JP6740948B2 - 廃棄物供給装置及び廃棄物供給方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃棄物を貯留ピットから焼却炉へ供給する廃棄物供給装置及び廃棄物供給方法に関する。
廃棄物焼却施設において、通常、廃棄物焼却炉(以下、「焼却炉」)で焼却処理される廃棄物には、可燃物の他にガラス、金属類、陶器、缶、瓶、ガレキ等の不燃分が含まれている。また燃焼するときの発熱量が高い硬質プラスチックが含まれることがあり、廃棄物焼却炉内温度の過剰上昇や燃焼の不安定化を引き起こすことがある。以下、不燃分と高発熱量硬質プラスチックとを燃焼不適物という。焼却炉に供給するときに廃棄物中における燃焼不適物の比率が高いと焼却炉内の廃棄物の燃焼が不安定となったり、焼却炉からの燃焼残渣の排出に支障が生じたりして問題となる。
特許文献1には、廃棄物を焼却炉へ投入する前に、廃棄物の最大粒径を50mm以下とし、かつ、粒径が5mm以下の廃棄物が10重量%以下の粒度分布とする分級処理を予め行うことにより、廃棄物中の不燃分の含有率を低くして、廃棄物を安定して焼却することが開示されている。
特開2005−249378
しかし、特許文献1では、廃棄物を分級処理するための装置が必要となり、装置コスト、運転コストが嵩むという問題がある。また、分級処理することにより、除外された廃棄物の処理が別途必要となるので、その分の処理コストが嵩むという問題もある。
本発明はかかる事情に鑑み、コストを低く抑えつつ、燃焼不適物の含有率を十分に低くした廃棄物を焼却炉へ供給することができる廃棄物供給装置及び廃棄物供給方法を提供することを課題とする。
本発明では、上述の課題は、次のように構成される廃棄物供給装置もしくは廃棄物供給方法によって解決される。
<廃棄物供給装置>
本発明に係る廃棄物供給装置は、廃棄物を受け入れて一時貯留する貯留ピットから廃棄物を取り出し焼却炉へ搬送供給する。
かかる廃棄物供給装置において、本発明では、廃棄物に含まれる燃焼不適物の含有比率である燃焼不適物比率を判定する燃焼不適物比率判定装置と、貯留ピット内の一部に形成された攪拌区画における廃棄物の燃焼不適物比率を含む性状を制御する廃棄物性状制御装置と、貯留ピットの攪拌区画から廃棄物を焼却炉へ搬送供給するクレーン装置とを備え、
燃焼不適物比率判定装置は、落下させた廃棄物の落下音を集音する集音装置と、集音された落下音の周波数を分析し、所定範囲の高い周波数の音の平均強度が所定値以下である場合には上記落下させた廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物であると判定し、上記所定範囲の高い周波数の音の平均強度が上記所定値を超えている場合には上記落下させた廃棄物を高燃焼不適物比率の廃棄物と判定する周波数分析装置とを有して、廃棄物の燃焼不適物比率を判定し、
クレーン装置は、貯留ピットの攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して攪拌混合する手段を兼ね、
廃棄物性状制御装置は、クレーン装置制御装置を有し、
クレーン装置制御装置は、クレーン装置により攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して攪拌混合する際に、燃焼不適物比率判定装置により判定された上記攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が高燃焼不適物比率であると判定されたときに、攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して攪拌混合する操作を、攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が低燃焼不適物比率と判定されるまで行い、攪拌区画の廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物とするようにクレーン装置に攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率を適正化する運転指令を発信し、
クレーン装置は、クレーン装置制御装置からの運転指令にもとづき、貯留ピットの攪拌区画外から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合し、さらに、低燃焼不適物比率の廃棄物とされた廃棄物を攪拌区画から焼却炉へ搬送供給することを特徴としている。
ここで、貯留ピットは、廃棄物収集車により搬入された廃棄物を一時貯留するのに十分な容積そして床面積を有している。また、貯留ピットの一部に、廃棄物を攪拌混合するための攪拌区画が設けられている。該攪拌区画以外は貯留ピットの大部分を占めていて貯留区画をなしており、廃棄物収集車により搬入された廃棄物は、この貯留区画に投入そして貯留される。
本発明では、燃焼不適物比率判定装置の集音装置により廃棄物の落下音を集音し、周波数分析装置により落下音の周波数を分析して廃棄物の燃焼不適物比率を判定し、クレーン装置により貯留ピット内の攪拌区画外から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合する際に、攪拌区画の廃棄物が高燃焼不適物比率であると判定されたときに、攪拌区画外から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合する操作を、攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が低燃焼不適物比率と判定されるまで行う。このように、攪拌区画に低燃焼不適物比率の廃棄物を生成してから、該低燃焼不適物比率の廃棄物を焼却炉内へ投入するので、燃焼不適物の含有率を十分に低くした廃棄物を焼却炉へ供給して廃棄物の燃焼を安定させることができ、また、燃焼により熱回収して得る蒸気発生量も安定させることができる。
本発明において、廃棄物供給装置は、
貯留ピット内の廃棄物の水分率分布を測定する水分率分布測定装置をさらに有し、
水分率分布測定装置は、貯留ピット内の全領域の廃棄物を撮影し画像情報を取得する貯留ピット撮影装置と、該貯留ピット撮影装置により得られた画像情報から廃棄物の明度分布を求め、予め設定された廃棄物の明度と廃棄物の水分率との関係にもとづき、貯留ピット内を区分した複数領域の各領域に存在する廃棄物の水分率を示す貯留ピット内の廃棄物の水分率分布を導出する貯留ピット画像処理装置とを有し、
廃棄物性状制御装置は、混合比率算出装置をさらに有し、
混合比率算出装置は、水分率分布測定装置により導出された貯留ピット内の廃棄物の水分率分布を参照して、所定範囲の水分率以下の低水分率廃棄物の存在する領域から低水分率廃棄物を、所定範囲の水分率より高い高水分率廃棄物の存在する領域から高水分率廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して混合するときに、上記攪拌区画における低水分率廃棄物と高水分率廃棄物とが混合された廃棄物の水分率を所定範囲とする低水分率廃棄物と高水分率廃棄物との混合比率を算出し、算出された混合比率をクレーン装置制御装置に発信し、
クレーン装置制御装置は、混合比率算出装置から送信された低水分率廃棄物と高水分率廃棄物との混合比率にもとづき攪拌区画における低水分率廃棄物と高水分率廃棄物とが混合された廃棄物の水分率を所定範囲とするとともに、攪拌区画の廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物とする運転指令をクレーン装置に発信し、
クレーン装置は、クレーン装置制御装置からの運転指令にもとづき、貯留ピットの攪拌区画外の各領域から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合し、さらに、所定範囲の水分率でかつ低燃焼不適物比率の廃棄物とされた廃棄物を攪拌区画から焼却炉へ搬送供給することとしてもよい。
従来、廃棄物焼却施設においては、廃棄物焼却炉(以下、「焼却炉」)へ廃棄物を投入する前に廃棄物の性状を把握することは行わずに、焼却炉に廃棄物が投入された後に炉内での燃焼中の操業データ(炉内温度、排ガス中酸素濃度等)により、焼却炉での熱バランスを求め、廃棄物の発熱量を演算し、焼却炉に供給する燃焼空気量を調整するフィードバック制御を行うことが一般的である。したがって、焼却炉へ供給される廃棄物の性状が時々刻々変化する実際の操業では制御に遅れが生じ、ときには焼却炉で発生した可燃性ガスが完全に燃焼されず、燃焼排ガス中に未燃ガスが残存することがあった。
焼却炉を安定に運転し、さらに、廃棄物の燃焼における熱回収により蒸気を発生させ発電を行う際に高い発電効率を得るためには、投入する廃棄物の性状を所定範囲内にすることが必要である。
焼却炉への供給に備え、搬入された廃棄物が一時貯留される貯留ピットでは、クレーンのバケットにより廃棄物の混合と焼却炉への投入が行われるが、従来は貯留ピット内の一部の領域の廃棄物を混合するだけであって、十分な混合が得られず、また次々と性状の異なる廃棄物が貯留ピットへ搬入され生じる廃棄物の性状の変動に対応できなかった。
このため、廃棄物焼却炉の運転が不安定となり、炉内温度の変動、発生ガス量の変動が生じ、その結果、排ガスから熱回収して発生させるボイラ蒸気量の変動が生じ、さらにNOx,SOx,HCl,COなどの有害ガス成分排出量の増加が生じていた。
通常の廃棄物焼却施設の貯留ピットは最小限の敷地面積で設けられるため、廃棄物の混合調整に利用できる領域の大きさは限定される。クレーンおよび焼却炉の廃棄物投入ホッパ容量は1時間に数回の投入を前提に設計されているため、廃棄物の移動や混合のできる時間は限定されている。そのため、限定された現状の貯留ピット敷地面積で、焼却炉へ燃焼に適した性状の廃棄物を供給することができるようにすることが要望されている。
本発明によれば、廃棄物の性状のうち燃焼不適物比率と水分率を制御して廃棄物を焼却炉へ供給するため、上記の課題を解決することができる。本発明では、燃焼不適物比率判定装置の集音装置により廃棄物の落下音を集音し、周波数分析装置により落下音の周波数を分析して廃棄物の燃焼不適物比率を判定し、クレーン装置により貯留ピット内の攪拌区画外から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合する際に、攪拌区画の廃棄物が高燃焼不適物比率であると判定されたときに、攪拌区画外から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合する操作を、攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が低燃焼不適物比率と判定されるまで行い、攪拌区画の廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物とすることと、さらに、廃棄物の貯留ピット内での廃棄物の画像を撮影し明度分布を計測して、廃棄物ピット内の廃棄物の水分率分布を求め、低水分率廃棄物と高水分率廃棄物を取り出して貯留ピット内の攪拌区画へ移送して攪拌混合を行い、水分率が所定範囲の廃棄物を形成することとを行い、焼却炉に低燃焼不適物比率でかつ所定範囲の水分率の廃棄物を供給することとしたので、焼却炉での廃棄物の燃焼が安定し、燃焼により熱回収して得る蒸気発生量も安定する。
さらには、貯留ピットへ搬入される廃棄物の燃焼不適物比率や水分率が変動しても、焼却炉へ投入される際には、廃棄物は所定範囲の燃焼不適物比率や水分率とされるので、焼却炉での廃棄物の燃焼が安定し、さらに、燃焼制御、例えば一次空気供給量の制御を適切に行うことができる。
本発明において、廃棄物供給装置は、貯留ピット内を区分した複数領域の各領域と攪拌区画の少なくとも一方にて、クレーン装置のバケットが掴んだ廃棄物の落下状況を撮影し画像情報を取得する落下状況撮影装置と、該落下状況撮影装置により得られた画像情報から廃棄物の形状を導出する廃棄物形状測定装置と、攪拌区画に貯留される廃棄物の形状を所定のものとするように上記クレーン装置のバケットによる廃棄物の掴み操作と落下操作を繰り返すように該クレーン装置を制御する廃棄物形状制御装置とを、さらに有していてもよい。その際、廃棄物の画像情報と、廃棄物の形状について相関関係を記憶させておいて、この相関関係を参照し廃棄物の形状を導出すればよい。
<廃棄物供給方法>
本発明に係る廃棄物供給方法は、廃棄物を受け入れて一時貯留する貯留ピットから廃棄物を取り出し焼却炉へ搬送供給する。
かかる廃棄物供給方法において、本発明は、廃棄物に含まれる燃焼不適物の含有比率である燃焼不適物比率を判定する燃焼不適物比率判定工程と、貯留ピット内の一部に形成された攪拌区画における廃棄物の燃焼不適物比率を含む性状を制御する廃棄物性状制御工程と、貯留ピットの攪拌区画から廃棄物をクレーン装置で焼却炉へ搬送供給する搬送供給工程とを備え、
燃焼不適物比率判定工程は、落下させた廃棄物の落下音を集音する集音工程と、集音された落下音の周波数を分析し、所定範囲の高い周波数の音の平均強度が所定値以下である場合には上記落下させた廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物であると判定し、上記高い周波数の音の平均強度が上記所定値を超えている場合には上記落下させた廃棄物を高燃焼不適物比率の廃棄物と判定する周波数分析工程とを有して、廃棄物の燃焼不適物比率を判定し、
廃棄物性状制御工程は、クレーン装置制御工程を有し、
クレーン装置制御工程は、クレーン装置により攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して攪拌混合する際に、燃焼不適物比率判定工程により判定された上記攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が高燃焼不適物比率であると判定されたときに、攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して攪拌混合する操作を、攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が低燃焼不適物比率と判定されるまで行い、攪拌区画の廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物とするようにクレーン装置に燃焼不適物比率を適正化する運転指令を発信し、
搬送供給工程は、クレーン装置制御工程で発信された運転指令にもとづき、クレーン装置により、貯留ピットの攪拌区画外から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合し、さらに、低燃焼不適物比率の廃棄物とされた廃棄物を攪拌区画から焼却炉へ搬送供給することを特徴としている。
本発明において、廃棄物供給方法は、貯留ピット内の廃棄物の水分率分布を測定する水分率分布測定工程をさらに有し、
水分率分布測定工程は、貯留ピット内の全領域の廃棄物を撮影し画像情報を取得する貯留ピット撮影工程と、該貯留ピット撮影工程により得られた画像情報から廃棄物の明度分布を求め、予め設定された廃棄物の明度と廃棄物の水分率との関係にもとづき、貯留ピット内を区分した複数領域の各領域に存在する廃棄物の水分率を示す貯留ピット内の廃棄物の水分率分布を導出する貯留ピット画像処理工程とを有し、
廃棄物性状制御工程は、混合比率算出工程をさらに有し、
混合比率算出工程は、水分率分布測定工程により導出された貯留ピット内の廃棄物の水分率分布を参照して、所定範囲の水分率以下の低水分率廃棄物の存在する領域から低水分率廃棄物を、所定範囲の水分率より高い高水分率廃棄物の存在する領域から高水分率廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して混合するときに、上記攪拌区画における低水分率廃棄物と高水分率廃棄物とが混合された廃棄物の水分率を所定範囲とする低水分率廃棄物と高水分率廃棄物との混合比率を算出し、
クレーン装置制御工程は、混合比率算出工程で算出された低水分率廃棄物と高水分率廃棄物との混合比率にもとづき攪拌区画における低水分率廃棄物と高水分率廃棄物とが混合された廃棄物の水分率を所定範囲とするとともに、攪拌区画の廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物とする運転指令をクレーン装置に発信し、
搬送供給工程は、クレーン装置制御工程で発信された運転指令にもとづき、クレーン装置により、貯留ピットの攪拌区画外の各領域から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合し、さらに、所定範囲の水分率でかつ低燃焼不適物比率の廃棄物とされた廃棄物を攪拌区画から焼却炉へ搬送供給することとしてもよい。
本発明において、貯留ピット内を区分した複数領域の各領域と攪拌区画の少なくとも一方にて、クレーン装置のバケットが掴んだ廃棄物の落下状況を撮影し画像情報を取得し、得られた画像情報から廃棄物の形状を導出する廃棄物形状測定工程と、攪拌区画に貯留される廃棄物の形状を所定のものとするようにクレーン装置のバケットによる廃棄物の掴み操作と落下操作を繰り返すように該クレーン装置のバケット操作を制御する廃棄物形状制御工程とを、さらに有していることとしてもよい。その際、廃棄物の画像情報と、廃棄物の形状について相関関係を記憶させておいて、この相関関係を参照し廃棄物の形状を導出すればよい。
<発明の原理−燃焼不適物比率の適正化>
このような構成の本発明の廃棄物供給装置そして廃棄物供給方法では、貯留ピットの廃棄物は、次の手順で攪拌混合されて所定範囲の燃焼不適物比率のもとで焼却炉へ供給される。
まず、クレーン装置制御装置によって制御されるクレーン装置が、貯留ピット内の任意の領域の廃棄物を掴んでもち上げてからその廃棄物を落下させる。集音装置は、その落下音(落下中の音及び落下して衝突したときの音)を集音する。落下した廃棄物に不燃分(ガラス、金属類、陶器、缶、瓶、ガレキ等の不燃分)や高発熱量硬質プラスチックの燃焼不適物が多く含まれている場合、その落下音には所定範囲の高い周波数の音が多く含まれる。そして、燃焼不適物の量が多いほど、すなわち、燃焼不適物比率が高いほど、該高い周波数の音の発生する頻度と強度(振幅)は大きくなる。本発明では、周波数分析装置は、廃棄物の落下音の周波数を分析し、該落下音に含まれる所定範囲の高い周波数の音の時間平均強度が所定値以下である場合には上記廃棄物を低燃焼不適物比率廃棄物と判定し、所定範囲の高い周波数の音の時間平均強度が上記所定値を超えている場合には上記廃棄物を高燃焼不適物比率の廃棄物と判定する。集音装置と周波数分析装置とで燃焼不適物比率判定装置が構成される。
廃棄物性状制御装置は、クレーン装置制御装置を有している。クレーン装置が、貯留ピットの攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して、廃棄物を攪拌混合し、攪拌区画内の混合された廃棄物の燃焼不適物比率を燃焼不適物比率判定装置により判定する。判定された攪拌区画内の廃棄物の燃焼不適物比率が高燃焼不適物比率であると判定されたときには、クレーン装置制御装置は、燃焼不適物比率判定装置からの判定情報を受け、攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して攪拌混合する操作を、攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が低燃焼不適物比率と判定されるまで行い、攪拌区画の廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物とするようにクレーン装置に燃焼不適物比率を適正化する運転指令を発信し、クレーン装置を制御する。攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が低燃焼不適物比率と判定された時点で、廃棄物の攪拌混合が終了する。
上述した廃棄物の燃焼不適物比率を適正化するための攪拌混合は種々の形態で実行することができる。例えば、クレーン装置による廃棄物の落下、集音装置による落下音の集音そして周波数分析装置による燃焼不適物比率の高低の判定を、貯留ピット内の様々な領域で実行する。そして、判定結果を領域位置情報と関連付けて記憶し、貯留ピット内の全領域について、どの領域に貯留されている廃棄物が低燃焼不適物比率廃棄物あるいは高燃焼不適物比率廃棄物であるのかを把握する。そして、貯留ピット内の低燃焼不適物比率廃棄物が存在する低燃焼不適物比率領域及び高燃焼不適物比率廃棄物が存在する高燃焼不適物比率領域のそれぞれの領域から廃棄物を貯留ピット内の他の領域へ移送し、該領域を攪拌区画として攪拌混合を行うようにしてもよい。また、低燃焼不適物比率領域から低燃焼不適物比率廃棄物を高燃焼不適物比率領域へ移送し、該高燃焼不適物比率領域を攪拌区画として攪拌混合が行われてもよい。さらに、高燃焼不適物比率領域から高燃焼不適物比率廃棄物を低燃焼不適物比率領域へ移送し、該低燃焼不適物比率領域を攪拌区画として攪拌混合が行われてもよい。
攪拌区画で生成された低燃焼不適物比率廃棄物はクレーン装置のバケットにより掴まれて焼却炉へ搬送供給される。
<発明の原理−水分率の適正化>
本発明では、攪拌区画で低燃焼不適物比率廃棄物を生成する際に、該低燃焼不適物比率廃棄物の水分率を所定範囲の水分率としてもよい。このように所定範囲の水分率とすることにより、低燃焼不適物比率廃棄物は、その発熱量が所定範囲とされた状態で炉内へ投入されることとなるので、焼却炉での廃棄物の燃焼が安定し、燃焼により熱回収して得る蒸気発生量も安定する。また、貯留ピットへ搬入される廃棄物の水分率が変動しても、焼却炉へ投入される際には、所定範囲の水分率とされて発熱量が安定するので、燃焼制御、例えば一次空気供給量の制御が簡単になる。
低燃焼不適物比率廃棄物の水分率を所定範囲の水分率とする要領を説明する。貯留ピットの廃棄物は、次の手順で攪拌混合されて所定範囲の水分率のもとで焼却炉へ供給される。
本発明では、貯留ピットの一部に、廃棄物を攪拌混合するための攪拌区画が設けられている。該攪拌区画以外は貯留ピットの大部分を占めていて貯留区画をなしており、廃棄物収集車により搬入された廃棄物は、この貯留区画に投入そして貯留される。
本発明では、水分率分布測定装置により貯留ピット内の廃棄物の水分率分布が測定される。水分率分布測定装置は貯留ピット撮影装置と貯留ピット画像処理装置とを有している。貯留ピット撮影装置は貯留ピット内の全領域の廃棄物を撮影していてその画像情報を貯留ピット画像処理装置へ送信する。貯留ピット画像処理装置は、廃棄物についての画像の明度と水分率との相関関係をデータとして有していて、貯留ピット撮影装置から受けた画像情報をこの相関関係を参照して、貯留ピット内を区分した複数領域の各領域について廃棄物の水分率を得て貯留ピット内の廃棄物の水分率分布を導出する。
廃棄物性状制御装置は前述したクレーン装置制御装置とともに混合比率算出装置を有している。上記水分率分布にもとづき、低水分率廃棄物の存在する領域から低水分率廃棄物を、そして高水分率廃棄物の存在する領域から高水分率廃棄物を攪拌区画へ移送し、これらをこの攪拌区画で攪拌混合する。上記攪拌区画における低水分率廃棄物と高水分率廃棄物とが混合された廃棄物の水分率を所定範囲とするように、混合比率算出装置により、低水分率廃棄物と高水分率廃棄物との混合比率が算出される。混合比率算出装置により導出された低水分率廃棄物と高水分率廃棄物との混合比率がクレーン装置制御装置へ発信される。
クレーン装置制御装置は、クレーン装置が、攪拌区画の廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物とする運転を行う際、攪拌区画に廃棄物を移送するにあたり、燃焼不適物比率の調整のみならず、混合比率算出装置から発信される混合比率をも参照して、生成される低燃焼不適物比率廃棄物の水分率が所定範囲となるように、クレーン装置へ運転指令を発信し、クレーン装置は各領域から廃棄物を掴んで攪拌区画へ移送する。この結果、攪拌区画で低燃焼不適物比率廃棄物と高燃焼不適物比率廃棄物とが攪拌混合されるのと同時に、低水分率廃棄物と高水分率廃棄物とが攪拌混合され、所定範囲の水分率の低燃焼不適物比率廃棄物が生成されることとなる。このようにして生成された所定範囲の水分率の低燃焼不適物比率廃棄物はクレーン装置のバケットにより掴まれて焼却炉へ搬送供給される。
かくして、所定範囲の低燃焼不適物比率で、かつ所定範囲の水分率となった攪拌区画の廃棄物はクレーン装置のバケットにより掴まれて焼却炉へ搬送供給される。
貯留ピットに投入されるときに廃棄物は、袋体に廃棄物が収容されている袋体の状態、袋体が破袋され収容されていた廃棄物が分散している状態、廃棄物が大きな塊状となっている状態、粗大物などの形状となっている。袋体や大きな塊状や粗大物のままであるとクレーン装置での移送、攪拌区画での攪拌混合に支障が生じたり、焼却炉内への投入が困難になったり、燃焼が不安定となり不具合が生じる。そのため、袋体を破袋し収容されていた廃棄物を分散し、大きな塊状の廃棄物や粗大物を細かく破砕することが必要である。
本発明において、廃棄物形状測定装置と廃棄物形状制御装置をも、さらに備えている場合には、落下状況撮影装置によりクレーン装置のバケットが掴んだ廃棄物の落下状況を撮影し画像情報を取得して、廃棄物形状測定装置が画像情報から廃棄物の形状を導出し、廃棄物形状制御装置が攪拌区画に貯留される廃棄物の形状を所定のものとするようにクレーン装置のバケットによる廃棄物の掴み操作と落下操作を繰り返すようにクレーン装置を制御する。廃棄物の落下状況の画像情報と、廃棄物の形状について関係を記憶させておいて、この関係を参照し廃棄物の形状を導出することが好ましい。貯留ピットに貯留されている廃棄物は、廃棄物が収容されている袋体の状態、袋体が破袋され収容されていた廃棄物が分散している状態、廃棄物が大きな塊状となっている状態、粗大物などの形状となっている。バケットによる廃棄物の掴み操作と落下操作を繰り返すことにより、袋体を破袋し収容されていた廃棄物を分散し、大きな塊状の廃棄物や粗大物を細かく破砕して、廃棄物の形状を所定のものとする。廃棄物の形状の所定のものとして、袋体であるか、塊状であるか、粗大物であるか、適切に分散させること、好ましい大きさなどの観点から指標を設けて定めることが好ましい。また、廃棄物の適切な大きさは炉規模により異なり、小さい炉ほど小さい方が適切となる。廃棄物が大きいと炉内への投入が不均一になるため、燃焼が不安定になるからである。
本発明では、以上のように、貯留ピット内の攪拌区画にて低燃焼不適物比率廃棄物と高燃焼不適物比率廃棄物とを攪拌混合して、攪拌区画の廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物としてから、該低燃焼不適物比率廃棄物を焼却炉内へ投入するので、燃焼不適物の含有率を十分に低くした廃棄物を焼却炉へ供給して廃棄物の燃焼を安定させることができ、また、燃焼により熱回収して得る蒸気発生量も安定させることができる。さらに、従来のように廃棄物を分級処理するための装置が必要としないので、装置コスト、運転コスト、さらには分級により除外された廃棄物の処理コストを抑制することができる。
本発明の一実施形態装置の概要構成を示し、該装置の縦断面図である。 図1装置における貯留ピットの平面図である。
以下、添付図面の図1にもとづき、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態装置は、大別すると、廃棄物供給装置Iと焼却炉IIとから成り、廃棄物供給装置Iは廃棄物を一時貯留する貯留ピット10と、貯留ピット10内の廃棄物に含まれる不燃分の比率である燃焼不適物比率の高低を判定する燃焼不適物比率判定装置60と、貯留ピット10内の廃棄物の水分率分布を測定する水分率分布測定装置20と、焼却炉IIへ供給する廃棄物の燃焼不適物比率及び水分率を制御する廃棄物性状制御装置30と、そして貯留ピット10から廃棄物を取り出して焼却炉IIへ搬送供給するクレーン装置40とを有している。
廃棄物Pは、廃棄物収集車(図示せず)によりもち込まれ上記貯留ピット10へ投入されるが、廃棄物が袋体に入っている状態や塊状の状態や粗大物の状態で投入され貯留される。貯留ピット10内の廃棄物Pは、焼却炉IIへ搬送供給される前に、低燃焼不適物比率そして所定範囲の水分率となるように処置されるが、そのための本実施形態における諸装置の説明に先立ち、焼却炉IIについて説明する。
焼却炉IIは、廃棄物Pの供給を受けるホッパ51を上端に有し該ホッパ51から廃棄物Pを炉内に落下投入するシュート52が設けられている。該焼却炉IIは、例えば、火格子式焼却炉として形成することができる。火格子式焼却炉の場合、炉内底部に設けられている火格子(図示せず)の下方から燃焼用一次空気を供給するように、供給空気量調整装置(図示せず)を経て炉内の燃焼室53に燃焼用一次空気を供給する風箱(図示せず)が炉底に設けられている。上記火格子は該火格子上の廃棄物を図にて右方向に送るように作動している。
上記焼却炉IIは、燃焼室53の後流側上部が、燃焼室53での廃棄物燃焼で発生した可燃ガスを燃焼する二次燃焼室54となっていて、その上方に排気部55が設けられている。二次燃焼室54と排気部55の排気口55Aとの間の位置には、二次燃焼で得られる熱を回収するボイラ(図示せず)が配設されている。上記排気口55Aは、後流側に設けられた集塵機や排ガス無害化装置(図示せず)に接続されていて、焼却炉IIから排出される排ガスは無害化された後に、大気に放出されるようになっている。
上記貯留ピット10は、廃棄物収集車により搬入された廃棄物を一時貯留するのに十分な容積そして床面積を有している。また、貯留ピット10の一部に、廃棄物を攪拌混合するための攪拌区画が設けられている。該攪拌区画以外は貯留ピットの大部分を占めていて貯留区画をなしており、廃棄物収集車により搬入された廃棄物は、この貯留区画に投入そして貯留される。
上記貯留ピット10の上方には、クレーン装置40が配設されている。本実施形態では、該クレーン装置40は、貯留ピット10内の廃棄物Pを該貯留ピット10から焼却炉IIのホッパ51の上方位置まで搬送し該ホッパ51へ投入供給する搬送供給機能を有し、さらに、廃棄物Pを貯留ピット10内で移送せしめるとともに、バケット43の開閉操作による廃棄物の掴み動作と落下動作によって廃棄物を攪拌する移送攪拌機能を有している。上記クレーン装置40は、水平方向に延びる走行軌道41と、該走行軌道41に沿って走行自在な巻上機(図示せず)と、該巻上機に巻回され下方に向け延びその長さが加減されるワイヤ42と、該ワイヤ42の下端に吊下支持され昇降自在かつ開閉自在なバケット43とを有している。したがって、バケット43は、上下方向では、ワイヤ42の吊下長さの加減により昇降自在であり、水平方向では、貯留ピット10と焼却炉IIのホッパ51の間、さらには、貯留ピット10内での移動が可能である。貯留ピット10内での水平方向移動は、図1では、紙面に沿った左右方向のみならず、紙面に直角な方向でも移動可能である。したがって、昇降自在なバケット43は、水平方向では、貯留ピット10の水平面のどの部分に対してもその上方に位置することができる。
廃棄物供給装置Iは、上記バケット43を吊下する巻上機を移動させる走行軌道41をもつクレーン装置40に加え、貯留ピット内の廃棄物の燃焼不適物比率の高低を判定する燃焼不適物比率判定装置60と、貯留ピット10内の廃棄物の水分率分布を測定する水分率分布測定装置20と、貯留ピット10で該バケット43により掴まれ焼却炉IIへ供給される廃棄物Pの燃焼不適物比率及び水分率を制御するため、上記クレーン装置40のバケット43の移動、開閉等の動作を制御する廃棄物性状制御装置30とを有している。
燃焼不適物比率判定装置60は、集音装置61と周波数分析装置62とを有している。集音装置61は、落下音を集音するマイクを有し、貯留ピット10内にてクレーン装置40もバケット43で掴んでから落下させた廃棄物Pの落下音を該マイクで集音する。マイクはクレーン装置40の台車、巻上機又は貯留ピット10に設けられる。本実施形態では、「落下音」には、廃棄物の落下中の音、貯留された廃棄物上に落下する廃棄物が貯留された廃棄物と衝突する音及び貯留された廃棄物上で落下する廃棄物同士が衝突する音が含まれる。
周波数分析装置62は、集音装置61によって集音された落下音の周波数を分析し、該落下音に含まれる所定の周波数範囲内(例えば、5〜20kHz)の高い周波数の音の時間平均強度が所定値以下である場合には上記廃棄物を低燃焼不適物比率廃棄物と判定し、所定範囲の高い周波数の音の時間平均強度が上記所定値を超えている場合には上記廃棄物を高燃焼不適物比率廃棄物と判定する。時間平均強度として例えば2秒間の平均強度を用いる。予め前記時間平均強度と焼却炉内廃棄物の燃焼変動との関係から、燃焼変動を許容範囲内とする好ましい時間平均強度の範囲を定めておき、この好ましい時間平均強度の範囲にもとづき時間平均強度の所定値を定めておく。
上記集音装置61と周波数分析装置62とを有する燃焼不適物比率判定装置60は、廃棄物性状制御装置30に接続されている。該廃棄物性状制御装置30は、クレーン装置制御装置31と後述する混合比率算出装置32とを有しており、詳しくは、燃焼不適物比率判定装置60の周波数分析装置62が廃棄物性状制御装置30のクレーン装置制御装置31と接続されている。
次に、攪拌区画における廃棄物の水分率の調整について説明する。水分率分布測定装置20は、貯留ピット撮影装置21と貯留ピット画像処理装置22とを有している。該貯留ピット撮影装置21は、貯留ピット10の側壁に設けられたカメラ11を有していて、該カメラ11で貯留ピット10内全領域の廃棄物Pを撮影して画像を形成し、その画像を電子的に画像情報として上記貯留ピット画像処理装置22へ送信するようになっている。カメラ11は2台以上設置して貯留ピット全体の廃棄物を撮影し、死角のない3次元情報、距離による誤差のない寸法情報を得ることが、貯留ピット全体の廃棄物の水分率分布を把握するのに望ましい。貯留ピット10内の廃棄物の貯留状況によっては、カメラ11を1台設けることとしてもよい。
廃棄物は、その水分率が低いと画像における明度が高く、水分率が高いと明度が低い。そこで、本実施形態では、貯留ピット撮影装置21により得られた貯留ピット10内の廃棄物の画像情報から貯留ピット画像処理装置22により貯留ピット10内の廃棄物の明度分布を求め、さらに予め設定され記憶された廃棄物の明度と廃棄物の水分率との関係にもとづき、貯留ピット10内の廃棄物の水分率分布を導出する。
貯留ピット画像処理装置22では、上記貯留ピット撮影装置21からの画像情報を処理するのに際し、上方から見た貯留ピット10内の水平面の全領域を、図2に見られるように区分している。この区分は、貯留ピット10の一つの隅部における一部に一つの攪拌区画Aをなし、そして残部を細かく区分して複数の細領域B1,B2,・・・を有する貯留区画Bをなすように二分している。上記貯留区画Bは、廃棄物収集車から搬入される廃棄物を貯留する区画であり、図2の例では水平面内の縦方向と横方向に細区分されて細領域B1,B2,・・・を有し、例えば、0.5×0.5m程度に細区分することができる。攪拌区画Aは、貯留区画Bに貯留されている廃棄物のうち水分率の異なる廃棄物を移送し攪拌混合するための区画であり、該貯留領域Bの細区分された各細領域よりも広い面積を有しており、その縦横の長さは、小さくともバケット43を開いたときの長さの1.5〜2.5倍程度でよい。
貯留ピット画像処理装置22では、導出した貯留ピット10内の廃棄物の水分率分布データを、貯留区画Bの細区分された細領域群に対応させることにより、各細領域B1,B2,・・・に貯留される廃棄物の水分率を把握することができる。例えば、細領域B1,B2,B3、B4には所定範囲の水分率以下の低水分率の廃棄物が存在し、細領域B11,B12,B13、B14には所定範囲の水分率より高い高水分率の廃棄物が存在していることを把握することができる。このように貯留ピット10の貯留区画Bの細区分された各領域ごとに貯留される廃棄物の水分率を水分率分布情報として把握することができ、このような水分率分布情報が水分率分布測定装置20の貯留ピット画像処理装置22に保存される。
上記貯留ピット撮影装置21と貯留ピット画像処理装置22とを有する水分率分布測定装置20は、廃棄物性状制御装置30の混合比率算出装置32に接続されている。
廃棄物性状制御装置30の混合比率算出装置32は、水分率分布を把握する際に用いた細領域の隣接する複数分を集めて、一つの取出領域とし、この取出領域を用いて貯留ピット10内の水分率分布を把握し、所定範囲の水分率より低い低水分率廃棄物の存在する取出領域や所定範囲の水分率より高い高水分率廃棄物の存在する取出領域として把握して、取出領域の単位で水分率調整を行うようこととしている。取出領域の大きさはクレーンのバケットが開く長さ(2〜5m)より大きく設定する。
混合比率算出装置32は、貯留区画Bにおける所定範囲の水分率以下の低水分率廃棄物の存在する取出領域から低水分率廃棄物を、所定範囲の水分率より高い高水分率廃棄物の存在する取出領域から高水分率廃棄物をそれぞれ取り出して攪拌区画Aに移送するときに、上記攪拌区画Aにおける攪拌混合後の廃棄物の水分率を所定範囲とするように、貯留区画Bから取り出す低水分率廃棄物と高水分率廃棄物との混合比率を算出するようになっている。
混合比率算出装置32は、この算出された混合比率の結果を、クレーン装置制御装置31へ送信し、クレーン装置制御装置31は、クレーン装置40によりどの取出領域から低水分率廃棄物と高水分率廃棄物とをどのような比率で攪拌区画Aへ移送するのかという移送手順を計画しクレーン装置40に発信する。
クレーン装置40は、クレーン装置制御装置31からの運転指令にもとづき、貯留区画Bの複数の取出領域のいずれかと攪拌区画Aとの間を移動し、各取出領域から廃棄物を攪拌区画Aへ移送し、かつ移送後に攪拌区画Aで該廃棄物を攪拌混合する機能を有している。
クレーン装置40は、貯留ピット10内を移動し、図2にて貯留区画Bの指定された取出領域と攪拌区画Aとの間で移動し、バケット43の昇降動作と開閉動作により廃棄物Pを掴んで上記取出領域から攪拌区画Aへ移送する。複数の取出領域のどこから廃棄物をどれくらい移動するかは、上述した混合比率となるように定められる。バケットが一度に掴む廃棄物量はほぼ一定であるので、クレーンが移動する回数を制御することにより、廃棄物を移動する量を制御するようにする。クレーン装置40は、攪拌区画Aでは、バケット43の昇降動作と開閉動作を繰り返すことで、すなわち攪拌区画Aに移送された廃棄物を掴み上げ落下させる動作を繰り返すことで廃棄物を攪拌混合してその均一化を図る。上記のような手順で廃棄物の水分率が調整される。
一方、廃棄物の燃焼不適物比率の調整も行われる。廃棄物性状制御装置30のクレーン装置制御装置31は、貯留区画Bにおける低燃焼不適物比率廃棄物の存在する領域(低燃焼不適物比率領域)から低燃焼不適物比率廃棄物を、高燃焼不適物比率廃棄物の存在する領域(高燃焼不適物比率領域)から高燃焼不適物比率廃棄物をそれぞれ取出して攪拌区画Aに移送する場合に、上記攪拌区画Aにおける攪拌混合後の廃棄物が低燃焼不適物比率廃棄物となるように、攪拌区画Aでのクレーン装置40による廃棄物の攪拌混合動作を制御するようになっている。
廃棄物性状制御装置30のクレーン装置制御装置31は、クレーン装置40により攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して攪拌混合する際に、燃焼不適物比率判定装置60により判定された上記攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が高燃焼不適物比率であると判定されたときに、攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して攪拌混合する操作を、攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が低燃焼不適物比率と判定されるまで行うようにクレーン装置40に燃焼不適物比率を適正化する運転指令を発信し、クレーン装置40は、クレーン装置制御装置31からの運転指令にもとづき、貯留ピットの攪拌区画外から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合する。さらに、攪拌混合の結果、攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が低燃焼不適物比率と判定された後、クレーン装置40は、攪拌区画から低燃焼不適物比率の廃棄物とされた廃棄物を焼却炉へ搬送供給する。
このような本実施形態では、貯留ピット10内の廃棄物Pは、次の要領で所定範囲の水分率でかつ低燃焼不適物比率の廃棄物として焼却炉IIへ搬送供給される。
先ず、貯留ピット10内の貯留区画Bにおける適宜取出領域から廃棄物Pをクレーン装置40のバケット43により掴み、これを攪拌区画Aへ移送させる。本実施形態では、貯留ピット10内の貯留区画Bの全域について、どの領域が低燃焼不適物比率の廃棄物が存在する低燃焼不適物比率領域あるいは高燃焼不適物比率の廃棄物が存在する高燃焼不適物比率領域であるのかが燃焼不適物比率判定装置60によって予め判定され記憶されている。廃棄物性状制御装置30のクレーン装置制御装置31は、貯留区画Bにおける低燃焼不適物比率領域から低燃焼不適物比率廃棄物をそして高燃焼不適物比率領域から高燃焼不適物比率廃棄物を攪拌区画Aへ移送するとともに、該攪拌区画Aで低燃焼不適物比率廃棄物と高燃焼不適物比率廃棄物とを攪拌混合して適正な低燃焼不適物比率の低燃焼不適物比率廃棄物を作成する燃焼不適物比率調整操作内容を作成する。そして、クレーン装置制御装置31は、後述する水分率調整操作内容と合わせて、適切な運転指令をクレーン装置40へ発信する。
一方、水分率分布測定装置20は、この攪拌区画Aそして貯留区画Bを含む貯留ピット10内全領域について、貯留ピット撮影装置21により撮影された廃棄物Pの画像情報による明度分布から、貯留ピット画像処理装置22に予め記憶された明度分布と水分率との相関関係にもとづいて、廃棄物Pの水分率分布を導いている。そこで、廃棄物性状制御装置30の混合比率算出装置32は、上記攪拌区画Aにおける廃棄物Pの水分率が、所定範囲となるように、貯留区画Bにおける異なる水分率分布の各取出領域のどこからどれだけ廃棄物Pを掴んで上記攪拌区画Aへ移送すればよいか、その混合比率を算出してクレーン装置制御装置31へ発信する。また、攪拌混合の際、高水分率廃棄物が足りない場合には、貯留ピットの底部にある廃棄物は高水分率となっている傾向にあるので、表層の廃棄物を除去してこれを用いてもよい。
このように本実施形態では、クレーン装置制御装置31は、攪拌区画で所定の燃焼不適物比率以下の低燃焼不適物比率の廃棄物を作成する燃焼不適物比率調整操作内容と、廃棄物を所定範囲の水分率とするための低水分率廃棄物と高水分率廃棄物との算出された混合比率に基づく水分率調整操作内容とを合わせて、適切な運転指令をクレーン装置40へ発信する。運転指令を受けたクレーン装置40は、廃棄物を貯留区画Bから攪拌区画Aへ移送し、該攪拌区画Aで攪拌混合を実行する。
本実施形態では、廃棄物の性状のうち燃焼不適物比率と水分率を制御して廃棄物を焼却炉へ供給するため、燃焼不適物比率判定装置の集音装置により廃棄物の落下音を集音し、周波数分析装置により落下音の周波数を分析して廃棄物の燃焼不適物比率を判定し、クレーン装置により貯留ピット内の攪拌区画外から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合する際に、攪拌区画の廃棄物が高燃焼不適物比率であると判定されたときに、攪拌区画外から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合する操作を、攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が低燃焼不適物比率と判定されるまで行うことと、さらに、廃棄物の貯留ピット内での廃棄物の画像を撮影し明度分布を計測して、廃棄物ピット内の廃棄物の水分率分布を求め、低水分率廃棄物と高水分率廃棄物を取り出して貯留ピット内の攪拌区画へ移送して攪拌混合を行い、水分率が所定範囲の廃棄物を形成することとを行い、焼却炉に所定の低燃焼不適物比率以下でかつ所定範囲の水分率の廃棄物を供給することとしたので、焼却炉での廃棄物の燃焼が安定し、燃焼により熱回収して得る蒸気発生量も安定する。
さらには、貯留ピットへ搬入される廃棄物の燃焼不適物比率や水分率が変動しても、焼却炉へ投入される際には、廃棄物は所定の燃焼不適物比率以下とされ、かつ所定範囲の水分率とされるので、燃焼制御、例えば一次空気供給量の制御が簡単になる。
また、上記のように貯留ピット10内の貯留区画Bの全域について、燃焼不適物比率判定装置60により領域毎に燃焼不適物比率を判定しておき燃焼不適物比率調整操作を行う代わりに、攪拌区画において攪拌混合された廃棄物の燃焼不適物比率を判定し、所定の燃焼不適物比率以下となるまで廃棄物の移送と攪拌混合を繰り返し行うようにしてもよい。
この場合に、攪拌混合は、攪拌区画Aにて廃棄物を掴みそして落下させる動作を繰り返すことにより行われる。このとき、廃棄物を落下させる際に、燃焼不適物比率判定装置60による判定が行われる。もし、上記動作を繰り返しても、燃焼不適物比率判定装置60により低燃焼不適物比率廃棄物であるとする判定がなされない場合は、クレーン装置制御装置31は、予め判定されている低燃焼不適物比率領域からさらに低燃焼不適物比率廃棄物を攪拌区画Aへ移送し攪拌混合を行うように、クレーン装置40へ指令を発する。
廃棄物Pの攪拌混合は、燃焼不適物比率判定装置60により攪拌区画内の廃棄物Pが低燃焼不適物比率廃棄物であると判定されるまで行われる。この結果、攪拌区画Aにて所定範囲の低燃焼不適物比率廃棄物が生成される。さらに、このような場合も、燃焼不適物比率調整操作内容と、廃棄物を所定範囲の水分率とするための低水分率廃棄物と高水分率廃棄物との算出された混合比率に基づく水分率調整操作内容とを合わせて、適切な運転指令をクレーン装置40へ発信する。運転指令を受けたクレーン装置40は、廃棄物を貯留区画Bから攪拌区画Aへ移送し、該攪拌区画Aで攪拌混合を実行する。
かくして、攪拌区画において、所定範囲の水分率であって、かつ所定の燃焼不適物比率以下の低燃焼不適物比率廃棄物となった廃棄物が、クレーン装置40により攪拌区画Aから焼却炉IIへ搬送供給される。
本発明は、図示した形態に限定されず、種々変形が可能である。例えば、図2のように貯留ピット10内において攪拌区画Aを定めた位置に固定して形成するのではなく、貯留ピット内で攪拌区画Aを移動させるようにしてもよい。当初に設定した位置の攪拌区画Aで周囲の貯留区画Bから廃棄物を移動し攪拌混合し、周囲の貯留区画Bに貯留されている廃棄物が少なくなったときに、他の位置に攪拌区画Aを移動して攪拌混合を行うようにしてもよい。また、攪拌区画Aを細分して複数の領域A1、A2,・・・を有するようにし、攪拌混合する領域を順次移動させるようにしてもよい。
また、図2のように貯留ピット10内において攪拌区画Aと貯留区画Bとを別個の定めた位置に形成するのではなく、例えば、貯留ピット10内全域を貯留区画Bとしつつ、その貯留区画Bのうちの一部の区画を攪拌区画Aとすることもできる。この場合、例えば、貯留区画Bの一部である低燃焼不適物比率領域から低燃焼不適物比率廃棄物を、貯留区画Bの他の一部である高燃焼不適物比率領域へ移送し、該高燃焼不適物比率領域を攪拌区画Aとして攪拌混合が行われてもよい。また、貯留区画Bの一部である高燃焼不適物比率領域から高燃焼不適物比率廃棄物を、貯留区画Bの他の一部である低燃焼不適物比率領域へ移送し、該低燃焼不適物比率領域を攪拌区画Aとして攪拌混合が行われてもよい。低燃焼不適物比率領域から低燃焼不適物比率廃棄物を高燃焼不適物比率領域へ移送して該高燃焼不適物比率領域で攪拌混合をする場合、該攪拌混合したことによりその領域の廃棄物が低燃焼不適物比率廃棄物となった場合には、燃焼不適物比率判定装置60は、高燃焼不適物比率領域として記憶していたその領域を低燃焼不適物比率領域として新たに記憶するようにしてもよい。
貯留ピットへ続けて搬入される廃棄物と、移送されて不在となった廃棄物の下から現れる廃棄物により、貯留ピットの状況は変化し続ける。貯留ピット全体における燃焼不適物比率の高低をリアルタイムで把握し、上述のように適切な廃棄物を選択して攪拌混合することにより、最適燃焼可能な廃棄物を焼却炉に安定供給し続けることが可能になる。このとき、貯留ピット内に高燃焼不適物比率廃棄物、すなわち燃焼不適廃棄物が蓄積していかないよう、焼却炉への供給する廃棄物を低燃焼不適物比率に維持しながら、燃焼不適廃棄物を減らすように移送し混合することが好ましい。すなわち、貯留ピット内のどの領域に高燃焼不適物比率領域が形成されているかを常に把握しておき、これが減少していくよう移送混合を続ける。こうすることで、低燃焼不適物比率廃棄物の連続的な供給が可能になり、焼却炉の安定運転や高効率発電の実現が可能になる。
上述したように、貯留ピットへ続けて搬入される廃棄物と、移送されて不在となった廃棄物の下から現れる廃棄物により、貯留ピットの状況は変化し続ける。ピット全体の明度分布をリアルタイムで把握し、上述のように適切な廃棄物を選択して混合することにより、焼却炉に最適燃焼可能な廃棄物を安定供給し続けることが可能になる。このとき、貯留ピット内に高水分率廃棄物や低水分率廃棄物の燃焼不適廃棄物が蓄積していかないよう、焼却炉への供給廃棄物を所定水分率範囲に維持しながら、燃焼不適廃棄物を減らすように移送し混合することが好ましい。すなわち、明度分布から水分率の所定範囲からのずれの大きい塊状物の存在を把握しておき、これが減少していくよう移送混合を続ける。こうすることで、水分率が所定範囲の廃棄物の自動投入が可能になり、焼却炉の安定運転や高効率発電の実現が可能になる。
本実施形態では、攪拌区画Aにおける廃棄物Pを低燃焼不適物比率廃棄物とするのみならず、該低燃焼不適物比率廃棄物の水分率を所定の範囲とする形態について説明したが、これに代えて、水分率を所定の範囲とする必要がない場合には、水分率の大小を考慮することなく、燃焼不適物比率判定装置60による判定結果のみにもとづいて、攪拌区画Aにて低燃焼不適物比率廃棄物を生成するようにしてもよい。
貯留ピットに投入され貯留されるときに、廃棄物が収容されている袋体の状態や廃棄物が大きな塊状となっている状態や粗大物などの形状となっている場合には、袋体を破袋して、塊状の廃棄物や粗大物を破砕して廃棄物を分散させておくと、クレーン装置での移送そして攪拌区画での攪拌混合がしやすいので、そのための装置として、廃棄物の形状を測定する落下状況撮影装置、廃棄物形状測定装置と、その形状を適切に分散させた形状とする廃棄物形状制御装置とを有しているようにできる。
落下状況撮影装置によりクレーン装置のバケットが掴んだ廃棄物の落下状況を撮影し画像情報を取得して、廃棄物形状測定装置が画像情報から廃棄物の形状を導出し、廃棄物形状制御装置が攪拌区画に貯留される廃棄物の形状を所定のものとするようにクレーン装置のバケットによる廃棄物の掴み操作と落下操作を繰り返すようにクレーン装置を制御する。バケットによる廃棄物の掴み操作と落下操作を繰り返すことにより、袋体を破袋し収容されていた廃棄物を分散し、大きな塊状の廃棄物や粗大物を細かく破砕して、廃棄物の形状を所定のものとする。
このようにして、バケットにより廃棄物を掴んでもち上げこれを落下させる動作を繰り返すことで廃棄物の形状の制御を行うが、その際の廃棄物の形状を画像から算出し、所定の形状のものになるまで落下攪拌を繰り返す。
10 貯留ピット
20 水分率分布測定装置
21 貯留ピット撮影装置
22 貯留ピット画像処理装置
30 廃棄物性状制御装置
31 クレーン装置制御装置
40 クレーン装置
60 燃焼不適物比率判定装置
61 集音装置
62 周波数分析装置
A 攪拌区画
I 廃棄物供給装置
II 焼却炉

Claims (6)

  1. 廃棄物を受け入れて一時貯留する貯留ピットから廃棄物を取り出し焼却炉へ搬送供給する廃棄物供給装置において、
    廃棄物に含まれる燃焼不適物の含有比率である燃焼不適物比率を判定する燃焼不適物比率判定装置と、貯留ピット内の一部に形成された攪拌区画における廃棄物の燃焼不適物比率を含む性状を制御する廃棄物性状制御装置と、貯留ピットの攪拌区画から廃棄物を焼却炉へ搬送供給するクレーン装置とを備え、
    燃焼不適物比率判定装置は、落下させた廃棄物の落下音を集音する集音装置と、集音された落下音の周波数を分析し、所定範囲の高い周波数の音の平均強度が所定値以下である場合には上記落下させた廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物であると判定し、上記所定範囲の高い周波数の音の平均強度が上記所定値を超えている場合には上記落下させた廃棄物を高燃焼不適物比率の廃棄物と判定する周波数分析装置とを有して、廃棄物の燃焼不適物比率を判定し、
    クレーン装置は、貯留ピットの攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して攪拌混合する手段を兼ね、
    廃棄物性状制御装置は、クレーン装置制御装置を有し、
    クレーン装置制御装置は、クレーン装置により攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して攪拌混合する際に、燃焼不適物比率判定装置により判定された上記攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が高燃焼不適物比率であると判定されたときに、攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して攪拌混合する操作を、攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が低燃焼不適物比率と判定されるまで行い、攪拌区画の廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物とするようにクレーン装置に攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率を適正化する運転指令を発信し、
    クレーン装置は、クレーン装置制御装置からの運転指令にもとづき、貯留ピットの攪拌区画外から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合し、さらに、低燃焼不適物比率の廃棄物とされた廃棄物を攪拌区画から焼却炉へ搬送供給することを特徴とする廃棄物供給装置。
  2. 貯留ピット内の廃棄物の水分率分布を測定する水分率分布測定装置をさらに有し、
    水分率分布測定装置は、貯留ピット内の全領域の廃棄物を撮影し画像情報を取得する貯留ピット撮影装置と、該貯留ピット撮影装置により得られた画像情報から廃棄物の明度分布を求め、予め設定された廃棄物の明度と廃棄物の水分率との関係にもとづき、貯留ピット内を区分した複数領域の各領域に存在する廃棄物の水分率を示す貯留ピット内の廃棄物の水分率分布を導出する貯留ピット画像処理装置とを有し、
    廃棄物性状制御装置は、混合比率算出装置をさらに有し、
    混合比率算出装置は、水分率分布測定装置により導出された貯留ピット内の廃棄物の水分率分布を参照して、所定範囲の水分率以下の低水分率廃棄物の存在する領域から低水分率廃棄物を、所定範囲の水分率より高い高水分率廃棄物の存在する領域から高水分率廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して混合するときに、上記攪拌区画における低水分率廃棄物と高水分率廃棄物とが混合された廃棄物の水分率を所定範囲とする低水分率廃棄物と高水分率廃棄物との混合比率を算出し、算出された混合比率をクレーン装置制御装置に発信し、
    クレーン装置制御装置は、混合比率算出装置から送信された低水分率廃棄物と高水分率廃棄物との混合比率にもとづき攪拌区画における低水分率廃棄物と高水分率廃棄物とが混合された廃棄物の水分率を所定範囲とするとともに、攪拌区画の廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物とする運転指令をクレーン装置に発信し、
    クレーン装置は、クレーン装置制御装置からの運転指令にもとづき、貯留ピットの攪拌区画外の各領域から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合し、さらに、所定範囲の水分率でかつ低燃焼不適物比率の廃棄物とされた廃棄物を攪拌区画から焼却炉へ搬送供給することとする請求項1に記載の廃棄物供給装置。
  3. 貯留ピット内を区分した複数領域の各領域と攪拌区画の少なくとも一方にて、クレーン装置のバケットが掴んだ廃棄物の落下状況を撮影し画像情報を取得する落下状況撮影装置と、該落下状況撮影装置により得られた画像情報から廃棄物の形状を導出する廃棄物形状測定装置と、攪拌区画に貯留される廃棄物の形状を所定のものとするように上記クレーン装置のバケットによる廃棄物の掴み操作と落下操作を繰り返すように該クレーン装置のバケット操作を制御する廃棄物形状制御装置とを、さらに有することとする請求項1又は請求項2に記載の廃棄物供給装置。
  4. 廃棄物を受け入れて一時貯留する貯留ピットから廃棄物を取り出し焼却炉へ搬送供給する廃棄物供給方法において、
    廃棄物に含まれる不燃分の含有比率である燃焼不適物比率を判定する燃焼不適物比率判定工程と、貯留ピット内の一部に形成された攪拌区画における廃棄物の燃焼不適物比率を含む性状を制御する廃棄物性状制御工程と、貯留ピットの攪拌区画から廃棄物をクレーン装置で焼却炉へ搬送供給する搬送供給工程とを備え、
    燃焼不適物比率判定工程は、落下させた廃棄物の落下音を集音する集音工程と、集音された落下音の周波数を分析し、所定範囲の高い周波数の音の平均強度が所定値以下である場合には上記落下させた廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物であると判定し、上記所定範囲の高い周波数の音の平均強度が上記所定値を超えている場合には上記落下させた廃棄物を高燃焼不適物比率の廃棄物と判定する周波数分析工程とを有して、廃棄物の燃焼不適物比率を判定し、
    廃棄物性状制御工程は、クレーン装置制御工程を有し、
    クレーン装置制御工程は、クレーン装置により攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して攪拌混合する際に、燃焼不適物比率判定工程により判定された上記攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が高燃焼不適物比率であると判定されたときに、攪拌区画外から廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して攪拌混合する操作を、攪拌区画の廃棄物の燃焼不適物比率が低燃焼不適物比率と判定されるまで行い、攪拌区画の廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物とするようにクレーン装置に燃焼不適物比率を適正化する運転指令を発信し、
    搬送供給工程は、クレーン装置制御工程で発信された運転指令にもとづき、クレーン装置により、貯留ピットの攪拌区画外から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合し、さらに、低燃焼不適物比率の廃棄物とされた廃棄物を攪拌区画から焼却炉へ搬送供給することを特徴とする廃棄物供給方法。
  5. 貯留ピット内の廃棄物の水分率分布を測定する水分率分布測定工程をさらに有し、
    水分率分布測定工程は、貯留ピット内の全領域の廃棄物を撮影し画像情報を取得する貯留ピット撮影工程と、該貯留ピット撮影工程により得られた画像情報から廃棄物の明度分布を求め、予め設定された廃棄物の明度と廃棄物の水分率との関係にもとづき、貯留ピット内を区分した複数領域の各領域に存在する廃棄物の水分率を示す貯留ピット内の廃棄物の水分率分布を導出する貯留ピット画像処理工程とを有し、
    廃棄物性状制御工程は、混合比率算出工程をさらに有し、
    混合比率算出工程は、水分率分布測定工程により導出された貯留ピット内の廃棄物の水分率分布を参照して、所定範囲の水分率以下の低水分率廃棄物の存在する領域から低水分率廃棄物を、所定範囲の水分率より高い高水分率廃棄物の存在する領域から高水分率廃棄物を取り出して攪拌区画に移送して混合するときに、上記攪拌区画における低水分率廃棄物と高水分率廃棄物とが混合された廃棄物の水分率を所定範囲とする低水分率廃棄物と高水分率廃棄物との混合比率を算出し、
    クレーン装置制御工程は、混合比率算出工程で算出された低水分率廃棄物と高水分率廃棄物との混合比率にもとづき攪拌区画における低水分率廃棄物と高水分率廃棄物とが混合された廃棄物の水分率を所定範囲とするとともに、攪拌区画の廃棄物を低燃焼不適物比率の廃棄物とする運転指令をクレーン装置に発信し、
    搬送供給工程は、クレーン装置制御工程で発信された運転指令にもとづき、クレーン装置により、貯留ピットの攪拌区画外の各領域から廃棄物を攪拌区画に移送して攪拌混合し、さらに、所定範囲の水分率でかつ低燃焼不適物比率の廃棄物とされた廃棄物を攪拌区画から焼却炉へ搬送供給することとする請求項4に記載の廃棄物供給方法。
  6. 貯留ピット内を区分した複数領域の各領域と攪拌区画の少なくとも一方にて、クレーン装置のバケットが掴んだ廃棄物の落下状況を撮影し画像情報を取得し、得られた画像情報から得る廃棄物の形状を導出する廃棄物形状測定工程と、攪拌区画に貯留される廃棄物の形状を所定のものとするようにクレーン装置のバケットによる廃棄物の掴み操作と落下操作を繰り返すように該クレーン装置のバケット操作を制御する廃棄物形状制御工程とを、さらに有していることとする請求項4又は請求項5に記載の廃棄物供給方法。
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