JP6738229B2 - 双方向ツェナーダイオード - Google Patents

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Description

本発明は、双方向ツェナーダイオードに関する。
過渡的な過電圧、ESD(Electrostatic Discharge)、ノイズ等を吸収する素子としてTVS(Transient Voltage Suppressor:過渡電圧抑制)素子が知られている。TVS素子は、種々のデバイスで構成され得るが、一般的には、一対のダイオードが逆直列に接続されたものが採用される。その一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1には、n型の基板と、基板の表層部に形成されたp層と、p層の表層部に形成されたp層と、p層の表層部に形成されたn層とを含むnppn積層構造のダイオードが開示されている。
米国特許第6,015,999号明細書
一対のダイオードが逆直列に接続された構成のTVS素子には、その電気的特性として、逆方向降伏電圧、逆方向スタンドオフ電圧、漏れ電流等の種々のパラメータが存在する。前述の特許文献1では、nppn積層構造によって、これら種々のパラメータが調整されている。しかし、nppn積層構造では、複数のpn接合を積層方向に作り込まなければならず、製造方法が複雑であるため、コストが増大する。
ここで、本発明者らは、一対のツェナーダイオードが逆直列に接続された双方向ツェナーダイオードをTVS素子として、基板の表層部に作り込むことを検討している。双方向ツェナーダイオードであれば、一対のpn接合を基板の表層部に間隔を空けて作り込めばよいので、比較的簡素な構造となり、コストの増大を抑制できる。しかし、単に一対のpn接合を基板の表層部に間隔を空けて形成しただけでは、低逆方向降伏電圧および低逆方向スタンドオフ電圧を実現しようとすると、漏れ電流が増大する。
そこで、本発明は、コストの増大を抑制でき、優れた電気的特性を達成できる双方向ツェナーダイオードを提供することを目的とする。
本発明の双方向ツェナーダイオードは、基板を含む。基板の表層部には、第1導電型のベース領域が形成されている。前記ベース領域の表層部には、前記ベース領域との間でpn接合を形成するように、第2導電型の第1不純物領域が形成されている。前記ベース領域の表層部には、前記ベース領域との間でpn接合を形成するように、前記第1不純物領域から間隔を空けて第2導電型の第2不純物領域が形成されている。前記基板の表面上には、前記第1不純物領域に電気的に接続されるように第1電極が配置されている。前記基板の表面上には、前記第2不純物領域に電気的に接続されるように第2電極が配置されている。この構成において、前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との間に存在する前記ベース領域の前記基板の表面に沿う寸法を、4.0μm以上5.0μm以下とした。
本発明の双方向ツェナーダイオードによれば、第1不純物領域と第2不純物領域との間に存在するベース領域の基板の表面に沿う寸法が、4.0μm以上5.0μm以下とされている。これにより、優れた電気的特性を達成できる。たとえば、本発明の双方向ツェナーダイオードの特徴を含むことにより、100μA以上10mA以下の逆方向降伏電流、6V以上6.5V以下の逆方向降伏電圧を実現できる。また、本発明の双方向ツェナーダイオードの特徴を含むことにより、3V以上5V以下の逆方向スタンドオフ電圧を実現できる。また、本発明の双方向ツェナーダイオードの特徴を含むことにより、当該逆方向スタンドオフ電圧印加時において10nA以下の漏れ電流を実現できる。
また、本発明の双方向ツェナーダイオードによれば、ベース領域の表層部に第1不純物領域と第2不純物領域とを間隔を空けて形成すればよいので、比較的簡素な構造を実現できる。よって、pn接合の形成に伴って複雑な工程が要求されることもないので、コストの増大を抑制できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る双方向ツェナーダイオードを示す平面図である。 図2Aは、図1に示すIIA-IIA線に沿う縦断面図である。 図2Bは、図1に示すIIB-IIB線に沿う縦断面図である。 図3は、図2Aに示すIII-III線に沿う横断面図である。 図4は、図3に示すIV-IV線に沿う縦断面図であって、不純物領域および引き出し電極が形成された部分を示す拡大断面図である。 図5Aは、電流−電圧特性を評価するための第1評価用素子を示す平面図である。 図5Bは、電流−電圧特性を評価するための第2評価用素子を示す平面図である。 図5Cは、電流−電圧特性を評価するための第3評価用素子を示す平面図である。 図5Dは、電流−電圧特性を評価するための第4評価用素子を示す平面図である。 図5Eは、電流−電圧特性を評価するための第5評価用素子を示す平面図である。 図6は、図5A〜図5Eに示す各評価用素子の電流−電圧特性を示すグラフである。 図7は、図6に示す破線で囲まれた部分を拡大したグラフである。 図8は、図1に示す双方向ツェナーダイオードの製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。 図9は、図5A〜図5Eに示す各評価用素子の逆方向降伏電圧の調整に関する特徴を説明するためのグラフである。 図10は、図8のステップS4において、高温プロセスが適用された場合の図5A〜図5Eに示す各評価用素子の電流−電圧特性を示すグラフである。 図11は、参考例に係る双方向ツェナーダイオードを示す平面図である。 図12Aは、図11に示すXIIA-XIIA線に沿う縦断面図である。 図12Bは、図11に示すXIIB-XIIB線に沿う縦断面図である。 図13は、図12Aに示すXIII-XIII線に沿う横断面図である。 図14は、図13に示すXIV-XIV線に沿う縦断面図であって、不純物領域および引き出し電極が形成された部分を示す拡大断面図である。 図15は、電流−電圧特性を評価するための評価用素子の寸法を示す表である。 図16Aは、電流−電圧特性を評価するための第1評価用素子を示す平面図である。 図16Bは、電流−電圧特性を評価するための第2評価用素子を示す平面図である。 図16Cは、電流−電圧特性を評価するための第3評価用素子を示す平面図である。 図16Dは、電流−電圧特性を評価するための第4評価用素子を示す平面図である。 図16Eは、電流−電圧特性を評価するための第5評価用素子を示す平面図である。 図16Fは、電流−電圧特性を評価するための第6評価用素子を示す平面図である。 図17は、図15に示す各評価用素子の電流−電圧特性を示すグラフである。 図18は、図17に示す破線で囲まれた部分を拡大したグラフである。 図19は、図15に示す各評価用素子の逆方向降伏電圧を示す棒グラフである。 図20は、逆方向降伏電圧の調整に関する特徴を説明するためのグラフである。 図21は、図11に示す双方向ツェナーダイオードの製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。 図22は、逆方向降伏電圧の調整に関する特徴を説明するためのグラフである。 図23は、図21のステップS104において、高温プロセスが適用された場合の評価用素子の電流−電圧特性を示すグラフである。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
<実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る双方向ツェナーダイオード1を示す平面図である。図2Aは、図1に示すIIA-IIA線に沿う縦断面図である。図2Bは、図1に示すIIB-IIB線に沿う縦断面図である。図3は、図2Aに示すIII-III線に沿う横断面図である。
双方向ツェナーダイオード1は、平面視長方形状の基板2を含む。基板2は、シリコン基板であってもよい。基板2の長手方向に沿う長辺の長さLは、たとえば0.3mm以上0.6mm以下である。短手方向に沿う短辺の長さDは、たとえば0.15mm以上0.3mm以下である。基板2の厚さTは、たとえば0.1mmである。基板2のサイズをかかるサイズとすることにより、双方向ツェナーダイオード1をいわゆるチップ部品として構成することができるから、多種の用途に適用できる。
図2Aおよび図2Bを参照して、基板2の表層部には、基板2の表面から露出するようにp型のベース領域3が形成されている。より具体的には、本実施形態では、基板2の表面から裏面に亘ってp型不純物が導入されている。これにより、ベース領域3が基板2の全域に形成されており、かつ、基板2がp型基板と見なせる態様とされている。基板2の比抵抗は、p型不純物の導入によって5mΩ・cm程度とされている。
基板2の表面上には第1外部電極4(第1電極)と、第2外部電極5(第2電極)とが配置されている。第1外部電極4は、基板2の一方の端部側に配置されている。第2外部電極5は、基板2の他方の端部側に配置されている。
図2A、図2Bおよび図3を参照して、第1外部電極4と第2外部電極5との間においてベース領域3の表層部には、第1外部電極4および第2外部電極5に電気的に接続される、複数(本実施形態では4つ)の第1不純物領域群6と、複数(本実施形態では4つ)の第2不純物領域群7とが形成されている。
第1不純物領域群6は、基板2の長手方向に沿って延びるように設けられており、基板2の長手方向に沿って間隔を空けて配列された複数(本実施形態では4つ)のn型の第1不純物領域8を含む。第2不純物領域群7は、第1不純物領域群6に対して平行に延びるように設けられており、基板2の長手方向に沿って間隔を空けて配列された複数(本実施形態では4つ)のn型の第2不純物領域9を含む。第1不純物領域群6および第2不純物領域群7は、基板2の短手方向に沿って交互に配列されている。
第1不純物領域8および第2不純物領域9は、基板2の短手方向に隣接するように配列されている。したがって、第1不純物領域8および第2不純物領域9も基板2の短手方向に沿って交互に配列されている。このように、基板2の表層部には、第1不純物領域8および第2不純物領域9が、8行4列の行列状に整列して配列されている。
図3において上側から順に第1行目、第2行目・・・第8行目と定義し、左側から順に第1列目、第2列目、第3列目、第4列目と定義すると、第1不純物領域群6が偶数行に設けられており、第2不純物領域群7が奇数行に設けられている。各第1不純物領域群6において、第1不純物領域8は、第1列目〜第4列目に一つずつ配置されている。同様に、各第2不純物領域群7において、第2不純物領域9は、第1列目〜第4列目に一つずつ配置されている。
第1不純物領域8および第2不純物領域9は、同一の深さおよび同一のn型不純物濃度で形成されている。第1不純物領域8および第2不純物領域9の各n型不純物濃度は、たとえば1.0×1019cm−3以上1.0×1021cm−3以下である。第1不純物領域8および第2不純物領域9は、いずれも平面視で同一形状および同一面積で形成されている。第1不純物領域8および第2不純物領域9は、平面視で基板2の長手方向に延び、四隅が切除された長方形状(角が丸められた長方形状)に形成されている。
第1不純物領域8は、ベース領域3との間でpn接合を形成している。第1不純物領域8およびベース領域3のpn接合部によって、第1ツェナーダイオードDが形成されている。一方、第2不純物領域9は、ベース領域3との間でpn接合を形成している。第2不純物領域9およびベース領域3のpn接合部によって、第2ツェナーダイオードDが形成されている。第1ツェナーダイオードDおよび第2ツェナーダイオードDは、ベース領域3を介して逆直列に接続されている。第1不純物領域8および第2不純物領域9は、第1不純物領域8とベース領域3とのpn接合部から拡がる空乏層と、第2不純物領域9とベース領域3とのpn接合部から拡がる空乏層とが重ならないように間隔を空けて形成されている。
図2Aおよび図2Bを参照して、基板2の表面上には、絶縁膜10が形成されている。絶縁膜10は、たとえば、シリコン酸化膜である。絶縁膜10には、第1不純物領域8を露出させる第1コンタクト孔11と、第2不純物領域9を露出させる第2コンタクト孔12とが形成されている。この絶縁膜10上には、第1内部電極膜13と第2内部電極膜14とが形成されている。
第1内部電極膜13は、第1パッド電極膜16と、複数の第1引出し電極膜17とを一体的に含む。第1パッド電極膜16は、平面視長方形状に形成されており、基板2の一方の端部側に配置されている。複数の第1引出し電極膜17は、それぞれ、4つの第1不純物領域群6を一対一対応で被覆するように、基板2の長手方向に沿って第1パッド電極膜16から直線状に引き出されている。各第1引出し電極膜17は、一様な幅で第1不純物領域群6を被覆しており、第1不純物領域8の幅よりも広く形成されている。第1引出し電極膜17は、絶縁膜10上から第1コンタクト孔11に入り込み、第1不純物領域8との間でオーミック接触を形成している。
第2内部電極膜14は、第2パッド電極膜18と、複数の第2引出し電極膜19とを一体的に含む。第2パッド電極膜18は、平面視長方形状に形成されており、基板2の他方の端部側に配置されている。複数の第2引出し電極膜19は、それぞれ、4つの第2不純物領域群7を一対一対応で被覆するように、基板2の長手方向に沿って第2パッド電極膜18から直線状に引き出されている。各第2引出し電極膜19は、一様な幅で第2不純物領域群7を被覆しており、第2不純物領域9の幅よりも広く形成されている。第2引出し電極膜19は、絶縁膜10上から第2コンタクト孔12に入り込み、第2不純物領域9との間でオーミック接触を形成している。
第1引出し電極膜17および第2引出し電極膜19は、互いに噛合う櫛歯状に形成されている。第1引出し電極膜17および第2引出し電極膜19は、それらの周縁部を縁取るスリット15によって電気的に絶縁されている。第1内部電極膜13および第2内部電極膜14は、その電極材料として、アルミニウムを含んでいてもよい。
図3を参照して、本実施形態では、第2行目の第1列目、第6行目の第4列目および第8行目の第4列目に配置された3つの第1不純物領域8に対応する部分には、第1コンタクト孔11が形成されていない。これら3つの第1不純物領域8は、絶縁膜10を挟んで第1引出し電極膜17に対向しており、第1外部電極4および第2外部電極5から電気的に絶縁されている。これら3つの第1不純物領域8は、第1ツェナーダイオードDとして機能しないダミーダイオードDとして形成されている。
同様に、第1行目の第1列目、第3行目の第1列目および第7行目の第4列目に配置された3つの第2不純物領域9に対応する部分には、第2コンタクト孔12が形成されていない。これら3つの第2不純物領域9は、絶縁膜10を挟んで第2引出し電極膜19に対向しており、第1外部電極4および第2外部電極5から電気的に絶縁されている。第1外部電極4および第2外部電極5から電気的に絶縁された3つの第2不純物領域9は、それぞれ、第2ツェナーダイオードDとして機能しないダミーダイオードDとして形成されている。
ダミーダイオードDの個数は、第1コンタクト孔11および第2コンタクト孔12の有無によって調整可能である。ダミーダイオードDの個数を調整することにより、第1外部電極4および第2外部電極5間の端子間容量等の微調整が可能となる。本実施形態では、その一態様として、6個のダミーダイオードDが形成している。ダミーダイオードDの個数は任意であり、ダミーダイオードDが存在しない構造の双方向ツェナーダイオード1が採用されてもよい。
第1不純物領域8、第2不純物領域9、第1コンタクト孔11、第2コンタクト孔12、スリット15、第1引出し電極膜17および第2引出し電極膜19の各サイズについて補足する。
第1不純物領域8の基板2の短手方向に沿う幅は、たとえば1.0μm以上15μm以下であり、基板2の長手方向に沿う幅は、たとえば20μm以上40μm以下である。基板2の長手方向に隣接する2つの第1不純物領域8間の幅は、たとえば5.0μm以上25μm以下である。同様に、第2不純物領域9の基板2の短手方向に沿う幅は、たとえば1μm以上15μm以下であり、基板2の長手方向に沿う幅は、たとえば20μm以上40μm以下である。基板2の長手方向に隣接する2つの第2不純物領域9間の幅は、たとえば5.0μm以上25μm以下である。
第1コンタクト孔11および第2コンタクト孔12の基板2の短手方向に沿う各幅は、たとえば1.0μm以上15μm以下であり、基板2の長手方向に沿う各幅は、たとえば20μm以上40μm以下である。スリット15の幅は、たとえば1.0μm以上3.0μm以下である。第1引出し電極膜17および第2引出し電極膜19の基板2の短手方向に沿う各幅は、たとえば10μm以上20μm以下である。
図4は、図3に示すIV-IV線に沿う縦断面図であって、第1不純物領域8、第2不純物領域9、第1引出し電極膜17および第2引出し電極膜19が形成された部分を示す拡大断面図である。
図4を参照して、本実施形態に係る双方向ツェナーダイオード1は、第1不純物領域8と第2不純物領域9との間に存在するベース領域3の基板2の表面に沿う寸法Sが、4.0μm以上12.5μm以下とされていることを特徴とする。以下では、このベース領域3の基板2の表面に沿う寸法Sを、単に「ベース領域3の寸法S」という。本実施形態に係る双方向ツェナーダイオード1は、ベース領域3の寸法Sを4.0μm以上12.5μm以下とすることによって、良好な電流−電圧特性を実現するものである。本実施形態に係る双方向ツェナーダイオード1において、第1不純物領域8の基板2の短手方向に沿う幅Wおよび第2不純物領域9の基板2の短手方向に沿う幅Wは、いずれも1.0μm以上9.0μm以下に設定されている。
電流−電圧特性を調べるため、図5A〜図5Eに示す5つの評価用素子を用意した。図5A〜図5Eは、電流−電圧特性を評価するための第1〜第5評価用素子TEG1〜TEG5を示す平面図である。図5A〜図5Eは、それぞれ、図3に示す平面図に対応している。
図5Aに示す第1評価用素子TEG1は、ベース領域3の寸法Sが、12.5μm(寸法S=12.5μm)とされた双方向ツェナーダイオード1である。
図5Bに示す第2評価用素子TEG2は、ベース領域3の寸法Sが、7.0μm(寸法S=7.0μm)とされた双方向ツェナーダイオード1である。
図5Cに示す第3評価用素子TEG3は、ベース領域3の寸法Sが、6.0μm(寸法S=6.0μm)とされた双方向ツェナーダイオード1である。
図5Dに示す第4評価用素子TEG4は、ベース領域3の寸法Sが、5.0μm(寸法S=5.0μm)とされた双方向ツェナーダイオード1である。
図5Eに示す第5評価用素子TEG5は、ベース領域3の寸法Sが、4.0μm(寸法S=4.0μm)とされた双方向ツェナーダイオード1である。
図6は、図5A〜図5Eに示す第1〜第5評価用素子TEG1〜TEG5の電流−電圧特性を示すグラフである。図7は、図6に示す破線で囲まれた部分を拡大したグラフである。
図6および図7において、縦軸は第1外部電極4および第2外部電極5間の電流値であり、横軸は第1外部電極4および第2外部電極5間の電圧値である。図6および図7に示すグラフは、第1外部電極4および第2外部電極5間に0Aから10mAの電流を流すことによって、第1外部電極4および第2外部電極5間に生じた電圧を測定し、電流−電圧特性として表したものである。その電流−電圧特性は、曲線A〜曲線Eに示される通りである。
曲線Aは、第1評価用素子TEG1の電流−電圧特性を示している。曲線Bは、第2評価用素子TEG2の電流−電圧特性を示している。曲線Cは、第3評価用素子TEG3の電流−電圧特性を示している。曲線Dは、第4評価用素子TEG4の電流−電圧特性を示している。曲線Eは、第5評価用素子TEG5の電流−電圧特性を示している。
曲線A〜曲線Eを参照して、ベース領域3の寸法Sが小さくされるに従って逆方向降伏電圧VBRが低下し、ベース領域3の寸法Sが大きくされるに従って逆方向降伏電圧VBRが上昇するという結果が得られた。具体的には、第1〜第5評価用素子TEG1〜TEG5によれば、100μA以上10mA以下の逆方向降伏電流IBR、6V以上7V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できることが分かった。たとえば、逆方向降伏電流IBRを1mAと定めると、この時の逆方向降伏電圧VBRは6V以上7V以下である。
逆方向降伏電流IBRは、ツェナ降伏および/またはアバランシェ降伏が発生する電流で定義される。また、逆方向降伏電圧VBRは、ツェナ降伏および/またはアバランシェ降伏が発生する電圧で定義される。
第1〜第5評価用素子TEG1〜TEG5のうち、特に、第4評価用素子TEG4(ベース領域3の寸法S=5.0μm)および第5評価用素子TEG5(ベース領域3の寸法S=4.0μm)であれば、100μA以上10mA以下の逆方向降伏電流IBR、6V以上6.5V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できることが分かった。
第1〜第5評価用素子TEG1〜TEG5によれば、3V以上5V以下の範囲に逆方向スタンドオフ電圧VRWMが存在しており、当該逆方向スタンドオフ電圧VRWM印加時の漏れ電流Iが、10nA以下に抑えられていることが分かった。具体的には、第1〜第5評価用素子TEG1〜TEG5によれば、3V以上4V以下の範囲に逆方向スタンドオフ電圧VRWMが存在しており、当該逆方向スタンドオフ電圧VRWM印加時の漏れ電流Iが、1nA以下に抑えられていることが分かった。たとえば、逆方向スタンドオフ電圧VRWMを3V以上3.5V以下とすれと、当該逆方向スタンドオフ電圧VRWM印加時の漏れ電流Iは、100pA以下となる。逆方向スタンドオフ電圧VRWMは、逆方向降伏電圧VBRよりも小さい値であり、ツェナ降伏および/またはアバランシェ降伏に移行する前段階の電圧で定義される。
このように、ベース領域3の寸法Sが4.0μm以上12.5μm以下に設定されることにより、良好な電流−電圧特性の双方向ツェナーダイオード1を提供できる。
図2Aおよび図2Bを再度参照して、絶縁膜10上には、第1内部電極膜13および第2内部電極膜14を被覆するように、窒化シリコンを含む第1パッシベーション膜20およびポリイミドを含む樹脂膜21がこの順に形成されている。基板2の側面には、窒化シリコンを含む第2パッシベーション膜22が形成されている。第1パッシベーション膜20および樹脂膜21には、第1パッド電極膜16を露出させる第1パッド開口23と、第2パッド電極膜18を露出させる第2パッド開口24とが形成されている。
第1外部電極4は、樹脂膜21から突出するように第1パッド開口23に埋設されている。第1外部電極4は、第1パッド開口23内で第1パッド電極膜16に電気的に接続されている。第2外部電極5は、樹脂膜21から突出するように第2パッド開口24に埋設されている。第2外部電極5は、第2パッド開口24内で第2パッド電極膜18に電気的に接続されている。第1外部電極4および第2外部電極5は、たとえば、Ni膜と、Ni膜上に形成されたPd膜と、Pd膜上に形成されたAu膜とを有するNi/Pd/Au積層膜であってもよい。
図1を再度参照して、第1外部電極4および第2外部電極5の各表面には、平面視長方形状の平坦部30と、平面視四角形状または平面視長方形状の複数の凸部31とが設けられている。平坦部30は、第1外部電極4および第2外部電極5の各表面が平坦に形成された部分であり、第1外部電極4および第2外部電極5の各表面中央部に設けられている。複数の凸部31は、第1外部電極4および第2外部電極5の各平坦部30の周囲に設けられており、第1外部電極4および第2外部電極5の各表面周縁部に起伏を形成している。複数の凸部31は、平坦部30よりも小さい表面積で形成されている。複数の凸部31のうちの幾つかは、平坦部30と一体を成していてもよい。
このような第1外部電極4および第2外部電極5によれば、第1外部電極4および第2外部電極5の各表面に向けて光が照射されると、その光を良好に乱反射させることができる。これにより、第1外部電極4および第2外部電極5を良好に確認できるので、双方向ツェナーダイオード1の表裏判定を容易に行うことができる。また、電気テストを実施する際には、プローブの先端部を第1外部電極4および第2外部電極5の各平坦部30に押し当てることができるから、双方向ツェナーダイオード1の電気的特性を良好に測定できる。
また、第1外部電極4および第2外部電極5の各表面に設けられた凹凸により、第1外部電極4および第2外部電極5の各表面の表面積を増加させることができる。これにより、双方向ツェナーダイオード1を半田等の接合材を介して実装基板に実装する際に、第1外部電極4および第2外部電極5の各表面と接合材との接触面積を増加させることができる。よって、双方向ツェナーダイオード1を実装基板に良好に実装できる。
以上、本実施形態では、ベース領域3の寸法Sが、4.0μm以上12.5μm以下とされている。これにより、100μA以上10mA以下の逆方向降伏電流IBR、および、6V以上7V以下の逆方向降伏電圧VBRを実現できる。特に、ベース領域3の寸法Sを4.0μm以上5.0μm以下とすることによって、6V以上6.5V以下の逆方向降伏電圧VBRを実現できる。また、ベース領域3の寸法Sが、4.0μm以上12.5μm以下であれば、3V以上4V以下の逆方向スタンドオフ電圧VRWM、および、1nA以下の漏れ電流Iを実現できる。
また、本実施形態では、ベース領域3の表層部に第1不純物領域8および第2不純物領域9を、間隔を空けて形成すればよいので、比較的簡素な構造を実現できる。よって、pn接合の形成に伴って複雑な工程が要求されることもないので、コストの増大を抑制できる。
図8は、図1に示す双方向ツェナーダイオード1の製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。
まず、基板2の元となる一枚の円板状のウエハが用意される(ステップS1)。このウエハの表面には、双方向ツェナーダイオード1となるチップ領域が複数設定されている。次に、たとえば熱酸化処理によって、ウエハの表面に絶縁膜10が形成される(ステップS2)。
次に、ウエハの表層部における第1不純物領域8を形成すべき領域および第2不純物領域9を形成すべき領域に、n型不純物が注入される(ステップS3)。次に、ウエハに注入されたn型不純物を拡散させるための熱処理(ドライブイン処理)が行われて、第1不純物領域8および第2不純物領域9が形成される(ステップS4)。双方向ツェナーダイオード1では、この熱処理の温度および時間に応じて、逆方向降伏電圧VBRが変化する。熱処理の条件による逆方向降伏電圧VBRの変化を調べた結果が図9に示されている。
図9は、図5A〜図5Eに示す第1〜第5評価用素子TEG1〜TEG5の逆方向降伏電圧VBRの調整に関する特徴を説明するためのグラフである。図9において、縦軸は逆方向降伏電圧VBRであり、横軸はベース領域3の寸法Sである。図9において破線で示す折れ線Fおよび実線で示す折れ線Gは、いずれも、逆方向降伏電流IBRを1mAとした時の、第1〜第5評価用素子TEG1〜TEG5の逆方向降伏電圧VBRを示している。
折れ線Fは、ウエハに加えられる熱量が比較的小さい低温プロセスによりn型不純物を拡散させた時の逆方向降伏電圧VBRを示している。この折れ線Fは、前述の図6および図7に示した第1〜第5評価用素子TEG1〜TEG5の逆方向降伏電圧VBRとベース領域3の寸法Sとの関係を、グラフにしたものでもある。
低温プロセスにおいて、熱処理温度は、たとえば900℃以上1100℃以下であり、熱処理時間は、たとえば20秒以上60分以下である。熱処理温度が900℃以上1000℃以下の時、熱処理時間は30分以上60分以下であってもよい。熱処理温度が1000℃を超えて1100℃以下の時、熱処理時間は20秒以上30分以下であってもよい。
一方、折れ線Gは、ウエハに加えられる熱量が低温プロセスよりも大きい高温プロセスによりn型不純物を拡散させた時の逆方向降伏電圧VBRを示している。高温プロセスにおいて、熱処理温度は、たとえば1200℃であり、熱処理時間は、たとえば60分程度である。
折れ線Fと折れ線Gとの対比から、ウエハに加えられる熱量が多い程、逆方向降伏電圧VBRが高くなる傾向があることが分かった。折れ線Gを参照して、第4評価用素子TEG4および第5評価用素子TEG5では、高温プロセスが適用されると急激に逆方向降伏電圧VBRが低下することが分かった。
図10は、図8のステップS4において高温プロセスが適用された場合の図5A〜図5Eに示す第1〜第5評価用素子TEG1〜TEG5の電流−電圧特性を示すグラフである。図10は、前述の図6に対応している。
図10において、曲線Hは、第1評価用素子TEG1の電流−電圧特性を示している。曲線Iは、第2評価用素子TEG2の電流−電圧特性を示している。曲線Jは、第3評価用素子TEG3の電流−電圧特性を示している。曲線Kは、第4評価用素子TEG4の電流−電圧特性を示している。曲線Lは、第5評価用素子TEG5の電流−電圧特性を示している。
曲線Kおよび曲線Lを参照して、高温プロセスが適用された第4評価用素子TEG4および第5評価用素子TEG5では、逆方向降伏電圧VBRの急激な低下に伴って、漏れ電流Iが急激に増大し、略ノーマリオンの状態となっている。
高温プロセスでは、ウエハに注入されたn型不純物が広範囲に拡散する。そのため、第1不純物領域8とベース領域3とのpn接合部から拡がる空乏層と、第2不純物領域9とベース領域3とのpn接合部から拡がる空乏層とが重なる結果、電流が常時流れる状態またはこれに近い状態となり、漏れ電流Iが急激に増大したと考えられる。とりわけ、ベース領域3の寸法Sが5.0μm以下とされた第4評価用素子TEG4および第5評価用素子TEG5では、ベース領域3の寸法Sが比較的小さいため、このような問題に直面したと考えられる。
したがって、第1不純物領域8とベース領域3とのpn接合部から拡がる空乏層と、第2不純物領域9とベース領域3とのpn接合部から拡がる空乏層とが重ならない熱量でn型不純物を拡散させることによって、第1不純物領域8および第1不純物領域8を形成する工程を実行すればよい。これを低温プロセスとして実行した結果が、図9の折れ線Fに示されている。そして、前述の図6からも理解されるように、低温プロセスが適用されることにより、漏れ電流Iの急激な増大を効果的に抑制または防止でき、かつ、良好な電気的特性を実現できる双方向ツェナーダイオード1を得ることができる。
図8を再度参照して、ステップS4の熱処理が実行された後、たとえばマスクを介するエッチングにより、第1不純物領域8を露出させる第1コンタクト孔11と、第2不純物領域9を露出させる第2コンタクト孔12とが、絶縁膜10に形成される(ステップS5)。次に、たとえばスパッタ法によって、絶縁膜10を被覆するようにAlが堆積されて、電極膜が絶縁膜10上に形成される(ステップS6)。次に、マスクを介するエッチングにより、電極膜が、所望の形状にパターニングされる。これにより、第1内部電極膜13および第2内部電極膜14が形成される。
次に、たとえばCVD法によって、第1内部電極膜13および第2内部電極膜14を被覆するように窒化膜が堆積されて、第1パッシベーション膜20が形成される(ステップS7)。次に、第1パッシベーション膜20上に感光性ポリイミドが塗布されて樹脂膜21が形成される(ステップS8)。次に、第1パッド開口23および第2パッド開口24に対応するパターンで樹脂膜21が露光・現像される(ステップS9)。次に、樹脂膜21をマスクとして第1パッシベーション膜20がエッチングされて、第1パッド開口23および第2パッド開口24が形成される(ステップS10)。
次に、第1パッド開口23および第2パッド開口24を埋めるように、Ni膜、Pd膜およびAu膜が順にめっき成膜されて、第1外部電極4および第2外部電極5が形成される(ステップS11)。次に、チップ領域を区画するように、ウエハがハーフエッチングされて、チップ領域を区画する溝が形成される(ステップS12)。次に、たとえばCVD法によって、溝の内面に窒化シリコンが堆積されて、第2パッシベーション膜22が形成される(ステップS13)。次に、溝に連通するまで、ウエハの裏面が研削される(ステップS14)。これにより、複数の双方向ツェナーダイオード1が個片化される。
<参考例>
図11は、参考例に係る双方向ツェナーダイオード101を示す平面図である。図12Aは、図11に示すXIIA-XIIA線に沿う縦断面図である。図12Bは、図11に示すXIIB-XIIB線に沿う縦断面図である。図13は、図12Aに示すXIII-XIII線に沿う横断面図である。
双方向ツェナーダイオード101は、平面視長方形状の基板102を含む。基板102は、シリコン基板であってもよい。基板102の長手方向に沿う長辺の長さL11は、たとえば0.3mm以上0.6mm以下である。短手方向に沿う短辺の長さD11は、たとえば0.15mm以上0.3mm以下である。基板102の厚さT11は、たとえば0.1mmである。基板102のサイズをかかるサイズとすることにより、双方向ツェナーダイオード101をいわゆるチップ部品として構成することができるから、多種の用途に適用できる。
図12Aおよび図12Bを参照して、基板102の表層部には、基板102の表面から露出するようにp型のベース領域103が形成されている。より具体的には、本参考例では、基板102の表面から裏面に亘ってp型不純物が導入されている。これにより、ベース領域103が基板102の全域に形成されており、かつ、基板102がp型基板と見なせる態様とされている。基板102の比抵抗は、p型不純物の導入によって5mΩ・cm程度とされている。
基板102の表面上には、第1外部電極104(第1電極)と、第2外部電極105(第2電極)とが配置されている。第1外部電極104は、基板102の一方の端部側に配置されている。第2外部電極105は、基板102の他方の端部側に配置されている。
平面視において、基板102の第2外部電極105側の端部には、その短手方向中央部に基板102の内方領域に向かって窪んだ凹部102aが形成されている。凹部102aは、基板102の側面に沿って形成されている。また、基板102の第2外部電極105側に位置する一つの角部は、面取りされることにより、面取り部102bとされている。基板102の第1外部電極104側の端部には、これら凹部102aおよび面取り部102bは設けられていない。これにより、双方向ツェナーダイオード101が非対称とされており、双方向ツェナーダイオード101の実装方向や極性方向等、種々の情報が表されている。
図12A、図12Bおよび図13を参照して、第1外部電極104と第2外部電極105との間におけるベース領域103の表層部には、第1外部電極104に電気的に接続される複数のn型の第1不純物領域108と、第2外部電極105に電気的に接続される複数のn型の第2不純物領域109とが形成されている。第1不純物領域108および第2不純物領域109は、平面視において基板102の長手方向中央部に形成されている。第1不純物領域108および第2不純物領域109は、基板102の短手方向に隣接しており、当該基板102の短手方向に沿って交互に配列されている。
第1不純物領域108および第2不純物領域109は、同一の深さおよび同一のn型不純物濃度で形成されている。第1不純物領域108および第2不純物領域109の各n型不純物濃度は、たとえば1.0×1019cm−3以上1.0×1021cm−3以下である。第1不純物領域108および第2不純物領域109は、いずれも平面視で同一形状および同一面積で形成されている。第1不純物領域108および第2不純物領域109は、平面視で基板102の長手方向に延び、四隅が切除された長方形状(角が丸められた長方形状)に形成されている。
第1不純物領域108は、ベース領域103との間でpn接合を形成している。第1不純物領域108およびベース領域103のpn接合部により、第1ツェナーダイオードD11が形成されている。一方、第2不純物領域109は、ベース領域103との間でpn接合を形成している。第2不純物領域109およびベース領域103のpn接合部により、第2ツェナーダイオードD21が形成されている。第1ツェナーダイオードD11および第2ツェナーダイオードD21は、ベース領域103を介して逆直列に接続されている。第1不純物領域108および第2不純物領域109は、第1不純物領域108とベース領域103とのpn接合部から拡がる空乏層と、第2不純物領域109とベース領域103とのpn接合部から拡がる空乏層とが重ならないように間隔を空けて形成されている。
図12Aおよび図12Bを参照して、基板102の表面上には、絶縁膜110が形成されている。絶縁膜110は、たとえば、シリコン酸化膜である。絶縁膜110には、第1不純物領域108を露出させる第1コンタクト孔111と、第2不純物領域109を露出させる第2コンタクト孔112とが形成されている。絶縁膜110上には、第1内部電極膜113と第2内部電極膜114とが形成されている。
第1内部電極膜113は、第1パッド電極膜116と、複数の第1引出し電極膜117とを一体的に含む。第1パッド電極膜116は、平面視長方形状に形成されており、基板102の一方の端部側に配置されている。複数の第1引出し電極膜117は、それぞれ、複数の第1不純物領域108を一対一対応で被覆するように、基板102の長手方向に沿って第1パッド電極膜116から直線状に引き出されている。各第1引出し電極膜117は、一様な幅で各第1不純物領域108を被覆しており、各第1不純物領域108の幅よりも広く形成されている。各第1引出し電極膜117は、絶縁膜110上から各第1コンタクト孔111に入り込み、各第1不純物領域108との間でオーミック接触を形成している。
第2内部電極膜114は、第2パッド電極膜118と、複数の第2引出し電極膜119とを一体的に含む。第2パッド電極膜118は、平面視長方形状に形成されており、基板102の他方の端部側に配置されている。第2パッド電極膜118は、基板102の凹部102aおよび面取り部102bに沿う部分を有しており、第1パッド電極膜116に対して非対称形状とされている。
複数の第2引出し電極膜119は、それぞれ、複数の第2不純物領域109を一対一対応で被覆するように、基板102の長手方向に沿って第2パッド電極膜118から直線状に引き出されている。各第2引出し電極膜119は、一様な幅で各第2不純物領域109を被覆しており、各第2不純物領域109の幅よりも広く形成されている。各第2引出し電極膜119は、絶縁膜110上から各第2コンタクト孔112に入り込み、各第2不純物領域109との間でオーミック接触を形成している。
第1引出し電極膜117および第2引出し電極膜119は、互いに噛合う櫛歯状に形成されている。第1引出し電極膜117および第2引出し電極膜119は、それらの周縁部を縁取るスリット115によって電気的に絶縁されている。第1内部電極膜113および第2内部電極膜114は、その電極材料として、アルミニウムを含んでいてもよい。
図14は、図13に示すXIV-XIV線に沿う縦断面図であって、第1不純物領域108、第2不純物領域109、第1引出し電極膜117および第2引出し電極膜119が形成された部分を示す拡大断面図である。
図14を参照して、絶縁膜110は、第1不純物領域108を被覆する部分および第2不純物領域109を被覆する部分が薄くされた薄膜部110aを含む。第1コンタクト孔111および第2コンタクト孔112は、この薄膜部110aに形成されている。
本参考例に係る双方向ツェナーダイオード101は、第1不純物領域108の基板102の短手方向に沿う幅W11(以下、単に「第1不純物領域108の幅W11」という。)および/または第2不純物領域109の基板102の短手方向に沿う幅W21(以下、単に「第2不純物領域109の幅W21」という。)が、1.0μm以上9.0μm以下とされていることを特徴としている。
本参考例に係る双方向ツェナーダイオード101では、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21が、いずれも1.0μm以上9.0μm以下とされている。本参考例に係る双方向ツェナーダイオード101は、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21を、1.0μm以上9.0μm以下に設定することによって、良好な電流−電圧特性を提供するものである。第1不純物領域108の基板102の長手方向に沿う幅、および、第2不純物領域109の基板102の長手方向に沿う幅は、20μm以上40μm以下に設定されていてもよい。
図14を参照して、第1コンタクト孔111、第2コンタクト孔112、スリット115、第1引出し電極膜117、第2引出し電極膜119等の各サイズについて補足する。
第1コンタクト孔111の基板102の短手方向に沿う幅Y11、および第2コンタクト孔112の基板102の短手方向に沿う幅Y21は、たとえば1.0μm以上9.0μm以下である。第1コンタクト孔111の基板102の長手方向に沿う幅、および第2コンタクト孔112の基板102の長手方向に沿う幅は、たとえば20μm以上40μm以下である。スリット115の幅Z11は、たとえば1.0μm以上3.0μm以下である。第1引出し電極膜117の基板102の短手方向に沿う幅X11および第2引出し電極膜119の基板102の短手方向に沿う幅X21は、たとえば1.0μm以上15μm以下である。
第1不純物領域108の周縁部と第1コンタクト孔111の周縁部との間の距離U11(=(W11−Y11)/2)は、0μm以上3.0μm以下である。同様に、第2不純物領域109の周縁部と第2コンタクト孔112の周縁部との間の距離U21(=(W21−Y21)/2)は、0μm以上3.0μm以下である。
第1不純物領域108の周縁部と第1引出し電極膜117の周縁部との間の距離V11(=(X11−W11)/2)は、1.0μm以上2.0μm以下である。同様に、第2不純物領域109の周縁部と第1引出し電極膜117の周縁部との間の距離V21(=(X21−W21)/2)は、1.0μm以上2.0μm以下である。第1不純物領域108と第2不純物領域109との間に存在するベース領域103の基板102の表面に沿う寸法S11(以下、単に「ベース領域103の寸法S11」という。)は、4.0μm以上12.5μm以下に設定されることが好ましい。
双方向ツェナーダイオード101の電流−電圧特性を調べるため、図15に示されるように、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21が、1.0μm以上9.0μm以下のいずれかの値に設定された18個の評価用素子を用意した。
図15は、電流−電圧特性を評価するための第1〜第6評価用素子TEG201〜TEG206の寸法を示す表である。図16A〜図16Fは、電流−電圧特性を評価するための第1〜第6評価用素子TEG201〜TEG206を示す平面図である。第1不純物領域108側の構成および第2不純物領域109側の構成は略同様であるので、図15では、第2不純物領域109側のサイズを省略している。図16A〜図16Eは、それぞれ、図13に示す平面図に対応している。
図15に示すように、18個の評価用素子は、6つの第1〜第6評価用素子TEG201〜TEG206に大別される。
図15を参照して、第1評価用素子TEG201は、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21が、いずれも1.0μm(幅W11,W21=1.0μm)とされた双方向ツェナーダイオード101である。ベース領域103の寸法S11は、4.0μm(=2×V11+Z11)である。図16Aを参照して、第1評価用素子TEG201には、26個の第1不純物領域108と、26個の第2不純物領域109とが含まれる。
図15を参照して、第2評価用素子TEG202は、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21が、いずれも2.0μm(幅W11,W21=2.0μm)とされた双方向ツェナーダイオード101である。ベース領域103の寸法S11は、4.0μmである。第2評価用素子TEG202には、第1コンタクト孔111の幅Y11および第2コンタクト孔112の幅Y21が、1.0μm,1.4μm,2.0μmに設定された第2評価用素子TEG202A、第2評価用素子TEG202Bおよび第2評価用素子TEG202Cが含まれる。図16Bを参照して、第2評価用素子TEG202には、22個の第1不純物領域108と、22個の第2不純物領域109とが含まれる。
図15を参照して、第3評価用素子TEG203は、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21が、いずれも3.0μm(幅W11,W21=3.0μm)とされた双方向ツェナーダイオード101である。ベース領域103の寸法S11は、4.0μmである。第3評価用素子TEG203には、第1コンタクト孔111の幅Y11および第2コンタクト孔112の幅Y21が、1.0μm,2.0μm,3.0μmに設定された第3評価用素子TEG203A、第3評価用素子TEG203Bおよび第3評価用素子TEG203Cが含まれる。図16Cを参照して、第3評価用素子TEG203には、19個の第1不純物領域108と、19個の第2不純物領域109とが含まれる。
図15を参照して、第4評価用素子TEG204は、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21が、いずれも5.0μm(幅W11,W21=5.0μm)とされた双方向ツェナーダイオード101である。ベース領域103の寸法S11は、4.0μmである。第4評価用素子TEG204には、第1コンタクト孔111の幅Y11および第2コンタクト孔112の幅Y21が、1.0μm,3.0μm,5.0μmに設定された第4評価用素子TEG204A、第4評価用素子TEG204Bおよび第4評価用素子TEG204Cが含まれる。図16Dを参照して、第4評価用素子TEG204には、14個の第1不純物領域108と、14個の第2不純物領域109とが含まれる。
図15を参照して、第5評価用素子TEG205は、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21が、いずれも7.0μm(幅W11,W21=7.0μm)とされた双方向ツェナーダイオード101である。ベース領域103の寸法S11は、4.0μmである。第5評価用素子TEG205には、第1コンタクト孔111の幅Y11および第2コンタクト孔112の幅Y21が、2.0μm,4.0μm,7.0μmに設定された第5評価用素子TEG205A、第5評価用素子TEG205Bおよび第5評価用素子TEG205Cが含まれる。図16Eを参照して、第5評価用素子TEG205には、12個の第1不純物領域108と、12個の第2不純物領域109とが含まれる。
図15を参照して、第6評価用素子TEG206は、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21が、いずれも9.0μm(幅W11,W21=9.0μm)とされた双方向ツェナーダイオード101である。ベース領域103の寸法S11は、4.0μmである。第6評価用素子TEG206には、第1コンタクト孔111の幅Y11および第2コンタクト孔112の幅Y21が、4.0μm,5.0μm,6.0μm,7.0μm,9.0μmに設定された第6評価用素子TEG206A、第6評価用素子TEG206B、第6評価用素子TEG206C、第6評価用素子TEG206Dおよび第6評価用素子TEG206Eが含まれる。図16Eを参照して、第6評価用素子TEG206には、10個の第1不純物領域108と、10個の第2不純物領域109とが含まれる。
図17は、図15に示す第1〜第6評価用素子TEG201〜TEG206の電流−電圧特性を示すグラフである。図18は、図17に示す破線で囲まれた部分を拡大したグラフである。
図17および図18において、縦軸は第1外部電極104および第2外部電極105間の電流値であり、横軸は第1外部電極104および第2外部電極105間の電圧値である。図17および図18に示すグラフは、第1外部電極104および第2外部電極105間に0Aから10mAの電流を流すことによって、第1外部電極104および第2外部電極105間に生じた電圧を測定し、電流−電圧特性として表したものである。その電流−電圧特性は、曲線141〜曲線146に示される通りである。
曲線141は、第1評価用素子TEG201の電流−電圧特性を示している。曲線142は、第2評価用素子TEG202の電流−電圧特性を示している。第2評価用素子TEG202には、第2評価用素子TEG202A〜202Cが含まれるが、これらの電流−電圧特性は略同様である。したがって、図17および図18では、第2評価用素子TEG202A〜202Cの特性を纏めて曲線142としている。
曲線143は、第3評価用素子TEG203の電流−電圧特性を示している。第3評価用素子TEG203には、第3評価用素子TEG203A〜203Cが含まれるが、これらの電流−電圧特性は略同様である。したがって、図17および図18では、第3評価用素子TEG203A〜203Cの特性を纏めて曲線143としている。
曲線144は、第4評価用素子TEG204の電流−電圧特性を示している。第4評価用素子TEG204には、第4評価用素子TEG204A〜204Cが含まれるが、これらの電流−電圧特性は略同様である。したがって、図17および図18では、第4評価用素子TEG204A〜204Cの特性を纏めて曲線144としている。
曲線145は、第5評価用素子TEG205の電流−電圧特性を示している。第5評価用素子TEG205には、第5評価用素子TEG205A〜205Cが含まれるが、これらの電流−電圧特性は略同様である。したがって、図17および図18では、第5評価用素子TEG205A〜205Cの特性を纏めて曲線145としている。
曲線146は、第6評価用素子TEG206の電流−電圧特性を示している。第6評価用素子TEG206には、第6評価用素子TEG206A〜206Eが含まれるが、これらの電流−電圧特性は略同様である。したがって、図17および図18では、第6評価用素子TEG206A〜206Eの特性を纏めて曲線146としている。
曲線141〜曲線146を参照して、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21が小さくなると、逆方向降伏電圧VBRが低下し、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21が大きくなると、逆方向降伏電圧VBRが上昇するという結果が得られた。曲線141〜曲線146を参照して、逆方向降伏電圧VBRは、第1コンタクト孔111の幅Y11および第2コンタクト孔112の幅Y21には殆ど依存しておらず、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21に依存して低下していることが分かった。
逆方向降伏電流IBRは、ツェナ降伏および/またはアバランシェ降伏が発生する電流で定義される。また、逆方向降伏電圧VBRは、ツェナ降伏および/またはアバランシェ降伏が発生する電圧で定義される。
第1〜第6評価用素子TEG201〜TEG206のように、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21を1.0μm以上9.0μm以下、ベース領域103の寸法S11を4.0μmとすることにより、100μA以上10mA以下の逆方向降伏電流IBR、4.5V以上6.5V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できることが分かった。たとえば、逆方向降伏電流IBRを1mAと定めると、この時の逆方向降伏電圧VBRは4.5V以上6.0V以下である。
逆方向降伏電流IBRを1mAとした時の逆方向降伏電圧VBRを棒グラフにして纏めたものが図19である。図19は、図15に示す第1〜第6評価用素子TEG201〜TEG206の逆方向降伏電圧VBRを示す棒グラフである。
図18の曲線141および図19を参照して、第1評価用素子TEG201(幅W11,W21=1.0μm)によれば、100μA以上10mA以下(図19では1mA)の逆方向降伏電流IBR時に、4.5V以上4.7V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できることが分かった。
図18の曲線142および図19を参照して、第2評価用素子TEG202(幅W11,W21=2.0μm)によれば、100μA以上10mA以下(図19では1mA)の逆方向降伏電流IBR時に、4.8V以上5.0V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できることが分かった。したがって、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21を1.0μm以上2.0μm以下とすることにより、100μA以上10mA以下の逆方向降伏電流IBR、4.5V以上5.0V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できる。
図18の曲線143および図19を参照して、第3評価用素子TEG203(幅W11,W21=3.0μm)によれば、100μA以上10mA以下(図19では1mA)の逆方向降伏電流IBR時に、5.0V以上5.2V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できることが分かった。したがって、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21を1.0μm以上3.0μm以下とすることにより、100μA以上10mA以下の逆方向降伏電流IBR、4.5V以上5.2V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できる。
図18の曲線144および図19を参照して、第4評価用素子TEG204(幅W11,W21=5.0μm)によれば、100μA以上10mA以下(図19では1mA)の逆方向降伏電流IBR時に、5.4V以上5.6V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できることが分かった。したがって、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21を1.0μm以上5.0μm以下とすることにより、100μA以上10mA以下の逆方向降伏電流IBR、4.5V以上5.6V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できる。
図18の曲線145および図19を参照して、第5評価用素子TEG205(幅W11,W21=7.0μm)によれば、100μA以上10mA以下(図19では1mA)の逆方向降伏電流IBR時に、5.7V以上5.8V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できることが分かった。したがって、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21を1.0μm以上7.0μm以下とすることにより、100μA以上10mA以下の逆方向降伏電流IBR、4.5V以上5.8V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できる。
図18の曲線146および図19を参照して、第6評価用素子TEG206(幅W11,W21=9.0μm)によれば、100μA以上10mA以下(図19では1mA)の逆方向降伏電流IBR時に、5.9V以上6.0V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できることが分かった。したがって、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21を1.0μm以上9.0μm以下とすることにより、100μA以上10mA以下の逆方向降伏電流IBR、4.5V以上6.0V以下の逆方向降伏電圧VBRを達成できる。
図17を参照して、第1〜第6評価用素子TEG201〜TEG206によれば、3V以上4V以下の範囲に逆方向スタンドオフ電圧VRWMが存在しており、当該逆方向スタンドオフ電圧VRWM印加時の漏れ電流Iが、10nA以下に抑えられていることが分かった。具体的には、第1〜第6評価用素子TEG201〜TEG206によれば、3V以上3.5V以下の範囲に逆方向スタンドオフ電圧VRWMが存在しており、当該逆方向スタンドオフ電圧VRWM印加時の漏れ電流Iが、1nA以下に抑えられていることが分かった。逆方向スタンドオフ電圧VRWMは、逆方向降伏電圧VBRよりも小さい値であり、ツェナ降伏および/またはアバランシェ降伏に移行する前段階の電圧で定義される。
双方向ツェナーダイオード101の逆方向降伏電圧VBRは、図20に示すように、ベース領域103の寸法S11を変更することによっても調整される。図20は、逆方向降伏電圧VBRの調整に関する特徴を説明するためのグラフである。
図20において、縦軸は逆方向降伏電圧VBRであり、横軸は第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21である。図20に示される曲線147〜曲線150は、いずれも、逆方向降伏電流IBRを1mAとした時の、第1〜第6評価用素子TEG201〜TEG206の逆方向降伏電圧VBRを示している。
曲線147は、第1〜第6評価用素子TEG201〜TEG206において、ベース領域103の寸法S11が4.0μm(寸法S11=4.0μm)とされた時の逆方向降伏電圧VBRを示している。
曲線148は、第1〜第6評価用素子TEG201〜TEG206において、ベース領域103の寸法S11が5.0μm(寸法S11=5.0μm)とされた時の逆方向降伏電圧VBRを示している。
曲線149は、第1〜第6評価用素子TEG201〜TEG206において、ベース領域103の寸法S11が6.0μm(寸法S11=6.0μm)とされた時の逆方向降伏電圧VBRを示している。
曲線150は、第1〜第6評価用素子TEG201〜TEG206において、ベース領域103の寸法S11が7.0μm(寸法S11=7.0μm)とされた時の逆方向降伏電圧VBRを示している。
曲線147〜曲線150を参照して、ベース領域103の寸法S11が小さくされるに従って逆方向降伏電圧VBRが低下し、ベース領域103の寸法S11が大きくされるに従って逆方向降伏電圧VBRが上昇するという結果が得られた。
具体的には、曲線147を参照して、ベース領域103の寸法S11が4.0μmとされることにより、前述のとおり、4.5V以上6.0V以下の逆方向降伏電圧VBRが得られた。曲線148を参照して、ベース領域103の寸法S11が5.0μmとされることにより、5.0V以上6.5V以下の逆方向降伏電圧VBRが得られた。曲線149を参照して、ベース領域103の寸法S11が6.0μmとされることにより、5.3V以上6.5V以下の逆方向降伏電圧VBRが得られた。曲線150を参照して、ベース領域103の寸法S11が7.0μmとされることにより、5.5V以上7.0V以下の逆方向降伏電圧VBRが得られた。
よって、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21を1.0μm以上9.0μm以下、ベース領域103の寸法S11を4.0μm以上7.0μm以下に設定すると、4.5V以上7.0V以下の逆方向降伏電圧VBRが得られる。
たとえば、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21を1.0μm以上6.0μm以下、ベース領域103の寸法S11を4.0μm以上7.0μm以下に設定すると、4.5V以上6.5V以下の逆方向降伏電圧VBRが得られる。また、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21を1.0μm以上4.0μm以下、ベース領域103の寸法S11を4.0μm以上6.0μm以下に設定すると、4.5V以上6.0V以下の逆方向降伏電圧VBRが得られる。また、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21を1.0μm以上2.0μm以下、ベース領域103の寸法S11を4.0μm以上5.0μm以下に設定すると、4.5V以上5.5V以下の逆方向降伏電圧VBRが得られる。
このように、本参考例では、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21を1.0μm以上9.0μm以下とすることにより、良好な電流−電圧特性の双方向ツェナーダイオード101を提供できる。さらに、ベース領域103の寸法S11を4.0μm以上7.0μm以下とすることにより、より一層良好な電流−電圧特性の双方向ツェナーダイオード101を提供できる。
図12Aおよび図12Bを再度参照して、絶縁膜110上には、第1内部電極膜113および第2内部電極膜114を被覆するように、窒化シリコンを含む第1パッシベーション膜120およびポリイミドを含む樹脂膜121がこの順に形成されている。基板102の側面には、窒化シリコンを含む第2パッシベーション膜122が形成されている。第1パッシベーション膜120および樹脂膜121には、第1パッド電極膜116を露出させる第1パッド開口123と、第2パッド電極膜118を露出させる第2パッド開口124とが形成されている。
第1外部電極104は、樹脂膜121から突出するように第1パッド開口123に埋設されている。第1外部電極104は、第1パッド開口123内で第1パッド電極膜116に電気的に接続されている。第2外部電極105は、樹脂膜121から突出するように第2パッド開口124に埋設されている。第2外部電極105は、第2パッド開口124内で第2パッド電極膜118に電気的に接続されている。第1外部電極104および第2外部電極105は、たとえば、Ni膜と、Ni膜上に形成されたPd膜と、Pd膜上に形成されたAu膜とを有するNi/Pd/Au積層膜であってもよい。
図11を再度参照して、第2外部電極105は、基板102の凹部102aおよび面取り部102bに沿う部分を有しており、第1外部電極104に対して非対称形状とされている。第1外部電極104および第2外部電極105の各表面には、平面視長方形状の平坦部130と、平面視四角形状または平面視長方形状の複数の凸部131とが設けられている。平坦部130は、第1外部電極104および第2外部電極105の各表面が平坦に形成された部分であり、第1外部電極104および第2外部電極105の各表面中央部に設けられている。
複数の凸部131は、第1外部電極104および第2外部電極105の各平坦部130の周囲に設けられており、第1外部電極104および第2外部電極105の各表面周縁部に起伏を形成している。複数の凸部131は、平坦部130よりも小さい表面積で形成されており、基板102の短手方向に見て、互い違いとなる千鳥配列とされている。複数の凸部131のうちの幾つかは、平坦部130と一体を成していてもよい。
このような第1外部電極104および第2外部電極105によれば、第1外部電極104および第2外部電極105の各表面に向けて光が照射されると、その光を良好に乱反射させることができる。これにより、第1外部電極104および第2外部電極105を良好に確認できるので、双方向ツェナーダイオード101の表裏判定を容易に行うことができる。また、電気テストを実施する際には、プローブの先端部を第1外部電極104および第2外部電極105の各平坦部130に押し当てることができるから、双方向ツェナーダイオード101の電気的特性を良好に測定できる。
また、第1外部電極104および第2外部電極105の各表面に設けられた凹凸により、第1外部電極104および第2外部電極105の各表面の表面積を増加させることができる。これにより、双方向ツェナーダイオード101を半田等の接合材を介して実装基板に実装する際に、第1外部電極104および第2外部電極105の各表面と接合材との接触面積を増加させることができる。よって、双方向ツェナーダイオード101を実装基板に良好に実装できる。
以上、本参考例では、第1不純物領域108の幅W11および第2不純物領域109の幅W21が、1.0μm以上9.0μm以下とされている。また、ベース領域103の寸法S11が4.0μm以上7.0μm以下とされている。これにより、100μA以上10mA以下の逆方向降伏電流IBR、および、4.5V以上7.0V以下の逆方向降伏電圧VBRを実現できる。また、これにより、3V以上4V以下の逆方向スタンドオフ電圧VRWM、および、10nA以下の漏れ電流Iを実現できる。
また、本参考例では、ベース領域103の表層部に第1不純物領域108および第2不純物領域109とを間隔を空けて形成すればよいので、比較的簡素な構造を実現できる。よって、pn接合の形成に伴って複雑な工程が要求されることもないので、コストの増大を抑制できる。
図21は、図11に示す双方向ツェナーダイオード101の製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。
まず、基板102の元となる一枚の円板状のウエハが用意される(ステップS101)。このウエハの表面には、双方向ツェナーダイオード101となるチップ領域が複数設定されている。次に、たとえば熱酸化処理によって、ウエハの表面に絶縁膜110が形成される(ステップS102)。
次に、ウエハの表層部における第1不純物領域108を形成すべき領域および第2不純物領域109を形成すべき領域に、n型不純物が注入される(ステップS103)。次に、ウエハに注入されたn型不純物を拡散させるための熱処理(ドライブイン処理)が行われて、第1不純物領域108および第2不純物領域109が形成される(ステップS104)。双方向ツェナーダイオード101では、この熱処理の温度および時間に応じて、逆方向降伏電圧VBRが変化する。熱処理の条件による逆方向降伏電圧VBRの変化を調べた結果が図22に示されている。
図22は、逆方向降伏電圧VBRの調整に関する特徴を説明するためのグラフである。図22において、縦軸は逆方向降伏電圧VBRであり、横軸はベース領域103の寸法S11である。図22は、ベース領域103の寸法S11が、4.0μm、5.0μm、6.0μm、7.0μm、12.5μmに設定された5つの評価用素子(図示せず)を用意し、それぞれについて逆方向降伏電圧VBRを調べたものである。
図22を参照して、折れ線151および折れ線152は、いずれも、逆方向降伏電流IBRを1mAとした時の、前記5つの評価用素子(図示せず)の逆方向降伏電圧VBRを示している。
折れ線151は、ウエハに加えられる熱量が比較的小さい低温プロセスによりn型不純物を拡散させた時の逆方向降伏電圧VBRを示している。低温プロセスにおいて、熱処理温度は、たとえば900℃以上1100℃以下であり、熱処理時間は、たとえば20秒以上60分以下である。熱処理温度が900℃以上1000℃以下の時、熱処理時間は30分以上60分以下であってもよい。熱処理温度が1000℃を超えて1100℃以下の時、熱処理時間は20秒以上30分以下であってもよい。
一方、折れ線152は、ウエハに加えられる熱量が低温プロセスよりも大きい高温プロセスによりn型不純物を拡散させた時の逆方向降伏電圧VBRを示している。高温プロセスにおいて、熱処理温度は、たとえば1200℃であり、熱処理時間は、たとえば60分程度である。
折れ線151と折れ線152との対比から、ウエハに加えられる熱量が多い程、逆方向降伏電圧VBRが高くなる傾向があることが分かった。折れ線152を参照して、ベース領域103の寸法S11が5.0μm以下とされた評価用素子では、高温プロセスが適用されると急激に逆方向降伏電圧VBRが低下することが分かった。
図23は、図21のステップS104において高温プロセスが適用された場合の評価用素子の電流−電圧特性を示すグラフである。図23は、前述の図17に対応している。
図23において、曲線153は、ベース領域103の寸法S11が12.5μmとされた評価用素子の電流−電圧特性を示している。曲線154は、ベース領域103の寸法S11が7.0μmとされた評価用素子の電流−電圧特性を示している。曲線155は、ベース領域103の寸法S11が6.0μmとされた評価用素子の電流−電圧特性を示している。曲線156は、ベース領域103の寸法S11が5.0μmとされた評価用素子の電流−電圧特性を示している。曲線157は、ベース領域103の寸法S11が4.0μmとされた評価用素子の電流−電圧特性を示している。
曲線156および曲線157を参照して、ベース領域103の寸法S11が5.0μm以下とされた評価用素子では、逆方向降伏電圧VBRの急激な低下に伴って、漏れ電流Iが急激に増大し、略ノーマリオンの状態となっている。
高温プロセスでは、ウエハに注入されたn型不純物が広範囲に拡散する。そのため、第1不純物領域108とベース領域103とのpn接合部から拡がる空乏層と、第2不純物領域109とベース領域103とのpn接合部から拡がる空乏層とが重なる結果、電流が常時流れる状態またはこれに近い状態となり、漏れ電流Iが急激に増大したと考えられる。とりわけ、ベース領域103の寸法S11が5.0μm以下とされた評価用素子では、ベース領域103の寸法S11が比較的小さいため、このような問題に直面したと考えられる。
したがって、第1不純物領域108とベース領域103とのpn接合部から拡がる空乏層と、第2不純物領域109とベース領域103とのpn接合部から拡がる空乏層とが重ならない熱量でn型不純物を拡散させることによって、第1不純物領域108および第1不純物領域108を形成する工程を実行すればよい。これを低温プロセスとして実行した結果が、図22の折れ線151に示されている。そして、前述の図17からも理解されるように、低温プロセスが適用されることにより、漏れ電流Iの急激な増大を効果的に抑制または防止でき、かつ、良好な電気的特性を実現できる双方向ツェナーダイオード101を得ることができる。
図21を再度参照して、ステップS104の熱処理が実行された後、たとえばマスクを介するエッチングにより、第1不純物領域108を露出させる第1コンタクト孔111と、第2不純物領域109を露出させる第2コンタクト孔112とが、絶縁膜110に形成される(ステップS105)。次に、たとえばスパッタ法によって、絶縁膜110を被覆するようにAlが堆積されて、電極膜が絶縁膜110上に形成される(ステップS106)。次に、マスクを介するエッチングにより、電極膜が、所望の形状にパターニングされる。これにより、第1内部電極膜113および第2内部電極膜114が形成される。
次に、たとえばCVD法によって、第1内部電極膜113および第2内部電極膜114を被覆するように窒化膜が堆積されて、第1パッシベーション膜120が形成される(ステップS107)。次に、第1パッシベーション膜120上に感光性ポリイミドが塗布されて樹脂膜121が形成される(ステップS108)。次に、第1パッド開口123および第2パッド開口124に対応するパターンで樹脂膜121が露光・現像される(ステップS109)。次に、樹脂膜121をマスクとして第1パッシベーション膜120がエッチングされて、第1パッド開口123および第2パッド開口124が形成される(ステップS110)。
次に、第1パッド開口123および第2パッド開口124を埋めるように、Ni膜、Pd膜およびAu膜が順にめっき成膜されて、第1外部電極104および第2外部電極105が形成される(ステップS111)。次に、チップ領域を区画するように、ウエハがハーフエッチングされて、チップ領域を区画する溝が形成される(ステップS112)。次に、たとえばCVD法によって、溝の内面に窒化シリコンが堆積されて、第2パッシベーション膜122が形成される(ステップS113)。次に、溝に連通するまで、ウエハの裏面が研削される(ステップS114)。これにより、複数の双方向ツェナーダイオード101が個片化される。
以上、本発明の実施形態および参考例に係る形態について説明したが、本発明の実施形態および参考例に係る形態はさらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態において、ベース領域3(基板2)の導電型と、第1不純物領域8および第2不純物領域9の各導電型とを反転してもよい。つまり、p型の部分をn型とし、n型の部分をp型としてもよい。
前述の実施形態で示した双方向ツェナーダイオード1は、たとえば、電源回路用、高周波回路用、デジタル回路用等の回路部品として、電子機器、携帯電子機器等のモバイル端末に組み込むことができる。
また、前述の参考例に係る形態において、ベース領域103(基板102)の導電型と、第1不純物領域108および第2不純物領域109の各導電型とを反転してもよい。つまり、p型の部分をn型とし、n型の部分をp型としてもよい。
また、前述の参考例において示した双方向ツェナーダイオード101は、たとえば、電源回路用、高周波回路用、デジタル回路用等の回路部品として、電子機器、携帯電子機器等のモバイル端末に組み込むことができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。この明細書および図面から抽出される特徴の例を以下に示す。
項1:基板と、前記基板の表層部に形成された第1導電型のベース領域と、前記ベース領域との間でpn接合を形成するように、前記ベース領域の表層部に形成された第2導電型の第1不純物領域と、前記ベース領域との間でpn接合を形成するように、前記第1不純物領域から間隔を空けて前記ベース領域の表層部に形成された第2導電型の第2不純物領域と、前記第1不純物領域に電気的に接続されるように、前記基板の表面上に配置された第1電極と、前記第2不純物領域に電気的に接続されるように、前記基板の表面上に配置された第2電極とを含み、前記第1不純物領域の幅および/または前記第2不純物領域の幅が、1.0μm以上9.0μm以下である、双方向ツェナーダイオード。
項1に記載の双方向ツェナーダイオードによれば、第1不純物領域の幅および/または第2不純物領域の幅が、1.0μm以上9.0μm以下とされている。これにより、優れた電気的特性を達成できる。たとえば、項1に記載の双方向ツェナーダイオードの特徴を含むことにより、100μA以上10mA以下の逆方向降伏電流、4.5V以上7.0V以下の逆方向降伏電圧を実現できる。また、項1に記載の双方向ツェナーダイオードの特徴を含むことにより、3V以上4V以下の逆方向スタンドオフ電圧を実現できる。また、項1に記載の双方向ツェナーダイオードの特徴を含むことにより、当該逆方向スタンドオフ電圧印加時において10nA以下の漏れ電流を実現できる。
また、項1に記載の双方向ツェナーダイオードによれば、ベース領域の表層部に第1不純物領域と第2不純物領域とを間隔を空けて形成すればよいので、比較的簡素な構造を実現できる。よって、pn接合の形成に伴って複雑な工程が要求されることもないので、コストの増大を抑制できる。
項2:逆方向降伏電流が、100μA以上10mA以下であり、逆方向降伏電圧が、4.5V以上7.0V以下である、項1に記載の双方向ツェナーダイオード。
項3:前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との間に存在する前記ベース領域の前記基板の表面に沿う寸法が、4.0μm以上7.0μm以下である、項1または2に記載の双方向ツェナーダイオード。
項4:逆方向スタンドオフ電圧が3V以上4V以下であり、前記逆方向スタンドオフ電圧を印加した時、前記第1電極および前記第2電極間に流れる漏れ電流が、10nA以下である、項1〜3のいずれか一項に記載の双方向ツェナーダイオード。
項5:前記第1不純物領域が複数形成されており、前記第2不純物領域が複数形成されており、前記第1不純物領域と前記第2不純物領域とが、交互に配列されている、項1〜4のいずれか一項に記載の双方向ツェナーダイオード。
項6:項1に記載の双方向ツェナーダイオードの製造方法であって、第2導電型の不純物を前記基板の表層部に注入した後、熱処理を施すことにより、前記第1不純物領域を形成する工程と、第2導電型の不純物を前記基板の表層部に注入した後、熱処理を施すことにより、前記第2不純物領域を形成する工程とを含み、前記第1不純物領域の形成工程における熱処理温度、および、前記第2不純物領域の形成工程における熱処理温度が、900℃以上1100℃以下である、双方向ツェナーダイオードの製造方法。
項7:前記第1不純物領域の形成工程における熱処理時間、および、前記第2不純物領域の形成工程における熱処理時間が、20秒以上60分以下である、項6に記載の双方向ツェナーダイオードの製造方法。
項8:第1導電型のベース領域が表層部に形成された基板を準備する工程と、第2導電型の不純物を前記基板の表層部に注入した後、熱処理を施すことにより、前記ベース領域との間でpn接合を形成する前記第1不純物領域を形成する工程と、前記基板の表層部において前記第1不純物領域が形成される領域とは異なる領域に第2導電型の不純物を注入した後、熱処理を施すことにより、前記第1不純物領域から間隔を空けて、前記ベース領域との間でpn接合を形成する前記第2不純物領域を形成する工程とを含み、前記第1不純物領域の形成工程における熱処理温度、および、前記第2不純物領域の形成工程における熱処理温度が、900℃以上1100℃以下である、双方向ツェナーダイオードの製造方法。
項9:前記第1不純物領域の形成工程における熱処理時間、および、前記第2不純物領域の形成工程における熱処理時間が、20秒以上60分以下である、項8に記載の双方向ツェナーダイオードの製造方法。
1 双方向ツェナーダイオード
2 基板
3 ベース領域
4 第1外部電極
5 第2外部電極
6 第1不純物領域群
7 第2不純物領域群
8 第1不純物領域
9 第2不純物領域
S ベース領域の寸法
BR 逆方向降伏電圧
RWM 逆方向スタンドオフ電圧
漏れ電流
BR 逆方向降伏電流

Claims (8)

  1. 基板と、
    前記基板の表層部に形成された第1導電型のベース領域と、
    前記ベース領域との間でpn接合を形成するように、前記ベース領域の表層部に形成された第2導電型の第1不純物領域と、
    前記ベース領域との間でpn接合を形成するように、前記第1不純物領域から間隔を空けて前記ベース領域の表層部に形成された第2導電型の第2不純物領域と、
    前記第1不純物領域に電気的に接続されるように、前記基板の表面上に配置された第1電極と、
    前記第2不純物領域に電気的に接続されるように、前記基板の表面上に配置された第2電極とを含み、
    前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との間に存在する前記ベース領域の前記基板の表面に沿う寸法が、4.0μm以上5.0μm以下である、双方向ツェナーダイオード。
  2. 逆方向降伏電流が、100μA以上10mA以下であり、
    逆方向降伏電圧が、6V以上6.5V以下である、請求項1に記載の双方向ツェナーダイオード。
  3. 逆方向スタンドオフ電圧が3V以上5V以下であり、
    前記逆方向スタンドオフ電圧を印加した時、前記第1電極および前記第2電極間に流れる漏れ電流が、10nA以下である、請求項1または2に記載の双方向ツェナーダイオード。
  4. 逆方向スタンドオフ電圧が3V以上4V以下であり、
    前記逆方向スタンドオフ電圧を印加した時、前記第1電極および前記第2電極間に流れる漏れ電流が、1nA以下である、請求項1または2に記載の双方向ツェナーダイオード。
  5. 前記第1不純物領域が複数形成されており、
    前記第2不純物領域が複数形成されており、
    前記第1不純物領域と前記第2不純物領域とが、交互に配列されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の双方向ツェナーダイオード。
  6. 複数の前記第1不純物領域が所定の配列方向に沿って間隔を空けて配列された第1不純物領域群と、
    複数の前記第2不純物領域が前記所定の配列方向に沿って間隔を空けて配列され、前記第1不純物領域群に対して平行に延びるように設けられた第2不純物領域群とを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の双方向ツェナーダイオード。
  7. 前記第1不純物領域群が複数設けられており、
    前記第2不純物領域群が複数設けられており、
    前記第1不純物領域群と前記第2不純物領域群とが、前記所定の配列方向に直交する方向に沿って交互に配列されている、請求項に記載の双方向ツェナーダイオード。
  8. 前記第1不純物領域と前記第2不純物領域とが、前記所定の配列方向に直交する方向に隣接するように配列されている、請求項またはに記載の双方向ツェナーダイオード。
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