JP6738360B2 - バイオマス改質装置及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、草本系バイオマスとして、例えば竹を材料に用いて、燃料(バイオマス燃料)と、肥料として植物育成剤を製造するためのバイオマス改質装置及びその運転方法に関する。
本発明は、草本系バイオマスを対象としているが、以下の説明においては代表例として竹の場合について説明する。
竹はアジアを中心に多量に生息しているが、プラスッチックなどの普及により、その利用用途はアジアの一部で足場材として利用されている以外に、多量に消費する技術が無いのが実情である。また日本では、輸入竹の子の進出により、国内の孟宗竹の需要が低下し、西日本を中心に放置された竹林が林野、田畑に侵食し、生態系の変化なども伴って「竹害」と呼ばれるくらい深刻な問題となっている。
竹は身近な素材であるが、これを工業的に燃焼に用い、さらには改質して肥料としての活用を図るような検討については多くなされていなかったというのが実情である。然るに、竹の工業的な利用が促進されれば、上記の課題は解消され、かつ豊富なエネルギー源を確保できることになる。
この点に関連して、例えば特許文献1では、草本系バイオマスとして例えば竹について、竹を燃料に改質し、さらには竹から肥料を得ることを可能とする「植物性バイオ燃料改質方法、システム及び生産方法」が提案されている。特許文献1に記載の手法は、要するに微粒化した竹を常圧の水に浸し、竹を脱水し、脱水された竹を燃料として利用し、脱水により得られた溶液を肥料として利用するものであり、これによれば、竹に含まれるカリウムなどは肥料として抽出され、竹そのものは燃料として抽出することが可能であるとしたものである。
特許第5753959号公報
特許文献1においては、燃料と肥料を共に高効率で得ようとしており、このうち肥料は個体または溶液として得ることが考えられる。
肥料を個体として得る場合には、脱水により得られた溶液を煮詰める必要があり、このために要する熱エネルギーを確保する必要がある。例えば、竹から得た燃料を使用して溶液を煮詰めるにしても、燃料の多くを肥料作成のための熱エネルギーとして利用することになり、システム全体としては効率の良くないシステムとならざるを得ない。
このため、肥料を高濃度カリウム溶液として得ることが、熱エネルギーをもちいることがないので有利である。しかしながら、カリウム、塩素が溶出した水は1回の溶出量だけでは濃度が薄く、水側に溶出したカリウム濃度を上げない限り、植物に戻しても活性・育成効果はほとんど無い。
水に溶出した溶出液の濃度を上げるには溶出液を再循環利用することが考えられるが、溶出液中のカリウム、塩素濃度が上昇すると改質物中から溶出する濃度も少なくなり、十分な改質効果が得られない。再循環することで溶出液のカルウム濃度は上昇し植物活性効果が出るが、残った固形物側のカリウム、塩素濃度は高い状態となり十分な改質が出来ない。
さらに、例えば竹を改質する場合、6mm以下のチップにし、水中でカリウム、塩素成分を溶出させるが、最低でも竹チップ重量に対して6倍の水で希釈しないと竹チップと水がスラリー化しない。この場合その都度改質に必要な水を新たに投入すれば莫大な量の水が必要となる。
一方、燃料には必要ないカリウム、塩素などは植物には必要であり、溶出液濃度を上げるためには液を再利用することが考えられ、再利用は例えば21回可能である。また、溶液のカリウムなどの濃度を上げれば、その分チップ中のカリウム、塩素などの残留も多くなり、改質として不十分な状態となる。
この改質物の性状を規定値のとおりにし、且つ溶出液中のカリウムなどの濃度を上げることで燃料としての改質物と植物育成剤としての溶出液の両立を図る必要がある。
以上のことから本発明においては、改質物のカリウム、塩素濃度を規定量下げながら、且つ溶出液は高い濃度での抽出を両立することができるバイオマス改質装置及びその運転方法を提供することを目的としている。
以上のことから本発明においては、「竹チップと第一の循環水が投入され、竹チップの沈降を促す第一の沈降タンクと、第一の循環水を導入しながら第一の沈降タンクからの竹チップと第一の循環水を攪拌する第一の攪拌機と、第一の攪拌機からの竹チップと第一の循環水を分離する第一の脱水機と、第一の脱水機からの第一の循環水を保管する第一の循環水タンクと、循環水タンクからの循環水を保管する溶出液タンクと、を備えた第一の循環系統と、竹チップが第一の循環系統において脱水された脱水チップと第二の循環水が投入され、竹チップの沈降を促す第二の沈降タンクと、第二の循環水を導入しながら第二の沈降タンクからの脱水チップと第二の循環水を攪拌する第二の攪拌機と、第二の攪拌機からの脱水チップと第二の循環水を分離する第二の脱水機と、第二の脱水機からの第二の循環水を保管する第二の循環水タンクと、を備えた第二の循環系統と、第一と第二の循環系統について、沈降タンクへの竹チップあるいは脱水チップと循環水の投入から、攪拌機における攪拌、脱水機における分離を経て、循環水タンクに循環水を回収するまでの一連の処理を制御し、当該一連の処理を繰り返し実行せしめるとともに、第一の循環水タンク内の第一の循環水を溶出液タンクに移したあとに、第二の循環水タンク内の第二の循環水を第一の循環水タンク内に投入して第一の循環水とし、第二の循環水タンク内に工業用水を投入して第二の循環水とする制御を行う制御装置を備え、溶出液タンク内の循環水を植物育成剤として得ることを特徴とするバイオマス改質装置」としたものである。
また本発明においては、「竹チップを第一の循環水に浸してから脱水する処理を、竹チップを交換しながら繰り返し実施し、第一の循環水が所定濃度以上であることをもって系外に取り出す第一の循環系統と、竹チップが第一の循環系統において脱水された脱水チップを、第二の循環水に浸してから脱水する処理を、脱水チップを交換しながら繰り返し実施する第二の循環系統を有し、第一の循環系統から第一の循環水を系外に取り出したあとに、第二の循環水を第一の循環系統に投入して第一の循環水として用い、工業用水を第二の循環系統に投入して第二の循環水として用いることを特徴とするバイオマス改質装置の運転方法」としたものである。
本発明によれば、改質物のカリウム、塩素濃度を規定量下げながら、且つ溶出液は高い濃度での抽出を両立することができるバイオマス改質装置及びその運転方法を提供することができる。
竹の溶出液利用回数と溶液中のカリウム濃度の関係を整理した図。 本発明の実施例に係るバイオマス改質装置の全体構成例を示す図。 2台の溶出タンク8A、58Aの処理過程を説明するための図。 図2に示した第1段溶出、沈降、脱水行程200の主要な設備機器についての一連の動作順序を示した図。 脱水機17Aに注水するための設備構成Aの具体構成例を示す図。 図5のB−B断面における攪拌器103の上部断面構成を示す図。 攪拌器103下部の部位Cの断面構成を示す図。 本発明の効果を説明するための図。
以下、本発明の実施例について図を用いて説明する。
まず、本発明で採用可能な草本系バイオマスを明らかにしておく。これらは特許文献1に例示されたものが採用可能であり、具体的には以下のようなものである。
これらは例えば、空果房(EFB)、果肉ファイバー、パーム椰子の剪定枝、パーム椰子の古木(トランク)、又はファルカタの殻、樹皮(バーク)、ファルカタの剪定枝、ファルカタの古木、或いはユーカリ、アカシア、アブラギリ、マングローブの樹皮(バーク)、木質チップ取得後の心材、剪定枝、或いはバナナの空果房、バナナの剪定枝、バナナの葉、バナナの古木、又はパイナップル、竹類など。褐炭、泥炭、亜瀝青炭など塩基成分の高い物にも適用可能となる。更に藻などの水中植物類、野菜などであるが、以後の説明では竹の例で説明する。
本発明者らは、竹について各種の実験を行った。図1は、実験の一例として、竹の溶出液利用回数(横軸)と溶液中のカリウム濃度(縦軸)の関係を整理したものである。
図1の実験は、カリウム濃度が7100(ppm)の竹について、溶出液を再利用してどこまでカリウムが溶出するのかを確認した結果を示している。この結果、溶出液の再利用により、再利用回数が21回の時に最大で、溶液中のカリウムが濃度6500(ppm)まで上昇し、以後は飽和傾向を示すことが確認できた。
本発明者らは、一般的な知見として当初、原料中の約半分の濃度程度で溶出は飽和するものと予想していたが、実験結果はこの予想を裏切るものであった。この予想は、竹の細胞膜にカリウムが多量に含まれていると想定したものであったが、実験結果からはむしろ竹の水分中に多くのカリウムが含まれていると推定することが妥当であり、約50%の竹水分中にカリウムが存在していると推定すれば、図1に示す高濃度でのカリウム溶出が理解できる。
本発明は、係る新知見に基づいたものであり、竹から肥料を得るにしても、固体状の肥料とするのではなく、高濃度の溶液肥料として、植物育成剤を得ることに着目したものである。この場合には、乾燥に要する熱エネルギーが不用であることから必然的に高効率なプラントにできることは言うまでもない。
本発明により得られた高濃度の溶液について、植物の育成を助ける植物育成剤として適切なものであることを確認するために、第三者機関である公益財団法人肥料検定協会に溶出液の植物栽培効果確認試験及び有害物質有無の分析試験を依頼した結果、有害物質は検出されなかった。また栽培試験では、一般肥料を添加した状態で小松菜の栽培試験を実施した結果、管理竹林を想定し1haに200tの竹を伐採し、溶出液200tを散布した場合を基準量とし、2、3、4倍の濃度で確認した結果、小松菜重量で1.2から1.4倍の重量且つ丈も1乃至2cm高くなり、育成効果が認められた。また、収穫期に竹の溶出液が無い小松菜は葉先が変色したのに対して、溶出液を与えた小松菜は変色が無く良好であった。
肥料は国の定めた濃度及び製造方法となるが、竹の溶出液はそのまま散布することで植物育成を助ける効果があることが確認できたことで都道府県が定める特殊肥料申請が可能
である。
図2は、本発明の実施例に係るバイオマス改質装置の基本的な全体構成例を示す図である。図2のシステムは、竹投入部と、第1段溶出、沈降、脱水行程200、第2段溶出、沈降、脱水行程300、濃縮液送出部に大別して記述されている。
竹投入部は、ダンピングボックス4を主体に構成されており、左上に示したダンピングボックス4にチップ化された竹(以下竹チップという)が搬入される。搬入は直接、間接を問わず、例えば直接搬入としては、ダンピングボックス4を含む図2のプラントが竹伐採近傍に設置されており、2.5m程度に定尺された竹1を竹フィーダ2に載せ、竹チッパー3により細断し、搬送ホース80などを用いた圧送により、ダンピングボックス4に送ることが考えられる。間接搬入としては、ダンピングボックス4を含む図2のプラントを竹伐採現場近傍に設置できない場合に、竹伐採現場でチップ化した竹を運搬カー43に積載して輸送し、ダンピングボックス4に投入することが考えられる。
直接搬入または間接搬入された細断された竹は、ダンピングボックス4内に落下し貯留される。ダンピングボックス4内部の竹は、一方的に偏らないように供給フィーダ18により均一化される。また貯留された竹には、乾燥防止の観点から散水ノズル74から散水が行われる。
ダンピングボックス4の下部には、2台の溶出タンク8A、58Aが備えられている。ダンピングボックス4と溶出タンク8Aの間には、上部側の一次ダンパ44と下部側の二次ダンパ46の間に計量スペース45が形成されている。同様に、ダンピングボックス4と溶出タンク8Aの間には、上部側の一次ダンパ62と下部側の二次ダンパ64の間に計量スペース63が形成されている。
この機構によれば、最初に一次ダンパ44が開放されて竹チップが計量スペース45に落下し、計量スペース45内に竹チップが充填された後に一次ダンパ44が閉じられる。その後二次ダンパ46が開放されて、計量スペース45の容積で定まる一定量の竹チップが溶出タンク8Aに投入される。同様にして、一次ダンパ62が開放されて竹チップが計量スペース63に落下し、計量スペース63内に竹チップが充填された後に一次ダンパ62が閉じられる。その後二次ダンパ64が開放されて、計量スペース63の容積で定まる一定量の竹チップが溶出タンク58Aに投入される。
なお、計量スペース45、63は蛇腹構造となっており、長さを調整することで投入する竹チップ量を調整できるようになっている。これにより竹種類で異なるかさ比重などの変動分を調整すると共に処理量の微調整を行えるようになっている。
図2の竹投入部は上記のように構成されており、かくして第1段溶出、沈降、脱水行程200の2台の溶出タンク8A、58Aには、計量された一定量の竹チップが投入される。
本発明の要点は、図2の構成において溶出、沈降、脱水行程を200と300の2段構成としたものである。なお、実施例では運用効率を高めるために2台の溶出タンク8A、58Aを交互に使用する事例を示しているがこれは単体での運用であってもよい。
第1段溶出、沈降、脱水行程200は、少なくとも溶出タンク8A、58A、沈降タンク66A、脱水機17A、循環水タンク6により構成されており、これらによる再循環系統を構成している。
第1段溶出、沈降、脱水行程200内の2台の溶出タンク8A、58Aには、循環水タンク6から循環水ポンプ7で取り出された循環水が、それぞれ給水弁57と65を経由して供給されている。給水弁57と65は、所定の一定時間だけ開放するように制御されることで、溶出タンク8A、58A内には規定量の循環水が投入される。
また2台の溶出タンク8A、58A内には、排出ポンプ11、61が設置されており常に運転されている。排出ポンプ11、61の出口には三方弁9、59が設けられている。三方弁9、59は、弁口a、b、cを有しており、常時は排出ポンプ11、61の弁口aと攪拌用ノズル10、60側の弁口bが開放することで、溶出タンク8A、58A内の溶出液をタンク内で循環させている。これにより、常に溶出液を溶出タンク8A、58A内に戻し、内部の攪拌を行い、竹の粒子が溶出タンク8A、58Aの底部に停滞しないようにしている。また三方弁9、59は、溶出液を溶出タンク8A、58Aの外部に排出するときには、排出ポンプ11、61の弁口aと沈降タンク66A側の弁口cが開放することで、溶出タンク8A、58A内の溶出液を沈降タンク66Aに送出する。
かくして、2台の溶出タンク8A、58A内には、一定量の竹チップと規定量の循環水が投入され、内部での攪拌と滞留により竹の塩素、カリウムが十分水と接触し溶出して、溶出液となる。溶出液は、一定量の竹チップと規定量の循環水の投入、および所定量の溶出液送出が相互に制御されることにより、所定濃度を維持している。
図3は、2台の溶出タンク8A、58Aの処理過程を説明するための図である。ここでは、溶出タンク8Aについて、一定量の竹チップと規定量の循環水の投入が完了し、従って二次ダンパ46と給水弁57が閉じている時刻t1から20分間、三方弁9の弁口aとbを開放して溶出液を溶出タンク8A内に戻し、内部の攪拌を行い、竹の粒子が溶出タンク8Aの底部に停滞しないようにする溶出処理過程を実行する。
20分後の時刻t2において、引き続いて溶出タンク8Aについて、三方弁9が切替わり、開いていた弁口bを閉じ、弁口aとcを開放して、溶出完了した溶出液を溶出タンク8Aから沈降タンク66Aへと排出する排出行程が実行される。溶液は10分以内に排出可能なように排水ポンプ11の容量が決められている。
さらに溶出タンク8Aについて、排出工程の10分が経過した時刻t3において、三方弁9は、開いていた弁口cを閉じ、弁口aとbを開放する態様に切り替わる。それと同時に、給水弁57が開き、時刻t4までの10分間で溶出タンク8A内に水を張る。その動作に連動して二次ダンパ46が開き、計量スペース45に溜まっていた竹チップが溶出タンク8A内に供給される。二次ダンパ46は水張り完了の10秒前に閉止し、一次ダンパ44が開放される。この一次ダンパ44は、排出工程10秒前まで開状態を保持する。
これにより、溶出タンク8Aは20分間の溶出工程、10分間の排出行程、10分間の水張工程による合計40分間の工程を一巡して休止状態に入る。
他方、溶出タンク58Aは、溶出タンク8Aにおける水張開始の時刻t3を溶出工程開始の時刻t1´と位置付けて、溶出タンク8における上記一連の処理と同じ処理を、同様に実行する。この結果、図3に示すように、溶出タンク8Aから沈降タンク66Aへの溶出液の送出は1時間ごとに行われる。また溶出タンク58Aから沈降タンク66Aへの溶出液の送出も1時間ごとに行われ、結果として沈降タンク66Aには30分間隔で交互に溶出液が送出されてくることになる。この場合の溶出液の濃度は、一定量の竹チップと規定量の循環水の投入並びに時間制御により、一定濃度に確保される。
以上の動作を溶出タンク8側と溶出タンク58A側で交互に繰り返す。この動作過程で溶出タンク8A、58Aとも水張りしない期間がある。この時には、図3下部に示す循環水ポンプ7の循環水の行先が無くなることから、循環水循環弁67を開放し、循環水ポンプ7からの循環水の行先を循環水タンク6とする循環経路を確保する。
図2にもどり、次に、沈降タンク66Aに送られた溶出液は、攪拌を行わない沈降タンク66A内で、溶出液中の竹成分が1分程度で底部に沈降する。沈降タンク66A内は、仕切りによる二重室構造となっており、溶出液が投入される内部室661に生じた表面波うちが、外部室662側に伝播しないようにしている。外部室662の表面側には循環水タンク6に液側のみを戻す上澄み回収ライン56が設けられている。
他方、沈降タンク66Aに沈降した竹チップは、沈降竹チップロータリーバルブ55で抜き取られ、攪拌機103を介して脱水機17Aへ送られる。このとき、攪拌機103には循環水タンク6からの循環水107が投入される。循環水107は、規定量となるように循環水調節弁104により調整される。循環水107投入の理由及び制御手法について後述する。
脱水機17Aでは、沈降タンク66Aに沈降した竹チップについて、これを脱水して、脱水チップと脱水液に分離する。このため脱水機17Aには、例えば0.3mm孔のスクリーンを備えており、脱水液側には竹チップのうち0.3mm以下の粒子が混ざり、脱水チップ側は0.3mm以上の竹チップのみが排出される。脱水チップは、第2段溶出、沈降、脱水行程300に送られる。
第2段溶出、沈降、脱水行程300は、少なくとも溶出タンク8B、沈降タンク66B、脱水機17B、リンス水タンク19により構成されており、これらによる循環系統を構成している。溶出タンク8B、沈降タンク66B、脱水機17Bは、基本的には溶出タンク8A、58A、沈降タンク66A、脱水機17Aと同じ構成を有しているので、詳細な構成の説明は割愛するが、溶出タンク8は8Aのみを記述している。これは1台、2台のいずれであってもよい。
第2段溶出、沈降、脱水行程300は、基本的に第1段溶出、沈降、脱水行程200と同様に機能しており、第1段溶出、沈降、脱水行程200との相違点の第1点は、投入される竹チップが新規の竹チップではなく、第1段溶出、沈降、脱水行程200の脱水機17Aで水分が分離された脱水チップを用いている点である。第1段溶出、沈降、脱水行程200では、循環水はそのままにして竹チップを例えば10回程度入れ替えているが、ここでの脱水チップはいまだ多くのカリウムを有していることから第2段溶出、沈降、脱水行程300において再度の溶出、沈降、脱水処理を実施する。
第1段溶出、沈降、脱水行程200との相違点の第2点は、循環水タンク6に代えてリンス水タンク19を装備した点である。リンス水タンク19には、最初に工業用水を投入し、リンス水を所定量投入された状態において、第2段溶出、沈降、脱水行程300における再循環処理を実行する。溶出タンク8Bにリンス水タンク19からリンス水を投入し、そのうえで沈降タンク66Bにおける上澄み液および、脱水機17Bにおける脱水水をリンス水タンク19に回収する工程を、脱水チップを変えながら10回程度の再循環処理を実施する。なおリンス水タンク19もまた、循環水タンクとして使用されるものであり、当初に投入されるのが工業用水であるという点で相違するのみであり、タンクの機能としては循環水を送出、回収する機能のものである。
かくして図2によれば、2組の再循環系統が構成されている。第2段溶出、沈降、脱水行程300は、工業用水からの再循環処理であり脱水チップを10回程度入れ替えながら、リンス水を再循環させることでカリウム濃度を高めていく。また第2段溶出、沈降、脱水行程300における再循環処理の実行中に第1段溶出、沈降、脱水行程200は、循環水についての再循環処理を実行しており、竹チップを10回程度入れ替えながら、循環水を再循環させることでカリウム濃度を高めていく。
そのうえで、第1段溶出、沈降、脱水行程200における循環水が肥料として所定濃度の溶液になったことをもって外部に搬送する。搬送後は、第1段溶出、沈降、脱水行程200の循環水タンク6が空になっているので、ここにリンス水タンク19内の溶液を移し替えて再度再循環処理を実行する。移し替えた第2段溶出、沈降、脱水行程300のリンス水タンク6は空になっているので、ここに工業用水を補充して再度再循環処理を実行する。
この結果、循環水としては合計20回程度の再循環を実行されることになり、このうち10回は新しい竹チップによるカリウムの溶出を行うものであり、10回程度は脱水チップによるカリウムの溶出を行うものである。かくして、溶液は十分な濃度のカリウムを含むことになり、竹チップ側は低濃度のカリウム含有となることが期待できる。また液体肥料を生成するものであることから、脱水チップを乾燥用の燃料として使用することが少なくなると考えられる。
最後に濃縮液送出部について説明する。なお以下においては、単なる濃縮液送出のみではなく、循環液を取扱う図2下段のプロセスについて説明を行う。
図2の下段には、バイオマス改質装置において使用する水回りの設備を表している。水回りの処理のために、3種類のタンクと液体を区別して使用している。
タンクの1つ目はリンス水タンク19であり、リンス水ポンプ20で送られたリンス水は、分岐されて散水ノズル弁77により流量調整された散水として、散水ノズル74からダンピングボックス4内の竹チップに散水される。なお、リンス水タンク19内にはリンス水タンク水位調整弁24が設置されて、タンク内から取り出したと同量の工業用水を補充している。
タンクの2つ目は循環水タンク6であり、溶出タンク8A、58Aに循環水を提供している。また溶出タンク8A、58Aに循環水を供給しない時間帯では循環水循環弁67によるタンク内への戻し処理を行っている。また、循環水タンク6内には循環水タンク水位調整弁25が設置されて、循環水タンク6内から取り出したと同量のリンス水をリンス水タンク19から補充している。
循環水タンク6には、設備の各所に供給した循環水が戻ってくる戻りラインが形成されている。その一つは沈降タンク66Aからの上澄み回収ライン56である。沈降タンク66Aからの上澄みは、不純物を含んでいないのでそのまま循環水タンク6内に戻される。脱水機17Aからの脱水水も循環水タンク6に戻される。なお、乾いて浮遊する竹チップは最終的に循環水タンク6の中で浮遊するため、浮遊物かき取り装置75により循環水タンク6の外へ改質不適物76として払いだす。
タンクの3つ目は溶出液タンク14である。溶出液タンク14にはバイオマス改質装置内の各所からの溶出液が導入されている。溶出液タンク14に蓄積された溶出液は、排出されて植物育成剤輸送車43へと抜き出されて、使用先に提供される。各所からの溶出液は、溶出タンク8A、58Aのオーバーフロー液であり、循環水タンク6からの抜き取り水である。
図2において、循環水タンク6には、脱水機17Aより排出された脱水水が蓄積されており、適宜循環されて再利用がされている。このとき、循環水ポンプ7の出口には、循環水カリウム・塩素分析計12が設けられており、循環水中のカリウムと塩素を連続分析している。このカリウム又は塩素が管理値を超えると、循環水抜き取り弁13が開動作し、循環水を溶出液タンク14に排出する。また循環水タンク6には循環水レベル計38が設置されており、循環水タンク6内のレベルが規定レベル以上に上昇した場合は、循環水抜き取り弁13を強制的に開動作して循環水タンク6のレベルを下げるように作動している。また循環水タンク6には溶出タンク8A、58Aのオーバーフロー液が導入されている。これら一連の動作により、バイオマス改質装置内の水系統は、所定レベル、所定濃度などの状態に維持されている。
なお、循環水抜き取り弁13が開動作して循環水を溶出液タンク14に排出する条件としては、例えば循環水カリウム・塩素分析計12が検知したカリウムについて図1の濃度6000(ppm)を管理値として動作させ、あるいは図1の特性から濃度6000(ppm)の管理値に到達する程度の溶出液再利用回数に応じて動作させるものであってもよい。
なお、竹はチップのまま放置すると徐々に乾燥する。乾燥した竹は、水に浮くため内部まで水が入らず、結果としてカリウム類を溶出することが出来ない。このため図1のダンピングボックス4では、その内部の竹チップが乾燥しないように竹チップに散水する。この系統は、リンス水ポンプ20の出口から分岐し、散水ノズル74へと送られ、ダンピングボックス4内の竹チップが乾燥し無いように、散水ノズル弁77により定期的に散水を行う系統である。
また、乾いて浮遊する竹チップは、最終的に循環水タンク6の中で浮遊するため、循環水タンク6に浮遊物かき取り装置75を配置し、浮遊物かき取り装置75により循環水タンク6の外へと払いだす。払い出された浮遊物は、改質不適物76として貯留され一定量溜まれば竹林に散布して竹の育成剤として使用するのがよい。
図4は、図2に示した第1段溶出、沈降、脱水行程200の主要な設備機器についての一連の動作順序を示した図であり、横軸に時間、縦軸に第1段溶出、沈降、脱水行程200の主要な設備機器とその処理を示している。なおここでは、第1段溶出、沈降、脱水行程200の各部における処理を例示しているが、同様の時間帯において、第2段溶出、沈降、脱水行程300においても同様の手順で再循環処理が実行されている。
縦軸に示す第1段溶出、沈降、脱水行程200の主要な設備機器としては、ダンピングボックス4、溶出タンク8A、58A、沈降タンク66A、攪拌機103、脱水機17A、循環水タンク6、溶出液タンク14を示している。
横軸の時間は、処理周期Tにより区分されており、各処理周期のうち奇数の添え字を付した処理周期T1、T3などは溶出タンク8Aによる処理を、各処理周期のうち偶数の添え字を付した処理周期T2、T4などは溶出タンク58Aによる処理を行う期間である。
図示の事例では、最初の周期T1の時に溶出タンク8Aにダンピングボックス4から一定量の竹チップを投入し、また溶出タンク8Aに循環水タンク6から一定量の循環水が投入される。なお、最初の周期の時、循環水タンク6にはリンス水タンク19からリンス水が供給され、リンス水タンク19には工業用水が補充されている。溶出タンク8A内で攪拌された一定量の竹チップと一定量の循環水は、沈降タンク66Aに移送され、これらの過程を通じて工業用水はカリウムが溶出した溶出液を含む循環水となる。脱水機17Aにおいて、竹チップと循環水は分離され、竹チップは第1段溶出、沈降、脱水行程200の系外の第2段溶出、沈降、脱水行程300において再度の循環処理に供せられる。脱水機で分離された循環水は、沈降タンク66Aからの循環水と共に、循環水タンク6に回収される。本発明では、沈降タンク66Aから脱水機17Aに竹チップを移送するタイミングに合わせて攪拌機103に循環水107を投入している。循環水107は、その後は他の循環水と合流されて循環水タンク6に回収される。
次の周期T2では、溶出タンク58Aにダンピングボックス4から一定量の竹チップを投入し、また溶出タンク58Aに循環水タンク6から一定量の循環水が投入される。この時の循環水は、最初の周期T1の時に、循環水タンク6に回収された循環水であり、カリウムが溶出した溶出液を含む循環水となっている。溶出タンク58A内で攪拌された一定量の竹チップと一定量の循環水は、沈降タンク66Aに移送され、これらの過程を通じて循環水はカリウムがさらに溶出し、濃度を増した溶出液を含む循環水となる。脱水機17Aにおいて、竹チップと循環水は分離される。脱水機で分離された循環水は、沈降タンク66Aからの循環水と共に、循環水タンク6に回収される。この処理周期においても、沈降タンク66Aから脱水機17Aに竹チップを移送するタイミングに合わせて攪拌機103に循環水107を投入しており、循環水107は、その後は他の循環水と合流されて循環水タンク6に回収されている。このため、循環系統内の循環水の総量は順次増加しながら循環水タンク6に回収されていく。
以後、溶出タンク8A、58AAを交互に使用することで、循環水タンク6に回収された循環水は、カリウムが溶出し濃度を増した溶出液を含む循環水となってくる。図4に示すよう、材料としての竹チップは、その都度新しいものが投入されて、排出されていくが、循環水は、溶出タンク8Aまたは58A⇒沈降タンク66A⇒脱水機17A⇒循環水タンク6⇒溶出タンク8Aまたは58Aで形成される再循環ラインにより循環し、順次その濃度を増していく。
かくして、例えば周期Tnにおいて、循環水タンク6内の循環水について、循環水カリウム・塩素分析計12が検知したカリウム濃度は、管理値である6000(ppm)に達したものとする。このとき、循環水タンク6内の循環水は溶出液タンク14に移送される。なお、管理値の管理は、図1の特性に基づいて、溶出液再利用回数の観点から行うものであってもよい。循環水を溶出液タンク14に移送後は、循環水タンク6には再度第2段溶出、沈降、脱水行程300のリンス水タンク19からリンス水が投入され、再利用に供される。
以上要するに本発明に係るバイオマス改質装置においては、その前提として「ダンピングボックス4からの一定量の竹チップと、循環水タンク6からの一定量の循環水を投入されて、攪拌を行う溶出タンク8A、58Aと、攪拌後の竹チップと循環水が移送され、竹チップの沈降を促す沈降タンク66Aと、沈降タンク66Aからの竹チップと循環水を分離する脱水機17Aと、脱水機17Aからの循環水を保管する前記循環水タンク6と、循環水タンク6からの循環水を保管する溶出液タンク14と、竹チップと循環水を溶出タンクに投入、攪拌し、沈降タンク66Aに移送し、脱水機17Aにおいて分離し、循環水タンク6に循環水を回収するまでの一連の処理を制御し、当該一連の処理を繰り返し実行せしめるとともに、循環水タンク6内の循環水についての所定条件成立により、循環水を溶出液タンク8A、58Aに移す制御を行う制御装置(図2には図示せず)を備え、溶出液タンク内の循環水を植物育成剤として得るバイオマス改質装置。」を構成したものである。
特に循環系統を2段階として順次、脱水チップ、竹チップによる濃縮化、循環水の入れ替えを実行したものである。
この場合に、循環水タンク内の循環水についての所定条件とは、循環水タンク内の循環のカリウム濃度が所定濃度に達したことであり、あるいは循環水タンクに循環水を回収するまでの一連の処理の繰り返し回数が所定回数に達したことである。
なお、本発明の考え方を広く草本系バイオマスに適用する場合には、その種別に応じて溶出液利用回数と溶液中のカリウム濃度が相違するものと考えられることから、図1の実験を利用対象の草本系バイオマスで実施し、その場合の溶出液利用回数や溶液中のカリウム濃度を確認の上で、管理値を適切に定める必要があることは言うまでもない。
以上により図2の全体構成とその機能及び運用方法の説明が完了した。この設備を前提として、本発明のさらなる目的は連続運転に供し得る実用的なバイオマス改質装置及びその運転方法を提供することである。このための具体的な設備構成が図5、図6、図7に示されている。
図2に示した本発明のバイオマス改質装置におけるシステム運用上のネックとなる点は、竹チップのつまりによる動作停止の問題である。図2のシステム構成によれば、2段の溶出、沈降、脱水行程とし、循環水の一部をつまりの可能性が高い脱水機部分に投入することで、詰まりが生じにくい状態を実現している。かつ、工業用水を用いるのではなく、各工程の循環水を使用することで工業用水の使用量を低減可能である。更にそのうえで、図5、図6、図7は、つまりを生じにくい循環水の投入構造を例示している。
図5は、全体構成を示す図2における、脱水機17Aに注水するための設備構成の具体構成例を示している。
脱水機17Aに注水するための設備構成によれば、沈降タンク66Aと脱水機17Aの間に攪拌機103を配置している。さらに攪拌機103には、少なくとも2か所に循環水を注水する注水設備が配置されている。
図5の構成と機能をさらに詳述すると、沈降タンク66Aの下部に沈降した底部沈降竹チップ100は、沈降竹チップロータリーバルブ55により下部の攪拌器103へと供給される。攪拌器103への供給量は、沈降竹チップロータリーバルブモータ102の回転数制御により適量に制御される。
一方、注水設備の側についてみると、循環水107はリンス水調節弁104により適量の水量に調整された後、攪拌水調節弁105と攪拌器詰まり防止水調節弁106へ供給される。攪拌水調節弁105を通った循環水は、攪拌器103の上部(B−B断面で示す部位)に導入される。
図6は、B−B断面における攪拌器103の上部断面構成を示している。攪拌器103の上部の断面には、リング状の配管が形成されており、攪拌器103の内部へ接線方向に配置された攪拌ノズル108に供給される。これにより、攪拌器103の内部に旋回流を発生させることで、沈降竹チップロータリーバルブ55より供給される底部沈降竹チップ100と共に攪拌器103の内部で旋回すると同時に、循環水107により底部沈降竹チップ100の内部にあるカリウム、塩素類を溶出させる。
図7は、攪拌器103下部の部位Cの断面構成を示している。攪拌器103の下部の断面こうせいによれば、攪拌器103下部の底部には攪拌器詰まり防止ノズル109を取り付けており、この部位に注水することで、底部での詰まりを防止している。これは竹チップと水の粘性係数が異なるため、流動性の良い水が底部の絞り部で先に抜け去り、竹チップが遅れる事で竹チップのスラリー濃度が高くなり流動せず詰まりを発生することを防止するものである。このためにスラリー濃度を下げること、及び攪拌器詰まり防止ノズル109よりの噴流により攪拌器103の下部にスラリーを強制的に流し込む役割がある。
図8は、本発明の効果を説明するための図である。図8では縦側に分析項目として塩素とカリウムを例示している。さらに分析項目についての単位がwt%であり、ベースを無水状態としていることを前提に各種状態での竹の比較結果を示している。
竹の比較は、原料であるとき、10回の液再利用であるとき、10回の液再利用時にさらに図5、図6、図7で説明したリンス水使用時について行っている。この比較結果によれば、竹チップ内塩素濃度は、原料では0.167であるものが10回の液再利用では0.0088、さらにリンス水使用時では0.030にまで低減している。なお塩素濃度は事業用で使用するには木質ペレットでは0.03以下である必要があるが、循環水使用時にはこの基準をクリアしている。竹を大容量のボイラなどで燃焼させる場合、塩化溶融塩腐食を防止するために燃料の塩素濃度(Cl)は0.04%以下にする必要がある。10回溶液再利用後の溶出後竹の塩素濃度は0.088%と判定基準を満足していないが、竹と同量のリンス水を入れることで0.03%まで低下し、判定基準を満足していることが判る。
カリウムについてみると、竹チップ内カリウム濃度は、原料では0.806であるものが10回の液再利用では0.0534、さらにリンス水使用時では0.237にまで低減し、改善することが判る。
このように、原料の竹のカリウム濃度0.806%(wet)、塩素0.167%(wet)を液側が植物か性効果のある状態まで10回再使用した場合の竹に残るカリウム0.534%、塩素0.088%と本来70%以上の低減必要量に対して50%弱の低減しか出来ていない。これを一段脱水し、新たな水で竹を再度溶出させ2段脱水すると竹に残るカリウム0.237%、塩素0.03%と十分な改質効果がある。これにより溶出液は植物活性剤として使用でき且つ竹側も改質燃料として問題ないことが確認された。特に木質ペレット規格はペレットストーブによる低温燃焼を想定した規格であるがその塩素濃度と同等の塩素濃度まで低減できる。
上記説明の本発明によれば、竹チップは水中で攪拌しない限り底部に沈降することから、この性質を利用して溶出後沈降タンクで竹チップを沈降させる。次に、沈降した竹チップと水の比率は例えば竹1対水5となるようにし、この状態から脱水機に入る直前で水1を加えて、良く攪拌しながら脱水機に入れる。このときに加える水は新たな水であり、この水により竹チップはリンスされ、竹チップ内部のカリウム、塩素の濃度を下げるとともに、溶出液は再利用することで植物育成剤としての使用も可能となる。
なお本発明を実現するに当たり、図2の構成機器はその全てを供えなければならないというものではない。例えばタンクの一部は割愛することも可能であり、配管系統はより簡略化することが可能である。さらには前段の溶出タンク8A、58Aなどについて適宜割愛するものであってもよい。
以上説明した本発明のバイオマス改質装置は、沈降タンク、攪拌機、脱水機、循環水、溶出液タンクなどを主要な構成機器として構成されており、図2などには図示していないが、制御装置はこれらの間において、沈降タンクへの竹チップと循環水の投入から、攪拌機における攪拌、脱水機における分離を経て、循環水タンクに循環水を回収するまでの一連の処理を制御し、当該一連の処理を繰り返し実行せしめるとともに、循環水タンク内の循環水を溶出液タンクに移す制御を行っている。さらに制御装置は、沈降タンク内における竹チップの量と循環水の水量、並びに攪拌機に投入するリンス水の水量を予め定めた所定の量に定めることで、改質物のカリウム、塩素濃度を規定量下げながら、且つ溶出液は高い濃度での抽出を両立させている。
1:竹
2:竹供給フィーダ
3:竹チッパー
4:ダンピングボックス
5:竹脱水チップロータリーバルブ
6:循環水タンク
7:循環水ポンプ
8A、58A:溶出タンク
9、59:三方弁
10、60:攪拌用ノズル
11、61:排出ポンプ
12:循環水カリウム・塩素分析計
13:循環水抜き取り弁
14:溶出液タンク
15:溶液タンクレベル計
16:スクリューフィーダ
17A:脱水機
19:リンス水タンク
20:リンス水ポンプ
21:リンス弁
22:リンス水流量計
24:リンス水タンク水位調節弁
25:循環水タンク水位調節弁
43:運搬カー
44、62:一次ダンパ
45、63:計量スペース
466A4:二次ダンパ
55:沈降竹チップロータリーバルブ
56:上澄み回収ライン
66A:沈降タンク
67:循環水循環弁
100:底部沈降竹チップ
102:沈降竹チップロータリーバルブモータ
103:攪拌器
104:循環水調節弁
105:攪拌水調節弁
106:攪拌器詰まり防止水調節弁
107:循環水
108:攪拌ノズル
109:攪拌器詰まり防止ノズル
200:第1段溶出、沈降、脱水行程
300:第2段溶出、沈降、脱水行程

Claims (5)

  1. 竹チップと第一の循環水が投入され、竹チップの沈降を促す第一の沈降タンクと、第一の循環水を導入しながら前記第一の沈降タンクからの竹チップと第一の循環水を攪拌する第一の攪拌機と、該第一の攪拌機からの竹チップと第一の循環水を分離する第一の脱水機と、該第一の脱水機からの第一の循環水を保管する第一の循環水タンクと、該第一の循環水タンクからの循環水を保管する溶出液タンクと、を備えた第一の循環系統と、
    前記竹チップが前記第一の循環系統において脱水された脱水チップと第二の循環水が投入され、竹チップの沈降を促す第二の沈降タンクと、第二の循環水を導入しながら前記第二の沈降タンクからの脱水チップと第二の循環水を攪拌する第二の攪拌機と、該第二の攪拌機からの脱水チップと第二の循環水を分離する第二の脱水機と、該第二の脱水機からの第二の循環水を保管する第二の循環水タンクと、を備えた第二の循環系統と、
    前記第一と第二の循環系統について、沈降タンクへの竹チップあるいは脱水チップと循環水の投入から、攪拌機における攪拌、脱水機における分離を経て、循環水タンクに循環水を回収するまでの一連の処理を制御し、当該一連の処理を繰り返し実行せしめるとともに、
    前記第一の循環水タンク内の第一の循環水を前記溶出液タンクに移したあとに、前記第二の循環水タンク内の前記第二の循環水を前記第一の循環水タンク内に投入して前記第一の循環水とし、前記第二の循環水タンク内に工業用水を投入して前記第二の循環水とする制御を行う制御装置を備え、
    前記溶出液タンク内の循環水を植物育成剤として得ることを特徴とするバイオマス改質装置。
  2. 請求項1に記載のバイオマス改質装置であって、
    前記制御装置は、前記第一と第二の循環系統について、
    沈降タンク内における竹チップあるいは脱水チップの量と循環水の水量、並びに攪拌機に投入する循環水の水量を予め定めた所定の量に定めることを特徴とするバイオマス改質装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のバイオマス改質装置であって、
    前記第一と第二の循環系統について、攪拌機に与えられた循環水により、攪拌機内に水流を生じせしめ、竹チップあるいは脱水チップのつまりを防止することを特徴とするバイオマス改質装置。
  4. 竹チップを第一の循環水に浸してから脱水する処理を、前記竹チップを交換しながら繰り返し実施し、前記第一の循環水に含まれる、前記竹チップから溶出したカリウム、塩素の濃度が所定濃度以上であることをもって前記第一の循環水を系外に取り出す第一の循環系統と、前記竹チップが前記第一の循環系統において脱水された脱水チップを、第二の循環水に浸してから脱水する処理を、前記脱水チップを交換しながら繰り返し実施する第二の循環系統を有し、
    前記第一の循環系統から前記第一の循環水を系外に取り出したあとに、第二の循環水を前記第一の循環系統に投入して前記第一の循環水として用い、工業用水を前記第二の循環系統に投入して前記第二の循環水として用いることを特徴とするバイオマス改質装置の運転方法。
  5. 請求項4に記載のバイオマス改質装置の運転方法であって、
    前記第一と第二の循環系統について、沈降タンク内における竹チップあるいは脱水チップの量と循環水の水量、並びに攪拌機に投入する循環水の水量を予め定めた所定の量に定めることを特徴とするバイオマス改質装置の運転方法。
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