JP6729568B2 - ガスバリアーフィルム、波長変換部材及びバックライトユニット - Google Patents
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Description
ガスバリアーフィルムに対して要求される光学特性を向上させる方法、例えば、特定の波長の光透過率を向上させる方法として、ガスバリアーフィルムを構成する各層の構成、組成及び比率等の観点からの方法が検討されてきた。
また、透光性シート部材には、可撓性とガスバリアー性が必要であるため、ガスバリアーフィルムが用いられるが、発光効率を向上させるためにガスバリアーフィルムの光学特性も向上させることが求められている。
すなわち、本発明に係る上記課題は、下記の手段により解決される。
前記第1ガスバリアー層の組成(SiOxNyCz)において、0.5≦x≦2.2、y=0、0≦z≦1.0の範囲内で調整された各元素の構成比率を有し、
前記第1ガスバリアー層を有する面側から光を入射した際の波長430〜470nmの範囲内の平均光透過率が、92%以上であり、かつ、波長430〜700nmの範囲内の平均光透過率が、90%以上に調整されたことを特徴とするガスバリアーフィルム。
前記層(B)の層厚が、80〜120nmの範囲内であることを特徴とする第2項に記載のガスバリアーフィルム。
前記第1ガスバリアー層を有するガスバリアーフィルム2枚が、それぞれの前記第1ガスバリアー層が対向するように配置され、かつ、前記2枚のガスバリアーフィルムの間に量子ドット含有樹脂層を有することを特徴とする波長変換部材。
本発明のガスバリアーフィルムは、基材の一方の面上に複数の層からなる第1ガスバリアー層を有するガスバリアーフィルムであって、前記基材の、前記第1ガスバリアー層を有する面側から光を入射した際の波長430〜470nmの範囲内の平均光透過率が、92%以上、95%以下であり、かつ、波長430〜700nmの範囲内の平均光透過率が、90%以上、95%以下であることにより、ガスバリアーフィルムを製造する際に起こりうる層厚(膜厚)の誤差によって光学特性が大きく変わることがなく、安定した品質のガスバリアーフィルムを提供することができるものと推察している。
前記第1ガスバリアー層の組成(SiOxNyCz)において、0.5≦x≦2.2、y=0、0≦z≦1.0の範囲内で調整された各元素の構成比率を有し、
前記第1ガスバリアー層を有する面側から光を入射した際の波長430〜470nmの範囲内の平均光透過率が、92%以上であり、かつ、波長430〜700nmの範囲内の平均光透過率が、90%以上に調整されたことを特徴とする。
この特徴は、下記各実施形態に共通する技術的特徴である。
本発明のガスバリアーフィルムは、基材の一方の面上に複数の層からなる第1ガスバリアー層を有するガスバリアーフィルムであって、前記基材の、前記第1ガスバリアー層を有する面側から光を入射した際の波長430〜470nmの範囲内の平均光透過率が、92%以上、95%以下であり、かつ、波長430〜700nmの範囲内の平均光透過率が、90%以上、95%以下であることを特徴とする。
第1ガスバリアー層の平均光透過率は、ガスバリアー層に含有される各元素の構成比率によって調整されており、具体的には、ガスバリアー層の組成(SiOxNyCz)において、0.5≦x≦2.2、y=0、0≦z≦1.0の範囲内に各元素の構成比率を調整することによって得られる。
本発明のガスバリアーフィルムの具体的な構成としては、例えば、図1に示すように、基材1の一方の面上に設けられたガスバリアー層(第1ガスバリアー層)2を備えて構成されていることを特徴とするガスバリアーフィルム10である。
また、ガスバリアーフィルム10にさらに量子ドット含有樹脂層3、第2ガスバリアー層4及び基材を積層するガスバリアーフィルム100のような態様も好ましい(図3参照)。
ガスバリアー層2は、複数の層から構成されていてもよく、高屈折率層であるガスバリアー層(A)と、低屈折率層であるガスバリアー層(B)と、を有していることが好ましい。また、高屈折率層であるガスバリアー層(A)は、低屈折率層であるガスバリアー層(B)よりも基材側に設けられていることが好ましい(図1参照)。
図3に示すように、量子ドット含有樹脂層3を2枚のガスバリアー層で挟持する場合についても、基材側に高屈折率層であるガスバリアー層(AA)が設けられ、量子ドット含有樹脂層3側に低屈折率層であるガスバリアー層(BB)が設けられていることが好ましい。
また、本発明に係るガスバリアー層(A)の層厚は、10〜50nmの範囲内であり、かつガスバリアー層(B)の層厚は、80〜120nmの範囲内であることが好ましい。
ガスバリアー層の厚さは特に限定されないが、ガスバリアー性能を向上させ、一方で、欠陥を生じにくくするために、通常、10〜1000nmの範囲内であり、好ましくは20〜300nmである。ここで、ガスバリアー層の厚さは、後述の透過型電子顕微鏡(TEM)観察による層(膜)厚測定法を採用する。ガスバリアー層は、複数のサブレイヤーからなる積層構造であってもよい。この場合サブレイヤーの層数は、2〜10層であることが好ましい。また、各サブレイヤーが同じ組成であっても異なる組成であってもよい。
これらのうち、ケイ素原子及び酸素原子を存在させることによってガスバリアー性を付与でき、炭素原子を存在させることによってガスバリアー層に柔軟性を付与することができる。
ここで、ガスバリアー層のガスバリアー性は、基材上にガスバリアー層を形成させた積層体で算出した際に、後述の実施例に記載の方法により測定された水蒸気透過度が0.1g/(m2・24h)未満であることが好ましく、0.01g/(m2・24h)未満であることがより好ましい。
ガスバリアー層に含有される構成原子の比率は、特開2012−82464号公報に記載の比率が好ましい。
プラズマCVD法としては、特に限定されないが、国際公開第2006/033233号に記載の大気圧又は大気圧近傍でのプラズマCVD法、対向ローラー電極を持つプラズマCVD装置を用いたプラズマCVD法が挙げられる。中でも、生産性が高いことから、対向ローラー電極を持つプラズマCVD装置を用いたプラズマCVD法によりガスバリアー層を形成することが好ましい。なお、前記プラズマCVD法はペニング放電プラズマ方式のプラズマCVD法であってもよい。
プラズマCVD法においてプラズマを発生させる際には、複数の成膜ローラーの間の空間にプラズマ放電を発生させることが好ましく、一対の成膜ローラーを用い、その一対の成膜ローラーのそれぞれに樹脂基材(ここでいう樹脂基材には、当該樹脂基材が処理された場合又は基材上に中間層を有する場合も含む。)を配置して、一対の成膜ローラー間に放電してプラズマを発生させることがより好ましい。
加えて、ローラーを使用しない通常のプラズマCVD法と比較して成膜レートを倍にできる。
また、このようにして一対の成膜ローラー間に放電する際には、一対の成膜ローラーの極性を交互に反転させることが好ましい。
また、本発明のガスバリアーフィルムは、生産性の観点から、ロールtoロール方式で樹脂基材の表面上にガスバリアー層を形成させることが好ましい。
また、成膜ローラー19上において基材1の表面上にガスバリアー層成分を堆積させつつ、更に成膜ローラー20上においても基材1の表面上にガスバリアー層成分を堆積させることもできる。
このため、基材1の表面上にガスバリアー層を効率良く形成することができる。
成膜ローラー19及び成膜ローラー20にそれぞれ設けられた磁場発生装置23及び24は、一方の成膜ローラー19に設けられた磁場発生装置23と他方の成膜ローラー20に設けられた磁場発生装置24との間で磁力線がまたがらず、それぞれの磁場発生装置23及び24がほぼ閉じた磁気回路を形成するように磁極を配置することが好ましい。
このように磁場発生装置23及び24を設けることにより、各成膜ローラー19及び20の対向側表面付近に磁力線が膨らんだ磁場の形成を促進することができ、その膨出部にプラズマが収束されやすくなるため、成膜効率を向上させることができる点で優れている。
このように磁場発生装置23及び24を設けることにより、それぞれの磁場発生装置23及び24について、磁力線が対向するローラー側の磁場発生装置にまたがることなく、ローラー軸の長さ方向に沿って対向空間(放電領域)に面したローラー表面付近にレーストラック状の磁場を容易に形成することができ、その磁場にプラズマを収束させることができるため、ローラー幅方向に沿って巻き掛けられた幅広の基材1を用いて効率的に蒸着膜であるガスバリアー層2を形成することができる点で優れている。
成膜ローラーの直径が300mmφ以上であれば、プラズマ放電空間が小さくなることがないため生産性の劣化もなく、短時間でプラズマ放電の全熱量が基材1にかかることを回避できることから、基材1へのダメージを軽減でき好ましい。一方、成膜ローラーの直径が1000mmφ以下であれば、プラズマ放電空間の均一性等も含めて装置設計上、実用性を保持することができるため好ましい。
すなわち、このような製造装置によれば、プラズマCVD法により、成膜ローラー19上にて基材1の表面上にガスバリアー層成分を堆積させ、更に成膜ローラー20上にてガスバリアー層成分を堆積させることができるため、基材1の表面上にガスバリアー層を効率良く形成することが可能となる。
また、ガス供給管21及び真空ポンプとしては、原料ガス等を所定の速度で供給又は排出することが可能なものを適宜用いることができる。
このようにガス供給手段であるガス供給管21と、真空排気手段である真空ポンプを配置することにより、成膜ローラー19と成膜ローラー20との間の対向空間に効率良く成膜ガスを供給することができ、成膜効率を向上させることができる点で優れている。
このようなプラズマ発生用電源22としては、より効率良くプラズマCVDを実施することが可能となることから、前記一対の成膜ローラーの極性を交互に反転させることが可能なもの(交流電源など)を利用することが好ましい。
また、このようなプラズマ発生用電源22としては、より効率良くプラズマCVDを実施することが可能となることから、印加電力を100W〜10kWとすることができ、かつ交流の周波数を50Hz〜500kHzとすることが可能なものであることがより好ましい。
すなわち、図2に示す製造装置13を用いて、成膜ガス(原料ガス等)を真空チャンバー内に供給しつつ、一対の成膜ローラー(成膜ローラー19及び20)間に放電を発生させることにより、前記成膜ガス(原料ガス等)がプラズマによって分解され、成膜ローラー19上の基材1の表面上及び成膜ローラー20上の基材1の表面上に、ガスバリアー層2がプラズマCVD法により形成される。この際、成膜ローラー19及び20のローラー軸の長さ方向に沿って対向空間(放電領域)に面したローラー表面付近にレーストラック状の磁場が形成して、磁場にプラズマを収束させる。
なお、このような成膜に際しては、基材1が送り出しローラー14や成膜ローラー19等により、それぞれ搬送されることにより、ロールtoロール方式の連続的な成膜プロセスにより基材1の表面上にガスバリアー層2が形成される。前記ガス供給管21から対向空間に供給される成膜ガス(原料ガス等)としては、原料ガス、反応ガス、キャリアガス、放電ガスが単独又は2種以上を混合して用いることができる。ガスバリアー層2の形成に用いる前記成膜ガス中の原料ガスとしては、形成するガスバリアー層2の材質に応じて適宜選択して使用することができる。
酸化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、酸素、オゾンを用いることができる。
また、窒化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、窒素、アンモニアを用いることができる。これらの反応ガスは、単独でも又は2種以上を組み合わせても使用することができ、例えば酸窒化物を形成する場合には、酸化物を形成するための反応ガスと窒化物を形成するための反応ガスとを組み合わせて使用することができる。
また、真空チャンバー内の圧力(真空度)は、原料ガスの種類等に応じて適宜調整することができるが、0.5〜50Paの範囲内とすることが好ましい。
このような印加電力が100W以上であれば、パーティクルの発生を十分に抑制することができ、他方、10kW以下であれば、成膜時に発生する熱量を抑えることができ、成膜時の樹脂基材表面の温度が上昇するのを抑制できる。そのため樹脂基材が熱負けすることなく、成膜時に皺が発生するのを防止できる点で優れている。
これは、対向ローラー電極を有するプラズマCVD装置(ロールtoロール方式)を用いて量産する場合に、可撓性(屈曲性)に優れ、機械的強度、特にロールtoロールでの搬送時の耐久性と、ガスバリアー性能とが両立するガスバリアー層を効率良く製造することができるためである。このような製造装置は、太陽電池や電子部品などに使用される温度変化に対する耐久性が求められるガスバリアーフィルムを、安価でかつ容易に量産することができる点でも優れている。
本発明に係る基材は、ガスバリアー層を有する面とは反対側の面に反射防止層を有することが好ましい。形態は限定されないが、マット加工が施されている反射防止層を有することが好ましい。
反射防止層は、防眩層として機能し、具体的には前記基材の空気界面での反射を抑制し、好ましくはフィルムの硬度、耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに付与する目的で形成される。また、マット加工を施すことにより、ガスバリアーフィルムの成膜時に、ガスバリアーフィルム表面に凹凸を付与し、すべり性を確保し、安定な巻取り形状を達成することができるため好ましい。
また、作製されたガスバリアーフィルムがハンドリングされる際に、傷が付いたり、搬送性が悪化したりすることを防止するためにも、当該マット加工は機能することができる。
ガスバリアーフィルム中のこれらの微粒子の含有量は、0.01〜1質量%の範囲内であることが好ましく、特に0.05〜0.5質量%の範囲内であることが好ましい。
酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル株式会社製)の商品名で市販されており、使用することができる。
本発明のガスバリアーフィルムにおいては、少なくとも一方の面の動摩擦係数が0.2〜1.0の範囲内であることが好ましい。
本発明のガスバリアーフィルムの水蒸気透過度は、低いほど好ましいが、例えば、0.1〜0.01g/m2・24hであることが好ましく、0.05〜0.01g/m2・24hであることがより好ましい。
本発明において、水蒸気透過度測定は、下記カルシウム腐食法により行うことができる。
本発明のガスバリアーフィルムの水蒸気透過度は、特開2005−283561号公報に記載されているカルシウム腐食法に基づき測定できる。測定試料の作製方法及び水蒸気透過度の測定方法については、実施例の説明において詳述する。
本発明のガスバリアーフィルムに用いられる基材としては、例えば、ガラス基板、セラミックス基板及びプラスチックフィルム等が挙げられるが、好ましくはプラスチックフィルムが用いられる。用いられるプラスチックフィルムは、ガスバリアー層、その他の機能層等を保持できるフィルムであれば材質、厚さ等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。
前記プラスチックフィルムとしては、従来公知のプラスチックフィルムを用いることができ、例えば、特開2013−226758号公報の段落「0124」〜「0136」、国際公開第2013/002026号の段落「0044」〜「0047」等に記載されたプラスチックフィルムを挙げることができる。
基材は、枚葉形状及びロール形状に限定されないが、生産性の観点からロールtoロール方式でも対応できるロール形状が好ましい。
基材の厚さは、特に制限されないが、5〜500μm程度が好ましい。
本発明に係る量子ドット含有樹脂層の主要な構成要素である量子ドット及び樹脂等について、説明する。
一般に、ナノメートルサイズの半導体物質で量子閉じ込め(quantum confinement)効果を示す半導体ナノ粒子は、「量子ドット」とも称されている。このような量子ドットは、半導体原子が数百個から数千個集まった10数nm程度以内の小さな塊であるが、励起源から光を吸収してエネルギー励起状態に達すると、量子ドットのエネルギーバンドギャップに相当するエネルギーを放出する。
したがって、量子ドットは、量子サイズ効果によりユニークな光学特性を有することが知られている。具体的には、(1)粒子のサイズを制御することにより、様々な波長、色を発光させることができる、(2)吸収帯が広く、単一波長の励起光で様々なサイズの微粒子を発光させることができる、(3)蛍光スペクトルが良好な対称形である、(4)有機色素に比べて耐久性、耐退色性に優れる、といった特徴を有する。
好適な半導体材料には、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイアモンドを含む。)、P、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdSeZn、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si3N4、Ge3N4、Al2O3、(Al、Ga、In)2(S、Se、Te)3、Al2CO、及び二つ以上のこのような半導体の適切な組合せが含まれるが、これらに限定されない。
本発明に係る量子ドット含有樹脂層には、量子ドットを保持するバインダーとして樹脂を用いることができる。例えば、以下の樹脂を用いることができる。
ポリカーボネート系、ポリアリレート系、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む。)系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、セロファン系、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリビニルアルコール系、エチレンビニルアルコール系、シンジオタクティックポリスチレン系、ノルボルネン系、ポリメチルペンテン系、ポリエーテルケトン系、ポリエーテルケトンイミド系、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ナイロン系、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂等を挙げることができる。
量子ドット含有樹脂層は、厚さが50〜200μmの範囲内であることが好ましい。
なお、量子ドット含有樹脂層における量子ドットの含有量は、使用する化合物によって最適量は異なるが、一般的には15〜60体積%の範囲内であることが好ましい。
本発明の波長変換部材は、本発明のガスバリアーフィルム2枚の間に、量子ドット含有樹脂層を配置した構成を有するものである。
ガスバリアーフィルムの第1ガスバリアー層が量子ドット含有樹脂層側となるように配置される。
ガスバリアーフィルムの第1ガスバリアー層は量子ドット含有樹脂層と直接接合していても良いし、第1ガスバリアー層に設けられた接着改善層を介して量子ドット含有樹脂層と接合していても良い。また、第1ガスバリアー層と量子ドット含有樹脂層とが接着剤や粘着剤によって接合していても良い。量子ドット含有樹脂層にシランカップリング剤等の接着性改善剤を添加しても良い。具体的には、特開2015−065158号公報、特開2015−061759号公報に記載の技術を適用することができる。
また、特開2015−015105号公報に記載されているように、波長変換部材の周辺端部を覆う封止部材を設けることもできる。
本発明のバックライトユニットは、上記波長変換部材と、光源とを必須構成とするものである。本発明の好ましい態様としては、光源として、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する青色光を発光する、発光ダイオードを用いることができる。青色光を発光する光源を用いる場合、量子ドット含有樹脂層には、励起光により励起され赤色光を発光する量子ドットと、緑色光を発光する量子ドットが含まれることが好ましい。これにより、光源から発光され波長変換部材を透過した青色光と、波長変換部材から発光される赤色光及び緑色光により、白色光を発するバックライトユニットとすることができる。
図4に示されるように、バックライトユニット200は、2つのガスバリアーフィルム220とガスバリアーフィルム222との間に挟持または配置される量子ドット含有樹脂層204を含む、フィルムを含む、波長変換部材202を備える。
QDフィルムは、導光パネル(LGP)の上に配置され、少なくとも1つの一次光源210が、LGPに隣接して位置され、それによって、一次光源は、QD蛍光体材料との光通信状態にある。一次光214が、一次光源によって放出される際、一次光は、導光板206を通じてQDフィルムに向かって進む。
QDフィルム及び一次光源は、一次光が、波長変換部材202のQD蛍光体材料を通じて進み、QD蛍光体材料内のQDを励起し、それによって、QDフィルムからの二次光の放出をもたらすように配置される。波長変換部材202およびバックライトユニット200から放出される光は、蛍光体材料によって放出される二次光、QDフィルムを完全に通過する一次光、又は好ましくはそれらの組み合わせを含む。
図4に示される例示的な実施形態において、バックライトユニット200は、底部反射フィルム又は層である反射部材208をさらに備えてもよい。
バックライトユニット200の導光板206は公知のものを用いることができる。また、導光板の波長変換部材の反対側には、公知の反射部材を設けることもできる。
本発明の態様としては、直下型方式のバックライトユニットとすることもできる。
特許第4268195号公報に記載のロールtoロール型CVD成膜装置を用いた(図2参照)。
有効成膜幅を250mmとし、成膜条件は、表1に示した搬送速度、原料ガス(ヘキサメチルジシロキサン:HMDSO)の供給量、酸素ガスの供給量、真空度及び印加電力とした。その他の条件として、電源周波数は84kHz、成膜ロールの温度はすべて30℃とした。
このようにして、東レ社製ポリエチレンテレフタレートフィルム23μm厚基板(タイプU403)上に第1ガスバリアー層(A)及び第1ガスバリアー層(B)を成膜した。
ガスバリアーフィルム2、4及び5については、ガスバリアーフィルム1を作製した材料の比率を表1に示した材料に変更した点以外は、ガスバリアーフィルム1の作製手順と同様にして作製した。
また、ガスバリアーフィルム3については、反射防止層を形成した。
東レ社製ポリエチレンテレフタレートフィルム125μm厚基板(タイプU403)上に、下記のように調製した塗布液1を、押し出しコーター法を用いて、基板の一方の表面に、塗布液1の乾燥後膜厚が5μmとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥させることによって、基板の一方の表面に反射防止層を形成した。
アクリルポリマーBR−85(三菱レイヨン社製)をプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に固形分10%で溶解させ、樹脂量に対して5質量%のフィラー(SSX−303ABE(積水化学工業社製))を添加して室温(25℃)で1時間撹拌して調製した。なお、SSX−303ABEは、スチレン−ジビニルベンゼン−エチルビニルベンゼン共重合体のフィラーである。
また、ガスバリアーフィルム6については、第1ガスバリアー層(A)及び(B)を形成した後、続けてガスバリアーフィルム1の第1ガスバリアー層(A)と同様の手順で表1に示した材料を用いて第1ガスバリアー層(C)を形成し、さらに第1ガスバリアー層(B)と同様の手順で表1に示した材料を用いて第1ガスバリアー層(D)を形成しガスバリアーフィルム6を作製した。
<屈折率>
ガスバリアーフィルムの作製に用いた基材を、シクロオレフィンフィルム・ゼオノアZF−14 100μm(日本ゼオン社製)に変更をして、第1ガスバリアー層を構成する各層を基材上に1層で成膜し、各層の屈折率を求めた。基材を変更した以外は、表1に示した各層の成膜条件と同じ条件で成膜した。
なお、本発明では、基材上に成膜したガスバリアー層を構成する1層の屈折率を、ガスバリアー層を構成する各層の屈折率とする。
屈折率の解析には、多入射角分光エリプソメーターVASE(J.A.Woollam社製)を用い、波長450nmにおける屈折率を求めた。
日本分光株式会社製紫外・可視分光光度計V−650を用い、400〜700nmの範囲内で光透過率を測定した。この際、測定は、基材の第1ガスバリアー層を形成した側から、基材の第1ガスバリアー層を形成していない面側へ透過した光の透過率とした。
測定は、試料の面内の位置違い5地点で行い、得られた光透過率曲線に対して下記の項目について評価した。
波長430〜470nm及び430〜700nmの範囲内の光透過率について、測定した5地点の平均値を求めた。具体的には、得られた光透過率曲線について波長430〜470nm及び430〜700nmの範囲内における光透過率の平均値をそれぞれ算出し、5地点の光透過率の平均値を算出した。
面内バラつきの評価は、各サンプル5地点の光透過率の最大値から最小値を引いた値で以下のとおりに評価した。
◎:1%未満
○:1%以上3%未満
×:3%以上
コニカミノルタ株式会社製CS−2000を用い、輝度を測定した。この際、測定サンプルは、ガスバリアーフィルムの第1ガスバリアー層を形成した側が内側になるように、Kindle Fire HDXのQDシートの両面に配置し、マッチングオイル(オリンパス株式会社製イマージョンオイル、n=1.51)を介して接着させたものを用いた。
光源には、Kindle Fire HDXのバックライトユニット(発光波長450nm)を使用した。この光源の上に上記サンプルを乗せ、さらにプリズムシートを2枚直交させて乗せ、直上にCS2000を配置した。
蒸着装置:日本電子(株)製真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
ガスバリアーフィルム試料のガスバリアー層面に、真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置JEE−400)を用い、透明導電膜を付ける前のバリアフィルム試料の蒸着させたい部分(12mm×12mmを9箇所)以外をマスクし、金属カルシウムを蒸着させた。
その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムをもう一つの金属蒸着源から蒸着させた。アルミニウム封止後、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下で、厚さ0.2mmの石英ガラスに封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス製)を介してアルミニウム封止側と対面させ、紫外線を照射することで、評価用セルを作製した。
5:100%腐食時間が200時間以上である
4:100%腐食時間が100時間以上200時間未満である
3:100%腐食時間が20時間以上100時間未満である
2:100%腐食時間が2時間以上20時間未満である
1:100%腐食時間が2時間未満である
得られた結果を表2に示す。
(光透過率曲線と光透過率)
本発明のガスバリアーフィルムが、前記範囲内の波長光を入射した際の平均光透過率に調整されることについて、図5及び図6を用いて説明する。
図5は、第1ガスバリアー層を有する面側から光を入射した際の当該光の波長に対する光透過率を表すグラフを示している。表中のフィルム1〜6は、本実施例のガスバリアーフィルム1〜6に対応している。
例えば、フィルム1は、フィルム4よりも430〜470nmの範囲内の光透過率が全体的に高く、面内に層厚等のバラつきがあった場合でも、QDフィルムに適用した際に安定した品質を示す。
フィルム1〜3では、特定の波長にピークをもっているが、430〜700nmの範囲内の光透過率が全体的に高く設定しているので、スペクトルに大きな起伏がない。したがって、面内に層厚等のバラつきがあっても、フィルム4〜6のように光透過率が大幅に減少することが起こりにくいことがわかった。
本発明のガスバリアーフィルムは、比較例のガスバリアーフィルムに比べて面内バラツキが少なく、優れた輝度及び水蒸気透過度を両立していることがわかった。
1 基材
2 ガスバリアー層(第1ガスバリアー層)
A 第1ガスバリアー層(A)
B 第1ガスバリアー層(B)
3 量子ドット含有樹脂層
4 第2ガスバリアー層
AA 第2ガスバリアー層(A)
BB 第2ガスバリアー層(B)
13 製造装置
14 送り出しローラー
15、16、17、18 搬送ローラー
19、20 成膜ローラー
21 ガス供給管
22 プラズマ発生用電源
23、24 磁場発生装置
25 巻取りローラー
200 バックライトユニット
202 波長変換部材
204 量子ドット含有樹脂層
206 導光板
208 反射部材
210 一次光源
220、222 ガスバリアーフィルム
Claims (6)
- 基材の一方の面上に複数の層からなる第1ガスバリアー層を有するガスバリアーフィルムであって、
前記第1ガスバリアー層の組成(SiOxNyCz)において、0.5≦x≦2.2、y=0、0≦z≦1.0の範囲内で調整された各元素の構成比率を有し、
前記第1ガスバリアー層を有する面側から光を入射した際の波長430〜470nmの範囲内の平均光透過率が、92%以上であり、かつ、波長430〜700nmの範囲内の平均光透過率が、90%以上に調整されたことを特徴とするガスバリアーフィルム。 - 前記第1ガスバリアー層が、波長450nmの光の屈折率が1.50以上、1.60未満の層(B)と、当該層(B)よりも前記基材側に、波長450nmの光の屈折率が1.7以上、2.0未満の層(A)と、を有することを特徴とする請求項1に記載のガスバリアーフィルム。
- 前記層(A)の層厚が、10〜50nmの範囲内であり、かつ
前記層(B)の層厚が、80〜120nmの範囲内であることを特徴とする請求項2に記載のガスバリアーフィルム。 - 前記基材が、前記第1ガスバリアー層を有する面とは反対側の面に反射防止層を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のガスバリアーフィルム。
- 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のガスバリアーフィルムを有する波長変換部材であって、
前記第1ガスバリアー層を有するガスバリアーフィルム2枚が、それぞれの前記第1ガスバリアー層が対向するように配置され、かつ、前記2枚のガスバリアーフィルムの間に量子ドット含有樹脂層を有することを特徴とする波長変換部材。 - 請求項5に記載の波長変換部材を有することを特徴とするバックライトユニット。
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