JP6740075B2 - 車両の架装設備制御システム及び車両の架装設備制御方法 - Google Patents

Description

本発明は、エンジンと、モータージェネレーターと、該モータージェネレーターに接続するバッテリーと、前記エンジンの動力及び前記モータージェネレーターの動力のいずれか一方の動力を動力伝達機構を介して伝達し、この伝達した動力で架装設備を駆動する駆動装置と、制御装置と、を備えた車両の架装設備制御システム及び車両の架装設備制御方法に関する。

近年、燃費向上及び環境対策などの観点から、車両の運転状態に応じて複合的に制御されるエンジン及びモータージェネレーターを有するハイブリッドシステムを備えたハイブリッド車両（以下「ＨＥＶ」という。）が注目されている。このＨＥＶにおいては、車両の加速時や発進時には、モータージェネレーターによる駆動力のアシストが行われる一方で、慣性走行時や始動時にはモータージェネレーターによる回生発電が行われる（例えば、特許文献１を参照）。

一方、ＨＥＶに限らず、ディーゼルエンジン等のエンジン（内燃機関）が搭載される車両のなかには、車両の停車中に駆動する架装設備（例えば、塵芥車両の場合はパッカー装置）を備える車両がある。この架装設備を備えた車両において、従来技術では、図２に示すように、車両の停車中で、かつ、運転者により架装設備の駆動要求信号が入力された場合には、エンジン１０の動力を、トランスミッション２０に接続するＰＴＯ軸１１６を介して、このＰＴＯ軸１１６の他端側に接続され、架装設備１１５を駆動する駆動装置１１０に伝達して、この伝達された動力により駆動装置１１０を駆動して、架装設備１１５を駆動していた。

しかしながら、従来技術では、車両の停車中における架装設備１１５の駆動をエンジン１０の動力のみで行っているため、エンジン１０への負荷が大きくなるとともに、架装設備１１５の駆動時に常時エンジン騒音が発生することとなり、特に、閑静な市街地内では騒音問題に発展する虞もあった。

また、これに関連して、車両を走行させるためのエンジンと、ＰＴＯ装置を介して伝達されるエンジンの動力及び／又は電動モーターの動力によって駆動する油圧ポンプとを備えた電動作業車両が提案されている（例えば、特許文献２参照）。

しかしながら、この電動作業車両では、エンジンをトランスミッション、ＰＴＯ装置を介して油圧ポンプに接続するとともに、ＰＴＯ装置と油圧ポンプの間に電動モーターを備える構成であり、エンジンの動力を油圧ポンプに供給するときに、電動モーターが抵抗負荷となって、エンジン負荷が無駄に上昇するという問題がある。

特開２００２−２３８１０５号公報 特開２０１４−９７８８２号公報

本発明の目的は、車両の停車中における架装設備の駆動に必要なエンジン負荷を軽減することができ、エンジン騒音を軽減することができる車両の架装設備制御システム及び車両の架装設備制御方法を提供することにある。

上記の目的を達成する本発明の車両の架装設備制御システムは、エンジンと、該エンジンの動力を動力伝達機構を介して伝達し、この伝達した動力で架装設備を駆動する駆動装置と、制御装置と、を備えた車両の架装設備制御システムにおいて、モータージェネレーターと、該モータージェネレーターに接続するバッテリーとを備え、前記動力伝達機構は、前記エンジンの回転動力を変速するトランスミッション、前記モータージェネレーター、および、前記駆動装置のそれぞれに動力伝達可能に接続され、前記制御装置は、前記車両の停車中で、かつ、前記架装設備の駆動要求信号が入力された場合に、前記バッテリーの充電量が予め設定された第１の設定量を超えているときに、前記エンジンを停止するとともに前記モータージェネレーターを駆動して、前記動力伝達機構により前記モータージェネレーターの動力を前記駆動装置に伝達して前記架装設備を駆動し、前記充電量が前記第１の設定量以下のときに、前記エンジンを駆動するとともに前記モータージェネレーターを発電可能にして、前記動力伝達機構により前記エンジンの動力を前記モータージェネレーター及び前記駆動装置の両方に伝達して前記モータージェネレーターの発電により前記バッテリーを充電するとともに前記架装設備を駆動する構成である。

また、上記の目的を達成する本発明の車両の架装設備制御方法は、エンジンの動力を動力伝達機構を介して伝達し、この伝達した動力で駆動する駆動装置により架装設備を駆動する車両の架装設備制御方法において、前記車両の停車中で、かつ、前記架装設備の駆動要求信号が入力された場合に、モータージェネレーターに接続されたバッテリーの充電量を取得し、前記充電量が予め設定された第１の設定量を超えているときに、前記エンジンを停止するとともに前記モータージェネレーターを駆動して、前記エンジンの回転動力を変速するトランスミッション、前記モータージェネレーター、および、前記駆動装置のそれぞれに動力伝達可能に接続された動力伝達機構により前記モータージェネレーターの動力を前記駆動装置に伝達して前記架装設備を駆動し、前記充電量が前記第１の設定量以下のときに、前記エンジンを駆動するとともに前記モータージェネレーターを発電可能にして、前記動力伝達機構により前記エンジンの動力を前記モータージェネレーター及び前記駆動装置の両方に伝達して前記モータージェネレーターの発電により前記バッテリーを充電するとともに前記架装設備を駆動することを特徴とする方法である。

また、このモータジェネレータは、ＨＥＶ用モータ、すなわち、回生発電や走行アシストとして機能させても良い。

本発明の車両の架装設備制御システム及び車両の架装設備制御方法によれば、車両の停車中における架装設備の駆動を、エンジンの動力、または、モータージェネレーターの動力のいずれか一方の動力により行うことができ、エンジンを常時駆動する必要がなくなるので、車両の停車中における架装設備の駆動に必要なエンジン負荷を軽減することができ、エンジン騒音を軽減することができる。

また、エンジンから駆動装置への動力供給経路と、モータージェネレーターから駆動装置への動力供給経路を、動力伝達機構により別々に構成したので、モータージェネレーターの配設位置に伴って、エンジン負荷が無駄に上昇することもない。

また、バッテリーの充電量に応じて、エンジンの動力、または、モータージェネレーターの動力のいずれか一方を、車両の停車中における架装設備の駆動源とするので、架装設備の動作性能に支障をきたすことなく、エンジン負荷及びエンジン騒音を軽減することができる。

また、バッテリーの充電量が少ないときに、エンジンの動力により、架装設備を駆動させながら、モータージェネレーターを発電させて、この発電電力量をバッテリーに充電するので、早期にバッテリーの充電を完了させることができ、モータージェネレーターの動力による架装設備の駆動の機会を増加させることができる。

本発明の実施形態からなる車両の架装設備制御システムを備えた車両の構成図である。 従来技術の車両の架装設備制御システムを備えた車両の構成図である。

以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図１は、本発明の実施形態からなる車両の架装設備制御システムを備えた車両を示す。

この車両が備えるディーゼルエンジン１０においては、エンジン本体１１に形成された複数（この例では４個）の気筒１２内における燃料の燃焼により発生した熱エネルギーにより、クランクシャフト１３が回転駆動される。このクランクシャフト１３の回転動力は、クランクシャフト１３の一端部に接続する湿式多板クラッチ１４を通じてトランスミッション２０に伝達される。

トランスミッション２０には、複数の変速ギヤ段（図示しない）が備えられており、車両の走行状態に応じて変速ギヤ段を設定することにより、エンジン１０の回転動力を変速している。

トランスミッション２０で変速された回転動力は、プロペラシャフト２２を通じてデファレンシャル２３に伝達され、一対の駆動輪２４にそれぞれ駆動力として分配される。

本発明の車両の架装設備制御システムは、エンジン１０と、このエンジン１０の動力を動力伝達機構（ギヤ式、ベルト式、チェーン式等）１１４を介して伝達し、この伝達した動力で架装設備（塵芥車両のパッカー装置等）１１５を駆動する油圧ポンプ（駆動装置）１１０と、制御装置８０と、を備えたシステムである。

そして、本発明の車両の架装設備制御システムでは、架装設備１１５の駆動用のモータージェネレーター（以下、モータージェネレーターと称す）１１１と、このモータージェネレーター１１１に接続するバッテリー１１３とを備えるとともに、エンジン１０の動力及びモータージェネレーター１１１の動力のいずれか一方の動力を動力伝達機構１１４を介して油圧ポンプ１１０に伝達するように、モータージェネレーター１１１を動力伝達機構１１４に接続して構成する。

また、制御装置８０が、車両の停車中で、かつ、運転者により架装設備１１５の駆動要求信号が入力された場合（運転者が車両の運転席等に設けた架装設備の駆動用スイッチを操作した場合等）に、バッテリー１１３の充電量に基づいて、エンジン１０の動力及びモータージェネレーター１１１の動力のいずれか一方の動力を動力伝達機構１１４を介して油圧ポンプ１１０に伝達するように構成する。この伝達した動力により油圧ポンプ１１０を駆動して、架装設備１１５を駆動させる。

より詳細には、制御装置８０が、バッテリー１１３の充電量Ｂが実験等により予め設定される第１の設定量以下であるときには、モータージェネレーター１１１の動力のみでは架装設備１１５を駆動できないと判定して、エンジン１０を駆動して、エンジン１０の動力をトランスミッション２０、ＰＴＯ軸１１６、第１クラッチ１１７、動力伝達機構１１４、第２クラッチ１１８を介して、第１クラッチ１１７及び第２クラッチ１１８を接状態として、油圧ポンプ１１０に伝達して、架装設備１１５を駆動させる。このとき、エンジン１０の動力を動力伝達機構１１４を介してモータージェネレーター１１１に伝達して、この伝達された動力によりモータージェネレーター１１１を発電させることで、この発電電力量をバッテリー１１３に充電する。

一方、制御装置８０が、バッテリー１１３の充電量Ｂが第１の設定量を超えているときには、モータージェネレーター１１１の動力のみで架装設備１１５を駆動できると判定して、エンジン１０を停止して、モータージェネレーター１１１の動力を動力伝達機構１１４、第２クラッチ１１８を介して、第２クラッチ１１８を接状態として、油圧ポンプ１１０に伝達して、架装設備１１５を駆動させる。

また、この車両では、上記の車両の停車中だけでなく、車両の走行中にも、モータージェネレーター１１１を発電させることで、バッテリー１１３を充電している。より詳細には、制御装置８０が、エンジン１０の動力により車両を走行させるときで、バッテリー１１３の充電量が実験等により予め設定される第２の設定量以下であるときには、このエンジン１０の動力の一部をトランスミッション２０、ＰＴＯ軸１１６、第１クラッチ１１７、動力伝達機構１１４を介して、第１クラッチ１１７を接状態として、モータージェネレーター１１１に伝達して、モータージェネレーター１１１を発電させることで、バッテリー１１３を充電する。

一方、制御装置８０が、車両を慣性走行させるときで、バッテリー１１３の充電量が第２の設定量以下であるときには、駆動輪２４の回生動力の一部をトランスミッション２０、ＰＴＯ軸１１６、第１クラッチ１１７、動力伝達機構１１４を介して、第１クラッチ１１７を接状態として、モータージェネレーター１１１に伝達して、モータージェネレーター１１１を発電させることで、バッテリー１１３を充電する。なお、バッテリー１１３の充電量について、第１の設定量と第２の設定量は同じ値に設定してもよいし、異なる値に設定してもよい。

以上より、上記の車両の架装設備制御システムを基にした、本発明の車両の架装設備制御方法は、エンジン１０と、このエンジン１０の動力を動力伝達機構１１４を介して伝達し、この伝達した動力で架装設備１１５を駆動する駆動装置１１０と、を備え、さらに、モータージェネレーター１１１と、このモータージェネレーター１１１に接続するバッテリー１１３とを備えた車両の架装設備制御方法において、エンジン１０の動力及びモータージェネレーター１１１の動力のいずれか一方の動力を動力伝達機構１１４を介して駆動装置１１０に伝達するように、モータージェネレーター１１１を動力伝達機構１１４に接続するとともに、車両の停車中で、かつ、架装設備１１５の駆動要求信号が入力された場合に、バッテリー１１３の充電量に基づいて、エンジン１０の動力及びモータージェネレーター１１１の動力のいずれか一方の動力を動力伝達機構１１４を介して駆動装置１１０に伝達することを特徴とする方法である。

また、車両の停車中で、かつ、架装設備１１５の駆動要求信号が入力された場合に、バッテリー１１３の充電量Ｂが第１の設定量以下であるときには、エンジン１０の動力を動力伝達機構１１４を介して駆動装置１１０及びモータージェネレーター１１１に伝達することを特徴とする方法である。

本発明の車両の架装設備制御システム及び車両の架装設備制御方法によれば、車両の停車中における架装設備１１５の駆動を、エンジン１０の動力、または、モータージェネレーター１１１の動力のいずれか一方の動力により行うことができ、エンジン１０を常時駆動する必要がなくなるので、車両の停車中における架装設備１１５の駆動に必要なエンジン負荷を軽減することができ、エンジン騒音を軽減することができる。

また、エンジン１０から駆動装置１１０への動力供給経路と、モータージェネレーター１１１から駆動装置１１０への動力供給経路を、動力伝達機構１１４により別々に構成したので、モータージェネレーター１１１の配設位置に伴って、エンジン負荷が無駄に上昇することもない。

また、バッテリー１１３の充電量に応じて、エンジン１０の動力、または、モータージェネレーター１１１の動力のいずれか一方を、車両の停車中における架装設備１１５の駆動源とするので、架装設備１１５の動作性能に支障をきたすことなく、エンジン負荷及びエンジン騒音を軽減することができる。

また、バッテリー１１３の充電量が少ないときに、エンジン１０の動力により、架装設備１１５を駆動させながら、モータージェネレーター１１１を発電させて、この発電電力量をバッテリー１１３に充電するので、早期にバッテリー１１３の充電を完了させることができ、モータージェネレーター１１１の動力による架装設備１１５の駆動の機会を増加させることができる。

１０ ディーゼルエンジン（エンジン）
８０ 制御装置
１１０ 油圧ポンプ（駆動装置）
１１１ 架装設備駆動用のモータージェネレーター
１１２ インバーター
１１３ バッテリー
１１４ 動力伝達機構
１１５ 架装設備
１１６ ＰＴＯ軸
１１７ 第１クラッチ
１１８ 第２クラッチ

Claims (4)

1. エンジンと、該エンジンの動力を動力伝達機構を介して伝達し、この伝達した動力で架装設備を駆動する駆動装置と、制御装置と、を備えた車両の架装設備制御システムにおいて、
   モータージェネレーターと、該モータージェネレーターに接続するバッテリーとを備え、
   前記動力伝達機構は、前記エンジンの回転動力を変速するトランスミッション、前記モータージェネレーター、および、前記駆動装置のそれぞれに動力伝達可能に接続され、
   前記制御装置は、前記車両の停車中で、かつ、前記架装設備の駆動要求信号が入力された場合に、前記バッテリーの充電量が予め設定された第１の設定量を超えているときに、前記エンジンを停止するとともに前記モータージェネレーターを駆動して、前記動力伝達機構により前記モータージェネレーターの動力を前記駆動装置に伝達して前記架装設備を駆動し、前記充電量が前記第１の設定量以下のときに、前記エンジンを駆動するとともに前記モータージェネレーターを発電可能にして、前記動力伝達機構により前記エンジンの動力を前記モータージェネレーター及び前記駆動装置の両方に伝達して前記モータージェネレーターの発電により前記バッテリーを充電するとともに前記架装設備を駆動する構成である車両の架装設備制御システム。
2. 前記動力伝達機構は、複数のギヤが噛み合って構成されるギヤ式の機構、複数のプーリーに無端状のベルトが巻き回されて構成されるベルト式の機構、または、複数のスプロケットに無端状のチェーンが巻き回されて構成されるチェーン式の機構のいずれかで構成される請求項１に記載の車両の架装設備制御システム。
3. 前記動力伝達機構は、前記トランスミッションに第１クラッチを介して接続され、前記モータージェネレーターに第２クラッチを介して接続される請求項１または２に記載の車両の架装設備制御システム。
4. エンジンの動力を動力伝達機構を介して伝達し、この伝達した動力で駆動する駆動装置により架装設備を駆動する車両の架装設備制御方法において、
   前記車両の停車中で、かつ、前記架装設備の駆動要求信号が入力された場合に、モータージェネレーターに接続されたバッテリーの充電量を取得し、
   前記充電量が予め設定された第１の設定量を超えているときに、前記エンジンを停止するとともに前記モータージェネレーターを駆動して、前記エンジンの回転動力を変速するトランスミッション、前記モータージェネレーター、および、前記駆動装置のそれぞれに動力伝達可能に接続された動力伝達機構により前記モータージェネレーターの動力を前記駆動装置に伝達して前記架装設備を駆動し、
   前記充電量が前記第１の設定量以下のときに、前記エンジンを駆動するとともに前記モータージェネレーターを発電可能にして、前記動力伝達機構により前記エンジンの動力を前記モータージェネレーター及び前記駆動装置の両方に伝達して前記モータージェネレーターの発電により前記バッテリーを充電するとともに前記架装設備を駆動する車両の架装設備制御方法。

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