JP6733066B1 - ゴム臭気消臭用組成物及びゴム臭気の消臭方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴム臭気に対して優れた消臭効果を有するゴム臭気消臭用組成物及びゴム臭気の消臭方法を提供する。【解決手段】本発明に係るゴム臭気消臭用組成物は、パイン油及びリモネンを少なくとも含む。本発明に係るゴム臭気消臭用組成物は、好ましくは、芳香族化合物及び脂肪族アルコールをさらに含む。本発明に係るゴム臭気消臭用組成物によれば、ゴム臭気に対して優れた消臭効果を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム臭気消臭用組成物及びゴム臭気の消臭方法に関する。
化学材料、化学薬品等の製造現場や加工現場においては、人に対して不快感を与える種々の臭気が発生するため、環境面や安全面の観点から、その臭気を消臭又は低減することが求められている。中でも、天然ゴム、タイヤ等のゴムは、不快な臭気が発生しやすいため、製造現場や加工現場の環境を悪化させるおそれがあるばかりか、その近隣にも臭気による影響が出やすいことから、ゴム臭気を消臭又は低減させるための検討がこれまでにも広く行われている。
ゴム臭気を消臭する方法としては、例えば、特許文献1に、ゴムの配合剤である炭酸カルシウム、シリカ及びクレー等粉末充填剤に香料等の消臭剤を用いて、ゴム臭気を抑制する方法が開示されている。さらに特許文献2には、発生した臭気ガスを燃焼法で脱臭する方法が提案されている。
特開平7−222792号公報 特開平11−140222号公報
しかしながら、近年の環境配慮への意識の高まりから、ゴム臭気を簡便な方法で消臭することができ、かつ、優れた消臭効果をもたらすことができる消臭剤や消臭方法の開発が求められており、この観点から、従来の消臭剤等に対しても改善の余地が残されていた。加えて、特許文献1で提案されている方法では、無機材料等を必須とすることから、分散性等の点で消臭剤の調製が難しくなることがあり、また、特許文献2で提案されている方法では、装置のイニシャルコスト、燃料費のランニングコストが高まりやすいという問題もあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ゴム臭気に対して優れた消臭効果を有するゴム臭気消臭用組成物及びゴム臭気の消臭方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、パイン油及びリモネンを用いることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、以下の項に記載の主題を包含する。
項1
パイン油及びリモネンを少なくとも含む、ゴム臭気消臭用組成物。
項2
芳香族化合物及び脂肪族アルコールをさらに含む、項1に記載のゴム臭気消臭用組成物。
項3
前記パイン油、前記リモネン、前記芳香族化合物及び前記脂肪族アルコールの総質量に対し、前記パイン油の含有割合が20〜70質量%であり、前記リモネンの含有割合が15〜25質量%であり、前記脂肪族アルコールの含有割合が1〜10質量%であり、残部が前記芳香族化合物である、項2に記載のゴム臭気消臭用組成物。
項4
前記芳香族化合物が、フェニルエチルアルコール、ベンズアルデヒド及びサリチル酸メチルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、項2又は3に記載のゴム臭気消臭用組成物。
項5
前記脂肪族アルコールがゲラニオールを含む、項2〜4のいずれか1項に記載のゴム臭気消臭用組成物。
項6
さらにノニオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤と、水とを含む、項1〜5のいずれか1項に記載のゴム臭気消臭用組成物。
項7
項1〜6のいずれか1項に記載のゴム臭気消臭用組成物を噴霧する工程を備える、ゴム臭気の消臭方法。
本発明のゴム臭気消臭用組成物は、ゴム臭気に対して優れた消臭効果を有する。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
本発明のゴム臭気消臭用組成物(以下、単に「ゴム臭気消臭用組成物と表記する」)は、パイン油及びリモネンを少なくとも含む。これにより、本発明のゴム臭気消臭用組成物は、ゴム臭気に対して優れた消臭効果を発揮することができる。
なお、本明細書において、ゴム臭気に対する「消臭効果」とは、例えば、ゴム臭気の強度を弱める作用を包含し、必ずしも、ゴム臭気を完全に消失させることだけを意味するものではない。同様に、ゴム臭気に対する「消臭性能」とは、ゴム臭気の強度を弱めることができる性質を包含し、必ずしも、ゴム臭気を完全に消失させる性能だけを意味するものではない。
ゴム臭気消臭用組成物において、パイン油及びリモネンは、ゴム臭気に対する消臭効果を発揮するための有効成分になり得る。
パイン油の種類は特に限定されず、例えば、公知のパイン油を広くゴム臭気消臭用組成物に適用することができる。パイン油は、例えば、公知の方法で製造して得ることができ、あるいは、市販品等から入手することもできる。
リモネンは、単環式モノテルペンであり、C1016で表されるキラル化合物である。従って、リモネンには異性体が存在する。本発明ではその異性体の種類は特に限定されず、D−リモネンでもL−リモネンでも、その混合物であってもよい。ゴム臭気に対する消臭効果がより優れるという点で、リモネンは、D−リモネンであることが好ましい。
リモネンは、例えば、公知の方法で製造して得ることができ、あるいは、市販品等から入手することもできる。
ゴム臭気消臭用組成物において、パイン油及びリモネンの含有割合は特に限定されず、種々の組成割合において、ゴム臭気に対する消臭効果を発揮することができる。
ゴム臭気消臭用組成物の消臭効果が特に高まりやすいという点で、パイン油及びリモネンの総質量に対して、パイン油の含有割合は15質量%以上とすることができ、25質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、45質量%以上であることがさらに好ましく、55質量%以上であることが特に好ましい。
ゴム臭気消臭用組成物の消臭効果が特に高まりやすいという点で、パイン油及びリモネンの総質量に対して、パイン油の含有割合は99質量%以下とすることができ、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることがさらに好ましく、80質量%以下であることが特に好ましい。
ゴム臭気消臭用組成物は、芳香族化合物及び脂肪族アルコールをさらに含むことができる。
芳香族化合物の種類は特に限定されず、例えば、ゴム臭気消臭用組成物の有効成分となり得る種々の芳香族化合物を挙げることができる。中でも、芳香族化合物としては、水酸基を有する芳香族化合物、アルデヒド基を有する芳香族化合物、エステル基を有する芳香族化合物、及び、カルボキシ基を有する芳香族化合物等が例示される。
ゴム臭気に対する消臭効果が高まりやすい点で、芳香族化合物は、水酸基を有する芳香族化合物、アルデヒド基を有する芳香族化合物、及び、エステル基を有する芳香族化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、水酸基を有する芳香族化合物、アルデヒド基を有する芳香族化合物、及び、エステル基を有する芳香族化合物の混合物であることがさらに好ましい。
水酸基を有する芳香族化合物としては、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール等が例示され、アルデヒド基を有する芳香族化合物としては、ベンズアルデヒド、シナミックアルデヒドが例示され、エステル基を有する芳香族化合物としては、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル等が例示される。ゴム臭気消臭用組成物に含まれる芳香族化合物は、フェニルエチルアルコール、ベンズアルデヒド及びサリチル酸メチルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。この場合、ゴム臭気消臭用組成物のゴム臭気に対する消臭効果が特に向上する。ゴム臭気消臭用組成物に含まれる芳香族化合物は、それら3種類の化合物すべてを含むことが特に好ましく、それら3種の化合物のみであってもよい。
脂肪族アルコールの種類は特に限定されず、例えば、ゴム臭気消臭用組成物の有効成分となり得る種々の脂肪族アルコールを挙げることができる。脂肪族アルコールは、飽和アルコール及び不飽和アルコールのいずれでもよく、中でも、ゴム臭気に対する消臭効果が高まりやすい点で、脂肪族アルコールは、不飽和アルコールであることが好ましい。
具体的な脂肪族アルコールとしては、ゲラニオールが例示される。ゴム臭気消臭用組成物に含まれる脂肪族アルコールは、ゲラニオールを含むことが好ましい。この場合、ゴム臭気消臭用組成物は、ゴム臭気に対する消臭効果が高まりやすい。
以上のように、ゴム臭気消臭用組成物は、フェニルエチルアルコール、ベンズアルデヒド、サリチル酸メチル及びゲラニオールからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことができ、より好ましくは、これらの化合物をすべて含むことである。
ゴム臭気消臭用組成物が、有効成分として前記芳香族化合物及び前記脂肪族アルコールを含む場合、前記パイン油、前記リモネン、前記芳香族化合物及び前記脂肪族アルコールの含有割合は特に限定されない。ゴム臭気消臭用組成物の消臭効果が高まりやすいという点で、前記パイン油、前記リモネン、前記芳香族化合物及び前記脂肪族アルコールの総質量(以下、この総質量を「総質量S」と表記する)に対し、前記パイン油の含有割合が20〜70質量%であり、前記リモネンの含有割合が15〜25質量%であり、前記脂肪族アルコールの含有割合が1〜10質量%であり、残部が前記芳香族化合物であることが好ましい。これらの場合、ゴム臭気消臭用組成物の消臭効果が高まりやすいことに加えて、各成分自身の香料臭が強くなりすぎないという利点を有する。
ゴム臭気消臭用組成物の消臭効果がより高まりやすく、かつ、パイン油自身の香料臭が強くなりすぎないという観点から、前記パイン油は、前記総質量Sに対し、好ましくは25〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。
ゴム臭気消臭用組成物の消臭効果がより高まりやすく、かつ、リモネン自身の香料臭が強くなりすぎないという観点から、前記リモネンは、前記総質量Sに対し、好ましくは16〜23質量%、より好ましくは17〜22質量%である。
ゴム臭気消臭用組成物の消臭効果がより高まりやすく、かつ、脂肪族アルコール自身の香料臭が強くなりすぎないという観点から、前記脂肪族アルコールの含有割合は、前記総質量Sに対し、好ましくは2〜8質量%、より好ましくは4〜7質量%である。
ゴム臭気消臭用組成物のさらなる具体的態様の一例として、有効成分としてパイン油、リモネン、フェニルエチルアルコール、ベンズアルデヒド、サリチル酸メチル及びゲラニオールを含む態様が挙げられる。この態様の場合(この場合のゴム臭気消臭用組成物を「ゴム臭気消臭用組成物A)と表記する)は、各々の成分を以下の含有割合とすることができる。
ゴム臭気消臭用組成物Aにおいてパイン油の含有割合の下限は、パイン油、リモネン、フェニルエチルアルコール、ベンズアルデヒド、サリチル酸メチル及びゲラニオールの総質量(以下、この総質量を「総質量S1」と表記する)に対し、20質量%とすることができ、好ましくは25質量%、より好ましくは30質量%であり、また、パイン油の含有割合の上限は、前記総質量S1に対し、70質量%とすることができ、好ましくは60質量%、より好ましくは50質量%である。これらの場合ゴム臭気消臭用組成物の消臭効果がより高まりやすく、かつ、パイン油自身の香料臭が強くなりすぎない。
ゴム臭気消臭用組成物Aにおいて、リモネンの含有割合の下限は、前記総質量S1に対し、15質量%とすることができ、好ましくは16質量%、より好ましくは17質量%であり、また、リモネンの含有割合の上限は、前記総質量S1に対し、25質量%とすることができ、好ましくは23質量%、より好ましくは22質量%である。これらの場合、ゴム臭気消臭用組成物の消臭効果がより高まりやすく、かつ、リモネン自身の香料臭が強くなりすぎない。
ゴム臭気消臭用組成物Aにおいて、フェニルエチルアルコールの含有割合の下限は、前記総質量S1に対し、3質量%とすることができ、好ましくは5質量%、より好ましくは8質量%であり、また、フェニルエチルアルコールの含有割合の上限は、前記総質量S1に対し、25質量%とすることができ、好ましくは20質量%、より好ましくは15質量%である。これらの場合、ゴム臭気消臭用組成物の消臭効果がより高まりやすく、かつ、フェニルエチルアルコール自身の香料臭が強くなりすぎない。
ゴム臭気消臭用組成物Aにおいて、ベンズアルデヒドの含有割合の下限は、前記総質量S1に対し、2質量%とすることができ、好ましくは5質量%、より好ましくは8質量%であり、また、ベンズアルデヒドの含有割合の上限は、前記総質量S1に対し、20質量%とすることができ、好ましくは16質量%、より好ましくは13質量%である。これらの場合、ゴム臭気消臭用組成物の消臭効果がより高まりやすく、かつ、ベンズアルデヒド自身の香料臭が強くなりすぎない。
ゴム臭気消臭用組成物Aにおいて、サリチル酸メチルの含有割合の下限は、前記総質量S1に対し、2質量%とすることができ、好ましくは3質量%、より好ましくは5質量%であり、また、サリチル酸メチルの含有割合の上限は、前記総質量S1に対し、20質量%とすることができ、好ましくは13質量%、より好ましくは10質量%である。これらの場合、ゴム臭気消臭用組成物の消臭効果がより高まりやすく、かつ、サリチル酸メチル自身の香料臭が強くなりすぎない。
ゴム臭気消臭用組成物Aにおいて、ゲラニオールの含有割合の下限は、前記総質量S1に対し、1質量%とすることができ、好ましくは2質量%、より好ましくは4質量%であり、また、ゲラニオールの含有割合の上限は、前記総質量S1に対し、10質量%とすることができ、好ましくは8質量%、より好ましくは7質量%である。これらの場合、ゴム臭気消臭用組成物の消臭効果がより高まりやすく、かつ、ゲラニオール自身の香料臭が強くなりすぎない。
なお、念のための注記に過ぎないが、本発明のゴム臭気消臭用組成物(ゴム臭気消臭用組成物Aを包含する)における各成分の含有割合の好ましい上限及び下限はどのように組み合わせてもよい。
ゴム臭気消臭用組成物は、有効成分の他、各種添加剤を含むことができ、一例として界面活性剤を挙げることができる。ゴム臭気消臭用組成物が界面活性剤を含むことで、有効成分を水等の水性媒体に可溶化することができる。これにより、例えば、ゴム臭気消臭用組成物は、水溶性消臭剤として、ゴム製品の加工工場等から外部排出される臭気に対し噴霧したり、対象物であるゴム材料に噴霧等したりすることで、容易、かつ、効率よくゴム臭気を消臭することが可能となる。
界面活性剤の種類は特に限定されず、例えば、公知の界面活性剤をゴム臭気消臭用組成物に広く適用することができる。界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシアルキレンデシルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンイソデシルエーテル等が挙げられる。中でも少量で有効成分を水性媒体に可溶化できる点で、ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシアルキレンラウリルエーテルであることが好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテルであることがさらに好ましい。なお、ノニオン性界面活性剤において、アルキレンとは、例えば、炭素数が1〜10のアルキレンを意味することができ、好ましくは炭素数が1〜5、さらに好ましくは炭素数が1〜3、特に好ましくは炭素数が2である。
ノニオン性界面活性剤のHLBは10以上であることが好ましく、この場合、有効成分を水性媒体に可溶化しやすくなる。
ノニオン性界面活性剤の含有割合は、前記総質量Sを100質量部とした場合、10〜1000質量部とすることができ、20〜800質量部であることが好ましく、30〜600質量部であることがより好ましく、40〜400質量部であることがさらに好ましく、50〜200質量部であることが特に好ましい。これらの場合、有効成分は水性媒体に可溶化しやすく、長期にわたり可溶化が安定し、また、泡立ちも起こりにくい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキススルホコハク酸エステル塩等が挙げられる。中でも少量で有効成分を水性媒体に可溶化でき、組成物の高温安定性も改善されやすい点で、アニオン性界面活性剤は、高級アルコール硫酸エステル塩であることが好ましい。
アニオン性界面活性剤の含有割合は、前記総質量Sを100質量部とした場合、10〜1000質量部とすることができ、20〜800質量部であることが好ましく、30〜600質量部であることがより好ましく、40〜400質量部であることがさらに好ましく、50〜200質量部であることが特に好ましい。これらの場合、有効成分は水性媒体に可溶化しやすく、長期にわたり可溶化が安定し、また、泡立ちも起こりにくい。
ゴム臭気消臭用組成物が界面活性剤を含む場合、ゴム臭気消臭用組成物はさらに水性媒体を含む。水性媒体は、例えば、水、炭素数1〜4の低級アルコール又はこれらの混合物等を挙げることができる。中でも水性媒体は、水が好ましい。水は、蒸留水、水道水、工業用水、イオン交換水、脱イオン水、純水、電解水等の各種の水を用いることができる。
ゴム臭気消臭用組成物は、前記有効成分に加えてさらにノニオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤と、水とを含むことが好ましい。この場合、ゴム臭気消臭用組成物は、有効成分が水に可溶化した水溶性消臭剤として得られるので、ゴム臭気に対し噴霧したり、対象物であるゴム材料に噴霧等したりすることで、容易、かつ、効率よくゴム臭気を消臭することが可能となる。特に、ゴム臭気消臭用組成物は、前記有効成分と、ノニオン性界面活性剤と、アニオン性界面活性剤と、水とを含むことが好ましい。
ゴム臭気消臭用組成物が有効成分の他、界面活性剤及び水性媒体を含む場合、有効成分の含有割合は特に限定されない。例えば、ゴム臭気消臭用組成物に含まれる有効成分、界面活性剤、水性媒体の総質量に対し、有効成分(例えば、パイン油、リモネン、芳香族化合物及び脂肪族アルコール)の含有割合は、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.1〜3質量%とすることができる。また、ゴム臭気消臭用組成物に含まれる有効成分に対し、界面活性剤の含有割合は、好ましくは1〜300質量%、より好ましくは20〜200質量%、さらに好ましくは50〜150質量%、特に好ましくは80〜120質量%とすることができる。
ゴム臭気消臭用組成物が水性媒体を含む場合、水性媒体の含有割合は特に限定されない。例えば、ゴム臭気消臭用組成物に含まれる有効成分、界面活性剤、水性媒体の総質量に対し、水性媒体の含有割合は80質量%以上、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは93質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。
ゴム臭気消臭用組成物は、本発明の効果が阻害されない程度である限り、各種添加剤を含むことができる。添加剤としては、例えば、殺菌剤、消泡剤、凍結防止剤等が挙げられる。ゴム臭気消臭用組成物が添加剤を含む場合、添加剤の含有割合は特に限定されない。例えば、添加剤の含有割合は、ゴム臭気消臭用組成物に含まれる有効成分、界面活性剤、水性媒体の総質量に対し、5質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは、0.1質量%以下、特に好ましくは0.05質量%以下とすることができる。
なお、念のための注記に過ぎないが、本発明のゴム臭気消臭用組成物(ゴム臭気消臭用組成物Aを包含する)における各成分の含有割合の好ましい上限及び下限はどのように組み合わせてもよい。
ゴム臭気消臭用組成物を調製する方法は特に限定されない。例えば各有効成分と、必要に応じて使用される界面活性剤及び水性媒体とをそれぞれ所定の割合で混合することで、ゴム臭気消臭用組成物を調製することができる。
ゴム臭気消臭用組成物を用いてゴム臭気を消臭する方法は特に限定されない。例えば、ゴム製品の加工工場等から外部排出される臭気もしくは対象物であるゴム材料に噴霧する方法、ゴム材料に塗布する方法を挙げることができ、容易にゴム臭気を消臭できるという点で噴霧する方法が好ましい。特に、ゴム臭気消臭用組成物中の有効成分が界面活性剤により可溶化されている場合は、噴霧する方法が好ましい。ゴム臭気消臭用組成物を噴霧する場合は、適宜の方法で噴霧することができ、例えば、二流体ノズル等の公知の噴霧手段を使用することができる。
ゴム臭気を消臭するにあたり、ゴム臭気消臭用組成物の使用量も特に限定されず、ゴム臭気消臭用組成物中の有効成分濃度、ゴム臭気の種類、強度等に応じて適宜選択することができる。例えば、ゴム臭気1立方メートル/分に対し、1〜100cc/分の噴霧速度で噴霧することができる。なお、ゴム臭気消臭用組成物を用いてゴム臭気を消臭するにあたり、必要に応じて水等の水性媒体でさらに希釈して用いることもできる。
本発明のゴム臭気消臭用組成物は、少なくともパイン油及びリモネンを有効成分として含むことから、ゴム臭気を効率よく消臭することができる。限定的な解釈を望むものではないが、本発明のゴム臭気消臭用組成物では、ゴム臭気を必ずしもマスキングするわけではなく、むしろ、ゴム臭気消臭用組成物中の有効成分がゴム臭気を中和あるいは相殺することで臭気濃度を低減させており、これにより、ゴム臭気に対する消臭効果が発揮されるものと推察される。
本発明のゴム臭気消臭用組成物は、ゴム臭気用消臭剤として好適に使用することができ、ゴム材料を使用した製造現場やタイヤの製造工場等で発生するゴム臭を低減するための使用に適している。
本発明のゴム臭気消臭用組成物が適用できるゴムの種類は特に限定されず、例えば、公知のゴム材料に広く適用することができる。中でも、タイヤ等の製造に使用されるゴムに好適に使用することができ、タイヤを製造するために使用される天然ゴム等に対して効果的に消臭することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
<有効成分>
ゴム臭気を消臭するための有効成分として、下記の各種化合物を準備した。
・パイン油(日本テルペン化学社製「パインオイルNT−20」)
・D−リモネン(塩野香料社製「D−LIMONENE」)
・ベンズアルデヒド(塩野香料社製「ベンズアルデヒド」)
・サリチル酸メチル(塩野香料社製「メチルサリシレート」)
・ゲラニオール(塩野香料社製「ゲラニオール」)
・フェニルエチルアルコール(塩野香料社製「フェニルエチルアルコール」)
<界面活性剤>
・ノニオン性界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(第一工業製薬製「ノイゲンET135」)
・アニオン性界面活性剤:アルキル硫酸アステルトリエタノールアミン塩(第一工業製薬製「モノゲンT423S」)
(調製例1)
後掲の表1に示す配合割合で有効成分を調製した。具体的に、パイン油68質量%、D−リモネン24質量%、ベンズアルデヒド2質量%、サリチル酸メチル2質量%、ゲラニオール1質量%及びフェニルエチルアルコール3質量%で構成される有効成分1を調製した。
(調製例2〜6)
パイン油、D−リモネン、ベンズアルデヒド、サリチル酸メチル、ゲラニオール及びフェニルエチルアルコールの配合割合を後掲の表1に示す配合割合に変更したこと以外は調製例1と同様の方法で有効成分をそれぞれ調製した。調製例2〜6で得られた有効成分をそれぞれ有効成分2、有効成分3、有効成分4、有効成分11、及び、有効成分12とした。
Figure 0006733066
(実施例1)
後掲の表2に示すように、前記有効成分1が1質量%、前記ノニオン界面活性剤が1質量%、前記アニオン界面活性剤が1質量%、水が97質量%となるように、各原料を配合することで、試験サンプル1を得た。具体的には、所定量の前記有効成分1と前記ノニオン界面活性剤と、前記アニオン界面活性剤とを混合し、ラボディスパーで攪拌しながら水を少量ずつ添加することで、試験サンプル1を得た。
(実施例2)
前記有効成分1を前記有効成分2に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、試験サンプル2を得た。
(実施例3)
前記有効成分1を前記有効成分3に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、試験サンプル3を得た。
(実施例4)
前記有効成分1を前記有効成分4に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、試験サンプル4を得た。
(実施例5)
後掲の表2に示すように、前記有効成分3が1質量%、前記ノニオン界面活性剤が0.2質量%、前記アニオン界面活性剤が0.2質量%、水が99.6質量%となるようにしたこと以外は実施例3と同様の方法で、試験サンプル5を得た。
(実施例6)
前記有効成分1を前記有効成分12に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、試験サンプル12を得た。
(比較例1)
前記有効成分1を前記有効成分11に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、試験サンプル11を得た。
(比較例2)
所定量の前記ノニオン界面活性剤と、前記アニオン界面活性剤とを混合し、ラボディスパーで攪拌しながら水を少量ずつ添加することで、表2に示す配合割合の試験サンプル21を得た。
(評価方法)
各実施例で得られた試験サンプルの外観評価、ラボ消臭試験及びタイヤ工場での消臭試験を以下の手順で実施した。
<外観評価>
試験サンプルを25℃及び50℃の恒温槽にそれぞれ保存し、24時間後の外観を目視観察した。
<ラボ消臭試験>
自動車タイヤなどで使用されている一般用天然ゴムを5mm片の立方体にカットし、そのうちの20gを150℃のホットプレートで加熱した。この加熱により発生する臭気をテドラバッグに捕集し、捕集したゴム臭気をGC−MSで組成分析した。なお、この組成分析では、ケトン類(メチルビニルケトン、メチルエチルケトン)、アルデヒド類(イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、ブテナール)等が検出された。前述のテドラバッグに捕集したゴム臭気を1Lのテドラバックに小分けし、そこへ水で30倍希釈した試験サンプルを100μL注入した。この注入から10分後、1Lのテドラバック内の臭気強度及び快不快度を、6名のパネラーによる官能評価により、下記評価基準により臭気判定した。
≪臭気強度≫
0:無臭
1:やっと感知できるにおい(検知閾値)
2:何のにおいであるかわかる弱いにおい(検知閾値)
3:楽に感知できる臭い
4:強いにおい
5:強烈なにおい
≪快不快度≫
+4:極端に快
+3:非常に快
+2:快
+1:やや快
0:快でも不快でもない
−1:やや不快
−2:不快
−3:非常に不快
−4:極端に不快
<タイヤ工場での消臭試験>
ゴム加工工場にて発生する天然ゴム由来のゴム臭気を、排気ダクトを使って工場外に排気放出する際に、試験サンプルをダクト内へ噴霧し、噴霧前のダクト内の臭気(原臭)及び噴霧後の臭気(処理臭)を採取し、両者の臭気濃度を測定することで、消臭効果を確認した。ここでいう臭気濃度は、臭気を無臭空気で希釈し、臭気を感じなくなる希釈倍数を示すもので、平成7年9月13日環境庁告示第63号「臭気指数の算定方法」に準拠して測定した値とした。試験で使用した試験サンプルは、実施例2で得られた試験サンプル2を水で30倍に希釈して調製した。また、排気臭気1m/分に対し、前記希釈した試験サンプルを二流体ノズルにより、1cc/分の割合でダクト内に噴霧した。
Figure 0006733066
表2には、各実施例及び比較例で得られた試験サンプルの配合割合と共に、外観評価の結果を示している。ノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤が一定量含まれる場合は、有効成分の水への可溶化が起こりやすく、濁りが発生しにくいことがわかった。
Figure 0006733066
表3には、各実施例及び比較例で得られた試験サンプルのラボ消臭試験の結果を示している。表3から、実施例で得られた試験サンプルは、臭気強度が比較例に比べて低減し、また快不快度も改善できていることがわかり、優れた消臭効果が認められた。特に、実施例1〜4及び6で得られた試験サンプルは濁りも起こっていないので、例えば、ノズル等により噴霧して使用したとしても、詰まりが起こりにくいといえる。
Figure 0006733066
表4には、実施例2で得られた試験サンプルのタイヤ工場での消臭試験の結果を示している。表4から、実施例2で得られた試験サンプルを噴霧するとゴム臭気の臭気濃度が低下しているとがわかり、実機でも消臭効果が認められた。

Claims (7)

  1. パイン油及びリモネンを少なくとも含む、ゴム臭気消臭用組成物。
  2. 芳香族化合物及び脂肪族アルコールをさらに含む、請求項1に記載のゴム臭気消臭用組成物。
  3. 前記パイン油、前記リモネン、前記芳香族化合物及び前記脂肪族アルコールの総質量に対し、前記パイン油の含有割合が20〜70質量%であり、前記リモネンの含有割合が15〜25質量%であり、前記脂肪族アルコールの含有割合が1〜10質量%であり、残部が前記芳香族化合物である、請求項2に記載のゴム臭気消臭用組成物。
  4. 前記芳香族化合物が、フェニルエチルアルコール、ベンズアルデヒド及びサリチル酸メチルからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2又は3に記載のゴム臭気消臭用組成物。
  5. 前記脂肪族アルコールがゲラニオールを含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載のゴム臭気消臭用組成物。
  6. さらにノニオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤と、水とを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム臭気消臭用組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム臭気消臭用組成物を噴霧する工程を備える、ゴム臭気の消臭方法。
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