特許、特許公報、および他の文献に対して行われるすべての言及は、法律によって許容されうる度合いまで、これらが本開示に援用されるよう行われる。
本発明は、慣用的な化学法を用いながら、修飾化合物との反応を通じて、選択的方式で、ターゲットタンパク質に修飾化合物を導入する方法を提供することによって、前述の必要性に取り組む。方法を、一般的に、図1に示す。ターゲットタンパク質(例えばCRM197)由来のリジン残基は、式(I):R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(A−W−B−R2)zまたは式(II):R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(NH−W−R2)zの修飾化合物由来のグルタミン残基(Gln)と反応する。生じる産物は、さらなる化学官能化が可能な1またはそれより多い基を有するタンパク質である。
1つの側面において、タンパク質を修飾するためのプロセスには:(a)微生物トランスグルタミナーゼの触媒作用によって、補助タンパク質および修飾化合物間で活性化複合体を形成し;(b)修飾化合物を活性化複合体からターゲットタンパク質にトランスファーし、それによって修飾タンパク質を生成する工程が含まれる。こうしたものとして、「修飾タンパク質」は、本明細書において、微生物トランスグルタミナーゼを用いて、修飾化合物を付加することによって選択的に修飾されている、タンパク質またはポリペプチドを指す。
いくつかの態様において、方法には、少なくとも2つのリジン残基を有するターゲットタンパク質と修飾化合物の、トランスグルタミナーゼが触媒する反応が含まれる。修飾化合物は、式(I):R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(A−W−B−R2)zまたは式(II):R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(NH−W−R2)zのグルタミン含有タンパク質である。
このプロセスにおいて、活性化アシル複合体は、修飾化合物を付着させるため、微生物トランスグルタミナーゼとともに、修飾化合物中のグルタミン残基を反応させることによって、形成される。1つの態様において、修飾化合物を、アシル化によって、ターゲットタンパク質中のリジン残基にトランスファーする。1つの態様において、R1およびR1は、これらのうち少なくとも1つが、さらなる修飾に適した化学基を有する場合、望ましい置換基である。したがって、プロセスは、ターゲットタンパク質中のリジン残基を選択的に修飾するため、微生物トランスグルタミナーゼ反応を伴う。
本明細書において、用語「amu」は、しばしば、ダルトン単位とも称される原子量単位の略語である。
本明細書において、用語「ポリペプチド」は、天然または合成のいずれで産生される場合であっても、ペプチド結合によって連結されるアミノ酸残基のポリマーを指す。約10アミノ酸残基未満のポリペプチドは、一般に、「ペプチド」と称される。用語「ペプチド」は、ペプチド結合によって連結される2またはそれより多いアミノ酸の配列を示すよう意図され、ここで、前記アミノ酸は、天然であってもまたは非天然であってもよい。該用語は、用語、ポリペプチドおよびタンパク質を含み、これらは、共有相互作用、例えばシステイン架橋、または非共有相互作用によってともに保持される2またはそれより多いペプチドからなることも可能である。
「タンパク質」は、1またはそれより多いポリペプチド鎖を含む巨大分子である。タンパク質はまた、非ペプチド構成要素、例えば炭水化物基も含むことも可能である。炭水化物および他の非ペプチド置換基は、タンパク質が産生される細胞によって、タンパク質に付加されることも可能であり、そしてこれは細胞タイプによって多様であろう。タンパク質は、本明細書において、アミノ酸主鎖構造によって定義され;炭水化物基などの置換基は、一般的に明記されないが、にもかかわらず存在することも可能である。非宿主DNA分子によってコードされるタンパク質またはポリペプチドは、「異種」タンパク質またはポリペプチドである。
「単離ポリペプチド」は、本質的に、天然に該ポリペプチドと関連する細胞構成要素、例えば炭水化物、脂質、または他のタンパク質性不純物を本質的に含まないポリペプチドである。典型的には、単離ポリペプチドの調製物は、非常に純粋な型、すなわち少なくとも約80%純粋、少なくとも約90%純粋、少なくとも約95%純粋、95%より純粋、例えば、96%、97%、または98%もしくはそれよりも純粋、あるいは99%より純粋なポリペプチドを含有する。特定のタンパク質調製物が単離ポリペプチドを含有することを示す1つの方法は、タンパク質調製物のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動および該ゲルのクーマシーブリリアントブルー染色後の単一バンドの出現による。しかし、用語「単離」は、別の物理的型にある同じポリペプチド、例えば二量体あるいは別のグリコシル化または誘導体化型の存在を排除しない。
用語「アミノ末端」および「カルボキシル末端」は、本明細書において、ポリペプチド内の位置を示すために用いられる。文脈が許す場合、これらの用語は、特定の配列またはポリペプチドの位に言及した際、近位性または相対的位置を示すように用いられる。例えば、ポリペプチド内の参照配列に対してカルボキシル末端側に位置する特定の配列は、参照配列のカルボキシル末端の近位に位置するが、必ずしも全ポリペプチドのカルボキシル末端にある必要はない。
「生体相互作用剤」は、本明細書において、生存組織または細胞内に導入された際、生物学的反応を誘発する、有機部分または化合物を指す。生体相互作用剤の例には、抗原、毒素、療法タンパク質等が含まれる。生体相互作用剤は、小分子および巨大分子であることも可能である。
「分析剤」は、本明細書において、分析剤が結合するかまたは別の方式で関連する物質を、定性的にまたは定量的に性質決定するための機器法によって検出可能な有機部分または化合物を指す。こうした分析剤の例には、例えばフルオロフォアまたは放射標識などの標識が含まれる。
本明細書において、用語「アルキル」は、直鎖または分枝鎖である、C1−C45アルキル基である。いくつかの態様において、アルキルは、C1−C20である。いくつかの態様において、アルキルは、C1−C12である。いくつかの態様において、アルキルは、C1−C6である。アルキルが、本明細書に論じる式IおよびIIのWのように、基として定義される場合、これはまた、隣接基での1つの置換、または2つの隣接基間の2つの置換があるような、アルキレンとしても知られうることを理解すべきである。
本明細書において、用語「ポリエチレングリコール」または「PEG」は、約40〜約80,000amuの間の分子量を有する反復(O−CH2−CH2)nサブユニットを含むポリエーテル化合物を指し、ここで、nは、反復エーテルサブユニット数を表す整数である。ポリエチレングリコールが、本明細書に論じる式IおよびIIのWのように、基として定義される場合、末端に未結合アルコール基があってもよい、隣接基での1つの置換、または2つの隣接基間の2つの置換があることを理解すべきである。
トランスグルタミナーゼ
上述のように、修飾化合物をターゲットタンパク質に共有結合するためには、触媒を用いなければならない。触媒は、微生物トランスグルタミナーゼ(また、本明細書において、交換可能に「mTGアーゼ」とも称される)でなければならない。触媒はまた、微生物供給源由来のタンパク質−グルタミン−γ−グルタミルトランスフェラーゼとしても知られ、そしてタンパク質またはタンパク質鎖中のグルタミン(Gln)残基のγ−カルボキシアミド基およびリジン残基(Lys)または多様なアルキルアミンのε−アミノ基の間のアシルトランスファー反応を触媒する。
本発明の方法において使用しようとするトランスグルタミナーゼは、特定の限定なしに、多様な微生物起源から得られうる。有用な微生物トランスグルタミナーゼの例には、例えば、ストレプトミセス・モバラエンス(Streptomyces mobaraense)、ストレプトミセス・シナモネウム(Streptomyces cinnamoneum)、およびストレプトミセス・グリセオカルネウム(Streptomyces griseocarneum)(すべて、本明細書に援用されるU.S. 5,156,956に開示される)、ならびにストレプトミセス・ラベンデュラエ(Streptomyces lavendulae)(本明細書に援用されるU.S. 5,252,469に援用される)、ならびにストレプトミセス・ラダカヌム(Streptomyces ladakanum)(本明細書に援用されるJP2003199569)由来のトランスグルタミナーゼが含まれる。以前のストレプトベルティシリウム属(Streptoverticillium)のメンバーが、現在、ストレプトミセス属に含まれることに注目すべきである[Kaempfer, J.Gen.Microbiol., 137, 1831−1892, 1991]。他の有用な微生物トランスグルタミナーゼが、枯草菌(Bacillus subtilis)(本明細書に援用されるU.S. 5,731,183に開示される)および多様な粘菌類(Myxomycetes)から単離されてきている。有用な微生物トランスグルタミナーゼの他の例は、WO 96/06931(例えば、バチルス・リディクス(Bacilus lydicus)由来のトランスグルタミナーゼ)およびWO 96/22366に開示されるものであり、これらはどちらも本明細書に援用される。
修飾化合物
開示する方法に使用可能である修飾化合物は、一般式:(I):R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(A−W−B−R2)zまたは式(II):R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(NH−W−R2)zのグルタミン含有タンパク質であり、式中、Leuは存在するかまたは存在しない(すなわちxがそれぞれ1または0である場合)アミノ酸ロイシン(例えばL−ロイシン)を指し;Glnはアミノ酸グルタミン(例えばL−グルタミン)を指し;Glyは存在するかまたは存在しない(すなわちyがそれぞれ1または0である場合)アミノ酸残基グリシン(例えばL−グリシン)を指す。
いくつかの態様において、xは0である。いくつかの態様において、xは1である。いくつかの態様において、yは0である。いくつかの態様において、yは1である。いくつかの態様において、zは0である。いくつかの態様において、zは1である。
いくつかの態様において、R1はアセチルである。いくつかの態様において、R1は
である。いくつかの態様において、R1は
である。いくつかの態様において、QはHである。いくつかの態様において、Qは−NO2である。いくつかの態様において、nは0である。いくつかの態様において、nは1である。いくつかの態様において、nは2である。いくつかの態様において、nは3である。いくつかの態様において、nは4である。いくつかの態様において、nは5である。いくつかの態様において、nは6である。いくつかの態様において、R4はHである。いくつかの態様において、R4は−N3である。いくつかの態様において、R4は
である。
いくつかの態様において、R1は
である。いくつかの態様において、R1は
である。いくつかの態様において、R1は
である。いくつかの態様において、R1は
である。いくつかの態様において、R1は
である。いくつかの態様において、R1は
である。
いくつかの態様において、WはC1−C6直鎖または分枝鎖アルキルである。いくつかの態様において、Wは、約40〜約80,000amuの間の分子量を有するポリエチレングリコールである。
いくつかの態様において、Aは存在しない。いくつかの態様において、Aは−O−である。いくつかの態様において、Aは−NH−である。いくつかの態様において、Aは−S−である。
いくつかの態様において、Bは存在しない。いくつかの態様において、Bは−O−である。いくつかの態様において、Bは−C(O)−である。いくつかの態様において、Bは−NH−である。いくつかの態様において、Bは−C(O)NH−である。いくつかの態様において、Bは−NHC(O)−である。いくつかの態様において、Bは−NHC(O)O−である。いくつかの態様において、Bは−OC(O)NH−である。いくつかの態様において、Bは−OC(O)O−である。いくつかの態様において、Bは−C=N(OH)−である。いくつかの態様において、Bは−S(O2)−である。いくつかの態様において、Bは−NHS(O2)−である。いくつかの態様において、Bは−S(O2)NH−である。いくつかの態様において、Bは−S(O)−である。いくつかの態様において、Bは−NHS(O)−である。いくつかの態様において、Bは−S(O)NH−である。いくつかの態様において、Bは−C(O)O−である。いくつかの態様において、Bは−OC(O)−である。いくつかの態様において、Bは−S−である。いくつかの態様において、Bは=NH−O−である。いくつかの態様において、Bは=NH−NH−である。いくつかの態様において、Bは=NH−N(C1−C20アルキル)−である。
いくつかの態様において、R2は脂肪酸である。いくつかの態様において、脂肪酸は、以下の式A1、A2またはA3:
のものであってもよく、式中、R11はCO2HまたはHであり;
R12、R13およびR14は、互いに独立に、H、OH、CO2H、−CH=CH2または
−C=CHであり;
Akは分枝鎖C6−C30アルキレンであり;
p、q、およびrは、互いに独立に、6〜30の間の整数である;
あるいはそのアミド、エステルまたは薬学的に許容されうる塩である。
いくつかの態様において、R2は、直鎖または分枝鎖C1−C3アルキル−N3である。いくつかの態様において、R2はシクロオクチニルである。いくつかの態様において、R2はフルオロフォアである。いくつかの態様において、フルオロフォアは、式
のものであり、式中、nは1〜3であり、そして各mは1〜2である。いくつかの態様において、nは1である。いくつかの態様において、nは2である。いくつかの態様において、nは3である。いくつかの態様において、1つのmは1であり、そしてもう一方のmは2である。いくつかの態様において、mはどちらも1である。いくつかの態様において、mはどちらも2である。いくつかの態様において、R2は多糖である。いくつかの態様において、R2は−CH(OCH3)2である。いくつかの態様において、R2は
である。いくつかの態様において、R2は
である。いくつかの態様において、R2は
である。いくつかの態様において、R2は
である。いくつかの態様において、R2は
である。
いくつかの態様において、R2は
である。いくつかの態様において、QはHである。いくつかの態様において、Qは−NO2である。いくつかの態様において、nは0である。いくつかの態様において、nは1〜6である。いくつかの態様において、nは1である。いくつかの態様において、nは2である。いくつかの態様において、nは3である。いくつかの態様において、nは4である。いくつかの態様において、nは5である。いくつかの態様において、nは6である。
いくつかの態様において、R2は
である。いくつかの態様において、nは0である。いくつかの態様において、nは1〜6である。いくつかの態様において、nは1である。いくつかの態様において、nは2である。いくつかの態様において、nは3である。いくつかの態様において、nは4である。いくつかの態様において、nは5である。いくつかの態様において、nは6である。
いくつかの態様において、R2は
である。いくつかの態様において、nは0である。いくつかの態様において、nは1〜6である。いくつかの態様において、nは1である。いくつかの態様において、nは2である。いくつかの態様において、nは3である。いくつかの態様において、nは4である。いくつかの態様において、nは5である。いくつかの態様において、nは6である。
いくつかの態様において、R2は
である。いくつかの態様において、R2は
である。
式IIの化合物において、以下に示すR2基には、すでに、上記式IにおけるBを取り込むいくつかの態様が含まれる。
いくつかの態様において、nは0である。いくつかの態様において、nは1である。いくつかの態様において、nは2である。いくつかの態様において、nは3である。いくつかの態様において、nは4である。いくつかの態様において、nは5である。いくつかの態様において、nは6である。
いくつかの態様において、R1は、アセチル、
より選択される。いくつかの態様において、R1は、アセチル、
より選択される。いくつかの態様において、R1は、アセチル、
より選択される。いくつかの態様において、R1は、アセチル、
より選択される。いくつかの態様において、R1は、
より選択される。
いくつかの態様において、R1は、アセチルおよび
より選択される。いくつかの態様において、R1は、アセチルおよび
より選択される。いくつかの態様において、R1は、アセチルおよび
より選択される。いくつかの態様において、R1は、
より選択される。いくつかの態様において、R1は、アセチル、
より選択される。いくつかの態様において、R1は、
より選択される。
いくつかの態様において、R1は、アセチルである。いくつかの態様において、R1は、
である。いくつかの態様において、R1は、
である。いくつかの態様において、R1は、
である。
さらに、多官能基A−W−B−R2またはNH−W−R2が存在していてもまたは存在しなくてもよい(すなわちzがそれぞれ1または0である)。NH−W−R2を有する態様において、Wは、約40〜約80,000amuの間の分子量を有する、C1−C6直鎖または分枝鎖アルキルあるいは直鎖または分枝鎖ポリエチレングリコールより選択される。いくつかの態様において、WはC1−C6直鎖アルキルより選択される。いくつかの態様において、WはC1−C6分枝鎖アルキルより選択される。いくつかの態様において、Wは、約40〜約10,000amuの間の分子量を有する直鎖ポリエチレングリコールより選択される。いくつかの態様において、Wは、約40〜約3,000amuの間の分子量を有する直鎖ポリエチレングリコールより選択される。いくつかの態様において、Wは、約40〜約80amuの間の分子量を有する直鎖ポリエチレングリコールより選択される。いくつかの態様において、Wは、約2,000〜約80,000amuの間の分子量を有する、直鎖または分枝鎖ポリエチレングリコールより選択される。いくつかの態様において、ポリエチレングリコールは、試薬と反応して、別のヘテロ原子、炭素、カルボニル、スルホニル、チオニル等と結合を形成することが可能なヘテロ原子(例えば酸素、窒素、またはイオウ)で官能化されている。
A−W−B−R2を有する態様において、Wは、約40〜約80,000amuの間の分子量を有する、C1−C6直鎖または分枝鎖アルキルあるいは直鎖または分枝鎖ポリエチレングリコールより選択される。いくつかの態様において、WはC1−C6直鎖アルキルより選択される。いくつかの態様において、WはC1−C6分枝鎖アルキルより選択される。いくつかの態様において、Wは、約40〜約10,000amuの間の分子量を有する直鎖ポリエチレングリコールより選択される。いくつかの態様において、Wは、約40〜約3,000amuの間の分子量を有する直鎖ポリエチレングリコールより選択される。いくつかの態様において、Wは、約40〜約80amuの間の分子量を有する直鎖ポリエチレングリコールより選択される。いくつかの態様において、Wは、約2,000〜約80,000amuの間の分子量を有する、直鎖または分枝鎖ポリエチレングリコールより選択される。
いくつかの態様において、Aは存在しない。いくつかの態様において、Aは−O−である。いくつかの態様において、Aは−NH−である。いくつかの態様において、Aは−S−である。
いくつかの態様において、Bは存在しない。いくつかの態様において、Bは−O−である。いくつかの態様において、Bは−C(O)−である。いくつかの態様において、Bは−NH−である。いくつかの態様において、Bは−C(O)NH−である。いくつかの態様において、Bは−NHC(O)−である。いくつかの態様において、Bは−NHC(O)O−である。いくつかの態様において、Bは−OC(O)NH−である。いくつかの態様において、Bは−OC(O)O−である。いくつかの態様において、Bは−C=N(OH)−である。いくつかの態様において、Bは−S(O2)−である。いくつかの態様において、Bは−NHS(O2)−である。いくつかの態様において、Bは−S(O2)NH−である。いくつかの態様において、Bは−S(O)−である。いくつかの態様において、Bは−NHS(O)−である。いくつかの態様において、Bは−S(O)NH−である。いくつかの態様において、Bは−C(O)O−である。いくつかの態様において、Bは−OC(O)−である。いくつかの態様において、Bは−S−である。いくつかの態様において、Bは=NH−O−である。いくつかの態様において、Bは=NH−NH−である。いくつかの態様において、Bは=NH−N(C1−C20アルキル)−である。
いくつかの態様において、R2は、C1−C3直鎖または分枝鎖アルキル−N3、シクロオクチニル、フルオロフォア、
、および多糖より選択される。
いくつかの態様において、R2は分枝鎖または直鎖C1−C3アルキル−N3である。いくつかの態様において、R2は分枝鎖C3アルキル−N3である。いくつかの態様において、R2は直鎖C1−C3アルキル−N3である。いくつかの態様において、R2はC1アルキル−N3である。いくつかの態様において、R2はC2アルキル−N3である。いくつかの態様において、R2は分枝鎖C3アルキル−N3である。
いくつかの態様において、R2はシクロオクチニルである。アルキレン官能基に対する付着点は、アルキレンが続いて反応または官能化可能である限り、いかなる位であってもよい。例えば、R2を第3位でWまたはBに連結してもよく、すなわち
でもよく;第4位でWまたはBに連結してもよく、すなわち
でもよく;あるいは第5位でWまたはBに連結してもよく、すなわち
でもよい。
いくつかの態様において、R2はフルオロフォアである。適切なフルオロフォアには、光励起に際して、光を再放出可能であるものが含まれる。典型的には、フルオロフォアは、芳香族基に存在するようなコンジュゲート化パイ結合をいくつか含有する。例には、フルオレセイン、ローダミン、Cy色素、例えばCy5およびCy7、Alexa色素、例えばAlexa 750、Alexa 647、およびAlexa 488、クマリン等が含まれる。
いくつかの態様において、R2は
である。
いくつかの態様において、R2は
である。
いくつかの態様において、R2は
であり、これは、NH−W−R2中のWにカルボニルを通じて連結された細胞傷害性MMAFに対応する。
多官能基A−W−B−R2またはNH−W−R2が存在しない場合、グルタミンまたはグリシンいずれかである隣接するアミノ酸残基は該残基のカルボン酸(修飾化合物のペプチド主鎖のC末端)で終結する。
多糖
いくつかの態様において、R2は多糖である。多糖は、いかなる抗原性多糖、特に病原性生物由来の多糖であってもよい。これらの多糖のコンジュゲートは、病原性生物によって引き起こされる感染に対して被験体を免疫するために有用である可能性もある。例示的な多糖を以下に記載する。特に、多糖は、細菌多糖、例えば細菌莢膜多糖であることも可能である。代表的な細菌多糖を表1に記載する。
表I.
多糖はオリゴ糖の形で使用可能である。これらは好適に、精製多糖の断片化によって(例えば加水分解によって)形成され、これには通常、望ましいサイズの断片化の精製が続くであろう。
多糖は天然供給源から精製可能である。精製の代替法として、多糖を完全または部分的合成から得ることも可能である。
髄膜炎菌(N. meningitidis)莢膜多糖
多糖は細菌莢膜多糖であることも可能である。例示的な細菌莢膜多糖には、髄膜炎菌由来のものが含まれる。生物の莢膜多糖に基づいて、A、B、C、H、I、K、L、29E、W135、X、Y、およびZを含む、髄膜炎菌の多様な血清型が同定されてきている。多糖はこれらの血清型のいずれに由来してもよい。典型的には、多糖は以下の髄膜炎菌血清型:A、C、W135およびYの1つに由来する。
莢膜多糖は、一般的に、オリゴ糖の形で用いられるであろう。これらは好適に、精製莢膜多糖の断片化によって(例えば加水分解によって)形成され、これには通常、望ましいサイズの断片の精製が続くであろう。典型的には、多糖の断片化を行って、30未満(例えば、血清型Aに関しては、10〜20の間、例えばほぼ10;血清型W135およびYに関しては15〜25の間、例えば15〜20の間;血清型Cに関しては12〜22の間等)のオリゴ糖の最終平均重合度合い(DP)を生じる。DPは、好適に、イオン交換クロマトグラフィによって、または比色分析アッセイによって、測定可能である(Ravenscroftら Vaccine 17, 2802−2816(1999))。
加水分解を行う場合、短い長さのオリゴ糖を除去するため、一般的に、加水分解物をサイズで分けるであろう(Costantinoら Vaccine 17, 1251−1263(1999))。これは、例えば限外濾過後のイオン交換クロマトグラフィなど、多様な方法で達成可能である。血清型Aに関しては、約6未満または6に等しい重合度合いのオリゴ糖を除去してもよく、そして血清型W135およびYに関しては、ほぼ4未満のものを除去してもよい。
糖の化学的加水分解は、一般的に、当該技術分野において標準的な条件下での、酸または塩基いずれかでの処理を伴う。莢膜多糖の構成要素単糖への脱重合のための条件が当該技術分野に知られる。1つの脱重合法は、過酸化水素の使用を伴う(本明細書に援用されるWO02/058737を参照されたい)。
過酸化水素を糖に添加し(例えば最終1%のH2O2濃度を生じる)、そして次いで、鎖の長さの望ましい減少が達成されるまで、混合物をインキュベーションする(例えばおよそ55℃で)。長期に渡る減少に続いて、混合物から試料を除去し、そして次いで、試料中の糖の(平均)分子サイズを測定する。次いで、望ましい鎖の長さに到達したら直ちに、迅速な冷却によって脱重合を停止することも可能である。
血清型C、W135およびY
髄膜炎菌から莢膜多糖を調製するための技術が長年知られてきており、そしてこれは典型的には、多糖沈殿(例えば陽イオン性界面活性剤を用いる)、エタノール分画、冷フェノール抽出(タンパク質を除去するため)および超遠心(LPSを除去するため)の工程を含むプロセスを伴う(例えばFrash, Advances in Biotechnoloqical Processes 13, 123−145(1990)(MizrahiおよびVan Wezel監修)を参照されたい)。
1つのこうしたプロセスは、多糖沈殿後、低次アルコールを用いた沈殿多糖の可溶化を伴う(本明細書に援用されるWO03/007985を参照されたい)。
陽イオン性界面活性剤、例えばテトラブチルアンモニウムおよびセチルトリメチルアンモニウム塩(例えば臭化塩)、または臭化ヘキサジメトリンおよびミリスチルトリメチルアンモニウム塩を用いて、沈殿が達成可能である。臭化セチルトリメチルアンモニウム(「CTAB」)が特に好ましい(Inzana, Infect. Immun. 55, 1573−1579(1987))。沈殿物質の可溶化は、低次アルコール、例えばメタノール、プロパン−1−オール、プロパン−2−オール、ブタン−1−オール、ブタン−2−オール、2−メチル−プロパン−1−オール、2−メチル−プロパン−2−オール、ジオール等を用いて達成可能であるが、CTAB−多糖複合体を可溶化するには、エタノールが特に適している。エタノールを沈殿多糖に添加して、50%〜95%の間の最終エタノール濃度(エタノールおよび水の総量に基づく)を生じることも可能である。
再可溶化後、多糖をさらに処理して、混入物質を取り除くことも可能である。微量の混入物質さえ許容しえない状況では(例えばヒト・ワクチン産生のため)、これは特に重要である。これは、典型的には、濾過、例えば深層濾過、活性炭を通じた濾過、サイズ濾過および/または限外濾過を伴うであろう。混入物質を濾過して除去したら直ちに、さらなる処理および/またはプロセシングのために、多糖を沈殿させてもよい。これは、陽イオン交換することによって(例えばカルシウムまたはナトリウム塩の添加によって)好適に達成可能である。
精製の代替法として、本発明の莢膜多糖を完全または部分的合成によって得てもよく、例えばHib合成は、Kandilら GIvcoconi J 14, 13−17.(1997)に、そしてMenA合成は、Berkinら Chemistry 8, 4424−4433(2002)に開示される。
多糖を化学的に修飾してもよく、すなわち、これはO−アセチル化されてもまたは脱O−アセチル化されてもよい。任意のこうした脱O−アセチル化または過剰アセチル化は、多糖の特定の位でありうる。例えば、大部分の血清型C株は、シアル酸残基のC−7および/またはC−8位にO−アセチル基を有するが、臨床単離体の約15%は、これらのO−アセチル基を欠く(Glodeら J Infect Pis 139, 52−56(1979);また、本明細書に援用される、WO94/05325および米国特許第5,425,946を参照されたい)。アセチル化は防御効果に影響を及ぼさないようである(例えばMenjugateTM製品とは異なり、the NeisVac−CTM製品は、脱O−アセチル化多糖を用いるが、どちらのワクチンも有効である)。血清型W135多糖は、シアル酸−ガラクトース二糖単位のポリマーである。血清型Y多糖は、血清型W135多糖と同様であるが、二糖反復単位には、ガラクトースの代わりにグルコースが含まれる点を除く。血清型C多糖と同様、MenW135およびMenY多糖は、可変O−アセチル化を有するが、これはシアル酸7位および9位である(本明細書に援用される、WO2005/033148を参照されたい)。任意のこうした化学的修飾は、好ましくは、コンジュゲート化の前に行われるが、別にまたはさらに、コンジュゲート化中に行われてもよい。
異なる血清型由来の多糖を別個に精製してもよく、そして次いで、コンジュゲート化の前または後に組み合わせてもよい。
血清型A
多糖は血清型A由来であってもよい。構造的に異なるが、血清型C、W135およびYに関するのと同じ方式で多糖を精製してもよく(上記を参照されたい)、一方、血清型C、W135およびYの莢膜は、シアル酸(N−アセチル−ノイラミン酸、NeuAc)周囲に基づき、血清型Aの莢膜は、シアル酸の天然前駆体であるN−アセチル−マンノサミンに基づく。血清型A多糖は、加水分解に特に感受性であり、そして水性媒体中のその不安定性は、(a)血清型Aに対する液体ワクチンの免疫原性が長期間の間に低下し、そして(b)ワクチン内への糖加水分解産物の放出のため、品質管理がより困難であることを意味する。
天然MenA莢膜多糖は、(a1→6)連結N−アセチル−D−マンノサミン−1−リン酸のホモポリマーであり、C3およびC4で部分的O−アセチル化を伴う。主要なグリコシド結合は、D−マンノサミンのC1のヘミアセタール基およびC6のアルコール基を伴う1−6ホスホジエステル結合である。平均鎖長は93モノマーである。これは以下の式:
を有する。
天然血清型A多糖の免疫原活性を保持するが、水中ではるかにより安定である、修飾多糖が調製されてきている。単糖の炭素3および4で付着するヒドロキシル基が、ブロッキング基によって置換されている(WO03/080678およびWO2008/084411を参照されたい)。
ヒドロキシル基の代わりにブロッキング基を有する単糖単位の数は多様でありうる。例えば、すべてのまたは実質的にすべての単糖単位が、ブロッキング基を有することも可能である。あるいは、単糖単位の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%がブロッキング基を有することも可能である。少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30単糖単位がブロッキング基を有することも可能である。
同様に、単糖単位上のブロッキング基の数もまた多様でありうる。例えば、任意の特定の単糖単位上のブロッキング基の数は1または2であることも可能である。
末端単糖単位は、天然ヒドロキシルの代わりにブロッキング基を有することもまたは持たないことも可能である。さらなる反応(例えばコンジュゲート化)のためのハンドルを提供するために、末端単糖上に未結合アノマーヒドロキシル基を保持することが好ましい。還元アミン化(例えばNaBH3CN/NH4CIを用いる)によって、アノマーヒドロキシル基をアミノ基(−NH2または−NH−E、式中、Eは窒素保護基である)に変換することも可能であり、そして次いで、他のヒドロキシル基がブロッキング基に変換された後に、再生することも可能である。
ヒドロキシル基を置換するブロッキング基は、ヒドロキシル基の誘導体化反応を通じて、すなわちヒドロキシル基の水素原子を別の基に置換することによって、直接アクセス可能である。ブロッキング基として作用するヒドロキシル基の適切な誘導体は、例えば、カルバメート、スルホネート、カルボネート、エステル、エーテル(例えばシリルエーテルまたはアルキルエーテル)およびアセタールである。こうしたブロッキング基のいくつかの特定の例は、アリル、アロエ(Aloe)、ベンジル、BOM、t−ブチル、トリチル、TBS、TBDPS、TES、TMS、TIPS、PMB、MEM、MOM、MTM、THP等である。直接アクセス可能でなく、そしてヒドロキシル基を完全に置換する他のブロッキング基には、C1−12アルキル、C3−12アルキル、C5−12アリール、C5−12アリール−C1−6アルキル、NR21R22(R21およびR22は、続く段落に定義される)、H、F、CI、Br、CO2H、CO2(C1−6アルキル)、CN、CF3、CCI3等が含まれる。
典型的なブロッキング基は以下の式のものである:−O−X’−Y’および−OR23、式中:X’はC(O)、S(O)またはSO2であり;YはC1−12アルキル、C1−12アルコキシ、C3−12シクロアルキル、C5−12アリールまたはC5−12アリール−C1−6アルキルであり、これらは各々、F、CI、Br、CO2H、CO2(C1−6アルキル)、CN、CF3またはCCI3より独立に選択される1、2または3つの基で場合によって置換されてもよく;あるいは、Y’はNR21R22であり;R21およびR22は、独立にH、C1−12アルキル、C3−12シクロアルキル、C5−12アリール、C5−12アリール−C1−6アルキルより選択され;あるいは、R21およびR22は連結されてC3−12飽和複素環基を形成してもよく;R23はC1−12アルキルまたはC3−12シクロアルキルであり、これらは各々、F、Cl、Br、CO2(C1−6アルキル)、CN、CF3またはCCI3より独立に選択される1、2または3つの基で場合によって置換されてもよく;あるいは、R23はC5−12アリールまたはC5−12アリール−C1−6アルキルであり、これらは各々、F、Cl、Br、CO2H、CO2(C1−6アルキル)、CN、CF3またはCCI3より選択される1、2、3、4または5つの基で場合によって置換されてもよい。R23がC1−12アルキルまたはC3−12シクロアルキルである場合、典型的には、上に定義するような、1、2、または3つの基で置換される。R21およびR22が連結されて、C3−12飽和複素環基を形成する場合、R21およびR22は、窒素原子とともに、3〜12の間の任意の数の炭素原子(例えば、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12)を含有する飽和複素環基を形成することを意味する。複素環基は、窒素原子以外の1または2のヘテロ原子(例えばN、O、またはS)を含有してもよい。C3−12飽和複素環基の例は、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、アゼチジニルおよびアジリジニルである。
ブロッキング基−O−X−Yおよび−OR23は、標準的誘導体化法、例えばヒドロキシル基とハロゲン化アシル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化スルホニル等の反応によって、−OH基から調製可能である。したがって、−O−X’−Y’中の酸素原子は、通常、ヒドロキシル基の酸素原子であり、一方、−O−X’−Y’中のX’−Y’基は、通常、ヒドロキシル基の水素原子を置換する。
あるいは、ブロッキング基は、置換反応、例えば光延型置換を通じてアクセス可能でありうる。これらの、そしてヒドロキシル基からブロッキング基を調製する他の方法が周知である。
本発明で使用するための特異的ブロッキング基は、−OC(O)CF3(NilssonおよびSvensson Carbohydrate Research 69, 292−296(1979))およびカルバメート基、OC(O)NR21R22であり、式中、R21およびR22は、C1−6アルキルより独立に選択される。典型的には、R21およびR22は、どちらもメチルであり、すなわちブロッキング基は−OC(O)NMe2である。カルバメート・ブロッキング基は、グリコシド結合に対して安定化効果を有し、そして穏やかな条件下で調製可能である。
特に好ましいブロッキング基は−OC(O)CH3である(WO2008/084411を参照されたい)。このブロッキング基を有する修飾髄膜炎菌血清型A多糖中の4および/または3位の比率は多様であることも可能である。例えば、ブロッキング基を有する4位の比率は、約0%、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または約100%であることも可能であり、少なくとも80%および約100%が好ましい。同様に、ブロッキング基を有する3位の比率は、約0%、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または約100%であることも可能であり、少なくとも80%および約100%が好ましい。典型的には、ブロッキング基を有する4および3位の比率は、各位に関してほぼ同じである。言い換えると、ブロッキング基を有する3位に対するブロッキング基を有する4位の比率は約1:1である。しかし、いくつかの態様において、ブロッキング基を有する4位の比率は、ブロッキング基を有する3位の比率に対して多様であることも可能である。例えば、ブロッキング基を有する3位に対するブロッキング基を有する4位の比率は、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3または1:2であることも可能である。同様に、ブロッキング基を有する4位に対するブロッキング基を有する3位の比率は、1:20、1:19、1:18、1:17、1:16、1:15、1:14、1:13、1:12、1:11、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3または1:2であることも可能である。
典型的な修飾MenA多糖はnの単糖単位を含有し、ここで、単糖単位の少なくともh%は、3位および4位の両方に−OH基を持たない。hの値は24またはそれより多く(例えば、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、98、99または100であり)、そして通常、50またはそれより多い。存在しない−OH基は、上に定義するようなブロッキング基である。
他の典型的な修飾MenA多糖は、単糖単位の少なくともsが、3位に−OHを持たず、そして4位に−OHを持たない単糖単位を含む。sの値は少なくとも1(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、60、70、80、90)である。存在しない−OH基は、上に定義するようなブロッキング基である。
適切な修飾MenA多糖は式:
を有し、式中、pは1〜100の整数(特に5〜25、通常15〜25の整数)であり;Tは式(A)または(B):
であり、
各Z基は、OHまたは上に定義するようなブロッキング基より独立に選択され;そして
各Q基は、OHまたは上に定義するようなブロッキング基より独立に選択され;
Yは、OHまたは上に定義するようなブロッキング基より独立に選択され;
Eは、Hまたは窒素保護基であり;そして式中、約7%より多く(約8%、9%、10%またはそれより多く)のQ基がブロッキング基である。いくつかの態様において、式(A)中の炭素1に付着するヒドロキシル基を、上に定義するようなブロッキング基によって置換する。いくつかの態様において、式(B)中のEはリンカーまたは上に定義するようなキャリアー分子である。Eがリンカーである場合、リンカーは、キャリアー分子に共有結合することも可能である。
p+2 Z基は各々、互いに同じであってもまたは異なってもよい。同様に、n+2 Q基は各々、互いに同じであってもまたは異なってもよい。すべてのZ基はOHであってもよい。あるいは、Z基の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%または60%はOAcであってもよい。典型的には、Z基の約70%はOAcであり、Z基の残りはOHまたは上に定義するようなブロッキング基である。Q基の少なくとも約7%がブロッキング基である。典型的には、Q基の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはさらに100%がブロッキング基である。
グルカン
多糖はグルカンであることも可能である。グルカンは、とりわけ、真菌細胞壁に見られるグルコース含有多糖である。oグルカン(oglucan)には、グルコースサブユニット間に1またはそれより多いa連結が含まれ、一方、β−グルカンには、グルコースサブユニット間に1またはそれより多いβ連結が含まれる。本発明にしたがって用いられるグルカンにはβ連結が含まれ、そしてグルカンはβ連結のみを含有する(すなわちa連結がない)ことも可能である。
グルカンは、1またはそれより多いβ−1,3連結および/または1またはそれより多いβ−1,6連結を含むことも可能である。グルカンはまた、1またはそれより多いβ−1,2連結および/またはβ−1,4連結を含むことも可能であるが、通常、そのβ連結は、β−1,3連結および/またはβ−1,6連結のみであろう。グルカンは分枝鎖でもまたは直鎖でもよい。全長天然β−グルカンは不溶性であり、そしてメガダルトン範囲の平均分子量を有する。したがって、コンジュゲートにおいては可溶性グルカンを用いるほうがよい。可溶化は、長い不溶性グルカンを断片化することによって達成可能である。これは、加水分解によって、またはより好適には、グルカナーゼ(例えばβ−1,3−グルカナーゼまたはβ−1,6−グルカナーゼ)での消化によって達成可能である。代替法として、単糖構築ブロックを連結することによって、短いグルカンを合成的に調製してもよい。
低分子量グルカン、特に100kDa未満(例えば80、70、60、50、40、30、25、20、または15kDa未満)の平均分子量を持つものが好ましい。例えば、60またはそれより少ない(例えば59、58、57、56、55、54、53、52、51、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4)グルコース単糖単位を含有するオリゴ糖を用いることもまた可能である。この範囲内で、10〜50の間または20〜40の間の単糖単位を持つオリゴ糖。グルカンは真菌グルカンであってもよい。真菌グルカンは、一般的に真菌から得られるであろうが、特定のグルカン構造が真菌および非真菌(例えば細菌、低次植物または藻類)に見られる場合、非真菌生物を代替供給源として用いてもよい。したがって、グルカンは、カンジダ属、例えばC.アルビカンス(C.albicans)の細胞壁から、またはコクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)、トリコフィトン・ベルコスム(Trichophyton verrucosum)、ブラストミセス・デルマティディス(Blastomyces dermatidis)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、ヒストプラズマ・カプスラツム(Histoplasma capsulatum)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、またはフィチウム・インシジオスム(Pythiumn insidiosum)から得られてもよい。
真菌β−グルカンの多様な供給源がある。例えば、純粋なβ−グルカンは商業的に入手可能であり、例えばプスツラン(Calbiochem)は、ウンビリカリア・パプロサ(Umbilicaria papullosa)から精製された、β−1,6−グルカンである。β−グルカンは、多様な方法で真菌細胞壁から精製可能である。Tokunakaら Carbohydrate Research 316, 161−172.(1999)は、例えば、細胞壁マンナンを含まずに、カンジダ属から水溶性β−グルカン抽出物を調製するための2工程法であって、NaCIO酸化およびDMSO抽出を含む前記方法を開示する。生じた産物(「カンジダ可溶性β−D−グルカン」または「CSBG」)は主に、直鎖β−1,6−グルカン部分を含む直鎖β−1,3−グルカンで構成される。同様に、WO03/097091は、C.アルビカンスからのGG−zymの産生を開示する。C.アルビカンス由来のこうしたグルカンには、(a)β−1,3−グルカン側鎖および約30の平均重合度合いを含むβ−1,6−グルカン、ならびに(b)β−1,6−グルカン側鎖および約4の平均重合度合いを含むβ−1,3−グルカンが含まれる。
いくつかの態様において、グルカンは、例えばラミナリンに見られるように、いくつかのβ−1,6分枝鎖を含むβ−1,3グルカンである。ラミナリンは、褐藻および海草に見られる。ラミナリンのβ(1−3):β(1−6)比は、異なる供給源間で多様であり、例えばアラメ(Eisenia bicyclis)ラミナリンでは3:2と低いが、ラミナリア・ディジティタタ(Laminaria digititata)ラミナリンでは7:1と高い(Pangら Biosci Biotechnol Biochem 69, 553−8(2005))。したがって、グルカンは、1.5:1〜7.5:1の間、例えば約2:1、3:1、4:1、5:1、6:1または7:1のβ(1−3):β(1−6)比を有してもよい。場合によって、グルカンは、末端マンニトール・サブユニット、例えば1,1−O連結マンニトール残基を有してもよい(Readら Carbohydr Res. 281, 187−201(1996))。グルカンはまた、マンノース・サブユニットを含むことも可能である。
他の態様において、グルカンは、カードランに見られるように、もっぱらまたは主にβ−1,3連結を有する。これらのグルカンは、他の連結を含むグルカン、特にβ−1,3連結およびより高い比率のβ−1,6連結を含むグルカンよりも、優れた保護を誘発しうる。したがって、グルカンは、もっぱら、β−1,3連結グルコース残基(例えば、もっぱら1,3連結を含む直鎖β−D−グルコピラノース)で作製されることも可能である。しかし、場合によって、グルカンには、β−1,3連結グルコース残基でない単糖残基が含まれることも可能であり、例えば、これには、β−1,6連結グルコース残基が含まれることも可能である。これらの他の残基に対するβ−1,3連結グルコース残基の比は、少なくとも8:1(例えば、>9:1、>10:1、>11:1、>12:1、>13:1、>14:1、>15:1、>16:1、>17:1、>18:1、>19:1、>20:1、>25:1、>30:1、>35:1、>40:1、>45:1、>50:1、>75:1、>100:1等)でなければならず、そして/またはβ−1,3連結のみによって他の残基に連結された少なくとも5つ(例えば、>5、>6、>7、>8、>9、>10、>11、>12、>13、>14、>15、>16、>17、>18、>19、>20、>30、>40、>50、>60等)の隣接非末端残基の1またはそれより多く(例えば、>1、>2、>3、>4、>5、>6、>7、>8、>9、>10、>11、>12等)の配列がある。「非末端」によって、残基がグルカンの未結合端に存在しないことを意味する。いくつかの態様において、隣接非末端残基には、キャリアー分子またはリンカーにカップリングしたいかなる残基も含まれないことも可能である。β−1,3連結によってのみ他の残基に連結された、5つの隣接非末端残基の存在は、例えばC.アルビカンスに対する防御抗体反応を提供することも可能である。
さらなる態様において、コンジュゲートには、2つの異なるグルカン、例えば1.5:1〜7.5:1の間のβ(1−3):β(1−6)比を有する第一のグルカン、およびもっぱらまたは主に、β−1,3連結を有する第二のグルカンが含まれることも可能である。例えば、コンジュゲートには、ラミナリン・グルカンおよびカードラン・グルカンの両方が含まれることも可能である。β−グルカンが、望ましい比および/または配列で、β−1,3およびβ−1,6連結の両方を含む場合、このグルカンは天然に見られてもよいし(例えばラミナリン)、または人工的に作製されてもよい。例えば、全体としてまたは部分的に、化学合成によって作製されてもよい。
β−1,3/β−1,6グルカンの化学合成のための方法が知られ、例えばTakeoおよびTei Carbohvdr Res. 145, 293−306(1986)、Tanakaら Tetrahedron Letters 44, 3053−3057(2003)、Ningら Tetrahedron Letters 43, 5545−5549(2002)、Geurtsenら Journal of Organic Chemistry 64(21):7828−7835(1999)、Wuら Carbohvdr Res. 338, 2203−12(2003)、Nicolaouら J. Am. Chem. Soc. 119, 449−450(1997)、Yamadaら Tetrahedron Letters 40, 4581−4584(1999)、Yamagoら Org. Lett. 24, 3867−3870(2001)、Yuguoら Tetrahedron 60, 6345−6351(2004)、Amayaら Tetrahedron Letters 42:9191−9194(2001)、Meiら Carbohvdr Res. 340. 2345−2351(2005)に見られる。
望ましい比でβ−1,3およびβ−1,6連結の両方を含むβ−グルカンはまた、利用可能なグルカンから出発して、そしてこれを、望ましい比および/または配列に到達するまで、β−1,6−グルカナーゼ(グルカン・エンド−1,6−β−グルコシダーゼ、1,6−β−D−グルカン・グルカノヒドラーゼ等としてもまた知られる;EC 3.2.1.75)またはβ−1,3−グルカナーゼ(例えばエキソ−1,3−グルカナーゼ(EC 3.2.1.58)またはエンド−1,3−グルカナーゼ(EC 3.2.1.39)で処理して作製することも可能である。
もっぱらβ−1,3連結グルコースを含有するグルカンが望ましい場合、β−1,6−グルカナーゼは最終的に、純粋なβ−1,3グルカンを生じるであろうため、β−1,6−グルカナーゼ処理を完了まで続行してもよい。しかしより好適には、純粋なβ−1,3−グルカンを用いてもよい。これらを合成的に、化学的および/または酵素合成によって、例えば(1→3)−β−D−グルカンシンターゼを用いて合成してもよく、該酵素のうちいくつかは、多くの生物(細菌、酵母、植物および真菌を含む)由来であることが知られる。β−1,3グルカンの化学合成のための方法が知られ、例えば、Takeoら Carbohydr Res. 245, 81−96(1993)、Jamoisら Glycobiology 15(4), 393−407(2005)、Lefeberら C em. Eur. J. 7(20):4411−4421(2001)およびHuangら Carbohydr Res. 340, 603−608(2005)から知られる。合成の有用な代替法として、天然β−1,3−グルカン、例えばカードラン(以前アルカリゲネス・フェカリス変種ミクソゲネス(Alcaligenes faecalis var. myxogenes)として知られたアグロバクテリウム属由来の直鎖β−1,3−グルカン;例えばSigma−AldrichカタログC7821から商業的に入手可能)またはパラミロン(ユーグレナ属(Euglena)由来のβ−1,3−グルカン)を用いることも可能である。高レベルのβ−1,3−グルカンを産生する生物が当該技術分野に知られ、例えば、米国特許第5508191号またはMiKyoungら Biochemical Engineering Journal. 16, 163−8(2003)のアグロバクテリウム属、あるいはBarsantiら J App. Phycology, 13, 59−65(2001)のユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)がある。
ラミナリンおよびカードランは、典型的には、少なくとも100kDaの平均分子量を持つ高分子量ポリマーとして天然に見出される。これらはしばしば、水性媒体中で不溶性である。したがって、これらは、その天然型では免疫にあまり適していない。したがって、いくつかの態様において、より短いグルカン、例えば60またはそれより短い(例えば59、58、57、56、55、54、53、52、51、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、4039、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4)グルコース単糖単位を含有するものである。2〜60の範囲のグルコース残基数を有するグルカン、例えば約10〜50の間、または約20〜40の間のグルコース単位を有するものが使用可能である。約25〜30グルコース残基を持つグルカンが特に有用である。天然グルカンの酸加水分解によって、または酵素消化によって、例えばグルカナーゼ、例えばβ−1,3−グルカナーゼを用いて、適切なグルカンを形成することも可能である。11〜19、例えば13〜19および特に15または17のグルコース単糖単位を含むグルカンもまた有用である。特に、以下の構造(A)または(B)を含むグルカンが、使用のために特に想定される:
式中、s+2は2〜60の範囲、例えば10〜50または2〜40の間の範囲にある。
いくつかの態様において、s+2は25〜30または11〜19、例えば13〜17の範囲である。特に、s+2=15が適切である。さらに、s+2=6が適切である。
式中、tは0〜9の範囲、例えば1〜7の間、または2〜6の間の範囲である。好ましくは、tは3〜4または1〜3の範囲である。特に、t=2が適切である。*および**は多糖単位のそれぞれの付着点を示す。
いくつかの態様において、グルカンは5〜7のグルコース単糖単位(すなわち、5、6または7)を含有する。特に、6グルコース単糖単位を有するグルカンが好ましい可能性もある。例えば、グルカンは、6つのグルコース単糖単位を有するカードランであることも可能である。
いくつかの態様において、グルカンは単一分子種である。これらの態様において、グルカン分子はすべて、配列に関して同一である。
したがって、すべてのグルカン分子は、分子量等を含めて、その構造特性に関して同一である。典型的には、グルカンのこの型は、化学合成によって、例えば上述の方法を用いて、得られる。あるいは、他の態様において、グルカンは、天然グルカン、例えば上述のようなL.ディジタタ、アグロバクテリウム属またはユーグレナ属由来のグルカンから得られることも可能であり、必要な単一分子種が得られるまで、グルカンは精製される。この方式で精製されている天然グルカンが商業的に入手可能である。グルカン試料の多分散(Mw/Mn)を測定することによって、単一分子種であるグルカンを同定することも可能である。このパラメータは、SEC−MALLSによって、例えばBardottiら Vaccine 26, 2284−96(2008)に記載されるように、好適に測定することも可能である。本発明のこの態様において、使用に適したグルカンは、約1、例えば1.01またはそれ未満の多分散を有する。
天然グルカン、例えばカードランの可溶性は、イオン基を導入することによって(例えばカードラン中、特に0〜6での硫酸化によって)増加させることも可能である。こうした修飾を本発明で用いてもよいが、これらはグルカンの抗原性を改変する可能性もあるため、理想的には回避される。
多糖がグルカンである場合、典型的にはラミナリンである。
肺炎球菌(S. pneumoniae)莢膜多糖
上に論じるように、多糖はまた、細菌莢膜多糖であることも可能である。さらなる例示的な細菌莢膜多糖には、肺炎球菌由来のものが含まれる。多糖が肺炎球菌由来の莢膜多糖である場合、典型的には、以下の肺炎球菌血清型:1、2、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23F、および33Fの1つに由来する。いくつかの態様において、これは、1、5、6B、14、19F、および23Fに由来する。肺炎球菌由来の莢膜多糖は、最大8つの糖残基を含有しうる反復オリゴ糖単位を含む。主な肺炎球菌血清型に関するオリゴ糖単位は、上記表、Jones An. Acad. Bras. Cienc, 77(2), 293−324(2005)およびJones, J Pharm Biomed Anal 38, 840−850(2005)に記載される。
S.アガラクチエ(S. agalactiae)莢膜多糖
さらなる例示的な細菌莢膜多糖には、ストレプトコッカス・アガラクチエ由来のもの(「GBS」)が含まれる。莢膜多糖は、GBSのペプチドグリカン主鎖に共有結合され、そしてペプチドグリカン主鎖に付着した別の多糖であるB群抗原とは異なる。
GBS莢膜多糖は化学的に関連するが、抗原的には非常に異なる。すべてのGBS莢膜多糖は、以下の三糖コア:β−D−GlcpNAc(1→3)β−D−Galp(1→4)β−D−Glcpを共有する。
多様なGBS血清型では、このコアが修飾される方式が異なる。血清型laおよびIIIの間の相違は、例えば、連続する三糖コアを連結するための、このコアにおけるGlcNAc(la)またはGal(III)のいずれかの使用から生じる。
血清型laおよびlbはどちらも、コアにおいて、GlcNAcに連結された[a−D−NeupNAc(2→3)β−D−Galp−(1→]二糖を有するが、連結は、1→4(la)または1→3(lb)のいずれかである。
GBS関連疾患は、主に、血清型Ia、Ib、II、III、IV、V、VI、VII、およびVIIIから生じ、85%以上が5つの血清型:Ia、Ib、IIIおよびVによって引き起こされる。これらの4つの血清型の1つに由来する多糖が使用可能である。これらの4つの血清型各々の莢膜多糖には:(a)すべての場合で、ガラクトース残基に2→3で連結される、末端N−アセチル−ノイラミン酸(NeuNAc)残基(一般的にシアル酸と呼ばれる);および(b)三糖コア内のN−アセチル−グルコサミン残基(GlcNAc)が含まれる。
4つの多糖すべてには、三糖コア内にガラクトース残基が含まれるが、血清型Ia、Ib、IIおよびIIIはまた、各反復単位中に、さらなるガラクトース残基も含有する。
用いる多糖は天然型であってもよいし、または修飾されていてもよい。例えば、多糖は、天然莢膜多糖よりも短くてもよいし、または化学的に修飾されていてもよい。特に、本発明で用いる血清型V莢膜多糖は、WO2006/050341およびGuttormsenら Proc Natl Acad Sci U S A. 105(15), 5903−8(2008) Epub 2008 Mar 31に記載されるように修飾されてもよい。例えば、実質的に脱シアル化されている血清型V莢膜多糖。穏やかな酸性条件下(例えば0.1M硫酸、80℃60分間)で、精製GBS血清型V莢膜多糖を処理することによって、またはノイラミニダーゼ処理によって、脱シアル化GBS血清型V莢膜多糖を調製してもよい。したがって、本発明にしたがって用いる多糖は、天然に見られるように、実質的に全長の莢膜多糖でもよいし、または天然長より短くてもよい。例えば穏やかな酸中の加水分解によって、加熱によって、サイズクロマトグラフィーによって等で、全長多糖を脱重合して、本発明で用いるためのより短い断片を生じてもよい。特に、本発明で用いる血清型IIおよび/またはIII莢膜多糖は、WO96/40795およびMichonら Clin Vaccine Immunol.(2006)13(8), 936−43に記載されるように、脱重合可能である。
天然に見られるような莢膜多糖に比較して、多糖を化学的に修飾してもよい。例えば、多糖は、脱O−アセチル化(部分的または完全)、脱N−アセチル化(部分的または完全)、N−プロピオン化(部分的または完全)されるなどしてもよい。脱アセチル化は、コンジュゲート化前、中または後に起きてもよいが、好ましくはコンジュゲート化前に起こる。特定の多糖に応じて、脱アセチル化は、免疫原性に影響を及ぼす可能性もまたは及ぼさない可能性もある。多様な血清型のGBS多糖に対するO−アセチル化の関連性は、Lewisら PNAS USA 101, 11123−8(2004)に論じられ、そしていくつかの態様において、7、8および/または9位のシアル酸残基のO−アセチル化は、例えば保護/脱保護によって、再アセチル化によってなどで、コンジュゲート化前、中および後に保持される。しかし、典型的には、本発明で用いるGBS多糖は、実質的に、7、8および/または9位でのシアル酸残基のO−アセチル化をまったく含まない。特に、GBS多糖が、以下に記載するような塩基抽出によって精製されている場合、O−アセチル化は典型的には失われる。脱アセチル化の影響等は、ルーチンのアッセイによって表化可能である。
莢膜多糖は、Wesselsら Infect Immun 57, 1089−94(1989)に記載されるように、既知の技術によって精製可能である。典型的なプロセスは、塩基抽出、遠心分離、濾過、RNアーゼ/DNアーゼ処理、プロテアーゼ処理、濃縮、サイズ排除クロマトグラフィ、限外濾過、陰イオン交換クロマトグラフィ、およびさらなる限外濾過を伴う。細菌細胞壁を切断して、細胞壁構成要素を遊離させる酵素ムタノリシンでのGBS細胞の処理もまた有用である。
代替法として、WO2006/082527に記載される精製プロセスが使用可能である。これは、塩基抽出、エタノール/CaCI2処理、CTAB沈殿、および再可溶化を伴う。さらなる代替プロセスが、WO2009/081276に記載される。
黄色ブドウ球菌(S. aureus)莢膜多糖
さらなる例示的な細菌莢膜多糖には、黄色ブドウ球菌由来のもの、特に黄色ブドウ球菌5型および8型の莢膜多糖が含まれる。5型および8型の莢膜多糖の構造は、Moreauら Carbohydrate Res. 339(5), 285−91(1990)およびFournierら Infect. Immun. 45(1), 87−93(1984)に:
5型
→4)−β−D−ManNAcA(30Ac)−(1→4)−a−L−FucNAc(1→3)−β−D−FucNAc−(1
8型
→3)−β−D−ManNAcA(40Ac)−(1→3)−a−L−FucNAc(1→3)−β−D−FucNAc−(1
と記載される。
最近のNMR分光測定データ(Jones Carbohydrate Res. 340(6), 1097−106(2005))は、これらの構造の以下への修正を導いている:
5型
→4)−β−D−ManNAcA−(1→4)−a−L−FucNAc(30Ac)−(1→3)−β−D−FucNAc−(1
8型
→3)−β−D−ManNAcA(40Ac)−(1→3)−a−L−FucNAc(1→3)−a−D−FucNAc(1→。
多糖は、天然に見られるような莢膜多糖に比較して、化学的に修飾されていてもよい。
例えば、多糖は、脱O−アセチル化(部分的または完全)、脱N−アセチル化(部分的または完全)、N−プロピオン化(部分的または完全)されるなどしてもよい。脱アセチル化は、コンジュゲート化前、中、または後に起きてもよいが、典型的には前に起こる。脱アセチル化等の影響は、ルーチンのアッセイによって評価可能である。例えば、黄色ブドウ球菌5型または8型莢膜多糖に対するO−アセチル化の関連性は、Fattomら Infect Immun. 66(10):4588−92(1998)に論じられる。天然多糖は、この文書において、75%O−アセチル化を有すると言われる。これらの多糖は、多糖主鎖およびO−アセチル基両方に対する抗体を誘導した。0%O−アセチル化を伴う多糖はなお、多糖主鎖に対する抗体を誘発した。両方のタイプの抗体は、O−アセチル含量が多様である黄色ブドウ球菌株に対して、オプソニン性であった。したがって、本発明で用いる5型または8型莢膜多糖は、0〜100%の間のO−アセチル化を有することも可能である。
多糖のO−アセチル化の度合いは、当該技術分野に知られる任意の方法によって、例えばプロトンNMRによって(例えば、LemercinierおよびJones Carbohydrate Res. 296, 83−96(1996)、JonesおよびLemercinier, J Pharm BiomedAnal. 30(4), 1233−47(2002)、WO05/033148またはWO 00/56357に記載されるように)決定可能である。さらなる方法が、Hestrin J. Biol. Chem. 180, 249−261(1949)に記載される。類似の方法を用いて、多糖のN−アセチル化の度合いを決定することも可能である。O−アセチル基を加水分解によって、例えば無水ヒドラジンなどの塩基(Konaduら Infect. Immun. 62, 5048−5054(1994))またはNaOH(Fattomら Infect Immun. 66(10):4588−92(1998))での処理によって除去することも可能である。類似の方法を用いて、N−アセチル基を除去することも可能である。5型および/または8型莢膜多糖上の高レベルのO−アセチル化を維持するため、O−アセチル基の加水分解を導く処理、例えば極端なpHでの処理は最小限にされる。
既知の技術によって、本明細書の参考文献に記載されるように、莢膜多糖を精製してもよい。典型的なプロセスは、黄色ブドウ球菌細胞のフェノール−エタノール不活性化、遠心分離、リゾスタフィン処理、RNアーゼ/DNアーゼ処理、遠心分離、透析、プロテアーゼ処理、さらなる透析、濾過、エタノール/CaCI2での沈殿、透析、凍結乾燥、陰イオン交換クロマトグラフィ、透析、凍結乾燥、サイズ排除クロマトグラフィ、透析および凍結乾燥を伴う(Fattomら Infect Immun. 58(7), 2367−74(1990))。代替プロセスは、黄色ブドウ球菌細胞のオートクレーブ、多糖含有上清の限外濾過、濃縮、凍結乾燥、タイコ酸を除去するためのメタ過ヨウ素酸ナトリウムでの処理、さらなる限外濾過、ディアフィルトレーション、高性能サイズ排除液体クロマトグラフィ、透析および凍結乾燥を伴う(Gilbertら J. Microb. Meth. 20, 39−46(1994))。しかし、本発明は、天然供給源から精製される多糖に限定されず、他の方法、例えば完全または部分合成によって多糖を得てもよい。
他の細菌莢膜多糖
さらなる例示的な細菌莢膜多糖には、b型インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、チフス菌Vi(Salmonella enterica Typhi Vi)およびクロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)由来のものが含まれる。
S.アガラクチエ炭水化物:非莢膜細菌多糖もまた使用可能である。例示的な非胸膜細菌多糖は、S.ピオゲネス(S. pyogenes)GAS炭水化物(GAS細胞壁多糖、またはGASPとしても知られる)である。この多糖は、交互のアルファ−(1→2)およびアルファ−(1→3)連結からなるL−ラムノピラノース(Rhap)主鎖、ならびに交互のラムノース環にβ−(1→3)連結されたD−N−アセチルグルコサミン(GlcpNAc)残基を含む分枝鎖構造を特徴とする(Kreisら Int J Biol Macromol. 17(3−4), 117−30(1995))。
GAS炭水化物は、一般的には天然型であろうが、修飾されていてもよい。例えば、多糖は、天然GAS炭水化物より短くてもよいし、または化学的に修飾されていてもよい。
したがって、本発明にしたがって用いる多糖は、天然に見られるような実質的に全長のGAS炭水化物であってもよいし、または天然長よりも短くてもよい。例えば穏やかな酸中の加水分解によって、加熱によって、サイズクロマトグラフィーによって等で、全長多糖を脱重合して、本発明で用いるためのより短い断片を生じてもよい。GAS炭水化物上の末端単位に対応すると考えられる短い断片は、ワクチンの使用に関して提唱されてきている(Hoogら, Carbohydr Res. 337(21−23), 2023−36(2002))。したがって、短い断片が本発明において想定される。しかし、実質的に全長の多糖を用いることが好ましい。GAS炭水化物は、典型的には、約10kDa、特に約7.5〜8.5kDaの平均分子量を有する。分子量は、HPLC、例えばTSK Gel G3000SWカラム(Sigma)を用いたSEC−HPLCによって、プルラン標準、例えばPolymer Standard Service(www. Polymer.de)より入手可能なものに比較して、測定可能である。
天然に見られるようなGAS炭水化物に比較して、多糖を化学的に修飾してもよい。例えば多糖は、脱N−アセチル化(部分的または完全)、N−プロピオン化(部分的または完全)されるなどしてもよい。例えば免疫原性に対する、脱アセチル化等の影響をルーチンのアッセイによって評価してもよい。
いくつかの態様において、多糖は、以下に示す構造を有する、GBSII抗原性多糖である:
いくつかの態様において、多糖は、以下に示す構造を有する、GBSV抗原性多糖である:
いくつかの態様において、多糖は、以下に示す構造を有する、MenA抗原性多糖である:
別の側面において、式(I)R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(A−W−B−R2)zまたは(II)R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(NH−W−R2)zの化合物が開示され、式中、x、y、z、R1、R2、A、B、およびWは上に定義する通りである。いくつかの態様において、化合物は、以下の任意の1つである:
八員シクロアルキン基を有する態様において、この基は、共有結合によって修飾基に付着していてもよい。典型的には、八員シクロアルキン基は、スペーサーを介して、そしてスペーサーの末端に付着する。スペーサーのもう一方の端は、ペプチドのアミノまたはカルボン酸末端を通じるが、グルタミンのε−アミノ基を通じない、修飾基への付着のための官能基を有する。例えば、付着が修飾基のアミン部分である場合、スペーサーには、アミンへの付着を可能にする任意の官能基(例えばスクシニミジルエステル)が含まれることも可能である。同様に、付着が修飾基のカルボン酸部分である場合、スペーサーには、カルボン酸への付着を可能にする任意の官能基(例えばアミン)が含まれてもよい。
いくつかの態様において、八員シクロアルキン基には、1またはそれより多い窒素原子、例えば1、2または3つの窒素原子が含まれる。いくつかの態様において、八員シクロアルキン基を1またはそれより多い他の環系、例えばシクロプロパンまたはベンゼンに融合させる。1つの好ましい態様において、八員シクロアルキン基をシクロプロパン基に融合させる。別の好ましい態様において、八員シクロアルキン基を2つのベンゼン基に融合させる。最も好ましい態様において、八員シクロアルキン基はシクロオクチン基である。
1つの態様において、式X1−L−X2を有する化合物を用いて、付着を行い、式中、X1は八員シクロアルキン基であり、そしてX2−Lがスペーサーである。これらの態様において、X2は、ペプチド上のアミン基上の官能基と反応可能な任意の基であってもよく、そしてLは、スペーサー中の連結部分である。
1つの態様において、X2は、N−オキシスクシニミドである。この基は、ペプチド上のアミンへの付着に適している。Lは、1〜10の炭素原子(例えばC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10)を持つ直鎖アルキル、例えば(CH2)4または(CH2)3であってもよい。Lは、典型的には、式−L3−L2−L1を有し、式中、L1はカルボニルであり、L2は、1〜10の炭素原子(例えばC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10)を持つ直鎖アルキル、例えば(CH2)4または(CH2)5であるか、あるいはL2は存在せず、そしてL3は−NHC(O)−、カルボニルまたは−O(CH3)−である。
1つの態様において、L1はカルボニルであり、L2は(CH2)5であり、そしてL3は−NHC(O)−である。別の態様において、L1はカルボニルであり、L2は(CH2)4であり、そしてL3はカルボニルである。別の態様において、L1はカルボニルであり、L2は存在せず、そしてL3は−O(CH3)−である。
1つの態様において、X1は
である。
別の態様において、X1は
である。
別の態様において、X1は
である。
1つの態様において、式X1−L−X2を有する化合物は
である。
1つの態様において、式X1−L−X2を有する化合物は:
である。
1つの態様において、式X1−L−X2を有する化合物は:
である。
R2基にフルオロフォアが含まれる場合、適切なフルオロフォア基を、当該技術分野に周知の技術にしたがって調製してもよい。例えば、スキームIに示すように、フルオロフォア官能化修飾基を調製するための一般的なプロトコルを例示する。
スキームI
ターゲットタンパク質
ターゲット化合物は、微生物トランスグルタミナーゼの基質であるもの、例えば、微生物トランスグルタミナーゼの基質であるタンパク質であってもよい。1つの側面において、ターゲット化合物は、少なくとも1つのLys残基を含有し、そしていくつかの態様において、少なくとも2つのLys残基を含有する。ターゲット化合物が、それ自体、トランスグルタミナーゼ基質でない場合、1またはそれより多いGlnまたはLys残基、そして特にLys残基を、タンパク質中に挿入して、該タンパク質をトランスグルタミナーゼの基質にすることが可能である。あるいは、リジン残基を含有するペプチド配列(ペプチドタグ)を挿入してもよい。原理的には、こうしたGlnまたはLys残基を配列中の任意の位に挿入してもよい。典型的には、挿入は、タンパク質のアクセス可能な部分または柔軟なループ中であるべきである。これはまた、タンパク質の生理学的、例えば療法的活性が、例えば療法介入においてタンパク質が有用でない度合いまでは影響を受けない位で挿入されることも可能である。タンパク質中のアミノ酸残基の挿入は、当業者に知られる標準技術、例えば翻訳後化学修飾またはトランスジェニック技術によって達成可能である。
トランスグルタミナーゼの基質である任意のターゲット化合物またはタンパク質、例えば酵素、タンパク質ホルモン、増殖因子、抗体および抗体断片、サイトカイン、受容体、リンホカインならびにワクチン抗原などを、本明細書に開示する方法によって修飾することも可能である。いくつかの態様において、ポリペプチドは抗原性ペプチドである。
いくつかの態様において、特にRが多糖である場合、ポリペプチドはキャリアー分子である。一般的に、キャリアーへの多糖の共有コンジュゲート化は、これが多糖をT非依存性抗原からT依存性抗原に変換するため、多糖の免疫原性を増進し、したがって免疫記憶のプライミングを可能にする。コンジュゲート化は、小児科ワクチンに特に有用であり(例えば、Ramsayら Lancet 357(9251):195−196(2001)を参照されたい)、そしてこれは周知の技術である(概説には、Lindberg Vaccine 17 Suppl 2:S28−36(1999)、ButteryおよびMoxon, J R Coll Physicians Lond 34, 163−168(2000)、AhmadおよびChapnick, Infect Dis Clin North Am 13:113−33, vii(1999)、Goldblatt J. Med. Microbiol. 47, 563−567(1998)、欧州特許477 508、米国特許第5,306,492号、W098/42721、Dickら Conjugate Vaccines(Cruseら監修) Karger, Basel, 10, 48−114(1989)、ならびにHermanson Bioconjugate Techniques, Academic Press, San Diego (1996) ISBN:0123423368を参照されたい)。
キャリアータンパク質は、細菌毒素、トキソイドであることも可能である。有用なキャリアータンパク質には、細菌毒素またはトキソイド、例えばジフテリアトキソイドまたは破傷風トキソイド、ジフテリアおよびコレラ毒素、ならびにそのサブユニット、例えば破傷風トキソイドの断片Cおよびジフテリア毒素のCRM197突然変異体が含まれる。他の適切なキャリアータンパク質には、髄膜炎菌外膜タンパク質、合成ペプチド、熱ショックタンパク質、百日咳タンパク質、サイトカイン、リンホカイン、ホルモン、増殖因子、ヒト血清アルブミン(組換え型を含む)、多様な病原体由来抗原由来の多数のヒトCD4+ T細胞エピトープ、例えばN19、インフルエンザ菌由来のタンパク質D、肺炎球菌表面タンパク質PspA、ニューモリシン、鉄取り込みタンパク質、C.ディフィシレ由来の毒素AまたはB、組換え緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)エキソプロテインA(rEPA)、GBSタンパク質を含む人工的タンパク質等が含まれる。いくつかの態様において、ターゲットタンパク質は、線毛タンパク質、例えばGBSタンパク質、例えばGBS67およびGBS80である。
さらなる誘導体化
本発明のターゲットタンパク質(すなわち関心対象のタンパク質)を修飾する必要性は、いかなる数の理由に関して生じてもよく、そしてこれはまた、本発明の方法にしたがって選択的に修飾されうる化合物の種類に反映される。
一般的に、本発明の方法は、式(I)R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(A−W−B−R2)zまたは(II)R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(NH−W−R2)zのグルタミン含有ペプチドと、少なくとも2つのリジンを含有するタンパク質の、微生物トランスグルタミナーゼが触媒する反応を含む。
1つの態様において、方法は、以下の工程からなる:(a)式(I)R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(A−W−B−R2)zの化合物のペプチド合成による調製、および当該技術分野に知られるような精製;(b)過剰なこの化合物R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(A−W−B−R2)zと、少なくとも1つのリジン、そしていくつかの態様において、1より多いリジンを含有するターゲットタンパク質の、水性緩衝液、場合によって有機溶媒、界面活性剤または他の修飾剤を含有する水性緩衝液中での混合;(c)この混合物への、触媒量の微生物トランスグルタミナーゼの添加;(d)mTGアーゼ阻害剤を、場合によって混合物に添加してもよく;(e)混合物を精製プロセス、典型的には、限外濾過またはディアフィルトレーションおよび/またはクロマトグラフィ(イオン交換、サイズ排除、疎水性相互作用など)の装置操作を含むプロセスに供する。それによって、選択的に修飾されたタンパク質を得る。タンパク質は、クロマトグラフィ、電気泳動、ペプチドマッピングおよび質量分析を含む、標準タンパク質分析法によって特徴付けられる。
1つの態様において、方法は、以下の工程からなる:(a)式(II)R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(NH−W−R2)zの化合物のペプチド合成による調製、および当該技術分野に知られるような精製;(b)過剰なこの化合物R1−(Leu)x−Gln−(Gly)y−(NH−W−R2)zと、少なくとも1つのリジン、そしていくつかの態様において、1より多いリジンを含有するターゲットタンパク質の、水性緩衝液、場合によって有機溶媒、界面活性剤または他の修飾剤を含有する水性緩衝液中での混合;(c)この混合物への、触媒量の微生物トランスグルタミナーゼの添加;(d)mTGアーゼ阻害剤を、場合によって混合物に添加してもよく;(e)混合物を精製プロセス、典型的には、限外濾過またはディアフィルトレーションおよび/またはクロマトグラフィ(イオン交換、サイズ排除、疎水性相互作用など)の装置操作を含むプロセスに供する。それによって、選択的に修飾されたタンパク質を得る。タンパク質は、クロマトグラフィ、電気泳動、ペプチドマッピングおよび質量分析を含む、標準タンパク質分析法によって特徴付けられる。
場合によって、工程(b)または(c)の後に、存在する場合、R1またはR2または両方の官能基を通じて、例えばフルオロフォア標識(すでに存在しない場合)でさらに修飾することも可能である。標識を添加する場合、蛍光または放射標識などの標識の性質に応じて、多様な技術を用いて、修飾タンパク質を検出してもよい。
いくつかの態様において、R1またはR2または両方の官能基を放射標識してもよい。例えばヨウ素放射標識を、スキームIIに示すように、リンカーに添加してもよい。
スキームII。
mTGアーゼ仲介トランスアミド化の機構の一部として、MTGアーゼの活性部位中のCysおよびGln基質の間の反応によって、分子間チオエステルを形成する。用語「トランスアミド化」は、別の化合物由来の窒素、特に別の窒素含有求核試薬由来の窒素と、グルタミンの側鎖中の窒素を交換する反応を示す。この中間体を活性化Gln残基と見なすことも可能であり、活性種はmTGアーゼ−チオエステルであり、これがアミン、例えばタンパク質リジン残基と反応する。反応の選択性は、1)Lys所持タンパク質基質と相互作用する一方、mTGアーゼ−チオエステルの剪断立体バルク、ならびに2)mTGアーゼ−チオエステルおよびLys所持タンパク質基質の間のより定義された非共有相互作用の結果である。この直接の結果は、活性化アシル基を所持するタンパク質、アシル−X−タンパク質が本発明に含まれることであり、式中、Xはタンパク質−リジンアミンによる求核攻撃に向けてアシル基を活性化する原子または基である。
したがって、タンパク質を修飾して、タンパク質の物理化学的特性を改変して、例えば療法タンパク質の可溶性を増加させ(または減少させ)、その生物学的利用能を修飾することが望ましい可能性もある。別の態様において、化合物を血漿タンパク質、例えばアルブミンに結合するタンパク質、または腎臓を通じた排出を防止するかもしくは遅延させるため、タンパク質のサイズを増加させる、タンパク質にコンジュゲート化することによって、体におけるクリアランス速度を修飾することが望ましい可能性もある。コンジュゲート化はまた、タンパク質の加水分解、例えばin vivoタンパク質分解に対する感受性を改変する、そして特に減少させることも可能である。
別の態様において、標識をコンジュゲート化して、タンパク質の分析を容易にすることが望ましい可能性もある。こうした標識の例には、放射性同位体、蛍光マーカー、例えばすでに記載したフルオロフォアなどの蛍光マーカーおよび酵素基質が含まれる。
さらに別の態様において、化合物をタンパク質にコンジュゲート化して、タンパク質の単離を容易にする。例えば、特定のカラム物質に特異的アフィニティを持つ化合物を、タンパク質にコンジュゲート化することも可能である。例えばタンパク質の1またはそれより多い免疫原性エピトープを隠すか、マスキングするかまたは覆い隠すように、タンパク質をコンジュゲート化することによって、タンパク質の免疫原性を修飾することが望ましい可能性もまたある。名詞としての用語「コンジュゲート」は、修飾されたペプチド、すなわちペプチドの特性を修飾するように、ペプチドに結合した部分を含むペプチドを示すよう意図される。動詞としては、該用語は、ペプチドの特性を修飾するように、ペプチドに部分を結合させるプロセスを示すよう意図される。
1つの態様において、本発明は、ターゲットタンパク質の薬理学的特性を改善する方法を提供する。改善は、対応する非修飾タンパク質に関する。こうした薬理学的特性の例には、機能的in vivo半減期、免疫原性、腎臓濾過、プロテアーゼ保護および任意の特定のタンパク質のアルブミン結合が含まれる。
1つの側面において、本発明の修飾タンパク質は、R1、(A−W−B−R2)z、および/またはNH−W−R2のさらなる誘導体化を通じて、さらに修飾されてもよい。特に、R1および/またはR2は、さらなる修飾に適した化学基を含んでもよい。こうしたさらなる官能化の例には、R1またはR2にアジドまたはシクロオクチン基が含まれる場合は、アジド−アルキン・ヒュスゲン環付加、より一般的には、クリックケミストリーと知られるものが含まれる。R2が、脱離してα,β−不飽和ケトンになるトシル・スルホンを含む場合、チオールなどの求核試薬を用いて、さらなる修飾のため、コンジュゲート付加を適用することも可能である。
いくつかの態様において、すでに上述したように、Wは:デンドリマー、酸化ポリアルキレン、ポリアルキレングリコール(PAG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、分枝鎖PEG、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシレート、ポリビニルピロリドン、polydhykne−コ・マレイン酸無水物、ポリスチレンc−マキック酸(makic acid)無水物、デキストリン、カルボキシメチル−デキストラン;血清タンパク質結合リガンド、例えばアルブミンに結合する化合物、例えば脂肪酸、C5−C24脂肪酸、脂肪族二酸(例えばC5−C24)、グリカンが受容体(例えばアシアロ糖タンパク質受容体およびマンノース受容体)に結合することを阻害する構造(例えばシアル酸誘導体または模倣体)、生理学的条件を改変し、電荷特性を改変する部分を含有する小分子有機分子、例えばカルボン酸またはアミン、あるいはグリカン特異的認識を防止する中性置換基、例えばより小さいアルキル置換基(例えばC1−C5アルキル)、1またはそれより多いカルボン酸、アミン、スルホン酸、リン酸、またはその組み合わせを含有してもよい低分子量有機荷電ラジカル(例えばC1−C25);低分子量中性親水性分子(例えばC1−C25)、例えばシクロデキストリン、または場合によって分枝していてもよいポリエチレン鎖;2〜40kDaの平均分子量を持つポリエチレングリコール;700〜20,000Da、またはより好ましくは700〜10,000Daの間の範囲の正確な分子量を持つ、デンドリマーなどのよく定義された正確なポリマー;ならびに、実質的に非免疫原性のポリペプチド、例えばアルブミン、あるいは抗体または場合によってFcドメインを含有する抗体部分より選択可能である。
1つの態様において、Wは、約40〜約10,000amuの間の分子量を有する直鎖または分枝鎖ポリエチレングリコールであり、「PEG」ともまた称される。用語「PEG」は、その類似体も含むポリエチレングリコールを示すよう意図され、例えば、分枝末端OH基がアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、またはプロポキシ基によって置換されているものである。
mPEGを産生するためのプロセスによって、これらの分子はしばしば、分子量分布を有する。この分布は、多分散指数によって記載される。用語「多分散指数」は、本明細書において、ポリマー化学業に知られるような、平均分子量および平均分子量の数の間の比を意味する(例えば、”Polymer Synthesis and Characterization”, J.A. Nairn, ユタ大学, 2003を参照されたい)多分散指数は、1より大きいかまたは1に等しい数であり、そしてこれは、ゲル浸透クロマトグラフィデータから概算可能である。多分散指数が1である場合、産物は単分散であり、そしてしたがって、単一の分子量を持つ化合物で構成される。多分散指数が1より大きい場合、これはそのポリマーの多分散性の尺度であり、すなわち異なる分子量を持つポリマー分布の幅である。
式、化合物名または分子構造における、例えば「mPEG2000」の使用は、mPEGが多分散であり、そしておよそ2,000Daの分子量を有するmPEG残基を示す。
多分散指数は、典型的には、PEGまたはmPEGの分子量を増加させる。2,000Da PEG、そして特に2,000Da mPEGに言及する場合、これは、1.06未満、例えば1.05未満、例えば1.04未満、例えば1.03未満、例えば1.02〜1.03の間の多分散指数を持つ化合物(または実際、化合物の混合物)を示すよう意図される。3,000Da PEG、そして特に3,000Da mPEGに言及する場合、これは、1.06未満、例えば1.05未満、例えば1.04未満、例えば1.03未満、例えば1.02〜1.03の間の多分散指数を持つ化合物(または実際、化合物の混合物)を示すよう意図される。
いくつかの態様において、上記方法には、タンパク質のpH環境を、7より大きいpHに調節し、そして部位選択的に標識されたタンパク質と、システイン残基を有するペプチドを接触させる工程もまた含まれる。いくつかの態様において、システイン残基を有するペプチドは、N5−((R)−1−((カルボキシメチル)アミノ)−3−メルカプト−1−オキソプロパン−2−イル)−L−グルタミンである。いくつかの態様において、システイン残基を有するペプチドを、任意のチオール含有分子、例えばチオールを含む多糖、チオールを含む細胞毒、チオール官能化PEG等で置換することも可能である。
薬学的組成物
別の側面において、本明細書に開示する方法いずれかによって修飾されたタンパク質を含む薬学的組成物。1つの側面において、こうした薬学的組成物は、10〜15mg/ml〜200mg/ml、例えば10〜10mg/mlから5mg/mlの濃度で存在し、そして組成物が2.0〜10.0のpHを有する修飾タンパク質、例えば成長ホルモン(GH)を含む。組成物はさらに、緩衝系、保存剤(単数または複数)、等張剤(単数または複数)、キレート剤(単数または複数)、安定化剤および界面活性剤を含むことも可能である。1つの態様において、薬学的組成物は水性組成物である。こうした組成物は、典型的には、溶液または懸濁物として存在する。さらなる態様において、薬学的組成物は水溶液である。用語「水性組成物」は、少なくとも50%w/wの水を含む組成物と定義される。同様に、用語「水溶液」は、少なくとも50%w/wの水を含む溶液と定義され、そして用語「水性懸濁物」は、少なくとも50%w/wの水を含む溶液と定義される。
別の態様において、薬学的組成物は、凍結乾燥組成物であり、これに対して、医師、患者、または薬剤師が、使用前に溶媒および/または希釈剤を添加する。別の態様において、薬学的組成物は、いかなるあらかじめの溶解も伴わず、使用する用意ができている乾燥組成物(例えば凍結乾燥またはスプレー乾燥組成物)である。
さらなる側面において、薬学的組成物は、修飾タンパク質、例えば修飾GHタンパク質、および緩衝剤の水溶液を含み、修飾タンパク質、例えば修飾GHタンパク質は、0.1〜100mg/mlまたはそれより多い濃度で存在し、そして前記組成物は、約2.0〜約10.0のpHを有する。
別の態様において、組成物のpHは、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、および10.0からなるリストより選択される。
さらなる態様において、緩衝剤は、重炭酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、およびtris(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビシン、トリシン、リンゴ酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸、TRIS、またはその混合物より選択される。
さらなる態様において、組成物にはまた、薬学的に許容されうる保存剤も含まれてもよい。例えば、保存剤は、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、2−フェノキシエタノール、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、2−フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、およびチオメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(3p−クロルフェノキシプロパン−1,2−ジオール)、またはその混合物であることも可能である。保存剤は、0.1mg/ml〜20mg/mまたは0.1mg/ml〜5mg/mlの濃度で存在することも可能である。さらなる態様において、保存剤は、5mg/ml〜10mg/mlまたは10mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在する。
さらなる態様において、組成物には、等張剤が含まれてもよい。さらなる態様において、等張剤は、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖または糖アルコール、アミノ酸(例えばL−グリシン、L−ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、アルジトール(例えばグリセロール(グリセリン)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール)、ポリエチレングリコール(例えばPEG400)、またはその混合物より選択される。例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプンおよびカルボキシメチルセルロース−Naを含む、任意の糖、例えば単糖、二糖、または多糖、あるいは水溶性グルカンを用いてもよい。1つの態様において、糖添加物はスクロースである。糖アルコールは、少なくとも1つの−OH基を有するC4−C8炭化水素と定義され、そしてこれには、例えば、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、デュルシトール、キシリトール、アラビトール、およびこれらの混合物が含まれる。1つの態様において、糖アルコール添加物はマンニトールである。1つの態様において、糖または糖アルコール濃度は、約1mg/ml〜約150mg/mlの間、または1mg/ml〜50mg/mlである。等張剤は、1mg/ml〜7mg/ml、または8mg/ml〜24mg/ml、または25mg/ml〜50mg/mlの濃度で存在する。薬学的組成物中の等張剤の使用は、当業者に周知である。好適には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20版, 2000を参照されたい。
本背景において、用語「薬学的に許容されうる塩」は、患者に有害でない塩を示すよう意図される。こうした塩には、薬学的に許容されうる酸付加塩、薬学的に許容されうる金属塩、アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩が含まれる。酸付加塩には、無機酸ならびに有機酸の塩が含まれる。適切な無機酸の代表例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸等が含まれる。適切な有機酸の代表的な例には、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。薬学的に許容されうる無機または有機酸付加塩のさらなる例には、本明細書に援用される、J. Phann. Sci. 1977, 66, 2に列挙される薬学的に許容されうる塩が含まれる。金属塩の例には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム塩等が含まれる。アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩の例には、アンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ヒドロキシエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム塩等が含まれる。
さらなる態様において、組成物には、キレート剤が含まれる。キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、およびアスパラギン酸の塩、ならびにその混合物より選択される。キレート剤は、0.1mg/ml〜5mg/ml、0.1mg/ml〜2mg/ml、または2mg/ml〜5mg/mlの濃度で存在する。薬学的組成物中のキレート剤の使用は、当業者に周知である。好適には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20版, 2000を参照されたい。
さらなる態様において、組成物には安定化剤が含まれる。薬学的組成物における安定化剤の使用は、当業者に周知である。好適には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20版, 2000を参照されたい。より具体的には、本発明の組成物は、安定化された液体薬学的組成物であり、その療法活性構成要素には、液体薬学的組成物での保存中におそらく凝集物形成を示すタンパク質が含まれる。「凝集物形成」によって、タンパク質分子間の物理的相互作用が意図され、これはオリゴマーの形成を生じ、オリゴマーは可溶性のままであるか、または溶液から沈殿する大きな可視凝集物である可能性もある。「保存中」によって、ひとたび調製された液体薬学的組成物または組成物が、直ちには被験体に投与されないことが意図される。そうではなく、調製後、これは、液体型、凍結状態、あるいは液体型または被験体への投与に適した他の型に、後に再構築される乾燥型のいずれかで、保存のためパッケージングされる。「乾燥型」によって、液体薬学的組成物または組成物が、フリーズドライ(すなわち凍結乾燥;例えば、WilliamsおよびPolli(1984) J. Parenteral Sci. Technol. 38:48−59)、スプレー乾燥(Masters(1991) Spray−Drying Handbook(第5版; Longman Scientific and Technical, Essez, U.K.)中, pp.491−676; Broadheadら(1992)Drug Devel. Ind. Phann. 18:1169−1206;およびMumenthalerら(1994)Phann. Res. 11:12−20)、または風乾(CarpenterおよびCrowe(1988)Cryobiology 25:459−470;ならびにRoser(1991)Biopharm. 4:47−53)によってのいずれかで乾燥されることが意図される。液体薬学的組成物の保存中の、タンパク質による凝集物形成は、そのタンパク質の生物学的活性に不都合に影響を及ぼすことも可能であり、薬学的組成物の療法的有効性の喪失を生じる。さらに、凝集物形成は、他の問題、例えば注入系を用いてタンパク質含有薬学的組成物を投与する場合、管系、膜、またはポンプの閉塞を引き起こしうる。
薬学的組成物にはまた、組成物の保存中の、タンパク質による凝集物形成を減少させるために十分な量のアミノ酸塩基が含まれてもよい。「アミノ酸塩基」によって、任意の所定のアミノ酸が、遊離塩基型またはその塩型のいずれかで存在する、アミノ酸またはアミノ酸の組み合わせが意図される。アミノ酸の組み合わせを用いる場合、すべてのアミノ酸が、遊離塩基型で存在してもよいし、すべてがその塩型で存在してもよいし、またはあるものが遊離塩基型で存在する一方、他のものが塩型で存在してもよい。1つの態様において、本発明の組成物を調製する際に用いるためのアミノ酸は、荷電側鎖を所持するもの、例えば、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、およびグルタミン酸である。特定のアミノ酸(メチオニン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニンおよびその混合物)の任意の立体異性体(すなわちLまたはD異性体、あるいはその混合物)あるいはこれらの立体異性体またはグリシンまたは有機塩基の組み合わせ、例えば限定されるわけではないがイミダゾールは、特定のアミノ酸または有機塩基が、遊離塩基型またはその塩型のいずれかで存在する限り、薬学的組成物中に存在することも可能である。1つの態様において、アミノ酸のL−立体異性体を用いる。1つの態様において、L−立体異性体を用いる。本発明の組成物を、これらのアミノ酸の類似体を用いて配合することも可能である。「アミノ酸類似体」によって、本発明の液体薬学的組成物の保存中のタンパク質による凝集物形成を減少させる望ましい効果を達成する、天然存在アミノ酸の誘導体が意図される。適切なアルギニン類似体には、例えば、アミノグアニジン、オルニチンおよびN−モノエチルL−アルギニンが含まれ、適切なメチオニン類似体には、エチオニンおよびブチオニンが含まれ、そして適切なシステイン類似体には、S−メチル−L−システインが含まれる。他のアミノ酸に関しては、アミノ酸類似体は、遊離塩基型またはその塩型のいずれかで組成物内に取り込まれる。さらなる態様において、アミノ酸またはアミノ酸類似体は、タンパク質の凝集を防止するかまたは遅延させるのに十分な濃度で用いられる。
さらなる態様において、療法剤として作用するタンパク質が、酸化に感受性である少なくとも1つのメチオニン残基を含むタンパク質である場合、メチオニン(また他のイオウアミノ酸)または類似のアミノ酸を添加して、メチオニン残基のメチオニンスルホキシドへの酸化を阻害することも可能である。「阻害する」によって、長期に渡るメチオニン酸化種の最小限の集積が意図される。メチオニン酸化の阻害は、タンパク質の適切な分子型でのより長い保持を生じる。メチオニンの任意の立体異性体(LまたはD異性体)またはその任意の組み合わせを用いてもよい。添加される量は、メチオニンスルホキシドの量が監督官庁に許容されうるように、メチオニン残基の酸化を阻害するために十分な量でなければならない。典型的には、これは、組成物が、約10〜約30%のメチオニンスルホキシドを超えない量を含有することを意味する。一般的に、これは、メチオニン残基に添加されるメチオニンの比が、約1:1〜約1000:1、例えば10:1〜約100:1の範囲であるように、メチオニンを添加することによって得られうる。
さらなる態様において、組成物には、高分子量ポリマーまたは低分子量化合物の群より選択される安定化剤が含まれることも可能である。安定化剤は、ポリエチレングリコール(例えばPEG3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ−/ヒドロキシセルロースまたはその誘導体(例えばHPC、HPC−SL、HPC−LおよびHPMC)、シクロデキストリン、モノチオグリセロール、チオグリコール酸および2−メチルチオエタノールなどのイオウ含有物質、および異なる塩(例えば塩化ナトリウム)より選択されうる。
薬学的組成物にはまた、さらなる安定化剤も含まれてもよく、これは、その療法活性タンパク質の安定性をさらに増進させる。安定化剤には,限定されるわけではないが、メチオニン酸化に対してタンパク質を保護する、メチオニンおよびEDTA、ならびに凍結融解または機械的剪断に関連する凝集に対してタンパク質を保護する、非イオン性表面活性剤が含まれる。
さらなる態様において、組成物にはまた表面活性剤が含まれる。表面活性剤は、界面活性剤、エトキシル化ひまし油、ポリグリコール化グリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレン・ブロックポリマー(例えばポロキサマー、例えばPluronic(登録商標)F68、ポロキサマー188および407、Triton X−100)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンおよびポリエチレン誘導体、例えばアルキル化およびアルコキシ化誘導体(Tween、例えばTween−20、Tween−40、Tween−80およびBrij−35)、モノグリセリドまたはそのエトキシル化誘導体、ジグリセリドまたはそのポリオキシエチレン誘導体、アルコール、グリセロール、レクチンおよびリン脂質(例えばホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロールおよびスフィンゴミエリン)、リン脂質の誘導体(例えばジパルミトイルホスファチジン酸)およびリゾリン脂質(例えばエタノールアミン、コリン、セリンまたはスレオニンのパルミトイル・リゾファチジル−L−セリンおよび1−アシル−sn−グリセロ−3−リン酸エステル)、ならびにリゾホスファチジルおよびホスファチジルコリンのアルキル、アルコキシ(アルキルエステル)、アルコキシ(アルキルエーテル)誘導体、例えばリゾホスファチジルコリンのラウロイルおよびミリストイル誘導体、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ならびに極性頭部の修飾、例えばコリン、エタノールアミン、ホスファチジン酸、セリン、スレオニン、グリセロール、イノシトール、および陽性荷電DODAC、DOTMA、DCP、BISHOP、リゾホスファチジルセリンおよびリゾホスファチジルスレオニンおよびグリセロリン酸(例えばセファリン)、グリセロ糖脂質(例えばガラクトピラノシド)、スフィンゴ糖脂質(例えばセラミド、ガングリオシド)、ドデシルホスホコリン、鶏卵リゾレシチン、フシジン酸誘導体(例えばタウロ−ジヒドロフシジン酸等)、長鎖脂肪酸およびその塩、C6−C12(例えばオレイン酸およびカプリル酸)、アシルカルニチンおよび誘導体、リジン、アルギニンもしくはヒスチジンのNα−アシル化誘導体、またはリジンもしくはアルギニンの側鎖アシル化誘導体、リジン、アルギニンもしくはヒスチジンおよび中性もしくは酸性アミノ酸の任意の組み合わせを含む二タンパク質のNα−アシル化誘導体、中性アミノ酸および2つの荷電アミノ酸の任意の組み合わせを含む三タンパク質のNα−アシル化誘導体、DSS(ドクサートナトリウム、CAS登録番号[577−11−7])、ドクサートカルシウム、CAS登録番号[128−49−4]、ドクサートカリウム、CAS登録番号[7491−09−0]、SDS(ドデシル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸ナトリウム)、カプリル酸ナトリウム、コール酸またはその誘導体、胆汁酸およびその塩およびグリシンまたはタウリンコンジュゲート、ウルソデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、N−ヘキサデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホン酸、amomc(アルキル−アリールスルホネート)一価界面活性剤、双性イオン界面活性剤(例えばN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸、3−コールアミド−1−プロピルジメチルアンモニオ−1−プロパンスルホン酸)、陽イオン性界面活性剤(四級アンモニウム塩基)(例えばセチル−トリメチルアンモニウムブロミド、塩化セチルピリジニウム)、非イオン性界面活性剤(例えばドデシルP−D−グルコピラノシド)、酸化プロピレンおよび酸化エチレンのエチレンジアミンへの連続付加に由来する四官能性ブロックコポリマーであるポロキサミン(例えばTetronicのもの)より選択可能であるか、あるいは、界面活性剤は、イミダゾリン誘導体群またはその混合物の群から選択可能である。
薬学的組成物中の界面活性剤の使用は、当業者に周知である。好適には、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20版, 2000を参照されたい。
他の成分が薬学的組成物中に存在していてもよい。こうしたさらなる成分には、湿潤剤、乳化剤、酸化防止剤、充填剤、等張性修飾剤、キレート剤、金属イオン、油性ビヒクル、タンパク質(例えばヒト血清アルブミン、ゼラチンまたはタンパク質)および双性イオン(例えばアミノ酸、例えばベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リジンおよびヒスチジン)が含まれることも可能である。こうしたさらなる成分はもちろん、薬学的組成物の全体の安定性に不都合に影響を及ぼしてはならない。
修飾タンパク質、例えば修飾GHタンパク質を含有する薬学的組成物を、こうした治療を必要とする患者に、いくつかの部位で、例えば局所部位、例えば皮膚および粘膜部位で、吸収をバイパスする部位で、例えば動脈中、静脈中、心臓中に、そして吸収を伴う部位で投与してもよく、例えば皮膚中、皮下、筋肉中、または腹部中への投与が可能である。
薬学的組成物の投与は、こうした治療を必要とする患者への、いくつかの投与経路、例えば舌、舌下、頬側、口内、経口、胃内および腸内、鼻、肺、例えば細気管支および肺胞またはその組み合わせを通じたもの、上皮、皮膚、経皮、膣、直腸、目、例えば結膜を通じたもの、尿管および非経口であることも可能である。
組成物を、いくつかの投薬型で、例えば、溶液、懸濁物、エマルジョン、マイクロエマルジョン、多数のエマルジョン、泡、軟膏剤(salve)、ペースト、硬膏、軟膏、錠剤、コーティング錠剤、リンス、カプセル、例えば硬ゼラチンカプセルおよび軟ゼラチンカプセル、座薬、直腸カプセル、ドロップ、ジェル、スプレー、粉末、エアロゾル、吸入剤、点眼剤、眼軟膏、眼科リンス、膣ペッサリー、膣リング、膣軟膏、注射溶液、in situトランスフォーミング溶液、例えばin situゲル化剤、in situ硬化剤、in situ沈殿剤、in situ結晶化剤、注入溶液、および移植物として投与してもよい。
修飾GHタンパク質の安定性をさらに増進し、生物学的利用能を増加させ、可溶性を増加させ、副作用を減少させ、当業者に周知の化学療法を達成し、そして患者コンプライアンスを増加させるかまたはこれらの組み合わせのために、本発明の組成物をさらに、例えば共有、疎水性および静電相互作用を通じて、薬剤キャリアー、薬剤送達系、および先端的薬剤送達系中に配合するかまたはこれらに付着させてもよい。キャリアー、薬剤送達系および先端的薬剤送達系の例には、限定されるわけではないが、ポリマー、例えばセルロースおよび誘導体、多糖、例えばデキストランおよび誘導体、デンプンおよび誘導体、ポリ(ビニルアルコール)、アクリレートおよびメタクリレートポリマー、ポリ乳酸およびポリグリコール酸およびそのブロックコポリマー、ポリエチレングリコール、キャリアータンパク質、例えばアルブミン、ゲル、例えば感熱ゲル化系、例えば当業者に周知のブロックコポリマー系、ミセル、リポソーム、微小球体、ナノ粒子、液晶およびその分散物、液体−水系における相挙動の当業者に周知のL2相およびその分散物、ポリマー性ミセル、多数のエマルジョン、自己乳化剤、自己微小乳化剤、シクロデキストリンおよびその誘導体、ならびにデンドリマーが含まれる。
組成物は、修飾タンパク質、例えば修飾GHタンパク質の、例えばすべて当業者に周知のデバイスである計測用量吸入器、乾燥粉末吸入器およびネブライザーを用いた、肺投与のための固形、半固形、粉末および溶液の組成物中で有用である。
修飾タンパク質の療法使用
本発明はまた、非修飾タンパク質が療法タンパク質である度合いまでの、療法における修飾タンパク質、および特に、修飾タンパク質を含む薬学的組成物の使用に関する。したがって、本明細書において、用語「治療」および「治療する」は、状態、例えば疾患または障害と闘う目的のための、患者の管理およびケアを意味する。該用語は、患者が罹患している所定の状態のための全範囲の治療、例えば症状または合併症を軽減し、疾患、障害または状態の進行を遅延させ、症状および合併症を軽減するかまたは緩和し、そして/または疾患、症状または状態を治癒させるかまたは取り除き、ならびに状態を防止するための活性化合物の投与が含まれるよう意図され、防止は、疾患、状態、または障害と闘う目的のための患者の管理およびケアと理解されるものとし、そして症状または合併症の開始を防止するための活性化合物の投与が含まれる。治療される患者は、好ましくは哺乳動物、特にヒトであるが、これにはまた、動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ヒツジおよびブタも含まれてもよい。にもかかわらず、療法措置および予防(防止的)措置は、本明細書に開示し、そして治療する医師または獣医師によって意図される使用に関して、別個の側面に相当することを認識すべきである。
本明細書において、修飾タンパク質の「療法的有効量」は、所定の疾患およびその合併症の臨床的徴候を治癒させるか、軽減するかまたは部分的に抑止するために十分な量を意味する。これを達成するために適した量は、「療法的有効量」と定義される。各目的のための有効量は、例えば疾患または傷害の重症度、ならびに被験体の体重、性別および全身状態に応じるであろう。適切な投薬量の決定は、ルーチンの実験を用いて、値のマトリックスを構築し、そしてマトリックス中の異なる点を試験することによって、達成可能であることが理解されるであろうし、これはすべて、訓練された医師または獣医師の一般的な技術範囲内である。
本明細書に開示する方法および組成物は、療法において使用するための修飾タンパク質を提供する。こうしたものとして、典型的な非経口用量は、投与あたり10〜9mgから約100mg/kg体重の範囲である。典型的な投薬用量は、投与あたり約0.0000001〜約10mg/kg体重である。正確な用量は、例えば、投与の徴候、薬剤、頻度および様式、治療しようとする被験体の性別、年齢および全身状態、治療しようとする疾患または状態の性質および重症度、治療の望ましい効果、ならびに当業者に明らかな他の要因に依存するであろう。典型的な投薬頻度は、1日2回、1日1回、2日に1回、週2回、週1回またはさらにより長い投薬間隔である。対応する非コンジュゲート化タンパク質に比較した、活性化合物の延長された半減期のため、長い投薬間隔の投薬措置、例えば週2回、週1回またはさらに長い投薬間隔が特定の態様である。治療において、1より多い薬剤を用いて、同時投与するかまたは連続投与して、多くの疾患を治療する。したがって、疾患の1つの治療のための療法における修飾タンパク質を、疾患の治療に通常用いられる1またはそれより多い他の療法活性化合物と組み合わせて用いてもよいことが意図される。その疾患のための薬剤製造において、疾患の治療に通常用いられる他の療法活性化合物と組み合わせた、修飾タンパク質の使用もまた、意図される。
修飾化合物のための一般的な調製法
別に明記しない限り、出発物質は、一般的に、Aldrich Chemicals社(ウィスコンシン州ミルウォーキー)、Lancaster Synthesis, Inc.(ニューハンプシャー州ウィンダム)、Acros Organics(ニュージャージー州フェアローン)などの商業的供給源より入手可能であった。微生物トランスグルタミナーゼは、味の素ノースアメリカ社(イリノイ州イタスカ)によって提供された。CRM197(CAS番号92092−36−9)は、Aldrich Chemicals Co.(ウィスコンシン州ミルウォーキー)より入手可能である。モノメチルオーリスタチンFをConcortis(カリフォルニア州サンディエゴ)より購入した。シクロオクチン試薬を、Synaffix(オランダ・ナイメーヘン)より購入した。MenA抗原性多糖は、Novartis NV&Dより供給された。
修飾化合物をカラムクロマトグラフィ(Interchim puriflash 430)によって精製し、そしてNMR分光計(400MHz Bruker)、LCMS(Waters Acquity UPLC−UV−CAD−MS)、およびLCUV(Agilent 1200シリーズUPLC−UV)によって分析した。標識CRM197は、LCMS(UPLC−UV−TOF−MS HRMS Waters Acquity UPLC Qtof)によって性質決定される。標識CRM197をアミコン・フィルター(3kDaまたは10kDa MWCO)、および/またはSEC(General Electric AEKTA purifier)によって精製する。
修飾のタンパク質部位(部位選択性)の同定は、タンパク質マッピングによって特徴付けられた。実施例で用いるmTGアーゼは、味の素ノースアメリカ社(イリノイ州イタスカ)由来の微生物トランスグルタミナーゼである。
以下の実施例で用いる以下の頭字語は、対応する意味を有する:
MMAF:モノメチルオーリスタチンF
mTGアーゼ:微生物トランスグルタミナーゼ
MWCO:分子量カットオフ
NHS:N−ヒドロキシスクシニミド
BCN−NHS:(1R,8S,9s)−ビシクロ[6.1.0]ノン−4−イン−9−イルメチルN−スクシニミジルカーボネート
HATU:(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸)
RT:室温
Rt:保持時間
Z−Q−G−NH−(PEG)3−N3:
商業的に入手可能なZQG(1g、2.96mmol)、アミン−PEG−アジド(0.882mL、4.45mmol)、DIPEA(1.553mL、8.89mmol)、およびHATU(1.127g、2.96mmol)を、一緒に、DMF中に添加し、そしてRTで16時間攪拌した。溶液を直接、55gのC−18 RPカラム上に装填し、そしてカラムクロマトグラフィ5−80%MeCN/水によって精製した。試料を装填するために多量のMeOHが必要であったため、劣ったピーク形状が観察された。望ましいピークの体積を減少させ、そしてカラム上に再装填した。カラムクロマトグラフィ5−80%MeCN/水によって、産物を再度精製した。収量:300mg(19%収率)。
ZQ−NH−(PEG)3N3
商業的に入手可能なNH2−(PEG)3−N3(0.087mL、0.318mmol)、ヒューニッヒ塩基(0.069mL、0.398mmol)、および商業的に入手可能なZQ−NHS(100mg、0.265mmol)をDMSO中で合わせ、そしてRTで16時間混合した。精製のため、反応を直接、35g C−18カラム上に装填した。10−75%MeCN/H2O。収量90mg(70%収率)。
シクロオクチン−シクロプロピル−CH2−OC(O)NH−Q−G
商業的に入手可能なQG(92mg、0.316mmol)およびヒューニッヒ塩基(64.5μL、0.369mmol)を、2mLの1:1 水:DMSOに溶解し、そして35℃に温めた。商業的に入手可能なClick−easyTM BCN N−ヒドロキシスクシニミドエステルI(50mg、0.246mmol)を2mLのDMSO中に溶解し、そしてゆっくりと反応に添加した。反応を40℃で1時間混合した。産物をカラムクロマトグラフィ(20g C−18、0−70MeCN/水)によって精製した。産物は、ほぼ50%MeCNで溶出する。収量:46mg(49%収率)。
シクロオクチン−シクロプロピル−CH2−OC(O)NH−L−Q−G
ペプチド合成装置を用いて、ロイシン−グルタミン−グリシン・ペプチドを調製した。ロイシン−グルタミン−グリシン配列に関して、合成装置をプログラミングした。樹脂を回収し、そしてペプチドをTFAで取り外した。溶液をゆっくりとエーテル(冷)に添加し、そして産物を沈殿させた。溶液を遠心分離し、そしてエーテルをデカントした。固形物を水に溶解し、そしてカラムクロマトグラフィ(35g RP C−18カラム)によって精製した。産物は、100%水により、84%収率で溶出した。
ロイシン・グルタミン・グリシン・ペプチド(30mg、0.07mmol)、ヒューニッヒ塩基(0.030mL、0.174mmol)、および商業的に入手可能なClick−easyTM BCN N−ヒドロキシスクシニミドエステルI(20mg、0.070mmol)をDMF中で合わせ、そして室温で5時間攪拌した。反応を20g C−18カラム(0−20%MeCN/水)上に直接装填し、そして10 CVに渡って精製して、産物20mgを得た(58%収率)。HRMS計算値(C21H32N6O7)492.2584 観察値:(M+1)493.2682。
Z−Q−NH−(PEG)2−NHC(O)O−CH2−シクロプロピルシクロオクチン
DMSO中の商業的BocNH−(PEG)3−アミン(0.308mL、0.994mmol)を、商業的に入手可能なZQ−NHS(250mg、0.663mmol)に添加し、そしてRTで3時間攪拌した。精製のため、反応を直接、30g C−18カラム上に装填した(0−50%MeCN/水)。産物は45%MeCNで溶出した。溶媒を除去して、白色残渣を得た(200mg、59.1%収率)。LCMS計算値(C21H32N6O7)510.27 観察値:(M+1)511.4。
Boc保護産物(200mg、0.392mmol)をTFA(3mL、38.9mmol)で処理し、そしてRTで10分間振盪した。反応を高真空で一晩乾燥させ、そして未精製ZQ−NH−(PEG)2−NH2を次の反応に直接用いた。ヒューニッヒ塩基(2mL、11.45mmol)を1mL DMSO中のZQ−NH−(PEG)2−NH2(150mg、0.365mmol)に添加した。次いで、商業的に入手可能なBCN−NHS(106mg、0.365mmol)を添加し、そして反応を数時間攪拌した。カラムクロマトグラフィ(35g C−18カラム 15−75%MeCN/水)によって産物を精製した。DMSOピーク下、ならびに〜60%MeCNで産物が溶出した。分画を合わせ、そして10mLに濃縮した。第二のカラムを20−50%MeCN/水で流した。産物は45%MeCNで溶出した。溶媒を減圧下で除去して、産物50mg(23%収率)を得た。
Z−Q−NH−(CH2)3−ジメチルアセタール
ZQNHS(100mg、0.265mmol)、4,4−ジメトキシブタン−1−アミン(0.049mL、0.292mmol)、およびヒューニッヒ塩基(0.046mL、0.265mmol)をDMF中で溶解し、そしてRTで1時間混合した。精製のため、反応を直接、35g C−18カラムに装填した(0−40%MeCN/H2O)。溶媒を減圧下で除去して、産物50mg(48%収率)を得た。
Z−Q−NH−(CH2)2−NH−C(O)−CH2−Alexafluor647
商業的に入手可能なZQ−NHS(286mg、0.758mmol)、ヒューニッヒ塩基(0.5mL、2.86mmol)およびtert−ブチル(2−アミノエチル)カルバメート(0.3mL、1.498mmol)をDCM中で合わせ、そして超音波処理した。溶液を16時間攪拌した。反応を濾過し、そしてDCMmで洗浄し、その後、蒸発させた。残渣をMeOH/DCM 1:10中に溶解し、そしてHCO3捕捉および放出カラムを通過させて、酸副産物を除去した。生じた産物をTFA(1mL、12.98mmol)で処理し、15mL DCMを添加した。反応を30分間混合し、そして次いでrotovap上で蒸発させた。残渣をMeOH/DCM 1:10に溶解し、そしてHCO3捕捉および放出カラムを通過させて、酸副産物を除去した。溶媒を除去して、産物300mg(91%収率)を得た。
生じたアミンリンカー(5.1mg、0.016mmol)を、DMSO(0.5mL)中に溶解し、そしてヒューニッヒ塩基(3.66μl、0.021mmol)を添加し、その後、Alexflour647(5mg、5.24μmol)を添加した。反応を室温でXの期間、攪拌した。カラムクロマトグラフィ精製のため、反応を直接、35g C−18カラム上に装填した(5−35%MeCN/水)。産物は、〜10%MeCNで溶出した。産物を凍結乾燥して、暗紫色粉末を得た。収量:3.5mg(57%収率)。HRMS計算値(C51H67N6O17S4 +):予測質量1163.34 観察質量:M+1、1164。
Z−Q−NH−(CH2)2−C(O)−(CH2)2−SO2−Tol
3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(2g)、HATU(4.42g)、ヒューニッヒ塩基(4.62mL)およびN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.134g)をDCM中で合わせ、そしてRTで2時間攪拌した。反応を水に注ぎ、そして有機物を抽出した。有機層を蒸発させて、未精製黄色油を得た。産物をカラムクロマトグラフィ(50g C−18、10−70%MeCN/水)によって得た。分画を収集し、そして濃縮して、黄色油を得た。収量:1.3g、53%収率。予測質量:232、観察質量M+1:233。
tert−ブチル(3−(メトキシ(メチル)アミノ)−3−オキソプロピル)カルバメート(1.3g、5.60mmol)を、乾燥THF中に溶解し、そしてフラスコに窒素をパージした。溶液を0℃に冷却し、次いでTHF中の臭化ビニルマグネシウム(20ml、20.00mmol)をゆっくりと添加した。反応をRTに一晩温めた。反応を冷飽和NH4Clに注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。有機物を乾燥させ、そして溶媒をrotovap上で除去した。未精製物質を引き続き用いた。
tert−ブチル(3−オキソペント−4−エン−1−イル)カルバメートおよび4−メチルベンゼンチオールをMeOH中で合わせ、そしてRTで3日間攪拌した。メタノールをrotovapによって除去して、粘度が高い油性黄色残渣を得た。残渣をDCM中に溶解し、そして水で2x洗浄した。有機層を乾燥させ、そして溶媒をrotovap上で除去して、黄色油を得た。この産物(1g、3.09mmol)をDCM中に溶解し、そして0℃に冷却した。TFA(3mL、38.9mmol)をゆっくりと添加し、次いで、RTに温め、そして1時間攪拌した。溶媒を除去し、そして残渣をDCM中に溶解し、そしてカーボネート捕捉および放出カラムに通過させ、その後、カルボン酸捕捉および放出カラムに通過させた。産物は両方を通過した。カラムを洗浄し、溶媒を合わせ、そして次いで、溶媒をrotovapによって処理した。産物をカラムクロマトグラフィによって精製した(50g C−18 10−70%MeCN/水)。産物を収集し、溶媒を蒸発によって除去して、黄色油を得た。産物を収集し、そして溶媒を蒸発によって除去して、黄色油を得た。いかなるさらなる精製も伴わずに、産物を続けて用いた。850mg、定量的収量。
1−アミノ−5−(p−トリルチオ)ペンタン−3−オン(100mg、0.448mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.130mL、0.746mmol)をDMF中に溶解し、次いで、商業的に入手可能なZQ−NHS(141mg、0.373mmol)を添加して、そしてRTで混合した。産物をカラムクロマトグラフィによって精製した(25g C−18カラム 10−75%MeCN/水)。産物を収集し、そして有機物をrotovapによって蒸発させた。MeOHを水中でスルフィドリンカーに添加した。オキソン(229mg、0.373mmol)を添加し、そして反応をRTで一晩攪拌した。反応を濾過し、そしてカラムクロマトグラフィ(25g C−18カラム 10−75%MeCN/水)によって精製し、そして産物を凍結乾燥して75mgにした(39%収率)。
Ac−L−Q−G−NH−(CH2)2−C(O)−(CH2)2−SO2−Tol
1−アミノ−5−(p−トリルチオ)ペンタン−3−オンを、Z−Q−NH−(CH2)2−C(O)−(CH2)2−SO2−Tolの合成において上述するように調製した。LQGを、シクロオクチン−シクロプロピル−CH2−OC(O)NH−L−Q−Gの合成において上述するように調製した。LQGは、DCM中で、LQG(27mg、0.085mmol)、Ac2O(9.66μl、0.102mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.045mL、0.256mmol)を合わせることによって、N末端でアセル化(acelated)され、そしてこれをRTで数時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、そして水を添加した。産物を凍結乾燥し、そして次の反応に直接用いた。LCMS観察質量:(M+1)359.2;望ましい質量:358.4。
Ac−LQG(38mg、0.106mmol)、1−アミノ−5−(p−トリルチオ)ペンタン−3−オン(47.4mg、0.212mmol)、およびヒューニッヒ塩基(0.074mL、0.424mmol)をDMF中で合わせた。HATU(40.3mg、0.106mmol)を添加し、そして反応をRTで一晩攪拌した。カラムクロマトグラフィ(35g C−18カラム 10−50%MeCN/水)によって産物を精製して得た。
スルフィド(13.5mg、0.024mmol)を、1:1 水:MeOHに溶解した。オキソン(44.2mg、0.072mmol)を添加し、そして反応をRTで一晩攪拌した。カラムクロマトグラフィ(25g C−18カラム 10−60%MeCN/水)によって産物を精製した。
Z−Q−NH−(CH2)4−C(O)−(CH2)2−SO2−Tol
6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(1g、4.32mmol)をDCM中に溶解し、次いで、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.464g、4.76mmol)、HATU(1.808g、4.76mmol)、およびTEA(0.723mL、5.19mmol)を添加した。反応をRTで数時間攪拌し、反応が完了しなかったため、さらなるアミン、HATU、およびTEAを添加した。反応を16時間攪拌した。反応を濾過し、そして溶媒を蒸発させた。エーテルを添加し、そして反応を再び濾過した。カラムクロマトグラフィ(25gカラム 0−45% EtOAc/Hep)によって産物を精製して、385mg(32.5%収率)を得た。
tert−ブチル(6−(メトキシ(メチル)アミノ)−6−オキソヘキシル)カルバメート(385mg、1.403mmol)を、乾燥THFに溶解し、そして0℃に冷却した。臭化ビニルマグネシウム(4.210mL、4.21mmol)をゆっくりと添加した。反応をRTに一晩温めた。反応を飽和NH4Clに注ぎ、そして有機物をEtOAcで抽出した。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ、そして蒸発させた。カラムクロマトグラフィ(Sunfire RP HPLC 10−40%MeCN/水 0.1% TFA 10分間 226nm UV)によって産物を精製し、280mg(83%収率)を得た。
tert−ブチル(6−オキソオクト−7−エン−1−イル)カルバメート(280mg、1.160mmol)および4−メチルベンゼンチオール(173mg、1.392mmol)をMeOHに溶解し、そしてRTで16時間時間攪拌した。メタノールを除去し、そしてクロマトグラフィ(25gカラム 0−30% EtOAc/Hep)によって産物を精製し、160mg(38%収率)を得た。
tert−ブチル(6−オキソ−8−(p−トリルチオ)オクチル)カルバメート(160mg、0.438mmol)およびオキソン(807mg、1.313mmol)を、MeOH/水 50/50中でともに合わせ、そしてRTで16時間攪拌した。反応を水に注ぎ、そしてDCMで抽出した。有機層を蒸発によって乾燥させ、そしてジオキサン中の4モルHClを添加し、そしてRTで数時間攪拌した。溶媒を蒸発によって除去して、オフホワイト残渣を得た。Sunfire RP HPLC(10−40%MeCN/水 0.1% TFA)によって産物を精製し、33mg(25%収率)を得た。
8−アミノ−1−トシルオクタン−3−オン(20mg、0.067mmol)および商業的に入手可能なZQNHS(23.07mg、0.061mmol)をDMSO中で合わせ、そして37℃で1時間混合した。反応は完了せず、そして数時間後も進行はまったく観察されなかった。ヒューニッヒ塩基(5.34μl、0.031mmol)を添加し、そして反応を進めた。精製のため、反応を直接、カラム(6g C−18 0−75%MeCN/水)上に装填した。カラムを2回流し、2.4mg(7%収率)を得た。
Z−Q−NH−MenA多糖
アミン官能化MenA抗原性多糖(10mg)を、DMSO中、塩基とともに、商業的に入手可能なZQNHS(10mg 26.4μmol)に添加し、そして数時間攪拌した。反応を凍結乾燥し、水中に溶解し、そして10KD Amiconフィルターによって、4x精製した。次いで、フロースルーを3KD Amiconに通過させて、さらなる産物を回収した。これを未精製物に対して行い、概算収率は〜50%であった。
Z−Q−NH−(CH2)5−C(O)−モノメチルオーリスタチンF
6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸(46.5mg、0.201mmol)をDMSO(1mL)中に溶解し、そしてヒューニッヒ塩基(0.08mL、0.458mmol)およびHATU(76mg、0.201mmol)を添加した。反応をRTで30分間攪拌した後、反応混合物をMMAF(50mg、0.067mmol)に添加した。次いで、反応をRTで4時間攪拌した。カラムクロマトグラフィによる精製のため、反応混合物を35g C−18カラム上に装填した(5−75%MeCN/水 0.1%ギ酸)。溶媒をrotovap上で除去し、そして高真空下に一晩置いた。
生じた産物をTFA(2mL)、0℃で処理し、そして室温にして5分間攪拌した。カラム精製のため、35g C−18カラム上に反応を直接装填した。減圧下で溶媒を除去して、30mg(52%収率)を得た。
脱保護アミン(20mg、0.023mmol)をTHF中で溶解し、次いでLiOH(1mL、4.00mmol)を添加した。RTで30分間攪拌した反応を、次いで、精製のため、カラム(35g C−18カラム)上に直接装填した(0%MeCN、その後、20−40%MeCN/水)。産物をTHFで溶出させ、そして上記条件下でカラムを再び流し、51%収率で10mgを得た。
生じた産物(5mg、5.92μmol)をDMSO中に溶解し、商業的に入手可能なZQNHS(4.4mg、0.012mmol)に添加し、そして37℃で20分間攪拌した。カラムクロマトグラフィ精製のため、反応混合物を25g C−18カラムに直接装填した(20−75%MeCN/水)。溶媒を減圧下で除去し、46%収率で3mgを得た。LCMS計算値(C21H32N6O7):1106.6627 観察値:(M+1)1107.9。
フェノール−(CH2)2−C(O)−L−Q−G
上記の「シクロオクチン−シクロプロピル−CH2−OC(O)NH−L−Q−Gの合成」に記載されるように、LQGを調製した。商業的に入手可能な2,5−ジオキソピロリジン−1−イル3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパノエート(14.65mg、55.6μmol)を、DMSO中、ヒューニッヒ塩基(18μL、101μmol)とともにLQG(16mg、50.6μmol)に添加し、そして反応を室温で一晩攪拌した。精製のため、20gカラム(10−50%MeCN/水)上に反応を直接装填し、55%収率で13mgの産物を得た。HRMS計算値(C21H32N6O7):464.2271 観察値:(M+1)465.2356。
ZQ(PEG)2アジドベンジルアミド
4−アジドフェニル酢酸N−スクシニミドエステル(ChemPacific、26.7mg、0.073mmol)をDMF(1mL)中に溶解し、そしてDMF(2.3mL)中のベンジル(5−アミノ−1−((2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)−1,5−ジオキソペンタン−2−イル)カルバメート(20mg、0.049mmol)の溶液と合わせた。DIPEA(0.121mL、0.585mmol)を添加し、そして反応を室温で4時間混合し、この時点で、DIPEA(61μL、6等量)および4−アジドフェニル酢酸N−スクシニミドエステル(9mg、0.024mmol)を添加した。反応を室温で2日間混合した。4−アジドフェニル酢酸N−スクシニミドエステル(89mg、0.24mmol)を添加し、そして反応を室温で2時間攪拌した。溶液をMS誘発HPLCを通じて精製した(100−Prep3;酸 方法3; Sunfire 30x50mm 5μmカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分、A:水(0.1%ギ酸);B:ACN勾配、0分 5%B;1.70分で5%から95%B;2.0分で95%B;2.1分で5%B 流速2ml/分 1.5ml注入; Tube Trigger M=570)。望ましい産物を含む分画をプールし、そして凍結乾燥して、3.6mg(13%)のZQ(PEG2)アジド−ベンジルアミド(ベンジル(17−アミノ−1−(4−アジドフェニル)−2,13,17−トリオキソ−6,9−ジオキサ−3,12−ジアザヘプタデカン−14−イル)カルバメート)淡黄色粉末を得た。LCMS SQ2;産物分析−酸性;Rt=1.79:MS[M+H]観察値:570.3、計算値:569.6。
ZQ(PEG)2アミドエチルメチルジアジリン
スルホ−NHS−ジアジリン(Thermo Scientific、23.92mg、0.073mmol)をDMF(1mL)中に溶解し、そしてDMF(2.3mL)中のベンジル(5−アミノ−1−((2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)−1,5−ジオキソペンタン−2−イル)カルバメート(20mg、0.049mmol)と合わせた。反応物を攪拌して合わせ、そしてDIPEA(0.121mL、0.585mmol)を添加した。反応を室温で2時間攪拌し、この時点で、反応は濁り、そして0.5mL DMFを添加した。反応を室温でさらに2時間攪拌し、そしてDIPEA(61μL)およびスルホ−NHS−ジアジリン(8mg)を添加した。反応を室温で16時間混合し、この時点で、出発物質の消費をLCMS分析によって観察した。溶液をMH誘発HPLC(100−Prep3;酸 方法3; Sunfire 30x50mm 5umカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分、1.5ml注入; Tube Trigger M=521)によって精製した。望ましい産物、ZQ(PEG)2アミドエチルメチルジアジリン(ベンジル(18−アミノ−1−(3−メチル−3H−ジアジリン−3−イル)−3,14,18−トリオキソ−7,10−ジオキサ−4,13−ジアザオクタデカン−15−イル)カルバメート)をプールし、そして凍結乾燥して、白色粉末として、2mg(8%)の望ましい化合物を得た。LCMS SQ2;産物分析−酸性;Rt=1.49:MS[M+H]観察値:521.4、計算値:520.6。
2−(((2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ)カルボニル)−2−ウンデシルトリデカン二酸
DCM(1.57mL)中のDCC(126mg、0.610mmol)の溶液を、DCM(5mL)中の中間体4およびN−ヒドロキシスクシニミドの溶液ならびにTHF(5mL)に、N2下で添加した。3.5時間後、溶媒を蒸発させ、そして残渣を、超臨界液体クロマトグラフィ(SFC; Princeton 2−エチル−ピリジン、20x150mm、20−30%MeOH/CO2)によって精製し、無色油として表題化合物を得た(138mg、0.256mmol、50%):
2−((2,2−ジメチル−4−オキソ−3,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38−ドデカオキサ−5−アザテトラコンタン−40−イル)カルバモイル)−2−ウンデシルトリデカン二酸。
t−Boc−N−アミド−dPEG(登録商標)11−アミン(100mg、0.155mmol、Quanta Biodesign)および2−(((2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)オキシ)カルボニル)−2−ウンデシルトリデカン二酸(80mg、0.148mmol)をTHF(3mL)中に溶解し、そして窒素下、室温で攪拌した。30分後、DIPEA(0.05mL、0.286mmol)を添加し、そして反応混合物を室温で一晩攪拌した。LCMS(酸性溶出液A:水+0.05%トリフルオロ酢酸、溶出液B:ACN、カラムSunfire C18 3.5μm 3.0x30mm−40℃、5−95%勾配2分、保持時間1.92分)によって、完全変換が観察される。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで、約1.5mLのアセトニトリル中に溶解した。MS誘発HPLC(Sunfire 30x50mm 5umカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分 1.5ml注入、65−95% ACN 3.5分勾配、保持時間3.23分)上で精製し、そして分画をプールし、そして54%収率で85mgの清浄な産物を得た。透明油。
2−((35−アミノ−3,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33−ウンデカオキサペンタトリアコンチル)カルバモイル)−2−ウンデシルトリデカン二酸
2−((2,2−ジメチル−4−オキソ−3,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38−ドデカオキサ−5−アザテトラコンタン−40−イル)カルバモイル)−2−ウンデシルトリデカン二酸(5mg、4.68μmol)をDCM(体積:2mL)中に溶解し、次いで、トリフルオロ酢酸(25μl、0.324mmol)を添加した。反応混合物を窒素大気下、室温で約2時間攪拌した。LCMS(酸性溶出液A:水+0.05%トリフルオロ酢酸、溶出液B:ACN、カラムSunfire C18 3.5μm 3.0x30mm −40℃、5−95%勾配2分間、保持時間1.45分)によって、完全変換が観察された。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで、DCMでリンスし、そして再び3回濃縮した。アセトニトリルおよびDMSOの混合物中に溶解した。MS誘発HPLC(Sunfire 30x50mm 5umカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分 1.5ml注入、45−70% ACN 3.5分勾配、保持時間2.50分)上で精製し、そして分画をプールし、そして凍結乾燥して、55%収率の2.5mgの清浄な産物を得た。透明な油。
2−(((S)−5−(3−アミノ−3−オキソプロピル)−3,6−ジオキソ−1−フェニル−2,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40−ドデカオキサ−4,7−ジアザドテトラコンタン−42−イル)カルバモイル)−2−ウンデシルトリデカン二酸(ZQ−FA)
THF(体積:2mL)中の2−((2,2−ジメチル−4−オキソ−3,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38−ドデカオキサ−5−アザテトラコンタン−40−イル)カルバモイル)−2−ウンデシルトリデカン二酸(20mg、0.018mmol)の溶液を、Z−L−Gln−Osu(Santa Cruz Biotechnology、CAS 34078−85−8、11mg、0.029mmol)に添加し、次いで、DIPEA(75μl、0.429mmol)を添加した。窒素大気下で、週末、室温で攪拌した。LCMS(酸性溶出液A:水+0.05%トリフルオロ酢酸、溶出液B:ACN、カラムSunfire C18 3.5μm 3.0x30mm−40℃、5−95%勾配 2分間、保持時間1.77分)によって、完全変換が観察された。減圧下で反応混合物を濃縮し、そして次いで、アセトニトリル中に溶解した。MS誘発HPLC(Sunfire 30x50mm 5umカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分 1.5ml注入、55−80% ACN 3.5分勾配、保持時間2.70分)上で精製し、そして分画をプールし、そして凍結乾燥して、透明な無色油として、46%収率で、10.5mgの清浄な産物ZQ−FAを得た。
アジド−ニトロフェニル−グルタミン−グリシン
QG(30mg、0.148mmol)をDMF(体積:1mL、比:1.000)に溶解し、そしてナトリウム1−((4−アジド−2−ニトロベンゾイル)オキシ)−2,5−ジオキソピロリジン−3−スルホネート(60.1mg、0.148mmol)をH2O(体積:1.000mL、比:1.000)中で添加した後、DIPEA(0.177mmol)を添加した。反応を16時間攪拌し、この時点で、産物をHPLC(Sunfire 30x50mm 5umカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分 1.5ml注入、rt=1.53)によって精製して、62%収率で望ましい産物を得た。
ジアジリン−QG
QG(30mg、0.148mmol)をDMF(体積:1mL、比:1.000)中に溶解し、そしてH2O(体積:1.000mL、比:1.000)中のナトリウム1−((3−(3−メチル−3H−ジアジリン−3−イル)プロパノイル)オキシ)−2,5−ジオキソピロリジン−3−スルホネート(50mg、0.153mmol)を添加し、その後、DIPEA(0.031mL、0.177mmol)を添加した。反応を16時間攪拌し、この時点で、産物をHPLC(Sunfire 30x50mm 5umカラム 15−20%勾配 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分 1.5ml注入、rt=2.46)によって直接精製して、52%収率で望ましい産物を得た。
ZQ(PEG)3ビオチン
ZQ NHS(45.1mg、0.119mmol)、ビオチンアミン(Pierce cat # 21347、50mg、0.119mmol)、およびDIPEA(23uL、0.131mmol)をDMF(2mL)中で合わせ、そして室温で2時間攪拌し、この時点で、LCMSは主要な産物を示す。HPLC(Sunfire 30x50mm 5umカラム 15−20%勾配 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分 1.5ml注入、rt=2.46)上に反応を装填して、43%収率で望ましい産物を得た。
CRM 197 への修飾化合物のコンジュゲート化
Z−Q−G−NH−(PEG)3−N3
32μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH8のTris緩衝液中の1000μLのZ−Q−G−NH−(PEG)3−N3(2mg/mL)に添加し、そして100μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。反応を25℃で30分間インキュベーションした。1.5 CVに渡って、PBS 1xの泳動緩衝液を用い、SECで反応を精製した。1つのリンカーの付加が、質量スペクトルによって観察される。LCMS計算値:58929;観察値:(M+1)58930。収量700μg、68%収率。
32μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH8のTris緩衝液中の1000μLのZ−Q−G−NH−(PEG)3−N3(2mg/mL)に添加し、そして100μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。反応を25℃で18時間インキュベーションした。1.5 CVに渡って、PBS 1xの泳動緩衝液を用い、SECで反応を精製した。2つのリンカーの付加が、質量スペクトルによって観察される。LCMS計算値:59450;観察値:(M+1)59451。収量700μg、68%収率。
32μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH6の酢酸ナトリウム緩衝液中の1000μLのZ−Q−G−NH−(PEG)3−N3(2mg/mL)に添加し、そして100μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。反応を25℃で3日間インキュベーションした。1.5 CVに渡って、PBS 1xの泳動緩衝液を用い、SECで反応を精製した。3つおよび4つの付加が、質量スペクトルによって観察される。LCMS計算値:59971、60492;観察値(M+1)59972、60493.収量:700μg、68%収率。
ZQ−NH−(PEG)3N3
63μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH8 Tris緩衝液中の1800μLのZQ−NH−(PEG)3N3(2mg/mL)に添加し、そして150μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。反応を25℃で1時間インキュベーションした。1.5 CVに渡って、PBS 1xの泳動緩衝液を用い、SECで反応を精製した。1つのリンカーの付加が、質量スペクトルによって観察される。LCMS計算値:58872;観察値:(M+1)58875。収量 1.3mg(67%)。
シクロオクチン−シクロプロピル−CH2−OC(O)NH−Q−G
32μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH8のTris緩衝液中、1000μLのシクロオクチン−シクロプロピル−CH2−OC(O)NH−Q−G(2mg/mL)に添加し、そして100μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。25℃で3時間反応をインキュベーションした。1.5 CVに渡って、PBS 1xの泳動緩衝液を用い、SECで反応を精製した。
1つのリンカーの付加が、質量スペクトルによって観察される。LCMS計算値:58771 観察値:(M+1)58771。収量:0.475mg、50%収率。
シクロオクチン−シクロプロピル−CH2−OC(O)NH−L−Q−G
1μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH8のTris緩衝液中、30μLのシクロオクチン−シクロプロピル−CH2−OC(O)NH−L−Q−G(2mg/mL)に添加し、そして3μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。反応を25℃で1時間インキュベーションした。1つのリンカーの付加が、質量スペクトルによって観察される。LCMS計算値:58884 観察値:(M+1)58885。
1μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH8のTris緩衝液中、30μLのシクロオクチン−シクロプロピル−CH2−OC(O)NH−L−Q−G(2mg/mL)に添加し、そして3μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。反応を25℃で24時間インキュベーションした。2つのリンカーの付加が、質量スペクトルによって観察される。LCMS計算値:59360 観察値:(M+1)59361。
Z−Q−NH−(CH2)3−ジメチルアセタール
1μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH8のTris緩衝液中、50μLのZ−Q−NH−(CH2)3−ジメチルアセタール(8mg/mL)に添加し、そして3μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。反応を22℃で1時間インキュベーションした。1つのリンカーの付加が、質量スペクトルによって観察される。LCMS計算値:58787;観察値:(M+1)58788。
Z−Q−NH−(CH2)2−NH−C(O)−CH2−Alexafluor647
100μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH8のTris緩衝液中、3000μLのZ−Q−NH−(CH2)2−NH−C(O)−CH2−Alexafluor647(1mg/mL)に添加し、そして300μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。反応を25℃で18時間インキュベーションした。1.5 CVに渡って、PBS 1xの泳動緩衝液を用い、SECで反応を精製した。1つのフルオロフォアの付加が、質量スペクトルによって観察される。LCMS計算値:59554;観察値:(M+1)59556 収量:2.6mg、81%収率。
Ac−L−Q−G−NH−(CH2)2−C(O)−(CH2)2−SO2−Tol
Ac−L−Q−G−NH−(CH2)2−C(O)−(CH2)2−SO2−Tol(50μL、0.084μmol)(ほぼ1mg/mL)の溶液に、CRM(0.5μL、0.00027μmol)およびTGアーゼ(1.5μL、1.97E−05μmol)を添加し、そして25℃で1時間混合した。反応の〜60%が完了する。LCMS計算値:58987 観察値:(M+1)58988。反応を直接、グルタチオンでのさらなる修飾に用いた(以下の方法)。
Z−Q−NH−(CH2)4−C(O)−(CH2)2−SO2−Tol
1μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH6の酢酸ナトリウム緩衝液中、30μLのZ−Q−NH−(CH2)4−C(O)−(CH2)2−SO2−Tol(1mg/mL)に添加し、そして3μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。反応を25℃で3時間インキュベーションする。反応を10kDa Amiconフィルターを通じて精製する。1つのリンカーの付加が、質量スペクトルによって観察される。LCMS計算値:58951 観察値:(M+1)58953。
Z−Q−NH−MenA多糖
156μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH8のTris緩衝液中、5000μLのZ−Q−NH−MenA多糖(1mg/mL)に添加し、そして488μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。反応を25℃で18時間インキュベーションした。50kDa Amiconフィルターを通じて、反応を精製して、最終収量2mgの産物(38%収率)を生じた。産物は、多糖の異種性によって、異種混合物であるため、SDS PAGE(上記図のパラグラフ006)によって、産物を確認した。
Z−Q−NH−(CH2)5−C(O)−モノメチルオーリスタチンF
50μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH8のTris緩衝液中、1500μLのZ−Q−NH−(CH2)5−C(O)−モノメチルオーリスタチンF (1mg/mL)に添加し、そして150μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。反応を25℃で45分間インキュベーションした。1.5 CVに渡って、PBS 1xの泳動緩衝液を用い、SECで反応を精製した。1つのMMAFの付加が、質量スペクトル上で観察される。LCMS計算値:59499 観察値:59498 収量:659μg、38%収率。
60μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH8のTris緩衝液中、1500μLのZ−Q−NH−(CH2)5−C(O)−モノメチルオーリスタチンF(1mg/mL)に添加し、そして170μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。反応を25℃で24時間でインキュベーションした。さらに60μLのmTGアーゼを添加し、そして反応をさらに18時間インキュベーションした。1.5 CVに渡って、PBS 1xの泳動緩衝液を用い、SECで反応を精製した。2つのMMAFの付加が、質量スペクトルによって観察される。LCMS計算値:60590 観察値:60589 収量:700μg、36%収率。
フェノール−(CH2)2−C(O)−L−Q−G
1μLのCRM197(32mg/mL)を、100mM pH8のTris緩衝液中、22μLのフェノール−(CH2)2−C(O)−L−Q−G(0.5mg/mL)に添加し、そして3μLの微生物トランスグルタミナーゼ(PBS中、50mg/mLのストック、マルトシクロデキストリン中の商業的な1%mTGアーゼから1xを調製)を添加する。反応を25℃で1時間インキュベーションした。1つの小分子の付加が、質量スペクトルによって観察される。予測質量:58856。観察質量:58857。
Z−Q−G−NH−(PEG)3−N3でのGBS80の修飾
2.32mL GBS80タンパク質(3.49mg/mL)を、100mM酢酸ナトリウムpH6中、14mL Z−Q−G−NH−(PEG)3−N3(8mg/mL)に添加し、そして50μLのmTGアーゼ(PBS中、50mg/ml)を添加した。反応を37℃で一晩インキュベーションした。LCMSは、1および2の付属物の付加、ならびに少量の+3を示す。反応を、0.8mL 3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロル−1−イル)プロパン酸(10mg/mL)で停止し、そして室温で1時間インキュベーションした。次いで、反応をzebaスピンカラム3Xに通過させた。回収した物質を、LCMSによって分析し、78%総収率で、修飾GBS80を得た。LCMS計算値:53355、53880、54405;観察値:(M+1)53355、53877、54398。
CRM197+ZQ(PEG2)アジドベンジルアミドのmTGアーゼ仲介標識
tris緩衝液pH8中のZQ(PEG2)アジドベンジルアミド(ベンジル(17−アミノ−1−(4−アジドフェニル)−2,13,17−トリオキソ−6,9−ジオキサ−3,12−ジアザヘプタデカン−14−イル)カルバメート)の溶液(3.5mg/mL、86μL、0.527μmol)に、CRM197(33mg/mL、7.55μL、0.0043μmol)を添加し、その後、PBS中のトランスグルタミナーゼ酵素溶液(50mg/mL、7.61μL、0.0100μmol)を添加した。反応を37℃で16時間攪拌し、この時点で、LCMS分析は、+1、+2および+3産物への変換を示した。LCMS QT2;タンパク質_35−70kDa_3min: Rt=1.48min;MS[M+リンカー]:観察値:58958、計算値:58962;MS[M+(2リンカー)]:観察値:59513、計算値:59514;MS[M+(3リンカー)]:観察値:60067、計算値:60066。
CRM197+ZQ(PEG)2アミドエチルメチルジアジリンのmTGアーゼ仲介標識
tris緩衝液pH8中のベンジル(18−アミノ−1−(3−メチル−3H−ジアジリン−3−イル)−3,14,18−トリオキソ−7,10−ジオキサ−4,13−ジアザオクタデカン−15−イル)カルバメートの溶液(3.5mg/mL、50μL、0.336μmol)に、CRM197(33mg/mL、4.82μL、0.0027μmol)を添加し、その後、PBS中のトランスグルタミナーゼ酵素溶液(50mg/mL、4.85μL、0.0064μmol)を添加した。反応を室温で2日間攪拌し、この時点で、LCMS分析は、+1、+2および+3産物への変換を示した。LCMS QT2;タンパク質_35−70kDa_3min: Rt=1.69min;MS[M+リンカー]:観察値:58912、計算値:58913;MS[M+(2xリンカー)]:観察値:59415、計算値:59416;MS[M+(3xリンカー)]:観察値:59918、計算値:59919。
CRM197+ZQ−FAのmTGアーゼ仲介標識
100mM tris緩衝液pH8中のZQ−FAの溶液(8mg/mL、203μL、1.316μmol)にCRM197(33mg/mL、1.515μL、0.00086μmol)を添加し、その後、PBS中のトランスグルタミナーゼ酵素溶液(50mg/mL、0.455μL、0.00060μmol)を添加した。反応を室温で16時間攪拌した。10kDa MWCO Amicon遠心分離フィルターを用いて、反応を5回希釈し、そして濃縮して100μLの体積にすることによって、反応混合物を100mM tris緩衝液pH8に変換した。LCMS分析は、+1、+2、+3および+4産物への変換を示した。LCMS QT2;タンパク質_35−70kDa_3min: Rt=1.45min;MS[M+ZQ−FA]:観察値:59625、計算値:59624;MS[M+(2xZQ−FA)]:観察値:60839、計算値:60838;MS[M+(3xZQ−FA)]:観察値:62054、計算値:62052;MS[M+(4xZQ−FA)]:観察値:63270、計算値:63266。
CRM197+アジドニトロフェニルQGのmTGアーゼ仲介標識:
100mM tris緩衝液pH8中、アジドニトロフェニル−QGの溶液(8mg/mL、100μL)に、CRM197(33mg/mL、1.0μL、33ug)を添加し、その後、PBS中のトランスグルタミナーゼ酵素溶液(50mg/mL、1.0μL、マルトシクロデキストリン中の0.1%TGアーゼ)を添加した。反応を室温で16時間インキュベーションした。LCMS分析は、+1、+2、および+3産物への変換を示した。LCMS QT1;タンパク質_20−70kDa_3min: Rt=1.67min;MS[M+1アジドニトロフェニルQG]:観察値:58815、計算値:58803;MS[M+2アジドニトロフェニルQG]:観察値:59191、計算値:59196;MS[M+3アジドニトロフェニルQG]:観察値:59585、計算値:59589
CRM197+ジアジリン−QGのmTGアーゼ仲介標識:
100mM tris緩衝液pH8中のジアジリン−QG溶液(8mg/mL、100μLに、CRM197(33mg/mL、1.0μL、33ug)を添加し、その後、PBS中のトランスグルタミナーゼ酵素溶液(50mg/mL、1.0μL、マルトシクロデキストリン中の0.1%TGアーゼ)を添加した。反応を室温で2時間インキュベーションした。LCMS分析は、+1産物への変換を示した。LCMS QT1;タンパク質_20−70kDa_3min: Rt=1.67min;MS[M+ジアジリン−QG]:観察値:58705、計算値:59706。
CRM197+ZQ(PEG)3ビオチンのmTGアーゼ仲介標識
100mM tris緩衝液pH8中のZQ(PEG)3ビオチン溶液(8mg/mL、100μL)に、CRM197(33mg/mL、1.0μL、33ug)を添加し、その後、PBS中のトランスグルタミナーゼ酵素溶液(50mg/mL、1.0μL、マルトシクロデキストリン中の0.1%TGアーゼ)を添加した。反応を室温で16時間インキュベーションした。LCMS分析は、+1産物への変換を示した。LCMS QT1;タンパク質_20−70kDa_3min: Rt=1.67min;MS[M+1 ZQ(PEG)3ビオチン]:観察値:59073、計算値:59074;MS[M+2 ZQ(PEG)3ビオチン]:観察値:59737、計算値:59738;MS[M+3 ZQ(PEG)3ビオチン]:観察値:60403、計算値:60402。
タンパク質の標識mTGアーゼ触媒選択的リジン標識の官能化例:
Z−Q−G−NH−(PEG)3−N3
3.2mgのアジド標識タンパク質を、PS/タンパク質6:1 w/wのコンジュゲート化比で、多糖と合わせた。産物を2X HAカラムで精製した。最初の実行(BLOCK 1=NaPi 2mM pH7.2、BLOCK 2=NaPi 400mM pH7.2)は未結合タンパク質を除去する。第二の実行(BLOCK 1=NaPi 2mM/NaCl 550mM pH7.2、BLOCK 2=NaPi 10mM pH7.2、BLOCK 3=NaPi 35mM pH7.2、BLOCK 4=NaPi 400mM pH7.2)は、未結合多糖を除去する。
3.3mgのアジド標識タンパク質を、PS/タンパク質6:1 w/wのコンジュゲート化比で、多糖と合わせた。産物を2X HAカラムで精製した。最初の実行(BLOCK 1=NaPi 2mM pH7.2、BLOCK 2=NaPi 400mM pH7.2)は未結合タンパク質を除去する。第二の実行(BLOCK 1=NaPi 2mM/NaCl 550mM pH7.2、BLOCK 2=NaPi 10mM pH7.2、BLOCK 3=NaPi 35mM pH7.2、BLOCK 4=NaPi 400mM pH7.2)は、未結合多糖を除去する。
図2〜4に示すように、これらの実験の産物のSDS pageゲル性質決定を得た。それぞれの収量もまた、以下の表3に示す。
表3.
mTGアーゼ標識法を通じて得られたこれらのクリックGBS80コンジュゲートを各々、以下に論じる生物学的アッセイによって試験した。
GBS IIまたはV多糖抗原に対するIg力価決定のためのELISAイムノアッセイ
免疫動物由来の血清におけるGBS多糖IIまたはVに対するIgG力価を以下のように測定した。
マイクロタイタープレート(Nunc Maxisorp)を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中、100μlの1.0μg/mL HSA−adh(ヒト血清アルブミン−アジピン酸二ヒドラジド)コンジュゲート化多糖IIまたはVでコーティングした。プレートを室温で一晩インキュベーションし、そして次いで、洗浄緩衝液(PBS中の0.05%Tween 20)で3回洗浄した。ウェルあたり250μlのPBS、2%BSA、0.05%Tween20を分配した後、プレートを37℃で90分間インキュベーションし、そして次いで、吸引して、コーティング後の溶液を除去した。試験血清をPBS、2%BSA、0.05%Tween20中で1:400に希釈した。過免疫血清をプールすることによって標準血清を調製し、そして405nmで約2.000の光学密度(OD)を得るように標準プールの最初の希釈を選択した。プレートを37℃で1時間インキュベーションし、そして次いで、洗浄緩衝液で洗浄し、そして100μLの希釈緩衝液中のアルカリホスファターゼ・コンジュゲート化抗マウスIgG 1:1000を各ウェルに分配した。プレートを37℃で90分間インキュベーションし、そして次いで、洗浄緩衝液で洗浄した。100μLの基質緩衝液中のp−ニトロフェニルリン酸(p−NPP)4.0mg/mLの溶液を各ウェルに分配した。プレートを室温で30分間インキュベーションし、そして次いで100μLのEDTA 7%(w/v)二ナトリウム塩に加えてNa2HPO4 3.5% pH8.0の溶液を各ウェルに添加して、酵素反応を停止した。405nmの光学密度(OD)を測定した。参照ラインアッセイ法を用いることによって、GBS多糖抗原(IIまたはV)に対する総IgG力価を計算し、そして結果を恣意的ELISA単位/mL(EU/mL)と表した。3つの抗原各々に関して、標準血清IgG力価に、恣意的に1.0EU/mLの値を割り当てた。標準プールの力価曲線(バイアスおよび傾斜)を用いて、得たODを内挿することによって、各血清のIgG力価を概算した。結果を図5および6に示す。
マウス活性母性免疫モデル
8匹のCD−1メスマウス(6〜8週齢)の群を、ミョウバンアジュバント中に配合した20μgの抗原または緩衝剤(PBS)で、第1日、21日、および35日に免疫した。次いでマウスを交配させ、そしてその子孫を、子の90%において死を誘導すると計算されるGBS用量に腹腔内曝露した。保護値を[(対照における死亡%−ワクチンにおける死亡%)/対照における死亡%]x100として計算した。マウスを毎日監視し、そしてNovartis動物福祉ポリシーのもとで、研究に関してあらかじめ確立されていた、定義される人道的な終点を示した際に屠殺した。Fisherの直接検定を用いて、統計分析を行った。結果を以下の表4および5に示す。
表4
表5
オプソニン化貪食作用アッセイ
100mM N,Nジメチルホルムアミド(Sigma)を4日間、増殖培地に添加することによって、ターゲット細胞としてGBS株、および顆粒球様細胞に分化したHL−60細胞株(ATCC;CCL−240)を用いて、オプソニン化貪食作用アッセイを行った。中期指数期細菌細胞を、貪食細胞、10%ウサギベビー補体(Cedarlane)、および熱不活化マウス抗血清中、37℃で1時間インキュベーションした。陰性対照は、免疫前血清を伴うか、HL−60を含まないか、または熱不活化補体を含む反応からなった。ゼロ時点でのCFU数の対数から、1時間アッセイを生き延びたコロニーの数の対数を減じることによって、オプソニン化貪食細胞殺傷の量を決定した。
実験結果を図7に示す。GBS80−K−N3/PSII OPKAおよびIgG力価は、ランダムKコンジュゲート化によって作製されるGBS80−IIコンジュゲートに統計的に匹敵する。OPKAおよびIgG力価は、曝露動物モデルにおける生存%と優れた相関を示す。
Ac−L−Q−G−NH−(CH2)2−C(O)−(CH2)2−SO2−Tol
L−グルタチオン(5μL、0.813μmol)を添加し、その後、50μLの250mM Tris HCl緩衝液pH8を添加して、反応pHを8に上昇させた。4時間後、質量分析性質決定によって確認されるように、すべてのCRMは1つのリンカーで標識された。25℃でさらに16時間インキュベーションした後、すべてのCRMは、L−グルタチオンで標識された。L−グルタチオンの付加:予測質量:59138、観察質量:59139。
ペプチドマッピング実験概要:
ペプチドマッピング消化:5μgの修飾CRM197および陽性対照CRM197を20mM DTTで還元し、そして1/30(w/w)酵素/タンパク質で、トリプシンを用い、26℃で一晩消化した。トリプシン消化したタンパク質のアリコットを、さらに、1/20酵素/タンパク質比で、GluC酵素を用い、26℃で4時間、さらに消化した;すべての酵素をRoche Diagnostics(Gmbh、ドイツ)から購入したことに注目されたい。
逆相LC−MS/MS分析:Agilent CapLC(カリフォルニア州サンタクララ)とカップリングしたThermo LTQ Orbitrap Discovery(Thermo Fisher Scientific Inc.、マサチューセッツ州ウォルサム)上で、液体クロマトグラフィ・エレクトロスプレータンデム質量分析(LC−ESI MS/MS)によって、生じた消化ペプチドを分析した。〜10−15pmolのCRM対照および修飾CRM197消化物を、カラム上に40℃で装填した(Waters Acuity BEH C18、1.7μm、1x100mmカラム)。0〜1分、4%Bで始まり、1.1分に7%Bに増加させ、55分に45%B、次いで63分に95%B、その後、洗浄およびカラム平衡化で、10μL/minの総勾配80分間で流した。質量分析パラメータには、m/z 300−2000、30msの30000解像度でのFTMS分析装置を用いた、完全スキャン事象が含まれた。イオン捕捉分析装置中、30msの500(すべての事象に関して)シグナル強度閾値カウントで活性化された、上位7つの強度が高いイオン(1+イオンを除く)に対してMS/MSを行った。
データ分析およびデータベース検索:Qual Browser V 2.0.7(Thermo Scientific)においてすべてのマススペクトルをプロセシングした。MS DeconTools(R.D. Smithラボ、PPNL)を用いてマスコット汎用ファイル(mgf)を生成し、そして混入タンパク質に関して、社内カスタムデータベースおよびSwissProtデータベース(V57、513,877配列を含む)に添加された提供されるタンパク質配列に対して、Mascot V2.3.01(Matrix Science Inc.、マサチューセッツ州ボストン)データベース検索を用いて検索した。検索パラメータには:酵素:セミトリプシンまたはトリプシン/Glu−C、最大3つのミス切断までを許容する;多様な修飾:「CRM Tgase+アルキン362Da mod(CKR)、CRM Tgase+アルキン362Da mod(N末端)、CRM Tgase+アジド463Da mod(CKR)、CRM Tgase+アジド463Da mod(N末端)」と称されるデータベースへの小分子(362.147787Daおよび463.206698Da)の付加された予測質量;ペプチド耐性:±20ppm;MS/MS耐性:±0.6Daが含まれた。>95%信頼で、イオンスコアに対して、配列包含および小分子修飾評価を行った。次いで、Qual Browserを用いた手動MS/MS分析のため、高スコアであったペプチドイオンを選択した。
CRM+シクロオクチン−シクロプロピル−CH2−OC(O)NH−Q−Gに関する結果
トリプシン消化:83%配列包含;このイオンスコア閾値では、修飾は検出されなかった。トリプシン/GluC消化:97%配列包含;Lys37またはLys39で修飾が検出された。
配列番号1
CRM+ZQ−NH−(PEG)3N3に関する結果
トリプシン消化:69%配列包含;このイオンスコア閾値では、修飾は検出されなかった。トリプシン/GluC消化:91%配列包含;Lys37またはLys39で修飾が検出された。
配列番号2
CRM対照
トリプシン消化:85%配列包含。
トリプシン/GluC消化:79%配列包含。
本発明は、例示のために本明細書に示す態様に限定されず、上記開示の範囲内に来るような、すべてのそのこうした型を含むことが理解される。
仮想例
ベンジル(17−アミノ−1−(4−アジド2−ニトロフェニル)−2,13,17−トリオキソ−6,9−ジオキサ−3,12−ジアザヘプタデカン−14−イル)カルバメート
4−アジド−2−ニトロフェニル酢酸N−スクシニミドエステル(0.073mmol)をDMF(1mL)中に溶解し、そしてDMF(2.3mL)中のベンジル(5−アミノ−1−((2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)−1,5−ジオキソペンタン−2−イル)カルバメート溶液(20mg、0.049mmol)と合わせる。DIPEA(0.121mL、0.585mmol)を添加し、そして反応を室温で4時間混合する。溶液をMS誘発HPLCを通じて精製する(100−Prep3;酸 方法3; Sunfire 30x50mm 5μmカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分、1.5ml注入; Tube Trigger M=570)。望ましい産物を含む分画をプールし、そして凍結乾燥する。
ZQ−(PEG2)フェニルトリフルオロメチルジアジリン
4−トリフルオロメチルジアジリンフェニル酢酸N−スクシニミドエステル(0.073mmol)をDMF(1mL)中に溶解し、そしてDMF(2.3mL)中のベンジル(5−アミノ−1−((2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)−1,5−ジオキソペンタン−2−イル)カルバメート溶液(20mg、0.049mmol)と合わせる。DIPEA(0.121mL、0.585mmol)を添加し、そして反応を室温で4時間混合する。溶液をMS誘発HPLCを通じて精製する(100−Prep3;酸 方法3; Sunfire 30x50mm 5μmカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分、1.5ml注入; Tube Trigger M=570)。望ましい産物を含む分画をプールし、そして凍結乾燥する。
ZQ−(PEG2)−テトラジン
ジアジリンN−スクシニミドエステル(0.073mmol)をDMF(1mL)中に溶解し、そしてDMF(2.3mL)中のベンジル(5−アミノ−1−((2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)−1,5−ジオキソペンタン−2−イル)カルバメート溶液(20mg、0.049mmol)と合わせる。DIPEA(0.121mL、0.585mmol)を添加し、そして反応を室温で4時間混合する。溶液をMS誘発HPLCを通じて精製する(100−Prep3;酸 方法3; Sunfire 30x50mm 5μmカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分、1.5ml注入; Tube Trigger M=570)。望ましい産物を含む分画をプールし、そして凍結乾燥する。
ZQ−(PEG2)−テトラジン
テトラジン(PEG)N−スクシニミドエステル(0.073mmol)をDMF(1mL)中に溶解し、そしてDMF(2.3mL)中のベンジル(5−アミノ−1−((2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)−1,5−ジオキソペンタン−2−イル)カルバメート溶液(20mg、0.049mmol)と合わせる。DIPEA(0.121mL、0.585mmol)を添加し、そして反応を室温で4時間混合する。溶液をMS誘発HPLCを通じて精製する(100−Prep3;酸 方法3; Sunfire 30x50mm 5μmカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分、1.5ml注入; Tube Trigger M=570)。望ましい産物を含む分画をプールし、そして凍結乾燥する。
ZQ(PEG2)−(3aR,4S,7R)−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノイソベンゾフラン−1,3−ジオン
(3aR,4S,7R)−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノイソベンゾフラン−1,3−ジオン(0.162mmol)(0.073mmol)を、DMF(1mL)中に溶解し、そしてDMF(2.3mL)中のベンジル(5−アミノ−1−((2−(2−(2−アミノエトキシ)エトキシ)エチル)アミノ)−1,5−ジオキソペンタン−2−イル)カルバメート溶液(0.049mmol)と合わせる。DIPEA(0.585mmol)を添加し、そして反応を室温で4時間混合する。溶液をMS誘発HPLCを通じて精製する(100−Prep3;酸 方法3; Sunfire 30x50mm 5μmカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分、1.5ml注入; Tube Trigger M=570)。望ましい産物を含む分画をプールし、そして凍結乾燥する。
テトラジン−QG
QG(30mg、0.148mmol)をDMF(体積:1mL、比:1.000)中に溶解し、そしてH2O(体積:1.000mL、比:1.000)中でNHSテトラジン(0.148mmol)を添加し、その後、DIPEA(0.177mmol)を添加する。反応を16時間攪拌し、この時点で、産物をHPLCによって精製して(Sunfire 30x50mm 5μmカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分、1.5ml注入)、望ましい産物を得る。分画をプールし、そして凍結乾燥する。
テトラジン(PEG)nQG
QG(30mg、0.148mmol)をDMF(体積:1mL、比:1.000)中に溶解し、そしてNHS PEGnテトラジン(0.148mmol)をH2O(体積:1.000mL、比:1.000)中で添加し、その後、DIPEA(0.177mmol)を添加する。反応を16時間攪拌し、この時点で、産物をHPLCによって精製して(Sunfire 30x50mm 5μmカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分、1.5ml注入)、望ましい産物を得る。分画をプールし、そして凍結乾燥する。
QG(30mg、0.148mmol)を、DMF(体積:1mL、比:1.000)中に溶解し、そしてNHSテトラジン(0.148mmol)をH2O(体積:1.000mL、比:1.000)中で添加し、その後、DIPEA(0.177mmol)を添加する。反応を16時間攪拌し、この時点で、産物をHPLCによって精製して(Sunfire 30x50mm 5μmカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分、1.5ml注入)、望ましい産物を得る。分画をプールし、そして凍結乾燥する。
4−アジド−フェニル−グルタミン−グリシン
QG(30mg、0.148mmol)をDMF(体積:1mL、比:1.000)中に溶解し、そして4−アジド−フェニル酢酸N−スクシニミドエステル(0.148mmol)をH2O(体積:1.000mL、比:1.000)中で添加し、その後、DIPEA(0.177mmol)を添加する。反応を16時間攪拌し、この時点で、産物をHPLCによって精製して(Sunfire 30x50mm 5μmカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分、1.5ml注入)、望ましい産物を得る。望ましい分画をプールし、そして凍結乾燥する。
トリフルオロメチルジアジリン−ベンジル−グルタミン−グリシン
QG(30mg、0.148mmol)を、DMF(体積:1mL、比:1.000)中に溶解し、そして4−トリフルオロメチル−ジアジリン−フェニル酢酸N−スクシニミドエステル(0.148mmol)をH2O(体積:1.000mL、比:1.000)中で添加し、その後、DIPEA(0.177mmol)を添加する。反応を16時間攪拌し、この時点で、産物をHPLCによって精製して(Sunfire 30x50mm 5μmカラム 0.1%TFAを含むACN/H2O 75ml/分、1.5ml注入)、望ましい産物を得る。望ましい分画をプールし、そして凍結乾燥する。
CRM197のmTGアーゼ仲介標識のための一般的な方法
tris緩衝液pH8(3.5mg/mL、0.527μmolまたは上に同定するリンカーに応じた他の量および相対マイクロモル濃度)中のリンカーの溶液に、CRM197(33mg/mL、7.55μL、0.0043μmol)を添加し、その後、PBS中のトランスグルタミナーゼ酵素溶液(50mg/mL、7.61μL、0.0100μmol)を添加する。反応を室温または37℃で16時間攪拌する。
本発明の例示的な態様がこうして記載されているが、一般の当業者は、開示内にあるのは例示のみであり、そして本発明の範囲内で、多様な他の代替法、適応、および修飾が作製可能であることに注目すべきである。したがって、本発明は、本明細書に例示するような特定の態様に限定されない。