されたガイドワイヤ上で、第1の複雑病変へと制御して進めることができる。段階1113において、形成されたFICS LLS PLAカテーテルの遠位の作業端部を、「長さに選択的に」病変を治療し、且つ第1の意図される治療部位で管腔の開存性を回復するために使用できる。この段階は、罹患した血管中の遠位に位置する病変の血管造影の視認性を可能にする。段階1121において、長さ選択的なバルーン要素を収縮させ且つ後退させてFICSサポートカテーテル中に戻した後、FICSサポートカテーテルのフラッシング孔を使用して造影剤を注入し、血管造影の追跡を可能にする。任意の段階1122として、同じ罹患した血管に沿って追加的な病変部が観察できる場合は、医師がFICS LLS PTAカテーテルの有効長部を手動で延長する一方で、ガイドワイヤの現在位置を意図される治療部位内に保持する。予め配置されたガイドワイヤを次の標的の治療領域まで制御して進めることができ、且つ、第2の病変を横切るガイドワイヤの遠位端を配置できる。段階1123において、医師は、任意に延長されたFICS LLS PTAカテーテルをFICSサポートカテーテルと一緒に、予め位置付けられたガイドワイヤ上で、意図される次の治療領域、例えば第2の病変へと制御して進めることができる。段階1124において、場合により延長されたFICS LLS PLAカテーテルの遠位の作業端部を使用して、病変を治療し、且つ第2の意図される治療部位で管腔の開存性を回復することができる。このフロー図において使用される治療部位の数は、本質的に例示的なものであり、且つ、予め配置されたガイドワイヤの長さ、サポートカテーテルの長さ、および延長された構成においてカテーテルの調節可能な有効長部が、連続する標的の治療領域へのアクセスを可能にする限りは、任意の数の連続した治療部位を含むことができる。
3.2 拡張器チップ伝送機構
図12は、液圧作動拡張器チップ伝送機構の、後退した形態での(図12A)、延伸した形態での(図12B)、および3つの管腔拡張器シャフトでの(図12C)、断面図を示す。図12Aにおいて、本開示の1つの実施態様として、後退条件下での液圧拡張器チップ作動機構1200Aを示す。チップ作動機構は、遠位のシール1262の近位の側方表面、近位のシール1261の遠位の側方表面、拡張器シャフトを形成する細長い管状部材1210の内部表面、および同軸状に配置されるハイポチューブ部材1222の外部表面の間に形成される液圧室を含む。遠位のシールは、外部のハイポチューブ表面から延伸する。近位のシールは、細長い管状部材の内側表面から延伸する。形成される間隙空間は、液圧管腔1231と流体接続して示され、その際、間隙空間への流体の送達は、破線の矢印によって示されるとおり、拡張器チップ部を遠位方向に突き出すことができる。機械的な端部停止1263を、近位のシールに関して指定された近位の位置でハイポチューブ軸から延伸して提供して、定義された長さの部分を超えるチップの誤った延伸を防ぐことができる。代替的に、機械的な端部停止機能を、遠位のシール1262によって提供できる。CTO病変貫通の強化を可能にするための切端によって具体化され且つハイポチューブ体1222から形成される遠位の拡張器チップ部1220を、細長い管状部材の遠位部分内に同軸状に受け容れることができる。拡張器シャフトを形成する細長い管状部材1210を、液圧管腔1231、膨張管腔1241、およびハイポチューブまたはガイドワイヤ管腔1260を含む3つの管腔のポリマー体として提供できる。任意の可膨張性部材1250は、破線の矢印で示されるとおり、膨張管腔と流体接続して示され、チップの延伸に先立ち、可膨張性部材の膨張および/または収縮を容易にし、血管のセンタリングおよびアンカリング手段を提供する。ハイポチューブを、ガイドワイヤの通過を容易にするように寸法決定された単独の管腔の金属管として構成できる。図12Aにおいて、チップ部は第1の後退条件下で、管状部材内に同心円状に隠されて保持され、拡張器が動く間のいかなる血管の損傷も防ぐ。FICS拡張器は、支持的なガイドスリーブ(図示せず)として配置された据え置きのFICSサポートカテーテルの管腔内で動くように意図されている。
図12Bにおいて、完全に延伸された条件下での液圧作動拡張器チップの搬送機構を示す。液圧による手段を介して遠位の拡張器チップ部分を作動させると、遠位の拡張器チップ部1220を、細長い管状部材1210の側方の開口部を超えて延伸させることができ、病変の貫通が可能になる。サポートカテーテルと関連する病変貫通の個々の段階を、図13にさらに示す。
図12Cにおいて、定義された距離A−Aに沿った断面形状(図12Aに示す)は、3つの管腔の拡張器シャフトの詳細な記載を示す。拡張器シャフトを形成する細長い管状部材1210は、本質的に同心円状の液圧管腔1231、膨張管腔1241、およびハイポチューブまたはガイドワイヤ管腔1260を含む3つの管腔のポリマー体として構成されて示される。ハイポチューブ部材周りに同心円状に配置されるポリマーシース1223がさらに含まれて、図5に記載されるとおり、操縦ハブへの接続を提供できる。
3.3 拡張器チップの伝送によるCTO貫通
図13A〜Dは、1つの実施態様として、「CTO貫通チップ」を液圧により伝送するための4つの連続した構成ステージA〜Dを示す横断面図を示す。図13Aにおいて、治療の対象となる閉塞した血管1300の横断面図を第1の仮想的な段階で示し、これは血管壁1301、硬化したCTO病変キャップ1302、およびより柔らかい病変組織1303を含む。FICSサポートカテーテル1310は、罹患した血管中に同心円状に位置し且つ血管の長軸1344に沿って配置される細長い管状部材として示され、それは遠位のチップ領域に位置する放射線不透過性のマーカーバンド1311および1つまたはそれより多くの近位に配置されたフラッシング/吸引ホール1312、1313および1314を組み込むことができる。FICS拡張器を、予め配置され且つ一時的に据え置かれるFICSサポートカテーテルシャフト1310の管腔空間内に同心円状に挿入することができ、且つ、FICSサポートカテーテルの長軸に対して長手方向に配置できることにより、FICS拡張器シャフト1320上に位置する近位の放射線不透過性マーカー1326および可膨張式部材1330を、FICSサポートカテーテルの遠位端付近に位置する実質的に同様の大きさの放射線不透過性マーカー1311と位置的に揃えることができる。代替的に、先細りの遠位の拡張器チップ部1321の近位付近の異なる大きさの放射線不透過性マーカー1325と、1つまたはそれより多くの放射線不透過性マーカー1311とを揃えて、適宜、適したチップの位置付け、およびFICSサポートカテーテルとFICSとの間の適切な非外傷性の位置合わせを示すことができる。この段階で、可膨張性部材1330は、FICSサポートカテーテル内で実質的に折りたたまれていることが注記される。
図13Bにおいて、治療の対象となる閉塞した血管1300の横断面図を、第2の仮想的な段階として示し、ここで、FICS拡張器シャフト1320は、FICSサポートカテーテル1344の長軸と平行に遠位方向で転置され、且つ病変キャップ1302と近接して接触して配置されることができる。FICS拡張器およびFICSサポートカテーテルについての相対的な位置を、3つの放射線不透過性マーカー1311、1325および1326、および放射線不透過性貫通チップの等距離の配置によって、血管造影により検証できる。さらには、この位置で、放射線不透過性マーカーの位置1325を、同様に透視により可視のチップの遠位端と合わせて揃えて、チップが拡張器チップ内側に安全に包まれていることを医師に示すことができる。この段階で、膨張していない状態のFICS拡張器の可膨張性部材1330を、示されるとおり、FICSサポートカテーテル1310から遠位方向に露出させる/シースから出すことができる。
図13Cにおいて、治療の対象となる閉塞した血管1300の横断面図を第3の仮想的な段階において示し、ここで、FICS拡張器の可膨張性部材1330を、CTO貫通のための準備における血管のセンタリングおよびアンカリングのために膨張させることができる。血管内に放射状にアンカリングされると、FICS CTO拡張器の「CTO貫通」遠位チップ1341は、図12に記載された液圧作動機構によって遠位方向に完全に延長され、ガイドワイヤの合わせに備えて、硬化した病変キャップ1302を貫通することができる。
図13Dにおいて、治療の対象となる閉塞した血管1300の横断面図を第4の仮想的な段階において示し、ここで、病変のキャップ1302をガイドワイヤ1350と合わせて、病変の拡張に備えてガイドワイヤが残りの病変を横切ることを容易にすることができる。
3.4 連続的な多段階治療のための、病変の長さへの適合性
図14A〜Dは、1つの実施態様として、インビボでの「病変の長さ選択性」を可能にし且つFICS LLS PTA構成を連続的な多段階において展開するための、機能ユニットの相互動作性を示す。図14Aにおいて、PTAカテーテル1412をFICSサポートカテーテルシャフト1420中に、関連するサポートカテーテルハブ1421を通じて且つ取り付けられたFICSグリップロックハンドル1430を介して、同軸状に挿入できる。FICS LLS PTAカテーテルの遠位のチップ部1410は、FICSサポートカテーテルシャフト1420の遠位端から出て、カテーテルシャフトとの継ぎ目のない移行部を形成できる。FICS PTAバルーンカテーテルとFICSサポートカテーテル端との間の相対的な位置を、ロックグリップハンドル1431の機械的なロッキング機構、および近位のFICS LLS PTAカテーテルシャフト上に配置される表面マーキング1411を使用してダイヤルで合わせることができる。ロックグリップハンドル1431を機械的に係合して(止血弁シール1431を介したねじ止め)、形成されたFICS LLS PTAカテーテルチップの現在位置をロックして、罹患した血管に沿ったFICS部品の非外傷性の通過を確実にすることができる。図14Aに示された構成は、FICSの遠位端を標的の治療部位へと進めるために最適である。
図14Bにおいて、FICSロックグリップハンドルを係脱して(止血弁のスクリュー/シール1431は、破線の矢印によって示されるとおり開位置に転換可能である)、FICSロックグリップハンドルおよびFICSサポートカテーテルを通じた、FICS PTAカテーテルの長手方向での遠位の伝送を容易にすることができる。図14Cにおいて、FICSロックグリップハンドルを可逆的に係合して、可膨張性部材1450の選択的に露出される長さの部分をロックすることができる。図14B/14Cに示される構成は、標的の治療部位での、FICS LLS PTAカテーテルの可膨張性部材部のインビボでの長さに選択的な調節のために最適である。図14Dにおいて、FICS LLS PTAカテーテルを、示されるとおり、予めダイヤルで合わせられた露出長部に沿って膨張させることができる。図14Dに示される構成は、病変の拡張のために最適である。
図16A〜Bは、1つの実施態様として、連続的な病変の治療のためのFICS LLS PTAカテーテルのための可膨張性部材のインビボでの「病変の長さに選択的な」機構の横断面図を示す。図16Aにおいて、第1の病変1602および第2の病変1601を有する仮想的な血管1600Aが示されている。右側で、FICS LLS PTAカテーテルの可膨張性部材1620をFICSサポートカテーテル1630の遠位端から露出させることができ、ここで、可膨張性部材1620の長さを、病変の長さ(L1)(放射線不透過性マーカー1621と1631との間に形成される距離を通じた血管造影により検証可能)へと選択的に調節でき、第1のマーカーは遠位の可膨張性部材部内に組み込まれており、第2のマーカーはサポートカテーテルシャフトの遠位部内に組み込まれており、且つ、第1の病変の病変長のいずれかの端部で配置される。膨張されたバルーンを、再疎通された病変が広げられて実質的に管腔の開存性が回復されるまで、病変の表面に対して垂直に、放射状に印加される圧力によって、病変長に沿って制御して拡張することができる。
図16Bにおいて、仮想的な血管1600Bが示されており、ここで、第1の病変1602を適切に治療し、且つFICS LLS PTAカテーテルを再度位置付け、示される可膨張性部材部を、可膨張性部材1620の長さが第2の病変1601の長さ(L2)と揃うことができるように制御して延伸させる。バルーンを拡張する際、第2の病変における開存性が回復できるまで病変の表面に対して、放射状に圧力を印加することができる。本願内に記載されるFICS構成を使用して、必要に応じて処置を多数回繰り返すことができる。
4. FICSシステムの寸法的な特徴
本開示のFICSシステムの治療に特有の構成を構築するために、FICSシステムの個々の「機能ユニット」および「機能サブユニット」は、それらの部品の寸法的な仕様(「FICS仕様」)が広範な作業範囲にわたって相互動作可能であるように設計されなければならない。例えば、カテーテル、PTAバルーン、拡張器およびガイドワイヤは一般に、広範な処置の用途をカバーできる器具の長さおよび器具の直径を選択するために、サイズ決定の複数の選択肢を提供する様々な製品の一式として製造される。FICSシステムは、広範な複雑病変およびCTOを治療するための包括的な医療機器のプラットフォームを提供することが意図されているので、FICSシステム部品の各々の重要な部品について、寸法的な動作範囲を決定できる。FICSシステム部品のための特有の相互動作性および寸法的な仕様を、図15における仮想的な「FICS CTO 拡張器構成」を参照して記載でき、それを下記の実施例1〜7で記載する。
5. FICSについての製造および材料の選択
一般に、FICSプラットフォームのあらゆる部品を、当業者に公知の方法を使用することにより構築できる。拡張器、および/または拡張器とPTAカテーテルとの両方の可膨張性部材を、実質的に円筒形状で、長手軸に沿って均一に配置された外被表面を有して構築でき、ここで、可変の先細りの形状に成形された長手部分を取り付けて、ポリマー体/バルーンの定義された円錐領域を形成できる。拡張要素(ポリマー体/バルーン)を、治療の間、留置FICSカテーテルの遠位端に配置できる。典型的には、1つまたはそれより多くの管腔を組み込むことによって膨張を容易にでき、ここで、少なくとも1つの管腔は、細長い可膨張性部材と流体接続されることができ、且つ、1つまたはそれより多くの管腔は、膨張、および造影剤および他の流体の輸送を容易にすることができる。FICS PTAカテーテルは、少なくともガイドワイヤ管腔と膨張管腔とを含むことができ、横並びまたは同軸(入れ子状の)配置の二重の管腔構成として提供される。それらの管腔の構成を、外側の部材またはカテーテルシャフトとは対照的に「内側の部材」を形成する押出管として提供することができる。1つまたはそれより多くの管腔を含む内側の部材、および外側の部材またはカテーテルシャフトを、固定長または長さが調節可能であるように設計できる。
SC中への挿入が意図されている全てのFICS機能ユニットを、ガイドワイヤによって器具の全長に沿ってガイドでき、ガイドワイヤが遠位端で入り且つ近位のハブで出ることができるように設計できる。PTAカテーテルについて、そのような設計はオーバーザワイヤ(「OTW」)構成と称されることがある。OTW型のバルーン拡張カテーテルとは対照的に、ラピッドエクスチェンジ(RX)型のバルーン拡張カテーテル器具は、著しく短いガイドワイヤ長で動作され得る。そのようなカテーテル型は、遠位端から定義された距離で近位に配置されたガイドワイヤの出口ポートを含むことができ、従って、ガイドワイヤを、限定的な遠位に配置されたガイドワイヤの管腔長または部分内のみに含有させることができ、且つ内側のガイドワイヤの管腔長全体に沿って延長する必要がない。通常のRXポートはGW管腔の近位の位置から器具のシャフトを通って出る単独の環状の開口部として構成され得る一方で、FICSは挿入可能な機能ユニットのRXポートが、シャフト長の大部分にわたって保持されるスリット状のスロットとして構築されることを必要とする。FICSシステムに関して、挿入可能なFICS拡張器およびPTAカテーテル部品は、特に有効長が150cmを上回るシステムについて、低減されたGW長を可能にするRXポートから利益を得ることができる。
FICSカテーテル部品を、生体適合性のポリマー、金属およびセラミック材料から製造できる。例えば、カテーテル部品を、脂肪族の、半芳香族の、および芳香族のポリアミド; ポリエーテルエーテルケトン(PEEK); ポリイミド; 直鎖および非直鎖、分枝鎖または分枝していない、低分子量、中分子量または高分子量; 低密度、中密度または高密度ポリオレフィン(ポリエチレンおよびポリプロピレンを含む)、シリコーン、熱可塑性エラストマー、例えばポリウレタン(TPE)およびフルオロエラストマー、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、および任意のそれらの材料のいずれかのブレンドおよびコポリマーを含む組み合わせから製造できる。
FICSカテーテル部品を、単独の層、二重の層、または多重の層の構成として製造することもできる。二重の層または多重の層の構成の場合、例えばシャフトおよびバルーンを含む特定のカテーテル要素は、各々の層について同じ材料を使用することもできるし、または各々の層について異なる材料を使用することもできる。多重の層を、接着剤または同時押出プロセスを用いて一緒に接着、溶融または融合できる。代替的に、多重の層を一緒に取り付けまたは接着する必要はなく、その代わりに、多重の層が独立して動くようにすることも可能である。さらには、各々の層について選択される材料のデュロメーター硬度を、個々のカテーテル部品の性能の態様をさらに変更するように変更できる。また、材料の化学的な官能性および/または物理的な極性を変えて、異なる層の間の界面の付着性を強化し、且つ/または露出された表面、および/または例えばガイドワイヤ、注入された液体、または機能性コーティングが接触する際のなめらかさが高められているかまたは表面エネルギーが変えられた内側の管腔を提供できる。
それらの化学的および物理的な処置または代替/変更は、例えば、化学添加剤を含むことができ、前記添加剤は、例示的なベースポリマー配合物に添加された際に、他の化学的官能性を界面に導入して、カテーテル部品の1つまたはそれより多くの層(例えば官能基、例えばカルボキシ基および/またはアミノ基を含む)を形成できることが意図されており、下にある層および基材の極性を効果的に強化できることにより、カテーテル部品の1つまたはそれより多くの層状構造間の付着性の強化および機械的な固定強さが容易になる。
他の表面改質またはプラズマ技術を用いて、下にある基材の化学的特性および/または機械的特性を変えることができ、ここで、材料のプラズマ変性は、バルーン層の極性および/または表面エネルギーに影響することがある。他の適した技術は、他の有益な特性をカテーテル材料に導入できる添加剤、接着剤および/または充填剤を含むことができる。例えば、カテーテルシャフトまたはバルーンが、ポリマー材料内に埋め込まれた放射線不透過性の要素を含んで、所望のシャフト位置で選択的に透視の視認性を増加させることができる。さらには、シャフトに、フルオロポリマーに基づく充填剤粒子/繊維を組み込んで、摩擦係数を、未処理のベースポリマー配合物または活性化可能な使い捨てのコーティングに比して永続的に低減させることができる。さらには、シャフトを補強することができ、且つベースシャフト材料中に層、部分または領域として埋め込まれた、金属またはポリマーベースのストランド、繊維、ワイヤ、ひも、メッシュおよび/または布を含有させることができる。
FICSカテーテル部品を、当業者に公知の以下の様々な方法によって製造でき、前記方法は単層、二重の層、または多重の層の押出、ブロー成形、ディップ成形、堆積、またはFICSカテーテル部品を製造するために適した他の製造方法を含む。FICSカテーテルを形成するための材料を、カテーテル製造の前、その間またはその後に、機械的なプロセスに供することができる。製造プロセスのために押出プロセスを使用する場合、シャフト部材を形成するための管状部材を押出プロセスの前または間に引き延ばすことができる。温度、押出圧力または他のパラメータを製造プロセスの間に変更して、製造されるシャフトの特性に影響を及ぼすことができる。
例1
FICSシステムの機能寸法
図15は、便宜上の参照として、完全に延伸された「CTO拡張器構成」におけるFICSシステムの寸法図であり、個々の「機能ユニット」および「機能サブユニット」の相対的な寸法の相互動作性を示す。図15において、「FICS CTO拡張器構成」の部品についての仮想的な寸法値は、「部品に特有の参照略語」(LG、SC、PTA、DILおよびCTO)および「機能寸法に特有の参照略語」(TL、UL、ML、RL、BL、OL、SL、TiL)との両方を用いて示される。前記「機能寸法に特有の参照略語」は、例1の表1に示されるFICS部品のそれぞれの長さを示す。さらには、表2は、それぞれの部品に相応する「機能寸法」(図15内にラベル付けされ、表1内に列挙されている)を計算するためのそれぞれの式を示し、ここで、表2の第1列に列挙される様々な「機能寸法」は、動作長、および「機能ユニット」と「機能サブユニット」の部品間の動作関係を示す。
図15において、機能寸法「A」は、FICSシステムの可変の全長TLに関し、機能寸法「B」は可変の有効長部分ULに関し、機能寸法「D」は、サポートカテーテルSCとロックグリップLGとの組み合わせられた全長の固定された全長部に関し、且つ、機能寸法「C」は可変の凹部長部(全体のバルーン長部BLに対して包まれたバルーン長部RLを記載)に関する。BL−RLの差は、下限値と上限値との間で可変に調節できる動作バルーン長OLを定義し、ここで、調節可能な動作長は、PTAカテーテルのバルーン部材の遠位端内に組み込まれる放射線不透過性のマーカーの位置と、サポートカテーテルシャフトの遠位端内に組み込まれる放射線不透過性マーカーの位置との間の距離として測定される。機能寸法「E」は、「CTO貫通チップ」の可変の長さを示す。
Figure 0006743128
Figure 0006743128
例2
FICS全長TL(A)
「全長」(TL)との用語は、FICSシステムまたは個々の機能ユニットの全長に関する。全長(TL)は、機能ユニットおよび機能サブユニットについての部品のそれぞれの長さを一緒に足すことによって導出できる。「CTO拡張器構成」についての部品の長さの間の相対的な相関を、一例として表2に示す。FICSシステムのそれぞれの部品についての例示的な全長(TL)範囲を、下記例3にて、表3(CTO拡張器構成)および表4(LLS PTA構成)において示す。「FICS再入」および/または「FICS LLS PTA」構成のTLを、同様に導出できる(図示せず)。「FICS LLS PTA構成」のTLは常に「CTO拡張器」および/または「再入拡張器」構成のTLを上回るので、医師は処置の開始に先立ち、適切なGW長を選択するためにFICS LLS PTA構成のTLを使用できる。
例3
FICS有効長UL(B)
「有効長」(UL)とは、FICSシステムまたは個々の機能ユニットの留置/動作長部に関する。ULは、アクセスポイント(患者のエントリー部位)と、FICSシステムによって到達され得る標的の治療ポイントとの間の距離と相関する。FICSシステムは、広範な複雑病変および/またはCTOを治療するためのFICSシステムのそれぞれの部品に相応する種々の予め定義されたULの範囲を提供することができる。例として、それぞれの部品の有効長が2つの治療に特有の構成のために提供される:(a)FICS CTO拡張器構成(表3)、および(b)FICS LLS PTA構成(表4)。最も一般的に使用される(予め定義された)患者のエントリーポイントから仮想的な標的部位(予め定義された標的領域に位置する仮想的な病変を超える距離)までの測定可能な距離と相関する臨床的に関連するアクセス長を表5に示す。FICSシステムの部品の有効長UL部を、定義されたアクセス長に基づいて選択できる。
搭載されたCTO貫通チップを有する「CTO拡張器構成」におけるFICSシステムの有効長部「B」が、バルーンとCTOチップの組み合わせられた延長範囲|ΔC|+|ΔE|と等しい寸法範囲|ΔB|内で調節可能であることを絶対値で示すことができ、ここで、動作バルーン長およびCTO貫通深さを、互いに独立して変化させることができる。これは、FICSシステムの有効長「B」並びに全長「A」の両方の可変調節性をもたらし、これは有効長と全長との両方が一定である従来のシステムに比して異なる。この特有の構成のおかげで、「CTO拡張器構成」におけるFICSシステムは、「病変の長さに選択的な」アンカリングのために適合できる、長さをカスタマイズして調節可能な動作バルーン長を可能にし、ここで、システム自体は実質的に同時に調節可能なUL部を示すことができる。
他のFICSシステム構成、例えば「FICS 再入拡張器構成」または「FICS LLS PTA構成」は、表2に記載される可変の有効長範囲を示すことができる。FICS LLS PTA構成の場合、動作CTOチップ長を、表4に参照される類似の寸法的な相関関係に達するように省くことができる。
Figure 0006743128
Figure 0006743128
Figure 0006743128
例4
FICSのガイドワイヤ長適合性
TLは、それらそれぞれの構成において(ガイドワイヤ上で/ガイドワイヤにわたって)全ての組み合わせられた機能ユニットを効果的に動作させるために必要とされるGW長と相関する。介入処置の計画を立てる際、医師は、適切にサイズ決めされたガイドワイヤを選択するための方針決定として、全システム長を使用できる。FICS全長(LLS PTA構成)と相関する、推奨され且つ計算されたGW長のリストを表6に示す。
Figure 0006743128
例5
FICS GW直径適合性(「ガイドワイヤ適合性」)
「ガイドワイヤ適合性」とは、特定の外径のガイドワイヤを抵抗なく通すための機能ユニット/器具の管腔の最小内径(ID)に関する。ガイドワイヤ適合性は、各々の装入可能な機能ユニットのGW管腔ID、例えば拡張器、PTAカテーテルの(GW管腔)ID、または「CTO拡張器」および/または「再入拡張器」構成において使用される際に拡張器チップの設計中に同軸状に埋め込まれたハイポチューブの管腔IDによってそれぞれ決定される。ガイドワイヤは、典型的には外側の直径範囲0.014〜0.035[インチ](0.356〜0.889[mm]に等しい)で提供され得る。FICSの機能ユニット、特にPTAカテーテル、拡張器およびハイポチューブ部品を、0.018インチ/0.457mmに適合するように構成できる。他の寸法および範囲を、異なる臨床用途について考慮することができる。
例6
FICS導入器のシース適合性
「シース適合性」との文言は、整合する内径の導入器シースを通じて抵抗なく導入され得るULに沿った器具の最大外径(OD)に関する。FICSシステムの部品を、部品の相対直径に基づいて寸法的に構成できる。FICSシステムを、可変の範囲を有する導入器のシースの内径を通過するように設計できる。従って、FICSシステムの有効長部分に沿った外径を、適合する内径を有する導入器のシースを通じて受け容れ可能であるように構成することができる。例えば、表7は、FICS LLS PTA構成について適したシース適合性を得るために推奨できるPTAバルーン部材の寸法(幅および長さ)を提供し、ここで、PTAカテーテルは、例えば2.0〜7.0mm範囲にわたり得るバルーン直径を有する。動作バルーン長OL(表7)を、図12に記載されるとおり、SC、LGおよびPTA機能ユニットの相互動作を通じて調節できる。拡張器およびPTAカテーテルのバルーン長BLを、表3〜4に記載された固定範囲内で構成できる。他の寸法および範囲を、異なる臨床用途について考慮することができる。例えば、足/脛骨の逆行性アクセスのためのシステムを、3Frで適合可能なシースを使用して寸法決定できる。FICS CTO拡張器構成について、ポリマーチップの近位の最大外径(例えば図6〜7、部品620/720を参照)は、FICSサポートカテーテルの管腔の最小内径に相応することができ、例えば3.0〜4.0Frにわたる。
Figure 0006743128
先の記載は説明のために、具体的な用語を参照して本発明の完全な理解を提供している。しかしながら、当業者には、本発明を実施するために具体的な詳細は必要とされないことが明らかである。本発明の特定の実施態様の先の記載は例示および説明のために示されている。それらは網羅的である、または本発明を開示される正確な形態に限定することは意図されていない。明らかに、上記の教示に鑑みて多くの修正および変更が可能である。実施態様は、本発明の原理および実際の用途を最良に説明し、それによって当業者が最良に本発明、および様々な変更を伴う様々な実施態様を、考慮される特定の用途に適するように使用することを可能にするために示され且つ記載されている。本発明の範囲は以下の特許請求の範囲およびその均等物によって定義されることが意図されている。

Claims (15)

  1. 慢性完全閉塞(CTO)を治療するための、機能的に統合可能なカテーテルシステム(FICS)であって、
    サポートカテーテル、
    液圧作動可能な拡張器
    PTAカテーテル、
    ロックグリップハンドル、および
    操縦ハブ
    を含み、前記サポートカテーテルは、
    (i) シャフト部材、マニホールド部材、および前記ロックグリップハンドルに接続できるメスのルアーロックアダプタ、
    (ii) 相互動作可能な設計のためのまっすぐな遠位端、および
    (iii) (a)前記液圧作動可能な拡張器または(b)前記PTAカテーテルを受け容れて操作性を強化するための中心の管腔
    を含み、
    前記ロックグリップハンドルがサポートカテーテルと予め組み立てられている場合、予め組み立てられたサポートカテーテル/ロックグリップハンドルは、(a)前記液圧作動可能な拡張器または(b)前記PTAカテーテルのシャフト部材を前記サポートカテーテルに対して同軸状に受け容れるように構成されており、
    前記ロックグリップハンドルは、
    (i) 第1のケーシング部材と結合された近位のコネクタ要素、圧縮性シール、および遠位のコネクタ要素と結合された第2のケーシング部材
    含み、前記第1のケーシング部材が第2のケーシング部材に結合され、前記ロックグリップハンドル内に含有される圧縮性シールを介して、前記液圧作動可能な拡張器またはPTAカテーテルのシャフト部材が、前記第1のケーシング部材および第2のケーシング部材に取り付けられていることによりシャフトロッキング機構が構成されており、前記操縦ハブは、
    (i) 内側表面に沿って配向するバヨネット型の表面溝を有する第1のケーシング部材と結合された近位のコネクタ要素
    (ii) 前記バヨネット型の表面溝と整合する外側表面の突起を有する遠位のコネクタ要素と結合された第2のケーシング部材、および
    (iii) 前記第2のケーシング部材に取り付けられ且つ拡張器チップ部と隣接するエラストマーの管
    を含み、
    前記第2のケーシング部材は、前記第1のケーシング部材の表面の溝に沿って、自由回転可能な延伸位置から、回転がロックされ且つ並進がロックされた連続的な収縮位置である1つまたはそれより多くの位置へと動くことができ、ひいては液圧作動可能な拡張器のチップの動きを方向付けるための操縦能力を可能にし、
    前記PTAカテーテルは、前記サポートカテーテルと共に組み立てられている場合、前記サポートカテーテルの遠位端内で膨張していない状態で同心円状に隠された一定の長さのバルーン部材を含み、且つ
    FICSシステムの前記液圧作動可能な拡張器または前記PTAカテーテルが、前記サポートカテーテルおよび前記ロックグリップハンドルと共に組み立てられ、および前記操縦ハブが前記液圧作動可能な拡張器と共に組み立てられることにより、治療に特有のいくつかの構成に選択的に構成される
    前記カテーテルシステム。
  2. 前記液圧作動可能な拡張器が拡張器シャフト部材、拡張器チップおよびマニホールド部材を含み、且つ前記拡張器シャフト部材が、遠位方向に突き出すことができる遠位のチップ部へと先細りになっている中空孔として成形された液圧作動可能な管状部材をさらに含む、請求項1に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
  3. 前記サポートカテーテルが、血管造影機器の視認性を可能にするための、シャフト表面周りで遠位に配置された1つまたはそれより多くの放射線不透過性のマーカーを含む、請求項1に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
  4. 前記サポートカテーテルが、様々な診断用流体、治療用流体および生物学的流体を提供および除去するための、1つまたはそれより多くの遠位に配置されたフラッシングホールを含む、請求項1に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
  5. 前記液圧作動可能な管状部材が金属合金を含み、且つハイポチューブとして形成されている、請求項2に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
  6. 前記液圧作動可能な管状部材が遠位のチップ部で、チップの突き出しの間に、回転可能ではなく且つ並進運動可能である、請求項2に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
  7. 前記液圧作動可能な管状部材が遠位のチップ部で、チップの突き出しの間に、並進運動および回転運動可能である、請求項2に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
  8. 前記液圧作動可能な拡張器が、1つまたはそれより多くの遠位に配置された放射線不透過性マーカーをさらに含み、前記マーカーは拡張器のシャフト表面内に組み込まれて、正確な位置の検出のための血管造影機器の視認性を可能にする、請求項2に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
  9. 前記PTAカテーテルのバルーン部材が、サポートカテーテルの遠位端内で後退されていることを常に維持することによって、最近位端で膨張を制限されて、多段階PTA治療を可能にするために元のバルーンの折りたたみ能力が保持され、且つ前記バルーンの可膨張性部の最適な形状が保存される、請求項1に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
  10. 前記PTAカテーテルのバルーン部材が、遠位端で、1つまたはそれより多くの放射線不透過性のマーカーをさらに含んで、バルーンがサポートカテーテルから露出され且つ膨張した状態での長さを決定するための視覚的なガイドをもたらす、請求項1に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
  11. 前記PTAカテーテルのバルーン部材は操作の間にサポートカテーテルの遠位部から進み、バルーン部材の可膨張性部が、調節可能な長さまで制御して露出されるように構成されている、請求項1に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
  12. 前記PTAカテーテルのバルーン部材が、約0〜30cmにわたる調節可能な動作長を有し、且つ、前記調節可能な動作長は、PTAカテーテルのバルーン部材の遠位端内に組み込まれる放射線不透過性のマーカーの位置と、サポートカテーテルシャフトの遠位端内に組み込まれる放射線不透過性マーカーの位置との間の距離として測定される、請求項1に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
  13. 前記PTAカテーテルのバルーン部材はサポートカテーテル内に受け容れられて、複数の病変の連続的な治療を含む多段階の介入処置のために適したインビボでの「病変の長さに選択的な」構成を提供する、請求項1に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
  14. 前記PTAカテーテルの長さが前記システムの全長を定義し、且つ、前記サポートカテーテルシャフト、前記PTAカテーテルの遠位端部(チップ)の長さと、調節可能な動作バルーン長との合計の長さが、前記システムの可変の有効長ULを定義する、請求項1に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
  15. 構成されたシステムの可変の全長(TL)が、約90〜220cmの範囲内で寸法的に適合可能であり、且つ可変の有効長ULが、約60〜180cmの範囲内で寸法的に適合可能である、請求項14に記載の機能的に統合可能なカテーテルシステム。
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