以下、本発明の一実施形態について説明する。
<第一実施形態>
図1は、本実施形態に係る墓参支援システム1000の概略構成の一例を示した図である。図示するように、墓参支援システム1000は、端末装置100と、サーバ装置200と、制御装置300とを有している。また、端末装置100とサーバ装置200とは、ネットワークNを介して相互通信可能に接続されている。なお、ネットワークNは、例えばインターネット等の公衆網やLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などである。また、サーバ装置200と制御装置300とは、所定の専用回線あるいはLANなどを介して相互通信可能に接続されている。ただし、これらの各装置間におけるネットワーク構成は上記に限定されるものではなく、各装置が相互通信可能に接続されていればどのようなネットワーク構成であっても良い。
端末装置100は、墓参支援システム1000を利用するユーザが所持しているスマートフォンやタブレット端末である。端末装置100には、墓参支援システム1000を利用する際に使用する専用アプリケーションプログラム(以下、墓参支援アプリという場合がある)がインストールされており、例えば厨子400の映像配信や焼香、献花などの参拝サービスの提供をサーバ装置200に要求する。端末装置100が有する機能の詳細は後述する。
サーバ装置200は、自動搬送式納骨堂のシステムを利用した様々なサービスを端末装置100のユーザに提供する。具体的には、サーバ装置200は、故人の厨子400を参拝ブース410に移動させ、かかる厨子400の映像を端末装置100に配信したり、焼香や献花など様々なサービスをユーザに提供する。サーバ装置200が有する機能の詳細は後述する。
なお、自動搬送式納骨堂とは、いわゆる屋内墓地(屋内霊園)と言われ、故人の厨子400や遺品あるいは遺骨などを収蔵している施設である。また、本実施形態に係る自動搬送式納骨堂のシステムは、故人の厨子400が収蔵されている収蔵棚430と、参拝者が参拝を行う参拝ブース410と、厨子400を参拝ブース410まで移動させるための搬送装置440と、参拝ブース410に設置されているカメラ450およびマイクロフォン460と、参拝ブース410に設置され、指示に応じて焼香や献花を行う所定形状(例えば、人の腕の形状)のロボット420とを備えている。
制御装置300は、サーバ装置200の指示に基づいて、自動搬送式納骨堂が有する搬送装置440と、参拝ブース410内で焼香や献花を行うロボット420とを制御する。具体的には、制御装置300は、搬送装置440を制御して、厨子400を収蔵棚430から取り出し、参拝ブース410まで搬送する。また、制御装置300は、焼香や献花を行うよう参拝ブース410内のロボット420を制御する。なお、墓参支援システム1000では、制御対象に応じて複数台の制御装置300が独立して設けられていても良い。例えば、墓参支援システム1000は、搬送装置440を制御する第1の制御装置300と、ロボット420を制御する第2の制御装置300とが設けられていても良い。また、ロボット420を制御する第2の制御装置は、各ロボット420に内蔵されていても良い。また、制御装置300は、サーバ装置200が有する機能の一部としてサーバ装置200内に組み込まれていても良い。また、ロボット420の制御は、サーバ装置200が実行し、制御装置300は搬送装置440のみ制御しても良い。制御装置300が有する機能の詳細は後述する。
また、厨子400は、故人の画像情報や動画(映像)情報を表示する遺影ディスプレイ401と、故人の戒名を表示する位牌ディスプレイ402と、遺影ディスプレイ401および位牌ディスプレイ402に表示する故人の画像情報や動画情報その他のデジタル情報を記憶したメモリ(例えば、フラッシュメモリやSD(Secure Digital)メモリカードなどの不揮発性記憶装置)403と、焼香台404と、献花台405とを備えている。
図2は、サーバ装置200、端末装置100および制御装置300の機能構成を示した機能ブロックの一例を示した図である。以下、各装置の機能部について説明する。図示するように、サーバ装置200は、処理部210と、記憶部220と、通信部230とを有している。また、処理部210は、認証部211と、サービス提供部212と、映像配信部213と、課金部214と、表示情報生成部215と、対話部216とを有している。
認証部211は、端末装置100のユーザを認証する機能部である。具体的には、認証部211は、ユーザ管理情報222を用いてユーザ認証を行う。
サービス提供部212は、サーバ装置200が実行する様々なサービスをユーザに提供する機能部である。例えば、サービス提供部212は、参拝サービス、故人との対話サービス、故人の画像変更サービス、データのアップロードサービス、リマインド/メッセージ設定サービスおよび参拝予約サービスをユーザに提供する。各サービスの詳細は後述する。
映像配信部213は、参拝ブース410に移動した故人の厨子400を撮影した映像情報を端末装置100に映像配信する機能部である。また、映像配信部213は、例えばお坊さんが参拝ブース410内でお経をあげる際、かかる音声情報を取得して端末装置100に送信する。
課金部214は、ユーザに提供したサービスに応じて課金を行う機能部である。例えば、ユーザが端末装置100を介して焼香や献花のオプションサービスを要求すると、課金部214は、線香および花の種類に応じた代金を課金する。
表示情報生成部215は、端末装置100に表示させる画面情報を生成する機能部である。例えば、表示情報生成部215は、端末装置100に表示させるメニュー画面の画面情報などを生成する。
対話部216は、故人の会話の特徴や癖を再現し、ユーザとの間でチャットによる対話を行う機能部である。
記憶部220は、様々な情報を記憶(格納)する機能部である。具体的には、記憶部220は、故人管理情報221と、ユーザ管理情報222と、収蔵棚情報223と、参拝ブース情報224と、参拝中情報225と、オプション情報226と、リマインド/メッセージ情報227と、予約情報228とを格納している。
図3は、故人管理情報221のデータ構成の一例を示した図である。図示するように、故人管理情報221は、故人を識別する故人IDと、故人の氏名と、命日と、参拝者(ユーザ)のユーザIDと、収蔵棚430の識別情報(例えば、収蔵棚430ID)と、参拝者と故人との関係(例えば、叔父、叔母、長男、長女など)と、特徴情報とを格納している。なお、特徴情報は、故人の会話の特徴や癖を示す情報であって、対話部216がユーザとの間でチャットによる対話を行う際に読み込まれる情報である。このような故人管理情報221は、後述の参拝サービスの処理で用いられる。
図4は、ユーザ管理情報222のデータ構成の一例を示した図である。図示するように、ユーザ管理情報222は、ユーザを識別するユーザIDと、ユーザの氏名と、住所と、参拝候補となる故人の故人IDと、ユーザが所持する端末装置100の識別情報(例えば、MACアドレスなど)と、ユーザの端末装置100にインストールされている墓参支援アプリ141の識別情報と、参拝候補の各故人との関係(例えば、叔父、叔母など)と、課金時に用いられるクレジットカード情報とを格納している。このようなユーザ管理情報222は、後述の参拝サービスの処理で用いられる。
図5は、収蔵棚情報223のデータ構成の一例を示した図である。図示するように、収蔵棚情報223は、収蔵棚430を識別する収蔵棚IDと、該当する収蔵棚430が使用中か否かのステータスを示す状態と、該当する収蔵棚430が使用されている場合はその使用者である故人IDとを格納している。このような収蔵棚情報223は、後述の参拝サービスの処理で用いられる。
図6は、参拝ブース情報224のデータ構成の一例を示した図である。図示するように、参拝ブース情報224は、参拝ブース410を識別する参拝ブースIDと、使用中か否かのステータスを示す状態と、使用されている場合はその参拝ブース410に設置されている厨子400の故人IDとを格納している。このような参拝ブース情報224は、後述の参拝サービスの処理で用いられる。
図7は、参拝中情報225のデータ構成の一例を示した図である。図示するように、参拝中情報225は、現在参拝を行っているユーザ等に関する情報であって、参拝開始時刻と、参拝者を識別するユーザIDと、参拝対象の故人IDと、かかる故人の収蔵棚IDと、使用している参拝ブース410のIDとを格納している。このような参拝中情報225は、後述の参拝サービスの処理で用いられる。
オプション情報226(図示せず)は、焼香の際に選択可能な線香の種類や、献花の際に選択可能な花の種類と、各代金とを対応付けた線香情報および献花情報を有している。オプション情報226は、後述の焼香、献花のオプションサービスの処理で用いられる。
リマインド/メッセージ情報227(図示せず)は、リマインド機能およびメッセージ機能の利用に際し、ユーザが入力した所定情報を格納している。具体的には、リマインド/メッセージ情報227には、ユーザが選択した利用機能(リマインド機能またはメッセージ機能)と、イベント名(例えば、故人の命日、誕生日、ユーザの卒業式など)と、通知情報の表示期間または通知日と、通知内容とがユーザIDに対応付けて格納されている。このようなリマインド/メッセージ情報227は、後述のリマインド/メッセージ設定サービスの処理で用いられる。
図8は、予約情報228のデータ構成の一例を示した図である。図示するように、予約情報228は、参拝の予約日時と、参拝で使用する参拝ブース410のIDと、使用者である故人のIDと、参拝者であるユーザのIDとを格納している。このような予約情報228は、後述の参拝予約サービスの処理で用いられる。
通信部230は、外部装置(例えば、端末装置100および制御装置300)との間で情報通信を行う機能部である。通信部230は、サーバ装置200で生成された様々な情報を外部装置に送信し、外部装置からの情報を取得する。
図2に戻って説明する。端末装置100は、入力受付部110および表示部120と、処理部130と、記憶部140と、通信部150とを有している。なお、処理部130は、墓参支援アプリ141の実行により起動する機能部である。また、入力受付部110および表示部120は、端末装置100が有している機能部であって、墓参支援アプリ141が起動していない状態でも動作する。
入力受付部110は、端末装置100が備えるタッチパネル式の入出力装置(タッチパネル式ディスプレイ)を介してユーザから情報の入力を受け付ける機能部である。具体的には、入力受付部110は、ユーザがタッチパネルへのタッチを行うことにより、かかる入力情報を受け付ける。また、表示部120は、画面情報を生成し、生成した画面情報を入出力装置に表示する機能部である。
処理部130は、墓参支援アプリ141の実行により起動する機能部である。処理部130は、機能実行部131と、出力部132とを有している。
機能実行部131は、端末装置100が行う様々な処理を実行する機能部である。
出力部132は、端末装置100のディスプレイに表示する画面情報を生成する機能部である。また、出力部132は、サーバ装置200から取得した画面情報をディスプレイに表示する。
記憶部140は、端末装置100の処理に用いられる情報を記憶する機能部である。具体的には、記憶部140は、墓参支援アプリ141を格納している。
通信部150は、外部装置(例えば、サーバ装置200)との間で情報通信を行う機能部である。通信部150は、端末装置100で生成された様々な情報を外部装置に送信し、外部装置からの情報を取得する。
制御装置300は、制御部310と、通信部320とを有している。また、制御部310は、搬送制御部311と、全体制御部312と、音声映像制御部313と、ロボット制御部314とを有している。
搬送制御部311は、サーバ装置200からの指示に基づいて、厨子400を所定の参拝ブース410に搬送するよう搬送装置440を制御する機能部である。
全体制御部312は、制御装置300の様々な処理を実行する機能部である。例えば、全体制御部312は、サーバ装置200から取得したアップロードデータを、所定の厨子400のメモリに格納する。また、全体制御部312は、サーバ装置200から画像情報または動画情報のファイル名を取得すると、かかるファイル名で特定される画像情報または動画情報が、参拝ブース410への搬送時に厨子400内の遺影ディスプレイ401に表示する画像情報または動画情報であることを厨子400内のメモリに記憶する。
音声映像制御部313は、参拝ブース410内に設置されているカメラ450から映像情報を取得する機能部である。音声映像制御部313は、取得した映像情報をサーバ装置200に送信する。また、音声映像制御部313は、参拝ブース410に設置されているマイクロフォン460を介してお経を唱えるお坊さんの音声を集音し、サーバ装置200に送信する。
ロボット制御部314は、参拝ブース410内に設置されている腕型ロボット420を制御する機能部である。具体的には、ロボット制御部314は、サーバ装置200からの指示に基づき、焼香や献花を行うようロボット420を制御する。
通信部320は、外部装置(例えば、サーバ装置200)との間で情報通信を行う機能部である。通信部320は、制御装置300で生成された様々な情報を外部装置に送信し、外部装置からの情報を取得する。
以上、サーバ装置200、端末装置100および制御装置300の機能ブロックについて説明した。
図9は、サーバ装置200、端末装置100および制御装置300のハードウェア構成の一例を示した図である。サーバ装置200および制御装置300は、例えば高性能な情報処理装置により実現される。また、端末装置100は、例えばスマートフォンやタブレット端末などの携帯端末あるいはパーソナルコンピュータにより実現される。
サーバ装置200は、図示するように、入力装置551と、出力装置552と、外部記憶装置553と、演算装置554と、主記憶装置555と、通信装置556と、これらを電気的に相互接続するバス557とを有している。
入力装置551は、例えばキーボードやマウスあるいはタッチパネルなどのポインティングデバイスである。出力装置552は、例えばディスプレイやスピーカである。外部記憶装置553は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)などである。
演算装置554は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの処理装置である。主記憶装置555は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリ装置である。通信装置556は、外部装置との間で情報通信(無線通信または有線通信)を行うための通信モジュールなどである。
端末装置100は、図示するように、入出力装置501と、外部記憶装置502と、演算装置503と、主記憶装置504と、通信装置505と、これらを電気的に相互接続するバス506とを有している。
入出力装置501は、タッチパネル式のディスプレイ装置である。入出力装置501は、タッチを検知してユーザによる入力情報を出力する。また、入出力装置501は、生成された画面情報を出力(表示)する。なお、入出力装置501には、音声情報を出力するスピーカも含まれる。
外部記憶装置502は、デジタル情報を記憶可能なフラッシュメモリやSDメモリカードなどの不揮発性記憶装置である。
なお、演算装置503、主記憶装置504および通信装置505の各々は、前述のサーバ装置200と同様のため、詳細な説明は省略する。
また、制御装置300は、入力装置601と、表示装置602と、外部記憶装置603と、演算装置604と、主記憶装置605と、通信装置606と、これらを電気的に相互接続するバス607とを有している。なお、これらの各装置は、前述のサーバ装置200と同様のため、詳細な説明は省略する。
サーバ装置200の処理部210および制御装置300の制御部310に含まれる各機能部は、CPUに処理を行わせるプログラムによって実現される。これらのプログラムは、ROMあるいは外部記憶装置553、603に格納されており、実行にあたってRAM上にロードされ、CPUにより実行される。また、サーバ装置200の記憶部220は、RAM、ROMまたは外部記憶装置553によって実現されても良く、これらの組み合わせによって実現されても良い。また、サーバ装置200の通信部230および制御装置300の通信部320は各々、通信装置556、606によって実現される。
また、端末装置100の入力受付部110および表示部120は、入出力装置501により実現される。また、端末装置100の処理部130は、CPUに処理を行わせる墓参支援アプリケーションプログラムによって実現される。このプログラムは、ROMあるいは外部記憶装置502に格納されており、実行にあたってRAM上にロードされ、CPUにより実行される。また、記憶部140は、RAM、ROMまたは外部記憶装置502によって実現されても良く、これらの組み合わせによって実現されても良い。また、通信部150は、通信装置505によって実現される。
なお、サーバ装置200、端末装置100および制御装置300の各機能ブロックは、本実施形態に係るこれらの装置の機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。したがって、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。また、サーバ装置200、端末装置100および制御装置300の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
また、各機能部の全部または一部は、コンピュータに実装されるハードウェア(ASICといった集積回路など)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
[動作の説明]
図10は、墓参支援システム1000が有する各装置間における情報のやり取りを示したシーケンス図である。まず、端末装置100の入力受付部110は、墓参支援アプリ141の起動指示をユーザから受け付けると、記憶部140に予め格納されている墓参支援アプリ141を起動させる。
墓参支援アプリ141が起動すると、端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介して、ユーザ認証のためのユーザ情報の入力を受け付ける。具体的には、端末装置100の機能実行部131は、出力部132を介してユーザ情報(例えば、ユーザIDおよびパスワードなど)の入力画面をディスプレイに表示し、ユーザ情報の入力を受け付ける。また、機能実行部131は、通信部150を介して、入力を受け付けたユーザ情報をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200の認証部211は、通信部230を介して取得したユーザ情報とユーザ管理情報222とを照合し、ユーザ情報がユーザ管理情報222に登録されている場合、ユーザ認証を正常に完了する。ユーザ認証が完了すると、表示情報生成部215は、端末装置100に表示するメニュー画面の画面情報を生成し、通信部230を介して端末装置100に送信する。
端末装置100の出力部132は、通信部150を介して取得したメニュー画面の画面情報をディスプレイに表示する。
図11は、メニュー画面の一例を示した図である。図示するように、メニュー画面は、墓参支援システム1000がユーザに提供する各種サービスを表示したサービス表示領域と、所定の通知メッセージを表示するメッセージ表示領域とを有している。なお、各種サービスには、「参拝」、「故人と対話」、「故人の画像変更」、「データのアップロード」、「リマインド/メッセージ設定」、「参拝予約」がある。また、メッセージ表示領域には、例えば故人の命日や法事日あるいは故人からのメッセージなど種々のメッセージが表示される。
なお、本実施形態では、参拝サービスの詳細について説明する。参拝サービス以外の各種サービスに関する処理については、第二実施形態以降の実施形態で詳細に説明する。
図10に示すように、端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介して参拝サービスの選択を受け付けると、通信部150を介して、参拝サービスの実施要求をユーザIDと共にサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して参拝サービスの実施要求を取得すると、参拝候補の故人を識別する識別情報を抽出する。具体的には、サービス提供部212は、取得したユーザIDが対応付けられているユーザ管理情報222から参拝候補の故人を特定する識別情報(例えば、故人IDなど)を特定する。また、サービス提供部212は、特定した識別情報が対応付けられている故人管理情報221を用いて、参拝候補の故人の氏名を抽出する。また、表示情報生成部215は、参拝対象となる故人の選択をユーザから受け付ける画面情報を生成し、通信部230を介して、端末装置100に送信する。
端末装置100の出力部132は、通信部150を介して取得した画面情報をディスプレイに表示する。
図12は、参拝対象となる故人の選択を受け付ける画面例を示した図である。図示するように、かかる画面には、サーバ装置200で抽出された参拝候補の故人の識別情報である氏名が表示されている。
図10に示すように、機能実行部131は、入力受付部110を介して参拝候補の中から参拝対象となる故人の選択を受け付けると、通信部150を介して、選択された故人の氏名をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して取得した故人の氏名が登録されている故人管理情報221を用いて、かかる故人の厨子400が収蔵されている収蔵棚430の識別情報(例えば、収蔵棚ID)を特定する。
また、サービス提供部212は、参拝ブース情報224を用いて、現在使用されていない空きブースを特定する。また、サービス提供部212は、通信部230を介して、特定した収蔵棚430から空きブースに故人の厨子400を移動させる搬送指示を制御装置300に送信する。なお、搬送指示には、収蔵棚430の識別情報や空きブースを特定する情報などが含まれているものとする。
また、サービス提供部212は、搬送指示を行うと、参拝者であるユーザの識別情報(例えば、ユーザID)と、参拝対象の故人の識別情報(例えば、故人ID)と、収蔵棚430の識別情報(例えば、収蔵棚IDなど)と、参拝開始時刻とを参拝中情報225に登録する。また、サービス提供部212は、参拝ブース情報224を更新し、厨子400を設置する参拝ブース410の状態を「使用中」に変更し、使用者である故人の故人IDを登録する。
制御装置300の搬送制御部311は、搬送装置440を制御することにより、収蔵棚430に収蔵されている厨子400を取り出し、搬送装置440に乗せて空きブースに移動させる。また、搬送制御部311は、予め指定されている故人の画像情報および戒名情報を厨子400内のメモリ403から取得し、これらの情報を厨子400内の遺影ディスプレイ401および位牌ディスプレイ402に出力表示する。
なお、家族である複数の故人(例えば、お祖父さん、お祖母さん、両親など)について1つの厨子400を共通で使用する場合、遺影ディスプレイ401や位牌ディスプレイ402に表示する情報であって、予め指定されている故人ごとの画像情報および戒名情報と、かかる故人の識別情報(例えば、故人ID)と、が対応付けられてメモリ403に格納されていれば良い。この場合、参拝対象の故人がユーザに選択されると、サーバ装置200のサービス提供部212は、故人管理情報221から選択された故人の厨子400が収蔵された収蔵棚を識別する情報(例えば、収蔵棚ID)を特定する。そして、サービス提供部212は、故人および収蔵棚の識別情報を搬送指示に含め、通信部230を介して、かかる搬送指示を制御装置300に送信する。
搬送指示を取得した制御装置300の搬送制御部311は、搬送指示に含まれる故人の識別情報に基づいて、選択された故人に対応付けられた指定の画像情報および戒名情報を厨子400のメモリ403から取得し、これらを遺影ディスプレイ401および位牌ディスプレイ402に出力表示する。
また、厨子400の搬送が完了すると、音声映像制御部313は、参拝ブース410に設置されているカメラ450を起動させ、参拝ブース410内の厨子400を映した映像情報を取得する。また、音声映像制御部313は、通信部320を介して、取得した映像情報を逐次、サーバ装置200に送信する。
サーバ装置200の映像配信部213は、通信部230を介して、制御装置300から取得した映像情報を逐次、端末装置100に送信する。これにより、サーバ装置200は、自動搬送式納骨堂にある故人の厨子400を映した映像をユーザの端末装置100に配信することができる。
端末装置100の出力部132は、サーバ装置200から映像情報を取得すると、かかる映像情報の表示領域(以下では、配信映像表示領域という)を割り当てた参拝画面情報を生成しディスプレイに表示する。なお、出力部132は、サーバ装置200から映像情報を取得するまでの間、配信映像表示領域に所定のメッセージ(例えば、「準備ができるまでもうしばらくお待ちください」など)を表示した画面情報を生成してディスプレイに表示する。
図13は、参拝画面の一例を示した図である。図示するように、参拝画面は、故人の厨子400を表示した配信映像表示領域701と、焼香、献花など所定のオプションサービスを表示したオプション表示領域702とを有している。配信映像表示領域701には、自動搬送式納骨堂の参拝ブース410に搬送された厨子400の配信映像が映し出されている。オプション表示領域702には、例えば「お焼香」、「献花」、「お経」、「参拝者間チャット」といった所定のオプションサービスが選択可能に表示されている。
図10に示すように、ここで、機能実行部131が、入力受付部110を介してオプションサービスの選択を受け付けると、通信部150を介して、選択されたオプションサービスの種類に応じた所定の要求をサーバ装置200に送信する。例えば、機能実行部131は、入力受付部110を介してお焼香のオプションサービスの選択を受け付けると、通信部150を介して、線香種類の取得要求をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して線香種類の取得要求を受け付けると、記憶部内のオプション情報226から線香の種類および代金に関する線香情報を取得する。また、サービス提供部212は、通信部230を介して、線香情報を端末装置100に送信する。
端末装置100の出力部132は、通信部150を介して取得した線香情報を含む画面情報をディスプレイに表示する。
図14は、線香種類が表示された画面例を示している。図示するように、オプション表示領域には、複数種類の線香と、各々の代金とが対応付けて表示されている。
図10に示すように、端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介して線香種類が選択され、決定アイコンが押下されると、通信部150を介して、焼香要求をサーバ装置200に送信する。具体的には、機能実行部131は、通信部150を介して、選択された線香種類を含む焼香の実施要求をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して焼香要求を取得すると、線香の種類と共に焼香指示を制御装置300に送信する。なお、焼香指示には、焼香を行う厨子400が設置されている参拝ブース410の識別情報(例えば、参拝ブースID)が含まれている。
また、課金部214は、選択された線香種類に応じた代金を課金し、ユーザ情報に登録されているクレジットカード会社に対して請求を行う。
制御装置300のロボット制御部314は、通信部320を介して焼香指示を取得すると、腕型のロボット420を制御して焼香を行う。例えば、ロボット制御部314は、参拝ブース410内に置かれている線香箱から指示に応じた種類の線香を取り出し、これに火を付けて焼香台404に置くよう腕型ロボット420を制御する。
このような腕型のロボット420による一連の焼香動作は、端末装置100に映像配信されている。そのため、ユーザは、端末装置100を介して、参拝している故人に対して焼香されている様子を見ることができる。すなわち、ユーザは、自身の指示に連動して動く腕型のロボット420が焼香している様子を映像で見ながら参拝することができる。これにより、ユーザは、自身が焼香している感覚に近い感覚を得ることができるため、遠隔による参拝であっても、充分な達成感や満足感を得ることができる。
なお、献花のオプションについても焼香の場合と同様である。すなわち、図13に示す参拝画面において、ユーザが献花のオプションを選択すると、端末装置100は、花の種類の取得要求をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200は、かかる取得要求を端末装置100から取得すると、オプション情報226から花の種類および代金を含む献花情報を取得し、これを端末装置100に送信する。
端末装置100では、献花情報をオプション表示領域に表示して、花の種類の選択を受け付ける。また、端末装置100は、花の種類の選択を受け付けると、献花要求をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200は、献花要求を取得すると、花の種類と共に献花指示を制御装置300に出力する。なお、サーバ装置200は、花の種類に応じた代金を課金する。
制御装置300は、献花指示を取得すると、腕型のロボット420を制御して献花を行う。例えば、制御装置300は、指示に応じた種類の花を参拝ブース410内の花置き場から取り上げ、これを献花台405に手向けるよう腕型のロボット420を制御する。
また、サーバ装置200は、所定時間(例えば、15分間)が経過すると参拝を終了するように制御する。具体的には、サーバ装置200のサービス提供部212は、参拝中情報225を参照し、開始時刻から所定時間が経過した厨子400を収蔵棚430に移動させる終了指示を制御装置300に出力する。終了指示には、参拝を終了させる参拝ブース410の識別情報(例えば、参拝ブースID)や収蔵棚430の識別情報(例えば、収蔵棚ID)など搬送に必要な所定情報が含まれているものとする。
制御装置300の搬送制御部311は、終了指示を取得すると、搬送装置440を制御して、参拝ブース410内の厨子400を元の収蔵棚430に移動させる。この時、音声映像制御部313は、カメラ450およびマイクロフォン460の電源をOFFにする。また、搬送制御部311は、厨子400の移動が完了すると、通信部320を介して、参拝終了通知をサーバ装置200に出力する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して参拝終了通知を取得すると、参拝者であるユーザID、故人IDおよび参拝開始時刻の情報を参拝中情報225から削除する。また、サービス提供部212は、参拝が終了した参拝ブース410のブース情報の状態を「空き」に変更する。これにより、サーバ装置200は参拝サービスの一連の動作を終了する。
このような墓参支援システムによれば、実際に墓参したような達成感や満足感が得られるようにユーザの墓参を支援することができる。特に、墓参支援システムでは、ユーザ指示に連動して腕型のロボットを制御し、かつ、焼香や献花している様子を配信することで、ユーザが墓参についてより充実した達成感、満足感を得ることができるよう支援することができる。
(お経のオプションサービス)
なお、前述のオプション表示領域702に表示された「お経」が選択された場合、参拝ブース410内でお坊さんにお経をあげてもらい、その様子を端末装置100に映像配信するサービスが提供される。具体的には、端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介してお経のオプションサービスの選択を受け付けると、通信部150を介して、お経の実施要求をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介してお経の実施要求を受け付けると、所定の依頼手段を用いて、予め自動搬送式納骨堂内の控え室などに待機しているお坊さんにお経を依頼する。ここで、所定の依頼手段とは、例えば控え室に設置された表示装置であって、サービス提供部212は、通信部230を介して、かかる表示装置にお経の依頼およびお経をあげる故人の厨子400が設置された参拝ブース410の識別情報を表示する。
なお、所定の依頼手段はこれに限定されるものではなく、お経の依頼および参拝ブース410の識別情報を通知できればどのような手段であっても良い。例えば、端末装置100のメールやチャット機能を利用し、サーバ装置200のサービス提供部212がお坊さんの所持する端末装置100にお経を依頼するメールやメッセージを送信するようにしても良い。
なお、サービス提供部212がお経のオプションサービスを受け付けると、課金部214は、お経の代金を課金し、ユーザ情報に登録されているクレジットカード会社に対して請求を行う。
また、制御装置300の音声映像制御部313は、参拝ブース410に設置されているマイクロフォン460を起動させる。また、音声映像制御部313は、マイクロフォン460を介してお経を唱えるお坊さんの音声を集音し、通信部320を介して音声情報をサーバ装置200に送信する。サーバ装置200の映像配信部213は、通信部230を介して取得した音声情報を端末装置100に送信する。端末装置100の出力部132は、通信部150を介して取得した音声情報をスピーカに出力する。
これにより、ユーザは、お経が上げられている様子を配信映像で確認することができる。このようなオプションサービスの提供により、墓参支援システムは、ユーザがより充実した達成感、満足感を得ることができるように支援することができる。
(参拝者間チャットのオプションサービス)
また、前述のオプション表示領域702に表示された「参拝者間チャット」のオプションサービスが選択された場合、参拝者間でチャットによるメッセージのやり取りを可能とするサービスが提供される。
参拝者間チャットのオプションサービスが提供されるのは、1人の故人に対して複数の端末装置100から参拝が行われていることが前提となる。例えば、ユーザAの参拝中に、ユーザBが参拝しようとした場合、図12に示す表示情報には、ユーザAが参拝中であることが表示される。
かかる画面情報の生成は、以下の処理により実現される。まず、ユーザBの端末装置100から参拝サービスの実施要求を取得したサーバ装置200のサービス提供部212は、ユーザ管理情報222から参拝候補の故人の故人IDを特定する。また、サービス提供部212は、特定した故人IDが参拝中情報225に登録されているか否かを判定する。
そして、参拝中情報225にかかる故人IDが登録されていると判定した場合、サービス提供部212は、故人管理情報221を用いて故人IDに対応付けられている故人の氏名を特定する。また、サービス提供部212は、参拝者のユーザIDを参拝中情報225から抽出し、ユーザ管理情報222を用いてユーザIDが対応付けられているユーザの氏名を特定する。また、表示情報生成部215は、故人の氏名と、参拝中であるユーザの氏名とを対応付けて表示した画面情報を生成し、通信部230を介して、端末装置100に送信する。
端末装置100の出力部132は、通信部150を介して取得した画面情報をディスプレイに表示する。
図15は、参拝候補となる故人の氏名に参拝中のユーザ氏名が対応付けられた画面例を示した図である。図示するように、ユーザBの表示画面には、参拝候補の故人の一人を示すアイコンに対応付けて、ユーザAが参拝中であることを示す情報が表示されている。
端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介して他のユーザが参拝中の故人の選択を受け付けると、通信部150を介して、かかる故人および参拝中のユーザの氏名をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して故人および参拝中のユーザの氏名を取得すると、参拝中情報225を用いて、かかる故人の厨子400が設置されている参拝ブース410を特定する。また、映像配信部213は、通信部230を介して、かかる参拝ブース410から取得している映像情報をユーザBの端末装置100に送信する。この時、映像配信部213は、ユーザAが参拝中であることを示す情報を併せて送信する。
映像情報を取得したユーザBの端末装置100の出力部132は、取得した映像情報を配信映像表示領域701に表示した参拝画面の画面情報を生成し、ディスプレイに表示する。また、出力部132は、オプション表示領域702の参拝者間チャットサービスを示すアイコンにユーザAが参拝中であることを示す情報を対応付けて表示する。
図16は、参拝者間チャットのアイコンに、参拝中のユーザ氏名が対応付けられて表示された画面例である。このような表示により、ユーザBは、ユーザAが参拝中であり、当事者間でチャットが可能であることを認識することができる。
端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介して参拝者間チャットの選択を受け付けると、通信部150を介して、チャットの実施要求をサーバ装置200にこれを送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介してチャットの実施要求を受け付けると、ユーザIDを用いて、ユーザBとユーザAとをチャット参加者として関連付ける。また、サービス提供部212は、通信部230を介して、チャットの開始許可を端末装置100に送信する。
端末装置100の機能実行部131は、通信部150を介してチャットの開始許可を取得すると、出力部132を介して、映像表示領域710と、チャット表示領域711と、キーボード712とを表示した参拝者間におけるチャット仕様の画面情報を生成し、ディスプレイに表示する。
図17は、チャット表示領域711を含む画面情報の一例を示した図である。図示するよう、映像表示領域710には、参拝ブース410内の厨子400の映像が表示され、チャット表示領域711にはチャットのメッセージが表示されている。また、表示画面下部には、ユーザから文字入力を受け付けるキーボード712が表示されている。
端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介してユーザからメッセージの入力を受け付けると、通信部150を介してサーバ装置200に送信する。なお、機能実行部131は、出力部132を介して、送信したメッセージをチャット表示領域711に反映(表示)させる。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して入力メッセージを取得すると、メッセージの送信元ユーザ(例えば、ユーザB)のユーザIDに関連付けられているユーザID(例えば、ユーザAのユーザID)を特定する。また、サービス提供部212は、特定したユーザIDを有するユーザの端末装置100をユーザ管理情報222から特定し、通信部230を介して、かかる端末装置100にメッセージを送信する。
送信先ユーザの端末装置100の機能実行部131は、通信部150を介してチャットのメッセージを取得すると、出力部132を介してチャット仕様の画面情報を生成し、取得したメッセージと共にディスプレイに表示する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、このようにしてユーザ間におけるメッセージの中継を行うことにより、参拝者間でのチャットサービスを提供する。
このような墓参支援システムによれば、ユーザは、参拝中の親戚などとチャットを通じて言葉を交わすことができるため、墓参時により大きな達成感や満足感を得ることができる。
<第二実施形態>
第二実施形態に係る墓参支援システム1000は、AI(Artificial Inteligence)を搭載したチャットボットによる疑似の故人と対話するサービスをユーザに提供する。
チャットボットとは、テキストや音声を通じて会話を自動的に行うプログラムを指す。また、AI(人工知能)を搭載したチャットボットとは、ユーザから取得したテキストや音声の内容を理解し、故人と同じように対話を行うことを可能とした擬人プログラムである。なお、チャットボットは、故人の会話の特徴や癖などを表現できるよう事前に機械学習しているものとする。なお、チャットボットや機械学習については公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
サーバ装置200は、チャットボットを実現する機能部である対話部216を処理部210に有している。また、故人管理情報221には、機械学習された故人の会話の特徴や癖などを記録した特徴情報が登録されている。対話部216は、かかる特徴情報を読み込むことで、ユーザが対話を望む故人の会話の特徴や癖を再現した会話(チャット)を実現することができる。
以下、故人との対話サービスの処理について説明する。端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介して、図11のメニュー画面から対話サービスの選択を受け付けると、通信部150を介して、対話サービスの実施要求をユーザID共にサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して対話サービスの実施要求を受け付けると、前述の参拝候補となる故人を特定した方法と同様の方法により、かかるユーザの対話候補となる故人の氏名を特定する。また、表示情報生成部215は、特定した故人を表示して対話対象となる故人の選択をユーザから受け付ける画面情報を生成し、通信部230を介して、端末装置100に送信する。
端末装置100の出力部132は、通信部150を介して取得した画面情報をディスプレイに表示する。また、機能実行部131は、入力受付部110を介して対話候補の中から対話対象となる故人の選択を受け付けると、通信部150を介して、選択された故人の氏名をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200の対話部216は、通信部230を介して取得した故人の氏名が登録されている故人管理情報221を用いて、故人の特徴情報を読み込む。また、対話部216は、通信部230を介して故人とのチャットの開始許可を端末装置100に送信する。
端末装置100の機能実行部131は、通信部150を介して故人とのチャットの開始許可を取得すると、出力部132を介して、チャット表示領域と、キーボードとを表示した画面情報を生成し、ディスプレイに表示する。
図18は、故人との対話を行うチャット画面の一例を示した図である。図示するよう、チャット表示領域720には、故人との間でやり取りされるメッセージが表示されている。また、表示画面下部には、ユーザから文字入力を受け付けるキーボード721が表示されている。
端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介してユーザからメッセージの入力を受け付けると、通信部150を介してサーバ装置200に送信する。なお、機能実行部131は、出力部132を介して、送信したメッセージをチャット表示領域720に反映(表示)させる。
サーバ装置200の対話部216は、通信部230を介して取得したメッセージ(例えば、「今日、卒業式なんだよ」など)の内容を解読し、応答メッセージ(例えば、「卒業おめでとう!」)を生成する。なお、応答メッセージは、故人の会話の特徴や癖が反映されたものとなっている。対話部216は、通信部230を介して、生成した応答メッセージを端末装置100に送信する。
端末装置100の機能実行部131は、通信部150を介して対話部216が生成した応答メッセージを取得すると、出力部132を介してチャット表示領域720に表示する。
サーバ装置200の対話部216は、このようにしてユーザと故人(チャットボット)との間のチャットによる対話サービスを提供する。
このような墓参支援システムによれば、ユーザは、故人との間でチャットにより対話を行うことができる。特に、故人のチャットボットはAIの機械学習によって故人の会話に近いニュアンスの応答メッセージを生成することができる。そのため、ユーザは、あたかも故人と会話しているかのような気持ちになり、満足感を感じることができる。
<第三実施形態>
第三実施形態に係る墓参支援システム1000は、厨子400に搭載されているメモリ403に端末装置100から様々な種類のデータをアップロード可能とするサービスを提供する。
具体的には、端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介して、図11のメニュー画面からアップロードサービスの選択を受け付けると、通信部150を介して、アップロードサービスの実施要求をユーザID共にサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介してアップロードサービスの実施要求を受け付けると、前述の参拝候補となる故人を特定した方法と同様の方法により、データをアップロードする故人の氏名を特定する。また、表示情報生成部215は、特定した故人を表示してデータのアップロード対象となる故人の選択をユーザから受け付ける画面情報を生成し、通信部230を介して、端末装置100に送信する。
端末装置100の出力部132は、通信部150を介して取得した画面情報をディスプレイに表示する。また、機能実行部131は、入力受付部110を介してデータをアップロードする故人の選択を受け付けると、通信部150を介して、選択された故人の氏名をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して故人の氏名を取得すると、故人管理情報221を用いて、故人の厨子400の識別情報(例えば、厨子ID)を特定する。また、サービス提供部212は、通信部230を介してデータのアップロード許可を端末装置100に送信する。
端末装置100の機能実行部131は、通信部150を介してデータのアップロード許可を取得すると、出力部132を介して、厨子400にアップロードするデータを選択するための画面情報をディスプレイに表示する。アップロード可能なデータには、例えば、故人の画像情報、動画情報、音声情報、ユーザが書いた手書きの手紙を所定の形式に変換したファイル情報(例えば、PDFファイル)などがある。出力部132は、これらの情報が格納されている記憶部140を参照し、アップロード可能なデータを所定の形式(例えば、リスト形式)で選択可能に表示した画面情報を生成し、ディスプレイに表示する。
端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介して、アップロードするデータの選択を受け付けると、通信部150を介して、選択されたデータをユーザIDと共にサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介してアップロードデータを取得すると、制御装置300にアップロード指示を出力する。具体的には、サービス提供部212は、特定した厨子400のメモリ403に対して端末装置100から取得したデータを格納させる指示を、かかるデータと共に制御装置300に出力する。
制御装置300の全体制御部312は、通信部320を介して取得したデータを、特定された厨子400のメモリ403に格納する。これにより、故人の画像情報、動画情報あるいはユーザが故人に向けて書いた手紙のデータファイルなどを故人の厨子400のメモリ403に格納することができる。
例えば、このように故人の画像情報や動画情報をアップロード可能とすることで、ユーザは、厨子400内のディスプレイに表示させる故人の画像などを好みの画像に変更することができる。なお、厨子400に映し出される故人の画像等の変更サービスについては後述する。
このような墓参支援システムによっても、ユーザが墓参時に達成感や満足感を得られるよう支援することができる。特に、ユーザが故人に書いた手紙を厨子にアップロードすることで、自身の気持ちを故人に伝えられた気持ちになり、より大きな達成感や満足感を得ることができる。また、故人の画像や動画を厨子にアップロードすることで、適宜好みの画像等に変更することが可能となるため、墓参支援システムは、ユーザが満足感を得ることを支援することができる。
<第四実施形態>
本実施形態に係る墓参支援システム1000は、厨子400内のディスプレイに表示する故人の画像の変更サービスを提供する。
具体的には、端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介して、図11のメニュー画面から故人の画像変更サービスの選択を受け付けると、通信部150を介して、画像変更サービスの実施要求をユーザID共にサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して画像変更サービスの実施要求を受け付けると、前述の参拝候補となる故人を特定した方法と同様の方法により、画像を変更する故人の氏名を特定する。また、表示情報生成部215は、特定した故人を表示して画像を変更する故人の選択をユーザから受け付ける画面情報を生成し、通信部230を介して、端末装置100に送信する。
端末装置100の出力部132は、通信部150を介して取得した画面情報をディスプレイに表示する。また、機能実行部131は、入力受付部110を介して画像を変更する故人の選択を受け付けると、通信部150を介して、選択された故人の氏名をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して故人の氏名を取得すると、故人管理情報221を用いて、故人の厨子400の識別情報(例えば、厨子ID)を特定する。また、サービス提供部212は、通信部230を介して、特定した厨子400のメモリ403に格納されている画像情報および映像情報のファイル名をリスト化したリスト情報の取得要求を制御装置300に出力する。また、サービス提供部212は、かかるリスト情報を取得すると、通信部230を介して、画像変更の許可と共にリスト情報を端末装置100に送信する。
端末装置100の機能実行部131は、通信部150を介してリスト情報を取得すると、出力部132を介して、選択可能にディスプレイに表示する。また、機能実行部131は、入力受付部110を介して、厨子400内のディスプレイに表示させたい画像情報または動画情報の選択を受け付けると、通信部150を介して、選択された情報のファイル名をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して画像情報または動画情報のファイル名を取得すると、これを厨子400内のディスプレイに表示する情報として制御装置300に送信する。
制御装置300の全体制御部312は、通信部320を介して画像情報または動画情報のファイル名を取得すると、かかるファイル名で特定される画像情報または動画情報が、参拝ブース410への搬送時に厨子400内の遺影ディスプレイ401に表示する画像情報または動画情報であることを厨子400内のメモリ403に記憶する。
このような墓参支援システムによれば、厨子のディスプレイに表示する画像などをユーザの好みに応じて適宜変更できることから、ユーザが満足感を得ることを支援することができる。
<第五実施形態>
本実施形態に係る墓参支援システム1000は、故人の命日や誕生日などを通知するリマインド機能や、予め登録された日(例えば、ユーザの誕生日や孫の入学・卒業式の日など)に故人からのお祝いメッセージなどを表示するメッセージ機能を設定するリマインド/メッセージ設定サービスを提供する。
具体的には、端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介して、図11のメニュー画面からリマインド/メッセージ設定サービスの選択を受け付けると、通信部150を介して、かかるサービスの実施要求をユーザID共にサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介してリマインド/メッセージサービスの実施要求を受け付けると、イベントと日付の設定をユーザから受け付ける所定の画面情報を生成し、通信部230を介して、端末装置100に送信する。
図19は、リマインド/メッセージサービスの設定画面の一例を示した図である。図示するように、設定画面には、ラジオボタンにより選択される機能名の表示領域730と、イベント名の表示領域731と、通知情報の表示期間または通知日の入力を受け付ける入力欄732と、通知内容の入力を受け付ける入力欄733とが表示されている。なお、リマインド機能に対応するイベントには、例えば故人の命日、誕生日、法事(例えば、三回忌等)などがある。また、メッセージ機能に対応するイベントには、例えばユーザまたは孫の誕生日、入学・卒業日、結婚式の日などがある。
なお、リマインド機能が選択された場合に、通知情報の表示を行う「期間」を入力できる。また、メッセージ機能が選択された場合に、通知を行う「日」を入力できる。
端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介して、各種選択および入力を受け付けると、通信部150を介して、入力情報をサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して入力情報を取得すると、イベント名と、通知情報の表示期間または通知日と、通知内容と、をユーザIDに対応づけてリマインド/メッセージ情報227に格納する。
なお、端末装置100の出力部132は、例えばメニュー画面を表示する際にリマインド機能またはメッセージ機能によるメッセージ情報をメッセージ表示領域800に表示する。具体的には、端末装置100の出力部132は、メニュー画面をディスプレイに表示する際、通信部150を介して、メッセージの有無の確認要求をユーザID共にサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、リマインド/メッセージ情報227を参照し、取得したユーザIDが対応付けられているイベント名を抽出する。また、抽出したイベント名に対応付けられている表示期間または通知日を参照し、当該処理の日が表示期間または通知日に該当するか否かを判定する。そして、該当すると判定した場合、サービス提供部212は、対応付けられている通知内容を抽出し、通信部230を介して端末装置100に送信する。
端末装置100の機能実行部131は、通信部150を介して取得した通知内容をメニュー画面のメッセージ表示領域800に表示する。
なお、通知内容は、ユーザが入力したものではなく、サービス提供部212がイベントの種類に応じた通知内容を生成するようにしても良い。
このような墓参支援システムによっても、ユーザの墓参を支援することができる。特に、リマインド機能によって、ユーザは、故人の命日や誕生日あるいは法事日などを忘れずに済む。また、メッセージ機能によって、ユーザは、故人から誕生日や入学・卒業をお祝いされている気持ちになる。そのため、ユーザは、満足感を得ることができる。
<第六実施形態>
本実施形態に係る墓参支援システム1000は、参拝の予約サービスを提供する。具体的には、端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介して、図11のメニュー画面から参拝予約サービスの選択を受け付けると、通信部150を介して、かかるサービスの実施要求をユーザID共にサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して参拝予約サービスの実施要求を受け付けると、参拝ブース410の予約状況を記録した予約情報228を参照し、空いている(予約が入っていない)時間帯を特定する。また、表示情報生成部215は、特定された参拝ブース410の空き時間を選択可能に表示するための画面情報を生成し、通信部230を介して、端末装置100に送信する。
端末装置100の出力部132は、通信部150を介して取得した画面情報をディスプレイに表示する。
端末装置100の機能実行部131は、入力受付部110を介して予約日時の選択を受け付けると、通信部150を介して予約日時をユーザIDと共にサーバ装置200に送信する。
サーバ装置200のサービス提供部212は、通信部230を介して取得した予約日時およびユーザIDを予約情報228に登録することにより、かかるユーザの参拝予約を確定する。なお、サービス提供部212は、端末装置100から参拝サービスの実施要求を受け付けた場合、予約情報228を確認する。そして、予約が入っている場合、サービス提供部212は、実施要求の送信元が参拝予約をしているユーザか否かをユーザIDに基づき判定し、予約しているユーザである場合には、第一実施形態の参拝サービスを提供する。
一方で、予約していないユーザから参拝サービスの実施要求を受け付けた場合、サービス提供部212は、参拝ブース情報224を参照し、空きブースの有無を判定する。そして、空きブースが無いと判定した場合、サービス提供部212は、表示情報生成部215を介して所定のメッセージ(例えば、「今の時間帯は予約が入っているため、参拝できません」など)を生成し、通信部230を介して、端末装置100に送信する。端末装置100のディスプレイには、かかるメッセージが表示される。
このような墓参支援システムによれば、故人を参拝する日時を予め予約しておくことができる。例えば、お盆やお彼岸など墓参のピークを迎える時期には参拝ブースが全て使用中になり、墓参ができないことも考えられる。墓参支援システムによれば、予め墓参の日時を予約しておくことで、墓参できない事態を回避することができる。
なお、前述の実施形態では、端末装置100のディスプレイに表示する画面情報は、画面情報の種類に応じてサーバ装置200と端末装置100とが各々生成したが、全ての画面情報をサーバ装置200が生成しても良く、あるいは端末装置100にインストールされている墓参支援アプリ141により全ての画面情報が生成されても良い。
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、これら以外にも様々な実施形態および変形例が含まれる。例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態や変形例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。