まず、本発明に係る税公金自動受付機10で税公金の自動受付処理を行うのに必要な辞書データの登録方法の概要について図1を用いて説明する。
図1(a)は、一般的な税公金の納付書の構成を示す図である。図1(a)に示すように税公金の納付書は、多くの場合、顧客に返却される領収書部と、金融機関が保管する領収済通知部(以下、「済通部」と言う)及び原符部とを有している。ただし、税公金の納付書の形式は統一されていないので、領収書部、済通部及び原符部の並び順、大きさ、印刷レイアウトが異なっていたり、場合によっては領収書部、済通部及び原符部以外の領域を有する納付書も存在する。
金融機関は、顧客から図1(a)に示したような税公金の納付書と、該納付書に記載された税公金の納付額に対応する貨幣を受け付けて、納付書の種類ごとの所定の領域に領収印を押印して、図1(a)に示すカット位置で顧客に返却する領収書部を切り離して、図1(b)に示す領収印押印済みの領収書部を顧客へ返却する。また、図1(c)に示す、顧客へ返却する領収書部を切り離した領収印押印済みの済通部及び原符部は、一時金融機関で保管されることになる。
顧客から受け付けた図1(a)に示すような納付書に対する税公金の収納処理を金融機関の係員が介在せずに税公金自動受付機10(図示せず)で処理可能とするためには、税公金の納付書の種類ごとの、納付書に記載されている情報をOCR処理等で読み取るための情報、カット位置の情報及び領収印の押印領域の位置情報を含む辞書情報で構成される辞書データが必要である。本来、図1(a)で示したような納付書全体があれば、対応する辞書情報を作成することができるが、領収書部は切り離して顧客に返却してしまう。このため、辞書データ作成処理(ステップS101)では、金融機関が保管する顧客への返却部分が切り離された納付書を用いて、顧客への返却部分が切り離された納付書に対応する辞書情報を含む辞書データを仮登録データとして作成する。この仮登録された辞書情報は、顧客への返却部分の領収印押印領域の位置情報や、カット位置の情報は含まない。
税公金自動受付機10は、ステップS101の辞書データ作成処理で辞書データに登録された辞書情報を使用することにより、図1(d)に示す税公金の納付書を受け付けて、税公金の自動受付処理(ステップS102)を行う。具体的には、税公金自動受付機10は、図1(d)の納付書を受け付けて画像を取得し、取得した画像とステップS101で仮登録された辞書データの辞書情報に基づいて、納付書に記載された納付金額などの情報を取得し、納付金額に応じた貨幣を受け付け、受け付けた納付書の所定の位置に領収印を押印して、顧客返却部分を切り離して顧客に返却する。ただし、ステップS101で登録された辞書情報には、顧客への返却部分の領収印の押印領域の位置情報や、カット位置の情報は含まれていないので、顧客への返却部分の領収印の押印位置や、顧客返却部分を切り離すカット位置は、取得した図1(d)の納付書の画像と、ステップS101で登録した辞書情報に含まれる情報に基づいて自動で特定する。カット位置は、図1(d)の画像上で、図1(c)の顧客への返却部分として切り離された部分が対応する位置を決定することにより特定することができる。また、領収印の押印領域は通常「領収印」などの領域のタイトルと長方形の押印領域を示す空白領域が設けられていることから、領域のタイトル文字及び長方形の空白領域を探索することにより特定する。
しかしながら、ステップS101で仮登録されている辞書データを使用して行われる税公金の自動受付処理(ステップS102)では、カット位置及び領収印の押印領域が適切に特定されない場合もある。また、適切に特定されたとしても、処理の都度、カット位置及び領収印の押印領域の特定処理が行われることから処理時間がかかってしまう。そのため、税公金自動受付機10は、図1(d)の納付書の全体の画像データを取得して記憶する(ステップS103)。そして、ステップS103で取得して記憶した納付書の全体画像データに基づいて、取得した納付書全体の画像に基づいて記載されている情報を読み取るOCR処理等に係る情報、領収印の押印領域の位置情報及び顧客への返却部分を切り離すカット位置の情報を含む辞書情報を本登録データとして辞書データに登録する(ステップS104)。以降、税公金自動受付機10は、ステップS104で本登録された辞書情報を含む辞書データを使用して税公金の自動受付処理を行う。
このように、顧客への返却部分が切り離された納付書を用いて、顧客への返却部分が切り離された納付書に記載されている情報を読み取るOCR処理等に係る情報及び顧客への返却部分が切り離された納付書内の領収印の押印領域の位置情報を含む辞書情報を仮登録データとして辞書データに仮登録し、仮登録された辞書情報を用いることにより税公金自動受付機10による税公金の自動受付処理を行うとともに、仮登録した辞書情報に対する納付書を受け付けた場合には受け付けた納付書全体の画像を取得し、取得した納付書全体の画像に基づいて記載されている情報を読み取るOCR処理等に係る情報、領収印の押印領域の位置情報及び顧客への返却部分を切り離すカット位置の情報を含む辞書情報を本登録データとして辞書データに本登録するようにしたので、税公金の納付書を処理するうえで必要な情報を登録する際に要する係員の人的労力を軽減しつつ、新たな税公金の納付書並びに納付書の変更に柔軟に対応することができる。
次に、本発明に係る税公金の納付書のレイアウトについて図2に示す税公金の納付書の一例を用いて説明する。図2に示すのは、税公金の納付書の一例であって自動車税の納付書のレイアウトを示す図である。
図2に示す自動車税の納付書は、自動車税納付証明書というタイトルがつけられた納税証明書部と、自動車税納税通知書兼領収書というタイトルがつけられた領収書部と、自動車税領収済通知部というタイトルがつけられた済通部と、自動車税納付書というタイトルがつけられた原符部とを含む。また、これらの4つの部分のうち左側の納税証明書部及び領収書部は顧客に返却する部分で、右側の済通部と原符部が金融機関で保管する部分であることから、領収書部と済通部との間が顧客に返却する部分を切り離すカット位置ということになる。
また、図2に示すように4つの各部には、領収日付印というタイトルとともに領収印の押下領域が配置されている。また、納付額(66,500円)、顧客を識別する情報(登録番号)及び当該納付書の有効期限(平成27年6月1日)の情報は少なくとも金融機関で保管する済通部及び原符部それぞれに含まれている。
つまり、顧客への返却部分を切り離した納付書である済通部及び原符部を利用して仮登録される辞書情報には、済通部及び原符部に対する特徴情報と、済通部及び原符部内に含まれる情報を読み取るための情報と、済通部及び原符部内に含まれる領収印の押印領域の位置情報が登録されることになる。よって、仮登録された辞書情報を利用して税公金の収納処理を行う場合には、納付書に記載される納付額、顧客を識別する情報及び当該納付書の有効期限等の情報を読みとり、読みとった納付額の貨幣を受け付け、済通部及び原符部の領収印の押印領域に領収印を押印するところまでは仮登録された辞書データを利用することにより実施することができる。
一方、顧客返却部分を切り離すカット位置や、顧客に返却する部分である納税証明書及び領収書部の領収印の押下領域の位置情報は仮登録された辞書データには含まれないので、仮登録された辞書データと取得された納付書全体の画像データに基づいて特定することになる。
次に、本実施例に係る納付書処理システムのシステム構成について図3を用いて説明する。図3に示すように、金融機関の各営業店に税公金自動受付機10が配設され、事務センタには事務センタサーバ20及び管理端末30が配設される。事務センタの事務センタサーバ20と、各営業店の税公金自動受付機10は、専用線などの通信網を介して接続される。また、税公金自動受付機10は、専用線などの通信網を介して勘定系ホスト90と接続され、勘定系ホスト90と税公金の受付処理にかかるデータ通信を行う。また、事務センタの事務センタサーバ20と管理端末30は、LAN(Local Area Network)などの通信線を介して接続される。なお、図3に示す例では、各営業店には税公金自動受付機10は1台ずつ配設されているが、営業店に2台以上の税公金自動受付機10が配設されていてもよい。また、図3に示す例では、事務センタの管理端末30は1台の構成としているが、管理端末30が複数台配設されていてもよい。
税公金自動受付機10は、顧客から税公金の納付書を受け付けて、納付書の画像データと辞書データ17aとに基づいて納付書に記載された納付額などの情報を読み取る。また、税公金自動受付機10は、納付書から読み取った納付額に対応する貨幣を顧客から受け付けて装置内部に収納する。また、税公金自動受付機10は、辞書データ17aに基づいて、受け付けた納付書の所定の位置に領収印の押印を行い、顧客に返却する領収書部などを切り離して顧客に返却する。また、税公金自動受付機10は、税公金を収納した旨を勘定系ホスト90に送信する。
また、税公金自動受付機10は、上記のような税公金の自動受付処理において、使用した辞書データ17aの辞書情報が顧客への返却部分の切り離された納付書などに基づいて仮登録された情報である場合には、自動受付処理において取得した納付書全体の画像データを事務センタサーバ20に送信する。また、税公金自動受付機10は、顧客への返却部分の切り離された納付書若しくは白紙の納付書を受け付けて、その画像データを取得して事務センタサーバ20に送信する。
事務センタサーバ20は、税公金自動受付機10が使用する辞書データ24aを管理し、辞書データ24aが更新されると、営業店の税公金自動受付機10に更新された辞書データ24aを配信する。また、事務センタサーバ20は、営業店の税公金自動受付機10から納付金額等の内容が記載された納付書全体の画像データ、顧客への返却部分の切り離された納付書の画像データ又は白紙の納付書全体の画像データを受信したならば、受信したデータを受信画像データ24bに登録する。
管理端末30は、事務センタサーバ20の受信画像データ24bに登録されている返却部分の切り離された納付書の画像データ又は白紙の納付書全体の画像データを用いて、画像データに対する辞書情報を生成して辞書データ24aに仮登録する。また、管理端末30は、事務センタサーバ20の受信画像データ24bに登録されている納付金額等の内容が記載された納付書全体の画像データを用いて、画像データに対する辞書情報を生成して辞書データ24aに本登録する。本登録する場合には、対応する仮登録された辞書情報が有る場合には、仮登録された辞書情報を削除して本登録データを追加する。
次に、図3に示した税公金自動受付機10の本実施例に係る機能的な内部構成について説明する。図4は、税公金自動受付機10の本実施例に係る機能的な内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、税公金自動受付機10は、表示操作部11、納付書処理部12、紙幣入金部13、硬貨入金部14、プリンタ15、通信部16、記憶部17及び制御部18を有する。
表示操作部11は、顧客が操作するための画面の表示及び表示された画面に対するタッチ入力を受け付ける入出力部である。納付書処理部12は、税公金の納付書を受け付けて、受け付けた納付書の画像データを取得する。また、納付書処理部12は、受け付けた納付書に領収印の押下を行い、顧客への返却部分を切り離して、切り離された顧客への返却部分を排出することにより顧客に返却する。また、納付書処理部12は、顧客返却部分が切り離された納付書を内部に収納する。
紙幣入金部13は、紙幣を受け付けて真偽判定、真正と判定された紙幣の計数及び計数済み紙幣の内部への収納を行う。硬貨入金部14は、硬貨を受け付けて真偽判定、真正と判定された硬貨の計数及び計数済み硬貨の内部への収納を行う。プリンタ15は、レシートを印刷する出力部である。通信部16は、勘定系ホスト90及び事務センタサーバ20と専用線などの通信線を介してデータ通信を行うインタフェース部である。
記憶部17は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部17は、辞書データ17a、仮登録用画像データ17b及び処理履歴データ17cを有する。
辞書データ17aは、納付書処理部12で受け付ける税公金の納付書の種類ごとの辞書情報を1レコードとするデータであって、納付書に記載されている情報をOCR等により読みとるための情報、領収印の押印欄の位置情報及び納付書の顧客への返却部分を切り離すカット位置の情報を含む辞書情報で構成されるデータである。仮登録用画像データ17bは、税公金自動受付機10から送信されてきた納付書の画像データを蓄積したデータであって、窓口で行われた税公金の納付処理で金融機関が一時保管している顧客への返却部分が切り離された納付書の画像データ及び国、地方公共団体又は企業から入手した白紙の納付書の画像データを含んでいる。処理履歴データ17cは、当該税公金自動受付機10で行われた税公金の受付処理の処理結果を履歴として記録したデータである。
制御部18は、税公金自動受付機10の全体を制御する制御部であり、辞書データ管理部18a、仮登録用画像取得部18b、税公金受付処理部18c及び画像データセンタ送信部18dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、それぞれに対応するプロセスを実行させることになる。
辞書データ管理部18aは、事務センタサーバ20から配信される辞書データ24aに基づいて辞書データ17aの更新を行う。仮登録用画像取得部18bは、納付書処理部12により顧客への返却部分が切り離された納付書を受け付けて、該納付書の画像データを取得して仮登録用画像データ17bに登録する。また、仮登録用画像取得部18bは、納付書処理部12により国、地方公共団体又は企業から入手した白紙の納付書を受け付けて、該納付書の画像データを取得して仮登録用画像データ17bに登録する。
税公金受付処理部18cは、税公金の受付処理を制御する処理部である。納付書処理部12により顧客からの税公金の納付書を受け付けて、納付書処理部12により取得した納付書の画像データと、辞書データ17aとに基づいて納付書に記載された納付額などの情報を読み取る。税公金自動受付機10は、紙幣入金部13及び硬貨入金部14により納付書から読み取った納付額に対応する紙幣及び硬貨を顧客から受け付けて装置内部に収納する。また、税公金自動受付機10は、辞書データ17aに基づいて受け付けた納付書の所定の位置に領収印の押印を行い、顧客に返却する領収書部などを切り離して顧客に返却する。また、税公金自動受付機10は、税公金の納付処理の最後には処理内容を勘定系ホスト90に送信する。
取得した納付書の画像に対応する辞書データ17aの辞書情報が仮登録データで、顧客への返却部分を切り離すカット位置及び顧客への返却部分内の領収印の押下領域の位置の情報が含まれていない場合には、税公金受付処理部18cは、読み取った納付書全体の画像データと、辞書データ17aに仮登録されている辞書情報とに基づいてカット位置及び領収印の押印位置を特定することになる。具体的には、カット位置は、読み取った納付書全体の画像上で、仮登録されている辞書データ17aの顧客返却部分を切り離された部分が対応する位置を決定することにより特定する。また、領収印の押印領域は通常「領収印」などの領域のタイトルと長方形の押印領域を示す空白領域が設けられていることから、領域のタイトルの文字及び長方形の空白領域を探索することにより特定する。
画像データセンタ送信部18dは、所定のタイミングで仮登録用画像データ17bを事務センタサーバ20に送信する。また、画像データセンタ送信部18dは、辞書データ17aに仮登録されている情報に対する納付書全体の画像データを取得した場合には、その納付書全体の画像データを事務センタサーバ20に送信する。
なお、図4のブロック図の説明では、税公金自動受付機10は、貨幣の処理を行う部分として紙幣入金部13及び硬貨入金部14を有する旨を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、紙幣及び硬貨の払い出しを行うことができる機構を設けて釣銭の払い出しが行えるようになっていてもよい。また、キャッシュカードを読み取るカードリーダを設けて、カードに対応する口座から納付額を引き落として、税公金の納付を行えるようにしてもよい。
次に、図4に示した税公金自動受付機10の本実施例に係るデータ構成について図5を用いて説明する。
辞書データ17aは、税公金の納付書を識別する納付書識別番号に関連づけられた、区分と、納付書特定画像データと、OCR情報と、領収印の押印位置の情報と、顧客控えを切り離すカット位置情報とをレコード項目とするデータである。区分は、コード化されたデータであって、「1」は顧客の控え部分が切り離された納付書に基づいて仮登録された仮登録データ1であることを示し、「2」は国、地方公共団体又は企業から入手した白紙の納付書に基づいて登録された仮登録データ2であることを示し、「9」は顧客から受け付けた納付内容が記載された納付書の実物に基づいて登録された本登録データであることを示す。OCR情報は、納付書上に記載される項目をOCRにより読み取るための情報であり、読み取る項目ごとの項目情報を有している。かかる項目情報は、項目識別情報、位置情報及び文字情報等を含んでいる。項目識別情報は、項目を識別可能な識別情報である。位置情報は、項目が記載されている納付書上の位置を示す情報である。文字情報は、文字の種類、文字の大きさ、フォントの種類などの認識する項目の形式を示す形式情報である。
図5の辞書データ17aの例は、納付書識別番号が「100」の納付書について、区分が「1」で控え部分が切り離された納付書に基づいて仮登録されたデータであり、OCR情報として、項目識別情報が「01012」の項目に対応する項目情報が登録されていることを示している。
仮登録用画像データ17bは、画像を取得した日付と、仮登録データ1の登録用の顧客の控え部分が切り離された納付書に対応する画像データ若しくは仮登録データ2の国、地方公共団体又は企業から入手した白紙の納付書に対応する画像データをレコード項目とするデータである。図5の仮登録用画像データ17bの例は、「2015/5/10」に取得した画像データを項目とするレコードが含まれていることを示している。
処理履歴データ17cは、処理日付及び処理時刻に関連付けられた処理区分と取得した納付書の画像データと、納付書の識別番号と、OCR認識結果と勘定系ホスト90に送信する項目情報とをレコードの保有項目とするデータである。処理区分は、コード化されたデータであって、「0」は納付書の識別を失敗したことを示し、「1」は、納付書の識別ができて、対応する辞書データ17aの辞書情報が顧客の控え部分が切り離された納付書に基づいて仮登録された仮登録データ1であって、領収印の押下領域の位置及びカット位置の特定ができなかったことを示し、「2」は、納付書の識別ができて、対応する辞書データ17aの辞書情報が同じく仮登録データ1であって、領収印の押下領域の位置及びカット位置の特定ができたことを示し、「3」は、納付書の識別ができて、対応する辞書データ17aの辞書情報が国、地方公共団体又は企業から入手した白紙の納付書に基づいて登録された仮登録データ2であることを示し、「9」は納付書の識別ができて、対応する辞書情報が本登録された本登録データであることを示している。
図5の処理履歴データ17cのレコードの例は、日付が[2015/5/10]で、時刻が「15:00:00」に行われた処理は、処理区分が「1」であり、納付書の識別ができて、対応する辞書データ17aの辞書情報が顧客の控え部分が切り離された納付書に基づいて仮登録された仮登録データ1であって、領収印の押下領域の位置及びカット位置の特定ができなかったことを示し、納付書の識別情報が「100」であることを示している。
次に、図3に示した事務センタサーバ20の本実施例に係る機能的な内部構成を説明する。図6は、事務センタサーバ20の本実施例に係る機能的な内部構成を示すブロック図である。図6に示すように、事務センタサーバ20は、入力部21、表示部22、通信部23、記憶部24及び制御部25を有する。
入力部21は、キーボードやマウス等である。表示部22は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。通信部23は、税公金自動受付機10とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部24はハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部24は、辞書データ24a及び受信画像データ24bを有する。辞書データ24aは、税公金自動受付機10が有する辞書データ17aのマスタデータであり、辞書データ24aが税公金自動受付機10に配信されて記憶されたものが辞書データ17aである。辞書データ24aのデータ構成は辞書データ17aと同じである。受信画像データ24bは、営業店の税公金自動受付機10から送られてきた顧客への返却部分が切り離された納付書の画像データ又は納付書全体の画像データを記憶したデータである。また、受信画像データ24bには、受け付けた画像データに基づいて辞書データ24aへの登録若しくは更新が行われたか否かの情報も併せて有している。
制御部25は、事務センタサーバ20の全体を制御する制御部であり、辞書データ管理部25a、画像データ受信処理部25b及び辞書データ登録部25cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、それぞれに対応するプロセスを実行させることになる。
辞書データ管理部25aは、辞書データ24aを管理する処理部で、辞書データ24aが更新されると所定のタイミングで営業店の税公金自動受付機10に辞書データ24aを配信する。
画像データ受信処理部25bは、営業店の税公金自動受付機10から顧客への返却部分が切り離された納付書の画像データ、国、地方公共団体又は企業から入手した白紙の納付書全体の画像データ又は顧客が持ち込んだ納付金額などが記載された実際の納付書全体の画像データを受信して、受信画像データ24bに登録する。また、画像データ受信処理部25bは、営業店の税公金自動受付機10から受信した画像データに係る情報を表示部22等へ出力することにより、事務センタの担当者に辞書データ24aの更新に係る画像データを受信したことを報知する。
辞書データ登録部25cは、管理端末30からの辞書データ24aの更新に伴う更新元データ取得要求を受け付けると、管理端末30に辞書データ24aと、受信画像データ24bのうちまだ辞書データ24aに情報を反映していないレコードとを管理端末30に送信する。また、辞書データ登録部25cは、管理端末30から、辞書データ24a及び受信画像データ24bの更新内容を含む更新要求を受け付けると、辞書データ24a及び受信画像データ24bの更新を行う。
次に、図6に示した事務センタサーバ20の本実施例に係るデータ構成について図7を用いて説明する。
受信画像データ24bは、画像データを受信した日付と、データ区分と、画像データと、納付書識別番号と登録処理状況とをレコードの保有項目とするデータである。データ区分は、コード化されたデータであって、「1」は顧客の控え部分が切り離された納付書に基づく仮登録用の画像データ1であることを示し、「2」は国、地方公共団体又は企業から入手した白紙の納付書に基づく仮登録用の画像データ2であることを示し、「9」は顧客から受け付けた納付内容が記載された納付書の実物に基づく本登録用の画像データであることを示す。また、登録処理状況は、画像データに基づく辞書データ24aの更新処理の処理状況と、登録若しくは更新した辞書データ24aの納付書識別番号とを含む。処理状況はコード化されたデータであって、「0」は画像データに基づく辞書データ24aへの登録若しくは更新が行われていないことを示し、「1」は顧客の控え部分が切り離された納付書の画像データに基づく辞書データ24aへの仮登録実施済みであることを示し、「2」は国、地方公共団体又は企業から入手した白紙の納付書の画像データに基づく辞書データ24aへの仮登録実施済みであることを示し、「9」は顧客から受け付けた納付内容が記載された納付書の全体の実物の画像データに基づく辞書データ24aへの本登録実施済みであることを示している。
図7の受信画像データ24bの第1レコードの例は、日付が「2015/5/10」に受信した画像データは、データ区分が「1」で顧客の控え部分が切り離された納付書に基づく仮登録用の画像データ1であることを示し、納付書識別番号がないことから新規登録の納付書で、処理状況が「1」で顧客の控え部分が切り離された納付書の画像データに基づく辞書データ24aへの仮登録実施済みであり、登録した辞書情報の納付書識別番号が「350」であることを示している。また、図7の受信画像データ24bの第2レコードの例は、日付が「2015/5/10」に受信した画像データは、データ区分が「9」で顧客から受け付けた納付内容が記載された納付書の実物に基づく本登録用の画像データであることを示し、納付書識別番号が「100」として登録済みの納付書で、処理状況が「9」で顧客から受け付けた納付内容が記載された納付書の全体の実物の画像データに基づく辞書データ24aへの本登録実施済みであり、登録した辞書情報の納付書識別番号が変わらず「100」であることを示している。
次に、図3に示した管理端末30の本実施例に係る機能的な内部構成について説明する。図8は、管理端末30の本実施例に係る機能的な内部構成を示すブロック図である。図8に示すように、管理端末30は、入力部31、表示部32、通信部33、記憶部34及び制御部35を有する。
入力部31は、キーボードやマウス等である。表示部32は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。通信部33は、事務センタサーバ20とデータ通信するためのインタフェース部である。
記憶部34はハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部34は、辞書データ34a及び受信画像データ34bを有する。辞書データ34a及び受信画像データ34bは、事務センタサーバ20から取得した更新前の辞書データ24a及び受信画像データ24bを記憶したデータである。また、辞書データ34a及び受信画像データ34bは、管理端末30内で更新された後に事務センタサーバ20にフィードバックされることになる。
制御部35は、管理端末30の全体を制御する制御部であり、辞書データ登録部35aを有する。辞書データ登録部35aは、事務センタサーバ20に更新元データ取得要求を送信して、事務センタサーバ20から辞書データ24aと、受信画像データ24bのうちまだ辞書データ24aに情報を反映していないレコードとを受け付けて、辞書データ34a及び受信画像データ34bに登録する。また、辞書データ登録部35aは、受信画像データ34bに基づいて辞書情報の作成用の画面の表示及び該画面に対する操作を受け付けて、受け付けた内容に基づいて辞書データ34a及び受信画像データ34bの更新を行う。辞書データ登録部35aは、事務センタサーバ20から更新元データ取得要求により取得したデータに基づいて辞書データ登録部35a及び受信画像データ34bの更新が終了すると、辞書データ登録部35a及び受信画像データ34bの更新内容を含む更新要求を事務センタサーバ20に送信することにより、事務センタサーバ20に更新内容をフィードバックする。
次に、図3に示した税公金自動受付機10の本実施例に係る税公金の納付書受付時の処理の処理手順について図9に示すフローチャートを用いて説明する。
税公金受付処理部18cは、納付書処理部12で納付書を受け付けて、受け付けた納付書の画像を取得し(ステップS201)、処理履歴データ17cに新たなレコードを追加して、ステップS201で取得した納付書の画像データ等の情報を登録する(ステップS202)。次に、税公金受付処理部18cは、ステップS201で取得した納付書の画像データと辞書データ17aとに基づいて納付書の識別を行い、識別結果をステップS202で追加した処理履歴データ17cのレコードの納付書識別番号に登録する(ステップS203)。
ステップS203の納付書の識別処理において納付書が識別できて(ステップS204;Yes)、識別した納付書識別番号に対する辞書データ17aの辞書情報の区分が顧客の控え部分が切り離された納付書に基づいて仮登録された仮登録データ1であることを示す「1」ではない場合(ステップS205;No)には、税公金受付処理部18cは、ステップS202で追加した処理履歴データ17cのレコードの処理区分に、納付書の識別ができて、対応する辞書データ17aの辞書情報が国、地方公共団体又は企業から入手した白紙の納付書に基づいて登録された仮登録データ2であることを示す「3」、若しくは納付書の識別ができて、対応する辞書データ17aのデータが本登録された本登録データであることを示す「9」を設定する(ステップS206)。
ステップS206の処理について詳しく説明する。識別した納付書識別番号に対する辞書データ17aのレコードの区分の情報が、国、地方公共団体又は企業から入手した白紙の納付書に基づいて登録された仮登録データ2であることを示す「2」である場合には、処理履歴データ17cのレコードの処理区分に、納付書の識別ができて、対応する辞書データ17aの辞書情報のレコードの区分の情報が、国、地方公共団体又は企業から入手した白紙の納付書に基づいて登録された仮登録データ2であることを示す「3」を設定する。また、識別した納付書識別番号に対する辞書データ17aのレコードの区分の情報が、顧客から受け付けた納付内容が記載された納付書の実物に基づいて登録された本登録データであることを示す「9」である場合には、処理履歴データ17cのレコードの処理区分に、納付書の識別ができて、対応する辞書データ17aのデータが本登録された本登録データであることを示す「9」を設定する。
また、識別した納付書識別番号に対する辞書データ17aの区分が顧客の控え部分が切り離された納付書に基づいて仮登録された仮登録データ1であることを示す「1」である場合(ステップS205;Yes)には、ステップS206の処理はスキップしてステップS207に移行する。
税公金受付処理部18cは、ステップS203で識別した納付書識別番号と、辞書データ17aに基づいて納付書に記載される納付金額及び顧客を特定する情報等をOCR処理等により読み取って、読み取った内容に基づいて編集した情報をステップS202で追加した処理履歴データ17cのレコードのOCR認識結果及び項目情報に登録する(ステップS207)。
ステップS202で追加した処理履歴データ17cのレコードの処理区分が「3」及び「9」のいずれでもない場合(ステップS208;No)には、ステップS201で取得した納付書の画像データと、ステップS203の納付書の識別処理結果と、辞書データ17aとに基づいて、領収印を押印する位置及び顧客への返却部分を切り離すカット位置を特定する(ステップS209)。具体的には、領収印の押印領域は通常「領収印」などの領域のタイトルと長方形の押印領域を示す空白領域が設けられていることから、領域のタイトル文字及び長方形の空白領域を探索することにより特定する。また、顧客への返却部分を切り離すカット位置は、ステップS201で取得した納付書の画像において、辞書データ17aに登録されている顧客への返却部分を切り離した納付書がどの位置に対応するのかを決定することによって特定することができる。
ステップS209の処理において領収印を押印する位置及び顧客への返却部分を切り離すカット位置の特定ができた場合(ステップS210;Yes)には、税公金受付処理部18cは、ステップS202で追加した処理履歴データ17cのレコードの処理区分に、納付書の識別ができて、対応する辞書データ17aの辞書情報が顧客の控え部分が切り離された納付書に基づいて仮登録された仮登録データ1であり、領収印の押下領域の位置及びカット位置の特定ができたことを示す「2」を設定する(ステップS211)。
また、税公金受付処理部18cは、ステップS207の納付書に記載された情報の読取処理により読み取られた納付額に対応する貨幣を紙幣入金部13及び硬貨入金部14で受け付けて内部に収納する(ステップS212)。そして、税公金受付処理部18cは、領収印の押印位置に領収印の押印をして、納付書をカット位置で切り離すことにより顧客への返却部部分を切り離し(ステップS213)、切り離した顧客控えを排出して顧客に返却して(ステップS214)、処理を終了する。
また、ステップS209の処理において領収印を押印する位置及び顧客への返却部分を切り離すカット位置の特定ができなかった場合(ステップS210;No)には、税公金受付処理部18cは、ステップS202で追加した処理履歴データ17cのレコードの処理区分に、納付書の識別ができて、対応する辞書データ17aのデータが顧客の控え部分が切り離された納付書に基づいて仮登録された仮登録データ1であり、領収印の押下領域の位置及びカット位置の特定ができなかったことを示す「1」を設定する(ステップS215)。そして、税公金受付処理部18cは、当該納付書は取り扱い対象であるが窓口で処理を行う旨のメッセージを表示し(ステップS216)、ステップS201で受け付けた納付書を返却して(ステップS217)、処理を終了する。
また、ステップS202で追加した処理履歴データ17cのレコードの処理区分が「3」又は「9」の場合(ステップS208;Yes)には、ステップS212に移行する。また、ステップS203の納付書の識別処理において納付書が識別できなかった場合(ステップS204;No)には、ステップS202で追加した処理履歴データ17cのレコードの処理区分に、納付書の識別処理に失敗したことを示す「0」を設定し(ステップS218)、当該納付書に対する処理は税公金自動受付機10では行えないので窓口へ誘導する旨のメッセージを表示して(ステップS219)、ステップS217に移行する。
なお、図9に示した処理手順では、ステップS209の領収印の押印位置及び顧客控えを切り離すカット位置の特定ができない場合に貨幣の受け付けを行わずに、納付書を返却するものとしたが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、領収印の押印位置及び顧客控えを切り離すカット位置の特定ができない場合であっても貨幣の収納は行い、納付書の返却とともに、貨幣を収納したことを示すレシートを発行するようにしてもよい。
上述してきたように、本実施例では、顧客への返却部分が切り離された納付書を用いて、顧客への返却部分が切り離された納付書に記載されている情報を読み取るOCR処理等に係る情報及び顧客への返却部分が切り離された納付書内の領収印の押印領域の位置情報を含む辞書情報を仮登録データとして辞書データ24aに仮登録し、仮登録された辞書情報を用いることにより税公金自動受付機10による税公金の自動受付処理を行うとともに、仮登録した辞書情報に対する納付書を受け付けた場合には受け付けた納付書全体の画像を取得し、取得した納付書全体の画像に基づいて記載されている情報を読み取るOCR処理等に係る情報、領収印の押印領域の位置情報及び顧客への返却部分を切り離すカット位置の情報を含む辞書情報を本登録データとして辞書データ24aに本登録するよう構成したので、税公金の納付書を処理するうえで必要な情報を登録する際に要する係員の人的労力を軽減しつつ、新たな税公金の納付書並びに納付書の変更に柔軟に対応することができる。
なお、本実施例では、税公金の納付書に記載されている内容をOCRにより読み取るものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、納付書に印刷されるバーコードやQRコード(登録商標)から必要な情報を読み取るようにしてもよい。
また、本実施例では、税公金自動受付機10は、顧客への返却部分が切り離された納付書の画像及び白紙の納付書の画像データを取得して、取得した画像を事務センタサーバ20に送信して、事務センタに配設される管理端末30を操作することによって事務センタサーバ20に送信された画像データに応じた辞書データ24aの更新を行う旨の説明を行ってきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、税公金自動受付機10において、取得した画像データに対する辞書データ17aの更新を行い、事務センタサーバ20に送信するようにしてもよい。また、事務センタサーバ20も必ずしも必要な装置ではなく、いずれかの営業店の税公金自動受付機10がマスタの辞書データ17aを管理するようにして、該マスタの辞書データ17aが更新されたならば、他の営業店の税公金自動受付機10に更新された辞書データ17aを配信するようにしてもよい。
また、上述の本実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。