JP6742364B2 - 速度調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遮蔽材を自重降下させる遮蔽装置に用いられる速度調整装置に関する。
プリーツスクリーンやハニカムスクリーン等の折り畳み式な遮蔽材を有する遮蔽装置では、巻取軸と、巻取軸に巻き付けられた昇降コードと、折り畳み自在なスクリーンと、スクリーンの下端部および昇降コードの下端部に取り付けられたボトムレールと、を有している。
この遮蔽装置では、巻取軸から昇降コードを巻き戻してボトムレールを下げることで、スクリーンを下げる(展開する)ように構成されている。
前記したような遮蔽装置では、仮に、スクリーンの自重のみによってスクリーンを下げた場合に、下方において、スクリーンの下部の折り目が所定の角度まで開かれず、スクリーンが下限まで下がらない位置がある。
そこで、従来の遮蔽装置では、スクリーンの下端部および昇降コードの下端部にボトムレールを取り付け、ボトムレールの重量によって、スクリーンおよび昇降コードを下方に引っ張ることで、スクリーンが下限まで下がるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−266939号公報
前記した遮蔽装置では、スクリーンが下がるに従って、スクリーンの上部がヘッドボックスに吊り下げられ、ボトムレールに乗っているスクリーンの量が少なくなる。したがって、スクリーンが下がるに従って、昇降コードに作用する引張力が低下する。
また、スクリーンの折り目が開き始めると、スクリーンの折り目の収縮により、折り目には閉じた状態を維持しようとする力が生じる。そのため、スクリーンを自重だけで降下させた場合、未伸展のスクリーン荷重が減少して、スクリーン荷重と、スクリーンの折り目の収縮力とが釣り合い、所定の折り目の角度に達する前にスクリーンが自重のみによって下がらなくなる位置Eがある。(図23「ボトムレールが無い状態の荷重」参照)。
したがって、図23(「ボトムレールを含む荷重」参照)に示すように、スクリーンの下限付近領域Xでは、略ボトムレールの重量だけで昇降コードを引っ張ることで下降させていることになるため、昇降コードに作用する荷重(引張力)が略一定となっている。
さらに、従来の遮蔽装置としては、スクリーンおよびボトムレールを自重降下させるときに、巻取軸にブレーキ力(ブレーキトルク)を加えることで、ボトムレールの降下速度を抑える速度調整部を有しているものがある。
速度調整部を有する遮蔽装置では、ボトムレールが下がっている間は、巻取軸に一定以上のブレーキ力が加えられるため、ボトムレールを下げたときの下限付近において、スクリーンおよびボトムレールに作用する引張力が大きく低下する。
これにより、昇降コードに作用する引張力が大きく低下し、巻取軸の駆動トルク(回転トルク)が大きく低下することになる。したがって、従来の遮蔽装置では、スクリーンが下限まで下がり難くなるという問題がある。
なお、スクリーンの折り目のピッチを保持するためのピッチ保持コードが伸縮性を有している場合にも、スクリーンを下げたときに、ピッチ保持コードの収縮により、ボトムレールに引き上げ力が作用し、巻取軸の駆動トルクが低下する場合がある。
横型ブラインドにおいても、スラットを支持するラダーテープの折り目により下限付近で巻取軸の駆動トルクが低下する場合がある。
本発明は、前記した問題を解決し、遮蔽材を自重降下させたときに、遮蔽材に引き上げ力が作用する場合であっても、遮蔽材を下限までスムーズに下げることができる速度調整 装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、遮蔽装置に用いられる速度調整装置であって、オイルを収容するハウジングと、前記ハウジング内に収容されている移動部材と、を備え、前記移動部材は、遮蔽材を駆動させるための巻取軸の回転に伴って往復移動するとともに、前記遮蔽材が降下しているときに一方向に移動し、一方向に移動しているときの前記移動部材の存在位置の変化に伴って、前記移動部材が前記オイルから受ける抵抗力が小さくなるように構成されている。
本発明の速度調整装置では、遮蔽材を自重降下させたときに、遮蔽材に引き上げ力が作用する場合であっても、遮蔽材を下限までスムーズに下げることができる。

本発明の第1実施形態のプリーツスクリーンの正面図である。 図1のプリーツスクリーンの右側面図である。 本発明の第1実施形態の速度調整部を示した図で、(a)はボトムレールが上限に位置した状態を示した側断面図、(b)はボトムレールが下限に位置した状態を示した側断面図、(c)〜(e)は速度調整部の例を示した軸断面図である。 (a)は、ボトムレールの高さと、昇降コードに加わる荷重との関係を示すグラフであり、(b)は、ボトムレールの高さと、ブレーキ力との関係を示すグラフであり、(c)は、巻取軸の降下回転数と、巻取軸に加わる回転力との関係を示すグラフであり、(d)は、巻取軸の降下回転数と、ブレーキ力との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態の速度調整部を示した図で、(a)はボトムレールが自重降下しているときの側断面図、(b)はボトムレールを上げるときの側断面図である。 本発明の第3実施形態の速度調整部を示した図で、(a)は側断面図、(b)〜(d)は構成例1〜3のハウジングの内面の展開図である。 本発明の第4実施形態の速度調整部を示した斜視図である。 本発明の第5実施形態の速度調整部を示した図で、(a)は側断面図、(b)はハウジングの内面の展開図、(c)は移動部材の側面図、(d)は移動部材の正面図、(e)〜(g)はハウジング内の各位置R,Q,Pにおける可動プレートの状態を示した(c)のA−A断面図、(h)は回転数とブレーキ力との関係を示すグラフである。 本発明の第6実施形態の速度調整部を示した図で、(a)は側断面図、(b)は移動部材の側面図、(c)は移動部材の正面図、(d)および(e)はハウジング内の各位置における可動突出部材の状態を示した(b)のA−A断面図である。 本発明の第7実施形態の速度調整部を示した図で、(a)は側断面図、(b)は移動部材の正面図である。 本発明の第8実施形態の速度調整部を示した図で、(a)は側断面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図、(d)は(a)のC−C断面図、(e)は(a)のD−D断面図、(f)は移動部材がハウジング内の各位置に移動した状態を示した側断面図である。 本発明の第9実施形態の速度調整部を示した斜視図である。 本発明の第10実施形態の速度調整部の移動部材および中心軸を示した図で、(a)は斜視図、(b)は側断面図である。 本発明の第11実施形態の速度調整部を示した図で、(a)はハウジングの内面の展開図、(b)は回転数とブレーキ力との関係を示したグラフである。 本発明の第12実施形態の速度調整部を示した図で、(a)は側断面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は駆動軸の回転がダンパ装置に伝達されない状態の側断面図である。 (a)は、横型ブラインドの巻取軸回転数と、巻取軸に加わるトルクとの関係を示すグラフ、(b)は、横型ブラインドの巻取軸回転数と、巻取軸に加わるブレーキ力との関係を示すグラフである。 (a)は、ローマンシェードの巻取軸回転数と、巻取軸に加わるトルクとの関係を示すグラフ、(b)は、ローマンシェードの巻取軸回転数と、巻取軸に加わるブレーキ力との関係を示すグラフである。 本発明の第13実施形態の速度調整部を示した図で、(a)は両連結部が噛み合った状態の側断面図、(b)は両連結部が離れた状態の側断面図、(c)は(b)のA−A断面図、(d)は(b)のB−B断面図、(e)はボトムレールの下限を調整する状態を示した図である。 本発明の第14実施形態の速度調整部を示した図で、(a)は側断面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)はボトムレールの高さとブレーキ力との関係を示したグラフである。 本発明の第15実施形態の速度調整部を示した図で、(a)はボトムレールが上限に位置している状態の側断面図、(b)はボトムレールが下限に位置している状態の側断面図である。 本発明の第15実施形態の速度調整部を示した図で、(a)は速度調整部の側面図、(b)はダンパケースの側断面図、(c)は(a)のA−A断面図である。 本発明のプリーツスクリーンの各種状態を示した図で、(a)はスクリーンを自重のみで降下させた状態の側面図、(b)はボトムレールを下限まで自重降下させた状態の側面図、(c)はボトムレールを上限に配置した状態の側面図である。 スクリーンを自重降下させたときのボトムレールの位置と、昇降コードに作用する荷重との関係を示すグラフである。 ハニカムスクリーンを示した側面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態のプリーツスクリーンは、図1および図2に示すように、ヘッドボックス1からスクリーン4が吊り下げられており、スクリーン4の下端縁部にボトムレール5が取り付けられている。
スクリーン4は、上下方向よりも横方向に大きく形成された長方形の布である。スクリーン4には、幅方向の折り目が上下方向に間隔を空けて形成されている。スクリーン4は、各折り目において上下方向にジグザグ状(蛇腹状)に折り畳み可能である。
ボトムレール5は、スクリーン4の下端部に取り付けられた金属製または樹脂製の部材である。ボトムレール5は、スクリーン4の下端縁部に沿って直線状に延びている。ボトムレール5は、スクリーン4を下げるとともに、スクリーン4を下げた状態(展開した状態)に維持するための錘の役割を有している。
ヘッドボックス1とボトムレール5との間には、スクリーン4の各折り目のピッチを保持するためのピッチ保持コード33が設けられている。
ピッチ保持コード33には、環状の保持部57が上下方向に等間隔に多数設けられている。この保持部57をスクリーン4の折り目に形成された孔部に挿通させた後に、ボトムレール5を昇降させるための昇降コード7を保持部57に挿通している。
これにより、保持部57がスクリーン4から抜けるのを防ぐことができ、スクリーン4の各折り目のピッチを保持している。すなわち、スクリーン4を下限まで下げたときには、各保持部57のピッチと同じピッチで各折り目が上下方向に配置されることになる。
ピッチ保持コード33と昇降コード7とは、スクリーン4を挟んで互いに反対側(表裏側)に配置されている。
なお、本発明の特許請求の範囲における遮蔽材とは、前記したスクリーン4(遮蔽材)およびピッチ保持コード33を含むものである。
ボトムレール5には、ピッチ保持コード33を保持するピッチ保持コード保持部材33aと、昇降コード7を保持する昇降コード保持部材7aとが取り付けられている。
ピッチ保持コード33および昇降コード7は、これらの保持部材33a,7aによって、ボトムレール5に取り付けられている。
昇降コード7の上端部は、巻取軸10の外周面に取り付けられている。巻取軸10は、後記する駆動軸12と共に回転する。
昇降コード7を巻取軸10に巻き取ることで、ボトムレール5を上げることができる。このようにして、ボトムレール5を上げることで、スクリーン4を引き上げて折り畳むことができる。
また、昇降コード7を巻取軸10から巻き戻すことで、ボトムレール5を下げることができる。このようにして、ボトムレール5を下げることで、スクリーン4を下げて展開させることができる。
図22(b)に示すように、スクリーン4を自重のみによって下げた場合には、スクリーン4の下部の折り目が全て開かれず、スクリーン4の下端縁部が下限の位置H1(図22(a)参照)よりも上方の位置H2で停止してしまう。
そこで、図22(a)に示すように、スクリーン4の下端部および昇降コード7の下端部にボトムレール5を取り付け、このボトムレール5の重量によって、スクリーン4および昇降コード7を下方に引っ張ることで、スクリーン4の下端縁部が下限の位置H1まで下がるように構成されている。
プリーツスクリーンでは、図22(c)に示すように、ボトムレール5が上限に位置している場合には、折り畳まれたスクリーン4がボトムレール5に乗っている状態となり、スクリーン4の自重がボトムレール5に加えられている。
図22(a)に示すように、スクリーン4が下がるに従って、スクリーン4の上部がヘッドボックス1に吊り下げられ、ボトムレール5に乗っているスクリーン4の量が少なくなる。したがって、スクリーン4が下がるに従って、昇降コード7に作用する引張力が低下する。これに伴って、昇降コード7によって巻取軸10(図1参照)を回転させる駆動トルク(回転トルク)が低下する。
プリーツスクリーンでは、スクリーン4が自重のみによって下がる位置H2(図22(b)参照)よりも、スクリーン4を下げると、スクリーン4の下部の折り目が開き始める。このとき、スクリーン4の折り目には閉じた状態を維持しようとする力が生じる。したがって、スクリーン4が自重のみによって下がる位置H2(図22(b)参照)よりも、スクリーン4を下げると、スクリーン4の下端部の収縮により、ボトムレール5に引き上げ力が作用する。
なお、図2に示すように、スクリーン4の折り目のピッチを保持するためのピッチ保持コード33が伸縮性を有している場合には、スクリーン4を下げたときに、ピッチ保持コード33の収縮によりボトムレール5に引き上げ力が作用する。特に、ピッチ保持コード33が幅の大きいテープ状の部材である場合には、ピッチ保持コード33の収縮によりボトムレール5に作用する引き上げ力が大きくなる。
図1に示すように、ヘッドボックス1の横方向の一方の端部(図1の右端部)には、ボールチェーン13、操作プーリー11および伝達クラッチ21を備えている操作部ユニット23が収容されている。
ボールチェーン13は、操作プーリー11に掛け回されており、ボールチェーン13を下方に引くことで操作プーリー11に加えられた回転力が伝達クラッチ21を介して駆動軸12に伝達される。
伝達クラッチ21は、図2の矢印A方向(ボトムレール5が上がる方向)の回転力は伝達するが、図2の矢印B方向(ボトムレール5が下がる方向)の回転力は伝達しないように構成されている。
駆動軸12は、ヘッドボックス1内の中間部に収容されたストッパ装置24に挿通されている。
ストッパ装置24は、ボトムレール5が引き上げられた状態で、ボールチェーン13が手放されたときに(引張力がなくなったときに)、駆動軸12の回転を停止させてボトムレール5の自重降下を防止するものである。
図1に示すように、ストッパ装置24の側方(図1の左側)に速度調整部36が配置されている。
速度調整部36は、駆動軸12の回転を停止させることなく、駆動軸12の回転速度を所定値以下に抑制して、ボトムレール5を自重降下させたときの下降速度を低下させるものである。
前記した速度調整部36について詳細に説明する。
図3に示すように、速度調整部36は、ハウジング37と、ハウジング37内に挿入された中心軸38と、ハウジング37内に収容された移動部材39とを備えている。
中心軸38は、駆動軸12に対して回転不能に連結され、中心軸38と駆動軸12とは連動して回転するように構成されている。
なお、駆動軸12自体を中心軸38の中心部に貫通させて、駆動軸12をハウジング37内に挿入してもよい。この場合には、中心軸38の断面を角形とし、駆動軸12の貫通箇所の断面を同じ角形とすれば、駆動軸12と中心軸38とを回転不能に連結することができる。
ハウジング37は、ヘッドボックス1内に直接または間接的に回転不能に固定されている。
ハウジング37の内面37a(内周面)と、移動部材39の外周面との間には、隙間41が設けられている。また、ハウジング37内の収容空間40内にはオイルが充填されている。
移動部材39は、中心軸38に螺合されており、かつハウジング37に対して中心軸38の軸方向にスライド移動可能である。
具体的には、図3(c)に示すように、内面37aの軸直交断面の内周形状が円形で、移動部材39の軸直交面断面の外周形状が内面37aよりも隙間41を隔てた円形である場合には、移動部材39に設けられた凸部39vまたは凹部が、ハウジング37の内面に中心軸38の軸方向に沿って設けられた溝37cまたは凸条に係合される。
この例では、移動部材39とハウジング37とが軸方向への相対移動可能かつ相対回転不能とすればよく、図3(d)〜(e)に示すように、移動部材39とハウジング37が角形または楕円であれば凸部または凹部は不要であり、要するに中心点からの距離が異なる接点があればよい。
このような構成では、中心軸38の回転に伴って、移動部材39が中心軸38の軸方向にスライド移動する。
具体的には、図3(a)の矢印B方向の回転によって移動部材39が矢印X方向に移動する。移動部材39が移動する際に、収容空間40内のオイルが、移動部材39の進行方向の前方から隙間41を通って後方に移動する。このとき、オイルが受ける抵抗がオイルの流通抵抗である。オイルの流通抵抗は、隙間41が狭いほど、または、オイルの粘性が高いほど大きくなる。
そして、オイルの流通抵抗が大きいほど、移動部材39がオイルから受ける抵抗力が大きくなり、中心軸38に加えられるブレーキ力が大きくなる。
したがって、内面37aがテーパ状である場合、図4(d)のグラフに示すように、巻取軸の降下回転数の増加に伴ってブレーキ力が低下する。
また、隙間41の大きさやオイルの粘性を適宜変化させることで、速度調整部36が中心軸38に加えるブレーキ力を容易に調整することができる。
ところで、スクリーン4が折り畳まれた状態では、スクリーン4およびボトムレール5の略全重量が昇降コード7に支持されるので、昇降コード7に加わる荷重が大きい。
スクリーン4は、ヘッドボックス1に吊り下げられているので、ボトムレール5が下がって、スクリーン4が下がるに従って、昇降コード7に加わる荷重が減少する。上限から巻取軸10の回転数の増大に比例して、ボトムレール5の高さが下がる。つまり、ボトムレール5の高さと、昇降コード7に加わる荷重の関係は、図4(a)のグラフに示すようになる。
また、巻取軸10の降下回転数の増大に伴って、ボトムレール5が下がり、巻取軸10に加わる回転力(回転トルク)が低下するので、巻取軸10の降下回転数と、巻取軸10に加わる回転力の関係は、図4(c)のグラフに示すようになる。
昇降コード7に加わる荷重が大きい位置ほどボトムレール5は高速で下がろうとする。そこで、速度調整部36では、ボトムレール5を高い位置から下げるときに、ボトムレール5の降下速度が過度に大きくならないように、図4(b)のグラフに示すように、ボトムレール5が高い位置にあるときほど、ブレーキ力が大きくなるように構成されている。
別の表現では、速度調整部36は、図4(d)のグラフに示すように、巻取軸10の降下回転数の増大に応じて、巻取軸10に加えるブレーキ力を低下させている。
このような特性を実現すべく、速度調整部36のハウジング37の内面37aは、図3(a)〜(b)に示すように、移動部材39が矢印X方向に移動するに従って、隙間41が漸次大きくなるように、テーパ状に形成されている。
これにより、移動部材39が矢印X方向に移動するに従って、隙間41が大きくなり、オイルの流通抵抗が徐々に小さくなる。
このような構成により、ボトムレール5の高さと、速度調整部36によるブレーキ力とが、図4(b)のグラフに示すような関係となり、ボトムレール5の降下速度が過度に大きくなるのを防ぐことができる。
また、ボトムレール5を下げたときの下限直前には、速度調整部36によるブレーキ力を非常に小さくすることができるので、ボトムレール5を下限まで下げることができる。したがって、ボトムレール5は、下限の直前で停止することなく、下限まで昇降コード7を巻取軸10から巻き戻すことができる。
全ての回転部分の摺動抵抗を受けつつ、ボトムレール5が最下限まで停止せずに、巻取軸10から昇降コード7を巻き戻すことができる許容範囲の最低のブレーキ力を、隙間41の大きさおよびオイルの粘度で定めている。
また、前記した条件において、ボトムレール5の高さの上限付近の高い位置では、ボトムレール5の下降速度が所定速度以下となるように、隙間41の大きさを定めている。
さらに、速度調整部36では、スクリーン4およびボトムレール5を自重降下させたときに、スクリーン4の下部の折り目による収縮により、ボトムレール5に引き上げ力が作用する位置(図22(b)の位置H2)から、ボトムレール5が下限に達する位置(図22(a)の位置H1)までの間に、巻取軸10に加えるブレーキ力が低下するように構成されている。
なお、本実施形態の速度調整部36では、ボトムレール5を自重降下させたときに、ボトムレール5の上限位置から、ボトムレール5が下限に達する位置までの間に、巻取軸10に加えるブレーキ力が徐々に低下するように構成されている。
このような速度調整部36を有するプリーツスクリーンでは、あらゆる重量や比重の遮蔽材、あらゆる幅高さ比率の遮蔽材であっても、適切にオイル粘度と隙間41とを定めることにより、ボトムレール5を下げたときに、下限直前で停止することなく、下限までスムーズに下げることができる。
なお、図4(b)のグラフの傾斜方向は、図4(a)のグラフと同じとする必要があるが、図4(b)のグラフの傾き角は、自重降下をどの高さ位置から開始しても全ての回転部分の摺動抵抗を受けつつ、ボトムレール5が下降開始位置から最下限までボトムレールを停止させることなく、昇降コード7を巻き戻すことができる許容範囲のブレーキ力であれば、図4(a)のグラフと同じであっても異なっていてもよい。
また、ボトムレール5の高さ位置または巻取軸10の降下回転数と、速度調整部36によるブレーキ力との関係は、図4(b)または(d)に示すような線形関係でなくてもよく、曲線または折れ線で表される関係であってもよい。この高さ位置または降下回転数とブレーキ力との関係は、ハウジング37の内面形状を変更することによって、容易に変化させることができる。
次に、第1実施形態のプリーツスクリーンの動作を説明する。
図1および図2に示すように、ボールチェーン13の部屋内側部分を図2の矢印Aの方向に引くと、その力によって生じた回転力が操作プーリー11を介して、伝達クラッチ21に伝達される。
伝達クラッチ21は、図1の矢印Aの方向の回転力のみを駆動軸12に伝達するように構成されているので、図2の矢印Aの方向にボールチェーン13を引くことによって生じた回転力が、駆動軸12に伝達されて、駆動軸12が回転する。
駆動軸12の回転によって、ヘッドボックス1内でサポート部材8に回転可能に支持された巻取軸10が図1の矢印A方向に回転し、昇降コード7が巻取軸10に螺旋状に巻き取られて、昇降コード7の下端部に取り付けられたボトムレール5が上昇する。
ボトムレール5を上げた状態で、ボールチェーン13から手を離すと、ストッパ装置24が作動してボトムレール5の自重降下が防止される。
さらに、ボールチェーン13を再度図2の矢印Aの方向に引いた後に手を離すと、ストッパ装置24の自重降下防止動作が解除されて、巻取軸10から昇降コード7が巻き戻されて、ボトムレール5が自重降下する。
ボトムレール5を下げ始めたときに、移動部材39は、図3(a)に示す位置にあり、隙間41が狭いのでオイルの流通抵抗が大きい。これにより、速度調整部36によって巻取軸10に加えられるブレーキ力が大きくなるため、ボトムレール5の降下速度が過度に大きくなることがない。
ボトムレール5が下がるに従って、移動部材39が図3(a)中の矢印X方向に移動すると、隙間41が徐々に大きくなり、その結果、オイルの流通抵抗および速度調整部36によって巻取軸10に加えられるブレーキ力が徐々に小さくなる。
そして、ボトムレール5を下げたときの下限直前には、速度調整部36は、図3(b)に示す状態となる。この状態では、速度調整部36のブレーキ力が非常に小さいので、ボトムレール5を自重によって下限まで下げることができる。
第1実施形態の速度調整部36では、スクリーン4およびボトムレール5を自重降下させたときに、スクリーン4の下部の折り目の収縮により、スクリーン4が自重のみによって下がる位置から、スクリーン4の下限までの間を含む領域において、巻取軸10に加えるブレーキ力が低下するように構成されている。
なお、スクリーン4が自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に達したときに、巻取軸10に加えるブレーキ力が極めて小さくなるように設定されている。
このように、第1実施形態の速度調整部36では、スクリーン4およびボトムレール5を自重降下させたときに、ボトムレール5に引き上げ力が作用する領域に合わせて、巻取軸10に加えられるブレーキ力が低下するため、スクリーン4およびボトムレール5を下げたときの下限付近において、スクリーン4をスムーズに下げることができる。
図3(b)に示す状態から、再度、図2の矢印A方向にボールチェーン13を引くことによって、ボトムレール5を上げると共に、移動部材39を図3(b)の矢印Y方向に移動させることができる。
そして、ボトムレール5が上限位置に到達したときに、移動部材39は図3(a)で示す位置に移動する。
なお、第1実施形態の速度調整部36では、移動部材39がハウジング37の収容空間40の左端部と右端部との間を往復移動するように構成されているが、下限における移動部材39の位置が所定の最低トルク位置に適合されていればよく、移動部材39が収容空間40の左端部または右端部に到達しなくてもよい。
また、昇降コード7の長さが異なる複数種類のプリーツスクリーンに対して共通の速度調整部36を使用する場合には、ボトムレール5が下限位置にあるときの移動部材39の位置を揃えるようにすることが好ましい。ボトムレール5を下げたときの下限直前でのブレーキ力を適切に規定することが重要であるからである。
本発明は、以下の実施態様でも実施することができる。
プリーツスクリーン以外にも、遮蔽材を自重降下させる逆特性の遮蔽装置である横型ブラインドやローマンシェード(たくし上げカーテン)等にも適用可能である。
逆特性の遮蔽装置とは、巻き戻すに従って巻取軸に加わるトルクが減少するウィンドウカバリングである。
また、遮蔽材の自重によって巻取軸に加えられるトルクが、巻取軸を回転駆動するための駆動トルクとなる。
なお、第1実施形態では、1枚のスクリーン4がヘッドボックス1に吊り下げられているが、図24に示すように、表裏2枚のスクリーン4,4がヘッドボックス1に吊り下げられたハニカムスクリーンに本発明を適用することもできる。
ハニカムスクリーンの場合には、スクリーン4,4が2枚になり、折り目も増えるため、スクリーン4,4の折り目の収縮により、ボトムレール5に作用する引き上げ力が大きくなる。したがって、本実施形態のような速度調整部を適用することで、ハニカムスクリーンの両スクリーン4,4を下限までスムーズに下げることができる。さらに、前後ダブルハニカム、ひし形の中に若干小さいひし形のハニカムが入れ子状に設けられたハニカムスクリーンにも適している。
横型ブラインドの場合は、ボトムレールに積層されたスラットが自重降下中に一枚ずつラダーコードに乗る毎に巻取軸にかかるトルクが減少する。
従って、巻取軸回転数と、遮蔽材の自重によって巻取軸に加わるトルクの関係は、図16(a)に示すグラフのようになる。
最下段のスラットがラダーコードに乗り、ボトムレールが最下段のスラットとの間のラダーコードの縦糸が伸びるまで停止することなく、昇降コードを巻き戻すことができる許容範囲の最低ブレーキ力を隙間41および粘度で定める。
さらに、その条件でブラインド高さの上限付近の高い位置でブラインドの下降速度が所定速度以下となるように、隙間41を定める。
そして、図16(b)に示すように、ブレーキ力と巻取軸回転数と関係を示すグラフが、トルクと巻取軸回転数との関係を示す線形の傾斜に近似した傾斜となるように、速度調整部36のハウジング37の内面をテーパ形状とすればよい。
ローマンシェードの場合は、コードキャッチに積層されたリング(ひだ部)が自重降下中に一つずつ離れる毎に巻取軸の駆動トルクが低下する。従って、巻取軸回転数と、遮蔽材の自重によって巻取軸に加わる駆動トルクの関係は、図17(a)に示すグラフのようになる。
そして、図17(b)に示すように、ブレーキ力と巻取軸回転数との関係を示すグラフが、駆動トルクと巻取軸回転数との傾斜に近似した傾斜となるように、速度調整部36のハウジング37の内面をテーパ形状とすればよい点は、横型ブラインドの場合と同じである。
第1実施形態の下限とは、横型ブラインドであれば、昇降コードが巻き戻されて下降し、昇降コードの張力が急減して、ラダーコードの縦糸がボトムレールを支持する(ボトムレールと最下段のスラットとの間のラダーコードの縦糸が伸びる)状態である。
また、第1実施形態の下限とは、ローマンシェードであれば、昇降コードが巻き戻されて下降しスクリーンの全荷重をヘッドボックスが支持する状態である。
また、第1実施形態の下限とは、プリーツスクリーンであれば昇降コードが巻き戻されて下降して、スクリーンの全荷重をヘッドボックスが直接またはピッチコードを介して直接支持分と分担して支持する状態、または前記各状態に到達する前に、昇降コードの巻き戻しが下限リミット装置などにより、巻取部により機械的に停止され、それ以上は下げることができなくなる限界である。
下限リミット装置は、障害物停止装置を兼ねた構成で、昇降コードの機械的な弛みを検知してロックする装置であれば、前記状態とほぼ同じタイミングで最下限となる。しかしながら、ネジ送り機構などの下限リミット装置付きのプリーツスクリーンでは、ユーザーが自由に下限リミット位置を定めることができるため、ネジ送り機構などの下限リミット装置付きのブラインドの場合には、ユーザーが自由に定められる位置を下限として、最低ブレーキ力を定めればよい。
第1実施形態では、中心軸38を駆動軸12と一体に回転させているが、中心軸38をヘッドボックス1に固定して、ハウジング37を駆動軸12と一体に回転させてもよい。
また、中心軸38とハウジング37が互いに逆方向に回転するように、駆動軸12の回転を伝達してもよい。
第1実施形態では、移動部材39を中心軸38に螺合させ、かつハウジング37にスライド移動可能に係合させているが、移動部材39をハウジング37に螺合させ、かつ中心軸38にスライド移動可能に係合させてもよい。
この場合、例えば、移動部材39の移動方向に沿って中心軸38の直径を変化させることで、移動部材39と中心軸38の間の隙間の大きさを変化させてオイルの流通抵抗を変化させることができる。
<第2実施形態>
次に、図5を用いて、本発明の第2実施形態の速度調整部について説明する。
第2実施形態の速度調整部は、第1実施形態の速度調整部に類似しており、ワンウェイ機能(速度制御しない側への回転にはダンパトルクを発生させないか、著しく減少させる機能)を備えている点が異なる。
具体的な部材としては、移動部材39が内部流通路43および弁部材44を備えている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
移動部材39には、図5に示すように、中心軸38の軸方向に移動部材39を貫通している内部流通路43と、内部流通路43を開閉自在な弁部材44とが設けられている。
ボトムレール5が自重降下したときには、移動部材39が矢印X方向に移動し、その際に、弁部材44はオイルに押されて、図5(a)に示すように、内部流通路43を閉じる位置に移動する。
この状態では、オイルは隙間41のみを通じて、移動部材39の進行方向の前方から後方に移動可能である。したがって、移動部材39のオイルの流通抵抗が大きくなり、速度調整部36のブレーキ力が大きくなる。
一方、ボトムレール5が上がるときには、移動部材39が矢印Y方向に移動し、その際に、弁部材44がオイルによって押されて、図5(b)に示すように、内部流通路43を開く位置に移動する。
この状態では、オイルは、隙間41および内部流通路43の両方を通じて、移動部材39の進行方向の前方から後方に移動可能である。したがって、移動部材39のオイルの流通抵抗が小さくなり、速度調整部36のブレーキ力が大きくなる。
このように、第2実施形態では、弁部材44を用いて、移動部材39の移動方向によって、オイルの流通路の断面積を変化させることで、速度調整部36のブレーキ力を変化させることができる。
また、速度調整部36が簡易な構成であり、ボトムレール5が自重降下するときには、適切にブレーキ力を働かせることによって、ボトムレール5の降下速度が過度に大きくなることを抑制し、かつ速度制御しない側(ボトムレール5を上げるとき)には、ブレーキ力を低下させることで、ボトムレール5を上げるときの操作力の増大を抑制している。
スプリングなどの蓄勢力よる自動巻き取り機構を利用したブラインドに対して、本発明を適用するには、速度制御しない側(下げ方向)への回転で開弁するようにする。
横引きのウィンドウカバリングや仕切りにおける蓄勢力による自閉装置に適用する場合には、速度制御しない側(展開方向)への回転で開弁するようにする。
自開装置に適用する場合は、速度制御しない側(閉方向)への回転で開弁するようにする。
<第3実施形態>
次に、図6を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の速度調整部は、第1実施形態の速度調整部に類似しており、ハウジング37の内面37aがテーパ状になっておらず、別の手段によって、移動部材39の移動に伴うオイルの流通抵抗が変化するように構成されている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
第3実施形態の構成例1では、図6(b)に示すように、ハウジング37の内面37aに、移動部材39の移動方向に沿って延びる多数の溝45が設けられている。
収容空間40内のオイルは、溝45を通じて、移動部材39の進行方向の前方から後方に移動する。図6(b)に示すように、移動部材39が矢印X方向に移動するに従って、移動部材39の周囲に配置される溝45の数が増大するように、各溝45の軸方向の長さが異なっている。このため、オイルの流通路の断面積が段階的に増大し、オイルの流通抵抗が低下する。
移動部材39の矢印X方向に移動により、速度調整部36のブレーキ力は段階的に低下するものとなるが、ブラインドの高さと荷重との傾きに移動部材の移動量とブレーキ力との傾きを合わせるようにすればよい。
各段の増大ピッチをスクリーンの段階的な減少に合わせれば、スクリーンの下降に伴うトルク変化にさらに近似させることができる。
なお、ここでは、溝45の数を変化させたが、移動部材39の移動に伴って溝の幅または深さが変化するようにしてもよい。つまり、移動部材39の移動に伴って、移動部材39の周囲の溝の断面積が増大するように構成すればよい。
第3実施形態の構成例2では、図6(c)に示すように、ハウジング37の内面37aに多数の凹部46が設けられている。
収容空間40内のオイルは、凹部46を通じて、移動部材39の前方から後方に移動する。図6(c)に示すように、移動部材39が矢印X方向に移動するに従って、移動部材39の周囲に配置される凹部46の数が増大する。このため、オイルの流通路の断面積が増大し、オイルの流通抵抗が低減される。
なお、ここでは、凹部46の数を変化させたが、移動部材39の移動に伴って凹部の大きさまたは深さが変化するようにしてもよい。つまり、移動部材39の移動に伴って、移動部材39の周囲の凹部の断面積が増大するように構成すればよい。
第3実施形態の構成例3では、図6(d)に示すように、移動部材39の移動方向に沿ってハウジング37の内面37aの弾性係数を変化させている。
移動部材39が移動していないときは、ハウジング37と移動部材39の間には実質的に隙間がないかまたはハウジング37と移動部材39の間の隙間の大きさが移動部材39の移動方向に沿って実質的に変化しないが、移動部材39が矢印X方向に移動すると、オイルがハウジング37の内面37aを弾性変形させて流通路を形成して、移動部材の前方から後方に移動する。
そして、本構成例では、移動部材39が移動するに従って、内面37aの弾性係数が小さくなる。これにより、オイルの流通路が形成されやすくなり、オイルの流通抵抗が小さくなる。
そして、速度調整部36では、溝が最大の本数を有する部分に移動部材39が位置するとき、スクリーン4の自重降下時の折り目の収縮等により、スクリーン4が自重のみによって下がる位置から、スクリーン4の下限までの間を含む領域となり、巻取軸10に加えるブレーキ力が最低となるように構成されている。従って、下限付近においてスクリーン4をスムーズに下げることができる。
以上のように、ハウジング37の内面37aをテーパ状にしなくても、ハウジング37の内面37aを構成例1〜構成例3に示すように、簡易な構成で構成することによって、移動部材39の移動に伴ってオイルの流通抵抗を変化させることができ、スクリーンの自重が最小の位置やトルクギャップが最小の位置で途中停止することなく、スクリーンを確実に下げることができる。
<第4実施形態>
次に、図7を用いて、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態の速度調整部は、第1実施形態の速度調整部に類似しており、先細り形状の固定軸49を用いてオイルの流通抵抗を変化させる点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
第4実施形態では、移動部材39とハウジング37の内周の差は軸方向に一定であり、移動部材39の外周面とハウジング37の内周面との隙間がゼロか僅かな隙間しかなく、移動部材39に軸方向(移動部材39の移動方向)の貫通孔50が設けられている。この貫通孔50には、先細り形状(基端から先端に向かうに従って漸次縮径された形状)の固定軸49が挿通されている。
貫通孔50の断面積は、固定軸49の最大の断面積よりも大きいので、貫通孔50の内周面と固定軸49の外周面との間には隙間51が設けられている。
移動部材39が移動する際には、この隙間51を通じて、オイルが移動部材39の進行方向の前方から後方に移動する。移動部材39が矢印X方向に移動するに従って、隙間51が大きくなり、オイルの流通抵抗が低下する。
第1実施形態から第3実施形態の速度調整部36では、ハウジング37と移動部材39の間にオイルの流通路が設けられたが、第4実施形態の速度調整部36では、移動部材39の貫通孔50と固定軸49との間の隙間51がオイルの主な流通路となる。
移動部材39の移動に伴って隙間51の大きさを変化させることによって、オイルの流通抵抗を変化させ、スクリーンが下限の位置や巻取軸の駆動トルクが最小となる位置で、スクリーンの降下が停止しないブレーキ力となり、スクリーンを確実に下げることができる。
<第5実施形態>
次に、図8を用いて、本発明の第5実施形態について説明する。
第5実施形態の速度調整部は、第1実施形態の速度調整部に類似しており、可動プレート39bを用いてオイルの流通抵抗を変化させる点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
第5実施形態では、図8に示すように、移動部材39は、軸方向の貫通孔39dを有する本体部39aと、貫通孔39dを開閉可能な可動プレート39bを備える。
可動プレート39bは、移動部材39の外周面から突出した突起39cを有しており、突起39cは、ハウジング37の内面37aに設けられた溝53に係合する。
この例では、図8(b)の展開図に示すように、溝53は、ハウジング37の軸方向に対して傾斜している。
本体部39aの中心孔には、雌ねじ部39fが設けられており、本体部39aの外周面には、軸方向に溝39eが設けられている。雌ねじ部39fは、中心軸38に設けられた雄ねじ部38aに螺合される。
また、ハウジング37の内面37aに設けられた凸条52が、溝39e内に係合されており、移動部材39はハウジング37に対して相対回転不能に収容されている。
このような構成によって、移動部材39は、ハウジング37と中心軸38の間の相対回転に伴って中心軸38の軸方向に沿ってスライド移動する。
第5実施形態では、移動部材39が移動するときに、収容空間40内のオイルは、本体部39aの貫通孔39dを通じて、移動部材39の進行方向の前方から後方に移動する。
移動部材39が位置Pにあるときは、図8(g)に示すように、貫通孔39dが完全に閉じられているので、オイルの流通抵抗が大きく、従って、速度調整部36によって巻取軸に加えられるブレーキ力も大きい。
一方、移動部材39が矢印X方向に移動するに連れて突起39cが溝53に沿って移動することによって、可動プレート39bが回動する。
可動プレート39bの回動に伴って、図8(e)〜(f)に示すように、貫通孔39dが徐々に開き、オイルの流通抵抗が低下し、速度調整部36のブレーキ力が図8(h)のグラフに示すように変化する。
移動部材39が貫通孔39dの最大の位置Rか少し手前の位置で、スクリーンが途中停止しないブレーキ力とすることにより、スクリーンを確実に下げることができる。
また、位置Pの付近で自重降下に伴う降下速度を所定以下とすることにより、スクリーンの確実な開閉と自重降下開始の速度制御とを両立することができる。
<第6実施形態>
次に、図9を用いて、本発明の第6実施形態について説明する。
第6実施形態の速度調整部は、第5実施形態の速度調整部に類似しており、可動突出部材39kを用いてオイルの流通抵抗を変化させる点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
第6実施形態では、図9に示すように、移動部材39は、軸方向の貫通孔39hを有する本体部39aと、貫通孔39hを開閉可能な可動突出部材39kとを備えている。
可動突出部材39kは、本体部39aの外周面に形成された穴部に挿入されており、付勢部材39i(例ば、コイルスプリング)に付勢されることによって、図9(d)に示すように、その先端39gが本体部39aから突出している。
また、可動突出部材39kの軸方向の略中央部には、本体部39aの軸方向に貫通した貫通孔39jが形成されている。
ハウジング37の内面37aには、移動部材39の移動方向に沿って深さが変化する溝54が設けられており、移動部材39を収容空間40内に収容した状態では、可動突出部材39kの先端39gが溝54内の上端面に当接する。
第6実施形態では、ハウジング37の収容空間40内のオイルは、本体部39aの貫通孔39hを通じて、移動部材39の進行方向の前方から後方に移動する。
移動部材が位置Pにあるときは、可動突出部材39kの先端39gがハウジング37の内面37aに押されることによって、図9(e)に示す状態になる。この状態では、本体部39aの貫通孔39hと、可動突出部材39kの貫通孔39jとが連通しておらず、貫通孔39hが完全に閉じられている。このため、オイルの流通抵抗が大きくなり、速度調整部36のブレーキ力も大きくなる。
一方、移動部材39が矢印X方向に移動するに従って、先端39gが溝54に沿って移動する。溝54が深くなるに従って、位置Qに示すように、可動突出部材39kの先端39gが本体部39aの径方向の外側に突出する。
さらに、位置Rでは、図9(d)に示すように、先端39gの突出量がさらに増大し、これに伴って、本体部39aの貫通孔39hと、可動突出部材39kの貫通孔39jとの重なり(連通している面積)が大きくなり、オイルの流通抵抗が低下し、速度調整部36によって巻取軸に加えられるブレーキ力が低下する。
このような構成により、位置Rで速度調整部36のブレーキ力を低下させて、スクリーンを確実に下げることと、位置P付近でボトムレールの自重降下に伴う降下速度を所定以下とすることを両立することができる。
そして、スクリーンおよびボトムレールを自重降下させたときに、スクリーンの折り目の収縮により、スクリーンが自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に、位置Rを設定することで、スクリーンおよびボトムレールを下げたときの下限付近において、スクリーンをスムーズに下げることができる。
<第7実施形態>
次に、図10を用いて、本発明の第7実施形態について説明する。
第7実施形態の速度調整部は、第5実施形態の速度調整部に類似しており、磁力を用いてオイルの流通抵抗を変化させる点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
第7実施形態では、図10(b)に示すように、移動部材39の外周にマグネット57が設けられている。
また、ハウジング37の外周には、図10(a)に示すように、長手方向の一端側の部位(ブレーキ力一段増領域P)に鉄板などの磁性体55が設けられている。
このような構成によれば、磁性体55が設けられている位置に移動部材39が移動すると、マグネット57と磁性体55の間の引力によってハウジング37が収縮されることによって、移動部材39とハウジング37の間の隙間41が狭くなる。
また、マグネット57(移動部材39)が磁性体55内を移動するとき、磁性体55内に磁界の変化を妨げようとする渦電流が発生し、マグネットに移動部材39の移動を妨げる方向の制動力が作用する。このため、マグネット57が設けられた領域がブレーキ力一段増領域Pとなり、それ以外の領域が弱ブレーキ領域Rとなる。
第7実施形態では、オイルは、隙間41を通じて移動部材39の進行方向の前方から後方に移動するので、移動部材39の移動に伴って磁力によって隙間41の大きさを変化させることによって、オイルの流通抵抗を変化させることができる。
また、マグネットの移動速度が上昇すると、磁性体55内の渦電流により制動力が増大する。
このような構成により、領域Rでブレーキ力を弱めてスクリーンを確実に下げることと、領域Pでボトムレールの自重降下に伴う降下速度を所定以下とすることとを両立させることができる。
そして、スクリーンおよびボトムレールを自重降下させたときに、スクリーンの折り目の収縮により、スクリーンが自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に、位置Pから位置Rへの境界を設定することで、スクリーンおよびボトムレールを下げたときの下限付近において、スクリーンをスムーズに下げることができる。
なお、移動部材39に磁性体を設け、ハウジング37にマグネットを設けてもよい。
さらに、移動部材39とハウジング37の両方にマグネットを設けてもよい。移動部材39のマグネットとハウジング37のマグネットの間には、引力を働かせてよく、斥力を働かせてもよい。
これらの間に引力を働かせる場合には、ハウジング37のマグネットをハウジング37の外周に配置する。
また、移動部材39のマグネットとハウジング37のマグネットの間に斥力を働かせる場合には、ハウジング37のマグネットをハウジング37の内面に配置する。この場合、ハウジング37が斥力によって膨張することによって、移動部材39とハウジング37の間の隙間41が広げられて、オイルの流通抵抗が減少する。
<第8実施形態>
次に、図11を用いて、本発明の第8実施形態について説明する。
第8実施形態の速度調整部は、第5実施形態の速度調整部に類似しており、ハウジング37に設けたオイル流通路37dを用いて、移動部材39がオイルから受ける抵抗力を変化させる点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
第8実施形態では、移動部材39がハウジング37内に軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能に収容されている。
移動部材39の中心に中心軸38を螺合させ、中心軸38の回転に伴って、移動部材39が軸方向に移動するように構成されている。
スクリーンを下げたときの駆動軸12の下降方向の回転に連動して、中心軸38が回転すると、移動部材39が図11(a)の矢印Xの方向(右方向)に向かって移動するように構成されている。
ハウジング37の右端部には、オイル流通路37dが設けられている。オイル流通路37dは、移動部材39の移動方向に離間している第1開口部37eおよび第2開口部37fを備えている。
ボトムレールが下限から上方に離れた位置にある場合には、図11(a)に示すように、移動部材39が第2開口部37fよりも左側にあるために、オイル流通路37dを通じて移動部材39の進行方向の前後にオイルが流通せず、移動部材39がオイルから受ける抵抗力が大きくなる。
ボトムレールが自重降下して下限付近に到達すると、移動部材39が図11(c)の位置Sを通過して位置Tに到達する。この状態では、移動部材39は、第1開口部37eと第2開口部37fの間に位置している。
そして、移動部材39が位置Tから位置Uに向かって移動する際には、移動部材39の進行方向側にあるオイルが、第1開口部37eを通じてオイル流通路37dに流入し、第2開口部37fを通じて、移動部材39の後方に移動するので、移動部材39がオイルから受ける抵抗力が小さくなる。
以上の構成により、第8実施形態によれば、移動部材39が位置Sから位置Tに移動する間に、移動部材39がオイルから受ける抵抗力が急激に低下し、その低い抵抗力は移動部材39が位置Uに到達するまで継続される。
このように、図11(a)に示す領域Rが弱ブレーキ領域となる。そして、スクリーンおよびボトムレールを自重降下させたときに、スクリーンの折り目の収縮により、スクリーン4が自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に到達したときに、移動部材39が位置Sに到達するように設定する。これにより、ボトムレールの下限位置近傍でのブレーキ力を低下させて、ボトムレールを下限まで確実に下げることができ、スクリーンをスムーズに下げることができる。
なお、スクリーンが自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に到達する手前で移動部材39が領域Rに到達してもよい。
<第9実施形態>
次に、図12を用いて、本発明の第9実施形態について説明する。
第9実施形態の速度調整部は、第1実施形態の速度調整部に類似しており、移動部材39が中心軸38に固定されている点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
第9実施形態では、図12に示すように、移動部材39が中心軸38に固定されている。
中心軸38は、駆動軸12に連動して回転し、回転抵抗が反力として、駆動軸12にブレーキ力を与える。例えば、断面が四角形である角シャフトが、中心軸に設けられかつ角シャフトの外形と略同じ形状を有する角孔に挿通されることによって、角シャフトと中心軸とが相対回転不能かつ相対移動可能に係合される。
ハウジング37は、ヘッドボックスに対し軸方向に相対移動不能かつ相対回転不能に固定される。
中心軸38は、ヘッドボックス1に固定された台座59に螺合されており、中心軸38の回転に伴って、中心軸38が台座59に対して回転しながら軸方向に移動する。その際に、駆動軸12と中心軸38とは相対移動する。
また、中心軸38が回転しながら軸方向に移動することで、ハウジング37の収容空間40内で移動部材39が回転しながら軸方向に移動する。
ハウジング37の内面37aと移動部材39の外周面との間には僅かな隙間があり、移動部材39の軸方向への移動に伴って、移動部材39の進行方向の前方から後方に向かって隙間からオイルが移動する。
ハウジング37の内面37aは、図12に示すように、テーパ状に形成されているため、図12の右端に向かうに従って隙間が狭くなる。
移動部材39の移動に伴って、オイルの流通抵抗が変化する。スクリーンは、右端が上部、左端が下部になるよう組み付けられている。
したがって、スクリーンの荷重特性に近似するように、巻き戻し回転数が増大するに従って、速度調整部36のブレーキ力が低下して、スクリーンは下限付近で停止することなく巻き戻される。
なお、第9実施形態では、中心軸38はハウジング37を貫通していないが、ハウジング37を貫通するように構成してもよい。
<第10実施形態>
次に、図13を用いて、本発明の第10実施形態について説明する。
第10実施形態の速度調整部は、第9実施形態の速度調整部に類似しており、ワンウェイ機能(速度制御しない側への回転には、ダンパトルクを発生させないか、または、著しく減少させること)を備える点が異なる。以下、相違点を中心に説明する。
第10実施形態では、図13に示すように、移動部材39は、本体部39aと、可動リング39lとを備えている。
本体部39aは、固定ピン39tで中心軸38に固定される。中心軸38の先端は、可動リング39lの軸孔39rに挿通されている。
本体部39aに設けられかつ軸方向に突出する係合凸部39nが、可動リング39lに設けられかつ径方向に突出する係合凸部39o,39pの間に収容されるように、本体部39aと可動リング39lを重ねた状態で、その前後に固定リング39sを装着することによって、可動リング39lが本体部39aに対して回転可能に支持されている。
ボトムレールを上げたときには、中心軸38が矢印A方向に回転し、本体部39aの係合凸部39nが可動リング39lの係合凸部39oに当接した状態で、本体部39aと可動リング39lが一体回転する。
この状態では、本体部39aの貫通孔39mと、可動リング39lの貫通孔39qが重なり、これらの貫通孔を通じてオイルが流通可能となるので、オイルの流通抵抗が小さくなる。このため、ボトムレールを上げるために必要な操作力が小さくなる。
一方、ボトムレールが自重降下するときには、中心軸38が矢印B方向に回転し、本体部39aの係合凸部39nが可動リング39lの係合凸部39pに当接した状態で、本体部39aと可動リング39lとが一体回転する。
この状態では、本体部39aの貫通孔39mと、可動リング39lの貫通孔39qが重ならないので、オイルの流通抵抗が大きくなる。このため、ボトムレール5の自重降下時に適切なブレーキ力が生じる。
第10実施形態の速度調整部では、速度制御しない側(上げ方向)への回転で開弁するようにする。付勢力による自動上昇を行うウィンドウカバリングでは、速度制御しない側(下げ方向)への回転で開弁するようにする。
<第11実施形態>
次に、図14を用いて、本発明の第11実施形態について説明する。
第11実施形態の速度調整部は、第5実施形態の速度調整部に類似しており、溝53の形状が異なる点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
第5実施形態では、図8(b)に示す展開図において溝53が直線状になっているために、移動部材39の移動に伴って、本体部39aの貫通孔39dが徐々に閉じられてオイルの流通抵抗が徐々に変化するように構成されている。
しかしながら、第11実施形態では、溝53は、図14(a)に示すように、位置Sから位置Tの範囲では移動部材39の移動方向に平行になっているため、移動部材39が位置Sから位置Tに移動するまでの間は、図8(g)に示すように、貫通孔39dが閉じた状態で維持される。したがって、図14(b)のグラフに示すように、速度調整部36によるブレーキ力が大きくなる。
そして、位置Tから位置Uの範囲では溝53の傾斜角度が大きいので、移動部材39がこの範囲を移動する間に貫通孔39dが開かれて、図8(e)に示す状態になり、速度調整部36によるブレーキ力が低減される。
さらに、移動部材39が位置Uから位置Vに移動する間は、弱いブレーキ力が維持される。このため、位置Tから位置Vの間が弱ブレーキ領域Rとなる。
そして、スクリーンおよびボトムレールを自重降下させたときに、スクリーンの折り目の収縮により、スクリーンが自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に到達したときに、移動部材39が領域Rに到達するように設定することによって、ボトムレールの下限付近で、速度調整部のブレーキ力を低下させて、ボトムレールを下限まで確実に下げることができ、スクリーンをスムーズに下げることができる。
なお、スクリーンが自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に到達する手前で移動部材39が領域Rに到達してもよい。
<第12実施形態>
次に、図15を用いて、本発明の第12実施形態について説明する。
第1実施形態から第11実施形態では、移動部材39がオイルから受ける抵抗力を変化させることによって、巻取軸10の降下回転数の増大に応じて、巻取軸10に加えるブレーキ力を低下させている。
しかしながら、第12実施形態では、巻取軸10からダンパ装置67への回転の伝達または不伝達を切り替えることによって、巻取軸10の降下回転数の増大に応じて、巻取軸10に加えるブレーキ力を低下させている。以下、詳細に説明する。
第12実施形態では、図15に示すように、速度調整部36は、ダンパ装置67と、回転伝達ユニット71を備える。ダンパ装置67は、ダンパアダプタ67fを介してヘッドボックス1に固定されている。回転伝達ユニット71は、ヘッドボックス1に固定されたハウジング64内に収容されている。
ダンパ装置67は、ダンパケース67aと、ダンパケース67aに挿入されているダンパ軸67bとを有している。ダンパケース67a内の収容空間67eにはオイルが充填されている。
ダンパ軸67bには、フィン67dが設けられている。ダンパ軸67bがダンパケース67aに対して相対回転する際に、フィン67dが収容空間67e内でオイルの抵抗を受けながら回動することで、ダンパケース67aとダンパ軸67bの間の相対回転速度が減衰される。
なお、ダンパ装置67としては、ダンパケース67aとダンパ軸67bとの間の相対回転速度を減衰可能なものであれば他の構成であってもよい。
回転伝達ユニット71は、駆動軸12を通じて巻取軸の回転をダンパ装置67に伝達するものである。
具体的には、回転伝達ユニット71は、移動部材69と、ハウジング64に回転不能に固定されたネジ軸72と、ダンパ軸67bに回転不能に固定された平ギヤ軸75と、を備えている。
移動部材69は、フランジ73aを有する駆動平ギヤ73と、ネジ軸72に螺合されかつ駆動平ギヤ73に噛み合う伝達平ギヤ74と、を備えている。
伝達平ギヤ74は、平ギヤ軸75にも噛み合っており、駆動平ギヤ73の回転を平ギヤ軸75に伝達する。
駆動平ギヤ73は、駆動軸12に対して相対回転不能かつスライド移動可能に支持されているので、駆動平ギヤ73と駆動軸12とは一体に回転する。
駆動平ギヤ73の回転に伴って、伝達平ギヤ74が回転すると、伝達平ギヤ74は、ネジ軸72に沿って移動する。
伝達平ギヤ74は、駆動平ギヤ73に設けられた一対のフランジ73aの間に配置されているので、駆動平ギヤ73は、伝達平ギヤ74と共に移動する。
伝達平ギヤ74の回転は、平ギヤ軸75を介して、ダンパ軸67bに伝達される。
以上の構成によって、巻取軸の回転がダンパ装置67に伝達される。
伝達平ギヤ74が図15(c)の位置Fにまで到達すると、伝達平ギヤ74が平ギヤ軸75に噛み合わなくなる。この状態では、巻取軸10からダンパ装置67への回転の伝達が停止されるので、ダンパ装置67によるブレーキ力が巻取軸10に全く作用しない状態となる。
そして、スクリーンおよびボトムレールを自重降下させたときに、スクリーンの折り目の収縮により、スクリーン4が自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に、位置Fを設定することで、スクリーンおよびボトムレールを下げたときの下限付近において、スクリーンをスムーズに下げることができる。
伝達平ギヤ74が図15(c)に示す弱ブレーキ領域Rにある状態から、駆動軸12がボトムレール5の上昇方向に回転すると、伝達平ギヤ74は、駆動平ギヤ73と共に、図15(c)の右方向に向かって移動し、位置Fを過ぎると、再度、平ギヤ軸75に噛み合うようになる。
そして、ボトムレール5が上限に到達したときには、伝達平ギヤ74および駆動平ギヤ73は、所定の上限位置に戻るように構成されている。
<第13実施形態>
次に、図18を用いて、本発明の第13実施形態について説明する。
第13実施形態の速度調整部は、第8実施形態の速度調整部に類似しており、駆動軸12から中心軸38への回転の伝達および不伝達を切り替える機構を有している点が主な相違点である。以下、相違点を中心に説明する。
第13実施形態では、図18(c)に示すように、中心軸38の中心部に軸方向の円形断面の貫通孔38bが形成されている。この貫通孔38bには、駆動軸12が相対回転自在に挿通されている。
中心軸38の一端には、図18(b)に示すように、ハウジング37から突出している連結部38cが形成されている。連結部38cの外端面には歯部が形成されている。
また、駆動軸12には、ハウジング37の一方の外側(図18(b)の右側)に連結部12aが設けられている。
駆動軸12の連結部12aには、図18(d)に示すように、矩形断面の貫通孔12bが形成されており、この貫通孔38dに矩形断面の駆動軸12が挿通されている。これにより、連結部12aは駆動軸12に対して軸方向にスライド自在かつ回転不能に取り付けられている。
また、駆動軸12の連結部12aには、中心軸38の連結部38cに噛み合う歯部が形成されている。
第13実施形態の速度調整部36では、図18(b)に示すように、中心軸38の連結部38cから駆動軸12の連結部12aを離した状態で、移動部材39を位置U(下限位置)に配置する。そして、図18(e)に示すように、昇降コード7を巻取軸10に僅かに巻き取り、ボトムレール5の下限位置を設定した状態で、駆動軸12の連結部12aを中心軸38の連結部38cに噛み合わせる。これにより、ボトムレール5の下限を所望の位置に設定することができる。
<第14実施形態>
次に、図19を用いて、本発明の第14実施形態について説明する。
第1実施形態から第13実施形態の速度調整部では、ハウジング37と移動部材39との間の隙間の断面積を変化させることで、巻取軸10の降下回転数の増大に応じて巻取軸に加えられるブレーキ力を低下させている。
しかしながら、第14実施形態の速度調整部では、巻き取り軸の回転に連動して往復する移動部材39の位置により、単位回転数あたりの軸方向への移動部材39の移動速度を変化させることで、巻取軸の降下回転数の増大に応じて、巻取軸に加えられるブレーキ力が低下するように構成されている。以下、詳細に説明する。
第14実施形態の速度調整部36は、図19(a)に示すように、ハウジング37と、ハウジング37内に挿入された中心軸38と、ハウジング37内に収容された移動部材39とを備えている。
中心軸38には、図19(b)に示すように、矩形断面の貫通孔38bが軸方向に形成されている。この貫通孔38bに矩形断面の駆動軸12が挿通されることで、中心軸38に対して駆動軸12が回転不能に連結されている。
また、中心軸38の外周面には、図19(a)に示すように、螺旋状の溝38dが形成されている。溝38dは、図19の左端部から右端部に向かうに従って段階的にピッチが小さくなっている。すなわち、領域Aでは溝38dのピッチが大きく、領域Bでは領域Aよりも溝38dのピッチが小さく、領域Cでは領域Bよりも溝38dのピッチが小さくなっている。
ハウジング37の内面37a(内周面)と、移動部材39の外周面との間には、隙間41が設けられている。この隙間41は、移動部材39がハウジング37内を軸方向に移動しても変化することなく一定である。また、ハウジング37内の収容空間40内にはオイルが充填されている。なお、図19(a)ではオイルシールは省略している。
また、ハウジング37の内面37aと、移動部材39の外周面との間に隙間41を設けることなく密着させ、移動部材39の前後の空間に連通する流通路を移動部材39自身に形成し、オリフィスを設けてもよい。
移動部材39は、中心軸38に外嵌されている。図19(b)に示すように、ハウジング37の内周面に軸方向に形成された凸条37cに、移動部材39の外周面に形成された軸方向の凹溝39eが嵌め合わされている。これにより、移動部材39は、ハウジング37に対して相対回転不能に係合されている。
また、移動部材39の内周面に突設された係合突起37dが中心軸38の溝38dに係合されている。この構成では、中心軸38の回転に伴って、係合突起37dはピッチが不等間隔の溝38dに案内されて、中心軸38の軸方向にスライド移動自在となっている。
なお、移動部材39は、ボールねじ機構によって、中心軸38の溝38dに連結してもよい。
このような構成では、中心軸38の回転に伴って、移動部材39が中心軸38の軸方向にスライド移動する。移動部材39が移動する際に、収容空間40内のオイルが、移動部材39の進行方向の前方から隙間41を通って後方に移動する。
また、第14実施形態の速度調整部36では、中心軸38において、領域A(図19の左側)では、溝38dのピッチが大きいため、移動部材39の移動速度が速くなる。
また、中心軸38において、領域C(図19の右側)では、溝38dのピッチが小さいため、移動部材39の移動速度が遅くなる。
したがって、中心軸38において、領域Aを移動部材39が移動しているときは、オイルの流通抵抗が大きくなり、移動部材39がオイルから受ける抵抗力が大きくなるため、中心軸38に加わるブレーキ力が大きくなる。
中心軸38において、領域Cを移動部材39が移動しているときは、オイルの流通抵抗が小さくなり、移動部材39がオイルから受ける抵抗力が小さくなるため、中心軸38に加わるブレーキ力が小さくなる。
プリーツスクリーンには、移動部材39がX方向に移動する際に、スクリーンが上昇するように、巻取軸が回転する向きを設定して、巻取軸を貫通させて組み込む。
したがって、第14実施形態の速度調整部36では、巻取軸の降下回転数の増加に伴って、速度調整部36のブレーキ力が段階的に低下する(図19(c)のグラフ参照)。
そして、スクリーンおよびボトムレールを自重降下させたときに、スクリーンの折り目の収縮により、スクリーン4が自重のみによって下がる位置(図22(b)の位置H2)に到達すると、移動部材39が領域Cに到達するように設定することで、スクリーンおよびボトムレールを下げたときの下限付近において、スクリーンをスムーズに下げることができる。
なお、螺旋状の溝38dを段階的ではなく、軸方向において徐々にリード角を減少させることにより、中心軸38に対して無段階にブレーキ力が小さくなるように構成してもよい。
<第15実施形態>
次に、図20を用いて、本発明の第15実施形態について説明する。
第15実施形態の速度調整部では、プリーツスクリーンの巻取軸の回転に連動して往復移動する移動部材39の往復移動領域内の位置により、巻取軸からの入力回転を無段階に変速する無段階変速手段により、ダンパケース内のフィンの回転速度を変化させることで、巻取軸の降下回転数の増大に応じて、速度調整部のブレーキ力を低下させている。以下、詳細に説明する。
第15実施形態の速度調整部36では、図20(a)に示すように、駆動軸12がハウジング37内に横方向に挿通されている。
また、駆動軸12には、移動部材110が外嵌されている。移動部材110は、駆動軸12に対して軸方向に相対スライド移動可能かつ相対回転不能に係合されている。
移動部材110には、図21(a)に示すように、六角形の断面の貫通孔110bが軸方向に形成されている。この貫通孔110bに六角形の断面の駆動軸12が挿通されることで、中心軸38に対して駆動軸12がスライド移動自在かつ回転不能に連結されている。
移動部材110は、円筒状の部材であり、図20(a)に示すように、外周面にねじ溝110aが形成されている。移動部材110の一端部(図20(a)の左端部)は、駆動伝達部111が一体的に形成されている。また、移動部材110の他端部(図20(a)の右端部)は、ハウジング37の側壁に形成されたねじ穴37bに螺合されている(図21(a)参照)。
このような移動部材110は、駆動軸12の回転に伴って回転すると、ハウジング37のねじ穴37bに送られて軸方向に移動する(図20(b)参照)。
ハウジング37内において、駆動軸12の下方には、ダンパケース120が収容されている。ダンパケース120は、円錐台形状の部材(無段階変速手段)であり、支持軸121が挿通されている。ダンパケース120は、支持軸121に回転自在に取り付けられている。
支持軸121の両端部は、ハウジング37の一対の側壁の内面に回転不能に支持されている。支持軸121の軸線方向は、駆動軸12の軸線方向に対して傾斜している。
第15実施形態では、駆動軸12の軸線方向は水平に配置されている。これに対して、支持軸121の軸線方向は、図20(a)の左端部よりも右端部が下方に配置されるように傾斜している。
したがって、ダンパケース120は、移動部材110の下方で傾斜した状態で支持軸121回りに回転する。
ダンパケース120は、側面視において上側の側縁部が駆動軸12の軸線方向に平行に配置されている。そして、図21(a)に示すように、ダンパケース120の外周面には、駆動伝達部111の外周部が接している。
したがって、図20(b)に示すように、駆動軸12の回転に伴って、移動部材110が回転し、駆動伝達部111が回転すると、駆動伝達部111によってダンパケース120に回転が伝達され、ダンパケース120が支持軸112回りに回転する(図21(a)参照)。
なお、駆動伝達部111とダンパケース120との間で摩擦係数が大きくなるように、ダンパケース120の外周面の表面粗さが大きくなっている。
ダンパケース120内には、図21(b)および(c)に示すように、円錐台形状の収容空間122が形成されている。収容空間122にはオイルが充填されている。また、収容空間122の中心部に支持軸121が挿通されている。
さらに、収容空間122内には、ダンパケース120の内面に突設された2枚のフィン123,123が収容されている。両フィン123,123の先端面と、支持軸121の外周面との間には隙間124が形成されている。
フィン123には、貫通孔123a(ワンウェイ手段)が形成されている。フィン123の一方の側面には、貫通孔123aを塞ぐとともに、貫通孔123aの開口部を開閉自在な板ばね125(ワンウェイ手段)が設けられている。
ダンパケース120が矢印A方向に回転したときには、板ばね125はオイルに押されて閉じた状態となり、隙間124のみを通じて、フィン123の回転方向の前方から後方にオイルが移動する。
一方、ダンパケース120が矢印B方向に回転したときには、板ばね125はオイルに押されて開いた状態となり、隙間124および貫通孔123aを通じて、フィン123の回転方向の前方から後方にオイルが移動する。
このように、ダンパケース120では、矢印A方向に回転したときよりも、矢印B方向に回転したときの方が、フィン123がオイルから受ける抵抗が低下する(ワンウェイ機能)。
第15実施形態の速度調整部36では、ボトムレールが上限に位置しているときに、図20(a)に示す状態となるように設定されている。
ボトムレールの自重降下に伴って、駆動軸12がA方向に回転すると、図20(b)に示すように、移動部材110が図20(b)の左側から右側に向けて移動する。
このとき、ダンパケース120は、図21(c)に示すように、矢印A方向に回転し、フィン123がオイルから受ける抵抗によって、駆動軸12にブレーキ力が加えられる。
駆動伝達部111は、ダンパケース120の外周面を転動しており、移動部材110が図20(b)の右側に向かうに従って、駆動伝達部111に対するダンパケース120の回転比が大きくなる。すなわち、移動部材110が図20(b)の右側に向かうに従って、ダンパケース120の回転速度が遅くなり、フィン123がオイルから受ける抵抗が小さくなる。これにより、巻取軸の降下回転数の増加に伴って、駆動軸12に加えられるブレーキ力が徐々に低下する。
ボトムレールを上げるときには、図20(b)に示すように、駆動軸12がB方向に回転する。これにより、移動部材110が図20(b)の右側から左側に向けて移動する。
このとき、ダンパケース120は、図21(c)に示すように、矢印B方向に回転し、貫通孔123aをオイルが流通する。したがって、ボトムレールを上げるときには、フィン123がオイルから受ける抵抗力が小さいため、ボトムレールを低い操作力で上げることができる。
なお、第15実施形態の速度調整部36では、円錐台形状のダンパケース120の回転速度を無段階に変化させているが、円筒状のオイルダンパのケースまたは中心軸に対して、駆動軸から他の無段階変速手段(可変径プーリーベルト機構やトロイダル式など)を介して回転を伝達し、駆動軸の回転に伴って移動する移動部材の移動に伴い移動範囲内における移動部材の存在位置によって無段階変速手段の変速比を可変させ、無段階にオイルダンパのケースまたは中心軸の速度が上昇或いは下降するようにして、巻取軸に加えられるブレーキ力を変化させるように構成してもよい。
1 ヘッドボックス
4 スクリーン
5 ボトムレール
7 昇降コード
10 巻取軸
12 駆動軸
12a 連結部
33 ピッチ保持コード
36 速度調整部
37 ハウジング
38 中心軸
39 移動部材
40 収容空間

Claims (11)

  1. 遮蔽装置に用いられる速度調整装置であって、
    オイルを収容するハウジングと、
    前記ハウジング内に収容されている移動部材と、を備え、
    前記移動部材は、遮蔽材を駆動させるための巻取軸の回転に伴って往復移動するとともに、前記遮蔽材が降下しているときに一方向に移動し、
    一方向に移動しているときの前記移動部材の存在位置の変化に伴って、前記移動部材が前記オイルから受ける抵抗力が小さくなることを特徴とする速度調整装置。
  2. 前記移動部材が一方向に移動するに従って、前記移動部材が前記オイルから受ける抵抗 力が小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の速度調整装置。
  3. 前記移動部材が所定の位置まで一方向に移動する間は、前記移動部材が前記オイルから 受ける抵抗力が維持され、
    前記移動部材が所定の位置から一方向に移動するに従って、前記移動部材が前記オイル から受ける抵抗力が小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の 速度調整装置。
  4. 前記移動部材の移動に伴って、前記オイルが前記移動部材を通過するための流通路の断面積が変化するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の速度調整装置
  5. 前記移動部材が一方向に移動するに従って、前記流通路の断面積が大きくなるように構 成されていることを特徴とする請求項4に記載の速度調整装置。
  6. 前記移動部材の移動に伴って、前記オイルが前記移動部材を流通経路から迂回するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の速度調整装置
  7. 前記巻取軸の回転に伴って、前記移動部材の移動速度が変化することで、前記移動部材が前記オイルから受ける抵抗力が変化するように構成されていることを特徴とする請求項 に記載の速度調整装置
  8. 前記移動部材が一方向に移動するに従って、前記移動部材の移動速度が遅くなるように 構成されていることを特徴とする請求項7に記載の速度調整装置。
  9. 前記移動部材の移動に伴って回転する回転体を有しており、
    前記回転体の回転速度が変化することで、前記移動部材が前記回転体を介して前記オイルから受ける抵抗力が変化するように構成されていることを特徴とする請求項に記載の 速度調整装置
  10. 前記オイルの粘性を変化させることで、前記移動部材が前記オイルから受ける抵抗力を 調整可能であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の速度調整 装置
  11. 前記遮蔽材を自重降下させたときに、前記巻取軸に加えるブレーキ力を低下させ、少なくとも前記遮蔽材が自重のみによって下がる位置から下限までの間において、前記ブレーキ力が最低制動力になるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項10 のいずれか一項に記載の速度調整装置
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