JP6728325B2 - 美容器 - Google Patents

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Description

この発明は、ハンドルに設けられたマッサージ用のボールにて、顔、腕等の肌をマッサージすることにより、血流を促したりして美しい肌を実現することができる美容器に関する。
従来、この種の美容器が種々提案されており、例えば特許文献1には美肌ローラが開示されている。すなわち、この美肌ローラは、柄と、該柄の一端に設けられた一対のローラとを備え、ローラの回転軸が柄の長軸方向の中心線とそれぞれ鋭角をなすように設定されている。さらに、一対のローラの回転軸のなす角度が鈍角をなすように設定されている。そして、この美肌ローラの柄を手で把持してローラを肌に対して一方向に押し付けると肌は引っ張られて毛穴が開き、押し付けたまま逆方向に引っ張ると肌はローラ間に挟み込まれて毛穴が収縮する。従って、この美肌ローラによれば、効率よく毛穴の汚れを除去することができるとしている。
特開2009−142509号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている従来構成の美肌ローラでは、柄の中心線と両ローラの回転軸が一平面上にあることから(特許文献1の図2参照)、美肌ローラの柄を手で把持して両ローラを肌に押し当てたとき、肘を上げ、手先が肌側に向くように手首を曲げて柄を肌に対して直立させなければならない。このため、美肌ローラの操作性が悪い上に、手首角度により肌へのローラの作用状態が大きく変化するという問題があった。
また、この美肌ローラの各ローラは楕円筒状に形成されていることから、ローラを一方向に押したとき、肌の広い部分が一様に押圧されることから、毛穴の開きが十分に得られない。さらに、ローラを逆方向に引いたときには、両ローラ間に位置する肌がローラの長さに相当する領域で引っ張られることから、両ローラによって強く挟み込まれ難い。その結果、毛穴の開きや収縮が十分に行われず、毛穴の汚れを綺麗に除去することができないという問題があった。加えて、ローラが楕円筒状に形成されているため、肌に線接触して肌に対する抵抗が大きく、動きがスムーズではなく、しかも移動方向が制限されやすい。従って、美肌ローラの操作性が悪いという問題があった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、肌に対して優れたマッサージ効果を奏することができるとともに、肌に対する押圧効果と摘み上げ効果とを顕著に連続して発揮することができ、かつ操作性が良好な美容器を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の美容器の発明は、ハンドルの先端部に一対のボールを、相互間隔をおいてそれぞれ支持軸の軸線を中心に回転可能に支持した美容器において、往復動作中にボールの軸線が肌面に対して一定角度を維持できるように、ボールの軸線をハンドルの中心線に対して前傾させて構成し、一対の支持軸の開き角度を40〜120度とし、前記ボールは基端側にのみ支持軸を挿入する穴を有し非貫通状態で、支持軸に軸受部材を介して支持されており、ボールの外周面を肌に押し当ててハンドルの先端から基端方向に移動させることにより肌が摘み上げられるようにしたことを特徴とする。
本発明の美容器によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に記載の美容器においては、ハンドルの先端部に一対のボールが相互間隔をおいてそれぞれ支持軸の軸線を中心に回転可能に支持され、往復動作中にボールの軸線が肌面に対して一定角度を維持できるように、ボールの軸線をハンドルの中心線に対して前傾させている。このため、ハンドルを把持して一対のボールを肌に当てるときに手首を曲げる必要がなく、手首を真直ぐにした状態で、美容器を往動させたときには肌を押圧することができるとともに、美容器を復動させたときには肌を摘み上げることができる。
また、肌に接触する部分が筒状のローラではなく、真円状のボールで構成されていることから、ボールが肌に対して局部接触する。従って、ボールは肌の局部に集中して押圧力や摘み上げ力を作用することができるとともに、肌に対するボールの動きをスムーズにでき、移動方向の自由度も高い。
よって、本発明の美容器によれば、肌に対して優れたマッサージ効果を奏することができるとともに、肌に対する押圧効果と摘み上げ効果とを顕著に連続して発揮することができ、かつ操作性が良好であるという効果を発揮することができる。
本発明の一実施形態における美容器を示す斜視図。 美容器を示す平面図。 美容器の使用状態を示す側面図。 美容器を示す正面図。 美容器の両ボールの軸線を含む面を水平にしたときの平面図。 美容器を示す縦断面図。 美容器のボールの回転機構を示す断面図。 美容器の別例を示す正面図。 別例の美容器におけるボールを示す正面図。
以下に、この発明を具体化した美容器の実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の美容器10を構成するハンドル11の先端には平面Y字型に延びる二股部11aが設けられている。図6に示すように、このハンドル11は、ABS樹脂等の合成樹脂により形成された電気絶縁性の基材12と、その基材12の外周に被覆された上側ハンドルカバー13a及び下側ハンドルカバー13bよりなるハンドルカバー13とにより構成されている。これらの上側ハンドルカバー13a及び下側ハンドルカバー13bはそれぞれ合成樹脂により形成され、その外表面に導電性のメッキが施されるとともに、両ハンドルカバー13は複数のねじ14により基材12と連結されている。
図7に示すように、前記ハンドル11の二股部11aにおいて基材12には一対の支持筒16が一体形成されており、この支持筒16には金属製のボール支持軸15が支持されている。ハンドル11の二股部11aの先端外周には、合成樹脂よりなる円筒状のキャップ18が嵌着されている。このキャップ18の嵌着により、二股部11aの先端がシールされるとともに、ボール支持軸15のがたつきが防止され、かつ二股部11aの外表面と、後述するボール17の外表面との導電部間の電気絶縁性が確保されている。
前記ボール支持軸15の突出端部には、合成樹脂よりなり、内外周に金属メッキを施した円筒状の軸受部材19が嵌合され、ストップリング25により抜け止め固定されている。この軸受部材19の外周には、一対の弾性変形可能な係止爪19aが突設されている。前記ボール支持軸15上の軸受部材19には、球状をなすボール17が回転可能に嵌挿支持されている。このボール17は、合成樹脂よりなる芯材26と、その芯材26の先端内周に嵌着された合成樹脂よりなるキャップ材27と、芯材26の外周に被覆成形された合成樹脂よりなる外皮材28とより構成されている。
前記外皮材28の外表面には、導電部としての導電金属メッキが施され、軸受部材19の金属メッキと電気接続されている。芯材26の内周には軸受部材19の係止爪19aに係合可能な段差部26aが形成されている。そして、ボール17が軸受部材19に嵌挿された状態で、係止爪19aが段差部26aに係合され、ボール17が軸受部材19に対して抜け止め保持されている。また、図3及び図4に示すように、各ボール17の外周面には、肌20の組織に刺激を与える多数の面17aが形成されている。
前記各ボール17の内部には、ボール17の回転に伴って発電を行うための永久磁石22が配置されている。この永久磁石22は磁石鋼により円筒状に形成され、ボール17と一体回転可能に構成されている。そして、ボール17の回転に伴い、永久磁石22がボール支持軸15に対してわずかな間隔を隔てて相対回転されることにより、ボール支持軸15表面の微細な凹凸や真円度のわずかな偏り等に起因して微小電力が発生し、その微小電力がボール17外周面の導電部に伝えられるようになっている。
図2及び図6に示すように、前記ハンドル11の先端側、つまり二股部11aの付け根側には透明板23が設けられ、その内側には太陽電池パネル24が設置され、この太陽電池パネル24の図示しない出力端子がハンドル11及びボール17の導電部に接続されている。このため、太陽電池パネル24で発電された電力がハンドル11及びボール17の導電部に供給されるようになっている。従って、美容器10の使用時にはハンドル11とボール17との間の太陽電池パネル24の電気が人体を通じて流れ、美容上の効果を得ることができる。
本実施形態の美容器10は、前述のように顔に適用できるほか、それ以外の首、腕、脚等の体(ボディ)にも適用することができる。
図3に示すように、美容器10の往復動作中にボール支持軸15の軸線が肌20面に対して一定角度を維持できるように、ボール支持軸15の軸線がハンドル11の中心線xに対して前傾するように構成されている。具体的には、前記ハンドル11の中心線(ハンドル11の最も厚い部分の外周接線zの間の角度を二分する線と平行な線)xに対するボール17の軸線yすなわちボール支持軸15の軸線yの側方投影角度αは、ボール17がハンドル11の中心線xに対し前傾して操作性を良好にするために、90〜110度であることが好ましい。この側方投影角度αは93〜100度であることがさらに好ましく、95〜99度であることが最も好ましい。この側方投影角度αが90度より小さい場合及び110度より大きい場合には、ボール支持軸15の前傾角度が過小又は過大になり、ボール17を肌20に当てる際に肘を立てたり、下げたり、或いは手首を大きく曲げたりする必要があって、美容器10の操作性が悪くなるとともに、肌20面に対するボール支持軸15の角度の調節が難しくなる。
図5に示すように、一対のボール17の開き角度すなわち一対のボール支持軸15の開き角度βは、ボール17の往復動作により肌20に対する押圧効果と摘み上げ効果を良好に発現させるために、好ましくは50〜110度、さらに好ましくは50〜90度、特に好ましくは65〜80度に設定される。この開き角度βが50度を下回る場合には、肌20に対する摘み上げ効果が強く作用し過ぎる傾向があって好ましくない。その一方、開き角度βが110度を上回る場合には、ボール17間に位置する肌20を摘み上げることが難しくなって好ましくない。
また、各ボール17の直径Lは、美容器10を主として顔や腕に適用するために、好ましくは15〜60mm、より好ましくは32〜55mm、特に好ましくは38〜45mmに設定される。ボール17の直径Lが15mmより小さい場合、押圧効果及び摘み上げ効果を発現できる肌20の範囲が狭くなり好ましくない。一方、ボール17の直径Lが60mmより大きい場合、顔や腕の大きさに対してボール17の大きさが相対的に大きいことから、狭い部分を押圧したり、摘み上げたりすることが難しく、使い勝手が悪くなる。
さらに、ボール17の外周面間の間隔Dは、特に肌20の摘み上げを適切に行うために、好ましくは8〜25mm、さらに好ましくは9〜15mm、特に好ましくは10〜13mmである。このボール17の外周面間の間隔Dが8mmに満たないときには、ボール17間に位置する肌20に対して摘み上げ効果が強く作用し過ぎて好ましくない。一方、ボール17の外周面間の間隔Dが25mmを超えるときには、ボール17間に位置する肌20を摘み上げることが難しくなって好ましくない。
次に、前記のように構成された実施形態の美容器10について作用を説明する。
さて、この美容器10の使用時には、図3に示すように、使用者がハンドル11を把持した状態で、ボール17の外周面を図3の二点鎖線に示す顔、腕等の肌20に押し当てて接触させながらハンドル11の基端から先端方向へ往動(図3の左方向)させると、ボール17がボール支持軸15を中心にして回転される。このとき、図3の二点鎖線に示すように、肌20にはボール17から押圧力が加えられる。ボール17を往動させた後、ボール17を元に戻すように復動させると、図4の二点鎖線に示すようにボール17間に位置する肌20がボール17の回転に伴って摘み上げられる。
すなわち、図5に示すように、両ボール17が矢印P1方向に往動される場合、各ボール17は矢印P2方向に回転される。このため、肌20が押し広げられるようにして押圧される。一方、両ボール17が矢印Q1方向に復動される場合、各ボール17は矢印Q2方向に回転される。このため、両ボール17間に位置する肌20が巻き上げられるようにして摘み上げられる。なお、往動時において両ボール17が肌20を押圧することにより、その押圧力の反作用として両ボール17間の肌20が摘み上げられる。
この場合、ボール支持軸15がハンドル11の中心線xに対して前傾しており、具体的にはハンドル11の中心線xに対するボール支持軸15の側方投影角度αが90〜110度に設定されていることから、肘を上げたり、手首をあまり曲げたりすることなく美容器10の往復動作を行うことができる。しかも、ボール支持軸15の軸線yを肌20面に対して直角に近くなるように維持しながら操作を継続することができる。そのため、肌20に対してボール17を有効に押圧してマッサージ作用を効率良く発現することができる。
また、肌20に接触する部分が従来の筒状のローラではなく、真円状のボール17で構成されていることから、ボール17が肌20に対してローラより狭い面積で接触する。そのため、ボール17は肌20の局部に集中して押圧力や摘み上げ力を作用させることができると同時に、肌20に対してボール17の動きがスムーズで、移動方向も簡単に変えることができる。
従って、このボール17の回転に伴う押圧力により、顔、腕等の肌20がマッサージされてその部分における血流が促されるとともに、リンパ液の循環が促される。また、一対のボール17の開き角度βが50〜110度に設定されるとともに、ボール17の外周面間の間隔Dが8〜25mmに設定されていることから、所望とする肌20部位に適切な押圧力を作用させることができると同時に、肌20の摘み上げを強過ぎず、弱過ぎることなく心地よく行うことができる。さらに、ボール17の直径Lが15〜60mmに設定されていることから、顔や腕に対して適切に対応することができ、美容器10の操作を速やかに進めることができる。このため、例えば肌20の弛んだ部分に対してリフトアップマッサージを思い通りに行うことができる。
加えて、ボール17の押圧力により肌20が引っ張られたときには毛穴が開き、肌20がボール17間に摘み上げられたときには毛穴が収縮し、毛穴内の汚れが取り除かれる。その上、使用者の肌20がボール17の外周面に接触しているとともに、使用者の手がハンドル11表面の導電部に接触していることから、太陽電池パネル24で発電された電力により、図3に示すようにボール17から肌20及び使用者の手を介して微弱電流が流れて肌20を刺激し、血流の促進やリンパ液の循環促進が図られる。よって、これらのマッサージ作用、押圧・摘み上げ作用、リフトアップ作用、毛穴の汚れ取り作用、電気刺激作用等の作用が肌20に対して相乗的、複合的に働き、望ましい美肌作用が発揮される。
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の美容器10では、一対のボール17が相互間隔をおいて各軸線yを中心に回転可能に支持され、ボール支持軸15がハンドル11の中心線xに対して前傾するように、ハンドル11の中心線xに対するボール17の軸線yの側方投影角度αが90〜110度に設定されている。すなわち、ボール17の軸線yはハンドル11の中心線xに対して前傾していることから、ハンドル11を把持して一対のボール17を肌20に当てるときに大きく肘を上げたり、手首を曲げたりする必要がない。このため、楽に美容器10を往復動させて肌20を押圧及び摘み上げることができる。
また、肌20に接触する部分が真円状のボール17で構成されていることから、肌20の所望箇所に押圧力や摘み上げ力を集中的に働かせることができるとともに、肌20に対するボール17の動きをスムーズにでき、かつ移動方向の自由度も高い。
よって、本実施形態の美容器10によれば、肌20に対して優れたマッサージ効果を奏することができるとともに、肌20に対する押圧効果と摘み上げ効果とを顕著に連続して発揮することができ、かつ操作性が良好であるという効果を発揮することができる。
(2)ボール17の軸線yの側方投影角度αが好ましくは93〜100度、さらに好ましくは95〜99度であることにより、美容器10の操作性及びマッサージ効果等の美容効果を一層向上させることができる。
(3)一対のボール17の開き角度βが好ましくは50〜110度、さらに好ましくは50〜90度、特に好ましくは65〜80度であることにより、美容器10の押圧効果と摘み上げ効果を格段に向上させることができる。
(4)ボール17の直径Lが好ましくは15〜60mm、さらに好ましくは32〜55mm、特に好ましくは38〜45mmであることにより、美容器10を顔や腕に対して好適に適用することができ、マッサージ効果や操作性を高めることができる。
(5)ボール17の外周面間の間隔Dを好ましくは8〜25mm、さらに好ましくは9〜15mm、特に好ましくは10〜13mmであることにより、所望の肌20部位に適切な押圧効果を得ることができると同時に、肌20の摘み上げを適度な強さで心地よく行うことができる。
(6)この美容器10においては、電源がハンドル11に設けられた太陽電池パネル24より構成されている。このため、乾電池等の電源を設ける必要がなく、太陽電池パネル24で発電された電力を利用して、ボール17から肌20に微弱電流を流すことができる。
(7)本実施形態の美容器10においては、ボール17の回転に伴って発電を行うための永久磁石22が配置されている。従って、ボール17の回転に基づいて微小電力を得ることができ、その微小電力によってボール17から肌20に微弱電流を与えることができる。
以下、実施例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜6、側方投影角度αの評価)
前記実施形態に示した顔と体の双方用に適する美容器10において、ボール17の開き角度βを70度、ボール17の直径Lを40mm及びボール17の外周面間の間隔Dを11mmに設定し、側方投影角度αを90〜110度まで変化させて側方投影角度αの評価を実施した。すなわち、美容器10を顔又は腕、首等の体に対して適用し、その使用感について官能評価を行った。
官能評価の方法は、美容器10を使用する評価者を10人とし、それらのうち8人以上が良いと感じた場合には◎、5〜7人が良いと感じた場合には○、3人又は4人が良いと感じた場合には△、2人以下が良いと感じた場合には×とすることにより行った。
それらの結果を表1に示した。
表1に示したように、側方投影角度αが97度の実施例3及び99度の実施例4の結果が最も良好であった。次いで、側方投影角度αが93度の実施例2及び100度の実施例5の結果が良好であった。さらに、側方投影角度αが90度の実施例1及び110度の実施例6の結果も可能と判断された。
従って、美容器10の側方投影角度αは90〜110度の範囲が好ましく、93〜100度の範囲がさらに好ましい範囲であると認められた。
(実施例7〜15、開き角度βの評価)
顔と体の双方用に適する美容器10について、開き角度βを評価した。すなわち、美容器10の側方投影角度αを97度、ボール17の直径Lを40mm及びボール17の外周面間の間隔Dを11mmとして、開き角度βを40〜120度まで変化させて開き角度βの評価を実施した。評価方法は前記実施例1と同様に行った。得られた結果を表2に示した。
表2に示したように、開き角度βが70度の実施例11の結果が最も良好であった。続いて、開き角度βが50〜60度の実施例8〜10及び90〜110度の実施例12〜14の結果が良好であった。さらに、開き角度βが40度の実施例7及び120度の実施例15の結果が可能と判断された。
従って、美容器10の開き角度βは50〜110度の範囲が好ましく、65〜80度の範囲が最も好ましいと認められた。
(実施例16〜23、ボール17の直径Lの評価)
顔と体の双方用に適する美容器10について、ボール17の直径Lを評価した。すなわち、美容器10の側方投影角度αを97度、ボール17の開き角度βを70度及びボール17の外周面間の間隔Dを11mmとして、ボール17の直径Lを20〜40mmまで変化させてボール17の直径Lの評価を実施した。評価方法は前記実施例1と同様に行った。得られた結果を表3に示した。
表3に示したように、ボール17の直径Lが38.3mmの実施例22及び40mm実施例23の結果が最も良好であった。次いで、ボール17の直径Lが35mmの実施例21の結果が良好であった。さらに、ボール17の直径Lが20〜31.5mmの実施例16〜20の結果も可能と判断された。
従って、美容器10のボール17の直径Lは20〜40mmの範囲が好ましく、35〜40mmの範囲がさらに好ましく、38.3〜40mmの範囲が最も好ましいと認められた。
(実施例24〜28、ボール17の外周面間の間隔Dの評価)
顔と体の双方用に適する美容器10について、ボール17の外周面間の間隔Dを評価した。すなわち、美容器10の側方投影角度αを97度、ボール17の開き角度βを70度及びボール17の直径Lを40mmとして、ボール17の外周面間の間隔Dを8〜15mmまで変化させてボール17の外周面間の間隔Dの評価を実施した。評価方法は前記実施例1と同様に行った。得られた結果を表4に示した。
表4に示したように、ボール17の外周面間の間隔Dが11mmの実施例26の結果が最も良好であった。次いで、ボール17の外周面間の間隔Dが10mmの実施例25及び12mmの実施例27の結果が良好であった。さらに、ボール17の外周面間の間隔Dが8mmの実施例24及び15mmの実施例28の結果も可能と判断された。
従って、美容器10のボール17の外周面間の間隔Dは8〜15mmの範囲が好ましく、10〜12mmの範囲がさらに好ましいと認められた。
(実施例29〜38、ボール17の直径Lの評価)
主として顔用に適する美容器10について、ボール17の直径Lを評価した。すなわち、美容器10の側方投影角度αを97度、ボール17の開き角度βを70度及びボール17の外周面間の間隔Dを11mmとして、ボール17の直径Lを15〜40mmまで変化させてボール17の直径Lの評価を実施した。評価方法は前記実施例1と同様に行った。得られた結果を表5に示した。
表5に示したように、美容器10が顔用のものである場合には、ボール17の直径Lが25mmの実施例32及び27.5mm実施例33の結果が最も良好であった。次いで、ボール17の直径Lが15〜20mmの実施例29〜31及びボール17の直径Lが30mmの実施例34の結果が良好であった。さらに、ボール17の直径Lが32.5〜40mmの実施例35〜38の結果も可能と判断された。
従って、美容器10が顔用に適する場合、ボール17の直径Lは15〜40mmの範囲が好ましく、15〜30mmの範囲がさらに好ましいと認められた。
(実施例39〜44、ボール17の外周面間の間隔Dの評価)
主として顔用に適する美容器10について、ボール17の外周面間の間隔Dを評価した。すなわち、美容器10の側方投影角度αを97度、ボール17の開き角度βを70度及びボール17の直径Lを40mmとして、ボール17の外周面間の間隔Dを6〜15mmまで変化させてボール17の外周面間の間隔Dの評価を実施した。評価方法は前記実施例1と同様に行った。得られた結果を表6に示した。
表6に示したように、美容器10が顔用の場合、ボール17の外周面間の間隔Dが11mmの実施例42の結果が最も良好であった。次いで、ボール17の外周面間の間隔Dが8mmの実施例40、10mmの実施例41及び12mmの実施例43の結果が良好であった。さらに、ボール17の外周面間の間隔Dが6mmの実施例39及び15mmの実施例44の結果も可能と判断された。
従って、美容器10が顔用である場合、ボール17の外周面間の間隔Dは6〜15mmの範囲が好ましく、8〜12mmの範囲がさらに好ましいと認められた。
(実施例45〜51、ボール17の直径Lの評価)
主として体用に適する美容器10について、ボール17の直径Lを評価した。すなわち、美容器10の側方投影角度αを97度、ボール17の開き角度βを70度及びボール17の外周面間の間隔Dを11mmとして、ボール17の直径Lを30〜60mmまで変化させてボール17の直径Lの評価を実施した。評価方法は前記実施例1と同様に行った。得られた結果を表7に示した。
表7に示したように、ボール17の直径Lが50mmの実施例50及び60mm実施例51の結果が最も良好であった。次いで、ボール17の直径Lが38.3mmの実施例48及びボール17の直径Lが40mmの実施例49の結果が良好であった。さらに、ボール17の直径Lが30〜35mmの実施例45〜47の結果も可能と判断された。
従って、美容器10が体用の場合、ボール17の直径Lは30〜60mmの範囲が好ましく、38.3〜60mmの範囲がさらに好ましいと認められた。
(実施例52〜58、ボール17の外周面間の間隔Dの評価)
主として体用に適する美容器10について、ボール17の外周面間の間隔Dを評価した。すなわち、美容器10の側方投影角度αを97度、ボール17の開き角度βを70度及びボール17の直径Lを40mmとして、ボール17の外周面間の間隔Dを8〜25mmまで変化させてボール17の外周面間の間隔Dの評価を実施した。評価方法は前記実施例1と同様に行った。得られた結果を表8に示した。
表8に示したように、ボール17の外周面間の間隔Dが12mmの実施例55及び15mmの実施例56の結果が最も良好であった。次いで、ボール17の外周面間の間隔Dが10〜11mmの実施例53、実施例54及び20〜25mmの実施例57及び実施例58の結果が良好であった。さらに、ボール17の外周面間の間隔Dが8mmの実施例52の結果も可能と判断された。
従って、美容器10が体用である場合、ボール17の外周面間の間隔Dは8〜25mmの範囲が好ましく、10〜25mmの範囲がさらに好ましいと認められた。
以上に示した実施例1〜58の結果を総合すると、美容器10の側方投影角度αは90〜110度であることが必要であり、93〜100度が好ましく、95〜99度が特に好ましいと判断された。ボール17の開き角度βは50〜110度が好ましく、50〜90度がさらに好ましく、65〜80度が特に好ましいと判断された。ボール17の直径Lは15〜60mmが好ましく、32〜55mmがさらに好ましく、38〜45mmが特に好ましいと判断された。ボール17の外周面間の間隔Dは8〜25mmが好ましく、9〜15mmがさらに好ましく、10〜13mmが特に好ましいと判断された。
なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図8及び図9に示すように、前記ボール17の形状を、ボール17の外周面のハンドル11側の曲率がボール支持軸15の先端側の曲率よりも小さくなるようにバルーン状に形成することもできる。このように構成した場合には、曲率の大きな部分で肌を摘み上げ、曲率の小さな部分で摘み上げ状態を保持できるため、ボール17を復動させたときの肌20の摘み上げ効果を向上させることができる。
・ 前記ハンドル11の中心線xに対するボール17の軸線yの側方投影角度αを可変にするために、ハンドル11とその二股部11aとの間を回動可能に構成することも可能である。この場合、肌20に対するボール17の軸線yの角度を容易に変更することができ、使い勝手を良くすることができる。
・ 前記ボール17の形状を、断面楕円形状、断面長円形状等に適宜変更することも可能である。
・ 前記ボール17の外周部に磁石を埋め込み、その磁力により肌20に対して血流を促すように構成することもできる。
・ 前記ボール17の外周部に酸化チタン等の光触媒を埋め込み、肌表面への汚れの付着を抑制したり、汚れを酸化したりするように構成することも可能である。
・ 前記ボール17に遠赤外線を発するアルミナ系やジルコニウム系のセラミックを含ませて、肌20に遠赤外線を当てるように構成することもできる。
・ 前記太陽電池パネル24に代えて乾電池を使用することも可能である。
・ 前記上側ハンドルカバー13a及び下側ハンドルカバー13bの導電性メッキを省略し、上側ハンドルカバー13a及び下側ハンドルカバー13b自体をカーボンブラック、金属等の導電性粉末が合成樹脂に分散された導電性樹脂で形成することができる。
・ 前記ハンドル11の基材12、ハンドルカバー13等を形成する電気絶縁材料としては、ナイロン樹脂、ABS樹脂のほか、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂を用いることも可能である。
・ 前記ボール17の面17aの形状を、三角形以外の多角形や円形に形成することもできる。また、この面17aを縦縞模様、横縞模様、旋回縞模様、梨地模様、模様無し等に形成することもできる。
・ 前記永久磁石22や太陽電池パネル24を省略することも可能である。
・ 前記ハンドル11の形状を変更することもできる。例えば、円筒状、円柱状、角柱状等に変更することができる。その場合には、側方投影角度αは、ハンドル11の軸線に対する角度となる。その他、凸凹状、ひょうたん状等に変更することも可能である。
・ 前記軸受部材19を導電性樹脂で形成することもできる。
10…美容器、11…ハンドル、17…ボール、20…肌、x…中心線、y…軸線、α…側方投影角度、β…ボールの開き角度、L…ボールの直径、D…ボールの外周面間の間隔。

Claims (5)

  1. ハンドルの先端部に一対のボールを、相互間隔をおいてそれぞれ支持軸の軸線を中心に回転可能に支持した美容器において、
    往復動作中にボールの軸線が肌面に対して一定角度を維持できるように、ボールの軸線をハンドルの中心線に対して前傾させて構成し、
    一対の支持軸の開き角度を65〜80度とし、
    前記ボールは基端側にのみ支持軸を挿入する穴を有し非貫通状態で、支持軸に軸受部材を介して支持されており、
    前記ボールの形状を、ボールの外周面のハンドル側の曲率が支持軸の先端側の曲率よりも小さくなるように形成し、
    ボールの外周面を肌に押し当ててハンドルの先端から基端方向に移動させることにより肌が摘み上げられるようにした
    ことを特徴とする美容器。
  2. 前記ボールは、前記支持軸に直交する面を基準として、面対称とはならないことを特徴とする請求項1に記載の美容器。
  3. 前記一対のボールの外周面間の間隔は、基端側が最も幅狭である請求項1又は2に記載の美容器。
  4. 一対のボールの外周面間の間隔を8〜25mmとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の美容器。
  5. 前記ボールの外周面には、多数の三角形、三角形以外の多角形、又は円形の面が形成されている請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の美容器。
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