JP6742364B2 - 速度調整装置 - Google Patents
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Description
この遮蔽装置では、巻取軸から昇降コードを巻き戻してボトムレールを下げることで、スクリーンを下げる(展開する)ように構成されている。
そこで、従来の遮蔽装置では、スクリーンの下端部および昇降コードの下端部にボトムレールを取り付け、ボトムレールの重量によって、スクリーンおよび昇降コードを下方に引っ張ることで、スクリーンが下限まで下がるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
したがって、図23(「ボトムレールを含む荷重」参照)に示すように、スクリーンの下限付近領域Xでは、略ボトムレールの重量だけで昇降コードを引っ張ることで下降させていることになるため、昇降コードに作用する荷重(引張力)が略一定となっている。
これにより、昇降コードに作用する引張力が大きく低下し、巻取軸の駆動トルク(回転トルク)が大きく低下することになる。したがって、従来の遮蔽装置では、スクリーンが下限まで下がり難くなるという問題がある。
横型ブラインドにおいても、スラットを支持するラダーテープの折り目により下限付近で巻取軸の駆動トルクが低下する場合がある。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
本発明の第1実施形態のプリーツスクリーンは、図1および図2に示すように、ヘッドボックス1からスクリーン4が吊り下げられており、スクリーン4の下端縁部にボトムレール5が取り付けられている。
ピッチ保持コード33には、環状の保持部57が上下方向に等間隔に多数設けられている。この保持部57をスクリーン4の折り目に形成された孔部に挿通させた後に、ボトムレール5を昇降させるための昇降コード7を保持部57に挿通している。
これにより、保持部57がスクリーン4から抜けるのを防ぐことができ、スクリーン4の各折り目のピッチを保持している。すなわち、スクリーン4を下限まで下げたときには、各保持部57のピッチと同じピッチで各折り目が上下方向に配置されることになる。
ピッチ保持コード33と昇降コード7とは、スクリーン4を挟んで互いに反対側(表裏側)に配置されている。
ピッチ保持コード33および昇降コード7は、これらの保持部材33a,7aによって、ボトムレール5に取り付けられている。
昇降コード7を巻取軸10に巻き取ることで、ボトムレール5を上げることができる。このようにして、ボトムレール5を上げることで、スクリーン4を引き上げて折り畳むことができる。
また、昇降コード7を巻取軸10から巻き戻すことで、ボトムレール5を下げることができる。このようにして、ボトムレール5を下げることで、スクリーン4を下げて展開させることができる。
図22(a)に示すように、スクリーン4が下がるに従って、スクリーン4の上部がヘッドボックス1に吊り下げられ、ボトムレール5に乗っているスクリーン4の量が少なくなる。したがって、スクリーン4が下がるに従って、昇降コード7に作用する引張力が低下する。これに伴って、昇降コード7によって巻取軸10(図1参照)を回転させる駆動トルク(回転トルク)が低下する。
ボールチェーン13は、操作プーリー11に掛け回されており、ボールチェーン13を下方に引くことで操作プーリー11に加えられた回転力が伝達クラッチ21を介して駆動軸12に伝達される。
伝達クラッチ21は、図2の矢印A方向(ボトムレール5が上がる方向)の回転力は伝達するが、図2の矢印B方向(ボトムレール5が下がる方向)の回転力は伝達しないように構成されている。
ストッパ装置24は、ボトムレール5が引き上げられた状態で、ボールチェーン13が手放されたときに(引張力がなくなったときに)、駆動軸12の回転を停止させてボトムレール5の自重降下を防止するものである。
速度調整部36は、駆動軸12の回転を停止させることなく、駆動軸12の回転速度を所定値以下に抑制して、ボトムレール5を自重降下させたときの下降速度を低下させるものである。
図3に示すように、速度調整部36は、ハウジング37と、ハウジング37内に挿入された中心軸38と、ハウジング37内に収容された移動部材39とを備えている。
中心軸38は、駆動軸12に対して回転不能に連結され、中心軸38と駆動軸12とは連動して回転するように構成されている。
なお、駆動軸12自体を中心軸38の中心部に貫通させて、駆動軸12をハウジング37内に挿入してもよい。この場合には、中心軸38の断面を角形とし、駆動軸12の貫通箇所の断面を同じ角形とすれば、駆動軸12と中心軸38とを回転不能に連結することができる。
ハウジング37の内面37a(内周面)と、移動部材39の外周面との間には、隙間41が設けられている。また、ハウジング37内の収容空間40内にはオイルが充填されている。
具体的には、図3(c)に示すように、内面37aの軸直交断面の内周形状が円形で、移動部材39の軸直交面断面の外周形状が内面37aよりも隙間41を隔てた円形である場合には、移動部材39に設けられた凸部39vまたは凹部が、ハウジング37の内面に中心軸38の軸方向に沿って設けられた溝37cまたは凸条に係合される。
この例では、移動部材39とハウジング37とが軸方向への相対移動可能かつ相対回転不能とすればよく、図3(d)〜(e)に示すように、移動部材39とハウジング37が角形または楕円であれば凸部または凹部は不要であり、要するに中心点からの距離が異なる接点があればよい。
具体的には、図3(a)の矢印B方向の回転によって移動部材39が矢印X方向に移動する。移動部材39が移動する際に、収容空間40内のオイルが、移動部材39の進行方向の前方から隙間41を通って後方に移動する。このとき、オイルが受ける抵抗がオイルの流通抵抗である。オイルの流通抵抗は、隙間41が狭いほど、または、オイルの粘性が高いほど大きくなる。
そして、オイルの流通抵抗が大きいほど、移動部材39がオイルから受ける抵抗力が大きくなり、中心軸38に加えられるブレーキ力が大きくなる。
したがって、内面37aがテーパ状である場合、図4(d)のグラフに示すように、巻取軸の降下回転数の増加に伴ってブレーキ力が低下する。
また、隙間41の大きさやオイルの粘性を適宜変化させることで、速度調整部36が中心軸38に加えるブレーキ力を容易に調整することができる。
スクリーン4は、ヘッドボックス1に吊り下げられているので、ボトムレール5が下がって、スクリーン4が下がるに従って、昇降コード7に加わる荷重が減少する。上限から巻取軸10の回転数の増大に比例して、ボトムレール5の高さが下がる。つまり、ボトムレール5の高さと、昇降コード7に加わる荷重の関係は、図4(a)のグラフに示すようになる。
また、巻取軸10の降下回転数の増大に伴って、ボトムレール5が下がり、巻取軸10に加わる回転力(回転トルク)が低下するので、巻取軸10の降下回転数と、巻取軸10に加わる回転力の関係は、図4(c)のグラフに示すようになる。
別の表現では、速度調整部36は、図4(d)のグラフに示すように、巻取軸10の降下回転数の増大に応じて、巻取軸10に加えるブレーキ力を低下させている。
これにより、移動部材39が矢印X方向に移動するに従って、隙間41が大きくなり、オイルの流通抵抗が徐々に小さくなる。
また、ボトムレール5を下げたときの下限直前には、速度調整部36によるブレーキ力を非常に小さくすることができるので、ボトムレール5を下限まで下げることができる。したがって、ボトムレール5は、下限の直前で停止することなく、下限まで昇降コード7を巻取軸10から巻き戻すことができる。
また、前記した条件において、ボトムレール5の高さの上限付近の高い位置では、ボトムレール5の下降速度が所定速度以下となるように、隙間41の大きさを定めている。
なお、本実施形態の速度調整部36では、ボトムレール5を自重降下させたときに、ボトムレール5の上限位置から、ボトムレール5が下限に達する位置までの間に、巻取軸10に加えるブレーキ力が徐々に低下するように構成されている。
図1および図2に示すように、ボールチェーン13の部屋内側部分を図2の矢印Aの方向に引くと、その力によって生じた回転力が操作プーリー11を介して、伝達クラッチ21に伝達される。
伝達クラッチ21は、図1の矢印Aの方向の回転力のみを駆動軸12に伝達するように構成されているので、図2の矢印Aの方向にボールチェーン13を引くことによって生じた回転力が、駆動軸12に伝達されて、駆動軸12が回転する。
駆動軸12の回転によって、ヘッドボックス1内でサポート部材8に回転可能に支持された巻取軸10が図1の矢印A方向に回転し、昇降コード7が巻取軸10に螺旋状に巻き取られて、昇降コード7の下端部に取り付けられたボトムレール5が上昇する。
さらに、ボールチェーン13を再度図2の矢印Aの方向に引いた後に手を離すと、ストッパ装置24の自重降下防止動作が解除されて、巻取軸10から昇降コード7が巻き戻されて、ボトムレール5が自重降下する。
そして、ボトムレール5を下げたときの下限直前には、速度調整部36は、図3(b)に示す状態となる。この状態では、速度調整部36のブレーキ力が非常に小さいので、ボトムレール5を自重によって下限まで下げることができる。
なお、スクリーン4が自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に達したときに、巻取軸10に加えるブレーキ力が極めて小さくなるように設定されている。
そして、ボトムレール5が上限位置に到達したときに、移動部材39は図3(a)で示す位置に移動する。
プリーツスクリーン以外にも、遮蔽材を自重降下させる逆特性の遮蔽装置である横型ブラインドやローマンシェード(たくし上げカーテン)等にも適用可能である。
逆特性の遮蔽装置とは、巻き戻すに従って巻取軸に加わるトルクが減少するウィンドウカバリングである。
また、遮蔽材の自重によって巻取軸に加えられるトルクが、巻取軸を回転駆動するための駆動トルクとなる。
なお、第1実施形態では、1枚のスクリーン4がヘッドボックス1に吊り下げられているが、図24に示すように、表裏2枚のスクリーン4,4がヘッドボックス1に吊り下げられたハニカムスクリーンに本発明を適用することもできる。
ハニカムスクリーンの場合には、スクリーン4,4が2枚になり、折り目も増えるため、スクリーン4,4の折り目の収縮により、ボトムレール5に作用する引き上げ力が大きくなる。したがって、本実施形態のような速度調整部を適用することで、ハニカムスクリーンの両スクリーン4,4を下限までスムーズに下げることができる。さらに、前後ダブルハニカム、ひし形の中に若干小さいひし形のハニカムが入れ子状に設けられたハニカムスクリーンにも適している。
従って、巻取軸回転数と、遮蔽材の自重によって巻取軸に加わるトルクの関係は、図16(a)に示すグラフのようになる。
最下段のスラットがラダーコードに乗り、ボトムレールが最下段のスラットとの間のラダーコードの縦糸が伸びるまで停止することなく、昇降コードを巻き戻すことができる許容範囲の最低ブレーキ力を隙間41および粘度で定める。
さらに、その条件でブラインド高さの上限付近の高い位置でブラインドの下降速度が所定速度以下となるように、隙間41を定める。
そして、図16(b)に示すように、ブレーキ力と巻取軸回転数と関係を示すグラフが、トルクと巻取軸回転数との関係を示す線形の傾斜に近似した傾斜となるように、速度調整部36のハウジング37の内面をテーパ形状とすればよい。
そして、図17(b)に示すように、ブレーキ力と巻取軸回転数との関係を示すグラフが、駆動トルクと巻取軸回転数との傾斜に近似した傾斜となるように、速度調整部36のハウジング37の内面をテーパ形状とすればよい点は、横型ブラインドの場合と同じである。
また、第1実施形態の下限とは、ローマンシェードであれば、昇降コードが巻き戻されて下降しスクリーンの全荷重をヘッドボックスが支持する状態である。
また、第1実施形態の下限とは、プリーツスクリーンであれば昇降コードが巻き戻されて下降して、スクリーンの全荷重をヘッドボックスが直接またはピッチコードを介して直接支持分と分担して支持する状態、または前記各状態に到達する前に、昇降コードの巻き戻しが下限リミット装置などにより、巻取部により機械的に停止され、それ以上は下げることができなくなる限界である。
また、中心軸38とハウジング37が互いに逆方向に回転するように、駆動軸12の回転を伝達してもよい。
この場合、例えば、移動部材39の移動方向に沿って中心軸38の直径を変化させることで、移動部材39と中心軸38の間の隙間の大きさを変化させてオイルの流通抵抗を変化させることができる。
次に、図5を用いて、本発明の第2実施形態の速度調整部について説明する。
第2実施形態の速度調整部は、第1実施形態の速度調整部に類似しており、ワンウェイ機能(速度制御しない側への回転にはダンパトルクを発生させないか、著しく減少させる機能)を備えている点が異なる。
具体的な部材としては、移動部材39が内部流通路43および弁部材44を備えている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
この状態では、オイルは隙間41のみを通じて、移動部材39の進行方向の前方から後方に移動可能である。したがって、移動部材39のオイルの流通抵抗が大きくなり、速度調整部36のブレーキ力が大きくなる。
この状態では、オイルは、隙間41および内部流通路43の両方を通じて、移動部材39の進行方向の前方から後方に移動可能である。したがって、移動部材39のオイルの流通抵抗が小さくなり、速度調整部36のブレーキ力が大きくなる。
横引きのウィンドウカバリングや仕切りにおける蓄勢力による自閉装置に適用する場合には、速度制御しない側(展開方向)への回転で開弁するようにする。
自開装置に適用する場合は、速度制御しない側(閉方向)への回転で開弁するようにする。
次に、図6を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の速度調整部は、第1実施形態の速度調整部に類似しており、ハウジング37の内面37aがテーパ状になっておらず、別の手段によって、移動部材39の移動に伴うオイルの流通抵抗が変化するように構成されている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
収容空間40内のオイルは、溝45を通じて、移動部材39の進行方向の前方から後方に移動する。図6(b)に示すように、移動部材39が矢印X方向に移動するに従って、移動部材39の周囲に配置される溝45の数が増大するように、各溝45の軸方向の長さが異なっている。このため、オイルの流通路の断面積が段階的に増大し、オイルの流通抵抗が低下する。
各段の増大ピッチをスクリーンの段階的な減少に合わせれば、スクリーンの下降に伴うトルク変化にさらに近似させることができる。
収容空間40内のオイルは、凹部46を通じて、移動部材39の前方から後方に移動する。図6(c)に示すように、移動部材39が矢印X方向に移動するに従って、移動部材39の周囲に配置される凹部46の数が増大する。このため、オイルの流通路の断面積が増大し、オイルの流通抵抗が低減される。
なお、ここでは、凹部46の数を変化させたが、移動部材39の移動に伴って凹部の大きさまたは深さが変化するようにしてもよい。つまり、移動部材39の移動に伴って、移動部材39の周囲の凹部の断面積が増大するように構成すればよい。
移動部材39が移動していないときは、ハウジング37と移動部材39の間には実質的に隙間がないかまたはハウジング37と移動部材39の間の隙間の大きさが移動部材39の移動方向に沿って実質的に変化しないが、移動部材39が矢印X方向に移動すると、オイルがハウジング37の内面37aを弾性変形させて流通路を形成して、移動部材の前方から後方に移動する。
そして、本構成例では、移動部材39が移動するに従って、内面37aの弾性係数が小さくなる。これにより、オイルの流通路が形成されやすくなり、オイルの流通抵抗が小さくなる。
そして、速度調整部36では、溝が最大の本数を有する部分に移動部材39が位置するとき、スクリーン4の自重降下時の折り目の収縮等により、スクリーン4が自重のみによって下がる位置から、スクリーン4の下限までの間を含む領域となり、巻取軸10に加えるブレーキ力が最低となるように構成されている。従って、下限付近においてスクリーン4をスムーズに下げることができる。
次に、図7を用いて、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態の速度調整部は、第1実施形態の速度調整部に類似しており、先細り形状の固定軸49を用いてオイルの流通抵抗を変化させる点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
貫通孔50の断面積は、固定軸49の最大の断面積よりも大きいので、貫通孔50の内周面と固定軸49の外周面との間には隙間51が設けられている。
移動部材39の移動に伴って隙間51の大きさを変化させることによって、オイルの流通抵抗を変化させ、スクリーンが下限の位置や巻取軸の駆動トルクが最小となる位置で、スクリーンの降下が停止しないブレーキ力となり、スクリーンを確実に下げることができる。
次に、図8を用いて、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態の速度調整部は、第1実施形態の速度調整部に類似しており、可動プレート39bを用いてオイルの流通抵抗を変化させる点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
可動プレート39bは、移動部材39の外周面から突出した突起39cを有しており、突起39cは、ハウジング37の内面37aに設けられた溝53に係合する。
本体部39aの中心孔には、雌ねじ部39fが設けられており、本体部39aの外周面には、軸方向に溝39eが設けられている。雌ねじ部39fは、中心軸38に設けられた雄ねじ部38aに螺合される。
また、ハウジング37の内面37aに設けられた凸条52が、溝39e内に係合されており、移動部材39はハウジング37に対して相対回転不能に収容されている。
このような構成によって、移動部材39は、ハウジング37と中心軸38の間の相対回転に伴って中心軸38の軸方向に沿ってスライド移動する。
移動部材39が位置Pにあるときは、図8(g)に示すように、貫通孔39dが完全に閉じられているので、オイルの流通抵抗が大きく、従って、速度調整部36によって巻取軸に加えられるブレーキ力も大きい。
一方、移動部材39が矢印X方向に移動するに連れて突起39cが溝53に沿って移動することによって、可動プレート39bが回動する。
可動プレート39bの回動に伴って、図8(e)〜(f)に示すように、貫通孔39dが徐々に開き、オイルの流通抵抗が低下し、速度調整部36のブレーキ力が図8(h)のグラフに示すように変化する。
また、位置Pの付近で自重降下に伴う降下速度を所定以下とすることにより、スクリーンの確実な開閉と自重降下開始の速度制御とを両立することができる。
次に、図9を用いて、本発明の第6実施形態について説明する。
第6実施形態の速度調整部は、第5実施形態の速度調整部に類似しており、可動突出部材39kを用いてオイルの流通抵抗を変化させる点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
可動突出部材39kは、本体部39aの外周面に形成された穴部に挿入されており、付勢部材39i(例ば、コイルスプリング)に付勢されることによって、図9(d)に示すように、その先端39gが本体部39aから突出している。
また、可動突出部材39kの軸方向の略中央部には、本体部39aの軸方向に貫通した貫通孔39jが形成されている。
移動部材が位置Pにあるときは、可動突出部材39kの先端39gがハウジング37の内面37aに押されることによって、図9(e)に示す状態になる。この状態では、本体部39aの貫通孔39hと、可動突出部材39kの貫通孔39jとが連通しておらず、貫通孔39hが完全に閉じられている。このため、オイルの流通抵抗が大きくなり、速度調整部36のブレーキ力も大きくなる。
さらに、位置Rでは、図9(d)に示すように、先端39gの突出量がさらに増大し、これに伴って、本体部39aの貫通孔39hと、可動突出部材39kの貫通孔39jとの重なり(連通している面積)が大きくなり、オイルの流通抵抗が低下し、速度調整部36によって巻取軸に加えられるブレーキ力が低下する。
そして、スクリーンおよびボトムレールを自重降下させたときに、スクリーンの折り目の収縮により、スクリーンが自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に、位置Rを設定することで、スクリーンおよびボトムレールを下げたときの下限付近において、スクリーンをスムーズに下げることができる。
次に、図10を用いて、本発明の第7実施形態について説明する。
第7実施形態の速度調整部は、第5実施形態の速度調整部に類似しており、磁力を用いてオイルの流通抵抗を変化させる点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
また、ハウジング37の外周には、図10(a)に示すように、長手方向の一端側の部位(ブレーキ力一段増領域P)に鉄板などの磁性体55が設けられている。
このような構成によれば、磁性体55が設けられている位置に移動部材39が移動すると、マグネット57と磁性体55の間の引力によってハウジング37が収縮されることによって、移動部材39とハウジング37の間の隙間41が狭くなる。
また、マグネットの移動速度が上昇すると、磁性体55内の渦電流により制動力が増大する。
そして、スクリーンおよびボトムレールを自重降下させたときに、スクリーンの折り目の収縮により、スクリーンが自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に、位置Pから位置Rへの境界を設定することで、スクリーンおよびボトムレールを下げたときの下限付近において、スクリーンをスムーズに下げることができる。
さらに、移動部材39とハウジング37の両方にマグネットを設けてもよい。移動部材39のマグネットとハウジング37のマグネットの間には、引力を働かせてよく、斥力を働かせてもよい。
これらの間に引力を働かせる場合には、ハウジング37のマグネットをハウジング37の外周に配置する。
また、移動部材39のマグネットとハウジング37のマグネットの間に斥力を働かせる場合には、ハウジング37のマグネットをハウジング37の内面に配置する。この場合、ハウジング37が斥力によって膨張することによって、移動部材39とハウジング37の間の隙間41が広げられて、オイルの流通抵抗が減少する。
次に、図11を用いて、本発明の第8実施形態について説明する。
第8実施形態の速度調整部は、第5実施形態の速度調整部に類似しており、ハウジング37に設けたオイル流通路37dを用いて、移動部材39がオイルから受ける抵抗力を変化させる点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
移動部材39の中心に中心軸38を螺合させ、中心軸38の回転に伴って、移動部材39が軸方向に移動するように構成されている。
スクリーンを下げたときの駆動軸12の下降方向の回転に連動して、中心軸38が回転すると、移動部材39が図11(a)の矢印Xの方向(右方向)に向かって移動するように構成されている。
ハウジング37の右端部には、オイル流通路37dが設けられている。オイル流通路37dは、移動部材39の移動方向に離間している第1開口部37eおよび第2開口部37fを備えている。
そして、移動部材39が位置Tから位置Uに向かって移動する際には、移動部材39の進行方向側にあるオイルが、第1開口部37eを通じてオイル流通路37dに流入し、第2開口部37fを通じて、移動部材39の後方に移動するので、移動部材39がオイルから受ける抵抗力が小さくなる。
このように、図11(a)に示す領域Rが弱ブレーキ領域となる。そして、スクリーンおよびボトムレールを自重降下させたときに、スクリーンの折り目の収縮により、スクリーン4が自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に到達したときに、移動部材39が位置Sに到達するように設定する。これにより、ボトムレールの下限位置近傍でのブレーキ力を低下させて、ボトムレールを下限まで確実に下げることができ、スクリーンをスムーズに下げることができる。
なお、スクリーンが自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に到達する手前で移動部材39が領域Rに到達してもよい。
次に、図12を用いて、本発明の第9実施形態について説明する。
第9実施形態の速度調整部は、第1実施形態の速度調整部に類似しており、移動部材39が中心軸38に固定されている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
中心軸38は、駆動軸12に連動して回転し、回転抵抗が反力として、駆動軸12にブレーキ力を与える。例えば、断面が四角形である角シャフトが、中心軸に設けられかつ角シャフトの外形と略同じ形状を有する角孔に挿通されることによって、角シャフトと中心軸とが相対回転不能かつ相対移動可能に係合される。
ハウジング37は、ヘッドボックスに対し軸方向に相対移動不能かつ相対回転不能に固定される。
また、中心軸38が回転しながら軸方向に移動することで、ハウジング37の収容空間40内で移動部材39が回転しながら軸方向に移動する。
ハウジング37の内面37aは、図12に示すように、テーパ状に形成されているため、図12の右端に向かうに従って隙間が狭くなる。
移動部材39の移動に伴って、オイルの流通抵抗が変化する。スクリーンは、右端が上部、左端が下部になるよう組み付けられている。
したがって、スクリーンの荷重特性に近似するように、巻き戻し回転数が増大するに従って、速度調整部36のブレーキ力が低下して、スクリーンは下限付近で停止することなく巻き戻される。
次に、図13を用いて、本発明の第10実施形態について説明する。
第10実施形態の速度調整部は、第9実施形態の速度調整部に類似しており、ワンウェイ機能(速度制御しない側への回転には、ダンパトルクを発生させないか、または、著しく減少させること)を備える点が異なる。以下、相違点を中心に説明する。
本体部39aは、固定ピン39tで中心軸38に固定される。中心軸38の先端は、可動リング39lの軸孔39rに挿通されている。
本体部39aに設けられかつ軸方向に突出する係合凸部39nが、可動リング39lに設けられかつ径方向に突出する係合凸部39o,39pの間に収容されるように、本体部39aと可動リング39lを重ねた状態で、その前後に固定リング39sを装着することによって、可動リング39lが本体部39aに対して回転可能に支持されている。
この状態では、本体部39aの貫通孔39mと、可動リング39lの貫通孔39qが重なり、これらの貫通孔を通じてオイルが流通可能となるので、オイルの流通抵抗が小さくなる。このため、ボトムレールを上げるために必要な操作力が小さくなる。
この状態では、本体部39aの貫通孔39mと、可動リング39lの貫通孔39qが重ならないので、オイルの流通抵抗が大きくなる。このため、ボトムレール5の自重降下時に適切なブレーキ力が生じる。
次に、図14を用いて、本発明の第11実施形態について説明する。
第11実施形態の速度調整部は、第5実施形態の速度調整部に類似しており、溝53の形状が異なる点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
しかしながら、第11実施形態では、溝53は、図14(a)に示すように、位置Sから位置Tの範囲では移動部材39の移動方向に平行になっているため、移動部材39が位置Sから位置Tに移動するまでの間は、図8(g)に示すように、貫通孔39dが閉じた状態で維持される。したがって、図14(b)のグラフに示すように、速度調整部36によるブレーキ力が大きくなる。
なお、スクリーンが自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に到達する手前で移動部材39が領域Rに到達してもよい。
次に、図15を用いて、本発明の第12実施形態について説明する。
第1実施形態から第11実施形態では、移動部材39がオイルから受ける抵抗力を変化させることによって、巻取軸10の降下回転数の増大に応じて、巻取軸10に加えるブレーキ力を低下させている。
しかしながら、第12実施形態では、巻取軸10からダンパ装置67への回転の伝達または不伝達を切り替えることによって、巻取軸10の降下回転数の増大に応じて、巻取軸10に加えるブレーキ力を低下させている。以下、詳細に説明する。
ダンパ軸67bには、フィン67dが設けられている。ダンパ軸67bがダンパケース67aに対して相対回転する際に、フィン67dが収容空間67e内でオイルの抵抗を受けながら回動することで、ダンパケース67aとダンパ軸67bの間の相対回転速度が減衰される。
なお、ダンパ装置67としては、ダンパケース67aとダンパ軸67bとの間の相対回転速度を減衰可能なものであれば他の構成であってもよい。
具体的には、回転伝達ユニット71は、移動部材69と、ハウジング64に回転不能に固定されたネジ軸72と、ダンパ軸67bに回転不能に固定された平ギヤ軸75と、を備えている。
伝達平ギヤ74は、平ギヤ軸75にも噛み合っており、駆動平ギヤ73の回転を平ギヤ軸75に伝達する。
駆動平ギヤ73は、駆動軸12に対して相対回転不能かつスライド移動可能に支持されているので、駆動平ギヤ73と駆動軸12とは一体に回転する。
伝達平ギヤ74は、駆動平ギヤ73に設けられた一対のフランジ73aの間に配置されているので、駆動平ギヤ73は、伝達平ギヤ74と共に移動する。
伝達平ギヤ74の回転は、平ギヤ軸75を介して、ダンパ軸67bに伝達される。
以上の構成によって、巻取軸の回転がダンパ装置67に伝達される。
そして、ボトムレール5が上限に到達したときには、伝達平ギヤ74および駆動平ギヤ73は、所定の上限位置に戻るように構成されている。
次に、図18を用いて、本発明の第13実施形態について説明する。
第13実施形態の速度調整部は、第8実施形態の速度調整部に類似しており、駆動軸12から中心軸38への回転の伝達および不伝達を切り替える機構を有している点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
中心軸38の一端には、図18(b)に示すように、ハウジング37から突出している連結部38cが形成されている。連結部38cの外端面には歯部が形成されている。
また、駆動軸12には、ハウジング37の一方の外側(図18(b)の右側)に連結部12aが設けられている。
また、駆動軸12の連結部12aには、中心軸38の連結部38cに噛み合う歯部が形成されている。
次に、図19を用いて、本発明の第14実施形態について説明する。
第1実施形態から第13実施形態の速度調整部では、ハウジング37と移動部材39との間の隙間の断面積を変化させることで、巻取軸10の降下回転数の増大に応じて巻取軸に加えられるブレーキ力を低下させている。
しかしながら、第14実施形態の速度調整部では、巻き取り軸の回転に連動して往復する移動部材39の位置により、単位回転数あたりの軸方向への移動部材39の移動速度を変化させることで、巻取軸の降下回転数の増大に応じて、巻取軸に加えられるブレーキ力が低下するように構成されている。以下、詳細に説明する。
中心軸38には、図19(b)に示すように、矩形断面の貫通孔38bが軸方向に形成されている。この貫通孔38bに矩形断面の駆動軸12が挿通されることで、中心軸38に対して駆動軸12が回転不能に連結されている。
また、ハウジング37の内面37aと、移動部材39の外周面との間に隙間41を設けることなく密着させ、移動部材39の前後の空間に連通する流通路を移動部材39自身に形成し、オリフィスを設けてもよい。
なお、移動部材39は、ボールねじ機構によって、中心軸38の溝38dに連結してもよい。
また、中心軸38において、領域C(図19の右側)では、溝38dのピッチが小さいため、移動部材39の移動速度が遅くなる。
中心軸38において、領域Cを移動部材39が移動しているときは、オイルの流通抵抗が小さくなり、移動部材39がオイルから受ける抵抗力が小さくなるため、中心軸38に加わるブレーキ力が小さくなる。
プリーツスクリーンには、移動部材39がX方向に移動する際に、スクリーンが上昇するように、巻取軸が回転する向きを設定して、巻取軸を貫通させて組み込む。
したがって、第14実施形態の速度調整部36では、巻取軸の降下回転数の増加に伴って、速度調整部36のブレーキ力が段階的に低下する(図19(c)のグラフ参照)。
なお、螺旋状の溝38dを段階的ではなく、軸方向において徐々にリード角を減少させることにより、中心軸38に対して無段階にブレーキ力が小さくなるように構成してもよい。
次に、図20を用いて、本発明の第15実施形態について説明する。
第15実施形態の速度調整部では、プリーツスクリーンの巻取軸の回転に連動して往復移動する移動部材39の往復移動領域内の位置により、巻取軸からの入力回転を無段階に変速する無段階変速手段により、ダンパケース内のフィンの回転速度を変化させることで、巻取軸の降下回転数の増大に応じて、速度調整部のブレーキ力を低下させている。以下、詳細に説明する。
また、駆動軸12には、移動部材110が外嵌されている。移動部材110は、駆動軸12に対して軸方向に相対スライド移動可能かつ相対回転不能に係合されている。
移動部材110には、図21(a)に示すように、六角形の断面の貫通孔110bが軸方向に形成されている。この貫通孔110bに六角形の断面の駆動軸12が挿通されることで、中心軸38に対して駆動軸12がスライド移動自在かつ回転不能に連結されている。
このような移動部材110は、駆動軸12の回転に伴って回転すると、ハウジング37のねじ穴37bに送られて軸方向に移動する(図20(b)参照)。
支持軸121の両端部は、ハウジング37の一対の側壁の内面に回転不能に支持されている。支持軸121の軸線方向は、駆動軸12の軸線方向に対して傾斜している。
第15実施形態では、駆動軸12の軸線方向は水平に配置されている。これに対して、支持軸121の軸線方向は、図20(a)の左端部よりも右端部が下方に配置されるように傾斜している。
したがって、ダンパケース120は、移動部材110の下方で傾斜した状態で支持軸121回りに回転する。
したがって、図20(b)に示すように、駆動軸12の回転に伴って、移動部材110が回転し、駆動伝達部111が回転すると、駆動伝達部111によってダンパケース120に回転が伝達され、ダンパケース120が支持軸112回りに回転する(図21(a)参照)。
なお、駆動伝達部111とダンパケース120との間で摩擦係数が大きくなるように、ダンパケース120の外周面の表面粗さが大きくなっている。
ダンパケース120が矢印A方向に回転したときには、板ばね125はオイルに押されて閉じた状態となり、隙間124のみを通じて、フィン123の回転方向の前方から後方にオイルが移動する。
一方、ダンパケース120が矢印B方向に回転したときには、板ばね125はオイルに押されて開いた状態となり、隙間124および貫通孔123aを通じて、フィン123の回転方向の前方から後方にオイルが移動する。
ボトムレールの自重降下に伴って、駆動軸12がA方向に回転すると、図20(b)に示すように、移動部材110が図20(b)の左側から右側に向けて移動する。
このとき、ダンパケース120は、図21(c)に示すように、矢印A方向に回転し、フィン123がオイルから受ける抵抗によって、駆動軸12にブレーキ力が加えられる。
このとき、ダンパケース120は、図21(c)に示すように、矢印B方向に回転し、貫通孔123aをオイルが流通する。したがって、ボトムレールを上げるときには、フィン123がオイルから受ける抵抗力が小さいため、ボトムレールを低い操作力で上げることができる。
4 スクリーン
5 ボトムレール
7 昇降コード
10 巻取軸
12 駆動軸
12a 連結部
33 ピッチ保持コード
36 速度調整部
37 ハウジング
38 中心軸
39 移動部材
40 収容空間
Claims (11)
- 遮蔽装置に用いられる速度調整装置であって、
オイルを収容するハウジングと、
前記ハウジング内に収容されている移動部材と、を備え、
前記移動部材は、遮蔽材を駆動させるための巻取軸の回転に伴って往復移動するとともに、前記遮蔽材が降下しているときに一方向に移動し、
一方向に移動しているときの前記移動部材の存在位置の変化に伴って、前記移動部材が前記オイルから受ける抵抗力が小さくなることを特徴とする速度調整装置。 - 前記移動部材が一方向に移動するに従って、前記移動部材が前記オイルから受ける抵抗 力が小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の速度調整装置。
- 前記移動部材が所定の位置まで一方向に移動する間は、前記移動部材が前記オイルから 受ける抵抗力が維持され、
前記移動部材が所定の位置から一方向に移動するに従って、前記移動部材が前記オイル から受ける抵抗力が小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の 速度調整装置。 - 前記移動部材の移動に伴って、前記オイルが前記移動部材を通過するための流通路の断面積が変化するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の速度調整装置。
- 前記移動部材が一方向に移動するに従って、前記流通路の断面積が大きくなるように構 成されていることを特徴とする請求項4に記載の速度調整装置。
- 前記移動部材の移動に伴って、前記オイルが前記移動部材を流通経路から迂回するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の速度調整装置。
- 前記巻取軸の回転に伴って、前記移動部材の移動速度が変化することで、前記移動部材が前記オイルから受ける抵抗力が変化するように構成されていることを特徴とする請求項 1に記載の速度調整装置。
- 前記移動部材が一方向に移動するに従って、前記移動部材の移動速度が遅くなるように 構成されていることを特徴とする請求項7に記載の速度調整装置。
- 前記移動部材の移動に伴って回転する回転体を有しており、
前記回転体の回転速度が変化することで、前記移動部材が前記回転体を介して前記オイルから受ける抵抗力が変化するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の 速度調整装置。 - 前記オイルの粘性を変化させることで、前記移動部材が前記オイルから受ける抵抗力を 調整可能であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の速度調整 装置。
- 前記遮蔽材を自重降下させたときに、前記巻取軸に加えるブレーキ力を低下させ、少なくとも前記遮蔽材が自重のみによって下がる位置から下限までの間において、前記ブレーキ力が最低制動力になるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項10 のいずれか一項に記載の速度調整装置。
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