JP6729129B2 - 輸液装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医療用の薬液を体内に注入する場合などに用いる輸液装置に関する。
輸液装置としては、フィンガ式(ペリスタルティック式)の輸液ポンプがある(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
フィンガ式の輸液ポンプは、例えば、複数のフィンガ及び受け板などを有するポンプ機構を備え、複数のフィンガと受け板との間に、輸液バッグに接続された輸液チューブを配置した状態で、フィンガを輸液チューブに対して進退駆動させ、フィンガにて輸液チューブを押圧することにより輸液を送り出す方式の輸液ポンプである。
このような輸液ポンプによる輸液の注入の際に用いられる輸液セットは、一般に、輸液バッグに接続される輸液チューブ、その輸液チューブの途中に設けられた点滴筒、ローラクランプ、及び輸液チューブの先端に接続された注射針(静脈針)などを備えている。
輸液セットの輸液チューブを輸液ポンプに取り付ける場合、まずは、ローラクランプにて輸液チューブを閉塞しておく。次に、輸液ポンプの扉を開いた状態で輸液チューブをポンプ本体に装着し、その後に輸液ポンプの扉を閉じる。そして、このような輸液チューブのセットが完了した後に、ローラクランプを開放し、次いでポンプ機構を駆動して所定の輸液を行っている。
特開2007−167316号公報 特開2006−115915号公報
上記した輸液ポンプでは、輸液チューブを輸液ポンプに取り付ける際、及び輸液ポンプから輸液チューブを取り外す際には、ローラクランプにて輸液チューブを閉塞することによってフリーフローを防止している。
しかしながら、このような輸液ポンプでは、輸液の送液はポンプ機構で行い、輸液セットのローラクランプにてフリーフローを防止する方式であるので、輸液チューブのセットが完了した後に、ローラクランプの開放を忘れてポンプ機構を駆動した場合、輸液不良となるおそれがある。また、輸液が終了した際に、ローラクランプにて輸液チューブを閉塞する操作を行う前に誤って扉を開いてしまうと、フリーフローが発生する場合がある。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、輸液セットのローラクランプを用いて輸液の流量調整が可能であり、しかも、フリーフローを確実に防止することが可能な輸液装置を実現することを目的とする。
本発明は、装置本体と、前記装置本体の前面側を開閉自在に覆う扉と、ロックレバーの回動操作により前記扉を閉鎖状態にロックするロック状態またはそのロックを解除する非ロック状態にする扉ロック機構とを備えた輸液装置を前提としている。このような輸液装置において、前記装置本体の前面側に、輸液セットのローラクランプを保持するための保持部が設けられているとともに、前記保持部に保持されたローラクランプのローラを移動するローラ移動装置を備えている。
そして、前記ローラ移動装置は、前記ローラクランプのローラを移動する移動機構と、その移動機構を駆動するアクチュエータと、前記ロックレバーの操作に連動して前記移動機構と前記アクチュエータとを連結状態または非連結状態にする断接機構とを備え、前記移動機構は、前記保持部に保持された前記ローラクランプのローラが入り込むことが可能な受け口を有するアームと、前記アームを回動させるドリブンギヤとを備えており、前記アクチュエータとしてのモータの回転軸には、前記ドリブンギヤに噛み合うことが可能なドライブギヤが設けられており、前記断接機構は解除機構を備え、その解除機構は、前記モータをその回転軸と直交する方向に移動するためのカムを有し、前記扉ロック機構のロックレバーがロック位置にあるときに、前記ドリブンギヤと前記ドライブギヤとが噛み合い、前記移動機構と前記モータとを連結状態にし、この連結状態で前記モータを駆動することにより、前記アームが前記ローラクランプのローラを開放側に移動するとともに、そのローラのチューブ閉塞位置に対する移動量を制御するように構成されており、前記扉ロック機構のロックレバーが非ロック位置に操作されたときに、そのロックレバーの操作に連動して前記カムが変位して、前記ドライブギヤが前記ドリブンギヤから外れることにより、前記移動機構と前記モータとを非連結状態にして前記ローラクランプのローラをチューブ閉塞位置に配置させる構成となっていることを特徴としている。
また、他の構成として、前記ローラ移動装置は、前記ローラクランプのローラを移動する移動機構と、その移動機構を駆動するアクチュエータと、前記ロックレバーの操作に連動して前記移動機構と前記アクチュエータとを連結状態または非連結状態にする断接機構とを備えており、前記アクチュエータとしてのモータの回転軸には、送りねじが一体回転可能に連結されており、前記移動機構は、前記ロックレバーの回動操作に連動して回動することにより前記送りねじに噛み合う状態または噛み合わない状態のいずれか一方に切り替え可能なクラッチナットと、前記クラッチナットに設けられ、前記保持部に保持された前記ローラクランプのローラが入り込むことが可能な受け口を有するアームとを備えており、前記断接機構は解除機構を備え、その解除機構は、前記クラッチナットを前記送りねじに噛み合わない状態にする解除部材を有し、前記扉ロック機構のロックレバーがロック位置に操作されたときに、前記クラッチナットが前記送りねじに近付く方向に回動して前記送りねじに前記クラッチナットが噛み合い、前記移動機構と前記モータとを連結状態にし、この連結状態で前記モータを駆動することにより、前記アームが前記ローラクランプのローラを開放側に移動するとともに、そのローラのチューブ閉塞位置に対する移動量を制御するように構成されており、前記扉ロック機構のロックレバーが非ロック位置に操作されたときに、そのロックレバーの操作に連動して前記解除部材が動いて、前記クラッチナットが前記送りねじから離れる方向に回動して前記クラッチナットが前記送りねじに噛み合わない状態となることにより、前記移動機構と前記モータとを非連結状態にして前記ローラクランプのローラをチューブ閉塞位置に配置させる構成を挙げることができる。
本発明にあっては、装置本体にローラクランプを保持する構造とし、その装置本体に保持したローラクランプのローラを移動するローラ移動装置を設け、扉ロック機構のロックレバーがロック位置にあるときに、ローラ移動装置のアクチュエータを駆動してローラクランプのローラを開放側に移動し、そのローラのチューブ閉塞位置に対する移動量を制御することにより、輸液チューブを流れる輸液の流量を制御している。このように、本発明では、輸液セットのローラクランプを用いて輸液チューブを流れる輸液の流量を調整することができる。これにより、フィンガ式の輸液ポンプと比較して、装置の小型化及び低コスト化を達成することができる。
しかも、扉ロック機構のロックレバーが非ロック位置に操作されたときに、ローラ移動装置の移動機構とアクチュエータとを非連結状態にしてローラクランプのローラをチューブ閉塞位置に配置するようにしているので、扉ロックを解除して扉を開くときには、必ず、ローラクランプによって輸液チューブが閉塞される。これにより、フリーフローを確実に防止することができる。
本発明によれば、輸液セットのローラクランプを用いて輸液の流量調整が可能であり、しかも、フリーフローを確実に防止することが可能な輸液装置を実現することができる。
本発明を適用する輸液装置の一例を示す概略構成図である。この図1では輸液装置の扉を開いた状態を示している。 図1のII−II断面図である。 輸液装置の制御系の構成を示すブロック図である。 ローラ移動装置の一例を示す斜視図である。 ローラ移動装置の一例を示す斜視図である。 図4に示すローラ移動装置の平面図である。 図4に示すローラ移動装置の側面図である。 図4に示すローラ移動装置の動作説明図である。 図4に示すローラ移動装置の動作説明図である。 本発明を適用する輸液装置の他の例を示す概略構成図である。この図10では輸液装置の扉を開いた状態を示している。 輸液装置の制御系の構成を示すブロック図である。 ローラ移動装置の他の例を示す斜視図である。 図12に示すローラ移動装置の側面図である。 図12に示すローラ移動装置の側面図である。 図12に示すローラ移動装置の分解斜視図である。 図12に示すローラ移動装置のクラッチナットの分解斜視図である。 図12に示すローラ移動装置の動作説明図である。 図12に示すローラ移動装置の動作説明図である。 輸液セットの構成を模式的に示す図である。 ローラクランプの斜視図である。 ローラクランプの側面図(A)及び平面図(B)を併記して示す図である。 ローラクランプの断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
−輸液セット−
輸液装置について説明する前に、輸液に用いる輸液セットについて図19を参照して説明する。
図19に示す輸液セットSは、薬液を収容する輸液バッグB、この輸液バッグBのポートBpに差し込まれる連結針S1、点滴筒S2、これら連結針S1と点滴筒S2とを繋ぐ上流側の輸液チューブT、点滴筒S2に接続される下流側の輸液チューブT、この下流側の輸液チューブTの途中に設けられたローラクランプ7、及び、輸液チューブTの先端部に接続される注射針(静脈針)S3などによって構成されている。
ローラクランプ7は、図20〜図22に示すように、クランプ本体71とローラ72とを備えている。クランプ本体71は、所定の間隔を隔てて対向する一対の側壁71a,71bと底板71cとが一体形成された樹脂成形品である。その各側壁71a,71bの内面には、ローラ72の回転軸72a,72bを支持しつつガイドするガイド溝711a,711bが設けられている。クランプ本体71の底面71d(底板71cの上面)にはV溝71eが形成されている。また、クランプ本体71の底面71dはガイド溝711a,711bに対して傾斜しており、クランプ本体71の一端側(フランジ71f側)から他端側に向かうにしたがって、ガイド溝711a,711bと底面71dとの間の距離が小さくなるように構成されている。
ローラ72は、ガイド溝711a,711bに沿って、クランプ本体71の一端部(フランジ71f側の端部)と、他端部(フランジ71fとは反対側の端部)との間において回転移動可能であり、フランジ71f側の移動端(開放側移動端)にローラ72が位置したときに、ローラ72の外周面とクランプ本体71の底面71dとの間の間隔が最大となり、フランジ71fとは反対側の移動端(閉塞側移動端)にローラ72が位置したときに、ローラ72の外周面とクランプ本体71の底面71dとの間の間隔が最小となる。
以上の構造のローラクランプ7において、輸液チューブTをクランプ本体71の底面71dとローラ72の外周面との間に挿入した状態で、ローラ72を回転操作して、ローラ72をクランプ本体71の閉塞側移動端に配置すると、輸液チューブTが完全に閉塞される状態となる。この状態からローラ72をクランプ本体71のフランジ71f側に向けて回転移動させていくと、そのローラ72の回転移動に伴って輸液チューブTへの押圧量(扁平量)が小さくなり、輸液チューブT内を流れることが可能な輸液の量が多くなっていく。そして、ローラ72を開放側移動端(チューブ閉塞位置)に配置した状態で、輸液チューブTはローラ72にて押圧されない状態(完全開放状態)となる。
[実施形態1]
−輸液装置−
本発明の輸液装置の一例について図1〜図9を参照して説明する。
この例の輸液装置1は、装置本体11と、この装置本体11の前面側を開閉自在に閉鎖する扉12とを備えている。扉12はヒンジ13,13を介して装置本体11に揺動自在(回動自在)に支持されており、装置本体11の前面側を完全に閉鎖する位置から、完全開放位置(例えば、180°開く位置)までの間において揺動可能となっている。
装置本体11及び扉12には、扉12を閉めたときに、その閉塞状態を保持するための扉ロック機構2が設けられている。扉ロック機構2は、扉12側に配置のロックレバー21、及び装置本体11側に配置のフック24などによって構成されている。ロックレバー21は、レバー軸23を中心として縦方向(上下方向)に回動可能に設けられており、ロック開放位置(非ロック位置)から、扉12をロックするロック位置までの間において回動可能である。なお、レバー軸23は、扉12に設けられた支持部材(図示せず)に回転自在に支持されている。
ロックレバー21にはロック片22が一体形成されており、扉12を閉鎖した状態で、ロックレバー21を回動操作してロック位置に配置したときに、ロック片22が装置本体11のフック24に係合することにより扉12が完全閉鎖状態に保持される。また、この完全閉鎖状態から、ロックレバー21をロック時とは逆向きに回動操作して非ロック位置に配置することにより、ロック片22がフック24から外れて扉12のロックが解除される。
以上の扉ロック機構2において、ロックレバー21とレバー軸23とは一体形成されており、ロックレバー21の回動操作によりレバー軸23が回転する。レバー軸23には、後述するローラ移動装置3のアーム31及びカム361が配置されている。
装置本体11の前面には、チューブ装着ガイド部111が設けられており、そのチューブ装着ガイド部111の途中にクランプ保持部112が設けられている。
クランプ保持部112は、図20〜図22に示すローラクランプ7のクランプ本体71を、その底板71c側から嵌め込むことが可能な保持凹部112aを備えており、この保持凹部112aにローラクランプ7(クランプ本体71)を嵌め込んだ状態で、輸液チューブTが輸液装置1の上下方向に沿って配置され、ローラ72の上下方向への移動により輸液チューブTの閉塞と開閉とを行うことができる。また、ローラ72のチューブ閉塞位置(完全閉塞位置)からの移動量を制御することにより、輸液チューブTを流れる輸液の流量を制御(調整)することができる。輸液流量の制御については後述する。
扉12の内壁120には、幅方向の端部(ヒンジ13とは反対側の端部)に、上下方向に延びる矩形の開口部120aが開口されており、その開口部120aを通じてロックレバー21のロック片22が臨んでいる。また、扉12の内壁120には、クランプ保持部112に対応する位置に、上下方向に延びるスリット状の開口部120bが開口されており、その開口部120bを通じてローラ移動装置3のアーム31が臨んでいる。ローラ移動装置3は扉12の内部に配置されている。なお、ローラ移動装置3の構成については後述する。
さらに、本実施形態の輸液装置1は、図1に示すように、点滴筒S2内を滴下する液滴を検出する液滴検出装置4を備えている。液滴検出装置4は、点滴筒S2の側方に配置された発光部(例えば、LED)41と、その発光部41に対し点滴筒S2を挟んで対向する位置に配置されたイメージセンサ(例えば、CCD)42とを備えている。イメージセンサ42の出力信号(二次元画像データ)は後述する制御部6に入力される。なお、発光部41及びイメージセンサ42はクランプ(図示せず)等によって点滴筒S2に着脱自在に装着される。
−ローラ移動装置−
次に、ローラ移動装置3について図4〜図9を参照して説明する。
ローラ移動装置3は、上記した装置本体11のクランプ保持部112に保持されたローラクランプ7のローラ72を移動させる装置であって、移動機構30、アクチュエータとしてのモータ(例えば、ブレーキ付きステッピングモータ)35、及び断接機構36などを備えている。なお、ローラ移動装置3には制御部6も含まれる。
モータ35の駆動は制御部6によって制御される。これらモータ35及び制御部6等には、輸液装置1に内蔵の電池または商用電源からの電力が供給されるようになっている。
移動機構30は、アーム31、後述するドライブギヤ32に噛み合い可能なドリブンギヤ33を備えている。
アーム31は、扇形状の部材であって、端部にローラクランプ7のローラ72が入り込むことが可能な受け口31aが設けられている。アーム31は、扉ロック機構2のロックレバー21のレバー軸23に回転自在に支持されている。
アーム31は、引張コイルばね34によって、ロックレバー21をロック位置に回転する方向とは逆向きの方向に付勢されており、後述するドリブンギヤ33がドライブギヤ32に噛み合っていない状態では、アーム31の受け口31aが最下端の位置に配置される。その最下端の位置は、クランプ保持部112に保持されているローラクランプ7のローラ72がチューブ閉塞位置(図9(A)参照)にある場合のローラ72の位置に対応する位置である。なお、受け口31aの最下端位置は、アーム31に当接するストッパ37によって規制される。
アーム31は、装置本体11のクランプ保持部112の保持凹部112aに対応する位置に配置されており、扉12を閉じた際に、アーム31の先端部がクランプ保持部112の保持凹部112aの中央部に入り込むようになっている。
ドリブンギヤ33はアーム31に一体回転可能に設けられており、このドリブンギヤ33もロックレバー21のレバー軸23に対し回転自在となっている。ドリブンギヤ33の回転中心とアーム31の回動中心とは一致している。ドライブギヤ32はモータ35の回転軸35aに一体回転可能に連結されている。このモータ35のドライブギヤ32はアーム31のドリブンギヤ33に噛み合うことが可能である。
モータ35は、回転軸35aがロックレバー21のレバー軸23と並行となるように配置されている。モータ35は、スライドベース(図示せず)上に配置されており、当該モータ35の回転軸35aと直交する方向であって、ドライブギヤ32がアーム31のドリブンギヤ33に対し接近離反する方向にスライド移動(図6、図7のX方向へのスライド移動)が可能となっている。
断接機構36は、カム面がモータ35のケーシング側面に当接するカム361と、モータ35を図6、図7のX1方向(ドライブギヤ32がドリブンギヤ33に噛み合う方向)に向けて押圧する圧縮コイルばね362とを備えている。カム361は、ロックレバー21のレバー軸23に一体回転可能に設けられており、ロックレバー21がロック位置に操作されたときには、カム361の偏心量が最小となり、圧縮コイルばね362の弾性力によってモータ35がX1方向に移動して、モータ35のドライブギヤ32がアーム31のドリブンギヤ33に噛み合う(図7等参照)。そして、ドライブギヤ32がドリブンギヤ33に噛み合っている状態で、モータ35が回転(図8(A)中、時計回りに回転)すると、アーム31がレバー軸23を中心として上方に向けて回動し、受け口31aが上方に向かって移動する。
一方、ロックレバー21が非ロック位置に操作されたときには、カム361の偏心量が最大となり、これによりモータ35がX2方向に圧縮コイルばね362の弾性力に抗してX2方向に移動され、モータ35のドライブギヤ32がアーム31のドリブンギヤ33から離れる(図8(B)参照)。
そして、以上の構造のローラ移動装置3において、ロックレバー21が非ロック位置にあり、アーム31の受け口31aが最下端にある状態で、扉12を閉じると、アーム31の先端部が、装置本体11のクランプ保持部112の保持凹部112a内に入り込む。このとき、クランプ保持部112に保持されているローラクランプ7のローラ72がチューブ閉塞位置(閉塞側移動端:フランジ72fとは反対側の端部)にある場合は、アーム31の受け口31aにローラ72が入り込む。これに対し、ローラクランプ7のローラ72がチューブ開放側(フランジ72f側)にある場合(輸液チューブTが閉塞されていない場合)は、アーム31がローラ72と干渉して扉12を閉じることができない。
−制御部−
次に、制御部6について説明する。
制御部6は、マイクロコンピュータ等を主体として構成されており、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性RAM、I/Oインターフェース、及び、これらの機能部を互いに接続するバスラインなどを備えている。制御部6には、図3に示すように、ローラ移動装置3のモータ35、液滴検出装置4の発光部41及びイメージセンサ42、操作部51、並びに液晶表示部52などが接続されている。
そして、制御部6は、操作部51のスイッチ類の操作にて設定された輸液の流量の設定値(設定流量)に応じて、ローラ移動装置3のモータ35の回転速度を制御することにより、輸液チューブTを流れる輸液の流量を制御する。その流量制御については後述する。
−動作説明−
次に、輸液装置1への輸液チューブTのセッティング、及びローラ移動装置3の動作について図1、図4〜図9を参照して説明する。
(1)まず、図19に示す輸液セットSのローラクランプ7のローラ72を操作して輸液チューブTを閉塞しておく。次に、扉ロック機構2のロックレバー21を非ロック位置にして輸液装置1の扉12を開く。このようにして扉12を開いた状態では、ローラ移動装置3のドライブギヤ32とドリブンギヤ33とは噛み合っておらず、アーム31の受け口31aが最下端の位置にある(図8(B)参照)。
(2)ローラクランプ7を装置本体11の前面側に持っていき、そのローラクランプ7のクランプ本体71を、フランジ71fを上側にした姿勢で、装置本体11のクランプ保持部112に嵌め込むとともに、輸液チューブTをチューブ装着ガイド部111に装着する。このようなチューブ装着が終了した後に扉12を閉める。扉12を閉めると、ローラ移動装置3のアーム31の先端部がクランプ本体71の一対の側壁71a,71b間の隙間に入り込み、アーム31の受け口31aにローラクランプ7のローラ72が入り込む(図7参照)。
なお、上述したように、ローラクランプ7にて輸液チューブTが閉塞されていない場合は、ローラ72とアーム31とが干渉するので、扉12を閉めることはできない。これによって、輸液装置1への輸液チューブTの装着前のチューブ閉塞忘れを防止することがきる。
(3)扉12を閉じた状態で、扉ロック機構2のロックレバー21をロック位置に向けて回動操作する。このロックレバー21の回動操作により、ロック片22が装置本体11のフック24に引っ掛かって扉12が閉鎖状態に保持(扉ロック)される。また、ロックレバー21の操作によりレバー軸23が回動すると、これに連動して断接機構36のカム361が、偏心量が最小となる側に回動してモータ35のドライブギヤ32がアーム31のドリブンギヤ33に噛み合う。
この状態でモータ35を回転(図8(A)中、時計回りに回転)させる。モータ35が回転するとアーム31が回動し、そのアーム31の受け口31aつまりローラクランプ7のローラ72が上方(開放側(フランジ72f側))に移動する(図9(B)参照)。このローラ72の移動量(チューブ閉塞位置(図9(A)参照)に対する移動量)を制御することにより、輸液チューブTに流れる輸液の流量を制御(調整)する。この輸液の流量制御については後述する。
そして、閉鎖状態の扉12を開くときには、ローラクランプ7のローラ72はチューブ閉塞位置に配置される。具体的には、扉12を開く際に、扉ロック機構2のロックレバー21を非ロック位置に向けて回動操作すると、このロックレバー21の回動(レバー軸23の回転)により、カム361が、偏心量が最大となる側に回動して、モータ35がX2方向(図6、図7参照)に移動して当該モータ35のドライブギヤ32がアーム31のドリブンギヤ33から外れる(図8(B)参照)。これによりアーム31(ドリブンギヤ33)が回動自由な状態となり、引張コイルばね34の弾性力によってアーム31が下方に向けて回動し、アーム31の受け口31aが最下端の位置に配置される。これによってローラクランプ7のローラ72がチューブ閉塞位置に配置される(図9(A)参照)。
このように、扉12を開くときには、必ず、ローラクランプ7によって輸液チューブTが閉塞されるので、フリーフローを確実に防止することができる。
−輸液の流量制御−
次に、制御部6が実行する輸液の流量制御について説明する。
<流量制御(1)>
まず、輸液の流量制御の一例について説明する。この例では、点滴筒S2内を滴下する液滴の液滴サイズと輸液流量との関係を予め調べておき、その結果に基づいて、目標輸液流量(操作部51の操作にて設定される輸液流量)から目標液滴サイズを求めるためのテーブルT1を作成しておく。このテーブルは制御部6に記憶しておく。
そして、制御部6は、液滴検出装置4のイメージセンサ42の出力信号(二次元画像データ)に基づいて、公知の方法(例えば、特開2011−62371号公報等に記載の方法)により、点滴筒S2(図1参照)内を滴下する液滴の液滴サイズを求め、その実際の液滴サイズが、上記テーブルT1から得られる目標液滴サイズ(目標輸液流量に対応する液滴サイズ)になるように、ローラクランプ7のローラ72のチューブ閉塞位置に対する移動量(距離)つまりローラ移動装置3のモータ35の回転量をフィードバック制御することにより、輸液チューブTを流れる輸液の流量を制御する。
<流量制御(2)>
次に、輸液の流量制御の他の例について説明する。この例では、ローラクランプ7のローラ72のチューブ閉塞位置に対する移動量(輸液チューブTの開放量)と、輸液チューブTを流れる輸液の流量との関係(直線比例関係)を予め調べておき、その関係を表すテーブルT2を作成して制御部6に記憶しておく。
そして、制御部6は、操作部51の操作にて設定される目標輸液流量に基づいて上記テーブルT2を参照して、ローラクランプ7のローラ72のチューブ閉塞位置に対する移動量を求め、その求めた移動量となるようにモータ35の回転量を制御することにより、輸液チューブTを流れる輸液の流量を制御する。
<効果>
以上のように、本実施形態によれば、輸液セットSのローラクランプ7を用いて輸液チューブTを流れる輸液の流量を調整することができる。これにより、フィンガ式の輸液ポンプと比較して小型でかつ低コストの輸液装置1を実現することができる。しかも、扉12を開くときには、必ず、ローラクランプ7によって輸液チューブTが閉塞されるので、フリーフローを確実に防止することができる。
[実施形態2]
−輸液装置−
本発明の輸液装置の他の例について図10〜図18を参照して説明する。
この例の輸液装置501は、上記した[実施形態1]と同様に、装置本体11と、この装置本体11の前面側を開閉自在に閉鎖する扉12とを備えている。扉12はヒンジ13,13を介して装置本体11に揺動自在(回動自在)に支持されており、装置本体11の前面側を完全に閉鎖する位置から、完全開放位置(例えば、180°開く位置)までの間において揺動可能となっている。
また、輸液装置501は、輸液セットSの点滴筒S2内を滴下する液滴を検出する液滴検出装置4を備えている。なお、液滴検出装置4の構成は、上記した[実施形態1]と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
この実施形態の輸液装置501において、以下に説明する構成以外については、上記した[実施形態1]と同様な構成であるので、その具体的な説明は省略する、
装置本体11及び扉12には、扉12を閉めたときに、その閉塞状態を保持するための扉ロック機構502が設けられている。扉ロック機構502は、扉12側に配置のロックレバー521、及び装置本体11側に配置のフック524などによって構成されている。ロックレバー521は、円筒形状の支点部523の中心軸(円筒軸)を中心として横方向に回動可能に設けられており、ロック開放位置(非ロック位置)から、扉12をロックするロック位置までの間において回動可能である。なお、ロックレバー521の支点部523は、扉12に設けられた支持部材(図示せず)に回転自在に支持されている。
ロックレバー521にはロック片522が一体形成されており、扉12を閉鎖した状態で、ロックレバー521を回動操作してロック位置に配置したときに、ロック片522が装置本体11のフック524に係合することにより扉12が完全閉鎖状態に保持される。また、この完全閉鎖状態から、ロックレバー521をロック時とは逆向きに回動操作して非ロック位置に配置することにより、ロック片522がフック524から外れて扉12のロックが解除される。
装置本体11の前面には、チューブ装着ガイド部111が設けられており、そのチューブ装着ガイド部111の途中にクランプ保持部112が設けられている。なお、クランプ保持部112の構成は、上記した[実施形態1]と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
扉12の内壁520の下部には、横方向に延びる矩形の開口部520aが開口されており、その開口部520aを通じてロックレバー521のロック片522が臨んでいる。また、扉12の内壁520には、クランプ保持部112に対応する位置に、上下方向に延びるスリット状の開口部520bが開口されており、その開口部520bを通じてローラ移動装置503のアーム531が臨んでいる。ローラ移動装置503は扉12の内部に配置されている。
−ローラ移動装置−
次に、ローラ移動装置503について図12〜図18を参照して説明する。
ローラ移動装置503は、装置本体11のクランプ保持部112に保持されたローラクランプ7のローラ72を移動させる装置であって、移動機構530、モータ(例えば、ステッピングモータ)560、及び、本発明でいう断接機構及び解除機構を構成する解除部材570などを備えている。なお、ローラ移動装置503には制御部6(図11参照)も含まれる。
モータ560の駆動は制御部6によって制御される。これらモータ560及び制御部6等には、輸液装置501に内蔵の電池または商用電源からの電力が供給されるようになっている。
モータ560は、回転軸561が輸液装置501の上下方向に沿った状態で、かつ回転軸561が下方に向く姿勢で配置されている。モータ560は、扉12に設けられた支持部材(図示せず)によって支持されている。
移動機構530は、アーム531、後述する送りねじ532に噛み合い可能なクラッチナット540、及び圧縮コイルばね550などを備えている。
送りねじ532は、輸液装置501の上下方向に沿って配置されており、モータ560の回転軸561に一体回転可能に連結されている。
クラッチナット540は、一対のナット本体541,541、上部保持部材542、下部保持部材543、2本の支軸544,544、2つの圧縮コイルばね545,545を備えている。
上部保持部材542及び下部保持部材543はそれぞれ円環形状の部材であって、これら上部保持部材542と下部保持部材543とは、上下方向に所定の間隔(一対のナット本体541,541の高さに相当する間隔)を隔てて対向するように配置されており、2本の支軸544,544によって互いに連結されている。2本の支軸544,544は、上部保持部材542の中心と下部保持部材543の中心とを通る直線に対して180°回転対称に配置されている。なお、上部保持部材542及び下部保持部材543には、それぞれ、後述する解除部材570の解除板573,573との干渉を避けるための切欠き542b,543bが設けられている。
各ナット本体541は、中空円筒を2分割した半円筒体形状の部材であって、その円筒内面に、送りねじ532に噛み合うことが可能な雌ねじ541aが形成されている。これらナット本体541,541は、その各端部がそれぞれ支軸544に回動自在に支持されている。各ナット本体541は、それぞれ圧縮コイルばね545の弾性力によって内向き(送りねじ532側)に付勢されている。各圧縮コイルばね545は、上部保持部材542に一体形成されたばね座542aと、ナット本体541に一体形成された押圧片541bとの間に挟み込まれている。
一対のナット本体541,541のうち、一方のナット本体541の側部にアーム531が取り付けられている。アーム531は板状の部材であって、輸液装置501の上下方向(送りねじ532の軸方向)に沿って配置されている。アーム531の先端部には、ローラクランプ7のローラ72が入り込むことが可能な受け口531aが設けられている。アーム531は、装置本体11のクランプ保持部112の保持凹部112aに対応する位置に配置されており、扉12を閉じた際に、アーム531の先端部がクランプ保持部112の保持凹部112aの中央部に入り込むようになっている。
以上のクラッチナット540は、送りねじ532に通されており、一対のナット本体541,541の雌ねじ541a,541aが送りねじ532に噛み合っていない状態のときには、送りねじ532の軸方向(上下方向)に移動可能である。クラッチナット540の上側には圧縮コイルばね550が配置されており、その圧縮コイルばね550の弾性力によってクラッチナット540が下方に向けて付勢されている。
そして、一対のナット本体541の雌ねじ541a,541aが送りねじ532に噛み合っていない状態のときには、一方のナット本体541に取り付けられたアーム531が最下端の位置に配置される。その最下端の位置は、クランプ保持部112に保持されているローラクランプ7のローラ72がチューブ閉塞位置(図18(A)参照)にある場合のローラ位置に対応する位置である。なお、受け口531aの最下端位置は、クラッチナット540の下端に当接するストッパ580によって規制される。
解除部材570は、上部円筒体571、下部円筒体572、及び、上下方向に延びる2つの解除板573,573を備えており、その各解除板573の上端部及び下端部がそれぞれ上部円筒体571及び下部円筒体572に連結されている。解除部材570の2つの解除板573,573は、上部円筒体571の中心と下部円筒体572の中心とを通る直線に対して180°回転対称に配置されている。
解除部材570の下部円筒体572はロックレバー521の支点部523に一体回転可能に連結されており、ロックレバー521の操作により支点部523が回転すると、これに連動して2つの解除板573,573が支点部523の中心軸を中心として回転する。支点部523の中心軸と送りねじ532の中心軸とは一致している。
解除部材570は送りねじ532に通されており、各解除板573が、それぞれ2つのナット本体541,541の円周方向における端面間に挟み込まれている(図17等参照)。
そして、以上の移動機構530において、ロックレバー521がロック位置にあるときには、クラッチナット540の一対のナット本体541,541がそれぞれ圧縮コイルばね545,545の弾性力によって内側に向けて押圧され、一対のナット本体541,541の雌ねじ541a,541aが送りねじ532に噛み合う(図17(A)等参照)。そして、一対のナット本体541,541と送りねじ532とが噛み合った状態で、モータ560が回転すると、アーム531(受け口531a)が上昇移動する。
一方、ロックレバー521が非ロック位置に操作されたときには、このロックレバー521の操作に連動して解除部材570が回転し、解除部材570の各解除板573がそれぞれクラッチナット540の一対のナット本体541,541を開く方向に押圧する。これにより、各ナット本体541が支軸544を中心として開く方向(外側)に回動して、一対のナット本体541,541の雌ねじ541a,541aが送りねじ532から外れる(図17(B)参照)。そして、圧縮コイルばね550の弾性力によりクラッチナット540が最下端位置まで下降する。なお、図17(B)では、説明を判りやすくするために、各ナット本体541の開き量を大きくした図としているが、実際には、送りねじ532(雌ねじ541a)のねじ山の高さよりも少しだけ大きな開き量でよい。
なお、この実施形態の輸液装置501においても、上記した[実施形態1]と同様に、制御部6を備えている。制御部6には、図11に示すように、ローラ移動装置503のモータ560、液滴検出装置4の発光部41及びイメージセンサ42、操作部51、並びに液晶表示部52などが接続されている。そして、制御部6は、上記した[実施形態1]と同様に、輸液チューブTを流れる輸液の流量を制御する。
−動作説明−
次に、輸液装置501への輸液チューブTのセッティング、及び、ローラ移動装置503の動作について図12〜図18を参照して説明する。
(1)まず、図19に示す輸液セットSのローラクランプ7のローラ72を操作して輸液チューブTを閉塞しておく。次に、扉ロック機構502のロックレバー521を非ロック位置にして輸液装置501の扉12を開く。このようにして扉12を開いた状態では、ローラ移動装置503の送りねじ532とクラッチナット540とは噛み合っておらず(図17(B)参照)、アーム531の受け口531aが最下端の位置にある(図18(A)参照)。
(2)ローラクランプ7を装置本体11の前面側に持っていき、そのローラクランプ7のクランプ本体71を、フランジ71fを上側にした姿勢で装置本体11のクランプ保持部112に嵌め込むとともに、輸液チューブTをチューブ装着ガイド部111に装着する。このようなチューブ装着が終了した後に扉12を閉める。扉12を閉めると、ローラ移動装置503のアーム531の先端部がクランプ本体71の一対の側壁71a,71b間の隙間に入り込み、アーム531の受け口531aにローラクランプ7のローラ72が入り込む(図18(A)参照)。
なお、上述したように、ローラクランプ7にて輸液チューブTが閉塞されていない場合は、ローラ72とアーム531とが干渉するので、扉12を閉めることはできない。これによって輸液装置501への輸液チューブTの装着前のチューブ閉塞忘れを防止することがきる。
(3)扉12を閉じた状態で、扉ロック機構502のロックレバー521をロック位置に向けて回動操作する。このロックレバー521の回動操作により、ロック片522が装置本体11のフック524に引っ掛かって扉12が閉鎖状態に保持(扉ロック)される。また、ロックレバー521の操作により支点部523が回動すると、これに連動して解除部材570が、クラッチナット540の一対のナット本体541,541を押圧しない方向(各ナット本体541を閉じる側)に回動し、その一対のナット本体541,541の雌ねじ541a,541aがそれぞれ圧縮コイルばね545の弾性力によって送りねじ532に噛み合う(図17(A)等参照)。
この状態でモータ560を回転させる。モータ560が回転すると送りねじ532が回動して一対のナット本体541が上昇し、これに伴ってアーム531が上昇し、そのアーム531の受け口531aつまりローラクランプ7のローラ72が上方(開放側(フランジ72f側)に移動する(図18(B)参照)。このローラ72の移動量(チューブ閉塞位置(図18(A)参照)に対する移動量)を制御することにより、輸液チューブTに流れる輸液の流量を制御(調整)する。この輸液の流量制御は、上記した[実施形態1]の<流量制御(1)>または<流量制御(2)>と同様な方法で行う。
そして、閉鎖状態の扉12を開くときには、ローラクランプ7のローラ72はチューブ閉塞位置に配置される。具体的には、扉12を開く際に、扉ロック機構502のロックレバー521を非ロック位置に向けて回動操作すると、このロックレバー521の回動に連動して解除部材570が回転し、その解除部材570の各解除板573が、クラッチナット540の各ナット本体541を外側(開く側)に向けて押圧する(図17(B)参照)。これにより、ナット本体541,541の雌ねじ541a,541aが送りねじ532から外れて、クラッチナット540(アーム531)が自由な状態となる。そして、圧縮コイルばね550の弾性力によりクラッチナット540が下方に移動してアーム531の受け口531aが最下端の位置に配置される。これによってローラクランプ7のローラ72がチューブ閉塞位置に配置される(図18(A)参照)。
このように、扉12を開くときには、必ず、ローラクランプ7によって輸液チューブTが閉塞されるので、フリーフローを確実に防止することができる。
<効果>
以上のように、この実施形態においても、輸液セットSのローラクランプ7を用いて輸液チューブTを流れる輸液の流量を調整することができる。これにより、フィンガ式の輸液ポンプと比較して小型でかつ低コストの輸液装置501を実現することができる。しかも、扉12を開くときには、必ず、ローラクランプ7によって輸液チューブTが閉塞されるので、フリーフローを確実に防止することができる。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、以上の各実施形態では、輸液セットSの点滴筒S2及び液滴検出装置4を輸液装置1,501の外部に配置しているが、本発明はこれに限られることなく、点滴筒S2及び液滴検出装置4を輸液装置の内部に配置してもよい。
本発明は、医療用の薬液を体内に注入する場合などに用いる輸液装置に利用することができる。
1 輸液装置
11 装置本体
112 クランプ保持部
112a 保持凹部
12 扉
2,502 扉ロック機構
21,521 ロックレバー
22,522 ロック片
23 レバー軸
523 支点部
3 ローラ移動装置
30 移動機構
31 アーム
31a 受け口
32 ドライブギヤ
33 ドリブンギヤ
34 引張コイルばね
35 モータ(アクチュエータ)
36 断接機構
361 カム
362 圧縮コイルばね
503 ローラ移動装置
530 移動機構
531 アーム
531a 受け口
532 送りねじ
540 クラッチナット
541 ナット本体
541a 雌ねじ
544 支軸
545,550 圧縮コイルばね
560 モータ(アクチュエータ)
570 解除部材
573 解除板
4 液滴検出装置
6 制御部
7 ローラクランプ
72 ローラ
S 輸液セット
S2 点滴筒
B 輸液バッグ
T 輸液チューブ

Claims (2)

  1. 装置本体と、前記装置本体の前面側を開閉自在に覆う扉と、ロックレバーの回動操作により前記扉を閉鎖状態にロックするロック状態またはそのロックを解除する非ロック状態にする扉ロック機構とを備えた輸液装置において、
    前記装置本体の前面側に、輸液セットのローラクランプを保持するための保持部が設けられているとともに、前記保持部に保持されたローラクランプのローラを移動するローラ移動装置を備え、
    前記ローラ移動装置は、前記ローラクランプのローラを移動する移動機構と、その移動機構を駆動するアクチュエータと、前記ロックレバーの操作に連動して前記移動機構と前記アクチュエータとを連結状態または非連結状態にする断接機構とを備えており、
    前記移動機構は、前記保持部に保持された前記ローラクランプのローラが入り込むことが可能な受け口を有するアームと、前記アームを回動させるドリブンギヤとを備えており、
    前記アクチュエータとしてのモータの回転軸には、前記ドリブンギヤに噛み合うことが可能なドライブギヤが設けられており、
    前記断接機構は解除機構を備え、その解除機構は、前記モータをその回転軸と直交する方向に移動するためのカムを有し、
    前記扉ロック機構のロックレバーがロック位置にあるときに、前記ドリブンギヤと前記ドライブギヤとが噛み合い、前記移動機構と前記モータとを連結状態にし、この連結状態で前記モータを駆動することにより、前記アームが前記ローラクランプのローラを開放側に移動するとともに、そのローラのチューブ閉塞位置に対する移動量を制御するように構成されており、
    前記扉ロック機構のロックレバーが非ロック位置に操作されたときに、そのロックレバーの操作に連動して前記カムが変位して、前記ドライブギヤが前記ドリブンギヤから外れることにより、前記移動機構と前記モータとを非連結状態にして前記ローラクランプのローラをチューブ閉塞位置に配置させる構成となっていることを特徴とする輸液装置。
  2. 装置本体と、前記装置本体の前面側を開閉自在に覆う扉と、ロックレバーの回動操作により前記扉を閉鎖状態にロックするロック状態またはそのロックを解除する非ロック状態にする扉ロック機構とを備えた輸液装置において、
    前記装置本体の前面側に、輸液セットのローラクランプを保持するための保持部が設けられているとともに、前記保持部に保持されたローラクランプのローラを移動するローラ移動装置を備え、
    前記ローラ移動装置は、前記ローラクランプのローラを移動する移動機構と、その移動機構を駆動するアクチュエータと、前記ロックレバーの操作に連動して前記移動機構と前記アクチュエータとを連結状態または非連結状態にする断接機構とを備えており、
    前記アクチュエータとしてのモータの回転軸には、送りねじが一体回転可能に連結されており、
    前記移動機構は、前記ロックレバーの回動操作に連動して回動することにより前記送りねじに噛み合う状態または噛み合わない状態のいずれか一方に切り替え可能なクラッチナットと、前記クラッチナットに設けられ、前記保持部に保持された前記ローラクランプのローラが入り込むことが可能な受け口を有するアームとを備えており、
    前記断接機構は解除機構を備え、その解除機構は、前記クラッチナットを前記送りねじに噛み合わない状態にする解除部材を有し、
    前記扉ロック機構のロックレバーがロック位置に操作されたときに、前記クラッチナットが前記送りねじに近付く方向に回動して前記送りねじに前記クラッチナットが噛み合い、前記移動機構と前記モータとを連結状態にし、この連結状態で前記モータを駆動することにより、前記アームが前記ローラクランプのローラを開放側に移動するとともに、そのローラのチューブ閉塞位置に対する移動量を制御するように構成されており、
    前記扉ロック機構のロックレバーが非ロック位置に操作されたときに、そのロックレバーの操作に連動して前記解除部材が動いて、前記クラッチナットが前記送りねじから離れる方向に回動して前記クラッチナットが前記送りねじに噛み合わない状態となることにより、前記移動機構と前記モータとを非連結状態にして前記ローラクランプのローラをチューブ閉塞位置に配置させる構成となっていることを特徴とする輸液装置。
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