JP2015092123A - 冷凍装置 - Google Patents

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剛史 山川
Takashi Yamakawa
剛史 山川
元輝 高木
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元輝 高木
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Abstract

【課題】冷凍装置の回路構成を変えずにアキュムレータ内で発生する二相分離状態を解消する。【解決手段】圧縮機21は、冷凍サイクルを行なうための冷媒回路11に設けられている。アキュムレータ26は、冷媒回路11において圧縮機21の吸入側に設けられている。圧縮機21は、液冷媒と冷凍機油とがアキュムレータ26で分離していると判断するための所定条件が満たされたときに、回転数を変化させて、アキュムレータ中の液冷媒を発泡させアキュムレータ内の液冷媒と冷凍機油を攪拌することで、液冷媒と冷凍機油の分離を解消する分離解消運転を行なう。【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍装置、特に、冷媒回路に圧縮機及びアキュムレータを備える冷凍装置に関する。
従来から、冷媒回路において蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行なう冷凍装置では、特許文献1(特開2005−83704号公報)に記載されているように、種々の条件が重なることによってアキュムレータ内で液冷媒と冷凍機油とが分離して二相分離状態が発生することが知られている。このような二相分離状態が発生すると、アキュムレータから圧縮機に冷凍機油が戻りにくくなり、圧縮機において冷凍機油の不足が生じて焼き付きや異常磨耗などの不具合が発生する。そのため、特許文献1の冷凍装置では、圧縮機の吐出側にバイパス回路を設けて圧縮機から吐出される冷凍機油を圧縮機に戻すことが行なわれている。
しかしながら、特許文献1のように、バイパス回路を設けて、バイパス回路に流れる冷媒を制御しようとすると、従来の冷凍装置に比べて構造や制御が複雑になる。
本発明の課題は、冷凍装置の回路構成を変えずにアキュムレータ内で発生する二相分離状態を解消することである。
本発明の第1観点に係る冷凍装置は、冷凍サイクルを行なうための冷媒回路に設けられている圧縮機と、冷媒回路において圧縮機の吸入側に設けられているアキュムレータとを備え、圧縮機は、液冷媒と冷凍機油とがアキュムレータで分離していると判断するための所定条件が満たされたときに、回転数を変化させて液冷媒と冷凍機油の分離を解消する分離解消運転を行なう、ものである。
第1観点の冷凍装置においては、アキュムレータで二相分離が起きている可能性の高い所定条件が満たされたときに圧縮機が分離解消運転を行なうことにより、アキュムレータでの二相分離状態の解消が行なえる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置において、圧縮機は、分離解消運転において、一旦停止して再起動することにより回転数を変化させるように構成されている、ものである。
第2観点の冷凍装置においては、圧縮機を一旦止めて再起動するので、圧縮機の回転数を大きく変化させることができるので、例えばアキュムレータ中の液冷媒を発泡させてアキュムレータ内の液冷媒と冷凍機油を攪拌でき、液冷媒と冷凍機油の分離状態を解消させることができる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置は、第2観点に係る冷凍装置において、圧縮機は、分離解消運転において一旦停止した状態を均圧期間よりも長く続けるように構成されている、ものである。
第3観点の冷凍装置においては、圧縮機を均圧期間よりも長く停止させておくことで、アキュムレータ内を低圧化させ易くなり、アキュムレータ内の発泡を促進して液冷媒と冷凍機油の攪拌効果を高めることができる。
本発明の第4観点に係る冷凍装置は、第2観点又は第3観点に係る冷凍装置において、圧縮機は、分離解消運転において、一旦停止して再起動することにより回転数を変化させる動作を複数回繰り返すように構成されている、ものである。
第4観点の冷凍装置においては、圧縮機が一旦停止して再起動する動作が複数回繰り返されるので、圧縮機の停止と再起動による液冷媒と冷凍機油の攪拌を複数回行なわせることができる。
本発明の第5観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置において、圧縮機は、分離解消運転において、液冷媒と冷凍機油の分離が解消される回転数まで一時的に回転数を上昇させるように構成されている、ものである。
第5観点の冷凍装置においては、圧縮機の回転数を液冷媒と冷凍機油の分離が解消される回転数まで一時的に上昇させるので、簡単な制御と動作で、アキュムレータ内の液冷媒と冷凍機油を攪拌して液冷媒と冷凍機油の分離状態を解消させることができる。
本発明の第6観点に係る冷凍装置は、第1観点から第5観点のいずれかに係る冷凍装置において、冷媒回路は、循環させている冷媒の種類がR32である、ものである。
第6観点の冷凍装置においては、冷媒にR32を用いるので、分離解消運転による二相分離の解消効果が顕著に認められる。
本発明の第7観点に係る冷凍装置は、第1観点から第6観点のいずれかに係る冷凍装置において、所定条件は、アキュムレータを流れる冷媒の循環量に関連する第1検出値と冷媒の蒸発温度に関連する第2検出値とを用いて設定されている、ものである。
第7観点の冷凍装置においては、冷媒循環量と蒸発温度から比較的正確に冷媒が二相分離しているか否かが判断でき、冷媒循環量と冷媒の蒸発温度に係わる第1検出値及び第2検出値を用いることで、アキュムレータで二相分離が起きていないときに分離解消運転をする無駄を抑制することができる。
本発明の第1観点に係る冷凍装置では、分離解消運転として圧縮機の回転数を変化させる運転を行なえばよいことから、冷凍装置の回路構成を変更することなく、アキュムレータでの二相分離を解消することができる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置では、アキュムレータ内の液冷媒と冷凍機油を攪拌して、液冷媒と冷凍機油の分離状態を解消させることができる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置では、液冷媒と冷凍機油の攪拌効果が向上する。
本発明の第4観点に係る冷凍装置では、攪拌回数を増やして二相分離の解消効果を向上させることができる。
本発明の第5観点に係る冷凍装置では、液冷媒と冷凍機油の分離状態を解消させる制御や動作が簡単になる。
本発明の第6観点に係る冷凍装置では、二相分離の解消に顕著な効果がみられる。
本発明の第7観点に係る冷凍装置では、無駄な分離解消運転を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る空気調和装置の冷媒回路。 蒸発温度と圧縮機回転数と二相分離との関係を示すグラフ。 分離解消運転に関する制御を説明するためのフローチャート。 分離解消運転における圧縮機の動作を説明するためのタイミングチャート。 油濃度と二相分離温度と二相分離との関係を示すグラフ。
(1)空気調和装置の構成
(1−1)冷媒回路
本発明の一実施形態に係る冷凍装置として、空気調和装置を例に挙げて説明する。図1には、空気調和装置の冷媒回路が示されている。空気調和装置10は、マルチ型の空気調和装置であって、1台の室外ユニット20に対して5台の室内ユニット30が並列に接続される構成となっている。ここでは、5台の室内ユニット30が1台の室外ユニット20に接続されている例が示されているが、ガス管接続ポート14や液管接続ポート15の液管接続口やガス管接続口の数の設定などを変えれば、接続できる室内ユニット30の台数の上限値は変更することができる。また、この実施形態のように構成されている空気調和装置10でも、常に1台の室外ユニット20に5台の室内ユニット30を接続しなければならない訳ではなく、5台以内であれば何台でも接続が可能である。
空気調和装置10の冷媒回路11は、主として、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、5つの電磁弁24、圧縮機用気液分離器25、アキュムレータ26及び室内熱交換器31が接続されたものである。この冷媒回路11では、R32冷媒を用いて蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行なわれる。冷媒回路11は、室外ユニット20の中に形成される室外側冷媒回路12と室内ユニット30の中に形成される室内側冷媒回路13とが接続された構成になっている。室外側冷媒回路12には、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、5つの電磁弁24、圧縮機用気液分離器25、アキュムレータ26が含まれ、室内側冷媒回路13には室内熱交換器31が含まれる。
室外ユニット20の室外側冷媒回路12と室内ユニット30の室内側冷媒回路13との間は、5本のガス側冷媒連絡配管17a及び5本の液側冷媒連絡配管17bにより接続されている。5本のガス側冷媒連絡配管17aは、室外ユニット20のガス管接続ポート14に接続され、5本の液側冷媒連絡配管17bは、室外ユニット20の液管接続ポート15に接続される。ガス管接続ポート14は、5本のガス側冷媒連絡配管17aを1本にまとめて、その1本のガス管がガス側閉鎖弁18を介して四路切換弁22の第4ポートに接続されている。この四路切換弁22の第2ポートは室外熱交換器23の一端側に接続されている。液管接続ポート15では、5本の液側冷媒連絡配管17bがそれぞれ5つの電磁弁24の一端側に接続されて、5つの電磁弁24の他端側を1本の液管にまとめている。5つの電磁弁24の他端側に接続される1本の液管は、液側閉鎖弁19を介して室外熱交換器23の他端側に接続されている。また、圧縮機21の吐出側が四路切換弁22の第1ポートに接続され、四路切換弁22の第3ポートがアキュムレータ26に接続されている。アキュムレータ26は圧縮機用気液分離器25を介して圧縮機21の吸入側に接続されている。
室外ユニット20には、圧縮機21や四路切換弁22や電磁弁24や室外ファン27などを制御するための室外側制御部28が設けられている。また、各室内ユニット30には、室内ファン32などを制御するための室内側制御部33が設けられている。室外側制御部28は、室外熱交換器23を流れる冷媒の温度(以下外熱交温度と呼ぶ)を測定する温度センサ29に接続されており、外熱交温度の測定結果を受信する。
(1−2)アキュムレータ
アキュムレータ26は、容器26aと流入管26bと流出管26cとを有している。アキュムレータ26の流入管26bは四路切換弁22の第3ポートに接続され、流出管26cは圧縮機用気液分離器25に接続されている。アキュムレータ26は、容器26aの下部に液冷媒が貯留され、上部にガス冷媒が貯留される構成になっている。そして、容器26a内部にある流入管26bの流出口及び流出管26cの流入口は、いずれも上部のガス冷媒が貯留される部分に配置されている。流出管26cは、図1に示されているようにU字形の形状を持っており、U字形の湾曲部分に油戻し穴26dが形成されている。U字形の湾曲部分は、通常は液冷媒の中に浸っているように容器26aの下部に配置される。そのため、油戻し穴26dも通常は液冷媒中に存在する。
(2)空気調和装置の動作
次に、この空気調和装置10の冷房運転時及び暖房運転時の動作について説明する。なお、以下の説明では、5台の室内ユニット30が全て動作している場合について説明しているが、各室内ユニット30は、空気調和装置10の設定や環境状況によって動作したり、停止したりするものである。
(2−1)冷房運転
まず、冷房運転時は、四路切換弁22が図1において実線で示す状態に切り換えられて第1ポートと第2ポートが接続され、第3ポートと第4ポートが接続される。つまり、圧縮機21の吐出側が室外熱交換器23の一端側に接続され、圧縮機21の吸入側がガス側閉鎖弁18に接続される。このような冷房運転時の冷媒回路11の回路構成により、圧縮機21から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四路切換弁22を介して室外熱交換器23に流入し、室外熱交換器23で室外空気と熱交換されることによって凝縮して液化する。室外熱交換器23で液化した液冷媒は、液側閉鎖弁19を通過した後、5つに分流され、5つの分流が5つの電磁弁24をそれぞれ通過する。液管接続ポート15の5つの電磁弁24を通過した液冷媒は、電磁弁24を通過することで膨張し、それぞれ5本の液側冷媒連絡配管17bを通って5台の室内ユニット30にそれぞれ流入する。
各室内ユニット30において、液冷媒は、室内熱交換器31で室内空気と熱交換して蒸発する。そして、冷媒の蒸発によって冷却された室内空気は、室内ファン32によって室内へと吹き出され、室内を冷房する。また、5台の室内熱交換器31で蒸発して気化したガス冷媒は、5本のガス側冷媒連絡配管17aを通ってガス管接続ポート14から室外ユニット20の室外側冷媒回路12に戻る。室外側冷媒回路12に戻ったガス冷媒は、四路切換弁22からアキュムレータ26及び圧縮機用気液分離器25を経由して圧縮機21に吸入される。
(2−2)暖房運転
一方、暖房運転時は、四路切換弁22が図1において破線で示す状態に切り換えられて第1ポートと第4ポートが接続され、第2ポートと第3ポートが接続される。つまり、圧縮機21の吐出側がガス側閉鎖弁18に接続され、圧縮機21の吸入側が室外熱交換器23の一端側に接続される。このような暖房運転時の冷媒回路11の回路構成により、圧縮機21から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四路切換弁22及びガス側閉鎖弁18を介してガス管接続ポート14から5本のガス側冷媒連絡配管17aに流出する。そして、ガス冷媒は、これら5本のガス側冷媒連絡配管17aを通って各室内ユニット30の室内熱交換器31に流入し、室内熱交換器31で室内空気と熱交換されることによって凝縮して液化する。冷媒の凝縮によって加熱された室内空気は、室内ファン32によって室内へと吹き出され、室内を暖房する。5台の室内熱交換器31において液化した液冷媒は、それぞれ5本の液側冷媒連絡配管17bを通って液管接続ポート15から室外ユニット20の室外側冷媒回路12に戻る。室外ユニット20に戻った液冷媒は、液管接続ポート15において5つの電磁弁24を通過して膨張する。5つの電磁弁24を通過した液冷媒は、液管接続ポート15で合流して液側閉鎖弁19を通過して室外熱交換器23に流入する。室外熱交換器23に流入した液冷媒は、室外熱交換器23で室外空気と熱交換して蒸発する。室外熱交換器23で蒸発して気化したガス冷媒は、四路切換弁22からアキュムレータ26及び圧縮機容器液分離器25を経由して圧縮機21に吸入される。
(3)室外ユニットの制御
(3−1)二相分離状態の判定
図2には、縦軸に圧縮機21の回転数、横軸に冷媒回路11の蒸発温度をとって、液冷媒と冷凍機油が分離する二相分離が発生し得る二相分離領域Ar1と二相分離がほとんど発生しない領域Ar2とが示されている。厳密には二相分離領域Ar1とそれ以外の領域Ar2との境界ははっきりと線を引いて分けられるものではないが、図2には制御を行なうために必要な境界線つまり二相分離領域Ar1とそれ以外の領域Ar2との境界を示す境界線L1が描かれている。従って、圧縮機21の回転数と冷媒回路21の蒸発温度の値を示す点が二相分離領域Ar1に入っているからといっても他の条件によっては二相分離が発生していない場合もあるが、二相分離領域Ar1の条件を満たすときには二相分離が発生している可能性が極めて高いため不具合を発生させないことを優先して二相分離を解消する分離解消運転を行う制御をすることとしたものである。もし、二相分離が発生してないときに後述する分離解消運転を行なったとしても、余分な電気の消費があるだけで圧縮機21の故障の原因になるなどの不具合は発生しない。なお、以下の説明では、二相分離領域Ar1の上限の温度を二相分離温度と呼び、直線L2が二相分離温度を示している。また、境界線L1上の圧縮機21の回転数は、蒸発温度が決まれば一定の値に決まるものであり、ここではその回転数が二相分離攪拌可能循環量相当と呼ばれている。
室外側制御部28において二相分離領域Ar1に入っているか否かを判定する場合、圧縮機21の回転数は、室外側制御部28が圧縮機21の制御をしているため、室外側制御部28が有する圧縮機21の回転数に関するデータに基づいて決定することができる。また、この場合、蒸発温度は、室外側制御部28が温度センサ29から受信した外熱交温度を用いることができる。室外側制御部28は、図2のグラフに表されている情報を内部の記憶部(図示せず)に記憶している。
(3−2)分離解消運転に係る制御
次に、図3及び図4を用いて分離解消運転について説明する。室外側制御部28は、内部にタイマー(図示せず)を有している。まず、二相分離条件が継続している時間を計るためタイマーによる二相分離条件継続時間のカウント値をリセットする(ステップS1)。二相分離条件の継続時間の開始点は、デフロストのための運転やなどの所定の運転が行なわれて、アキュムレータ26内に貯留されている液冷媒の攪拌がなされた時点である。
次に、タイマーのカウントを継続するか否かを判断する(ステップS2)。ステップS2においては、室外側制御部28は、圧縮機21が運転中であるか否かという第1の条件と、外熱交温度が二相分離温度よりも低いか否かという第2の条件と、圧縮機21の回転数が二相分離攪拌可能循環量相当よりも小さいか否かという第3の条件とを検討する。
そして、第1の条件と第2の条件と第3の条件が全て満たされたときには、二相分離条件継続時間をカウントするか否かをさらに判断するため、ステップS3に進む。もし、第1の条件と第2の条件と第3の条件のうちの一つでも条件が満たされないときは、ステップS5に進み、二相分離条件継続時間のカウントを一時停止してステップS2に戻る。
次に、ステップS4に進むと、外熱交温度が二相分離温度以上か否かが判定される。つまり、ステップS4で、室外側制御部28は、温度センサ29の測定温度が直線L2で示されている温度(図2では10℃)以下であるか否かを判定する。外熱交温度が二相分離温度以上であれば、二相分離状態が進むことはないと判断できるので、ステップS5に進み、二相分離条件継続時間のカウントを一時停止してステップS2に戻る。
ステップS3で外熱交温度が二相分離温度未満であると判断されたときには、ステップS4に進み、圧縮機21の回転数が二相分離攪拌可能循環相当量未満か否かが判定される。ステップS4で、室外側制御部28は、内部の記憶部に記憶している情報に基づいて、圧縮機21の回転数と温度センサ29から受信した外熱交温度を用いて、圧縮機21の回転数が二相分離攪拌可能循環相当量未満か否かを判定する。もし、圧縮機21の回転数が二相分離攪拌可能循環相当量以上であれば、室外側制御部28において、液冷媒と冷凍機油とが圧縮機21の駆動によって攪拌されていると判断することができる。このときの圧縮機21の駆動により二相状態が解消されていると判断できるので、ステップS4で圧縮機21の回転数が二相分離攪拌可能循環相当量以上と判定されたときにはステップS1に進み、室外側制御部28のタイマーをリセットする。
ステップS4で圧縮機21の回転数が二相分離攪拌可能循環相当量未満と判定されたときには、先のステップS3での判定と合わせて、二相分離領域Ar1の範囲内に圧縮機21の回転数と蒸発温度が入っていると判断される。そこで、ステップS6に進み、二相分離条件継続時間をカウントする。例えば、ステップS6では室外側制御部28のタイマーのカウント値が1だけ増加し、ステップS5を経てステップS2に戻るときには室外側制御部28のタイマーのカウント値が変化せず、ステップS1に戻るとタイマーのカウント値は例えば0に戻る構成になっている。
ステップS6の次はステップS7に進み、二相分離条件継続時間として所定時間(例えば72時間)が経過したか否かが判断される。二相分離が発生していてもすぐに全ての冷凍機油と液冷媒が分離するわけではなく、徐々に進行するので、液冷媒への冷凍機油の溶け込みが不具合の発生するほど少なくなるまでには比較的長い時間が必要である。そのため、室外側制御部28は、タイマーのカウント値から二相分離条件継続時間が所定時間以上か否かを判定する。例えば、30分に1回ずつステップS7の判断が行なわれるとすれば、室外側制御部28のタイマーのカウント値が144以上になれば、二相分離条件継続時間として所定時間が経過したとして分離解消運転を行なう(ステップS8)。ステップS8で分離解消運転を行なった後は、また、ステップS1に戻るようにしてもよい。
ステップS7で、二相分離条件継続時間として所定時間が経過してないと判断されたときには、ステップS2に戻って、室外側制御部28は上述のステップS2からステップS6の操作を行う。
(3−3)分離解消運転の内容
図4は、分離解消運転を説明するためのタイミングチャートである。分離解消運転は、ここでは二相分離攪拌処理と言い換えることもできる。図4において、時刻t1では、圧縮機21の回転数が下がって、回転数が二相分離攪拌可能循環量相当の回転数R1未満になっている。説明を簡単にするために、このタイミングチャートの時刻t1から時刻t2までは、蒸発温度が一定であるものとする。時刻t1から時刻t2までの時間が経過することで二相分離条件継続時間が所定の時間を超え、時刻t2で分離解消運転が始まる。すなわち、時刻t2で上述のステップS8が開始されたということである。分離解消運転が始まると、まず、室外側制御部28は圧縮機21を停止させる。時刻t3では、圧縮機21が完全に停止して回転数が0になっている。
時刻t3から時刻t4までは、室外側制御部28は、タイマーにより予め設定されている均圧時間だけ圧縮機21を停止させて均圧を行なわせている。ここで、均圧とは、圧縮機21の吸入側の圧力と吐出側の圧力の差が吸入側の圧力に対して10%以内になっている状態をいう。均圧に要する均圧時間は、例えば、予め試運転などによって計測されて設定される。
室外側制御部28は、均圧時間が経過した時刻t4になると、圧縮機21を再起動する。再起動によって圧縮機21の回転数が急に高くなって回転数R2(時刻t5)に達すると、アキュムレータ26の容器26aの上部の圧力が急に低下してアキュムレータ26の容器26aの下部に溜まっていた液冷媒が発泡する。つまり、この回転数R2は二相分離が解消される回転数ということになる。二相分離が発生していると液冷媒の上に冷凍機油が豊富な層が形成されているが、液冷媒が発泡することによって冷凍機油の豊富な層が攪拌される。この発泡による攪拌処理によって二相分離状態が解消される。図4における時刻t5から時刻t6の間、アキュムレータ26の内部の液冷媒が発泡している。室外側制御部28は、所定の回転数まで圧縮機21の回転を上げて一定の回転数を予め定められた時間だけ維持した後に圧縮機21の回転数を通常運転時の値に戻す。図4では、時刻t6以降が通常運転時の圧縮機21の回転数を表している。
図4に示されているタイミングチャートは、再起動を1回だけする場合のものである。しかし、分離解消運転として再起動が複数回行われてもよく、その場合には図4の時刻t2から時刻t6までの動作を複数回行なうように室外側制御部28が圧縮機21を制御する構成にしてもよい。
(4)特徴
(4−1)
上述のように、圧縮機21は、液冷媒と冷凍機油とがアキュムレータ26で分離していると判断するための条件として、ステップS8に移行する条件(所定条件の例)が満たされたときに、回転数を変化させて液冷媒と冷凍機油の分離を解消する分離解消運転(ステップS8)を行なっている。圧縮機21内の冷凍機油が不足して圧縮機摺動部の潤滑不良による焼き付きや異常磨耗等の不具合が発生するほどの二相分離がアキュムレータ26で起きている可能性の高い所定条件が満たされたとき、圧縮機21が分離解消運転を行なうことにより、アキュムレータ26での二相分離状態の解消が行なえる。分離解消運転では圧縮機21の回転数を変化させる運転を行なえばよいことから、空気調和装置10(冷凍装置の例)の回路構成を変更することなく、アキュムレータ26での二相分離を解消することができる。
(4−2)
圧縮機21は、図4に示されているように、分離解消運転において、一旦停止して再起動することにより回転数を変化させる。それにより、圧縮機21の回転数を大きく変化させて、アキュムレータ26中の液冷媒を発泡させてアキュムレータ26内の液冷媒と冷凍機油を攪拌し、液冷媒と冷凍機油の分離状態を解消させている。
(4−3)
図4の時刻t2から時刻t3までの期間は均圧期間よりも長い時間である。このように、圧縮機21を均圧期間よりも長く停止させておくことで、アキュムレータ26の容器26aの内部を十分に低圧化させられ、アキュムレータ26の容器26aの内部での発泡を促進して液冷媒と冷凍機油の攪拌効果を高めている。それにより、液冷媒と冷凍機油の攪拌効果が向上する。
(4−4)
既に説明したように、室外側制御部28は、圧縮機21が、分離解消運転において、一旦停止して再起動することにより回転数を変化させる動作を複数回繰り返すように制御してもよい。圧縮機21が一旦停止して再起動する動作が複数回繰り返されると、圧縮機21の停止及び再起動による液冷媒と冷凍機油の攪拌を複数回行なわせることができる。
(4−5)
室外側制御部28は、分離解消運転において、図4に示されている液冷媒と冷凍機油の分離が解消される回転数R2以上に一時的に回転数を圧縮機21が上昇させるように制御している。このように室外側制御部28による簡単な制御と圧縮機21の動作で、アキュムレータ26内の液冷媒と冷凍機油を攪拌して液冷媒と冷凍機油の分離状態を解消させることができる。そして、分離状態が解消される時間だけ回転数をR2以上に維持した後は、再び圧縮機21の回転数を通常運転の回転数に戻すように構成されている。そのため、一時的に分離解消運転を行なった後は、室外ユニット20においてそのまま続けて通常運転が行なえる。
(4−6)
冷媒回路11では、R32冷媒を循環させて冷凍サイクルを行なっている。図5は、R32冷媒に関する油濃度と二相分離温度との関係を示すグラフである。図5において、曲線C1は高温側の二相分離温度と油濃度との関係を示しており、曲線C2は低音側の二相分離温度と油濃度との関係を示している。つまり、曲線C1よりも高温になると二相分離が起き、曲線C2よりも低温になっても二相分離が起きることが示されている。図5の曲線C2を見ると、例えば油濃度が15wt%のときには10℃で二相分離が起こり得ることがわかる。10℃よりも低い温度は自然界ではしばしば発生する温度であり、このような環境下にある室外ユニット20において分離解消運転をすると圧縮機21内の冷凍機油が不足して不具合が起きるのを高い頻度で防げることになる。このように冷媒にR32を用いる場合には、分離解消運転による二相分離の解消効果が顕著に認められるものとなる。
(4−7)
ステップS8に移行する条件(所定条件の例)は、圧縮機21の回転数(アキュムレータ26を流れる冷媒の循環量に関連する第1検出値の例)と、外熱交温度(冷媒の蒸発温度に関連する第2検出値の例)とを用いて設定されている。図2を用いて説明したように、冷媒循環量に係わる圧縮機21の回転数と蒸発温度から比較的正確に冷媒が二相分離しているか否かが判断できるので、アキュムレータ26で二相分離が起きていないときに分離解消運転をする無駄を抑制することができる。
(5)変形例
(5−1)変形例A
上記実施形態では、分離解消運転を行なうか否かの所定条件を定めるために、冷媒回路11すなわちアキュムレータ26を循環する冷媒の低圧側の蒸発温度と圧縮機21の回転数と二相分離との関係を用いている(図4参照)。そして、具体的には、この蒸発温度に関連する外熱交温度を温度センサ29から室外側制御部28が受信して分離解消運転の判断を行なっているが、室外側制御部28は、外熱交温度以外の蒸発温度に関連する測定値を用いることもできる。例えば、分離解消運転の判断に用いられる蒸発温度は、圧縮機21の吸入側に設けられた低圧センサで検知される冷媒の圧力から推定されてもよい。また、圧縮機21の吸入温度で蒸発温度を代用することもできる。さらには、アキュムレータ26の内部温度をアキュムレータ26の表面温度から推定して、この内部温度と圧縮機21の回転数と二相分離との関係を予め検討しておき、この関係を用いて分離解消運転を行なうか否かの所定条件を定めてもよい。
(5−2)変形例B
上記実施形態では、圧縮機21の回転数を用いて分離解消運転を行なうか否かの所定条件を定めているが、これはアキュムレータ26を流れる冷媒循環量に関連する第1検出値の例である。この第1検出値として冷媒回路11を循環する冷媒について高圧力と低圧力の差である高低圧差を用いることもできる。この高低圧差から冷媒循環量の大小が判断できるからである。
(5−3)変形例C
圧縮機21に供給される冷媒の粘度を粘度センサなどで測定するとともにこの冷媒の温度を温度センサで測定してこれら粘度と冷媒温度との関係から油濃度を推定し、油濃度と冷媒温度(二相分離温度)と二相分離の関係を用いて分離解消運転を行なうか否かの所定条件を定めてもよい。図5を用いて説明したように、油濃度と二相分離温度とは密接な関係がある。
(5−4)変形例D
上記実施形態では、分離解消運転において圧縮機21の回転数(アキュムレータ26の冷媒循環量)を変化させるために一旦圧縮機21を停止する場合について説明したが、圧縮機21を停止させずに、分離解消運転に移行すると判断したステップS8の時点の圧縮機21の回転数からさらに回転数を上げることによって圧縮機21の回転数を変化させて冷媒循環量を変化させてもよい。
(5−5)変形例E
上記実施形態では、室外側冷媒回路12がアキュムレータ26を通る一本の経路しか持っていなかったが、室外側冷媒回路12はアキュムレータ26のところで並列に複数の経路を持つように構成されてもよく、そのように構成されたときにはアキュムレータ26を循環する冷媒について所定条件が決定されればよい。
10 空気調和機
11 冷媒回路
12 室外側冷媒回路
13 室内側冷媒回路
20 室外ユニット
21 圧縮機
23 室外熱交換器
26 アキュムレータ
29 温度センサ
30 室内ユニット
特開2005−83704号公報

Claims (7)

  1. 冷凍サイクルを行なうための冷媒回路に設けられている圧縮機(21)と、
    前記冷媒回路において前記圧縮機の吸入側に設けられているアキュムレータ(26)と
    を備え、
    前記圧縮機は、液冷媒と冷凍機油とが前記アキュムレータで分離していると判断するための所定条件が満たされたときに、回転数を変化させて液冷媒と冷凍機油の分離を解消する分離解消運転を行なう、冷凍装置。
  2. 前記圧縮機は、前記分離解消運転において、一旦停止して再起動することにより回転数を変化させる、
    請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記圧縮機は、前記分離解消運転において一旦停止した状態を均圧期間よりも長く続ける、
    請求項2に記載の冷凍装置。
  4. 前記圧縮機は、前記分離解消運転において、一旦停止して再起動することにより回転数を変化させる動作を複数回繰り返す、
    請求項2又は請求項3に記載の冷凍装置。
  5. 前記圧縮機は、前記分離解消運転において、液冷媒と冷凍機油の分離が解消される回転数まで一時的に回転数を上昇させる、
    請求項1に記載の冷凍装置。
  6. 前記冷媒回路は、循環させている冷媒の種類がR32である、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の冷凍装置。
  7. 前記所定条件は、前記アキュムレータを流れる冷媒の循環量に関連する第1検出値と冷媒の蒸発温度に関連する第2検出値とを用いて設定されている、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の冷凍装置。
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