JP6732164B2 - トナー画像転写方法 - Google Patents
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Description
トナー画像部分への白色接着層の転移は、トナーと白色接着層を重ね合わせて140℃程度で熱プレスした後に、放置時間を取って温度を下降させると、素早く硬化するトナーに白色層が付着する一方、硬化の遅い接着層が離型層から離れて白色層と共に受像シート側に移るということで起こる。この白色接着層転移工程において、白色接着層がシャープに切れない問題が起こるのだが、原因は、熱プレス後の時間とともにゆっくりではあるが硬化を始める接着層の引き裂き強度が高まってくることである。輪郭のシャープさ以外にも、白色接着層転移不良、トナー一部の白色接着層側への逆転移などの問題も起こっている。温かいうちに剥がすので、両シート引き剥がし時に保たれている温度によって結果がばらつくのである。熱プレス後の厳密な作業時間管理は難しく、このような問題が起こり易い。
ここでさらに取り上げなければならない問題は、布地などの素材側からPVAかポリエステル樹脂フィルムを引き剥がす際の問題である。フィルムを布地に当てがって140℃〜160℃で熱プレスして接着し、その後フィルムを布地から剥がすが、温度が高目だと、軟化している接着層が相関剥離状態で剥がれてしまう。温度が低過ぎれば、硬化したトナーとフィルムの接着力が強まり、布地側に残るべきトナー一部を持ち上げてしまう。温度が適正範囲を超えると、このような問題が起こる。特に、鋭角に尖った画像エッジ先端から剥がそうとすると、布地に残るべき画像エッジが白色層とともに受像シート側に付いて来たりする。上記した問題はすべて、受像シート、接着層シートの両方に離型層を持たせた従来シートが基本的に抱える欠点から生じている。
ことを特徴とするものである。
ことを特徴とするものである。
本発明は、従来のシートの受像シート側とトナー、トナーと白色接着層、白色接着層と接着層シート側に存在した三つの相関接着力変化問題に着目して、受像シートから離形層を排し、これに代わって水溶性層を採用することで、受像シート側とトナー、トナーと白色接着層間接着力の温度依存性を著しく軽減することに成功した。
水浸透性のある基材に水溶性層を塗布した受像シートとしては、市販の陶器用水転写紙を利用できる。トナー画像を印刷する第一工程は市販のレーザープリンタなどで容易に行える。接着層シート表面は酸化チタンなどから成る白色層で熱接着性は無いので、受像シート水溶性層と接着層シートを重ね合わせて熱プレスする第二工程でも、画像の無い部分での白色接着層の受像シート側への接着転移は起こらない。転移するのは、接着性を発現する軟化トナー画像上だけである。水溶性層に離形性は無いので、接着層付きトナーは強力に受像シート側に接着される。
従来比では、熱プレス後でまだ温度が高くトナー硬化が十分進まない段階ではPVAあるいはポリエステル樹脂フィルムは高い離形性を示すので両シートは剥がせない。水溶性層なら接着力が高いのでより高温領域でも作業が出来る。又、温度が下がって引き裂き強度が高まった白色接着層であってもシャープに切りたいなら、トナーと白色接着層をそれぞれの基材側に強く付着保持させなければならない。水溶性層なら少なくともトナーと受像シート側接着力は強力なので、従来比で作業範囲がより低温領域まで取れる。より忠実に画像の形で白色接着層を受け取ることが出来る。ケイ素酸化物などを混ぜて接着層自体の引き裂き強度を低下させて切れを良くする対策も考えられるが、洗濯堅牢度を低下させたり、布地を引っ張った時に画像が割れ易くなる問題を呼び込むので勧められない。
さらに、布素材からの剥離では、水分付与で水溶性層を溶解させれば、温度に無関係に画像を完全に遊離させることが出来る。鋭角に尖った画像エッジであっても容易に受像シートから離れて布地側に転写出来る。PVAあるいはポリエステル樹脂フィルムは温度が十分高い領域でもトナー離形性は完全ではなく、温度だけでなく、剥がす角度や剥がす速度に気を配っても、鋭角に尖った画像エッジを部を剥がすのは難しかった。テーブルタイプの産業用熱プレス機を使用しても難しかった受像シートと接着層シートを用いた布地へのトナー画像転写が、本発明手法採用なら、転写温度と作業時間管理の難しさから開放され、家庭用アイロンを使っても転写が可能になる。
形状記憶型弾性体から成る平板状保水体は、水を含ませるために出し入れする水層から簡単に持ち上げて移動でき、プレス機上のシートとの位置合わせも容易である。受像シートと同程度、あるいは数mm〜10mm程度小さなさサイズの平板状保水体を用いれば、小さなスポンジを移動したり、シート上で吸水性ローラーを移動する作業は要らない。置いて放置するだけでよい。弾性体なので、布地面に熱接着させられたシートに起伏があってもその凹凸に追随して変形密着する。シートサイズより少し小さめのサイズにカットしておけば、シートに載せた時に、はみ出した部分で布地を濡らすことも避けられる。水溶性層を溶かすのに適量の水分をA3サイズ全面であっても均一に浸み込ませられる。過剰な水が受像シート背面からしみ込んだ時に発生し易い、溶融水溶性樹脂が布地に付いて発生するシミ汚れ発生を防ぐことができる。
ここで言う形状記憶型弾性体とは、破壊力以内の力という条件だが、スポンジゴムのように、力を与えて変形するが力を開放すれば元の形状に戻る性質を持ったものを言う。弾性体の構造が連続した気孔構造を持つ多孔質構造であれば、素材が疎水性であっても保水力が得られ、下部の数mmの高さだけに水を含ませての移動が容易になる。保水体下部に含ませる水の好ましい範囲は、1〜5mm、より好ましくは1〜3mm程度である。逆に親水性であれば、水分を多量に吸ってしまうので、水槽から熱プレス機まで移動する間に水が垂れたり、弾性体の中で水平方向への移動が起こり保水量の偏りが起こりやすい。時間とともに素材の膨張も起こるので取り扱いも難しい。疎水性素材の連続気孔構造体であれは、素材膨張は無く、短時間で一定量の吸水も終えられる。取り扱いの容易さから考え、平板状保水体厚さは、10〜30mmが好ましい。保水体が柔らか過ぎる場合、取り扱いを容易にするため、保水体背面にアルミ板のような軽量な支持体を貼り付けても良い。この場合は、保水体厚さを数mmまでに薄くしてもよい。
20mm厚さの上記軟質ウレタンフォーム平板を保水体として用いて一定水量を得るため水槽の水に浮かべると、浸水部は5mmを越えてしまい、引き上げた時の保水量が本発明目的に多過ぎることになる。これを回避するには、前もって水に浮かべておく浮遊体の上にウレタンフォーム平板を載せる方法が勧められる。浮遊体浮力を合わせれば、平板下部の0〜2mm程度沈められる。水槽内の水位を1〜3mm程度に浅くしておく手法もあるが、それには水位管理が必要になる。
2 接着層シートの離型層
3 接着層シートの接着層
4 接着層シートの白色層
5 トナー画像
6 水溶性層
7 受像シート基材
8 布地
Claims (2)
- トナー画像をTシャツ等の布地面に転写する方法において、水浸透性のある基材上に水溶性層を形成した受像シートにトナー画像を印刷する第一工程と、
第一工程を経た受像シートと、基材に離型層、接着層、白色層の順に三層を形成した接着層シートを重ね合わせて熱プレスした後に両シートを引き剥がして前記トナー画像部分にのみ該白色層、該接着層の二層(白色接着層)を転移させる第二工程と、
第二工程を経た前記受像シートを布地面に当てがって熱プレスして接着し、その後該受像シートの基材背面から水分を付与して前記水溶性層を溶かして該受像シートを剥がす第三工程からなる、ことを特徴とするトナー画像の転写方法。 - 請求項1に記載のトナー画像部分のみを布地面に転写する転写方法において用いるための
前記受像シートと前記接着層シートが対になって構成された
ことを特徴とするトナー画像の転写紙。
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Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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JP2018214198A Active JP6732164B2 (ja) | 2018-10-29 | 2018-10-29 | トナー画像転写方法 |
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