JP6734579B2 - 音響システム、及びこれに用いる媒質収容具、並びに、音響信号の再生方法 - Google Patents

音響システム、及びこれに用いる媒質収容具、並びに、音響信号の再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、パラメトリックスピーカを用いた音響システム、及びこれに用いる媒質収容具、並びに、音響信号の再生方法に関する。
従来、超音波を用いて高い指向性を実現するパラメトリックスピーカが知られている(例えば、特許文献1参照)。パラメトリックスピーカは、超音波帯域の搬送波を音響信号により変調した変調波を放射し、空中の非線形特性により変調波を自己復調して音(復調音)を伝えるものである。パラメトリックスピーカによる可聴領域は、超音波の高い指向性によって直線状に存在する。そのため、直線状の可聴領域に存在する者に音を伝えることが可能である。
特開2004−349816号公報
しかしながら、変調波を復調させた復調音は、パラメトリックスピーカからの距離によって音圧に変動があり、可聴領域のうち復調音の音圧が高い領域では受聴者に十分に音を伝えることができても、音圧が低い領域では十分に音が伝わらない可能性がある。
本発明は、受聴者の位置等の所望の位置に合わせて変調波を復調し、音響信号を再生することができる、音響システム、及びこれに用いる媒質収容具、並びに、音響信号の再生方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の音響システムは、
超音波帯域の搬送波を可聴帯域の音響信号により振幅変調した変調波を音響空間に放射し、前記音響空間内で前記変調波を復調させて音響信号を再生する音響システムであって、
前記変調波を生成し、前記音響空間に放射するパラメトリックスピーカと、
前記音響空間を満たす媒質とは所定の性状が異なる媒質を収容しかつ収容した媒質に前記パラメトリックスピーカから放射された変調波を通過させる媒質収容具と、を備えることを特徴とする。
上記構成の音響システムによれば、パラメトリックスピーカから放射された変調波は、音響空間を満たす媒質だけでなくこれとは所定の性状が異なる媒質をも通過し、その過程で復調されることによって復調音(音響信号)が再生される。
復調音の音圧は、変調波の復調度に依存し、復調度が最大となる位置(パラメトリックスピーカからの距離)で音圧も最大となる。また、復調度は、変調波が通過する媒質の所定の性状に応じて変化する。したがって、変調波が、音響空間を満たす媒質だけを通過して復調される場合と、音響空間を満たす媒質に加えてこれとは所定の性状が異なる媒質を通過して復調される場合とでは、復調度が最大となる位置が異なる。
上記構成の音響システムは、音響空間を満たす媒質とは所定の性状が異なる媒質を収容する媒質収容具を備えているので、復調度が最大となる位置、すなわち復調音の音圧が最大となる位置を受聴者等の位置に合わせるように、媒質収容具内の媒質の性状を設定することによって、確実に受聴者に音を伝えることができる。
なお、「音響空間を満たす媒質とは所定の性状が異なる媒質」とは、音響空間を満たす媒質と異なる種類の媒質であってもよいし、当該媒質と同一種類であって所定の性状のみが異なる媒質であってもよい。
また、「音響空間」とは、部屋の内部等の閉じられた空間であってもよいし、屋外のような開かれた空間であってもよい。
(2) 前記所定の性状は、前記媒質の密度、又は前記媒質中の音速に影響を与える因子であることが好ましい。
パラメトリックスピーカから放射された変調波の復調度は、媒質の密度や、当該媒質を通過する音の速度によって変化する。したがって、媒質の密度や音速に影響を与える因子を設定することによって、復調度が最大となる位置を所望の位置に合わせることが可能となる。なお、音速に影響を与える因子としては、媒質の温度、圧力、密度等がある。
(3) 前記パラメトリックスピーカから前記変調波の放射方向に離れた所望の位置で前記復調音の音圧を最大とするように、前記媒質収容具内の媒質における前記所定の性状を調整する制御装置を備えていることが好ましい。
この構成によれば、媒質収容具内の媒質における所定の性状を制御装置によって調整することで変調波の復調度を制御し、所望の位置、例えば、受聴者の位置における復調音の音圧を最大にすることで、受聴者に確実に音を伝えることができる。なお、所定の性状の調整とは、特定の媒質の密度や温度等の調整に加え、所定の性状が異なる媒質に変換することを含む。
(4) 前記媒質収容具内の媒質は、前記所定の性状が互いに異なる複数種の媒質を混合させた混合媒質であり、
前記制御装置は、前記混合媒質の混合割合を調整するものであってもよい。
複数種の媒質の混合割合を変化させると、媒質全体の密度等も変化する。したがって、媒質の混合割合を調整することによって、復調音の音圧が最大となる位置を所望の位置に合わせるように復調度を制御することが可能となる。
(5) 前記制御装置は、前記媒質収容具内の媒質に対する前記変調波の通過距離を調整するものであってもよい。
変調波は、媒質を通過する距離によっても復調度が変化する。そのため、当該距離を調整することによって、復調音の音圧が最大となる位置を所望の位置に合わせるように変調波の復調度を制御することが可能となる。
(6) 前記制御装置は、復調音の伝達対象の位置を検出する検出部を備え、
前記検出部によって検出された前記伝達対象の位置を前記所望の位置に合わせるように前記所定の性状を調整することが好ましい。
この構成によれば、復調音の伝達対象、例えば実際に音響空間に居る受聴者の位置を検出部によって検出し、検出された伝達対象の位置に応じて媒質の所定の性状を調整することによって、復調音の音圧が最大となる位置を伝達対象の位置に適切に合わせることができる。
(7) 前記パラメトリックスピーカは、前記変調波を放射する超音波発生素子を有するスピーカ本体を備え、
前記スピーカ本体は、前記媒質収容具内に配置されていることが好ましい。
このような構成によって、変調波は、スピーカ本体から放射された直後に媒質収容具内の媒質を通過する。そのため、変調波は媒質収容具内の媒質の影響を大きく受け、当該媒質によって効率よく復調度が制御されるようになる。
(8) 前記媒質収容具は、前記パラメトリックスピーカに着脱自在に取り付けられるものであってもよい。
このような構成によって、例えば、内部に収容している媒質の種類や内部の大きさ(変調波の通過距離)の異なる複数の媒質収容具を取り替えてパラメトリックスピーカに取り付けることができ、媒質収容具の取り替えによって変調波の復調度を制御することが可能となる。
(9) 本発明の媒質収容具は、超音波帯域の搬送波を可聴帯域の音響信号により振幅変調した変調波を音響空間に放射するパラメトリックスピーカに着脱可能に取り付けられ、前記音響空間を満たす媒質とは所定の性状が異なる媒質を収容しかつ収容した媒質に前記パラメトリックスピーカから放射された変調波を通過させることを特徴とする。
本発明の媒質収容具は、パラメトリックスピーカに取り付けることによって、音響空間内の媒質だけでなく媒質収容具に収容した媒質に、パラメトリックスピーカから放射された変調波を通過させることができ、変調波の復調度及び復調音の音圧を所望の位置において最大とすることができる。したがって、所望の位置において伝達対象に確実に音を伝えることができる。また、媒質収容具を交換することによって、変調波が通過する媒質を容易に変更することができる。
(10) 本発明の音響信号の再生方法は、パラメトリックスピーカから音響空間に放射された変調波を前記音響空間内で復調させて音響信号を再生する方法であって、
前記音響空間を満たす媒質と、当該媒質とは所定の性状が異なる媒質とを通過させることによって前記変調波を復調することを特徴とする。
本発明の音響信号の再生方法においては、パラメトリックスピーカから放射された変調波を、音響空間内の媒質と媒質収容具内の媒質とに通過させることによって、復調度が最大となる位置、すなわち復調音の音圧が最大となる位置を所望に設定することが可能となる。したがって、復調音の音圧が最大となる位置を受聴者の位置等に合わせることによって、受聴者に確実に音を伝えることが可能となる。
本発明によれば、受聴者の位置等に合わせて変調波を復調し、音響信号を再生することができる。
第1の実施形態に係る音響システムの使用形態を示す説明図である。 音響システムの概略的な構成図である。 パラメトリックスピーカの概略的な構成図である。 ガス収容具を示す説明図である。 パラメトリックスピーカからの距離と復調音の音圧レベルとの一般的な関係を示す説明図である。 パラメトリックスピーカからの距離と復調音の音圧レベルとの関係を示す説明図である。 パラメトリックスピーカからの距離と復調音の音圧レベルとの関係を示す説明図である。 不連続距離(復調度が最大となる距離)と気体の密度と音圧レベルとの関係を示すグラフである。 第2の実施形態に係る音響システムのガス収容具を示す説明図である。 評価実験を行うための実験装置を示す説明図である。 評価実験を行うための実験装置を示す説明図である。 ガス収容具に二酸化炭素を収容した場合の音圧レベルの変化を示すグラフである。 ガス収容具にヘリウムを収容した場合の音圧レベルの変化を示すグラフである。
以下、実施形態に係る音響システムを図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る音響システムの使用形態を示す説明図である。
本実施形態の音響システム10は、音響空間Sを形成する部屋11の内部に居る受聴者Pに、パラメトリックスピーカ12から放射された音を伝達するものである。パラメトリックスピーカ12は、20kHz以上の高い周波数で人間が音として知覚できない超音波を搬送波とし、音声等の可聴帯域の音響信号で振幅変調された変調波Hを、非線形が生じる大きな振幅で音響空間Sに放射する。変調波Hは、音響空間Sに存在する空気(大気)G1を伝播する過程で、当該媒質の非線形性により歪みを生じ、この歪みによって可聴音である音響信号(復調音)が自己復調し、指向性の高い音場が形成される。
図2は、音響システム10の概略的な構成図である。図3は、パラメトリックスピーカ12の概略的な構成図である。
音響システム10は、音響信号生成装置13及びパラメトリックスピーカ12等を備えている。音響信号生成装置13は、図3に示すように、信号源21と、フィルタ処理部22とを備えている。信号源21は、音声信号やオーディオ信号等の可聴帯域の音響信号を生成し、フィルタ処理部22に出力する。フィルタ処理部22は、音響信号に所定の特性を付与したうえで当該音響信号をパラメトリックスピーカ12へ出力する。
図2及び図3に示すように、パラメトリックスピーカ12は、スピーカ本体26と、信号処理装置27とを備えている。
スピーカ本体26は、超音波を放射する複数の超音波発生素子を備え、この複数の超音波発生素子を、放射面に沿って縦横にアレイ状に配列したものである。
信号処理装置27は、搬送波生成部23と、変調部24と、増幅部25とを備えている。
搬送波生成部23は、所定の周波数の超音波からなる搬送波を生成し、変調部24に出力する。この搬送波生成部23は、例えば水晶振動子等を用いた高周波発振器を含んで構成されている。本実施形態では、40kHzの搬送波を生成して変調部24に出力する。
変調部24は、信号生成装置13から入力された音響信号によって、搬送波生成部23から入力された搬送波を振幅変調し、変調波Hを生成する。この変調波Hは、増幅部25によって増幅された状態で、スピーカ本体26の超音波発生素子から放射される。増幅部35は、例えば超音波帯域の増幅特性が良好なオペアンプ等を用いて構成されている。
搬送波生成部23及び変調部24は、例えばCPU等の演算部やメモリ等の記憶部、その他、入出力インターフェース等を備えたコンピュータから構成されている。そして、演算部が、記憶部に読み込まれたコンピュータプログラムを実行することにより、搬送波生成部23及び変調部24が実現されている。
パラメトリックスピーカ12のスピーカ本体26から放射された変調波Hは、音響空間S内の空気の非線形現象により自己復調し、復調音が再生される。この自己復調について説明する。
搬送波の周波数をf、時間をt、搬送波の最大振幅をAとすると、搬送波W(t)は、次の式(1)で表すことができる。
また、信号生成装置13によって生成された音響信号の周波数をf、音響信号の最大振幅をAとすると、音響信号W(t)は、次の式(2)で表すことができる。
そして、音響信号の含有量を示す変調度をm(m≦1)とし、音響信号W(t)で搬送波W(t)を振幅変調すると、生成される変調波WAM(t)は、次の式(3)、(4)で表すことができる。
式(3)(4)で表される変調波WAM(t)は、三角関数の加法定理を用いて次の式(5)で表すことができる。
式(5)より、変調波WAM(t)は、周波数fの搬送波に加えて、搬送波の周波数fと可聴音である音響信号の周波数fとの和の周波数(f+f)を有する側帯波と、差の周波数(f−f)を有する側帯波とによって構成されていることがわかる。また、一般に、周波数の近接した2つの音波を空気中に放射すると2つの音波の和音と差音とを含む二次的な結合波が発生する。したがって、パラメトリックスピーカ12から一次波として変調波が放射されると、その伝播過程において搬送波と側帯波との差音や高調波などの二次波が発生する。二次波における高調波は、大音圧で振幅変調波を放射したことにより波形が歪み、不連続波面が生じることによって発生する。また、二次波において、搬送波と側帯波との差音は、元の音響信号の周波数と一致し、可聴音として再生される。このとき、自己復調した音響信号には、搬送波と側帯波の差音に加え不連続波面によって生じた高調波も含まれる。さらに、この復調現象は超音波として放射される振幅変調波の放射範囲内のみで発生するため、復調した音響信号は超指向性を有する。
自己復調の過程において不連続波面が発生する距離は、「不連続距離x」として以下の式で導出される。
ここで、cは気体中の音速、ρは気体の密度、βは空気の非線形係数、pは変調波の音源音圧レベル、ωは変調波の角周波数である。
この不連続距離xの区間において不連続波面が発生するため、パラメトリックスピーカ12の放射面から距離xの位置において復調音の音圧が最大になると考えられる。
図5は、パラメトリックスピーカからの距離と復調音の音圧レベルとの一般的な関係を示す説明図である。
図5において、パラメトリックスピーカ12から放射された変調波Hは、空気(大気)G1中を伝播されるものとする。変調波Hが復調された復調音の音圧レベルは、パラメトリックスピーカ12から離れるに従い徐々に大きくなり、所定の位置で最大となった後、徐々に減衰する。変調波Hが空気中に放射された場合、音圧レベルが最大となる位置Bに居る受聴者には、復調音が十分に伝達される。
しかし、音圧レベルが最大となる位置Bよりも手前の位置Aにおいては、変調波Hが十分に復調されておらず、音圧レベルが低くなっている。また、位置Bを通りすぎた位置Cでは、距離による減衰によって音圧レベルが低くなっている。したがって、位置A及び位置Cにおいては、いずれも受聴者に十分に音を伝達できない可能性がある。本実施形態では、例えば位置A又は位置Cに居る受聴者に十分に復調音を伝達することができるように、パラメトリックスピーカ12から放射された変調波Hを位置A又は位置Cにおいて十分に復調させ、音圧レベルを最大にする。そのために、音響システム10は、次の構成を備えている。
図1及び図2に示すように、本実施形態の音響システム10は、音響信号生成装置13及びパラメトリックスピーカ12に加え、ガス収容具(媒質収容具)14と、ガス供給装置15と、制御装置16とを備えている。
図4は、ガス収容具14を示す説明図である。ガス収容具14は、箱状に形成され、内部に気体(媒質)を収容する。具体的に、ガス収容具14の内部には、音響空間S内の空気(大気)G1とは異なる気体G2(空気との混合気体も含む)が収容される。
また、ガス収容具14は、一側面が開放した箱本体31と、当該一側面を塞ぐ遮蔽部材32とを備えている。遮蔽部材32は、気体の通過を阻止し、音波を通過を許容する。遮蔽部材32は、例えば変調波の波長よりも小さい厚さ(例えば、2μm)を有するフィルムからなる。例えば、遮蔽部材32として、三菱樹脂株式会社製ポリエステルフィルム ダイアホイル(登録商標)を使用することができる。ガス収容具14には、ガス供給装置15が接続される。
また、本実施形態では、ガス収容具14の内部にパラメトリックスピーカ12のスピーカ本体26が収容されている。スピーカ本体26は、変調波Hの放射面26aが遮蔽部材32と間隔wをあけて対向するように配置されている。スピーカ本体26から放射された変調波Hは、ガス収容具14内の気体G2及び遮蔽部材32を通過して、音響空間Sに放射され、復調されることによって音響空間S内の受聴者Pに復調音が伝達される。したがって、変調波Hは、復調音に復調される過程でガス収容具14内の気体G2と音響空間S内の空気G1との双方を通過する。
また、ガス収容具14は、スピーカ本体26の放射面26aから遮蔽部材32までの距離w、すなわちガス収容具14内の気体を変調波が通過する距離wを増減させることができるように構成されている。具体的に、ガス収容具14の側壁31aは、変調波Hの放射方向に沿って伸縮可能に構成されている。図4に示す例では、側壁31aがテレスコピック構造に形成されている。また、ガス収容具14は、箱本体31の側壁31aを収縮動作させるためのアクチュエータ33を備えている。そして、箱本体31の側壁31aを伸張させることによってスピーカ本体26の放射面26aから遮蔽部材32までの距離wを長くし、側壁31aを収縮させることによって当該距離wを短くすることができる。
なお、アクチュエータ33としては、流体圧駆動又は電動のシリンダやモータ等を採用することができる。また、スピーカ本体26の放射面26aから遮蔽部材32までの距離wを増減させる構造としては、例えば、ガス収容具14の側壁31aに蛇腹構造を組み込み、側壁31aを伸縮させる構成等を採用したり、スピーカ本体26を変調波の放射方向に沿って移動させる構成を採用したりすることもできる。
図2に示すように、ガス供給装置15は、ガス収容具14内に所定の気体を供給するものである。ガス供給装置15は、気体を収容するボンベや気体の供給・停止を切り替える電磁弁、切替弁等を含む。また、本実施形態のガス供給装置15は、複数の気体を切り替えてガス収容具14に供給するように構成されている。具体的に、ガス供給装置15は、空気よりも密度の高い気体である二酸化炭素と、空気よりも密度の低い気体であるヘリウムとを切り替えてガス収容具14に供給する。
制御装置16は、ガス収容具14におけるアクチュエータ33の動作制御や、ガス供給装置15による気体の供給制御等を行う。制御装置16は、その機能部として、検出部41と距離算出部42と調整部43とを備えている。制御装置16は、例えばCPU等の演算部やメモリ等の記憶部、その他、入出力インターフェース等を備えたコンピュータから構成されている。そして、演算部が、記憶部に読み込まれたコンピュータプログラムを実行することにより、検出部41、距離算出部42、調整部43が実現されている。
検出部41は、音響空間S(図1参照)における受聴者Pの位置(例えば、受聴者の頭の位置)を検出する。具体的に、検出部41は、音響空間S内を撮影するカメラ(撮像装置)44からの画像が入力される。検出部41は、入力された画像について画像処理を行うことによって、音響空間Sにおける受聴者Pの位置を検出する。
距離算出部42は、検出部41によって検出された受聴者Pの位置と、スピーカ本体26の放射面26aとの間の距離wを演算により求める。
調整部43は、スピーカ本体26の放射面26aから受聴者Pの位置までの距離lに応じて、ガス収容具14に収容する気体の種類を選択し、ガス収容具14における変調波の通過距離wを調整する。以下、調整部43について具体的に説明する。
前述の式(6)において、不連続距離x、すなわち変調波の復調度及び復調音の音圧が最大となる距離は、気体の密度ρ又は音速cを変化させることによって調整することができる。気体の密度ρは、気体の種類毎に異なる値をとる。したがって、ガス収容具14に収容する気体の種類を変えることによって不連続距離xを調整することができる。また、音速cは、気体の温度、圧力、密度等によって変化する。したがって、ガス収容具に収容する気体の温度や圧力を変えることによって不連続距離xを調整することができる。
次の表1は、気体の種類に応じた密度、音速、及び不連続距離の関係を示している。この表1によれば、変調波が、空気より密度の低い気体で伝播すると、不連続距離が大きくなり、復調音の音圧がより遠方で最大になることがわかる。また、変調波が、空気より密度の高い気体で伝播すると、不連続距離が小さくなり、復調音の音圧がより近傍で最大になることがわかる。
本実施形態では、ガス供給装置15が、二酸化炭素とヘリウムとの2種類の気体を備えており、これら2種類のガスを切り替えてガス収容具14に供給することによって不連続距離xを調整する。また、本実施形態では、ガス収容具14を伸縮させることによって内部の気体に対する変調波の通過距離wを変更することができる。この通過距離wの変更によっても不連続距離xを調整することができる。
本実施形態では、ガス収容具14内の気体と、音響空間S内の空気との双方を変調波が通過するため、双方の気体を考慮した不連続距離xを求める必要がある。図2に示すように、ガス収容具14内の気体G2に対する変調波Hの通過距離wと、音響空間S内の気体G1に対する変調波Hの通過距離との比率をγとすると、復調音の音圧が最大となる距離dは、次の式(7)で表すことができる。
ここで、xgasは、ガス収容具14内の気体G2における不連続距離であり、xairは、音響空間S内の空気G1における不連続距離である。
また、γは、ガス収容具14における変調波の通過距離wと、スピーカ本体26の放射面26aから受聴者Pまでの距離lとから式(8)で表すことができる。
また、ガス収容具14内の気体G2における不連続距離xgasと、音響空間S内の空気における不連続距離xairとは、上記の式(6)を用いて、それぞれ以下の式(9)及び式(10)によって求められる。
式(9)及び式(10)において、ρgasは、ガス収容具14内の気体の密度、ρairは音響空間S内の空気の密度、cgasは、ガス収容具14内の気体中での音速、cairは空気中での音速である。
図8は、式(6)における不連続距離(復調度が最大となる距離)と気体の密度と音圧レベルとの関係を示すグラフである。このグラフは、横軸が気体の密度、縦軸が音速を示し、グラフ内の背面色(濃淡)が不連続距離を示している。このグラフに示す関係によって、復調度が最大となる任意の距離dに対して必要な気体の密度および音速を決定することができる。これにより、上記の式(9)から、算出した密度および音速に最も近い気体を媒質として決定することができる。
調整部43は、式(7)〜式(10)や図8の関係を用い、スピーカ本体26の放射面26aから受聴者Pの位置までの距離lに、復調音の音圧が最大となる距離dを合わせるように、ガス収容具14に収容する気体の種類を選択し、ガス収容具14における変調波の通過距離wを設定する。これにより、受聴者Pの位置において、復調音の音圧が最大となるように復調度を制御することができ、受聴者Pに確実に復調音を伝達することが可能となる。
図6及び図7は、パラメトリックスピーカからの距離と復調音の音圧レベルとの関係を示す説明図である。図6は、ガス収容具14に空気よりも密度が低いヘリウムが収容された例を示し、図7は、空気よりも密度が高い二酸化炭素が収容された例を示している。
図6において、位置Bは、図5において説明したように、変調波が空気中を通過する場合に音圧が最大となる位置である。ガス収容具14にヘリウムが収容されている場合、スピーカ本体26から放射された変調波は、ガス収容具14内のヘリウムG2(He)を通過した後、音響空間S内の空気G1を通過する。この場合、音圧レベルは、位置Bよりもスピーカ本体26から離れた位置Cにおいて最大となっている。したがって、位置Bにおいては変調波Hが十分に復調されておらず、受聴者に十分に復調音を伝達することができない可能性があるが、位置Cに居る受聴者Pには、十分に復調音を伝達することができる。
図7に示すように、ガス収容具14に二酸化炭素が収容されている場合、スピーカ本体26から放射された変調波Hは、ガス収容具14内の二酸化炭素G2(CO)を通過した後、音響空間S内の空気G1を通過する。この際、音圧レベルは、位置Bよりもスピーカ本体26に近い位置Aにおいて最大となっている。したがって、位置Bにおいては距離による減衰で音圧レベルが低下し、受聴者に復調音を十分に伝達することができない可能性があるが、位置Aに居る受聴者Pには、十分に復調音を伝達することができる。
ガス収容具14には、二酸化炭素又はヘリウムが100%の濃度で収容されなくてもよく、空気と混合された状態で収容されてもよい。この場合、制御装置16によってガス収容具14へ供給する二酸化炭素又はヘリウムの供給量を制御することによって、ガス収容具14内における二酸化炭素又はヘリウムの濃度(混合割合)を所定に設定することができる。また、ガス収容具14に濃度センサを設置し、二酸化炭素又はヘリウムが所定の濃度で維持されるようにガス収容具14に各気体を供給することもできる。また、二酸化炭素又はヘリウムの濃度を調整することによって変調波の復調度を制御し、復調音の音圧が最大となる位置を制御することもできる。
また、ガス収容具14への気体の供給を停止し、ガス収容具14内を開放することによって、ガス収容具14内を音響空間Sと同一の空気で満たすことができる。この場合、図5を参照して説明したように、位置Bにおいて音圧を最大にすることができる。
以上に説明した音響システム10は、音響空間Sを満たす空気(媒質)G1とは所定の性状が異なる気体(媒質)G2を収容しかつ収容した気体G2にパラメトリックスピーカ12から放射された変調波を通過させるガス収容具(媒質収容具)14を備えているので、パラメトリックスピーカ12から放射された変調波は、ガス収容具14内の気体G2と、音響空間Sを満たす空気G1とを通過して復調され、復調音が再生される。そのため、音響空間S内の空気G1のみを変調波が通過する場合とは異なる位置で復調音の音圧が最大となり、その位置はガス収容具14内の気体G2の性状に依存する。したがって、ガス収容具14内の気体G2の性状を調整することによって復調度を制御し、受聴者Pの位置に合わせて復調音の音圧が最大になる位置を設定することが可能となる。
また、制御装置16は、受聴者Pの位置を検出する検出部41を備えているので、実際の受聴者の位置をリアルタイムに検出し、その位置に応じて最適な復調度の制御を行うことができる。
パラメトリックスピーカ12のスピーカ本体26は、ガス収容具14内に配置されているので、スピーカ本体26から放射された変調波は、エネルギーが高い状態でガス収容具14内の気体G2を通過する。そのため、ガス収容具14内の気体G2の影響を大きく受け、当該気体G2によって効率よく復調度の制御を行うことが可能となる。
<第2の実施形態>
図9は、第2の実施形態に係る音響システムのガス収容具を示す説明図である。
このガス収容具14は、パラメトリックスピーカ12のスピーカ本体26に着脱自在に取り付けられるものである。ガス収容具14は、筒形状の側壁51と、この側壁51の両側の開口部を塞ぐ遮蔽部材52とを備える。遮蔽部材52は、前述した遮蔽部材32と同様に気体の通過を阻止し、音波の通過を許容するフィルムとされている。
スピーカ本体26には、ガス収容具14の側壁51を取り付けるための装着具53が設けられている。この装着具53は、例えば、ボルト等の締結具を用いて側壁51を装着する構成、マグネットによって側壁51を装着する構成等を採用することができる。
スピーカ本体26にガス収容具14を装着すると、一方の遮蔽部材52はスピーカ本体26の放射面26aに密着した状態となる。したがって、変調波は、スピーカ本体26から放射された直後にガス収容具14内の気体G2を通過する。
本実施形態では、収容される気体の種類が異なる複数のガス収容具14を予め準備しておき、音響空間S内の受聴者の位置等に応じてガス収容具14を取り替えて装着することによって、復調度を制御することが可能となる。また、幅wが異なる複数のガス収容具14を取り替えて装着することによって、変調波がガス収容具14内の気体G2を通過する距離を調整し、復調度を制御することも可能である。また、同じ幅wの複数のガス収容具14を重ねて装着することによっても、変調波がガス収容具14内の気体G2を通過する距離を調整することができる。
<評価実験>
本出願の発明者は、以上に説明したような音響システムによってパラメトリックスピーカの復調度の制御が有効に行えること確認するために評価実験を行った。この評価実験には、図10及び図11に示す実験装置を用いた。この実験装置は、一側面が開口したガス収容具の外部から内部へ向けてパラメトリックスピーカによって変調波を放射し、ガス収容具の底面で反射して外部へ放出された変調波の復調音を、ガス収容具からの距離Lが異なる複数箇所でマイクロホンにより収録し、音圧レベルを測定した。
図10に示すガス収容具は、空気よりも重い二酸化炭素(CO)を収容するため、開口部を上方に向けて配置した。図11に示すガス収容具は、空気よりも軽いヘリウム(He)を収容するため、開口部を下方に向けて配置した。また、図10及び図11のガス収容具を用いた各実験においては、ガス収容具に収容する気体の濃度を変えて音圧レベルの測定を行った
パラメトリックスピーカには、三菱電機エンジニアリング株式会社製MSP−50E、マイクロホンには、ソニー株式会社製ECM 88B、マイクロホンアンプには、平塚エンジニアリング社製MICA−800A、オーディオインタフェースには、RME社製FireFace UFX、騒音計には、リオン株式会社製NL−26をそれぞれ用いた。
また、図10に示す実験は、表2に示す収録条件で行い、図11に示す実験は、表3に示す収録条件で行った。各実験における気体の濃度は、測定中における平均濃度である。
図12は、ガス収容具に二酸化炭素を収容した場合の音圧レベルの変化を示すグラフである。
図12に示す結果から、変調波が二酸化炭素を通過することによって、空気を通過する場合に比べて音圧が最大となる距離が短くなっていることが分かる。また、二酸化炭素の濃度が高いほど、音圧が最大となる距離が短くなっていることが分かる。したがって、ガス収容具内に収容される気体の密度が空気よりも高くなるほど、パラメトリックスピーカにより近い位置で変調波の復調度を最大にすることができるといえる。
図13は、ガス収容具にヘリウムを収容した場合の音圧レベルの変化を示すグラフである。
図13に示す結果から、変調波がヘリウムを通過することによって、空気を通過する場合に比べて音圧が最大となる距離が長くなっていることが分かる。また、ヘリウムの濃度が高いほど、音圧が最大となる距離が長くなっていることが分かる。したがって、ガス収容具内に収容される気体の密度が空気よりも低くなるほど、パラメトリックスピーカからより離れた位置で変調波の復調度を最大にすることができるといえる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において適宜変更可能である。
例えば、ガス収容具(媒質収容具)には、二酸化炭素及びヘリウム以外の空気とは異なる気体を収容することができる。
上記実施形態では、ガス収容具に収容する気体の種類を変えることによって復調度を制御していたが、1種類の気体の温度、圧力等、音速に影響を与える因子を変えることによって復調度を制御してもよい。
また、ガス収容具に音響空間と同一の空気を収容し、ガス収容具内の空気の温度や圧力を音響空間とは異なる値に変化させることによって復調度を制御してもよい。
音響空間は、空気とは異なる気体で満たされていてもよい。
ガス収容具は、音波を通過可能なフィルムのみによって袋状に形成されていてもよい。
パラメトリックスピーカは、受聴者の上方や下方に設置されていてもよい。この場合、復調音の伝達対象を受聴者の頭部(耳)とし、その高さに応じて復調度を制御することができる。
ガス収容具の内部には、気体の温度を測定する温度センサや、圧力を測定する圧力センサを設けてもよく、これらの検出値を用いて音速を求め、復調度の制御に用いることもできる。
媒質収容具に収容する媒質は、気体に限らず、液体、固体とすることも可能である。
制御装置の検出部は、カメラからの画像を解析することによって受聴者の位置を検出していたが、音響空間内に設けられた光電センサや赤外線センサ等の位置センサを設け、この位置センサから入力される信号に基づいて受聴者の位置を検出してもよい。
パラメトリックスピーカのスピーカ本体や媒質収容具は、例えば、使用者の身体に装着して使用することができる。例えば、使用者の頭、顔、首、腕等にスピーカ本体等を装着し、可聴領域を使用者の耳の付近に設定することによって、ヘッドホン等を用いなくても使用者のみに音を届けることが可能となる。なお、使用者の身体への「装着」には、例えば使用者の衣服のポケット等に入れた状態で携帯することも含む。
10:音響システム
12:パラメトリックスピーカ
14:ガス収容具(媒質収容具)
16:制御装置
26:スピーカ本体
41:検出部
G1:空気(媒質)
G2:気体(媒質)
H:変調波
P:受聴者
S:音響空間

Claims (12)

  1. 超音波帯域の搬送波を可聴帯域の音響信号により振幅変調した変調波を音響空間に放射し、前記音響空間内で前記変調波を復調させて音響信号を再生する音響システムであって、
    前記変調波を生成し、前記音響空間に放射するパラメトリックスピーカと、
    前記音響空間を満たす媒質とは所定の性状が異なる媒質を収容しかつ収容した媒質に前記パラメトリックスピーカから放射された変調波を通過させる媒質収容具と、
    前記パラメトリックスピーカから前記変調波の放射方向に離れた所望の位置で復調音の音圧を最大とするように、前記媒質収容具内の媒質における前記所定の性状を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、さらに、前記媒質収容具内の媒質に対する前記変調波の通過距離を制御する、音響システム。
  2. 前記パラメトリックスピーカは、前記変調波を放射する超音波発生素子を有するスピーカ本体を備え、
    前記スピーカ本体が、前記媒質収容具内に配置されている、請求項1に記載の音響システム。
  3. 超音波帯域の搬送波を可聴帯域の音響信号により振幅変調した変調波を音響空間に放射し、前記音響空間内で前記変調波を復調させて音響信号を再生する音響システムであって、
    前記変調波を生成し、前記音響空間に放射するパラメトリックスピーカと、
    前記音響空間を満たす媒質とは所定の性状が異なる媒質を収容しかつ収容した媒質に前記パラメトリックスピーカから放射された変調波を通過させる媒質収容具と、を備え、
    前記パラメトリックスピーカは、前記変調波を放射する超音波発生素子を有するスピーカ本体を有し、
    前記スピーカ本体が、前記媒質収容具内に配置されている、音響システム。
  4. 前記パラメトリックスピーカから前記変調波の放射方向に離れた所望の位置で復調音の音圧を最大とするように、前記媒質収容具内の媒質における前記所定の性状を制御する制御装置を備えている、請求項3に記載の音響システム。
  5. 前記制御装置は、前記媒質収容具内の媒質に対する前記変調波の通過距離を制御する、請求項4に記載の音響システム。
  6. 前記媒質収容具内の媒質は、前記所定の性状が互いに異なる複数種の媒質を混合させた混合媒質であり、
    前記制御装置は、前記混合媒質の混合割合を制御する、請求項1,2,4,5のいずれか一項に記載の音響システム。
  7. 前記制御装置は、復調音の伝達対象の位置を検出する検出部を備え、
    前記検出部によって検出された前記伝達対象の位置に前記所望の位置を合わせるように前記所定の性状を制御する、請求項1,2,4〜6のいずれか1項に記載の音響システム。
  8. 前記所定の性状が、前記媒質の密度、又は前記媒質中の音速に影響を与える因子である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の音響システム。
  9. 前記媒質収容具が、前記パラメトリックスピーカに着脱自在に取り付けられる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の音響システム。
  10. 超音波帯域の搬送波を可聴帯域の音響信号により振幅変調した変調波を音響空間に放射するパラメトリックスピーカに着脱可能に取り付けられ、前記音響空間を満たす媒質とは所定の性状が異なる媒質を収容しかつ収容した媒質に前記パラメトリックスピーカから放射された変調波を通過させ、
    前記変調波の放射方向に伸縮可能に構成されていることで、前記収容した媒質に対する前記変調波の通過距離が可変である、媒質収容具。
  11. 超音波帯域の搬送波を可聴帯域の音響信号により振幅変調した変調波を音響空間に放射するパラメトリックスピーカに着脱可能に取り付けられ、前記音響空間を満たす媒質とは所定の性状が異なる媒質を収容しかつ収容した媒質に前記パラメトリックスピーカから放射された変調波を通過させ、
    前記パラメトリックスピーカは、前記変調波を放射する超音波発生素子を有するスピーカ本体を有し、
    前記スピーカ本体をさらに収容する、媒質収容具。
  12. パラメトリックスピーカから音響空間に放射された変調波を前記音響空間内で復調させて音響信号を再生する方法であって、前記音響空間を満たす媒質と、当該媒質とは所定の性状が異なる媒質とを通過させることによって前記変調波を復調し、
    前記変調波を復調することは、
    前記パラメトリックスピーカから前記変調波の放射方向に離れた所望の位置で復調音の音圧を最大とするように、前記所定の性状が異なる媒質における前記所定の性状を制御することと、
    前記所定の性状が異なる媒質に対する前記変調波の通過距離を制御することと、を含む、音響信号の再生方法。
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