JP6731037B2 - 鉛フリーはんだ合金、はんだ接合用材料、電子回路実装基板及び電子制御装置 - Google Patents

鉛フリーはんだ合金、はんだ接合用材料、電子回路実装基板及び電子制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、鉛フリーはんだ合金、はんだ接合用材料、電子回路実装基板及び電子制御装置に関する。
プリント配線板やモジュール基板といった電子回路基板に形成される導体パターンに電子部品を接合する方法として、はんだ合金を用いたはんだ接合方法がある。以前はこのはんだ合金には鉛が使用されていた。しかし環境負荷の観点からRoHS指令等によって鉛の使用が制限されたため、近年では鉛を含有しない、所謂鉛フリーはんだ合金によるはんだ接合方法が一般的になりつつある。
この鉛フリーはんだ合金としては、例えばSn−Cu系、Sn−Ag−Cu系、Sn−Bi系及びSn−Zn系はんだ合金等がよく知られている。その中でも、テレビ及び携帯電話等の民生用電子機器には、Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金を用いてはんだ接合された(Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金を用いてはんだ接合部が形成された)電子回路実装基板が多く使用されている。
ここで鉛フリーはんだ合金は、鉛含有はんだ合金と比較してはんだ付性が多少劣る。しかしフラックスやはんだ付装置の改良によってこのはんだ付性の問題は克服されているため、民生用電子機器のように比較的穏やかな環境下に置かれるものにおいては、Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金によるはんだ接合でも、電子回路実装基板の一定程度の信頼性を保つことができる。
しかし、例えばエンジンルーム内等に実装される電子制御装置やモーター等に実装(機電一体化)される電子制御装置に用いられる電子回路実装基板、並びにエンジンに直接搭載される電子回路実装基板といった車載用電子回路実装基板は、激しい寒暖差(例えば−40℃から125℃、−40℃から150℃)及び振動負荷を受けるような非常に過酷な環境に曝され得る。
そしてこのような寒暖差の非常に激しい環境下では、電子回路実装基板において、実装された電子部品と基板(本明細書において単に「基板」という場合は、導体パターン形成前の板、導体パターンが形成され電子部品と電気的接続が可能な板、及び電子部品が実装された電子回路実装基板のうち電子部品を含まない板部分のいずれかであり、場合に応じて適宜いずれかを指し、この場合は「電子部品が実装された電子回路実装基板のうち電子部品を含まない板部分」を指す。)との線膨張係数の差による熱応力によりはんだ接合部に大きな負荷を与える。特にエンジンの運転と停止を繰り返す自動車の使用過程では、はんだ接合部に上記負荷を繰り返し与えることとなる。そしてこの負荷の繰り返しははんだ接合部の塑性変形を引き起こすため、はんだ接合部のクラック発生の原因となり得る。
またこの負荷の繰り返しにより、はんだ接合部に発生したクラックの先端付近に応力が集中し易くなるため、はんだ接合部の深部にまでクラックが横断的に進展し易くなる。このように著しく進展したクラックは、電子部品と基板上に形成された導体パターンとの電気的接続の切断(電気的短絡)を引き起こしてしまう。
特に激しい寒暖差に加え電子回路実装基板に振動が負荷される環境下にあっては、上記クラック及びその進展は更に発生し易いという問題がある。
ここで、従来から車載用電子回路基板に実装されているQFP(Quad Flat Package)のようなリードを有する電子部品は、当該リードの存在によりはんだ接合部に負荷される熱応力が緩和され得るため、はんだ接合部を横断してしまうようなクラックの発生はある程度抑えられていた。
しかし近年のデジタル化の流れから、マイコン等の半導体デバイスも更なる高性能化及び多機能化が求められるようになっている。そのためQFP以外の電子部品、例えばBGA(Ball Grid Array)やQFN(Quad Flat Non−leaded package)のような様々な形態の電子部品が使用されるようになっている。そしてBGAやQFNのような電子部品は、上述する熱応力がはんだ接合部に集中し易いため、QFPに比べて電気的短絡が生じ易い。
また上記電子部品が搭載された電子回路実装基板は電子制御装置に組み込まれることとなるが、この際、アルミニウム合金等を素材とする筐体にビス等で組み付けられることが多い。そして、この組み付け時に発生する締め付けトルクにより、電子回路実装基板に反りが生じ、これによりはんだ接合部に更なる応力が負荷される場合がある。
そのため、BGA及びQFNのような特に熱応力がはんだ接合部に集中し易い電子部品を実装した電子回路実装基板の場合、筐体に組み付けた状態で冷熱サイクル試験を実施すると、はんだ接合部には熱応力だけでなく上述する締め付けトルクによる応力も加わることとなる。よって、電子回路実装基板を筐体に組み付けた状態と組み付けない状態とを比較した場合、冷熱サイクル試験においてはんだ接合部にかかる負荷は前者の方が著しく大きくなる。
このように、実際の電子回路実装基板の使用環境においては、はんだ接合部にかかる負荷は非常に大きく、そのためこのような条件下においてもはんだ接合部におけるクラックの発生及びその進展を抑制し、その接合信頼性を保ち得る鉛フリーはんだ合金への要望は、今後より大きくなることが予想される。
上記のようなはんだ接合部のクラック進展を抑制すべく、その熱疲労特性や強度を向上させるためにSn−Ag−Cu系はんだ合金にSbやBiを添加する方法はいくつか開示されている(特許文献1から特許文献7参照)。
特開平5−228685号公報 特開平9−326554号公報 特開2000−190090号公報 特開2000−349433号公報 特開2008−28413号公報 国際公開パンフレットWO2009/011341号 特開2012−81521号公報
はんだ合金にBiを添加する場合、Biははんだ合金の原子配列の格子に入り込みSnと置換することで原子配列の格子を歪ませる。これによりSnマトリックスが強化されてはんだ合金の強度が向上するため、Biの添加によるはんだ合金のクラック進展抑制効果を向上することはできる。
ここで、鉛フリーはんだ合金に対応するBGAは、その電極がSn−3Ag−0.5Cu合金のはんだボールから構成されることが一般的である。そのため、上記のようなBiを添加したはんだ合金を用いてBGAをはんだ接合する場合、はんだ接合部におけるBiの濃度は薄まることとなり、はんだ接合部の耐熱疲労特性の向上が見込まれない虞がある。
また、Biは、はんだ合金の延性を低下させる合金元素である。
ここで、はんだ合金を用いて形成されるはんだ接合部内にボイドが発生する要因として、はんだ付け時に溶融したはんだ内に取り込まれたまま排出されなかったフラックスや空気以外に、はんだ接合部内の結晶粒界に存在する原子空孔の凝集(巨大化)が挙げられる。
即ち、図1を用いて説明すると、以下の通りである。
はんだ接合部100の形成過程において、溶融したはんだ内では原子拡散が起こり得るため、これにより発生した原子空孔がはんだ接合部100内に残存する場合がある。低温から常温においては当該原子空孔の濃度は低く体積も小さい状態であるため、はんだ接合部100に与える影響は非常に小さい(体積が小さい状態であることから、図1(a)では原子空孔は図示せず)。
しかしはんだ接合部100が高温環境下に置かれる場合、上述した原子空孔の濃度が上昇し、これに伴ってその体積も増大し得る。図1(b)に示すように、特に結晶粒界1に存在する原子空孔2は濃度が上昇し易く、そのためその体積も増大し易い。
更には、原子空孔の濃度が上昇した結晶粒界では、当該原子空孔が凝集する傾向にあるため、図1(c)に示すように、結晶粒界1において原子空孔2が凝集し、粒界ボイド2’を形成してしまう。
上述したはんだ接合部を形成するはんだ合金が良好な延性を有している場合、粒界ボイド2’が発生した状態ではんだ接合部100に熱応力が加えられた場合であっても、はんだ接合部100が変形し易い性質を有するため、上記熱応力ははんだ接合部100が変形することで緩和され得る。これにより、必然的にはんだ接合部内部の粒界ボイド2’等の欠陥に負荷される熱応力は小さくなるため、粒界ボイド2’の連結を抑制し得る。
しかし上述の通り、Biははんだ合金の延性を低下させる合金元素であるため、これを添加したはんだ合金を用いて形成するはんだ接合部100において、粒界ボイド2’が発生した状態ではんだ接合部100に熱応力が加えられた場合、当該熱応力のはんだ接合部100の変形による緩和は見込めないため、はんだ接合部内部の粒界ボイド2’等の欠陥に負荷される応力は大きくなり、そのため図1(d)に示すように粒界ボイド2’が連結し、クラック3が発生してしまう可能性が高い。
また粒界ボイド2’が連結してクラック3となった場合、上述のように結晶粒界1に存在していることからクラック3はこれに沿って進展し易く、そのためクラック3がはんだ接合部100の横断に繋がる可能性は大きい。
このような現象は、はんだ接合部にかかる負担(応力)が大きい状態、即ち、BGA及びQFNのような特に熱応力がはんだ接合部に集中し易い電子部品を用いた状態や、電子回路実装基板が筐体に組み付けられた状態においては、より発生し易くなる。
そして上述のような現象を抑制するためには、はんだ接合部に変形し易い性質を付与すると共に、はんだ接合部の強度をも向上させる必要がある。
ここで、Sbは、はんだ合金の延性を良好にすると共に、はんだ合金のSnマトリックス中に固溶し得る合金元素であるため、例えばBGA及びQFNのような特に熱応力がはんだ接合部に集中し易い電子部品を用いた状態や、電子回路実装基板が筐体に組み付けられた状態においても、はんだ接合部の変形によりこれにかかる負担(応力)を分散して低減でき、上述のような粒界ボイドの連結によるクラックの発生及びその進展を抑制し得る。
しかしSbはBiよりも固溶強化能力が低い。そのため、上述のような粒界ボイドの結合によるクラックの発生及びその進展は抑制し得るものの、寒暖差が激しく熱応力が繰り返し負荷されるような環境下では、はんだ接合部が何度も大きく変形し、はんだ接合部の物性が低下する虞がある。そしてこの場合、繰り返しの変形によってはんだ接合部にクラックが発生し、このクラックを起因としてはんだ接合部が破断する虞がある。
即ち、BGA及びQFNのような特に熱応力がはんだ接合部に集中し易い電子部品を用いた状態や、電子回路実装基板が筐体に組み付けられた状態においては、Biのような延性を阻害する合金元素を添加したはんだ合金を用いて形成するはんだ接合部では、粒界ボイドの連結によるクラックの発生やその進展が発生し易い。
一方、Sbを添加したはんだ合金を用いて形成するはんだ接合部は、繰り返し与えられる熱応力によりその物性が低下する虞があり、その結果、はんだ接合部にクラックが発生し、このクラックを起因としてはんだ接合部が破断する虞がある。
ここで、電子回路実装基板には、水分が付着した際の回路のショートを防ぐため、これに防湿剤を塗布することがある。この場合、特にQFPのような多数のリード端子を有し、そのリード間隔が狭いような電子部品を用いた際に、当該はんだ接合部にクラックが発生した場合、当該クラックに上記防湿剤が浸透及び硬化することにより、はんだ接合部の異形化を引き起こす虞がある。そして複数のはんだ接合部、特に隣接するはんだ接合部でこの異形化が起こった場合、異形化したはんだ接合部同士が接触して導通状態となり、ショートを引き起こす虞がある。
即ち、図2を用いて説明すると、以下の通りである。なお防湿剤は、電子回路実装基板の使用環境、基板や電子部品の種類等によって塗布範囲が異なる(例えば、はんだ接合部周辺に塗布する場合や電子部品全体(はんだ接合部も含めて)に塗布する場合等がある。)。そして図2に示すのは、はんだ接合部周辺に防湿剤を塗布した場合である。
図2(a)に表す通り、電子回路実装基板200は、基板11とQFP(リード以外図示せず)とを有し、基板11上には、絶縁層13並びに電極12とQFPのリード14とを電気的接合するはんだ接合部15が形成されている。そしてはんだ接合部15(フラックス残さ)上には、防湿剤からなる防湿層16が形成されている。なお、図2においては、便宜上、フラックス残さは図示しない。
そして電子回路実装基板200に、例えば寒暖の差が激しく、繰り返しはんだ接合部15に熱応力が加えられると、はんだ接合部15にクラック17が発生し得る(図2(b))。
ここで、はんだ接合部15にクラック17が発生した状態で、電子回路実装基板200が高温環境下に置かれると、加熱により流動性をもった防湿層16がクラック17に浸透し得る(図2(c))。
そしてこのような状態で電子回路実装基板200が低温環境下に置かれると、クラック17に浸透した防湿層16が硬化し、はんだ接合部15が異形化してしまう(図2(d))。
図2(d)のように膨張するように異形化したはんだ接合部15は隣接するはんだ接合部に接触して導通状態となる虞があり、これを起因としてショートが発生する虞がある。
本発明は上記課題、具体的には以下の課題を解決できる鉛フリーはんだ合金、はんだ接合用材料、電子回路実装基板及び電子制御装置の提供をその目的とする。
・寒暖の差が激しく、また振動が負荷されるような過酷な環境下であって、且つ、特に熱応力がはんだ接合部に集中し易い電子部品を用いた状態や、電子回路実装基板が筐体に組み付けられた状態においてもはんだ接合部に発生するクラックの進展を抑制できる。
・はんだ接合部に生じたクラックに防湿剤が浸透した場合であっても、はんだ接合部の異形化を抑制できる。
・例えば電極がSn−3Ag−0.5Cu合金のはんだボールから構成されるBGAのはんだ接合においても、はんだ接合部が良好な耐熱疲労特性を発揮し得る。
本発明に係る鉛フリーはんだ合金は、2.5質量%以上3.1質量%以下のAgと、0.6質量%以上1質量%以下のCuと、3質量%以上5質量%以下のSbと、3.1質量%以上4.5質量%以下のBiと、0.01質量%以上0.1質量%以下のNiと、0.0085質量%以上0.1質量%以下のCoとを含み、残部がSnからなることをその特徴とする。
また本発明の鉛フリーはんだ合金は、Agの含有量が2.8質量%以上3.1質量%以下であることが好ましい。
また本発明の鉛フリーはんだ合金は、Cuの含有量が0.6質量%以上0.8質量%以下であることが好ましい。
また本発明の鉛フリーはんだ合金は、更にP、Ga及びGeの少なくとも1種を合計で0.001質量%以上0.05質量%以下含むことが好ましい。
また本発明の鉛フリーはんだ合金は、更にFe、Mn、Cr及びMoの少なくとも1種を合計で0.001質量%以上0.05質量%以下含むことが好ましい。
本発明のはんだ用接合材料は、上述する鉛フリーはんだ合金と、ベース樹脂と、チキソ剤と、活性剤と、溶剤とを含むフラックスとを有することをその特徴とする。
本発明のソルダペーストは、粉末状の上述する鉛フリーはんだ合金と、ベース樹脂と、チキソ剤と、活性剤と、溶剤とを含むフラックスとを有することをその特徴とする。
本発明の電子回路実装基板は、上述の鉛フリーはんだ合金を用いて形成され
本発明の電子制御装置は、上述の電子回路実装基板を有することをその特徴とする。
本発明は上記課題、具体的には以下の課題を解決できる鉛フリーはんだ合金、はんだ接合用材料、電子回路実装基板及び電子制御装置の提供をその目的とする。
・寒暖の差が激しく、また振動が負荷されるような過酷な環境下であって、且つ、特に熱応力がはんだ接合部に集中し易い電子部品を用いた状態や、電子回路実装基板が筐体に組み付けられた状態においてもはんだ接合部に発生するクラックの進展を抑制できる。
・はんだ接合部に生じたクラックに防湿剤が浸透した場合であっても、はんだ接合部の異形化を抑制できる。
・例えば電極がSn−3Ag−0.5Cu合金のはんだボールから構成されるBGAのはんだ接合においても、はんだ接合部が良好な耐熱疲労特性を発揮し得る。
はんだ接合部内の結晶粒界に存在する原子空孔を起因とした粒界ボイド及びクラックの発生過程を表わす、はんだ接合部の概略断面図である。 はんだ接合部に発生したクラックへの防湿剤の浸透及び硬化を起因とするはんだ接合部の異形化の発生過程を表わす、QFNを実装した電子回路実装基板の概略断面図である。
以下、本発明の鉛フリーはんだ合金、はんだ接合用材料、電子回路実装基板及び電子制御装置の一実施形態を詳述する。なお、本発明が以下の実施形態に限定されるものではないことはもとよりである。
(1)鉛フリーはんだ合金
本実施形態の鉛フリーはんだ合金には、2.5質量%以上3.1質量%以下のAgを含有させることができる。
この範囲内で鉛フリーはんだ合金にAgを添加することにより、鉛フリーはんだ合金の延性を良好にしつつ、そのSn粒界中にAgSn化合物を析出させて機械的強度を付与することができる。またこれにより、当該鉛フリーはんだ合金の耐熱疲労特性を向上させることができると共に、はんだ接合部内でのボイドの発生を抑制することができる。
より好ましいAgの含有量は、2.8質量%以上3.1質量%以下であり、更に好ましいその含有量は、2.9質量%以上3.1質量%以下である。
Agの含有量をこの範囲内とすることにより、鉛フリーはんだ合金の機械的強度、延性及び溶融時のボイド排出性のバランスをより図ることができる。
本実施形態の鉛フリーはんだ合金には、0.6質量%以上1質量%以下のCuを含有させることができる。
この範囲内で鉛フリーはんだ合金にCuを添加することにより、そのSn粒界中にCuSn化合物を析出させ、鉛フリーはんだ合金の耐熱疲労特性を向上し得る。またCuの含有量をこの範囲内とすることにより、鉛フリーはんだ合金の延伸性を阻害することなく、耐熱疲労特性を向上させることができると共に、そのボイドの発生も抑制することができる。
より好ましいCuの含有量は、0.6質量%以上0.8質量%以下であり、更に好ましい範囲は0.7質量%以上0.8質量%以下である。
Cuの含有量をこの範囲内とすることにより、鉛フリーはんだ合金の耐熱疲労特性及び溶融時のボイド排出性のバランスをより図ることができる。
本実施形態の鉛フリーはんだ合金には、3.1質量%以上4.5質量%以下のBiを含有させることができる。
この範囲内で鉛フリーはんだ合金にBiを添加することにより、これを用いて形成するはんだ接合部内での粒界ボイドの発生を抑制しつつ、その強度を向上させることができる。
またBiの含有量をこの範囲内とすることではんだ接合部の強度を向上し得るため、はんだ接合部にクラックが生じた場合であっても、当該クラックへの防湿剤の浸透及び硬化を起因とするはんだ接合部の異形化を抑制することができる。
より好ましいBiの含有量は3.2質量%以上4.5質量%以下であり、更に好ましいその含有量は4質量%以上4.5質量%以下である。
この範囲内で鉛フリーはんだ合金にBiを添加することにより、はんだ接合部内での粒界ボイドの発生の抑制効果及びその強度の向上効果を更に発揮することができる。
本実施形態の鉛フリーはんだ合金には、3質量%以上5質量%以下のSbを含有させることができる。
この範囲内で鉛フリーはんだ合金にSbを添加することにより、Sn−Ag−Cu系はんだ合金の延性を阻害することなく、鉛フリーはんだ合金へのBi添加による粒界ボイドの発生をより抑制することができる。
またSbの含有量をこの範囲内とすることで、寒暖差が激しく熱応力が繰り返し負荷されるような環境下においても、はんだ接合部の変形を抑制でき、はんだ接合部の物性低下を抑制し得る。そのため、本実施形態の鉛フリーはんだ合金は、はんだ接合部にクラックが生じた場合であっても、当該クラックへの防湿剤の浸透及び硬化を起因とするはんだ接合部の異形化を抑制することができる。
より好ましいSbの含有量は3.5質量%以上5質量%以下であり、更に好ましいその含有量は4質量%以上5質量%以下である。
この範囲内で鉛フリーはんだ合金にSbを添加することにより、はんだ接合部内での粒界ボイドの発生の抑制効果、並びにはんだ接合部の変形抑制効果及びはんだ接合部の異形化抑制効果を更に発揮することができる。
本実施形態の鉛フリーはんだ合金には、0.01質量%以上0.1質量%以下のNiを含有させることができる。
この範囲内で鉛フリーはんだ合金にNiを添加することにより、はんだ付け時に溶融した鉛フリーはんだ合金中に微細な(Cu,Ni)Snが形成されてはんだ接合部中に分散し得るため、はんだ接合部におけるクラックの進展を抑制し、更にその耐熱疲労特性を向上させることができる。
また鉛フリーはんだ合金に含まれるNiは、はんだ付け時に電子部品の電極とはんだ接合部との界面(以下、「界面領域」という。)に移動して微細な(Cu,Ni)Snを形成し得るため、前記界面領域における合金層の成長を抑制することができ、前記界面領域のクラック進展を抑制し得る。
そして本実施形態の鉛フリーはんだ合金は、上記範囲内でNiを添加することにより、良好な前記界面領域のクラック進展抑制効果を発揮し得ると共に、はんだ接合部のボイド発生抑制効果を発揮し得る。
また、電極がSn−3Ag−0.5Cu合金のはんだボールから構成されるBGAをはんだ接合する場合、形成されるはんだ接合部に一定以上のボイドが発生してしまうと、寒暖差の激しい環境下に置かれた場合にはんだ接合部の熱疲労特性が低下し易くなる虞がある。しかし、本実施形態の鉛フリーはんだ合金であれば上述の通りはんだ接合部のボイド発生抑制効果を発揮し得るため、このようなBGAのはんだ接合にも好適に使用することができる。
より好ましいNiの含有量は、0.02質量%以上0.05質量%以下である。
この範囲内で鉛フリーはんだ合金にNiを添加することにより、はんだ接合部のボイド発生抑制効果を更に発揮することができ、例えばBGAのはんだ接合時においてもより良好な耐熱疲労特性を発揮することができる。
本実施形態の鉛フリーはんだ合金には、Niと共に、0.0085質量%以上0.1質量%以下のCoを含有させることができる。
鉛フリーはんだ合金に更にCoを添加することで、Ni添加による上記効果を高めると共に、はんだ付け時に溶融した鉛フリーはんだ合金中に微細な(Cu,Co)Snが形成されてはんだ接合部中に分散し得るため、はんだ接合部に一定の応力が負荷された際のクリープ変形を抑制することができ、はんだ接合部の耐熱疲労特性を向上させることができる。
また、本実施形態の鉛フリーはんだ合金へのCoの添加により、Coがはんだ付け時に前記界面領域に移動して微細な(Cu,Co)Snを形成するため、前記界面領域における合金層の成長を抑制することができ、前記界面領域のクラック進展抑制効果を更に向上させることができる。
そして本実施形態の鉛フリーはんだ合金は、上記範囲内でCoを含有することにより、鉛フリーはんだ合金のNi添加による金属間化合物の改質効果をより高めつつ、はんだ接合部のボイド発生抑制効果を発揮し得る。
また、電極がSn−3Ag−0.5Cu合金のはんだボールから構成されるBGAをはんだ接合する場合、形成されるはんだ接合部に一定以上のボイドが発生してしまうと、寒暖差の激しい環境下に置かれた場合にはんだ接合部の熱疲労特性が低下し易くなる虞がある。しかし、本実施形態の鉛フリーはんだ合金であれば上述の通りはんだ接合部のボイド発生抑制効果を発揮し得るため、このようなBGAのはんだ接合にも好適に使用することができる。
より好ましいCoの含有量は、0.009質量%以上0.05質量%以下である。
この範囲内で鉛フリーはんだ合金にCoを添加することにより、はんだ接合部のボイド発生抑制効果を更に発揮することができ、例えばBGAのはんだ接合時においてもより良好な耐熱疲労特性を発揮することができる。
本実施形態の鉛フリーはんだ合金には、P、Ga及びGeの少なくとも1種を0.001質量%以上0.05質量%以下含有させることができる。この合計量の範囲内でP、Ga及びGeの少なくとも1種を添加することにより、はんだ接合部のボイド発生を抑制しつつ、鉛フリーはんだ合金の酸化を防止することができる。
特にGeは、形成されるはんだ接合部のフィレット部表面に濃化することから、引け巣の発生を軽減でき、はんだ接合部の耐熱疲労特性を更に向上することができる。
また、Geの特に好ましい含有量は、0.001質量%以上0.01質量%以下である。
この範囲内で鉛フリーはんだ合金にGeを添加することにより、はんだ接合部の耐熱疲労特性をより一層発揮することができる。
本実施形態の鉛フリーはんだ合金には、Fe、Mn、Cr及びMoの少なくとも1種を0.001質量%以上0.05質量%以下含有させることができる。この合計量の範囲内でFe、Mn、Cr及びMoの少なくとも1種を添加することにより、はんだ接合部のクラック進展抑制効果を向上させることができる。
なお、本実施形態の鉛フリーはんだ合金には、その効果を阻害しない範囲において、他の成分(元素)、例えばIn、Cd、Tl、Se、Au、Ti、Si、Al、Mg、Zn等を含有させることができる。また本実施形態の鉛フリーはんだ合金には、当然ながら不可避不純物も含まれるものである。
また本実施形態の鉛フリーはんだ合金は、その残部はSnからなることが好ましい。なお好ましいSnの含有量は、86.1質量%以上90.7815質量%以下である。
本実施形態の鉛フリーはんだ合金は、Bi及びSbの含有量及び他の合金元素とその含有量のバランスを図ることにより、Biを添加しても良好な延性を発揮することではんだ接合部に発生するクラックの進展を抑制できると共に、Sbを添加しても良好な強度を発揮することで良好な耐熱疲労特性を発揮することができる。
そのため、例えば本実施形態の鉛フリーはんだ合金を用いて形成されるはんだ接合部にクラックが生じ、これに防湿剤が浸透した場合であっても、はんだ接合部の異形化を抑制でき、また例えば電極がSn−3Ag−0.5Cu合金のはんだボールから構成されるBGAのはんだ接合においても、はんだ接合部が良好な耐熱疲労特性を発揮し得る。
本実施形態のはんだ接合部の形成方法としては、本実施形態の鉛フリーはんだ合金によるフロー方法、はんだボールによる実装及び本実施形態の鉛フリーはんだ合金とフラックスとを含むはんだ接合用材料、ソルダペーストを用いたリフロー方法等、はんだ接合部を形成できるものであればどのような方法を用いても良い。なおその中でもソルダペーストを用いた方法が好ましく用いられる。
(2)はんだ接合用材料
本実施形態のはんだ接合用材料としては、例えば前記鉛フリーはんだ合金とフラックスとを含むものが好ましく用いられる。
このようなフラックスとしては、例えばベース樹脂と、チキソ剤と、活性剤と、溶剤とを含むフラックスが用いられる。
前記ベース樹脂としては、例えばトール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン、水添ロジン、重合ロジン、不均一化ロジン、アクリル酸変性ロジン、マレイン酸変性ロジン等のロジン誘導体を含むロジン系樹脂;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の各種エステル、メタクリル酸の各種エステル、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸のエステル、無水マレイン酸のエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、塩化ビニル、酢酸ビニル等の少なくとも1種のモノマーを重合して得られるアクリル樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂等が挙げられる。これらは単独でまたは複数を組合せて用いることができる。
これらの中でもロジン系樹脂、特に酸変性されたロジンに水素添加をした水添酸変性ロジン、ロジンをエステル化したロジンエステルが好ましく用いられる。また水添酸変性ロジンとアクリル樹脂の併用も好ましい。
前記ベース樹脂の酸価は10mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましい。また前記ベース樹脂の配合量はフラックス全量に対して10質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
前記チキソ剤としては、例えば水素添加ヒマシ油、脂肪酸アマイド類、オキシ脂肪酸類が挙げられる。これらは単独でまたは複数を組合せて使用することができる。前記チキソ剤の配合量は、フラックス全量に対して3質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
前記活性剤としては、例えば有機アミンのハロゲン化水素塩等のアミン塩(無機酸塩や有機酸塩)、有機酸、有機酸塩、有機アミン塩等を配合することができる。更に具体的には、ジブロモブテンジオール、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩、シクロヘキシルアミン臭化水素酸塩、ジエチルアミン塩、酸塩、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、ドデカン二酸、スベリン酸、ダイマー酸等が挙げられる。これらは単独でまたは複数を組合せて使用することができる。前記活性剤の配合量は、フラックス全量に対して5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
前記溶剤としては、例えばイソプロピルアルコール、エタノール、アセトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、グリコールエーテル等を使用することができる。これらは単独でまたは複数を組合せて使用することができる。前記溶剤の配合量は、フラックス全量に対して20質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
前記フラックスには、鉛フリーはんだ合金の酸化を抑える目的で酸化防止剤を配合することができる。この酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリマー型酸化防止剤等が挙げられる。その中でも特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。これらは単独でまたは複数を組合せて使用することができる。前記酸化防止剤の配合量は特に限定されないが、一般的にはフラックス全量に対して0.5質量%以上5質量%程度以下であることが好ましい。
前記フラックスには、ハロゲン、つや消し剤、消泡剤及び無機フィラー等の添加剤を加えてもよい。
前記添加剤の配合量は、フラックス全量に対して10質量%以下であることが好ましい。またこれらの更に好ましい配合量はフラックス全量に対して5質量%以下である。
(3)ソルダペースト
本実施形態のはんだ接合用材としては、ソルダペーストが好ましく用いられる。このようなソルダペーストとしては、例えば粉末状にした前記鉛フリーはんだ合金(合金粉末)と前記フラックスとを混練しペースト状にすることにより作製される。
前記ソルダペーストを作製する場合、前記合金粉末とフラックスとの配合比率は、合金粉末:フラックスの比率で65:35から95:5であることが好ましい。より好ましい配合比率は85:15から93:7であり、特に好ましい配合比率は87:13から92:8である。
なお前記合金粉末の粒子径は1μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上35μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
(4)はんだ接合部
本実施形態のはんだ接合用材料を用いて形成されるはんだ接合部としては、例えば以下の方法により形成される。なお、本実施形態のはんだ接合部が形成される基板としては、プリント配線板、シリコンウエハ、セラミックパッケージ基板等、電子部品の搭載、実装に用いられるものであればこれらに限らず使用できる。
即ち、例えば基板上の予め定められた位置に所定のパターンの電極及び絶縁層を形成し、このパターンに合わせて前記はんだ接合用材料としてソルダペーストを印刷する。そして当該基板上の所定の位置に電子部品を搭載し、これを例えば220℃から245℃の温度でリフローすることにより、本実施形態のはんだ接合部が形成される。このように形成されたはんだ接合部は、前記電子部品に設けられた電極(端子)と前記基板上に形成された電極とを電気接合させる。
そして前記ソルダペースト(本実施形態の鉛フリーはんだ合金)を用いて形成されるはんだ接合部は、良好な延性と良好な強度を発揮することで良好な耐熱疲労特性を発揮することができる。また当該はんだ接合部にクラックが生じ、これに防湿剤が浸透した場合であっても、はんだ接合部の異形化を抑制でき、また例えば電極がSn−3Ag−0.5Cu合金のはんだボールから構成されるBGAのはんだ接合においても、はんだ接合部が良好な耐熱疲労特性を発揮し得る。
また、本実施形態の鉛フリーはんだ合金をはんだボールとして使用する場合、例えば基板上の予め定められた位置に所定のパターンの電極及び絶縁層を形成し、このパターンに合わせてこれにフラックスを塗布し、前記はんだボールを載置する。そして当該基板上の所定の位置に電子部品を搭載し、これを例えば220℃から245℃の温度でリフローすることにより、本実施形態のはんだ接合部が形成される。このように形成されたはんだ接合部は、前記電子部品に設けられた電極(端子)と前記基板上に形成された電極とを電気接合させる。
そして前記はんだボールを用いて形成されるはんだ接合部は、良好な延性と良好な強度を発揮することで良好な耐熱疲労特性を発揮することができる。また当該はんだ接合部にクラックが生じ、これに防湿剤が浸透した場合であっても、はんだ接合部の異形化を抑制できる。
このように、本実施形態のはんだ接合部を有する電子回路実装基板は、寒暖の差の激しい環境下に置かれ、高い信頼性が要求される車載用電子回路実装基板に特に好適に使用することができる。
(5)電子制御装置
またこのような電子回路実装基板を組み込むことにより、信頼性の高い電子制御装置が作製される。そしてこのような電子制御装置は、特に高い信頼性の求められる車載用電子制御装置に好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳述する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
フラックスの作製
以下の各成分を混練し、実施例及び比較例に係るフラックスを得た。
水添酸変性ロジン(製品名:KE−604、荒川化学工業(株)製) 32質量%
ロジンエステル(製品名:ハリタックF85、ハリマ化成(株)製) 12質量%
ドデカン二酸 5質量%
スベリン酸 1質量%
ジブロモブテンジオール 1.5質量%
ダイマー酸(製品名:UNIDYME14、クレイトンコーポレーション社製) 8質量%
脂肪酸アマイド(製品名:スリパックスZHH、日本化成(株)製) 4質量%
硬化ひまし油 1.5質量%
ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル 33質量%
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(製品名:イルガノックス245、BASFジャパン(株)製) 2質量%
ソルダペーストの作製
前記フラックス11.9質量%と、表1及び表2に記載の各鉛フリーはんだ合金の粉末(粉末粒径20μmから38μm)88.1質量%とを混合し、実施例8、11、参考例1から7、9、10、12から27及び比較例1から比較例20に係る各ソルダペーストを作製した。
(1)耐はんだクラック試験(A)
<筐体に取り付けていない状態での耐はんだクラック試験>
以下の用具を用意した。
・QFN部品(ピッチ幅:0.5mm、縦5mm×横5mm×厚さ0.8mm、端子数:32ピン)
・上記QFN部品を実装できるパターンを有するソルダレジスト及び前記QFN部品を接続する電極とを備えたプリント配線板(製品名:R−1766、パナソニック(株)製、表面処理:Cu−OSP、厚さ:1.2mm)
・上記パターンを有する厚さ150μmのメタルマスク
前記プリント配線板に前記メタルマスクを用いて各ソルダペーストを印刷し、前記QFN部品を2個搭載した。
その後、リフロー炉(製品名:TNV30−508EM2−X、(株)タムラ製作所製)を用いて前記各プリント配線板を加熱して、電極と各QFN部品とを電気的に接合するはんだ接合部を有する各電子回路実装基板を作製した。この際のリフロー条件はプリヒートを170℃から190℃、ピーク温度を245℃とし、220℃以上の時間が45秒間、ピーク温度から200℃までの冷却速度を1℃から8℃/秒とした。また酸素濃度は1,500±500ppmに設定した。
次に、−40℃(30分間)から125℃(30分間)の条件に設定した冷熱衝撃試験装置(製品名:ES−76LMS、日立アプライアンス(株)製)を用い、冷熱衝撃サイクルを1,000、1,500、2,000サイクル繰り返す環境下に前記各プリント配線板をそれぞれ曝した後これを取り出し、各試験基板を作製した。
次いで各試験基板の対象部分を切り出し、これをエポキシ樹脂(製品名:エポマウント(主剤及び硬化剤)、リファインテック(株)製)を用いて封止した。更に湿式研磨機(製品名:TegraPol−25、丸本ストルアス(株)、製)を用いて各試験基板に実装された前記QFN部品のはんだ接合部の断面が分かるような状態とし、各QFN部品のはんだ接合部にクラックが発生したか否かを走査電子顕微鏡(製品名:TM−1000、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて観察し、以下の基準にて評価した。その結果を表3及び表4に表す。なお、上記観察及び評価は、QFN部品1個あたり、8個(箇所)のはんだ接合部について行った。
◎:2,000サイクルまではんだ接合部を完全に横断するクラックが発生しない
○:1,501サイクルから2,000サイクルの間ではんだ接合部を完全に横断するクラックが発生
△:1,001サイクルから1,500サイクルの間ではんだ接合部を完全に横断するクラックが発生
×:1,000サイクル以下ではんだ接合部を完全に横断するクラックが発生
(1)耐はんだクラック試験(B)
<筐体に取り付けた状態での耐はんだクラック試験>
上記(1)耐はんだクラック試験(A)と同じ条件で前記各プリント配線板の電極と各QFN部品とを電気的に接合するはんだ接合部を有する各電子回路実装基板を作製した。そして、前記各電子回路実装基板をアルミニウム合金の筐体にビスで組み付けた(以下、「試験用筐体」という。)を作製した。
次に、−40℃(30分間)から125℃(30分間)の条件に設定した冷熱衝撃試験装置(製品名:ES−76LMS、日立アプライアンス(株)製)を用い、冷熱衝撃サイクルを1,000、1,500、2,000サイクル繰り返す環境下に前記各試験用筐体をそれぞれ曝した後これを取り出した。
そして、前記各試験用筐体から各電子回路実装基板を取り出してから、当該各電子回路実装基板の対象部分を切り出し、これをエポキシ樹脂(製品名:エポマウント(主剤及び硬化剤)、リファインテック(株)製)を用いて封止した。更に湿式研磨機(製品名:TegraPol−25、丸本ストルアス(株)、製)を用いて各電子回路実装基板に実装された前記QFN部品のはんだ接合部の断面が分かるような状態とし、各QFN部品のはんだ接合部にクラックが発生したか否かを走査電子顕微鏡(製品名:TM−1000、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて観察し、上記(1)耐はんだクラック試験(A)と同じ評価基準及び評価方法にて評価した。その結果を表3及び表4に表す。
(2)はんだ接合部の異形化確認試験
以下の用具を用い、各プリント配線板にQFP部品を4個ずつ搭載する以外は上記(1)耐はんだクラック試験(A)と同じ条件で前記各プリント配線板の電極と各QFP部品とを電気的に接合するはんだ接合部を有する各電子回路実装基板を作製した。
・QFP部品(ピッチ幅:0.5mm、縦26mm×横26mm×厚さ1.6mm、端子数:176ピン)
・上記QFP部品を実装できるパターンを有するソルダレジスト及び前記QFN部品を接続する電極とを備えたプリント配線板(製品名:R−1766、パナソニック(株)製、表面処理:Cu−OSP、厚さ:1.2mm)
次いで、前記各電子回路実装基板表面に防湿剤(製品名:タッフィー TF−4200、日立化成(株)製)を塗布し、これを室温下に6時間放置して乾燥させた。その後、各電子回路実装基板をアルミニウム合金の筐体にビスで組み付けた(以下、「試験用筐体」という)。
次に、−40℃(30分間)から125℃(30分間)の条件に設定した冷熱衝撃試験装置(製品名:ES−76LMS、日立アプライアンス(株)製)を用い、冷熱衝撃サイクルを1,000、2,000サイクル繰り返す環境下に前記各試験用筐体をそれぞれ曝した後これを取り出した。
そして、前記各試験用筐体から各電子回路実装基板を取り出してから、各電子回路実装基板上のはんだ接合部が異形化し、各QFP部品の隣接するはんだ接合部(隣接するリードに形成されたはんだ接合部)が接触してショートに至ったかどうかを以下の基準にて評価した。その結果を表3及び表4に表す。なお、上記観察及び評価は、QFP部品1個あたり、176個(箇所)のはんだ接合部について行った。
◎:2,000サイクルまでショートは発生しなかった
○:1,001サイクルから2,000サイクルの間でショートが発生した
×:1,000サイクル以下でショートが発生した
(3)BGA耐はんだクラック確認試験
以下の用具を用意した。
・BGA部品(ピッチ幅:0.5mm、縦6mm×横6mm×厚さ1.2mm、ボール個数109個、ボール組成:Sn−3Ag−0.5Cu合金)
・上記BGA部品を実装できるパターンを有するソルダレジスト及び前記BGA部品を接続する電極とを備えたプリント配線板(製品名:MCL−E−700G(RL)、日立化成(株)製、表面処理:Cu−OSP、厚さ:1.2mm)
・上記パターンを有する厚さ110μmのメタルマスク
前記プリント配線板に前記メタルマスクを用いて各ソルダペーストを印刷し、前記BGA部品を1個搭載した。
その後、リフロー炉(製品名:TNV30−508EM2−X、(株)タムラ製作所製)を用いて前記各プリント配線板を加熱して、電極と各BGA部品とを電気的に接合するはんだ接合部を有する各電子回路実装基板を作製した。この際のリフロー条件はプリヒートを170℃から190℃、ピーク温度を245℃とし、220℃以上の時間が45秒間、ピーク温度から200℃までの冷却速度を1℃から8℃/秒とした。また酸素濃度は1,500±500ppmに設定した。
そして、前記各電子回路実装基板をアルミニウム合金の筐体にビスで組み付けた(以下、「試験用筐体」という。)を作製した。
次に、−40℃(30分間)から125℃(30分間)の条件に設定した冷熱衝撃試験装置(製品名:ES−76LMS、日立アプライアンス(株)製)を用い、冷熱衝撃サイクルを2,500、3,000、3,500サイクル繰り返す環境下に前記各試験用筐体をそれぞれ曝した後これを取り出し、各試験基板を作製した。
そして、前記各試験用筐体から各電子回路実装基板を取り出してから、各電子回路実装基板の対象部分を切り出し、これをエポキシ樹脂(製品名:エポマウント(主剤及び硬化剤)、リファインテック(株)製)を用いて封止した。更に湿式研磨機(製品名:TegraPol−25、丸本ストルアス(株)、製)を用いて各試験基板に実装された前記BGA部品のはんだ接合部の断面が分かるような状態とし、各BGA部品のはんだ接合部にクラックが発生したか否かを走査電子顕微鏡(製品名:TM−1000、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて観察し、以下の基準にて評価した。その結果を表3及び表4に表す。なお、上記観察及び評価は、BGA部品の4隅のはんだ接合部、及びパッケージ内部の半導体素子下に配列された11個(箇所)の計15個(箇所)のはんだ接合部について行った。
◎:3,500サイクルまではんだ接合部を完全に横断するクラックが発生しない
○:3,001サイクルから3,500サイクルの間ではんだ接合部を完全に横断するクラックが発生
△:2,501サイクルから3,000サイクルの間ではんだ接合部を完全に横断するクラックが発生
×:2,500サイクル以下ではんだ接合部を完全に横断するクラックが発生
以上に示す通り、実施例に係る鉛フリーはんだ合金を用いて形成したはんだ接合部は、特に熱応力がはんだ接合部に集中し易い電子部品(QFN部品)を用いて、且つ作製した電子回路実装基板が筐体にビスで取り付けられた状態においても、当該はんだ接合部に発生するクラックの進展を抑制できることが分かる。
また実施例に係る鉛フリーはんだ合金を用いて形成したはんだ接合部は、はんだ接合部にクラックが生じ、このクラックに防湿剤が浸透した場合であっても、当該はんだ接合部の異形化を抑制できることが分かる。
更に実施例に係る鉛フリーはんだ合金を用いて形成したはんだ接合部は、電極がSn−3Ag−0.5Cu合金のはんだボールから構成されるBGA部品をはんだ接合した場合においても、当該はんだ接合部は良好な耐熱疲労特性を発揮し、クラックの進展を抑制することができることが分かる。
このように実施例に係る鉛フリーはんだ合金は、電子回路実装基板であって車載用電子制御装置に搭載されるものにおいても、好適に使用し得る。
1…結晶粒界
2…原子空孔
2’…粒界ボイド
3…クラック
11…基板
12…電極
13…絶縁層
14…リード
15…はんだ接合部
16…防湿層
17…クラック
100…はんだ接合部
110…Sn結晶粒
200…電子回路実装基板

Claims (11)

  1. 2.5質量%以上3.1質量%以下のAgと、0.6質量%以上1質量%以下のCuと、4質量%以上5質量%以下のSbと、3.1質量%以上4.5質量%以下のBiと、0.01質量%以上0.1質量%以下のNiと、0.0085質量%以上0.1質量%以下のCoとを含み、残部がSnからなることを特徴とする鉛フリーはんだ合金。
  2. Agの含有量が2.8質量%以上3.1質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の鉛フリーはんだ合金。
  3. Cuの含有量が0.6質量%以上0.8質量%以下であることを特徴とする請求項1または請求項に記載の鉛フリーはんだ合金。
  4. 更にP、Ga及びGeの少なくとも1種を合計で0.001質量%以上0.05質量%以下含むことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の鉛フリーはんだ合金。
  5. 更にFe、Mn、Cr及びMoの少なくとも1種を合計で0.001質量%以上0.05質量%以下含むことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の鉛フリーはんだ合金。
  6. 電極がSn−3Ag−0.5Cu合金のはんだボールから構成されるBGAのはんだ接合に用いられることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の鉛フリーはんだ合金。
  7. 鉛フリーはんだ合金を用いて形成されるはんだ接合部の少なくともその周辺に防湿剤が塗布される電子回路実装基板に用いられることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の鉛フリーはんだ合金。
  8. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の鉛フリーはんだ合金と、
    フラックスとを有することを特徴とするはんだ接合用材料。
  9. 粉末状の鉛フリーはんだ合金であって請求項1から請求項のいずれか1項に記載の鉛フリーはんだ合金と、
    ベース樹脂と、チキソ剤と、活性剤と、溶剤とを含むフラックスとを有することを特徴とするソルダペースト。
  10. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の鉛フリーはんだ合金を用いて形成されるはんだ接合部を有することを特徴とする電子回路実装基板。
  11. 請求項1に記載の電子回路実装基板を有することを特徴とする電子制御装置。
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