JP6732239B2 - パワーモジュール基板およびその生産方法 - Google Patents

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Description

本発明は、大電流、高電圧を制御することが可能な半導体装置に用いられるパワーモジュール基板、およびその生産方法に関する。
半導体素子の中でも電力供給のためのパワーモジュール基板は、発熱量が比較的高いため、これを搭載する基板としては、例えば、AlN(窒化アルミ)、Al23(アルミナ)、Si34(窒化ケイ素)等のセラミックス基板が用いられることが多かった。そして、このセラミックス基板の一方または両方の主面に、ロウ材を介して金属回路板を接合する活性金属ロウ付け法が、従来広く採用されてきた。とりわけ、銅回路板は、電気抵抗が少なく電気伝導性に優れ、かつ、安価なことから、注目されてきた。
このようなパワーモジュール基板を製造する際には、ロウ材および金属回路板を所望の形状に加工する作業が行われることがあるが、その作業においてエッチング技術が用いられることがあった。例えば、金属回路板に耐エッチング性のあるレジスト材を所望の形状に塗布した上で、この金属回路板に対してエッチング処理をすることによって、所望の形状を呈する金属回路板が形成されていた。
ところが、エッチング処理においては、通常、金属回路板の深さ方向と同時に幅方向にもエッチングが進むサイドエッチングが発生する。このため、金属回路板を所望形状に加工する際に、サイドエッチングの影響を考慮する必要が生じ、その結果として、設計上の制約という不都合が生じることがあった。
そこで、従来技術の中には、セラミックス基板の主面に金属回路板が接合された回路基板において、金属回路板は、縦断面形状が台形状の接地導体と、縦断面形状が三角形状でかつ頂部の高さが接地導体の上面よりも低い線路導体とを併設して成る構成を採用するものがあった(例えば、特許文献1参照。)。このような構成を採用することにより、線路導体の一部狭ピッチ化、およびそれに伴う小型化を実現でき、安価でかつ小型で、大電流を流す接地導体と小電流を流す線路導体を高密度に混在させること等が可能になる、とされていた。
特許4484676号
しかしながら、上述の従来技術では、サイドエッチングが生じた際における不具合の程度を最小限にする試みがされているだけであり、サイドエッチング自体を積極的に抑制しようという試みが十分になされているとは言えなかった。サイドエッチングはエッチング処理において不可避的に発生する現象であるが、本来は、このサイドエッチング自体の発生を抑制することが好ましいのである。サイドエッチング自体の発生を抑制することができれば、エッチング処理を行う場合でも、設計上の制約を受けにくくなるため、サイドエッチング自体の発生を抑制する試みは非常に重要であると言える。
本発明の目的は、設計上の制約を受けにくい構成のパワーモジュール基板、およびこのパワーモジュール基板の生産方法を提供することである。
この発明に係るパワーモジュール基板は、セラミックス基板および金属回路板を少なくとも備える。セラミックス基板の素材の代表例は、Si34(窒化ケイ素)であるが、AlN(窒化アルミ)やAl23(アルミナ)やその他の素材を用いることも可能である。金属回路板は、セラミックス基板にロウ材を介して接合される。この金属回路板は、その輪郭部にテーパ部を有する。テーパ部は、その水平方向の幅が、垂直方向の高さの半分以下になる形状を呈している。
エッチング処理によって金属回路板やロウ材の加工を行った場合、サイドエッチングの影響でテーパ部の幅と高さがほぼ等しくなり、傾斜角度が45度程度の形状になってしまう。このような形状であれば、微細な回路パターンが形成しにくくなったり、金属回路板のトップ部分を幅広に形成しにくかったりと設計上の制約を受けることがあった。この発明では、テーパ部は、その水平方向の幅が、垂直方向の高さの半分以下になる形状を呈していることから、微細な回路パターンや幅広のトップ部分等を実現し易い。
この発明に係るパワーモジュール基板の生産方法は、セラミックス基板にロウ材を介して金属回路板が接合されてなるパワーモジュール基板に適用するものであり、マスキングステップ、パターニングステップ、およびエッチングステップを少なくとも含んでいる。マスキングステップでは、金属回路板に自己粘着型耐エッチングフィルムを貼付する。パターニングステップでは、自己粘着型耐エッチングフィルムに対して、所望形状の回路パターンに対応するパターニング処理を施すことによって、自己粘着型耐エッチングフィルムにおける回路パターンに対応する領域以外を除去する。エッチングステップでは、自己粘着型耐エッチングフィルムが除去された領域をスプレイエッチング処理によってエッチングする。
このような生産方法においては、自己粘着型耐エッチングフィルムで覆われていない領域に対してスプレイエッチングを行うことによって、サイドエッチングが発生しにくくなり、エッチング処理によって形成される金属回路板やロウ材の輪郭部におけるテーパ部の傾斜面が垂直に近づき易くなる。この結果、テーパ部は、その水平方向の幅が垂直方向の高さの半分以下、さらに好ましくは4分の1程度になる形状を呈しやすくなり、微細な回路パターンや幅広のトップ部分等を実現し易くなる。
上述のパターニングステップにおいて、レーザによって、自己粘着型耐エッチングフィルムとともに金属回路板の一部を除去することが好ましい。エッチング処理の前に予め金属回路板のエッチング箇所を除去しておくことにより、サイドエッチングの影響をさらに低減させることが可能になる。
この発明によれば、設計上の制約を受けにくい構成のパワーモジュール基板を実現することが可能になる。
本発明の一実施形態に係るパワーモジュール基板の概略を示す図である。 パワーモジュール基板における金属回路板端部の形状を示す図である。 パワーモジュール基板に対するエッチング処理の一例を示す図である。 パワーモジュール基板に対するエッチング処理の一例を示す図である。 パワーモジュール基板に対するレーザパターニング処理の例を示す図である。 パワーモジュール基板に対するエッチング処理の一例を示す図である。 エッチング処理におけるフィルム剥離機構の概略を示す図である。 エッチング処理に用いるスプレイエッチング装置のバリエーションを示す図である。
図1(A)および図1(B)は、本発明の一実施形態に係るパワーモジュール基板10の概略を示している。パワーモジュール基板10は、Si34(窒化ケイ素)を主成分とする厚さ1〜10mm程度のセラミックス基板16を備える。このセラミックス基板16の第1の主面(図中の上側主面)には、ロウ材14を介して、厚さ0.5〜4mm程度の上側回路銅板12が接合される。ロウ材は、活性銅接着の用途で用いられるものであり、銀、銅、およびバインダ等を含んでいる公知のロウ材を用いることが可能である。一般的にはロウ材の厚みは、0.01〜0.10mm程度である。上側回路銅板12は、半導体素子を搭載して電気的導通状態を形成するように構成される。
一方で、セラミックス基板16の第2の主面(図中の下側主面)には、ロウ材14を介して下側回路銅板18が接合される。下側回路銅板18の厚みは概ね上側回路銅板12と同様である。下側回路銅板18は、上側回路銅板12に搭載される半導体素子から発生する熱を放熱させるように構成される。ここで説明した、上側回路銅板12および下側回路銅板18の構成はあくまで一例であり、本発明はこのような構成に限定されるものではない。
続いて、図2を用いて、パワーモジュール基板10における上側回路銅板12および下側回路銅板18の形状の特徴を説明する。同図に示すように、上側回路銅板12および下側回路銅板18は、ともに端部が垂直に近い状態でエッジが立った形状を呈している。
例えば、上側回路銅板12においては、サイドエッチングによって形成されるテーパ部の水平方向における幅(サイドエッチング幅)D1が垂直方向のエッチング量T1の半分以下に抑えられている。また、下側回路銅板18においても同様に、サイドエッチングによって形成されるテーパ部の水平方向における幅D2が垂直方向のエッチング量T2の半分以下に抑えられている。テーパ部の幅は、水平面に投影した幅を直接測定しても良いが、例えば、銅回路板の最上位置の幅(Top幅)を銅回路板の最下位置の幅(Bottom幅)で減じた値を、さらに2で割った値で求めることが可能である。
通常は、上側回路銅板12のサイドエッチング幅D1は、上側回路銅板12の垂直方向のエッチング量T1とほぼ等しくなり、下側回路銅板18のサイドエッチング幅D2は、下側回路銅板18の垂直方向のエッチング量T2とほぼ等しくなる傾向があるが、この実施形態では、後述する処理を行うことによって、サイドエッチング幅D1およびサイドエッチング幅D2の抑制を図っている。
続いて、図3(A)〜図3(C)および図4(A)〜図4(C)を用いて、パワーモジュール基板10の生産方法について説明する。まず、図3(A)および図4(A)に示すように、上側回路銅板12および下側回路銅板18のそれぞれにマスキングフィルム20を貼付する。このマスキングフィルム20は、自己粘着型耐エッチングフィルムである。マスキングフィルム20の厚みは、0.05mm〜0.20mm程度である。
自己粘着型貼着というものは、粘着剤を使わずに、フィルムやシート自身の粘着力で粘着可能であるとともに剥離も可能であり、剥離した後に糊残りが全く無いという特徴を有している。すなわち、自己粘着型貼着は、粘着及び剥離が可逆的に可能である着脱自在という特徴を有している。自己粘着性を有するフィルムやシートとして、塩化ビニル樹脂(PVC)や、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)や、ポリエチレン樹脂(PE)等が使用可能である。
この実施形態では、アキレス製のアキレスハイタック(軟質塩化ビニル樹脂)を用いている。ただし、マスキングフィルム20として、スミロン社製のE−75M(ポリエチレン樹脂)やV−325(軟質塩化ビニル樹脂)、パナップ製のゲルポリ(ポリオレフィン系樹脂)、龍田化学のKT−V290(ポリエチレン/EVA系樹脂等の自己粘着型耐エッチングフィルムを用いることも可能であり、かつ、ここに列挙しているフィルムに限定されるものではない。
マスキングフィルム20の貼付に続いて、図3(B)および図4(B)に示すパターニング処理が行われる。ここでは、ピコ秒レーザを出力可能なレーザパターニング装置を用いてマスキングフィルム20を所望の回路形状に加工している。
その後、図3(C)および図4(C)に示すように、マスキングフィルム20が剥離された部分をエッチング液に接触させるエッチング処理が実行される。上側回路銅板12および下側回路銅板18と、ロウ材14とは、それぞれ異なるエッチング液によってエッチング処理される。この実施形態では、上側回路銅板12および下側回路銅板18のエッチング処理には、塩化第二鉄液と塩酸を一定の割合で混合したエッチング液が用いられており、ロウ材14のエッチング処理には、フッ化アンモニウム(NH4F)、フッ化水素アンモニウム(NH4)HF2、および過酸化水素水(H22)を混合したエッチング液が用いられている。ただし、上側回路銅板12、下側回路銅板18、およびロウ材14のエッチング処理に用いるエッチング液の組成はこれらに限定されるものではない。
この実施形態において特徴的なことは、図3(B)および図4(B)に示すレーザパターニングにおいて、マスキングフィルム20を除去する通常の処理に加えて、さらに上側回路銅板12および下側回路銅板18をレーザパターニング装置によって削ることである。例えば、図5(A)に示すように、レーザ加工によって上側回路銅板12および下側回路銅板18の一部を削ることによって、エッチング処理によって削る必要量が少なくなるため、サイドエッチングの影響を低減することが可能になる。
理想的には、図5(B)に示すように、レーザパターニング装置において上側回路銅板12および下側回路銅板18とロウ材14との界面ぎりぎりまで削ることである。ただし、この場合レーザの焦点を設定することが難しくなることがあり、かつ、レーザがセラミックス基板16まで到達してセラミックス基板を汚損してしまうリスクが考えられる。このため、実際には、図5(C)に示すように板厚の中央、好ましくは板厚の4分の3程度削ることが可能な位置にレーザの焦点を設定すると良い。焦点の設定においては、マスキングフィルム20から焦点を離し過ぎてしまって、本来の目的であるマスキングフィルム20の剥離が適切にできなくならないように留意することが必要である。また、焦点の設定以外にも、レーザの照射量や加工速度等を適宜調整することにより、好ましい処理条件を都度設定することが重要である。
また、図6(A)に示すようなスプレイエッチング装置100を用いることによっても、サイドエッチング幅D1およびサイドエッチング幅D2の抑制を図ることができる。スプレイエッチング装置100は、導入部112、前処理室114、エッチング室(115,116)、洗浄室(117,118)、ピーリング室120、および排出部122を備えている。これらの各部の間にはそれぞれパワーモジュール母材124が通過可能なスリット状の開口が設けられた隔壁が配置されており、パワーモジュール母材126が複数の搬送ローラ126によって導入部112から各部を経由して排出部122まで搬送される。
この実施形態では、スプレイエッチング装置100で処理されるパワーモジュール母材124として、パワーモジュール基板を9面取り(3×3)することが可能なものを使用しているが、この構成には限定されない。また、複数の搬送ローラ126によって搬送路を構成しているが、ベルトコンベアを採り入れた搬送路を構成するようにしても良い。
導入部112は、上面が開放されており、スプレイエッチング装置100にてエッチング処理が施されるパワーモジュール母材124を受け入れるように構成される。通常、処理すべきパワーモジュール母材124は、オペレータまたはロボットによって導入部112の搬送ローラ26上に載置される。前処理室114は、パワーモジュール母材124に対してエッチング処理の前処理を施すように構成される。この実施形態では、前処理室14にて、パワーモジュール母材の表面を硫酸によって酸洗いする。ただし、前処理室114において、水洗浄、脱脂、他の酸洗浄、アルカリ洗浄等を実施することも可能であり、また、前処理が不要な場合には、前処理室114自体をスプレイエッチング装置100から省略することも可能である。
エッチング室115およびエッチング室116は、それぞれパワーモジュール母材124に対してエッチング処理を行うように構成される。エッチング室115内においては、第1の銅板12および第2の銅板18のエッチング処理が行われる。この実施形態では、エッチング室115内において、塩化第二鉄液と塩酸を一定の割合で混合し、純水または塩酸を適宜補充されるエッチング液が、スプレイノズルからパワーモジュール母材124に吹き付けられる。
一方で、エッチング室116内においては、ロウ材のエッチング処理が行われる。この実施形態では、エッチング室116内において、フッ化アンモニウム(NH4F)、フッ化水素アンモニウム、過酸化水素水を適宜混合したエッチング液が、スプレイノズルからパワーモジュール母材124に吹き付けられる。
洗浄室118は、洗浄水によってパワーモジュール母材124を洗浄するように構成される。
ピーリング室120は、パワーモジュール母材124に貼り付けられた、マスキングフィルム20(自己粘着型耐エッチングフィルム)を自動的に剥離するように構成される。
ピーリング室120は、搬送路におけるエッチング室115,116および洗浄室117,118の下流に配置される。ピーリング室120は、パワーモジュール母材124に貼付されたマスキングフィルム20を剥離するピーリングユニット200を備えている。ピーリングユニット200は、図7に示すように、ピーリングシート202、供給ロール204、巻取ロール206、加圧ロール208、およびテンションロール210を備える。
ピーリングシート202は、パワーモジュール母材124に貼付されたマスキングフィルム20を剥離するためのもので、本実施形態では日東電工製の粘着シート(ポリエステル粘着テープNo.315)が用いられる。ピーリングシート202としては粘着力が所望の範囲に入るものあれば特にその構成が限定されるものではなく、ナイロンまたはポリエステルの微細繊維から構成されるクロスや、紙ウェスやその他の材質のものを用いることが可能である。
供給ロール204は、ピーリング位置に供給されるピーリングシート202を巻きつけて収容するように構成される。巻取ロール206は、ピーリング位置において剥離処理を行った使用済のピーリングシート202をマスキングフィルム20ごと回収するように構成される。加圧ロール208は、ピーリングシート202をパワーモジュール母材124の方向に押し付けるように構成される。テンションロール210は、ピーリングシート202を効果的に張った状態で架けまわすために設けられる。
ピーリング位置において加圧ロール208によってパワーモジュール母材124に押し当てられたピーリングシート202が、パワーモジュール母材124に貼り付いたマスキングフィルム20を粘着して取り除く。ピーリングシート202とマスキングフィルム20との間の粘着力が、マスキングフィルム20と上側回路銅板12および下側回路銅板18との粘着力よりも強固であれば、マスキングフィルム20を上側回路銅板12および下側回路銅板18側からピーリングシート202側に移すことが可能となる。
この発明に好適に用いられる自己粘着型のフィルムの180度引き剥がし法による粘着力は、概ね0.1N/幅25mm〜3.2N/幅25mmの範囲内になっている。この実施形態では、日東電工製のポリエステル粘着テープNo.315をピーリングシート202に用いることにより、好適にマスキングフィルム20の自動剥離を行っている。ピーリングシート202に用いる粘着シートは、必ずしもこれに限定されるものではなく、1.35N/10mm程度の粘着力を有するシートであれば、ピーリングシート202として使用することが可能である。
さらに、ピーリング処理を行う前に、5〜20重量%程度の水酸化ナトリウム水溶液に5〜20分程度接触させることによって、ピーリング処理がより円滑に行えるようになることが出願人の実験によって明らかになっている。その理由は、水酸化ナトリウム水溶液がマスキングフィルム20と上側回路銅板12および下側回路銅板18との間に侵入することによってこれらの間の粘着力を低下させる一方で、マスキングフィルム20表面の不純物や汚れが除去されることによってピーリングシート202とマスキングフィルム20との間の粘着力が増加するからであると考えられている。
スプレイエッチング装置100のような枚葉式の連続処理を行う装置においては、例えば、図8に示すように、ピーリング室120の前段に水酸化ナトリウム水溶液をオーバーフローさせつつ、搬送中のパワーモジュール母材124に接触させる中間処理室130と、パワーモジュール母材124から水酸化ナトリウムを洗い流す洗浄室140を設けることが好ましい。水酸化ナトリウムをスプレイする構成も採用可能であるが、その場合には、水酸化ナトリウム水溶液がマスキングフィルム20と上側回路銅板12および下側回路銅板18との間に侵入し易くなるように、パワーモジュール母材124に対して水平方向や斜め方向から水酸化ナトリウム水溶液をスプレイする構成を採り入れることが好ましい。
マスキングフィルム20は、粘着剤が残らない自己粘着型のフィルムであるため、ピーリング処理によって確実にマスキングフィルム20の剥離が可能となる。この実施形態のように自動的に剥離処理を行わない場合には、手動で剥離処理を行うようにしても良い。その場合においても、粘着剤が残らない自己粘着型のフィルムは作業性の向上に寄与する。
ピーリング室120において、パワーモジュール母材124がピーリング位置に到達したことをセンサ(図示省略)によって検出すると、巻取ロール206がピーリングシート202の巻取を開始するため、パワーモジュール母材は常に供給ロール204から供給される清潔なピーリングシート202に接触する。この結果、ピーリング処理時におけるパワーモジュール母材124の汚損を防止することが可能になる。ここでは、ピーリング位置においてピーリングシート202がパワーモジュール母材124の搬送方向と同じ方向(順方向)に進行するように供給ロール204および巻取ロール206を配置することで、ピーリングシート202によるピーリング効率の向上を図っているが、この構成に限定されることはない。
ピーリング室118の下流には洗浄室120が配置されており、ピーリングされたパワーモジュール母材124は洗浄室120に案内される。洗浄室120は、パワーモジュール母材124を水洗いするための水洗シャワーノズルおよびパワーモジュール母材124の水切りを行うためのエアナイフを備えており、必要に応じて、パワーモジュール母材は洗浄室120において水洗いされる。なお、洗浄室120において、水ではなく洗浄液を用いた洗浄が必要な場合には、適宜、そのような洗浄を行うようにすると良い。
洗浄室120の後段の排出部122は、搬送路の最下流に配置されており、上方が開放するように構成される。スプレイエッチング装置100内にてエッチング処理およびピーリング処理が施されたパワーモジュール母材124は、排出部122まで搬送され、搬送ローラ126の上からオペレータまたはロボットによって回収される。
スプレイエッチング装置100を用いることにより、エッチング液に浸漬(ディップ)する場合に比較してサイドエッチングの量を抑制することが可能になる。また、エッチング液に浸漬(ディップ)する場合に比較して、ロウ材のエッチングにかかる時間を短縮することが可能になる。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10−パワーモジュール基板
12−上側銅回路板
14−ロウ材
16−セラミックス基板
18−下側銅回路板
20−マスキングフィルム
100−スプレイエッチング装置
124−パワーモジュール母材
200−ピーリングユニット

Claims (2)

  1. セラミックス基板にロウ材を介して金属回路板が接合されてなるパワーモジュール基板の生産方法であって、
    前記金属回路板に自己粘着型耐エッチングフィルムを貼付するマスキングステップと、
    前記自己粘着型耐エッチングフィルムに対して、所望形状の回路パターンに対応するパターニング処理を施すことによって、前記自己粘着型耐エッチングフィルムにおける回路パターンに対応する領域以外を除去するパターニングステップと、
    前記自己粘着型耐エッチングフィルムが除去された領域をスプレイエッチング処理によってエッチングするエッチングステップと、
    を少なくとも含むパワーモジュール基板の生産方法。
  2. 前記パターニングステップにおいて、レーザによって、前記自己粘着型耐エッチングフィルムとともに前記金属回路板の一部を除去することを特徴とする請求項に記載のパワーモジュール基板の生産方法。
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