JP6728857B2 - 逆浸透膜装置およびその運転方法 - Google Patents

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本発明は逆浸透膜装置(RO装置)およびその運転方法に係り、特に、脱塩及び/又は有機物除去を行うクリスマスツリー型多段RO装置およびその運転方法に関する。
RO装置は用水の造水プロセス、食品・医薬用水の製造プロセス、排水回収プロセスなど幅広い分野で使用されている。中でも近年、用排水のコスト低減、環境負荷低減の目的から、排水回収プロセスにおいて、RO装置を使用するケースが急激に増加している。
RO装置として、水回収率を高める目的から、例えば、図3に示すようなクリスマスツリーと呼ばれる配置としたものがある。即ち、図3において、逆浸透膜エレメント(ROエレメント)を1本又は複数本(通常1本〜10本程度)内蔵したROベッセル1A,1B,1Cが3機並列配置されてなる第1バンク(ベッセル群をバンクと称す。)1と、ROベッセル2A,2Bが2機並列配置されてなる第2バンク2とでクリスマスツリー型の多段RO装置が構成されている。
被処理水、即ち、RO装置の供給水(RO給水、以下単に「給水」と称す。)は保安フィルタ3を経てまず第1バンク1に流入し、透過水と濃縮水とに分離される。続いて第1バンク1の濃縮水は第2バンク2に流入し、ここでも透過水と濃縮水とに分離される。第1バンク1の透過水と第2バンク2の透過水は合流し、系外へ排出される。一方、第2バンク2の濃縮水は系外に放流されるか排水処理設備等に移送される。通常、RO装置におけるクリスマスツリー構造は、要求される水回収率にもよるが、2又は3バンクで構成されることが多い。
RO装置により水回収を行う場合、水回収率を上げるために、得られた濃縮水をRO装置の給水側に戻すことは公知であるが、その場合において、濃縮水を保安フィルタを通して戻すことは行われていない。
特許文献1には、多価金属含有水中の多価金属イオンを酸化槽で酸化した後、酸化により生成した多価金属の酸化物をフィルタを備える固形分除去装置で除去し、その後逆浸透膜処理する装置において、逆浸透膜装置の濃縮水を酸化槽に戻すことが記載されている。
この装置では、酸化槽に戻された濃縮水はフィルタを経て逆浸透膜装置に供給されることとなるが、この特許文献1の装置は、多価金属イオンの除去を目的とした排水処理であり、フィルタは酸化により生成した多価金属の酸化物を除去するものであって、濃縮水の濁質除去のためのものではない。
特許文献2には、クリスマスツリー型多段RO装置において、運転停止中の膜モジュールを清浄に保持するために、運転中の膜モジュールの濃縮水を、停止中の膜モジュールの一次側に流通させることが記載されているが、この方法は、水回収率を上げるために後段のバンクの濃縮水を前段のバンクに戻すものではなく、また、特許文献2には、保安フィルタを通して濃縮水を流通させるとの記載もない。
特許文献3には、第1の逆浸透膜装置の濃縮水を第2逆浸透膜装置で膜分離処理し、透過水を第1の逆浸透膜装置の給水として戻すことが記載されているが、保安フィルタを通すものとは異なる。特許文献3のように濃縮水を膜分離処理して透過水を戻す方法では水回収率を十分に高くすることはできない上に、濃縮水処理のための逆浸透膜装置およびその運転管理も必要となるため、設備コストが高くなり、また、操作も煩雑となる。
特開平11−192482号公報 特開平8−155273号公報 特開2010−201313号公報
前述の通り、従来において、RO装置の濃縮水をRO装置の給水として前段に戻す場合、保安フィルタを通すことは行われていない。
また、図3に示すようなクリスマスツリー型多段RO装置による水回収では、前段のバンクの濃縮水を後段のバンクで膜分離処理することで、十分に高い水回収率を得ているため、最後段のバンクの濃縮水を前段のバンクに戻して更に水回収を図ることは行われていない。
クリスマスツリー型多段RO装置において、水回収率を更に高めるために、最後段のバンクの濃縮水を第1段目のバンクの給水として戻す場合、最後段のバンクの濃縮水は、既に多段でRO膜分離処理されて高濃縮されたものであるため、次のような問題が起こる。
即ち、クリスマスツリー型多段RO装置には、例えば、前段の前処理における凝集不良や前処理膜の劣化、破断等で濁質が流入する場合がある。この場合、最後段のバンクの濃縮水には濁質が高濃縮されることとなる。また、被処理水の塩類濃度が高い場合には、この濃縮水の塩類濃度は相当に高いものとなり、濃縮水中でスケールが析出する場合がある。
このため、最後段のバンクの濃縮水を第1段目のバンクの給水として戻すと、
・濁質、SS、析出したスケール等が要因の膜閉塞により、フラックスの低下、モジュール差圧の上昇を引き起こす。
・流路閉塞、偏流を起こし、膜面積を有効に利用できなくなる。
といった問題が起こる。
本発明はこの問題を解決するものである。
即ち、本発明は、クリスマスツリー型多段RO装置において、濃縮水の循環処理で水回収率を更に高めた上で、給水の濁質、SS、スケール等を低減し、流路閉塞、フラックス低下、モジュール差圧上昇を低減すると共に、装置内の偏流を防止して、装置内膜面への負荷を均等化することで装置の安定運転、膜面積の有効利用を図る逆浸透膜装置およびその運転方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、最後段のバンクの濃縮水を除濁フィルタに通水し、除濁フィルタで濃縮水内の濁質やスケールを除去した後第1段目のバンクの給水として戻すことにより、上記の課題を解決することができることを見出した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 逆浸透膜エレメントを収納した逆浸透膜ベッセルで構成されるバンクを複数段有する逆浸透膜装置において、最後段のバンクの濃縮水を、1段目のバンクの前段へ戻す濃縮水戻し配管を備え、該濃縮水戻し配管に除濁フィルタが設けられていることを特徴とする逆浸透膜装置。
[2] [1]において、前記1段目のバンクの前段に第1の除濁フィルタが設けられており、前記濃縮水戻し配管は、該第1除濁フィルタと1段目のバンクとの間の給水配管に接続されていることを特徴とする逆浸透膜装置。
[3] [1]又は[2]において、各バンクの前段に除濁フィルタが設けられていることを特徴とする逆浸透膜装置。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、後段のバンクに、前段のバンクの濃縮水が給水として導入されることを特徴とする逆浸透膜装置。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、前記除濁フィルタが保安フィルタであることを特徴とする逆浸透膜装置。
[6] 逆浸透膜エレメントを収納した逆浸透膜ベッセルで構成されるバンクを複数段有する逆浸透膜装置の運転方法において、最後段のバンクの濃縮水を、除濁フィルタを介して1段目のバンクの前段へ戻すことを特徴とする逆浸透膜装置の運転方法。
[7] [6]において、前記1段目のバンクの前段に第1の除濁フィルタを設け、前記最後段のバンクの濃縮水を該第1の除濁フィルタと1段目のバンクとの間の給水配管に戻すことを特徴とする逆浸透膜装置の運転方法。
[8] [6]又は[7]において、各バンクの前段に除濁フィルタを設けることを特徴とする逆浸透膜装置の運転方法。
[9] [6]ないし[8]のいずれかにおいて、前段のバンクの濃縮水を後段のバンクの給水とすることを特徴とする逆浸透膜装置の運転方法。
[10] [6]ないし[9]のいずれかにおいて、前記除濁フィルタが保安フィルタであることを特徴とする逆浸透膜装置の運転方法。
本発明によれば、クリスマスツリー型多段RO装置において、最後段のバンクの濃縮水を除濁フィルタに通し、除濁フィルタで濃縮水内の濁質やスケールを除去した後、第1段目のバンクの給水として戻すことにより、濃縮水の循環処理で水回収率を更に高めた上で、給水の濁質、SS、スケール等を低減し、流路閉塞、フラックス低下、モジュール差圧上昇を低減すると共に、装置内の偏流を防止して、装置内膜面への負荷を均等化することで装置の安定運転、膜面積の有効利用を図ることができる。
本発明のRO装置の実施の形態の一例を示す系統図である。 本発明のRO装置の実施の形態の他の例を示す系統図である。 従来のクリスマスツリー型多段RO装置を示す系統図である。 実施例1,2及び比較例1の処理水量の経時変化を示すグラフである。 実施例1,2及び比較例1のモジュール差圧の経時変化を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明のRO装置およびその運転方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、除濁フィルタとして保安フィルタを設置した例を示す。
図1,2は本発明のRO装置の実施の形態を示す系統図である。
図1に示すRO装置は、3個のROベッセル1A,1B,1Cが並列配置されて前段の第1バンク(ベッセル群)1が構成され、2個のROベッセル2A,2Bが並列配置されて後段の第2バンク2が構成されている2段のクリスマスツリー型RO装置である。
各ROベッセル1A〜1C、2A,2Bには、各々、ROエレメントが内蔵されている。また、各バンク1,2には、給水配管11,14と、透過水配管12,15と、濃縮水配管13,16とが設けられており、給水配管11には保安フィルタ(第1の除濁フィルタ)3が設けられている。
なお、ROエレメントは、RO膜により被処理水を透過水と濃縮水とに分離するための最小ユニット(即ち、膜1本)を指し、このROエレメントの1本又は複数本(通常は1〜10本程度)を圧力容器(ベッセル)に収納したものがROベッセルである。
第1バンク1においては、給水配管11から分岐した給水分岐管11a,11b,11cが各ROベッセル1A,1B,1Cに接続され、被処理水が各ROベッセル1A〜1Cに並列的に供給される。また、各ベッセル1A〜1CでRO膜を透過した透過水は各々透過水分岐管12a,12b,12cから透過水配管12に集められ、後段の第2バンク2の透過水と共に透過水排出管17を経て系外へ排出される。他方、各ベッセル1A〜1Cの濃縮水は各々濃縮水分岐管13a,13b,13cから濃縮水配管13に集められ、次段の第2バンク2の給水として給水配管14及び給水分岐管14a,14bを経てROベッセル2A,2Bに並列的に供給される。
第2バンク2のROベッセル2A,2Bにおいても、RO膜を透過した透過水が各々透過水分岐管15a,15bから透過水配管15に集められ、透過水排出管17を経て、第1バンク1のROベッセル1A〜1Cからの透過水と共に系外へ排出される。一方、濃縮水は、各々濃縮水分岐管16a,16bから濃縮水配管16に集められ、一部は配管18より系外へ排出され、残部は濃縮水戻し配管19より第1バンク1への給水配管11の第1のフィルタ3の出口側に戻される。この濃縮水戻し配管19には濃縮水用保安フィルタ4が濃縮水用除濁フィルタとして設けられており、濃縮水は、濃縮水用保安フィルタ4で濁質、SSやスケール成分が除去された後、第1バンク1の給水側に戻される。
このように、最後段のバンクである第1バンクの濃縮水の一部、例えば20〜60%程度を第1段目の第1バンク1の給水側に戻すことで、水回収率を更に高めることができる。また、その際、濃縮水を濃縮水用保安フィルタ4に通した後給水することで、濃縮水中に濃縮された濁質、SS、スケール成分による流路閉塞や偏流、およびそれに起因するフラックスの低下、モジュール差圧の上昇等を防止して装置の安定運転、膜面積の有効利用を図ることが可能となる。
上記実施の形態では、除濁フィルタ、即ち、第1の除濁フィルタ、濃縮水用除濁フィルタとして保安フィルタを用いているが、これに限られず、精密濾過膜や限外濾過膜、各種濾過器などのいずれも用いることができる。除濁フィルタとして保安フィルタを用いる場合には、プリーツ、ワインド(デプス)、オートストレーナなど公知のものをいずれも用いることができる。除濁フィルタとして、精密濾過膜や限外濾過膜を用いる場合には、中空糸型、チューブラー型など公知のものをいずれも用いることができる。材質については、着圧に耐えうるものであればよく、特に制限はない。図2で用いる第2の除濁フィルタについても同様である。なお、逆浸透膜の上流側に前処理膜を設置する場合には、第1バンク前に設置する除濁フィルタとして保安フィルタを用いることが好ましい。
第1の除濁フィルタである第1の保安フィルタ3は、前段の処理での処理不良により流入してきた濁質を除去することを目的としている。そのため、第1の除濁フィルタとしては、孔径1〜50μm程度、特に5〜20μm程度の保安フィルタを用いることが好適である。また、濃縮水戻し配管19に設けた濃縮水用除濁フィルタである濃縮水用保安フィルタ4、及び図2に示す第2の除濁フィルタである保安フィルタ5は、濃縮により析出してきたスケールを除去することを目的としている。そのため、孔径1〜50μm程度、特に10〜50μm程度の保安フィルタを用いることが好適である。ただし、各箇所に設置するフィルタは同一のものを用いてもよい。除濁フィルタのいずれについても、逆洗機能を有してなくてもよいが、逆洗機能を有するものが好ましい。
図2に示すRO装置は、第2バンク2の給水配管14にも保安フィルタ(第2の除濁フィルタ)5を設けた点が図1に示すRO装置と異なり、その他は同様の構成とされ、同様にRO膜分離処理が行われる。図2において、図1に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
本発明のRO装置は、濃縮水戻し配管に除濁フィルタを設けたことを特徴とするが、図1に示すように、第1バンクの給水配管にも除濁フィルタ、即ち第1の除濁フィルタを設けることが、安定運転を継続する上で好ましく、特に、図2に示すように、各バンク毎の給水配管に除濁フィルタを設けることが好ましい。
なお、第1バンクの給水配管に第1の除濁フィルタを設けた場合、この第1の除濁フィルタの前段に最後段のバンクの濃縮水を戻すことで、濃縮水と被処理水との合流水を第1の除濁フィルタで濾過することができるため、濃縮水用除濁フィルタは不要となると考えられるが、この場合には、通常、凝集処理等で前処理され、比較的水質が良好なものとされた被処理水に対して、濁質やスケール成分が高度に濃縮された濃縮水が流入されることとなり、第1の除濁フィルタの負荷が大きくなる。このため、RO装置の運転を停止して第1の除濁フィルタの保守管理を頻繁に行う必要が生じ、RO装置全体の運転に影響を及ぼすこととなり、好ましくない。
これに対して、本発明のように、濃縮水用除濁フィルタを濃縮水戻し配管に設け、除濁フィルタを通した濃縮水を第1の除濁フィルタの下流側に戻すことにより、第1の除濁フィルタは、濃縮水の影響を受けず保守管理を頻繁に行う必要はなくなる。一方で、濃縮水戻し配管に設けた除濁フィルタは、高濃縮された濃縮水により汚染され易いが、濃縮水の返送のみを停止し、RO装置本体の運転は継続したまま濃縮水用除濁フィルタの保守管理を行えばよく、RO装置の運転自体に影響を及ぼすことはない。
本発明は、有機物質、濁質、イオン類などの無機物質を含有した排水を膜分離処理して水回収するRO装置に有効であり、特に濁質と無機物質が混在する高塩類濃度水を処理するRO装置として極めて好適である。例えば、本発明のRO装置で処理する被処理水としては、有機物質をTOCとして1mg/L以上例えば1〜100mg/L、濁質を濁度としては5NTU以上例えば10〜30NTU、電気伝導率100mS/m以上例えば300〜800mS/mのいずれか1以上の水質項目を満たす水を、単位膜面積(m)当り0.1〜10m程度の透水量で、かつ水回収率で50%以上例えば60〜75%で処理するRO装置として好適である。
図1,2においては、第1バンクに3個のROベッセルが並列配置され、第2バンクに2個のROベッセルが設けられたクリスマスツリー型RO装置を示したが、本発明が適用されるRO装置は何ら図1,2の構成のものに限定されない。バンク数やベッセル数には特に制限はないが、バンクの段数は通常2段又は3段である。ただし、4段以上の多段構成であっても良いことは言うまでもない。また、各段のバンクのROベッセル数は、処理水量とROベッセルの処理能力に応じて適宜設定されるが、一般的には上流側ほど多く、下流側ほど少なくなる。通常、2段の場合は第1バンクのベッセル数:第2バンクのベッセル数=2:1或いは3:2の割合でベッセル数が設定され、3段の場合は、第1バンクのベッセル数:第2バンクのベッセル数:第3バンクのベッセル数=4:2:1或いは6:4:1の割合でベッセル数が設定されることが多い。最後段のベッセル数は1個である場合もある。
いずれの場合も、前述の如く、各ROベッセルには、ROエレメントが内蔵されており、1ベッセルにROエレメントが1本又は複数本内蔵されている。
また、各バンク(ベッセル群)には、給水配管と、透過水配管と、濃縮水配管とが設けられている。そして、各バンクにおいて、給水配管から分岐した給水分岐管が各ROベッセルに接続され、被処理水が各ベッセルに並列的に供給される。また、各ベッセルで膜を透過した透過水は透過水配管に集められ、排出される。他方、各ベッセルの濃縮水は濃縮水配管に集められ、次段のバンクの給水として、次段の給水配管に送られる。次段においても同様に水が流れ、RO処理される。
なお、図示は省略するが、RO装置は、各ベッセルの逆洗排水を排出するための分岐配管を有することが好ましい。オリフィスの有無は問わない。
本発明のRO装置に設けられるRO膜としては、通常のRO膜、ルーズRO膜、NF膜等、脱塩可能な分離膜であれば良く、特に制限はない。
RO膜の形状としてはスパイラル型、中空糸型等各種のものが挙げられ、また、その材質としても特に制限はなく、ポリアミド、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
RO装置から系外へ排出される濃縮水は放流又は後段の排水処理装置に送給される。透過水は更に後段の処理装置に送給されるか、用水として再利用される。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
以下の実施例及び比較例において、RO膜としては、日東電工製RO膜ES−20−D8(新膜の純水透過流束は操作圧力0.75MPaで1.0m/day、モジュール差圧は1ベッセル6エレメント、濃縮水量3.6m/hで0.12MPa/ベッセル)を用いた。RO装置は、2バンク構成で、第1バンクは16ベッセル、第2バンクは9ベッセルとし、染色工場排水の生物処理水を原水として純水を製造する工程におけるRO装置として用い、給水圧:0.75MPa一定、第2バンクの濃縮水の50%を第1バンクの給水側に返送、の条件で実験を行った。原水の水質は表1に示す通りである。
また、除濁フィルタとしては、保安フィルタであるFILTRA FINE社製「PCB10−40P−8E」(孔径10μm)を用いた。
[実施例1]
図1に示す通り、第1バンク1への給水配管11と濃縮水戻し配管19にそれぞれ保安フィルタ3,4を設けて処理を行った。
戻し濃縮水合流後の第1バンクの給水の水質は表1に示す通りであった。
このときの処理水量(RO装置全体の透過水量)及びモジュール差圧(第1バンク給水と第1バンク濃縮水の差圧)の経時変化をそれぞれ図4,5に示す。
表1中、SDIはRO膜給水の清澄度を示す指標であり、細孔径0.45μm、直径47mmの精密濾過膜を用いて測定される数値である。
SDIは、210kPaの操作圧で、まず最初の500mLが透過する時間t(秒)を測定し、次に加圧を開始してから15分後よりさらに500mLが透過される時間t(秒)を測定し、次式で計算される値である。
SDI=[(1−t/t)×100]/15
SDIは、自動SDI測定装置(全自動フィルタ濾過時間測定器)を用いて測定した。
[実施例2]
図2に示す通り、第1バンク1への給水配管11および第2バンク2への給水配管14と濃縮水戻し配管19としてそれぞれ保安フィルタ3,4,5を設けて処理を行った。
戻し濃縮水合流後の第1バンクの給水の水質は表1に示す通りであった。
このときの処理水量及びモジュール差圧の経時変化をそれぞれ図4,5に示す。
[比較例1]
実施例1において、濃縮水戻し配管19に保安フィルタを設けなかったこと以外は同様にして処理を行った。
戻し濃縮水合流後の第1バンクの給水の水質は表1に示す通りであった。
このときの処理水量及びモジュール差圧の経時変化をそれぞれ図4,5に示す。
Figure 0006728857
実施例1,2および比較例1の結果から、濃縮水戻し配管に保安フィルタを設けることにより、処理水量の低下を防止すると共に、モジュール差圧の上昇を抑制して、高い水回収率で安定した処理を継続できることが分かる。
特に、実施例2のように各バンクの前段に保安フィルタを設けることにより、処理水量の低下、モジュール差圧の上昇はより効果的に防止される。
1 第1バンク(第1ROベッセル群)
2 第2バンク(第2ROベッセル群)
1A,1B,1C,2A,2B ROベッセル
3 第1の保安フィルタ
4 濃縮水用保安フィルタ
5 第2の保安フィルタ

Claims (4)

  1. 排水の生物処理水を膜分離処理する逆浸透膜装置であって、逆浸透膜エレメントを収納した逆浸透膜ベッセルで構成されるバンクを複数段有し、後段のバンクに、前段のバンクの濃縮水が給水として導入される逆浸透膜装置において、
    最後段のバンクの濃縮水を、1段目のバンクの前段へ戻す濃縮水戻し配管を備え、
    該濃縮水戻し配管に、精密濾過膜、限外濾過膜、濾過器又は保安フィルタである除濁フィルタが設けられており、
    各々のバンクの給水配管にそれぞれ、精密濾過膜、限外濾過膜、濾過器又は保安フィルタである除濁フィルタが設けられており、
    前記濃縮水戻し配管は、前記1段目のバンクの給水配管に設けられた第1の前記除濁フィルタと該1段目のバンクとの間の給水配管に接続されていることを特徴とする逆浸透膜装置。
  2. 請求項1において、前記除濁フィルタが保安フィルタであることを特徴とする逆浸透膜装置。
  3. 排水の生物処理水を膜分離処理する逆浸透膜装置であって、逆浸透膜エレメントを収納した逆浸透膜ベッセルで構成されるバンクを複数段有し、前段のバンクの濃縮水を後段のバンクの給水とする逆浸透膜装置の運転方法において、
    各々のバンクの給水配管にそれぞれ、精密濾過膜、限外濾過膜、濾過器又は保安フィルタである除濁フィルタを設け、
    最後段のバンクの濃縮水を、精密濾過膜、限外濾過膜、濾過器又は保安フィルタである除濁フィルタを介して、1段目のバンクの給水配管に設けた第1の前記除濁フィルタと、該1段目のバンクとの間の給水配管に戻すことを特徴とする逆浸透膜装置の運転方法。
  4. 請求項において、前記除濁フィルタが保安フィルタであることを特徴とする逆浸透膜装置の運転方法。
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