JP6737119B2 - キャップおよびキャップユニット - Google Patents

Description

本発明は、キャップおよびキャップユニットに関する。

従来から、果樹や野菜等の枝やつるを支柱に結束したり、野菜同士や袋同士を束ねたりする際に園芸用結束機が広く利用されている。園芸用結束機では、クリンチャアームの開閉動作によりテープを結束機本体から引き出してクリンチャアームと結束機本体との先端部間にテープを張った状態とし、この状態で結束機本体を前方に押し出して被結束物をテープにより掛け回した後、クリンチャアームを再度閉じることで、テープをステープルにより綴じると共に切断刃にてテープを切断する、という一連の工程により結束処理を行っている。

例えば、特許文献１には、ドライバハンドル（結束機本体）の先端部にノッチ刃形状の切断刃が取り付けられた園芸用結束機が記載されている。一般に、切断刃は、ドライバハンドルに設けられた板バネと板金との間に挟持されることによりドライバハンドルに保持される。切断刃は、耐久限度（経年劣化）によりテープを切断できなくなった場合等にユーザーにより適宜交換される。切断刃の交換時には、ユーザーがペンチ等で交換する切断刃をつかんで結束機本体から取り外した後、新しい切断刃をペンチでつかんで結束機本体の装填位置に取り付けている。

特開２００３−３４１６１３号公報

しかしながら、特許文献１に記載の園芸用結束機等では以下のような問題がある。すなわち、上述したように、切断刃の交換時にはユーザーがペンチ等で切断刃をつかむことになるが、ペンチ等に対して切断刃の姿勢が安定しづらく、切断刃を結束機本体の装填位置に正確に装着することができないという問題があった。また、ラジオペンチで切断刃をつかんだ場合には、うまく切断刃に力が伝わらず、切断刃を装填位置まで十分に押し込むことができないという問題があった。逆に、装填位置まで確実に押し込もうとして、切断刃の歯先を過大な押付力で押してしまい、先端の破損（刃こぼれ）の発生を引き起こすことがあった。

そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、切断刃を正確かつ容易に交換することを可能とするキャップおよびキャップユニットを提供することにある。

本発明に係るキャップは、テープを切断する切断刃に着脱可能に取り付けられるキャップであって、ユーザーにより把持される把持部と、前記切断刃の先端部に設けられる歯を前記把持部に対向させた状態で保持する保持部と、を備えるものである。

また、本発明に係るキャップユニットは、テープを切断する切断刃と、前記切断刃に着脱可能に取り付けられるキャップと、を備えるキャップユニットであって、前記キャップは、ユーザーにより把持される把持部と、前記切断刃の先端部に設けられる歯を前記把持部に対向させた状態で保持する保持部と、を有するものである。

本発明によれば、切断刃をキャップにより保持するので、切断刃の交換時において切断刃の姿勢を安定させることができると共に、歯が園芸用結束機の部品等に触れることを防止することができる。

本発明の一実施の形態に係る園芸用結束機の構成例を示す斜視図である。 園芸用結束機の構成例を示す正面図である（その１）。 園芸用結束機の構成例を示す正面図である（その２）。 園芸用結束機の構成例を示す断面図である。 園芸用結束機におけるテープ引き出し時の状態を示す断面図である。 園芸用結束機におけるテープ切断時の状態を示す断面図である。 テープ切断部の構成例を示す斜視図である。 テープ切断部の構成例を示す断面図である。 Ａはリリースボタンの構成例を示す正面図であり、Ｂはその平面図である。 Ａは切断刃の構成例を示す斜視図であり、Ｂはその平面図である。 キャップの構成例を示す斜視図である。 Ａはキャップの構成例を示す平面図であり、ＢはＡのキャップのＡ−Ａ線に沿った断面図である。 Ａはキャップの構成例を示す底面図であり、Ｂはその側面図である。 Ａはキャップユニットの構成例を示す斜視図であり、Ｂはその平面図である。 Ａは切断刃を結束機本体に装填する前の状態を説明するための斜視図であり、図Ｂはその断面図である。 Ａは切断刃の園芸用結束機の装填位置への装填時の状態を説明するための斜視図であり、Ｂはその断面図である。 Ａは切断刃を園芸用結束機の装填位置に装填した後の状態を説明するための斜視図であり、Ｂはその断面図である。 ＡおよびＢはリリースボタンの押圧状態に応じたロック機構の動作例を示す図である。 ＡおよびＢはリリースボタンを押していない場合のロック機構の動作例を示す図である。 ＡおよびＢはリリースボタンを押した場合のロック機構の動作例を示す図である。

以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。

［園芸用結束機１００の構成例］
図１は第１の実施の形態に係る園芸用結束機１００の構成の一例を示す斜視図であり、図２および図３はその正面図であり、図４はその断面図である。図１〜図４において、紙面の右側を園芸用結束機１００の前側とし、紙面の左側を園芸用結束機１００の後側とする。

図１〜図４に示すように、手持ち工具としての園芸用結束機１００は、クリンチャアーム１０と、結束機本体４０と、ハンドル１２と、テープ引き出し部２０と、テープ搬送部４２と、テープ切断部５０と、ステープルマガジン部６０と、テープマガジン部８０とを備えている。

クリンチャアーム１０は、基端部が結束機本体４０の板状部材１７に設けられた軸部１０ａに回動可能に取り付けられると共に、引っ張りばね１６により後方側に付勢されている。引っ張りばね１６は、一端部がクリンチャアーム１０の略中央よりも若干下方側に取り付けられ、他端部が板状部材１７に設けられた軸部１６ａに取り付けられている。軸部１６ａは、板状部材１７において軸部１０ａよりも若干後方側に配置されている。

ハンドル１２は、その後端側がユーザーにより把持される取っ手部として構成されると共に、略中央部がクリンチャアーム１０に回動可能に取り付けられている。また、ハンドル１２の前端側にはフック１２ａが設けられ、このフック１２ａが結束機本体４０に設けられる取付部４１に引っ掛けられる。このような構成により、ハンドル１２の開閉動作に伴い、ハンドル１２の梃子の原理によりクリンチャアーム１０を結束機本体４０に対して相対的に開閉させることができる。なお、フック１２ａの取付部４１に対する係合を解除することで、結束機本体４０に対してクリンチャアーム１０を大きく開くことができる。このような機能を持たせることで、径の大きな結束物５００の結束を可能にしている。

テープ引き出し部２０は、結束機本体４０からテープＴＰを引き出すための機構であり、クリンチャアーム１０の先端部に設けられている。テープ引き出し部２０は、ロックプレート２２と、テープキャッチ２４と、テーププレート２６とを有している。

ロックプレート２２は、一端側に設けられた軸部２２ａを支点として回動可能に構成されると共に、他端側がコイルばね２３によりテープキャッチ２４側に付勢されている。ロックプレート２２は、コイルばね２３の付勢により、テープキャッチ２４に係合することでテープキャッチ２４をロックし、テープキャッチ２４をテーププレート２６から離間した位置で固定する。

テープキャッチ２４は、軸部２４ａを支点として回動可能に設けられると共に、ねじりコイルばね２５によりテーププレート２６側に付勢されている。テープキャッチ２４は、テープの引き出し時にロックプレート２２によるロックが解除されると、ねじりコイルばね２５の付勢により、先細り形状をなす先端部２４ｂがテーププレート２６側に移動する。

テーププレート２６は、テープキャッチ２４に対向するように配設され、その先端部がロックプレート２２から結束機本体４０側に延出している。テーププレート２６は、延出した部位とテープキャッチ２４とでテープＴＰを挟持し、クリンチャアーム１０の戻り（開）動作に伴ってテープＴＰをテープガイド４６から上方側に引き出す。

テープ搬送部４２は、テープホルダ４４と、テープガイド４６とを有している。テープホルダ４４は、テープマガジン部８０からテープガイド４６までテープを搬送するための経路であり、結束機本体４０の長手方向に沿って敷設されている。また、テープホルダ４４は、長手方向の一辺側を支点として開閉可能に構成され、テープＴＰのセット作業が容易に行えるようになっている。テープガイド４６は、結束機本体４０（テープホルダ４４）の前端部に回動可能に設けられ、テープの先端部をテープガイド４６から上方側に引き出した状態で保持する。

テープ切断部５０は、テープＴＰを切断する切断刃２００と、切断刃２００をテープガイド４６に対してロックおよびロック解除するためのロック機構５２とを有している。切断刃２００は、ロック機構５２によりテープガイド４６の所定位置に固定されると共に、ロック機構５２の解除によりテープガイド４６から引き抜くことができるようになっている。なお、テープ切断部５０の構成や機能については後述する。

ステープルマガジン部６０は、結束機本体４０の上面側に取り付けられ、接着連結されたステープルが装填される。ステープルマガジン部６０は、クリンチャアーム１０の開閉動作によりステープルを打ち出してテープＴＰの重なり部分を綴じ処理する。

テープマガジン部８０は、結束機本体４０の後端部に取り付けられ、テープＴＰが巻き回されたテープロールを収容する。テープマガジン部８０は、クリンチャアーム１０の開閉動作に基づくテープＴＰの引き出し動作により正回転し、テープＴＰをテープ搬送部４２に送り出す。

ここで、図１〜図３に示した園芸用結束機１００を使用時に誤って落下させてしまった場合、園芸用結束機１００の落下の仕方によっては、ハンドル１２のフック１２ａが結束機本体４０の取付部４１から外れ、クリンチャアーム１０が後方側に回動して大きく開いてしまう場合がある。このように、意図せずにフック１２ａが外れてクリンチャアーム１０が開いた場合、クリンチャアーム１０の開度を規制するストッパ部材と勢い良く衝突する。本実施の形態では、クリンチャアーム１０の基端部が後方側に設けられる軸部１６ａに接触することで開度を規制するように構成されているので、クリンチャアーム１０と軸部１６ａとの衝突によって軸部１６ａまたは板状部材１７が変形してしまい、その結果、ステープルマガジン部６０の蓋が開かなくなり、ステープルの交換を行うことができなくなってしまうという問題があった。

そこで、本実施の形態では、軸部１６ａの両端部のそれぞれであってクリンチャアーム１０の基端部が当たる位置に、Ｏリングなどの弾性部材からなる弾性部品１９を装着している。これにより、クリンチャアーム１０が大きく開きいてしまった場合でも、クリンチャアーム１０の基端部が弾性部品１９に当たるので、クリンチャアーム１０の開放時の衝撃を弾性部品１９によって緩和（吸収）することができる。その結果、クリンチャアーム１０の衝撃が軸部１６ａに直接的に伝わることを防止できるので、ステープルマガジン部６０の変形を防止することができ、ステープルの交換作業を円滑に行うことができる。

［園芸用結束機１００の動作例］
次に、本発明に係る園芸用結束機１００の結束処理時における動作の一例について説明する。図５は、園芸用結束機１００におけるテープＴＰの引き出し時の状態を示す断面図である。図６は、園芸用結束機１００におけるテープＴＰの切断時の状態を示す断面図である。

図１〜図６を参照すると、ユーザーによりハンドル１２が握り込まれると、クリンチャアーム１０が結束機本体４０に接近する方向に移動（降下）する。これにより、ロックプレート２２が結束機本体４０側のテープガイド４６に当接してロックプレート２２が押し上げられることで、ロックプレート２２によるテープキャッチ２４のロックが解除される。

テープキャッチ２４のロックが解除されると、テープキャッチ２４がテーププレート２６側に回動し、テープＴＰがテープキャッチ２４の先端部２４ｂによりテープガイド４６に押し付けられる。

続けて、ユーザーによりハンドル１２の握りが解除されると、クリンチャアーム１０が結束機本体４０から離れる方向に移動（上昇）する。これに伴い、図５に示すように、テープキャッチ２４がテープガイド４６からテーププレート２６に乗り移り、テーププレート２６とテープキャッチ２４とでテープＴＰが挟持された状態でテープガイド４６から上方側に引き出される。また、クリンチャアーム１０の上昇に伴い、ロックプレート２２とテープキャッチ２４とが係合状態とされる。

続けて、結束機本体４０の前方に押し出しにより野菜等の枝や支柱（以下、枝および支柱をまとめて結束物５００という）にテープＴＰが押し付けられてクリンチャアーム１０内に結束物５００が取り込まれる。

続けて、ユーザーによりハンドル１２が再度強く握られると、クリンチャアーム１０が結束機本体４０に接近する方向に移動（降下）し、結束物５００にテープＴＰが掛け回される。

クリンチャアーム１０の降下に伴い、テープガイド４６がテープキャッチ２４の対向する傾斜面に沿って移動していき、移動が規制される位置まで到達すると、テープキャッチ２４がテーププレート２６から離れる方向（前部側）に回動する。これに伴い、テープガイド４６も前部側に回動する。

テープガイド４６の回動に伴い、図６に示すように、切断刃２００も回動してその先端側に設けられた歯がテープＴＰに突き刺さることによりテープＴＰが切断される。また、クリンチャ３０がステープルマガジン本体６２を押圧し、ステープルマガジン本体６２が後端部を支点として傾動することで、ドライバ７８により射出口からステープルが打ち出され、テープＴＰの重なり部分がステープルによって綴じられる。本実施の形態では、このような一連の工程により、結束物５００の結束作業が行われる。

［テープ切断部５０の構成例］
次に、テープ切断部５０について説明する。図７はテープ切断部５０の構成の一例を示す斜視図であり、図８はその断面図である。図７および図８に示すように、テープ切断部５０は、切断刃２００と、ロック機構５２とを有している。

まず、ロック機構５２について説明する。ロック機構５２は、切断刃２００をテープガイド４６の所定位置にロックしたり、切断刃２００のロックを解除したりする機構である。ロック機構５２は、リリースボタン５４と、コイルばね５６と、ばね支持部材５８とを有している。

リリースボタン５４は、テープガイド４６の前面部であって、切断刃２００の引き抜き方向Ｄ１とは重ならない位置（ずれた位置）に配置されている（図７，図８参照）。図９Ａはリリースボタン５４の構成の一例を示す正面図であり、図９Ｂはその平面図である。図７、図８、図９Ａおよび図９Ｂに示すように、リリースボタン５４は、円柱体５４ａと、円柱体５４ａの後端部（基端部）に一体形成されると共に円柱体５４ａの直径Ｘ１よりも大きい直径Ｘ２からなる拡径部５４ｂとを有している。リリースボタン５４の円柱体５４ａはテープガイド４６に形成された貫通孔４６ａから前方側に突出して設けられると共に、リリースボタン５４の拡径部５４ｂは貫通孔４６ａの開口周縁部によって係止される。これにより、リリースボタン５４のテープガイド４６からの前方への抜けが防止される。

ガイド部材５８は、切断刃２００の取り付けを補助するための部材であり、切断刃２００の後方側の結束機本体４０に取り付けられている。また、結束機本体４０の左右方向に延びる軸部５８ａが、ガイド部材５８に隣接して設けられている。軸部５８ａには、コイルばね５６が装着されている。

コイルばね５６は、２個のねじりコイルばねを接続したいわゆるダブルトーションばねにより構成されている。コイルばね５６は、リリースボタン５４の拡径部５４ｂに当接してリリースボタン５４を前方側に付勢し、コイルばね５６をテープガイド４６から前方側に突出させた状態で弾性的に支持する。なお、本実施の形態では、リリースボタン５４の付勢手段として、コイルばね５６を用いたが、これに限定されることはなく、板ばねや圧縮ばね等の弾性部材を用いることもできる。

次に、切断刃２００について説明する。図１０Ａは切断刃２００の構成の一例を示す斜視図であり、図１０Ｂはその平面図である。図１０Ａおよび図１０Ｂに示すように、切断刃２００は、平面的に見て略矩形状をなす本体２１０と、本体２１０の基端部に設けられた凹部２２０と、本体の先端部に設けられた鋸歯形状の歯２３０とを有している。凹部２２０は、リリースボタン５４の形状に対応して略円形状に切り欠かれている。凹部２２０の幅Ｙ１は、リリースボタン５４の拡径部５４ｂの直径Ｘ２と略同一の長さに選定される。凹部２２０の幅Ｙ２は、リリースボタン５４の円柱体５４ａの直径Ｘ１よりも大きくなるように選定される。また、本体２１０の基端部は中央部付近から下方が幅狭に形成されており（以下、幅狭部２１２という）、上部が幅広に形成されている（以下、幅広部２１４という）。幅狭部２１２の幅方向の寸法は幅Ｙ４であり、幅広部２１４の幅方向の寸法は幅Ｙ４よりも広い幅Ｙ３である。また、幅広部２１４の歯先から幅広部下端までの長さ方向の寸法は長さＹ５である。幅広部２１４の底面が本体と接触するように取り付けることで、切断刃２００の突出量を一定に維持できる。また、本体２１０の下端部の両側のそれぞれには拾い込み用のテーパ面２１６，２１８が形成されており、結束機本体４０への取り付けを容易にしている。

［キャップ３００の構成例］
次に、キャップ３００について説明する。図１１は、本発明の一実施の形態に係るキャップ３００の構成の一例を示す斜視図である。図１２Ａはキャップ３００の構成の一例を示す平面図であり、図１２Ｂは図１２Ａに示すキャップ３００のＡ−Ａ線に沿った断面図である。図１３Ａはキャップ３００の構成の一例を示す底面図であり、図１３Ｂはその側面図である。なお、図１１において、紙面下方向を切断刃２００がキャップ３００から引き抜かれる抜き方向Ｄ２とし、紙面上方向を切断刃２００がキャップ３００に装着される装着方向Ｄ３とする。

図１１〜図１３に示すように、キャップ３００は、切断刃２００の交換時に、切断刃２００を安定した姿勢で保持すると共に切断刃２００の歯２３０（図１０Ａ参照）を保護するための部材である。このキャップ３００は、把持部３１０と、切断刃保持部（保持部）３２０とを備えている。

把持部３１０は、例えば、平面的に見て扁平の略半円形状、言い換えると略蒲鉾形状からなり、一般的なユーザーの平均的な親指サイズよりも大きい外形で形成されている。把持部３１０は、平面部３１２と、平面部３１２に段差３１３を介して連なると共に平面部３１２の周縁部に沿って形成される縁部３１４とを有している。これにより、ユーザーは段差３１３を介した縁部３１４が滑り止めとして機能するため、キャップ３００をしっかりと把持した状態で切断刃２００の交換作業を行うことができる。

切断刃保持部３２０は、把持部３１０におけるユーザーの把持する指が延びる側の端部３１６とは反対側（切断刃２００が装着される側）の端部３１７に一体形成され、切断刃２００の歯を把持部３１０側に対向させた状態で保持する。切断刃保持部３２０は、刃先保護部３３０と、側面ガイド部３４０，３４２と、第１の支持部（支持部）３５０と、第２の支持部３６０とを有している。

刃先保護部３３０は、切断刃２００の交換時において、切断刃２００の歯２３０がユーザーの手や結束機本体４０の各部品に接触することを防止するための部位である。刃先保護部３３０は、歯当接部３３０ａと、歯嵌合部３３０ｂとを含む。歯当接部３３０ａは、把持部３１０の端部３１７側に設けられる端面により構成され、装着される切断刃２００の歯２３０が突き当てられる。端面部の厚みは切断刃２００の刃厚よりも厚くなるように構成されているため、切断刃２００の歯２３０を外部に露出させることなく保護できる。歯嵌合部３３０ｂは、上述した歯当接部３３０ａの端面から突出すると共に切断刃２００の鋸形状をなす歯２３０に対応した凸形状により構成され、切断刃２００のキャップ３００への装着時に歯２３０が噛み合う（嵌め込まれる）ようになっている。

側面ガイド部３４０，３４２は、把持部３１０の端部３１７側の幅方向の側端のそれぞれから抜き方向Ｄ２に所定の長さだけ延出して設けられている。つまり、側面ガイド部３４０，３４２は、装着される切断刃２００の側面部のそれぞれに対応した位置から抜き方向Ｄ２に沿って延びている。側面ガイド部３４０，３４２の内壁面同士の間隔Ｚ１は、切断刃２００の幅Ｙ３と略同一に設定される。側面ガイド部３４０，３４２の内面側のそれぞれは平坦面により構成され、切断刃２００のキャップ３００への着脱時に切断刃２００の側面部をスライド可能に支持する。側面ガイド部３４０，３４２の長手方向の長さＺ２は、装着される切断刃２００の姿勢を安定させることができるように、例えば切断刃２００の先端から略中心部までの長さに設定される。

第１の支持部３５０は、把持部３１０の端部３１７側の幅方向の中央部であってその厚み方向の上部側から抜き方向Ｄ２に所定の長さだけ延出して設けられている。つまり、第１の支持部３５０は、把持部３１０の端部３１７からキャップ３００に装着される切断刃２００を臨むように延出している。第１の支持部３５０は、板バネとして機能し、その先端部内側に設けられる第１の凸部３５０ａによって切断刃２００の表面（第１の面）側を弾性的に支持する。また、第１の支持部３５０の先端部外側には、第２の凸部３５０ｂが設けられている。第２の凸部３５０ｂは、切断刃２００を結束機本体４０の装着位置に装着する際の位置決め部として機能し、後述する結束機本体４０の装填位置に設けられる位置合わせ部として機能する凹部５９（図１５Ａ等参照）に嵌合可能に設けられている。

第２の支持部３６０は、把持部３１０の端部３１７側であってその厚み方向の下部側から抜き方向Ｄ２に張り出した部位であり、キャップ３００に装着される切断刃２００の裏面側を支持する。本実施の形態において第２の支持部３６０は、歯当接部３３０ａおよび側面ガイド部３４０，３４２に沿うような形状で形成される。

［キャップユニット４００の構成例］
次に、キャップユニット４００について説明する。図１４Ａはキャップユニット４００の構成の一例を示す斜視図であり、図１４Ｂはその平面図である。図１４Ａおよび図１４Ｂに示すように、キャップユニット４００は、キャップ３００と、キャップ３００に装着される切断刃２００とにより構成されている。

切断刃２００の歯２３０は、キャップ３００の歯嵌合部３３０ｂに噛み合うと共に歯当接部３３０ａに当接した状態で保護される。また、切断刃２００の表面および裏面のそれぞれは、第１の支持部３５０および第２の支持部３６０によって挟持された状態で支持される。切断刃２００の側面部２１０ａ，２１０ｂのそれぞれは、側面ガイド部３４０，３４２によって支持される。これらにより、切断刃２００のキャップ３００への装着時において、切断刃２００の上下方向および幅方向の移動を規制することができ、切断刃２００をキャップ３００により安定した姿勢で保持できる。

［切断刃２００の交換作業例］
次に、切断刃２００を交換する場合について説明する。図１５Ａは切断刃２００を結束機本体４０に装填する前の状態を説明するための斜視図であり、図１５Ｂはその断面図である。図１６Ａは切断刃２００の園芸用結束機１００の装填位置への装填時の状態を説明するための斜視図であり、図１６Ｂはその断面図である。図１７Ａは切断刃２００を園芸用結束機１００の装填位置に装填した後の状態を説明するための斜視図であり、図１７Ｂはその断面図である。

図１５Ａおよび図１５Ｂに示すように、ユーザーは、キャップユニット４００を用意し、一方側の手の親指と人差し指とによりキャップ３００の把持部３１０を把持する。続けて、他方側の手によりロック機構５２のリリースボタン５４を押圧した状態でテープガイド４６を外側に回動させて開く。

次に、図１６Ａおよび図１６Ｂに示すように、切断刃２００の凹部２２０（図１０Ａ参照）側を園芸用結束機１００に向けた状態で把持したキャップユニット４００を園芸用結束機１００側に移動させていき、キャップ３００における第１の支持部３５０の第１の凸部３５０ａを園芸用結束機１００に設けられた凹部５９に嵌め込む。これに伴い、切断刃２００の凹部２２０がロック機構５２のリリースボタン５４に嵌め込まれる。続けて、ユーザーがリリースボタン５４から他方側の手を離すことで、切断刃２００がロック機構５２よってロックされる。

次に、図１７Ａおよび図１７Ｂに示すように、ユーザーは、一方の手により把持したキャップ３００を外側に引っ張ることで切断刃２００からキャップ３００を引き抜く。本実施の形態では、このような一連の動作により切断刃２００の交換作業が行われる。

［ロック機構５２の動作例］
次に、切断刃２００を結束機本体４０にロックおよびロック解除する場合のロック機構５２の動作の一例について説明する。図１８Ａはリリースボタン５４を押していない場合のロック機構５２の状態を示す斜視図であり、図１８Ｂはリリースボタン５４を押した場合のロック機構５２の状態を示す斜視図である。図１９Ａはリリースボタン５４を押していない場合の状態をロック機構５２の後方側から見た斜視図であり、図１９Ｂはその平面図である。図２０Ａはロックを解除して切断刃２００を引き抜く際の状態をロック機構５２の後方側から見た斜視図であり、図２０Ｂはその平面図である。

図１８Ａ、図１９Ａおよび図１９Ｂに示すように、リリースボタン５４が押されていない状態では、切断刃２００の凹部２２０内にリリースボタン５４の拡径部５４ｂが位置するので、切断刃２００の凹部２２０がリリースボタン５４の拡径部５４ｂに引っ掛かった状態となる（係止される）。これにより、切断刃２００がテープガイド４６内の最適な位置でロックされる。

図１８Ｂ、図２０Ａおよび図２０Ｂに示すように、ユーザーによりリリースボタン５４が押されると、リリースボタン５４がコイルばね５６の付勢力に抗して後方側に移動する。これにより、切断刃２００の凹部２２０内に、凹部２２０の幅Ｙ２よりも小さい直径Ｘ１のリリースボタン５４の円柱体５４ａが位置するので、切断刃２００のリリースボタン５４によるロックが解除される。この状態で、切断刃２００が外側に引っ張られると、切断刃２００の凹部２２０がリリースボタン５４をすり抜けが可能となり、切断刃２００の結束機本体４０からの引き抜きを行うことができる。

以上説明したように、本実施の形態によれば、切断刃２００の交換時に切断刃２００をキャップ３００により保持するので、切断刃２００の姿勢を安定させることができる。つまり、従来では、ラジオペンチ等で切断刃２００をつかんでいたので、切断刃２００がラジオペンチに対して位置ずれてしまう場合があったが、キャップ３００を使用することで位置ずれの問題を解消できる。これにより、結束機本体４０の装填位置に切断刃２００を正確に装填することができる。

また、本実施の形態によれば、切断刃２００の先端側の歯２３０をキャップ３００により保護するので、切断刃２００の交換時に、切断刃２００の歯２３０が園芸用結束機１００を構成する各部品やユーザーの手に接触することを防止することができる。

また、本実施の形態によれば、切断刃２００をキャップ３００により位置を固定した状態で（動かないように）保持できるので、結束機本体４０の装填位置に強い力で押し込むことができる。これにより、切断刃２００を結束機本体４０の装填位置に容易に切断刃２００を装填することができる。これにより、切断刃２００の歯２３０を傷つけることなく装填位置に装填することができる。

さらに、本実施の形態によれば、切断刃２００を結束機本体４０の装填位置に装填後にキャップ３００を取り外すことになるが、切断刃２００が装填位置までしっかりと装填されている場合にはロック機構５２が働き、切断刃２００は結束機本体４０から抜けず、キャップ３００だけが外れる。これに対し、切断刃２００が装填位置まで装填されていない場合には、キャップ３００と一緒に切断刃２００も抜けてしまうため、取り外したキャップ３００における切断刃２００の装着の有無により切断刃２００が正確に装填位置に装填されているか否かを確認できる。

なお、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に記載の範囲には限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能である。

５９ 凹部（位置合わせ部）
２００ 切断刃
２３０ 歯
３００ キャップ
３１０ 把持部
３２０ 切断刃保持部（保持部）
３３０ 刃先保護部
３４０，３４２ 側面ガイド部
３５０ 第１の支持部（支持部）
３５０ｂ 第２の凸部（位置決め部）
４００ キャップユニット
ＴＰ テープ

Claims (6)

1. テープを切断する切断刃に着脱可能に取り付けられるキャップであって、
   ユーザーにより把持される把持部と、
   前記切断刃の先端部に設けられる歯を前記把持部に対向させた状態で保持する保持部と、
   を備えることを特徴とするキャップ。
2. 前記保持部は、前記切断刃の前記歯が突き当てられる端面を含む保護部を有する
   ことを特徴とする請求項１に記載のキャップ。
3. 前記保持部は、前記把持部の一端側であって前記切断刃の側面部のそれぞれに対応する位置から延設され、前記切断刃の着脱時に当該切断刃の側面部をガイドするガイド部を有する
   ことを特徴とする請求項１または２に記載のキャップ。
4. 前記保持部は、前記把持部の一端側であって隣接する前記ガイド部間の位置から延設され、前記切断刃の第１の面を支持する支持部を有する
   ことを特徴とする請求項３に記載のキャップ。
5. 前記支持部には、園芸用結束機における前記切断刃の装填位置に設けられる位置合わせ部に嵌合する位置決め部が設けられている
   ことを特徴とする請求項４に記載のキャップ。
6. テープを切断する切断刃と、
   前記切断刃に着脱可能に取り付けられるキャップと、を備え、
   前記キャップは、
   ユーザーにより把持される把持部と、
   前記切断刃の先端部に設けられる歯を前記把持部に対向させた状態で保持する保持部と、
   を有することを特徴とするキャップユニット。

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