JP6741616B2 - 収容体、収容体の製造方法、及び、硬化膜の製造方法 - Google Patents

収容体、収容体の製造方法、及び、硬化膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、収容体、収容体の製造方法、及び、硬化膜の製造方法に関する。
従来、着色剤を含有する硬化性組成物は、種々の用途の適用されている。
着色剤を含有する硬化性組成物は、例えば、画像表示装置(例えば、液晶表示装置、及び、有機EL(electro luminescence)装置等)、及び、固体撮像装置等が備える遮光膜の作製に使用されてきた。
具体的には、画像表示装置等が備えるカラーフィルタは着色画素間の光を遮蔽し、コントラストを向上させる等の目的で、ブラックマトリクスと呼ばれる遮光膜を備えている。
また、固体撮像素子は、ノイズ発生防止、及び、画質の向上等を目的として、遮光膜を備えている。現在、携帯電話及びPDA(Personal Digital Assistant)等の電子機器の携帯端末には、小型で薄型な固体撮像装置が搭載されている。このような固体撮像装置は、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ及びCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子と、固体撮像素子上に被写体像を形成するためのレンズと、を備えている。
特に遮光膜用としては、高い遮光性を有する遮光膜を得るために、着色剤として無機顔料を用いた硬化性組成物が知られている。このような硬化性組成物として、特許文献1には、遮光材、アルカリ可溶性樹脂、光重合開始剤、反応性モノマー及び有機溶剤を含有する感光性黒色樹脂組成物であって、遮光材として少なくともチタン窒化物粒子を含有し、所定の光学特性を有する塗膜を形成することができる感光性黒色樹脂組成物が記載されている。
特開2010−97210号公報
本発明者らは、特許文献1に記載された感光性黒色樹脂組成物を容器に収容し、上記容器に収容された感光性黒色樹脂組成物を容器から取り出し、取り出した感光性黒色樹脂組成物を用いて硬化膜を作製したところ、硬化膜の基板に対する密着性にばらつきがあり、かつ、得られる硬化膜の反射率が高い、という問題があることを明らかとした。
そこで、本発明は、基板に対する密着性のばらつき(以下、単に「密着性のばらつき」ともいう。)が小さく、かつ、優れた低反射性を有する硬化膜を得ることができる、収容体(容器と、容器に収容された硬化性組成物を含有する。)を提供することを課題とする。また本発明は、収容体の製造方法、及び、硬化膜の製造方法を提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 容器と、容器に収容された硬化性組成物と、を含有する収容体であって、硬化性組成物の収容量が容器の全内容積の30体積%以上であり、硬化性組成物が、無機顔料と、重合性化合物と、アルカリ可溶性樹脂と、を含有し、後述する要件1を満たす、収容体。
[2] 更に、後述する要件2を満たす、[1]に記載の収容体。
[3] 更に、後述する要件3を満たす、[1]又は[2]に記載の収容体。
[4] 硬化性組成物の25℃における粘度が、2.0〜5.0mPa・sである、[1]〜[3]のいずれかに記載の収容体。
[5] 硬化性組成物の収容量が容器の全内容積の30体積%を超えて、87.5体積%未満である、[1]〜[4]のいずれかに記載の収容体。
[6] 硬化性組成物の固形分含有量が、硬化性組成物の全質量に対して、15質量%を超える、[1]〜[5]のいずれかに記載の収容体。
[7] 無機顔料の含有量が、硬化性組成物の全固形分に対し、55質量%未満である、[1]〜[6]のいずれかに記載の収容体。
[8] 無機顔料の密度が、2.5g/cm以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載の収容体。
[9] 硬化性組成物が更に分散剤を含有し、硬化性組成物中における分散剤の含有量とアルカリ可溶性樹脂の含有量の和に対する、無機顔料の含有量の含有質量比が、0.5を超え、1.0未満である、[1]〜[8]のいずれかに記載の収容体。
[10] 無機顔料が、チタンブラックを含有する、[1]〜[9]のいずれかに記載の収容体。
[11] 硬化性組成物が、遮光膜の形成用である[1]〜[10]のいずれかに記載の収容体。
[12] 遮光膜が、固体撮像素子の形成用である、[11]に記載の収容体。
[13] 無機顔料と、重合性化合物と、アルカリ可溶性樹脂と、を含有する硬化性組成物を、容器の全内容積の30体積%以上となるように、収容する工程と、硬化性組成物が収容された容器を静置して、後述する要件1を満たす収容体を得る、[1]〜[12]のいずれか1項に記載の収容体を製造する、収容体の製造方法。
[14] 容器と、容器に収容された硬化性組成物と、を含有する収容体であって、硬化性組成物の収容量が容器の全内容積の30体積%以上であり、硬化性組成物が、無機顔料と、重合性化合物と、アルカリ可溶性樹脂と、を含有し、後述する要件4を満たす収容体を振とうさせる工程と、振とうさせた収容体を静置して、後述する要件1を満たす収容体を得る、[1]〜[12]のいずれかに記載の収容体を製造する、収容体の製造方法。
[15] 振とうは、水平往復振とう、及び、回転振とうからなる群から選択される少なくとも1種であり、水平往復振とうにおける振幅が10mm以上である、[14]に記載の収容体の製造方法。
[16] [1]〜[12]のいずれかに記載の収容体を用いて、硬化膜を製造する硬化膜の製造方法であって、収容体から取り出した硬化性組成物を用いて硬化性組成物層を形成する工程と、硬化性組成物層に活性光線又は放射線を照射することにより露光する工程と、露光後の硬化性組成物層を現像して硬化膜を形成する工程と、を有する、硬化膜の製造方法。
[17] [14]に記載の製造方法で製造された収容体からから取り出した硬化性組成物を用いて硬化性組成物層を形成する工程と、硬化性組成物層に活性光線又は放射線を照射することにより露光する工程と、露光後の硬化性組成物層を現像して硬化膜を形成する工程と、を有する、硬化膜の製造方法。
本発明によれば、密着性のばらつきが小さく、かつ、優れた低反射性を有する硬化膜を得ることができる(以下、「本発明の効果を有する」ともいう。)収容体を提供することができる。また、本発明によれば、収容体の製造方法、及び、硬化膜の製造方法も提供することができる。
固体撮像装置の構成例を示す概略断面図である。 図1の撮像部を拡大して示す概略断面図である。 赤外線センサの構成例を示す概略断面図である。 特定収容体を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を含有しないものと共に置換基を含有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を含有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を含有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含する。
また、本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、遠紫外線、極紫外線(EUV:Extreme ultraviolet)、X線、及び電子線等を意味する。また本明細書において光とは、活性光線及び放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、遠紫外線、X線、及びEUV等による露光のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画も包含する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタアクリレートを表す。また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタアクリルを表す。また、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びメタクリロイルを表す。また、本明細書において、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド及びメタアクリルアミドを表す。また、本明細書中において、「単量体」と「モノマー」とは同義である。単量体は、オリゴマー及びポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書中において、重合性化合物とは、重合性基を含有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性基とは、重合反応に関与する基をいう。
[収容体]
本発明の実施形態に係る収容体は、容器と、容器に収容された硬化性組成物と、を含有する収容体であって、硬化性組成物の収容量が容器の全内容積の30体積%以上であり、硬化性組成物が、無機顔料と、重合性化合物と、アルカリ可溶性樹脂と、を含有し、以下の要件1を満たす、収容体である。
要件1:硬化性組成物の液面から深さ方向に向かって硬化性組成物の全深さの10%の深さに相当する位置を上部位置とし、硬化性組成物の液面から深さ方向に向かって硬化性組成物の全深さの90%の深さに相当する位置を下部位置とし、硬化性組成物の液面から深さ方向に向かって硬化性組成物の全深さの100%の深さに相当する位置を最下部位置とし、収容体内における硬化性組成物の液面位置から上部位置までの領域における硬化性組成物を上部液とし、かつ、下部位置から最下部位置までの領域における硬化性組成物を下部液としたとき、上部液中の全固形分に対する、上部液中のアルカリ可溶性樹脂の含有量Bと、下部液中の全固形分に対する、下部液中のアルカリ可溶性樹脂の含有量Bとが、以下の式(1)を満たす。
式(1) 1.00<B/B≦1.10
上記収容体は、硬化性組成物の収容量が容器の全容積の30体積%以上である。硬化性組成物の収容量が容器の全容積の30体積%以上であると、硬化性組成物に気泡が混入しにくく、得られる硬化膜の密着性のばらつきが小さくなりやすいものと推測される。
また、上記収容体は、収容された硬化性組成物のB/Bが1.00より大きく、1.10以下である。B/Bが1.00より大きいと、上記収容体から取り出した硬化性組成物を用いて得られた硬化膜は、基材との優れた密着性を有し、かつ、硬化膜の表面が適度な粗さとなり、優れた低反射性をも有する。一方、B/Bが1.10以下であると、硬化性組成物は十分に均一であり、上記収容体から取り出した硬化性組成物を用いて得られた硬化膜は、基材との優れた密着性を有する。
上記実施形態に係る収容体は、容器と、容器に収容された硬化性組成物を含有し、硬化性組成物の収容量が容器の全内容積の30体積%以上であり、硬化性組成物が、無機顔料と、重合性化合物と、アルカリ可溶性樹脂と、を含有し、上記要件1を満たす、収容体である。本明細書において、上記要件を満たす収容体を特定収容体といい、以下では、特定収容体の部材、及び、収容される硬化性組成物の成分について説明する。
〔容器〕
特定収容体は、容器を含有する。容器としては特に制限されず、公知の容器を用いることができる。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する特定収容体が得られる点で、容器内のクリーン度が高く、不純物の溶出が少ないものが好ましい。
使用可能な容器としては、例えば、アイセロ化学(株)製の「クリーンボトル」シリーズ、及び、コダマ樹脂工業製の「ピュアボトル」等が挙げられるが、これらに制限されない。
容器としては、収容する硬化性組成物への不純物混入(コンタミ)防止を目的として、容器内壁を6種の樹脂による6層構造とした多層ボトル、又は、6種の樹脂による7層構造とした多層ボトルを使用することも好ましい。これらの容器としては例えば特開2015−123351号公報に記載の容器が挙げられる。
容器の内容積としては特に制限されないが、一般に100〜3000mlが好ましい。
この容器の接液部は、非金属材料、又は、金属材料により形成されたものであることが好ましい。上記非金属材料としては、特に制限されず、公知の材料を用いることができる。非金属材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合体樹脂、三フッ化塩化エチレン−エチレン共重合樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、三フッ化塩化エチレン共重合樹脂、及び、フッ化ビニル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられるが、これに制限されない。
特に、上記のなかでも、接液部がポリフルオロカーボンである容器を用いる場合、接液部がポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、又はポリエチレン−ポリプロピレン樹脂である容器を用いる場合と比べて、エチレン又はプロピレンのオリゴマーの溶出という不具合の発生を抑制できる。
このような接液部がポリフルオロカーボンである容器の具体例としては、例えば、Entegris社製 FluoroPurePFA複合ドラム等が挙げられる。また、特表平3−502677号公報の第4頁等、国際公開第2004/016526号の第3頁等、及び、国際公開第99/46309号の第9頁及び16頁等に記載の容器も用いることができる。なお、非金属材料の接液部とする場合、非金属材料中の薬液への溶出が抑制されていることが好ましい。
上記金属材料としては、特に制限されず、公知の材料を用いることができる。
金属材料としては、例えば、クロム及びニッケルの含有量の合計が金属材料全質量に対して25質量%超である金属材料が好ましく、なかでも、30質量%以上がより好ましい。金属材料におけるクロム及びニッケルの含有量の合計の上限値としては特に制限されないが、一般に90質量%以下が好ましい。
金属材料としては例えば、ステンレス鋼、及びニッケル−クロム合金等が挙げられる。
ステンレス鋼としては、特に制限されず、公知のステンレス鋼を用いることができる。なかでも、ニッケルを8質量%以上含有する合金が好ましく、ニッケルを8質量%以上含有するオーステナイト系ステンレス鋼がより好ましい。オーステナイト系ステンレス鋼としては、例えばSUS(Steel Use Stainless)304(Ni含有量8質量%、Cr含有量18質量%)、SUS304L(Ni含有量9質量%、Cr含有量18質量%)、SUS316(Ni含有量10質量%、Cr含有量16質量%)、及びSUS316L(Ni含有量12質量%、Cr含有量16質量%)等が挙げられる。
ニッケル−クロム合金としては、特に制限されず、公知のニッケル−クロム合金を用いることができる。なかでも、ニッケル含有量が40〜75質量%で、クロム含有量が1〜30質量%のニッケル−クロム合金が好ましい。
ニッケル−クロム合金としては、例えば、ハステロイ(商品名、以下同じ。)、モネル(商品名、以下同じ)、及びインコネル(商品名、以下同じ)等が挙げられる。より具体的には、ハステロイC−276(Ni含有量63質量%、Cr含有量16質量%)、ハステロイ−C(Ni含有量60質量%、Cr含有量17質量%)、及び、ハステロイC−22(Ni含有量61質量%、Cr含有量22質量%)等が挙げられる。
また、ニッケル−クロム合金は、必要に応じて、上記した合金の他に、更に、ホウ素、ケイ素、タングステン、モリブデン、銅、及びコバルト等を含有していてもよい。
金属材料は、接液部が電解研磨されていてもよい。金属材料を電解研磨する方法としては特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、特開2015−227501号公報の0011〜0014段落、及び、特開2008−264929号公報の0036〜0042段落等に記載された方法を用いることができる。
電解研磨されたステンレス鋼は、電解研磨されることにより表面の不動態層におけるクロムの含有量が、母相のクロムの含有量よりも多くなっているものと推測される。そのため、接液部が電解研磨された金属材料から形成された容器からは、硬化性組成物中に金属原子を含有する金属不純物が流出しにくいと推測される。
ステンレス鋼中におけるFe原子の含有量に対するCr原子の含有量の含有質量比(以下、「Cr/Fe」ともいう。)としては特に制限されないが、一般に、0.5〜4が好ましく、なかでも、容器内で保管される硬化性組成物中に不純物金属、及び/又は、有機不純物が更に溶出しにくい点で、0.5を超え、3.5未満がより好ましい。
上記ステンレス鋼中のCr/Feを調整する方法としては特に制限されず、ステンレス鋼中のCr原子の含有量を調整する方法、及び、電解研磨により、研磨表面の不動態層におけるクロムの含有量が、母相のクロムの含有量よりも多くする方法等が挙げられる。
容器は、硬化性組成物を収容前にその内部が洗浄されることが好ましい。洗浄に用いる液体としては、上記硬化性組成物そのもの、又は、上記硬化性組成物を希釈したものが好ましい。
保管における溶液中の成分の変化を防ぐ目的で、容器内を純度99.99995体積%以上の不活性ガス(チッソ、又はアルゴン等)で置換しておいてもよい。特に、含水率が少ないガスが好ましい。また、輸送、保管に際しては、常温でもよいが、変質を防ぐため、−20℃から30℃の範囲に温度制御してもよい。
〔硬化性組成物〕
特定収容体は、上記容器に収容された硬化性組成物を含有する。上記硬化性組成物は、無機顔料、重合性化合物、及び、アルカリ可溶性樹脂を含有する。
容器中における硬化性組成物の収容量は、全内容積の30体積%以上であるが、より優れた本発明の効果を有する収容体が得られる点で、容器中における硬化性組成物の収容量は、30体積%を超えることが好ましく、上限としては特に制限されないが、92.5質量%以下が好ましく、87.5質量%以下がより好ましく、87.5質量%未満が更に好ましい。なお、例えば、容器の容積が100mlであり、硬化性組成物が30ml収容されている場合、硬化性組成物の収容量は30体積%と計算される。
容器中における硬化性組成物の収容量が、30質量%を超え、87.5質量%未満であると、特定収容体はより優れた本発明の効果を有する。
<無機顔料>
硬化性組成物は無機顔料を含有する。
硬化性組成物中における無機顔料の含有量としては特に制限されないが、一般に、硬化性組成物の全固形分に対して、20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、60質量%未満が更に好ましく、55質量%未満が特に好ましい。硬化性組成物中における無機顔料の含有量が55質量%未満であると、得られる硬化膜の密着性のばらつきがより小さくなる。
無機顔料は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の無機顔料を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(密度)
無機顔料の密度としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有する収容体が得られる点で、2.5g/cm以上が好ましく、3.0g/cm以上がより好ましい。上限値としては特に制限されないが、一般に6.0g/cm以下が好ましい。
なお、無機顔料を2種以上併用する場合、上記密度は、硬化性組成物中における各無機顔料の質量分率と、各無機顔料の密度との積の総和を意図する。
無機顔料としては、特に制限されず、公知の無機顔料を用いることができる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、亜鉛華、鉛白、リトポン、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、鉛丹、酸化鉄赤、黄鉛、亜鉛黄(亜鉛黄1種、亜鉛黄2種)、ウルトラマリン青、プロシア青(フェロシアン化鉄カリ)ジルコングレー、プラセオジムイエロー、クロムチタンイエロー、クロムグリーン、ピーコック、ビクトリアグリーン、紺青(プルシアンブルーとは無関係)、バナジウムジルコニウム青、クロム錫ピンク、陶試紅、及び、サーモンピンク等が挙げられる。また、黒色の無機顔料としては、硬化性組成物中における含有量が少なくとも、より高い遮光性を有する硬化膜が得られる点で、カーボンブラック、及び金属顔料等(以下、「黒色顔料」ともいう。)が好ましい。金属顔料としては、例えば、Nb、V、Co、Cr、Cu、Mn、Ru、Fe、Ni、Sn、Ti、及びAgからなる群より選ばれる1種又は2種以上の金属元素を含む金属酸化物、金属窒化物(金属酸窒化物を含む)及び、金属炭化物(例えばTiC等)等が挙げられる。
無機顔料としては、含有量が少なくても、高い光学濃度を有する硬化膜を形成することができる硬化性組成物が得られる点で、カーボンブラック、チタンブラック、及び金属顔料等(以下、「黒色顔料」ともいう。)が好ましい。金属顔料としては、例えば、Nb、V、Co、Cr、Cu、Mn、Ru、Fe、Ni、Sn、Ti、及びAgからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含有する金属酸化物又は金属窒素物が挙げられる。
上記硬化性組成物は、黒色顔料として記載した顔料以外で赤外線吸収性を有する顔料を含有していてもよい。
赤外線吸収性を有する顔料としては、タングステン化合物又は金属ホウ化物が好ましく、なかでも、赤外領域の波長における遮光性に優れる点から、タングステン化合物がより好ましい。
これらの顔料は、2種以上併用してもよく、また、後述する染料と併用してもよい。色味を調整するため、及び、所望の波長領域の遮光性を高めるため、例えば、黒色顔料又は赤外線遮光性を有する顔料に、赤色、緑色、黄色、オレンジ色、紫色、及び青色などの有彩色顔料又は後述する染料を混ぜる態様が挙げられる。黒色顔料又は赤外線遮光性を有する顔料に、赤色顔料若しくは赤色染料、又は、紫色顔料若しくは紫色染料を混合することが好ましく、黒色顔料又は赤外線遮光性を有する顔料に赤色顔料を混合することがより好ましい。
更に、上記硬化性組成物には、後述する近赤外線吸収剤又は赤外線吸収剤を加えてもよい。
黒色顔料としては、チタンブラックが好ましい。チタンブラックとは、チタン原子を含有する黒色粒子である。好ましくは低次酸化チタン、酸窒化チタン又は窒化チタン等である。チタンブラックは、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、表面が修飾されていてもよい。具体的には、チタンブラックは、酸化珪素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、又は、酸化ジルコニウムで被覆されてもよい。また、チタンブラックには、特開2007−302836号公報に表されるような撥水性物質での処理が施されていてもよい。
チタンブラックは、典型的には、チタンブラック粒子であり、個々の粒子の一次粒子径及び平均一次粒子径のいずれもが小さいものが好ましい。
具体的には、平均一次粒子径で10nm〜45nmの範囲のものが好ましい。
なお、顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)を用いて測定できる。透過型電子顕微鏡としては、例えば、日立ハイテクノロジーズ社製の透過型電子顕微鏡HT7700を用いることができる。
本明細書において、顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて得た粒子像の最大長(Dmax:粒子画像の輪郭上の2点における最大長さ)、及び最大長垂直長(DV−max:最大長に平行な2本の直線で画像を挟んだ時、2直線間を垂直に結ぶ最短の長さ)を測長し、その相乗平均値(Dmax×DV−max)1/2を粒子径とした。この方法で100個の粒子の粒子径を測定し、その算術平均値を意図する。
チタンブラックの比表面積は特に制限されないが、チタンブラックを撥水化剤で表面処理した後の撥水性が所定の性能となるために、BET(Brunauer, Emmett, Teller)法にて測定した値が5〜150m2/gであることが好ましく、20〜120m2/gであることがより好ましい。
チタンブラックの市販品の例としては、チタンブラック10S、12S、13R、13M、13M−C、13R、13R−N、13M−T(商品名:三菱マテリアル(株)製)、ティラック(Tilack)D(商品名:赤穂化成(株)製)、及び、窒化チタン50nm(商品名:和光純薬(株)製)などが挙げられる。
更に、チタンブラックを、チタンブラック及びSi原子を含む被分散体として含有することも好ましい。
この形態において、チタンブラックは、硬化性組成物中において被分散体として含有されるものであり、被分散体中のSi原子とTi原子との含有比(Si/Ti)が質量換算で0.05以上が好ましく、0.05〜0.5がより好ましく、0.07〜0.4が更に好ましい。
ここで、上記被分散体は、チタンブラックが一次粒子の状態であるもの、凝集体(二次粒子)の状態であるものの双方を包含する。
被分散体のSi/Tiを変更する(例えば、0.05以上とする)ためには、以下のような手段を用いることができる。
先ず、酸化チタンとシリカ粒子とを分散機を用いて分散することにより分散物を得て、この分散物を高温(例えば、850〜1000℃)にて還元処理することにより、チタンブラック粒子を主成分とし、SiとTiとを含有する被分散体を得ることができる。上記還元処理は、アンモニアなどの還元性ガスの雰囲気下で行うこともできる。
酸化チタンとしては、TTO−51N(商品名:石原産業製)などが挙げられる。
シリカ粒子の市販品としては、AEROSIL(登録商標)90、130、150、200、255、300、380(商品名:エボニック製)などが挙げられる。
酸化チタンとシリカ粒子との分散は、分散剤を用いてもよい。分散剤としては、後述する分散剤の欄で説明するものが挙げられる。
上記の分散は溶剤中で行ってもよい。溶剤としては、水、有機溶剤が挙げられる。有機溶剤の例示としては、後述する有機溶剤の欄で説明するものが挙げられる。
Si/Tiが調整されたチタンブラックは、例えば、特開2008−266045公報の段落〔0005〕及び段落〔0016〕〜〔0021〕に記載の方法により作製することができる。
チタンブラック及びSi原子を含む被分散体中のSi原子とTi原子との含有比(Si/Ti)を好適な範囲(例えば0.05以上)に調整することで、この被分散体を含む硬化性組成物を用いて硬化膜を形成した際に、硬化膜の形成領域外における硬化性組成物由来の残渣物が低減される。なお、残渣物は、チタンブラック粒子、樹脂成分等の硬化性組成物に由来する成分を含むものである。
残渣物が低減される理由は未だ明確ではないが、上記のような被分散体は小粒子径となる傾向があり(例えば、粒子径が30nm以下)、更に、この被分散体のSi原子が含まれる成分が増すことにより、膜全体の下地との吸着性が低減され、これが、硬化膜の形成における未硬化の硬化性組成物(特に、チタンブラック)の現像除去性の向上に寄与すると推測している。
また、チタンブラックは、紫外光から赤外光までの広範囲に亘る波長領域の光に対する遮光性に優れることから、上記したチタンブラック及びSi原子を含む被分散体(好ましくはSi/Tiが質量換算で0.05以上であるもの)を用いて形成された硬化膜は優れた遮光性を発揮する。
なお、被分散体中のSi原子とTi原子との含有比(Si/Ti)は、例えば、特開2013−249417号公報の段落0033に記載の方法(1−1)又は方法(1−2)を用いて測定できる。
また、硬化性組成物を硬化して得られた硬化膜に含有される被分散体について、その被分散体中のSi原子とTi原子との含有比(Si/Ti)が0.05以上か否かを判断するには、特開2013−249417号公報の段落0035に記載の方法(2)を用いる。
チタンブラック及びSi原子を含む被分散体において、チタンブラックは、上記したものを使用できる。
また、この被分散体においては、チタンブラックと共に、分散性、着色性等を調整する目的で、Cu、Fe、Mn、V、及び、Ni等の複合酸化物、酸化コバルト、酸化鉄、カーボンブラック、並びに、アニリンブラック等からなる黒色顔料を、1種又は2種以上を組み合わせて、被分散体として併用してもよい。
この場合、全被分散体中の50質量%以上をチタンブラックからなる被分散体が占めることが好ましい。
また、この被分散体においては、遮光性の調整等を目的として、本発明の効果を損なわない限りにおいて、チタンブラックと共に、他の着色剤(有機顔料及び/又は染料など)を所望により併用してもよい。
以下、被分散体にSi原子を導入する際に用いられる材料について述べる。被分散体にSi原子を導入する際には、シリカなどのSi含有物質を用いればよい。
用いうるシリカとしては、沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、及び、合成シリカなどが挙げられ、これらを適宜選択して使用すればよい。
更に、シリカ粒子の粒子径が硬化膜を形成した際に膜厚よりも小さい粒子径であると遮光性がより優れるため、シリカ粒子として微粒子タイプのシリカを用いることが好ましい。なお、微粒子タイプのシリカの例としては、例えば、特開2013−249417号公報の段落0039に記載のシリカが挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、無機顔料としては、タングステン化合物及び金属ホウ化物も使用できる。
以下に、タングステン化合物及び金属ホウ化物について詳述する。
タングステン化合物及び金属ホウ化物は、赤外線(波長が約800〜1200nmの光)に対しては吸収が高く(すなわち、赤外線に対する遮光性(遮蔽性)が高く)、可視光に対しては吸収が低い赤外線遮蔽材である。このため、本発明の硬化性組成物は、タングステン化合物、及び/又は金属ホウ化物を含有することで、赤外領域における遮光性が高く、可視光領域における透光性が高いパターンを形成できる。
また、タングステン化合物及び金属ホウ化物は、画像形成に用いられる、高圧水銀灯、KrF、ArFなどの露光に用いられる、可視域より短波の光に対しても吸収が小さい。このため、後述する重合性化合物、及び、アルカリ可溶性樹脂と組み合わされることにより、優れたパターンが得られるとともに、パターン形成において、現像残渣をより抑制できる。
タングステン化合物としては、酸化タングステン系化合物、ホウ化タングステン系化合物、及び、硫化タングステン系化合物などが挙げられ、下記式(組成式)(I)で表される酸化タングステン系化合物が好ましい。
・・・(I)
Mは金属、Wはタングステン、Oは酸素を表す。
0.001≦x/y≦1.1
2.2≦z/y≦3.0
Mの金属としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Sn、Pb、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、及び、Biなどが挙げられるが、アルカリ金属であることが好ましい。Mの金属は1種でも2種以上でもよい。
Mはアルカリ金属であることが好ましく、Rb又はCsであることがより好ましく、Csであることが更に好ましい。
x/yが0.001以上であることにより、赤外線を十分に遮蔽することができ、1.1以下であることにより、タングステン化合物中に不純物相が生成されることをより確実に回避することできる。
z/yが2.2以上であることにより、材料としての化学的安定性をより向上させることができ、3.0以下であることにより赤外線を十分に遮蔽することができる。
上記式(I)で表される酸化タングステン系化合物の具体例としては、Cs0.33WO、Rb0.33WO、K0.33WO、及び、Ba0.33WOなどが挙げられ、Cs0.33WO又はRb0.33WOが好ましく、Cs0.33WOがより好ましい。
タングステン化合物は微粒子であることが好ましい。タングステン微粒子の平均一次粒子径は、800nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましい。平均一次粒子径がこのような範囲であることによって、タングステン微粒子が光散乱によって可視光を遮断しにくくなることから、可視光領域における透光性をより確実にすることができる。光散乱を回避する観点からは、平均一次粒子径は小さいほど好ましいが、製造時における取り扱い容易性などの理由から、タングステン微粒子の平均一次粒子径は、通常、1nm以上である。
また、タングステン化合物は2種以上を使用することが可能である。
タングステン化合物は市販品として入手可能であるが、例えば、酸化タングステン系化合物は、タングステン化合物を不活性ガス雰囲気又は還元性ガス雰囲気中で熱処理する方法により得ることができる(特許第4096205号公報を参照)。
また、酸化タングステン系化合物は、例えば、住友金属鉱山株式会社製のYMF−02などのタングステン微粒子の分散物としても、入手可能である。
また、金属ホウ化物としては、ホウ化ランタン(LaB)、ホウ化プラセオジウム(PrB)、ホウ化ネオジウム(NdB)、ホウ化セリウム(CeB)、ホウ化イットリウム(YB)、ホウ化チタン(TiB)、ホウ化ジルコニウム(ZrB)、ホウ化ハフニウム(HfB)、ホウ化バナジウム(VB)、ホウ化タンタル(TaB)、ホウ化クロム(CrB、CrB)、ホウ化モリブデン(MoB、Mo、MoB)、及び、ホウ化タングステン(W)などの1種又は2種以上が挙げられ、ホウ化ランタン(LaB)が好ましい。
金属ホウ化物は微粒子であることが好ましい。金属ホウ化物微粒子の平均一次粒子径は、800nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが更に好ましい。平均一次粒子径がこのような範囲であることによって、金属ホウ化物微粒子が光散乱によって可視光を遮断しにくくなることから、可視光領域における透光性をより確実にすることができる。光散乱を回避する観点からは、平均一次粒子径は小さいほど好ましいが、製造時における取り扱い容易性などの理由から、金属ホウ化物微粒子の平均一次粒子径は、通常、1nm以上である。
また、金属ホウ化物は2種以上を使用することが可能である。
金属ホウ化物は市販品として入手可能であり、例えば、住友金属鉱山株式会社製のKHF−7等の金属ホウ化物微粒子の分散物としても、入手可能である。
<重合性化合物>
硬化性組成物は重合性化合物を含有する。本明細書において重合性化合物とは、重合性基を含有する化合物を意図し、後述するアルカリ可溶性樹脂及び分散剤とは異なる成分を意図する。
硬化性組成物中における重合性化合物の含有量としては特に制限されないが、一般に、硬化性組成物の全固形分に対して、5〜35質量%が好ましい。重合性化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合性化合物を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を含有する基を1個以上含有する化合物が好ましく、2個以上含有する化合物がより好ましく、3個以上含有することが更に好ましく、5個以上含有することが特に好ましい。上限は、例えば、15個以下である。エチレン性不飽和結合を含有する基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アリル基、及び、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
重合性化合物としては、例えば、特開2008−260927号公報の0050段落、及び、特開2015−68893号公報の0040段落に記載されている化合物を用いることができ、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
重合性化合物としては、例えば、モノマー、プレポリマー、オリゴマー、及び、これらの混合物、並びに、これらの多量体等の化学的形態のいずれであってもよい。
重合性化合物は、3〜15官能の(メタ)アクリレート化合物が好ましく、3〜6官能の(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。
重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を含有する基を1個以上含有する、常圧下で沸点が100℃以上の化合物が好ましい。例えば、特開2013−29760号公報の0227段落、特開2008−292970号公報の0254〜0257段落に記載の化合物を用いることができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
重合性化合物としては、例えば、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−330;日本化薬社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−320;日本化薬社製)、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D−310;日本化薬社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬社製、A−DPH−12E;新中村化学社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール残基又はプロピレングリコール残基を介している構造(例えば、サートマー社から市販されている、SR454、SR499)が好ましい。これらのオリゴマータイプを用いることもできる。また、NKエステルA−TMMT(ペンタエリスリトールテトラアクリレート、新中村化学社製)、及び、KAYARAD RP−1040(日本化薬社製)等を用いることもできる。
重合性化合物は、カルボン酸基、スルホン酸基、及び、リン酸基等の酸基を含有していてもよい。酸基を含有する重合性化合物としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応の水酸基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を含有させた重合性化合物がより好ましく、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールである化合物が更に好ましい。
上記重合性化合物の市販品としては、例えば、東亜合成社製のアロニックスTO−2349、M−305、M−510、及び、M−520等が挙げられる。
酸基を含有する重合性化合物の酸価としては、0.1〜40mgKOH/gが好ましく、5〜30mgKOH/gがより好ましい。重合性化合物の酸価が0.1mgKOH/g以上であると、硬化性組成物は、より優れた現像性(アルカリ現像液により溶解しやすい特性)を有し、40mgKOH/g以下であると、重合性化合物の製造及び/又は取扱い上、有利であり、かつ、より優れた光重合性を有する。結果として、硬化性組成物がより優れた硬化性を有する。
重合性化合物としては、カプロラクトン構造を含有する化合物が好ましい。
カプロラクトン構造を含有する化合物としては、分子内にカプロラクトン構造を含有する化合物であれば、特に制限されず、公知の化合物を用いることができる。
カプロラクトン構造を含有する化合物としては、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、及び、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸及びε−カプロラクトンとをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。なかでも下記式(Z−1)で表されるカプロラクトン構造を含有する化合物が好ましい。
式(Z−1)中、6個のRは全てが下記式(Z−2)で表される基であるか、又は6個のRのうち1〜5個が下記式(Z−2)で表される基であり、残余が下記式(Z−3)で表される基である。
式(Z−2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、mは1又は2であり、「*」は結合位置を表す。
式(Z−3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、「*」は結合位置を表す。
カプロラクトン構造を含有する重合性化合物は、例えば、日本化薬からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20(上記式(Z−1)〜(Z−3)においてm=1、式(Z−2)で表される基の数=2、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−30(同式、m=1、式(Z−2)で表される基の数=3、Rが全て水素原子である化合物)、DPCA−60(同式、m=1、式(Z−2)で表される基の数=6、Rが全て水素原子である化合物)、及び、DPCA−120(同式においてm=2、式(Z−2)で表される基の数=6、Rが全て水素原子である化合物)等が挙げられる。
重合性化合物としては、下記式(Z−4)又は(Z−5)で表される化合物を用いることもできる。
式(Z−4)及び(Z−5)中、Eは、それぞれ独立に、−((CHCHO)−、又は、((CHCH(CH)O)−を表す。yは、それぞれ独立に0〜10の整数を表す。Xは、それぞれ独立に、(メタ)アクリロイル基、水素原子、又はカルボン酸基を表す。
式(Z−4)中、(メタ)アクリロイル基の合計は3個又は4個であり、mはそれぞれ独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。
式(Z−5)中、(メタ)アクリロイル基の合計は5個又は6個であり、nはそれぞれ独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。
式(Z−4)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が更に好ましい。
式(Z−5)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が更に好ましい。
また、式(Z−4)又は式(Z−5)中の−((CHCHO)−、又は、((CHCH(CH)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
式(Z−4)又は式(Z−5)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、式(Z−5)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態、式(Z−5)において、6個のX全てがアクリロイル基である化合物と、6個のXのうち、少なくとも1個が水素原子ある化合物とを併用することが好ましい。上記化合物を含有する硬化性組成物は、より優れた現像性を有する。
また、式(Z−4)又は式(Z−5)で表される化合物の重合性化合物中における全含有量としては、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
式(Z−4)又は式(Z−5)で表される化合物のなかでも、ペンタエリスリトール誘導体及び/又はジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
また、重合性化合物は、カルド骨格を含有してもよい。
カルド骨格を含有する重合性化合物としては、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を含有する重合性化合物が好ましい。
カルド骨格を含有する重合性化合物としては、特に制限されないが、例えば、オンコートEXシリーズ(長瀬産業社製)及びオグソール(大阪ガスケミカル社製)等が挙げられる。
<アルカリ可溶性樹脂>
上記実施形態に係る硬化性組成物はアルカリ可溶性樹脂を含有する。本明細書においてアルカリ可溶性樹脂とは、重合性化合物、及び、後述する分散剤とは異なる成分であって、水現像又は弱アルカリ水現像が可能であり、アルカリ可溶性を促進する基(アルカリ可溶性基)を含有する樹脂を意図する。
アルカリ可溶性樹脂の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、0.1〜35質量%が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。アルカリ可溶性樹脂を2種以上併用する場合は、その合計量が上記範囲内であることが好ましい。
硬化性組成物が後述する分散剤を含有する場合、硬化性組成物中における分散剤の含有量とアルカリ可溶性樹脂の含有量の和に対する、無機顔料の含有量の含有質量比(無機顔料の含有量/(分散剤の含有量+アルカリ可溶性樹脂の含有量))としては特に制限されないが、下限値としては、0.3以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.5を超えるのが更に好ましい。また、上限値としては1.2以下が好ましく、1.0以下がより好ましく、1.0未満が更に好ましい。
無機顔料の含有量/(分散剤の含有量+アルカリ可溶性樹脂の含有量)が0.5を超えると、収容体から取り出した硬化性組成物を用いて形成された硬化膜は基材へのより優れた密着性を有し、1.0未満であると、収容体から取り出した硬化性組成物を用いて形成された硬化膜はより優れた低反射性を有する。
アルカリ可溶性樹脂としては、分子中に少なくとも1つのアルカリ可溶性基を含有する樹脂が挙げられ、例えば、ポリヒドロキシスチレン樹脂、ポリシロキサン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、(メタ)アクリル/(メタ)アクリルアミド共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、及び、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の具体例としては、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物との共重合体が挙げられる。
不飽和カルボン酸としては特に制限されないが、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、及び、ビニル酢酸等のモノカルボン酸類;イタコン酸、マレイン酸、及び、フマル酸等などのジカルボン酸、又は、その酸無水物;フタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)等の多価カルボン酸モノエステル類;等が挙げられる。
共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸メチル等が挙げられる。また、特開2010−97210号公報の0027段落、及び、特開2015−68893号公報の0036〜0037段落に記載の化合物を用いることもでき、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
また、共重合可能なエチレン性不飽和化合物であって、側鎖にエチレン性不飽和基を含有する化合物を組み合わせて用いてもよい。エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリル酸基が好ましい。側鎖にエチレン性不飽和基を含有するアクリル樹脂は、例えば、カルボン酸基を含有するアクリル樹脂のカルボン酸基に、グリシジル基又は脂環式エポキシ基を含有するエチレン性不飽和化合物を付加反応させて得ることができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、及び、特開昭59−71048号に記載されている側鎖にカルボン酸基を含有するラジカル重合体;欧州特許第993966号、欧州特許第1204000号、及び、特開2001−318463号等の各公報に記載されているアルカリ可溶性基を含有するアセタール変性ポリビニルアルコール系バインダー樹脂;ポリビニルピロリドン;ポリエチレンオキサイド;アルコール可溶性ナイロン、及び、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとの反応物であるポリエーテル等;国際公開第2008/123097号に記載のポリイミド樹脂;等を用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、特開2016−75845号公報の0225〜0245段落に記載の化合物を用いることもでき、上記内容は本明細書に組み込まれる。
アルカリ可溶性樹脂としては、ポリイミド前駆体を用いることもできる。ポリイミド前駆体は、酸無水物基を含有する化合物とジアミン化合物とを40〜100℃下において付加重合反応することにより得られる樹脂を意図する。
ポリイミド前駆体としては、例えば、式(1)で表される繰り返し単位を含有する樹脂が挙げられる。ポリイミド前駆体の構造としては、例えば、下記式(2)で示されるアミック酸構造と、アミック酸構造が一部イミド閉環してなる下記式(3)、及び/又は、全てイミド閉環した下記式(4)で示されるイミド構造を含有するものが挙げられる。
なお、本明細書において、アミック酸構造を有するポリイミド前駆体をポリアミック酸ということがある。
上記式(1)〜(4)において、Rは炭素数2〜22の4価の有機基を表し、Rは炭素数1〜22の2価の有機基を表し、nは1又は2を表す。
上記ポリイミド前駆体としては、例えば、特開2008−106250号公報の0011〜0031段落に記載の化合物、特開2016−122101号公報の0022〜0039段落に記載の化合物、及び、特開2016−68401号公報の0061〜0092段落に記載の化合物等が挙げられ、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
アルカリ可溶性樹脂は、硬化性組成物により得られる硬化膜のパターン形状がより優れる点で、ポリイミド樹脂、及び、ポリイミド前駆体からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
アルカリ可溶性基を含有するポリイミド樹脂としては、特に制限されず、公知のアルカリ可溶性基を含有するポリイミド樹脂を用いることができる。上記ポリイミド樹脂としては、例えば、特開2014−137523号公報の0050段落に記載された樹脂、特開2015−187676号公報の0058段落に記載された樹脂、及び、特開2014−106326号公報の0012〜0013段落に記載された樹脂等が挙げられ、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
<任意成分>
硬化性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、上記以外の成分(以下、「任意成分」ともいう。)を含有していてもよい。任意成分としては特に制限されないが、有機顔料、染料、分散剤、重合開始剤、溶剤、重合禁止剤、界面活性剤、及び、紫外線吸収剤等が挙げられる。以下では、任意成分について詳述する。
(有機顔料及び/又は染料)
硬化性組成物は、有機顔料及び/又は染料を含有してもよい。本明細書において、有機顔料及び/又は染料とは無機粒子とは異なる化合物を意図する。
・有機顔料
有機顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.)ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等、
C.I.ピグメントオレンジ 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等、
C.I.ピグメントレッド 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279等;
C.I.ピグメントグリーン 7,10,36,37,58,59等;
C.I.ピグメントバイオレット 1,19,23,27,32,37,42等;
C.I.ピグメントブルー 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80等;
が挙げられる。なお、顔料は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
・染料
染料としては、例えば特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許4808501号明細書、米国特許5667920号明細書、米国特許505950号明細書、米国特許5667920号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、及び、特開平6−194828号公報等に開示されている色素を用いることができ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
染料を化学構造で区分すると、ピラゾールアゾ化合物、ピロメテン化合物、アニリノアゾ化合物、トリフェニルメタン化合物、アントラキノン化合物、ベンジリデン化合物、オキソノール化合物、ピラゾロトリアゾールアゾ化合物、ピリドンアゾ化合物、シアニン化合物、フェノチアジン化合物、及び、ピロロピラゾールアゾメチン化合物等を用いることができる。また、色素多量体を用いてもよい。色素多量体としては、特開2011−213925号公報、及び、特開2013−041097号公報に記載された化合物が挙げられる。また、分子内に重合性基を含有する重合性染料を用いることもでき、市販品としては、例えば、和光純薬株式会社製RDWシリーズが挙げられる。
・赤外線吸収剤
上記有機顔料及び/又は染料は、更に赤外線吸収剤を含有してもよい。なお、赤外線吸収剤は上述した無機粒子とは異なる成分を意図する。
本明細書において、赤外線吸収剤とは、赤外領域(好ましくは、波長650〜1300nm)の波長の光を吸収する作用を有する化合物を意味する。赤外線吸収剤としては、波長675〜900nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物が好ましい。
このような分光特性を有する化合物としては、例えば、ピロロピロール化合物、銅化合物、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、イミニウム化合物、チオール錯体系化合物、遷移金属酸化物系化合物、スクアリリウム化合物、ナフタロシアニン化合物、クオタリレン化合物、ジチオール金属錯体系化合物、及び、クロコニウム化合物等が挙げられる。
フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、イミニウム化合物、シアニン化合物、スクアリウム化合物及びクロコニウム化合物は、特開2010−111750号公報の0010〜0081段落に記載された化合物を用いることもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。シアニン化合物としては、例えば、「機能性色素、大河原信/松岡賢/北尾悌次郎/平嶋恒亮・著、講談社サイエンティフィック」を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
上記分光特性を有する化合物としては、例えば、特開平07−164729号公報の0004〜0016段落に記載された化合物、特開2002−146254号公報の0027〜0062段落に記載された化合物、特開2011−164583号公報の0034〜0067段落に記載されたCu及び/又はPを含む酸化物の結晶子からなり数平均凝集粒子径が5〜200nmである近赤外線吸収粒子を用いることもでき、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
波長675〜900nmの波長領域に極大吸収波長を有する化合物としては、シアニン化合物、ピロロピロール化合物、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、及びナフタロシアニン化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
また、赤外線吸収剤は、25℃の水に1質量%以上溶解する化合物が好ましく、25℃の水に10質量%以上溶解する化合物がより好ましい。このような化合物を用いると、耐溶剤性が良化する。
ピロロピロール化合物は、特開2010−222557号公報の0049〜0062段落を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。シアニン化合物及びスクアリリウム化合物は、国際公開2014/088063号公報の0022〜0063段落、国際公開2014/030628号公報の0053〜0118段落、特開2014−59550号公報の0028〜0074段落、国際公開2012/169447号公報の0013〜0091段落、特開2015−176046号公報の0019〜0033段落、特開2014−63144号公報の0053〜0099段落、特開2014−52431号公報の0085〜0150段落、特開2014−44301号公報の0076〜0124段落、特開2012−8532号公報の0045〜0078段落、特開2015−172102号公報の0027〜0067段落、特開2015−172004号公報の0029〜0067段落、特開2015−40895号公報の0029〜0085段落、特開2014−126642号公報の0022〜0036段落、特開2014−148567号公報の0011〜0017段落、特開2015−157893号公報の0010〜0025段落、特開2014−095007号公報の0013〜0026段落、特開2014−80487号公報の0013〜0047段落、及び特開2013−227403号公報の0007〜0028段落等を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
硬化性組成物中における有機顔料及び/又は染料の含有量としては特に制限されないが、一般に、硬化性組成物の全固形分に対して、0.0001〜70質量%が好ましい。着色剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の有機顔料及び/又は染料を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(分散剤)
上記硬化性組成物は分散剤(樹脂に該当する)を含有することが好ましい。なお、本明細書において、分散剤とは、重合性化合物、及び、アルカリ可溶性樹脂とは異なる化合物を意図する。
硬化性組成物中における分散剤の含有量としては特に制限されないが、一般に硬化性組成物の全固形分に対して5〜40質量%が好ましい。
分散剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の分散剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
分散剤としては、特に制限されず、公知の分散剤を用いることができる。
分散剤としては、例えば、高分子分散剤が挙げられる。高分子分散剤としては、例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、及び、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等が挙げられる。
また、分散剤としては、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、及び、顔料誘導体等を用いることができる。
なかでも、分散剤としては、高分子化合物が好ましい。高分子化合物は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、及びブロック型高分子に分類することができる。
・高分子化合物
高分子化合物は、無機顔料(以下、単に「顔料」ということがある)の表面に吸着し、被分散体の再凝集を防止するように作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を含有する、末端変性型高分子、グラフト型(高分子鎖を含有する)高分子、及び、ブロック型高分子が好ましい。
上記高分子化合物は硬化性基を含有してもよい。
硬化性基としては、例えば、エチレン性不飽和基(例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、及び、スチリル基等)、及び、環状エーテル基(例えば、エポキシ基、及び、オキセタニル基等)等が挙げられるが、これらに制限されない。
なかでも、ラジカル反応で重合制御が可能な点で、硬化性基としては、エチレン性不飽和基が好ましい。エチレン性不飽和基としては(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
硬化性基を含有する樹脂は、ポリエステル構造、及び、ポリエーテル構造からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。この場合、主鎖にポリエステル構造、及び/又は、ポリエーテル構造を含有していてもよいし、後述するように、上記樹脂がグラフト鎖を含有する構造単位を含有する場合には、上記グラフト鎖がポリエステル構造、及び/又は、ポリエーテル構造を含有していてもよい。
上記樹脂としては、上記グラフト鎖がポリエステル構造を含有することがより好ましい。
高分子化合物は、グラフト鎖を含有する構造単位を含有することが好ましい。なお、本明細書において、「構造単位」とは「繰り返し単位」と同義である。
このようなグラフト鎖を含有する構造単位を含有する高分子化合物は、溶剤とのより優れた親和性を有する。グラフト鎖を含有する構造単位を含有する高分子化合物は、溶剤とのより優れた親和性を有するため、顔料等をより分散させやすく、かつ、顔料等を分散させた後に時間が経過しても当初の分散状態がより変化しにくい(より優れた経時安定性を有する)。また、グラフト鎖を含有する構造単位を含有する高分子化合物は、グラフト鎖を含有するため、後述する重合性化合物、及び/又は、その他の成分等とのより優れた親和性を有する。その結果、グラフト鎖を含有する構造単位を含有する高分子化合物は後述するアルカリ現像時に、未反応の重合性化合物等に起因する残渣を生じにくくなる。
グラフト鎖が長くなる(式量が大きくなる)と立体反発効果が高くなり顔料等の分散性は向上する。一方、グラフト鎖が長すぎると顔料等への吸着力が低下して、顔料等の分散性は低下する傾向となる。このため、グラフト鎖の原子数(水素原子を除く)としては、40〜10000が好ましく、50〜2000がより好ましく、60〜500が更に好ましい。
ここで、グラフト鎖とは、高分子化合物の主鎖の根元(主鎖から枝分かれしている基において主鎖に結合する原子)から、主鎖から枝分かれしている基の末端までを意図する。
グラフト鎖は、ポリマー構造を含有する高分子鎖が好ましい。高分子鎖が含有するポリマー構造としては、特に制限されないが、例えば、ポリ(メタ)アクリレート構造(例えば、ポリ(メタ)アクリル構造)、ポリエステル構造、ポリウレタン構造、ポリウレア構造、ポリアミド構造、及び、ポリエーテル構造等が挙げられる。
高分子鎖と溶剤と更に優れた親和性を有し、高分子化合物が、顔料等をより分散させやすい点で、高分子鎖は、ポリエステル構造、ポリエーテル構造及びポリ(メタ)アクリレート構造からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、ポリエステル構造、及び。ポリエーテル構造からなる群から選択される少なくとも1種を含有することがより好ましい。
このような高分子鎖を含有するマクロモノマー(ポリマー構造を含有し、高分子化合物(例えば、共重合体)の主鎖に結合してグラフト鎖を構成するモノマー)としては、特に限定されないが、反応性二重結合性基を含有するマクロモノマーが好ましい。
高分子化合物が含有する高分子鎖を含有する構造単位に対応し、高分子化合物の合成に用いることができる市販のマクロモノマーとしては、例えば、AA−6、AA−10、AB−6、AS−6、AN−6、AW−6、AA−714、AY−707、AY−714、AK−5、AK−30、及び、AK−32(以上はすべて商品名であり、東亜合成社製である。);ブレンマーPP−100、ブレンマーPP−500、ブレンマーPP−800、ブレンマーPP−1000、ブレンマー55−PET−800、ブレンマーPME−4000、ブレンマーPSE−400、ブレンマーPSE−1300、及び、ブレンマー43PAPE−600B(以上はすべて商品名であり、日油社製である)等;等が挙げられる。
上記分散剤は、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、及び、環状又は鎖状のポリエステルからなる群より選択される少なくとも1種の構造を含有することが好ましく、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、及び、鎖状のポリエステルからなる群より選択される少なくとも1種の構造を含有することがより好ましく、ポリアクリル酸メチル構造、ポリメタクリル酸メチル構造、ポリカプロラクトン構造、及び、ポリバレロラクトン構造からなる群より選択される少なくとも1種の構造を含有することが更に好ましい。
分散剤は、分子中に上記構造を一種単独で含有してもよいし、分子中にこの構造を複数種類含有してもよい。
ここで、ポリカプロラクトン構造とは、ε−カプロラクトンを開環した構造を繰り返し単位として含有するものをいう。ポリバレロラクトン構造とは、δ−バレロラクトンを開環した構造を繰り返し単位として含有するものをいう。
ポリカプロラクトン構造を含有する分散剤としては、例えば、下記式(1)又は下記式(2)中、j、又は、kがそれぞれ5であるものが挙げられる。また、ポリバレロラクトン構造を含有する分散剤としては、例えば、下記式(1)又は下記式(2)中、j、又は、kがそれぞれ4であるものが挙げられる。
ポリアクリル酸メチル構造を含有する分散剤としては、例えば、下記式(4)中、Xが水素原子であり、Rがメチル基であるものが挙げられる。
ポリメタクリル酸メチル構造を含有する分散剤としては、例えば、下記式(4)中、Xがメチル基であり、Rがメチル基であるものが挙げられる。
・グラフト鎖を含有する構造単位
高分子化合物は、グラフト鎖を含有する構造単位として、下記式(1)〜式(4)からなる群から選択される少なくとも1種の、高分子鎖を含有する構造単位を含有することが好ましく、下記式(1A)、下記式(2A)、下記式(3A)、下記式(3B)、及び下記(4)からなる群から選択される少なくとも1種の、高分子鎖を含有する構造単位を含有することがより好ましい。
式(1)〜式(4)において、W、W、W、及び、Wは、それぞれ独立に、酸素原子、又は、NHを表す。W、W、W、及び、Wは酸素原子が好ましい。
式(1)〜式(4)において、X、X、X、X、及びXは、それぞれ独立に、水素原子、又は、1価の有機基を表す。X、X、X、X、及びXは、合成上の制約の観点からは、それぞれ独立に、水素原子、又は、炭素数(炭素原子数)1〜12のアルキル基が好ましく、それぞれ独立に、水素原子、又は、メチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
式(1)〜式(4)中、Y、Y、Y、及び、Yは、それぞれ独立に、2価の連結基を表す。連結基の構造としては、特に制限されない。Y、Y、Y、及び、Yで表される2価の連結基としては、例えば、下記式(Y−1)〜(Y−21)で表される連結基等が挙げられる。下記式(Y−1)〜(Y−21)中、A、Bはそれぞれ、式(1)〜式(4)の左末端基、及び、右末端基との結合部位を意味する。下記に示した構造のうち、合成の簡便性から、(Y−2)又は(Y−13)がより好ましい。
式(1)〜式(4)中、Z、Z、Z、及びZは、それぞれ独立に1価の有機基を表す。有機基の構造としては、特に制限されない。有機基としては、例えば、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基、ヘテロアリールチオエーテル基、及び、アミノ基等が挙げられる。
なかでも、Z、Z、Z、及び、Zで表される有機基としては、顔料等をより分散させやすい点で、立体反発効果を有することが好ましく、それぞれ独立に、炭素数5〜24のアルキル基又はアルコキシ基がより好ましく、それぞれ独立に炭素数5〜24の分岐アルキル基、炭素数5〜24の環状アルキル基、又は、炭素数5〜24のアルコキシ基が更に好ましい。なお、アルコキシ基中に含有されるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、及び、環状のいずれでもよい。
式(1)〜式(4)中、n、m、p、及びqは、それぞれ独立に、1〜500の整数を表す。
また、式(1)、及び、式(2)中、j、及び、kは、それぞれ独立に、2〜8の整数を表す。
式(1)、及び、式(2)中、j、及び、kは、硬化性組成物がより優れた経時安定性、及び、より優れた現像性を有する点で、4〜6の整数が好ましく、5がより好ましい。
また、式(1)、及び、式(2)中、n、及び、mは、10以上の整数が好ましく、20以上の整数がより好ましい。また、分散剤が、ポリカプロラクトン構造、及び、ポリバレロラクトン構造を含有する場合、ポリカプロラクトン構造の繰り返し数と、ポリバレロラクトンの繰返し数の和としては、10以上の整数が好ましく、20以上の整数がより好ましい。
式(3)中、Rは分岐鎖状、又は、直鎖状のアルキレン基を表し、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数2、又は、3のアルキレン基がより好ましい。pが2〜500のとき、複数存在するRは互いに同一でも異なってもよい。
式(4)中、Rは水素原子、又は、1価の有機基を表す。1価の有機基の構造としては、特に制限されない。Rとしては、例えば、水素原子、アルキル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基が好ましく、水素原子、又は、アルキル基がより好ましい。
がアルキル基である場合、アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20の分岐鎖状アルキル基、又は、炭素数5〜20の環状アルキル基が好ましく、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基がより好ましく、炭素数1〜6の直鎖状アルキル基が更に好ましい。式(4)中、qが2〜500のとき、グラフト鎖を含有する構造単位中に複数存在するX及びRは互いに同一でも異なってもよい。
また、高分子化合物は、構造が異なる、2種以上のグラフト鎖を含有する構造単位を含有してもよい。即ち、高分子化合物の分子中に、互いに構造の異なる式(1)〜式(4)で表される構造単位を含有してもよく、また、式(1)〜式(4)中、n、m、p、及びqがそれぞれ2以上の整数を表す場合、式(1)及び式(2)中、側鎖中にj及びkが互いに異なる構造を含有してもよく、式(3)及び式(4)中、分子内に複数存在するR、R及びXは互いに同一でも異なってもよい。
式(1)で表される構造単位としては、硬化性組成物が、より優れた経時安定性、及び、より優れた現像性を有する点で、下記式(1A)で表される構造単位がより好ましい。
また、式(2)で表される構造単位としては、硬化性組成物が、より優れた経時安定性、及び、現像性を有する点で、下記式(2A)で表される構造単位がより好ましい。
式(1A)中、X、Y、Z及びnは、式(1)中のX、Y、Z及びnとして既に説明したとおりである。式(2A)中、X、Y、Z及びmは、式(2)中のX、Y、Z及びmとして既に説明したとおりである。
また、式(3)で表される構造単位としては、硬化性組成物がより優れた経時安定性、及び、より優れた現像性を有する点で、下記式(3A)又は式(3B)で表される構造単位がより好ましい。
式(3A)又は(3B)中、X、Y、Z及びpは、式(3)中、X、Y、Z及びpとして既に説明したとおりである。
高分子化合物は、グラフト鎖、なかでも高分子鎖を含有する構造単位として、式(1A)で表される構造単位を含有することがより好ましい。
高分子化合物中における、グラフト鎖を含有する構造単位(例えば、上記式(1)〜式(4)で表される構造単位)の含有量は、質量換算で、高分子化合物の総質量に対し2〜90質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。高分子化合物中におけるグラフト鎖を含有する構造単位の含有量が、上記範囲内であると、分散剤は顔料等をより分散させやすく、かつ、硬化性組成物はより優れた現像性を有する。
・疎水性構造単位
高分子化合物は、グラフト鎖を含有する構造単位とは異なる(すなわち、グラフト鎖を含有する構造単位には相当しない)疎水性構造単位を含有することが好ましい。ただし、本明細書において、疎水性構造単位は、酸基(例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及び、フェノール性水酸基等)を含有しない構造単位である。
疎水性構造単位は、後述するClogP値が1.2以上の化合物(モノマー)に由来する(対応する)構造単位が好ましく、ClogP値が1.2〜8.0の化合物に由来する構造単位がより好ましい。
ClogP値は、Daylight Chemical Information System, Inc.から入手できるプログラム“CLOGP”で計算された値である。このプログラムは、Hansch, Leoのフラグメントアプローチ(下記文献参照)により算出される“計算logP”の値を提供する。フラグメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、化学構造を部分構造(フラグメント)に分割し、そのフラグメントに対して割り当てられたlogP寄与分を合計することにより化合物のlogP値を推算している。その詳細は以下の文献に記載されている。本発明では、プログラムCLOGP v4.82により計算したClogP値を用いる。
A. J. Leo, Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol.4, C. Hansch, P. G. Sammnens, J. B. Taylor and C. A. Ramsden, Eds., p.295, Pergamon Press, 1990 C. Hansch & A. J. Leo. SUbstituent Constants For Correlation Analysis in Chemistry and Biology. John Wiley & Sons. A.J. Leo. Calculating logPoct from structure. Chem. Rev., 93, 1281−1306, 1993.
logPは、分配係数P(Partition Coefficient)の常用対数を意味し、ある有機化合物が油(一般的には1−オクタノール)と水の2相系の平衡でどのように分配されるかを定量的な数値として表す物性値であり、以下の式で示される。
logP=log(Coil/Cwater)
式中、Coilは油相中の化合物のモル濃度を、Cwaterは水相中の化合物のモル濃度を表す。
logPの値が0をはさんでプラスに大きくなると油溶性が増し、マイナスで絶対値が大きくなると水溶性が増すことを意味し、有機化合物の水溶性と負の相関があり、有機化合物の親疎水性を見積るパラメータとして広く利用されている。
高分子化合物は、疎水性構造単位として、下記式(i)〜(iii)で表される単量体に由来の構造単位からなる群から選択される少なくとも1種の構造単位を含有することが好ましい。
上記式(i)〜(iii)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、及び、臭素原子等)、又は炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、及び、プロピル基等)を表す。
、R、及びRは、水素原子、又は、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子、又は、メチル基がより好ましい。R及びRは、水素原子が更に好ましい。
Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)を表し、酸素原子が好ましい。
Lは、単結合又は2価の連結基である。2価の連結基としては、2価の脂肪族基(例えば、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、及び、置換アルキニレン基等)、2価の芳香族基(例えば、アリーレン基、及び、置換アリーレン基等)、2価の複素環基、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、置換イミノ基(−NR31−、ここでR31は脂肪族基、芳香族基又は複素環基を表す)、カルボニル基(−CO−)、及び、これらの組合せ等が挙げられる。
2価の脂肪族基は、環状構造又は分岐鎖構造を含有してもよい。脂肪族基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が更に好ましい。脂肪族基は不飽和脂肪族基でも、飽和脂肪族基でもよく、飽和脂肪族基が好ましい。また、脂肪族基は、置換基を含有してもよい。置換基としては特に制限されないが、例えば、ハロゲン原子、芳香族基、及び、複素環基等が挙げられる。
2価の芳香族基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜10が更に好ましい。また、芳香族基は置換基を含有してもよい。置換基としては特に制限されないが、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、及び、複素環基等が挙げられる。
2価の複素環基は、複素環として5員環又は6員環を含有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環又は芳香族環が縮合してもよい。また、複素環基は置換基を含有してもよい。置換基としては、特に制限されないが、例えば、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R32、ここでR32は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、脂肪族基、芳香族基、及び、複素環基等が挙げられる。
Lとしては、単結合、アルキレン基又はオキシアルキレン構造を含有する2価の連結基が好ましい。オキシアルキレン構造は、オキシエチレン構造又はオキシプロピレン構造がより好ましい。また、Lは、オキシアルキレン構造を2個以上繰り返して含有するポリオキシアルキレン構造を含有してもよい。ポリオキシアルキレン構造としては、ポリオキシエチレン構造又はポリオキシプロピレン構造が好ましい。ポリオキシエチレン構造は、−(OCHCH)n−で表され、nは、2以上の整数が好ましく、2〜10の整数がより好ましい。
Zとしては、脂肪族基(例えば、アルキル基、置換アルキル基、不飽和アルキル基、及び、置換不飽和アルキル基等)、芳香族基(例えば、アリール基、置換アリール基、アリーレン基、及び、置換アリーレン基等)、複素環基、又は、これらの組み合わせが挙げられる。これらの基は、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、置換イミノ基(−NR31−、ここでR31は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、又は、カルボニル基(−CO−)を含有してもよい。
脂肪族基は、環状構造又は分岐鎖構造を含有してもよい。脂肪族基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が更に好ましい。脂肪族基は、更に環集合炭化水素基、又は、架橋環式炭化水素基を含有し、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基、パーヒドロナフタレニル基、ビフェニル基、及び、4−シクロヘキシルフェニル基等が挙げられる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、及び、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、及び、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)等の2環式炭化水素環;アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、及び、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環等の3環式炭化水素環;テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、及び、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環等の4環式炭化水素環;等が挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、及び、パーヒドロフェナレン環等の5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
脂肪族基としては、不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。また、脂肪族基は、置換基を含有してもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、芳香族基、及び、複素環基等が挙げられる。ただし、脂肪族基は、置換基として酸基を含有しない。
芳香族基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜15がより好ましく、6〜10が更に好ましい。また、芳香族基は置換基を含有してもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、及び、複素環基等が挙げられる。ただし、芳香族基は、置換基として酸基を含有しない。
複素環基は、複素環として5員環又は6員環を含有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環又は芳香族環が縮合してもよい。また、複素環基は置換基を含有してもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R32、ここでR32は脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、脂肪族基、芳香族基、及び、複素環基等が挙げられる。ただし、複素環基は、置換基として酸基を含有しない。
上記式(iii)中、R、R、及び、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、及び、臭素原子等)、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、及び、プロピル基等)、Z、又は、L−Zを表す。ここでL及びZは、上記におけるものと同義である。R、R、及び、Rとしては、水素原子、又は、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
上記式(i)で表される単量体として、R、R、及びRが水素原子又はメチル基であって、Lが単結合、又は、アルキレン基、若しくは、オキシアルキレン構造を含有する2価の連結基であって、Xが酸素原子、又は、イミノ基であって、Zが脂肪族基、複素環基又は芳香族基である化合物が好ましい。
また、上記式(ii)で表される単量体として、Rが水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基であって、Zが脂肪族基、複素環基又は芳香族基である化合物が好ましい。また、上記式(iii)で表される単量体として、R、R、及びRが水素原子又はメチル基であって、Zが脂肪族基、複素環基又は芳香族基である化合物が好ましい。
式(i)〜(iii)で表される代表的な化合物の例としては、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、及び、スチレン類等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
なお、式(i)〜(iii)で表される代表的な化合物の例としては、特開2013−249417号公報の0089〜0093段落に記載の化合物を参照でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
疎水性構造単位の含有量としては、高分子化合物の全質量に対して、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。疎水性構造単位の含有量が上記範囲内だと、硬化性組成物は、より優れた本発明の効果を有する。
・顔料等と相互作用を形成しうる官能基を含有する構造単位
高分子化合物には、顔料等と相互作用を形成しうる官能基を導入することができる。ここで、高分子化合物は、顔料等と相互作用を形成しうる官能基を含有する構造単位を更に含有することが好ましい。
この顔料等と相互作用を形成しうる官能基としては、例えば、酸基、塩基性基、配位性基、及び、反応性を有する官能基等が挙げられる。
高分子化合物が、酸基、塩基性基、配位性基、又は、反応性を有する官能基を含有する場合、それぞれ、酸基を含有する構造単位、塩基性基を含有する構造単位、配位性基を含有する構造単位、又は、反応性を有する構造単位を含有することが好ましい。
特に、高分子化合物が、更に、酸基として、カルボン酸基等のアルカリ可溶性基を含有することで、高分子化合物に、アルカリ現像によるパターン形成のための現像性を付与することができる。
すなわち、高分子化合物にアルカリ可溶性基を導入することで、硬化性組成物は、顔料等の分散に寄与する分散剤としての高分子化合物が、同時にアルカリ可溶性を有する。このような高分子化合物を含有する硬化性組成物は、より優れたアルカリ現像性(未露光部がアルカリ現像でより溶解しやすい)を有し、また、得られる硬化膜は、より優れた遮光性を有する。
また、酸基を含有する高分子化合物は、後述する溶剤とのより高い親和性を有する。従い、酸基を含有する高分子化合物を含有する硬化性組成物はより優れた塗布性を有する。
これは、酸基を含有する構造単位における酸基が顔料等と相互作用しやすく、高分子化合物が顔料等を安定的に分散すると共に、顔料等を分散する高分子化合物の粘度がより低下し、高分子化合物自体も安定的に分散されやすいためであると推測される。
酸基としてアルカリ可溶性基を含有する構造単位は、上記のグラフト鎖を含有する構造単位と同一の構造単位であっても、異なる構造単位であってもよい。
なお、本明細書において、酸基としてアルカリ可溶性基を含有する構造単位は、上記の疎水性構造単位とは異なる構造単位を意図する(すなわち、上記の疎水性構造単位には該当しない)。
顔料等と相互作用を形成しうる官能基のうち、酸基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、及び、フェノール性水酸基等が挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、及び、リン酸基からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、顔料等へのより優れた吸着力を有し、かつ、より優れた分散性を有する点で、カルボン酸基がより好ましい。
すなわち、高分子化合物は、カルボン酸基、スルホン酸基、及び、リン酸基からなる群から選択される少なくとも1種を含有する構造単位を更に含有することが好ましい。
高分子化合物は、酸基を含有する構造単位を1種又は2種以上有してもよい。
高分子化合物は、酸基を含有する構造単位を含有してもしなくてもよい。
酸基を含有する構造単位の高分子化合物中における含有量は、高分子化合物の全質量に対して、5〜80質量%が好ましく、アルカリ現像による画像強度のダメージがより抑制される点で、10〜60質量%がより好ましい。
顔料等と相互作用を形成しうる官能基のうち、塩基性基としては、例えば、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、N原子を含有するヘテロ環基、及び、アミド基等が挙げられる。なかでも、顔料等へのより優れた吸着力を有し、かつ、より優れた分散性を有する点で、第3級アミノ基が好ましい。高分子化合物は、塩基性基1種を単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。
高分子化合物は、塩基性基を含有する構造単位を含有してもしなくてもよい。
高分子化合物中における、塩基性基を含有する構造単位の含有量は、高分子化合物の全質量に対して、0.01〜50質量%が好ましく、硬化性組成物がより優れた現像性を示す点で、0.01〜30質量%がより好ましい。
顔料等と相互作用を形成しうる官能基のうち、配位性基、及び、反応性を有する官能基としては、例えば、アセチルアセトキシ基、トリアルコキシシリル基、イソシアネート基、酸無水物基、及び、酸塩化物基等が挙げられる。なかでも、顔料等へのより優れた吸着力を有し、顔料等をより分散させやすい点で、アセチルアセトキシ基が好ましい。高分子化合物は、配位性基、及び、反応性を有する官能基1種を単独で含有しても、2種以上を含有してもよい。高分子化合物は、配位性基を含有する構造単位、及び、反応性を有する官能基を含有する構造単位のいずれをも含有してもしなくてもよい。
高分子化合物中における、配位性基を含有する構造単位、及び、反応性を有する官能基の含有量としては、高分子化合物の全質量に対して、10〜80質量%が好ましく、硬化性組成物がより優れた現像性を示す点で、20〜60質量%がより好ましい。
上記高分子化合物が、グラフト鎖以外に、顔料等と相互作用を形成しうる官能基を含有する場合、顔料等と相互作用を形成しうる官能基を含有していればよく、これらの官能基がどのように導入されているかは特に限定されないが、高分子化合物は、下記式(iv)〜(vi)で表される単量体に由来の構造単位から選択された1種以上の構造単位を含有することが好ましい。
式(iv)〜式(vi)中、R11、R12、及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、及び、臭素原子等)、又は炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、及び、プロピル基等)を表す。
式(iv)〜式(vi)中、R11、R12、及びR13としては、水素原子、又は、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。式(iv)中、R12及びR13は、それぞれ水素原子が更に好ましい。
式(iv)中のXは、酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)を表し、酸素原子が好ましい。
また、式(v)中のYは、メチン基又は窒素原子を表す。
また、式(iv)〜式(v)中のLは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上述した式(i)中のLで表される2価の連結基の定義と同じである。
としては、単結合、又は、アルキレン基若しくはオキシアルキレン構造を含有する2価の連結基が好ましい。オキシアルキレン構造は、オキシエチレン構造又はオキシプロピレン構造がより好ましい。また、Lは、オキシアルキレン構造を2個以上繰り返して含有するポリオキシアルキレン構造を含有してもよい。ポリオキシアルキレン構造としては、ポリオキシエチレン構造又はポリオキシプロピレン構造が好ましい。ポリオキシエチレン構造は、−(OCHCH)n−で表され、nは、2以上の整数が好ましく、2〜10の整数がより好ましい。
式(iv)〜式(vi)中、Zは、グラフト鎖以外に顔料等と相互作用を形成しうる官能基を表し、カルボン酸基、又は、第三級アミノ基が好ましく、カルボン酸基がより好ましい。
式(vi)中、R14、R15、及びR16は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、及び、臭素原子等)、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、及び、プロピル基等)、−Z、又はL−Zを表す。ここでL及びZは、上記におけるL及びZと同義であり、好ましい例も同様である。R14、R15、及びR16としては、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
式(iv)で表される単量体としては、R11、R12、及びR13がそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基又はオキシアルキレン構造を含有する2価の連結基であって、Xが酸素原子又はイミノ基であって、Zがカルボン酸基である化合物が好ましい。
また、式(v)で表される単量体としては、R11が水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基であって、Zがカルボン酸基であって、Yがメチン基である化合物が好ましい。
更に、式(vi)で表される単量体としては、R14、R15、及びR16がそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であって、Lが単結合又はアルキレン基であって、Zがカルボン酸基である化合物が好ましい。
以下に、式(iv)〜式(vi)で表される単量体(化合物)の代表的な例を示す。
単量体としては、例えば、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、分子内に付加重合性二重結合及び水酸基を含有する化合物(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)とコハク酸無水物との反応物、分子内に付加重合性二重結合及び水酸基を含有する化合物とフタル酸無水物との反応物、分子内に付加重合性二重結合及び水酸基を含有する化合物とテトラヒドロキシフタル酸無水物との反応物、分子内に付加重合性二重結合及び水酸基を含有する化合物と無水トリメリット酸との反応物、分子内に付加重合性二重結合及び水酸基を含有する化合物とピロメリット酸無水物との反応物、アクリル酸、アクリル酸ダイマー、アクリル酸オリゴマー、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、4−ビニル安息香酸、ビニルフェノール、及び、4−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド等が挙げられる。
高分子化合物中における、顔料等と相互作用を形成しうる官能基を含有する構造単位の含有量は、顔料等との相互作用、経時安定性、及び現像液への浸透性の観点から、高分子化合物の全質量に対して、0.05〜90質量%が好ましく、1.0〜80質量%がより好ましく、10〜70質量%が更に好ましい。
・その他の構造単位
更に、高分子化合物は、画像強度等の諸性能を向上する目的で、本発明の効果を損なわない限りにおいて、グラフト鎖を含有する構造単位、疎水性構造単位、及び、顔料等と相互作用を形成しうる官能基を含有する構造単位とは異なる、他の構造単位(例えば、分散組成物に用いられる溶剤との親和性を有する官能基等を含有する構造単位等)を更に含有しもよい。
他の構造単位としては、例えば、アクリロニトリル類、及び、メタクリロニトリル類からなる群から選択されるラジカル重合性化合物に由来の構造単位等が挙げられる。
高分子化合物は、他の構造単位1種を単独で含有して、2種以上を含有してもよい。
高分子化合物中における他の構造単位の含有量は、高分子化合物の全質量に対して、0%〜80質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましい。他の構造単位の含有量が0〜80質量%であると、硬化性組成物は、より優れたパターン形成性を有する。
・高分子化合物の物性
高分子化合物の酸価としては、特に制限されないが、0〜250mgKOH/gが好ましく、10〜200mgKOH/gがより好ましく、20〜120mgKOH/gが更に好ましい。
高分子化合物の酸価が250mgKOH/g以下だと、後述する現像工程において、支持体からの硬化膜の剥離がより抑制される。また、高分子化合物の酸価が10mgKOH/g以上だと、硬化性組成物はより優れたアルカリ現像性を有する。
また、高分子化合物の酸価が20mgKOH/g以上だと、硬化性組成物中における顔料等の沈降がより抑制され、粗大粒子数がより少ないため、結果として、硬化性組成物はより優れた経時安定性を有する。
高分子化合物の酸価は、例えば、高分子化合物中における酸基の平均含有量から算出することができる。また、高分子化合物中の酸基を含有する構造単位の含有量を変化させることで所望の酸価を有する高分子化合物を得ることができる。
高分子化合物の重量平均分子量は、硬化性組成物がより優れた現像性を有し、かつ、得られる硬化膜が、現像工程においてより剥離しにくい点で、GPC(Gel Permeation Chromatography:ゲル浸透クロマトグラフィー)法によるポリスチレン換算値として、4,000〜300,000が好ましく、5,000〜200,000がより好ましく、6,000〜100,000が更に好ましく、10,000〜50,000が特に好ましい。
GPC法は、HLC−8020GPC(東ソー製)を用い、カラムとしてTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ2000(東ソー製、4.6mmID×15cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いる方法に基づく。なお、高分子化合物は、公知の方法に基づいて合成できる。
高分子化合物の具体例としては、楠本化成社製「DA−7301」、BYKChemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含有する共重合体)、111(リン酸系分散剤)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170、190(高分子共重合体)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)」、EFKA社製「EFKA4047、4050〜4010〜4165(ポリウレタン系)、EFKA4330〜4340(ブロック共重合体)、4400〜4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、PB822、PB880、PB881」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、日本ルーブリゾール製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、12000、17000、20000、27000(末端部に機能部を含有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト共重合体)」、日光ケミカル社製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」、川研ファインケミカル製 ヒノアクトT−8000E等、信越化学工業製、オルガノシロキサンポリマーKP341、裕商製「W001:カチオン系界面活性剤」、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、「W004、W005、W017」等のアニオン系界面活性剤、森下産業製「EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450」、サンノプコ製「ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100」等の高分子分散剤、ADEKA製「アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123」、及び三洋化成製「イオネット(商品名)S−20」等が挙げられる。また、アクリベースFFS−6752、アクリベースFFS−187、アクリキュア−RD−F8、及び、サイクロマーPを用いることもできる。
また、ビックケミー社製のDISPERBYK−130、DISPERBYK−140、DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、DISPERBYK−180、DISPERBYK−187、DISPERBYK−191、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2010、DISPERBYK−2012、DISPERBYK−2025、BYK−9076、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、アジスパーPB822、及び、アジスパーPB881等を用いることもできる。
これらの高分子化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、高分子化合物としては、特開2013−249417号公報の0127〜0129段落に記載の化合物を用いることもでき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、分散剤としては、特開2010−106268号公報の0037〜0115段落(対応するUS2011/0124824の0075〜0133段落)のグラフト共重合体を使用することもでき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、分散剤としては、特開2011−153283号公報の0028〜0084段落(対応するUS2011/0279759の0075〜0133段落)の酸性基が連結基を介して結合してなる側鎖構造を含有する構成成分を含有する高分子化合物を用いることもでき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、分散剤としては、特開2016−109763号公報の0033〜0049段落に記載された樹脂を用いることもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。
(重合開始剤)
硬化性組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、特に制限されず、公知の重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤、及び、熱重合開始剤等が挙げられ、光重合開始剤が好ましい。重合開始剤は、着色性が無い重合開始剤、及び、高退色性である重合開始剤から選択されることも好ましい。なお、重合開始剤としては、いわゆるラジカル重合開始剤が好ましい。
硬化性組成物中における重合開始剤の含有量としては特に制限されないが、一般に、硬化性組成物の全固形分に対して0.5〜20質量%が好ましい。重合開始剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合開始剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、3−カルボキシプロピオニトリル、アゾビスマレノニトリル、及び、ジメチル−(2,2’)−アゾビス(2−メチルプロピオネート)[V−601]等のアゾ化合物、並びに、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、及び、過硫酸カリウム等の有機過酸化物が挙げられる。
熱重合開始剤としては、例えば、加藤清視著「紫外線硬化システム」(株式会社総合技術センター発行:平成元年)の第65〜148頁に記載されている化合物等が挙げられる。
・光重合開始剤
上記硬化性組成物は光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、重合性化合物の重合を開始することができれば特に制限されず、公知の光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤としては、例えば、紫外線領域から可視光領域に対して感光性を有するものが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、重合性化合物の種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、硬化性組成物は、約300〜800nm(330〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50のモル吸光係数を有する化合物を、光重合開始剤として少なくとも1種含有していることが好ましい。
硬化性組成物中における光重合開始剤の含有量としては特に制限されないが、一般に、硬化性組成物の全固形分に対して、0.5〜20質量%が好ましい。光重合開始剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の光重合開始剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を含有するもの、及び、オキサジアゾール骨格を含有するもの等)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、アミノアセトフェノン化合物、及び、ヒドロキシアセトフェノン等が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、特開2013−29760号公報の0265〜0268段落を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
光重合開始剤としては、より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、及び、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィン系開始剤を用いることができ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
ヒドロキシアセトフェノン化合物としては、例えば、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959、及びIRGACURE−127(商品名:いずれもBASF社製)等を用いることができるが、これに制限されない。
アミノアセトフェノン化合物としては、例えば、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、及び、IRGACURE−379EG(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができるがこれに制限されない。アミノアセトフェノン化合物としては、365nm又は405nm等の長波光源に吸収波長がマッチングされた特開2009−191179公報に記載の化合物も用いることもでき、上記内容は本明細書に組み込まれる。
アシルホスフィン化合物としては、IRGACURE−819、及び、IRGACURE−TPO(商品名:いずれもBASF社製)等を用いることができる。
・・オキシム化合物
光重合開始剤としては、オキシムエステル系重合開始剤(オキシムエステル化合物、位か、「オキシム化合物」ともいう。)が好ましい。オキシム化合物はより優れた感度、及び、重合効率を有するため、結果として、オキシム化合物を含有する硬化性組成物は顔料の含有量が多い場合であっても、よりすぐれた硬化性を有する。
オキシム化合物としては、特開2001−233842号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、及び、特開2006−342166号公報記載の化合物を用いることができ、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
オキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
また、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、及び特開2006−342166号公報に記載の化合物等も挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
オキシム化合物の市販品としては、IRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)、IRGACURE−OXE03(BASF社製)、IRGACURE−OXE04(BASF社製)、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司製)、アデカアークルズNCI−831及びアデカアークルズNCI−930(ADEKA社製)、及び、N−1919(カルバゾール・オキシムエステル骨格含有光開始剤(ADEKA社製)等が挙げられる。
また上記記載以外のオキシム化合物としては、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物;ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許第7626957号公報に記載の化合物;色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025号公報及び米国特許公開2009−292039号記載の化合物;国際公開特許2009−131189号公報に記載のケトオキシム化合物;トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910号公報に記載の化合物;405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報記載の化合物;等を用いてもよい。
また、特開2013−29760号公報の0274〜0275段落に記載の化合物を用いることもでき、この内容は本明細書に組み込まれる。
オキシム化合物としては、下記式(OX−1)で表される構造を含有する化合物が好ましい。なお、オキシム化合物のN−O結合が(E)体のオキシム化合物であっても、(Z)体のオキシム化合物であってもよい。オキシム化合物としては、(E)体と(Z)体とを併用してもよい。
式(OX−1)中、R及びBはそれぞれ独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。
式(OX−1)中、Rで表される一価の置換基としては、一価の非金属原子団が好ましい。
一価の非金属原子団としては、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環基、アルキルチオカルボニル基、及び、アリールチオカルボニル基等が挙げられる。また、これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としてはハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、及び、アリール基等が挙げられる。
式(OX−1)中、Bで表される一価の置換基としては、アリール基、複素環基、アリールカルボニル基、又は、複素環カルボニル基が好ましく、アリール基、又は、複素環基が好ましい。これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基と同様である。
式(OX−1)中、Aで表される二価の有機基としては、炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、又は、アルキニレン基が好ましい。これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が挙げられる。
光重合開始剤として、フッ素原子を含有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を含有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報記載の化合物;特表2014−500852号公報記載の化合物24、36〜40;特開2013−164471号公報記載の化合物(C−3);等が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
光重合開始剤として、下記一般式(1)〜(4)で表される化合物を用いることもできる。
式(1)において、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30のアリール基、又は、炭素数7〜30のアリールアルキル基を表し、R及びRがフェニル基の場合、フェニル基同士が結合してフルオレン基を形成してもよく、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基又は炭素数4〜20の複素環基を表し、Xは、直接結合又はカルボニル基を表す。
式(2)において、R、R、R及びRは、式(1)におけるR、R、R及びRと同義であり、Rは、−R、−OR、−SR、−COR、−CONR、−NRCOR、−OCOR、−COOR、−SCOR、−OCSR、−COSR、−CSOR、−CN、ハロゲン原子又は水酸基を表し、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基又は炭素数4〜20の複素環基を表し、Xは、直接結合又はカルボニル基を表し、aは0〜4の整数を表す。
式(3)において、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数4〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30のアリール基、又は、炭素数7〜30のアリールアルキル基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基又は炭素数4〜20の複素環基を表し、Xは、直接結合又はカルボニル基を示す。
式(4)において、R、R及びRは、式(3)におけるR、R及びRと同義であり、Rは、−R、−OR、−SR、−COR、−CONR、−NRCOR、−OCOR、−COOR、−SCOR、−OCSR、−COSR、−CSOR、−CN、ハロゲン原子又は水酸基を表し、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基又は炭素数4〜20の複素環基を表し、Xは、直接結合又はカルボニル基を表し、aは0〜4の整数を表す。
上記式(1)及び式(2)において、R及びRは、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロヘキシル基又はフェニル基が好ましい。Rはメチル基、エチル基、フェニル基、トリル基又はキシリル基が好ましい。Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基が好ましい。Rはメチル基、エチル基、フェニル基、トリル基又はナフチル基が好ましい。Xは直接結合が好ましい。
また、上記式(3)及び(4)において、Rは、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロヘキシル基又はフェニル基が好ましい。Rはメチル基、エチル基、フェニル基、トリル基又はキシリル基が好ましい。Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基が好ましい。Rはメチル基、エチル基、フェニル基、トリル基又はナフチル基が好ましい。Xは直接結合が好ましい。
式(1)及び式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、特開2014−137466号公報の0076〜0079段落に記載された化合物が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれることとする。
上記硬化性組成物に好ましく使用されるオキシム化合物の具体例を以下に示す。また、オキシム化合物としては、国際公開第2015−036910号のTable1に記載の化合物を用いることもでき、上記の内容は本明細書に組み込まれる。

オキシム化合物は、350〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものが好ましく、360〜480nmの波長領域に極大吸収波長を有するものがより好ましく、365nm及び405nmの吸光度が高いものが更に好ましい。
オキシム化合物の365nm又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000が好ましく、2,000〜300,000がより好ましく、5,000〜200,000が更に好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法で測定できるが、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Cary−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
光重合開始剤は、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、光重合開始剤としては、特開第2008−260927号公報の0052段落、特開第2010−97210号公報の0033〜0037段落、特開第2015−68893号公報の0044段落に記載の化合物を用いることもでき、上記の内容は本明細書に組み込まれる。
(重合禁止剤)
硬化性組成物は重合禁止剤を含有することが好ましい。硬化性組成物中における重合禁止剤の含有量としては特に制限されないが、一般に、硬化性組成物の全固形分に対して、0.0001〜1質量%が好ましく、0.001〜0.1質量%がより好ましい。重合禁止剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合禁止剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
重合禁止剤としては特に制限されず、公知の重合禁止剤を用いることができる。重合禁止剤としては、例えば、フェノール系重合禁止剤(例えば、p−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、及び、4−メトキシナフトール等);ハイドロキノン系重合禁止剤(例えば、ハイドロキノン、及び、2,6−ジ−tert−ブチルハイロドロキノン等);キノン系重合禁止剤(例えば、ベンゾキノン等);フリーラジカル系重合禁止剤(例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、及び、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル等);ニトロベンゼン系重合禁止剤(例えば、ニトロベンゼン、及び、4−ニトロトルエン等);フェノチアジン系重合禁止剤(例えば、フェノチアジン、及び、2−メトキシフェノチアジン等);等が挙げられる。
なかでも、硬化性組成物がより優れた本発明の効果を有する点で、フェノール系重合禁止剤、又は、フリーラジカル系重合禁止剤が好ましい。
なお、上記重合開始剤は、硬化性組成物の調製時に他の成分とともに混合されてもよいし、上記樹脂の合成の際等に用いられたものが、上記樹脂とともに、その他の成分と混合されてもよい。
硬化性組成物中における重合禁止剤の含有量としては特に制限されないが、硬化性組成物がより優れた経時安定性、及び、より優れた硬化性を有する点で、硬化性組成物の全固形分に対して、0.00001〜1質量%が好ましい。
重合禁止剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の重合禁止剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
重合禁止剤は、硬化性基を含有する樹脂と共に用いる場合にその効果が顕著である。例えば、分散組成物の作製中;分散組成物の作製後;硬化性組成物の作製中;硬化性組成物作製後;等、分散組成物、及び/又は、硬化性組成物が高温となったり、長期保管されたり等して、硬化性基を含有する樹脂の重合が進む懸念がある場合であっても、問題なく用いることができる。
(溶剤)
硬化性組成物は、溶剤を含有することが好ましい。溶剤としては特に制限されず公知の溶剤を用いることができる。
硬化性組成物中における溶剤の含有量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有する収容体が得られる点で、硬化性組成物の固形分含有量が10質量%以上となるように調整されることが好ましく、15質量%以上となるように調整されることがより好ましく、15質量%を超えるように調整されることが更に好ましい。上限値としては特に制限されないが、硬化性組成物の固形分含有量が、90質量%以下となるように調整されることが好ましい。
溶剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の溶剤を併用する場合には、硬化性組成物の全固形分が上記範囲内となるよう調整されることが好ましい。
溶剤としては、例えば、水、又は、有機溶剤が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、N−メチル−2−ピロリドン、及び、乳酸エチル等が挙げられるが、これらに制限されない。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する収容体が得られる点で、溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロペンタノン、及び、シクロヘキサンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましくプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及び/又は、シクロペンタノンがより好ましい。
(紫外線吸収剤)
硬化性組成物は、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。紫外線吸収剤を含有する硬化性組成物により得られる硬化膜はより優れたパターン形状(より精細なパターン形状)を有する。
紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、及び、トリアジン系等の紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開2012−068418号公報の0137〜0142段落(対応するUS2012/0068292の0251〜0254段落)に記載の化合物を用いることができ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
紫外線吸収剤としては、ジエチルアミノ−フェニルスルホニル系紫外線吸収剤(大東化学社製、商品名:UV−503)等を用いることもできる。
紫外線吸収剤としては、特開2012−32556号公報の0134〜0148段落に記載の化合物を用いることもでき、上記内容は本明細書に組み込まれる。
硬化性組成物中における紫外線吸収剤の含有量としては、特に制限されないが、硬化性組成物の全固形分に対して、0.001〜15質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が更に好ましい。
(界面活性剤)
硬化性組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤を含有する硬化性組成物はより優れた塗布性を有する。
硬化性組成物中における、界面活性剤の含有量としては特に制限されないが、硬化性組成物の全固形分に対して、0.001〜2.0質量%が好ましい。
界面活性剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。界面活性剤を2種以上併用する場合は、合計量が上記範囲内であることが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、及び、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
例えば、硬化性組成物がフッ素系界面活性剤を含有すると、硬化性組成物の液特性(特に、流動性)がより向上する。即ち、フッ素系界面活性剤を含有する硬化性組成物を用いて基板上に硬化性組成物層を形成する場合、基板と硬化性組成物との界面張力を低下させることにより、基板への濡れ性が改善され、硬化性組成物の塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の硬化性組成物層を形成した場合であっても、厚みムラの小さいより均一な厚みを有する硬化性組成物層を形成することができる。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有量としては、特に制限されないが、3〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましく、7〜25質量%が更に好ましい。フッ素含有量が、3〜40質量%であるフッ素系界面活性剤を含有する硬化性組成物によれば、より均一な厚みを有する硬化性組成物層を形成することができ、結果として、硬化性組成物はより優れた省液性を有する。また、上記範囲内であると、フッ素系界面活性剤が、硬化性組成物中でより溶解しやすい。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、及び、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としてブロックポリマーを用いることもでき、例えば、特開第2011−89090号公報に記載されたが化合物を用いることもでき、上記内容は本明細書に組み込まれる。
(シランカップリング剤)
硬化性組成物はシランカップリング剤を含有してもよい。
本明細書において、シランカップリング剤とは、分子中に以下の加水分解性基とそれ以外の官能基とを含有する化合物を意図する。上記加水分解性基とは、珪素原子に直結し、加水分解反応及び/又は縮合反応によってシロキサン結合を生じ得る置換基を意図する。加水分解性基としては、例えば、ケイ素原子に直結した、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、及びアルケニルオキシ基等が挙げられる。加水分解性基が炭素原子を含有する場合、その炭素数は6以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。特に、炭素数4以下のアルコキシ基又は炭素数4以下のアルケニルオキシ基が好ましい。
シランカップリング剤は、加水分解性基が結合した珪素原子以外の珪素原子、及び、フッ素原子のいずれをも含有しないことが好ましい。上記シランカップリング剤を含有する硬化性組成物を用いて基板上に硬化膜を形成すると、硬化膜は、基板へのより優れた密着性を有する。
上記硬化性組成物中におけるシランカップリング剤の含有量は、硬化性組成物中の全固形分に対して、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましく、1.0〜6質量%が更に好ましい。
シランカップリング剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上のシランカップリング剤を併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
<硬化性組成物の粘度>
硬化性組成物の粘度としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有する収容体が得られる点で、25℃において、1.5〜7.5mPa・sが好ましく、2.0〜5.0mPa・sがより好ましい。
なお、本明細書において、硬化性組成物の粘度とは、B型粘度法を用いて測定した粘度を意図する。
〔要件1〕
特定収容体は、以下の要件1を満たす。
要件1:硬化性組成物の液面から深さ方向に向かって硬化性組成物の全深さの10%の深さに相当する位置を上部位置とし、硬化性組成物の液面から深さ方向に向かって硬化性組成物の全深さの90%の深さに相当する位置を下部位置とし、硬化性組成物の液面から深さ方向に向かって硬化性組成物の全深さの100%の深さに相当する位置を最下部位置とし、収容体内における硬化性組成物の液面位置から上部位置までの領域における硬化性組成物を上部液とし、かつ、下部位置から最下部位置までの領域における硬化性組成物を下部液としたとき、上部液中の全固形分に対する、上部液中のアルカリ可溶性樹脂の含有量Bと、下部液中の全固形分に対する、下部液中のアルカリ可溶性樹脂の含有量Bとが、以下の式(1)を満たす。
式(1) 1.00<B/B≦1.10
以下、図4を参照しながら要件1について説明する。図4は、特定収容体を示す概略図である。特定収容体40は、容器41と、容器41に収容された硬化性組成物42とを含有する。
まず、収容体40内における硬化性組成物42の液面から深さ方向(図4中のD方向)に向かって硬化性組成物42の全深さの10%に相当する位置を上部位置44とし、硬化性組成物の液面から深さ方向(D方向)に向かって硬化性組成物42の全深さの90%の深さに相当する位置を下部位置45とし、硬化性組成物の液面から深さ方向(D方向)に向かって硬化性組成物42の全深さの100%の深さに相当する位置を最下部位置46とし、収容体40内における硬化性組成物42の液面位置43から、上部位置44までの領域における硬化性組成物を上部液とし、かつ、下部位置45から最下部位置46までの領域における硬化性組成物を下部液とする。
本明細書において、上部液とは、具体的には以下のとおりである。
内法が、底面が5cm×5cmの正方形で、高さが20cmである内容積500mLの容器に、6cmの高さまで硬化性組成物が収容されているとする。この場合、上部液は、液面から深さ方向に0.6cmまでの領域の硬化性組成物15mlとなる。一方、下部液は、液面から深さ方向に5.4〜6cmまでの領域の硬化性組成物15mlとなる。
上部液、及び、下部液中におけるアルカリ可溶性樹脂の含有量B及びBは以下の方法により求めることができる。
まず、上部液(又は、下部液)と、水酸化テトラアンモニウム(TMAH)水溶液(TMAHの含有量は、TMAH水溶液の全質量の2.38質量%である。)と、を1:1の割合で(当量ずづ)混合し、試験液を得る。
次に、上記試験液を、容器に密封して、25℃で24時間、振とうさせ、試験液中に含有されるアルカリ可溶性樹脂を溶解させる。
次に、抽出後の試験液について、遠心力10000×gで60分間遠心分離し、上清(液体部分)を取得する。次にこの上清を蒸発乾固し(条件:160℃、1時間)、得られた固形分から、上部液(又は下部液)のアルカリ可溶性樹脂の含有量を計算する。
/Bが、1.00を超えると、得られる硬化膜が優れた低反射性を有し、B/Bが、1.10以下だと、得られる硬化膜の密着性のばらつきが小さい。なかでもより優れた本発明の効果を有する収容体が得られる点で、B/Bとしては、1.01〜1.05がより好ましい。
〔要件2〕
特定収容体は、より優れた本発明の効果を有する点で、以下の要件2を満たすことが好ましい。
要件2:上部液中の全固形分に対する、上部液中の無機顔料の含有量Pと、下部液中の全固形分に対する、下部液中の無機顔料の含有量Pとが、以下の式(2)を満たす。
式(2) 1.00<P/P<1.07
本明細書において、硬化性組成物中における無機顔料の含有量(P及びP)は、以下の方法により求められる値を意図する。
要件1において説明した方法により取得した上部液、及び、下部液を、遠心力10000×gで60分間遠心分離し、沈殿物を取得する。
次に、上記沈殿物にクロロホルムを加え、無機顔料以外の成分を溶解させた溶解液を得る。
次に、溶解液について、遠心力10000×gで60分間遠心分離し、固形分を取得する。次に、固形分から、溶剤を除去して、上部液(又は下部液)の無機顔料の含有量を計算する。
/Pが、1.00を超えると、より優れた本発明の効果を有する収容体が得られ、P/Pが1.07未満だと、得られる硬化膜の密着性のばらつきがより小さい。
〔要件3〕
特定収容体は、より優れた本発明の効果を有する点で、以下の要件3を満たすことが好ましい。
要件3:上部液中の全固形分に対する、上部液中の重合性化合物の含有量Aと、下部液中の全固形分に対する、下部液中の重合性化合物の含有量Aとが、以下の式(2)を満たす。
式(3) 0.97<A/A<1.03
本明細書において、硬化性組成物中における重合性化合物の含有量(A及びA)は、以下の方法により求められる値を意図する。
既に説明した方法により取得した上部液、及び、下部液それぞれと、水酸化テトラアンモニウム(TMAH)水溶液(TMAHの含有量は、TMAH水溶液の全質量の2.38質量%である。)と、を1:1の割合で(当量ずつ)混合し、試験液を得る。
次に、上記試験液を、容器に密封して、25℃で24時間、振とうさせ、試験液中に含有されるアルカリ可溶性樹脂を溶解させる。
次に、抽出後の試験液について、遠心力10000×gで60分間遠心分離し、沈殿物を取得する。
次に、上記沈殿物にクロロホルムを加え、無機顔料以外の成分を溶解させ、常法により固液分離し、溶解液を得る。
次に、得られた溶解液から、高速液体クロマトグラフィー(測定機:Waters社製Waters2695、カラム:島津製作所製Shim−packCLC−ODS(6.0mm×15cm、溶離液:テトラヒドロフラン/水(リン酸0.1vol%、トリエチルアミン0.1vol%含有)=65/35)を用いて、重合性化合物を分離し、上部液(又は下部液)中の重合性化合物の含有量を求める(定量する)。
/Aが、0.97を超えると、得られる硬化膜の密着性のばらつきがより小さく、A/Aが1.03未満だと、得られる硬化膜がより優れた低反射性を有する。
〔収容体の製造方法の第一の実施形態〕
特定収容体を製造する方法としては特に制限されないが、より簡便に特定収容体を製造することができる点で、収容体の製造方法は、以下の工程を有することが好ましい。
・無機顔料と、重合性化合物と、アルカリ可溶性樹脂と、を含有する硬化性組成物を、容器の全内容積の30体積%以上となるように、収容する工程(収容工程)
・硬化性組成物が収容された容器を静置して、要件1を満たす収容体を得る工程(静置工程)
以下では、各工程について詳述するが、各工程において使用する部材、及び、硬化性組成物の成分等は、特定収容体の部材、及び、特定収容体が含有する硬化性組成物の成分として既に説明したとおりであるので、説明を省略する。
・収容工程
収容工程は、容器の全内容積の30体積%以上となるよう、容器に硬化性組成物を収容する工程である。本工程において、容器に硬化性組成物を収容する方法としては特に制限されず。公知の方法を用いることができる。
また、容器の全内容積に対する硬化性組成物の収容量は、30体積%以上であれば特に制限されず、30体積%を超えることが好ましく、50体積%以上がより好ましく、上限としては特に制限されないが、92.5質量%以下が好ましく、87.5質量%以下がより好ましく、87.5質量%未満が更に好ましい。
・静置工程
静置工程は、硬化性組成物を収容した容器を静置して、要件1を満たす収容体を得る工程である。本工程を経ることで、収容体内における上部液に含有されるアルカリ可溶性樹脂の含有量B及び下部液に含有されるアルカリ可溶性樹脂の含有量Bが所定の範囲内に調整され、特定収容体が得られる。
容器を静置する方法としては特に制限されず、公知の方法を用いることができる。また、静置する時間としては特に制限されないが、より簡便に特定収容体が得られる点で、1分〜200時間が好ましく、1時間〜100時間がより好ましく、10時間〜80時間が更に好ましい。静置は、連続で行われてもよいし、断続で行われてもよい。
静置する際の温度としては特に制限されないが、一般に0〜50℃が好ましい。静置は、恒温環境下で行われてもよいし、温度が変化する環境下で行われてもよい。
〔収容体の製造方法の第二の実施形態〕
本発明の第二の実施形態に係る収容体の製造方法は以下の工程を有する。
・容器と、容器に収容された硬化性組成物と、を含有する収容体であって、硬化性組成物の収容量が容器の全内容積の30体積%以上であり、硬化性組成物が、無機顔料と、重合性化合物と、アルカリ可溶性樹脂と、を含有し、要件4を満たす収容体を振とうさせる工程(振とう工程)
・振とうさせた収容体を静置して、要件1を満たす収容体を得る工程(静置工程)
・振とう工程
振とう工程において、振とうさせる収容体は以下の要件4を満たす。
要件4:Bと、Bとが、以下の式(4)を満たす。
式(4) 1.10<B/B
ここで、B及びBはすでに説明したとおりであり説明を省略する。なお、B/Bの上限値としては特に制限されないが、一般に1.5以下が好ましい。
本工程において、容器を振とうする方法としては特に制限されないが、より簡便に特定収容体が得られる点で、水平往復振とう、及び、回転振とうからなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。また、水平往復振とうにおける振とうの振幅については特に制限されないが、10mm以上が好ましい。
また、振とう速度は特に制限されないが、下限値としては、一般に20r/min以上が好ましい。上限値としては、硬化性組成物がより泡立ちにくく、より優れた本発明の効果を有する収容体が得られる点で、300r/min以下が好ましい。
・静置工程
静置工程は、収容体の製造方法の第一の実施形態で説明したとおりであり、説明を省略する。
〔収容体の用途〕
上記収容体によれば、収容された硬化性組成物を取り出して、上記硬化性組成物を用いて硬化膜を形成することができる。形成される硬化膜は、密着性のばらつきが少なく、また、優れた低反射性を有する。
<硬化膜の製造方法>
上記特定収容体を用いて硬化膜を製造する方法としては特に制限されないが、より簡便に硬化膜を製造することができる点で、以下の工程を有することが好ましい。
(硬化膜の製造方法の第一の実施形態)
・特定収容体から取り出した硬化性組成物を用いて硬化性組成物層を形成する工程(硬化性組成物層形成工程)
・硬化性組成物層に活性光線又は放射線を照射することにより露光する工程(露光工程)
・露光後の硬化性組成物層を現像して硬化膜を形成する工程(現像工程)
本実施形態に係る硬化膜の製造方法によれば、所定の要件を満たす収容体から取り出した硬化性組成物を用いて硬化膜を形成するため、得られる硬化膜は密着性のばらつきが少なく、また、優れた低反射性を有する。
・硬化性組成物層形成工程
硬化性組成物層形成工程は、特定収容体から取り出した硬化性組成物を用いて、硬化性組成物層を形成する工程である。
特定収容体から硬化性組成物を取り出す方法としては特に制限されず、公知の方法を用いることができる。
硬化性組成物を用いて、硬化性組成物層を形成する工程としては、例えば、基板上に、硬化性組成物を塗布して、硬化性組成物層を形成する工程が挙げられる。
基板の種類は特に制限されないが、固体撮像素子として用いる場合は、例えば、ケイ素基板が挙げられ、カラーフィルタ(固体撮像素子用カラーフィルタを含む)として用いる場合には、ガラス基板(ガラスウェハ)等が挙げられる。
基板上への硬化性組成物の塗布方法としては、スピンコート、スリット塗布、インクジェット法、スプレー塗布、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、及び、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法が挙げられる。
基板上に塗布された硬化性組成物は、通常、70〜150℃で1〜4分程度の条件下で乾燥され、硬化性組成物層が形成される。
・露光工程
露光工程では、硬化性組成物層形成工程において形成された硬化性組成物層に、パターン状の開口部を備えるフォトマスクを介して、活性光線又は放射線を照射して露光し、光照射された硬化性組成物層だけを硬化させる。
露光は、放射線の照射により行うことが好ましく、g線、h線、及び、i線等の紫外線を用いることがより好ましい。また、光源としては高圧水銀灯が好ましい。照射強度は特に制限されないが、一般に5〜1500mJ/cmが好ましく、10〜1000mJ/cmがより好ましい。
・現像工程
露光工程に次いで、現像処理(現像工程)を行い、露光工程における未露光部分を現像液に溶出させる。これにより、光硬化した部分だけが基板上に残る。
現像液としては、特に制限されないが、例えば、アルカリ現像液が挙げられ、なかでも、有機アルカリ現像液が好ましい。
現像条件としては特に制限されないが、現像温度が、一般に、20〜40℃が好ましく、現像時間が、一般に20〜180秒が好ましい。
アルカリ水溶液(アルカリ現像液)としては、特に制限されないが、例えば、無機アルカリ現像液に含有されるアルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、及び、メタ硅酸ナトリウム等が挙げられる。
アルカリ水溶液中における上記化合物の含有量としては特に制限されないが、一般に、アルカリ水溶液の全質量に対して、0.001〜10質量%が好ましく、0.005〜0.5質量%がより好ましい。
また、有機アルカリ現像液に含有されるアルカリ性化合物としては、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、及び、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等が挙げられる。
アルカリ水溶液中における上記化合物の含有量としては特に制限されないが、一般に、アルカリ水溶液の全質量に対して、0.001〜10質量%が好ましく、0.005〜0.5質量%がより好ましい。
アルカリ水溶液には、例えば、メタノール、及び、エタノール等の水溶性有機溶剤が含有されていてもよい。また、アルカリ水溶液には、界面活性剤が含有されていてもよい。
なお、このようなアルカリ水溶液を現像液として使用した場合には、現像後に硬化膜を純水で洗浄(リンス)することが好ましい。
(硬化膜の製造方法の第二の実施形態)
本発明の他の実施形態に係る硬化膜の製造方法は、以下の工程を有する。
・第二の実施形態に係る硬化性組成物の製造方法により製造された収容体からから取り出した硬化性組成物を用いて硬化性組成物層を形成する工程と、
・硬化性組成物層に活性光線又は放射線を照射することにより露光する工程と、
・露光後の硬化性組成物層を現像して硬化膜を形成する工程と、を有する、硬化膜の製造方法。
上記実施形態に係る各工程は、すでに説明した第一の実施形態に係る硬化膜の製造方法と同様であり、説明を省略する。
<硬化膜の用途>
上記硬化膜は、固体撮像素子の形成用として好適である。固体撮像素子が上記硬化膜を含有する形態としては特に制限されず、例えば、基板上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる受光素子を有し、支持体の受光素子形成面側(例えば、受光部以外の部分及び/又は色調整用画素等)又は形成面の反対側に上記硬化膜を備えて構成したものが挙げられる。
固体撮像装置は、上記固体撮像素子を含有する。
固体撮像装置、及び、固体撮像素子の構成例を図1〜図2を参照して説明する。なお、図1〜図2では、各部を明確にするため、相互の厚み及び/又は幅の比率は無視して一部誇張して表示している。
図1に示すように、固体撮像装置100は、矩形状の固体撮像素子101と、固体撮像素子101の上方に保持され、この固体撮像素子101を封止する透明なカバーガラス103とを備えている。更に、このカバーガラス103上には、スペーサー104を介してレンズ層111が重ねて設けられている。レンズ層111は、支持体113とレンズ材112とで構成されている。レンズ層111は、支持体113とレンズ材112とが一体成形された構成でもよい。レンズ層111の周縁領域に迷光が入射すると光の拡散によりレンズ材112での集光の効果が弱くなり、撮像部102に届く光が低減する。また、迷光によるノイズの発生も生じる。そのため、このレンズ層111の周縁領域は、遮光膜114が設けられて遮光されている。上記硬化膜は上記遮光膜114としても用いることができる。
固体撮像素子101は、その受光面となる撮像部102結像した光学像を光電変換して、画像信号として出力する。この固体撮像素子101は、2枚の基板を積層した積層基板105を備えている。積層基板105は、同サイズの矩形状のチップ基板106及び回路基板107からなり、チップ基板106の裏面に回路基板107が積層されている。
チップ基板106として用いられる基板の材料としては特に制限されず、公知の材料を用いることができる。
チップ基板106の表面中央部には、撮像部102が設けられている。また、撮像部102の周縁領域に迷光が入射すると、この周縁領域内の回路から暗電流(ノイズ)が発生するため、この周縁領域は、遮光膜115が設けられて遮光されている。上記硬化膜は遮光膜115として用いることもできる。
チップ基板106の表面縁部には、複数の電極パッド108が設けられている。電極パッド108は、チップ基板106の表面に設けられた図示しない信号線(ボンディングワイヤでも可)を介して、撮像部102に電気的に接続されている。
回路基板107の裏面には、各電極パッド108の略下方位置にそれぞれ外部接続端子109が設けられている。各外部接続端子109は、積層基板105を垂直に貫通する貫通電極110を介して、それぞれ電極パッド108に接続されている。また、各外部接続端子109は、図示しない配線を介して、固体撮像素子101の駆動を制御する制御回路、及び固体撮像素子101から出力される撮像信号に画像処理を施す画像処理回路等に接続されている。
図2に示すように、撮像部102は、受光素子201、カラーフィルタ202、マイクロレンズ203等の基板204上に設けられた各部から構成される。カラーフィルタ202は、青色画素205b、赤色画素205r、緑色画素205g、及びブラックマトリクス205bmを有している。上記硬化膜は、ブラックマトリクス205bmとして用いることもできる。
基板204の材料としては、前述のチップ基板106と同様の材料を用いることができる。基板204の表層にはpウェル層206が形成されている。このpウェル層26内には、n型層からなり光電変換により信号電荷を生成して蓄積する受光素子201が正方格子状に配列形成されている。
受光素子201の一方の側方には、pウェル層206の表層の読み出しゲート部207を介して、n型層からなる垂直転送路208が形成されている。また、受光素子201の他方の側方には、p型層からなる素子分離領域209を介して、隣接画素に属する垂直転送路208が形成されている。読み出しゲート部207は、受光素子201に蓄積された信号電荷を垂直転送路208に読み出すためのチャネル領域である。
基板204の表面上には、ONO(Oxide−Nitride−Oxide)膜からなるゲート絶縁膜210が形成されている。このゲート絶縁膜210上には、垂直転送路208、読み出しゲート部207、及び素子分離領域209の略直上を覆うように、ポリシリコン又はアモルファスシリコンからなる垂直転送電極211が形成されている。垂直転送電極211は、垂直転送路208を駆動して電荷転送を行わせる駆動電極と、読み出しゲート部207を駆動して信号電荷読み出しを行わせる読み出し電極として機能する。信号電荷は、垂直転送路208から図示しない水平転送路及び出力部(フローティングディフュージョンアンプ)に順に転送された後、電圧信号として出力される。
垂直転送電極211上には、その表面を覆うように遮光膜212が形成されている。遮光膜212は、受光素子201の直上位置に開口部を有し、それ以外の領域を遮光している。本発明の実施形態に係る硬化膜は、遮光膜212として用いることもできる。
遮光膜212上には、BPSG(borophospho silicate glass)からなる絶縁膜213、P−SiNからなる絶縁膜(パシベーション膜)214、透明樹脂等からなる平坦化膜215からなる透明な中間層が設けられている。カラーフィルタ202は、中間層上に形成されている。
また、上記硬化膜は、パーソナルコンピュータ、タブレット、携帯電話、スマートフォン、及び、デジタルカメラ等のポータブル機器;プリンタ複合機、及び、スキャナ等のOA(Office Automation)機器;監視カメラ、バーコードリーダ、現金自動預け払い機(ATM:automated teller machine)、ハイスピードカメラ、及び、顔画像認証を使用した本人認証機能を有する機器等の産業用機器;車載用カメラ機器;内視鏡、カプセル内視鏡、及び、カテーテル等の医療用カメラ機器;生体センサ、バイオセンサー、軍事偵察用カメラ、立体地図用カメラ、気象及び海洋観測カメラ、陸地資源探査カメラ、並びに、宇宙の天文及び深宇宙ターゲット用の探査カメラ等の宇宙用機器;等に使用される光学フィルタ及びモジュールの遮光部材及び遮光膜、更には反射防止部材及び反射防止膜に好適である。
上記硬化膜は、マイクロLED(Light Emitting Diode)及びマイクロOLED(Organic Light Emitting Diode)などの用途にも用いることができる。上記硬化膜は、マイクロLED及びマイクロOLEDに使用される光学フィルタ及び光学フィルム等のほか、遮光機能又は反射防止機能を付与する部材に対して好適である。
マイクロLED及びマイクロOLEDの例としては、特表2015−500562号及び特表2014−533890に記載されたものが挙げられる。
上記硬化膜は、量子ドットディスプレイに使用される光学及び光学フィルムとして好適である。また、遮光機能及び反射防止機能を付与する部材として好適である。
量子ドットディスプレイの例としては、米国特許出願公開第2013/0335677号、米国特許出願公開第2014/0036536号、米国特許出願公開第2014/0036203号、及び、米国特許出願公開第2014/0035960号に記載されたものが挙げられる。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
表1の各実施例及び比較例に記載した収容体は、表1に示す成分を混合した後、孔径0.45μmのナイロン製フィルタ(日本ポール(株)社製、DFA4201NXEY)を用いてろ過して、硬化性組成物を得て、上記硬化性組成物を所定の収容量となるよう、容器に収容することで作製した。より詳細には、まず、無機顔料、分散剤、及び、有機溶剤の一部を、攪拌機(IKA社製EUROSTAR)を使用して、15分間混合し、ろ過して顔料分散液を得た後、この顔料分散液に残りの成分を添加混合して、硬化性組成物を得た。
なお、容器は、「茶QT瓶」(堀内硝子社製、容量1015mL、材質はガラスである。)を使用した。
次に、各容器を以下の条件で振とうし、その後、以下の条件で静置して、各収容体を得た。得られた収容体については、後述する評価試験に供した。
<振とう条件>
・水平往復振とう
・振幅:4.5cm
・時間:5分
・温度:25℃
・振とう速度:100r/min
・振とう装置:タイテック社製「TS−10」
<静置条件>
・実施例1〜5、9、11、15、及び、比較例3:45℃の恒温槽内で24時間静置
・実施例6、8、及び、12〜14:45℃の恒温槽内で48時間静置
・実施例7、10:45℃の恒温槽内で72時間静置
・比較例1:静置せず
・比較例2:45℃の恒温槽内で240時間静置
以下、各硬化性組成物の調製に使用した成分について説明する。
・無機顔料(P):以下の方法により調整したTiON−1
まず、平均粒径15nmの酸化チタンMT−150A(商品名:テイカ(株)製)を100g、BET表面積300m/gのシリカ粒子AEROPERL(登録商標)300/30(エボニック製)を25g、及び、分散剤Disperbyk190(商品名:ビックケミー社製)を100g秤量し、イオン電気交換水71gを加えてKURABO製MAZERSTAR KK−400Wを使用して、公転回転数1360rpm(revolution per minute)、自転回転数1047rpmにて20分間処理することにより均一な混合物水溶液を得た。この混合物水溶液を石英容器に充填し、小型ロータリーキルン(株式会社モトヤマ製)を用いて酸素雰囲気中で920℃に加熱した後、窒素で雰囲気を置換し、同温度でアンモニアガスを100mL/minで5時間流すことにより窒化還元処理を実施した。終了後回収した粉末を乳鉢で粉砕し、Si原子を含み、粉末状の比表面積73m/gのTiON−1(無機粒子に該当する)を得た。
・分散剤TB−1:下記式で表される化合物
なお、各繰り返し単位の(カッコ)に添えられた数値(43.02、8.28、48.68)は分散剤TB−1の全繰り返し単位を100モル%としたときの、各繰り返し単位のモル%を表し、「20」は繰り返し数を表す。
・分散剤TB−2:下記式で表される化合物(重量平均分子量=35000、酸価=85mgKOH/g)なお、繰り返し単位の(カッコ)に添えられた数値(33、67)は、分散剤TB−2の全繰り返し単位を100モル%としたときの、各繰り返し単位のモル%を表し、「20」は、繰返し数を表す。
・アルカリ可溶性樹脂B−1:下記式で表される化合物
なお、各繰り返し単位の(カッコ)に添えられた数値(70、10、20)は、アルカリ可溶性樹脂B−1の全繰り返し単位を100モル%としたときの、各繰り返し単位のモル%を表す。
・アルカリ可溶性樹脂B−2:下記式で表される化合物(式中、70、及び、30はアルカリ可溶性樹脂B−2の全繰り返し単位を100モル%としたときの、各繰り返し単位のモル%を表す。)
・光重合開始剤I−1:Iragacure OXE02(BASF社製)
・重合禁止剤Ih−1:4−メトキシフェノール
・紫外線吸収剤UV−503:商品名「UV−503」(大東化学社製)
・界面活性剤F−780:商品名「F−780」(DIC社製)
・有機溶剤
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(表1中「PGMEA」と記載した。)
・シクロペンタノン(表1中「CyPn」と記載した。)
・シクロヘキサノン(表1中「CyHe」と記載した。)
なお、各硬化性組成物が含有する有機溶剤の組成は、各硬化性組成物が含有する有機溶剤の合計含有量を100質量%としたとき、各有機溶剤の含有量(質量%)を表1に記載した。
[密着性のばらつきの評価]
実施例及び比較例に係る各収容体から硬化性組成物を取り出し、以下の方法により基板上に塗布して硬化膜を形成し、硬化膜と基板との密着性を測定し、密着性のばらつきを評価した。
まず、厚み0.7mm、大きさ10cmのシリコン基板上に、収容体から取り出した硬化性組成物を、スピンコート法で塗布して、硬化性組成物層を得た。なお、このとき乾燥後の硬化性組成物層の厚みが1.0μmとなるよう、スピンコータの回転数を調整した。次に、上記シリコン基板を、シリコン基板面を下にして、ホットプレート上に載置して、100℃で、2分間熱処理して、硬化性組成物層を乾燥させた。次に、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon社製)を用いて、365nmの波長、500mJ/cmの露光量で硬化性組成物層を露光した。次に、露光後の硬化性組成物層が形成されたシリコン基板を、スピンシャワー現像機(DW−30型、ケミトロニクス社製)の水平回転テーブル上に載置し、CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製、有機アルカリ現像液)を用いて、23℃で60秒間パドル現像し、10μmのIslandパターンを1000個作製した。次に、パドル現像後のシリコン基板を真空チャック方式で上記水平回転テーブルに固定し、回転装置によってシリコン基板を回転数50rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理し、硬化膜を得た。得られた硬化膜について、パターンがはがれている個数を計測した。同様の方法で上記硬化膜を50回作製し、パターンが剥がれている個数を計測した。このとき、50回作製した硬化膜におけるパターンが剥がれている個数の標準偏差σを計算し、密着性のばらつきとして、以下の基準により評価し、結果を表1に示した。
A : 3σが1未満であり、密着性のばらつきがない。
B : 3σが1以上、3未満であり、密着性のばらつきがほぼない。
C : 3σが3以上であり、密着性のばらつきが大きい。
[低反射性の評価]
密着性のばらつきの評価のために作製した硬化膜に対し、波長400〜700nmの光を入射角度8°で入射し、その反射率を日本分光株式会社製分光器V7200(商品名)により測定し、以下の基準で評価した。結果を表1に示した。
A : 反射率が5%以下だった。良好な低反射性を有していた。
B : 反射率が5%を超えて、6%以下だった。良い低反射性を有していた。
C : 反射率が6%を超えて、6.5%以下だった。実用としては問題ないレベルだった。
D : 反射率が6.5%を超え、低反射性を有していなかった。



なお、各実施例及び比較例の収容体硬化性組成物の収容量、硬化性組成物の成分、及び、評価は、[表1]の各行ごとに、[表1]その1〜その4にわたって記載した。
例えば、実施例1の収容体であれば、硬化性組成物の収容量が収容体の全内容積の30体積%であり、収容された硬化性組成物の種類が硬化性組成物1、硬化性組成物1は、顔料分散液として、分散剤(D)と無機顔料(P)の混合物を含有し、分散剤「TB−1」を硬化性組成物の全固形分を100質量%として15.0質量%含有し、無機顔料「TiON−1」(密度4.0g/cm)を50質量%含有し、重合性化合物(A)「A−1」を19質量%含有し、アルカリ可溶性樹脂(B)を8.9質量%含有し、光重合開始剤(I)「I−1」を4.5質量%含有し、重合禁止剤(Ih)「Ih−1」を0.01質量%含有し、界面活性剤「F−780」を0.1質量%含有し、残部が紫外線吸収剤「UV−503」である。また、質量基準による、重合性化合物(A)/(アルカリ可溶性樹脂(B)+分散剤(D))が0.8であり、硬化性組成物の調製時の固形分含有量が17.5質量%である。そして、硬化性組成物に含有される有機溶剤の組成としては、全有機溶剤を100体積%としたとき、PGMEAを83体積%、及び、CyPnを17体積%含有する。この硬化性組成物の25℃における粘度は2.5mPa・sであり、B/Bは1.01、P/Pは1.01、A/Aは1.00であった。評価としては、密着性のばらつきが「B」、低反射性が「A」だった。他の実施例、及び、比較例についても上記と同様に[表1]に記載した。
表1に記載した結果から、容器と、容器に収容された硬化性組成物と、を含有する収容体であって、硬化性組成物の収容量が容器の全内容積の30体積%以上であり、硬化性組成物が、無機顔料と、重合性化合物と、アルカリ可溶性樹脂と、を含有し、要件1を満たす、収容体である、実施例1〜15の収容体は、本発明の効果を有していた。一方、比較例1〜3の収容体は本発明の効果を有していなかった。
また、硬化性組成物の収容量が容器の全内容積の30体積%を超えて、87.5体積%未満である、実施例2及び3の収容体は、実施例1の収容体と比較して、得られる硬化膜はより密着性のばらつきが少なく、実施例5の収容体と比較して、得られる硬化膜はより優れた低反射性を有していた。
また、PとPとが、式(2)を満たす実施例2の収容体は、実施例7の収容体と比較して、得られる硬化膜の密着性のばらつきがより小さかった。
また、硬化性組成物の固形分含有量が、硬化性組成物の全質量に対して15質量%を超える実施例2の収容体は、実施例8の収容体と比較して、得られる硬化膜の密着性のばらつきがより小さかった。
また、AとAとが、式(3)を満たす実施例2の収容体は実施例10の収容体と比較して、得られる硬化膜の密着性のばらつきがより小さかった。また、実施例11の収容体と比較して、得られる硬化膜はより優れた低反射性を有していた。
また、無機顔料の含有量が、硬化性組成物の全固形分に対し55質量%未満である、実施例2の収容体は、実施例13の収容体と比較して、得られる硬化膜の密着性のばらつきがより小さかった。
実施例1において、TiON−1に代えて、カーボンブラック(商品名「カラーブラック S170」、デグサ社製、平均一次粒子径17nm、BET(Brunauer,Emmett,Teller)、密度1.7〜2.0g/cm、ガスブラック方式により製造されたカーボンブラック。無機粒子に該当する。)を用いた以外は同様にして収容体を作成した。このとき、要件1、要件2、及び、要件3はそれぞれ、1.01、1.00、及び、1.00だった。この硬化性組成物を用いて形成された硬化膜の密着性のばらつきは「B」であり、低反射性は、「B」だった。
ここで、P/Pが1.00を超えて、1.07未満であり、無機顔料の密度が2.5g/cm未満である、実施例1の収容体は、上記カーボンブラックを用いた収容体と比較して、得られる硬化膜がより優れた低反射性を有していた。
100・・・固体撮像装置
101・・・固体撮像素子
102・・・撮像部
103・・・カバーガラス
104・・・スペーサー
105・・・積層基板
106・・・チップ基板
107・・・回路基板
108・・・電極パッド
109・・・外部接続端子
110・・・貫通電極
111・・・レンズ層
112・・・レンズ材
113・・・支持体
114、115・・・遮光膜
201・・・受光素子
202・・・カラーフィルタ
201・・・受光素子
202・・・カラーフィルタ
203・・・マイクロレンズ
204・・・基板
205b・・・青色画素
205r・・・赤色画素
205g・・・緑色画素
205bm・・・ブラックマトリクス
206・・・pウェル層
207・・・読み出しゲート部
208・・・垂直転送路
209・・・素子分離領域
210・・・ゲート絶縁膜
211・・・垂直転送電極
212・・・遮光膜
213、214・・・絶縁膜
215・・・平坦化膜
300・・・赤外線センサ
310・・・固体撮像素子
311・・・赤外線吸収フィルタ
312・・・カラーフィルタ
313・・・赤外線透過フィルタ
314・・・樹脂膜
315・・・マイクロレンズ
316・・・平坦化膜
40・・・特定収容体
41・・・容器
42・・・硬化性組成物
43・・・液面位置
44・・・上部位置
45・・・下部位置
46・・・最下部位置

Claims (16)

  1. 無機顔料と、重合性化合物と、アルカリ可溶性樹脂と、を含有する硬化性組成物を筒状の容器に収容する工程であって前記硬化性組成物が前記容器の全内容積の30体積%以上となるように、収容する工程と、
    前記硬化性組成物が収容された前記容器を静置して、以下の要件1を満たす収容体を製造する工程と、
    前記要件1を満たす収容体から取り出した硬化性組成物を用いて硬化性組成物層を形成する工程と、
    前記硬化性組成物層に活性光線又は放射線を照射することにより露光する工程と、
    前記露光後の前記硬化性組成物層を現像して硬化膜を形成する工程と、を有する、硬化膜の製造方法。
    要件1:前記硬化性組成物の液面から深さ方向に向かって前記硬化性組成物の全深さの10%の深さに相当する位置を上部位置とし、前記硬化性組成物の液面から深さ方向に向かって前記硬化性組成物の全深さの90%の深さに相当する位置を下部位置とし、前記硬化性組成物の液面から深さ方向に向かって前記硬化性組成物の全深さの100%の深さに相当する位置を最下部位置とし、前記収容体内における前記硬化性組成物の液面位置から前記上部位置までの領域における前記硬化性組成物を上部液とし、かつ、前記下部位置から前記最下部位置までの領域における前記硬化性組成物を下部液としたとき、前記上部液中の全固形分に対する、前記上部液中の前記アルカリ可溶性樹脂の含有量Bと、前記下部液中の全固形分に対する、前記下部液中の前記アルカリ可溶性樹脂の含有量Bとが、以下の式(1)を満たす。
    式(1) 1.00<B/B≦1.10
  2. 前記静置された収容体において、前記硬化性組成物が、以下の要件4を満たす場合、前記収容体を振とうさせる工程と、
    前記振とうさせた収容体を静置して、前記要件1を満たす収容体を製造する工程と、を更に有する請求項1に記載の硬化膜の製造方法。
    要件4:前記Bと、前記Bとが、以下の式(4)を満たす。
    式(4) 1.10<B/B
  3. 前記振とうは、水平往復振とう、及び、回転振とうからなる群から選択される少なくとも1種であり、前記水平往復振とうにおける振幅が10mm以上である、請求項に記載の硬化膜の製造方法。
  4. 前記硬化性組成物層を形成する工程に用いる硬化性組成物を収容する前記収容体において、前記B と、前記B とが、
    1.01B /B ≦1.05
    を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化膜の製造方法。
  5. 前記硬化性組成物層を形成する工程に用いる硬化性組成物を収容する前記収容体が、更に、以下の要件2を満たす、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化膜の製造方法
    要件2:前記上部液中の全固形分に対する、前記上部液中の前記無機顔料の含有量Pと、前記下部液中の全固形分に対する、前記下部液中の前記無機顔料の含有量Pとが、以下の式(2)を満たす。
    式(2) 1.00<P/P<1.07
  6. 前記硬化性組成物層を形成する工程に用いる硬化性組成物を収容する前記収容体が、更に、以下の要件3を満たす、請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化膜の製造方法
    要件3:前記上部液中の全固形分に対する、前記上部液中の前記重合性化合物の含有量Aと、前記下部液の全固形分に対する、前記下部液の前記重合性化合物の含有量Aとが、以下の式(3)を満たす。
    式(3) 0.97<A/A<1.03
  7. 前記硬化性組成物層を形成する工程に用いる前記硬化性組成物の25℃における粘度が、2.0〜5.0mPa・sである、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化膜の製造方法
  8. 前記収容体における前記硬化性組成物の収容量が前記容器の全内容積の30体積%を超えて、87.5体積%未満である、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化膜の製造方法
  9. 前記硬化性組成物の固形分含有量が、前記硬化性組成物の全質量に対して、15質量%を超える、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化膜の製造方法
  10. 前記無機顔料の含有量が、前記硬化性組成物の全固形分に対し、55質量%未満である、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化膜の製造方法
  11. 前記無機顔料の密度が、2.5g/cm以上である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の硬化膜の製造方法
  12. 前記硬化性組成物が更に分散剤を含有し、
    前記硬化性組成物中における前記分散剤の含有量と前記アルカリ可溶性樹脂の含有量の和に対する、前記無機顔料の含有量の含有質量比が、0.5を超え、1.0未満である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の硬化膜の製造方法
  13. 前記無機顔料が、チタンブラック及びカーボンブラックから選択される少なくとも1つを含有し、
    前記無機顔料の含有量が、前記硬化性組成物の全固形分に対して20質量%以上70質量%以下であり、
    前記アルカリ可溶性樹脂の含有量が、前記硬化性組成物の全固形分に対して、0.1〜35質量%であり、
    前記硬化性組成物が更に分散剤を含有し、
    前記硬化性組成物中における前記分散剤の含有量と前記アルカリ可溶性樹脂の含有量の和に対する、前記無機顔料の含有量の含有質量比が、0.5を超え、1.0未満である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の硬化膜の製造方法。
  14. 前記無機顔料が、チタンブラックを含有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の硬化膜の製造方法
  15. 前記硬化が、遮光膜である請求項1〜14のいずれか一項に記載の硬化膜の製造方法
  16. 前記遮光膜が、固体撮像素子の形成用である、請求項15に記載の硬化膜の製造方法
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