JP6730222B2 - バスバセット - Google Patents

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Description

本明細書は、互いに逆方向に電流が流れる一対のバスバを含むバスバセットを開示する。バスバとは、大出力の電力変換器などで用いられる、電流容量の大きい細長金属材である。
バスバの寄生インダクタンスを低減する技術が例えば特許文献1に開示されている。特許文献1の技術は、互いに逆向きに電流が流れる平行に配策された一対のバスバを備えたバスバセットを対象としている。特許文献1のバスバセットでは、夫々のバスバを導体で被覆するとともに、接続導体によって2個の被覆導体をその両端で接続する。一対のバスバに逆向きの電流が流れると磁束が発生し、その磁束によって被覆導体と接続導体で構成される閉ループに環状の誘導電流が発生する。誘導電流はバスバに起因する磁束を低減するように作用する。バスバに流れる電流に起因する磁束が低減されるので、寄生インダクタンスが抑えられる。
特開2013−017359号公報
特許文献1のバスバセットは、被覆導体で覆われた一対のバスバが間に空間を挟んで平行に延びている。寄生インダクタンスの大きさは、一対のバスバの間の距離(ギャップ)に比例する。即ち、一対のバスバの間のギャップを小さくするほど寄生インダクタンスは小さくなる。一方、ギャップを小さくすると、一対のバスバが短絡し易くなってしまう。特許文献1のバスバセットでは、製造誤差を考慮しつつ一対のバスバが短絡しないように所定のマージン(安全余裕)を含んでギャップの大きさを定める必要がある。本明細書は、一対のバスバの短絡を防ぎつつ、寄生インダクタンスを小さくすることが期待できるバスバセットを提供する。
本明細書が開示するバスバセットは、第1バスバ、第2バスバ、低透磁率層、絶縁層を備えている。第1バスバと第2バスバは平行に延びており、互いに逆向きの電流が流れる。低透磁率層は第1導体層と第2導体層の間に挟まれている。低透磁率層は、絶縁層によって、第1バスバ(又は第2バスバ)から絶縁されている。低透磁率層には、第1バスバと第2バスバに互いに逆向きの交流が流れたときに、その内部で発生する磁束の時間変化を抑制するようにループ状の誘導電流が発生する。
本明細書が開示するバスバセットでは、一対のバスバに互いに逆向きの交流電流が流れるので、第1バスバと第2バスバの間には、電磁誘導によりバスバ延設方向と直交する方向に磁界(磁束)が発生する。この磁束は低透磁率層を貫き、低透磁率層にループ状の誘導電流を誘起する。誘導電流に起因してさらに磁界(磁束)が発生する。ループ状に流れる誘導電流に起因する磁界(磁束)は、バスバに流れる電流に起因する磁界(磁束)を相殺する。よって、バスバの寄生インダクタンスが抑制される。低透磁率層は、MHzオーダの高周波の磁束変化を抑制する。低透磁率層は、バスバに接続されたスイッチング回路のスイッチングによって発生する高周波ノイズに起因する磁束変化を抑制する。その結果、高周波数帯域での寄生インダクタンスが小さくなる。低透磁率層は、高周波数帯域の磁束変化に対して透磁率が低いように振る舞う層である。絶縁層の厚みの総和は、バスバの使用電圧に対する十分な絶縁機能を発揮できる値であって、組み付け時の厚みの変化が十分に小さい材料で構成してある。低透磁率層は、その内部にあるスペーサ、又は低透磁率層全体の弾性、又は可塑性により組み付け時に厚みが変化することによって、バスバ間の寸法の誤差、バラツキを吸収できる材料で構成してある。
低透磁率層は、例えば、別の絶縁層で隔てられた一対の導体層がその両端で電気的に接続されたループコイルであってよい。一対のバスバの間に複数のループコイルが配置されていてもよい。また、低透磁率層は、弾性又は可塑性を有する多孔質の導体材料であってもよい。あるいは、低透磁率層は、スポンジ状の弾性又は可塑性を有する樹脂材料に導電性の金属メッキを施したものであってもよい。さらにまた、低透磁率層は、弾性又は可塑性を有する導体そのものを絶縁体で挟んだシートであってもよい。低透磁率層は、明示的な導体ループ構造を有してなくとも、渦電流のようなループ状の誘導電流が発生する材料で作られていればよい。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例のバスバセットの適用先の一例である電力変換器の回路図である。 バスバセットの断面図である。 第1変形例のバスバセットの断面図である。 第2変形例のバスバセットの断面図である。 第3変形例のバスバセットの断面図である。 第4変形例のバスバセットの分解斜視図である。 第5変形例のバスバセットの断面図である。 第6変形例のバスバセットの断面図である。
図面を参照して実施例のバスバセットを説明する。本明細書が開示するバスバセットは、例えば、電気自動車においてバッテリの電力を走行用モータの駆動電力に変換する電力変換器で使われている。まず、バスバセットが適用される電力変換器を説明する。図1に、電力変換器20の回路図を示す。電力変換器20は、電気自動車において、バッテリ52の直流電力を走行用モータ(モータ58)の駆動電力に変換するデバイスである。電力変換器20は、バッテリ52の電圧を昇圧する電圧コンバータ21と、昇圧された直流電力を交流電力に変換するインバータ22を備える。電圧コンバータ21は、フィルタコンデンサ53、リアクトル54、2個のトランジスタ56a、56b、2個のダイオードを備えている。2個のトランジスタ56a、56bは、直列に接続されている。夫々のトランジスタ56a、56bに、ダイオードが逆並列に接続されている。トランジスタ56a、56bの直列接続は、電圧コンバータ21の高電圧端(インバータ側の端子)の正極と負極の間に直列に接続されている。2個のトランジスタ56a、56bの直列接続の中点に、リアクトル54の一端が接続されている。リアクトル54の他端は、電圧コンバータ21の低電圧端(バッテリ側の端子)の正極に接続されている。低電圧端の正極と負極の間にフィルタコンデンサ53が接続されている。図2の電圧コンバータ21は、バッテリ52の電圧を昇圧してインバータ22に供給する昇圧動作と、インバータ22から送られる電力(モータ58が発電した回生電力)を降圧してバッテリ52を充電する降圧動作の双方を行うことができる。電圧コンバータ21は、いわゆる双方向DC−DCコンバータである。図2の電圧コンバータ21の回路構成と機能はよく知られているので詳しい説明は省略する。
インバータ22は、2個のトランジスタの直列接続が3組並列に接続された構成を有している。トランジスタ56c、56dが直列に接続されており、トランジスタ56e、56fが直列に接続されており、トランジスタ56g、56hが直列に接続されている。各トランジスタにダイオードが逆並列に接続されている。3組の直列接続の中点から交流が出力される。インバータ22の交流出力がモータ58に供給される。図1のインバータ22の回路構成と動作も良く知られているので詳しい説明は省略する。電圧コンバータ21とインバータ22の間に平滑コンデンサ57が並列に接続されている。平滑コンデンサ57は、電圧コンバータ21とインバータ22の間を流れる電流の脈動を抑える。
トランジスタ56a−56hは、コントローラ59によって制御される。コントローラ59は、不図示の上位コントローラからモータ58の目標出力を受信し、その目標出力が実現されるように、トランジスタ56a−56hを駆動する。なお、図1では、破線矢印が信号線を示している。コントローラ59からトランジスタ56a、56bへの信号線は示してあるが、トランジスタ56c−56hへの信号線は図示を省略してある。
電力変換器20は、2個のトランジスタの直列接続を4組備えている。2個のトランジスタの直列接続の高電位側のトランジスタを上アームトランジスタと称し、低電位側のトランジスタを下アームトランジスタと称する。図1のトランジスタ56a、56c、56e、56gが上アームトランジスタであり、トランジスタ56b、56d、56f、56hが下アームトランジスタである。
図1において、符号23が示す範囲は、平滑コンデンサ57の高電位側と、4個の上アームトランジスタ56a、56c、56e、56gを接続する正極線を示している。符号24が示す範囲は、平滑コンデンサ57の低電位側と、4個の下アームトランジスタ56b、56d、56f、56hを接続する負極線を示している。正極線23と負極線24には、大電流が流れる。そこで、ハードウエアとしては、正極線23と負極線24は、電流容量の大きいバスバで実現される。なお、図1から明らかなとおり、正極線23と負極線24には、常に互いに逆向きの電流が流れることになる。
正極線23に対応するバスバ(第1バスバ)と、負極線24に対応するバスバ(第2バスバ)は、いくつかの層を挟んで積層されている。いくつかの層を挟んだ第1バスバと第2バスバを、「バスバセット」と総称する。図2に、バスバセット10をバスバの積層方向と延設方向を含む平面でカットした断面図を示す。なお、図2以降では、説明の便宜上、座標系を次の通りに定義する。座標系のX方向は、バスバの延設方向に定める。座標系のZ方向は、2本のバスバ(第1バスバ3と第2バスバ4)の積層方向に定める。Y方向は、X軸とZ軸の双方と直交する方向に定める。
バスバセット10は、図1の正極線23に対応する第1バスバ3と、図1の負極線24に対応する第2バスバ4と、それらの間に挟まれている第1絶縁層7、第2絶縁層8、及び、低透磁率層12を備えている。第1絶縁層7、第2絶縁層8、及び、低透磁率層12は、いずれも、幅(図中のY方向の長さ)は、第1バスバ3と第2バスバ4と同程度である。低透磁率層12は、スペーサ9を第1導体層5と第2導体層6で挟んだ構造を有している。スペーサ9は、絶縁体である。
低透磁率層12の第1導体層5と第2導体層6は、例えば銅の薄膜で作られている。第1導体層5と第2導体層6は、第1バスバ3と第2バスバ4の延設方向(図中のX方向)の2箇所(図中のポイントA1とポイントA2)で電気的に接続されている。従って、第1導体層5と第2導体層6は、図中のY方向に軸線を有するとともに、スペーサ9を囲むループコイル2を構成する。なお、Y方向は、第1バスバ3と第2バスバ4の延設方向(X方向)に直交するとともに、第1バスバ3と第2バスバ4の並び方向(Z方向)とも直交する方向である。ループコイル2と第1バスバ3との間には、第1絶縁層7が挟まれており、ループコイル2は第1バスバ3から絶縁されている。ループコイル2と第2バスバ4との間には、第2絶縁層8が挟まれており、ループコイル2は第2バスバ4からも絶縁されている。第1絶縁層7と第2絶縁層8は、例えば、絶縁性の樹脂フィルムであり、弾性又は可塑性を有している。
低透磁率層12も弾性を有している。具体的には、スペーサ9は、絶縁性と弾性と柔軟性に優れたシリコンゴムで作られている。第1導体層5と第2導体層6はシリコンゴム製のスペーサ9の表面に形成された銅の薄膜であり、弾性に富んでいる。それゆえ、第1導体層5と第2導体層6とスペーサ9で構成される低透磁率層12は、柔軟で弾性を有している。
バスバセット10の作用効果を説明する。先に述べたように、図1の正極線23と負極線24には、互いに逆向きの交流電流が流れる。例えば、図2において、第1バスバ3に右から左へ電流が流れるとき(図中の矢印Ipos参照)、第2バスバ4では、左から右へ向けて電流が流れる(図中の矢印Ineg参照)。互いに逆向きの電流が流れることを別言すれば、第1バスバ3と第2バスバ4の同じ側の端部が、夫々、電気デバイスの正極と負極に接続される、ということである。
第1バスバ3を流れる電流Iposも第2バスバ4を流れる電流Inegも、電磁誘導により、両者の間では紙面奥側から手前側を向く磁束(図中の符号Bx参照)を発生させる。その磁束は低透磁率層12を紙面奥側から手前側へと貫く。磁束が低透磁率層12のループコイル2を貫くと、その磁束を打ち消す電流(誘導電流)がループコイル2に発生する。別言すれば、ループコイル2に誘導電流が発生することにより、第1バスバ3と第2バスバ4の電流に起因して発生する磁束が低減される。バスバの寄生インダクタンスは、バスバに流れる電流と、その電流に起因して発生する磁束の比であるから、磁束Bxが抑えられることによって、第1バスバ3と第2バスバ4の寄生インダクタンスが低減される。
第1バスバ3と第2バスバ4には、トランジスタ56a−56hのスイッチング動作に起因する数MHzオーダのノイズ電流が流れる。そのノイズ電流に起因して、低透磁率層12には、MHzオーダの磁束変化が現れる。スペーサ9を囲むループコイル2を有する低透磁率層12は、MHzオーダの磁束変化を抑制し、高周波帯域での寄生インダクタンスを低減する。低透磁率層12は、MHzオーダの磁束変化に対してあたかも透磁率が低い材料のように振る舞う。
低透磁率層12は、弾性又は可塑性を有しており、第1バスバ3と第2バスバ4の間の距離の変動を吸収する役割も果たす。第1バスバ3と第2バスバ4が湾曲すると、低透磁率層12もバスバの湾曲に伴って湾曲する。
以下、実施例のバスバセット10の変形例を説明する。図3は、第1変形例のバスバセット10aの断面図である。この変形例では、低透磁率層12aは、第1導体層105、第2導体層106、及び、それらに挟まれたスペーサ9で構成されている。第1導体層105は、フィルム状の第1絶縁層107に蒸着させた金属メッキ層であり、第2導体層106は、フィルム状の第2絶縁層108に蒸着させた金属メッキ層である。金属メッキ層を有するフィルム状の第1絶縁層107と第2絶縁層108を、第1バスバ3と第2バスバ4の延設方向(図中のX方向)の2箇所(図中のポイントA3とポイントA4)で接合する。そうすると、第1導体層105に相当する金属メッキ層と、第2導体層106に相当する金属メッキ層も、バスバの延設方向の2箇所(図中のポイントA1とポイントA2)で電気的に接続される。その結果、低透磁率層12aの第1導体層105と第2導体層106は、図中のY方向に軸線を有するとともにスペーサ9を囲むループコイル102を構成する。このバスバセット10aも、実施例のバスバセット10と同様の効果を奏する。
図4に、第2変形例のバスバセット10bの断面図を示す。バスバセット10bは、第1バスバ3と第2バスバ4の間に、バスバの延設方向(X方向)に並ぶ複数のループコイル202a、202b、202x、202yを備えている。ループコイル202aは、第1導体層205aと第2導体層206aがX方向の2箇所で電気的に接続されたものである。ループコイル202aは、Y方向に軸線を有するとともに、スペーサ9aを囲んでいる。ループコイル202b、202x、202yも同様の構成を有している。ループコイル202a、202b、202x、202yは、第1絶縁層7によって第1バスバ3から絶縁されており、第2絶縁層8によって第2バスバ4からも絶縁されている。複数の第1導体層205a、205b、205x、205yと、複数の第2導体層206a、2065b、206x、206y、及び、夫々の第1導体層205と第2導体層206に囲まれたスペーサ9a、9が、低透磁率層12bを構成する。図4のバスバセット10bも、実施例のバスバセット10と同様の効果を奏する。
図5に、第3変形例のバスバセット10cの断面図を示す。バスバセット10cは、第1バスバ3と第2バスバ4の間に、バスバの並び方向(Z方向)に並ぶ複数のループコイル302a、302bを備えている。ループコイル302aは、第1導体層305aと第2導体層306aがX方向の2箇所(ポイントAa1とポイントAa2)で電気的に接続されたものである。ループコイル302aは、Y方向に軸線を有するとともに、スペーサ9aを囲んでいる。ループコイル302bは、第1導体層305bと第2導体層306bがX方向の2箇所(ポイントAb1とポイントAb2)で電気的に接続されたものである。ループコイル302bは、Y方向に軸線を有するとともに、スペーサ9bを囲んでいる。ループコイル302aと302bの間には、第3絶縁層308が挟まれており、その第3絶縁層308によって、両者は絶縁されている。また、2個のループコイル302a、302bと第1バスバ3の間には、第1絶縁層7が挟まれており、第1絶縁層7によって、ループコイル302a、302bは第1バスバ3から絶縁されている。2個のループコイル302a、302bと第2バスバ4の間には、第2絶縁層8が挟まれており、第2絶縁層8によって、ループコイル302a、302bは第2バスバ4から絶縁されている。2個のループコイル302a、302b(第1導体層305a、305bと第2導体層306a、306b)とスペーサ9a、9bが、低透磁率層12cを構成する。図5のバスバセット10cも、実施例のバスバセット10と同様の効果を奏する。
図6に第4変形例のバスバセット10dの分解斜視図を示す。バスバセット10dは、第1バスバ3と第2バスバ4の間に、バスバの延設方向(X方向)と並び方向(Z方向)の夫々に直交するY方向に並ぶ複数のループコイル402a、402bを備えている。ループコイル402aは、第1導体層405aと第2導体層406aがX方向の2箇所(ポイントAa1とポイントAa2)で電気的に接続されたものである。ループコイル402aは、Y方向に軸線を有するとともに、スペーサ9aを囲んでいる。ループコイル402bは、第1導体層405bと第2導体層406bがX方向の2箇所(ポイントAb1とポイントAb2)で電気的に接続されたものである。ループコイル402bは、Y方向に軸線を有するとともに、スペーサ9bを囲んでいる。
2個のループコイル402a、402bと第1バスバ3の間には、第1絶縁層7が挟まれており、第1絶縁層7によって、ループコイル402a、402bは第1バスバ3から絶縁されている。2個のループコイル402a、402bと第2バスバ4の間には、第2絶縁層8が挟まれており、第2絶縁層8によって、ループコイル402a、402bは第2バスバ4から絶縁されている。ループコイル402bはループコイル402aから離間しており、両者は電気的に遮断されている。なお、ループコイル402aと402bは、Y方向で接して電気的に接続されていてもよい。ループコイル402a、402b(第1導体層405a、405bと第2導体層406a、406b)とスペーサ9a、9bが低透磁率層12dを構成する。図6のバスバセット10dも、実施例のバスバセット10と同様の効果を奏する。
図7に、第5変形例のバスバセット10eの断面図を示す。バスバセット10eは、第1バスバ3と第2バスバ4の間に、絶縁層7と低透磁率層12eを備えている。低透磁率層12eは、多孔質の導体であり、弾性又は可塑性を有している。絶縁層7は、低透磁率層12eを第1バスバ3から絶縁している。低透磁率層12eは、第2バスバ4とは接触しており、電気的に接続されている。第1バスバ3と第2バスバ4に互いに逆向きの交流電流が流れると、低透磁率層12eを図中のY方向に磁束が貫く。低透磁率層12eには、複数の小さな渦電流(即ち、ループ状の電流)が発生する。複数の渦電流は磁束を発生し、その磁束は、第1、第2バスバ3、4を流れる交流に起因する磁束を相殺する。即ち、第1、第2バスバ3、4を流れる電流に起因して低透磁率層12eに発生するMHzオーダの磁束変化が抑制される。その結果、バスバセット10eの寄生インダクタンスが小さくなる。また、低透磁率層12eは、弾性又は可塑性を有する多孔質性の材料で作られており、第1、第2バスバ3、4が湾曲しても、それらの間の距離の変動を吸収することができる。図7のバスバセット10eも、実施例のバスバセット10と同様の効果を奏する。
図8に、第6変形例のバスバセット10fの断面図を示す。バスバセット10fは、第1バスバ3と第2バスバ4の間に、絶縁層7と低透磁率層12fを備えている。絶縁層7は、低透磁率層12fを第1バスバ3から絶縁している。低透磁率層12fは、第2バスバ4とは接触しており、電気的に接続されている。低透磁率層12fは、弾性又は可塑性を有する樹脂製のスペーサ9cと、その表面に形成された導電性の金属メッキ層505を備えている。金属メッキ層505は、第1、第2バスバ3、4の並び方向(図中のZ方向)とバスバの延設方向(図中のX方向)の両方に直交する方向(Y方向)を軸線とするループコイルを構成する。このバスバセット10fも、実施例のバスバセット10と同様の効果を奏する。
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。第1バスバと第2バスバの間の層は互いに密着しており、第1バスバと第2バスバとそれらに挟まれている層群が一体になっているとよい。
低透磁率層は、第1バスバと第2バスバの少なくとも一方から絶縁されていればよい。例えば図7の変形例のバスバセット10eでは、低透磁率層12eは第1バスバ3から絶縁されているが、第2バスバ4とは導通している。絶縁層7が第2バスバ4と低透磁率層12eの間にあり、第1バスバ3と低透磁率層12eが導通していてもよい。
図2−図6、図8のバスバセットは、明示的なループコイルを備えている。そのようなバスバセットは、次のように表現することができる。バスバセットは、第1バスバと第2バスバと絶縁層と低透磁率層を備えている。第2バスバは、第1バスバと平行に延びている。第1バスバと第2バスバには互いに逆向きの交流電流が流れる。低透磁率層は、第1バスバと第2バスバの間に挟まれている。絶縁層は、第1バスバと第2バスバの一方と低透磁率層の間に挟まれており、低透磁率層を第1バスバと第2バスバの一方から絶縁する。低透磁率層は、第1導体層と第2導体層と絶縁性のスペーサを備えている。スペーサは、第1導体層と第2導体層の間に挟まれており、第1導体層と第2導体層とスペーサの積層体は、それらの積層方向が第1、第2バスバの積層方向と一致するように、第1、第2バスバの間に挟まれている。第1導体層と第2導体層は、バスバの延設方向の両端で電気的に接続されており、第1バスバの延設方向と交差するとともに第1、第2バスバの積層方向とも交差する方向に軸を有するループコイルを構成する。
低透磁率層と絶縁層をバスバ間に固定する方法としては、(図示していない)絶縁体で構成された部材で2枚のバスバをその間に絶縁層と低透磁率層を圧力を加えた状態で挟んで固定する以外に、量産に適したPBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA(ポリアミド)等のエンジニアリングプラスチックによる、バスバ、絶縁層、低透磁率層の一体成形(インサート成形)によってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2、102、202a、202b、202x、202y、302a、302b、402a、402b:ループコイル
3:第1バスバ
4:第2バスバ
5、105、205a、305a、305b、405a、405b:第1導体層
6、106、206a、306a、306b、406a、406b:第2導体層
7、107:第1絶縁層
8、108:第2絶縁層
9、9a、9b、9c:スペーサ
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f:バスバセット
12、12a、12b、12c、12d、12e、12f:低透磁率層
20:電力変換器
21:電圧コンバータ
22:インバータ
23:正極線
24:負極線
52:バッテリ
53:フィルタコンデンサ
54:リアクトル
56a−56h:トランジスタ
57:平滑コンデンサ
58:モータ
59:コントローラ
308:第3絶縁層

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  1. 第1バスバと、
    前記第1バスバと平行に延びており、前記第1バスバに流れる電流の向きと逆向きに電流が流れる第2バスバと、
    弾性又は可塑性を有しており、前記第1バスバと前記第2バスバの間に挟まれている低透磁率層と、
    弾性又は可塑性を有しており、前記低透磁率層を前記第1バスバと前記第2バスバの一方から絶縁する絶縁層と、
    を備えており、
    前記低透磁率層に、前記第1バスバと前記第2バスバに互いに逆向きの交流が流れたときにその内部で発生する磁束の時間変化を抑制するようにループ状の誘導電流が発生する、バスバセット。
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