JP6733191B2 - 測定装置、及び測定方法 - Google Patents
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Description
本適用例では、このような状態異常を、撮像画像を解析して検出し、分光測定を実施するか否かを判定するので、状態異常があるまま分光測定が実施される不都合を抑制でき、測定精度の低下を抑制できる。また、本適用例では、例えば撮像画像のRGB輝度値に基づいた簡易な測色でなく、カラーパッチに対する分光測定を実施することで、各波長の光の光量に基づいた測色を実施することができる。
以上より、本適用例では、高精度な分光測定を実施することができる。
本適用例では、メディア皺やメディア収縮、メディア斜行等のメディア状態異常がある場合に、分光測定を実施しないと判定する。一般に、カラーパッチに対する測色(分光測定)を実施する場合、カラーパッチに対して所定角度から光を照射し、所定角度で反射された光を分光測定部により受光して測定を実施する。この際、上記のようなメディア状態異常があると、分光測定を行う位置とカラーパッチとの位置がずれたり、光の反射方向が変化して適正な分光測定ができなかったりする。本適用例では、このようなメディア状態異常が検出されると、分光測定が実施されないので、測定精度の低下を抑制できる。
本適用例では、印刷部により印刷されたカラーパッチの外周形状に基づいてメディアの状態異常を検出する。印刷部によりカラーパッチを印刷する場合、カラーパッチの画像データ(パッチデータ)に基づいて印刷部を駆動させるので、形成されたカラーパッチと、パッチデータとを比較することで、容易にカラーパッチが適正な外周形状となっているか否かを判定できる。つまり、メディア皺やメディア収縮がある場合、カラーパッチの外周形状に歪みが生じ、メディア斜行が生じている場合、カラーパッチの外周が本来とは異なる座標に位置することになる。よって、撮像画像に基づいて、このようなカラーパッチの外周形状の異常があるか否かを判定することで、容易にメディア状態異常を検出することができる。
本適用例では、印刷部によりカラーパッチとスケールとを印刷する。この場合、スケールの尺度(例えば複数の目盛を形成する場合では目盛間隔)が本来の尺度と異なる場合に、メディア皺やメディア収縮を検出でき、スケールの位置を検出することで、メディア斜行を検出することができる。よって、本適用例においても、測定装置は、撮像画像に基づいてメディアの状態異常を容易に検出することができる。
本適用例では、印刷部は、撮像部の撮像領域に収まるカラーパッチとスケールとを印刷する。つまり、撮像部により撮像された撮像画像内に、カラーパッチとスケールとが含まれることになる。これにより、分光測定の対象となるカラーパッチの位置にメディア状態異常が存在するか否かを判定することができる。
本適用例では、撮像画像に基づいて、搬送機構により搬送されるメディアが、本来の搬送方向である一方向と交差する方向に搬送されたか否かを検出する。これにより、メディア斜行の有無を容易に検出できる。
本適用例では、撮像画像に基づいて、カラーパッチの輝度むらを検出する。つまり、カラーパッチにインクの濃度むらがある場合や、インク凝集がある場合、撮像画像のカラーパッチ内に輝度むらが発生する。したがって、撮像画像に基づいて、カラーパッチ内の輝度むらを検出することで、カラーパッチが測色に適正した状態か、あるいは測色に適さない異常状態かを容易に判定できる。
本適用例では、撮像部は、分光測定部による分光測定を行う測定位置よりもメディアの搬送方向の逆側(上流側)を撮像する。つまり、メディアに印刷されたカラーパッチに対して分光測定部により分光測定を行う場合、カラーパッチが測定位置に来るように搬送機構によってメディアを一方向に搬送させる。この際、本適用例では、撮像部により当該測定器よりも上流側が撮像されることになる。つまり、カラーパッチが測定位置に搬送されて分光測定が実施される前に、メディアやカラーパッチに対する状態異常を検出することができる。また、分光測定を行っている際に、次の分光測定の対象となるカラーパッチに対する撮像画像を取得することもでき、当該次の分光測定の対象となるカラーパッチに対する分光測定を行うか否かを測定前に判定することができる。
本適用例では、上記適用例と同様、撮像ステップによりカラーパッチの撮像画像を取得し、判定ステップにより、測色(分光測定)において精度低下が起こりうるメディアやカラーパッチの状態異常を検出して分光測定を実施するか否かを判定する。これにより、状態異常があるカラーパッチに対して、分光測定を実施しないと判定されることで、測定精度の低下を抑制できる。また、カラーパッチに対する分光測定を実施することで、撮像画像のRGB値に基づいた測色を実施する場合に比べて、高精度な測色が行える。
以下、本発明に係る第一実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明の印刷装置の一例として、測定装置を備えたプリンター1(インクジェットプリンター)について、以下説明する。
図1は、本実施形態のプリンター1の外観の構成例を示す図である。図2は、本実施形態のプリンター1の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プリンター1は、供給ユニット11、搬送ユニット12と、キャリッジ13と、キャリッジ移動ユニット14と、制御ユニット15(図2参照)と、を備えている。このプリンター1は、例えばパーソナルコンピューター等の外部機器20から入力された印刷データに基づいて、各ユニット11,12,14及びキャリッジ13を制御し、メディアP上に画像を印刷する。また、本実施形態のプリンター1は、予め設定された較正用印刷データに基づいてメディアP上の所定位置に測色用のカラーパッチ31(図7参照)と、当該カラーパッチ31の周囲に配置されたスケール33(図7参照)とを含むカラーチャート30(図7参照)を形成し、当該カラーパッチ31に対する分光測定(分光測定処理)を行う。ここで、本実施形態のプリンター1は、カラーパッチ31及びスケール33を含む撮像画像に基づいて、カラーパッチ31の状態異常の有無を検出し、状態異常が検出された場合には、当該カラーパッチ31の分光測定処理を実施せず、状態異常が検出されない場合には、当該カラーパッチ31に対する分光測定処理を実施する。そして、プリンター1は、カラーパッチ31に対する実測値(分光測定結果)と、較正用データとを比較して、印刷されたカラーに色ずれがあるか否か判定し、色ずれがある場合は、実測値に基づいて色補正を行う。
以下、プリンター1の各構成について具体的に説明する。
なお、本実施形態では、ロール体111に巻装された紙面を供給する例を示すがこれに限定されない。例えば、トレイ等に積載された紙面等のメディアPをローラー等によって例えば1枚ずつ供給する等、如何なる供給方法によってメディアPが供給されてもよい。
搬送ローラー121は、図示略の搬送モーターからの駆動力が伝達され、制御ユニット15の制御により搬送モーターが駆動されると、その回転力により回転駆動されて、従動ローラーとの間にメディアPを挟み込んだ状態でY方向に沿って搬送する。また、搬送ローラー121のY方向の下流側(+Y側)には、キャリッジ13に対向するプラテン122が設けられている。
このキャリッジ13は、キャリッジ移動ユニット14によって、Y方向と交差する主走査方向(X方向)に沿って移動可能に設けられている。
また、キャリッジ13は、フレキシブル回路131により制御ユニット15に接続され、制御ユニット15からの指令に基づいて、印刷部16による印刷処理(メディアPに対する画像形成処理)及び、測定器17による光量測定処理を実施する。
なお、キャリッジ13の詳細な構成については後述する。
このキャリッジ移動ユニット14は、例えば、キャリッジガイド軸141と、キャリッジモーター142と、タイミングベルト143と、を含んで構成されている。
キャリッジガイド軸141は、X方向に沿って配置され、両端部がプリンター1の例えば筐体に固定されている。キャリッジモーター142は、タイミングベルト143を駆動させる。タイミングベルト143は、キャリッジガイド軸141と略平行に支持され、キャリッジ13の一部が固定されている。そして、制御ユニット15の指令に基づいてキャリッジモーター142が駆動されると、タイミングベルト143が正逆走行され、タイミングベルト143に固定されたキャリッジ13がキャリッジガイド軸141にガイドされて往復移動する。
[印刷部の構成]
印刷部16は、メディアPと対向する部分に、インクを個別にメディアP上に吐出して、メディアP上に画像を形成する。
この印刷部16は、複数色のインクに対応したインクカートリッジ161が着脱自在に装着されており、各インクカートリッジ161からインクタンク(図示略)にチューブ(図示略)を介してインクが供給される。また、印刷部16の下面(メディアPに対向する位置)には、インク滴を吐出するノズル(図示略)が、各色に対応して設けられている。これらのノズルには、例えばピエゾ素子が配置されており、ピエゾ素子を駆動させることで、インクタンクから供給されたインク滴が吐出されてメディアPに着弾し、ドットが形成される。
図3は、本実施形態の測定器17の構成を示す概略図である。
測定器17は、図3に示すように、光源部171と、分光測定部172と、撮像部173と、を備える。これら光源部171、分光測定部172及び撮像部173は、メディアPの搬送方向である主走査方向(X方向)に沿って配置されている。具体的には、光源部171を挟んで、分光測定部172が−X側に、撮像部173が+X側に配置されている。
この測定器17は、光源部171からメディアP上に照明光を照射し、メディアP上で反射された光が、分光測定部172及び撮像部173のそれぞれに入射される。ここで、本実施形態では、光源部171から、−X側に45°で出射され、メディアP上の測定領域RSで、メディアPの法線方向(Z方向)に沿って反射された光が分光測定部172に入射され、分光測定が実施される。また、光源部171から+X側に45°で出射され、メディアP上の撮像領域RI(撮像位置)で、メディアPの法線方向に沿って反射された光が撮像部173に入射され、撮像画像が撮像される。
分光測定部172による分光測定処理では、メディアP上に形成されたカラーパッチ31を測定対象として、カラーパッチ31の分光測定を行う。撮像部173による撮像では、メディアP上のカラーパッチ31及びその周囲に配置されたスケール33を含む画像を撮像する。カラーパッチ31及びスケール33についての詳細な説明は後述する。
なお、本実施形態では、測色規格(JIS Z 8722)により規定された光学的幾何条件における45°/0°測色方式に従って分光測定を実施する。すなわち、本実施形態では、光源部171からの照明光を測定対象に対して45°±2°の入射角で入射させ、測定対象にて0°±10°で法線方向に反射された光を分光測定部172で受光し、撮像部173で撮像する。
図3に示すように、光源部171は、光源171Aと、光源171Aから照射された照明光をメディアP上の所定領域に導く第一照明光学部材171B及び第二照明光学部材171Cとを備えている。
光源171Aは、メディアPに対して照射する照明光を発光する部材である。本実施形態では、プリンター1のキャリッジ13に測定器17を搭載する構成であり、測定器17を小型、軽量化する必要がある。このため、光源171Aとして、LEDやLD(半導体レーザー)等1つ又は2つ以上を用いることが好ましい。
第一照明光学部材171Bは、光源171Aから照射された照明光をメディアPに向かって出射させ、メディアP上の測定領域RSを照明する。
第二照明光学部材171Cは、光源171Aから照射された照明光をメディアPに向かって出射させ、メディアP上の撮像領域RIを照明する。なお、撮像領域RIは、測定領域RSよりも大きく、第二照明光学部材171Cは、光源171Aからの光を拡大してメディアPに照射する。
各照明光学部材171B,171Cは、単一若しくは複数の光学部材により構成されている。例えば、各照明光学部材171B,171Cとして、単一又は複数のアパーチャーが設けられ、これらのアパーチャーを透過した所定の光路径の照明光をメディアPに照射させる構成等が例示できる。このようなアパーチャーを設けることで、メディアP上の所定の領域にスポット光を照射することが可能となる。
なお、各照明光学部材171B,171Cとして、照明光をメディアPの測定領域RSや撮像領域RIに集光させる集光レンズや、光量の面内分布を均一化するフライアイレンズ等が設けられる構成などとしてもよい。
分光測定部172は、図3に示すように、分光デバイス172Aと、受光部172Bと、受光光学部材172Cと、等により構成され、光源部171の−X側に配置される。
このような分光測定部172では、メディアPにて反射された光を、受光光学部材172Cを介して分光デバイス172Aに導き、分光デバイス172Aにより分光された所定波長の光を受光部172Bにて受光させる。
受光光学部材172Cは、単一又は複数の光学部材により構成されている。なお、図3では、受光光学部材172Cは、分光デバイス172Aの光入射側に配置されているが、これに限定されない。例えば、受光光学部材172Cは、受光部172Bにおいて測定光が受光されるまでの光路上に設けられていればよく、例えば、分光デバイス172Aと受光部172Bとの間に設けられてもよく、また複数個所に設けられていてもよい。
この受光光学部材172Cとしては、例えば、単一又は複数のアパーチャーを例示できる。このようなアパーチャーを設けることで、メディアP上の所定の測定領域RSで反射された測定光を、分光デバイス172A及び受光部172Bに導くことができる。なお、本実施形態における光源部171による照明領域は、測定領域RSよりも大きいサイズとなり、照明領域内に測定領域RSが含まれる。
さらに、受光光学部材172Cとしては、例えば測定領域RSからの測定光を平行光にするコリメーターレンズ等が設けられていてもよい。さらには、受光光学部材172Cとして、バンドパスフィルターが設けられ、バンドパスフィルターにより可視光以外の光をカットする構成としてもよい。
図4は、分光デバイス172Aの概略構成を示す断面図である。
分光デバイス172Aは、筐体6と、筐体6の内部に収納された波長可変干渉フィルター5(分光素子)とを備えている。
波長可変干渉フィルター5は、波長可変型のファブリーペローエタロン素子である。本実施形態では、波長可変干渉フィルター5が筐体6に収納された状態で測定器17に配置される例を示すが、例えば波長可変干渉フィルター5が直接測定器17に配置される構成などとしてもよい。
この波長可変干渉フィルター5は、図4に示すように、可視光に対して透光性を有する固定基板51及び可動基板52を備え、これらの固定基板51及び可動基板52が、接合膜53により接合されることで、一体的に構成されている。固定基板51には、エッチングにより形成された第一溝部511、及び第一溝部511より溝深さが浅い第二溝部512が設けられ、第一溝部511には固定電極561が、第二溝部512には固定反射膜54がそれぞれ設けられている。固定反射膜54は、例えばAg等の金属膜、Ag合金等の合金膜、高屈折層及び低屈折層を積層した誘電体多層膜、又は、金属膜(合金膜)と誘電体多層膜を積層した積層体により構成されている。
そして、上記のような波長可変干渉フィルター5では、固定電極561及び可動電極562により静電アクチュエーター56が構成され、この静電アクチュエーター56に電圧を印加することで、固定反射膜54及び可動反射膜55間のギャップGの間隔寸法を変更することが可能となる。また、可動基板52の外周部(固定基板51に対向しない領域)には、固定電極561や可動電極562と個別に接続された複数の電極パッド57が設けられている。
筐体6は、図4に示すように、ベース61と、ガラス基板62と、を備えている。これらのベース61及びガラス基板62は、例えば低融点ガラス接合等により接合されることで、内部に収容空間が形成されており、この収容空間内に波長可変干渉フィルター5が収納される。
また、ベース61には、波長可変干渉フィルター5の電極パッド57に接続される内側端子部613が設けられており、この内側端子部613は、導通孔614を介して、ベース61の外側に設けられた外側端子部615に接続されている。この外側端子部615は、制御ユニット15に電気的に接続されている。
図3に戻り、受光部172Bは、波長可変干渉フィルター5の光軸上(反射膜54,55の中心点を通る直線上)に配置され、当該波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光領域で受光して、受光量に応じた検出信号(電流値)を出力する。なお、受光部172Bにより出力された検出信号は、I−V変換器(図示略)、増幅器(図示略)、及びAD変換器(図示略)を介して制御ユニット15に入力される。
撮像部173は、図3に示すように、撮像光学部材173Aと、撮像レンズ173Bと、撮像素子173Cと、等により構成され、光源部171の+X側に配置される。
このような撮像部173は、メディアPの撮像領域RIにて反射された光を、撮像光学部材173A及び撮像レンズ173Bを介して撮像素子173Cにて撮像する。
撮像レンズ173Bは、単一又は複数のレンズにより構成される。
これら撮像光学部材173A及び撮像レンズ173Bを設けることにより、メディアP上の所定の撮像領域RIで反射された撮像光を撮像素子173Cに導くことができる。
なお、図3では、撮像光学部材173Aが、メディアPと撮像レンズ173Bとの間に設けられる例を示すが、これに限定されない。撮像光学部材173Aは、メディアPで反射された撮像光が撮像素子173Cにおいて撮像されるまでの光路上に設けられるものであり、例えば、撮像レンズ173Bと撮像素子173Cとの間に設けられてもよい。また、撮像レンズ173Bの筐体をアパーチャーとして用いる場合、撮像光学部材173Aを設けなくてもよい。
なお、撮像素子173CとしてCCDやCMOS等の各種イメージセンサーを用いることができる。
次に、制御ユニット15について説明する。
制御ユニット15は、図2に示すように、I/F151と、ユニット制御回路152と、メモリー153と、CPU(Central Processing Unit)154と、を含んで構成され
ている。
I/F151は、外部機器20から入力される印刷データをCPU154に入力する。
ユニット制御回路152は、供給ユニット11、搬送ユニット12、印刷部16、光源171A、波長可変干渉フィルター5、受光部172B、及びキャリッジ移動ユニット14をそれぞれ制御する制御回路を備えており、CPU154からの指令信号に基づいて、各ユニットの動作を制御する。なお、各ユニットの制御回路が、制御ユニット15とは別体に設けられ、制御ユニット15に接続されていてもよい。
各種データとしては、例えば、カラーチャート30を印刷するための元画像データであるチャート画像データ、波長可変干渉フィルター5を制御する際の、静電アクチュエーター56への印加電圧に対する、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長を示したV−λデータ、印刷データとして含まれる色データに対する各インクの吐出量等を記憶した印刷プロファイルデータ等が挙げられる。また、光源171Aの各波長に対する発光特性や、受光部172Bの各波長に対する受光特性(受光感度特性)等が記憶されていてもよい。
CPU154は、メモリー153に記憶された各種プログラムを読み出し実行することで、図5に示すように、走査制御手段154A、印刷制御手段154B、光源制御手段154C、撮像制御手段154D、判定手段154E、測定制御手段154F、測色手段154G、及びキャリブレーション手段154H等として機能する。
第一判定手段154E1は、撮像画像に含まれるスケールの位置に基づいて、メディアPに異常があるか否かを判定し、メディアPに異常がある場合に、分光測定を実施しないと判定する。
第二判定手段154E2は、撮像画像に含まれるカラーパッチの輝度に基づいて、印刷されたカラーパッチに異常があるか否かを判定し、異常がある場合に、分光測定を実施しないと判定する。
なお、本実施形態では、後述するように、カラーパッチの分光測定処理を実施する。
キャリブレーション手段154Hは、測色手段154Gによる測色結果に基づいて、印刷プロファイルデータを補正(更新)する。
次に、本実施形態のプリンター1における測定方法について、図面に基づいて説明する。
図6は、プリンター1における測定方法を示すフローチャートである。
ここでは、プリンター1による分光測定処理として、例えば印刷部16により印刷された複数のカラーパッチに対する分光測定処理を実施する例を説明する。
(カラーチャートの印刷)
プリンター1は、例えばユーザー操作や外部機器20からの入力により、分光測定処理を実施する旨の指令を受け付けると、走査制御手段154A及び印刷制御手段154BによりメディアPに対してカラーチャートを印刷させる(ステップS1)。
つまり、走査制御手段154Aは、供給ユニット11、搬送ユニット12を制御して、プラテン122の所定位置にメディアPを搬送させ、印刷制御手段154Bは、印刷部16を制御して、搬送されたメディアPの所定位置にカラーチャート30を印刷する。このカラーチャート30は、メモリー153に予め記憶されたカラーチャート30の元画像データ(チャート画像データ)に基づいて印刷される。したがって、走査制御手段154Aは、チャート画像データに従ってメディアPの搬送量、キャリッジ13の移動量を制御し、印刷制御手段154Bは、チャート画像データに基づいて、キャリッジ13が所定位置に位置した際に所定色のインクを吐出させてカラーチャート30を形成し、乾燥機構によりインクを乾燥させる。なお、乾燥機構としては、特に限定されるものではなく、例えばキャリッジにヒーターやファンを搭載させる構成等が例示できる。また、乾燥機構として、キャリッジに搭載されるものに限定されず、メディアPの搬送経路上に設けられ、メディアPを乾燥機構まで搬送してインクを乾燥させる構成としてもよい。
図7に示すように、本実施形態のカラーチャート30は、複数のカラーパッチ31と、メディアPの面方向における距離を計測するためのスケール33とを含み構成される。本実施形態では、カラーチャート30は、X方向に沿って並ぶ複数(N個)のカラーパッチ31により1つのパッチ群32が構成され、当該パッチ群32がY方向に沿って複数(M個)並んで構成される。つまり、N×M個のカラーパッチ31が配置される。なお、以降の説明において、カラーパッチ31のX方向の位置(−X側端部から数えて何番目のカラーパッチ31であるか)をi、カラーパッチ31のY方向の位置(+Y側端部から数えて何番目のパッチ群32であるか)をjとし、カラーパッチ31の位置座標を(i,j)で示す。ただし、1≦i≦Nであり、1≦j≦Mであり、i,jは整数である。
また、各パッチ群32は間隔を開けて形成され、各パッチ群32を囲ってスケール33が配置されている。このスケール33は、図7に示すように、例えば所定間隔で配置される目盛により構成され、X方向及びY方向のそれぞれに沿って配置されている。
上記のようなカラーチャート30の形成(印刷)の後、走査制御手段154Aは、搬送ユニット12及びキャリッジ移動ユニット14を制御して、カラーパッチが配置されたライン上にキャリッジ13が位置するようにメディアPをY方向に沿って搬送させ、さらに、キャリッジ13を較正位置(例えば−X側端部)に移動させる(ステップS2)。
較正位置としては、例えばプラテン122の−X側端部に設けられた白色基準板等の較正基準物に対向する位置を例示できる。また、メディアPが白色紙面等である場合では、メディアPの白色領域を較正基準物としてもよい。
なお、本実施形態では、カラーチャート30の形成後に較正用データを取得する例を示すが、これに限定されず、ステップS1の前に較正用データを取得してもよい。また、較正用データとして、予めメモリー153に記憶されたデータを用いてもよく、この場合ステップS2及びステップS3の処理を省略してもよい。
次に、走査制御手段154Aは、搬送ユニット12及びキャリッジ移動ユニット14を制御して、カラーチャート30の+Y側端部から数えてj行目(初期値:j=1)のパッチ群32上に測定領域RS及び撮像領域RIが位置するように、キャリッジ13及びメディアPを移動させる(ステップS4)。
上述したように、カラーチャート30は、予めメモリー153に記憶されたチャート画像データに基づいて形成されているため、各カラーパッチ31のメディアP上の位置は既知となる。したがって、走査制御手段154Aにより、メディアPの搬送量、及びキャリッジ13の移動量を制御することで、撮像領域RI内にカラーパッチ31及び当該カラーパッチ31の周囲に配置されたスケール33が含まれるようにキャリッジ13を移動させることが可能となる。これにより、撮像制御手段154Dは、位置座標(i,j)のカラーパッチ31の撮像画像を取得することができる。
この判定ステップでは、まず、第一判定手段154E1は、撮像画像内のスケール33の位置に基づいて、メディア状態異常が無いか否かを判定する(ステップS6)。スケール33の検出方法としては、公知の技術を用いることができ、例えば、撮像画像の各画素間の輝度差に基づいてエッジを検出することでスケール33の位置を検出する方法等が挙げられる。
また、メディアPが白色であり、スケール33が黒色である場合等、目盛の反射率が周囲に比べて低い場合では、スケール33の目盛並び方向に沿った輝度変化に着目することで容易にスケール33の位置を検出できる。図8は、スケール33の目盛の並び方向に沿った撮像画像の輝度変化の一例を示す図である。この場合、スケール33の目盛方向(例えばX方向)に沿った輝度値は、図8に示すように、目盛の印刷位置においてピーキーに低下する。したがって、第一判定手段154E1は、二つのピーク間隔Lに基づいて、撮像画像におけるスケール33の目盛位置や目盛間隔を取得することもできる。
ここで、メディア斜行とは、搬送ユニット12によりメディアPが搬送される際に、メディアPがY方向に交差する方向(X方向)に移動した際に起こるエラーである。このようなメディア斜行が発生すると、分光測定部172により分光測定を行う際に、測定領域RSの位置がカラーパッチ31からずれ、正確な分光測定結果が得られない場合がある。
第一判定手段154E1は、撮像画像のスケール33の目盛位置と、チャート画像データに基づいた基準位置とのずれ量を算出し、当該ずれ量が、所定値以上である場合に、メディア斜行があると判定する。
第一判定手段154E1は、撮像画像のスケール33の目盛間隔を計測し、当該計測された目盛間隔と、チャート画像データに基づいた基準間隔との差分値を算出し、当該差分値が、所定値以上である場合に、メディア収縮やメディア皺があると判定する。
具体的には、第二判定手段154E2は、撮像画像内のカラーパッチ31の位置を検出する。カラーパッチ31の位置検出としては、上述したスケールの検出と同様、エッジ検出を利用できる。第一判定手段154E1により、メディア状態異常が無いと判定されている場合、例えばメディア斜行等がないので、図7に示すように、撮像領域RI内に1つのカラーパッチ31が含まれる。カラーパッチ31の外周形状は既知であるので、第二判定手段154E2は、エッジ検出により容易にカラーパッチ31の外周形状を検出することが可能となる。
より具体的には、第二判定手段154E2は、印刷異常として、インク凝集、及び印刷むらの有無を判定する。
ここで、インク凝集は、印刷部16によるインクの打ち込み量(吐出量)や乾燥条件等の不適切な場合に生じ、カラーパッチ31の一部の濃度が濃くなる。図9(A)は、インク凝集が生じたカラーパッチの一例を示す図であり、図9(B)は、図9(A)の仮想線Kに沿った輝度値の変化を示す図である。
インク凝集は、特に、インクの打ち込み量が過多であった場合等に生じ、この場合、図9に示すように、カラーパッチの外周縁近傍の濃度が濃くなる領域Aが発生する。このようなインク凝集が生じた状態で分光測定処理を実施すると、濃度が濃い領域Aと、カラーパッチ31の中央領域Bとの間で、測定結果に差が生じるので、正確な分光測定結果が得られない。
また、印刷むらは、印刷部16のノズルの異常や、キャリッジとメディアPとの間の距離、インク乾燥時の温度(ヒーターを用いる場合ではヒーター温度等)の不均一が原因で発生し、カラーパッチ31内に色むらやスジ(バンディング)等が生じる。
このステップS10では、ステップS3と同様、測定制御手段154Fは、測定波長(例えば400nmから700nmの可視光域における20nm間隔となる各波長)について光量を測定し、測定された光量を、測定波長(又は静電アクチュエーター56への印加電圧)と関連付けてメモリー153に記憶する。
そして、ステップS9においてYesと判定された場合、又は、ステップS10の分光測定処理の後、測定制御手段154Fは、カラーパッチ31のX方向の位置を示す変数iに「1」を加算し(ステップS11)、変数iがパッチ群32に含まれるカラーパッチ31の総数Nより大きくなったか否かを判定する(ステップS12)。
ステップS12において、Noと判定された場合は、ステップS5に戻る。また、ステップS12において、Yesと判定された場合は、さらに、変数iがN+kより大きくなったか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13において、Noと判定された場合(N<i<N+kの場合)は、ステップS9に戻る。
つまり、本実施形態では、測定領域RSが、撮像領域RIの−X側に位置する。このため、走査制御手段154Aによりキャリッジ13を−X側から+X側に移動させながら、パッチ群32の各カラーパッチ31を−X側から順次撮像していくと、最初のk個は、撮像処理のみを行うことになる。また、パッチ群32の+X側端部のカラーパッチ31(位置座標(N,j))の撮像処理が終了した際は、残りk個のカラーパッチ31の分光測定処理の実施の有無の判定及び分光測定処理が実施されていないので、当該残りk個のカラーパッチ31の分光測定処理の実施(分光測定処理を実施すると判定された場合のみ)を実施することになる。
ステップS16において、Yesと判定された場合、走査制御手段154A及び印刷制御手段154Bは、スキップされたカラーパッチ31のみで、再びメディアPにカラーチャート30を形成する(ステップS17)。分光測定処理がスキップされたカラーパッチ31の位置座標は、メモリー153に記憶されているので、その位置座標と、チャート画像データとに基づいて、どの色のカラーパッチがスキップされたかを容易に検出することができる。
このステップS17の後、変数i,jを初期値(i=1,j=1)に戻し、ステップS4の処理に戻る。つまり、スキップされたカラーパッチ31に対して、再度分光測定処理を実施する。
なお、ステップS16において、Yesと判定された回数が所定回数以上となった場合に、メディアPや搬送ユニット12、印刷部16に異常がある可能性が高いとして、エラーを出力して測定処理を終了させてもよい。
一方、ステップS16において、Noと判定された場合、測色手段154Gは、各カラーパッチ31に対する分光測定結果に基づいて、測色処理を実施する(ステップS18)。例えば、測色手段154Gは、ステップS10の分光測定結果と、ステップS3の校正用データとに基づいて、カラーパッチ31の各波長に対する分光反射率を算出し、当該分光反射率から各カラーパッチの色度(例えばXYZ値、L*a*b*値等)を算出して、メモリー153に記憶する。さらに、測色手段154Gは、算出した分光反射率や色度を外部機器20やプリンター1に設けられたディスプレイ等に出力して表示させたり、印刷部16を制御して測色結果を印刷させたりしてもよい。
この後、キャリブレーション手段154Hは、各カラーパッチ31の測色結果に基づいて、メモリー153に記憶された印刷プロファイルデータを更新する(ステップS19)。
本実施形態のプリンター1では、メディアPに形成されたカラーパッチ31に対する分光測定処理を実施する分光測定部172と、カラーパッチ31を撮像する撮像部173とを備えている。そして、制御ユニット15の判定手段154Eは、撮像部173により撮像されたカラーパッチ31の撮像画像に基づいて、カラーパッチ31に対する分光測定処理を行うか否かを判定する。このため、メディア状態異常や印刷異常がある場合に、分光測定処理をスキップすることができる。したがって、測定精度の低い測定結果が取得されることを抑制でき、カラーチャート30の各カラーパッチ31に対して高精度な分光測定を実施できる。また、本実施形態では、分光測定部172により例えば20nm間隔となる各測定波長に対する測定結果を取得し、これらの各測定波長の測定結果に基づいた測色を実施するので、例えば撮像画像のRGB輝度値のみで測色を実施する場合に比べて高精度な測色を行うことができる。以上により、本実施形態では、カラーパッチ31に対する高精度な測色を実施することができる。
メディア状態異常として、メディア斜行やメディア収縮が発生していると、メディアPが本来の位置からずれ、測定領域RSもカラーパッチ31からはみ出る場合があり、測定精度が低下するおそれがある。また、メディア皺が発生していると、皺の凹凸部により光源部171からの照明光の反射方向が変化して、適正な分光測定を実施できない。これに対し、本実施形態では、第一判定手段154E1により、上記のようなメディア状態異常の有無を判定でき、メディア状態異常が有る場合に、そのカラーパッチ31に対して分光測定処理をスキップさせるため、測定精度の低下を抑制できる。
この場合、第一判定手段154E1は、撮像画像におけるスケール33の目盛間隔と、チャート画像データに記録されているスケール33の目盛間隔との差分値を算出することで、メディア収縮やメディア皺の発生の有無を容易に判定でき、目盛位置のずれ量を算出することで、メディア斜行の有無を容易に判定することができる。
このため、測定対象となるカラーパッチ31の位置にメディア状態異常が発生しているか否かを判定することができる。また、第一判定手段154E1は、撮像部173により撮像された撮像画像のスケール33の位置に基づいて、メディア状態異常を判定でき、第二判定手段154E2は、カラーパッチ31の輝度むらに基づいて印刷異常を判定できる。つまり、メディア状態異常の有無と、印刷異常の有無との双方を、1枚の撮像画像に基づいて判定することができ、測定処理の効率化を図れる。
これにより、印刷部16のノズルの異常等による印刷むらや、インクの吐出量過多等によるインク凝集が発生している場合には、分光測定処理が実施されず、適正なカラーパッチ31に対してのみ分光測定処理が実施されることになる。これにより、分光測定処理の測定精度を向上させることができる。
この場合、キャリッジ13を+X側に走査させて撮像部173による撮像処理を実施することで、i番目に位置するカラーパッチ31の撮像画像を取得でき、当該撮像画像を解析することで、当該カラーパッチ31にメディア状態異常や印刷異常が有るか否かを判定できる。また、−X側に位置するi-k番目のカラーパッチ31にメディア状態異常や印刷異常の無い場合、当該カラーパッチ31に対して、分光測定部172による分光測定処理を実施することができる。
つまり、本実施形態では、分光測定部172による分光測定処理を実施する前に、撮像部173により撮像された撮像画像に基づいた、分光測定処理を実施するか否かの判定を行うことができる。例えば、カラーパッチ31に対して分光測定処理を実施した後に、当該カラーパッチ31に対する分光測定結果を採用するか否かを撮像画像に基づいて判定してもよいが、この場合、当該カラーパッチ31に対する分光測定処理が無駄となり、省電力化や測定効率性の面で好ましくない。これに対して、本実施形態では、分光測定処理の前に、分光測定処理の実施の有無を判定できるので、測定効率性を向上させ、省電力化も図れる。
次に、本発明に係る第二実施形態について説明する。
上述した第一実施形態では、キャリッジ13において、分光測定部172と、撮像部173とがX方向に沿って並び、X方向に沿って測定領域RSと撮像領域RIとが並ぶ例を示した。
これに対して、第二実施形態では、Y方向に沿って測定領域RSと撮像領域RIとが並ぶ点で上記第一実施形態と相違する。
図10は、本実施形態の測定器17の概略を示す図であり、図11は、本実施形態におけるカラーチャート、撮像領域、及び測定領域の一例を示す図である。なお、以降の説明にあたり、既に説明した構成や測定手順については、同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
本実施形態の測定器17では、図10に示すように、分光測定部172と、撮像部173とがY方向に沿って並んで配置されている。このような構成では、光源部171からの光が45°の入射角度でY方向からメディアPに照射されるので、測定領域RSは、Y方向に長手となり、第一実施形態に比べ、X方向の幅寸法が小さくなる。
本実施形態では、図6に示す第一実施形態と略同様の手順にて、各カラーパッチ31に対する分光測定処理を実施することができる。
すなわち、本実施形態では、プリンター1は、分光測定処理を実施する旨の指令を受け付けると、第一実施形態のステップS1と同様、チャート画像データに基づいて、カラーチャート30を印刷する。この際、上述したように、本実施形態では、第一実施形態に比べて、測定領域RSのX方向の幅寸法が小さくなる。したがって、図11に示すように、各カラーパッチ31のX方向の幅寸法も、第一実施形態に比べて小さくでき、各パッチ群32に含まれるカラーパッチ31の総数Nは、第一実施形態に比べて多くなる。
そして、本実施形態では、ステップS8の後、又はステップS7においてYesと判定されると、ステップS9において、測定制御手段154Fは、測定領域RSが位置するカラーパッチ31の位置座標(i,j+k)に対するスキップフラグがメモリー153に記憶されているか否かを判定する。つまり、本実施形態では、撮像領域RIに対応するカラーパッチ31よりも+Y側にk個(図11ではk=2)の位置のカラーパッチ31に、測定領域RSが位置する。よって、(i,j+k)のカラーパッチ31に対するスキップフラグが有るか否かを判定すればよい。
また、本実施形態では、ステップS12にてYesと判定された後のステップS13の処理を省略することができる。つまり、ステップS12において、Yesと判定された場合は、ステップS14の処理に進む。その他の処理は、第一実施形態と同様である。
本実施形態では、分光測定部172による測定領域RSの−Y側(メディアPの搬送方向の逆側)に、撮像部173の撮像領域RIが位置する。
この場合、キャリッジ13をX方向に沿って走査させて撮像部173による撮像処理を実施することで、j行目に位置するパッチ群32の各カラーパッチ31の撮像画像を取得でき、当該撮像画像を解析することで、当該パッチ群32に属する各カラーパッチ31にメディア状態異常や印刷異常が有るか否かを判定できる。また、同時に+Y側に位置するj-k行目に位置するパッチ群32の各カラーパッチ31のうち、メディア状態異常や印刷異常が無いと判定されたカラーパッチ31に対して、分光測定部172による分光測定処理を実施することができる。
つまり、第一実施形態と同様、分光測定部172による分光測定処理を実施する前に、撮像部173により撮像された撮像画像に基づいた、分光測定処理を実施するか否かの判定を行うことができる。よって、不適切なカラーパッチ31に対して、分光測定処理を実施することがなく、測定効率性を向上させることができる。
そして、このようにキャリッジ13を+X側に移動させる際、及び−X側に移動させる際の双方において、測定処理を実施することで、1走査毎にキャリッジ13を初期位置(例えば−X側端部)に戻す必要がなくなるので、測定効率性をより向上させることが可能となり、測色処理をより迅速に行うことができる。
例えば、第一実施形態のように光源部171からの光をX方向に沿って斜めから照射する場合、測定領域RSがX方向に長手となり、測定領域RSがカラーパッチ31内に収まるように、各カラーパッチ31のX方向の幅寸法を大きくする必要がある。アパーチャー等の光学部材により測定領域RSの形状を変更してもよいが、この場合、当該光学部材を別途必要とし、構成が複雑化する
これに対して、上記のように、本実施形態では、測定領域RSのY方向に長手でX方向の幅寸法が小さくなるので、これに伴って、各カラーパッチ31のX方向の幅寸法も小さくできる。すなわち、1つのパッチ群32に配置するカラーパッチ31の総数Nを、第一実施形態に比べて多くでき、キャリッジ13を1回走査させる間により多くのカラーパッチ31に対する分光測定処理を実施することが可能となる。このため、パッチ群32の総数Mも少なくでき、メディアPを+Y側に搬送させる回数も少なくなる。また、メディアPの搬送回数が減る分、メディアPの搬送時におけるメディア状態異常の発生を抑制できる。以上により、測定精度の向上を図れるとともに、測定効率性の更なる向上も図ることができる。
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
上記第一実施形態及び第二実施形態では、パッチ群32の周囲にスケール33が配置されたカラーチャート30を例示した。これに対して、第三実施形態では、スケール33が設けられない点で上記各実施形態と相違する。
本実施形態では、図6のステップS1において、印刷部16は、図12に示すようなカラーチャート30Aを印刷する。すなわち、本実施形態では、パッチ群32の周囲にスケール33が配置されず、Y方向に沿って互いに隣接したパッチ群32が形成される。なお、本実施形態では、カラーパッチ31の外周縁34に基づいて、メディア状態異常を判定する。したがって、カラーパッチ31の外周縁34として、カラーパッチ31とは異なる色(例えば黒色)とすることが好ましい。
カラーパッチ31の外周縁34の検出方法としては、上記第一実施形態と同様、例えば、撮像画像の各画素間の輝度差に基づいてエッジを検出する方法等を用いることができる。また、上記のように、カラーパッチ31と外周縁34とが異なる色にて形成されている場合、X方向(又はY方向)に沿った輝度変化に着目することで容易に外周縁34の位置を検出できる。
その他の処理は、上記第一実施形態と同様である。
本実施形態では、第一判定手段154E1は、印刷部16によりメディアPに印刷されたカラーパッチ31の外周縁34の形状に基づいて、メディア状態異常を検出する。
この場合でも、第一判定手段154E1は、外周縁34の形状と、チャート画像データに記録されているカラーパッチ31の外周縁の形状とを比較することで、容易にメディア状態異常を判定することができる。よって、第一実施形態と同様、メディア状態異常が発生している場合に、カラーパッチ31に対する分光測定処理をスキップすることができ、測定精度の向上を図れる。
また、本実施形態では、パッチ群32間に、スケールが配置されないので、例えば、図12に示すように、Y方向に沿って隣接したパッチ群32を形成することができる。これにより、所定の印刷領域に対して、より多くのカラーパッチ31を配置することができる。よって、j行目のパッチ群32からj+1行目のパッチ群32に測定対象を移動させる際に、メディアPの搬送量を小さくでき、メディア斜行やメディア皺等の発生確率を低減できるため、測定精度の向上を図ることができる。
さらに、上記第二実施形態のように、撮像領域RIが測定領域RSの−Y側に位置する場合では、各カラーパッチ31のX方向の幅寸法を小さくできるので、所定の印刷領域にさらに多くのカラーパッチ31を配置することが可能となる。
次に、本発明の第四実施形態について説明する。
上記第一実施形態では、カラーパッチ31に対する撮像画像に基づいて、メディア状態異常や印刷異常が有ると判定された場合に、当該カラーパッチ31に対する分光測定処理を実施しないと判定し、分光測定処理をスキップする例を示した。
これに対して、第四実施形態では、メディア状態異常が有る場合に、その種類を判定して補正する点で上記第一実施形態と相違する。
したがって、スケール33の目盛位置の位置ずれがあるが、スケール33の目盛間隔に異常が無い場合は、メディア斜行のみが発生しており、この場合、印刷異常が無い限り、測定領域RSの位置を適正に補正すれば、カラーパッチ31に対する精度の高い分光測定が実施可能なことを意味する。
また、メディア斜行が発生している場合では、カラーチャート30全体、つまり全カラーパッチ31が同じ方向にずれていることになる。この場合、上記第一実施形態では、メディア皺や印刷異常がなく、測定領域RSさえカラーパッチ31内に収まっていれば正常に分光測定処理を実施可能な状態でも、全てのカラーパッチ31に対する分光測定処理がスキップされてしまう。
具体的には、X方向のずれ量ΔXが算出されると、走査制御手段154Aは、キャリッジ13を−ΔXだけ移動させる。また、Y方向のずれ量ΔYが算出されると、走査制御手段154Aは、メディアPを−ΔYだけ搬送させる。これにより、メディア斜行によるメディア状態異常は解消されることになる。
そして、上記のようなメディアP及びキャリッジ13の位置補正の後、ステップS6の他のメディア状態異常(メディア収縮及びメディア皺)の有無の判定を行い、以降、図6のステップS7からステップS19の処理を実施する。
本実施形態では、第一判定手段154E1は、第一実施形態と同様に、撮像画像のスケール33の目盛位置と、チャート画像データのスケール33の目盛位置とのずれ量を算出し、そのずれ量が所定値以上である場合にメディア斜行と判定する。そして、走査制御手段154Aは、算出されたずれ量に基づいて、メディアPの搬送量及びキャリッジの移動量を補正し、測定領域RSがカラーパッチ31上に位置するように修正する。このため、メディア斜行のみが生じて、分光測定処理の測定精度に影響が出ない場合では、カラーパッチ31に対する分光測定処理を実施すると判定されることになる。これにより、本実施形態では、カラーパッチ31の分光測定処理のスキップ数を減らすことができ、測定処理の効率性を向上させることができる。
特にメディア斜行の場合は、全てのカラーパッチ31が所定方向に移動することになる。このような場合、全カラーパッチ31が異常として、再度カラーチャート30を印刷し直すと、インクやメディアPの無駄となり、測定効率性が著しく悪化する。これに対して、本実施形態では、上記のように、メディア斜行による異常を補正することができ、測定効率性の向上を図れる。
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
例えば、光源部171からの照明光をメディアPに対して0°(メディアPの法線方向)から照射し、45°で反射された光を撮像部173及び分光測定部172に入射させる構成としてもよい。
この場合、メディアP上の照明光により照射される領域(照明領域)が十分大きい場合、照明領域の一部を測定領域RSとし、他の一部を撮像領域RIとしてもよい。例えば、第一実施形態のように、X方向に沿って測定領域RSと撮像領域RIとが並ぶ場合では、照明領域の+X側に撮像領域RIが位置するように、撮像部173を配置したり、撮像光学部材173Aの構成を変更したりすればよい。また、照明領域の−X側に測定領域RSが位置するように、分光測定部172を配置したり、受光光学部材172Cの構成を変更したりすればよい。
また、例えば第二実施形態のように、Y方向に沿って測定領域RSと撮像領域RIとが並ぶ場合では、照明領域の+Y側に測定領域RSが位置し、照明領域の−Y側に撮像領域RIが位置するように、分光測定部172や撮像部173を配置したり、受光光学部材172Cや撮像光学部材173Aの構成を変更したりすればよい。
例えば、第二判定手段154E2により画像解析を実施することで、スジ状の輝度むら(バンディング)を検出した場合では、特開2006−305956号公報にて示されるような公知の方法により、バンディング補正を行ってもよい。また、印刷むらが検出された際にフラッシング等の印刷部16のメンテナンスを行ってもよい。このような場合、補正処理やメンテナンスを行った後、再度カラーチャート30を印刷し、測定処理を再度実施することが好ましい。
また、インクジェット方式のものに限定されず、例えば熱転写方式を用いたサーマルプリンターや、レーザープリンター、ドットインパクトプリンター等、如何なる印刷方式のプリンターに対しても適用できる。
また、分光素子として、波長可変干渉フィルター5を例示したがこれに限定されない。分光素子としては、例えば、グレーティング、AOTF、LCTF等を用いてもよい。
例えば、光源部171内に波長可変干渉フィルター5、若しくは、波長可変干渉フィルター5を備えた分光デバイス172Aを配置し、波長可変干渉フィルター5により分光された光をメディアPに照射する構成(前分光)としてもよい。この場合、撮像部173用の光源を別途設けることが好ましい。
Claims (7)
- メディアにカラーパッチを印刷する印刷部と、
前記メディアに印刷された前記カラーパッチの分光測定を行う分光測定部と、
前記カラーパッチを撮像する撮像部と、を備え、
前記撮像部により撮像された撮像画像の前記カラーパッチの外周形状に基づいて前記メディアの状態異常を検出し、前記状態異常が検出された場合に、前記分光測定を行わないと判定する
ことを特徴とする測定装置。 - 請求項1に記載の測定装置において、
前記印刷部は、前記カラーパッチと、前記メディアの面方向における距離を計測するためのスケールとを印刷し、
印刷された前記スケールに基づいて、前記メディアの状態異常を検出する
ことを特徴とする測定装置。 - 請求項2に記載の測定装置において、
前記印刷部は、前記撮像部による撮像領域に収まる前記カラーパッチ及び前記スケールを印刷する
ことを特徴とする測定装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の測定装置において、
前記メディアを前記分光測定部及び前記撮像部に対して一方向に搬送する搬送機構を更に備え、
前記撮像画像に基づいて、前記メディアが前記一方向に交差する方向に搬送されたことを検出する
ことを特徴とする測定装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の測定装置において、
前記撮像画像に基づいて、前記カラーパッチの輝度むらが検出されると、当該カラーパッチの分光測定を行わないと判定する
ことを特徴とする測定装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の測定装置において、
前記メディアを前記分光測定部及び前記撮像部に対して一方向に搬送する搬送機構を更に備え、
前記撮像部の撮像位置は、前記分光測定部の測定位置に対して、前記搬送機構による前記メディアの搬送方向の逆側に位置する
ことを特徴とする測定装置。 - メディアにカラーパッチを印刷する印刷ステップと、
前記メディアに印刷された前記カラーパッチを撮像して撮像画像を取得する撮像ステップと、
前記撮像画像、印刷された前記カラーパッチの外周形状に基づいて、前記メディアの状態異常を検出し、前記状態異常が検出された場合に前記カラーパッチの分光測定を行わないと判定する判定ステップと、を実施する
ことを特徴とする測定方法。
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