JP6740737B2 - 園芸用結束機 - Google Patents

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Description

この発明は、農作物栽培において誘引結束作業に使用する園芸用結束機に関する。
従来、農作物を栽培する際の誘引結束作業に園芸用結束機が用いられている。具体的には、例えば、胡瓜、葡萄、トマト等の農作物栽培において、植物の蔓や茎を支柱やネットなどに結束するために園芸用結束機が用いられている。
この種の園芸用結束機は、例えば特許文献1に示すように、先端部からテープを引き出し可能なメインハンドルと、メインハンドルに対して回動可能なクリンチャアームと、を備えている。そして、園芸用結束機の操作ハンドルを軽く握り込むと、クリンチャアームがメインハンドルに対して閉じ方向に回動し、クリンチャアーム先端のテープ把持装置がメインハンドルの先端部から引き出されたテープを把持する。この状態でハンドルの握り込みを解除すると、クリンチャアームがメインハンドルに対して開き方向に回動し、テープが引き出される。テープを引き出してクリンチャアームとメインハンドルとの間にテープが張られた状態にしたら、この引き出したテープに農作物及び支柱を押し付けて、農作物及び支柱をクリンチャアームとメインハンドルとの間に挿入する。この状態で再びハンドルを握り込むと、クリンチャアームがメインハンドルに対して閉じ方向に回動し、テープループが形成される。さらにハンドルを握り込むと、テープループの両端がステープルにより綴じられるとともに、テープループの端部がカッターにより切断され、結束が完了する。
従来の園芸用結束機のテープ把持装置は、例えば特許文献1(図2等)に示すように、3枚の板金を重ねて摺動させることにより、テープ把持装置の牽引針の揺動を制御し、テープを把持する動作を実現している。
特開2004−224412号公報
しかし、上記したような従来の園芸用結束機では、クリンチャアームの先端とメインハンドルの先端とが互いに押し付けられる力を利用してテープ把持装置の作動レバーを押し込み、作動レバーが押し込まれることによって牽引針が作動してテープを掴むようになっていた。このため、作動レバーがクリンチャアームの先端とメインハンドルの先端との押し付け方向(ステープルの打ち込み方向)に配置されており、テープ把持装置がこの方向に長くなっていた。このような配置では、園芸用結束機を作物の間に挿し込むときにテープ把持装置が作物に当たりやすくなってしまう。機械が作物に当たることで、作物を傷付けたり、花芽を落下させてしまったりという問題があった。
そこで、本発明は、機械が作物に当たりにくく、作物の間に機械を挿入し易い園芸用結束機を提供することを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
請求項1記載の発明は、先端部からテープを引き出し可能なメインハンドルと、前記メインハンドルに対して回動可能に取り付けられたクリンチャアームと、前記クリンチャアームの先端部に取り付けられて前記メインハンドルの先端部から引き出された前記テープの端部を把持可能なテープ把持装置と、重ね合わせた前記テープの端部を結着する結着手段と、を備え、前記メインハンドルに対して完全に閉じた状態となった前記クリンチャアームを側面視した場合において、前記結着手段の結着方向を縦方向、前記縦方向に直交する方向を横方向としたときに、前記テープ把持装置は縦方向の幅が横方向の幅の1.5倍以下であり、前記クリンチャアームは、開いた状態で、前記テープ把持装置が作物への挿し込み方向に沿って配置され、前記テープ把持装置を配置した先端が前記メインハンドルと略平行に延びていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、前記テープ把持装置の前方を覆う把持装置カバーを備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は2に記載の発明の特徴点に加え、前記クリンチャアームは、平行に接続された2枚の板金部材で構成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、メインハンドルに対して完全に閉じた状態となったクリンチャアームを側面視した場合において、結着手段の結着方向を縦方向、縦方向に直交する方向を横方向としたときに、テープ把持装置は縦方向の幅が横方向の幅の1.5倍以下である。すなわち、テープ把持装置の縦方向の幅と横方向の幅とがほとんど変わらないようになっており、例えば、クリンチャアームを約45度開いたときのテープ把持装置の縦方向の幅を、完全に閉じた状態のテープ把持装置の横方向の幅の同等以下とすることができる。このような構成によれば、園芸用結束機を作物の間に挿し込むときに、挿し込み方向に直交する方向(縦方向)のテープ把持装置の幅を小さくできるので、テープ把持装置が作物に当たりにくい。よって、作物を傷付けたり、花芽を落下させてしまったりといった問題を防止できる。
なお、従来の構造では、テープ把持装置の縦方向の幅が横方向の幅よりも長くなっているため、テープ把持装置は縦長のままで作物の間に挿し込まれていた。クリンチャアームとメインハンドルとを直角に近くなるまで大きく開けば、テープ把持装置の縦方向の幅を小さくすることはできるが、取り回しや作業性を考慮すれば現実的ではない。この点、本発明は、クリンチャアームとメインハンドルとを大きく開かなくても、テープ把持装置が機械の挿し込み方向に沿って横長に配置された状態となるので、先端をコンパクトにして作物の間に挿し込みやすくすることができる。
また、請求項2に記載の発明は上記の通りであり、テープ把持装置の前方を覆う把持装置カバーを備える。このような構成によれば、テープ把持装置が番線やネットに直接当たることを防止できるので、爪部などが番線やネットに引っ掛かったり、テープ把持装置が作物に当たって傷つけたりといったことを防止できる。
また、請求項3に記載の発明は上記の通りであり、クリンチャアームは、平行に接続された2枚の板金部材で構成されている。このような構成によれば、クリンチャアームの形状を自由に設定できるため、アームを曲線状に形成して、番線やネットに引っ掛かりにくく、作物を傷つけにくい形状とすることができる。また、板金部材の間から先端方向を視認できるので、園芸用結束機を作物の間に挿し込むときに狙いやすい。
なお、従来のように1枚の曲げ板金でクリンチャアームを形成した場合、クリンチャアームを直線的な形状とせざるを得なかった。このため、クリンチャアームをL字形に形成せざるをえず、クリンチャアームの前面が作物等に当たりやすいという問題があった。この点、本発明によれば、クリンチャアームの形状を決定する上での制約事項が少ないため、作物等に当たりにくい形状(例えばC字形)のクリンチャアームとすることができる。
園芸用結束機の外観斜視図である。 園芸用結束機の側面図であって、クリンチャアームをメインハンドルに対して開いた状態の図である。 園芸用結束機の側面図であって、クリンチャアームをメインハンドルに対して完全に閉じた状態の図である。 操作ハンドルのカバー材を取り外した園芸用結束機の側面図であって、クリンチャアームをメインハンドルに対して開いた状態の図である。 操作ハンドルのカバー材を取り外した園芸用結束機の側面図であって、クリンチャアームをメインハンドルに対して完全に閉じた状態の図である。 園芸用結束機の先端付近の拡大断面図である。 園芸用結束機の先端付近の内部構造を示す斜視図である。 (a)テープガイドを前方から見た斜視図、(b)テープガイドを後方から見た斜視図である。 支持部の斜視図である。 把持部材の斜視図である。 ロック部材の(a)斜視図、(b)側面図である。 園芸用結束機の一部拡大断面図であって、把持動作を実行する前の状態の図である。 園芸用結束機の一部拡大斜視図であって、把持動作を実行する前の状態の図である。 テープガイドとロック部材及び支持部との関係を説明する図であって、テープガイドがロック部材及び支持部に接触する前の状態の図である。 テープガイドとロック部材及び支持部との関係を説明する図であって、テープガイドがロック部材を押し上げた状態の図である。 テープガイドとロック部材及び支持部との関係を説明する図であって、テープガイドが支持部に突き当てられた状態の図である。 園芸用結束機の一部拡大断面図であって、把持部材がテープガイドと協働してテープを把持した状態の図である。 園芸用結束機の一部拡大断面図であって、把持部材が支持部と協働してテープを把持した状態の図である。 園芸用結束機の一部拡大断面図であって、テープ把持装置でテープを把持して引き出した状態の図である。 園芸用結束機の一部拡大断面図であって、テープガイドが把持部材に接触した状態の図である。 園芸用結束機の一部拡大断面図であって、テープガイドが把持部材の傾斜面に沿って移動した状態の図である。 園芸用結束機の一部拡大断面図であって、テープを切断した状態の図である。 園芸用結束機の内部構造を示す図であって、クリンチャアームをメインハンドルに対して完全に閉じた状態の図である。 園芸用結束機を後方から見た外観斜視図である。 従来の園芸用結束機の側面図である。 従来の園芸用結束機の内部構造を示す図であって、クリンチャアームをメインハンドルに対して完全に閉じた状態の図である。
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。なお、以下の説明において前方とは園芸用結束機10の使用時に被結束物Sに臨む方向(図2における右方向)を意味し、後方とは前方の逆方向(図2における左方向)を意味する。
本実施形態に係る園芸用結束機10は、農作物栽培において誘引結束作業に使用されるものであり、図1〜3に示すように、直線的に形成された細長のメインハンドル11と、メインハンドル11に対して回動可能に取り付けられたクリンチャアーム30と、クリンチャアーム30に対して回動可能に取り付けられた操作ハンドル50と、を備えている。クリンチャアーム30は、図4に示すように、引張バネ25によって常時付勢されており、通常時においてはメインハンドル11に対して開いた状態となっている。この状態から操作ハンドル50とメインハンドル11とを握り込むことで、図3に示すように、クリンチャアーム30がメインハンドル11に対して閉じ方向に回動するようになっている。そして、クリンチャアーム30がメインハンドル11に対して所定の位置まで閉じ方向に回動したときに、メインハンドル11の先端部11aからテープ60を引き出すために、クリンチャアーム30の先端部30aでテープ60を把持する把持動作が実行されるとともに、クリンチャアーム30がメインハンドル11に対して前記所定の位置から更に閉じ方向に回動して完全に閉じた状態(閉じ状態)となったときに、テープ60で被結束物Sを結束してテープ60を切断する結束動作が実行されるようになっている。すなわち、把持動作の際には、ハンドルが完全に閉じる位置まで握り締めずに、所定の位置までクリンチャアーム30をメインハンドル11に対して回動させる。一方、結束動作の際には、ハンドルが完全に閉じる位置まで握り締める操作をして、クリンチャアーム30をメインハンドル11に対して前記所定の位置から更に閉じ方向に回動させる。このように、握り締め操作の終点位置によって把持動作と結束動作とを切り替え可能となっている。
被結束物Sを結束するときには、まずハンドルを握り込んでクリンチャアーム30をメインハンドル11に対して閉じ方向に回動させる。これにより、クリンチャアーム30の先端部30aでテープ60を把持する把持動作が実行される。その後、ハンドルの握り込みを解除してクリンチャアーム30をメインハンドル11に対して開き方向に回動させると、図19に示すように、テープ60を把持した状態でクリンチャアーム30の先端部30aとメインハンドル11の先端部11aとが互いに離れていき、クリンチャアーム30とメインハンドル11との間にテープ60が張られた状態となる。この状態で張られたテープ60の外側から苗木や枝などの被結束物Sを入れ込み、再びハンドルを握り込んでクリンチャアーム30をメインハンドル11に対して閉じ方向に回動させる。これにより、図22に示すように、被結束物Sを結束するテープループの両端がステープル61で結着され、テープ60が切断される(結束動作が実行される)。このように、1回目の握り込み動作では把持動作が実行され、2回目の握り込み動作では結束動作が実行される。そして、この把持動作と結束動作とを交互に実行することで、被結束物Sを結束可能となっている。なお、本実施形態においては、テープループの両端を結着する結着手段としてステープル61を使用しているが、これに限らず、接着や溶着によってテープループの両端を結着するようにしてもよい。
メインハンドル11は、図1等に示すように、直線的に形成された棒状の部材であり、長手方向に沿ってテープ60やステープル61を配置できるように形成されている。このメインハンドル11には、ステープルマガジン12と、プッシャユニット13と、テープガイド16と、ステープルドライバ18と、テープマガジン20と、が取り付けられている。
ステープルマガジン12は、ステープル61を収容するための長尺部材である。このステープルマガジン12は、図1等に示すように、メインハンドル11の長手方向に沿って配置されており、内部にステープル61を収容可能となっている。ステープルマガジン12に収容されるステープル61は、コ字形に形成された複数のステープル61を接着剤で接合したものが使用される。ステープルマガジン12に収容されたステープル61は、後述するプッシャユニット13によって先端方向へと押し付けられる。ステープルマガジン12の先端には、後述するステープルドライバ18を導入するための長孔が設けられている。また、このステープルマガジン12は、後端側に設けられた軸を中心にメインハンドル11に対して揺動可能に取り付けられている。
プッシャユニット13は、図1等に示すように、ステープルマガジン12内に挿抜可能に取り付けられる部材である。このプッシャユニット13は、図6等に示すように、ステープルマガジン12内のステープル61を前方へと付勢している。ステープルマガジン12内にステープル61をセットするときには、このプッシャユニット13を引き下げて、ステープルマガジン12の上方からステープル61を挿入する。
ステープルドライバ18は、図6等に示すように、ステープルマガジン12の先端付近に臨むようにメインハンドル11の先端部11aに固定されたプレートである。このステープルドライバ18は、ステープル61を1つだけ打ち出せるようにステープル61の幅とほぼ同じ幅で形成されている。クリンチャアーム30がメインハンドル11に対して完全に閉じた状態まで回動すると、図22に示すように、ステープルドライバ18がステープルマガジン12内に進入して、ステープルマガジン12内の先頭のステープル61を打ち出すようになっている。詳しくは、クリンチャアーム30が閉じ方向に移動すると、クリンチャアーム30がステープルマガジン12を押してステープルドライバ18の方向へと揺動させる。ステープルマガジン12が揺動することで、ステープルドライバ18がステープルマガジン12の内部へと進入し、ステープル61を打ち出すようになっている。打ち出されたステープル61は、テープ60を貫通した後に、後述するクリンチャ33にクリンチされてテープ60を抱き込むように両脚が屈折し、これにより重ね合わせたテープ60の端部60aが結着されるようになっている。
テープマガジン20は、図1等に示すように、メインハンドル11の後端部に連設されてテープ60を収容するためのものである。このテープマガジン20は、リール状に巻回されたテープ60を収容可能であり、テープ60を出し入れするために開閉可能な蓋を備えている。このテープマガジン20に収容されたテープ60は、メインハンドル11に沿って、メインハンドル11の先端部11aまで引き出される。メインハンドル11の先端部11aまで引き出されたテープ60は、図12及び図13に示すように、後述するテープガイド16によって端部60aが保持される。
テープガイド16は、図6及び図7に示すように、メインハンドル11の先端部11aに配置されており、メインハンドル11に設けられたテープガイド揺動軸19を中心に揺動可能に取り付けられている。このテープガイド16は、図13に示すように、中央にテープ60を引き出し可能にガイドする誘導路を備えている。このテープガイド16の誘導路は、挿通したテープ60が外れないようにテープ60の両側部、前面、後面の四方向を覆うような形状となっている。この誘導路に挿通したテープ60は先端から引き出されてクリンチャアーム30に臨むようになっている。このテープ60の端部60aは、後述するクリンチャアーム30のテープ把持装置35によって把持されて必要量が引き出される。
このテープガイド16は、図8に示すように、揺動軸孔16aと、スリット16bと、背面部16cと、突き当て部16dと、テープ保持部16eと、切断刃取付部16fと、を備える。
揺動軸孔16aは、テープガイド揺動軸19を貫通させるための丸穴である。この揺動軸孔16aは、テープガイド16の下方(クリンチャアーム30から見て遠い側)に設けられている。この揺動軸孔16aがテープガイド揺動軸19に軸支されることで、テープガイド16はクリンチャアーム30に臨む端部が前方へと揺動可能となっている。なお、特に図示しないが、テープガイド16は付勢部材によって常に後方へと付勢されている。
背面部16cは、テープ60を後方から支持する板状の部位である。この背面部16cの両側からは、テープ保持部16eが前方に突出して設けられている。テープ保持部16eは、背面部16cと協働してテープ60を保持するためのものである。本実施形態においては、上下の二箇所にそれぞれ一対のテープ保持部16eを設けており、4つのテープ保持部16eが設けられている。それぞれのテープ保持部16eは略L字形に形成されており、上下それぞれ一対のテープ保持部16eの先端が互いに対向するように配置されている。これにより、対向するテープ保持部16eの先端の間に、スリット16bが形成されている。このスリット16bは、後述する把持部材37を誘導路内に進入可能とするためのものでる。
突き当て部16dは、図8に示すように、背面部16cの上端縁に形成されており、後述する把持部材37の傾斜面37dに接触し、この傾斜面37dに沿って摺動するための部位である。この突き当て部16dは、R状に先端方向へ突出して形成されており、これにより把持部材37の傾斜面37dの両側のエッジに接触しないように形成されている。傾斜面37dのエッジに接触しないようにすることで、後述するように突き当て部16dと把持部材37とでテープ60を挟み込んで引っ張ったときに、テープ60に穴が開いたり切れたりすることを防止している。
切断刃取付部16fは、被結束物Sの結束後にテープ60を切断する切断刃17を固定するための部位である。この切断刃取付部16fには、図6等に示すように、テープ60の誘導路よりも後方で、テープ60の誘導路に対して角度を形成するように、切断刃17が取り付けられる。このように切断刃17をテープガイド16に固定することで、テープガイド16が揺動したときに、切断刃17がテープガイド16に連動して揺動するようになっている。
すなわち、図12に示すように、通常時における切断刃17は、刃先17aが後方を向くように配置されているが、テープ60を切断するときには、図22に示すように、刃先17aが上方を向くように移動する。このように、本実施形態に係る切断刃17は、テープ60を切断するときに、刃先17aがテープ60に臨むように露出する。なお、本実施形態においてはテープ60がテープガイド16に連動して揺動するようにしているが、例えばテープガイド16が直進方向に移動するように形成し、このテープガイド16に連動して切断刃17が直進方向に移動するようにしてもよい。また、切断刃17が移動するのではなく、テープガイド16やステープルマガジン12などの切断刃17近傍の部材が移動し、切断刃17の刃先17aがテープ60に臨むように露出する構造としてもよい。
なお、上記したテープガイド16及び切断刃17の両側は、図1に示すように、メインハンドル11の一部である側壁部11bによって覆われており、図2及び図6等に示すように、側面視でテープガイド16及び切断刃17が露出しないようになっている。言い換えると、メインハンドル11は、側面視で切断刃17の刃先17aに重なるように配置された側壁部11bを備えている。この側壁部11bは、切断刃17の状態にかかわらず(切断刃17が移動した前後のいずれにおいても)、側面視で常に切断刃17の刃先17aに重なるように配置されている。このため、メインハンドル11の先端部11aで異物を挟み込んだとしても、切断刃17が異物に刺さることがない。なお、この側壁部11bの後方は傾斜部11cとなっており、メインハンドル11の先端部11aで被結束物Sを挟み込んだ場合でも、被結束物Sを後方(メインハンドル11及びクリンチャアーム30の内側)に誘導するようになっている。
また、図4及び図5に示すように、メインハンドル11の両側には、ローラ状係合部14が突出形成されており、メインハンドル11の下面には、指掛部15が突出形成されている。ローラ状係合部14は、後述する操作ハンドル50のリンク部52を摺動案内するための突起である。指掛部15は、メインハンドル11と操作ハンドル50とを握り込んだときに、握り込んだ指を引っ掛けるための突起である。
クリンチャアーム30は、図1等に示すように、平行に接続された一対の板金部材30bで構成されている。このクリンチャアーム30は、メインハンドル11との間にC字形の開口部を形成できるように、先端部30aの方向へ曲線的に延びるアーム部32を備えている。このクリンチャアーム30は、後端部付近に設けられた回転軸31によってメインハンドル11に対して回動可能に取り付けられている。
このクリンチャアーム30には、クリンチャ33と、テープ把持装置35と、把持装置カバー41と、が取り付けられている。
クリンチャ33は、前述したステープルドライバ18の先端に対向するように、クリンチャアーム30の先端部30aに固定されている。これにより、図22に示すように、ステープルドライバ18によってステープル61が打ち出されたときに、打ち出されたステープル61の両脚がクリンチャ33によってクリンチされて内側に折り曲げられるようになっている。クリンチャ33がステープル61の両脚を内側に折り曲げることで、テープ60が綴じられて結着されるようになっている。
テープ把持装置35は、クリンチャアーム30の先端部30aに取り付けられ、メインハンドル11の先端部11aから引き出されたテープ60の端部60aを把持可能な装置である。このテープ把持装置35は、支持部36と、把持部材37と、把持部材付勢手段38と、ロック部材39と、ロック部材付勢手段40と、を備える。
支持部36は、図6等に示すように、テープ60の引き出し方向に沿ってクリンチャアーム30に固定されており、テープ60の後面を支持可能な板状の受部36aを備える。この受部36aには、図9に示すように、凹部36bが形成されている。この凹部36bは、後述する把持部材37の接触部37cに係合する箇所であり、テープ60よりも幅狭で、接触部37cよりも幅広の溝を備えている。また、受部36aの両側には、移動規制部36cが突出形成されている。この移動規制部36cは、テープガイド16を当接させることでクリンチャアーム30の回動を規制するために設けられている。
把持部材37は、支持部36に対向するように設けられており、テープ60を掴むために支持部36の方向へ作動可能に設けられている。この把持部材37は、図10に示すように、回動軸孔37aと、爪部37bと、接触部37cと、傾斜面37dと、谷状部37eと、周面37fと、被係止部37gと、回転阻止部37iと、を備える。
回動軸孔37aは、把持部材回動軸42を貫通させるための孔であり、この回動軸孔37aに把持部材回動軸42を貫通させることで、把持部材37はクリンチャアーム30に対して回動可能に軸支されている。
爪部37bは、支持部36の受部36aと協働してテープ60を掴むための突出部である。この爪部37bの先端には、上述した凹部36bに入り込むことができる接触部37cが形成されている。これにより、把持部材37が作動したときに、支持部36及び把持部材37の互いに係合する凹凸形状(凹部36b及び接触部37c)によって、テープ60を強固に把持可能となっている。すなわち、この凹凸形状でテープ60を把持すると、テープ60の中間部が凹部36bの溝に押し込まれた状態となる。この状態では、折れ曲がったテープ60の復元力が凹部36bのエッジ部分に作用して摩擦力が大きくなるため、テープ60が抜けにくくなっている。
上記した爪部37bの、メインハンドル11側の面は、傾斜面37dを形成している。この傾斜面37dは、テープガイド16の突き当て部16dに臨むように配置されており、テープガイド16の突き当て部16dを接触させて誘導するために設けられている。また、この傾斜面37dの反先端側には、谷状部37eが設けられている。この谷状部37eは、傾斜面37dに沿って摺動したテープガイド16がそれ以上摺動できないようにするためのものであり、傾斜面37dに対して角度を設けることで形成されている。
また、把持部材37の、反メインハンドル11側の周面37fには、被係止部37g及び回転阻止部37iが設けられている。この被係止部37g及び回転阻止部37iは、把持部材37の周面37fに突出形成された突起を利用して形成されており、後述するロック部材39を係合させるためのものである。ロック部材39は、この把持部材37の周面37fに沿って移動し、状況に応じて被係止部37gまたは回転阻止部37iに係合可能となる。
把持部材付勢手段38は、把持部材37を支持部36の方向に付勢するためのものである。本実施形態に係る把持部材付勢手段38は、図7等に示すような捩りコイルバネである。この把持部材付勢手段38が把持部材37を付勢することで、後述するロック部材39によるロックが解除されたときに把持部材37が作動し、支持部36と把持部材37とでテープ60を両側から挟み込んで把持可能となっている。
ロック部材39は、把持部材37に係合することで把持部材付勢手段38の付勢力に抗して把持部材37を待機位置に保持するためのものである。このロック部材39は、図11に示すように、回動軸孔39aと、係止部39bと、被押圧部39cと、を備える。
回動軸孔39aは、ロック部材回動軸43を貫通させるための孔である。この回動軸孔39aにロック部材回動軸43を貫通させることで、ロック部材39はクリンチャアーム30に対して回動可能に軸支されている。
係止部39bは、把持部材37の移動を規制するための部位であり、把持部材37に係合可能に突出形成されている。この係止部39bは、図6等に示すように把持部材37の周面37fに対向配置されており、周面37fに形成された被係止部37g及び回転阻止部37iに係合可能となっている。具体的には、係止部39bが被係止部37gに係合することで、図12に示すように、テープ把持装置35がテープ60を把持せずに開いた待機状態を取り得るように形成されている。そして、ロック部材39が回動して係止部39bが被係止部37gから外れると、図18に示すように、テープ把持装置35がテープ60を把持可能に閉じた把持状態を取り得るように形成されている。この把持状態においては、係止部39bが回転阻止部37iに係合可能に臨んでおり、把持部材37の移動が阻止されるようになっている。回転阻止部37iが係止部39bに臨むことで、ロック部材39が再び回動するまでは、テープ把持装置35が把持状態を維持するようになっている。
被押圧部39cは、ロック部材39を揺動させるときに押し上げられる部位であり、図7等に示すように、テープガイド16の先端に臨むように配置されている。このように配置することで、クリンチャアーム30をメインハンドル11に対して閉じ方向に回動させたときに、テープガイド16が後述するロック部材付勢手段40の付勢力に抗してロック部材39を押動するように構成されている。
ロック部材付勢手段40は、ロック部材39を把持部材37に係合する方向に付勢するためのものである。本実施形態に係るロック部材付勢手段40は、図7等に示すような圧縮バネである。このロック部材付勢手段40がロック部材39を付勢することで、ロック部材39の係止部39bは、常に被係止部37gまたは回転阻止部37iに係合する方向に付勢されている。
把持装置カバー41は、上記したテープ把持装置35を覆うカバーであり、図12及び図13に示すように、クリンチャアーム30の2枚の板金部材30bの間に固定されている。本実施形態に係る把持装置カバー41は、左右に分割可能な分割片で構成されており、内部にテープ把持装置35を収容している。この把持装置カバー41は、下方が開口しており、この開口の奥にテープ把持装置35の受部36aや爪部37bが配置されている。この把持装置カバー41は、図12に示すように、テープ把持装置35の前方を覆う前方突出部41aを備えている。この前方突出部41aが板金部材30bの先端よりも前方に突出しているため、作物の間にクリンチャアーム30を挿し込むときには、曲線的に形成された前方突出部41aのみが作物等に当たり、テープ把持装置35が作物等に当たらないようになっている。
操作ハンドル50は、図2〜5に示すように、園芸用結束機10の本体に固定された基部材51と、基部材51に着脱可能なカバー材55と、を備える。
基部材51は、メインハンドル11やクリンチャアーム30に直接作用する金属製の部品である。この基部材51は、図4及び図5に示すように、回動支点51aを軸に回動可能にクリンチャアーム30に取り付けられている。そしてこの回動支点51aから見て一方にメインハンドル11に係合するリンク部52を備えるとともに、回動支点51aから見て他方にハンドル支持部53を備える。なお、ハンドル支持部53は、カバー材55を取り付けることでレバー操作部55cとして機能する部位である。
リンク部52は、メインハンドル11に係合して梃子の作用点となる部分である。このリンク部52の先端にはフック52cが形成され、このフック52cがメインハンドル11のローラ状係合部14に係合することで、図4に示すように、クリンチャアーム30がメインハンドル11に対して所定の角度で開いた状態を維持するようになっている。
この状態から、操作ハンドル50とメインハンドル11とを握り締めると、図5に示すように、フック52cがローラ状係合部14から外れ、リンク部52の前面に形成された摺動面52aの上をローラ状係合部14が摺動する。このように摺動面52aがローラ状係合部14に沿って滑ることにより、クリンチャアーム30がメインハンドル11に対して閉じ方向に回動する。なお、ローラ状係合部14を係合させる摺動面52aは、ステープル61を打ち出す際の操作荷重を低減するために傾斜が段階的に変化している。すなわち、把持動作を行うときの摺動面52aの傾斜よりも、結束動作を行うときの傾斜を大きくすることで、同じ操作荷重でも結束動作を行うときにより大きな力を得ることができるようにしている。このようにすることで、大きな力を必要とする結束動作であっても、軽い操作荷重で操作できるようにしている。このように摺動面52aの傾斜が変化するため、摺動面52aの傾斜が変化する部分には突部52bが形成されている。
カバー材55は、図2等に示すように、基部材51が露出しないように覆う部材であり、操作ハンドル50の外部に接触したり操作されたりする部分はすべてカバー材55で覆われている。このカバー材55は、フックカバー部55aと、レバー操作部55cと、を備える。
フックカバー部55aは、上記したリンク部52や、メインハンドル11とクリンチャアーム30との交差部X(図4及び図5参照)を覆う部位である。このフックカバー部55aの側面には、図1等に示すように、レバー操作部55cとメインハンドル11とを握り込んだ指に沿う曲線突起55bが設けられている。このような曲線突起55bを設けることで、握り込み易く、機械を上向きで保持したときでも軽い握り込みで保持することができる操作ハンドル50が実現されている。
レバー操作部55cは、ハンドル支持部53を覆う部位であり、操作ハンドル50を操作するときに作業者が握り込む部位である。このレバー操作部55cがメインハンドル11へと接近する方向へ握り込み操作されると、基部材51が回動支点51aを中心に回動し、リンク部52がメインハンドル11に作用することで、メインハンドル11とクリンチャアーム30とが互いに閉じ方向に回動する。
次に、この園芸用結束機10の使用方法について説明する。
この園芸用結束機10で結束作業を行うときには、まず、図12及び図13に示すように、ロック部材39と把持部材37とを係合させ、把持部材37を待機状態としておく。
この状態でハンドルを握り込んでクリンチャアーム30をメインハンドル11に対して閉じ方向に回動させると、図14に示すように、テープガイド16のテープ保持部16eがロック部材39の被押圧部39cに当たる。
更にクリンチャアーム30を回動させると、図15に示すように、ロック部材39が押し上げられて回動する。ロック部材39が回動することで、ロック部材39の係止部39bが把持部材37の被係止部37gから外れ、把持部材37が回動する。これにより、把持部材37の爪部37bがテープガイド16の背面部16cに押し付けられ、テープガイド16から引き出されたテープ60の端部60aがテープガイド16の誘導路内で把持される。
このとき、更にクリンチャアーム30を回動させようとすると、図16に示すように、テープガイド16のテープ保持部16eが支持部36の移動規制部36cに当たる。このように、本実施形態においては、テープガイド16が、クリンチャアーム30の回動を規制する移動規制手段として機能するようになっている。このようにクリンチャアーム30の回動が規制されることで、クリンチャアーム30は完全に閉じた状態(結束動作を実行する閉じ状態)まで回動できないようになっている。なお、テープガイド16がクリンチャアーム30の回動を規制するか否かは、テープ把持装置35の状態によって自動的に切り替わる。すなわち、テープ把持装置35が待機状態にあるときには、上記したようにクリンチャアーム30の回動を規制するが、テープ把持装置35が把持状態にあるときには、テープガイド16がテープ把持装置35に作用することで(詳しくは後述)、クリンチャアーム30の回動を規制しない位置まで移動するようになっている(図21参照)。
このように1回目の握り込み動作を行うと、図17に示すように、把持部材37がテープガイド16の誘導路内に進入し、誘導路内でテープガイド16の背面部16cと協働してテープ60を把持する。この状態でハンドルの握り込みが解除されてクリンチャアーム30がメインハンドル11に対して開き方向に回動すると、図18に示すように、把持部材37がテープ60を把持した状態で誘導路内を滑り、誘導路を抜けたところで支持部36と協働してテープ60を把持する。
さらにクリンチャアーム30をメインハンドル11に対して開き方向に回動させると、図19に示すように、テープ60を把持した状態でクリンチャアーム30の先端部30aとメインハンドル11の先端部11aとが互いに離れていき、クリンチャアーム30とメインハンドル11との間にテープ60が張られた状態となる。
この状態で、張られたテープ60の外側から苗木や枝などの被結束物Sを入れ込み、クリンチャアーム30を閉じ方向に回動させると、図20に示すように、被結束物Sを結束するテープループが形成される。
図20の状態から更にハンドルを握り込んでクリンチャアーム30をメインハンドル11に対して閉じ方向に回動させると、テープガイド16の突き当て部16dが把持部材37の傾斜面37dに突き当たり、突き当て部16dが把持部材37の傾斜面37dにガイドされて前方へと移動する。このようにテープマガジン20が前方へと移動することで、テープ保持部16eが支持部36の移動規制部36cに当たらない位置へとテープガイド16が退避する。テープガイド16が退避することで、テープガイド16によるクリンチャアーム30の回動規制が解除され、クリンチャアーム30を完全に閉じた状態(結束動作を実行する閉じ状態)まで回動可能な状態となる。なお、このようにテープマガジン20が移動し始めた段階では、ロック部材39の係止部39bが把持部材37の回転阻止部37iに臨んでおり、把持部材37の移動が規制されている。
そして、図21に示すように、突き当て部16dが傾斜面37dの先にある谷状部37eに係合するまでテープマガジン20が前方へと揺動する。このように突き当て部16dが谷状部37eに係合すると、テープガイド16と把持部材37とで協働してテープ60を保持した状態となる。なお、突き当て部16dが谷状部37eに係合する直前に、テープマガジン20のテープ保持部16eがロック部材39の被押圧部39cを押し上げて、ロック部材39を揺動させる。これにより、把持部材37の移動規制が解除される。
この図21の状態から更にハンドルを握り込んでクリンチャアーム30をメインハンドル11に対して閉じ方向に回動させると、図22に示すように、テープマガジン20と把持部材37とが一緒に前方へと倒れこむ。このとき、テープマガジン20はテープ60を保持しつつ移動するため、テープ60に張力が付与される。テープマガジン20と一緒に把持部材37が移動することで、テープ把持装置35がテープ60を離すが、離されたテープ60は、張力が付与されたテープ60によって下から押さえこまれているので、クリンチャアーム30の先端部30aから外れることはない。そして、テープマガジン20が揺動することで、テープマガジン20に固定された切断刃17がテープ60に接近する方向へ揺動し、張り詰められたテープ60を切断する。同時に、切断刃17よりも後方でステープルドライバ18によってステープル61が打ち込まれる。
なお、この図22に示すように、クリンチャアーム30をメインハンドル11に対して閉じ方向に回動させる過程で、テープマガジン20のテープ保持部16eが、ロック部材39の被押圧部39cから外れる。このため、ロック部材39を押し上げていた力がなくなるので、ロック部材39はロック部材付勢手段40の付勢力によって移動し、把持部材37に係合可能な状態となる。また、把持部材37は、テープマガジン20と一緒に移動することで、待機状態よりも前方まで移動している。
最後に、ハンドルの握り込みを解除してクリンチャアーム30をメインハンドル11に対して開き方向に回動させると、図12に示すように、把持部材37がロック部材39に係合してテープ把持装置35が待機状態となる。このように、園芸用結束機10が初期状態に戻り、1回の結束作業が完了する。
ところで、本実施形態に係るテープ把持装置35は、図23に示すように、メインハンドル11に対して完全に閉じた状態となったクリンチャアーム30を側面視した場合において、結着手段の結着方向を縦方向(図23の上下方向)、この縦方向に直交する方向を横方向(図23の左右方向)としたときに、縦方向の幅Hが横方向の幅Wとほぼ等しくなっており、少なくとも、縦方向の幅Hが横方向の幅Wの1.5倍以下となっている。なお、結着手段の結着方向は、本実施形態においてはステープルドライバ18によるステープル61の打ち込み方向であるが、接着や溶着によりテープ60を結着する場合でも同様に考えることができる。結着手段の結着方向は、クリンチャアーム30の先端部30aとメインハンドル11の先端部11aとの押し付け方向であるとも言える。
これに対し、従来のテープ把持装置35は、図26に示すように、メインハンドル11に対して完全に閉じた状態となったクリンチャアーム30を側面視した場合において、縦方向の幅Hが横方向の幅Wの倍以上となっており、縦長の形状となっている。このため、図25に示すように、クリンチャアーム30を開いた状態でも、クリンチャアーム30の先端が縦方向に大きくなっており、園芸用結束機10を作物の間に挿し込むときにテープ把持装置35が作物に当たりやすくなっていた。しかも、テープ把持装置35の爪などが露出しており、作物を傷付けやすくなっていた。
この点、本実施形態によれば、図2等に示すように、クリンチャアーム30を開いた状態でクリンチャアーム30の先端が横長となっており(縦方向の幅Hが横方向の幅Wよりも小さくなっており)、テープ把持装置35を配置したクリンチャアーム30の先端がメインハンドル11と略平行に延びている。このように、テープ把持装置35が機械の挿し込み方向に沿って配置されるので、機械を作物の間に挿し込みやすくなっている。しかも、テープ把持装置35が把持装置カバー41で覆われて露出していないので、テープ把持装置35が作物に当たって傷付けることも防止される。また、作物の間から機械を抜くときにも、作物を傷付けにくくなっている。
なお、本実施形態に係るクリンチャアーム30は、一対の板金部材30bで構成されているため、図2等に示すような曲線的な形状とすることができる。よって、従来の園芸用結束機10のような角ばったクリンチャアーム30(図25参照)ではなく、作物を傷付けない形状とすることができる。しかも、一対の板金部材30bで構成されているため、図24に示すように、園芸用結束機10を持って作業をするときに一対の板金部材30bの隙間から前方を見ることができ、作業がしやすい。
以上説明したように、本実施形態によれば、メインハンドル11に対して完全に閉じた状態となったクリンチャアーム30を側面視した場合において、結着手段の結着方向を縦方向、縦方向に直交する方向を横方向としたときに、テープ把持装置35は縦方向の幅Hが横方向の幅Wの1.5倍以下である。すなわち、テープ把持装置35の縦方向の幅Hと横方向の幅Wとがほとんど変わらないようになっており、クリンチャアーム30が曲線状に形成されているため、クリンチャアーム30を約45度開いたときのテープ把持装置35の縦方向の幅Hを、完全に閉じた状態のテープ把持装置35の横方向の幅Wの同等以下とすることができる。このような構成によれば、園芸用結束機10を作物の間に挿し込むときに、挿し込み方向に直交する方向(縦方向)のテープ把持装置35の幅を小さくできるので、テープ把持装置35が作物に当たりにくい。よって、作物を傷付けたり、花芽を落下させてしまったりといった問題を防止できる。
なお、従来のテープ把持装置35は、縦方向の幅Hが横方向の幅Wよりも長く構成されているため、テープ把持装置35は縦長のままで作物の間に挿し込まれていた。クリンチャアーム30とメインハンドル11とを直角に近くなるまで大きく開けば、テープ把持装置35の縦方向の幅Hを小さくすることはできるが、取り回しや作業性を考慮すれば現実的ではない。この点、本実施形態に係る園芸用結束機10は、クリンチャアーム30とメインハンドル11とを大きく開かなくても、テープ把持装置35が機械の挿し込み方向に沿って横長に配置された状態となるので、先端をコンパクトにして作物の間に挿し込みやすくすることができる。
また、テープ把持装置35の前方を覆う把持装置カバー41を備える。このような構成によれば、テープ把持装置35が番線やネットに直接当たることを防止できるので、爪部37bなどが番線やネットに引っ掛かったり、テープ把持装置35が作物に当たって傷つけたりといったことを防止できる。
また、クリンチャアーム30は、平行に接続された2枚の板金部材30bで構成されている。このような構成によれば、クリンチャアーム30の形状を自由に設定できるため、アーム部32を曲線状に形成して、番線やネットに引っ掛かりにくく、作物を傷つけにくい形状とすることができる。また、板金部材30bの間から先端方向を視認できるので、園芸用結束機10を作物の間に挿し込むときに狙いやすい。
なお、従来のように1枚の曲げ板金でクリンチャアーム30を形成した場合、クリンチャアーム30を直線的な形状とせざるを得なかった。このため、クリンチャアーム30をL字形に形成せざるをえず、クリンチャアーム30の前面が作物等に当たりやすいという問題があった。この点、本実施形態に係る園芸用結束機10によれば、クリンチャアーム30の形状を決定する上での制約事項が少ないため、作物等に当たりにくい形状(例えばC字形)のクリンチャアーム30とすることができる。
なお、上記した実施形態においては、テープ把持装置35がテープ60を挟み込んで把持するようにしているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば、従来使用されているような、テープ60に爪を突き刺してテープ60を保持する機構であっても本実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記した実施形態においては、メインハンドル11に対して完全に閉じた状態となったクリンチャアーム30を側面視した場合において、テープ把持装置35は縦方向の幅Hが横方向の幅Wの1.5倍以下であるとしたが、縦方向の幅Hが横方向の幅Wの1.2倍以下であることが望ましく、縦方向の幅Hが横方向の幅Wの1.1倍以下であることが更に望ましい。
10 園芸用結束機
11 メインハンドル
11a 先端部
11b 側壁部
11c 傾斜部
12 ステープルマガジン
13 プッシャユニット
14 ローラ状係合部
15 指掛部
16 テープガイド
16a 揺動軸孔
16b スリット
16c 背面部
16d 突き当て部
16e テープ保持部
16f 切断刃取付部
17 切断刃
17a 刃先
18 ステープルドライバ
19 テープガイド揺動軸
20 テープマガジン
25 引張バネ
30 クリンチャアーム
30a 先端部
30b 板金部材
31 回転軸
32 アーム部
33 クリンチャ
35 テープ把持装置
36 支持部
36a 受部
36b 凹部
36c 移動規制部
37 把持部材
37a 回動軸孔
37b 爪部
37c 接触部
37d 傾斜面
37e 谷状部
37f 周面
37g 被係止部
37i 回転阻止部
38 把持部材付勢手段
39 ロック部材
39a 回動軸孔
39b 係止部
39c 被押圧部
40 ロック部材付勢手段
41 把持装置カバー
41a 前方突出部
42 把持部材回動軸
43 ロック部材回動軸
50 操作ハンドル
51 基部材
51a 回動支点
52 リンク部
52a 摺動面
52b 突部
52c フック
53 ハンドル支持部
55 カバー材
55a フックカバー部
55b 曲線突起
55c レバー操作部
60 テープ
60a 端部
61 ステープル
S 被結束物
X 交差部
W 横方向の幅
H 縦方向の幅

Claims (3)

  1. 先端部からテープを引き出し可能なメインハンドルと、
    前記メインハンドルに対して回動可能に取り付けられたクリンチャアームと、
    前記クリンチャアームの先端部に取り付けられて前記メインハンドルの先端部から引き出された前記テープの端部を把持可能なテープ把持装置と、
    重ね合わせた前記テープの端部を結着する結着手段と、
    を備え、
    前記メインハンドルに対して完全に閉じた状態となった前記クリンチャアームを側面視した場合において、前記結着手段の結着方向を縦方向、前記縦方向に直交する方向を横方向としたときに、前記テープ把持装置は縦方向の幅が横方向の幅の1.5倍以下であり、
    前記クリンチャアームは、開いた状態で、前記テープ把持装置が作物への挿し込み方向に沿って配置され、前記テープ把持装置を配置した先端が前記メインハンドルと略平行に延びていることを特徴とする、園芸用結束機。
  2. 前記テープ把持装置の前方を覆う把持装置カバーを備えることを特徴とする、請求項1記載の園芸用結束機。
  3. 前記クリンチャアームは、平行に接続された2枚の板金部材で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の園芸用結束機。
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