以下、実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1) 図1に示されるように、測定装置100は、センサ保持部110と、報知部130と、装着部140とを備える。
測定装置100は、装着部140によって、被検者の身体に装着される。被検者の身体は、例えば被検者の腕、手首又は足首等であってよい。装着部140は、例えばゴム等の樹脂を含むバンドであってよい。装着部140は、クリップ等の形態であってよい。装着部140は、測定装置100を被検者の身体に装着できるように、種々の形態とされてよい。
測定装置100は、被検者の生体情報を取得する。測定装置100は、生体情報に係る情報を報知部130で被検者に対して表示又は報知する。
図1及び図2に示されるように、センサ保持部110は、外装部材112と、センサ緩衝部材114と、被検部緩衝部材116と、センサ群120とを備える。外装部材112には、センサ緩衝部材114と、被検部緩衝部材116とが取り付けられる。外装部材112は、樹脂又は金属等によって構成されてよい。センサ緩衝部材114は、弾性を有する部材であってよい。センサ緩衝部材114は、センサ群120の変形を妨げない部材であってよい。センサ緩衝部材114は、例えばスポンジ又はゴム等で構成されてよい。
被検部緩衝部材116は、測定装置100が装着される際に被検者の身体に所定の押圧で接触する。所定の押圧は、例えば、カフ式血圧計による血圧測定時にかかる押圧より小さくてよい。所定の押圧は、80mmHgより小さくてよい。所定の押圧は、これらに限られず、任意に定められてよい。被検部緩衝部材116は、弾性を有する部材で構成されてよい。被検部緩衝部材116は、弾性係数の小さい部材で構成されてよい。被検部緩衝部材116は、例えばスポンジ又はゴム等で構成されてよい。
センサ群120は、センサ緩衝部材114を介して、外装部材112に取り付けられる。センサ群120は、複数のセンサ200と、共通のフレキシブル基板250とを備える。センサ200は、フレキシブル基板250に実装される。フレキシブル基板250は、可撓性を有する。フレキシブル基板250は、樹脂材料を含んでよい。フレキシブル基板250は、フィルムであってよい。図2においてセンサ群120が備えるセンサ200の数は3つであるが、2つであってよいし、4つ以上であってよい。
図2〜図4に示されるように、センサ200は、パッケージ210と、発光部220と、受光部230と、カバー240とを備える。
パッケージ210は、例えば絶縁性を有するセラミック材料で構成されてよい。パッケージ210は、絶縁性を有する樹脂等の他の材料で構成されてよい。
パッケージ210は、ベース部217と、実装部218とを有する。ベース部217は、パッケージ210がフレキシブル基板250に取り付けられる部分である。実装部218は、ベース部217の反対側に位置する。実装部218は、パッケージ210がフレキシブル基板250に取り付けられた状態で、フレキシブル基板250とは反対側に位置する。実装部218には、発光部220と受光部230とが実装される。
実装部218は、第1凹部214と、第2凹部216とを有する。第1凹部214及び第2凹部216は、側面と底面とで構成される。第1凹部214の側面は、第1側面214aと、第2側面214bとを含む。第1凹部214の底面は、第1底面214cとして示される。第1側面214aは、第2凹部216に近い側の側面である。第2側面214bは、第2凹部216から遠い側の側面である。第2凹部216の側面は、第3側面216aと、第4側面216bとを含む。第2凹部216の底面は、第2底面216cとして示される。第3側面216aは、第1凹部214に近い側の側面である。第4側面216bは、第1凹部214から遠い側の側面である。
図3において、第1底面214c及び第2底面216cは矩形であるが、これに限られない。第1底面214c及び第2底面216cは、多角形であってよいし、曲線で囲まれた形状であってよい。図3において、第1凹部214及び第2凹部216それぞれの側面の数は4つであるが、これに限られない。側面の数は、第1底面214c及び第2底面216cの形状に対応する数であってよい。第1凹部214及び第2凹部216の側面はそれぞれ、第1底面214c及び第2底面216cの形状に沿った曲面で構成されてよい。第1凹部214及び第2凹部216それぞれにおいて、第1底面214c及び第2底面216cと側面とは、なめらかに接続されてよい。側面が複数ある場合、各側面は、互いになめらかに接続されてよい。
第1凹部214の各側面は、第1底面214cに対して所定の角度で傾斜する。第1凹部214の各側面は、第1底面214cに対して略直交であってよい。第2凹部216の各側面は、第2底面216cに対して所定の角度で傾斜する。第2凹部216の各側面は、第2底面216cに対して略直交であってよい。
第1凹部214の各側面は、メタライズ層212で覆われてよい。第1底面214cは、メタライズ層212で覆われてよい。第2底面216cは、メタライズ層212で覆われてよい。第2凹部216の各側面は、メタライズ層212で覆われてよい。メタライズ層212は、例えばメタライズ処理によってパッケージ210の表面に形成される。メタライズ層212は、金属材料を含む。メタライズ層212で覆われる面における光の反射率は、メタライズ層212で覆われない面における光の反射率よりも、高くなりうる。メタライズ層212は、パッケージ210の内部に埋設され、第1底面214c及び第2底面216cの少なくとも一面に接続されてよい。
発光部220は、第1凹部214の第1底面214c上に実装される。発光部220は、発光素子220a及び220bを備える。発光素子220a及び220bは、例えば、発光ダイオード又はレーザダイオード等であってよい。発光ダイオードは、LED(Light emitting diode)ともいう。レーザダイオードは、LD(Laser Diode)ともいう。発光素子220a及び220bは、電気的に直列又は並列に接続されてよい。図3において、発光部220が備える発光素子の数は2個であるが、1個であってよいし、3個以上であってよい。
発光部220は、所定の波長を有する光を射出してよい。発光部220は、所定の波長として、例えば、495〜570nmの範囲内の波長を有する光を射出してよい。495〜570nmの範囲内の波長を有する光は、緑色光ともいう。発光部220は、所定の波長として、例えば、620〜750nmの範囲内の波長を有する光を射出してよい。620〜750nmの範囲内の波長を有する光は、赤色光ともいう。発光部220は、所定の波長として、例えば、750〜1600nmの範囲内の波長を有する光を射出してよい。750〜1600nmの範囲内の波長を有する光は、近赤外光ともいう。長波長の光は短波長の光と比べて、体のより深い位置まで進入しうる。
受光部230は、第2凹部216の第2底面216c上に実装される。受光部230は、受光素子を備える。受光素子は、例えば、フォトダイオード又はフォトトランジスタ等であってよい。フォトダイオードは、PD(Photo-Diode)ともいう。フォトトランジスタは、PT(Photo-Transistor)ともいう。受光素子は、発光部220から射出される所定の波長の光に対する感度が高くなる特性を有してよい。受光部230は、受光素子を2個以上備えてよい。受光素子は、受けた光の強度に応じて、電圧信号又は電流信号等を出力する。センサ200の受光部230の受光素子が出力する電圧信号又は電流信号のことを、センサ200の出力ともいう。
カバー240は、パッケージ210の実装部218を覆う。カバー240は、発光部220から射出される所定の波長を有する光に対する透過性を有する。カバー240は、所定の波長以外の波長を有する光をカットする特性を有してよい。カバー240は、例えばプラスチック等の樹脂、又はガラス等で構成されてよい。
図5に示されるように、装着部140によって測定装置100が被検者の身体に装着された場合、センサ保持部110は、被検者の体表面310に押しあてられる。被検部緩衝部材116は、被検者の体表面310に所定の押圧を与える。フレキシブル基板250は、被検者の体表面310の形状に沿って屈曲する。センサ緩衝部材114は、フレキシブル基板250の屈曲に応じて圧縮され、変形する。フレキシブル基板250及びセンサ緩衝部材114の変形によって、センサ群120の各センサ200は、発光部220及び受光部230が実装されている面が被検者の体表面310に沿うように装着される。被検者の体表面310の内部には、皮下組織320を介して、動脈330がある。
動脈330は、図5の紙面に垂直な方向に延在する。複数のセンサ200は、動脈330の延在方向と交差する方向に配列している。言い換えれば、複数のセンサ200は、装着部140によって測定装置100が被検者の身体に装着された状態で、被検者の動脈330と交差する方向に配列する。複数のセンサ200が配列する方向は、複数のセンサ200の発光部220と受光部230とが配列する方向と同じであってよいし、異なってよい。
各センサ200の発光部220は、測定光340を射出する。測定光340の少なくとも一部は、体表面310から入射し、皮下組織320を通過し、動脈330で散乱され、測定光340に応じた散乱光350となる。散乱光350の少なくとも一部は、各センサ200の受光部230に入射する。散乱光350が入射する受光部230は、測定光340を射出したセンサ200の受光部230であってよいし、他のセンサ200の受光部230であってよい。受光部230は、入射してきた散乱光350に基づいて、被検者の生体情報を検出する。検出された生体情報は、センサ200の生体情報ともいう。測定光340を散乱する血管は、動脈330に限られない。センサ200は、被検者の他の血管で散乱された散乱光350を検出してよい。動脈330及び他の血管をまとめて、被検者の所定の血管ともいう。
発光部220は、測定光340として近赤外光を射出してよい。近赤外光は、体表面310から深部に位置する動脈330にまで到達しやすい。動脈330からの散乱光350を検出することで、脈波検出の精度がより高くなりうる。
パッケージ210内に発光部220と受光部230とが実装されることによって、発光部220と受光部230との間の間隔が狭くされうる。発光部220と受光部230との間の間隔が狭いことによって、発光部220から動脈330に向かう方向と、動脈330から受光部230に戻る方向とのなす角度が小さくされうる。
図5に示されるように、複数のセンサ200が被検者の所定の血管と交差することによって、測定装置100の装着位置がずれた場合でも、センサ200のいずれかが所定の血管から生体情報を取得できる可能性が高くなる。言い換えれば、センサ200によって所定の血管から生体情報を取得可能な装着位置がより広くなりうる。
センサ200がフレキシブル基板250に実装されることによって、発光部220及び受光部230が実装されている面が被検者の体表面310に沿うように各センサ200が装着されうる。この結果、発光部220から動脈330を介して受光部230に至る光路の長さが短くされうる。受光部230に入射する散乱光350が多くなることによって、発光部220は、測定光340の強度を低くでき、消費電力を低減しうる。
図2〜図5に示されるように、複数のセンサ200は、フレキシブル基板250に配列して実装される。複数のセンサ200は、発光部220と受光部230とが交互に並ぶように配列されてよい。このようにすることで、センサ200のいずれかが所定の血管から生体情報を取得できる可能性が高くなる。センサ200が配列する方向と所定の血管とが交差する点は、センサ200が被検者の生体情報を取得する位置として特定されやすくなる。センサ200が被検者の生体情報を取得する位置は、センサ200の生体情報取得点ともいう。
複数のセンサ200は、6mmより小さいピッチで配列されてよい。複数のセンサ200は、3個以上配列されてよい。このようにすることで、センサ200のいずれかが所定の血管から生体情報を取得できる可能性が高くなる。
複数のセンサ200は、発光部220と受光部230とが配列する方向に交差する方向に配列されてよい。センサ200の、発光部220と受光部230とが配列する方向の長さが、該方向に直交する方向の長さよりも長い場合、センサ200がより小さいピッチで配列されうる。
図6に示されるように、測定装置100は、複数のセンサ200として、第1センサ201、第2センサ202及び第3センサ203を備える。複数のセンサ200は、フレキシブル基板250に実装される。センサ200の数は、3個に限られず、2個であってよいし、4個以上であってよい。測定装置100は、制御部400と、記憶部410と、通信部420とをさらに備える。制御部400、記憶部410及び通信部420は、リジッド基板450に実装される。フレキシブル基板250とリジッド基板450とは、あわせてフレキシブルリジッド基板460ともいう。
図7に示されるように、制御部400、記憶部410及び通信部420は、複数のセンサ200とあわせて、フレキシブル基板250に実装されてよい。
図6及び図7に示されるように、制御部400は、測定装置100の各構成部とそれぞれ接続される。制御部400は、測定装置100の各構成部、及び測定装置100の全体を制御及び管理するプロセッサであってよい。制御部400は、制御手順を規定したプログラム等を実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであってよい。プログラムは、例えば記憶部410等の記憶媒体に格納されてよい。
制御部400は、各センサ200に対して、発光部220に測定光340を射出させる制御情報を出力する。制御部400は、各センサ200から、受光部230で受光した散乱光350に基づいて検出された被検者の生体情報を取得する。
制御部400は、センサ200から取得した被検者の生体情報に基づいて、被検者の脈波を算出してよい。脈波は、心臓の拍動に応じて伝わる血管の圧変化または容積変化を波形としてとらえたものとして表されうる。例えば図8に示されるように、受光部230の出力の時間変化のプロットによって、被検者の脈波波形500が表される。
脈波波形500は、前駆出期間510と、収縮期520と、拡張期530とに分けられる。前駆出期間510は、心臓の収縮開始から実際に血液が拍出されるまでの期間である。前駆出期間510における脈波波形500は、心臓の動きによって異なる形状となる。収縮期520は、心室から血液が拍出されている期間である。拡張期530は、心房から心室に血液が流れ込む時期である。
脈波波形500は、いくつかの特徴点を有する。特徴点は、例えば、衝撃波540、潮浪波550又は重複切痕560等である。衝撃波540は、心室からの血液の拍出により発生する波である。潮浪波550は、下半身の動脈等から反射で生じる波である。重複切痕560は、大動脈弁が閉じたことに応じて生じる波であり、収縮期520の終点に現れる。
制御部400は、取得した脈波に基づいて、被検者の脈拍数又は心拍数を算出してよい。通常、脈拍数と心拍数とは同数値となるため、ここでは同様のものとし、以降の記載は心拍数とする。制御部400は、取得した生体情報に基づいて、被検者の身体状態に係る他の情報を算出してよい。
記憶部410は、各種情報や測定装置100を動作させるためのプログラム等を格納する。記憶部410は、半導体メモリ又は磁気メモリ等で構成されてよい。記憶部410は、制御部400のワークメモリとして機能してよい。記憶部410は、センサ200から取得される被検者の生体情報を格納してよい。記憶部410は、制御部400で算出された脈波又は心拍数等に係る情報を格納してよい。
通信部420は、有線又は無線の通信によって、サーバ等の外部装置との間で各種情報の送受信を行う。通信部420は、例えば、LAN(Local Area Network)又はCAN(Control Area Network)等の通信インターフェースを備えてよい。通信部420は、有線又は無線によって、外部装置と通信可能であってよい。通信部420は、センサ200から取得される生体情報をサーバ等の外部装置に送信してよい。通信部420は、制御部400で算出された脈波又は心拍数等に係る情報をサーバ等の外部装置に送信してよい。
報知部130は、制御部400が取得した被検者の生体情報に係る情報を表示する。報知部130は、制御部400で算出された脈波又は心拍数等に係る情報を表示してよい。報知部130は、被検者に対するアラーム等の情報を表示してよい。
報知部130は、例えば液晶、有機EL(Electro-Luminescence)、無機EL又はLED(Light Emission Diode)等の表示デバイスを備えてよい。報知部130は、音声を発するデバイスを備えてよい。報知部130は、制御部400から取得した制御情報に基づいて音声を発することで、被検者又は被検者の周囲の人に対してアラーム等の情報を報知してよい。報知部130は、振動を発生するデバイスを備えてよい。報知部130は、制御部400から取得した制御情報に基づいて振動を発生することで、被検者に対してアラーム等の情報を報知してよい。報知部130は、音声又は振動以外の、被検者又は被検者の周囲の人が認識可能な任意の方法で、被検者又は被検者の周囲の人に対してアラーム等の情報を報知してよい。
[生体情報取得フロー]
測定装置100は、例えば図9のフローチャートで示される測定方法を制御部400に実行させて、被検者の生体情報を取得する。図9に例示される測定方法では、複数のセンサ200は、第1センサ201〜第3センサ203であるものとする。本実施形態に係る測定方法は、センサ200の数が2個である場合又は4個以上である場合にも適用されうる。
制御部400は、複数のセンサ200のうちの1つを特定するためのパラメータとしてカウンタ(k)を1に設定する(ステップS11)。
制御部400は、第kセンサの発光部220を点灯させる(ステップS12)。k=1である場合、制御部400は、第1センサ201の発光部220を点灯させる。k=2である場合、制御部400は、第2センサ202の発光部220を点灯させる。kが3以上の値である場合も同様である。
制御部400は、各センサ200の出力を取得する。制御部400は、各センサ200の出力に基づいて生体情報を取得する(ステップS13)。センサ200の出力に基づいて取得した生体情報のことを、センサ200の生体情報ともいう。制御部400は、発光部220が点灯しているセンサ200の出力だけでなく、他のセンサ200の出力も取得する。制御部400は、例えば、各センサ200の出力の時間変化を各センサ200の脈波として取得する。
制御部400は、各センサ200の生体情報から1つを選択する(ステップS14)。制御部400は、選択した1つの生体情報を記憶部410に格納してよい。k=1である場合、制御部400は、ステップS15に進む。
制御部400は、k=2である場合、k=2であるときの各センサ200の生体情報から1つ選択された生体情報と、k=1であるときに1つ選択された生体情報とから生体情報を1つ選択する。制御部400は、k=i(i≧3)である場合も同様に、k=iであるときの各センサ200の生体情報から1つ選択された生体情報と、k=i−1であるときに1つ選択された生体情報とから生体情報を1つ選択する。言い換えれば、制御部400は、先に取得した生体情報と、現在点灯中の発光部220に対応する生体情報とから、生体情報を1つ選択する。
制御部400は、生体情報が脈波である場合、脈波の波高が最大であることを基準として脈波を1つ選択してよい。制御部400は、生体情報が脈波である場合、脈波の特徴点が最も明確に表れていることを基準として脈波を1つ選択してよい。制御部400は、取得した各センサ200の出力に基づいて、センサ200の生体情報を1つ選択してよい。
制御部400は、第kセンサの発光部220を消灯させる(ステップS15)。
制御部400は、k=k+1の演算を行う(ステップS16)。言い換えれば、制御部400は、カウンタ(k)の値に1を加える。
制御部400は、カウンタ(k)の値がセンサ200の数より大きいか判定する(ステップS17)。言い換えれば、制御部400は、k>(センサ200の数)という条件式が満たされるか否か判定する。制御部400は、k>(センサ200の数)という条件式が満たされない場合(ステップS17:NO)、ステップS12に戻る。制御部400は、k>(センサ200の数)という条件式が満たされるまで、ステップS12〜S16の処理を繰り返す。制御部400は、k>(センサ200の数)という条件式が満たされる場合(ステップS17:YES)、図9のフローチャートを終了する。
本実施形態に係る測定装置100は、各センサ200において発光部220及び受光部230が実装されている面が被検者の体表面310の内側の動脈330に向かうように、測定装置100が装着されうる。この場合、発光部220から射出される測定光340の中心光線の光路と、動脈330へ向かう測定光340の光路とがなす角度が小さくなりうる。動脈330から受光部230へ向かう散乱光350の光路と受光部230の受光面の法線とがなす角度が小さくなりうる。この結果、各センサ200と動脈330との間の測定光340及び散乱光350の光路の長さが短くなりうる。発光部220から射出される測定光340は、被検部の深部にある動脈330に到達しやすくなりうる。動脈330で散乱された散乱光350が受光部230に入射しやすくなる。被検部からの生体情報がより取得されやすくなる。
[脈波に基づく身体状態判定]
測定装置100は、生体情報として取得される脈波に基づいて、例えば図10に示されるように、被検者の身体状態を判定してよい。
制御部400は、被検者の脈波を取得する(ステップS21)。制御部400は、センサ群120に脈波を検出させてよい。制御部400は、センサ群120に生体情報を検出させ、生体情報に基づいて被検者の脈波を算出してよい。制御部400は、取得した脈波を記憶部410に格納してよい。脈波の取得は、所定時間にわたって連続で行われてよい。
制御部400は、脈波を解析する(ステップS22)。制御部400は、例えば脈波の立ち上がり間隔を算出してよい。制御部400は、算出した脈波の立ち上がり間隔を記憶部410に格納してよい。
制御部400は、脈波の立ち上がり間隔から、1分間の脈波の立ち上がり回数を心拍数として算出してよい。制御部400は、脈波の波形の特徴点を基準として脈波の立ち上がり間隔を算出してよい。制御部400は、脈波の波形の特徴点として、脈波がピーク値に向けて立ち上がる際の変曲点を解析してよい。制御部400は、脈波の変曲点が現れる時間間隔を脈波の間隔として算出してよい。制御部400は、脈波の波形の特徴点として、脈波のピーク値又はボトム値を基準としてよい。制御部400は、脈波の波形の特徴点として、図8に示される衝撃波540、潮浪波550又は重複切痕560等を特徴点として解析してよい。制御部400は、脈波のピーク値又はボトム値が現れる間隔を脈波の間隔として算出してよい。心拍数は、例えば10秒以上にわたって連続で取得された脈波に基づいて算出されてよい。
制御部400は、被検者の心拍数の変動率を算出してよい。変動率を算出するための基準値は、例えば、被検者の平常時の心拍数であってよい。変動率を算出するための基準値は、被検者が移動体に乗ってから最初に算出された心拍数であってよい。制御部400は、算出した心拍数の変動率を記憶部410に格納してよい。心拍数の変動率は、心拍数の上昇率又は心拍数の低下率であってよい。心拍数の変動率は、例えば3分以上にわたって連続で取得された脈波に基づいて算出されてよい。
制御部400は、脈波の波高を算出してよい。制御部400は、脈波の波形の特徴点を解析してよい。制御部400は、脈波の波高又は波形の特徴点の解析結果を記憶部410に格納してよい。
制御部400は、脈波の解析結果に基づいて、被検者の身体状態を判定する。制御部400は、被検者の心拍数の低下率が眠気判定値以上となったか判定する(ステップS23)。眠気判定値は、被検者の眠気を判定する基準値である。眠気判定値は、例えば15%に設定されるがこれに限られない。眠気判定値は、適宜設定されうる値である。制御部400は、被検者の心拍数の低下率が眠気判定値以上となった場合、被検者の身体状態の判定として、被検者の眠気が増大していると判定する。
ステップS23において、制御部400は、脈波の周波数解析結果に基づいて被検者の眠気を判定してよい。制御部400は、例えば脈波の所定の周波数帯の値が上昇した場合に、被検者の眠気が増大していると判定してよい。
制御部400は、被検者の心拍数の低下率が眠気判定値以上となった場合(ステップS23:YES)、報知部130から被検者に対して眠気が発生している旨の注意喚起を行う(ステップS24)。制御部400は、ステップS24の後、図10のフローチャートの処理を終了する。制御部400は、ステップS21に戻って被検者の状態監視を継続してよい。
制御部400は、被検者の心拍数の低下率が眠気判定値以上となっていない場合(ステップS23:NO)、被検者の心拍数の上昇率が緊張判定値以上となったか判定する(ステップS25)。緊張判定値は、被検者の緊張度を判定する基準値である。緊張判定値は、例えば25%に設定されるがこれに限られない。緊張判定値は、適宜設定されうる値である。制御部400は、被検者の心拍数の上昇率が緊張判定値以上となった場合、被検者の身体状態の判定として、被検者の緊張度が増大していると判定する。
ステップS25において、制御部400は、被検者の心拍数が所定値以上となった場合に、被検者の緊張度が増大していると判定してよい。所定値は、例えば100回/分と設定されてよい。
制御部400は、被検者の心拍数の上昇率が緊張判定値以上となっている場合(ステップS25:YES)、報知部130から被検者に対して緊張度が高まっている旨の注意喚起を行う(ステップS26)。制御部400は、ステップS26の後、ステップS27に進む。
制御部400は、被検者の心拍数の上昇率が緊張判定値以上となっていない場合(ステップS25:NO)又はステップS26の後、被検者の身体状態の判定として、被検者の脈波の解析結果が不整脈判定条件を満たすか判定する(ステップS27)。不整脈判定条件は、例えば脈波の立ち上がり間隔のばらつきが所定値以上となる場合として設定される。不整脈判定条件は、脈波の波高が低下した場合として設定されてよい。不整脈判定条件は、被検者の脈波の波形と基準波形との差異が所定値以上となった場合として設定されてよい。
制御部400は、被検者の脈波解析結果が不整脈判定条件を満たす場合(ステップS27:YES)、報知部130から被検者に対して不整脈が発生している旨の注意喚起を行う(ステップS28)。制御部400は、ステップS28の後、図10のフローチャートの処理を終了する。制御部400は、ステップS21に戻って被検者の状態監視を継続してよい。
被検者の脈波解析結果が不整脈判定条件を満たさない場合(ステップS27:NO)、制御部400は、図10のフローチャートの処理を終了する。制御部400は、ステップS21に戻って被検者の状態監視を継続してよい。
図10において、ステップS23の眠気判定と、ステップS25の緊張判定と、ステップS27の不整脈判定とは、それぞれ順番を入れ替えて実行されてよい。
図10に示される身体状態判定フローによれば、脈波に基づいて被検者の身体状態が判定されうる。このようにすることで、被検者が抱く身体状態の変化についての不安が軽減されうる。被検者が移動体を運転している場合、身体状態の変化が報知されることによって、移動体がより安全に運転されうる。
(実施形態2)
図11に示されるように、実施形態2に係る測定装置100は、センサ群120を2つ備えてよい。図1と比較して、センサ保持部110は、第1センサ群121と、第2センサ群122とをさらに備える。第1センサ群121及び第2センサ群122は、それぞれセンサ群120ともいう。
図12に示されるように、第1センサ群121は、第11センサ2011と、第12センサ2012と、第13センサ2013とを備える。第2センサ群122は、第21センサ2021と、第22センサ2022と、第23センサ2023とを備える。第11センサ2011、第12センサ2012、第13センサ2013、第21センサ2021、第22センサ2022及び第23センサ2023はそれぞれ、センサ200ともいう。各センサ200の構成は、実施形態1におけるセンサ200の構成と同様である。制御部400は、第1センサ群121及び第2センサ群122に接続され、各センサ群120を制御する。記憶部410、通信部420、及び報知部130は、図6及び図7に示されるものと同様である。
<脈波伝播速度の測定>
本実施形態に係る測定装置100は、装着部140が被検者の身体に装着された状態で、複数のセンサ群120が被検者の所定の血管に沿う方向に配列するように構成されてよい。測定装置100は、第1センサ群121及び第2センサ群122それぞれによって、所定の血管から脈波を取得しうる。第1センサ群121及び第2センサ群122が所定距離だけ離れた位置で脈波を取得することにより、脈波伝播速度が測定されうる。例えば、第1センサ群121及び第2センサ群122が所定の血管として手首の橈骨動脈の上に合わせるように配置される場合、制御部400は、橈骨動脈の脈波伝播速度を算出できる。脈波伝播速度は、PWV(Pulse Wave Velocity)ともいう。所定の血管は、橈骨動脈に限られず、他の種々の血管であってよい。
センサ群120が所定の血管から脈波を取得する際に動作する発光部220と受光部230との中間点は、脈波取得点ともいう。所定の血管において脈波が測定される位置は、測定位置ともいう。第1センサ群121と第2センサ群122との間の距離は、各センサ群120の脈波取得点の距離とされてよい。発光部220と受光部230とが交互に並ぶようにセンサ200が配列される場合、発光部220と受光部230とが所定の血管に交差する。この場合、脈波取得点は、測定位置により近い点として決定されうる。
第1センサ群121及び第2センサ群122が同じ動脈330に沿うように被検者に装着される場合、制御部400は、第1センサ群121及び第2センサ群122それぞれによって、同じ動脈330の脈波を取得できる。第1センサ群121によって、図13(A)に示される脈波Aが取得される。第2センサ群122によって、図13(B)に示される脈波Bが取得される。図13において、横軸及び縦軸はそれぞれ、時刻及び受光部230の出力を表す。受光部230の出力のことをパワーPaともいう。
図13(A)及び(B)に示される脈波の波形は、時刻で同期されている。図13(A)には、脈波Aがピーク値となる時刻が一点鎖線で示されている。図13(B)には、脈波Bがピーク値となる時刻が一点鎖線で示されている。図13(B)には、さらに脈波Aがピーク値となる時刻も一点鎖線で示されている。図13(B)に示されている2本の一点鎖線それぞれに対応する時刻の差は、脈波が第1センサ群121の位置から第2センサ群122の位置まで伝播する時間を表す。脈波が所定距離を伝播する時間のことを、脈波伝播時間ともいう。脈波伝播時間は、PTT(Pulse Transit Time)ともいう。図13の例において、PTTはΔT(秒)である。
第1センサ群121の位置から第2センサ群122の位置までの距離がΔD(m)である場合、PWVは、以下の式(1)で算出される。
PWV(m/秒)=ΔD/ΔT (1)
[生体情報取得フロー]
測定装置100は、例えば図14のフローチャートで示される測定方法を制御部400に実行させて、被検者の生体情報を取得する。本実施形態に係る測定方法は、センサ群120が備えるセンサ200の数が3個である場合だけでなく、2個である場合又は4個以上である場合にも適用されうる。
制御部400は、図9に示される手順によって、第1センサ群121で被検者の生体情報を取得する(ステップS31)。
制御部400は、図9のステップS11〜ステップS17の処理と同様に、図14のステップS32〜ステップS38の処理を行う。ステップS32、ステップS34、ステップS36〜S38はそれぞれ、図9のステップS11、ステップS13、ステップS15〜S17と同様である。
図14のステップS33において、制御部400は、第2センサ群122の第kセンサの発光部220を点灯させる。
図14のステップS35において、制御部400は、第2センサ群122の各センサ200の生体情報から1つを選択する。図9のステップS14とは、制御部400が第1センサ群121で取得した生体情報に基づいて第2センサ群122の生体情報を選択する点において異なる。
制御部400は、各センサ200の生体情報のうち、第1センサ群121で取得した生体情報との相関が最も高い生体情報を選択してよい。制御部400は、生体情報として脈波を取得する場合、第1センサ群121で取得した脈波の波形と、第2センサ群122の各センサ200で取得した脈波の波形との間の相関係数を算出してよい。制御部400は、第2センサ群122の脈波として、相関係数が最大である脈波を選択してよい。脈波の波形の相関係数は、波形の特徴点に基づいて算出されてもよい。例えば、脈波の波形のピーク値の間隔が重視されてもよいし、脈波の変曲点の形状が重視されてもよい。
制御部400は、第1センサ群121で取得した脈波と、第2センサ群122で取得した脈波とに基づいてPTT又はPWVを算出しうる。第1センサ群121で取得した脈波と、第2センサ群122で取得した脈波との相関係数が大きい場合、PTTの算出基準となる特徴点が容易に決定されうる。PTTの算出精度がより高くなりうる。
制御部400は、第2センサ群122の脈波を、図9のステップS14と同様の基準で選択してよい。
[脈波及びPTTによる身体状態判定]
制御部400は、図15に示されるように、脈波及び脈波伝播時間に基づいて、被検者の身体状態を判定してよい。本実施形態に係る測定装置100は、センサ群120を2つ備えることによって、PTTを測定しうる。本実施形態における所定距離は、第1センサ群121の脈波取得点と第2センサ群122の脈波取得点との間の距離である。所定距離は、測定装置100における第1センサ群121及び第2センサ群122の実装位置によって定められる。本実施形態において制御部400が測定するPTTは、脈波が第1センサ群121の脈波取得点に対応する測定位置から第2センサ群122の脈波取得点に対応する測定位置まで伝播する時間である。
制御部400は、第1センサ群121又は第2センサ群122によって、被検者の生体情報として脈波を取得する(ステップS41)。脈波の取得方法は、図10のステップS21と同様である。制御部400は、第1センサ群121及び第2センサ群122のいずれかによって脈波を取得してよい。制御部400は、第1センサ群121及び第2センサ群122の両方によって脈波を取得し、脈波の特徴点に基づいて、一方の脈波を選択してよい。
制御部400は、脈波を解析する(ステップS42)。脈波の解析方法は、図10のステップS22と同様である。
制御部400は、被検者の心拍数の低下率が眠気判定値以上となったか判定する(ステップS43)。眠気判定方法は、図10のステップS23と同様である。
制御部400は、被検者の心拍数の低下率が眠気判定値以上となった場合(ステップS43:YES)、報知部130から被検者に対して眠気が発生している旨の注意喚起を行う(ステップS44)。制御部400は、その後、図15のフローチャートの処理を終了する。制御部400は、ステップS41に戻って被検者の身体状態判定を継続してもよい。
制御部400は、被検者の心拍数の低下率が眠気判定値以上となっていない場合(ステップS43:NO)、被検者の心拍数の上昇率が緊張判定値以上となったか判定する(ステップS45)。緊張判定方法は、図10のステップS25と同様である。
制御部400は、被検者の心拍数の上昇率が緊張判定値以上となっている場合(ステップS45:YES)、ステップS47に進む。
制御部400は、被検者の心拍数の上昇率が緊張判定値以上となっていない場合(ステップS45:NO)、被検者の身体状態の判定として、被検者の脈波の解析結果が不整脈判定条件を満たすか判定する(ステップS46)。不整脈判定方法は、図10のステップS27と同様である。
制御部400は、被検者の脈波解析結果が不整脈判定条件を満たす場合(ステップS46:YES)、ステップS47に進む。被検者の脈波解析結果が不整脈判定条件を満たさない場合(ステップS46:NO)、制御部400は、図15のフローチャートの処理を終了する。制御部400は、ステップS41に戻って被検者の身体状態判定を継続してもよい。
制御部400は、ステップS45又はステップS46における被検者の身体状態の判定の結果によってステップS47に進んだ場合、被検者のPTTを測定する(ステップS47)。制御部400は、第1センサ群121及び第2センサ群122の両方によって脈波を取得し、脈波の特徴点に基づいて、PTTを算出する。
制御部400は、PTTを解析する(ステップS48)。制御部400は、PTTの解析によって、PTTに基づくパラメータの変動を算出する。PTTに基づくパラメータとは、PTTを用いて算出、又は推定可能な被検者の生体情報である。PTTに基づくパラメータは、例えば、PTT、PWV及び血圧等を含む。制御部400は、例えばPTTの基準値からの変動率を算出する。基準値は、被検者の平常時のPTTであってよい。基準値は、被検者が測定装置100を装着した時点におけるPTTであってよい。
制御部400は、PTTに基づくパラメータとして、被検者の血圧を推定してよい。制御部400は、被検者のPTTと血圧との関係を用いて、被検者の血圧を推定してよい。被検者のPTTと血圧との関係は、予め決定されていてよいし、制御部400によって逐次決定されてよい。血圧の推定値は、収縮期血圧(最高血圧)であってよいし、拡張期血圧(最低血圧)であってよい。血圧の推定値は、平均血圧であってよい。平均血圧は、例えば、最高血圧と最低血圧とを用いて、以下の式(2)で表される。
(平均血圧)=(最高血圧+最低血圧×2)/3 (2)
制御部400は、PTTに基づくパラメータが所定の変動をしたか否かを判定する。制御部400は、被検者のPTTの変動率が所定範囲内であるか判定する(ステップS49)。PTTの変動率のことを、PTT変動率ともいう。所定範囲は、例えば基準値を中心に±25%の範囲とされる。所定範囲はこれに限られず、適宜定められうる。
制御部400は、被検者の血圧の推定値が所定範囲内であるか判定してよい。この場合の所定範囲は、例えば被検者の平常時の血圧を中心に±20mmHgの範囲とされてよい。この場合も、所定範囲は適宜定められうる。
PTT変動率が所定範囲内である場合(ステップS49:YES)、制御部400は、報知部130から被検者に対して緊張度が高まっている又は不整脈が発生している旨の注意喚起を行う(ステップS50)。制御部400は、ステップS45において被検者の心拍数の上昇率が緊張判定値以上となったことによりステップS47に進んだ場合、ステップS50において、報知部130から被検者に対して緊張度が高まっている旨の注意喚起を行う。制御部400は、ステップS46において被検者の脈波解析結果が不整脈判定条件を満たしたことによりステップS47に進んだ場合、ステップS50において、報知部130から被検者に対して不整脈が発生している旨の注意喚起を行う。制御部400は、その後、図15のフローチャートの処理を終了する。制御部400は、ステップS41又はステップS47に戻って被検者の身体状態判定を継続してよい。
PTT変動率が所定範囲内でない場合(ステップS49:NO)、制御部400は、PTTに基づくパラメータが所定の変動をしたと判定する。PTT変動率が所定範囲内でない場合、制御部400は、被検者の疾患リスクが高まっていると判定する。制御部400は、PTTに基づくパラメータが所定の変動をした旨を報知部130から報知し、被検者の疾患リスクが高まっている旨の注意喚起を行う(ステップS51)。制御部400は、PTTに基づくパラメータが所定の変動をした場合、被検者の疾患リスクに係る情報を報知してよい。制御部400は、通信部420から外部装置に対して、PTT変動率に係る情報又は注意喚起に係る情報を送信してもよい。制御部400は、その後、図15のフローチャートの処理を終了する。制御部400は、ステップS41又はステップS47に戻って被検者の身体状態判定を継続してよい。
図15のフローチャートにおいて、制御部400は、ステップS43、ステップS45及びステップS46の順序を適宜入れ替えて実行してよい。
図15のフローチャートにおいて、制御部400は、PTTの代わりに、PTTに基づくパラメータとして、PWVを用いてよい。制御部400は、PTTに基づくパラメータとして、PTTから推定される血圧を用いてよい。制御部400は、PTTに基づくパラメータとして、PTTに基づく種々のパラメータ又はその変動を用いてよい。
(実施形態3)
図16に示されるパッケージ210の各部は、図4に示されるものと同様である。図16に示されるように、第1底面214cから延在する面が、破線で示されている。第1側面214aは、第1底面214cに対して、第1傾斜角2141aを有して傾斜する。第2側面214bは、第1底面214cに対して、第2傾斜角2141bを有して傾斜する。
発光部220は、破線で示される測定光340を射出する。測定光340は、第1側面214aの側に射出される測定光340aと、第2側面214bの側に射出される測定光340bとを含む。
第1傾斜角2141aは、第2傾斜角2141bよりも小さい。言い換えれば、第1側面214aの第1底面214cに対する傾斜角は、第2側面214bの第1底面214cに対する傾斜角よりも小さい。測定光340aは、第1傾斜角2141aが第2傾斜角2141以上である場合と比較して、第1側面214aに入射しにくい。測定光340aは、第1側面214aの側に向いたまま、第1凹部214の外側へ射出されやすい。
測定光340bの少なくとも一部は、第2側面214bに入射せず、第2側面214bの側に向いたまま、第1凹部214の外側へ射出されうる。測定光340bの少なくとも一部は、第2側面214bに入射して、第2側面214bで反射される。図4に示されるように第2側面214bがメタライズ層212で覆われる場合、測定光340bは、第2側面214bで反射されやすくなる。第2側面214bで反射された測定光340bは、測定光340cとして示される。測定光340は、第1側面214aの側に向きを変えて、第1凹部214の外側へ射出される。
図17に示されるように、パッケージ210は、図16に示される第1凹部214の第1側面214aの側に、第2凹部216を有する。第2凹部216の第2底面216cには受光部230が実装される。パッケージ210を有する測定装置100は、発光部220及び受光部230が実装されている面が動脈330に向くように被検者に装着されている。
測定光340は、動脈330で散乱され、散乱光350になる。測定光340は、測定光340a及び340cを含む。散乱光350は、測定光340aが散乱された散乱光350aと、測定光340cが散乱された散乱光350cとを含む。
測定光340が動脈330で散乱される散乱光350のうち、測定光340が動脈330で反射される方向へ向かう散乱光350が多くなりうる。第1側面214aの側に向いて第1凹部214の外側へ射出される測定光340が多いほど、動脈330から受光部230へ到達する散乱光350が多くなりうる。図16に示されるように、第1傾斜角2141aが第2傾斜角2141bよりも小さいことで、動脈330から受光部230へ到達する散乱光350がより多くなりうる。測定光340が少なくされうる。発光部220の消費電力が低減されうる。
図18に示されるように、パッケージ210は、複数の第1凹部214を有してよい。各第1凹部214には、発光部220が実装されてよい。パッケージ210は、複数の第2凹部216を有してよい。各第2凹部216には、受光部230が実装されてよい。
第1凹部214は、両側を第2凹部216で挟まれることがある。図3及び図4に示されるように、第1側面214aは、第2凹部216に近い側に位置する側面として定義されている。図18の場合、第1凹部214の側面は、両方とも第1側面214aとなることがある。この場合でも、第1側面214aの第1傾斜角2141aが、第2側面214bの第2傾斜角2141bよりも小さくされてよい。このようにすることで、測定光340が動脈330で散乱される散乱光350は、受光部230に到達しやすくなる。この結果、発光部220は、測定光340の強度を低くでき、消費電力を低減しうる。
複数の第1凹部214を有するパッケージ210は、第1凹部214を1つ有する場合と比較して、長くされうる。長いパッケージ210は、被検者の体表面310の比較的フラットな部分に装着されうる。
(実施形態4)
図19に示されるように、測定システム700は、測定装置100と、サーバ600とを備える。
測定装置100は、制御部400と、記憶部410と、通信部420と、報知部130とを備える。図19の測定装置100は、実施形態1〜3で説明してきた測定装置100であってよい。
サーバ600は、サーバ制御部610と、サーバ記憶部620と、サーバ通信部630とを備える。
サーバ制御部610は、サーバ600の各構成部、及びサーバ600の全体を制御及び管理するプロセッサであってよい。サーバ制御部610は、制御手順を規定したプログラム等を実行するCPU等のプロセッサであってよい。プログラムは、例えばサーバ記憶部620等の記憶媒体に格納されてよい。
サーバ記憶部620は、各種情報やサーバ600を動作させるためのプログラム等を格納する。サーバ記憶部620は、半導体メモリ又は磁気メモリ等で構成されてよい。サーバ記憶部620は、サーバ制御部610のワークメモリとして機能してよい。サーバ記憶部620は、測定装置100から取得した情報を格納してよい。
サーバ通信部630は、例えば、LAN又はCAN等の通信インターフェースを備えてよい。サーバ通信部630は、有線又は無線によって、測定装置100と通信可能に接続されてよい。サーバ通信部630は、ネットワークを介して測定装置100に接続されてよい。測定装置100は、無線LAN等の無線通信でネットワークに接続されてよい。測定装置100は、有線の通信でネットワークに接続されてよい。
測定装置100は、サーバ600に通信可能に接続される。通信部420とサーバ通信部630とは、有線又は無線によって、互いに通信可能に接続されてよい。測定装置100は、測定した生体情報をサーバ600に出力してよい。サーバ600は、測定装置100から取得した生体情報に基づいて、例えば図10及び図15に示される手順によって、被検者の身体状態を判定してよい。サーバ600は、被検者の身体状態に係る情報を測定装置100に出力してよい。測定装置100は、サーバ600から生体情報に基づく被検者の身体状態に係る情報を取得してよい。測定装置100は、サーバ600から取得した被検者の身体状態に係る情報に基づいて、報知部130によって、被検者に報知を行ってよい。
本開示に係る構成は、以上説明してきた実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形又は変更が可能である。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
本開示に係る測定装置100において、第1凹部214の側面は、レンズ作用を有する形状であってよい。このようにすることで、測定光340の射出方向が制御されうる。第2凹部216の側面は、レンズ作用を有する形状であってよい。このようにすることで、散乱光350が受光部230に入射しやすくなる。