JP6732164B2 - トナー画像転写方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トナー画像を布地面に転写する転写方法に関する。
熱転写シートにトナー画像を形成してこれをTシャツ等の布地面に転写する手法において、Tシャツ布地が濃色であっても画像下層に白色の接着層を加えて画像が鮮明に見えるよう転写する手法がある。白色のポリウレタン樹脂層上にトナー画像を正像で形成して、基材を除くポリウレタン樹脂層だけに切れ目を入れ不要部分を離形紙から引き剥がして除き、残った転写したい部分だけをアプリケーションテープで拾い上げて布地に移載して熱圧着させる特許文献1の手法が一例である。画像に沿ってカッティングをして行くが、画像輪郭部に刃先を完璧に位置合わせするのは難しく、画像の周囲に白色層がはみ出る問題がある。又、カッテイング装置が必要になることも敬遠される理由である。
特許文献2は、基材、離型層、PVA層かポリエステル樹脂層、の三層から成る受像シートと、基材、離型層、接着層、色彩層の四層から成る接着層シートを用い、何れかのシート面にトナー画像を形成し、両シートを重ね合わせて加熱プレスした後で剥すことで、受像シートのトナー画像上にのみ剥離した接着層シートの色彩層と接着層の二層を転移させる手法である。色彩層の色を白色とすれば下地の色の影響を制限できるので濃色面への転写にも使用できる。この受像シートをTシャツに載せて貼り合わせて、PVA層かポリエステル樹脂層を残して受像シートを剥し取り、さらに再加熱プレス後にPVAフィルムかポリエステル樹脂フィルムを剥がすことで画像がTシャツに転写される。熱プレス作業二回と貼り合わせ作業一回を必要とする、カッティング工程を不要とするトナー画像の転写手法である。
一方、特許文献3は、水溶性層を有するシート上に無機顔料トナー画像を形成してタイルなどの窯業製品に画像を転写する手法である。画像を覆うようシート面にスプレーなどの手法で樹脂フィルム層を形成しておけば、このシートを水中に浸漬して水溶性層を溶解させても、画像はばらばらにならずに樹脂フィルム層に付着したまま浮遊する。この樹脂フィルム層を陶磁器製品に貼り付け、後に焼成すると、樹脂フィルム層は蒸発して無機顔料画像が残る。
布地用ではないが、近年は水溶性層を有するシート上画像にインクジェットプリンタで接着膜層を被せて被印刷物に非加熱圧着させた後、転写シートに水分を付与してベースシートを剥離除去する画像転写手法も提案されている(特許文献4参照)。
特開平10−325087 号 特開平9−87980 号 特開平10−115948 号 特許6074563号 公報
以上に述べたように、特許文献2のような手法を採れば、濃色Tシャツ布地への転写において、接着層シートからトナー画像部分のみに接着層、白色層(以下、白色接着層)を転移させることが出来、カッティング工程を省いて画像転写が可能になるが、カッティングと同様のシャープな輪郭で白色接着層をちぎり取るのが難しい。シャープな輪郭とは例えば、画像にVの字型の鋭角の切れ込みがある場合に、Uの字型に切れ取られないようにすることである。
トナー画像部分への白色接着層の転移は、トナーと白色接着層を重ね合わせて140℃程度で熱プレスした後に、放置時間を取って温度を下降させると、素早く硬化するトナーに白色層が付着する一方、硬化の遅い接着層が離型層から離れて白色層と共に受像シート側に移るということで起こる。この白色接着層転移工程において、白色接着層がシャープに切れない問題が起こるのだが、原因は、熱プレス後の時間とともにゆっくりではあるが硬化を始める接着層の引き裂き強度が高まってくることである。輪郭のシャープさ以外にも、白色接着層転移不良、トナー一部の白色接着層側への逆転移などの問題も起こっている。温かいうちに剥がすので、両シート引き剥がし時に保たれている温度によって結果がばらつくのである。熱プレス後の厳密な作業時間管理は難しく、このような問題が起こり易い。
ここでさらに取り上げなければならない問題は、布地などの素材側からPVAかポリエステル樹脂フィルムを引き剥がす際の問題である。フィルムを布地に当てがって140℃〜160℃で熱プレスして接着し、その後フィルムを布地から剥がすが、温度が高目だと、軟化している接着層が相関剥離状態で剥がれてしまう。温度が低過ぎれば、硬化したトナーとフィルムの接着力が強まり、布地側に残るべきトナー一部を持ち上げてしまう。温度が適正範囲を超えると、このような問題が起こる。特に、鋭角に尖った画像エッジ先端から剥がそうとすると、布地に残るべき画像エッジが白色層とともに受像シート側に付いて来たりする。上記した問題はすべて、受像シート、接着層シートの両方に離型層を持たせた従来シートが基本的に抱える欠点から生じている。
窯業製品への画像転写に利用される水溶性層付きシートは、Tシャツ等の布地面への転写には用いられていない。ガラスフリットの焼成によって画像を転写対象物へ固定する手法が、布地には適用できないからである。同じ水溶性層付きシートを用いた転写法で提案されているインクジェットで接着層を画像面に形成する手法は、接着層が布地に対して接着力が無い。これらの手法で画像接着が出来たとしても、水分付与作業に手間がかかることは大きな問題になると思われる。布地面への転写では、窯業製品への転写のように浸水はできない。水を含ませたスポンジを手に持ってシート上を移動させ、シート背面から水分を付与すると、場所によって水分付与量がばらつく。結果として、剥離出来ない箇所が出て、追加の水分付与が必要になる。さらに問題なのは、水が過剰な場所では、溶解した水溶性樹脂が布地面に着き、布地に浸みのような汚れ跡が残ることである。商品としては外観が悪いので洗濯して落とさなければならない。
本発明は、受像シートと接着層シートを用いてカッティング工程無しにトナー画像転写をする作業において、厳密な温度と時間の管理をしなくても容易に画像の形を精密に転写できる方法を提供することを目的としたものである。
本発明第一の課題解決手段は、上記目的を達成するために、トナー画像をTシャツ等の布地面に転写する方法において、水浸透性のある基材上に水溶性層を形成した受像シートにトナー画像を印刷する第一工程と、第一工程を経た受像シートと、基材に離型層、接着層、白色層の順に三層を形成した接着層シートを重ね合わせて熱プレスした後に両シートを引き剥がして前記トナー画像上に該白色層、該接着層の二層(白色接着層)を転移させる第二工程と、第二工程を経た前記受像シートを布地面に当てがって熱プレスして接着し、その後該受像シートの基材背面から水分を付与して前記水溶性層を溶かして該受像シートを剥がす第三工程からなることを特徴とするトナー画像転写方法を採用したものである。
また、第二の課題解決手段は、前記第一〜第三工程からなるトナー画像転写方法において、第三工程における受像シートの基材背面から水分を付与する方法が、熱プレスによって布地面に接着された該受像シート背面上で、水を含ませた連続した気孔構造を持つ吸水性スポンジローラーを転がす方法である、
ことを特徴とするものである。
また、第三の課題解決手段は、前記第一〜第三工程からなるトナー画像転写方法において、第三工程における受像シートの基材背面から水分を付与する方法が、熱プレスによって布地面に接着された該受像シート背面に、水を含ませた連続した気孔構造を持つ疎水性の形状記憶型弾性体から成る平板状保水体を一定時間載せる方法である
ことを特徴とするものである。
また、第四の課題解決手段は、前記第一〜第三工程からなるトナー画像転写方法において、前記疎水性の形状記憶型弾性体が軟質ウレタンフォームであって、前記連続した気孔構造が気泡の連通した構造から成り、セル数が12個/25mm〜100個/25mm(JIS K 6400−1)存在するものであり、密度が40〜100Kg/m3であることを特徴とするものである。
上記第一の課題解決手段による作用は、画像への接着剤転移と、布地など素材からの画像を残しての受像シートの剥離を容易にできることである。
本発明は、従来のシートの受像シート側とトナー、トナーと白色接着層、白色接着層と接着層シート側に存在した三つの相関接着力変化問題に着目して、受像シートから離形層を排し、これに代わって水溶性層を採用することで、受像シート側とトナー、トナーと白色接着層間接着力の温度依存性を著しく軽減することに成功した。
水浸透性のある基材に水溶性層を塗布した受像シートとしては、市販の陶器用水転写紙を利用できる。トナー画像を印刷する第一工程は市販のレーザープリンタなどで容易に行える。接着層シート表面は酸化チタンなどから成る白色層で熱接着性は無いので、受像シート水溶性層と接着層シートを重ね合わせて熱プレスする第二工程でも、画像の無い部分での白色接着層の受像シート側への接着転移は起こらない。転移するのは、接着性を発現する軟化トナー画像上だけである。水溶性層に離形性は無いので、接着層付きトナーは強力に受像シート側に接着される。
従来比では、熱プレス後でまだ温度が高くトナー硬化が十分進まない段階ではPVAあるいはポリエステル樹脂フィルムは高い離形性を示すので両シートは剥がせない。水溶性層なら接着力が高いのでより高温領域でも作業が出来る。又、温度が下がって引き裂き強度が高まった白色接着層であってもシャープに切りたいなら、トナーと白色接着層をそれぞれの基材側に強く付着保持させなければならない。水溶性層なら少なくともトナーと受像シート側接着力は強力なので、従来比で作業範囲がより低温領域まで取れる。より忠実に画像の形で白色接着層を受け取ることが出来る。ケイ素酸化物などを混ぜて接着層自体の引き裂き強度を低下させて切れを良くする対策も考えられるが、洗濯堅牢度を低下させたり、布地を引っ張った時に画像が割れ易くなる問題を呼び込むので勧められない。
さらに、布素材からの剥離では、水分付与で水溶性層を溶解させれば、温度に無関係に画像を完全に遊離させることが出来る。鋭角に尖った画像エッジであっても容易に受像シートから離れて布地側に転写出来る。PVAあるいはポリエステル樹脂フィルムは温度が十分高い領域でもトナー離形性は完全ではなく、温度だけでなく、剥がす角度や剥がす速度に気を配っても、鋭角に尖った画像エッジを部を剥がすのは難しかった。テーブルタイプの産業用熱プレス機を使用しても難しかった受像シートと接着層シートを用いた布地へのトナー画像転写が、本発明手法採用なら、転写温度と作業時間管理の難しさから開放され、家庭用アイロンを使っても転写が可能になる。
上記第二の課題解決手段による作用は、布地などに物品に熱接着された受像シートを剥がすためにその背面から適量の水分を付与する作業を簡略化でき、溶融水溶性樹脂などが布地に付いてシミなどの汚れ発生リスクを減らすことである。受像シート幅より長い吸水性ローラーを転がす作業は小さな平板状保水体移動より簡単である。また、水スプレーの場合は受像シートからはみ出した部分の生地を濡らしてしまうが、給水スポンジはローラーが数センチ受像シートからはみ出しても、Tシャツなどの生地を極端に濡らすことは無い。給水スポンジローラーは、相手基材に付着した水分を転がしながら吸収する目的で使用されるものだからである。相手基材に吸水性がある時のみ、給水できる。受像シートは吸水性素材に当たる。給水スポンジの材質としては、親水性のPVA樹脂,ウレタン樹脂、PVC樹脂,PE樹脂などが採用できる。
上記第三の課題解決手段による作用は、布地などに熱接着された受像シート背面に水分を付与する作業を簡略化でき、溶融水溶性樹脂などによる布地のシミや汚れ発生リスクを減らすことは第二の課題解決手段と同様である。
形状記憶型弾性体から成る平板状保水体は、水を含ませるために出し入れする水層から簡単に持ち上げて移動でき、プレス機上のシートとの位置合わせも容易である。受像シートと同程度、あるいは数mm〜10mm程度小さなさサイズの平板状保水体を用いれば、小さなスポンジを移動したり、シート上で吸水性ローラーを移動する作業は要らない。置いて放置するだけでよい。弾性体なので、布地面に熱接着させられたシートに起伏があってもその凹凸に追随して変形密着する。シートサイズより少し小さめのサイズにカットしておけば、シートに載せた時に、はみ出した部分で布地を濡らすことも避けられる。水溶性層を溶かすのに適量の水分をA3サイズ全面であっても均一に浸み込ませられる。過剰な水が受像シート背面からしみ込んだ時に発生し易い、溶融水溶性樹脂が布地に付いて発生するシミ汚れ発生を防ぐことができる。
ここで言う形状記憶型弾性体とは、破壊力以内の力という条件だが、スポンジゴムのように、力を与えて変形するが力を開放すれば元の形状に戻る性質を持ったものを言う。弾性体の構造が連続した気孔構造を持つ多孔質構造であれば、素材が疎水性であっても保水力が得られ、下部の数mmの高さだけに水を含ませての移動が容易になる。保水体下部に含ませる水の好ましい範囲は、1〜5mm、より好ましくは1〜3mm程度である。逆に親水性であれば、水分を多量に吸ってしまうので、水槽から熱プレス機まで移動する間に水が垂れたり、弾性体の中で水平方向への移動が起こり保水量の偏りが起こりやすい。時間とともに素材の膨張も起こるので取り扱いも難しい。疎水性素材の連続気孔構造体であれは、素材膨張は無く、短時間で一定量の吸水も終えられる。取り扱いの容易さから考え、平板状保水体厚さは、10〜30mmが好ましい。保水体が柔らか過ぎる場合、取り扱いを容易にするため、保水体背面にアルミ板のような軽量な支持体を貼り付けても良い。この場合は、保水体厚さを数mmまでに薄くしてもよい。
上記第四の課題解決手段による作用は、疎水性ではあるが軟質ウレタンフォームは他の弾性素材と比較して水になじみがよく、水槽から引き揚げた保水体下面は垂れそうな水玉状水滴発生も無く全面均一に濡れるので、保水体移動中に布地へ垂らしてしまうリスクも無く、布地面に接着している受像シート背面への均一な水の供給を容易に行なえることである。連続した気孔構造を持つ同じ疎水性弾性体だが、シリコンゴムのように疎水性が高過ぎる場合は保水体を水槽から引き揚げた時に平板下面に大きな球状の水滴が出来易く、布地面に接着している受像シート背面への供給水量に場所に拠るばらつきが発生し易い。さらに、軟質ウレタンフォームの中でも、連通構造気泡の粗さが、セル数12〜125個/25mm(JIS K 6400−1)のもので、密度が40〜100Kg/m3であれば、本発明の目的に合致する。より好ましい粗さと密度は、セル数15〜100個/25mm(JIS K 6400−1)と、60〜80Kg/m3である。
20mm厚さの上記軟質ウレタンフォーム平板を保水体として用いて一定水量を得るため水槽の水に浮かべると、浸水部は5mmを越えてしまい、引き上げた時の保水量が本発明目的に多過ぎることになる。これを回避するには、前もって水に浮かべておく浮遊体の上にウレタンフォーム平板を載せる方法が勧められる。浮遊体浮力を合わせれば、平板下部の0〜2mm程度沈められる。水槽内の水位を1〜3mm程度に浅くしておく手法もあるが、それには水位管理が必要になる。
次に、本発明について補足説明をする。本発明の接着層は、ウレタン樹脂などの熱可塑性樹脂を用いて形成できる。画像はCMYK4色のトナー画像だけでなく白黒モノトーン画像でも本発明の手法に用いることができる。さらに勧められるのは、CMYに白色を加えた4色、または、CMYKに白色を加えた5色画像を用いることである。カッティング工程無しに画像部分だけ接着層を引き剥がせるよう接着層厚さが制限されるので、接着層シート上の白色層を厚くできない。すなわち、得られる白色層の隠ぺい性に限りがあるので、白トナーで白色度を増すのは、濃色布地へ画像を転写した際に鮮明な画像を得るのに有効である。
本発明は、濃色の布地面に転写する場合にだけ有効なものではなく、淡色布地にも勧められる。受像シートと接着層シートを用いるトナー画像転写では、一定以上のトナー量を持った画像しか転写できない制限がある。トナー量が少ない明るい色部分では、白色接着層を接着層シートから引き剥がすだけのホットメルト接着力を得ることができない。このためグラデーションの明るい部分は、途中で画像が切れてしまうのである。この問題解決にも、画像に白色層をを加える手法が役立つ。グラデーションの明るい部分に白色層が加われば白色接着層を受け取るための十分なホットメルト接着力が得られるからである。
上述したように、本発明によれば、受像シートに設けた従来の離型層を水溶性層に代えることで、転写作業における厳密な温度管理をしなくても、接着層シートの白色接着層の受像シートの転移と、接着層付きトナー画像の布地からの剥離を容易にし、画像の精密転写が可能になる。
本発明の受像シートと接着層シートの側面図である。
本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図1(A)は、本発明のトナー画像5を付与した受像シートと接着層シートを対向させて熱プレスによって貼り合わせる前の状態を示している。受像シートは、受像シート基材7の片面に水溶性層6を形成してある。接着層シートは、接着層シートの基材1の片面に離型層2、接着層3、白色層4の順に三層を積層してある。図1(B)は、これらシート二種の貼り合わせ熱プレス工程と両者の引き剥がし工程を経て得た接着層付き画像を持つシート(3〜7)を、被転写体である布地8に対向させて熱プレスする前の状態を示している。
受像シートと接着層シートが対になったトナー転写紙、TCダーク(商標・サンリュウ社)の離型層を持つ受像シートの代わりに、水浸透性のある基材上に水溶性層を形成した受像シート水転写紙B(商標・サンリュウ社)を用いて、A3サイズカラーLEDプリンタ、OKI C 941dn(商標・沖データ社)で白色層を上層に持つミラー画像を印刷した。これに、TCダークの接着層シートを重ね合わせて140℃で80秒で熱プレスした後に両シートを引き剥がして、トナー画像上に白色接着層を転移させた水転写紙Bを得た。白色接着層転移は、容易に、精密に出来た。これをTシャツ布地に当てがって140℃で20秒間熱プレスして接着し、冷めてから該受像シートの基材背面から台所用ポリウレタンフォームスポンジを手に持って移動しながら水分を付与してから、水転写紙Bを剥がしてみた。引き剥がし作業は、容易に行え、シャープな画像エッジも、細かな独立ドット部も、精密に再現が出来た。更に、布地に当てがっての熱プレス温度を110〜155℃と範囲を広げて10回作業を繰り返したが、転写不良は発生しなかった。転写表面は光沢面になる。光沢面が欲しい場合はそのままでよく、マットにしたい場合は、シリコンシートなどを挟んで再プレスすればよい。洗濯堅牢度は、再プレスしなくとも、上記温度範囲で作製した資料すべてで、摩擦・湿潤試験で5級(判定、財団法人 ニッセンケン品質評価センター)が得られた。
実施例1で使用した水転写紙Bの代わりに、ポリエステルフィルムにPVA層を塗布形成した水圧転写フィルムを受像シートとして用いて、LEDプリンタ、OKI C 941dnで白色層を上層に持つミラー画像を印刷した。これに、TCダークの接着層シートを重ね合わせて熱プレスして両シートを引き剥がして、トナー画像上に白色接着層を転移させたポリエステルフィルム付きPVAフィルムを得た。次にPVAフィルム四隅に両面テープを貼り、布地に接着して、ポリエステルフィルム基材を剥がした。140℃で20秒間熱プレスして接着してPVAフィルムを剥がしてみた。引き剥がし作業では、細部の再現が難しかった。実施例1の手法では出来ていた1mm間隔に並ぶ0.3mmの細線の一部が切れ易く、直径0.5mm程度の細かな独立ドット部も、一部脱落したりした。
疎水性形状記憶型弾性体として、低反発ウレタンフォーム801EA(商標・クラボウ社)板材、外形400mm×280mm×20mmを用いて、その下部に水を含ませてから、Tシャツ布地に熱プレス接着したA3サイズ受像シートの基材背面に載せ30秒間放置した。ウレタンフォーム板材をめくると、A3サイズ受像シートほぼ全面が均一に濡れていた。シート縁の一部に乾いた部分があったが、画像の無い所なので放置した。画像部分で濡れていない箇所があれば、そこだけ台所用スポンジで水を追加すればよい。次に、受像シート角部を持って引き揚げると布地から簡単に剥がれ、画像は精密に転写されていた。過剰な水分を与えず、受像シートからはみ出させることも無かったので、布地面に浸みのような汚れ発生は無かった。ウレタンフォーム板材への水の供給は、水槽の水に浮遊体として18個×14個の配列で直径5mmの貫通穴を空けた合成コルク板外形500mm×380mm×2mmを浮かべておき、その上面に載せた水の水平移動を良くするため0.5mm板厚、5/10mm目合のアルミエキスパンドメタル(アルミネット)を介して、その上にウレタンフォーム板材を載せ放置した。水槽内の水量に関係なく、ウレタンフォームの水浸が0.5〜1mm程度になりウレタンフォーム下部を常に一定深さ2〜3mmまで水に濡らすことが出来た。
連続した気孔構造を持つ吸水性スポンジローラーとして、ウレタンスポンジ・ソフラス(商標・アイオン社)素材をチューブ状にして塩ビ管に接着して得て、この両端を挟んだハンドルを作成した。スポンジ部に水を含ませてから、Tシャツ布地に熱プレス接着したA3サイズ受像シートの基材背面をゆっくり転がした。2〜3往復してA3サイズ受像シートほぼ全面が均一に濡らしてから受像シートを引き揚げると布地から簡単に剥がれ、画像は精密に転写されていた。受像シートの外側の布地が水に濡れることも無く、布地面に浸みのような汚れ発生も無かった。
本発明は、布地面に対するカッティング工程を不要とするトナー画像転写に関する。
1 接着層シートの基材
2 接着層シートの離型層
3 接着層シートの接着層
4 接着層シートの白色層
5 トナー画像
6 水溶性層
7 受像シート基材
8 布地

Claims (2)

  1. トナー画像をTシャツ等の布地面に転写する方法において、水浸透性のある基材上に水溶性層を形成した受像シートにトナー画像を印刷する第一工程と、
    第一工程を経た受像シートと、基材に離型層、接着層、白色層の順に三層を形成した接着層シートを重ね合わせて熱プレスした後に両シートを引き剥がして前記トナー画像部分にのみ該白色層、該接着層の二層(白色接着層)を転移させる第二工程と、
    第二工程を経た前記受像シートを布地面に当てがって熱プレスして接着し、その後該受像シートの基材背面から水分を付与して前記水溶性層を溶かして該受像シートを剥がす第三工程からなる、ことを特徴とするトナー画像の転写方法。
  2. 請求項1に記載のトナー画像部分のみを布地面に転写する転写方法において用いるための
    前記受像シートと前記接着層シートが対になって構成された
    ことを特徴とするトナー画像の転写紙。
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