JP6730550B2 - 移相器、分配/合成装置及びセクタアンテナ - Google Patents

移相器、分配/合成装置及びセクタアンテナ Download PDF

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Description

本発明は、移相器、分配/合成装置、アレイアンテナ及びセクタアンテナに関する。
移動体通信の基地局アンテナには、電波が放射される方向に対応して設定されたセクタ(領域)毎に電波を放射するセクタアンテナが複数組み合わせて用いられている。セクタアンテナには、ダイポールアンテナなどの放射素子(アンテナ)をアレイ状に並べたアレイアンテナが用いられている。そして、移相器によりアレイアンテナのそれぞれのアンテナ素子に供給される入力信号又はそれぞれのアンテナ素子が受信した出力信号の位相が制御されることで、アレイアンテナの指向性が設定されている。
特許文献1には、複数ペアのマイクロストリップ線路が形成された本体基板と、前記本体基板に対して可動する誘電体基板と、前記誘電体基板の表面に形成され、前記本体基板の前記マイクロストリップ線路のペア間を電気的に結合もしくは導通させる複数の結合用マイクロストリップ線路と、前記誘電体基板の裏面に形成されたグラウンド導体と、からなる通過板と、を有し、前記本体基板の前記マイクロストリップ線路と、前記通過板の前記結合用マイクロストリップ線路とを互いに重なるように向かい合わせてなる移相器が記載されている。
特許文献2には、平面が長い長方形の箱形態を有するハウジングと、前記ハウジング内の底面に取り付けられ、入力信号の分配及び分配された信号の位相可変のための複数の位相可変パターンの一部分及び複数の信号分配パターンを形成する伝送線路が印刷される固定基板と、前記ハウジング内で前記固定基板の一面と接触する位置で長さ方向に沿って移動可能であるように設置され、前記複数の位相可変パターンの一部とのカップリングを介して可変線路を形成することにより位相可変のために前記複数の位相可変パターンの残りの部分を形成する伝送線路が印刷される移動基板とを有する垂直ビームチルト制御アンテナのためのマルチライン移相器が記載されている。
特許文献3には、前記高周波信号の波長の1/4未満の間隔で平行に配置され、かつ、固定された第一導線および第二導線と、前記第一導線および前記第二導線と容量結合可能であり、かつ、前記第一導線および前記第二導線の長手方向に往復移動可能な可動導体と、を有し、前記可動導体は、前記第一導線の長手方向一端部と重なり合う入力部と、前記第二導線の長手方向中間部と重なり合う出力部と、前記入力部と前記出力部とを繋ぐ接続部とを含み、前記可動導体は、前記第一導線と前記第二導線との間に、前記高周波信号の波長の1/4倍以上の長さを有する線路を形成する分配移相器が記載されている。
特許文献4には、アンテナ用給電線と、当該アンテナ用給電線を互いの間に挟むようにして当該アンテナ用給電線とそれぞれ離間して配される第1接地層及び第2接地層と、を有し、第1接地層が所定の形状に形成されることで電磁波を送受可能なアンテナ素子として機能するアンテナ用トリプレート線路と、第2接地層と、当該第2接地層に対し下層側に離間して配される引き回し用給電線と、当該引き回し用給電線を第2接地層との間に挟むようにして当該引き回し用給電線と離間して配される第3接地層と、を有する引き回し用トリプレート線路と、を備え、アンテナ用給電線と引き回し用給電線とが、第2接地層の縁の外側で電気的に接続されているアンテナ装置が記載されている。
特開2012−39297号公報 特表2012−526447号公報 特開2014−72625号公報 特開2015−91059号公報
ところで、移動体通信の基地局アンテナに用いられるセクタアンテナには、細径化などの小型化に加え、広帯域化が求められている。
本発明の目的は、セクタアンテナを小型化しつつ、広帯域化できる移相器等を提供することにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される移相器は、基準電位が供給される基準導体が一方の面に設けられ、信号が入力される第1の線路導体及び信号が出力される第2の線路導体が他方の面に設けられた誘電体で構成された第1の基板と、第1の線路導体及び第2の線路導体と相対的に移動可能な状態で電気的に結合するとともに、基準導体に対向して伝送路を形成する第3の線路導体が一方の面に設けられた誘電体で構成された第2の基板と、第2の基板の第3の線路導体が設けられた面を、第1の基板の第1の線路導体及び第2の線路導体が設けられた面に押し付ける押え部材と、押え部材側から、押え部材及び第2の基板を覆って、第1の基板に固定される覆い部材と、を備え、押え部材は、覆い部材の蓋部の内側に接触して、押え部材を覆い部材側に押し付ける突起を有するばね部を備える
このような移相器において、押え部材は、第2の基板側に、第2の基板に接して押さえる突起を有するばね部を備えることを特徴とすることができる。
また、押え部材は、第2の基板に設けられた貫通孔に挿入されることで、第2の基板を拘束する凸部を備えることを特徴とすることができる。
さらに、覆い部材は、覆い部材の周囲に、第1の基板に設けられた貫通孔に挿入され、先端に設けられた返しにより第1の基板に固定される複数の凸部を備えることを特徴とすることができる。
さらにまた、第1の線路導体、第2の線路導体及び第3の線路導体の少なくとも一つにおいて、特性インピーダンスが他の部分と異なる部分を有することを特徴とすることができる。
そして、第1の線路導体、第2の線路導体及び第3の線路導体の少なくとも一つにおいて、特性インピーダンスが他の部分と異なる部分は、幅が異なることを特徴とすることができる。
そしてまた、特性インピーダンスが他の部分と異なる部分を有するのは、第1の線路導体と第3の線路導体とが対向して電気的に結合する部分、第2の線路導体と当該第3の線路導体とが対向して電気的に結合する部分及び第3の線路導体の少なくとも1つであることを特徴とすることができる。
さらに、他の観点から捉えると、本発明が適用される分配/合成装置は、基準電位が供給される、少なくとも一つの基準導体と、基準導体に対向して伝送路を構成し、信号が入力される第1の線路導体と、基準導体に対向して伝送路を構成し、信号が出力される第2の線路導体と、第1の線路導体及び第2の線路導体と相対的に移動可能な状態で電気的に結合するとともに、基準導体に対向して伝送路を形成する第3の線路導体と、を備える複数の移相器と、直接又は複数の移相器のいずれかを経由して、接続される複数のアンテナへの信号を分配又は複数のアンテナからの信号を合成する分配/合成線路と、複数の移相器の少なくとも1つの移相器と、少なくとも1つの他の移相器とを、異なる移相量に設定する移相量設定部とを備える。
このような分配/合成装置において、移相器は、第1の線路導体、第2の線路導体及び第3の線路導体の少なくとも一つにおいて、特性インピーダンスが他の部分と異なる部分を有することを特徴とすることができる。
また、移相量設定部は、第1のピッチを有する第1の雄ねじ部と、第1の雄ねじ部と同一の軸に連結して設けられ、第1のピッチとは異なる第2のピッチを有する第2の雄ねじ部と、を備え、複数の移相器のうち、少なくとも1つの移相器が、軸の回転により、第1の雄ねじ部に嵌め込まれた、第1の雄ねじ部に噛み合う第1の雌ねじ部を有する第1の移動部材の移動により第1の移相量に設定され、複数の移相器のうち、少なくとも1つの他の移相器が、軸の回転により、第2の雄ねじ部に嵌め込まれた、第2の雄ねじ部に噛み合う第2の雌ねじ部を有する第2の移行部材の移動により第1の移相量と異なる第2の移相量に設定されることを特徴とすることができる。
さらにまた、他の観点から捉えると、本発明が適用されるセクタアンテナは、基準電位が供給される基準導体が一方の面に設けられ、信号が入力される第1の線路導体及び信号が出力される第2の線路導体が他方の面に設けられた誘電体で構成された第1の基板と、第1の線路導体及び第2の線路導体と相対的に移動可能な状態で電気的に結合するとともに、基準導体に対向して伝送路を形成する第3の線路導体が一方の面に設けられた誘電体で構成された第2の基板と、を備える複数の移相器と、第1の基板の一方の面に予め定められた間隔で配列された複数の放射素子と、第1の基板の他方の面に、直接又は複数の移相器のいずれかを経由して設けられ、複数の放射素子に信号を分配又は複数の放射素子からの信号を合成する分配/合成線路と、反射板と、を備えるアレイアンテナと、複数の移相器の少なくとも1つの移相器と、少なくとも1つの他の移相器とを、異なる移相量に設定する移相量設定部と、アレイアンテナを覆うレドームと、を備え、移相器は、第1の線路導体、第2の線路導体及び第3の線路導体の少なくとも一つにおいて、特性インピーダンスが他の部分と異なる部分を有することを特徴とする。
本発明によれば、セクタアンテナを小型化に加えて、広帯域化できる移相器等が提供できる。
第1の実施の形態が適用される移動体通信の基地局アンテナの全体構成の一例を示す図である。(a)は、基地局アンテナの斜視図であり、(b)は、基地局アンテナの設置例を説明する図である。 第1の実施の形態におけるアレイアンテナの斜視図である。 分配回路を説明する図である。(a)は、分配回路の平面図、(b)は、アンテナに送信される信号と移相器との関係を説明する図である。 移相器を説明する図である。(a)は、移相器の固定基板に設けられた固定線路を説明する図、(b)は、移相器の可動基板に設けられた可動線路を説明する図、(c)は、(a)の固定線路と可動線路とを組み合わせた移相器の平面図である。 図4に示した移相器の固定基板に設けられる固定線路及び可動基板に設けられる可動線路の拡大図である。(a)は、可動線路を、(b)は、固定線路を示し、(c)は、移相器のリターンロス特性を示す。 第1の実施の形態が適用されない移相器の固定基板に設けられる固定線路及び可動基板に設けられる可動線路の拡大図である。(a)は、可動線路を、(b)は、固定線路を示し、(c)は、移相器のリターンロス特性を示す。 図5に示した第1の実施の形態が適用される移相器の特性を説明する図である。(a)は、可動線路側から見た平面図、(b)は、固定線路側から見た平面図、(c)は、(a)、(b)のVIIC−VIIC線での断面図である。 移相器における固定線路及び可動線路の形状の他の一例である。(a)は、可動線路側から見た平面図、(b)は、固定線路側から見た平面図、(c)は、移相器のリターンロス特性を示す。 移相器における固定線路及び可動線路の形状のさらに他の一例である。(a)は、可動線路側から見た平面図、(b)は、固定線路側から見た平面図、(c)は、移相器のリターンロス特性を示す。 移相器における固定線路及び可動線路の形状のさらに他の一例である。(a)は、可動線路側から見た平面図、(b)は、固定線路側から見た平面図、(c)は、移相器のリターンロス特性を示す。 移相器において可動基板を保持する保持機構を説明する図である。(a)は、保持機構が設けられた移相器の斜視図、(b)は、(a)のXI方向から見た移相器の上面図である。 移相器において可動基板を保持する保持機構を説明する断面図である。(a)は、固定基板に可動基板と押え部材とを配置した状態を示す図、(b)は、覆い部材で固定基板及び押え部材を固定した状態を示す図である。 移相量設定部を説明する図である。 ねじ部を拡大して示す図である。 第2の実施の形態における分配回路を説明する図である。 第2の実施の形態に示したアレイアンテナにおける移相量を説明する図である。 第3の実施の形態における分配回路を説明する図である。 第3の実施の形態に示したアレイアンテナにおける移相量を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、使用する図面は、本実施の形態を説明するために使用するものであり、実際の大きさを現すものではない。
[第1の実施の形態]
<基地局アンテナ1>
図1は、第1の実施の形態が適用される移動体通信の基地局アンテナ1の全体構成の一例を示す図である。図1(a)は、基地局アンテナ1の斜視図であり、図1(b)は、基地局アンテナ1の設置例を説明する図である。なお、図1(b)は、基地局アンテナ1を上方から見た図である。
図1(a)に示すように、基地局アンテナ1は、例えば鉄塔20に保持された複数のセクタアンテナ10−1〜10−3(区別しない場合は、セクタアンテナ10と表記する。)を備える。セクタアンテナ10−1〜10−3は、それぞれがアレイアンテナ30を備える。そして、アレイアンテナ30は、風雨などから保護するレドーム12で覆われている。レドーム12は、円筒状のパイプと、上面を覆う上蓋と、下面を覆う下蓋とで構成されている。すなわち、セクタアンテナ10−1〜10−3の外側はレドーム12であって、レドーム12の内部にアレイアンテナ30が収納されている。図1(a)、(b)では、レドーム12は、円筒状としたが、他の形状であってもよい。
レドーム12は、樹脂やFRP(繊維強化プラスチック)等の、電波を透過し易い低誘電率で低誘電正接の材料で構成されている。
それぞれのセクタアンテナ10は、アレイアンテナ30に送信信号及び受信信号を伝送する送受信ケーブル14、15の一端部に接続されている。送受信ケーブル14、15の他端部は、基地局(不図示)内に設けられた送信信号の生成及び受信信号を受信する送受信部(不図示)に接続されている。送受信ケーブル14、15は、例えば同軸ケーブルである。
図1(a)では、セクタアンテナ10−1にのみ、送受信ケーブル14、15を表記するが、他のセクタアンテナ10−2、10−3も、セクタアンテナ10−1と同様に、送受信ケーブル14、15を備える。
ここでは、送受信ケーブル14、15は、それぞれが+45°偏波と−45°偏波の信号を伝送するとする(図2参照)。
そして、図1(a)に示すように、セクタアンテナ10は、垂直方向に設けられているとする。なお、垂直方向から斜めに設けられていてもよい。
基地局アンテナ1、セクタアンテナ10、アレイアンテナ30などは、アンテナの可逆性により、電波を送信及び受信することができる。以下では、電波を送信する場合を説明するが、受信する場合は、信号の流れの方向を逆にすればよい。
図1(b)に示すように、基地局アンテナ1は、セル2内において電波の送信を行う。セル2は、セクタアンテナ10−1〜10−3のそれぞれに対応して複数のセクタ3−1〜3−3(区別しない場合は、セクタ3と表記する。)に分割されている。そして、セクタアンテナ10−1〜10−3は、それぞれのアレイアンテナ30が送信する電波のメインローブ13の方向(指向性)が、対応するセクタ3−1〜3−3に向くように設定されている。
なお、図1では、基地局アンテナ1は、3個のセクタアンテナ10−1〜10−3を備え、これらに対応してセクタ3−1〜3−3があるとした。しかし、セクタアンテナ10及びセクタ3は、3以外の予め定められた個数であってよい。また、図1(b)では、セクタ3は、セル2を3等分に分割(中心角120°)して構成されているが、等分でなくともよく、いずれか1つのセクタ3が他のセクタ3に比べ広く又は狭く構成されてもよい。
セクタアンテナ10は、アレイアンテナ30が備える複数のアンテナ40(後述する図2のアンテナ40−1、40−2、40−3、40−4(区別しない場合は、アンテナ40と表記する。))間において、送信する信号(受信する信号)の位相を異ならせる移相器70(後述する図3参照)を備える。これにより、電波(ビーム)の放射角度(又は受信角度)が、水平面から地上方向に傾けられている(チルトしている)。図1(a)では、チルト角θである。
<アレイアンテナ30>
図2は、第1の実施の形態におけるアレイアンテナ30の斜視図である。
アレイアンテナ30は、複数(ここでは一例として4個)のクロスダイポール構造のアンテナ40−1〜40−4(区別しない場合は、アンテナ40と表記する。)と、アンテナ40−1〜40−4を配列するとともに、分配線路60などが構成された第1の基板の一例としての固定基板50とを備える。また、アレイアンテナ30は、後述する図3に示すように、アンテナ40への送信信号(アンテナ40からの受信信号)の位相の差(移相量)を設定する移相器70−1〜70−6(区別しない場合は、移相器70と表記する。)を備える。さらに、アレイアンテナ30は、移相器70の移相量を設定する移相量設定部120を備える。
なお、アンテナ40−1〜40−4は、固定基板50上に予め定められた距離で等間隔に配置されているとする。
アンテナ40は、誘電体で構成された板状の基体上に設けられた膜状の銅、アルミニウムなどの導体にて構成された放射素子部41a及び放射素子部41bを組にするダイポールアンテナ41と、放射素子部42a及び放射素子部42bを組にするダイポールアンテナ42とが組み合わされて構成されている。
そして、ダイポールアンテナ41の放射素子部41a、41bは、例えば放射素子部41a、41bが設けられた基体上の導体膜にて構成された給電部から給電される。ダイポールアンテナ42も、ダイポールアンテナ41と同様である。
図2には、誘電体で構成された基体の図示を省略している。基体は、例えば、ガラスエポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂などの誘電体で構成された板である。なお、基体の誘電体は、高周波領域における損失が小さいことが好ましい。
なお、基体を用いずに、放射素子部41a、41b、42a、42b、給電部は、導線、導体板などで構成されてもよい。
ここで、アンテナ40、ダイポールアンテナ41、42は、放射素子の一例である。
ダイポールアンテナ41は、放射素子部41aと放射素子部41bとを結ぶ方向が垂直方向に対して+45°に設定されている。よって、ダイポールアンテナ41は、+45°偏波を送信する。一方、ダイポールアンテナ42は、放射素子部42aと放射素子部42bとを結ぶ方向が垂直方向に対して−45°に設定されている。よって、ダイポールアンテナ42は、−45°偏波を送信する。
すなわち、アンテナ40は、偏波共用アンテナである。
ここでは、+45°偏波と−45°偏波の信号を送信及び受信するとしたが、ダイポールアンテナ41の放射素子部41aと放射素子部41bとを結ぶ方向を垂直方向に設定して、垂直偏波を送信し、ダイポールアンテナ42の放射素子部42aと放射素子部42bとを結ぶ方向を水平方向に設定して、水平偏波を送信するとしてもよい。
さらに、アンテナ40は、一組のダイポールアンテナ41、42で構成されているとしたが、パッチアンテナなどであってもよい。
固定基板50は、誘電体で構成された板状の基体51と、基体51のアンテナ40側の面に設けられた反射板として働く反射導体52と、基体51のアンテナ40と反対側の面に設けられた分配線路60(後述する図3参照)とを備える。また、移相器70の固定線路71、72も分配線路60と同様に、基体51のアンテナ40と反対側の面に設けられる(後述する図4参照)。なお、基体51を誘電体で構成された板と表記することがある。
固定基板50の基体51は、アンテナ40の基体と同様に誘電体で構成された板である。そして、基体51の両面には、銅、アルミニウムなどの膜状の導体が設けられている。そして、基体51のアンテナ40側の面の導体は、反射板として働く反射導体52に加工され、アンテナ40と反対側の面の導体は、分配線路60及び移相器70の固定線路71、72に加工されている。
なお、固定基板50には、アンテナ40及び移相器70を固定する貫通孔(後述する図4参照)が設けられている。
反射導体52は、電波の放射において、電波を反射して電波の放射における指向性を設定する。よって、反射導体52は、アンテナ40に対して一様な電位となるように、基体51上に導体をほとんど残した状態である。
ここでは、反射導体52は、接地電位(GND)などの基準電位に設定されているとする。
なお、反射導体52は、固定基板50のアンテナ40と反対側に設けられる分配線路60に対して接地電位(GND)などの基準電位を供給する。すなわち、反射導体52と分配線路60とはマイクロストリップライン(線路)の伝送路を構成する。よって、反射導体52を基準導体と表記することがある。
後述するように、反射導体52は、移相器70の固定線路71、72及び可動線路82に対しても接地電位(GND)などの基準電位を供給する(後述する図4、図7参照)。すなわち、反射導体52と移相器70の固定線路71、72及び可動線路82とは、マイクロストリップラインの伝送路を構成する。
ここでは、固定基板50のアンテナ40側の面に反射導体52を設け、アンテナ40と反対側の面に分配線路60、移相器70の固定線路71、72及び可動線路82を設けた。しかし、例えば、アルミニウムや銅の板で反射板を構成し、固定基板50と組み合わせてもよい。この場合、固定基板50の反射導体52は、分配線路60、移相器70の固定線路71、72及び可動線路82に対して接地電位(GND)などの基準電位を供給する基準導体となる。一方、反射板は、他の電位に接続されてもよく、浮遊状態とされてもよい。アレイアンテナ30において求めたい特性が得られれば、いずれの電位に設定されてもよい。
移相量設定部120は、複数の移相器70の移相量を設定する。図2においては、位相量を設定するつまみ129のみを示している。移相量設定部120については、後述する。
<分配回路200>
図3は、分配回路200を説明する図である。図3(a)は、分配回路200の平面図、図3(b)は、アンテナ40に送信される信号と移相器70との関係を説明する図である。
分配回路200は、基体51のアンテナ40と反対側の面に設けられている。よって、図3(a)に示す分配回路200の平面図は、図2に示したアレイアンテナ30を裏面(図2の紙面の下方)から見た図となる。なお、図3(b)には、+45°偏波の信号のみを示している。
図3(a)に示すように、分配回路200は、分配線路60a〜60j、60a′〜60j′(区別しないときは分配線路60と表記する。)と分配線路60で接続された複数の移相器70(移相器70−1〜70−6)とを備える。さらに、分配回路200は、送受信ケーブル14、15とそれぞれ接続される端部61、62を備える。端部61、62は、中継ケーブルを介して送受信ケーブル14、15と接続されてもよい。
分配回路200は、基地局内の送受信部が生成した信号をアンテナ40(アンテナ40−1〜40−4)に分配して供給し、アンテナ40が電波から受信した信号を合成して基地局内の送受信部に送信する。この際、分配回路200は、複数の移相器70により、アンテナ40(アンテナ40−1〜40−4)が送信する信号及び受信する信号の移相量を設定する。よって、分配線路60は、信号の分配/合成を行う分配/合成線路であり、分配回路200は、信号の分配/合成を行う分配/合成回路である。ここでは、分配線路60、分配回路200と表記する。
なお、固定基板50及び移相器70は、分配/合成装置の一例である。また、分配回路200は、給電回路と表記されることがある。
分配回路200が設けられた固定基板50の裏側(固定基板50のアンテナ40側)には、アンテナ40−1〜40−4が設けられている。よって、分配回路200側には、ダイポールアンテナ41の給電部の端子41c、41dとダイポールアンテナ42の給電部の端子42c、42dとが、突き出している。給電部は、例えば、バランなどを含んで構成されている。そして、ダイポールアンテナ41の端子41d及びダイポールアンテナ42の端子42dが接地電位(GND)などの基準電位に接続されている。ここでは、反射導体52に接続されているとする。
図3(a)では、アンテナ40−1のみに符号を付した。他のアンテナ40−2〜40−4も同様であるが、符号を省略した。
分配回路200は、図3の左側と右側で対称である。
分配回路200の左側は、+45°偏波の信号が伝送される送受信ケーブル14が接続される端部61と、分配線路60a〜60jと、3個の移相器70−1、70−2、70−3とを備える。
分配回路200の右側は、−45°偏波の信号が送信される送受信ケーブル15が接続される端部62と、分配線路60a′〜60j′と、3個の移相器70−3、70−4、70−5とを備える。
図3では、形状を詳細には記載していないが、分配線路60a〜60j、60a′〜60j′は、信号の遅延を考慮して長さが設定されている。
そして、分配回路200の左側と右側とは、偏波が+45°と−45°と異なるのみで、構成は同じである。よって、分配回路200の左側を説明し、右側の説明を省略する。
端部61から、アンテナ40−1〜40−4のそれぞれの給電部の端子41cに至る分配線路60を説明する。
端部61は、分配線路60aに接続される。分配線路60aは、分配線路60bと分配線路60cとに分岐する。分配線路60bは、移相器70−1を経由して分配線路60dに接続する。分配線路60dは、分配線路60eと分配線路60fとに分岐する。分配線路60eは、移相器70−2を経由して分配線路60gに接続される。分配線路60gは、アンテナ40−1におけるダイポールアンテナ41の給電部の端子41cに接続される。
一方、分配線路60fは、アンテナ40−2におけるダイポールアンテナ42の給電部の端子41cに接続される。
一方、分配線路60cは、分配線路60hと分配線路60iに分岐する。そして、分配線路60hは、移相器70−3を経由して分配線路60jに接続される。分配線路60jは、アンテナ40−3におけるダイポールアンテナ41の給電部の端子41cに接続される。分配線路60iは、アンテナ40−4におけるダイポールアンテナ41の給電部の端子41cに接続される。
すなわち、図3(b)に示すように、アンテナ40−1(ダイポールアンテナ41)には、移相器70−1及び移相器70−2を介して信号が送信される。
アンテナ40−2(ダイポールアンテナ41)には、移相器70−1を介して信号が送信される。
アンテナ40−3(ダイポールアンテナ41)には、移相器70−3を介して信号が送信される。
アンテナ40−4(ダイポールアンテナ41)には、直接信号が送信される。
なお、ダイポールアンテナ42においても同様であるので、以下では、( )内のダイポールアンテナ41、42の表記を省略する。
ここで、移相器70−1の移相量を−2φ、移相器70−2、70−3のそれぞれの移相量を−φとすると、図3(b)に示すように、移相量は、アンテナ40−1で−3φ、アンテナ40−2で−2φ、アンテナ40−3で−φ、アンテナ40−4で0となる。
すなわち、隣接するアンテナ40間(例えば、アンテナ40−1とアンテナ40−2との間)において、移相量が−φになる。
−の移相量は、経路長(線路長)が長くなり、信号の位相の遅れを生じる。よって、アレイアンテナ30から出射される電波は、アンテナ40間の距離と移相量φとで決まるチルト角θで放射される。
以上のことから、図2で示した移相量設定部120は、移相器70−2、70−3、70−5、70−6は、移相量を−φに、移相器70−1、70−4は、移相量を−2φに設定すればよい。
移相量設定部120については、後述する。
<移相器70>
図4は、移相器70を説明する図である。図4(a)は、移相器70の固定基板50に設けられた固定線路71、72を説明する図、図4(b)は、移相器70の可動基板80に設けられた可動線路82を説明する図、図4(c)は、図4(a)の固定線路71、72と可動線路82とを組み合わせた移相器70の平面図である。
図4(a)に示すように、基体51上に設けられた固定線路71、72は、固定基板50上に設けられた配線であって、前述した分配線路60における分配線路60a〜60j、60a′〜60j′と同時に形成される。このため、固定線路71、72は、分配線路60の一部と考えてもよい。なお、ここでは別のものとして説明する。
そして、固定線路71は、先端部71a、中間部71b及び後端部71cを備える。すなわち、後端部71cは、反射導体52に対して予め定められた特性インピーダンスZ0となるように等幅で形成されている。また、先端部71aも、後端部71cと同じ幅に形成されている。しかし、中間部71bは、先端部71a及び後端部71cより狭い幅で形成されている。よって、中間部71bは、特性インピーダンスが先端部71a及び後端部71cの特性インピーダンスZ0より大きい。
また、固定線路72も、固定線路71と同様に、先端部72a、中間部72b、後端部72cを備える。
そして、固定線路71の先端部71a、中間部71b、及び、中間部71bに続く後端部71cの一部と、固定線路72の先端部72a、中間部72b、及び、中間部72bに続く後端部72cの一部とは、基体51上において並行に構成されている。
例えば、移相器70が移相器70−1である場合、固定線路71の後端部71cは、分配線路60bに接続され、固定線路72の後端部72cは、分配線路60dに接続される。
図4(b)に示すように、第2の基板の一例としての可動基板80は、誘電体で構成された板状の基体81と基体81上に設けられた可動線路82とを備える。なお、基体81を誘電体で構成された板と表記することがある。可動線路82は、例えば、U字状に曲がった中央部82aと、中央部82aから先に行くにしたがい徐々に細くなる端部82b、82cとを備える。中央部82aは、端部82b、82cを接続する部分である。なお、中央部82aは、U字状としたが他の形状であってもよい。
そして、中央部82aは、固定線路71の後端部71c及び固定線路72の後端部72cより幅広に構成されている。
なお、固定線路71、72及び可動線路82の形状については、後述する。
そして、図4(c)に示すように、移相器70は、基体51上の固定線路71、72に対して、可動基板80の可動線路82が対向するように、可動基板80を裏返して固定基板50上に配置される。
そして、固定線路71の先端部71a、中間部71b、及び/又は、後端部71cの一部と、可動線路82の端部82bとが重なり、固定線路72の先端部72a、中間部72b、及び/又は、後端部72cの一部と、可動線路82の端部82cとが重なる。
なお、固定線路71、72と可動線路82との間には、誘電体材料で構成された誘電体膜83(図7参照)が設けられている。これにより、後述するように、押え部材90と覆い部材100とにより、可動線路82を固定線路71、72方向に押し当てた状態において、一定の距離を保持させることができ、VSWR特性や移相特性を安定させることができる。
例えば、信号は、固定線路71の後端部71cから入力して中間部71b、先端部71aに伝搬する。そして、信号は、可動線路82の端部82bと重なった固定線路71の後端部71c、中間部71b、先端部71aから、誘電体膜83を介して電気的に結合して、可動線路82の端部82bに伝搬する。そして、信号は、可動線路82の中央部82aを伝搬する。そして、信号は、可動線路82の端部82cと重なった固定線路72の先端部72a、中間部72b、後端部72cに出力する。
ここで、固定線路71は、第1の線路導体の一例、固定線路72は、第2の線路導体の一例、可動線路82は、第3の線路導体の一例である。
そして、可動線路82を固定線路71、72の長手方向に沿って移動させる。U字状の可動線路82は、2本の固定線路71、72を短絡するように設けられている。よって、可動線路82を2本の固定線路71、72上を移動させることで、信号が伝搬する経路長に差が生じる。このような移相器70は、トロンボーン型移相器と呼ばれることがある。
ここでは、可動線路82を固定線路71、72の長手方向に移動させるとしたが、逆に可動線路82を固定し、固定線路71、72を可動するようにしてもよい。すなわち、固定線路71、72に対する可動線路82の移動は相対的なものである。
なお、図4(a)に示すように、固定基板50は、後述する押え部材90及び覆い部材100を固定するため、固定基板50を貫いて設けられた貫通孔73a、73b、73c、73d、74a、74b、74c、76を備える。なお、覆い部材100は、ハウジング又はケースと呼ばれることがある。
貫通孔73a、73b、73c、73dは、平面形状が円形である。そして、図4(c)に示すように、可動基板80の長手側の外側に、可動基板80を囲むように設けられている。
貫通孔74a、74b、74cは、覆い部材100を固定基板50に固定するために設けられている。貫通孔74a、74b、74cは、形状が長方形であって、後述するように、覆い部材100の凸部105a、105b、105cの先端に設けられた返し(爪状の突起)が固定基板50の一方の面側(反射導体52側)に突き出し、固定基板50に引っ掛かるように設けられている。
貫通孔76は、可動基板80を移動させるために設けられた押え部材90の凸部96a、96bの移動をガイドする長孔である(後述する図12参照)。
また、図4(b)に示すように、可動基板80には、可動基板80を貫いて設けられた貫通孔83a、83bが設けられている。貫通孔83a、83bは、後述するように、押え部材90に設けられた柱状の凸部96a、96bが挿入される。そして、貫通孔83a、83bから突き出した凸部96a、96bが、固定基板50に設けられた貫通孔76に挿入される。
固定基板50を貫いて設けられた貫通孔73a、73b、73c、73d、74a、74b、74c、76については、押え部材90及び覆い部材100とともに説明する。
図5は、図4に示した移相器70の固定基板50に設けられる固定線路71、72及び可動基板80に設けられる可動線路82の拡大図である。図5(a)は、可動線路82を、図5(b)は、固定線路71、72を示し、図5(c)は、移相器70のリターンロス特性を示す。
なお、図5(c)では、固定線路71、72と可動線路82との移動量xにおけるリターンロス特性を示す。横軸は、中心周波数fに対する周波数f/f、縦軸は、リターンロス(dB)である。
図5(a)に示すように、可動線路82の中央部82aは、幅Wが2.1mm、曲率半径Rが3.8mmである。可動線路82の端部82b、82cは、中央部82aの幅Wc(2.1mm)から徐々に細くなり先端の幅WTEが1.1mmである。なお、端部82b、82cは、長さLが18.1mmである。
図5(b)に示すように、固定線路71は、先端部71aの長さLが1.1mm、幅Wが1.7mm、中間部71bの長さLが2.9mm、幅Wが1.1mm、後端部71cの幅Wが1.7mmである。固定線路72も同様である。
そして、図5(c)は、図5(a)、(b)の状態を移動量xが0mmであるとし、可動線路82を図5(a)において右側に移動させた場合に移動量xが正であるとした場合の、リターンロス特性を示している。
図5(c)に示すように、移動量xが−2mmから6mmのどの位置においても、リターンロスは−20dB前後であって、後述する図6に示す場合に比べて小さい。例えば、定在波比VSWRが1.2以下(リターンロス−20.8dB以下)となる比帯域幅が広く、広帯域である(広帯域化されている)。
図6は、第1の実施の形態が適用されない移相器70の固定基板50に設けられる固定線路71、72及び可動基板80に設けられる可動線路82の拡大図である。図6(a)は、可動線路82を、図6(b)は、固定線路71、72を示し、図6(c)は、移相器70のリターンロス特性を示す。
なお、図6(c)では、図5(c)と同様に、固定線路71、72と可動線路82との移動量xとの関係でリターンロス特性を示す。横軸は、中心周波数fに対する周波数f/f、縦軸は、リターンロス(dB)である。
図6(a)に示すように、可動線路82は、中央部82a及び端部82b、82cの幅Wが1.8mmである。なお、可動線路82は、中央部82aの曲率半径Rが3.75mmである。
図6(b)に示すように、固定線路71は、幅Wが1.8mmである。すなわち、固定線路71は、図5に示した第1の実施の形態が適用される移相器70の固定線路71の先端部71a、中間部71b、後端部71cが無い。固定線路72も同様である。
よって、固定線路71、72と可動線路82とが重なる部分も同じ幅(1.8mm)である。
そして、図6(c)は、図5(c)と同様に、図6(a)、(b)の状態を移動量xが0mmであるとし、可動線路82を図6(a)において右側に移動させた場合に移動量xが正であるとして、リターンロス特性を示している。
図6(c)に示すように、移動量xが−2mmから6mmにおいて、最大のリターンロスは−12dBであって、移動量xによってリターンロス特性が大きく変わることが分かる。リターンロスは、図5(a)、(b)、(c)に示した第1の実施の形態が適用される移相器70に比べて大きく、移動量xが−2mmから6mmのどの位置においても定在波比VSWRが1.2以下となる帯域はほとんど得られず、狭帯域になっている。
図7は、図5に示した第1の実施の形態が適用される移相器70の特性を説明する図である。図7(a)は、可動線路82側から見た平面図、図7(b)は、固定線路71、72側から見た平面図、図7(c)は、図7(a)、(b)のVIIC−VIIC線での断面図である。なお、図7(a)は図5(a)、図7(b)は図5(b)である。そして、図7(c)では、固定線路71(先端部71a、中間部71b、後端部71c)及び可動線路82(中央部82a、端部82b)を示している。
固定線路71(固定線路72も同様であるので、以下では同様の部分を( )で表記する。)及び可動線路82は、固定基板50においてアンテナ40側に設けられた反射導体52に対して、マイクロストリップライン(線路)を構成する。固定線路71(固定線路72)の特性インピーダンスは、固定線路71(固定線路72)の幅、基体51の誘電率ε及び厚さd1によって決まる。
これに対して、可動線路82は、固定線路71、72上に位置する。しかも、固定線路71、72に対して可動線路82を滑らかに移動(摺動)させるため、固定線路71、72と可動線路82との間に誘電体膜83が設けられることが多い。このため、可動線路82は、例えば、図7(c)に示す中央部82aのように、固定線路71(固定線路72)と重なっていない部分が、固定基板50に設けられた反射導体52との距離d2が、固定線路71、72より大きい。そして、可動線路82のこのような部分の特性インピーダンスは、可動線路82の幅、基体51の誘電率ε及び厚さd1、介在する空気層の誘電率ε及び厚さ(d2−d1)で決まる。
よって、図6(a)、(b)に示したように、固定線路71、72と可動線路82とを同じ幅とすると、固定線路71(固定線路72)部分では特性インピーダンスZ0であっても、可動線路82の固定線路71、72と重ならない部分は、特性インピーダンスZ0より小さい特性インピーダンスZ1となる(Z1<Z0)。
このため、信号が固定線路71(固定線路72)から可動線路82に伝搬する際、すなわち、固定線路71と重なった部分(特性インピーダンスZ0)から、固定線路71と重ならない部分(特性インピーダンスZ1)に伝搬することになる。すると、インピーダンスがマッチングせず(ミスマッチング)、信号の反射(リターンロス)が発生しやすい。
この状態は、可動線路82を移動させた場合においても発生する。
そこで、図5(a)、(b)(図7(a)、(b)も同じ)に示す第1の実施の形態が適用される移相器70では、固定線路71と可動線路82との間で、インピーダンスの差を抑制している。
前述したように、マイクロストリップ線路における特性インピーダンスは、線路の幅を一定にした場合、信号の伝搬路である線路(固定線路71、72及び可動線路82)と基準導体(ここでは、反射導体52)との距離が大きいほど大きく、信号が伝搬する線路(固定線路71、72及び可動線路82)の幅が広いほど小さい。
そこで、可動線路82の中央部82aは反射導体52からの距離d2が固定線路71、72の距離d1より大きいため、中央部82aの幅Wを、固定線路71、72の後端部71c、72cの幅Wより大きく設定している。
なお、可動線路82を図7(a)の右側、すなわち、移動量xが正になる方向に移動させると、可動線路82の端部82b、82cの一部が、固定線路71、72と中央部82aとの境界に現れる。端部82b、82cは、中央部82aから離れるにしたがって、幅が小さくなる。よって、可動線路82を図7(a)の右側(移動量xが正となる方向)に移動させると、信号が固定線路71、72から可動線路82へ伝搬する部分で特性インピーダンスが高くなる。
そこで、図7(b)に示すように、固定線路71、72は、中間部71b、72bの幅Wを後端部71c、72cの幅Wより小さくしている。よって、中間部71b、72bは、インピーダンスを高くしている。
しかし、この中間部71b、72bには、可動線路82の端部82b、82cがはみ出す。このため、重なった部分のインピーダンスは、中間部71b、72bのインピーダンスと、可動線路82の端部82b、82cのはみ出した部分のインピーダンスとの並列になる。これにより、信号が固定線路71(固定線路72)から可動線路82へ伝搬する際、及び、信号が可動線路82から固定線路71(固定線路72)へ伝搬する際におけるインピーダンスの差が全体として小さくなるようにしている。
よって、図5(c)、図6(c)に示したように、図5(a)、(b)に示す第1の実施の形態が適用される移相器70では、図6(a)、(b)に示した第1の実施の形態が適用されない移相器70に比べて、リターンロスが小さくなる。
以上説明したように、第1の実施の形態が適用される移相器70では、固定基板50上の固定線路71、72及び可動基板80上の可動線路82を、固定線路71、72に対して可動線路82を移動させる範囲において、信号が伝搬する経路においてインピーダンスに大きな変化が生じにくい形状として、リターンロスを抑制している。
図8は、移相器70における固定線路71、72及び可動線路82の形状の他の一例である。図8(a)は、可動線路82側から見た平面図、図8(b)は、固定線路71、72側から見た平面図、図8(c)は、移相器70のリターンロス特性を示す図である。
図8(a)に示すように、可動線路82は、中央部82aを有し、端部82b、82cは、中央部82aから2段階で細くなっている。
可動線路82の中央部82aは、幅Wが2.1mm、曲率半径Rが3.8mmである。可動線路82の端部82bは、長さL(19mm)の内、中央部82a側の長さLT1(10mm)において幅WT1が1.7mm、中央部82aと反対側の長さLT2(7mm)において幅WT2が1.3mmである。なお、可動線路82の端部82cは、端部82bと同じ形状である。
図8(b)に示すように、固定線路71、72は、中間部71b、72bが細くなっているとともに、先端部71a、72aに切り込みが設けられている。
固定線路71は、先端部71aの幅W及び後端部71cの幅Wが1.9mmである。中間部71bは、幅Wが1.1mm、長さLが3.1mmである。そして、先端部71aは、固定線路71の長手方向に切り込みが入れられている。可動線路82の中央部82aの内側に対向する部分の長さLt1が4.6mm、外側に対向する部分の長さLt2が5mmである。
この場合であっても、図8(c)に示すように、移動量xが0mmにおけるリターンロスは、−20dB前後であって、0.59f/f以上の周波数において、定在波比VSWRが1.2以下であり、比帯域幅が広い(広帯域である)。
図9は、移相器70における固定線路71、72及び可動線路82の形状のさらに他の一例である。図9(a)は、可動線路82側から見た平面図、図9(b)は、固定線路71、72側から見た平面図、図9(c)は、移相器70のリターンロス特性を示す図である。
図9(a)に示すように、可動線路82は、図5に示した可動線路82と同じであって、端部82b、82cの幅が中央部82aから徐々に細くなっている。
可動線路82の中央部82aは、幅Wが2.1mm、曲率半径Rが3.8mmである。可動線路82の端部82bは、中央部82aの幅Wc(2.1mm)から徐々に細くなり先端の幅WTEが1.1mmである。端部82bの長さLは、19mmである。
図9(b)に示すように、固定線路71、72は、図6に示した固定線路71、72と同じであって、幅が同じである。
固定線路71は、幅Wが1.7mmである。
この場合であっても、図9(c)に示すように、移動量xが0mmにおけるリターンロスは、−20dB前後であって、0.68f/f以上の周波数において、定在波比VSWRが1.2以下であり、比帯域幅が広い(広帯域である)。
図10は、移相器70における固定線路71、72及び可動線路82の形状のさらに他の一例である。図10(a)は、可動線路82側から見た平面図、図10(b)は、固定線路71、72側から見た平面図、図10(c)は、移相器70のリターンロス特性を示す図である。
図10(a)に示すように、可動線路82は、図8(a)に示した可動線路82と同じく、中央部82aを有し、端部82b、82cは、中央部82aから2段階で細くなっている。
可動線路82の中央部82aは、幅Wが2.1mm、曲率半径Rが3.8mmである。可動線路82の端部82bは、長さL(19mm)の内、中央部82a側の長さLT1(10mm)において幅WT1が1.7mm、中央部82aと反対側の長さLT2(7mm)において幅WT2が1.3mmである。なお、可動線路82の端部82cは、端部82bと同じ形状である。
図10(b)に示すように、固定線路71、72は、図6に示した固定線路71、72と同じであって、幅が同じである。
固定線路71は、幅Wが1.7mmである。
この場合であっても、図10(c)に示すように、移動量xが0mmにおけるリターンロスは、−20dB前後であって、0.66f/f以上の周波数において、定在波比VSWRが1.2以下であり、比帯域幅が広い(広帯域である)。
以上説明したように、移相器70の固定線路71、72及び可動線路82は、信号が伝搬する経路において、インピーダンスに大きな変化が生じにくい形状、すなわち、信号が伝搬する経路におけるインピーダンスの変動が抑制される形状であればよい。よって、上記以外の他の形状であってもよい。例えば、可動線路82と重なる固定線路71、72の部分又は可動線路82の全部又は一部の幅を狭くしてもよく、太くしてもよい。
これまでは、弧状の複数の導体(弧状導体)と、直線状の導体(直線状導体)とを交差させて移相量を設定する回転型の移相器が用いられてきた。回転型の移相器は、複数の移相量を一度に設定できるが、必要とする移相量の数が増えるにしたがって、弧状導体の径が大きくなる。このため、移相器をアレイアンテナ30の裏側に設けた場合、水平方向における幅が大きくなり、セクタアンテナ10の細径化がしづらかった。
図3(a)に示したように、分配回路200には、複数の移相器70を分散配置させて用いることになるが、それぞれの移相器70は、上記したように小型である。よって、弧状導体を用いる回転型の移相器に比べて、セクタアンテナ10の細径化が容易となる。
<移相器70の保持機構>
移相器70は、要求されるチルト角θに対応するように、固定線路71、72に対して可動線路82の位置が設定される。前述したように、移相器70では、固定線路71、72に対して可動線路82を移動(摺動)させる。これにより、固定線路71、72と可動線路82とが重なる位置を移動(スライド)させる。そして、チルト角θに対応する移相量が設定される。
すなわち、可動線路82は、固定線路71、72に対して、容易に移動(スライド)するとともに、移動させた位置で保持されることが必要である。
次に、移相器70における保持機構について説明する。
図11は、移相器70において可動基板80を保持する保持機構を説明する図である。図11(a)は、保持機構が設けられた移相器70の斜視図、図11(b)は、図11(a)のXI方向から見た移相器70の上面図である。保持機構は、押え部材90と覆い部材100とを備える。図11(a)、(b)では、覆い部材100を破線で示している。
移相器70の固定線路71、72は、分配線路60とともに固定基板50上に設けられている。一方、移相器70の可動線路82は、可動基板80に設けられている。固定基板50の固定線路71、72が設けられた側と可動基板80の可動線路82が設けられた側とが互いに向き合うように重ねて配置される。なお、前述したように、固定基板50と可動基板80との間には、固定基板50との間で一定の距離を保持させるために誘電体膜83が挟み込まれている。例えば、可動基板80の可動線路82側に、誘電体膜83が貼り付けられている。
なお、固定線路71、72及び可動線路82は、図5(a)、(b)に示したと同じとする。そして、可動線路82の中央部82aは、図11(a)において左前側、図11(b)において左側、端部82b、82cは、図11(a)において右奥側、図11(b)において右側にあるとする。
(押え部材90)
押え部材90は、可動基板80を固定基板50に押さえ付けるように、長手方向が摺動(スライド)方向に延びた3本のばね部91、92、93を備える。3本のばね部91、92、93は、可動基板80の移動(摺動)方向に並行に設けられている。そして、それぞれの中央部を互いに接続する連結部94にて互いに連結されている。連結部94には、円柱状の凸部95が可動基板80から離れる方向に突出するように設けられている。
また、並行するように設けられた3本のばね部91、92、93の内、外側に位置する一方のばね部91は、先端部の可動基板80側に突起91a、91bを備えている(ばね部91の裏になるため図示せず)。そして、突起91a、91bは、可動基板80に接触し(押しつけ)ている。同様に、外側に位置する他方のばね部93は、先端部の可動基板80側に突起93a、93bを備えている(図12参照)。そして、突起93a、93bは、可動基板80に接触し(押しつけ)ている。
そして、中央に位置するばね部92は、可動基板80の一方の先端側(可動線路82の中央部82a側)において、可動基板80側に突起92aを備えている。そして、突起92aは、可動基板80に接触し(押しつけ)ている。また、可動基板80の他方の先端側(可動線路82の端部82b、82c側)において、可動基板80と逆側に突起92bを備える。
さらに、ばね部91、93上の連結部94には、可動基板80と逆側に突起94a、94bをそれぞれ備える。
また、外側に位置するばね部91、93は、それぞれの先端部が、次に説明する覆い部材100に接するように、覆い部材100側に張り出している。このようにすることで、押え部材90が覆い部材100内においてがたつきなく収まるようになっている。
なお、押え部材90は、可動基板80側に飛び出した、2本の柱状の凸部96a、96bを備える(図12(a)、(b)参照)。これは、図4(b)に示した、可動基板80の貫通孔83a、83bに挿入されるとともに、その先端が、図4(a)に示した、固定基板50に設けられた長孔である貫通孔76に挿入される。
(覆い部材100)
覆い部材100は、可動基板80及び押え部材90を覆うとともに、押え部材90を固定する。
覆い部材100は、蓋部101と蓋部101の周囲を取り囲む側面部102とを備える。そして、覆い部材100は、側面部102から蓋部101側とは逆側に飛び出た4本の柱状の凸部103a、103b、103c、103dを備える。これらの凸部103a、103b、103c、103dは、断面が円である。そして、可動基板80の移動方向xの両外側にそれぞれ2個設けられている。なお、断面は円でなくともよい。
そして、覆い部材100は、側面部102から蓋部101側とは逆側に飛び出た3個の凸部105a、105b、105cを備える。凸部105a、105b、105cは、先端が返しになっており、覆い部材100から外向きにL字状に折れ曲がっている。
さらに、覆い部材100は、蓋部101に開口106を備える。
凸部103a、103b、103c、103dは、固定基板50に設けられた貫通孔73a、73b、73c、73dに挿入される。
なお、貫通孔73a、73b、73c、73dは、ドリルなどにより平面形状が精度のよい円に形成できる。よって、凸部103a、103b、103c、103dの断面形状を円とすることにより、覆い部材100は、固定基板50に対して位置精度よく配置される。
凸部105a、105b、105cは、固定基板50に設けられた貫通孔74a、74b、74cに挿入される。そして、L字状に折れ曲がった先端の返しが、固定基板50の反射導体52側に回り込むことで、覆い部材100が固定基板50に固定される。
そして、蓋部101に設けられた開口106から、押え部材90の凸部95が覆い部材100の外に飛び出るようになっている。凸部95を蓋部101に設けられた開口106内において、移動させることで、可動基板80が固定基板50上を移動(摺動)する。
なお、可動基板80の移動量を設定するために、開口106の近傍の蓋部101に目盛を設けてもよい。
(保持機構)
図12は、移相器70において可動基板80を保持する保持機構を説明する断面図である。図12(a)は、固定基板50に可動基板80と押え部材90とを配置した状態を示す図、図12(b)は、さらに覆い部材100で固定基板50及び押え部材90とを固定した状態を示す図である。図12(a)、(b)は、図11(b)のXII−XII線での断面図である。なお、誘電体膜83は図示を省略している。
図12(a)に示すように、固定基板50上に可動基板80、押え部材90が配置されている。ここでは、押え部材90の可動基板80側に突き出すように設けられた凸部96aが可動基板80の貫通孔83bに挿入される。同様に、凸部96bが、可動基板80の貫通孔83aに挿入される。
そして、凸部96a、96bの可動基板80から飛び出た先端部分が、固定基板50に設けられた長孔である貫通孔76に挿入される。
このとき、貫通孔83a、83bは平面形状が円であると、ドリル(エンドミル)などの丸い工具により精度よく形成される。よって、押え部材90の凸部96a、96bを円柱状とすることで、可動基板80は、貫通孔83a、83bに挿入された押え部材90の凸部96a、96bによって拘束さる。また、凸部96a、96bが固定基板50に設けられた長孔である貫通孔76内を移動するように制限される。よって、可動基板80の可動線路82と固定基板50に設けられた固定線路71、72との相対位置が精度よく設定されるとともに、可動線路82が固定線路71、72に対して予め定められた移動量xの範囲から外れることが抑制される。
なお、2個の貫通孔83a、83bと2個の凸部96a、96bとを組み合わることで、移動(摺動)方向(移動量xの方向)と交差する方向へ傾くことが抑制される。
次に、図12(b)に示すように、覆い部材100を設ける。図11(a)、(b)から分かるように、覆い部材100の凸部105a、105b、105cが、固定基板50に設けられた貫通孔74a、74b、74cに嵌めこまれる。この際、覆い部材100の蓋部101の内側が、押え部材90の連結部94の突起94a(突起94b)にぶつかる。これにより、覆い部材100の蓋部101は、内側において、押え部材90の連結部94を、可動基板80側に押し付ける。すなわち、押え部材90の両外側のばね部91、93は、連結部94が押さえつけられることで、可動基板80側に凹んだ弓形になる。よって、ばね部91の両端部に設けられた突起91a、91b及びばね部93の両端部に設けられた突起93a、93bが、可動基板80を固定基板50側に押し付ける。
同様に、押え部材90のばね部92の一端部に設けられた突起92aは、可動基板80を固定基板50側に押し付け、他端部に設けられた突起92bは、覆い部材100の蓋部101の内側に押し付けられる。すなわち、他端部に設けられた突起92bが支点となって、一端部に設けられた突起92aをより強く可動基板80に押し付ける。
すなわち、押え部材90は、覆い部材100の蓋部101で押えられることにより、ばねの機能(ばね機構)を有している。
また、可動基板80は、押え部材90のばね部91、92、93の突起91a、91b、92a、93a、93bにより、図11(b)に示す領域α、β、γ、δ、εにおいて、強く固定基板50に押し付けられることになる。領域α、β、γ、δ、εは、図4(b)に示すように、可動基板80の可動線路82上に対応する。すなわち、押え部材90には、可動線路82を固定基板50側に押し付けられるように突起91a、91b、92a、93a、93bが設けられている。
押え部材90及び覆い部材100は、例えばポリカーボネートで構成されている。移相器70に流れる電流で加熱されるため、押え部材90及び覆い部材100は、同じ材料で構成されることが好ましい。同じ材料で構成することで、熱膨張によって相互位置がずれることが抑制される。
<移相量設定部120>
図3(b)で説明した分配回路200では、6個の移相器70を移相量φと移相量2φとに設定している。すなわち、複数の移相器70の移相量を比例関係にある異なる値に設定することになる。
図13は、移相量設定部120を説明する図である。
移相量設定部120は、一軸上に直線的に構成されたピッチp1のねじ部121とピッチp2のねじ部123とを備える。そして、ねじ部121にはナット122、ねじ部123にはナット124が嵌めこまれている。ここでは、軸を回転させることで同時に、ねじ部121とねじ部123とが回転する。
ここでは、一例として、ピッチp2は、ピッチp1の2倍であるとする。そして、ねじ部121、123のねじの回転方向(ナット122、124の進む方向)は同じであるとする。
ねじ部121、123は、雄ねじを有する部材であればよく、ねじ部121が第1の雄ねじ部の一例、ねじ部123が第2の雄ねじ部の一例である。また、ナット122、124は、雌ねじを有する部材であればよく、ナット122が第1の雌ねじ部の一例、ナット124が第2の雌ねじ部の一例である。そして、ピッチp1が第1のピッチの一例、ピッチp2が第2のピッチの一例である。
そして、移相量設定部120は、ナット122に取付けられた取付部材125と、取付部材125に取付けられた接続部材126a、126bとを備える。さらに、移相量設定部120は、ナット124に取付けられた取付部材127と、取付部材127に取付けられた接続部材128a、128bとを備える。
接続部材126aは、移相器70−2、70−3のそれぞれの支柱95(図11(a)参照)に連結されている。接続部材126bは、移相器70−5、70−6のそれぞれの支柱95に連結されている。接続部材128aは、移相器70−1の支柱95に連結されている。接続部材128bは、移相器70−4の支柱95に連結されている。
さらに、移相量設定部120は、ねじ部121とねじ部123との共通の軸に接続された回転つまみ129を備える。
ここで、ナット122、取付部材125及び接続部材126a、126b、は、第1の移動部材の一例、ナット124、取付部材127及び接続部材128a、128bは、第2の移動部材の一例である。
つまみ129を回すことにより、ねじ部121、123が回転して、ナット122、124が移動する。これに連れて、ナット122、124に接続されている取付部材125、127がx方向に移動する。そして、取付部材125、127に接続されている接続部材126a、126b、128a、128bがx方向に移動する。接続部材126a、126b、128a、128bが移動することで、連結された支柱95の移相器70の可動基板80が固定基板50に対して移動する。
すなわち、つまみ129の回転は、接続部材126a、126b、128a、128bの直線運動に変換される。さらに、つまみ129の回転は、接続部材126a、126b、128a、128bに連結された支柱95により、移相器70の可動基板80の固定基板50に対する移動に変換される。
ここで、ねじ部121において、ナット122が、x方向(移相器70の移動量xの方向)に距離a移動するとする。すると、ねじ部123においては、ナット124が、x方向に距離2a移動する。すると、ナット122に取付部材125で取り付けられている接続部材126a、126bは、x方向にa移動する。また、ナット124に取付部材127で取り付けられている接続部材128a、128bは、x方向に2a移動する。ここで、x方向へのaの移動が移相量φに対応すれば、移相器70−2、70−3、70−5、70−6は、移相量φに設定され、移相器70−1、70−4は、移相量2φに設定されることになる。
すなわち、移相器70−1、70−4と、移相器70−2、70−3、70−5、70−6とを同じ構成としても、異なる移相量が同時に設定される。ここで、移相量φが第1の移相量の一例、移相量2φが第2の移相量の一例である。
図14は、ねじ部121、123を拡大して示す図である。図14では、図13に表記した取付部材125、127を省略している。なお、取付部材125は、ナット122に接続され、取付部材127は、ナット124に取付けられるとする。
なお、移相量設定部120は、図13では不図示の支持部材130を備える。そして、移相量設定部120は、支持部材130により、図2に示したレドーム12の下蓋に固定される。
図14に示すように、ねじ部123のピッチp2は、ねじ部121のピッチp1の2倍になっている。なお、ピッチp2(>ピッチp1)のねじ部123の径は、ピッチp1のねじ部121の径より大きい。これは、一般に、送る量の大きい、すなわち、ピッチの大きいねじは、径が大きいことによるものであって、ねじ部121、123の径を同じ又は逆にしてもよい。
また、径の大きいねじ部123を回転つまみ129に近い内側に設け、径の小さいねじ部121を回転つまみ129より遠い外側に設けると、ナット122、124、取付部材125、127、接続部材126a、126b、128a、128bなどの取付け(組み付け)が、容易になる。
ねじ部121のナット122は、それぞれが半ピッチのねじ山に対応する副ナット122a、122bで構成されている。そして、副ナット122a、122bは、重ね合されて1個のねじ山を挟み込むようにねじなどにより固定される。これにより、ねじ部121においてナット122を移動させても、がたつき(バックラッシュ)の発生が抑制される。
ねじ部123のナット124も、同様に、それぞれが半ピッチのねじ山に対応する副ナット124a、124bで構成されている。
そして、回転つまみ129の1回転で、移動量xが大きい移相器70−1、70−4における移動量xが最大になるように、ねじ部123のピッチp2が設定されている。
よって、回転つまみ129の周囲に、360°の目盛が設けられている。回転つまみ129を、この目盛を目安に回転させることで、移動量x、すなわち、移相量φが設定される。
なお、つまみ129にモータを連結したり、つまみ129の代わりにモータを用いたりしてもよい。モータを用いる場合には、モータの回転角をモニタすることで、移動量x、すなわち、移相量φが設定される。この場合には、回転つまみ129の周囲に、目盛を設けることを要しない。
なお、接続部材126a、126b、128a、128bに物差しを設け、この物差しにより基準点に対する移動量xを読み取ってもよい。しかし、最大の移動量xが例えば3.5mmと小さい場合には、物差しから移動量xを読み取ることが容易でない。よって、つまみ129の間周囲に設けた360°の目盛により、精度よく移動量x(移相量φ)が設定される。
ここでは、同じ構成の複数の移相器70において、複数の移相量(例えば、移相量φと移相量2φ)を設定したが、移相量を同じ(移相量φ)にしてもよい。例えば、移相量2φが必要な部分には、移相量φの移相器70を2個直列に接続するようにすればよい。
この場合、移相量設定部120は、1つのピッチのねじ部で構成される。すなわち、ねじ部123を設けることを要しない。
ここでは、移相量設定部120は、一つの軸上に設けたピッチが異なるねじ部121、123で構成した。
ねじ部121、123を用いる代わりに、ラック・アンド・ピニオンやウォームギアを用いてもよい。ラック・アンド・ピニオンを用いる場合、取付部材125、127のそれぞれの移動する方向に同じピッチのラックを設けるとともに、歯数が異なる歯車(ピニオン)を連結し、ピニオンを回転させる。
しかし、取付部材125、127に設けられるラックは、図14における垂直方向に設けられる。このため、重力によって、ラックに組み合わされたピニオンは、垂直方向の下側に移動しやすい。
すなわち、移相量設定部120をねじ部121、123で構成する場合は、ラック・アンド・ピニオンを用いる場合に比べて、移相量φを設定する精度が高い。さらに、ナット122を、2枚の副ナット122a、122bで構成し、ナット124を、2枚の副ナット124a、124bで構成することで、垂直方向の下側に移動しにくくなるとともに、バックラッシュなどによる精度の低下が抑制される。
なお、移相量設定部120は、複数の移相量を設定できるように、複数の接続部材(例えば、接続部材126a、126bと接続部材128a、128b)を予め定められた比率で移動させることができるものであればよい。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、アレイアンテナ30が備えるアンテナ40が4個の場合を説明した。
第2の実施の形態では、アレイアンテナ30が備えるアンテナ40が8個の場合を説明する。
分配回路200の構成を除いて、第1の実施の形態と同様であるので、以下では、第1の実施の形態と異なる分配回路200及び分配回路200によるアレイアンテナ30の移相量を説明する。
<分配回路200>
図15は、第2の実施の形態における分配回路200を説明する図である。
アレイアンテナ30は、8個のアンテナ40(アンテナ40−1〜40−8)を備える。なお、アンテナ40−1〜40−8は、垂直方向の下方から上方に向かって、予め定められた距離で等間隔に配置されているとする。
アレイアンテナ30は、第1の実施の形態のアレイアンテナ30を垂直方向に2個並べた構成になっている。垂直方向の下側に、アンテナ40−1〜40−4を備える第1の実施の形態のアレイアンテナ30(以下ではアレイアンテナ30−1と表記する。)が設けられている。そして、垂直方向の上側に、アンテナ40−5〜40−8と、移相器70−7〜70−12を備える第1の実施の形態のアレイアンテナ30と同様なアレイアンテナ30−2が設けられている。そして、その外側に、移相器70−13、7−14が設けられている。
そして、送受信ケーブル14は、端部61に接続され、端部61からの分配線路60が二つに分岐される。そして、分岐された分配線路60の一方が移相器70−13を介して下側のアレイアンテナ30−1に接続される。分岐された分配線路60の他方が上側のアレイアンテナ30−2に接続される。ここでは、分配線路60のそれぞれに符号を付さない。
同様に、送受信ケーブル15は、端部62に接続され、端部62から分配線路60が二つに分岐される。そして、分岐された分配線路60の一方が移相器70−14を介して下側のアレイアンテナ30−1に接続される。分岐された分配線路60の他方が上側のアレイアンテナ30−2に接続される。
それ以降の分配線路60については、第1の実施の形態で説明したと同様であるので説明を省略する。
なお、図15は、左右が対称であって、左側が+45°偏波に対応し、右側が−45°偏波に対応する。
図16は、第2の実施の形態に示したアレイアンテナ30における移相量を説明する図である。図16では、図15において+45°偏波に対応する左側を示している。
ここで、移相器70−1、70−7を移相量−2φ、移相器70−2、70−3、70−8、70−9を移相量−φに設定する。そして、移相器70−13を移相量−4φに設定する。すると、アンテナ40−8は、移相量0、アンテナ40−7は移相量−φ、アンテナ40−6は移相量−2φ、アンテナ40−5は移相量−3φ、アンテナ40−4は移相量−4φ、アンテナ40−3は移相量−5φ、アンテナ40−2は移相量−6φ、アンテナ40−1は移相量−7φに設定される。すなわち、隣接するアンテナ40間(例えばアンテナ40−1とアンテナ40−2)において移相量−φとなる。
よって、アレイアンテナ30は、アンテナ40間の距離と移相量φとで定まるチルト角θに設定される。
以上説明したように、偶数においてアンテナ40の数を増やしてもよい。
なお、設定する移相量が−φ、−2φ、−4φとなるため、第1の実施の形態における移相量設定部120において、移相量4φに対応するピッチのねじ部を追加すればよい。
すなわち、ピッチの異なるねじ部を加えることにより、設定する移相量の種類(数)が増やせる。
また、移相量4φに対応する移相器70−13、70−14をそれぞれ移相量2φの移相器70を直列に接続する構成としてもよい。この場合、第1の実施の形態における移相量設定部120が適用される。
ここでは、同じ構成の複数の移相器70において、複数の移相量(例えば、移相量φと移相量2φ)を設定したが、移相量を同じ(移相量φ)にしてもよい。例えば、移相量2φが必要な部分には、移相量φの移相器70を2個直列に接続するようにすればよい。
この場合、移相量設定部120は、1つのピッチのねじ部121で構成されるため、ねじ部123を用いなくともよい。
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、アンテナ40の数が4個及び8個と偶数であった。
第3の実施の形態では、アレイアンテナ30におけるアンテナ40の数を奇数、ここでは5個としている。
分配回路200の構成を除く他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、以下では、第1の実施の形態と異なる分配回路200及び分配回路200によるアレイアンテナ30の移相量を説明する。
<分配回路200>
図17は、第3の実施の形態における分配回路200を説明する図である。
アレイアンテナ30は、5個のアンテナ40(アンテナ40−1〜40−5)と、8個の移相器70(移相器70−1〜70−8)を備える。なお、アンテナ40−1〜40−5は、垂直方向の下方から上方に向かって、予め定められた距離で等間隔に並んでいる。
アレイアンテナ30は、4個のアンテナ40(アンテナ40−1〜40−4)を含む第1の実施の形態のアレイアンテナ30の垂直方向の下側のアンテナ40−1、40−2の部分の上下を反対にして、下側のアンテナ40−1、40−2の上側に設けた構成になっている。すなわち、上側におけるアンテナ40−5、40−4が下側のアンテナ40−1、40−2に対応する。そして、上側における移相器70−5、70−6、70−7、70−8が下側における移相器70−1、70−2、70−3、70−4に対応する。そして、アンテナ40−2とアンテナ40−4との中央に、アンテナ40−3が新たに設けられている。
なお、上側の移相器70−5、70−6、70−7、70−8は、下側における移相器70−1、70−2、70−3、70−4と上下が逆に配置されている。よって、上側の移相器70−5、70−6、70−7、70−8は、可動基板80の移動方向が、下側における移相器70−1、70−2、70−3、70−4と逆方向(移動量−x)になっている。
そして、送受信ケーブル14は、端部61に接続される。端部61からの分配線路60は、3つに分岐される。一つは、アンテナ40−3に接続され、他の二つは、それぞれ下側の移相器70−1と上側の移相器70−5に接続される。
同様に、送受信ケーブル15は、端部62に接続される。端部62からの分配線路60は、3つに分岐される。一つは、アンテナ40−3に接続され、他の二つは、それぞれ下側の移相器70−3と上側の移相器70−7に接続される。
それ以降の配線については、第1の実施の形態で説明したと同様であるので説明を省略する。
なお、図17は、左右が対称であって、左側が+45°偏波に対応し、右側が−45°偏波に対応する。
図18は、第3の実施の形態に示したアレイアンテナ30における移相量を説明する図である。図18では、図17において+45°偏波に対応する左側を示している。
ここで、移相器70−1、70−2を移相量−2φ、移相器70−5、70−6を移相量+2φとする。すなわち、移相器70−1、70−2では、経路長(線路長)を長くして、位相を遅らす。一方、移相器70−5、70−6では、経路長(線路長)を短くして、位相を進める。
すると、アンテナ40−5は、移相量+4φ、アンテナ40−4は移相量+2φ、アンテナ40−3は移相量0、アンテナ40−2は移相量−2φ、アンテナ40−1は移相量−4φに設定される。すなわち、隣接するアンテナ40間(例えばアンテナ40−1とアンテナ40−2)において移相量2φとなる。よって、アレイアンテナ30は、アンテナ40間の距離と移相量2φとで定まるチルト角θに設定される。
設定する移相量が2φとなるため、第1の実施の形態における移相量設定部120において、移相量に対応させてねじ部のピッチを設定すればよい。なお、移相量−2φは、移相器70において可動基板80の移動方向が逆になるように、逆向きに配置しているため、別のピッチのねじ部を設けることを要しない。なお、移相器70を逆向きにせずに、別のピッチのねじ部を設けてもよい。
第1の実施の形態から第2の実施の形態においては、移相量設定部120において、ナット122、124が移動するとしたが、ナット122、124のいずれか一方を固定し、ナット122、124のいずれか他方及び共通の軸に回転自在に取り付けられた部材(図14における支持部材130)に取付部材125(接続部材126a、126b)及び取付部材127(接続部材128a、128b)を取り付けてもよい。
また、ねじ部121、123のねじの回転方向(ナット122、124の進む方向)を逆にしてもよい。
移相量設定部120において、取付部材125(接続部材126a、126b)及び取付部材127(接続部材128a、128b)の取付位置と、ねじ部121、123の回転方向(ナット122、124の進む方向)との組み合わせにより、移相器70の移相量の設定が容易になる。
なお、第1の実施の形態から第3の実施の形態において、固定基板50は、基体51を備えるとしたが、基体51を備えなくともよい。誘電体の基体51の代わりに、空気層としてもよい。この場合、分配配線60、固定線路71、72は、導体板を切り抜いた導体などある。そして、反射導体52と分配配線60、固定線路71、72とは、誘電体(絶縁体)のスペーサを介して、対向させればよい。
同様に、可動基板80は、基体81を備えるとしたが、基体81を備えなくともよい。可動線路82が誘電体層83を介して配置されればよい。
さらに、分配配線60、固定線路71、72、可動線路82を挟んで、反射導体52と反対側に別の基準電位に接続された導体を設け、トリプレート構造としてもよい。この場合、反射導体52と分配線路60及び固定線路71、72とが固定基板50のそれぞれの面に設けられていてもよい。
第1の実施の形態から第3の実施の形態において、アンテナ40は、無給電素子を備えていないが、反射導体52から遠い側に、無給電素子を備えていてもよい。
さらに、第1の実施の形態では、反射導体52の垂直方向に、4個のアンテナ40を並べ、水平方向に1個のアンテナ40を並べたが、水平方向に複数のアンテナ40を並べてもよい。
また、他の周波数帯のアンテナを混在させてもよい。
1…基地局アンテナ、2…セル、3、3−1〜3−3…セクタ、10、10−1〜10−3…セクタアンテナ、12…レドーム、13…メインローブ、14、15…送受信ケーブル、20…鉄塔、30、30−1、30−2…アレイアンテナ、40、40−1〜40−8…アンテナ、41、42…ダイポールアンテナ、50…固定基板、51、81…基体、52…反射導体、60、60a〜60j、60a′〜60j′…分配線路、61、62…端部、70、70−1〜70−14…移相器、71、72…固定線路、80…可動基板、82…可動線路、83…誘電体膜、90…押え部材、91、92、93…ばね部、100…覆い部材、101…蓋部、102…側面部、120…移相量設定部、121、123…ねじ部、122、124…ナット、125、127…取付部材、126a、126b、128a、128b…接続部材、130…支持部材、200…分配回路

Claims (11)

  1. 基準電位が供給される基準導体が一方の面に設けられ、信号が入力される第1の線路導体及び信号が出力される第2の線路導体が他方の面に設けられた誘電体で構成された第1の基板と、
    前記第1の線路導体及び前記第2の線路導体と相対的に移動可能な状態で電気的に結合するとともに、前記基準導体に対向して伝送路を形成する第3の線路導体が一方の面に設けられた誘電体で構成された第2の基板と、
    前記第2の基板の前記第3の線路導体が設けられた面を、前記第1の基板の前記第1の線路導体及び前記第2の線路導体が設けられた面に押し付ける押え部材と、
    前記押え部材側から、当該押え部材及び前記第2の基板を覆って、前記第1の基板に固定される覆い部材と、を備え、
    前記押え部材は、前記覆い部材の蓋部の内側に接触して、当該押え部材を当該覆い部材側に押し付ける突起を有するばね部を備えることを特徴とする移相器。
  2. 前記押え部材は、前記第2の基板側に、当該第2の基板に接して押さえる突起を有するばね部を備えることを特徴とする請求項に記載の移相器。
  3. 前記押え部材は、前記第2の基板に設けられた貫通孔に挿入されることで、当該第2の基板を拘束する凸部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の移相器。
  4. 前記覆い部材は、当該覆い部材の周囲に、前記第1の基板に設けられた貫通孔に挿入され、先端に設けられた返しにより当該第1の基板に固定される複数の凸部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の移相器。
  5. 前記第1の線路導体、前記第2の線路導体及び前記第3の線路導体の少なくとも一つにおいて、特性インピーダンスが他の部分と異なる部分を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の移相器。
  6. 前記第1の線路導体、前記第2の線路導体及び前記第3の線路導体の少なくとも一つにおいて、特性インピーダンスが他の部分と異なる部分は、幅が異なることを特徴とする請求項5に記載の移相器
  7. 特性インピーダンスが他の部分と異なる部分を有するのは、前記第1の線路導体と前記第3の線路導体とが対向して電気的に結合する部分、前記第2の線路導体と当該第3の線路導体とが対向して電気的に結合する部分及び当該第3の線路導体の少なくとも1つであることを特徴とする請求項5又は6に記載の移相器。
  8. 基準電位が供給される、少なくとも一つの基準導体と、当該基準導体に対向して伝送路を構成し、信号が入力される第1の線路導体と、当該基準導体に対向して伝送路を構成し、信号が出力される第2の線路導体と、当該第1の線路導体及び当該第2の線路導体と相対的に移動可能な状態で電気的に結合するとともに、当該基準導体に対向して伝送路を形成する第3の線路導体と、を備える複数の移相器と、
    直接又は複数の前記移相器のいずれかを経由して、接続される複数のアンテナへの信号を分配又は複数の当該アンテナからの信号を合成する分配/合成線路と
    複数の前記移相器の少なくとも1つの移相器と、少なくとも1つの他の移相器とを、異なる移相量に設定する移相量設定部と
    を備える分配/合成装置。
  9. 前記移相器は、前記第1の線路導体、前記第2の線路導体及び前記第3の線路導体の少なくとも一つにおいて、特性インピーダンスが他の部分と異なる部分を有することを特徴とする請求項に記載の分配/合成装置。
  10. 前記移相量設定部は、
    第1のピッチを有する第1の雄ねじ部と、
    前記第1の雄ねじ部と同一の軸に連結して設けられ、前記第1のピッチとは異なる第2のピッチを有する第2の雄ねじ部と、を備え、
    複数の前記移相器のうち、少なくとも1つの移相器が、前記軸の回転により、前記第1の雄ねじ部に嵌め込まれた、当該第1の雄ねじ部に噛み合う第1の雌ねじ部を有する第1の移動部材の移動により第1の移相量に設定され、
    複数の前記移相器のうち、少なくとも1つの他の移相器が、前記軸の回転により、前記第2の雄ねじ部に嵌め込まれた、当該第2の雄ねじ部に噛み合う第2の雌ねじ部を有する第2の移動部材の移動により前記第1の移相量と異なる第2の移相量に設定されることを特徴とする請求項に記載の分配/合成装置。
  11. 基準電位が供給される基準導体が一方の面に設けられ、信号が入力される第1の線路導体及び信号が出力される第2の線路導体が他方の面に設けられた誘電体で構成された第1の基板と、当該第1の線路導体及び当該第2の線路導体と相対的に移動可能な状態で電気的に結合するとともに、当該基準導体に対向して伝送路を形成する第3の線路導体が一方の面に設けられた誘電体で構成された第2の基板と、を備える複数の移相器と、当該第1の基板の一方の面に予め定められた間隔で配列された複数の放射素子と、当該第1の基板の他方の面に、直接又は複数の当該移相器のいずれかを経由して設けられ、複数の当該放射素子に信号を分配又は複数の当該放射素子からの信号を合成する分配/合成線路と、反射板と、を備えるアレイアンテナと、
    複数の前記移相器の少なくとも1つの移相器と、少なくとも1つの他の移相器とを、異なる移相量に設定する移相量設定部と、
    前記アレイアンテナを覆うレドームと、を備え、
    前記移相器は、前記第1の線路導体、前記第2の線路導体及び前記第3の線路導体の少なくとも一つにおいて、特性インピーダンスが他の部分と異なる部分を有することを特徴とするセクタアンテナ。
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