JP7265253B2 - パラメトリックスピーカ、及び、パラメトリックスピーカの信号出力方法 - Google Patents

パラメトリックスピーカ、及び、パラメトリックスピーカの信号出力方法 Download PDF

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Description

本開示は、パラメトリックスピーカ、及び、パラメトリックスピーカの信号出力方法に関する。
従来、超音波を用いて高い指向性を実現するパラメトリックスピーカが知られている。パラメトリックスピーカは、超音波帯域の搬送波(キャリア波)を音響信号(目的音)により変調した変調波を大音圧で放射し、空中の非線形特性により変調波を自己復調して音(復調音)を伝えるものである。パラメトリックスピーカによる可聴領域は、超音波の高い指向性によって直線状に存在する。そのため、直線状の可聴領域に存在する者に音を伝えることが可能である。
特開2000-209691号公報
従来、パラメトリックスピーカでは、超音波の出力器として超音波センサ用の超音波発生素子が用いられていた。超音波センサ用の超音波発生素子は、センシング用の特定の周波数の超音波を放射するものであり、広帯域をカバーすることが想定されていない。そのため、目的音に含まれる帯域成分によっては再生できない場合がある。その結果、復調音の音質が劣化する場合がある、という課題がある。そのため、パラメトリックスピーカにおいて復調音の音質を向上させることが望まれる。
ある実施の形態に従うと、パラメトリックスピーカは、超音波である搬送波の振幅が目的音の音響信号によって変調された変調波を放射するパラメトリックスピーカであって、変調波を放射するスピーカが動電型のスピーカである。
ある実施の形態に従うと、パラメトリックスピーカの信号出力方法は、超音波である搬送波の振幅を、目的音の音響信号によって変調した変調波を生成し、変調波をスピーカから出力する、ことを備え、スピーカは、20kHz以上の周波数を再生可能な動電型であり、変調波の変調幅は、スピーカが再生可能な帯域内にある。
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
図1は、第1の実施の形態に係るパラメトリックスピーカの概略構成を表したブロック図である。 図2は、図1のパラメトリックスピーカに含まれるスピーカの周波数、音圧レベルの特性、及び、変調方法を示した概略図である。 図3は、比較例に係るパラメトリックスピーカに搭載された、超音波センサに用いる超音波発生素子の特性を示した概略図である。 図4は、図3のA部分を拡大して示した概略図である。 図5は、第2の実施の形態に係るパラメトリックスピーカの概略構成を表したブロック図である。 図6は、図5のパラメトリックスピーカに含まれるスピーカの周波数、音圧レベルの特性、及び、変調方法を示した概略図である。 図7は、第3の実施の形態に係るパラメトリックスピーカの概略構成を表したブロック図である。 図8は、図7のパラメトリックスピーカに含まれるスピーカの周波数、音圧レベルの特性、及び、変調方法を示した概略図である。 図9は、パラメトリックスピーカの信号出力方法を表したフローチャートである。
[1.パラメトリックスピーカの概要]
(1)本実施の形態に含まれるパラメトリックスピーカは、超音波である搬送波の振幅が目的音の音響信号によって変調された変調波を放射するパラメトリックスピーカであって、変調波を放射するスピーカが動電型のスピーカである。
動電型のスピーカの再生可能な周波数の帯域は、超音波の出力器として超音波センサ用の超音波発生素子を用いた場合の再生可能な周波数の帯域よりも大きい。そのため、搬送波の両側波帯の全音圧レベルが再生可能な周波数の帯域に含まれる可能性が高くなる。その結果、復調音の音質を向上させることができる。
(2)好ましくは、パラメトリックスピーカは、搬送波の振幅を音響信号によって変調して変調波を生成する変調部をさらに備え、変調部は、搬送波の変調幅を動電型のスピーカの再生可能な帯域内とするように搬送波の振幅を変調する。これにより、搬送波の両側波帯の全音圧レベルが再生可能な周波数の帯域に含まれる。その結果、復調音の音質を向上させることができる。
(3)好ましくは、動電型のスピーカの再生可能な周波数は20kHz以上の周波数を含み、再生可能な周波数の帯域幅は10kHz以上である。これにより、搬送波の周波数がスピーカの再生可能な周波数の下限と一致し、かつ、目的波の周波数が10[kHz]であったとしても、上側波帯の周波数(fC+f)が上限以下となる。そのため、このような場合であっても、上側波帯は音圧レベルのすべてがスピーカによって再生可能となり、搬送波の振幅変調に用いることができる。
(4)好ましくは、パラメトリックスピーカは、搬送波の周波数を調整する調整部をさらに備え、変調部は、調整部によって調整された搬送波の周波数を変調する。搬送波の周波数は、例えば、環境、目的音の属性、及び、視聴者の属性などの条件に応じて調整可能となる。これにより、環境等の条件に合った復調音とすることができる。
(5)好ましくは、変調部は、音響信号によって、複数の周波数の異なる搬送波それぞれを変調して変調波を生成する。同一の音響信号に対して複数の周波数の異なる複数の搬送波を用いることで、復調音の音質を向上させることができる。
(6)好ましくは、動電型のスピーカの再生可能な周波数は20kHz以上の周波数を含み、再生可能な帯域幅は36kHz以上である。これにより、2つの搬送波を用い、これらの復調音における干渉を抑えることができる。これにより、復調音の音質を向上させることができる。
(7)本実施の形態に含まれるパラメトリックスピーカの信号出力方法は、超音波である搬送波の振幅を、目的音の音響信号によって変調した変調波を生成し、変調波をスピーカから出力する、ことを備え、スピーカは、20kHz以上の周波数を再生可能な動電型であり、変調波の変調幅は、スピーカが再生可能な帯域内にある。このパラメトリックスピーカの信号出力方法は、(1)~(6)に記載のパラメトリックスピーカでの信号出力方法である。そのため、このパラメトリックスピーカの信号出力方法は、これらパラメトリックスピーカと同じ効果を奏する。
[2.パラメトリックスピーカの例]
[2.1 第1の実施の形態]
<パラメトリックスピーカの構造>
本実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1は、超音波を搬送波(キャリア)とし、目的音である可聴帯域の音響信号で振幅変調された変調波を、非線形が生じる大きな振幅で音響空間に放射する。変調波は、音響空間に存在する空気(大気)を伝播する過程で、当該媒質の非線形性により歪みを生じ、この歪みによって可聴音である音響信号(復調音)が自己復調し、指向性の高い音場が形成される。なお、搬送波を振幅変調する信号は音響信号に限定されない。すなわち、音響信号以外の信号が復調されてもよい。以降の例では、搬送波を振幅変調して放出され、自己復調する信号が音響信号であるものとする。
図1に示されるように、パラメトリックスピーカ1は、信号処理部20を備える。また、パラメトリックスピーカ1は、スピーカ30を備える。信号処理部20は、スピーカ30から放射される超音波を生成するための信号処理を実行する。信号処理部20は、音響信号生成装置5に接続されている。
信号処理部20は、搬送波生成部25を有する。搬送波生成部25は、所定の周波数の搬送波Cを生成する。搬送波生成部25は、例えば水晶振動子等を用いた高周波発振器を含んで構成されている。
信号処理部20は、変調部21を有する。変調部21は、搬送波生成部25から搬送波Cの入力を受け付けるとともに、音響信号生成装置5から、目的音の音響信号Sの入力を受け付ける。変調部21は、搬送波Cの振幅を音響信号Sで変調し、変調波vpを生成する。
搬送波生成部25及び変調部21は、例えば、デジタル回路によって構成されていてもよいし、アナログ回路によって構成されていてもよい。デジタル回路は、例えばCPU等のプロセッサやメモリを備えたコンピュータから構成されている。そして、プロセッサがメモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、搬送波生成部25及び変調部21が実現されている。
変調部21は増幅部22に接続される。増幅部22は変調部21から変調波vpの入力を受け付ける。増幅部22は変調波vpを増幅し、増幅した変調波Hをスピーカ30に入力する。増幅部22は、例えば超音波帯域の増幅特性が良好なオペアンプ等を用いて構成されている。増幅部22で増幅された変調波Hはスピーカ30に入力され、スピーカ30から超音波として放射される。
<パラメトリックスピーカの信号出力方法>
本実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1は、図9に表された方法で音響信号を出力する。すなわち、図9を参照して、搬送波生成部25によって所定の周波数の搬送波Cが生成される(ステップS101)。変調部21は、音響信号生成装置5から入力を受け付けて、一時的に記憶した目的音の音響信号Sを読み出し(ステップS103)、搬送波Cの振幅を音響信号Sで変調して変調波vpを生成する(ステップS105)。変調波vpは増幅され、スピーカ30から超音波として放射される(ステップS107)。上記ステップS105では、下のような変調方法で搬送波Cの振幅が変調される。
<変調方法>
変調部21は、搬送波Cの振幅を音響信号Sで変調する。変調部21での変調方式は、一例として、上側波帯USBと下側波帯LSBとの両側波帯を用いる両側波帯(DSB:Double Sideband)変調方式である。DSB変調方式は、両側波帯USB,LSBと搬送波Cとの差音を利用した変調方式であって、目的波の周波数f、キャリア波の周波数fCに対して、両側波帯USB,LSBと搬送波Cとの差音|fC-(fC±f)|の和が復調音(再生音、つまり、復調された目的音)となる。
なお、上側波帯USBと下側波帯LSBとの周波数の間隔Fは目的波の周波数fの二倍であり(F=2f)、間隔Fを変調幅ともいう。変調部21は、変調幅Fが後述するスピーカ30の再生可能帯域W1内となるように搬送波Cの振幅を変調する。
目的波の周波数fは、一般的な可聴音では8[kHz]以上であり、好ましくは、8[kHz]である。また、目的波の周波数fは、好ましくは、10[kHz]以下である。
なお、変調部21での変調方式は、上側波帯USBと下側波帯LSBとのうちの一方の側波帯を用いる単側波帯(SSB:Single Sideband)変調方式であってもよい。SSB変調方式は、側波帯USB又はLSBと搬送波Cとの差音を利用する変調方式である。
<スピーカの説明>
スピーカ30は、動電型のスピーカである。動電型のスピーカはダイナミックスピーカとも呼ばれ、強力な磁場内に可動コイルを挿入し、これに音声電流を通じて電気エネルギーを音のエネルギーに変換することで音を出すスピーカである。
図2に示されたように、スピーカ30の再生可能な周波数の帯域(以下、再生可能帯域とも称する)W1[kHz]は、下限をf1[kHz]、上限をf2[kHz]とすると、W1=f2-f1で定義される。
再生可能帯域W1の下限f1は、超音波である20[kHz]以下である(f1≦20)。例えば、再生可能帯域W1の下限f1は20[kHz]である(f1=20)。つまり、本実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1に備えられるスピーカ30は、動電型のスピーカであって、超音波を再生可能なスピーカである。
好ましくは、再生可能帯域W1の下限f1は、超音波である20[kHz]より小さく、例えば、3~5[kHz]である。これにより、搬送波Cの周波数fCが超音波の下限である20[kHz]と一致し、かつ、目的波の周波数fが10[kHz]であったとしても、下側波帯LSBの周波数(fC-f)が下限f1以上となる。そのため、このような場合であっても、下側波帯LSBは音圧レベルL1のすべてがスピーカ30によって再生可能となり、搬送波Cの振幅変調に用いることができる。
再生可能帯域W1は、10[kHz]以上である(W1≧10)。例えば、再生可能帯域W1は、10[kHz]である(W1=10)。これにより、搬送波Cの周波数fCが下限f1と一致し、かつ、目的波の周波数fが10[kHz]であったとしても、上側波帯USBの周波数(fC+f)が上限f2以下となる。そのため、このような場合であっても、上側波帯USBは音圧レベルL1のすべてがスピーカ30によって再生可能となり、搬送波Cの振幅変調に用いることができる。
好ましくは、再生可能帯域W1は、10~20[kHz]程度である。この場合の変調について、超音波センサに用いる圧電素子を搭載したスピーカを比較例として説明する。超音波センサに用いる超音波発生素子(圧電素子)は、図3に示されたように、センサ用の特定の周波数(図3の例では40kHz)が音圧レベルのピークとなるように設計されている。
音圧レベルのピーク付近である図3のA部分を拡大すると、図4に示されるようになる。すなわち、比較例に係るスピーカは、図4に示されるように、特定の周波数(40kHz)で音圧レベルが急峻なピークを示す特性を有する。このようなスピーカを含む従来のパラメトリックスピーカでは、図4に示されたように、特定の周波数(40kHz)を周波数fCとする搬送波Cを振幅変調する。
このとき、図4に示されるように、下側波帯LSB及び上側波帯USBの音圧レベルL1を再生可能な範囲W2は、下側波帯LSBの周波数(fC-f)と上側波帯USBの周波数(fC+f)との範囲Fよりも小さくなる。そのため、下側波帯LSB及び上側波帯USBは、いずれも、比較例に係るスピーカによって音圧レベルL1まで再生されず、音圧レベルL1よりも低い音圧レベルL2までしか再生されない。
従って、比較例に係るスピーカでは、音響信号Sで搬送波Cの振幅を変調すると側波帯の音圧レベルが実際の音圧レベルL1よりも小さいレベルL2となる。そのため、復調音において、両側波帯LSB,USBの周波数(fC-f),(fC+f)における音圧が低下する。それによって、復調音の音質が低下する場合がある。
これに対して、スピーカ30では、図2に示されたように再生可能な範囲W1が比較例に係るスピーカの再生可能な範囲W2よりも格段に大きいため、音響信号Sで搬送波Cの振幅を変調したときの側波帯の音圧レベルを実際の音圧レベルL1とすることができる。そのため、両側波帯LSB,USBの周波数(fC-f),(fC+f)における音圧が確保され、復調音の音質を向上させることができる。
[2.2 第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1は、マルチキャリア方式を採用したものである。マルチキャリア方式を採用したパラメトリックスピーカは、目的音で変調する搬送波Cが所定の周波数の搬送波に固定されておらず、周波数の異なる複数の搬送波を搬送波Cとして採用され得るパラメトリックスピーカを指す。一例として、第2の実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1で採用するマルチキャリア方式は、いわゆる周波数ホッピングである、搬送波Cの周波数を変更可能なことを指す。そのため、図5に示されたように、第2の実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1において、信号処理部20は、調整部23をさらに含む。調整部23は、搬送波生成部25から搬送波Cの入力を受け付ける。
図6に示されたように、調整部23は、搬送波Cの周波数fCを周波数fmに変更する調整を行う。高周波成分が多いほど、復調音の音程は高くなる。逆に、低周波成分が多いほど、復調音の音程は低くなる。そのため、調整部23は、例えば、ノイズの多少、視聴空間の広さ、などの環境に応じて周波数fmを選択してもよい。また、調整部23は、例えば、会話の方が多い、音楽が多い、などの、目的音の属性に応じて周波数fmを選択してもよい。また、調整部23は、例えば、年齢、性別などの、視聴者の属性に応じて周波数fmを選択してもよい。又は、調整部23は、環境、目的音の属性、及び、視聴者の属性などの条件のうちの2以上の組み合せに応じて周波数fmを選択してもよい。
調整部23は、周波数fmの搬送波Cmを変調部21に渡す。変調部21は、搬送波Cmの振幅を音響信号Sで変調し、変調波vpmを生成する。増幅部22は変調部21から変調波vpmの入力を受け付ける。増幅部22は変調波vpmを増幅し、増幅した変調波H1をスピーカ30に入力する。変調波H1はスピーカ30から超音波として放射される。
スピーカ30の再生可能帯域W1は10~20[kHz]程度と十分に大きいため、図6に示されたように、調整部23は周波数fmを選択しやすい。そのため、環境、目的音の属性、及び、視聴者の属性などの条件に応じて適した周波数fmを選択することができる。その結果、復調音を条件に応じて最適な音質とすることができる。
なお、調整部23は、他の例として、ランダムに周波数fmを選択してもよい。この場合、搬送波Cの周波数が分散する。これにより、使用される圧電素子が分散され、負荷が分散する。その結果、パラメトリックスピーカ1の耐久性を向上させることができる。
[2.3 第3の実施の形態]
第3の実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1もまた、マルチキャリア方式を採用する。第3の実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1で採用するマルチキャリア方式は、マルチキャリア方式の他の例として、周波数の異なる複数の搬送波を用いることを指す。そのため、図7に示されたように、第3の実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1において、信号処理部20は、変調部21に替えて第1変調部21A及び第2変調部21Bを含む。第3の実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1において、搬送波生成部25は、図8に示された、各々異なる所定の周波数の、複数の搬送波C1,C2を生成する。
複数の搬送波C1,C2は、同一の目的音によってそれぞれ振幅が変調され、同一の目的音を再生するために復調波が同時に放射される。そのため、復調時の干渉を回避するため、搬送波C1の周波数fc1と搬送波C2の周波数fc2とは所定の周波数d[kHz]隔たっている。周波数dは、20[kHz]以上である。周波数dは、例えば、20[kHz]である。
第1変調部21Aは、搬送波生成部25から搬送波C1の入力を受け付けるとともに、音響信号生成装置5から、目的音の音響信号Sの入力を受け付ける。第1変調部21Aは、搬送波C1の振幅を音響信号Sで変調し、変調波vp1を生成する。第2変調部21Bは、搬送波生成部25から搬送波C2の入力を受け付けるとともに、音響信号生成装置5から、目的音の音響信号Sの入力を受け付ける。第2変調部21Bは、搬送波C1の振幅を音響信号Sで変調し、変調波vp2を生成する。
好ましくは、第1変調部21A及び第2変調部21Bは、いずれも、SSB変調方式で搬送波C1,C2を変調する。より詳細には、第1変調部21Aは、搬送波C1の下側波帯LSBを用いるSSB変調方式で搬送波C1を変調する。第2変調部21Bは、搬送波C2の上側波帯USBを用いるSSB変調方式で搬送波C2を変調する。これにより、図8に示されたように、搬送波C1の変調波と搬送波C2の変調波との周波数の隔たりは、周波数dで維持される。そのため、復調波における搬送波C1の上側波帯USBと搬送波C2の下側波帯LSBとの干渉を回避でき、復調音の音質の干渉による劣化を回避できる。
加算器26によって変調波vp1と変調波vp2とが加算されて得られた変調波vp2は、増幅部22によって増幅され、増幅した変調波H3がスピーカ30に入力される。変調波H3はスピーカ30から超音波として放射される。
なお、図8に示されたように、搬送波C1の周波数fc1を40[kHz]とすると、上記所定の周波数dが20[kHz]以上であることから、搬送波C2の周波数fc2は、60[kHz]以上である。周波数fc2の最小値は、60[kHz]である。
目的波の周波数fが最小値8である場合、この場合、搬送波C1の下側波帯LSBの周波数fLは32[kHz]、搬送波C2の上側波帯USBの周波数fUは68[kHz]となる。
上記の値に基づき、第3の実施の形態に係るパラメトリックスピーカ1では、スピーカ30の再生可能帯域W1の下限f1は32[kHz]以下であり、上限f2は68[kHz]以上、すなわち、再生可能帯域W1は36kHz以上である。例えば、再生可能帯域W1の下限f1は32[kHz]であり、上限f2は68[kHz]である。これにより、搬送波C1の下側波帯LSBの周波数fL(=fc1-f)と、搬送波C2の上側波帯USBの周波数fU(=fc2+f)とのいずれもがスピーカ3の再生可能搬送波C1の帯域W1内となる。そのため、復調音の音質が向上する。
[3.付記]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
1 :パラメトリックスピーカ
3 :スピーカ
5 :音響信号生成装置
8 :最小値
20 :信号処理部
21 :変調部
21A :第1変調部
21B :第2変調部
22 :増幅部
23 :調整部
25 :搬送波生成部
26 :加算器
30 :スピーカ
C :搬送波
C1 :搬送波
C2 :搬送波
Cm :搬送波
F :変調幅
H :変調波
H1 :変調波
H3 :変調波
L1 :音圧レベル
L2 :音圧レベル
LSB :下側波帯
S :音響信号
USB :上側波帯
W1 :再生可能帯域
W2 :範囲
d :周波数
f :周波数
f1 :下限
f2 :上限
fC :周波数
fL :周波数
fU :周波数
fc1 :周波数
fc2 :周波数
fm :周波数
vp :変調波
vp1 :変調波
vp2 :変調波
vpm :変調波

Claims (7)

  1. 超音波である搬送波の振幅が目的音の音響信号によって変調された変調波を放射するパラメトリックスピーカであって、
    前記変調波を放射するスピーカが動電型のスピーカである
    パラメトリックスピーカ。
  2. 前記搬送波の振幅を前記音響信号によって変調して前記変調波を生成する変調部をさらに備え、
    前記変調部は、前記搬送波の変調幅を前記動電型のスピーカの再生可能な帯域内とするように前記搬送波の振幅を変調する
    請求項1に記載のパラメトリックスピーカ。
  3. 前記動電型のスピーカの再生可能な周波数は20kHz以上の周波数を含み、再生可能な周波数の帯域幅は10kHz以上である
    請求項2に記載のパラメトリックスピーカ。
  4. 前記搬送波の周波数を調整する調整部をさらに備え、
    前記変調部は、前記調整部によって調整された前記搬送波の周波数を変調する
    請求項2又は3に記載のパラメトリックスピーカ。
  5. 前記変調部は、前記音響信号によって、周波数の異なる複数の搬送波それぞれを変調して変調波を生成する
    請求項2~請求項4のいずれか一項に記載のパラメトリックスピーカ。
  6. 前記動電型のスピーカの再生可能な周波数は20kHz以上の周波数を含み、再生可能な帯域幅は36kHz以上である
    請求項5に記載のパラメトリックスピーカ。
  7. パラメトリックスピーカの信号出力方法であって、
    超音波である搬送波の振幅を、目的音の音響信号によって変調した変調波を生成し、
    変調波をスピーカから出力する、ことを備え、
    前記スピーカは、20kHz以上の周波数を再生可能な動電型であり、
    前記変調波の変調幅は、前記スピーカが再生可能な帯域内にある
    パラメトリックスピーカの信号出力方法。
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