JP6737155B2 - 積層型電極体の製造装置 - Google Patents

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本発明は,いずれも短冊状の箔である第1電極および第2電極を交互に積層した構造の積層型電極体を製造する積層型電極体の製造装置に関するものである。
従来から,2次電池その他の電池として,第1電極と第2電極とを交互に重ね合わせた電極積層体を内蔵するものが使用されている。このような電極積層体には,第1電極および第2電極としていずれも短冊状の箔を利用し,これらを平積み状に積層した構造のものがある。
このような積層構造の電極積層体を製造する先行技術として,特許文献1に記載されている積層体の作製装置および作製方法が挙げられる。同文献の技術では,短冊状の電極板である「シート状体3」が,その「供給機構7」から供給されるようになっている。「供給機構7」の下方には,「落下移動手段9」と「案内積層手段11」とが配置されている。「落下移動手段9」は,重力を利用して「シート状体3」を「供給機構7」から「案内積層手段11」へと落下移動させるものである。こうして,「シート状体3」が「案内積層手段11」上に順次案内され,そこで積層されるようになっている(同文献の[0015]〜[0019],図1,図3)。
特開2012−91372号公報
しかしながら前記した従来の技術には,次のような問題点があった。「案内積層手段11」上にはやがて,電極積層体の製品1個分の「シート状体3」が積層されることとなる。その際には,積層された「シート状体3」を「案内積層手段11」から回収しなければならない。「案内積層手段11」を空にしないと,引き続いて「シート状体3」を「案内積層手段11」に受け入れることができないからである。回収された積層状態の「シート状体3」の束は,次工程へ送られて電極積層体となる。
ところで,この「案内積層手段11」からの「シート状体3」の回収作業にもある程度の時間を要する。このため,その所要時間の分,「供給機構7」からの「シート状体3」の供給を停止する待ち時間が生じる。そこで「案内積層手段11」を2台設けて交互に使用する,ということがよく行われるが,それも簡単な話ではない。使用する「案内積層手段11」をチェンジする際には2台の「案内積層手段11」を全体として移動させる必要があるからである。しかし可動部分の慣性が大きいため,素早いチェンジへの対応が容易でないのである。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,正負の電極板の積層を受ける積層台を複数個設けつつ,使用する積層台のチェンジを迅速に行うことができるようにした積層型電極体の製造装置を提供することにある。
本発明の一態様における積層型電極体の製造装置は,正負の電極板を平積みに積層してなる積層型電極体を製造する装置であって,第1極板反物の片面上に,第2極板短冊を,第1極板反物の長手方向に対して間隔を置いて配置したものであるペア電極板反物を,長手方向に搬送しつつ供給する電極板供給部と,供給されたペア電極板反物を,第2極板短冊のない位置で幅方向に切断してペア電極板短冊とする切断部と,切断部から見てペア電極板反物の搬送方向の下流側に位置し,複数枚のペア電極板短冊を積層して積層型電極体とする積層部とを有し,積層部には,回転台と,回転台を回転させる駆動源と,回転台の回転軸と同軸上に設けられているが自身は回転しない固定円形部材と,回転台における回転軸から外れた位置に配置され,回転台の回転軸と平行な回転軸に対して回転可能な,固定円形部材と同一周長である複数の遊星円形部材と,各遊星円形部材を固定円形部材と連結して回転を同期させる連結部材と,複数の遊星円形部材に対してそれぞれ固定して設けられた,ペア電極板短冊の積層が行われる複数の積層台とが設けられているものである。
上記態様における積層型電極体の製造装置では,駆動源からの駆動により回転台を回転させると,その回転とともに,各遊星円形部材の位置も,回転台の回転軸の周りに円軌道を描いて移動する(公転)。しかしながら各遊星円形部材の自身の回転軸まわりの回転(自転)は,連結部材を介して固定円形部材により規制され,同期されている。各遊星円形部材と固定円形部材とは同一周長であり,固定円形部材は回転しないため,結局,各遊星円形部材は自転しない。ここで円形部材の周長とは,ギアであれば歯数のことであり,プーリーであれば有効周長(有効径に比例)であることとする。この,遊星円形部材の動きがそのまま各積層台の動きとなる。よって,回転台の回転とともに各積層台は,電極板供給部に対して同じ向きを向けたまま,自転することなく公転するように移動するのである。
よって上記態様の積層型電極体の製造装置では,いずれか1つの積層台を,電極板供給部および切断部からペア電極板短冊を受け入れる位置に置いて,積層型電極体の積層を行う。製品1個分のペア電極板短冊が積層台上に受け入れられたら,回転台の回転により積層台をチェンジする。これにより新たなペア電極板短冊の空の積層台への受け入れと,退避した積層台からの積層型電極体の回収作業とを並行して行うことができる。ここで,積層台の上記の移動方式により,チェンジ動作が迅速であり,かつ,電極板供給部や切断部との干渉もない。
本構成によれば,正負の電極板の積層を受ける積層台を複数個設けつつ,使用する積層台のチェンジを迅速に行うことができるようにした積層型電極体の製造装置が提供されている。
実施の形態に係る積層電池製造装置の構成を示す模式図である。 実施の形態における積層部の斜視図である。 実施の形態における積層部の平面図である。 ステージチェンジャの裏面を下から見た斜視図である。 ステージチェンジャの駆動系の構成を示す部分断面図である。 実施の形態におけるチェンジ時の台座と負極反物切断機構との関係を示す模式図である。 比較例の場合におけるチェンジ時の台座と負極反物切断機構との関係を示す模式図である。 変形例に係る積層部の斜視図である。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,図1に示す積層電池製造装置1に,本発明を適用したものである。
図1の積層電池製造装置1は,正極反物供給部2と,負極反物供給部3と,正極反物切断機構4と,貼り合わせロール5と,負極反物切断機構6と,台座7と,プレスロール8とを有している。正極反物供給部2には,正極箔反物コイル9が取り付けられており,正極箔反物10が巻き出されるようになっている。負極反物供給部3には,負極箔反物コイル11が取り付けられており,負極箔反物12が巻き出されるようになっている。正極箔反物10および負極箔反物12はいずれも,長尺箔状のものであり,集電箔の表面上に電極活物質層が形成された構造のものである。負極箔反物12の表面上にはさらに,セパレータ層も形成されている。正極箔反物10および負極箔反物12はいずれも,その長手方向に進行して貼り合わせロール5へ向かうようになっている。
正極反物切断機構4は,正極箔反物10を幅方向に切断することで,カード状の正極箔短冊13とするものである。貼り合わせロール5は,負極箔反物12と正極箔短冊13とを貼り合わせるものである。このため貼り合わせロール5に対して,負極箔反物12はそのまま,正極箔反物10は切断されて正極箔短冊13となってから,供給されるようになっている。正極箔短冊13はさらに,貼り合わせロール5に対して,負極箔反物12の長手方向に間隔を置いて供給されるようになっている。
負極反物切断機構6は,負極箔反物12を幅方向に切断するものである。この切断により,正極箔短冊13と負極箔短冊とが1枚ずつ積層された電極箔ペア短冊14が得られる。台座7は,得られた電極箔ペア短冊14を置くためのものである。プレスロール8は,台座7の上に多数枚積層された電極箔ペア短冊14を厚み方向にプレスするものである。なお,負極反物切断機構6のすぐ上流側には,負極箔反物12と正極箔短冊13とを支持するニップロール16が設けられている。
次に,上記の積層電池製造装置1の作用を説明する。積層電池製造装置1により電極積層体15を製造する際には,貼り合わせロール5に対して,負極箔反物12と,正極箔短冊13とが供給される。負極箔反物12は前述のように,負極反物供給部3から供給され,長手方向に進行することにより貼り合わせロール5に至る。正極箔短冊13は,正極反物供給部2および正極反物切断機構4により貼り合わせロール5に供給される。貼り合わせロール5にて正極箔短冊13は,負極箔反物12の上に,長手方向に対して間隔を開けて配置される。
そして貼り合わせロール5により,正極箔短冊13および負極箔反物12が厚み方向に軽く押し付けられる。この状態で正極箔短冊13は,負極箔反物12に対して軽く接着されている。負極箔反物12のセパレータ層にある程度の接着性があるからである。このためこれ以後,振動等で容易に正極箔短冊13の位置が負極箔反物12に対してずれてしまうことはない。
貼り合わせロール5より下流側における正極箔短冊13および負極箔反物12は,負極箔反物12の上に,正極箔短冊13が長手方向に対して間隔を開けて配置された状態となっている。このような状態の正極箔短冊13および負極箔反物12が,貼り合わせロール5から負極反物切断機構6へ向かう。負極反物切断機構6に至った負極箔反物12は,幅方向に切断される。負極反物切断機構6が切断するのは,負極箔反物12のうち,正極箔短冊13のない箇所である。
こうして電極箔ペア短冊14が得られる。負極箔反物12の進行とともに次々に電極箔ペア短冊14が得られるので,台座7の上には多数枚の電極箔ペア短冊14が積層されることとなる。台座7の上に積層された電極箔ペア短冊14は,プレスロール8により,厚み方向にプレスされる。より詳細には,新たに1枚の電極箔ペア短冊14が台座7の上に置かれるたびに,プレスロール8によるプレスが実施される。これにより,新たに供給された電極箔ペア短冊14が,先に供給されてすでに台座7の上に積層されている電極箔ペア短冊14に対して一体化される。前述のセパレータ層の接着性による。
このようにして所定の枚数の電極箔ペア短冊14が台座7の上に積層されプレスロール8による一体化がなされると,電極積層体15が得られる。電極積層体15は,電池における発電要素として機能するものである。電極積層体15は通常,電池容器内に電解液とともに収納される。
本形態の積層電池製造装置1における本発明としての特徴点は,台座7の配置にある。図2に示すように,積層電池製造装置1における負極反物切断機構6よりも負極箔反物12の搬送方向Aに下流側の位置にある積層部18には,ステージチェンジャ17が設けられている。ステージチェンジャ17は,搬送方向Aに対して垂直な中心回転軸B(図2の構成例では鉛直方向)の周りに回転可能(矢印C)なものである。
ステージチェンジャ17の上には,台座71,台座72,廃棄物台19が設けられている。これらはいずれも,中心回転軸Bから外れて位置している。このうち台座71,台座72はいずれも,図1中の台座7に相当するものである。ただし図2では,台座72が,図1における台座7の位置にあり,台座71は退避状態にある。廃棄物台19は,不良品の電極箔ペア短冊14を受け入れるものである。台座71,台座72,廃棄物台19はそれぞれ,ステージチェンジャ17に対して,回転軸D,E,Fの周りに回転可能なものである。回転軸D,E,Fはいずれも,回転軸Bと平行である。
ただし後述する連結関係により,台座71,台座72,廃棄物台19はいずれも,ステージチェンジャ17が回転しても向きGが不変なようになっている。つまり台座71,台座72,廃棄物台19は,ステージチェンジャ17の回転Cとともに,中心回転軸Bの周りに公転はするが自転はしないようになっている(図3)。図2では,2つの台座71,台座72のうち台座72が,負極反物切断機構6で切断された電極箔ペア短冊14の受け入れ位置にある。一方,台座71は退避位置にある。ステージチェンジャ17の回転Cにより,台座71を受け入れ位置に置いて台座72を退避させることができる。また,廃棄物台19を受け入れ位置に置くこともできる。
続いて,回転軸Bと回転軸D,E,Fとの連結機構を,図4により説明する。図4に示すように,ステージチェンジャ17を下側から見上げるように見ると,中央にサンギア20が設けられている。もちろんサンギア20は,図2に示した中心回転軸B上にある。つまりサンギア20は,ステージチェンジャ17と同軸上にある。ただしサンギア20は,固定されており,ステージチェンジャ17が回転(矢印C)しても回転しない。
図4に見るステージチェンジャ17の裏面における縁辺寄りの位置には,3つの遊星ギア21〜23が設けられている。遊星ギア21〜23はそれぞれ,図2に示した回転軸D,E,F上にある。つまり,台座71,台座72,廃棄物台19に対してそれぞれ同軸上に遊星ギア21〜23が設けられている。そして,台座71と遊星ギア21,台座72と遊星ギア22,廃棄物台19と遊星ギア23,の各組がそれぞれ,回転軸D,E,Fの周りに一体的に回転できるようになっている。
ステージチェンジャ17の裏面にはさらに,アイドラーギア24〜26が設けられている。アイドラーギア24〜26はいずれも,サンギア20と噛み合っている。さらに,アイドラーギア24は遊星ギア21と,アイドラーギア25は遊星ギア22と,アイドラーギア26は遊星ギア23と,それぞれ噛み合っている。アイドラーギア24〜26は,ステージチェンジャ17の表側の構成物と同軸に繋がっている訳ではなく,それ自体はステージチェンジャ17に対して自由回転できるものである。ただし前述のように,サンギア20との噛み合いにより回転が規制される状態のものである。さらに,遊星ギア21〜23も,アイドラーギア24〜26を介してサンギア20に連結されており,サンギア20により回転が規制されるようになっている。
上記構成により,ステージチェンジャ17を回転(矢印C)させると,その回転とともに遊星ギア21〜23およびアイドラーギア25も,中心回転軸Bを中心に円弧状の軌跡を描いて移動していく(公転)こととなる。このとき,遊星ギア21〜23やアイドラーギア25の回転は,固定されているサンギア20との噛み合いにより規制されることとなる。
ここで,遊星ギア21〜23はいずれも,サンギア20と同一の歯数とされている。このため,ステージチェンジャ17の回転による遊星ギア21〜23の動きは,中心回転軸Bを中心とする公転移動のみで,自身の回転軸D,E,Fの周りの自転はしない。固定ギアであるサンギア20と同期されるからである。このことは,アイドラーギア25の歯数に関わらずいえる。このことが前述の,ステージチェンジャ17の表側(図2)における台座71,台座72,廃棄物台19の動きとして現れる。なお,ステージチェンジャ17を基準として見れば,ステージチェンジャ17の回転時には,遊星ギア21〜23や台座71,台座72,廃棄物台19があたかも軸回りに回転しているかのように見える。
図5の正面断面図に,ステージチェンジャ17の駆動系を示す。ステージチェンジャ17の下方には,固定物であるベース27が設けられている。ベース27は,平面視ではほぼ円形のものである。ステージチェンジャ17はベース27の上に,軸受け28を介して回転可能に載っている。前述のサンギア20は,ベース27の上面側の中央に固定して設けられている。ベース27の下面側中央には,駆動モータ29が取り付けられている。駆動モータ29の回転軸30(中心回転軸B)は,ベース27およびサンギア20を貫通して上方に延びており,ステージチェンジャ17と繋がっている。これにより,サンギア20を固定したまま,駆動モータ29でステージチェンジャ17を回転させられるようになっている。
図5では,前述の台座71,台座72,廃棄物台19のうち台座71,台座72を描いている。図5に示される状態は,図2に示した状態と同じく,台座72に電極箔ペア短冊14を受け入れる状態である。台座72はステージチェンジャ17の上に,軸受け31を介して載っている。また台座72は,ステージチェンジャ17の下側の遊星ギア22と一体的に繋がっている。そして遊星ギア22は前述のように,アイドラーギア25を介してサンギア20と噛み合っている。このため台座72は,ステージチェンジャ17に対しては回転可能であるが,前述のように実際には公転のみ可能で自転はしないようになっている。この点は台座71も同様である。図5には示していないが廃棄物台19も同様である。なお図5では,理解の便宜のため台座72の対称位置に台座71があるかのように描いているが,実際の台座71と台座72との位置関係は図2から把握される通りである。
また,台座71および台座72には,昇降機能もある。図5の状態では,電極箔ペア短冊14の受け入れ位置にある台座72が,多数枚の電極箔ペア短冊14(電極積層体15)を受け入れたことにより下降した状態にある。一方,退避位置にある台座71は,新たな電極積層体15となる電極箔ペア短冊14を今後受け入れるために上昇した位置にある。図5中で台座71上にある電極積層体15は,台座71が受け入れ位置に移動するより前に回収される。なお図5では,台座71,72が回転軸D,Eの周りに回転するかのように描いているが,これはステージチェンジャ17基準でのことである。
上記のように構成された積層電池製造装置1では,台座71と台座72との一方を受け入れ位置(図1における台座7の位置)に置いて新たな電極箔ペア短冊14を受け入れることができる。このとき,台座71,72のうちもう一方のものは退避位置にある。廃棄物台19も退避位置にある。電極積層体15の製品1個分の電極箔ペア短冊14が台座71または台座72に受け入れられたら,ステージチェンジャ17の回転によりもう一方の台座71(または72)を受け入れ位置に置けばよい。これをチェンジという。これにより迅速に,空の台座71(または72)への新たな電極箔ペア短冊14の受け入れを行うことができる。退避位置に移動した台座72(または71)に対しては,積層済みの電極積層体15の回収作業が行われる。また,新たに受け入れられる電極箔ペア短冊14が不良品である場合には,一時的に廃棄物台19を受け入れ位置に置けばよい。これもステージチェンジャ17の回転による。
上記において,台座71,台座72,廃棄物台19についての積層部18の構成により,次のような利点がある。
まず,台座71,台座72,廃棄物台19の移動が直線移動方式である場合と比較しての利点として,チェンジ動作が迅速であることが挙げられる。直線移動方式の場合にはチェンジ時に移動部分全体としての重心も移動するので,移動させるための駆動の負荷が大きい。また移動距離も,得ようとする電極積層体15のサイズに応じて長くしなければならない。このため,一般的なサイズの電極積層体15を得るための装置構成で,1秒以上かかってしまう。これでは正極反物供給部2や負極反物供給部3の待ち時間が長く,生産効率向上への制約となってしまう。このチェンジ時間を0.1秒程度に抑えようとすると,30G程度もの加速度を掛ける必要があり,現実的でない。
一方,本形態のような回転方式では,チェンジ時にステージチェンジャ17およびその上に載っている構成物の全体としての重心はほとんど移動しない。このため,駆動モータ29の駆動負担が,直線移動方式の場合と比べて著しく軽い。また,移動距離も直線移動方式の場合より短くて済む。このため本形態では,0.1秒程度の迅速なチェンジ動作を無理なく実現できる。
また,本形態では,台座71,台座72のいずれもが,廃棄物台19の隣に位置している。このため,台座71,台座72のいずれで受け入れを行っているときでも,突発的な不良品対応が楽である。直線移動方式の場合には,2つの台座を隣接して配置すると,廃棄物台はそのうち一方としか隣接できない。このため,廃棄物台から遠い方の台座で受け入れを行っているときの不良品対応が大変である。2つの台座の間に廃棄物台を配置すればこの問題はないが,それでは通常のチェンジ動作が大変である。本形態ではこのような弊害がない。
次に,台座71,台座72,廃棄物台19がステージチェンジャ17に対して固定されている構成であった場合と比較しての利点について述べる。この視点での利点として,チェンジ時にも台座71,台座72,廃棄物台19が負極反物切断機構6と干渉しないことが挙げられる(図6)。
もし,台座71,台座72,廃棄物台19が単純にステージチェンジャ17の回転Cとともに回転する構成であると,チェンジ時には図7に示すように,台座71,台座72,廃棄物台19が負極反物切断機構6と干渉してしまう。すなわち,図7中に「32」で示すように,台座71,台座72,廃棄物台19の一部分が負極反物切断機構6による切断位置33をはみ出してしまう。このため実際には,図7の構成例ではステージチェンジャ17は回転不能なのである。したがって,台座71,台座72,廃棄物台19がステージチェンジャ17に対して固定されておりなおかつ機能しうる構成とするためには,積層部18の全体を少し負極反物切断機構6から離して配置する必要がある。これでは装置のコンパクト化の要請に反する。図6に示す本形態の場合にはこのような弊害はない。
続いて変形例を示す。本形態の積層電池製造装置1の積層部18としては,図2〜図6に示したものに替えて,図8に示す積層部34を用いることができる。図8の積層部34は,図2中の中心回転軸Bを水平にしたものである。これに合わせて回転軸D,E,Fも水平にされている。すなわち図8の積層部34では,サンギア20,遊星ギア21〜23,アイドラーギア24〜26が縦置きとされている。図8では省略しているがステージチェンジャ17も縦置きとなる。その一方で台座71,台座72,廃棄物台19は水平配置とされている。この構成例における台座71,台座72,廃棄物台19は,水平な中心回転軸Bの周りの縦回転により公転しつつも,水平が保たれることとなる。このような形態でも前述と同様の効果が得られる。
以上詳細に説明したように本実施の形態によれば,電極箔ペア短冊14を受け入れる台座7として,台座71,台座72の2台を設けている。そしてこれらを,ステージチェンジャ17の回転Cとともに公転するが自転はしないように構成している。これにより,2台の台座71を交互に使用して電極積層体15の積層を行いつつ,台座71と台座72とのチェンジを迅速に行うことができるようにしている。これにより電極積層体15の生産効率を高めている。さらに,台座71,台座72に加えて廃棄物台19を設け,これも回転Cとともに公転するが自転しないものとしている。これにより,電極積層体15の積層中における不良品の電極箔ペア短冊14の排除にも対応できるようにしている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,台座71,台座72の台数は,2台に限らず,もっと多くてもよい。また,ステージチェンジャ17に対する台座71,台座72,廃棄物台19の配置は,必ずしも当角度間隔でなくてもよい。
また,本形態では,遊星ギア21〜23をサンギア20に対して連結する連結部材としてアイドラーギア24〜26を用いたが,アイドラーギア24〜26の代わりにコッグドベルトを用いることができる。さらに,サンギア20および遊星ギア21〜23としてスプロケットを用い,コッグドベルトの代わりにチェーンを用いることもできる。また,サンギア20および遊星ギア21〜23の代わりにプーリーを用い,コッグドベルトの代わりに歯無しベルトを用いることができる。その場合,前述のサンギア20と遊星ギア21〜23との周長の関係は,歯数の代わりに有効径で定めることとなる。
1 積層電池製造装置 20 サンギア(固定円形部材)
2 正極反物供給部 21 遊星ギア
3 負極反物供給部 22 遊星ギア
4 正極反物切断機構 24 アイドラーギア(連結部材)
5 貼り合わせロール 25 アイドラーギア(連結部材)
6 負極反物切断機構 29 駆動モータ
7 台座(積層台) 30 回転軸
15 電極積層体 34 積層部
16 ニップロール 71 台座(積層台)
17 ステージチェンジャ(回転台) 72 台座(積層台)
18 積層部

Claims (1)

  1. 正負の電極板を平積みに積層してなる積層型電極体の製造装置であって,
    第1極板反物の片面上に,第2極板短冊を,前記第1極板反物の長手方向に対して間隔を置いて配置したものであるペア電極板反物を,前記長手方向に搬送しつつ供給する電極板供給部と,
    供給された前記ペア電極板反物を,前記第2極板短冊のない位置で幅方向に切断してペア電極板短冊とする切断部と,
    前記切断部から見て前記ペア電極板反物の搬送方向の下流側に位置し,複数枚の前記ペア電極板短冊を積層して前記積層型電極体とする積層部とを有し,
    前記積層部には,
    回転台と,
    前記回転台を回転させる駆動源と,
    前記回転台の回転軸と同軸上に設けられているが自身は回転しない固定円形部材と, 前記回転台における回転軸から外れた位置に配置され,前記回転台の回転軸と平行な回転軸に対して回転可能な,前記固定円形部材と同一周長である複数の遊星円形部材と, 各前記遊星円形部材を前記固定円形部材と連結して回転を同期させる連結部材と,
    前記複数の遊星円形部材に対してそれぞれ固定して設けられた,前記ペア電極板短冊の積層が行われる複数の積層台とが設けられていることを特徴とする積層型電極体の製造装置。
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