JP6735197B2 - 車両用サスペンション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪速の変動量に基づき算出した車両の状態量に基づいてダンパの減衰力を制御する車両用サスペンション装置に関する。
車両のサスペンションに用いられるダンパとして、減衰力を段階的又は無段階に可変制御する減衰力可変ダンパ(DAMPING FORCE VARIABLE DAMPER:以下、DFVダンパと呼ぶ場合がある。)が種々開発されている。減衰力を可変とする機構としては、例えば、作動油として磁気粘性流体(Magneto-Rheological Fluid:以下、MRFと呼ぶ。)を用い、ピストンに設けた磁気流体バルブによってMRFの粘度制御を行うMRF方式が知られている。
特許文献1には、車輪速センサにより検出した車輪速変動に基づき車両の基本入力量(路面等から車輪が受ける入力量)を算出し、算出した基本入力量を車両モデル(車両の挙動を表す)に入力することで車両の状態量を算出し、算出した車両の状態量に基づいて減衰力可変ダンパの減衰力制御を行う車両用サスペンション装置が開示されている。
特開2014−008884号公報
ところで、一般に、DFVダンパと車体の間には、バンプラバーと呼ばれる弾性部材が設けられている。DFVダンパに過大な衝撃力が入力されると、ダンパケースがストロークしてバンプラバーに接触する。この現象をバンプタッチと呼ぶ。バンプタッチが生じると、ダンパに入力された過大な衝撃力を受けてバンプラバーが圧縮される。バンプラバーは、バンプタッチが生じるほど過大な衝撃力がダンパに入力された際に、乗員に与える底突き感を緩和する役割を果たす。
バンプタッチが生じるほど過大な衝撃力がDFVダンパに入力された際に、この衝撃力を吸収するように減衰力を可変制御すれば、乗員に与える底突き感の緩和を一層促進することができる。
しかしながら、特許文献1に係る車両用サスペンション装置では、バンプタッチが生じるほど過大な衝撃力がダンパに入力された際に、この衝撃力を、荷重センサやストロークセンサを用いることなくフィードバックして減衰力可変ダンパの減衰力制御を行うことについては開示も示唆もない。
このため、特許文献1に係る車両用サスペンション装置は、バンプタッチが生じるほど過大な衝撃力がダンパに入力された場合でも、荷重センサやストロークセンサを用いることなく乗り心地を良好に維持する点で改良の余地がある。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、バンプタッチが生じるほど過大な衝撃力がダンパに入力された場合でも、荷重センサやストロークセンサを用いることなく乗り心地を良好に維持可能な車両用サスペンション装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明者らは、バンプタッチが生じた際の、車輪速変動のふるまいに着目して研究を進めていた。
車両において乗員の数や荷物の積載状態が変化すると、1G状態(平坦路での静止状態)でのダンパストローク位置も変化する。ところが、荷重センサやストロークセンサを用いることなく減衰力制御を行うシステムでは、ダンパストロークの絶対位置がわからない。このため、バンプタッチが生じるほど過大な衝撃力がダンパに入力された際に、この衝撃力を吸収するための減衰力制御を適確に行うことは困難であった。
前記の研究の結果、車輪速が増加傾向にあり、かつ、車輪速の微分値が所定の閾値を超えて増加する側に変化(この条件の充足を、以下では「バンプタッチ事象が発生」という。)した時点を、バンプタッチ発生の蓋然性が高い時点とみなせることがわかった。こうした知見を基にさらに研究を進めた結果、本発明者らは、本発明を遂に完成させた。
すなわち、本発明は、少なくとも車両の後輪に設けられ、入力信号に基づき減衰力を調整可能な減衰力可変ダンパを備える車両用サスペンション装置であって、前記車両に備わる各車輪の車輪速を検出する車輪速センサと、前記車輪速センサにより検出された車輪速の変動に基づいて前記車両の基本入力量を算出する基本入力量算出部と、前記車両の挙動を表す車両モデルに前記基本入力量を入力することで前記車両の状態量を算出する状態量算出部と、前記車輪速センサにより検出された車輪速が増加傾向にあり、かつ、当該車輪速の微分値が所定の閾値を超えて増加する側に変化したか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記車輪速が増加傾向にあり、かつ、当該車輪速の微分値が所定の閾値を超えて増加する側に変化した旨の判定が下された場合に、該判定時点の該減衰力可変ダンパのストローク位置関係情報をバンプタッチ位置情報として記憶する記憶部と、前記算出された前記車両の状態量に基づく減衰力を用いて前記減衰力可変ダンパの減衰力制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記判定部により前記車輪速が増加傾向にあり、かつ、当該車輪速の微分値が所定の閾値を超えて増加する側に変化した旨の判定が下された場合に、前記車両の状態量に基づく減衰力と比べて高い減衰力を用いて、前記バンプタッチ位置情報に基づいて前記減衰力可変ダンパの減衰力制御を行うことを最も主要な特徴とする。
本発明では、制御部は、判定部により車輪速が増加傾向にあり、かつ、車輪速の微分値が所定の閾値を超えて増加する側に変化した旨の判定が下された場合に、バンプタッチ発生の蓋然性が高いとみなして、車両の状態量に基づく減衰力と比べて高い減衰力を用いて、前記バンプタッチ位置情報に基づいて前記減衰力可変ダンパの減衰力制御を行う。
本発明によれば、バンプタッチ発生の蓋然性が高いバンプタッチ事象が生じた際に車両の状態量に基づく減衰力と比べて高い減衰力を用いて、前記バンプタッチ位置情報に基づいて前記減衰力可変ダンパの減衰力制御を行うため、バンプタッチが生じるほど過大な衝撃力がダンパに入力された場合でも、荷重センサやストロークセンサを用いることなく乗り心地を良好に維持することができる。
本発明によれば、バンプタッチが生じるほど過大な衝撃力がダンパに入力された場合でも、荷重センサやストロークセンサを用いることなく乗り心地を良好に維持可能な車両用サスペンション装置を得ることができる。
本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置の概略構成を表すブロック図である。 車両用サスペンション装置による減衰力制御手順を表すフローチャートである。 負荷の変化に対するダンパのストローク特性がバンプタッチ位置を特異点として折れ曲がることを表す概念図である。 バンプタッチ位置情報に対して統計処理を施すことでバンプタッチ位置情報の正当性を検証する手順を概念的に表す説明図である。
本発明に係る車両用サスペンション装置について、同装置を4輪自動車に適用した例をあげて、図面を参照して詳細に説明する。
〔本発明に係る車両用サスペンション装置11の構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置11の概略構成を表すブロック図である。図1において、4つの車輪13に係る要素については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して差別化している。すなわち、例えば、右前の車輪13に添字(FR)を、左前の車輪13に添字(FL)を、右後ろの車輪13に添字(RR)を、左後ろの車輪13に添字(RL)を、それぞれ付している。また、4つの車輪13に係る要素のそれぞれを総称する際には、添字を省略して表記することとする。
本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置11は、図1に示すように、車両(4輪自動車)10の車輪13に設けられ、コイルスプリング14及び減衰力可変ダンパ(DFVダンパ)15を有するサスペンション16と、ダンパ制御ECU17(詳しくは後記する。)とを備えて構成される。車輪13は、車両10の車体(不図示)に、サスペンション16を介して懸架されている。
この車両10は、例えば、車体前部にエンジンが搭載されて前輪が駆動輪である前輪駆動車である。
DFVダンパ15は、特に限定されないが、例えば、モノチューブ式(ド・カルボン式)であって、MRF方式を採用した公知の構成のものである。
ダンパ制御ECU17には、例えばCAN等の通信媒体19を介して、入力系統に属する各種センサ類が接続されている。入力系統に属する各種センサ類としては、例えば、車輪速センサ21、車速センサ23、操舵角センサ25、横Gセンサ27、ヨーレイトセンサ29などをあげることができる。
車輪速センサ21FR,21FL,21RR,21RLは、それぞれ、車輪13FR,13FL,13RR,13RLの回転速度を検出する。車速センサ23は、車体の速度(車速)を検出する。操舵角センサ25は、不図示のハンドルの操舵角を検出する。横Gセンサ27は、車体の横加速度を検出する。ヨーレイトセンサ29は、車体のヨーレイトを検出する。これら入力系統に属する各種センサ類21,23,25,27,29の検出値は、通信媒体19を介して、ダンパ制御ECU17に送られる。
ダンパ制御ECU17には、出力系統に属するサスペンション16(DFVダンパ15を含む)が接続されている。ダンパ制御ECU17は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えたマイクロコンピュータにより構成される。
このマイクロコンピュータは、ROMに記憶されているプログラムやデータを読み出して実行し、ダンパ制御ECU17が有する、車輪速センサ21により検出された車輪速が増加傾向にあり、かつ、車輪速の微分値が所定の閾値を超えて増加する側に変化したか否かを判定する機能、車両の状態量に基づく減衰力を用いてDFVダンパ15の減衰力制御を行う機能、及び、車輪速が増加傾向にあり、かつ、車輪速の微分値が所定の閾値を超えて増加する側に変化した旨の判定が下された場合に、車両10の状態量に基づく減衰力を高めたバンプタッチ対応の減衰力を用いてDFVダンパ15の減衰力制御を行う機能を含む各種機能に係る実行制御を行うように動作する。
前記の減衰力制御機能を実現するために、ダンパ制御ECU17は、取得部31、基本入力量算出部33、状態量算出部35、判定部37、記憶部39、検証部41、及び制御部43を備えて構成されている。
取得部31は、前記入力系統に属する各種センサ類21,23,25,27,29の検出値を取得する機能を有する。また、取得部31は、バンプタッチ発生の蓋然性が高い旨の判定(詳しくは後記する。)が判定部37により下された場合に、該判定時点のDFVダンパ15のストローク位置関係情報をバンプタッチ位置情報BTpとして取得する機能を有する。
なお、取得部31は、前記判定時点のDFVダンパ15のストローク位置関係情報を取得するにあたり、例えば、イグニッションスイッチオン時のストローク位置を基準位置として、前記判定時点のDFVダンパ15の相対的なストローク位置を、車輪速の変動量に基づいて(例えば特開2014−8884号公報の段落0043参照)、前記ストローク位置関係情報(バンプタッチ位置情報BTp)として取得すればよい。
基本入力量算出部33は、車輪速センサ21により検出された車輪速の変動ΔVwに基づいて、公知の下記式1(特開2014−8884号公報の段落0035参照)を用いて、車両10の基本入力量であるばね下荷重u1を各車輪13FR,13FL,13RR,13RL毎に算出する機能を有する。
u1=k・ΔVw (式1)
ただし、kは比例定数である。
状態量算出部35は、車両10の挙動を表す公知の車両モデル(特開2014−8884号公報の段落0038に記載の「一輪モデル38」参照)に、前記算出した基本入力量を入力することで車両10の状態量(ばね下位置、ばね上位置、ばね上速度、及びサスペンション16のストローク速度)を各車輪13FR,13FL,13RR,13RL毎に算出する機能を有する。
判定部37は、車輪速センサ21により検出された車輪速が増加傾向にあり、かつ、車輪速の微分値dVw/dtが所定の閾値FTthを超えて増加する側に変化したか否かを判定する機能を有する。なお、判定部37は、車輪速が増加傾向にあり、かつ、車輪速の微分値dVw/dtが所定の閾値FTthを超えて増加する側に変化した場合に、バンプタッチ発生の蓋然性が高い旨の判定を下す。ここで、「バンプタッチ発生の蓋然性が高い」と断定を避けたのは、実際にはバンプタッチ事象が発生していないのに、バンプタッチ事象が発生したと誤判定する事態を未然に防ぐ趣旨である。
また、判定部37は、DFVダンパ15に係る現在のストローク位置Pp と、バンプタッチ位置情報BTpとの差分の絶対値|Pp −BTp|が、バンプタッチ判定閾値Pth未満であるか否か(|Pp −BTp|>Pth?)を判定する機能を有する。なお、判定部37は、前記差分の絶対値|Pp −BTp|が、バンプタッチ判定閾値Pth未満である場合に、バンプタッチが実際に発生した旨の判定を下す。
記憶部39は、バンプタッチ発生の蓋然性が高い旨の判定が判定部37により下された場合に、該判定時点のDFVダンパ15のストローク位置関係情報をバンプタッチ位置情報BTpとして記憶する機能を有する。ここで、DFVダンパ15のストローク位置関係情報とは、DFVダンパ15のストローク位置そのものを表す情報はもとより、DFVダンパ15のストローク位置に相関のある情報全般を包含(例えば、車輪速変動に係る情報を含む)する概念である。
検証部41は、バンプタッチ位置情報BTpに対して統計処理を施すことでバンプタッチ位置情報BTpの正当性を検証する機能を有する。
制御部43は、検証部41の検証により正当と診断されたバンプタッチ位置情報BTpに基づいてDFVダンパ15の減衰力制御を行う機能を有する。なお、正当と診断されたバンプタッチ位置情報BTpに基づいてDFVダンパ15の減衰力制御を行う構成を採用するのは、実際にはバンプタッチが発生していないのに、バンプタッチが発生した際に現れる車輪速変動と同等の車輪速変動(例えば路面段差を乗り越えた際等に生じる)をトリガとして、バンプタッチ対応のDFVダンパ15の減衰力制御を誤って実行する事態を未然に防ぐ趣旨である。
〔車両用サスペンション装置11による減衰力制御手順〕
次に、本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置11による減衰力制御手順について、図2〜図4を参照して説明する。図2は、車両用サスペンション装置11による減衰力制御手順を表すフローチャートである。図3は、負荷の変化に対するダンパのストローク特性がバンプタッチ位置を特異点として折れ曲がることを表す概念図である。図4は、バンプタッチ位置情報に対して統計処理を施すことでバンプタッチ位置情報の正当性を検証する手順を概念的に表す説明図である。
図2に示すステップS11において、ダンパ制御ECU17の取得部31は、入力系統に属する各種センサ類21,23,25,27,29の検出値を取得する。
ステップS12において、ダンパ制御ECU17の基本入力量算出部33は、車輪速センサ21により検出された車輪速の変動ΔVwに基づいて、車両10の基本入力量であるばね下荷重u1を各車輪13FR,13FL,13RR,13RL毎に算出する。
ステップS13において、ダンパ制御ECU17の状態量算出部35は、車両10の挙動を表す車両モデルに、ステップS12で算出した基本入力量を入力することで車両10の状態量(ばね下位置、ばね上位置、ばね上速度、及びサスペンション16のストローク速度)を各車輪13FR,13FL,13RR,13RL毎に算出する。
ステップS14において、ダンパ制御ECU17の判定部37は、車輪速センサ21により検出された車輪速が増加傾向にあるか否か(車輪速変動ΔVw>0?)を判定する。
ステップS14の判定の結果、車輪速が増加傾向にない旨の判定が下されると(ステップS14の“No”)、ダンパ制御ECU17は、処理の流れをステップS18へとジャンプさせる。
一方、ステップS14の判定の結果、車輪速が増加傾向にある旨の判定が下されると(ステップS14の“Yes”)、ダンパ制御ECU17は、処理の流れを次のステップS15へと進ませる。
ステップS15において、ダンパ制御ECU17の判定部37は、車輪速の微分値dVw/dtが所定の閾値FTthを超えて増加する側に変化したか否か(dVw/dt>FTth?)を判定する。
ステップS15の判定の結果、車輪速の微分値dVw/dtが所定の閾値FTthを超えて増加する側に変化していない旨の判定が下されると(ステップS15の“No”)、ダンパ制御ECU17は、処理の流れをステップS18へとジャンプさせる。
一方、ステップS15の判定の結果、車輪速の微分値dVw/dtが所定の閾値FTthを超えて増加する側に変化した旨の判定が下されると(ステップS15の“Yes”)、ダンパ制御ECU17は、処理の流れを次のステップS16へと進ませる。
ステップS16において、ダンパ制御ECU17の取得部31は、バンプタッチ発生の蓋然性が高い旨の判定を判定部37が下した時点のDFVダンパ15のストローク位置関係情報をバンプタッチ位置情報BTpとして取得する。こうして取得されたバンプタッチ位置情報BTpは、ダンパ制御ECU17の記憶部39に記憶される。
ステップS17において、ダンパ制御ECU17の判定部37は、DFVダンパ15に係る現在のストローク位置Pp と、バンプタッチ位置情報BTpとの差分の絶対値|Pp −BTp|が、バンプタッチ判定閾値Pth未満であるか否か(|Pp −BTp|>Pth?)を判定する。ステップS17の判定は、バンプタッチが実際に発生したか否かを確認するためのものである。
ステップS17の判定の結果、前記差分の絶対値|Pp −BTp|がバンプタッチ判定閾値Pth以上である旨の判定が下されると(ステップS17の“No”)、ダンパ制御ECU17は、処理の流れを次のステップS18へと進ませる。
一方、ステップS17の判定の結果、前記差分の絶対値|Pp −BTp|がバンプタッチ判定閾値Pth未満である旨の判定が下されると(ステップS17の“Yes”)、ダンパ制御ECU17は、処理の流れをステップS19へとジャンプさせる。
ステップS18において、ダンパ制御ECU17の制御部43は、バンプタッチ事象が発生していない旨の判定が判定部37により下された場合に、ステップS13で算出された車両10の状態量に基づく減衰力を用いて、DFVダンパ15の減衰力制御を行う。その後、ダンパ制御ECU17は、処理の流れをステップS11へ戻し、以下の処理を順次行わせる。なお、ステップS18の車両10の状態量に基づく減衰力制御は、既存技術と同じである。
ステップS19において、ダンパ制御ECU17の制御部43は、バンプタッチが実際に発生した旨の判定が判定部37により下された場合に、ステップS13で算出された車両10の状態量に基づく減衰力を高めたバンプタッチ対応の減衰力を用いて、DFVダンパ15の減衰力制御を行う。
負荷(路面入力)の変化に対するダンパのストローク特性は、バンプタッチ事象が発生すると、図3に示すように、バンプタッチ位置を特異点として折れ曲がるように変化する。こうした非線形のストローク特性が、バンプタッチが生じるほど過大な衝撃力がダンパに入力された際に、この衝撃力を緩和する役割を果たす。また、バンプタッチが実際に発生した際に、車両10の状態量に基づく減衰力を高めたバンプタッチ対応の減衰力を用いて、DFVダンパ15の減衰力制御が行われる。
ここで、バンプタッチ位置情報BTpの正当性を検証するには、バンプタッチ位置情報BTpに対して統計処理を施すことが好ましい。
すなわち、ダンパ制御ECU17の取得部31は、図4に示すように、バンプタッチ事象が生じる毎に、バンプタッチ事象が生じた時点のストローク位置を取得すると共に、記憶部39に記憶させる。図4において、バンプタッチ事象の発生時点を表す図の縦軸は時間軸であり、下方に向けて時間が進行するものとする。バンプタッチ事象が生じた時点のストローク位置BTp1〜BTp9(図4参照)をそれぞれ記憶する処理は、イグニッションスイッチがオンされてからオフされるまでの期間を単位として行われる。
バンプタッチ事象が生じた時点のストローク位置は、図4に示すように、バンプタッチ事象が生じた時点のストローク位置BTp1〜BTp9の平均値μを中心線として、正規分布するはずである。バンプタッチ事象の発生が実際のバンプタッチ発生であるか否かを判定するために、バンプタッチ発生領域を用いる。バンプタッチ発生領域は、例えば、平均値μから±1標準偏差に入る割合(68.3%)のバンプタッチ事象が、実際のバンプタッチ発生となること等を考慮して、適宜の範囲を設定すればよい。バンプタッチ発生領域の両側には、図4に示すように、バンプタッチ非発生領域が拡がっている。
図4に示す例では、ストローク位置BTp1,BTp4,BTp5,BTp6,BTp8の5つが、バンプタッチ発生領域に属している。バンプタッチ発生領域に属するバンプタッチ事象が生じると、バンプタッチ対応の減衰力を用いたバンプタッチ減衰力制御が実行される。
一方、ストローク位置BTp2,BTp3,BTp7,BTp9の4つが、バンプタッチ非発生領域に属している。バンプタッチ非発生領域に属するバンプタッチ事象が生じても、バンプタッチ対応の減衰力を用いたバンプタッチ減衰力制御は実行されない。
このように、バンプラバーの衝撃力緩和機能と、バンプタッチ対応の減衰力を用いたDFVダンパ15の減衰力制御機能が相乗的に作用するため、バンプタッチが生じるほど過大な衝撃力がダンパに入力された場合でも、荷重センサやストロークセンサを用いることなく乗り心地を良好に維持することができる。
その後、ダンパ制御ECU17は、処理の流れをステップS11へ戻し、以下の処理を順次行わせる。なお、バンプタッチが実際に発生した際に、ステップS19の車両10の状態量に基づく減衰力を高めたバンプタッチ対応の減衰力を用いて減衰力制御を行う点が、本発明の要旨である。
〔車両用サスペンション装置11の作用効果〕
次に、本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置11の作用効果について説明する。
第1の観点(請求項1に対応)に基づく車両用サスペンション装置11は、少なくとも車両10の後輪13RR,13RLに設けられ、入力信号に基づき減衰力を調整可能な減衰力可変ダンパ15RR,15RLを備える。ただし、車両10の前輪13FR,13FLにも、減衰力可変ダンパ15FR,15FLを備える構成を採用してもよい。
第1の観点に基づく車両用サスペンション装置11は、車両10に備わる各車輪13FR,13FL,13RR,13RLの車輪速を検出する車輪速センサ21FR,21FL,21RR,21RLと、車輪速センサ21FR,21FL,21RR,21RLにより検出された車輪速の変動ΔVwに基づいて車両10の基本入力量であるばね下荷重u1を算出する基本入力量算出部33と、車両10の挙動を表す車両モデルに基本入力量(ばね下荷重u1)を入力することで車両10の状態量(ばね下位置、ばね上位置、ばね上速度、及びサスペンション16のストローク速度)を算出する状態量算出部35と、バンプタッチ発生の蓋然性が高いバンプタッチ事象が生じた旨の判定が下された場合に、該判定時点(バンプタッチ事象発生時点でもよい。)の減衰力可変ダンパ15のストローク位置関係情報をバンプタッチ位置情報BTpとして記憶する記憶部39と、車輪速センサ21により検出された車輪速が増加傾向にあり、かつ、車輪速の微分値dVw/dtが所定の閾値FTthを超えて増加する側に変化したか否かを判定する判定部37と、前記算出された車両10の状態量に基づく減衰力を用いて、バンプタッチ位置情報BTpに基づいて減衰力可変ダンパ15の減衰力制御を行う制御部43と、を備える。
制御部43は、判定部37により車輪速が増加傾向にあり、かつ、車輪速の微分値dVw/dtが所定の閾値FTthを超えて増加する側に変化した旨の判定が下された場合に、車両10の状態量に基づく減衰力を高めたバンプタッチ対応の減衰力を用いて、バンプタッチ位置情報BTpに基づいて減衰力可変ダンパ15の減衰力制御を行う。
第1の観点に基づく車両用サスペンション装置11によれば、バンプタッチ発生の蓋然性が高いバンプタッチ事象が生じた際に車両10の状態量に基づく減衰力を高めたバンプタッチ対応の減衰力を用いて前記減衰力可変ダンパ15の減衰力制御を行うため、バンプタッチが生じるほど過大な衝撃力がダンパに入力された場合でも、荷重センサやストロークセンサを用いることなく乗り心地を良好に維持することができる。
また、第1の観点に基づく車両用サスペンション装置11によれば、記憶部39に記憶されたバンプタッチ位置情報BTpに基づいて減衰力可変ダンパ15の減衰力制御を行うため、例えば、バンプタッチ事象が生じた履歴情報を中長期的に取得して減衰力可変ダンパ15の減衰力制御にフィードバックすれば、減衰力可変ダンパ15の減衰力制御を、誤差を抑制して高精度に遂行する効果を期待することができる。
また、第2の観点(請求項2に対応)に基づく車両用サスペンション装置11は、第1の観点に基づく車両用サスペンション装置11であって、記憶部39に記憶されたバンプタッチ位置情報BTpに対して統計処理を施すことでバンプタッチ位置情報BTpの正当性を検証する検証部41をさらに備え、制御部43は、検証部41の検証により正当と診断されたバンプタッチ位置情報BTpに基づいて該減衰力可変ダンパ15の減衰力制御を行う構成を採用してもよい。
第2の観点に基づく車両用サスペンション装置11によれば、制御部43は、検証部41の検証により正当と診断されたバンプタッチ位置情報BTpに基づいて減衰力可変ダンパ15の減衰力制御を行うため、減衰力可変ダンパ15の減衰力制御を、誤差を抑制して一層高精度に遂行する効果を期待することができる。
〔その他の実施形態〕
以上説明した実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
例えば、本発明の実施形態に係る説明において、減衰力可変ダンパとしてMRF方式のものを例示して説明したが、本発明はこの例に限定されない。減衰力可変ダンパの方式は、減衰力を段階的又は無段階に可変制御することが可能であれば、いかなるものでも構わない。
10 車両
11 車両用サスペンション装置
13 車輪
15 減衰力可変ダンパ
21 車輪速センサ
23 車速センサ
33 基本入力量算出部
35 状態量算出部
37 判定部
39 記憶部
41 検証部
43 制御部

Claims (2)

  1. 少なくとも車両の後輪に設けられ、入力信号に基づき減衰力を調整可能な減衰力可変ダンパを備える車両用サスペンション装置であって、
    前記車両に備わる各車輪の車輪速を検出する車輪速センサと、
    前記車輪速センサにより検出された車輪速の変動に基づいて前記車両の基本入力量を算出する基本入力量算出部と、
    前記車両の挙動を表す車両モデルに前記基本入力量を入力することで前記車両の状態量を算出する状態量算出部と、
    前記車輪速センサにより検出された車輪速が増加傾向にあり、かつ、当該車輪速の微分値が所定の閾値を超えて増加する側に変化したか否かを判定する判定部と、
    前記判定部により前記車輪速が増加傾向にあり、かつ、当該車輪速の微分値が所定の閾値を超えて増加する側に変化した旨の判定が下された場合に、該判定時点の該減衰力可変ダンパのストローク位置関係情報をバンプタッチ位置情報として記憶する記憶部と、
    前記算出された前記車両の状態量に基づく減衰力を用いて前記減衰力可変ダンパの減衰力制御を行う制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記判定部により前記車輪速が増加傾向にあり、かつ、当該車輪速の微分値が所定の閾値を超えて増加する側に変化した旨の判定が下された場合に、前記車両の状態量に基づく減衰力と比べて高い減衰力を用いて、前記バンプタッチ位置情報に基づいて前記減衰力可変ダンパの減衰力制御を行う
    ことを特徴とする車両用サスペンション装置。
  2. 請求項1に記載の車両用サスペンション装置であって、
    前記記憶部に記憶された前記バンプタッチ位置情報に対して統計処理を施すことで当該バンプタッチ位置情報の正当性を検証する検証部をさらに備え、
    前記制御部は、前記検証部の検証により正当と診断された前記バンプタッチ位置情報に基づいて該減衰力可変ダンパの減衰力制御を行う
    ことを特徴とする車両用サスペンション装置。
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