<紙葉類集計処理システムの構成>
図1は、本実施例に係る紙葉類集計処理システムの構成図である。図1に示す複数の営業所30は、銀行などの金融機関の支店であり、それぞれの営業所30には紙葉類処理装置10が設けられている。紙葉類処理装置10は、税金や公共料金等を振り込む際に使用する帳票を受け付け、振込処理を行う装置である。
具体的には、紙葉類処理装置10は、帳票を取り込んで撮像し、帳票画像データを生成する。さらに、紙葉類処理装置10は、帳票画像データに対して文字認識処理を行って収納先、収納金額、種別などを識別する。ここで、種別とは、自動車税、地方税、水道料金、電話料金などである。紙葉類処理装置10は、識別結果を表示し、必要に応じて修正入力を受け付けて収納先、収納金額、種別などを確定する。紙葉類処理装置10は、確定した収納金額に対応する貨幣の投入を受け付け、領収書と釣銭を顧客に返却し、帳票を内部に収納する。
各営業所30において紙葉類処理装置10の内部に収納された帳票は、センタ40に輸送される。また、各営業所30の紙葉類処理装置10は、自装置で処理した帳票に係る帳票データをセンタ40の紙葉類分類装置20に送信する。帳票データには、帳票画像データと、文字認識の結果を示す文字認識結果データと、修正入力の内容を示す修正入力データとが含まれる。なお、ここでは帳票データをネットワーク経由で送信する構成を示したが、紙葉類処理装置10が帳票データを所定の記憶媒体に書込み、かかる記憶媒体を輸送や手渡しによりセンタ40に運んで紙葉類分類装置20に読み取らせてもよい。
センタ40の紙葉類分類装置20は、複数の営業所から輸送された帳票を収納先及び種別に応じて分類し、仕分けを行う第2の紙葉類処理装置である。紙葉類分類装置20により分類された帳票は、その後、対応する収納先50に輸送されて処理される。また、収納先50には、帳票の合計金額などの明細データが送信される。なお、各帳票の帳票データを合わせて収納先50に送信してもよい。
紙葉類分類装置20は、帳票の分類に各営業所30の紙葉類処理装置10から受信した帳票データを用いる。具体的には、紙葉類分類装置20は、営業所30から輸送された帳票を取り込んで撮像し、帳票画像データを生成する。さらに、紙葉類分類装置20は、帳票画像データに対して文字認識処理を実行する。
紙葉類分類装置20は、自装置で実行した文字認識処理の結果と、紙葉類処理装置10から受信した帳票データに含まれる文字認識結果データとを比較し、取り込んだ帳票に対応する帳票データの候補を抽出する。この候補の抽出では、文字認識結果の一部が合致する帳票データが選択される。例えば、収納先や種別が合致する帳票データを選択すればよい。なお、特定の項目について文字認識が失敗している場合には、「文字認識の失敗」を文字認識結果として利用可能である。例えば、紙葉類分類装置20が取り込んだ帳票について文字認識が失敗した場合には、同様の項目で紙葉類処理装置10にて文字認識に失敗している帳票データを候補として抽出することができる。
紙葉類分類装置20は、抽出した帳票データの帳票画像データと、自装置で生成した帳票画像データとを照合処理し、取り込んだ帳票に対応する帳票データを特定する。紙葉類分類装置20は、特定した帳票データに修正入力データが含まれている場合には、この修正入力データを取り込んだ帳票のセンタ側での修正入力データとして用いる。すなわち、紙葉類分類装置20では、操作者から修正入力を受け付けることなく、取り込んだ帳票のセンタ側での修正入力データを得ることができる。
その後、紙葉類分類装置20は、特定した帳票データの文字認識結果データ及び修正入力データを参照し、文字認識結果データ及び修正入力データに示された収納先及び種別に従って帳票を分類して帳票の仕分処理を行う。なお、紙葉類分類装置20にて文字認識処理を行うことができず、紙葉類処理装置10において文字認識処理を行うことができていた場合には、紙葉類分類装置20は、自装置で生成した帳票画像データと紙葉類処理装置10により生成された帳票画像データとを照合処理することで取り込んだ帳票に対応する帳票データを特定し、特定した帳票データに含まれる紙葉類処理装置10での文字認識処理の結果(文字認識結果データ及び修正入力データ)に基づいて帳票の仕分処理を行う。また、紙葉類分類装置20での分類時に文字認識を行わない項目を設定していた場合には、その項目については紙葉類処理装置10での文字認識処理の結果を用いて帳票の仕分処理を行う。
このように、本実施例に係る紙葉類集計処理システムでは、営業所30において紙葉類処理装置10が帳票を取り込む際に帳票画像データ、文字認識結果データ及び修正入力データを生成し、これらを含む帳票データをセンタ40の紙葉類分類装置20に送信する。そして、紙葉類分類装置20は、営業所30から輸送された帳票を取り込んで帳票画像データ及び文字認識結果データを生成し、帳票画像データ及び文字認識結果データを用いて帳票データの抽出及び特定を行う。具体的には、文字認識結果データを帳票の属性を示す紙葉類属性情報として用い、紙葉類属性情報の少なくとも一部が合致する帳票データを抽出した上で、帳票画像データの照合を行って取り込んだ帳票に対応する帳票データを特定する。
文字認識結果データを用いた帳票データの抽出は、帳票画像データ全体の照合処理に比して負荷が小さいため、文字認識結果データを用いた抽出により照合処理の対象となる帳票データの数を絞り込むことで、紙葉類分類装置20が取り込んだ帳票に対応する帳票データを高速かつ低負荷で特定することが可能となる。そして、特定した帳票データの修正入力データを使用することができるため、帳票の仕分けを行う際の作業負担を効率良く軽減することができる。
<紙葉類処理装置10の構成>
次に、図1に示した紙葉類処理装置10の外観構成について説明する。図2は、図1に示した紙葉類処理装置10の外観構成を説明する図である。図2に示すように、紙葉類処理装置10は、表示操作部11、キャッシュカード受付部12、暗証番号入力部13、レシート印刷部14、帳票受付部15a、硬貨受付部16a、硬貨出金部16b、紙幣受付部16c、紙幣出金部16dを有する。
表示操作部11は、画面の表示と画面上に表示されたボタン等の操作によって入力操作を受け付けるタッチパネル型のディスプレイ又は液晶パネル等の入出力デバイスである。帳票受付部15aは、税金又は公共料金の支払用の用紙(帳票)を受け付ける受付部である。
レシート印刷部14は、受け付けた帳票の処理の結果を示した処理レシートを印刷して出力する出力部である。キャッシュカード受付部12は、顧客が支払いに銀行口座からの振込処理を用いる場合に、当該口座のキャッシュカードを受け付ける受付部である。暗証番号入力部13は、顧客が支払いに銀行口座からの振込処理を用いる場合に、当該口座の暗証番号を入力する入力部である。
硬貨受付部16aは、顧客が支払いに硬貨を用いる場合に硬貨を受け付ける受付部である。硬貨出金部16bは、支払い時の釣銭として、あるいは取消処理に応じて返却される硬貨を出金する出金部である。紙幣受付部16cは、顧客が支払いに紙幣を用いる場合に紙幣を受け付ける受付部である。紙幣出金部16dは、支払い時の釣銭として、あるいは取消処理に応じて返却される紙幣を出金する出金部である。図示していないが、硬貨受付部16a、硬貨出金部16b、紙幣受付部16c及び紙幣出金部16dには、シャッターカバーが設けられており、必要時以外には閉塞されるようになっている。
帳票受付部15aが受け付けた帳票は、紙葉類処理装置10の帳票処理部15に取り込まれる。図3は、帳票処理部15の内部構成を示す断面図である。図3に示すように、帳票処理部15は、搬送ローラ15b、搬送路15c、カッタ15d、撮像部15e、スタンプ処理部15f及び収納部15gを有する。
帳票処理部15は、搬送ローラ15bを駆動して帳票を搬送路15cに取り込む。取り込まれた帳票は搬送路15c上を搬送され、撮像部15eが帳票の撮像を行う。その後、帳票に係る支払いが確定したならば、スタンプ処理部15fが帳票の所定位置に領収印(日付印を含む)を押印し、カッタ15dが帳票から領収書を切り離す。領収書が切り離された帳票は、収納部15gに搬送されて収納される。また、領収書は、帳票受付部15aに排出されて返却される。
図4は、紙葉類処理装置10の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、紙葉類処理装置10は、既に説明した表示操作部11、キャッシュカード受付部12、暗証番号入力部13、レシート印刷部14及び帳票処理部15に加え、入出金部16と、通信部17と、記憶部18と、制御部19とを有する。
入出金部16は、貨幣の投入の受付、金種の識別、貨幣の金種別の収納、制御部19から指定された貨幣の払い出しを行う処理部である。通信部17は、センタ40の紙葉類分類装置20とデータ通信するためのインタフェース部である。記憶部18は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部18は、帳票データ18aを記憶する。帳票データ18aは、帳票画像データと、文字認識結果データと、修正入力データとを対応付けたデータである。
制御部19は、紙葉類処理装置10の全体を制御する制御部であり、帳票データ生成部19a、文字認識部19b、修正処理部19c及び支払処理部19dを有する。実際には、帳票データ生成部19a、文字認識部19b、修正処理部19c及び支払処理部19dに対応するプログラムを不揮発性メモリや磁気ディスク装置などの記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメモリにロードして、CPU(Central Processing Unit)で実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
帳票データ生成部19aは、帳票処理部15が取り込んだ帳票から帳票データ18aを生成する処理部である。まず、帳票データ生成部19aは、帳票処理部15の撮像部15eが撮像した帳票の画像を帳票画像データとして帳票データ18aに記憶するとともに、文字認識部19b及び修正処理部19cに出力する。その後、文字認識部19bが文字認識結果データを出力した場合には、文字認識結果データを帳票データ18aに追加する。さらに、修正処理部19cが文字認識の結果について修正入力データを出力した場合には、修正入力データを帳票データ18aに追加する。
帳票データ生成部19aは、帳票画像データ、文字認識結果データ及び修正入力データを含む帳票データをセンタ40の紙葉類分類装置20に送信する。この帳票データの送信は、帳票の取り込み毎に行う。また、帳票の取り込み時には帳票データの送信を行わずに記憶部18に蓄積しておき、閉店後など所定のタイミングで一括して送信することとしてもよい。
文字認識部19bは、帳票データ生成部19aが出力した帳票画像データに対して文字認識処理を行って、帳票上の文字を認識する処理部である。この文字認識では、収納先、種別、金額、日付などの項目を識別する。例えば、A県自動車税事務所に納付する自動車税で、税額が39500円、納期限が平成27年5月31日であれば、収納先「A県自動車税事務所」、種別「自動車税」、金額「39500円」、日付「平成27年5月31日」が識別されることになる。この他、納付する人物の氏名など、帳票上に印字されている文字を適宜識別の対象とすることができる。
文字認識部19bは、文字認識の結果を文字認識結果データとして修正処理部19c及び帳票データ生成部19aに出力する。なお、文字認識に失敗している項目がある場合には、当該項目については「文字認識の失敗」を文字認識結果として文字認識結果データに含める。文字認識に失敗した項目は、修正処理部19cによる修正が必要であると判定される。また、紙葉類分類装置20においては、「文字認識の失敗」との文字認識結果が帳票データの抽出に利用される。
修正処理部19cは、文字認識部19bが出力した文字認識結果データを帳票画像データとともに表示操作部11に表示し、顧客からの修正入力を受け付ける。このとき、文字認識に失敗した項目については、顧客に対して修正入力が必要である旨を合わせて表示することが望ましい。顧客は、帳票画像データ及び文字認識結果データを確認し、必要に応じて文字認識の結果を修正する修正入力を行って、文字認識結果を確定する。修正処理部19cは、顧客から修正入力を受け付けた場合には、修正入力の内容を修正入力データとして帳票データ生成部19aに出力する。なお、全ての項目について正確に文字認識が行われていれば、顧客は修正入力を行わずに文字認識結果の確定を行う。
支払処理部19dは、取り込んだ帳票に係る支払いを受け付ける処理部である。具体的には、支払処理部19dは、修正処理部19cの処理により収納金額が確定した場合に、入出金部16のシャッターカバーを開いて貨幣の投入を可能とする。その後、入出金部16が貨幣の投入を受け付けて金種及び枚数を識別し、投入された貨幣の合計金額を支払処理部19dに通知すると、支払処理部19dは合計金額が収納金額以上であることを条件に支払いを確定する。また、合計金額が収納金額を超えている場合には、支払処理部19dは入出金部16に釣銭の払い出しを指示する。
帳票に係る支払いは現金に限らず、キャッシュカードにより行うことも可能である。キャッシュカードによる支払いでは、キャッシュカード受付部12がキャッシュカードを受け付け、暗証番号入力部13が暗証番号の入力を受け付ける。そして、暗証番号による認証の成功を条件に、キャッシュカードに対応する口座からの振込処理を実行し、帳票に係る支払いを確定する。
支払処理部19dは、帳票に係る支払いが確定した場合に帳票処理部15に支払い完了を通知する。帳票処理部15は、支払い完了の通知を受けたならば、帳票に領収印を押印し、領収書を切り離して帳票受付部15aに返却する。また、領収書が切り離された帳票は、収納部15gに搬送して収納される。
次に、紙葉類処理装置10の処理手順について説明する。図5は、紙葉類処理装置10の処理手順を示すフローチャートである。まず、帳票受付部15aが帳票を受け付けると(ステップS101)、帳票処理部15が帳票を搬送し、撮像部15eが帳票を撮像して帳票画像データを生成する(ステップS102)。
文字認識部19bは、帳票画像データに対して文字認識処理を実行する(ステップS103)。修正処理部19cは、文字認識処理により生成された文字認識結果データを表示操作部11に表示する(ステップS104)。そして、修正入力を受け付けたならば(ステップS105;Yes)、修正処理部19cは、修正の内容を示す修正入力データを生成する(ステップS106)。
ステップS106の後、若しくは修正入力を受け付けなかった場合(ステップS105;No)、支払処理部19dは、顧客からの入金を受け付ける(ステップS107)。その後、帳票処理部15は、帳票に領収印を押印し(ステップS108)、領収書を切り離して(ステップS109)、領収書を帳票受付部15aに返却する(ステップS110)。
ステップS110の後、支払処理部19dは、帳票の処理を終了するか否かを判定する(ステップS111)。継続して他の帳票を処理する場合、即ち、帳票の処理を終了しない場合(ステップS111;No)、ステップS101に移行して、次の帳票を受け付ける。
帳票の処理を終了する場合(ステップS111;Yes)、支払処理部19dは、処理の結果を示したレシートを印刷して出力し(ステップS112)、入出金部16に釣銭を返却させる(ステップS113)。その後、帳票データ生成部19aが、帳票画像データ、文字認識結果データ及び修正入力データを含む帳票データをセンタ40の紙葉類分類装置20に送信して(ステップS114)、処理を終了する。
なお、ステップS107において、キャッシュカードで支払いを行った場合には、ステップS113の釣銭返却は不要である。また、複数の帳票を処理する場合に、釣銭を一括して返却するのではなく、1の帳票に係る釣銭を返却した後に次の帳票を受け付けるように構成してもよい。また、図5のフローチャートでは、帳票の処理が終了する毎に帳票データを送信する場合を例示したが、帳票データを記憶部18に蓄積しておき、閉店後など所定のタイミングで一括して送信してもよい、
<紙葉類分類装置20の構成>
次に、紙葉類分類装置20の構成について説明する。紙葉類分類装置20は、営業所から輸送された帳票を取り込み、収納先及び種別に応じて仕分ける帳票仕分部23を有する。まず、この帳票仕分部23の構成を説明する。
図6は、帳票仕分部23の内部構成を示す断面図である。図6に示すように、帳票仕分部23は、帳票受付部23a、搬送ローラ23b、搬送路23c、撮像部23d、収納部23e及び保留部23fを有する。
帳票仕分部23は、搬送ローラ15bを駆動して帳票受付部23aから帳票を取り込む。取り込まれた帳票は搬送路23c上を搬送され、撮像部23dが帳票の撮像を行う。搬送路23cは撮像部23dの後段で分岐しており、複数の収納部23eのいずれか又は保留部23fに帳票を搬送することができる。複数の収納部23eは、帳票の収納先及び種別に対応して設けられている。また、保留部23fは、帳票の一時的な収納に用いられる。
図7は、紙葉類分類装置20の構成を示す機能ブロック図である。図7に示すように、紙葉類分類装置20は、表示部21、入力部22、帳票仕分部23、通信部24、記憶部25及び制御部26を有する。
表示部21は、液晶ディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部22は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。通信部24は、営業所30の紙葉類処理装置10などとの通信を行う通信インタフェースである。
記憶部25は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、受信帳票データ25a及び生成帳票データ25bを記憶する。受信帳票データ25aは、営業所30の紙葉類処理装置10から受信した帳票データである。生成帳票データ25bは、紙葉類分類装置20が生成した帳票データである。
制御部26は、紙葉類分類装置20の全体を制御する制御部であり、帳票データ管理部26a、文字認識部26b、帳票データ抽出部26c、画像照合部26d、修正処理部26e及び仕分処理部26fを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、帳票データ管理部26a、文字認識部26b、帳票データ抽出部26c、画像照合部26d、修正処理部26e及び仕分処理部26fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
帳票データ管理部26aは、帳票データの管理を行う処理部である。具体的には、帳票データ管理部26aは、営業所30の紙葉類処理装置10から受信した帳票データを受信帳票データ25aとして記憶部25に格納する。
また、帳票データ管理部26aは、帳票仕分部23が取り込んだ帳票から生成帳票データ25bを生成する。具体的には、帳票データ生成部19aは、帳票仕分部23の撮像部23dが撮像した帳票の画像を帳票画像データとして生成帳票データ25bに記憶するとともに、帳票画像データを文字認識部26b、画像照合部26d及び修正処理部26eに出力する。その後、文字認識部26bが文字認識結果データを出力した場合には、文字認識結果データを生成帳票データ25bに追加する。さらに、修正処理部26eが文字認識の結果についてセンタ側での修正入力データを出力した場合には、センタ側での修正入力データを生成帳票データ25bに追加する。
文字認識部26bは、帳票データ管理部26aが出力した生成帳票データ25bの帳票画像データに対して文字認識処理を行って、帳票上の文字を認識する処理部である。この文字認識では、紙葉類処理装置10と同様に、収納先、種別、金額、日付などの項目を識別する。
文字認識部26bは、文字認識の結果を生成帳票データ25bの文字認識結果データとして帳票データ抽出部26c、修正処理部26e及び帳票データ管理部26aに出力する。なお、文字認識に失敗している項目がある場合には、当該項目については「文字認識の失敗」を文字認識結果として文字認識結果データに含める。
帳票データ抽出部26cは、文字認識部26bが出力した生成帳票データ25bの文字認識結果データと、受信帳票データ25aの文字認識結果データとを比較し、取り込んだ帳票に対応する受信帳票データ25aの候補を抽出する処理部である。この候補の抽出では、文字認識結果の一部が合致する受信帳票データ25aが選択される。例えば、収納先や種別が合致する受信帳票データ25aを選択すればよい。なお、特定の項目について文字認識が失敗している場合には、「文字認識の失敗」を文字認識結果として利用可能である。例えば、生成帳票データ25bの文字認識データにおいて文字認識が失敗した場合には、同様の項目で文字認識に失敗している受信帳票データ25aを候補として抽出することができる。
画像照合部26dは、帳票データ抽出部26cにより抽出された受信帳票データ25aの帳票画像データと、帳票データ管理部26aが生成した生成帳票データ25bの帳票画像データとを照合処理し、取り込んだ帳票に対応する受信帳票データ25aを特定する処理部である。
この照合処理には、任意の画像照合技術を用いることができる。例えば受信帳票データ25aの帳票画像データと、生成帳票データ25bの帳票画像データとの間で相互相関を求めることで、類似度が最も高い受信帳票データ25aを選択すればよい。
画像照合技術を用いる場合には、落書きや汚れ等の影響を抑制するため、相違箇所が金額や日付でないことを確認し、当該相違箇所を除外して照合結果を求めるか否かを決定してもよい。
また、画像照合技術に限らず、バイナリ比較により受信帳票データ25aの帳票画像データと、生成帳票データ25bとを照合してもよい。
修正処理部26eは、画像照合部26dにより特定された受信帳票データ25aに修正入力データが含まれている場合には、この修正入力データを生成帳票データ25bのセンタ側での修正入力データとして取得する。すなわち、修正処理部26eは、操作者から修正入力を受け付けることなく、取り込んだ帳票のセンタ側での修正入力データを得ることができる。
また、操作者からさらに修正入力を受け付けてもよい。具体的には、修正処理部26eは、生成帳票データ25bの帳票画像データと、生成帳票データ25bの文字認識結果データと、修正処理部26eにより取得されたセンタ側での修正入力データとを表示部21に表示し、操作者からの修正入力を受け付ける。操作者は、表示された帳票画像データ、文字認識結果データ及び修正入力データを確認し、必要に応じてセンタ側での修正入力データを更新する。
修正処理部26eは、受信帳票データ25aから取得し、必要に応じて更新されたセンタ側での修正入力データを帳票データ管理部26aに出力する。なお、受信帳票データ25aに修正入力データが含まれていない状態で、操作者により修正入力が行われた場合には、修正処理部26eは新たにセンタ側での修正入力データを生成して帳票データ管理部26aに出力することになる。また、受信帳票データ25aに修正入力データが含まれておらず、操作者による修正入力も行われない場合には、全ての項目について正確に文字認識が行われた状態であるため、修正入力データの出力は不要である。
仕分処理部26fは、生成帳票データ25bの文字認識結果データ及びセンタ側での修正入力データに示された収納先及び種別に従って帳票を分類し、取り込んだ帳票を収納する収納部23eを選択し、選択した収納部23eに帳票を搬送するよう帳票仕分部23による搬送を制御する。
このように、仕分処理部26fは、帳票の収納先及び種別を属性区分として用いて帳票の仕分処理を行うことができる。例えば、A県自動車税事務所に収納する自動車税に係る帳票と、B株式会社に収納する電話料金に係る帳票と、D株式会社に収納するC市の水道料金に係る帳票とを仕分けて異なる収納部23eに収納すれば、収納先と収納部23eとが1対1に対応することになる。
なお、1つの収納部23eに複数の収納先を対応付けてもよい。例えば、住民税に係る帳票を市町村に関わらず1つの収納部23eに収納することもできる。この場合には、収納先の異なる帳票を1つの収納部23eに収納した後、収納部23eと属性区分との対応関係を変更して改めて帳票の取り込みを行うことで、収納先毎に仕分けることができる。帳票の収納先が収納部23eの数よりも多いときには、複数回に分けて仕分けてもよい。
また、保留部23fを用いて仕分けを行ってもよい。保留部23fを用いる仕分けの変形例について説明する。まず、帳票の取り込み時に文字認識部23bによる文字認識と、帳票データ抽出部26cによる受信帳票データ25aの抽出を行う。
抽出により対応する受信帳票データ25aが一意に特定された場合には、受信帳票データ25aの文字認識結果データと修正入力データに基づいて対応する収納部23eに搬送する。文字認識の失敗などにより、受信帳票データ25aが一意に特定されなかった帳票は、保留部23fに搬送する。
その後、保留部23fに収納した帳票について画像照合部26dによる画像照合を行い、対応する受信帳票データ25aを一意に特定する。画像照合を用いても対応する受信帳票データ25aを一意に特定できない帳票については、操作者から操作に基づいて、受信帳票データ25aの特定を行う。そして、特定した受信帳票データ25aの文字認識結果データと修正入力データに基づいて、保留部23fから対応する収納部23eへの搬送を実行する。
次に、紙葉類分類装置20の処理について説明する。図8は、紙葉類分類装置20の処理についての説明図である。図8(a)に示すように、紙葉類分類装置20は、帳票を取り込んで帳票画像データを生成し、帳票画像データに対して文字認識処理を行って文字認識結果データを生成し、帳票画像データ及び文字認識結果データを生成帳票データに記憶する。この時点では、予め記憶部25に格納した複数の受信帳票データと生成帳票データとの対応関係は不明である。なお、受信帳票データには、営業所30の紙葉類処理装置10が生成した帳票画像データ、文字認識結果データ及び修正入力データが含まれている。
紙葉類分類装置20は、図8(b)に示すように、生成帳票データの文字認識結果データと受信帳票データの文字認識結果データとを比較し、文字認識結果の一部が合致する受信帳票データ25aを抽出する。比較には、文字認識結果に含まれる任意の文字を用いることができる。収納先や種別のように仕分けに用いる文字に限られず、納期限などの日付や納付する人物の氏名であってもよい。また、文字認識に失敗したとの結果であっても、抽出に用いることが可能である。受信帳票データ25aの抽出は、照合処理に用いる受信帳票データ25aの数を絞り込むことを目的とするものだからである。
図8(c)に示すように、受信帳票データを抽出により絞り込んだ後、紙葉類分類装置20は、生成帳票データの帳票画像データと受信帳票データの帳票画像データとを照合処理し、生成帳票データに対応する1の受信帳票データを特定する。その後、図8(d)に示すように、特定された受信帳票データの修正入力データを生成帳票データのセンタ側での修正入力データとして取得する。
次に、紙葉類分類装置20の処理手順について説明する。図9は、紙葉類分類装置20の処理手順を示すフローチャートである。まず、帳票受付部23aが帳票を受け付けると(ステップS201)、帳票仕分部23は帳票を搬送し、撮像部23dが帳票を撮像して帳票画像データを生成する(ステップS202)。
文字認識部26bは、帳票画像データに対して文字認識処理を実行する(ステップS203)。帳票データ抽出部26cは、ステップS202で生成した生成帳票データ25bの文字認識結果データと、受信帳票データ25aの文字認識結果データとを比較し、取り込んだ帳票に対応する受信帳票データ25aの候補を抽出する(ステップS204)。
画像照合部26dは、ステップS204で抽出された受信帳票データ25aの帳票画像データと、ステップS202で生成した生成帳票データ25bの帳票画像データとを照合処理し、取り込んだ帳票に対応する受信帳票データ25aを特定する(ステップS205)。
修正処理部26eは、ステップS205で特定された受信帳票データ25aの修正入力データを生成帳票データ25bのセンタ側での修正入力データとして取得し、センタ側での修正入力データの反映を行う(ステップS206)。なお、ステップS205で特定された受信帳票データ25aに修正入力データが含まれていなければ、センタ側での修正入力データへの反映は不要である。
その後、修正処理部26eは、生成帳票データ25bの帳票画像データ、文字認識結果データ及びセンタ側での修正入力データを表示部21に表示する(ステップS207)。そして、修正入力を受け付けたならば(ステップS208;Yes)、修正処理部26eは、センタ側での修正入力データを更新する(ステップS209)。ステップS205で特定された受信帳票データ25aに修正入力データが含まれていなければ、このステップS209で新たにセンタ側での修正入力データを生成することになる。
ステップS209の後、若しくは修正入力を受け付けなかった場合(ステップS208;No)、仕分処理部26fは、生成帳票データ25bの文字認識結果データ及びセンタ側での修正入力データに示された収納先及び種別に従って収納部23eを選択し、選択した収納部23eに帳票を搬送するよう帳票仕分部23による搬送を制御し(ステップS210)、処理を終了する。
次に、帳票の具体例について図10及び図11を参照して説明する。図10(a)に示す帳票は、自動車税に係る帳票である。図10(a)に示す帳票上には、「A県自動車税事務所」、「税額 39,500円」、「納期限 平成27年5月31日」、「自動車納税証明書」などの文字が印字されている。これらの文字に対する文字認識により、収納先「A県自動車税事務所」、種別「自動車税」、金額「39,500円」、日付「平成27年5月31日」などの項目を識別することができる。また、帳票の右側は領収書となっており、領収印を押印する位置が定められている。
図10(b)に示す帳票は、電話料金に係る帳票である。図10(b)に示す帳票上には、「B株式会社」、「3,200円」、「平成27年7月分」、「電話料金等払込受領票」などの文字が印字されている。これらの文字に対する文字認識により、収納先「B株式会社」、種別「電話料金」、金額「3,200円」、日付「平成27年7月」などの項目を識別することができる。また、帳票の右側は領収書となっており、領収印を押印する位置が定められている。
図11(c)に示す帳票は、水道料金に係る帳票である。図11(c)に示す帳票上には、「C市上下水道料金納入通知書」「C市上下水道料金徴収業務委託者 D株式会社」、「8,200円」などの文字が印字されている。これらの文字に対する文字認識により、収納先「D株式会社」、種別「水道料金」、金額「8,200円」などの項目を識別することができる。また、帳票の右側は領収書となっており、領収印を押印する位置が定められている。
このように、各帳票には、収納先や種別を示す文字が印字され、右側は領収書となっており、領収印を押印する位置が定められている。紙葉類処理装置10の支払処理部19dは、収納先や種別から帳票の形式を特定し、領収書の切り離し位置と領収印の押印位置とを決定することができる。なお、領収書を切り離して帳票受付部15aに返却するため、顧客は領収書側が手前となる方向で帳票を帳票受付部15aに投入することになる。領収書側が奥側となる方向で帳票が投入された場合には、帳票を返却し、入れ直しを求めるメッセージを出力すればよい。
上述してきたように、本実施例に係る紙葉類集計処理システム及び紙葉類集計処理方法では、営業所30に設置された第1の紙葉類処理装置である紙葉類処理装置10が帳票を取り込む際に帳票画像データ、文字認識結果データ及び修正入力データを生成し、これらを含む帳票データをセンタ40の紙葉類分類装置20に送信する。そして、センタ40に設置された第2の紙葉類処理装置である紙葉類分類装置20は、営業所30から輸送された帳票を取り込んで帳票画像データ及び文字認識結果データを生成し、帳票画像データ及び文字認識結果データを用いて帳票データの抽出及び特定を行う。
このように、文字認識結果データを帳票の属性を示す紙葉類属性情報として用い、紙葉類属性情報の少なくとも一部が合致する帳票データを抽出するので、金融機関で帳票の仕分けを行う際の作業負担を効率良く軽減することができる。
また、帳票データを抽出した上で、帳票画像データの照合処理を行って取り込んだ帳票に対応する帳票データを特定するので、紙葉類分類装置20が取り込んだ帳票に対応する帳票データを高速かつ低負荷で特定することができる。
そして、帳票画像データの照合処理により特定した帳票データを用い、帳票類の属性区分にしたがって、各紙葉類を仕分処理することにより、仕分処理を効率的に行うことができる。
なお、本実施例では、文字認識の結果を紙葉類属性情報として用いる場合を例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の紙葉類属性情報を用いてもよい。例えば、帳票画像データの一部を紙葉類属性情報として用いて帳票データの抽出を行った上で、帳票画像データの全体を用いて照合処理を行ってもよい。また、帳票画像データを縮小処理した縮小画像を紙葉類属性情報として用いて帳票データの抽出を行った上で、縮小処理前の帳票画像データを用いて照合処理を行ってもよい。さらに、文字認識の結果、帳票画像データの一部、縮小画像、罫線情報などを複数組み合わせて紙葉類属性情報として用いてもよい。
また、本実施例では、紙葉類処理装置10が領収書の切り離しや押印などの帳票に対する加工を行う前に生成した帳票画像データ及び文字認識結果データを帳票データに含めて送信する構成について説明を行った。紙葉類分類装置20では、加工後の帳票を受け付けて帳票画像データ及び文字認識結果データを生成することになるので、受信帳票データと生成帳票データとの間には加工による相違が生ずる。そこで、紙葉類分類装置20が文字認識結果データの比較や帳票画像データの照合を行う場合には、加工の影響を排除するよう制御してもよい。
具体的には、受信帳票データの文字認識結果データには領収印に係る文字が含まれておらず、生成帳票データの文字認識結果データには領収印に係る文字が含まれている。このため、文字認識結果データの比較を行う場合には、生成帳票データの文字認識結果データから領収印に係る文字を除外して比較を行えばよい。
また、受信帳票データの帳票画像データには領収書部分が含まれており、生成帳票データの帳票画像データには領収書部分が含まれていない。このため、帳票画像データの照合を行う場合には、受信帳票データの帳票結果データから領収書部分を除外して比較を行えばよい。
他の構成として、紙葉類処理装置10が帳票に対する加工後に帳票画像データ及び文字認識結果データを生成することとしてもよい。かかる構成では、図5のステップS110の後に改めて帳票画像データ及び文字認識結果データを生成し、帳票データの帳票画像データ及び文字認識結果データを更新した上で、ステップS111に移行すればよい。
また、本実施例では、税金や公共料金等を振り込む際に使用する帳票を例に説明を行ったが、商品券等の紙葉類を振り分ける場合にも、同様に適用することができる。
また、上述の実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成であることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。