JP6731610B2 - 液状食品の加熱処理方法 - Google Patents

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本発明は、主に微生物の殺菌を目的として行われる、電気を利用した液状食品の加熱処理方法に関する。
食品の殺菌方法としては従来、食品を加熱することが一般的に行われてきたが、この加熱殺菌では、加熱過程で食品中に含まれる香気成分や有用な機能性成分などが損なわれるなどして、食品の変質が生じることが問題となっていた。また、殺菌あるいは微生物制御の方法として、抗菌剤などの薬剤の使用や食品pHの調整などの方法が知られているが、食品添加物の使用が好まれない昨今にあっては、これらの方法は積極的に利用し難い場合がある。そこで近年、物理的ないし電気的殺菌方法への関心が高まっている。
特許文献1には、対向する電極間の間隙に液状食品を連続的に流し、その電極間に電源周波数10〜50MHzの短波帯の周波数の交流高電界を印加して、液状食品を連続的に殺菌する方法が記載されている。この通電加熱による殺菌方法によれば、通電開始後、数十〜数百ミリ秒単位の短時間内に、液状食品中を流れる電流による通電加熱が行われ、食品温度は120℃程度にまで急速加熱されるので、ジュール発熱による熱的効果と印加した高電界の電気的効果とにより、食品中の微生物を効率的に殺菌することができるとされている。
また特許文献2には、食品をプラスチックフィルムなどの樹脂製包装材で包装してなる食品包装体を、その包装状態のまま通電加熱により殺菌する方法が記載されている。特許文献2記載の殺菌方法は、内部に温水が収容され且つ電極が対向配置された水槽内の該電極間に、パック詰め味噌などの食品包装体を配置し、その状態で周波数が27MHz〜300MHzの短波帯域乃至超短波帯域の交流を該食品包装体における食品に印加する方法である。
特開2010−57423号公報 特開2015―23826号公報
特許文献1記載の殺菌方法は、電極間を流動する液状食品に交流高電界を直接印加するため、液状食品が所定の殺菌温度まで昇温するのに要する時間が極めて短時間で済むことから、殺菌処理を効率的に行うことができるという利点を有する。しかしながら特許文献1記載の殺菌方法は、所定の流通路に液状食品を流動させてそこに電界を印加する方法であることから、包装済みの食品である食品包装体には適用し難い。この点、特許文献2記載の殺菌方法は食品包装体に適した方法であるが、電界を印加する電極と殺菌対象の食品との間に水が介在し、印加により食品のみならず水も昇温するため、食品が所定の殺菌温度まで昇温するのに比較的時間がかかるという課題があった。
従って本発明の課題は、樹脂製包装材で包装された液状食品を比較的短時間で殺菌処理し得る、液状食品の加熱処理方法を提供することである。
本発明は、樹脂製包装材で包装された液状食品に、電源周波数3〜300MHzの交流を印加する液状食品の加熱処理方法であって、前記液状食品は電解質を0.03〜1.2質量%含有する、液状食品の加熱処理方法である。
本発明によれば、樹脂製包装材で包装された液状食品を比較的短時間で殺菌処理し得る、液状食品の加熱処理方法が提供される。
図1(a)は、本発明の液状食品の加熱処理方法の実施に利用可能な装置の概略構成図、図1(b)は、図1(a)に示す装置の等価回路を示す図である。
本発明の加熱処理方法は、液状食品即ち常温常圧において流動性を有する飲食物に適用できる。本発明に係る液状食品は具材を含有していても良い。本発明に係る液状食品には、最終製品としての液状食品のみならず、食品原料として用いられるものあるいは中間製品も含まれる。本発明に係る液状食品としてより具体的には、ソース類、スープ類、乳製品、調味料、及びそれらの混合物又は加工品などが挙げられる。
本発明に係る液状食品の具体例としては、例えば、ホワイトソース、デミグラスソース、トマトソース、アメリケースソースのような調理用ベースソース、ミートソース、ナポリタンソース、クリームソース、カルボナーラ用ソース、和風ソース、チーズソースのようなパスタソース類、ビーフシチュー、クリームシチューのようなシチュー類、ビーフカレー、チキンカレー、ベジタブルカレーのようなカレー類等のソース類;コーンポタージュ、ヴィシソワーズ、コンソメ、ブイヨン、鶏がらスープ等のスープ類;牛乳、クリーム等の乳製品;チキンエキス、あさりエキス、きのこエキス等の調味料が挙げられる。
本発明の加熱処理方法は、樹脂製包装材で包装された液状食品、即ち液状食品とこれを包む樹脂製包装材とを含んで構成される食品包装体に適用できる。樹脂製包装材を形成する樹脂としては、食品包装に通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとαオレフィンのコポリマー、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、エチレンとビニルアルコールの共重合体等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。但し、液状食品を包装する樹脂製包装材としては、交流電界を利用した加熱処理による液状食品の昇温を妨げるようなものは用いるべきではなく、例えば、アルミ箔層のような金属膜を用いてはならない。また、樹脂製包装材の形態は、液状食品を包装し得るものであれば良く、例えば、箱状、トレー状、袋状等が挙げられる。袋状の樹脂製包装材は、自立可能ないわゆるスタンディングパウチでも良い。
本発明の液状食品の加熱処理方法においては、樹脂製包装材で包装された液状食品に対し、電源周波数3〜300MHzの短波帯交流を印加する。このように、通電によって液状食品中に特定の短波帯交流を印加することにより、生じる誘電損発熱により、食品中の微生物を効率的に殺菌することができる。例えば、交流高電界を印加された食品中の芽胞は、短時間その温度を保持するだけで不活化され、そのときの不活化速度は加熱処理の10倍から100倍に達することが判明している。液状食品に印加する交流の電源周波数が3MHz未満では、長波である故に、液状食品を包装する樹脂製包装材のインピーダンスが高くなるため、外部から印加した交流で包装内の液状食品を加熱することが困難となるおそれがあり、また、該電源周波数が300MHz超では、高周波の特徴から定在波に起因する加熱むらや焦げが発生するおそれがある。液状食品に印加する交流の電源周波数は、好ましくは3〜30MHzである。
図1(a)には、本発明の液状食品の加熱処理方法の実施に利用可能な短波電界殺菌装置の概略構成が示されている。図1(b)は、図1(a)に示す短波電界殺菌装置の等価回路を示す図である。図1(a)に示す短波電界殺菌装置1は、殺菌対象物である食品包装体10を収容可能な水槽2と、水槽2内に配置された平板状の第1の電極3と、この第1の電極3と対極となる平板状の第2の電極4と、両電極3,4に接続された短波帯交流電源5とを備える。両電極3,4間が、食品包装体10に対して殺菌処理を行うスペースとなる。尚、両電極3,4のうちの一方をアースされた水槽2に接続することで、その一方の電極は水槽2と同電位(アース)になる。図1(b)において、コンデンサー11は、食品包装体10の静電容量、抵抗12は、食品包装体10における液状食品の誘電損に起因する抵抗、抵抗13は、水の誘電損に起因する抵抗である。
短波電界殺菌装置1を用いて殺菌処理を行う際には、図1(a)に示すように、一対の電極3,4間に食品包装体10を配置すると共に、電極3,4と食品包装体10の外面即ち樹脂製包装材との間に水を介在させ、その状態で電極3,4を介して食品包装体10を構成する液状食品に交流を印加する。つまり、水槽2内に水を貯留し、その水槽2内の水中に食品包装体10を浸漬した状態で、電極3,4を介して食品包装体10に交流を印加する。電極3,4と食品包装体10とが接触すると、樹脂製包装材が焦げる等の不都合が生じるおそれがあるので、両者が接触しないように間隔を設ける。尚、図1(a)の形態においては、殺菌処理中の食品包装体10の温度は温度計6によって測定され、水槽2内の水の温度は温度計7によって測定されるようになされている。温度計6,7としては、例えば光ファイバー温度計を用いることができる。
このように、電極3,4と食品包装体10(樹脂製包装材)との間に水を介在させることにより、電極3,4を介して食品包装体10(液状食品)に交流を印加したときに、食品包装体10の周囲の水にもその交流が印加されるので、液状食品の全体を均一に且つ比較的短時間で昇温させることが可能となる。水槽2に貯留する水の温度は、液状食品の品質に影響を与えない範囲で適宜設定すれば良い。仮に、水の方が食品包装体10よりも先に所定の殺菌温度に到達し、さらにこれを超えて高温になった場合は、水槽2の外部から水を冷却しても良い。このように、電極3,4と食品包装体10との間に水の層を設けたことにより、空気層では困難な整合(マッチング)が容易に行える。一方で、このように電界を印加する電極と殺菌対象の液状食品(食品包装体)との間に水が介在すると、印加した交流電力が液状食品の発熱と水の発熱とに配分され、水の発熱に多くのエネルギーが消費されると液状食品の発熱エネルギーが相対的に小さくなり、液状食品が所定の殺菌温度まで昇温するのに比較的時間がかかることが懸念される。しかしながら、本発明では後述する特徴的な構成の採用によって、水よりも液状食品の発熱を大きくし、斯かる懸念を払拭している。
本発明の液状食品の加熱処理方法の主たる特徴の1つとして、液状食品が電解質を0.03〜1.2質量%、好ましくは0.04〜0.4質量%含有する点が挙げられる。本発明でいう電解質とは、ナトリウム(Na)又はカリウム(K)を意味し、液状食品における電解質の含有量とは、液状食品に含まれるナトリウムとカリウムとの総和を意味する。液状食品が斯かる特定量の電解質を含有することにより、図1(a)に示すように、電源周波数3〜300MHzの交流を印加する電極3,4と、殺菌対象の液状食品を含む食品包装体10との間に水が介在していても、その交流を印加された液状食品が所定の殺菌温度に到達するのに要する時間(昇温時間)が短縮され、殺菌処理を効率良く行うことが可能となる。また、昇温時間が短縮されることから、加熱処理(殺菌処理)に起因する液状食品の変質が起こりにくくなるという利点が得られる。液状食品における電解質の含有量が1.2質量%を超えると、昇温時間が却って長くなる。
本発明に係る液状食品で用いる電解質たるナトリウム、カリウムの供給源としては、例えば、塩化ナトリウム即ち食塩、塩化カリウムが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明に係る液状食品が含有する電解質には、1)その液状食品に本来的に含有されている電解質、即ち、主に食味、風味などの品質の観点から液状食品に予め所定量配合されている電解質と、2)交流電界を利用した加熱処理の効率向上(昇温時間の短縮など)の観点から液状食品に別途添加された電解質との双方が含まれる。例えば、当該液状食品が本来的に含有している電解質の量が前記特定範囲(0.03〜1.2質量%)である場合は、その液状食品に電解質を別途添加しなくても良く、あるいは別途添加しても構わないが、当該液状食品における本来的な電解質の含有量が前記特定範囲の下限値未満である場合には、その液状食品に電解質を別途添加する。前記2)において、「別途添加された電解質」には、食塩や塩化カリウムなどの電解質の供給源そのものの他、後述する油脂、蛋白質及び食物繊維などの添加物に含まれる電解質(ナトリウム、カリウム)が含まれる。
本発明に係る液状食品は、電解質に加えてさらに、油脂、蛋白質及び食物繊維からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することが好ましい。これにより、電源周波数27〜300MHzの交流を印加された液状食品の昇温時間がより一層短縮され、殺菌処理をより一層効率良く行うことが可能となる。
前記油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、オリーブ油、パーム油、バター、ショートニング等が挙げられ、各種食材を用いることができる。
液状食品における前記油脂の含有量は、液状食品の種類等によって適宜設定すれば良いが、昇温時間の短縮効果の観点から、液状食品の全質量に対して2質量%以上が好ましい。液状食品における前記油脂の含有量の上限値については、液状食品の種類等に応じて適宜設定すれば良い。
前記蛋白質としては、例えば、大豆タンパク、乳タンパク等が挙げられ、より具体的には例えば、脱脂粉乳などの各種食材を用いることができる。
液状食品における前記蛋白質の含有量は、液状食品の種類等によって適宜設定すれば良いが、昇温時間の短縮効果の観点から、液状食品の全質量に対して2質量%以上が好ましい。液状食品における前記蛋白質の含有量の上限値については、液状食品の種類等に応じて適宜設定すれば良い。
前記食物繊維としては、例えば、粉末セルロース等の原材料が挙げられ、各種食材を用いることができる。
液状食品における前記食物繊維の含有量は、液状食品の種類等によって適宜設定すれば良いが、昇温時間の短縮効果の観点から、液状食品の全質量に対して4質量%以上が好ましい。液状食品における前記食物繊維の含有量の上限値については、液状食品の種類等に応じて適宜設定すれば良い。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、実施例5、10、11及び15は参考例である。
〔実施例1〜18及び比較例1〜4〕
図1に示す短波電界殺菌装置と同様の構成の装置を用い、袋状の樹脂製包装材で包装された液状食品に対して、短波帯交流を印加することにより通電加熱を行った。
より具体的には図1を参照して、一対の電極3,4として、平面視矩形状で150mm×160mm、厚み3mmのチタニウム製電極2枚を用い、恒温水槽2の内部に、両電極3,4を100mm間隔で互いに平行に配置し、両電極3,4間に、食品包装体10として袋状の樹脂製包装材で包装された液状食品を配置し、恒温水槽2の内部を、水面が食品包装体10の上端よりも上方に位置するように、水道水を満たした。短波帯交流電源5として、電源周波数27MHzの短波帯交流電源(CESAR製、2740)を用い、図示しない整合器(アステック製、BV−50UR−01)を経由して、両電極3,4に短波帯交流を印加した。食品包装体10の中心部の温度変化及び水道水の温度変化を光ファイバー温度計(アステック製、Reflex)で測定した。
液状食品中の特定成分(電解質、油脂、蛋白質、食物繊維)の含有量を適宜変更して通電加熱を行い、液状食品の中心部の温度が25℃から90℃に達するまでに要した時間を測定して昇温時間とした。その結果を下記表1に示す。
電解質を供給する原材料として塩化ナトリウム(NaCl)を用い、油脂としてショートニングを用い、蛋白質として脱脂粉乳(森永乳業製)を用い、食物繊維として粉末食物繊維(日本製紙製、商品名「NPファイバーW−10MG2」)を用いた。尚、液状食品中の電解質の含有量は、原子吸光光度法により分析したナトリウム量、カリウム量の結果及び添加量より算出したナトリウム量、カリウム量の結果を合算して算出し、蛋白質の含有量はケルダール法により分析し、油脂の含有量は酸分解法により分析した。
下記表1では、各実施例及び比較例をI〜IVの4つの試験区に分けているところ、試験区Iは、液状食品において電解質の含有量を適宜変化させた例であり、試験区IIは、油脂の含有量を適宜変化させた例であり、試験区IIIは、蛋白質の含有量を適宜変化させた例であり、試験区IVは、食物繊維の含有量を適宜変化させた例である。
各試験区において、試験対象成分の含有量が最も低い例の昇温時間T0を基準として、次式により昇温時間の短縮率を算出した。その結果を下記表1に示す。
昇温時間の短縮率(%)={(T0−当該例の昇温時間)/T0}×100
試験区Iにおける昇温時間T0は、電解質の含有量が最も少ない比較例1の昇温時間284秒であり、試験区IIにおける昇温時間T0は、油脂の含有量が最も少ない実施例5の昇温時間125秒であり、試験区IIIにおける昇温時間T0は、蛋白質の含有量が最も少ない実施例5の昇温時間125秒であり、試験区IVにおける昇温時間T0は、食物繊維の含有量が最も少ない実施例5の昇温時間125秒である。
表1の試験区Iにおける各例間の対比から、液状食品における電解質の含有量を0.03〜1.2質量%とすることで、昇温時間の短縮を図ることができることがわかる。
また、表1の試験区IIにおける各例間の対比から、昇温時間の短縮を図るためには、液状食品における油脂の含有量は2質量%以上が好ましいことがわかる。
また、表1の試験区IIIにおける各例間の対比から、昇温時間の短縮を図るためには、液状食品における蛋白質の含有量は2.1質量%以上が好ましいことがわかる。
また、表1の試験区IVにおける各例間の対比から、昇温時間の短縮を図るためには、液状食品における食物繊維の含有量は4質量%以上が好ましいことがわかる。
〔実施例19〜20及び比較例5〜7〕
液状食品としてホワイトソースに替えてチキンスープを用いた以外は、前記〔実施例1〜18及び比較例1〜4〕と同様にして、袋状の樹脂製包装材で包装された液状食品に対して、短波帯交流を印加することにより通電加熱を行い、昇温時間及び短縮率を測定した。また、電解質の供給源として塩化ナトリウム(NaCl)に替えて塩化カリウム(KCl)を用いた以外は実施例19と同様にして、袋状の樹脂製包装材で包装された液状食品に対して、短波帯交流を印加することにより通電加熱を行い、昇温時間及び短縮率を測定した。その結果を下記表2に示す。
下記表2では、各実施例及び比較例をV〜VIの2つの試験区に分けているところ、試験区Vは、液状食品(チキンスープ)において電解質たるナトリウムの含有量を適宜変化させた例であり、試験区VIは、液状食品(チキンスープ)において電解質たるカリウムの含有量を適宜変化させた例である。
表2から明らかなように、チキンスープにおいても、ホワイトソースと同様に、電解質による昇温時間の短縮効果が確認できた。また、電解質の供給源として塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)の何れを用いても、昇温時間の短縮効果が発現し得ることも確認できた。
液状食品として用いたホワイトソース及びチキンスープの基本組成はそれぞれ下記のとおり。但し、電解質(塩化ナトリウム、塩化カリウム)、油脂(ショートニング)、蛋白質(脱脂粉乳)、食物繊維(粉末食物繊維)の添加量は試験例に合わせて適宜調整した。
また、液状食品を包装する樹脂製包装材として、シリカ蒸着ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)及びポリプロピレンを素材とする厚み97μmのフィルムからなる袋状の包装材を用いた。包装材に収容された液状食品の体積はおおよそ200mlであった。
・ホワイトソース:ショートニング(適宜調整)、脱脂粉乳(適宜調整)、塩化ナトリウム(適宜調整)、砂糖(1.66質量%)、キサンタンガム(0.05質量%)、でん粉(3.2質量%)、粉末食物繊維(適宜調整)、残部は水。
・チキンスープ:チキンブイヨン(富士食品工業(株)製、5質量%)、塩化ナトリウム(適宜調整)、塩化カリウム(適宜調整)、残部は水。
1 短波電界殺菌装置
2 水槽
3,4 電極
5 短波帯交流電源
6,7 温度計
10 食品包装体(樹脂製包装材で包装された液状食品)
11 コンデンサー(食品包装体の静電容量)
12 食品包装体における液状食品の誘電損に起因する抵抗
13 水の誘電損に起因する抵抗

Claims (1)

  1. 樹脂製包装材で包装された液状食品を水に浸漬した状態で該液状食品に電源周波数3〜300MHzの交流を印加する液状食品の加熱処理方法であって、
    前記液状食品は電解質を0.03〜1.2質量%、油脂を2〜22.5質量%、蛋白質を2.1〜15.3質量%及び食物繊維を4〜20質量%含有し、
    前記液状食品は、ソース類又はスープ類であり、
    前記電解質は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムである、液状食品の加熱処理方法。
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