JP7241381B2 - パラメトリックスピーカ及び信号処理装置 - Google Patents
パラメトリックスピーカ及び信号処理装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7241381B2 JP7241381B2 JP2018188872A JP2018188872A JP7241381B2 JP 7241381 B2 JP7241381 B2 JP 7241381B2 JP 2018188872 A JP2018188872 A JP 2018188872A JP 2018188872 A JP2018188872 A JP 2018188872A JP 7241381 B2 JP7241381 B2 JP 7241381B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- frequency
- modulated
- carrier wave
- wave
- signal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
Description
(1)本実施の形態に含まれるパラメトリックスピーカは、スピーカ本体と、スピーカ本体から放射される変調波を生成する信号処理装置と、を備え、信号処理装置は、搬送波の周波数を、変調信号により時間経過に対して変化する周波数に変調する第1変調部と、周波数の変調された搬送波の振幅を、可聴音の音響信号によって変調する第2変調部と、を含む。パラメトリックスピーカは、超音波を搬送波(キャリア)とし、音声等の可聴帯域の音響信号で振幅変調された変調波を音響空間に放射する。変調信号は、搬送波を周波数変調する信号であって、時間をパラメータとする所定の時間関数である。搬送波の周波数を変調信号により時間経過に対して変化する周波数に変調することにより、スピーカ本体に含まれる超音波発生素子にかかる応力を時間分散させることができる。これにより、スピーカ本体に含まれる超音波発生素子のうちの搬送波の周波数に対応した特定の素子に対する負荷の集中を回避できる。その結果、スピーカ本体に含まれる超音波発生素子の疲労破壊を遅らせ、パラメトリックスピーカの耐久性を向上できる。
[第1の実施の形態]
<パラメトリックスピーカの構成>
本実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1は、超音波を搬送波(キャリア)とし、音声等の可聴帯域の音響信号で振幅変調された変調波を、非線形が生じる大きな振幅で音響空間に放射する。変調波は、音響空間に存在する空気(大気)を伝播する過程で、当該媒質の非線形性により歪みを生じ、この歪みによって可聴音である音響信号(復調音)が自己復調し、指向性の高い音場が形成される。
図2に示されるように、第1変調部121は、純音である搬送波C1の、時間変化に対して一定値fcであった周波数の値を、変調信号により時間経過に対して変化する値に変調して搬送波C2を生成する。変調信号は、搬送波C1を周波数変調する信号であって、時間をパラメータとする所定の時間関数で表される。すなわち、変調後の搬送波C2の周波数は、時間経過に関わらずに一定値をとるものではなく、時間経過に対して変化する。時間経過に対して変化する搬送波C2の周波数、つまり、上記の変調信号を、時間tの関数f(t)で表す。好ましくは、周波数f(t)は、平均値が周波数fcと一致する。周波数f(t)の瞬時周波数の時間変化に対する軌跡は、例えば、図2に示されるようにfc上を進行する正弦波、三角波、などである。周波数f(t)は、例えば、正弦関数である。周波数f(t)を、瞬時周波数の時間変化に対する軌跡が正弦波となる関数(正弦関数)とすることで、高調波成分のノイズの影響を抑えやすくなる。
図3に示されるように、第2変調部122は、超音波帯域UB内で周波数f(t)に変調された搬送波C2の振幅を、超音波帯域UB外の周波数である音響信号Sによって変調し、超音波帯域UB内の変調波vpを生成する。変調波vpは、周波数f(t)に変調された搬送波C2に並行した上側波帯USB及び下側波帯LSBに挟まれた範囲であり、図3中の式vp(t)で表される。
本実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1では、時間変化に対して変化する周波数f(t)である搬送波C2に対して、振幅を音響信号Sによって変調した変調波vpを増幅して放射される。これにより、搬送波C2の周波数が時間経過に伴って変化するために共振周波数が時間経過に伴って変化する。搬送波が共振周波数に近いほど、超音波素子へかかる応力が大きくなるものである。これに対して、共振周波数が時間経過に伴って変化することによって、複数の超音波素子のうちの負荷のかかる素子も時間経過に伴って変化する。これにより、複数の超音波素子の中で負荷が分散される。つまり、応力の時間分散が図られる。その結果、全体として疲労破壊に達するまでの期間を長くすることができる。その結果、パラメトリックスピーカの耐久性を従来のパラメトリックスピーカの耐久性より向上することができる。
図4Aに示されるように、スピーカ本体20の超音波発生素子が正常である場合に放射される変調波の周波数ピークが40kHz程度であるとする。この場合、図4Bに示されるように、超音波発生素子が疲労破壊すると、変調波は4~20kHzに複数の周波数ピークが生じる。これにより、周波数ピーク雑音が発生する。
第1の実験として搬送波C1の周波数を変調せずに音響信号Sによって振幅変調した場合と、周波数を変調した搬送波C2を音響信号Sによって振幅変調した場合との周波数ピーク雑音の音圧を比較する実験を行った。このとき、パラメータである波数fM及び周波数偏移Δfを変化させて搬送波C1の周波数を変調した。これにより、本実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1の超音波発生素子の疲労破壊に対する有効性を確認するとともに、搬送波C1の周波数変調におけるパラメータfM及びΔfを検討した。
パラメトリックスピーカ:MSP-50E-1(三菱電機エンジニアリング株式会社製)
マイクロホン:ECM-88B(SONY製)
オーディオインタフェース:Fireface UFX(RME製)
マイクアンプ:MICA-800A(平塚エンジニアリング製)
パワーアンプ:PS-A2002(VICTOR製)
次に、発明者らは、周波数を変調した搬送波C2による復調音の音質、及び、音圧への影響を確認するために、実験2として、搬送波C1の周波数を変調せずに音響信号Sによって振幅変調した場合と、周波数を変調した搬送波C2を音響信号Sによって振幅変調した場合との、復調音の音質、及び、音圧を比較する実験を行った。このとき、音源の音質は、男性2人及び女性3人による音素バランス単語を用い、音圧測定にはTSP(Time Stretched Pulse)信号を用いた。音質評価の指標はPESQ(Perceptual Evaluation of Speech Quality)値を用いた。
実験1,2の結果を踏まえて、発明者らは、実験3として、周波数偏移Δfを実験1,2よりも小さくして搬送波C1の周波変調に用いるパラメータごとの雑音低減性能を評価するために、搬送波C1の周波数を変調せずに音響信号Sによって振幅変調した場合と、周波数を変調した搬送波C2を音響信号Sによって振幅変調した場合との周波数ピーク雑音の音圧を比較する実験を行った。実験3では、パラメトリックスピーカの個体差を考慮して3台のパラメトリックスピーカを用い、各パラメトリックスピーカの共振周波数を搬送波C1の周波数とした。
なお、発明者らは、追加的に実験4として、変調信号の周波数fMが高い場合について、搬送波C1の周波数を変調せずに音響信号Sによって振幅変調した場合と、周波数を変調した搬送波C2を音響信号Sによって振幅変調した場合との復調音を比較する実験を行った。実験環境及び実験条件は実験1~3と概ね同じとした。周波数変調におけるパラメータとして、周波数偏移Δfを1000Hzとし、変調信号の周波数fMを1000Hz及び5000Hzとして周波数変調を行った。
本実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1では、時間変化に対して変化する周波数f(t)である搬送波C2に対して、振幅を音響信号Sによって変調した変調波vpを増幅して放射される。これにより、雑音が有する周波数ピークが非定常となり、周波数ピーク雑音の音圧は低減する。つまり、周波数ピーク雑音を抑えることができる。
5 :音響信号生成装置
7 :マイクロホン
10 :信号処理装置
11 :搬送波生成部
12 :変調部
13 :増幅部
20 :スピーカ本体
121 :第1変調部
122 :第2変調部
C1 :搬送波
C2 :搬送波
D1 :距離
D2 :距離
H :変調波
L1 :辺
L2 :辺
LSB :下側波帯
P :指標
P1 :指標値
P2 :指標値
S :音響信号
UB :超音波帯域
USB :上側波帯
fM :周波数
fc :周波数
vp :変調波
w :雑音信号
Δf :周波数偏移
Claims (6)
- 搬送波が可聴音の音響信号によって振幅変調された変調波を放射するパラメトリックスピーカであって、
スピーカ本体と、
前記スピーカ本体から放射される前記変調波を生成する信号処理装置と、を備え、
前記信号処理装置は、
搬送波の周波数を、変調信号により時間経過に対して変化する周波数に変調する第1変調部と、
周波数の変調された前記搬送波の振幅を、可聴音の音響信号によって振幅変調した振幅変調波である前記変調波を生成する第2変調部と、を含む
パラメトリックスピーカ。 - 前記第1変調部で搬送波の周波数を変調する際の周波数偏移は10Hz~100Hzである
請求項1に記載のパラメトリックスピーカ。 - 前記第1変調部での、前記変調信号の周波数は50Hz~90Hzである
請求項1又は2に記載のパラメトリックスピーカ。 - 前記時間経過に対して変化する周波数は、平均値が前記搬送波の周波数と一致するように時間経過に対して変化する周波数である
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のパラメトリックスピーカ。 - 前記時間経過に対して変化する周波数の瞬時周波数の時間経過に対する変化の軌跡は、正弦波である
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のパラメトリックスピーカ。 - 搬送波が可聴音の音響信号によって振幅変調された変調波を放射するパラメトリックスピーカのスピーカ本体から放射される前記変調波を生成する信号処理装置であって、
搬送波の周波数を、変調信号により時間経過に対して変化する周波数に変調する第1変調部と、
周波数の変調された前記搬送波の振幅を、可聴音の音響信号によって振幅変調した振幅変調波である前記変調波を生成する第2変調部と、を備える
信号処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018188872A JP7241381B2 (ja) | 2018-10-04 | 2018-10-04 | パラメトリックスピーカ及び信号処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018188872A JP7241381B2 (ja) | 2018-10-04 | 2018-10-04 | パラメトリックスピーカ及び信号処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020057984A JP2020057984A (ja) | 2020-04-09 |
JP7241381B2 true JP7241381B2 (ja) | 2023-03-17 |
Family
ID=70107794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018188872A Active JP7241381B2 (ja) | 2018-10-04 | 2018-10-04 | パラメトリックスピーカ及び信号処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7241381B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB202006389D0 (en) * | 2020-04-30 | 2020-06-17 | Mobii Systems Pty Ltd | Timing system and method of operating a timing system |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007318606A (ja) | 2006-05-29 | 2007-12-06 | Mitsubishi Electric Engineering Co Ltd | 超指向性音響装置 |
WO2013042317A1 (ja) | 2011-09-22 | 2013-03-28 | パナソニック株式会社 | 音響再生装置 |
-
2018
- 2018-10-04 JP JP2018188872A patent/JP7241381B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007318606A (ja) | 2006-05-29 | 2007-12-06 | Mitsubishi Electric Engineering Co Ltd | 超指向性音響装置 |
WO2013042317A1 (ja) | 2011-09-22 | 2013-03-28 | パナソニック株式会社 | 音響再生装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020057984A (ja) | 2020-04-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4371268B2 (ja) | 指向性スピーカーの駆動方法および指向性スピーカー | |
JP6436934B2 (ja) | 動的閾値を用いた周波数帯域圧縮 | |
JP5649934B2 (ja) | サウンドエンハンスメント装置及び方法 | |
RU2569914C2 (ru) | Возбуждение параметрических громкоговорителей | |
JP6274497B2 (ja) | パラメトリックスピーカ | |
JP6622060B2 (ja) | パラメトリックスピーカ、信号処理装置、及び信号処理プログラム | |
JP6916545B2 (ja) | パラメトリックスピーカからの放射方法、パラメトリックスピーカ、信号処理装置、及び信号処理プログラム | |
JP7241381B2 (ja) | パラメトリックスピーカ及び信号処理装置 | |
Shi et al. | A preprocessing method to increase high frequency response of a parametric loudspeaker | |
JP2007201624A (ja) | 超指向性スピーカ用変調器 | |
CN112992114A (zh) | 噪声控制系统和方法 | |
JP2007228402A (ja) | 超指向性音響装置 | |
JP4535758B2 (ja) | 超指向性スピーカ用変調器 | |
JP2003153371A (ja) | 超音波再生方法・超音波再生装置 | |
Mu | Perceptual quality improvement and assessment for virtual bass system | |
TWI538526B (zh) | 指向性揚聲裝置與產生指向性聲波的方法 | |
JP7336803B2 (ja) | パラメトリックスピーカ、及び、音響信号の出力方法 | |
JP7265253B2 (ja) | パラメトリックスピーカ、及び、パラメトリックスピーカの信号出力方法 | |
JP2008236198A (ja) | 超指向性スピーカ用変調器 | |
Geng et al. | Virtual bass enhancement based on harmonics control using missing fundamental in parametric array loudspeaker | |
Ji et al. | Theoretical and experimental comparison of amplitude modulation techniques for parametric loudspeakers | |
Mori et al. | Spectral peak noise reduction with frequency modulated carrier wave for parametric loudspeaker | |
Mori et al. | Evaluation of thermal runaway control based on frequency modulated carrier wave in parametric array loudspeaker | |
JP3668187B2 (ja) | 音響再生方法及び音響再生装置 | |
JP2022021931A (ja) | パラメトリックスピーカの音圧改善方法、及び、パラメトリックスピーカ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20181019 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190618 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210925 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220726 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220802 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220929 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230131 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230228 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7241381 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |