JP6736910B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B1/00Compression machines, plants or systems with non-reversible cycle

Description

本発明は、冷媒の凝縮する温度が比較的高い冷凍装置に関する。
近年、空気調和装置等の冷凍装置では、特許文献1(特開2001−226690号公報)に開示されるように、ハイドロフルオロカーボン(HFC)を含む冷媒が主に用いられている。HFCは、例えば、分子式C224で表されるR134a、分子式CH22で表されるR32、および、混合冷媒であるR410AおよびR407cである。HFCは、塩素を含まないので、クロロフルオロカーボンおよびハイドロクロロフルオロカーボンと比べてオゾン層を破壊する効果が小さい。
しかし、HFCを含む冷媒の中には、冷凍機油との相溶性が悪く、冷凍機油と分離しやすい冷媒がある。冷媒と冷凍機油との分離が起こると、圧縮機の摺動部に粘度の高い冷凍機油が供給され、圧縮機の摺動部における粘性抵抗が増加する。これにより、圧縮機の動力損失が増加して、圧縮機の性能が低下するおそれがある。
本発明の目的は、圧縮機の摺動部における粘性抵抗の増加を抑制し、性能を向上させることができる冷凍装置を提供することである。
本発明の第1観点に係る冷凍装置は、圧縮機と凝縮器と膨張機構と蒸発器とが環状に接続される冷凍サイクルを備える。この冷凍装置では、凝縮温度が46℃以上となる場合がある。凝縮温度は、冷凍サイクルを循環する冷媒が凝縮器で凝縮する温度である。冷凍サイクルには、圧縮機の潤滑用の冷凍機油が入れられる。冷凍機油は、分離温度が凝縮温度よりも高くなる油である。分離温度は、冷凍機油と冷媒との混合物が冷凍機油と冷媒とに分離する温度である。
第1観点に係る冷凍装置は、外気温度が比較的高い環境で使用される。具体的には、この冷凍装置では、圧縮機で圧縮された冷媒が凝縮器で凝縮される温度である凝縮温度が46℃以上となる場合がある。しかし、この冷凍装置で使用される冷凍機油と冷媒との混合物が分離する温度である分離温度は、凝縮温度よりも高い。そのため、冷凍装置の運転中において、冷凍サイクルを循環する冷媒が冷凍機油と分離することが抑制されるので、圧縮機の摺動部に、冷媒を含む粘度の低い冷凍機油が供給される。従って、第1観点に係る冷凍装置は、圧縮機の摺動部に粘度の高い冷凍機油が供給されることを抑制し、性能を向上させることができる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置であって、冷凍機油は、油濃度が35±10wt%である場合において分離温度が凝縮温度よりも高くなる油である。油濃度は、冷凍機油と冷媒との混合物に含まれる冷凍機油の濃度である。
第2観点に係る冷凍装置では、油濃度が35±10wt%と比較的低い時においても、分離温度が凝縮温度よりも高いので、冷媒が冷凍機油と分離することが抑制される。従って、第2観点に係る冷凍装置は、圧縮機の摺動部における粘性抵抗の増加を抑制し、性能を向上させることができる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置は、第1観点または第2観点に係る冷凍装置であって、冷凍機油は、圧縮機の起動時において分離温度が凝縮温度よりも高くなる油である。
第3観点に係る冷凍装置は、外気温度が比較的高い環境で使用され、起動時における油濃度が最も低く、起動後に油濃度が徐々に上昇する傾向を示す。油濃度が最も低い起動時において、分離温度が凝縮温度よりも高く、かつ、起動後に油濃度が徐々に上昇しても、分離温度は凝縮温度よりも高いままである。そのため、冷凍装置の起動後において、冷媒が冷凍機油と分離することが抑制される。従って、第3観点に係る冷凍装置は、圧縮機の摺動部における粘性抵抗の増加を抑制し、性能を向上させることができる。
本発明の第4観点に係る冷凍装置は、第1乃至第3観点のいずれか1つに係る冷凍装置であって、冷媒は、HFCを含む。
第4観点に係る冷凍装置は、HFCを含む冷媒を用いる。HFCは、例えば、分子式C224で表されるR134a、分子式CH22で表されるR32、および、混合冷媒であるR410AおよびR407cである。HFCは、塩素を含まないので、クロロフルオロカーボンおよびハイドロクロロフルオロカーボンと比べてオゾン層を破壊する効果が小さい。しかし、HFCを含む冷媒の中には、冷凍機油との相溶性が悪く、冷凍機油と分離することにより粘性抵抗が増加しやすい冷媒がある。しかし、分離温度が凝縮温度よりも高く、冷媒が冷凍機油と分離することが抑制されるので、冷凍機油の粘度の増加が抑制させる。従って、第4観点に係る冷凍装置は、圧縮機の摺動部における粘性抵抗の増加を抑制し、性能を向上させることができる。
本発明の第5観点に係る冷凍装置は、第1乃至第4観点のいずれか1つに係る冷凍装置であって、凝縮器は、室外に設置され、蒸発器は、室内に設置される。
第5観点に係る冷凍装置は、冷房専用機器である。この冷凍装置の凝縮器は、温度が比較的高い外部環境に設置されるので、凝縮温度が46℃以上となる場合がある。しかし、分離温度が凝縮温度よりも高いので、冷媒が冷凍機油と分離することが抑制される。従って、第5観点に係る冷凍装置は、圧縮機の摺動部における粘性抵抗の増加を抑制し、性能を向上させることができる。
本発明の第6観点に係る冷凍装置は、第1乃至第5観点のいずれか1つに係る冷凍装置であって、凝縮温度が52℃以上となる場合がある。
第6観点に係る冷凍装置は、凝縮温度が52℃以上となるような、外気温度が高い環境で使用することができる。
本発明の第1乃至第5観点に係る冷凍装置は、圧縮機の摺動部における粘性抵抗の増加を抑制し、性能を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る空気調和装置の冷媒回路図である。 R32とポリビニルエーテル油との混合物の二層分離温度曲線、および、当該混合物の運転軌跡を表すグラフである。 R32とポリオールエステル油との混合物の二層分離温度曲線、および、当該混合物の運転軌跡を表すグラフである。 変形例Aに係る空気調和装置の冷媒回路図である。
(1)空気調和装置の構成
本発明の実施形態に係る冷凍装置としての空気調和装置1について説明する。図1は、空気調和装置1の冷媒回路図である。空気調和装置1は、圧縮機2と、室外熱交換器4と、膨張機構5と、室内熱交換器6とが環状に接続された冷凍サイクルを備える。空気調和装置1は、冷房運転のみを行うことができる冷房専用機器である。図1において、実線の矢印は、空気調和装置1の運転時において、冷凍サイクルを循環する冷媒の流れ方向を表す。空気調和装置1は、外気温が高い環境において使用することができる。具体的には、空気調和装置1は、外気温が46℃以上の環境において使用することができる。また、好ましくは、空気調和装置1は、外気温が52℃以上の環境において使用することができる。
冷房運転を行う空気調和装置1の冷凍サイクルについて説明する。最初に、圧縮機2は、低圧のガス冷媒を圧縮して、高圧のガス冷媒を吐出する。圧縮機2から吐出された圧縮冷媒は、室外熱交換器4に供給される。室外熱交換器4は、高圧のガス冷媒を凝縮して、高圧の液冷媒を吐出する。室外熱交換器4から吐出された冷媒は、膨張機構5の膨張弁を通過して低圧の気液混合状態の冷媒となり、室内熱交換器6に供給される。室内熱交換器6は、低圧の気液混合状態の冷媒を蒸発させて、低圧のガス冷媒を吐出する。室内熱交換器6から吐出された冷媒は、圧縮機2に供給される。
空気調和装置1は、冷房専用機器であり、室外熱交換器4は凝縮器として機能し、室内熱交換器6は蒸発器として機能する。そのため、室内熱交換器6において発生する冷媒の蒸発潜熱によって、室内が冷却される。また、室外熱交換器4において冷媒が凝縮される温度である凝縮温度は、46℃以上であり、好ましくは52℃以上である。
空気調和装置1の冷凍サイクルには、冷凍機油が封入されている。冷凍機油は、主として、圧縮機2の摺動部における摩耗および焼き付きの防止のために用いられる潤滑油である。圧縮機2の摺動部は、例えば、圧縮機2がスクロール圧縮機の場合、2つのスクロール間のスラスト摺動面、および、クランク軸と軸受との間の摺動面等である。
空気調和装置1の冷媒回路を循環する冷媒としては、ハイドロフルオロカーボン(HFC)を含むHFC系冷媒が用いられる。HFCは、例えば、分子式C224で表されるR134a、分子式CH22で表されるR32、および、混合冷媒であるR410AおよびR407cである。HFC系冷媒の地球温暖化係数は、好ましくは1000以下であり、より好ましくは500以下であり、さらに好ましくは300以下であり、特に好ましくは100以下である。なお、地球温暖化係数の観点からは、HFC系冷媒は、R32を50重量%より多く含むR32系冷媒であることが好ましい。R32系冷媒の具体例は、R32単体、R32とHFO−1234yfとの混合物、および、R32とHFO−1123との混合物等である。
HFC系冷媒は、塩素を含まないので、クロロフルオロカーボンおよびハイドロクロロフルオロカーボン等の他のフッ素系冷媒と比べて、地球温暖化に与える影響が小さく、オゾン層を破壊する効果が小さい。しかし、HFC系冷媒には、他のフッ素系冷媒と比べて、冷凍機油との相溶性が悪く、凝縮温度が46℃以上となる場合に冷凍機油と分離しやすいR32系冷媒等が含まれる。冷媒と冷凍機油とが分離すると、圧縮機2の摺動部における粘性抵抗が増加し、圧縮機2の性能が低下するおそれがある。
(2)冷凍機油の組成
次に、冷凍サイクルに封入されている冷凍機油の組成について説明する。冷凍機油は、主として、基油、酸捕捉剤、極圧剤および酸化防止剤からなる。
基油は、鉱油または合成油が用いられる。基油は、空気調和装置1に使用されるHFC系冷媒との相溶性が良いものが、適宜に選択される。鉱油は、例えば、ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油である。合成油は、例えば、エステル化合物、エーテル化合物、ポリα‐オレフィン、アルキルベンゼンである。合成油の具体例としては、ポリビニルエーテル、ポリオールエステル、ポリアルキレングリコール等が挙げられる。なお、基油として、上記の鉱油または合成油を2種以上組み合わせた混合物が用いられてもよい。
酸捕捉剤は、HFC系冷媒の分解によって発生したフッ酸等の酸と反応することにより、酸による冷凍機油の劣化を抑制するために用いられる添加剤である。酸捕捉剤は、例えば、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、テンペン系化合物である。酸捕捉剤の具体例としては、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エポキシ化シクロヘキシルカルビノール、ジ(アルキルフェニル)カルボジイミド、β−ピネン等が挙げられる。HFC系冷媒の分解によって発生したフッ酸等の酸は、冷凍機油に含まれる酸捕捉剤によって捕捉される。これにより、HFC系冷媒の分解によって発生した酸に起因する冷凍機油の劣化、および、膨張機構5の膨張弁等の金属部品の腐食が抑制される。
極圧剤は、圧縮機2の摺動部における摩耗および焼き付きを防止するために用いられる添加剤である。冷凍機油は、摺動部において互いに摺動する部材表面の間に油膜を形成することで、摺動部材同士の接触を防止する。しかし、ポリビニルエーテルのような低粘度の冷凍機油を使用する場合、および、摺動部材にかかる圧力が高い場合には、摺動部材同士が接触しやすくなる。極圧剤は、摺動部において互いに摺動する部材表面と反応して被膜を形成することで、摩耗および焼き付きの発生を抑制する。極圧剤は、例えば、リン酸エステル、亜リン酸エステル、チオリン酸塩、硫化エステル、スルフィド、チオビスフェノール等である。極圧剤の具体例としては、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリフェニルフォスフェート(TPP)、トリフェニルホスホロチオエート(TPPT)、アミン、C11−14側鎖アルキル、モノヘキシルおよびジヘキシルフォスフェートが挙げられる。TCPは、摺動部材の表面に吸着し、分解することで、リン酸塩の被膜を形成する。
酸化防止剤は、冷凍機油の酸化を防止するために用いられる添加剤である。酸化防止剤の具体例としては、ジチオリン酸亜鉛、有機硫黄化合物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)等のフェノール系、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−フェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系の酸化防止剤、N,N’‐ジサリシリデン‐1,2‐ジアミノプロパン等が挙げられる。
(3)冷凍機油の特性
次に、空気調和装置1で使用される冷凍機油の特性について説明する。最初に、HFC系冷媒と冷凍機油との混合物(以下、単に「混合物」と記載する。)の二層分離温度曲線、および、混合物の運転軌跡の例について、図2および図3を参照しながら説明する。ここで、HFC系冷媒は、R32単体である。
図2において、横軸は、混合物に含まれる冷凍機油の濃度(wt%)である油濃度であり、縦軸は、混合物の温度である。冷凍機油は、ポリビニルエーテル油である。曲線L1,L2は、二層分離温度曲線である。上側の曲線L1より上方の領域R1、および、下側の曲線L2より下方の領域R2は、R32とポリビニルエーテル油とが二層分離している領域である。曲線L1と曲線L2との間の領域R3は、R32とポリビニルエーテル油とが二層分離していない領域である。すなわち、領域R3は、R32とポリビニルエーテル油とが互いに溶解している領域である。
図3において、横軸は、混合物に含まれる冷凍機油の濃度(wt%)である油濃度であり、縦軸は、混合物の温度である。冷凍機油は、ポリオールエステル油である。曲線L4,L5は、二層分離温度曲線である。上側の曲線L4より上方の領域R4、および、下側の曲線L5より下方の領域R5は、R32とポリオールエステル油とが二層分離している領域である。曲線L4と曲線L5との間の領域R6は、R32とポリオールエステル油とが二層分離していない領域である。すなわち、領域R6は、R32とポリオールエステル油とが互いに溶解している領域である。
なお、冷凍機油の組成にもよるが、冷媒としてR32を用いる場合、冷媒と冷凍機油との混合物の油濃度の最小値は、35±10wt%である。
図2および図3において、直線LMは、外気温が高い環境で空気調和装置1を使用した場合における、混合物の運転軌跡を表す。図2および図3において直線LMで示される混合物の運転軌跡は、共通である。直線LMは、空気調和装置1の起動時における、圧縮機2の内部に存在する混合物の状態の推移を表す。空気調和装置1の起動前において、混合物は、直線LMの点P1の状態にある。圧縮機2は室外に設置されているので、空気調和装置1の起動前において、圧縮機2の内部に存在する混合物の温度は、外気温に近い。空気調和装置1が起動すると、空気調和装置1の運転時間の経過と共に、圧縮機2の温度が上昇するため混合物の温度も上昇し、混合物に含まれる液冷媒が徐々に蒸発する。その結果、混合物の油濃度は徐々に増加する。図2および図3では、混合物の油濃度は、空気調和装置1の起動時における点P1の約35wt%から、徐々に増加している。すなわち、点P1は、油濃度が最小値であるときの状態を示す。
空気調和装置1の起動時における混合物の運転軌跡LMは、図2においては、R32とポリビニルエーテル油とが二層分離しない領域R3に存在し、図3においては、R32とポリオールエステル油とが二層分離しない領域R6に存在する。そのため、空気調和装置1の起動時において、混合物は、R32と冷凍機油とに二層分離しない。混合物が二層分離すると、冷凍機油の粘度が増加する。空気調和装置1に使用される冷凍機油は、混合物がR32と冷凍機油とに二層分離する温度である分離温度が、凝縮温度よりも高い特性を有する油である。ここで、分離温度は、図2の上側の二層分離温度曲線L1、および、図3の上側の二層分離温度曲線L4で示される、高温側の分離温度である。冷凍サイクルにおいて、混合物の温度の最大値は凝縮温度である。そのため、高温側の分離温度が凝縮温度よりも高い場合、混合物は、R32と冷凍機油とに分離しない。反対に、凝縮温度が高温側の分離温度よりも高い場合、混合物は、R32と冷凍機油とに分離するおそれがある。
(4)特徴
空気調和装置1は、外気温度が比較的高い環境で使用され、圧縮機2で圧縮された冷媒が室外熱交換器4で凝縮される温度である凝縮温度が46℃以上となる場合がある。しかし、空気調和装置1で使用される冷凍機油と冷媒との混合物が二層分離する温度である分離温度は、凝縮温度よりも高い。そのため、空気調和装置1の運転中において、冷凍サイクルに封入されている混合物が冷媒と冷凍機油とに分離することが抑制される。その結果、圧縮機2の摺動部に、冷凍機油を十分に含まない潤滑性の低い冷媒が供給されることが抑制される。従って、空気調和装置1は、圧縮機2の摺動部における粘性抵抗の増加を抑制し、性能を向上させることができる。
また、空気調和装置1は、外気温度が比較的高い環境で使用され、空気調和装置1の起動前における混合物の油濃度(図2および図3の点P1の油濃度)が35±10wt%と最も低く、空気調和装置1の起動後に混合物の油濃度が徐々に上昇する傾向を示す。しかし、図2および図3に示されるように、空気調和装置1の起動後に混合物の油濃度が徐々に上昇しても、混合物の温度は分離温度よりも低いままである。そのため、空気調和装置1の運転中において、冷凍サイクルに封入されている混合物が冷媒と冷凍機油とに分離することが抑制される。従って、空気調和装置1は、圧縮機2の摺動部における粘性抵抗の増加を抑制し、性能を向上させることができる。
また、空気調和装置1は、HFC系冷媒を用いる。HFC系冷媒の一種であるR32は、他のフッ素系冷媒と比べて、冷凍機油との相溶性が悪く、冷凍機油と分離することにより粘性抵抗が増加しやすい。しかし、空気調和装置1は、冷凍機油として、分離温度が凝縮温度よりも高い特性を有する油を用いるので、冷凍機油と冷媒との混合物が冷媒と冷凍機油とに分離することが抑制され、その結果、冷凍機油の粘度の増加が抑制される。従って、空気調和装置1は、圧縮機2の摺動部における粘性抵抗の増加を抑制し、性能を向上させることができる。
また、高温側において、R32と冷凍機油との混合物が二層分離する温度は、R410AまたはR407Cと冷凍機油との混合物が二層分離する温度よりも低い。そのため、外気温が高い環境において、R32と冷凍機油との混合物は、R410AまたはR407Cと冷凍機油との混合物と比較して、空気調和装置1の起動時に二層分離しやすい傾向を有する。従って、分離温度が凝縮温度よりも高い特性を有する冷凍機油を用いることで、空気調和装置1の起動時における混合物の二層分離が抑制され、その結果、冷凍機油の粘度の増加が抑制される。従って、空気調和装置1は、圧縮機2の摺動部における粘性抵抗の増加を抑制し、性能を向上させることができる。
(5)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の具体的構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更可能である。以下、本発明の実施形態に適用可能な変形例について説明する。
(5−1)変形例A
本実施形態では、空気調和装置1は、冷房専用機器である。しかし、空気調和装置1は、冷房機能および暖房機能の両方を備える機器でもよい。図4は、本変形例における空気調和装置1の冷媒回路図である。空気調和装置1は、主として、圧縮機2と、四方切替弁3と、室外熱交換器4と、膨張機構5と、室内熱交換器6とから構成される。図4において、実線の矢印は、冷房運転時における冷媒の流れを表し、点線の矢印は、暖房運転時における冷媒の流れを表す。
冷房運転時では、室外熱交換器4は凝縮器として機能し、室内熱交換器6は蒸発器として機能する。すなわち、室内熱交換器6で発生する冷媒の蒸発潜熱によって、室内が冷却される。一方、暖房運転時では、四方切替弁3を切り換えることで、室外熱交換器4は蒸発器として機能し、室内熱交換器6は凝縮器として機能する。すなわち、室外熱交換器4で発生する冷媒の凝縮潜熱によって、室内が加熱される。
本変形例においても、分離温度が凝縮温度よりも高い特性を有する冷凍機油を用いることで、空気調和装置1の起動時における混合物の二層分離が抑制され、その結果、冷凍機油の粘度の増加が抑制される。従って、空気調和装置1は、圧縮機2の摺動部における粘性抵抗の増加を抑制し、性能を向上させることができる。
(5−2)変形例B
本実施形態では、冷凍機油は、極圧剤および酸化防止剤を含んでいる。しかし、冷凍機油は、極圧剤および酸化防止剤の一方のみを含んでいてもよく、極圧剤および酸化防止剤を含んでいなくてもよい。
本発明に係る冷凍装置は、圧縮機の摺動部における粘性抵抗の増加を抑制し、性能を向上させることができる。
1 空気調和装置(冷凍装置)
2 圧縮機
4 室外熱交換器(凝縮器、蒸発器)
5 膨張機構
6 室内熱交換器(蒸発器、凝縮器)
特開2001−226690号公報

Claims (8)

  1. 圧縮機と凝縮器と膨張機構と蒸発器とが環状に接続される冷凍サイクルを備え、前記冷凍サイクルを循環する冷媒が前記凝縮器で凝縮する凝縮温度が46℃以上となる場合がある冷凍装置であって、
    前記冷媒は、R32を含み、
    前記冷凍サイクルには、前記圧縮機の潤滑用の冷凍機油が入れられ、
    前記冷凍機油と前記冷媒との混合物に含まれる前記冷凍機油の濃度である油濃度の最小値は、35±10wt%であり、
    前記油濃度は、前記混合物の温度が46℃以上で上昇することに伴い、前記冷凍装置の起動時における前記最小値から上昇する傾向を示し、
    前記混合物が前記冷凍機油と前記冷媒とに分離する温度のうち高温側の温度である分離温度は、前記凝縮温度よりも高い、
    冷凍装置。
  2. 前記冷媒は、R32を50重量%より多く含む、
    請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記冷媒は、HFO系冷媒をさらに含む、
    請求項1または2に記載の冷凍装置。
  4. 前記凝縮器は、室外に設置され、
    前記蒸発器は、室内に設置される、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  5. 前記凝縮温度は、52℃以上となる場合がある、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  6. 前記分離温度は、前記冷凍機油とR410AまたはR407Cとの混合物が分離する温度のうち高温側の温度よりも低い、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  7. 外気温が46℃以上の環境において使用することができる、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  8. 外気温が52℃以上の環境において使用することができる、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の冷凍装置。
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