本発明の第1の態様においては、エネルギシステムが提供される。上記のエネルギシステムは、例えば、電力網及び蓄電装置の間における電力の授受を制御する電力制御部を備える。上記のエネルギシステムは、例えば、電力網から供給された電力を利用して、エネルギ源を製造するエネルギ源製造部を備える。上記のエネルギシステムは、例えば、第1期間に、蓄電装置が、電力網に供給した電力量である第1電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得部を備える。上記のエネルギシステムは、例えば、エネルギ源製造部が、第1電力量に相当する量の電力を利用して製造するエネルギ源の量である第1相当量を決定する相当量決定部を備える。
上記のエネルギシステムは、相当量決定部が決定した第1相当量を示す情報を格納する格納部を備えてよい。上記のエネルギシステムは、電力網から供給された電力を利用して蓄電装置を充電し、蓄電装置が出力した電力を電力網に供給する充放電装置を備えてよい。上記のエネルギシステムにおいて、蓄電装置は、移動体若しくは建築物に配された蓄電装置、又は、可搬型の蓄電装置であってよい。上記のエネルギシステムにおいて、電力制御部は、電力網、及び、充放電装置と電気的に接続された蓄電装置の間における電力の授受を制御してよい。
上記のエネルギシステムは、相当量決定部が決定した第1相当量に基づいて、第1経済的条件で、電力網から蓄電装置に供給され得る電力量の最大値を示す第1供給可能量を決定する第1供給可能量決定部を備えてよい。上記のエネルギシステムにおいて、エネルギ情報取得部は、第1期間に、蓄電装置が電力網に電力を供給した位置である供給位置を示す情報と、第1期間より時間的に後の第2期間に、蓄電装置が電力網から電力を受領する位置である受領位置を示す情報を取得してよい。上記のエネルギシステムにおいて、第1供給可能量決定部は、供給位置及び受領位置が第1地理的条件を満足する場合に、供給位置及び受領位置が第1地理的条件を満足しない場合と比較して、第1供給可能量が大きくなるように、第1供給可能量を決定してよい。
上記のエネルギシステムにおいて、第1供給可能量決定部は、蓄電装置が電力網に電力を供給した場合に、第1相当量を直前の第1供給可能量に加算してよい。上記のエネルギシステムにおいて、第1供給可能量決定部は、蓄電装置が電力網から電力を受領した場合に、直前の第1供給可能量の範囲内で、蓄電装置が受領した電力量に相当する量である充電量を、直前の第1供給可能量から減算してよい。
上記のエネルギシステムにおいて、エネルギ情報取得部は、第1期間に、蓄電装置が電力網に電力を供給した位置である供給位置を示す情報と、第1期間より時間的に後の第2期間に、蓄電装置が電力網から電力を受領する位置である受領位置を示す情報とを取得してよい。上記のエネルギシステムにおいて、第1供給可能量決定部は、供給位置及び受領位置が第1地理的条件を満足する場合に、供給位置及び受領位置が第1地理的条件を満足しない場合と比較して、蓄電装置が受領した電力量に対する充電量の割合が小さくなるように、充電量を決定してよい。
上記のエネルギシステムは、相当量決定部が決定した第1相当量に基づいて、第2経済的条件で、(i)エネルギ源製造部が製造したエネルギ源を貯蔵する第1貯蔵容器から、(ii)移動体に搭載され、第1貯蔵容器から供給されるエネルギ源を貯蔵する第2貯蔵容器に移送され得るエネルギ源の量の最大値を示す第2供給可能量を決定する第2供給可能量決定部を備えてよい。
上記のエネルギシステムは、相当量決定部が決定した第1相当量に基づいて、第2経済的条件で、(i)エネルギ源製造部が製造したエネルギ源を貯蔵する第1貯蔵容器から、(ii)移動体に搭載され、第1貯蔵容器から供給されるエネルギ源を貯蔵する第2貯蔵容器に移送され得るエネルギ源の量の最大値を示す第2供給可能量を決定する第2供給可能量決定部を備えてよい。上記のエネルギシステムにおいて、エネルギ情報取得部は、第1期間に、蓄電装置が電力網に電力を供給した位置である供給位置を示す情報と、第1期間より時間的に後の第3期間に、第1貯蔵容器から第2貯蔵容器にエネルギ源が移送される位置である移送位置を示す情報とを取得してよい。上記のエネルギシステムにおいて、第2供給可能量決定部は、供給位置及び移送位置が第2地理的条件を満足する場合に、供給位置及び移送位置が第2地理的条件を満足しない場合と比較して、第2供給可能量が大きくなるように、第2供給可能量を決定してよい。
上記のエネルギシステムは、エネルギ源製造部が製造したエネルギ源を利用して発電し、発生した電力を電力網及び蓄電装置の少なくとも一方に供給する発電部を備えてよい。上記のエネルギシステムにおいて、エネルギ源は、水素であってよい。上記のエネルギシステムにおいて、第1相当量は、第1期間に、エネルギ源製造部が、第1電力量に相当する量の電力を利用して製造したエネルギ源の量であってよい。
上記のエネルギシステムにおいて、エネルギ源製造部は、電力網及び蓄電装置から供給された電力を利用して、エネルギ源を製造するように構成されてよい。上記のエネルギシステムにおいて、第1相当量は、第1期間に、エネルギ源製造部が、第1電力量に相当する量の電力を利用して製造したエネルギ源の量であってよい。上記のエネルギシステムにおいて、エネルギ情報取得部は、第1期間に、蓄電装置が、エネルギ源製造部に供給した電力量である第2電力量を示す情報を取得してよい。上記のエネルギシステムにおいて、相当量決定部は、第1期間に、エネルギ源製造部が、第2電力量に相当する量の電力を利用して製造したエネルギ源の量である第2相当量を決定してよい。相当量決定部は、第1期間に、エネルギ源製造部が、蓄電装置から供給された電力を利用して製造したエネルギ源の量として、第1相当量及び第2相当量の合計を示す情報を出力してよい。
本発明の第2の態様においては、エネルギシステムが提供される。上記のエネルギシステムは、例えば、蓄電装置から供給された電力を利用して、エネルギ源を製造するエネルギ源製造部を備える。上記のエネルギシステムは、例えば、第1期間に、蓄電装置が、エネルギ源製造部に供給した電力量である第2電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得部を備える。上記のエネルギシステムは、例えば、エネルギ源製造部が、第2電力量に相当する量の電力を利用して製造するエネルギ源の量である第2相当量を決定する相当量決定部を備える。
本発明の第3の態様においては、エネルギ管理サーバが提供される。上記のエネルギ管理サーバは、例えば、第1期間に、蓄電装置が電力網に供給した電力量である第1電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得部を備える。上記のエネルギ管理サーバは、例えば、電力網から供給された電力を利用してエネルギ源を製造するエネルギ源製造装置が、第1電力量に相当する量の電力を利用して製造するエネルギ源の量である第1相当量を決定する相当量決定部を備える。
本発明の第4の態様においては、エネルギ管理サーバが提供される。上記のエネルギ管理サーバは、例えば、第1期間に、蓄電装置が、蓄電装置から供給された電力を利用してエネルギ源を製造するエネルギ源製造装置に供給した電力量である第2電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得部と、上記のエネルギ管理サーバは、例えば、エネルギ源製造装置が、第2電力量に相当する量の電力を利用して製造するエネルギ源の量である第2相当量を決定する相当量決定部を備える。
本発明の第5の態様においては、エネルギ源の製造方法が提供される。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、電力網及び蓄電装置の間における電力の授受を制御する電力制御段階を有する。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、第1期間に、蓄電装置が、電力網に供給した電力量である第1電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得段階を有する。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、電力網から供給された電力を利用してエネルギ源を製造するエネルギ源製造装置を制御して、エネルギ源を製造するエネルギ源製造段階を有する。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、第1電力量に相当する量の電力を利用して製造されたエネルギ源の量である第1相当量を決定する相当量決定段階を有する。
本発明の第6の態様においては、エネルギ源の製造方法が提供される。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、蓄電装置から供給された電力を利用して、エネルギ源を製造するエネルギ源製造装置を制御して、エネルギ源を製造するエネルギ源製造段階を有する。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、エネルギ源製造段階における第1期間に、蓄電装置から供給された電力量である第2電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得段階を有する。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、第2電力量に相当する量の電力を利用して製造されたエネルギ源の量である第2相当量を決定する相当量決定段階を有する。
本発明の第7の態様においては、プログラムが提供される。上記のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供されてもよい。上記のプログラムは、例えば、コンピュータに、第1期間に、蓄電装置が電力網に供給した電力量である第1電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得段階を実行させるためのものである。上記のプログラムは、例えば、コンピュータに、電力網から供給された電力を利用してエネルギ源を製造するエネルギ源製造装置が、第1電力量に相当する量の電力を利用して製造するエネルギ源の量である第1相当量を決定する相当量決定段階を実行させるためのものである。
本発明の第8の態様においては、プログラムが提供される。上記のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供されてもよい。上記のプログラムは、例えば、コンピュータに、第1期間に、蓄電装置が、蓄電装置から供給された電力を利用してエネルギ源を製造するエネルギ源製造装置に供給した電力量である第2電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得段階を実行させるためのものである。上記のプログラムは、例えば、コンピュータに、エネルギ源製造装置が、第2電力量に相当する量の電力を利用して製造するエネルギ源の量である第2相当量を決定する相当量決定段階を実行させるためのものである。
本発明の第9の態様においては、プログラムが提供される。上記のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供されてもよい。上記のプログラムは、例えば、コンピュータに、電力網及び蓄電装置の間における電力の授受を制御する電力制御段階を実行させるためのものである。上記のプログラムは、例えば、コンピュータに、第1期間に、蓄電装置が、電力網に供給した電力量である第1電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得段階を実行させるためのものである。上記のプログラムは、例えば、コンピュータに、電力網から供給された電力を利用してエネルギ源を製造するエネルギ源製造装置が、第1電力量に相当する量の電力を利用して製造するエネルギ源の量である第1相当量を決定する相当量決定段階を実行させるためのものである。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
[エネルギ管理システム100の概要]
図1は、エネルギ管理システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、エネルギ管理システム100は、共同体102を構成する複数の機器(単に、共同体102と称される場合がある。)と、共同体104を構成する複数の機器(単に、共同体104と称される場合がある。)とを備える。エネルギ管理システム100は、広域管理サーバ180を備えてもよい。
本実施形態において、共同体102は、需給家施設112と、需給家施設114と、変電設備120と、送配電網122と、エネルギ管理設備140と、水素製造設備160とを備える。共同体102を構成する複数の機器のそれぞれは、通信ネットワーク14を介して、互いに情報を送受してよい。共同体102のエネルギ管理設備140は、通信ネットワーク14を介して、他の共同体との間で情報を送受してよい。共同体102のエネルギ管理設備140は、通信ネットワーク14を介して、広域管理サーバ180との間で情報を送受してよい。
本実施形態において、共同体104は、水素製造設備160を備えない点を除いて、共同体102と同様の構成を有してもよい。なお、他の実施形態において、共同体104は、水素製造設備160を備えてもよい。本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、エネルギ管理システム100が、共同体102及び共同体104を備える場合について説明する。しかしながら、エネルギ管理システム100に含まれる共同体の個数は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、エネルギ管理システム100は、1又は複数(1以上と称される場合がある。)の共同体を含む。エネルギ管理システム100は、3以上の共同体を含んでよい。
エネルギ管理システム100は、1以上の共同体102を備えてよい。エネルギ管理システム100は、1以上の共同体104を備えてよい。エネルギ管理システム100は、共同体102を備えなくてもよい。エネルギ管理システム100は、共同体104を備えなくてもよい。共同体102が水素製造設備160を備えない場合、エネルギ管理システム100は、水素製造設備160と、1以上の共同体104とを備えてよい。この場合、水素製造設備160は、1以上の共同体104の一部を構成してもよく、1以上の共同体104の一部を構成しなくてもよい。
本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、共同体102が、需給家施設112と、需給家施設114とを備える場合を例として、共同体102の詳細が説明される。しかしながら、共同体102に含まれる需給家施設の個数は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、共同体102は3以上の需給家施設を含む。また、本実施形態においては、共同体102において、水素製造設備160が、エネルギ管理設備140の外部に配される場合を例として、共同体102の詳細が説明される。しかしながら、エネルギ管理設備140は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、エネルギ管理設備140は、エネルギ管理設備140の一部を構成してよい。
系統電力網12は、電力網の一例であってよい。エネルギ管理システム100は、エネルギシステムの一例であってよい。共同体102は、エネルギシステムの一例であってよい。共同体104が水素製造設備160を備える場合、共同体104は、エネルギシステムの一例であってよい。需給家施設112は、建築物の一例であってよい。需給家施設114は、建築物の一例であってよい。送配電網122は、電力網の一例であってよい。エネルギ管理設備140は、エネルギシステムの一例であってよい。水素製造設備160は、エネルギ源製造部及びエネルギ源製造装置の一例であってよい。
本実施形態において、共同体102の送配電網122は、変電設備120を介して、系統電力網12と電気的に接続される。本実施形態において、共同体104の送配電網122は、変電設備120を介して、系統電力網12と電気的に接続される。
本実施形態によれば、共同体102及び共同体104は、系統電力網12を介して、間接的に電力を融通することができる。なお、他の実施形態において、共同体102及び共同体104は、自営線(図示されていない。)を介して、互いに電力を融通してよい。
ここで、「要素A及び要素Bが電気的に接続される」とは、要素A及び要素Bが物理的に接続されている場合に限定されない。例えば、変圧器の入力巻線と出力巻線とは物理的には接続されていないが、電気的には接続されている。また、要素A及び要素Bとの間に、要素A及び要素Bを電気的に接続するための部材が介在していてもよい。上記の部材としては、導電体、開閉器又はスイッチ、変成器などが例示される。
本実施形態において、系統電力網12は、商用電源(図示されていない。)と電気的に接続される。系統電力網12は、電力事業者又は送電事業者により提供される電力系統であってよい。系統電力網12は、複数の電力事業者又は複数の送電事業者の電力系統を含んでよい。電力系統は、発電、変電、送電、配電が統合されたシステムであってよい。
本実施形態において、通信ネットワーク14は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信ネットワーク14は、無線パケット通信網、インターネット、P2Pネットワーク、専用回線、VPN、電力線通信回線などを含んでもよい。通信ネットワーク14は、(i)携帯電話回線網などの移動体通信網を含んでもよく、(ii)無線MAN(例えば、WiMAX(登録商標)である。)、無線LAN(例えば、WiFi(登録商標)である。)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの無線通信網を含んでもよい。
本実施形態において、共同体102及び共同体104のそれぞれは、複数の需給家により構成されるグループであってよい。各共同体の構成員は、例えば、エネルギの需給に関して利害を共有する。複数の需給家のそれぞれは、需給家施設(例えば、需給家施設112、需給家施設114などである。)を所有、占有又は使用する。複数の需給家の一部は、電力小売り業者であってもよい。複数の需給家のそれぞれは、エネルギ管理システム100のユーザの一例であってよい。
需給家施設は、個人又は法人が所有する施設であってよい。需給家施設は、個人の邸宅又は事業所であってよい。需給家施設は、法人の事業所であってよい。需給家施設は、他のユーザに電気を提供する充電ステーションであってよい。需給家施設は、他のユーザに水素を提供する水素ステーションであってよい。需給家施設112及び需給家施設114の詳細は後述される。
本実施形態において、変電設備120は、系統電力網12と、送配電網122との間の電力の流通を制御する。変電設備120の動作は、エネルギ管理設備140により制御されてよい。
一実施形態において、変電設備120は、系統電力網12の高圧電力を受電し、当該電気の電圧及び周波数の少なくとも一方を変換する。変電設備120は、変換後の電気を送配電網122に流通させる。他の実施形態において、変電設備120は、送配電網122の低圧電力を受電し、当該電気の電圧及び周波数の少なくとも一方を変換する。変電設備120は、変換後の電気を系統電力網12に流通させる(逆潮流と称される場合がある)。さらに他の実施形態において、変電設備120は、系統電力網12と、送配電網122との電気的な接続関係を切り替える。これにより、例えば、送配電網122が系統電力網12から切り離された状態と、送配電網122が系統電力網12に接続された状態とが切り替えられ得る。
本実施形態において、送配電網122は、共同体102を構成する複数の機器の間で、電気を流通させる。送配電網122の一部は、系統電力網12の所有者、管理者又は運営者の電力網であってもよい。送配電網122の少なくとも一部は、共同体102が所有又は管理する電力網であってもよい。
本実施形態において、エネルギ管理設備140は、共同体102で利用されるエネルギを管理する。例えば、エネルギ管理設備140は、共同体102で利用されるエネルギ又はエネルギ源の需要及び供給を管理する。エネルギとしては、電気、熱などが例示される。エネルギ源としては、液体燃料、気体燃料、水素源などが例示される。
液体燃料、気体燃料及び水素源の詳細は特に限定されない。液体燃料としては、(i)メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール、(ii)液化天然ガス、液化プロパンガスなどの液化石油ガス、(iii)液体の化石燃料、(iv)液体のバイオ燃料、(v)液体水素、(vi)液体の有機系水素貯蔵材料(有機ハライドと称される場合がある。)などが例示される。気体燃料としては、天然ガス、メタンガス、プロパンガス、ブタンガス、水素ガスなどが例示される。水素源としては、水素ガス、アルコール、水素吸蔵合金、有機系水素貯蔵材料などが例示される。有機系水素貯蔵材料は、有機ハライドであってよい。
本実施形態において、エネルギ管理設備140は、共同体102で利用される電力を管理する。例えば、エネルギ管理設備140は、送配電網122を介して提供される電力の安定性及び品質を管理する。エネルギ管理設備140は、共同体102の電力需給を管理してよい。例えば、エネルギ管理設備140は、例えば、送配電網122と、需給家施設112及び需給家施設114のそれぞれとの間の送受電を管理する。
エネルギ管理設備140は、共同体102の電力需給の状態を監視し、送配電網122を流れる電気の過不足を調整してよい。本実施形態において、エネルギ管理設備140は、複数の需給家施設の電力需給を集約又は調整してもよい。複数の需給家施設の電力需給を集約又は調整する設備は、アグリゲータと称される場合がある。
本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、エネルギ管理設備140が共同体102で利用される電力を管理する場合を例として、エネルギ管理システム100及びエネルギ管理設備140の詳細が説明される。しかしながら、エネルギ管理システム100及びエネルギ管理設備140は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、エネルギ管理設備140は、電力以外のエネルギを管理してもよい。
エネルギ管理設備140は、変電設備120に対する命令であって、系統電力網12と、送配電網122との電気的な接続関係を切り替えさせるための命令を、変電設備120に出力してよい。これにより、エネルギ管理設備140は、例えば、送配電網122が系統電力網12から切り離された状態と、送配電網122が系統電力網12に接続された状態とを切り替えることができる。エネルギ管理設備140の詳細は後述される。
本実施形態において、水素製造設備160は、電力を利用して水素を製造する。水素の製造工程の詳細は特に限定されない。水素製造設備160は、例えば、電気化学的手法により水素を製造する。水素製造設備160は、化学的手法により水素を製造してもよく、生物学的手法により水素を製造してもよい。上述のとおり、水素は、エネルギ源の一例であってよい。
一実施形態において、水素製造設備160は、系統電力網12及び送配電網122の少なくとも一方から供給された電力を利用して、水素を製造する。他の実施形態において、水素製造設備160は、水素製造設備160と電気的に接続された蓄電装置(図示されていない。)から供給された電力を利用して、水素を製造する。さらに他の実施形態において、水素製造設備160は、(i)系統電力網12及び送配電網122の少なくとも一方と、(ii)水素製造設備160と電気的に接続された蓄電装置(図示されていない。)との両方から供給された電力を利用して、水素を製造する。水素製造設備160の詳細は後述される。
本実施形態において、広域管理サーバ180は、系統電力網12を介して提供される電力の安定性及び品質を管理する。広域管理サーバ180は、系統電力網12の電力需給を管理してよい。例えば、広域管理サーバ180は、系統電力網12と、共同体102及び共同体104のそれぞれとの間の送受電を管理する。広域管理サーバ180は、(i)系統電力網12から、共同体102及び共同体104のそれぞれへの送電と、(ii)共同体102及び共同体104のそれぞれから、系統電力網12への送電とを管理してよい。広域管理サーバ180は、系統電力網12の電力需給の状態を監視し、系統電力網12を流れる電気の過不足を調整してよい。
[エネルギ管理システム100の各部の具体的な構成]
エネルギ管理システム100の各部は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウェア及びソフトウエアにより実現されてもよい。エネルギ管理システム100の各部は、その少なくとも一部が、単一のサーバによって実現されてもよく、複数のサーバによって実現されてもよい。エネルギ管理システム100の各部は、その少なくとも一部が、仮想マシン上又はクラウドシステム上で実現されてもよい。エネルギ管理システム100の各部は、その少なくとも一部が、パーソナルコンピュータ又は携帯端末によって実現されてもよい。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどが例示される。エネルギ管理システム100の各部は、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術又は分散型ネットワークを利用して、情報を格納してもよい。
エネルギ管理システム100を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の情報処理装置は、例えば、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、タッチパネル、カメラ、マイク、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備える。上記の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、プログラムを格納してよい。上記のプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されてよい。上記のプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該プログラムによって規定された動作を実行させる。
プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、エネルギ管理システム100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。プログラムが実行されることにより、コンピュータが、エネルギ管理システム100の各部の少なくとも一部として機能してもよい。コンピュータをエネルギ管理システム100の各部の少なくとも一部として機能させるプログラムは、エネルギ管理システム100の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、データ処理装置、入力装置、出力装置、記憶装置等に働きかけて、コンピュータをエネルギ管理システム100の各部として機能させたり、コンピュータにエネルギ管理システム100の各部における情報処理方法を実行させたりする。プログラムに記述された情報処理は、当該プログラムがコンピュータに読込まれることにより、当該プログラムに関連するソフトウエアと、エネルギ管理システム100の各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、上記の具体的手段が、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、当該使用目的に応じたエネルギ管理システム100が構築される。
[需給家施設の各部の概要]
図2は、需給家施設112の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、需給家施設112は、1以上の電力負荷210と、1以上の充放電装置212と、電源設備220とを備える。需給家施設112は、配分電設備230と、コントローラ240と、1以上の需給家端末250とを備えてもよい。本実施形態において、電源設備220は、1以上の発電装置222と、1以上の蓄電装置224とを備える。なお、需給家施設112は、上記の構成要素の少なくとも1つを備えなくてもよい。一実施形態において、需給家施設112は、電源設備220を備えなくてよい。他の実施形態において、需給家施設112は、発電装置222及び蓄電装置224の一方を備えなくてもよい。他の実施形態において、需給家施設112は、需給家端末250を備えなくてもよい。なお、需給家施設114は、需給家施設112と同様の構成を有してよい。
充放電装置212は、電力制御部の一例であってよい。配分電設備230は、電力制御部及びエネルギ情報取得部の一例であってよい。コントローラ240は、電力制御部及びエネルギ情報取得部の一例であってよい。発電装置222は、発電部の一例であってよい。蓄電装置224は、建築物に配された蓄電装置の一例であってよい。
本実施形態において、電力負荷210は、電気を使用する。電力負荷210は、電力を消費する電気機器であってよい。電力負荷210の少なくとも一部の動作は、コントローラ240により制御されてよい。
本実施形態において、充放電装置212は、配分電設備230と電気的に接続されてよい。充放電装置212は、充放電装置212から配分電設備230に向かって電気を流すための放電用電線と、配分電設備230から充放電装置212に向かって電気を流すための充電用電線とを介して、配分電設備230と電気的に接続されてよい。充放電装置212は、配分電設備230を介して、需給家施設112の内部に配された電気機器と電気的に接続されてよい。充放電装置212は、配分電設備230を介して、送配電網122と電気的に接続されてよい。
本実施形態において、充放電装置212は、各種の蓄電池と電気的に接続される。充放電装置212と、各種の蓄電池とは、物理的に着脱可能に接続されてよい。充放電装置212と、各種の蓄電池とは、給電ケーブルを介して電力を授受してもよく、無線給電方式により電力を授受してもよい。各種の蓄電池としては、電気自動車22の蓄電池(図示されていない)、携帯可能な蓄電池24、需給家端末250の蓄電池(図示されていない。)などが例示される。
各種の蓄電池は、蓄電装置の一例であってよい。電気自動車22は、移動体の一例であってよい。電気自動車22の蓄電池は、移動体に配された蓄電池の一例であってよい。携帯可能な蓄電池24は、可搬型の蓄電装置の一例であってよい。需給家端末250の蓄電池は、可搬型の蓄電装置の一例であってよい。
可搬型の蓄電装置は、動物又は移動体により運搬される。可搬型の蓄電装置は、動物に装着又は携帯されてもよく、移動体に搭載されてもよく、移動体に牽引されてもよい。移動体は、陸上を走行する機器であってもよく、空中を飛行する機器であってもよく、水中又は水上を航行する機器であってもよい。移動体は、ユーザの操作により移動してもよく、当該移動体に搭載されたコンピュータによる自律移動機能(オートクルーズ、クルーズコントロールなどと称される場合がある。)により移動してもよい。移動体としては、車両、船舶、飛行体などが例示される。車両としては、自動車、自動二輪車、電車などが例示される。
自動車としては、エンジン車、電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド車、作業機械などが例示される。自動二輪車としては、(i)バイク、(ii)三輪バイク、(iii)セグウェイ(登録商標)、動力ユニット付きキックボード(登録商標)、動力ユニット付きスケートボードのような、動力ユニットを有する立ち乗り二輪車などが例示される。船舶としては、船、ホバークラフト、水上バイク、潜水艦、潜水艇、水中スクータなどが例示される。飛行体としては、飛行機、飛行船又は風船、気球、ヘリコプター、ドローンなどが例示される。
一実施形態において、充放電装置212は、充放電装置212と電気的に接続された蓄電池に電気を供給して、当該蓄電池を充電する。例えば、充放電装置212は、系統電力網12又は送配電網122から供給された電力を利用して、上記の蓄電池を充電する。より具体的には、充放電装置212は、配分電設備230を介して、送配電網122から電気を受領する。また、充放電装置212は、送配電網122から受領した電気を、上記の蓄電池に供給する。充放電装置212は、上記の蓄電池と、送配電網122との間における電力の授受を制御してよい。例えば、充放電装置212は、上記の蓄電池の充電電流の大きさを制御してよい。
他の実施形態において、充放電装置212は、充放電装置212と電気的に接続された蓄電池を放電させる。例えば、充放電装置212は、上記の蓄電池が出力した電力を、系統電力網12又は送配電網122に供給する。より具体的には、充放電装置212は、上記の蓄電池が放出した電気を受領する。また、充放電装置212は、上記の蓄電池が放出した電気を、配分電設備230を介して、送配電網122に供給する。充放電装置212は、上記の蓄電池と、送配電網122との間における電力の授受を制御してよい。例えば、充放電装置212は、上記の蓄電池の放電電流の大きさを制御してよい。
本実施形態において、充放電装置212に、各種の蓄電池と電気的に接続されている間、当該蓄電池は、蓄電装置224の一部として取り扱われてもよい。例えば、電気自動車22又は携帯可能な蓄電池24が充放電装置212に電気的に接続されると、蓄電装置224の放電可能量(残量と称される場合がある。)及び充電可能量の少なくとも一方が増加する。一方、電気自動車22又は携帯可能な蓄電池24と、充放電装置212との間の電気的な接続関係が切断されると、蓄電装置224の放電可能量(残量と称される場合がある。)及び充電可能量の少なくとも一方が減少する。
本実施形態において、電源設備220は、他の機器に電力を供給する。例えば、電源設備220は、配分電設備230と電気的に接続され、配分電設備230を介して、ほかの機器に電力を供給する。需給家施設112の電源設備220により提供される電力は、(i)需給家施設112の内部で使用されてもよく、(ii)需給家施設112の配分電設備230を介して、需給家施設112の外部に提供されてもよく、(iii)共同体102の変電設備120を介して、共同体102の外部に提供されてもよい。電源設備220の動作は、コントローラ240により制御されてもよい。
本実施形態において、発電装置222は、電気を発生させる。発電装置222としては、(i)太陽光発電装置、風力発電装置、水力発電装置などの、再生可能エネルギを利用した発電装置、(ii)燃料電池、(iii)コジェネレーション・システム、(iv)トリジェネレーション・システムなどが例示される。
発電装置222は、水素製造設備160が製造した水素を利用して発電する燃料電池を備えてもよい。上記の燃料電池と、水素製造設備160との間には、水素を流通させるためのパイプラインが配されてよい。上記の燃料電池と、水素製造設備160との間における水素の移送には、可搬型の水素ボンベが利用されてもよい。
可搬型の水素ボンベは、水素を貯蔵する。可搬型の水素ボンベは、動物又は移動体により運搬される。可搬型の水素ボンベは、動物に装着又は携帯されてもよく、移動体に搭載されてもよく、移動体に牽引されてもよい。可搬型の水素ボンベは、第2貯蔵容器の一例であってよい。
発電装置222は、燃料電池が発生させた電力を、配分電設備230を介して、系統電力網12又は送配電網122に供給してよい。発電装置222は、燃料電池が発生させた電力を、配分電設備230を介して、蓄電装置224、又は、充放電装置212と電気的に接続された各種の蓄電池に供給してよい。
なお、エネルギ管理システム100が、電力を利用して、メタノール、エタノールなどの低級アルコールを製造する低級アルコール製造設備を備える場合、発電装置222は、低級アルコール製造装置が製造した水素を利用して発電する燃料電池を備えてよい。また、エネルギ管理システム100が、電力を利用して、火力発電用の燃料を製造する燃料製造装置を備える場合、発電装置222は、燃料製造装置が製造した燃料を利用して発電する火力発電装置を備えてよい。
本実施形態において、蓄電装置224は、電気を蓄積する。蓄電装置224は、(i)需給家施設112の発電装置222が発生させた電気を蓄積してもよく、(ii)需給家施設112の外部から提供された電気を蓄積してもよい。本実施形態において、蓄電装置224は、他の機器に電力を供給する。需給家施設112の蓄電装置224により提供される電力は、(i)需給家施設112の内部で使用されてもよく、(ii)需給家施設112の配分電設備230を介して、需給家施設112の外部に提供されてもよく、(iii)共同体102の変電設備120を介して、共同体102の外部に提供されてもよい。
本実施形態において、蓄電装置224は、配分電設備230と電気的に接続されてよい。蓄電装置224は、蓄電装置224から配分電設備230に向かって電気を流すための放電用電線と、配分電設備230から蓄電装置224に向かって電気を流すための充電用電線とを介して、配分電設備230と電気的に接続されてよい。
本実施形態において、配分電設備230は、送配電網122と、需給家施設112の内部の配線との間の電力の流通を制御する。例えば、配分電設備230は、(i)充放電装置212と電気的に接続された蓄電池と、(ii)系統電力網12又は送配電網122との間における電力の授受を制御する。配分電設備230の動作は、コントローラ240により制御されてよい。
一実施形態において、配分電設備230は、送配電網122から電力の供給を受ける。配分電設備230は、需給家施設112の内部に配された電気機器に電力を供給する。配分電設備230は、需給家施設112の内部に配された電気機器に供給される電気の電圧及び周波数の少なくとも一方を調整してもよい。配分電設備230は、交流を直流に変換してもよく、直流を交流に変換してもよい。
他の実施形態において、配分電設備230は、需給家施設112の電源設備220から電力の供給を受ける。配分電設備230は、送配電網122に電力を供給する。配分電設備230は、送配電網122に供給される電気の電圧及び周波数の少なくとも一方を調整してもよい。配分電設備230は、交流を直流に変換してもよく、直流を交流に変換してもよい。
さらに他の実施形態において、配分電設備230は、需給家施設112の内部に供給される電流量を制御する。配分電設備230は、送配電網122と、需給家施設112の内部の配線との電気的な接続関係を切り替えてもよい。例えば、配分電設備230は、遮断器を有し、配分電設備230を流れる電流の値が任意の閾値を超えると当該電流を遮断する。上記の閾値は、任意のタイミングにおいて、コントローラ240により設定されてもよい。
本実施形態において、配分電設備230は、需給家施設112の内部に配された電気機器に供給された電気の瞬時電力[kW]及び電力量[kWh]の少なくとも一方を計測してよい。配分電設備230は、送配電網122に供給された電気の瞬時電力[kW]及び電力量[kWh]の少なくとも一方を計測してよい。配分電設備230は、1又は複数の電力量計を備えてよい。配分電設備230は、計測された瞬時電力[kW]及び電力量[kWh]の少なくとも一方を示す情報をコントローラ240に出力してよい。配分電設備230及びコントローラ240は、通信ネットワーク14を介して情報を送受してよい。通信ネットワーク14は、需給家施設112の内部に構築されたLANであってもよく、施設外の基地局又はアクセスポイントを利用する通信ネットワークであってもよい。
本実施形態において、コントローラ240は、需給家施設112の内部に配された機器の少なくとも一部を制御する。コントローラ240は、需給家施設112の内部に配された機器の少なくとも一部の状態を監視してもよい。コントローラ240は、通信ネットワーク14を介して、各機器との間で情報を送受してよい。コントローラ240の詳細は後述される。
本実施形態において、コントローラ240は、エネルギ管理設備140と協働して各種の情報処理を実行する場合がある。しかしながら、エネルギ管理設備140において実行される情報処理と、コントローラ240において実行される情報処理との分担は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、コントローラ240は、本実施形態におけるエネルギ管理設備140の情報処理の一部を実行してよく、エネルギ管理設備140は、本実施形態におけるコントローラ240の情報処理の一部を実行してよい。
コントローラ240は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウェア及びソフトウエアにより実現されてもよい。コントローラ240を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。
上記の情報処理装置は、例えば、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、タッチパネル、カメラ、マイク、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備える。上記の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、プログラムを格納してよい。上記のプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されてよい。上記のプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該プログラムによって規定された動作を実行させる。上記のプログラムは、コンピュータに、コントローラ240における各種の情報処理に関する1又は複数の手順を実行させるためのプログラムであってよい。
本実施形態において、需給家端末250は、需給家施設112のユーザが利用する通信端末であり、その詳細については特に限定されない。需給家端末250としては、パーソナルコンピュータ、携帯端末などが例示される。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどが例示される。需給家端末250は、コントローラ240のユーザインタフェースとして使用されてよい。需給家端末250は、電力負荷210の一例であってよい。
一実施形態において、需給家端末250は、通信ネットワーク14を介して、コントローラ240との間で情報を送受する。他の実施形態において、需給家端末250は、通信ネットワーク14を介して、エネルギ管理設備140との間で情報を送受する。
図3は、コントローラ240の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、コントローラ240は、通信制御部320と、需給監視部332と、需給予測部334と、需給調整部336と、要求処理部350とを備える。
需給家施設112にとって、需給家施設114の需給監視部332は、需給状況取得部の一例であってよい。同様に、需給家施設114にとって、需給家施設112の需給監視部332は、需給状況取得部の一例であってよい。
本実施形態において、通信制御部320は、コントローラ240と、他の機器との間の通信を制御する。通信制御部320は、各種の通信インタフェースであってよい。通信制御部320は、1又は複数の通信方式に対応してよい。一実施形態において、通信制御部320は、コントローラ240と、需給家施設112の内部に配された他の機器との間の通信を制御する。他の実施形態において、通信制御部320は、コントローラ240と、エネルギ管理設備140との間の通信を制御する。
本実施形態において、需給監視部332は、需給家施設112の電力需給を監視する。需給監視部332は、需給家施設112の電力需給の状況に関する情報を取得する。需給監視部332は、電力負荷210、電源設備220及び配分電設備230の少なくとも1つから、電力需給の状況に関する情報を取得してよい。
需給監視部332は、予め定められたイベントが発生したときに、電力需給の状況に関する情報を取得してよい。予め定められたイベントとしては、(i)予め定められた時刻に到達したこと、(ii)前回、上記の情報が取得されてから、予め定められた期間が経過したこと、(iii)需給家端末250から、上記の情報を取得すべき旨の指示を受信したことなどが例示される。
需給監視部332は、単位期間ごとに、電力需給の状況に関する情報を取得してもよい。単位期間の長さは特に限定されない。単位期間は、5分であってもよく、10分であってもよく、15分であってもよく、30分であってもよく、1時間であってもよく、2時間であってもよく、3時間であってもよく、6時間であってもよく、12時間であってもよく、1日であってもよい。
需給家施設112の電力需給の状況に関する情報としては、需給家施設112が消費した電力(需要電力と称される場合がある。)に関する情報、需給家施設112が供給した電力に関する情報、需給家施設112の蓄電装置224が蓄積した電力に関する情報、需給家施設112の余剰電力に関する情報、需給家施設112が外部に送電した電力に関する情報、需給家施設112が外部から受電した電力に関する情報などが例示される。電力に関する情報としては、各単位期間における瞬時電力[kW]の統計値を示す情報、各単位期間における電力量[kWh]などが例示される。
統計値としては、最大値、最小値、平均値、中央値、最頻値、散布度などが例示される。説明を簡単にすることを目的として、瞬時電力の単位として[kW]が使用されているが、他の単位が使用されてもよい。同様に、電力量の単位として[kWh]が使用されているが、他の単位が使用されてもよい。
需給監視部332は、電力需給の状況に関する情報を、エネルギ管理設備140に送信してよい。需給監視部332は、電力需給の状況に関する情報を、電力の需要若しくは供給、又は、送受電が生じた時刻又は期間を示す情報と対応付けて、エネルギ管理設備140に送信してよい。需給監視部332は、電力需給の状況に関する情報を、コントローラ240の格納部(図示されていない。)に格納してもよい。なお、時刻又は期間を表す用語として、時点、時期などの用語が使用される場合がある。
本実施形態において、需給予測部334は、将来の時刻又は期間における、需給家施設112の電力需要及び電力供給の少なくとも一方を予測する。予測の対象となる時刻又は期間は、予測時期と称される場合がある。需給予測部334は、例えば、過去の任意の期間における需給家施設112の電力需給に関する情報(需給実績と称される場合がある。)に基づいて、予測時期における需給家施設112の電力需給を予測する。需給予測部334は、予測時期における、瞬時電力の統計値及び電力量の少なくとも一方を予測してよい。
需給予測部334は、電力需給の予測結果を利用して、電力需給に関する各種の計画を作成してよい。例えば、需給予測部334は、電力需要の予測値に基づいて、発電装置222の発電計画、及び、蓄電装置224の充放電計画の少なくとも一方を作成する。需給予測部334は、電力供給の予測値に基づいて、電力負荷210の使用制限に関する計画を作成してよい。需給予測部334は、例えば、電力需要の予測値、電力供給の予測値及び蓄電装置224の蓄電残量の予測値に基づいて、需給家施設112及び送配電網122の送受電に関する計画を作成してもよい。
需給予測部334は、予測結果を示す情報を、エネルギ管理設備140に送信してよい。需給予測部334は、予測時期を示す情報と、当該予測時期に対応する予測結果とを対応付けて、エネルギ管理設備140に送信してよい。需給予測部334は、予測結果を示す情報を、コントローラ240の格納部(図示されていない。)に格納してもよい。予測結果を示す情報は、上記の計画に関する情報を含んでよい。
本実施形態において、需給調整部336は、需給家施設112の需給を調整する。例えば、需給調整部336は、需給家施設112の内部に配された1以上の機器を制御して、需給家施設112の需要電力及び供給電力の少なくとも一方を調整する。需給調整部336は、需給家施設112の内部に配された1以上の機器を制御して、送配電網122への送電量、及び、送配電網122からの受電量の少なくとも一方を調整してもよい。需給調整部336は、需給家施設112の内部に配された1以上の機器の少なくとも1つを制御するための命令を生成してよい。需給調整部336は、生成された命令を、当該命令に対応する機器に送信してよい。
需給調整部336は、需給監視部332の監視結果、及び、需給予測部334の予測結果の少なくとも一方に基づいて、需給家施設112の需給を調整してよい。例えば、需給調整部336は、需給予測部334が作成した電力需給の計画と、需給監視部332が取得した電力需給の実績とに基づいて、需給家施設112の需給を調整する。
需給調整部336は、需給監視部332の監視結果に基づいて、電力需給の逼迫具合を決定してよい。需給調整部336は、需給予測部334の予測結果に基づいて、将来の電力需給の逼迫具合を推定してよい。電力需給の逼迫具合は、電力が不足する確率を示すパラメータであってよい。電力需給の逼迫具合は、連続的な数値により表されてもよく、段階的な区分により表されてもよい。各区分は、記号又は文字により区別されてもよく、数字により区別されてもよい。
電力需給の逼迫具合は、余剰電力、及び、電力の供給余力の少なくとも一方に基づいて決定されてよい。例えば、電力需給の逼迫具合は、(i)需要電力に対する、余剰電力又は供給余力の割合、(ii)電力の供給能力に対する、余剰電力又は供給余力の割合、(iii)系統電力網12の管理者又は運用者から提供される、系統電力網12の電力需給状態などに基づいて決定される。電力需給の逼迫具合は、外部からの電力を受領しない場合の電力供給に基づいて決定されてもよい。需給調整部336は、系統電力網12の電力需給状態を示す情報を、広域管理サーバ180から取得してもよい。
本実施形態において、要求処理部350は、他の機器からの各種の要求を受け付け、当該要求を処理する。一実施形態において、要求処理部350は、需給家施設112の内部に配された他の機器からの要求を処理する。例えば、要求処理部350は、需給家端末250からの要求を処理する。要求処理部350は、需給家端末250からの要求に応じて、他の機器に対する要求を生成し、当該要求を当該他の機器に送信してもよい。他の実施形態において、要求処理部350は、需給家施設112の外部の他の機器からの要求を処理する。例えば、要求処理部350は、需給家施設114又はエネルギ管理設備140からの要求を処理する。
[エネルギ管理設備140の概要]
図4は、エネルギ管理設備140の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、エネルギ管理設備140は、電源設備220と、配分電設備230と、共同体管理サーバ440とを備える。共同体管理サーバ440は、エネルギシステム及びエネルギ管理サーバの一例であってよい。なお、上述のとおり、他の実施形態において、エネルギ管理設備140は、水素製造設備160を備えてもよい。
本実施形態において、電源設備220は、共同体管理サーバ440の制御により動作する点で、需給家施設112の電源設備220と相違する。上記の相違点以外の特徴に関し、エネルギ管理設備140の電源設備220は、需給家施設112の電源設備220と同様の構成を有してよい。
本実施形態において、配分電設備230は、送配電網122と、電源設備220及び共同体管理サーバ440のそれぞれとの間の電力の流通を制御する点で、需給家施設112の配分電設備230と相違する。上記の相違点以外の特徴に関し、エネルギ管理設備140の配分電設備230は、需給家施設112の配分電設備230と同様の構成を有してよい。
[共同体管理サーバ440の概要]
本実施形態において、共同体管理サーバ440は、共同体102で利用されるエネルギを管理する。例えば、共同体管理サーバ440は、共同体102で利用される電力を管理する。共同体管理サーバ440は、共同体102の電力需給を管理する。共同体管理サーバ440は、共同体102の内部における電力融通を管理してよい。共同体管理サーバ440は、共同体102と、他の共同体との間における電力融通を管理してよい。
共同体管理サーバ440は、送配電網122を流れる電気の安定性及び品質を維持するための処理を実行する。共同体管理サーバ440は、系統電力網12を流れる電気の安定性及び品質を維持するための処理を実行する。共同体管理サーバ440は、広域管理サーバ180と協働して、系統電力網12を流れる電気の安定性及び品質を維持するための処理を実行してよい。
本実施形態において、共同体管理サーバ440は、(i)系統電力網12又は送配電網122、及び、(ii)共同体102を構成する複数の需給家施設のうちの1つに配された充放電装置212と電気的に接続された蓄電装置(例えば電気自動車22の蓄電池又は携帯可能な蓄電池24である。)との間における電力の授受を管理する。一実施形態において、共同体管理サーバ440は、上記の電力の授受を制御する。他の実施形態において、共同体管理サーバ440は、上記の電力の授受に関する情報を制御する。
例えば、共同体管理サーバ440は、(i)時刻又は期間を示す情報と、(ii)系統電力網12又は送配電網122、及び、上記の蓄電池の間で授受された電力量を示す情報とを対応付けて格納する。共同体管理サーバ440は、蓄電装置のユーザごとに、当該蓄電装置と、系統電力網12又は送配電網122との間の電力の授受に関する情報を管理してよい。これにより、共同体管理サーバ440は、同一のユーザが複数の蓄電池を所有、占有又は使用する場合であっても、特定の時刻又は期間において、当該ユーザが、系統電力網12又は送配電網122に供給した電力量を管理することができる。同様に、特定の時刻又は期間において、上記のユーザが、系統電力網12又は送配電網122から受領した電力量を管理することができる。
本実施形態において、共同体管理サーバ440は、エネルギ管理システム100の各ユーザが系統電力網12又は送配電網122に供給した電力量[kWh]を、他の価値に換算して管理してよい。他の価値としては、(i)金銭的価値、(ii)電子的価値、(iii)財産的価値、(iv)他の種類のエネルギ又はエネルギ源の量などが例示される。金銭的価値としては、通貨、貨幣などが例示される。電子的価値としては、ポイント、マイレージ、電子マネーなどが例示される。財産的価値としては、暗号通貨が例示される。なお、暗号通貨は、国によっては、金銭的価値又は電子的価値の一例であってもよい。他の種類のエネルギ源としては、水素、低級アルコールなどが例示される。
例えば、共同体管理サーバ440は、(i)特定の長さを有する第1期間において、特定のユーザの蓄電装置から、充放電装置212及び配分電設備230を介して、送配電網122に供給された電力量を、(ii)水素製造設備160が、当該電力量に相当する量の電力を利用して製造する水素の量に換算する。共同体管理サーバ440は、(i)特定の長さを有する第1期間において、特定のユーザの蓄電装置から、充放電装置212及び配分電設備230を介して、送配電網122に供給された電力量を、(ii)第1期間において、水素製造設備160が、当該電力量に相当する量の電力を利用して製造した水素の量に換算してもよい。
本実施形態において、本実施形態において、共同体管理サーバ440は、1以上のユーザのそれぞれについて、当該ユーザが保有する価値の量を管理する。共同体102の共同体管理サーバ440は、共同体102の各構成員が保有する価値の量を管理してもよく、エネルギ管理システム100を利用する各ユーザが保有する価値の量を管理してもよい。なお、共同体102の共有施設の所有者、管理者又は運営者は、共同体102の構成員と見做されてよい。共同体102の構成員は、エネルギ管理システム100を利用するユーザの一例であってよい。
本実施形態において、各ユーザは、各自が保有する価値と、エネルギ又はエネルギ源とを換算することができる。例えば、各ユーザは、各自が保有する価値を、電力又は水素と交換することができる。換算レートは、固定制であってもよく、変動制であってもよい。
各ユーザの蓄電装置から、系統電力網12又は送配電網122に電力が供給された場合、共同体管理サーバ440は、各ユーザが現在保有する価値の量に、系統電力網12又は送配電網122に供給された電力量に相当する価値の量を加算する。一方、系統電力網12又は送配電網122から、各ユーザの蓄電装置に電力が供給された場合、共同体管理サーバ440は、各ユーザが現在保有する価値の量から、系統電力網12又は送配電網122に供給された電力量に相当する価値の量を減算する。同様に、各ユーザが、水素製造設備160が製造した水素を利用した場合、共同体管理サーバ440は、各ユーザが現在保有する価値の量から、各ユーザが利用した水素の量に相当する価値の量を減算する。上記の蓄電装置は、充放電装置212と電気的に接続された蓄電装置(例えば、電気自動車22の蓄電池、又は、携帯可能な蓄電池24である。)であってよい。
本実施形態において、共同体管理サーバ440は、水素製造設備160を管理する。共同体管理サーバ440は、共同体102における水素の需給を管理してもよい。共同体管理サーバ440は、水素製造設備160が発生させる水素の量を管理してよい。例えば、共同体管理サーバ440は、時刻又は期間を示す情報と、当該時刻又は期間において、水素製造設備160が発生させた水素の量を示す情報とを対応付けて格納する。共同体管理サーバ440は、時刻又は期間を示す情報と、当該時刻又は期間において、水素製造設備160が発生させた水素の量を示す情報と、当該水素を発生させるために消費された電力量を示す情報とを対応付けて格納してもよい。
共同体管理サーバ440は、水素製造設備160が発生させた水素の利用状況を管理してもよい。例えば、水素製造設備160が外部に水素を供給した場合、共同体管理サーバ440は、水素の供給先を示す情報と、水素が供給された時刻又は期間を示す情報とを対応付けて格納する。共同体管理サーバ440の詳細は後述される。
[共同体管理サーバ440の各部の具体的な構成]
共同体管理サーバ440は、ハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウェア及びソフトウエアにより実現されてもよい。共同体管理サーバ440を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したプログラムを起動することにより実現されてよい。
上記の情報処理装置は、例えば、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、タッチパネル、カメラ、マイク、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備える。上記の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、プログラムを格納してよい。上記のプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されてよい。上記のプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該プログラムによって規定された動作を実行させる。上記のプログラムは、コンピュータを、共同体管理サーバ440として機能させるためのプログラムであってよい。
一実施形態において、上記のプログラムは、コンピュータに、エネルギ管理方法を実行させるためのプログラムであってよい。上記のエネルギ管理方法は、例えば、第1期間に、蓄電装置が電力網に供給した電力量である第1電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得段階を有する。上記のエネルギ管理方法は、例えば、電力網から供給された電力を利用してエネルギ源を製造するエネルギ源製造装置が、第1電力量に相当する量の電力を利用して製造するエネルギ源の量である第1相当量を決定する相当量決定段階を有する。
他の実施形態において、上記のプログラムは、コンピュータに、エネルギ管理方法を実行させるためのプログラムであってよい。上記のエネルギ管理方法は、例えば、第1期間に、蓄電装置が、蓄電装置から供給された電力を利用してエネルギ源を製造するエネルギ源製造装置に供給した電力量である第2電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得段階を有する。上記のエネルギ管理方法は、例えば、エネルギ源製造装置が、第2電力量に相当する量の電力を利用して製造するエネルギ源の量である第2相当量を決定する相当量決定段階を有する。
他の実施形態において、上記のプログラムは、コンピュータに、エネルギ管理方法を実行させるためのプログラムであってよい。上記のエネルギ管理方法は、例えば、電力網及び蓄電装置の間における電力の授受を制御する電力制御段階を有する。上記のエネルギ管理方法は、例えば、第1期間に、蓄電装置が、電力網に供給した電力量である第1電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得段階を有する。上記のエネルギ管理方法は、例えば、電力網から供給された電力を利用してエネルギ源を製造するエネルギ源製造装置が、第1電力量に相当する量の電力を利用して製造するエネルギ源の量である第1相当量を決定する相当量決定段階を有する。
さらに実施形態において、上記のプログラムは、コンピュータに、エネルギ源の製造方法を実行させるためのプログラムであってよい。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、電力網及び蓄電装置の間における電力の授受を制御する電力制御段階を有する。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、第1期間に、蓄電装置が、電力網に供給した電力量である第1電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得段階を有する。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、電力網から供給された電力を利用してエネルギ源を製造するエネルギ源製造装置を制御して、エネルギ源を製造するエネルギ源製造段階を有する。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、第1電力量に相当する量の電力を利用して製造されたエネルギ源の量である第1相当量を決定する相当量決定段階を有する。
さらに実施形態において、上記のプログラムは、コンピュータに、エネルギ源の製造方法を実行させるためのプログラムであってよい。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、蓄電装置から供給された電力を利用して、エネルギ源を製造するエネルギ源製造装置を制御して、エネルギ源を製造するエネルギ源製造段階を有する。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、エネルギ源製造段階における第1期間に、蓄電装置から供給された電力量である第2電力量を示す情報を取得するエネルギ情報取得段階を有する。上記のエネルギ源の製造方法は、例えば、第2電力量に相当する量の電力を利用して製造されたエネルギ源の量である第2相当量を決定する相当量決定段階を有する。
図5は、共同体管理サーバ440の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、共同体管理サーバ440は、通信制御部520と、データ収集部530と、エネルギ管理部540と、需給家施設制御部552と、共同体設備制御部554と、格納部560とを備える。
データ収集部530は、エネルギ情報取得部の一例であってよい。エネルギ管理部540は、エネルギ管理サーバの一例であってよい。需給家施設制御部552は、電力制御部の一例であってよい。格納部560は、格納部の一例であってよい。
本実施形態において、通信制御部520は、共同体管理サーバ440と、他の機器との間の通信を制御する。通信制御部520は、各種の通信インタフェースであってよい。通信制御部520は、1又は複数の通信方式に対応してよい。
通信制御部520は、共同体管理サーバ440と、エネルギ管理設備140の内部に配された機器との間の通信を制御してよい。通信制御部520は、共同体管理サーバ440と、共同体102を構成する複数の需給家施設のそれぞれに配されたコントローラ240との間の通信を制御してよい。通信制御部520は、共同体管理サーバ440と、変電設備120及び水素製造設備160の少なくとも一方との間の通信を制御してよい。
通信制御部520は、共同体102の共同体管理サーバ440と、他の共同体の共同体管理サーバ440との間の通信を制御してよい。通信制御部520は、共同体管理サーバ440と、広域管理サーバ180との間の通信を制御してよい。
本実施形態において、データ収集部530は、共同体102に関する各種の情報を収集する。データ収集部530は、例えば、共同体102を構成する複数の需給家施設のそれぞれに配されたコントローラ240から、当該需給家施設の電力需給に関する情報を取得する。データ収集部530は、変電設備120から、系統電力網12と、共同体102との間の送受電の実績に関する情報を取得してよい。データ収集部530は、水素製造設備160から、共同体102と、共同体104との間の送受電の実績に関する情報を取得してよい。
本実施形態において、データ収集部530は、(i)エネルギ管理システム100を利用する各ユーザの蓄電装置と、系統電力網12又は送配電網122との間の送受電の履歴を示す情報、及び、(ii)上記の蓄電装置が、水素製造設備160に電力を供給した履歴を示す情報の少なくとも一方を収集する。これらの履歴を示す情報は、送受電履歴と称される場合がある。データ収集部530は、共同体102の各構成員の蓄電装置に関する送受電履歴を収集してもよい。上記の蓄電装置は、蓄電装置224であってもよく、充放電装置212と電気的に接続された各種の蓄電池であってもよい。
一実施形態において、各蓄電装置に関する送受電履歴は、(i)当該蓄電装置のユーザを識別するための識別情報と、(ii)当該蓄電装置が、系統電力網12又は送配電網122に送電した電力量、又は、当該蓄電装置が、系統電力網12又は送配電網122から受電した電力量を示す情報とが対応付けられた情報であってよい。各蓄電装置に関する送受電履歴は、(i)当該蓄電装置を識別するための識別情報と、(ii)当該蓄電装置が、系統電力網12又は送配電網122に送電した電力量、又は、当該蓄電装置が、系統電力網12又は送配電網122から受電した電力量を示す情報とが対応付けられた情報であってもよい。
各蓄電装置に関する送受電履歴は、さらに、当該蓄電装置と、系統電力網12又は送配電網122との間で送受電が行われた時刻又は期間(送受電時期と称される場合がある。)を示す情報を含んでよい。各蓄電装置に関する送受電履歴は、さらに、当該蓄電装置と、系統電力網12又は送配電網122との間で送受電が行われた位置(送受電場所と称される場合がある。)を示す情報を含んでよい。
例えば、各蓄電装置に関する送受電履歴は、期間P1において、当該蓄電装置が、系統電力網12又は送配電網122に電力を供給した位置を示す情報を含む。各蓄電装置に関する送受電履歴は、期間P1よりも時間的に後の期間P2において、当該蓄電装置が、系統電力網12又は送配電網122から電力を受領する位置を示す情報を含んでよい。
各蓄電装置から、系統電力網12又は送配電網122への送電量は、第1電力量の一例であってよい。各蓄電装置が、系統電力網12又は送配電網122に送電した期間は、第1期間の一例であってよい。期間P1は、第1期間の一例であってよい。期間P2は、第2期間の一例であってよい。
他の実施形態において、各蓄電装置に関する送受電履歴は、(i)当該蓄電装置のユーザを識別するための識別情報と、(ii)当該蓄電装置が、水素製造設備160に送電した電力量を示す情報とが対応付けられた情報であってよい。各蓄電装置に関する送受電履歴は、(i)当該蓄電装置を識別するための識別情報と、(ii)当該蓄電装置が、水素製造設備160に送電した電力量を示す情報とが対応付けられた情報であってもよい。
各蓄電装置に関する送受電履歴は、さらに、当該蓄電装置が水素製造設備160に送電した時刻又は期間(送受電時期の一例であってよい。)を示す情報を含んでよい。各蓄電装置に関する送受電履歴は、さらに、当該蓄電装置が電力を供給した水素製造設備160を識別するための情報を含んでよい。
各蓄電装置から、水素製造設備160への送電量は、第2電力量の一例であってよい。各蓄電装置が、水素製造設備160に送電した期間は、第1期間の一例であってよい。
本実施形態において、データ収集部530は、水素の需給に関する情報を収集する。一実施形態において、データ収集部530は、水素製造設備160の稼働状況に関する情報を収集する。例えば、データ収集部530は、(i)時刻又は期間を示す情報と、(ii)当該時刻又は期間において、水素製造設備160が製造した水素の量とが対応付けられた情報を収集する。データ収集部530は、(i)時刻又は期間を示す情報と、(ii)当該時刻又は期間において、水素製造設備160が製造した水素の量を示す情報と、(iii)水素製造設備160が当該量の水素を製造するために消費した電力量を示す情報とが対応付けられた情報を収集してもよい。
他の実施形態において、データ収集部530は、エネルギ管理システム100を利用する各ユーザの水素の利用状況に関する情報を収集する。例えば、データ収集部530は、エネルギ管理システム100を利用する各ユーザ、又は、共同体102の各構成員について、(i)時刻又は期間を示す情報と、(ii)当該時刻又は期間において、当該ユーザ又は構成員が、水素製造設備160から受け取った水素の量を示す情報とが対応付けられた情報を収集する。データ収集部530は、水素製造設備160の位置を示す情報を取得してもよい。水素製造設備160の位置を示す情報は、水素が移送された位置を示す情報であってよい。
データ収集部530は、上記の各ユーザ又は各構成員に供給された水素の残量を示す情報を取得してもよい。例えば、データ収集部530は、エネルギ管理システム100を利用する各ユーザ、又は、共同体102の各構成員について、(i)時刻又は期間を示す情報と、(ii)当該時刻又は期間において、当該ユーザ又は構成員に供給された水素の残量を示す情報とが対応付けられた情報を収集する。
共同体102を構成する複数の需給家施設、変電設備120、及び、水素製造設備160のそれぞれは、データ収集部530からの要求に応じて、又は、定期的に、上記の情報をデータ収集部530に送信してよい。データ収集部530は、収集された情報を、格納部560に格納してよい。
本実施形態において、エネルギ管理部540は、共同体102の電力需給を管理する。例えば、エネルギ管理部540は、需給家施設112及び需給家施設114のそれぞれから、各需給家施設における電力需給の状況に関する情報を取得する。本実施形態において、エネルギ管理部540は、各需給家施設が外部に供給した電力量(送電量と称される場合がある。)と、各需給家施設が外部から受領した電力量(受電量と称される場合がある。)とを、電子的価値に換算して管理する。電子的価値は、ポイント、マイレージなどと称される場合がある。エネルギ管理部540の詳細は後述される。
なお、本実施形態においては、エネルギ管理部540が共同体管理サーバ440に配される場合を例として、エネルギ管理部540の詳細が説明された。しかしながら、エネルギ管理部540は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、エネルギ管理部540は、広域管理サーバ180に配されてもよい。この場合、広域管理サーバ180は、エネルギ管理サーバの一例であってよい。
本実施形態において、需給家施設制御部552は、共同体管理サーバ440が管理する複数の需給家施設のそれぞれを制御するための命令を生成する。需給家施設制御部552は、生成された命令を、当該命令の対象となる需給家施設に送信する。これにより、共同体管理サーバ440は、各需給家施設を制御することができる。
例えば、需給家施設制御部552は、需給家施設112の充放電装置212又は配分電設備230に対する命令であって、(i)蓄電装置224、又は、充放電装置212と電気的に接続された蓄電池と、(ii)系統電力網12又は送配電網122との間における電力の授受を制御するための命令を生成する。需給家施設制御部552は、生成された目例を、需給家施設112のコントローラ240に送信する。これにより、共同体管理サーバ440は、上記の電力の授受を制御することができる。
本実施形態において、共同体設備制御部554は、エネルギ管理設備140に配された電源設備220及び配分電設備230の少なくとも一方を制御するための命令を生成する。需給家施設制御部552は、生成された命令を、当該命令の対象となる設備に送信する。これにより、共同体管理サーバ440は、エネルギ管理設備140の送受電を制御することができる。
共同体設備制御部554は、水素製造設備160を制御するための命令を生成する。例えば、共同体設備制御部554は、水素製造設備160における水素の製造を制御するための命令を生成する。共同体設備制御部554は、生成された命令を、水素製造設備160に送信する。これにより、共同体設備制御部554は、水素製造設備160を制御して、水素を製造することができる。
本実施形態において、格納部560は、共同体管理サーバ440の各部における情報処理に必要とされる各種の情報を格納する。格納部560は、共同体管理サーバ440の各部が生成した各種の情報を格納してもよい。例えば、格納部560は、データ収集部530が収集した情報を格納する。格納部560は、エネルギ管理部540における情報処理に関する情報を格納してよい。エネルギ管理部540における情報処理としては、各需給家施設が保有する電子的価値の量を管理するための処理、各需給家施設への請求を管理するための処理などが例示される。
[エネルギ管理部540の各部の概要]
図6は、エネルギ管理部540の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、エネルギ管理部540は、要求処理部620と、システム制御部630と、請求管理部640と、ポイント管理部650とを備える。本実施形態において、ポイント管理部650は、履歴情報取得部652と、ポイント換算部654と、保有量管理部656とを有する。
システム制御部630は、電力制御部の一例であってよい。ポイント管理部650は、エネルギ情報取得部、相当量決定部及びエネルギ管理サーバの一例であってよい。履歴情報取得部652は、エネルギ情報取得部の一例であってよい。ポイント換算部654は、エネルギ管理サーバの一例であってよい。ポイント換算部654は、エネルギ情報取得部、相当量決定部、第1供給可能量決定部及び第2供給可能量決定部の一例であってよい。保有量管理部656は、第1供給可能量決定部及び第2供給可能量決定部の一例であってよい。
本実施形態において、要求処理部620は、各種の要求を受け付ける。要求処理部620は、受け付けられた要求を処理し、当該要求に応答する。要求処理部620は、受け付けられた要求に伴う複数の処理の少なくとも一部を、共同体管理サーバ440の他の要素と協働して実行してよい。要求処理部620は、受け付けられた要求の少なくとも一部を、エネルギ管理部540の他の要素に転送してよい。
本実施形態において、要求処理部620は、共同体102を構成する複数の需給家施設の少なくとも1つからの要求を受け付ける。共同体102を構成する需給家施設からの要求としては、(i)当該需給家施設が、送配電網122への電力の供給を希望していることを示す要求、(ii)当該需給家施設が、送配電網122からの電力の受領を希望していることを示す要求などが例示される。
要求処理部620は、水素製造設備160からの要求を受け付けてよい。水素製造設備160からの要求としては、(i)水素製造設備160が、送配電網122からの電力の受領を希望していることを示す要求、(ii)水素製造設備160が、エネルギ管理システム100のユーザ若しくは共同体102の構成員への水素の供給を希望していることを示す要求、(iii)水素製造設備160が、水素製造設備160における水素貯蔵容量の増加を希望していることを示す要求などが例示される。
要求処理部620は、広域管理サーバ180からの要求を受け付けてもよい。広域管理サーバ180からの要求としては、共同体102から系統電力網12への送電量を増加又は減少させるための要求、共同体102から系統電力網12への受電量を増加又は減少させるための要求などが例示される。
本実施形態において、システム制御部630は、共同体102の電力需給を管理する。システム制御部630は、需給調整部336が需給家施設の電力需給を管理した手順と同様の手順により、共同体102の電力需給を管理してよい。システム制御部630は、共同体102の電力需給を監視して、共同体102の電力需給の逼迫具合を決定してよい。
システム制御部630は、変電設備120の動作を制御して、共同体102の電力需給を調整してよい。例えば、システム制御部630は、変電設備120に対する命令であって、系統電力網12と、送配電網122との電気的な接続関係を切り替えさせるための命令を、変電設備120に送信する。システム制御部630は、系統電力網12と、送配電網122との間の送受される電力に関する情報を、変電設備120に送信してもよい。
システム制御部630は、共同体102を構成する複数の需給家施設の少なくとも1つに配された1以上の電源設備220を制御して、共同体102の電力需給を調整してよい。システム制御部630は、各需給家施設のコントローラ240を介して、電源設備220を制御してよい。例えば、システム制御部630は、電源設備220に、発電量及び充放電量を調整させるための命令を、コントローラ240に送信する。
システム制御部630は、共同体102を構成する複数の需給家施設の少なくとも1つに配された1以上の配分電設備230を制御して、共同体102の電力需給を調整してよい。システム制御部630は、各需給家施設のコントローラ240を介して、配分電設備230を制御してよい。例えば、システム制御部630は、配分電設備230に、送配電網122と、需給家施設112の内部の配線との電気的な接続関係を切り替えさせるための命令を、コントローラ240に送信する。これにより、システム制御部630は、各需給家施設と、送配電網122との間の送受電を制限又は制御することができる。
システム制御部630は、各需給家施設の充放電装置212、電源設備220及び配分電設備230を制御して、共同体102の電力需給を調整してよい。例えば、共同体102を構成する複数の需給家施設から送配電網122に供給される電力が不足する場合、システム制御部630は、各需給家施設の充放電装置212及び電源設備220の少なくとも一方から送配電網122に電力を供給する。共同体102を構成する複数の需給家施設から送配電網122に供給される電力が過剰である場合、システム制御部630は、送配電網122から電力を受領し、当該電力を、各需給家施設の蓄電装置224、又は、充放電装置212と電気的に接続された蓄電池に蓄積する。
システム制御部630は、エネルギ管理設備140の電源設備220及び配分電設備230を制御して、共同体102の電力需給を調整してよい。例えば、共同体102を構成する複数の需給家施設から送配電網122に供給される電力が不足する場合、システム制御部630は、エネルギ管理設備140の電源設備220から送配電網122に電力を供給する。共同体102を構成する複数の需給家施設から送配電網122に供給される電力が過剰である場合、システム制御部630は、送配電網122から電力を受領し、当該電力を、エネルギ管理設備140の蓄電装置224に蓄積する。
システム制御部630は、水素製造設備160を制御して、共同体102の電力需給を調整してよい。例えば、共同体102を構成する複数の需給家施設から送配電網122に供給される電力が不足する場合、システム制御部630は、共同体102における水素の利用を促進させ、共同体102における電力の利用を抑制する。また、システム制御部630は、各需給家施設の電源設備220の燃料電池を稼働させ、電源設備220から送配電網122に電力を供給させる。共同体102を構成する複数の需給家施設から送配電網122に供給される電力が過剰である場合、システム制御部630は、水素製造設備160を稼働させる。これにより、余剰電力を水素として貯蔵することができる。
システム制御部630は、エネルギ管理設備140又は各需給家施設に配された電源設備220及び配分電設備230の少なくとも一方を制御することで、1以上の電源設備220が送配電網122を介して電気的に接続された電源システムを制御することができる。電源システムは、2以上の需給家施設に配された2以上の電源設備220が電気的に接続されて構成されてよい。これにより、共同体102の余剰電力又は供給余力を利用した、仮想的な蓄電システムが構築される。
共同体102を構成する各需給家施設のユーザは、各自の余剰電力を送配電網122に送電することで、仮想的な蓄電システムに電力を蓄積することができる。このとき、一の需給家施設から送配電網122に供給された電力は、共同体102の余剰電力として、例えば、他の需給家施設又はエネルギ管理設備140により利用されてよい。
一方、共同体102を構成する各需給家施設のユーザは、共同体102の余剰電力を送配電網122から受領することで、仮想的な蓄電システムに蓄積された電力を利用することができる。このとき、一の需給家施設が送配電網122から受領した電力は、共同体102の余剰電力であってもよく、他の需給家施設又はエネルギ管理設備140の蓄電装置224に蓄積されていた電力であってもよく、他の需給家施設又はエネルギ管理設備140の発電装置222の発電余力を利用して生成された電力であってもよい。
システム制御部630は、上記の電源システムと、1以上の需給家施設のそれぞれとの間の電力の送受を制御する。例えば、システム制御部630は、各ユーザが送配電網122から電力を受領することの許否を決定する。システム制御部630は、ポイント管理部650により管理される、各ユーザの保有ポイントに相当する電力量の範囲内で、電源システムから各ユーザへの送電を許可してよい。保有ポイントの詳細は後述される。
ユーザが、当該ユーザの保有ポイント以上の電力の受領を希望する場合、システム制御部630は、保有ポイントに相当する電力量を超えて当該ユーザに供給される電力量に対して課金することを決定してよい。ユーザが、当該ユーザの保有ポイント以上の電力の受領を希望する場合、システム制御部630は、当該ユーザが利用する需給家施設の配分電設備230を制御して、保有ポイントに相当する電力量を超えて当該ユーザに電力が供給されることを防止してよい。
ユーザが、当該ユーザの保有ポイント以上の電力の受領を希望する場合、システム制御部630は、当該ユーザが利用する需給家施設の配分電設備230を制御して、保有ポイントに相当する電力量を超えて当該ユーザに供給される電力の供給態様を制限してもよい。供給態様に関する制限としては、(i)保有ポイントに相当する電力量の範囲内で電力が供給される場合と比較して、電流量を小さくすること、(ii)保有ポイントに相当する電力量を超えて供給される電力量に上限を設定することなどが例示される。
本実施形態において、システム制御部630は、共同体102における水素の需給を管理する。例えば、システム制御部630は、ポイント管理部650により管理される、各ユーザの保有ポイントに相当する水素量の範囲内で、水素製造設備160から各ユーザへの水素の供給を許可してよい。
ユーザが、当該ユーザの保有ポイント以上の水素の受領を希望する場合、システム制御部630は、保有ポイントに相当する水素量を超えて当該ユーザに供給される水素量に対して課金することを決定してよい。ユーザが、当該ユーザの保有ポイント以上の水素の受領を希望する場合、システム制御部630は、水素製造設備160を制御して、保有ポイントに相当する水素量を超えて当該ユーザに水素が供給されることを防止してよい。
ユーザが、当該ユーザの保有ポイント以上の水素の受領を希望する場合、システム制御部630は、水素製造設備160を制御して、保有ポイントに相当する水素量を超えて当該ユーザに供給される水素の供給態様を制限してもよい。供給態様に関する制限としては、(i)保有ポイントに相当する水素量の範囲内で水素が供給される場合と比較して、水素の流量を小さくすること、(ii)保有ポイントに相当する水素量を超えて供給される水素量に上限を設定することなどが例示される。
本実施形態において、請求管理部640は、共同体102を構成する複数の需給家施設のそれぞれについて、当該需給家施設と、共同体102との間の送受電を精算する。請求管理部640は、共同体102を構成する複数の需給家施設のそれぞれについて、当該需給家施設と、他の需給家施設との間の電力の融通を精算してもよい。
例えば、請求管理部640は、共同体102を構成する複数の需給家施設のそれぞれについて、予め定められた期間(精算期間と称される場合がある。)ごとに、当該需給家施設と、共同体102又は他の需給家施設との間の送電量及び受電量を集計する。請求管理部640は、共同体102を構成する複数の需給家施設のそれぞれについて、精算期間ごとに、電力に関する収入及び支出を集計してよい。
本実施形態において、請求管理部640は、共同体102を構成する複数の需給家施設のそれぞれについて、精算期間に含まれる単位期間ごとに、当該需給家施設と、共同体102又は他の需給家施設との間の送電量及び受電量を集計してよい。請求管理部640は、複数の需給家施設のそれぞれについて、単位期間ごとの送電量を、系統電力網12又はエネルギ管理設備140への売電量と、仮想的な蓄電システムへの蓄電量とに区別して管理してよい。同様に、請求管理部640は、複数の需給家施設のそれぞれについて、単位期間ごとの受電量を、系統電力網12又はエネルギ管理設備140からの買電量と、仮想的な蓄電システムに蓄積された電力の利用量とに区別して管理してよい。
本実施形態において、請求管理部640が、共同体102を構成する複数の需給家施設のそれぞれについて、電力に関する収入及び支出を集計する場合を例として、請求管理部640の詳細が説明された。しかしながら、請求管理部640は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、請求管理部640は、上述された手順と同様の手順により、複数のユーザのそれぞれについて、電力に関する収入及び支出を集計してよい。
本実施形態において、請求管理部640が、共同体102を構成する複数の需給家施設のそれぞれについて、電力に関する収入及び支出を集計する場合を例として、請求管理部640の詳細が説明された。しかしながら、請求管理部640は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、請求管理部640は、上述された手順と同様の手順により、複数のユーザのそれぞれについて、電力に関する収入及び支出を集計してよい。
本実施形態において、ポイント管理部650は、各需給家施設が外部に供給した電力量(送電量と称される場合がある。)と、各需給家施設が外部から受領した電力量(受電量と称される場合がある。)とを、他の価値に換算して管理する。例えば、ポイント管理部650は、各需給家施設が外部に供給した電力量(送電量と称される場合がある。)と、各需給家施設が外部から受領した電力量(受電量と称される場合がある。)とを、電子的価値に換算して管理する。
ポイント管理部650は、各ユーザの蓄電装置から系統電力網12又は送配電網122への送電量と、各ユーザの蓄電装置の系統電力網12又は送配電網122からの受電量とを、電子的価値に換算して管理してよい。上記の蓄電装置は、各ユーザの蓄電装置224であってもよく、各ユーザの充放電装置212と電気的に接続された蓄電池であってもよい。
本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、ポイント管理部650が、上記の送電量及び受電量をポイントに換算して管理する場合を例として、ポイント管理部650の詳細が説明される。しかしながら、ポイント管理部650は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、ポイント管理部650は、上記の送電量及び受電量をポイントに換算することなく管理してもよい。
送電量は、外部供給電力量の一例であってよい。受電量は、外部受領電力量の一例であってよい。電子的価値の量は、電力量と相関する量(電力相関量と称される場合がある。)の一例であってよい。
各需給家施設の外部供給電力量は、各需給家施設が外部に供給する電力量であってよい。各需給家施設の外部供給電力量は、各需給家施設が外部に供給する電力量のうち、各需給家施設の外部に配された蓄電設備が受領する電力量に相当する電力量であってよい。上記の蓄電設備は、共同体102を構成する複数の需給家施設のそれぞれ及び共同体102のエネルギ管理設備140に配された、複数の蓄電装置224(共同体102の内部に配された複数の蓄電装置と称される場合がある。)の少なくとも1つであってよい。
一実施形態において、特定の期間Pにおける、特定の需給家施設の外部供給電力量は、当該期間Pにおいて、当該需給家施設が外部に供給した電力量と同量であってよい。上記の外部供給電力量は、送配電、充放電などに伴うロスが考慮された値であってもよい。
他の実施形態において、特定の期間Pにおける、特定の需給家施設の外部供給電力量Pa[kWh]は、(i)当該期間Pにおいて、当該需給家施設から共同体102に供給された電力量Pb[kWh]、(ii)当該期間Pにおいて、共同体102の各需給家施設、共同体102のエネルギ管理設備140及び共同体102の外部から共同体102に供給された電力量Pc[kWh]、並びに、(iii)当該期間Pにおいて、共同体102の内部に配された複数の蓄電装置224に蓄積された電力量Pd[kWh]に基づいて決定されてよい。例えば、上記の外部供給電力量Paは、Pa=Pd×(Pb/Pc)として算出されてよい。なお、外部供給電力量Paの算出方法は、本実施形態に限定されない。外部供給電力量Paの算出には、さらに、送配電、充放電などに伴うロスが考慮されてもよい。
各需給家施設の外部受領電力量は、各需給家施設が外部から受領する電力量であってよい。各需給家施設の外部受領電力量は、各需給家施設が外部から受領する電力量のうち、各需給家施設の外部に配された蓄電設備から供給される電力量に相当する電力量であってよい。
一実施形態において、特定の期間Pにおける、特定の需給家施設の外部受領電力量は、当該期間Pにおいて、当該需給家施設が外部から受領した電力量と同量であってよい。上記の外部受領電力量は、送配電、充放電などに伴うロスが考慮された値であってもよい。
他の実施形態において、特定の期間Pにおける、特定の需給家施設の外部受領電力量Pe[kWh]は、(i)当該期間Pにおいて、当該需給家施設が共同体102から受領した電力量Pf[kWh]、(ii)当該期間Pにおける、共同体102の総電力供給量Pg[kWh]、及び、(iii)当該期間Pにおいて、共同体102の内部に配された複数の蓄電装置224から共同体102に供給された電力量Ph[kWh]に基づいて決定されてよい。例えば、上記の外部供給電力量Paは、Pe=Pf×(Ph/Pg)として算出されてよい。なお、外部受領電力量Peの算出方法は、本実施形態に限定されない。外部受領電力量Peの算出には、さらに、送配電、充放電などに伴うロスが考慮されてもよい。
さらに他の実施形態において、ポイント管理部650は、上記の送電量又は受電量を、当該送電量又は受電量に相当する量の電力を利用して製造された水素の量に換算して管理してもよい。送電量又は受電量に相当する量の電力は、送電量又は受電量と同量の電力であってもよく、送配電、変電及び発電の少なくとも一部に伴う電力のロスの少なくとも一部が考慮された量の電力であってもよい。
本実施形態において、ポイント管理部650は、各需給家施設が水素製造設備160から受領した水素量を、他の価値に換算して管理する。ポイント管理部650は、各ユーザが水素製造設備160から受領した水素量を、他の価値に換算して管理してもよい。各ユーザは、例えば、移動体に搭載された水素ボンベ、又は、可搬型の水素ボンベを利用して、水素製造設備160から水素を受領する。例えば、ポイント管理部650は、上記の水素量を、電子的価値に換算して管理する。電子的価値の量は、水素量と相関する量(水素相関量と称される場合がある。)の一例であってよい。
本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、ポイント管理部650が、上記の水素量をポイントに換算して管理する場合を例として、ポイント管理部650の詳細が説明される。しかしながら、ポイント管理部650は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、ポイント管理部650は、上記の水素量を、電子的価値に変換することなく管理してもよい。
さらに他の実施形態において、ポイント管理部650は、上記の水素量を、当該水素を利用して発電して得られる電力量に変換して管理してもよい。ポイント管理部650は、貯蔵、移送及び発電の少なくとも一部に伴う水素のロスの少なくとも一部を考慮して、上記の水素量を電力量に変換してよい。
本実施形態において、履歴情報取得部652は、共同体102を構成する1以上の需給家施設のそれぞれから、各需給家施設の電力需給に関する情報を取得する。履歴情報取得部652は、共同体102における水素の需給に関する情報を取得してよい。履歴情報取得部652は、データ収集部530が収集した各種の情報を取得してもよい。履歴情報取得部652は、取得された情報をポイント換算部654に出力してよい。
例えば、履歴情報取得部652は、1以上の需給家施設のそれぞれから、(i)各需給家施設が送配電網122に供給した電力量を示す情報、及び、(i)各需給家施設が送配電網122から受領した電力量を示す情報の少なくとも一方を取得する。履歴情報取得部652は、1以上の需給家施設のそれぞれから、(i)各需給家施設が送配電網122に供給した電力量、及び、当該供給の時期を示す情報と、及び、(i)各需給家施設が送配電網122から受領した電力量、及び、当該受領の時期を示す情報の少なくとも一方を取得してよい。
例えば、履歴情報取得部652は、格納部560にアクセスして、エネルギ管理システム100を利用する各ユーザ、又は、共同体102の各構成員に関する送受電履歴を取得してよい。履歴情報取得部652は、格納部560にアクセスして、エネルギ管理システム100を利用する各ユーザ、又は、共同体102の各構成員の水素の利用状況に関する情報を取得してよい。
[電力量及びポイントの変換]
本実施形態において、ポイント換算部654は、電力量をポイントに換算する。ポイント管理部650は、ポイントを電力量に換算してもよい。ポイント換算部654は、(i)1以上の需給家施設のそれぞれについて、電力量及びポイントを相互に換算してもよく、(ii)ポイント換算部654は、1以上の需給家施設の少なくとも1つについて、電力量とポイントを換算してもよい。ポイント換算部654は、(i)1以上のユーザのそれぞれについて、電力量及びポイントを相互に換算してもよく、(ii)ポイント換算部654は、1以上のユーザの少なくとも1つについて、電力量及びポイントを相互に換算してもよい。
本実施形態において、ポイント換算部654は、履歴情報取得部652から、各電力需給家が外部に供給した電力量を示す情報を取得する。ポイント換算部654は、各電力需給家が外部に供給した電力量をポイントに換算する。これにより、ポイント換算部654は、各電力需給家が外部に供給した電力量と相関する電力相関量を取得する。ポイント換算部654は、電力需給家が外部に供給した電力量と相関するポイント数を示す情報を、保有量管理部656に出力してよい。ポイント換算部654は、電力需給家が外部に供給した電力量と相関するポイント数を示す情報を、格納部560に格納してもよい。
本実施形態において、ポイント換算部654は、履歴情報取得部652から、各電力需給家が外部から受領した電力量を示す情報を取得する。ポイント換算部654は、各電力需給家が外部から受領した電力量をポイントに換算する。これにより、ポイント換算部654は、各電力需給家が外部から受領した電力量と相関する電力相関量を取得する。ポイント換算部654は、電力需給家が外部から受領した電力量と相関するポイント数を示す情報を、保有量管理部656に出力してよい。ポイント換算部654は、電力需給家が外部から受領した電力量と相関するポイント数を示す情報を、格納部560に格納してもよい。
本実施形態において、ポイント換算部654は、履歴情報取得部652から、エネルギ管理システム100を利用する各ユーザ、又は、共同体102の各構成員に関する送受電履歴を取得する。ポイント換算部654は、各ユーザの蓄電装置が、系統電力網12、送配電網122又は水素製造設備160に送電した電力量を、ポイントに換算する。ポイント換算部654は、上記の送電量と相関するポイント数を示す情報を、保有量管理部656に出力してよい。
本実施形態において、ポイント換算部654は、履歴情報取得部652から、エネルギ管理システム100を利用する各ユーザ、又は、共同体102の各構成員に関する送受電履歴を取得する。ポイント換算部654は、各ユーザの蓄電装置が、系統電力網12又は送配電網122から受電した電力量を、ポイントに換算する。ポイント換算部654は、上記の送電量と相関するポイント数を示す情報を、保有量管理部656に出力してよい。
[ポイント及び電力の換算レート]
ポイントと電力との換算レートは、一定であってもよく、時期により変動してもよい。同一の時期において、需給家施設が送配電網122に電力を供給する場合の換算レートと、需給家施設が送配電網122から電力を受領する場合の換算レートとは、同一であってもよく、異なってもよい。換算レートは、ポイント数を電力量で除して得られる値[pt/kWh]であってよい。
例えば、共同体102の電力需給が逼迫する時期には、それ以外の時期と比較して、換算レートが高く設定される。これにより、各需給家施設から送配電網122への送電が促進され、且つ、各需給家施設における電力需要が抑制される。電力需給が逼迫する時期であるか否かは、システム制御部630により決定された共同体102の電力需給の逼迫具合に基づいて決定されてよい。
本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、各需給家施設が送配電網122に供給した電力の全てがポイントに換算され、各需給家施設が送配電網122から受領した電力の全てがポイントに換算される場合を例として、ポイント管理部650の詳細が説明される。しかしながら、ポイント管理部650は本実施形態に限定されない。
他の実施形態において、各需給家施設が送配電網122に供給した電力の一部がポイントに換算されてよい。同様に、各需給家施設が送配電網122から受領した電力の一部がポイントに換算されてよい。電力がポイントに換算されるか否かは、仮想的な蓄電システムが利用されるか否かによって決定されてよい。仮想的な蓄電システムが利用される場合、電力がポイントに換算される。仮想的な蓄電システムが利用されるか否かは、需給家施設のユーザの指示、又は、各種の設定に基づいて決定されてよい。
[水素及び電力の相関関係に基づいてポイント数を算出する実施例]
ポイント換算部654は、水素及び電力の相関関係に基づく換算レートを利用して、電力量及びポイント数を相互に換算してよい。水素及び電力の相関関係としては、(i)特定の量の電力を利用して製造することのできる水素の量、(ii)特定の量の電力を発電するために必要となる水素の量などが例示される。
なお、ポイント換算部654は、(i)水素及び電力の相関関係に基づく換算レートを利用して、電力量をポイント数に換算してもよく、(ii)他の種類の換算レートを利用して、電力量をポイント数に換算してもよく、(iii)水素及び電力の相関関係に基づく換算レートと、他の換算レートとを利用して、電力量をポイント数に換算してもよい。例えば、ポイント換算部654は、(i)ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122に供給した電力量をポイントに換算するときには、水素及び電力の相関関係に基づく換算レートを利用して、電力量をポイント数に換算し、(ii)ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122から受領した電力量をポイントに換算するときには、他の換算レートを利用して、電力量をポイントに換算する。
本実施形態において、ポイント換算部654は、水素製造設備160が、換算処理の対象となる電力量に相当する量の電力を利用して製造する水素の量に基づいて、換算レートを決定する。つまり、ポイント換算部654は、水素製造設備160が、換算処理の対象となる電力量に相当する量の電力を利用して製造する水素の量に基づいて、当該電力量をポイントに換算する。換算処理の対象となる電力量に相当する量の電力は、(i)換算処理の対象となる電力量と同量であってもよく、(ii)送配電、変電及び発電の少なくとも一部に伴う電力のロスの少なくとも一部が考慮された量の電力であってもよい。換算されたポイントの量は、第1相当量及び第2相当量の一例であってよい。ポイントの量は、ポイント数と称される場合がある。
[送電量をポイントに換算する実施形態1]
一実施形態において、ポイント換算部654は、水素製造設備160が、各ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122に送電した電力量に相当する量の電力を利用して製造する水素の量を決定する。ポイント換算部654は、水素製造設備160が、各ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122に送電した電力量の少なくとも一部に相当する量の電力を利用して製造する水素の量を決定してもよい。ポイント換算部654は、上記の水素の量を、上記の電力量に対応するポイント数として決定する。
より具体的には、例えば、ポイント換算部654に、期間P1において、特定のユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122に送電した電力量を示す情報が入力される。ポイント換算部654は、期間P1において、水素製造設備160が上記の電力量に相当する量の電力を利用して製造することができたであろう水素の量を決定する。上記の水素の量は、水素製造設備160の仕様に基づいて決定されてもよく、水素製造設備160の実績に基づいて決定されてもよい。ポイント換算部654は、上記の水素の量を、ユーザに付与されるポイント数として出力する。ポイント換算部654は、出力されたポイント数を示す情報を、格納部560に格納してよい。上記のポイント数は、第1相当量の一例であってよい。
[送電量をポイントに換算する実施形態2]
他の実施形態において、ポイント換算部654は、水素製造設備160が、各ユーザの蓄電装置が水素製造設備160に送電した電力量に相当する量の電力を利用して製造する水素の量を決定する。ポイント換算部654は、水素製造設備160が、各ユーザの蓄電装置が水素製造設備160に送電した電力量の少なくとも一部に相当する量の電力を利用して製造する水素の量を決定してもよい。ポイント換算部654は、上記の水素の量を、上記の電力量に対応するポイント数として決定する。
より具体的には、例えば、ポイント換算部654に、期間P1において、特定のユーザの蓄電装置が水素製造設備160に直接的に送電した電力量を示す情報が入力される。ポイント換算部654は、期間P1において、水素製造設備160が上記の電力量に相当する量の電力を利用して製造した水素の量を決定する。上記の水素の量は、水素製造設備160の仕様に基づいて決定されてもよく、水素製造設備160の実績に基づいて決定されてもよい。ポイント換算部654は、上記の水素の量を、ユーザに付与されるポイント数として出力する。ポイント換算部654は、出力されたポイント数を示す情報を、格納部560に格納してよい。上記のポイント数は、第2相当量の一例であってよい。
水素製造設備160が蓄電装置を備える場合、期間P1において、特定のユーザの蓄電装置から水素製造設備160に直接的に送電された電力が、水素製造設備160の蓄電装置に蓄えられ、水素の製造には利用されない可能性がある。このような場合、ポイント換算部654は、期間P1において、水素製造設備160が上記の電力量に相当する量の電力を利用して製造することができたであろう水素の量を決定してもよい。
[送電量をポイントに換算する実施形態3]
さらに他の実施形態において、ポイント換算部654は、(i)水素製造設備160が、各ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122に送電した電力量に相当する量の電力を利用して製造する水素の量と、(ii)水素製造設備160が、各ユーザの蓄電装置が水素製造設備160に送電した電力量に相当する量の電力を利用して製造する水素の量とを決定する。ポイント換算部654は、(i)水素製造設備160が、各ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122に送電した電力量の少なくとも一部に相当する量の電力を利用して製造する水素の量と、(ii)水素製造設備160が、各ユーザの蓄電装置が水素製造設備160に送電した電力量の少なくとも一部に相当する量の電力を利用して製造する水素の量とを決定してもよい。ポイント換算部654は、上記の水素の量の合計を、上記の電力量に対応するポイント数として決定する。
より具体的には、例えば、ポイント換算部654に、(i)期間P1において、特定のユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122に送電した電力量を示す情報と、(ii)期間P1において、特定のユーザの蓄電装置が水素製造設備160に直接的に送電した電力量を示す情報とが入力される。ポイント換算部654は、期間P1において、水素製造設備160が上記の電力量の合計に相当する量の電力を利用して製造することができたであろう水素の量を決定する。上記の水素の量は、水素製造設備160の仕様に基づいて決定されてもよく、水素製造設備160の実績に基づいて決定されてもよい。ポイント換算部654は、上記の水素の量を、ユーザに付与されるポイント数として出力する。ポイント換算部654は、出力されたポイント数を示す情報を、格納部560に格納してよい。上記のポイント数は、第1相当量及び第2相当量の合計の一例であってよい。
これらの実施形態によれば、ポイント換算部654は、特定のユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122を送電した場合に当該ユーザに付与されるポイント数を決定することができる。これらの実施形態によれば、水素製造設備160が、ポイント数に対応する量の電力を利用して製造することができるであろう水素量に基づいて、各ユーザに付与されるポイント数が決定される。また、例えば、請求管理部640は、各ユーザが系統電力網12又は送配電網122に供給した電力量の少なくとも一部を、水素製造設備160が水素を製造するために利用した電力量の一部として見做して、各精算期間における水素製造設備160の電力利用量を算出する。これにより、水素製造設備160において水素を製造するコストが低下し、エネルギ源としての水素の利用が促進される。
[送電量をポイントに換算する実施形態の具体例]
例えば、期間P1において、A地点に位置する蓄電装置が、送配電網122にQ1[kWh]の電力を供給する。一方、期間P1において、B地点に位置する水素製造設備160は、Q2[kWh]の電力を消費して、V1[m3]の水素を製造する。この場合において、蓄電装置から送配電網122への送電量に相当する量の電力により製造される水素の量は、水素製造設備160の仕様に基づいて決定されてもよく、水素製造設備160の実績に基づいて決定されてもよい。例えば、上記の例における水素製造設備160の実績によれば、水素製造設備160は、期間P1において、蓄電装置から送配電網122への送電量と同量の電力により、V1×Q1/Q2[m3]の水素を製造したものと見做され得る。
一方、上記の電力ロスを考慮した場合、蓄電装置から送配電網122への送電量に相当する電力により製造される水素の量は、例えば、上記の電力ロスに関連する係数ksを用いて、V1×ks×Q1/Q2[m3]と表される。なお、ksは正数である。ksは、1より小さな正数であってよい。
一実施形態において、ksの値は、例えば、ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122に電力を供給する位置と、水素製造設備160の位置とに基づいて決定される。ksの値は、ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122に電力を供給する位置と、水素製造設備160の位置との距離に基づいて決定されてよい。ksの値は、例えば、上記の距離が大きくなるほどksの値が小さくなるように決定される。ksの値は、上記の距離に応じて段階的に変化してもよく、上記の距離に応じて連続的に変化してもよい。
他の実施形態において、ksの値は、例えば、ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122に電力を供給する位置と、特定の位置との距離に基づいて決定される。ksの値は、例えば、上記の距離が大きくなるほどksの値が小さくなるように決定される。ksの値は、上記の距離に応じて段階的に変化してもよく、上記の距離に応じて連続的に変化してもよい。ポイント管理部650は、共同体管理サーバ440の所有者、管理者又は運営者の入力に基づいて、上記の特定の位置を指定してよい。ポイント管理部650は、ユーザからの要求に応じて、上記の特定の位置を指定してもよい。
これにより、移動体に搭載された蓄電装置又は可搬型の蓄電装置のユーザが、上記の特定の位置の近傍に配された充放電装置212を利用して、系統電力網12又は送配電網122に電力を供給することが促される。その結果、共同体102の電力需給の不均衡が改善する。
[受電量をポイントに換算する実施形態1]
一実施形態において、ポイント換算部654は、水素製造設備160が、各ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122から受電した電力量に相当する量の電力を利用して製造する水素の量を決定する。ポイント換算部654は、水素製造設備160が、各ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122から受電した電力量の少なくとも一部に相当する量の電力を利用して製造する水素の量を決定してもよい。ポイント換算部654は、上記の水素の量を、上記の電力量に対応するポイント数として決定する。
より具体的には、例えば、ポイント換算部654に、期間P1において、特定のユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122から受電した電力量を示す情報が入力される。ポイント換算部654は、期間P1において、水素製造設備160が上記の電力量に相当する量の電力を利用して製造することができたであろう水素の量を決定する。上記の水素の量は、水素製造設備160の仕様に基づいて決定されてもよく、水素製造設備160の実績に基づいて決定されてもよい。ポイント換算部654は、上記の水素の量を、ユーザが消費するポイント数として出力する。ポイント換算部654は、出力されたポイント数を示す情報を、格納部560に格納してよい。
[受電量をポイントに換算する実施形態2]
他の実施形態において、ポイント換算部654は、各ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122から受電した電力量に相当する量の電力を発電するために必要となる水素の量を決定する。ポイント換算部654は、各ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122から受電した電力量の少なくとも一部に相当する量の電力を発電するために必要となる水素の量を決定してもよい。上記の水素及び電力の相関関係は、理論値に基づいて決定されてもよく、任意の発電設備の実績値に基づいて決定されてもよい。ポイント換算部654は、上記の水素の量を、ユーザが消費するポイント数として出力する。ポイント換算部654は、出力されたポイント数を示す情報を、格納部560に格納してよい。
[受電量をポイントに換算する実施形態の具体例]
例えば、期間P1において、A地点に位置する蓄電装置が、送配電網122からQ1[kWh]の電力を受領する。一方、期間P1において、B地点に位置する水素製造設備160は、Q2[kWh]の電力を消費して、V1[m3]の水素を製造する。この場合において、蓄電装置が送配電網122から受領した電力量に相当する量の電力により製造される水素の量は、水素製造設備160の仕様に基づいて決定されてもよく、水素製造設備160の実績に基づいて決定されてもよい。例えば、上記の例における水素製造設備160の実績によれば、水素製造設備160は、期間P1において、蓄電装置が送配電網122から受領した電力量と同量の電力により、V1×Q1/Q2[m3]の水素を製造したものと見做され得る。
一方、上記の電力ロスを考慮した場合、蓄電装置が送配電網122から受領した送電量に相当する電力により製造される水素の量は、例えば、上記の電力ロスに関連する係数krを用いて、V1×kr×Q1/Q2[m3]と表される。なお、krは正数である。krは、1より大きな正数であってよい。
一実施形態において、krの値は、例えば、ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122から電力を受領する位置と、水素製造設備160の位置とに基づいて決定される。krの値は、ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122から電力を受領する位置と、水素製造設備160の位置との距離に基づいて決定されてよい。krの値は、例えば、上記の距離が大きくなるほどkrの値が大きくなるように決定される。krの値は、上記の距離に応じて段階的に変化してもよく、上記の距離に応じて連続的に変化してもよい。
他の実施形態において、krの値は、例えば、ユーザの蓄電装置が系統電力網12又は送配電網122から電力を受領する位置と、特定の位置との距離に基づいて決定される。krの値は、例えば、上記の距離が大きくなるほどkrの値が大きくなるように決定される。krの値は、上記の距離に応じて段階的に変化してもよく、上記の距離に応じて連続的に変化してもよい。ポイント管理部650は、共同体管理サーバ440の所有者、管理者又は運営者の入力に基づいて、上記の特定の位置を指定してよい。ポイント管理部650は、ユーザからの要求に応じて、上記の特定の位置を指定してもよい。
これにより、移動体に搭載された蓄電装置又は可搬型の蓄電装置のユーザが、上記の特定の位置の近傍に配された充放電装置212を利用して、系統電力網12又は送配電網122に電力を供給することが促される。その結果、共同体102の電力需給の不均衡が改善する。
[ポイント及び水素の換算レート]
ポイントと水素との換算レートは、一定であってもよく、時期により変動してもよい。換算レートは、ポイント数を水素量で除して得られる値[pt/m3−H2]であってよい。例えば、共同体102の電力需給が逼迫する時期には、それ以外の時期と比較して、換算レートが高く設定される。これにより、エネルギ源としての水素の利用が促進される。電力需給が逼迫する時期であるか否かは、システム制御部630により決定された共同体102の電力需給の逼迫具合に基づいて決定されてよい。
本実施形態において、保有量管理部656は、共同体102を構成する1以上の需給家施設のそれぞれについて、各需給家施設が保有するポイントを管理する。保有量管理部656は、エネルギ管理システム100のユーザごとに、又は、共同体102の構成員ごとに、各ユーザ又は各構成員が保有するポイントを管理してもよい。
保有量管理部656は、ポイント換算部654が決定したポイント数に基づいて、各ユーザ又は各構成員が保有するポイント数(ポイント残高と称される場合がある)を決定してよい。例えば、保有量管理部656は、(a)ポイント換算部654が決定したポイント数を示す情報と、(b)(i)ポイントの保有期間に関する情報、並びに、(ii)各ユーザ又は各構成員が、系統電力網12又は送配電網122に電力を供給した位置及び当該ユーザ又は構成員が、系統電力網12又は送配電網122から電力を受領した位置を示す情報の少なくとも一方とに基づいて、ポイント残高を決定する。保有量管理部656の詳細は後述される。
一実施形態において、各ユーザ又は各構成員のポイント残高は、各ユーザ又は各構成員が、第1経済的条件で、系統電力網12又は送配電網122から、各ユーザ又は各構成員の蓄電装置に供給され得る電力量の最大値を示す。第1経済的条件は、電力の単価を示す条件であってよい。電力の単価を示す条件は、電力の単価が0[円/kWh]であるという条件であってよい。保有ポイント数は、第1供給可能量の一例であってよい。
他の実施形態において、各ユーザ又は各構成員のポイント残高は、各ユーザ又は各構成員が、第2経済的条件で、水素製造設備160が製造した水素を貯蔵する水素貯蔵タンクから、各ユーザ又は各構成員の水素ボンベに移送され得る水素量の最大値を示す。上記の水素ボンベは、各ユーザ又は各構成員の移動体に搭載され、水素貯蔵タンクから供給される水素を貯蔵する水素ボンベであってよい。第2経済的条件は、水素の単価を示す条件であってよい。水素の単価を示す条件は、水素の単価が0[円/kWh]であるという条件であってよい。保有ポイント数は、第2供給可能量の一例であってよい。
なお、本実施形態においては、保有量管理部656が、(a)ポイント換算部654が決定したポイント数と、(b)各ユーザ又は各構成員が系統電力網12又は送配電網122に電力を供給した位置、及び、当該ユーザ又は構成員が系統電力網12又は送配電網122から電力を受領した位置とに基づいてポイント残高を調整する場合を例として、ポイント管理部650の詳細が説明された。しかしながら、ポイント管理部650は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、ポイント換算部654が、各ユーザ又は各構成員が系統電力網12又は送配電網122に電力を供給した位置と、各ユーザ又は各構成員が系統電力網12又は送配電網122から電力を受領した位置とに基づいて、換算レートを調整してもよい。ポイント換算部654は、後述される保有量管理部656の手法と同様の手法により、換算レートを調整してもよい。
図7は、保有量管理部656の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、保有量管理部656は、需給情報取得部720と、保有期間管理部730と、調整量決定部740と、ポイント累算部750と、保有量決定部760とを備える。保有量管理部656の各部は、図中の矢印の記載に制限されることなく、互いに情報を送受してもよい。
ポイント累算部750は、第1供給可能量決定部及び第2供給可能量決定部の一例であってよい。保有量決定部760は、第1供給可能量決定部及び第2供給可能量決定部の一例であってよい。
本実施形態において、需給情報取得部720は、共同体102の電力需給又は水素需給の状況に関する情報を取得する。需給情報取得部720は、送配電網122を流通する電気の需給バランスに関する情報を取得してよい。需給情報取得部720は、水素製造設備160の稼働状況、水素製造設備160において貯蔵されている水素の残量などに関する情報を取得してよい。
例えば、需給情報取得部720は、システム制御部630から、共同体102の電力需給又は水素需給の逼迫具合を示す情報を取得する。共同体102の電力需給又は水素需給の逼迫具合は、共同体102の電力需給又は水素需給の実績値に基づいて決定された指標であってもよく、共同体102の電力需給又は水素需給の逼迫具合は、共同体102の電力需給又は水素需給の予測値に基づいて決定された指標であってもよい。
例えば、需給情報取得部720は、共同体102の供給余力を示す情報を、保有期間管理部730及び調整量決定部740の少なくとも一方に出力する。需給情報取得部720は、任意の時期における供給余力の情報を出力してよい。一実施形態において、需給情報取得部720は、特定の需給家施設が送配電網122に電力を供給した時期の供給余力を示す情報を出力する。他の実施形態において、需給情報取得部720は、特定の需給家施設が送配電網122から電力を受領した時期の供給余力を示す情報を出力する。さらに他の実施形態において、需給情報取得部720は、保有期間管理部730又は調整量決定部740から指定された期間の供給余力を示す情報を出力する。
本実施形態においては、説明を簡単にすることを目的として、共同体102の電力需給の逼迫具合を示す指標として、共同体102の供給余力が利用される場合を例として、保有量管理部656の詳細が説明される。しかしながら、保有量管理部656は本実施形態に限定されないことに留意されたい。
本実施形態において、保有期間管理部730は、ポイントの保有期間に関する情報を管理する。ポイントの保有期間に関する情報としては、ポイントの保有期間を示す情報、ポイントの保有期間における電力需給に関する情報などが例示される。
一実施形態において、保有期間管理部730は、ポイントの保有期間を管理する。ポイントの保有期間は、経過期間の一例であってよい。ポイントの保有期間は、(i)特定の需給家施設が送配電網122に電力を供給した時点から、特定の時点までの期間であってもよく、(ii)特定の需給家施設に付与されたポイントと、当該需給家施設が消費したポイントとの差が予め定められた第1条件を満足した時点から、特定の時点までの期間であってもよい。特定の需給家施設に付与されたポイントと、当該需給家施設が消費したポイントとの差は、当該需給家施設に付与されたポイントの累算量と、当該需給家施設が消費したポイントの累算量との差(累算ポイント差と称される場合がある。)であってよい。累算ポイント差は、特定のユーザ又は構成員に付与されたポイントの累算量と、当該ユーザ又は構成員が消費したポイントの累算量との差であってもよい。累算ポイント差は、特定のユーザ又は構成員に付与されたポイントから、当該ユーザ又は構成員が消費したポイントを減算して得られた量の一例であってよい。
上記の特定の時点の詳細は特に限定されない。上記の特定の時点は、特定の需給家施設がポイントを消費する時点であってもよく、特定の需給家施設から指定された時点であってもよく、保有期間管理部730又は調整量決定部740から指定された時点であってもよい。
予め定められた第1条件としては、(i)累算ポイント差が、0になったという条件、(ii)累算ポイント差が、予め定められた範囲の範囲内又は範囲外であるという条件、(iii)累算ポイント差に基づいて決定されるパラメータが、0になったという条件、(iv)上記のパラメータが、予め定められた範囲の範囲内又は範囲外であるという条件などが例示される。予め定められた範囲は、数値範囲であってもよく、段階的な評価に関する区分の範囲であってもよい。予め定められた範囲が数値範囲である場合、当該数値範囲の上限のみが規定されていてもよく、当該数値範囲の下限のみが規定されていてもよく、当該数値範囲の上限及び下限が規定されていてもよい。上記のパラメータは保有ポイント数であってもよい。
保有期間管理部730は、複数の時期に付与されたポイントのそれぞれについて、当該ポイントの保有期間を管理してよい。保有期間管理部730は、先入れ先出し方式(FIFO)により、上記のポイントの保有期間を管理してもよく、後入れ先出し方式に(LIFO)より、上記のポイントの保有期間を管理してもよい。保有期間管理部730は、保有されているポイントの保有期間の平均値により、上記のポイントの保有期間を管理してもよい。
他の実施形態において、保有期間管理部730は、ポイントの保有期間の少なくとも一部における、共同体102又は共同体102の一部の電力需給に関する情報を管理する。例えば、保有期間管理部730は、複数の時期に付与されたポイントのそれぞれについて、当該ポイントが付与された時期における共同体102の供給余力に関する情報を管理する。保有期間管理部730は、保有ポイントの一部が消費される時期における共同体102の供給余力に関する情報を管理してもよい。
保有期間管理部730は、保有期間における共同体102の供給余力に基づいて、保有期間に含まれる期間であって、共同体102の供給余力が予め定められた第2条件を満足する期間(逼迫期間と称される場合がある。)を抽出してよい。単一の保有期間の間に、複数の逼迫期間が含まれていてもよい。保有期間と、当該保有期間に含まれる1以上の逼迫期間との関係を示す情報は、共同体102の逼迫具合を示す指標の一例であってよい。
本実施形態において、調整量決定部740は、特定の需給家施設に関する累算ポイント差に基づいて、当該需給家施設の保有ポイントの量を算出するための調整量を決定する。調整量決定部740は、特定のユーザ又は構成員に関する累算ポイント差に基づいて、当該ユーザ又は構成員の保有ポイントの量を算出するための調整量を決定してよい。調整量は、負の量であってもよく、0であってもよく、正の量であってもよい。調整量は、補正量の一例であってよい。
[調整量の算出方法の第1実施例]
本実施形態において、調整量決定部740は、ポイントの保有期間に関する情報に基づいて、調整量を決定する。上述のとおり、ポイントの保有期間に関する情報としては、ポイントの保有期間を示す情報、ポイントの保有期間における電力需給に関する情報などが例示される。
一実施形態において、調整量決定部740は、ポイントの保有期間の長さに基づいて、調整量を決定する。例えば、調整量決定部740は、ポイントの保有期間が長いほど、調整量が小さくなるように、調整量を決定する。調整量決定部740は、ポイントの保有期間が長いほど、調整量が大きくなるように、調整量を決定してもよい。調整量決定部740は、ポイントの保有期間が長いほど、保有ポイントの量が小さくなるように、調整量を決定してよい。
ポイントの保有期間の長さと、調整量との関係は、当該ポイントの保有期間において一定であってもよく、時期によって変動してもよい。ポイントの保有期間の長さと、調整量との関係(例えば、増加具合又は減少具合である)は、共同体102の電力需給の状況に応じて決定されてよい。
ポイントの保有期間の長さと、調整量との関係は、保有ポイントの量によらず一定であってもよく、保有ポイントの量によって変動してもよい。ポイントの保有期間の長さと、調整量との関係は、保有ポイントの量が多いほど、ポイントの保有期間の長さに対する調整量の変化率が大きくなるように設定されてよい。ポイントの保有期間の長さと、調整量との関係は、保有ポイントの量が多いほど、ポイントの保有期間の長さに対する調整量の変化率が小さくなるように設定されてよい。
他の実施形態において、調整量決定部740は、ポイントの保有期間の少なくとも一部における共同体102の電力需給の状況に基づいて、調整量を決定する。調整量決定部740は、ポイントの保有期間と、当該保有期間に含まれる1以上の逼迫期間との関係に基づいて、調整量を決定してよい。例えば、調整量決定部740は、保有期間の長さ(B)に対する、1以上の逼迫期間の長さの合計(A)の割合(A/B)に基づいて、調整量を決定する。調整量決定部740は、上記の割合が大きいほど、調整量が大きくなるように、調整量を決定してよい。調整量決定部740は、上記の割合が大きいほど、調整量が小さくなるように、調整量を決定してもよい。
調整量決定部740は、電力需給が逼迫するほど、外部から電力を受領した後の保有ポイントの量が小さくなるように、調整量を決定してよい。調整量決定部740は、電力需給が逼迫するほど、外部に電力を供給した後の保有ポイントの量が大きくなるように、調整量を決定してよい。
[調整量の算出方法の第2実施例]
本実施形態において、調整量決定部740は、特定の時点における、共同体102の電力需給の状況に基づいて、調整量を決定する。例えば、調整量決定部740は、特定の時点における共同体102の電力需給が逼迫しているほど、調整量が大きくなるように、調整量を決定する。調整量決定部740は、特定の時点における共同体102の電力需給が逼迫しているほど、調整量が小さくなるように、調整量を決定してもよい。
上記の特定の時点の詳細は特に限定されない。上記の特定の時点は、特定の需給家施設がポイントを消費する時点であってもよく、特定の需給家施設から指定された時点であってもよく、保有期間管理部730又は調整量決定部740から指定された時点であってもよい。
[調整量の算出方法の第3実施例]
本実施形態において、調整量決定部740は、電力が送配電網122に供給された時点における、共同体102の電力需給の状況に基づいて、調整量を決定する。例えば、調整量決定部740は、電力が送配電網122に供給された時点における共同体102の電力需給が逼迫しているほど、調整量が大きくなるように、調整量を決定する。調整量決定部740は、電力が送配電網122に供給された時点における共同体102の電力需給が逼迫しているほど、調整量が小さくなるように、調整量を決定してもよい。
調整量決定部740は、例えば、保有期間管理部730を参照して、複数の時期に送配電網122に供給された電力のそれぞれについて、上記の調整量を決定してよい。調整量決定部740は、先入れ先出し方式(FIFO)により、上記の調整量を決定してもよく、後入れ先出し方式に(LIFO)より、上記の調整量を決定してもよい。
[調整量の算出方法の第4実施例]
本実施形態において、調整量決定部740は、(i)エネルギ管理システム100の各ユーザ、又は、共同体102の各構成員が、系統電力網12、送配電網122又は水素製造設備160に電力を供給した位置、及び、(ii)当該ユーザ又は構成員が、系統電力網12又は送配電網122から電力を受領した位置に基づいて、調整量を決定する。調整量決定部740は、(i)各ユーザ又は各構成員が、当該ユーザ又は構成員の蓄電装置を利用して、系統電力網12、送配電網122又は水素製造設備160に電力を供給した位置、及び、(ii)当該ユーザ又は構成員が、当該ユーザ又は構成員の蓄電装置を利用して、系統電力網12又は送配電網122から電力を受領した位置に基づいて、調整量を決定してよい。
具体的には、調整量決定部740は、各ユーザ又は各構成員の蓄電装置が、系統電力網12、送配電網122又は水素製造設備160に電力を供給した位置(送電位置と称される場合がある。)を示す情報を取得する。同様に、調整量決定部740は、各ユーザ又は各構成員の蓄電装置が、系統電力網12又は送配電網122から電力を受領する位置(受電位置と称される場合がある。)を示す情報を取得する。送電位置は、供給位置の一例であってよい。受電位置は、受領位置の一例であってよい。
調整量決定部740は、各ユーザ又は各構成員の蓄電装置が、系統電力網12、送配電網122又は水素製造設備160に電力を供給した時刻又は期間(送電時期と称される場合がある。)を示す情報を取得してもよい。同様に、調整量決定部740は、各ユーザ又は各構成員の蓄電装置が、系統電力網12又は送配電網122から電力を受領する時刻又は期間(受電時期と称される場合がある。)を示す情報を取得してもよい。受電時期は、送電時期よりも時間的に後の時刻又は期間であってよい。送電時期は、第1期間の一例であってよい。受電時期は、第2期間の一例であってよい。
調整量決定部740が調整量の大きさを調整することで、保有量管理部656は、特定のユーザ又は構成員が受領した電力量(B)に対する、当該電力を受領したことに伴う当該ユーザ又は構成員のポイント残高の減少量(A)の割合(A/B)を調整することができる。調整量決定部740は、第1地理的条件が満たされる場合に、第1地理的条件が満たされない場合と比較して、上記の割合が小さくなるように、調整量を決定してもよい。第1地理的条件としては、(i)送電位置及び受電位置の距離が閾値よりも小さいという条件、(ii)送電位置及び受電位置が同一の充放電装置212であるという条件、(iii)送電位置の充放電装置212と、受電位置の充放電装置212とが、同一の共同体の内部に配されているという条件などが例示される。
一実施形態において、調整量決定部740は、特定のユーザ又は構成員が、当該ユーザ又は構成員の蓄電装置を利用して、系統電力網12又は送配電網122から電力を受領する場合に、当該ユーザ又は構成員が消費するポイント数を調整するための調整量を決定する。例えば、保有量決定部760は、ポイント累算部750が出力した累算ポイント差から、上記の調整量を減算することで、上記のユーザ又は構成員のポイント残高を決定する。保有量決定部760は、ポイント累算部750が出力した累算ポイント差を、上記の調整量で除算することで、上記のユーザ又は構成員のポイント残高を決定してもよい。
他の例において、ポイント累算部750は、ポイント換算部654が出力したポイント数から上記の調整量を減算した値を、直前のポイント残高に加算することで、累算ポイント差を算出してもよい。また、ポイント累算部750は、ポイント換算部654が出力したポイント数を上記の調整量で除算した値を、直前のポイント残高に加算することで、累算ポイント差を算出してもよい。
本実施形態において、調整量決定部740は、送電位置及び受電位置が第1地理的条件を満足する場合に、送電位置及び受電位置が第1地理的条件を満足しない場合と比較して、調整量が小さくなるように、当該調整量を決定してよい。ポイントの保有状況によっては、単一の受電位置に対して、複数の送電位置が対応してもよい。
第1地理的条件は、上述のとおりであってよい。上記の(ii)送電位置及び受電位置が同一の充放電装置212であるという条件が満たされる場合の調整量は、上記の(iii)送電位置の充放電装置212と、受電位置の充放電装置212とが、同一の共同体の内部に配されているという条件が満たされる場合の調整量より小さくてよい。
他の実施形態において、調整量決定部740は、特定のユーザ又は構成員が、当該ユーザ又は構成員の蓄電装置を利用して、系統電力網12又は送配電網122から電力を受領する場合に、当該ユーザ又は構成員が消費するポイント数を調整するための調整量を決定する。例えば、保有量決定部760は、ポイント累算部750が出力した累算ポイント差に、上記の調整量を加算又は乗算することで、上記のユーザ又は構成員のポイント残高を決定する。他の例において、ポイント累算部750は、ポイント換算部654が出力したポイント数に上記の調整量を加算又は乗算した値を、直前のポイント残高に加算することで、累算ポイント差を算出してもよい。
本実施形態において、調整量決定部740は、送電位置及び受電位置が第1地理的条件を満足する場合に、送電位置及び受電位置が第1地理的条件を満足しない場合と比較して、調整量が大きくなるように、当該調整量を決定してよい。ポイントの保有状況によっては、単一の受電位置に対して、複数の送電位置が対応してもよい。
第1地理的条件は、上述のとおりであってよい。上記の(ii)送電位置及び受電位置が同一の充放電装置212であるという条件が満たされる場合の調整量は、上記の(iii)送電位置の充放電装置212と、受電位置の充放電装置212とが、同一の共同体の内部に配されているという条件が満たされる場合の調整量より大きくてよい。
[調整量の算出方法の第5実施例]
本実施形態において、調整量決定部740は、(i)エネルギ管理システム100の各ユーザ、又は、共同体102の各構成員が、系統電力網12、送配電網122又は水素製造設備160に電力を供給した位置、及び、(ii)当該ユーザ又は構成員が、水素製造設備160から水素を受領した位置に基づいて、調整量を決定する。調整量決定部740は、(i)各ユーザ又は各構成員が、当該ユーザ又は構成員の蓄電装置を利用して、系統電力網12、送配電網122又は水素製造設備160に電力を供給した位置、及び、(ii)当該ユーザ又は構成員が、水素製造設備160の水素貯蔵タンクから、当該ユーザ又は構成員の移動体に搭載された水素ボンベに水素を移送した位置に基づいて、調整量を決定してよい。
具体的には、調整量決定部740は、各ユーザ又は各構成員の蓄電装置が、系統電力網12、送配電網122又は水素製造設備160に電力を供給した位置(送電位置と称される場合がある。)を示す情報を取得する。同様に、調整量決定部740は、水素製造設備160から各ユーザ又は各構成員の水素ボンベに、水素が移送される位置(移送位置と称される場合がある。)を示す情報を取得する。
調整量決定部740は、各ユーザ又は各構成員の蓄電装置が、系統電力網12、送配電網122又は水素製造設備160に電力を供給した時刻又は期間(送電時期と称される場合がある。)を示す情報を取得してもよい。同様に、調整量決定部740は、水素製造設備160から各ユーザ又は各構成員の水素ボンベに、水素が移送される時刻又は期間(移送時期と称される場合がある。)を示す情報を取得してもよい。移送時期は、送電時期よりも時間的に後の時刻又は期間であってよい。送電時期は、第1期間の一例であってよい。移送時期は、第3期間の一例であってよい。
調整量決定部740が調整量の大きさを調整することで、保有量管理部656は、特定のユーザ又は構成員が受領した水素量(B)に対する、当該水素を受領したことに伴う当該ユーザ又は構成員のポイント残高の減少量(A)の割合(A/B)を調整することができる。調整量決定部740は、第2地理的条件が満たされる場合に、第2地理的条件が満たされない場合と比較して、上記の割合が小さくなるように、調整量を決定してもよい。第2地理的条件としては、(i)送電位置及び移送位置の距離が閾値よりも小さいという条件、(ii)送電位置及び移送位置が、同一の共同体の内部に配されているという条件などが例示される。
一実施形態において、調整量決定部740は、特定のユーザ又は構成員が、水素製造設備160から水素を受領する場合に、当該ユーザ又は構成員が消費するポイント数を調整するための調整量を決定する。例えば、保有量決定部760は、ポイント累算部750が出力した累算ポイント差から、上記の調整量を減算することで、上記のユーザ又は構成員のポイント残高を決定する。保有量決定部760は、ポイント累算部750が出力した累算ポイント差を、上記の調整量で除算することで、上記のユーザ又は構成員のポイント残高を決定してもよい。
他の例において、ポイント累算部750は、ポイント換算部654が出力したポイント数から上記の調整量を減算した値を、直前のポイント残高に加算することで、累算ポイント差を算出してもよい。また、ポイント累算部750は、ポイント換算部654が出力したポイント数を上記の調整量で除算した値を、直前のポイント残高に加算することで、累算ポイント差を算出してもよい。
本実施形態において、調整量決定部740は、送電位置及び移送位置が第2地理的条件を満足する場合に、送電位置及び移送位置が第2地理的条件を満足しない場合と比較して、調整量が小さくなるように、当該調整量を決定してよい。ポイントの保有状況によっては、単一の受電位置に対して、複数の送電位置が対応してもよい。
他の実施形態において、調整量決定部740は、特定のユーザ又は構成員が、水素製造設備160から水素を受領する場合に、当該ユーザ又は構成員が消費するポイント数を調整するための調整量を決定する。例えば、保有量決定部760は、ポイント累算部750が出力した累算ポイント差に、上記の調整量を加算又は乗算することで、上記のユーザ又は構成員のポイント残高を決定する。他の例において、ポイント累算部750は、ポイント換算部654が出力したポイント数に上記の調整量を加算又は乗算した値を、直前のポイント残高に加算することで、累算ポイント差を算出してもよい。
本実施形態において、調整量決定部740は、送電位置及び移送位置が第2地理的条件を満足する場合に、送電位置及び移送位置が第2地理的条件を満足しない場合と比較して、調整量が大きくなるように、当該調整量を決定してよい。ポイントの保有状況によっては、単一の受電位置に対して、複数の送電位置が対応してもよい。
本実施形態において、ポイント累算部750は、共同体102を構成する1以上の需給家施設のそれぞれについて、各需給家施設に付与されたポイント、及び、各需給家施設が消費したポイントのそれぞれを累算する。ポイント累算部750は、各需給家施設の累算ポイント差を算出してよい。各需給家施設の累算ポイント差は、各需給家施設に付与されたポイントの累算量から、各需給家施設が消費したポイントの累算量を減算することで得られる。
本実施形態において、特定の需給家施設が送配電網122に電力を供給した場合、ポイント累算部750は、ポイント換算部654から、当該需給家施設が送配電網122に供給した電力量と相関するポイント数を示す情報を取得する。上記のポイント数は、特定の需給家施設に付与されたポイントの量の一例であってよい。
同様に、特定の需給家施設が送配電網122から電力を受領した場合、ポイント累算部750は、ポイント換算部654から、当該需給家施設が送配電網122から受領した電力量と相関するポイント数を示す情報を取得する。上記のポイント数は、特定の需給家施設が消費したポイントの量の一例であってよい。
本実施形態において、ポイント累算部750は、エネルギ管理システム100のユーザごとに、又は、共同体102の構成員ごとに、当該ユーザ又は構成員に付与されたポイント、及び、当該ユーザ又は構成員が消費したポイントのそれぞれを累算してもよい。ポイント累算部750は、各ユーザ又は各構成員の累算ポイント差を算出してよい。各ユーザ又は各構成員の累算ポイント差は、各ユーザ又は各構成員に付与されたポイントの累算量から、各ユーザ又は各構成員が消費したポイントの累算量を減算することで得られる。
特定のユーザ又は構成員が、当該ユーザ又は構成員の蓄電装置から、系統電力網12、送配電網122又は水素製造設備160に電力を供給した場合、ポイント累算部750は、ポイント換算部654から、当該ユーザ又は構成員の送電量に対応するポイント数を示す情報を取得する。ポイント累算部750は、ポイント換算部654が出力したポイント数を、直前のポイント残高に加算してよい。上記のポイント数は、上記のユーザ又は構成員に付与されたポイントの量の一例であってよい。
特定のユーザ又は構成員が、系統電力網12又は送配電網122から、当該ユーザ又は構成員の蓄電装置に電力を受領した場合、ポイント累算部750は、ポイント換算部654から、当該ユーザ又は構成員の受電量に対応するポイント数を示す情報を取得する。ポイント累算部750は、ポイント換算部654が出力したポイント数を、直前のポイント残高から減算してよい。ポイント累算部750は、直前のポイント残高の範囲内で、ポイント換算部654が出力したポイント数を、直前のポイント残高から減算してよい。これにより、ポイント残高がマイナスになることが抑制される。上記のポイント数は、上記のユーザ又は構成員が消費したポイントの量の一例であってよい。
特定のユーザ又は構成員が、水素製造設備160から、当該ユーザ又は構成員の水素ボンベに水素を移送した場合、ポイント累算部750は、ポイント換算部654から、当該ユーザ又は構成員が受領した水素量に対応するポイント数を示す情報を取得する。ポイント累算部750は、ポイント換算部654が出力したポイント数を、直前のポイント残高から減算してよい。ポイント累算部750は、直前のポイント残高の範囲内で、ポイント換算部654が出力したポイント数を、直前のポイント残高から減算してよい。これにより、ポイント残高がマイナスになることが抑制される。上記のポイント数は、上記のユーザ又は構成員が消費したポイントの量の一例であってよい。上記のポイント数は、上記のユーザ又は構成員が消費したポイントの量の一例であってよい。
本実施形態において、ポイント累算部750が、ポイント換算部654が出力したポイント数を、直前のポイント残高に加算又は減算することで、新たなポイント残高を算出する場合を例として、ポイント累算部750の詳細が説明された。しかしながら、ポイント累算部750は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、ポイント累算部750は、ポイント累算部750が、直前のポイント残高と、ポイント換算部654が出力したポイント数と、調整量決定部740が出力した調整量とに基づいて、新たなポイント残高を算出してよい。
本実施形態において、保有量決定部760は、共同体102を構成する1以上の需給家施設のそれぞれが保有するポイントの量を決定する。需給家施設が保有するポイントの量は、保有ポイント、保有ポイント数、ポイント残高などと称される場合がある。
各需給家施設が保有するポイントの量は、各電力需給家が使用、収益又は処分することのできる電力量と相関する量であってよい。各需給家施設が保有するポイントの量は、各需給家施設が利用可能なポイントの量を示す。各需給家施設は、各需給家施設が保有するポイントを消費して、共同体102の余剰電力又は供給余力を利用して生成される電力を利用することができる。本実施形態において、各需給家施設は、各需給家施設が保有するポイントの量の範囲内で、ポイントを消費することができる。
保有量決定部760は、(i)特定の需給家施設が送配電網122に供給した電力量と相関するポイントの量と、(ii)当該需給家施設が送配電網122から受領した電力量と相関するポイントの量とに基づいて、当該需給家施設が保有するポイントの量を決定する。より具体的には、保有量決定部760は、特定の需給家施設の累算ポイント差に基づいて、当該需給家施設が保有するポイントの量を決定する。
保有量決定部760は、(i)特定の需給家施設が送配電網122に供給した電力量と相関するポイントの量と、(ii)当該需給家施設が送配電網122から受領した電力量と相関するポイントの量と、(iii)調整量決定部740が決定した調整量とに基づいて、当該需給家施設が保有するポイントの量を決定してよい。より具体的には、保有量決定部760は、特定の需給家施設の累算ポイント差と、調整量決定部740が決定した調整量とに基づいて、当該需給家施設が保有するポイントの量を決定する。保有量決定部760は、例えば、特定の需給家施設の累算ポイント差と、調整量決定部740が決定した調整量とを合計することで、当該需給家施設が保有するポイントの量を決定する。
これにより、保有量決定部760は、例えば、ポイントの保有期間に関する情報に基づいて、保有ポイント数を決定することができる。保有量決定部760は、例えば、特定の時点における共同体102の電力需給の状況に基づいて、保有ポイント数を決定することができる。保有量決定部760は、例えば、需給家施設が共同体102に電力を供給した時点における共同体102の電力需給の状況に基づいて、保有ポイント数を決定することができる。
同様の手法により、保有量決定部760は、エネルギ管理システム100の各ユーザ又は共同体102の各構成員が保有するポイントの量を決定してよい。上述のとおり、各ユーザ又は各構成員が保有するポイントの量は、各ユーザ又は各構成員が、第1経済的条件で、系統電力網12又は送配電網122から、各ユーザ又は各構成員の蓄電装置に供給され得る電力量の最大値を示す。また、各ユーザ又は各構成員のポイント残高は、各ユーザ又は各構成員が、第2経済的条件で、水素製造設備160が製造した水素を貯蔵する水素貯蔵タンクから、各ユーザ又は各構成員の水素ボンベに移送され得る水素量の最大値を示す。
図8は、データテーブル800の一例を概略的に示す。データテーブル800は、保有期間管理部730が管理するデータベースのデータ構造の一例であってよい。データテーブル800は、例えば、格納部560に格納される。
本実施形態において、データテーブル800は、共同体ID812と、需給家ID814と、送電又は受電が実施された時期を示す情報822と、送電時期又は受電時期が属する単位期間を識別する期間ID824と、送電又は受電が実施された位置を示す情報826と、送電量を示す情報832と、受電量を示す情報834と、送電又は受電により付与又は消費されたポイントの量を示す情報840と、送電時期又は受電時期における共同体102の供給余力を示す情報850とが対応付けて格納される。これにより、保有期間管理部730は、複数の時期に付与又は消費された複数のポイントの量を管理することができる。保有期間管理部730は、例えば、データテーブル800を利用することで、先入れ先出し方式の管理、又は、後入れ先出方式の管理を実現することができる。
送電時期又は受電時期が属する単位期間は、ポイントの保有期間の算出を容易にする目的で使用される。送電時期又は受電時期が属する単位期間の長さは、電力需給のバランスを調整するために利用される単位期間の長さと同一であってもよく、異なってもよい。例えば、送電時期又は受電時期が属する単位期間の長さは、1ヵ月、3ヵ月、6ヶ月又は1年であり、電力需給のバランスを調整するために利用される単位期間の長さは、15分、30分又は1時間である。
図9は、データテーブル900の一例を概略的に示す。データテーブル900は、請求管理部640が管理するデータベースのデータ構造の一例であってよい。データテーブル900は、需給家施設が外部に電力を供給したことに伴う収入を示すデータテーブルの一例であってよい。データテーブル900は、例えば、格納部560に格納される。
本実施形態において、データテーブル900は、共同体ID922と、需給家ID924と、需給家施設が送配電網122に電力を供給した時期(送電時期と称される場合がある。)を示す情報930と、当該送電時期における送電量に関する情報940と、当該送電における需給家施設の収入に関する情報950とを対応付けて格納する。送電量に関する情報940は、送電期間における送電量の合計を示す情報942と、内訳に関する情報944とを含んでよい。内訳に関する情報944は、売電量を示す情報946と、ポイントに換算された電力量を示す情報948とを含んでよい。収入に関する情報950は、金額に関する情報952と、付与されたポイントの量に関する情報954とを含んでよい。
図10は、データテーブル1000の一例を概略的に示す。データテーブル1000は、請求管理部640が管理するデータベースのデータ構造の一例であってよい。データテーブル1000は、需給家施設が外部から電力を受領したことに伴う支出を示すデータテーブルの一例であってよい。データテーブル1000は、例えば、格納部560に格納される。
本実施形態において、データテーブル1000は、共同体ID1022と、需給家ID1024と、需給家施設が送配電網122から電力を受領した時期(受電時期と称される場合がある。)を示す情報1030と、当該受電時期における受電量に関する情報1040と、当該受電における需給家施設の支出に関する情報1050とを対応付けて格納する。受電量に関する情報1040は、受電期間における受電量の合計を示す情報1042と、内訳に関する情報1044とを含んでよい。内訳に関する情報1044は、買電量を示す情報1046と、ポイントに換算された電力量を示す情報1048とを含んでよい。支出に関する情報1050は、金額に関する情報1052と、消費されたポイントの量に関する情報1054とを含んでよい。
図11は、エネルギ管理システム100における情報処理の一例を概略的に示す。本実施形態において、共同体管理サーバ440は、共同体102の水素製造設備160から、水素製造履歴1102を取得する。水素製造履歴1102は、例えば、(i)水素製造設備160が所属する共同体を識別するための共同体IDと、(ii)水素製造設備160を識別するための設備IDと、(iii)時刻又は期間を示す情報と、(iv)上記の時刻又は期間において、水素製造設備160が水素を製造するために消費した電力量を示す情報と、(v)上記の時刻又は期間において、水素製造設備160が製造した水素量を示す情報とを含む。
本実施形態において、共同体管理サーバ440は、共同体102の水素製造設備160から、水素移送履歴(図示されていない。)を所得してもよい。水素移送履歴は、例えば、(i)水素を受領したユーザ又は構成員が所属する共同体を識別するための共同体IDと、(ii)当該ユーザ又は構成員を識別するための需給家IDと、(iii)水素の移送が実施された時期を示す情報と、(iv)水素の移送が実施された位置を示す情報と、(v)水素の移送に関する取引の内容を示す情報とを含む。
本実施形態において、共同体102の共同体管理サーバ440は、共同体102の任意の需給家施設に配されたコントローラ240から、送受電履歴1104を取得する。共同体102の各需給家施設は、当該需給家施設の充放電装置212と、特定のユーザ又は構成員の蓄電装置との間における電力の授受が検出された場合に、送受電履歴1104を送信してよい。共同体102の各需給家施設は、定期的に、送受電履歴1104を送信してもよい。
送受電履歴1104は、例えば、(i)蓄電装置を利用して送電又は受電を実施したユーザ又は構成員が所属する共同体を識別するための共同体IDと、(ii)当該ユーザ又は構成員を識別するための需給家IDと、(iii)送電又は受電が実施された時期を示す情報と、(iv)送電又は受電が実施された位置を示す情報と、(v)送電又は受電に関する取引の内容を示す情報とを含む。送受電履歴の詳細については、後述される他の例を参照されたい。
本実施形態において、共同体管理サーバ440は、共同体104の任意の需給家施設に配されたコントローラ240から、送受電履歴1104を取得してよい。共同体管理サーバ440は、広域管理サーバ180を介して、共同体104の任意の需給家施設に配されたコントローラ240からの送受電履歴1104を取得してもよい。
図12は、送受電履歴1204のデータ構造の一例を概略的に示す。図12は、送電履歴を示すデータ構造の一例であってよい。本実施形態において、送受電履歴1204は、共同体ID1222と、需給家ID1224と、送受電時期を示す情報1232と、送受電位置を示す情報1234と、取引内容を示す情報1240とを対応付けて格納する。取引内容を示す情報1240は、送電量を示す情報、受電側を指定するための情報、収入の種類を示すための情報などを含んでよい。
受電側を指定するための情報に、特定の施設又は設備の識別情報が記入されると、共同体管理サーバ440は、指定された施設又は設備の電力利用量から、取引内容を示す情報1240において特定される送電量を差し引くための処理を実行する。なお、受電側が指定されなかった場合、共同体管理サーバ440は、受電側として、共同体102が指定されたものとして処理してよい。収入の種類を示す情報は、電力の対価の種類を示す情報であってよい。
ユーザAは、共同体102の需給家施設112の所有者又は占有者であってよい。送受電履歴1204によれば、ユーザごとに電力取引の状況が記録される。これにより、共同体管理サーバ440は、ユーザごとに電力取引を集計することができる。
図13は、ポイント換算部654における情報処理の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、ポイント換算部654に送受電履歴1204が入力されると、ポイント換算部654は、取引履歴1304を出力する。取引履歴1304は、例えば、(i)送電したユーザ又は構成員が所属する共同体の共同体IDと、(ii)上記ユーザ又は構成員の需要家IDと、(iii)送電が実施された時期を示す情報と、(iv)送電量を示す情報とを含む。送電量を示す情報は、売電された電力量を示す情報と、ポイントに換算された電力量を示す情報とを含んでよい。
ポイント換算部654は、取引履歴1304を、請求管理部640に送信してよい。また、ポイント換算部654は、送電量のうち、ポイントに換算された電力量を、ポイント数に換算する。ポイント換算部654は、ポイント数を示す情報を、保有量管理部656に送信してよい。
図14は、ポイント換算部654における情報処理の一例を概略的に示す。図14は、水素製造設備160の電力利用量を精算する処理の一例を概略的に示す。図14を用いて、送受電履歴1204に示される取引が実行される直前の取引履歴1404から、送受電履歴1204に示される取引が実行された後の取引履歴1414が生成される処理の一例が説明される。取引履歴1404及び取引履歴1414は、水素製造設備160の電力利用量を示す情報の一例であってよい。ユーザXは、水素製造設備160の所有者、管理者又は運営者であってよい。
本実施形態によれば、ポイント換算部654には、送受電履歴1204と、直前の取引履歴1404とが入力される。ポイント換算部654は、送受電履歴1204及び取引履歴1404を解析して、取引履歴1414を出力する。
図14の例では、取引履歴1404によれば、水素製造設備160が10kWhの電力を買電していることがわかる。一方、送受電履歴1204によれば、共同体102のユーザAが共同体102の送配電網122に供給した電力が、共同体102の水素製造設備160に送電したものとみなされることがわかる。また、ユーザAから送配電網122への送電量が1[kWh]であることがわかる。
そこで、ポイント換算部654は、取引履歴1404により示される買電量から、送受電履歴1204に示される送電量を減算する。また、ポイント換算部654は、取引履歴1404により示されるポイントに換算された電力量に、送受電履歴1204に示される送電量を加算する。これにより、取引履歴1414が生成される。
図15は、送受電履歴1504のデータ構造の一例を概略的に示す。図15は、受電履歴を示すデータ構造の一例であってよい。送受電履歴1504は、共同体ID1522と、需給家ID1524と、送受電時期を示す情報1532と、送受電位置を示す情報1534と、取引内容を示す情報1540と対応付けて格納する。取引内容を示す情報1540は、送電量を示す情報、支出の種類を示すための情報などを含んでよい。支出の種類を示す情報は、電力の対価の種類を示す情報であってよい。
図16は、ポイント換算部654における情報処理の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、ポイント換算部654に送受電履歴1504が入力されると、ポイント換算部654は、取引履歴1604を出力する。取引履歴1604は、例えば、(i)受電したユーザ又は構成員が所属する共同体の共同体IDと、(ii)上記ユーザ又は構成員の需要家IDと、(iii)受電が実施された時期を示す情報と、(iv)受電量を示す情報とを含む。受電量を示す情報は、買電された電力量を示す情報と、ポイントに換算された電力量を示す情報とを含んでよい。
ポイント換算部654は、取引履歴1604を、請求管理部640に送信してよい。また、ポイント換算部654は、受電量のうち、ポイントに換算された電力量を、ポイント数に換算する。ポイント換算部654は、ポイント数を示す情報を、保有量管理部656に送信してよい。
図17は、充填履歴1704のデータ構造の一例を概略的に示す。本実施形態において、充填履歴1704は、共同体ID1722と、需給家ID1724と、水素の充填時期を示す情報1732と、水素の充填位置を示す情報1734と、取引内容を示す情報1740とを対応付けて格納する。取引内容を示す情報1740は、充填量を示す情報、支出の種類を示すための情報などを含んでよい。支出の種類を示す情報は、電力の対価の種類を示す情報であってよい。
図18は、ポイント換算部654における情報処理の一例を概略的に示す。本実施形態によれば、ポイント換算部654に充填履歴1704が入力されると、ポイント換算部654は、取引履歴1804を出力する。取引履歴1804は、例えば、(i)水素を受領したユーザ又は構成員が所属する共同体の共同体IDと、(ii)上記ユーザ又は構成員の需要家IDと、(iii)水素が移送された時期を示す情報と、(iv)水素の充填量を示す情報とを含む。充填量を示す情報は、購入された水素量を示す情報と、ポイントに換算された水素量を示す情報とを含んでよい。水素の充填量は、移送された水素量の一例であってよい。
図19は、水素製造設備160の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、水素製造設備160は、コネクタ1922と、電力変換装置1924と、蓄電装置1926とを備える。本実施形態において、水素製造設備160は、水素発生装置1942と、水素貯蔵タンク1944と、充填ノズル1946とを備える。また、水素製造設備160は、コントローラ1960を備える。
水素発生装置1942は、エネルギ源製造部、及び、エネルギ源製造装置の一例であっってよい。水素貯蔵タンク1944は、第1貯蔵容器の一例であってよい。
本実施形態において、コネクタ1922は、電気自動車22のコネクタ(図示されていない。)と電気的に接続される。これにより、電気自動車22の蓄電池92が、電力変換装置1924と電気的に接続される。同様に、コネクタ1922は、可搬型の蓄電池の入出力端子(図示されていない。)と電気的に接続される。これにより、可搬型の蓄電池が、電力変換装置1924と電気的に接続される。可搬型の蓄電池としては、動物又は移動体により運搬される蓄電池、動物に装着又は携帯される蓄電池、移動体に搭載される蓄電池、移動体に牽引される蓄電池などが例示される。可搬型の蓄電池は、携帯可能な蓄電池24であってよい。
蓄電池92は、蓄電装置の一例であってよい。可搬型の蓄電池は、蓄電装置の一例であってよい。
本実施形態において、電力変換装置1924は、コントローラ1960の制御により、直流を交流に変換したり、交流を直流に変換したりする。電力変換装置1924は、コントローラ1960の制御により、電気の品質を変換する。電気の品質としては、電圧、電圧変動、周波数、周波数変動、位相、位相変動などが例示される。
電力変換装置1924の入力端子(図示されていない。)は、コネクタ1922と電気的に接続される。電力変換装置1924の出力端子(図示されていない。)は、蓄電装置1926の入力端子(図示されていない。)と電気的に接続される。例えば、電力変換装置1924は、コネクタ1922から入力された電気の電圧を変換し、変換後の電気を蓄電装置1926に供給する。
本実施形態において、蓄電装置1926は、コネクタ1922に接続された蓄電池から供給された電気を蓄積する。蓄電装置1926は、送配電網122から供給された電気を蓄積してよい。蓄電装置1926は、水素発生装置1942に電力を供給する。
本実施形態において、水素発生装置1942は、送配電網122又は蓄電装置1926から供給された電力を利用して、水素を製造する。水素発生装置1942は、例えば、水を電気分解することで水素を製造する。水素発生装置1942は、低級アルコールから水素を取り出してもよい。水素発生装置1942は、製造された水素を水素貯蔵タンク1944に移送する。
本実施形態において、水素貯蔵タンク1944は、水素発生装置1942が製造した水素を貯蔵する。水素貯蔵タンク1944は、水素製造設備160の外部に水素を移送する。例えば、水素貯蔵タンク1944は、パイプライン(図示されていない。)を介して、共同体102の内部に配された燃料電池に水素を移送する。水素貯蔵タンク1944は、充填ノズル1946を介して、燃料電池車94に搭載された水素ボンベ96、又は、可搬型の水素ボンベに、水素を移送する。
可搬型の水素ボンベは、水素を貯蔵する。可搬型の水素ボンベは、動物又は移動体により運搬される。可搬型の水素ボンベは、動物に装着又は携帯されてもよく、移動体に搭載されてもよく、移動体に牽引されてもよい。
燃料電池車94は、移動体の一例であってよい。水素ボンベ96は、第2貯蔵容器の一例であってよい。可搬型の水素ボンベは、第2貯蔵容器の一例であってよい。
本実施形態において、コントローラ1960は、水素製造設備160の各部の動作を制御する。コントローラ1960は、共同体管理サーバ440の指示に従って、水素製造設備160の各部の動作を制御してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本願明細書には、例えば、下記の事項も開示されている。
[項目1]
発電設備及び蓄電設備の少なくとも一方を備えた電力需給家が外部に供給した電力量である外部供給電力量と相関する供給電力相関量を取得する供給情報取得部と、
上記電力需給家が外部から受領した電力量である外部受領電力量と相関する受領電力相関量を取得する受領情報取得部と、
上記電力需給家が使用、収益又は処分することのできる電力量と相関し、上記電力需給家が利用することのできる利用可能電力相関量を決定する利用可能量決定部と、
を備え、
上記利用可能量決定部は、(A)上記供給電力相関量と、(B)上記受領電力相関量と、(C)(i)上記電力需給家が電力を外部に供給した時点から、又は、(ii)上記供給電力相関量と上記受領電力相関量との差が予め定められた第1条件を満足した時点から、特定の時点までの期間である経過期間に関する情報と、に基づいて、上記特定の時点における上記利用可能電力相関量を決定する、
電力情報管理システム。
[項目2]
発電設備及び蓄電設備の少なくとも一方を備えた電力需給家が外部に供給した電力量である外部供給電力量と相関する供給電力相関量を取得する供給情報取得部と、
上記電力需給家が外部から受領した電力量である外部受領電力量と相関する受領電力相関量を取得する受領情報取得部と、
電力需給の状況に関する情報を取得する需給状況取得部と、
上記電力需給家が使用、収益又は処分することのできる電力量と相関し、上記電力需給家が利用することのできる利用可能電力相関量を決定する利用可能量決定部と、
を備え、
上記利用可能量決定部は、(A)上記供給電力相関量と、(B)上記受領電力相関量と、(F)上記需給状況取得部が取得した、特定の時点における電力需給の状況に関する上記情報とに基づいて、上記特定の時点における上記利用可能電力相関量を決定する、
電力情報管理システム。
[項目3]
発電設備及び蓄電設備の少なくとも一方を備えた電力需給家が外部に供給した電力量である外部供給電力量と相関する供給電力相関量を取得する供給情報取得部と、
上記電力需給家が外部から受領した電力量である外部受領電力量と相関する受領電力相関量を取得する受領情報取得部と、
電力需給の状況に関する情報を取得する需給状況取得部と、
上記電力需給家が使用、収益又は処分することのできる電力量と相関し、上記電力需給家が利用することのできる利用可能電力相関量を決定する利用可能量決定部と、
を備え、
上記利用可能量決定部は、(A)上記供給電力相関量と、(B)上記受領電力相関量と、(G)上記需給状況取得部が取得した、上記電力需給家が電力を外部に供給した時点における電力需給の状況に関する上記情報とに基づいて、上記利用可能電力相関量を決定する、
電力情報管理システム。
[項目4]
発電設備及び蓄電設備の少なくとも一方を備えた電力需給家が外部に供給した電力量である外部供給電力量と相関する供給電力相関量を取得する供給情報取得段階と、
上記電力需給家が外部から受領した電力量である外部受領電力量と相関する受領電力相関量を取得する受領情報取得段階と、
上記電力需給家が使用、収益又は処分することのできる電力量と相関し、上記電力需給家が利用することのできる利用可能電力相関量を決定する利用可能量決定段階と、
を有し、
上記利用可能量決定段階は、(A)上記供給電力相関量と、(B)上記受領電力相関量と、(C)(i)上記電力需給家が電力を外部に供給した時点から、又は、(ii)上記供給電力相関量と前上記受領電力相関量との差が予め定められた第1条件を満足した時点から、特定の時点までの期間である経過期間に関する情報と、に基づいて、上記特定の時点における上記利用可能電力相関量を決定する段階を含む、
電力情報の管理方法。
[項目5]
発電設備及び蓄電設備の少なくとも一方を備えた電力需給家が外部に供給した電力量である外部供給電力量と相関する供給電力相関量を取得する供給情報取得部と、
上記電力需給家が外部から受領した電力量である外部受領電力量と相関する受領電力相関量を取得する受領情報取得部と、
上記電力需給家が使用、収益又は処分することのできる電力量と相関し、上記電力需給家が利用することのできる利用可能電力相関量を決定する利用可能量決定部と、
を備え、
上記利用可能量決定部は、(A)上記供給電力相関量と、(B)上記受領電力相関量と、(C)(i)上記電力需給家が電力を外部に供給した時点から、又は、(ii)上記供給電力相関量と前上記受領電力相関量との差が予め定められた第1条件を満足した時点から、特定の時点までの期間である経過期間に関する情報と、に基づいて、上記特定の時点における上記利用可能電力相関量を決定する、
電力情報管理サーバ。
[項目6]
発電設備及び蓄電設備の少なくとも一方を備えた電力需給家において利用される通信端末であって、
上記電力需給家が外部に供給した電力量である外部供給電力量と相関する供給電力相関量を取得する供給情報取得部と、
上記電力需給家が外部から受領した電力量である外部受領電力量と相関する受領電力相関量を取得する受領情報取得部と、
上記電力需給家が使用、収益又は処分することのできる電力量と相関し、上記電力需給家が利用することのできる利用可能電力相関量を決定する利用可能量決定部と、
を備え、
上記利用可能量決定部は、(A)上記供給電力相関量と、(B)上記受領電力相関量と、(C)(i)上記電力需給家が電力を外部に供給した時点から、又は、(ii)上記供給電力相関量と上記受領電力相関量との差が予め定められた第1条件を満足した時点から、特定の時点までの期間である経過期間に関する情報と、に基づいて、上記特定の時点における上記利用可能電力相関量を決定する、
通信端末。