JP6739767B2 - タンパク質シート及びタンパク質シートの製造方法 - Google Patents
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非特許文献1に示されるように、これまでに、ゼラチン、トウモロコシタンパク質、小麦タンパク質(グルテン)、大豆タンパク質などのタンパク質のフィルム(シート)が開発されている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、曲げ強さ、及び伸展性に優れるタンパク質シートの提供、および該タンパク質シートの製造方法の提供を課題とする。
すなわち、本発明は、下記の特徴を有するタンパク質シート及びタンパク質シートの製造方法を提供するものである。
前記熱凝固性タンパク質が、卵白タンパク質及び乳清タンパク質からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、
前記熱凝固性タンパク質と、前記カゼイン若しくはカゼインの塩との質量比(熱凝固性タンパク質/カゼイン若しくはカゼインの塩)が0.1〜10の範囲であり、
前記タンパク質シートの総質量に対する、水分含有量が30質量%以下であることを特徴とするタンパク質シート。
(2)更に多価アルコールを含有する前記(1)に記載のタンパク質シート。
(3)前記多価アルコールの含有率が30質量%以下である前記(2)に記載のタンパク質シート。
(4)前記多価アルコールが、グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール及びソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも一種である前記(2)又は(3)に記載のタンパク質シート。
(5)前記熱凝固性タンパク質の含有率が10質量%以上である前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のタンパク質シート。
(6)前記熱凝固性タンパク質のアルブミン又はグロブリンの含有率が30質量%以上である前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のタンパク質シート。
(7)前記カゼイン若しくはカゼインの塩が、α−カゼインのナトリウム塩である前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載のタンパク質シート。
(8)厚みが1〜3000μmの範囲である前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載のタンパク質シート。
(9)熱凝固性タンパク質、カゼイン若しくはカゼインの塩、及び溶媒を含有する試料液をシート状に広げる工程と、前記溶媒を取り除くことによりシート化させる工程と、を有し、
前記熱凝固性タンパク質が、卵白タンパク質及び乳清タンパク質からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載のタンパク質シートの製造方法。
(10)前記試料液が、更に多価アルコールを含有する前記(9)に記載のタンパク質シートの製造方法。
(11)前記試料液をシート状に広げる工程が、前記試料液をシート状にゲル化させる工程を含む前記(9)又は(10)に記載のタンパク質シートの製造方法。
(12)前記ゲル化させる工程が、前記試料液を加熱処理する工程を含むものである、前記(9)〜(11)のいずれか一つに記載のタンパク質シートの製造方法。
(13)前記溶媒が、アルコール含有割合30体積%〜60体積%のアルコール水溶液である、前記(9)〜(12)のいずれか一つに記載のタンパク質シートの製造方法。
本発明のタンパク質シートは、熱凝固性タンパク質、及びカゼイン若しくはカゼインの塩を含有し、水分含有量が30質量%以下である。
従来、カゼイン若しくはカゼインの塩は、乳化剤や糊剤として食品に添加されてきた。しかし、後述する実施例に示すように、発明者らは、タンパク質シートの原料として、熱凝固性タンパク質とともにカゼインナトリウムを配合することで、曲げ強さ及び伸展性(体感的には柔軟性)並びに透明度に優れるタンパク質シートが得られることを見出した。これは、従来のカゼイン若しくはカゼインの塩の使用法を考慮しても意外な結果であり、また、カゼインナトリウムの配合により、タンパク質シートの特性を格段に向上させることができる。
タンパク質シートの原料として、熱凝固性タンパク質とともにカゼイン若しくはカゼインの塩を配合することで、製造されるタンパク質シートの柔軟性が向上するメカニズムは定かではないが、後述する実施例において示すように、熱凝固性タンパク質とともにカゼインナトリウムを配合したタンパク質シートでは、カゼインナトリウムを配合していないタンパク質シートに比べて、シート中のタンパク質二次構造のαへリックス割合が向上していた。したがって、カゼイン若しくはカゼインの塩は、タンパク質シートを構成する熱凝固性タンパク質の二次構造に影響を与え、タンパク質シートの特性の変化をもたらすものと考えられる。
カゼイン若しくはカゼインの塩は、ウシ、ヤギ、ヒツジなどの動物の乳から得られたものを使用することができる。例えば、脱脂乳からカゼインカード分離し、中和、乾燥させて得られたものを使用することができる。カゼイン若しくはカゼインの塩は、市販のものを使用することができる。
本発明では、タンパク質シートにおいて、多価アルコールに加えて更にカゼイン若しくはカゼインの塩を含有させることで、多価アルコールの含有割合を減らし、タンパク質シートの水蒸気バリヤー性を向上させることが可能となる。
すなわち、本発明のタンパク質シートにおいて、前記多価アルコールの含有率が1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上23質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。
すなわち、本発明のタンパク質シートにおいて、前記多価アルコールの含有率が0質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上5質量%未満であることが好ましい。また本発明のタンパク質シートは多価アルコールが実質的に含有されていないものが好ましい。実質的に含有されていないとは、多価アルコールの存在に起因する作用が検出できない程度であればよい。
本発明のタンパク質シートの厚みは、1〜3000μmの範囲であることが好ましく、10〜1000μmの範囲であることがより好ましく、50〜350μmの範囲であることがさらに好ましく、50〜250μmの範囲であることがさらに好ましい。
タンパク質シートの厚みは、無作為に選出した3か所以上の厚みを測定して得られた平均値として算出することができ、無作為に選出した10か所以上の厚みを測定して得られた平均値として算出することが好ましい。
本発明のタンパク質シートの製造方法は、熱凝固性タンパク質、カゼイン若しくはカゼインの塩、及び溶媒を含有する試料液をシート状に広げる工程と、前記溶媒を取り除くことによりシート化させる工程と、を有する。
以下、本発明のタンパク質シートを製造可能な、本実施形態のタンパク質シートの製造方法について説明する。
前記試料液をシート状に広げる工程は、前記試料液をシート状にゲル化させる工程を含んでもよい。試料液をシート状にゲル化させる工程は、タンパク質シートの前段階として、試料液(ゾル)をシート状にゲル化させる工程である。
溶媒としては、水、アルコール水溶液等が挙げられる。
以下、溶媒として水を用い、前記試料液をシート状に広げる工程が、前記試料液をシート状にゲル化させる工程を含む場合について説明する。
実施形態のタンパク質シートの製造方法は、熱凝固性タンパク質、カゼイン若しくはカゼインの塩、及び水を含有する試料液をシート状に広げる工程と、前記水分を取り除くことによりシート化させる工程と、を有する。本実施形態において、試料液は更に多価アルコールを含有する。
前記ゲル化させる工程の一例として、試料液(ゾル)を、任意の鋳型に流し込み、その後、鋳型ごと試料液を加熱処理し、シート状に成形することができる。試料液を加熱処理することで、熱凝固性タンパク質が変性され凝固する。加熱処理の温度は、加熱対象の熱凝固性タンパク質の種類や変性温度に応じて適宜定めればよいが、60〜100℃の温度で加熱処理することが挙げられる。加熱時間は、加熱対象の熱凝固性タンパク質の種類に応じて適宜定めればよいが、一例として、0.5時間程度である。
又は、加熱処理後の試料液を、任意の鋳型に流し込み、シート状に成形して、シート状のゲル化物を得ることができる。或いは、前記加熱処理後の試料液が適度な粘性を有する場合、適当な板の上などに液を流すことで、自然とシート状となるので、このようにしてシート状のゲル化物としてもよい。
このように、試料液を型などに流してからゲル化させシート状にしてもよいし、一部ゲル化が進んだ試料液をシート状にしてもよい。
ゲル化物から水分を除去する方法は、特に制限されないが、熱プレス、溶液キャスト、自然乾燥、温風による加熱乾燥などにより行うことができる。
以下、溶媒としてアルコール水溶液を用いる場合について説明する。第2実施形態のタンパク質シートの製造方法は、上記第1実施形態のタンパク質シートの製造方法において、溶媒として水に代えてアルコール水溶液を用い、また前記シート状に広げる工程が、前記試料液を加熱処理する工程を含まないものである。上記第1実施形態と共通の内容について、説明を省略する。
実施形態のタンパク質シートの製造方法は、熱凝固性タンパク質、カゼイン若しくはカゼインの塩、及びアルコール水溶液を含有する試料液をシート状に広げる工程と、前記アルコール水溶液を取り除くことによりシート化させる工程と、を有する。
シート状に広げられた試料液からアルコール水溶液を除去する方法は、特に制限されないが、熱プレス、溶液キャスト、自然乾燥、温風による加熱乾燥などにより行うことができる。
(実施例1〜19、比較例1〜2)
以下の原料を、表1に示す終濃度となるよう調合して原材料を混合し、試料液を得た。
・乾燥卵白(キューピー社製、Kタイプ)
・大豆タンパク質(不二製油社製、フジプロE)
・乳清タンパク質(NZMP社製、ALACEN 895)
・カゼインナトリウム(NZMP社製、ALANATE 180)
・プロピレングリコール(PG)(和光純薬社製、食品添加物 166-07256)
・ソルビトール(和光純薬社製、和光一級 194-03752)
・グリセリン(和光純薬社製、試薬特級075-00616)
・アジ化ナトリウム(和光純薬社製、試薬特級197-11091)
・エタノール(和光純薬社製、試薬特級 057-00451)
・蒸留水
1−1.溶媒として蒸留水を使用した場合(実施例1〜6、実施例8〜12、比較例1、2)
次いで、得られた各試料液を、水流ポンプに接続したデシケーターを用いて30分間脱気し、試料液中の気泡を除去した。
脱気後の試料液6mlを、カップケーキ用容器型(紙製、直径6cmの円形)内に流し込み、型の上部をアルミホイルで軽くカバーした。その後、型に入った試料液を95℃で30分加熱した後、氷水により30分間冷却し試料液をゲル化させ、さらに室温で1時間放置し、シート状のゲル化物を得た。紙製カップの底(ゲルを含む)のみを残し鋏でカットしまわりを捨て、底の部分のゲル面をクリアーファイルに接触させ、反対側をキッチンペーパーに接触させた。脱水後のゲル化物が平らになるよう適度に重しをして(圧をかけて)、室温(約25℃)、相対湿度約50%の条件下で、時々水分を吸ったキッチンペーパーを交換しながら、2週間静置し、ゲルから水分を蒸発させ、各タンパク質シートを得た。
得られたタンパク質シートについて、常圧加熱乾燥法によりタンパク質シートの水分含量を定量し、各タンパク質シートの組成を求めた。得られた各タンパク質シートにおける原材料の配合割合を表2に示す。
次いで、得られた試料液を、水流ポンプに接続したデシケーターを用いて5分間脱気し、試料液中の気泡を除去した。
脱気後の試料液3.5mlを、カップケーキ用容器型(ステンレス製、直径6cmの円形)内に流し込み、型の上部をヒートシールでシールし、注射針の先端を用いて小孔(100個程度)を開けた。その後、ウェットキャビネット中にて23℃、相対湿度40〜44%の条件下で3日間保存した。得られたタンパク質シートについて、常圧加熱乾燥法によりタンパク質シートの水分含量を定量した。得られた各タンパク質シートにおける原材料の配合割合を表2に示す。
次いで、得られた試料液を、水流ポンプに接続したデシケーターを用いて30分間脱気し、試料液中の気泡を除去した。
脱気後の試料液6mlを、カップケーキ用容器型(紙製、直径6cmの円形)内に流し込み、型の上部をアルミホイルで軽くカバーした。その後、型に入った試料液を95℃で30分加熱した後、氷水により30分間冷却し試料液をゲル化させ、さらに室温で1時間放置し、シート状のゲル化物を得た。紙製カップの底(ゲルを含む)のみを残し鋏でカットしまわりを捨て、底の部分のゲル面をクリアーファイルに接触させ、反対側をキッチンペーパーに接触させた。脱水後のゲル化物が平らになるよう適度に重しをして(圧をかけて)、25℃、相対湿度50%の条件下で、時々水分を吸ったキッチンペーパーを交換しながら、2週間静置し、ゲルから水分を蒸発させ、実施例1のタンパク質シートを得た。
また、試料溶液を底をポリ塩化ビニリデン(サランラップ(登録商標))フィルムでシールしたステンレス製カップケーキ用容器(直径6cm)を用いて加熱処理後、得られたシート状のゲル化物を容器内に入れたまま上部をヒートシールでシールし、注射針の先端を用いて小孔(100個程度)を開け、ウェットキャビネット中にて23℃、相対湿度40〜44%の条件下でおよそ24時間保存することによりフィルム状シートを得ることができた(この場合はアジ化ナトリウム不要)。
次いで、得られた試料液を、水流ポンプに接続したデシケーターを用いて5分間脱気し、試料液中の気泡を除去した。
脱気後の試料液3.5mlを、カップケーキ用容器型(ステンレス製、直径6cmの円形)内に流し込み、型の上部をヒートシールでシールし、注射針の先端を用いて小孔(100個程度)を開けた。その後、ウェットキャビネット中にて23℃、相対湿度40〜44%の条件下で3日間保存した。
1.シート外観
図1は、実施例4のタンパク質シートの外観を写した写真である。
図2は、(a)実施例3及び(b)比較例3のタンパク質シートの外観を写した写真である。実施例3のタンパク質シートが高い透明度を有することが分かる。
また、図9〜図14に各実施例のタンパク質シートの外観を映した写真を示す。いずれのタンパク質シートも良好に成形された。
得られたタンパク質シートをSEMにより観察した。実施例2のタンパク質シートを撮影して得られた画像を図3に示す。図3の画像から、乾燥卵白にカゼインナトリウムを共存させることにより、実施例2のタンパク質シートが、シートを構成するネットワークの骨格が太くなり、厚みのある凹凸の多いシートとなっていることが示唆される。比較例2のタンパク質シートを撮影して得られた画像を図4に示す。図4の画像では、乾燥卵白単独タンパク質によるきれいな方向性のある比較的細い繊維状構造が観察された。実施例2及び実施例3のタンパク質シートを撮影して得られた画像を図5に示す。図5の画像では、実施例2及び実施例3のタンパク質シートについて、互いに同様の微細構造が観察された。
実施例1〜5及び比較例1〜2のタンパク質シートについて、曲げ強さ及び伸展性を下記の方法により測定した。上下一組のV字型冶具(上部1つ、下部2つ、図6を参照)を粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製、動的粘弾性測定装置RFS−III)の上下のプレートに固定した。図7に治具の形状を示す(先端部のみ図示)。
得られた結果を表3に示す。
比較例2と実施例1〜5との対比によれば、乾燥卵白及びカゼインナトリウムを含有するタンパク質シートがシート成形性に優れることが理解される。
比較例1と実施例1〜5との対比によれば、乾燥卵白及びカゼインナトリウムを含有するタンパク質シートが、曲げ強さに優れることが分かる。
また、実施例4と実施例5との対比によれば、カゼインナトリウムの添加量の多いほうが、タンパク質シートの曲げ強さ及び伸展性が向上することが分かる。
実施例1〜19、比較例1〜2のタンパク質シートについて、官能評価により、強度及び伸展性評価した。評価結果を表2に示す。
実施例のタンパクシートは、比較例のタンパク質シートに比べ、強度及び進展性を兼ね備えていた。
また、溶媒に蒸留水を使用した実施例1〜6及び実施例8〜12の方が、溶媒に50体積%EtOHを使用した実施例13〜19よりも、官能評価が良好となる傾向が得られた。これは、実施例1〜6及び実施例8〜12では、試料液を加熱し、試料液をゲル化させているため、得られたタンパク質シートの強度が、より高められたものと考えられる。
また、グリセリンの添加が、タンパク質シートの伸展性を向上させることが分かる。
一方、タンパク質として乳ホエーを使用した場合、グリセリンが無添加であっても良好な強度及び進展性が得られることが分かった。
プロピレングリコールとグリセロールとでは、プロピレングリコールを含むタンパク質シートのほうが、感覚強度が大きくなる傾向があった。
アミドI領域のスペクトル解析から、実施例2、比較例1、及び比較例2のタンパク質シート中のタンパク質の二次構造の解析を行った。Universal Attenuated Total Reflection (UATR)により、PerkinElmer(Spectrum Two)FT-IR装置を用い、FT−IRの測定を行った。スペクトルの測定は4000〜450cm−1、解像度は4cm−1とした。
得られた解析結果により、カゼインナトリウム添加の混合系(実施例2)では乾燥卵白単独系(比較例2)に比べαヘリックス(1652カイザー)含量が高いことがわかった。βシート(1618〜1619カイザー)は混合系と乾燥卵白単独系同程度であった。一方、カゼインナトリウム単独系(比較例1)は規則構造をほとんど持っていなかった。
上記4−1と同様にして、実施例11、及び実施例15のタンパク質シート中のタンパク質の二次構造の解析を行った。
透気度測定装置(テスター産業(株)PA-301 ガーレー式デンソメーターB型)を使用し、ガスケットと締付板の間に直径4.5cmの円形、厚さ約100〜200μの試料片を挟み、一定(100 mL)の容量の空気が透過するのに要した時間を、ストップウオッチを用いて測定した。結果を表4に示す。実施例1、実施例2のタンパク質シートが優れた透気バリヤー性を有することが分かる。特に、実施例2のタンパク質シートに対する測定では、測定開始後15分間経過しても、透気度測定装置の内筒が動かず測定を中止するほど、透気に対するバリヤー性が優れていた。
Claims (13)
- 熱凝固性タンパク質、及びカゼイン若しくはカゼインの塩を含有するタンパク質シートであって、
前記熱凝固性タンパク質が、卵白タンパク質及び乳清タンパク質からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、
前記熱凝固性タンパク質と、前記カゼイン若しくはカゼインの塩との質量比(熱凝固性タンパク質/カゼイン若しくはカゼインの塩)が0.1〜10の範囲であり、
前記タンパク質シートの総質量に対する、水分含有量が30質量%以下であることを特徴とするタンパク質シート。 - 更に多価アルコールを含有する請求項1に記載のタンパク質シート。
- 前記多価アルコールの含有率が30質量%以下である請求項2に記載のタンパク質シート。
- 前記多価アルコールが、グリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール及びソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項2又は3に記載のタンパク質シート。
- 前記熱凝固性タンパク質の含有率が10質量%以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載のタンパク質シート。
- 前記熱凝固性タンパク質のアルブミン又はグロブリンの含有率が30質量%以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載のタンパク質シート。
- 前記カゼイン若しくはカゼインの塩が、α−カゼインのナトリウム塩である請求項1〜6のいずれか一項に記載のタンパク質シート。
- 厚みが1〜3000μmの範囲である請求項1〜7のいずれか一項に記載のタンパク質シート。
- 熱凝固性タンパク質、カゼイン若しくはカゼインの塩、及び溶媒を含有する試料液をシート状に広げる工程と、前記溶媒を取り除くことによりシート化させる工程と、を有し、
前記熱凝固性タンパク質が、卵白タンパク質及び乳清タンパク質からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のタンパク質シートの製造方法。 - 前記試料液が、更に多価アルコールを含有する請求項9に記載のタンパク質シートの製造方法。
- 前記試料液をシート状に広げる工程が、前記試料液をシート状にゲル化させる工程を含む請求項9又は10に記載のタンパク質シートの製造方法。
- 前記ゲル化させる工程が、前記試料液を加熱処理する工程を含むものである、請求項9〜11のいずれか一項に記載のタンパク質シートの製造方法。
- 前記溶媒が、アルコール含有割合30体積%〜60体積%のアルコール水溶液である、請求項9〜12のいずれか一項に記載のタンパク質シートの製造方法。
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