JP6727835B2 - 制御装置、制御方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、制御装置及び制御方法に関する。
制御装置とは、制御対象の出力を適切な値に制御する装置である。制御対象には、この制御装置によって操作可能な操作パラメータと操作不可能な条件パラメータとを含む、複数のパラメータの値に応じて、出力値が変動するものがあり、制御装置からの入力により、適切な出力値が得られる。このような制御対象は、操作パラメータの入力に応じて一義的に出力値が決まるものではないため、これを制御するために、フィードフォワード制御やフィードバック制御などが用いられる。
フィードフォワード制御は、例えば条件パラメータの変化などの外乱の影響を受け難いが、出力値を目標に合わせるのが困難である場合がある。一方、フィードバック制御は、出力値の目標追従性は高いが、入力値の変化が出力値に影響を及ぼすまでの時間が長い場合など、適切な制御が困難となる場合がある。
従って、例えば特許文献1に示すように、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを組み合わせて制御を行う技術が用いられる場合がある。
特開平7−36506号公報
しかし、通常、フィードフォワード制御とフィードバック制御とは別々のモデルで構築されており、両者を上手く組み合わせて、制御精度を向上させるためには改良の余地がある。また、フィードフォワード制御とフィードバック制御とが別々のモデルで構築されている場合、2つのモデルを構築する必要が生じ、モデル構築のための負荷が高くなる。また、2つの異なるモデルを共存させて制御を行うため、ハンチングなどの制御発散のリスクが高くなる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、フィードフォワード制御とフィードバック制御とに同一のモデルを用いることで、制御精度を向上させる制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。また、本発明は、フィードフォワード制御とフィードバック制御とに同一のモデルを用いることで、モデル構築の負荷を抑制し、かつ制御発散のリスクを抑制することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の制御装置は、操作可能な操作パラメータ値と操作不可能な条件パラメータ値とを含む複数のパラメータの値に応じて出力値が変動する制御対象に対して、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせで前記操作パラメータ値を操作する制御装置であって、前記操作パラメータ値と前記条件パラメータ値との入力に応じて、前記出力値の予測値である予測出力値を算出する前記フィードフォワード制御用の予測モデルを記憶する予測モデル記憶部と、前記制御対象の現在の出力値である現在出力値を取得する現在出力値取得部と、前記制御対象の現在の条件パラメータ値を取得する現在条件パラメータ値取得部と、前記出力値の目標値である目標出力値を記憶する目標出力値記憶部と、前記予測モデルと前記現在の条件パラメータ値とに基づき予測出力値を取得する予測出力値取得部と、前記予測モデルと前記条件パラメータ値とに基づき、前記予測出力値が前記目標出力値に対応する値となる場合の操作パラメータ値である、前記フィードフォワード制御用のフィードフォワード目標操作パラメータ値を取得するフィードフォワード目標操作パラメータ値取得部と、前記現在出力値と前記目標出力値とに基づき、又は、前記現在出力値と前記予測出力値取得部が取得した予測出力値とに基づき、フィードバック制御により、前記現在出力値の前記目標出力値に対する偏差を算出する偏差算出部と、前記予測出力値に基づき、前記予測出力値を単位量変化させるために必要な前記操作パラメータ値を示す感度を算出する感度算出部と、前記偏差と前記感度とに基づき、前記フィードフォワード目標操作パラメータ値のフィードバック補正値を算出するフィードバック補正値算出部と、前記フィードフォワード目標操作パラメータ値と前記フィードバック補正値とに基づき、補正操作パラメータ値を算出する補正操作パラメータ値算出部と、前記補正操作パラメータ値を用いて前記制御対象を制御する制御対象制御部と、を有する。
前記制御装置において、前記制御対象は、複数の操作パラメータを有しており、前記補正操作パラメータ値は、前記複数の操作パラメータのうち、出力値に対する影響が最も大きいものとして予め選定された操作パラメータに対する入力値であることが好ましい。
前記制御装置において、前記偏差算出部及び前記感度算出部は、前記偏差及び前記感度を、所定の時間毎に更新して算出することが好ましい。
前記制御装置は、前記フィードフォワード目標操作パラメータ値から所定の変位量の値を変化させた目標操作パラメータ変位値と、前記予測出力値の算出に用いた前記条件パラメータ値とを前記予測モデルに入力して、予測出力変位値を取得する予測出力変位値取得部を更に有し、前記感度算出部は、前記予測出力値と前記予測出力変位値とに基づき、前記感度を算出することが好ましい。
前記制御装置において、前記偏差算出部は、前記現在出力値と前記予測出力値との差分、又は前記現在出力値と前記目標出力値との差分を、前記偏差とし、前記感度算出部は、前記予測出力値と前記予測出力変位値との差分に対する、前記変位量の割合を前記感度とし、前記フィードバック補正値算出部は、前記偏差と前記感度とを乗じて前記フィードバック補正値を算出することが好ましい。
前記制御装置において、前記感度算出部は、前記予測出力値を前記フィードフォワード目標操作パラメータ値で微分して、前記感度を算出することが好ましい。
前記制御装置において、前記偏差算出部は、前記偏差と過去に算出した前記偏差である過去偏差との積算値である補正偏差を算出し、前記フィードバック補正値算出部は、前記補正偏差と前記感度とに基づき、前記フィードバック補正値を算出することが好ましい。
前記制御装置において、前記偏差算出部は、前記過去偏差の値を、実際に算出した際の値よりも所定の割合だけ小さくし、前記割合を、算出された時刻が古いものほど大きくすることが好ましい。
前記制御装置において、前記偏差算出部は、直前のタイミングで算出した前記補正偏差に対し重み係数を乗じ、それに対して前記偏差を加えることで、前記補正偏差を算出し、前記重み係数は、0より大きく1より小さいことが好ましい。
前記制御装置において、前記制御対象は、前記操作パラメータ値の変化のタイミングに対して、出力値の変化が収束するタイミングが遅れることが好ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の制御方法は、操作可能な操作パラメータ値と操作不可能な条件パラメータ値とを含む複数のパラメータの値に応じて出力値が変動する制御対象に対して、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせで前記操作パラメータ値を操作する制御方法であって、前記制御対象の現在の条件パラメータ値を取得する現在条件パラメータ値取得ステップと、前記出力値の目標値である目標出力値を取得する目標出力値取得ステップと、前記操作パラメータ値と前記条件パラメータ値との入力に応じて、前記出力値の予測値である予測出力値を算出する前記フィードフォワード制御用の予測モデルと前記現在の条件パラメータ値とに基づき予測出力値を取得する予測出力値取得ステップと、前記予測モデルと前記条件パラメータ値とに基づき、前記予測出力値が前記目標出力値に対応する値となる場合の操作パラメータ値である、前記フィードフォワード制御用のフィードフォワード目標操作パラメータ値を取得するフィードフォワード目標操作パラメータ値取得ステップと、前記制御対象の現在の出力値である現在出力値を取得する現在出力値取得ステップと、前記現在出力値と前記目標出力値とに基づき、又は、前記現在出力値と前記予測出力値取得ステップで取得した予測出力値とに基づき、フィードバック制御により、前記現在出力値の前記目標出力値に対する偏差を算出する偏差算出ステップと、前記予測出力値に基づき、前記予測出力値を単位量変化させるために必要な前記操作パラメータ値を示す感度を算出する感度算出ステップと、前記偏差と前記感度とに基づき、前記フィードフォワード目標操作パラメータ値のフィードバック補正値を算出するフィードバック補正値算出ステップと、前記フィードフォワード目標操作パラメータ値と前記フィードバック補正値とに基づき、補正操作パラメータ値を算出する補正操作パラメータ値算出ステップと、前記補正操作パラメータ値を用いて前記制御対象を制御する制御対象制御ステップと、を有する。
本発明によれば、フィードフォワード制御とフィードバック制御とに同一のモデルを用いることで、制御精度を向上させることができる。また、本発明によれば、フィードフォワード制御とフィードバック制御とに同一のモデルを用いることで、モデルの構築負荷を抑制し、制御発散のリスクを抑制することができる。また、本発明によれば、フィードバック制御にフィードフォワード制御のモデルを用いることで、フィードフォワード制御の予測誤差に対してのみフィードバック制御を行うことができ、フィードフォワード制御及びフィードバック制御を同時に行うことが可能となる。その結果、フィードフォワード制御、フィードバック制御のいずれかのモデルで制御する為に、モデルを選択して切り替える必要が無い。
図1は、第1実施形態に係る制御システムの構成を模式的に示すブロック図である。 図2Aは、制御対象が実行する処理の一例を説明するグラフである。 図2Bは、予測モデルを説明するための説明図である。 図2Cは、予測モデルを説明するための説明図である。 図3は、第1実施形態における制御対象の制御フローを説明するフローチャートである。 図4は、重み項を示すグラフである。 図5は、第3実施形態に係る制御システムの構成を模式的に示すブロック図である。 図6は、第4実施形態に係る制御システムの構成を模式的に示すブロック図である。 図7は、第5実施形態に係る制御システムの構成を模式的に示すブロック図である。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る制御システムの構成を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、第1実施形態に係る制御システム1は、制御対象100を制御するシステムである。制御対象100は、操作パラメータと条件パラメータとを含む複数のパラメータに対する値が入力されると、所定の処理を実行する。その結果、制御対象100は、操作パラメータと条件パラメータとの値に応じて出力値が変化する。操作パラメータは、制御対象100が実行する処理に対するパラメータ(変数)であり、制御システム1によって操作可能なパラメータである。条件パラメータとは、制御対象100が実行する処理に対するパラメータであり、制御システム1によって操作不可能なパラメータである。すなわち、条件パラメータとは、制御システム1の制御に関わらず決定してしまうものである。ただし、条件パラメータは、操作パラメータの値に応じて変化する場合もある。制御対象100は、この操作パラメータの入力値である操作パラメータ値Aと、条件パラメータの入力値である条件パラメータ値Bとが入力され、それらの値に応じて出力値Cを出力するものである。なお、操作パラメータは、単数であっても複数種類であってもよく、条件パラメータも、単数であっても複数種類であってもよい。また、出力値のパラメータも、複数種類であってもよい。
図2Aは、制御対象が実行する処理の一例を説明するグラフである。図2Aは、操作パラメータ値Aをステップ的に変化させた場合の出力値Cの時間的な変化の一例を示している。図2Aの線分L1は、操作パラメータ値Aの時間毎の変化を示している。線分L2は、出力値Cの時間毎の変化を表している。線分L1に示すように、時刻tにおいて、一つの操作パラメータに対する操作パラメータ値AをAからAに変化させた場合を説明する。ここでは、この変化させた操作パラメータ以外の操作パラメータ及び条件パラメータについては、一定であるものとする。この場合、線分L2に示すように、出力値Cは、時刻tより遅れた時刻tにおいて、値がCから変化をはじめ、時刻tから遅れた時刻tにおいて、値をCに収束させ、変化を終了する。すなわち、図2Aの例では、制御対象100は、出力値Cが、操作パラメータ値Aの変化に対して遅れて反応する。
制御対象100は、操作パラメータ値Aを変化させたタイミング(図2Aでは時刻t)から、その操作パラメータ値Aの変化に対応した出力値Cの変化が収束したタイミング(図2Aでは時刻t3)までの時間は、0.1秒以上24時間以下であり、例えば10分以上6時間以下であることが好ましい。また、すなわち、制御対象100は、操作パラメータ値Aの変化に対し即座に出力値Cの変化が完了するコンピュータなどの電気的な処理を行うものではなく、出力値Cの変化の収束が遅れる、自然現象に基づいた処理を行うものである。なお、図2Aは、一次遅れモデルを例に挙げたが、制御対象100は、出力値Cが操作パラメータ値Aの変化に対して遅れて反応するものであれば、一次遅れモデルでなくてもよい。
次に、制御システム1について詳細に説明する。図1に示すように、制御システム1は、検出部10と、操作部12と、制御装置としての制御部20とを有する。検出部10は、例えばセンサなどであり、制御対象100に与えられた操作パラメータ値A及び条件パラメータ値Bと、制御対象100の出力値Cとを取得する。操作部12は、制御部20の制御により、制御対象100の操作パラメータを操作する。すなわち、操作部12は、制御部20の指令により、操作パラメータ値Aを変化させる。
制御部20は、フィードフォワード(FF)制御用の予測モデルと、制御対象100の現在の出力値とを用いて、フィードフォワード制御とフィードバック(FB)制御との組み合わせで、操作パラメータ値Aを決定する。図1に示すように、制御部20は、目標出力値記憶部21と、予測モデル記憶部22と、現在条件パラメータ値取得部23と、現在出力値取得部24と、FF制御部26と、FB制御部27と、補正操作パラメータ値算出部28と、制御対象制御部29とを有する。
予測モデル記憶部22は、制御対象100の予測モデルを記憶する。予測モデルは、操作パラメータ値Aと条件パラメータ値Bとの入力に応じて、制御対象100の出力値Cの予測値である予測出力値Dを出力する計算モデルである。予測モデルは、制御対象100を実際に制御した場合の制御結果などに基づき予め構築されたものであるため、フィードフォワード制御のために構築されたモデルということができる。また、予測モデルは、後述するように、フィードバック制御にも用いられる。予測モデル記憶部22は、その予め構築された予測モデルを記憶している。
図2B及び図2Cは、予測モデルを説明するための説明図である。図2Bは、線分L3に示すように、操作パラメータ値Aの変化に応じた予測出力値Dの変化を示すグラフである。図2Bにおける予測出力値Dは、操作パラメータ値Aの変化に対応した出力値の変化が収束した最終的な値である。線分L3に示すように、予測モデルにおける予測出力値Dは、操作パラメータ値Aの変化に応じて変化する。ただし、線分L3は、一例である。
以下の説明において、出力値C及び予測出力値Dは、操作パラメータ値Aの変化に対応した出力値の変化が収束した最終的な値のことを指す。
予測モデルは、図2Cに示すように、ニューラルネットワークモデルである。図2Cに示すように、予測モデルは、3個のニューロンXa、Xb、Xcを有する入力層、3個のニューロンYa、Yb、Ycを有する中間層、及び1個のニューロンZを有する出力層からなる階層構造になっており、ニューラルネットワークの学習アルゴリズムとして誤差逆伝播法を採用している。図2Cの例では、操作パラメータ値Aa、Ab及び条件パラメータ値Baが、入力データとしてそれぞれニューロンXa、Xb、Xcに投入される。図2Cの例では、ニューロンZからの出力値が、出力データとしての予測出力値Dに対応する。ただし、図2Cの記載は一例であり、ニューロンの数はこれに限定されるわけではない。また、予測モデルは、ニューラルネットワークモデルに限られず任意の計算モデルであってよく、例えば重回帰式などで構築されたモデルであってもよい。
図1に示す目標出力値記憶部21は、目標出力値を記憶する。目標出力値は、制御対象100が処理を行った結果である出力値Cを、どの値にしたいかという判断に基づき、例えば操作者などにより予め定められた値である。
図1に示す現在条件パラメータ値取得部23は、検出部10から、制御対象100の現在の条件パラメータ値Bを取得する。図1に示す現在出力値取得部24は、検出部10から、現在出力値を取得する。現在出力値とは、制御対象100の現在の出力値Cであり、検出部10が検出したデータである。
図1に示すFF制御部26は、予測モデルを用いてフィードフォワード制御を行う。より詳しくは、FF制御部26は、予測モデル記憶部22から予測モデルを読み出し、フィードフォワード目標操作パラメータ値A0(以下、FF目標操作パラメータ値A0)を取得する。FF目標操作パラメータ値A0とは、予測出力値Dを目標出力対応値とした場合の、操作パラメータ値Aである。目標出力対応値とは、出力値Cの目標値である目標出力値に対応する値である。
具体的には、図1に示すように、FF制御部26は、予測計算部32とFF目標操作パラメータ値取得部34とを有する。予測計算部32は、予測モデル記憶部22から予測モデルを読み出し、条件を変えて複数回計算を実行する。より詳しくは、予測計算部32は、現在条件パラメータ値取得部23から、現在の操作パラメータ値Aと、現在の条件パラメータ値Bとを取得して、それらを入力データとして予測モデルに入力する。そして、予測計算部32は、操作パラメータ値Aの値を変更しながら、予測モデルに複数回計算を実行させ、計算毎の予測出力値Dを算出する。すなわち、予測計算部32は、操作パラメータ値Aごとに予測出力値Dを算出する。
FF目標操作パラメータ値取得部34は、予測計算部32の計算結果に基づき、FF目標操作パラメータ値A0を取得(選択)する。具体的には、FF目標操作パラメータ値取得部34は、予測計算部32が算出した予測出力値Dが、目標出力対応値となる場合の操作パラメータ値Aを、FF目標操作パラメータ値A0として取得する。FF目標操作パラメータ値取得部34は、予測計算部32の計算毎の予測出力値D中で、目標出力値記憶部21が記憶する目標出力値に最も近い予測出力値Dを目標出力対応値として、その場合の操作パラメータ値Aを、FF目標操作パラメータ値A0として取得する。FF目標操作パラメータ値取得部34は、例えば、FF制御部26の図示しない記憶部に予め記憶した評価関数等の算出式に基づき、出力値Cや操作パラメータ値Aに重みを付けて評価するなどして、目標出力値に対応した操作パラメータ値Aを抽出して、予測計算部32によって算出された予測出力値Dと出力補助パラメータとが、最適な組み合わせとなる場合における予測出力値Dを、目標出力対応値としてもよい。
図1に示すFB制御部27は、現在出力値と予測モデルとを用いてフィードバック制御を行う。FB制御部27は、操作パラメータが複数種類ある場合、すなわち、複数のパラメータが操作パラメータ値Aとして操作可能である場合、複数種類の操作パラメータのうち、操作パラメータ値Aの変化によって予測出力値Dが最も大きく変化するものである対象操作パラメータを選択する。この場合、FB制御部27は、FF目標操作パラメータ値A0(組み合わせ値)における、選択した対象操作パラメータのFF目標操作パラメータ値A0を取得する。なお、どれが対象操作パラメータであるかは、制御部20によって予め算出されている。対象操作パラメータは、言い換えれば、操作パラメータのうちで、制御部20が制御する対象となる操作パラメータである。FB制御部27は、予測出力値取得部36と、予測出力変位値取得部38と、偏差算出部40と、感度算出部42と、FB補正値算出部44とを有する。
図1に示す予測出力値取得部36は、予測出力値D0(目標予測出力値)を取得する。予測出力値取得部36は、予測モデルと現在の条件パラメータ値Bとに基づき、予測出力値D0(目標予測出力値)を取得する。例えば、予測出力値取得部36は、FF目標操作パラメータ値取得部34からFF目標操作パラメータ値A0を取得し、現在条件パラメータ値取得部23から現在の条件パラメータ値Bを取得して、これらを予測モデルに入力して、予測出力値D0を取得する。このように、予測出力値取得部36は、FF目標操作パラメータ値A0を予測モデルに入力して、予測出力値D0を算出してもよい。ただし、予測出力値取得部36は、再度予測モデルで計算を行うことなく、FF目標操作パラメータ値取得部34が選択した目標出力対応値である場合の予測出力値Dを、予測出力値D0として取得してもよい。
図1に示す予測出力変位値取得部38は、目標操作パラメータ変位値A1と条件パラメータ値Bとを予測モデルに入力して、予測出力変位値D1を取得する。予測出力変位値取得部38は、入力する条件パラメータ値として、予測出力値取得部36が用いた条件パラメータ値Bを用いる。予測出力変位値取得部38は、操作パラメータに対する入力値を、目標操作パラメータ変位値A1にする。操作パラメータが複数ある場合、対象操作パラメータに対する入力値を、目標操作パラメータ変位値A1にする。目標操作パラメータ変位値A1は、FF目標操作パラメータ値A0から所定の変位量を変化させたものである。変位量は、任意の値である。ただし、変位量は、予測モデルに基づき予め定められた値であり、その変位量だけ操作パラメータ値を変化させた場合に、明確に予測出力値Dの差が生じる量であることが好ましい。
具体的には、予測出力変位値取得部38は、目標操作パラメータ変位値A1と、予測出力値取得部36が使用した条件パラメータ値Bを入力データとして予測モデルに入力し、予測出力変位値D1を取得する。操作パラメータが複数の場合、予測出力変位値取得部38は、対象操作パラメータの目標操作パラメータ変位値A1、及び対象操作パラメータ以外の操作パラメータの目標操作パラメータ値と、予測出力値取得部36が使用した条件パラメータ値Bを入力データとして予測モデルに入力し、予測出力変位値D1を取得する。
図1に示す偏差算出部40は、現在出力値及び予測出力値D0に基づき、現在出力値の目標出力値に対する偏差を算出する。予測出力値D0は、目標出力値に対応する値であり、予測モデルを用いて算出された値である。従って、偏差算出部40は、現在出力値及び予測出力値D0に基づき、現在出力値の目標出力値に対する偏差を算出することができる。具体的には、現在出力値をC0とし、偏差をΔCとすると、偏差算出部40は、次の式(1)を用いて偏差ΔCを算出する。
ΔC=D0−C0 ・・・(1)
式(1)に示すように、偏差算出部40は、現在出力値C0と予測出力値D0との差分を、偏差ΔCとする。
なお、現在出力値C0は、現時点における出力値である。一方、予測出力値Dは、操作パラメータ値Aの変化に対して、収束が遅れるものである。従って、予測出力値D0は、予測モデル上で、現時点よりモデル上での仮想時間が遅れたいわば未来の予測値であるということができる。言い換えれば、予測出力値D0は、予測モデル上において、FF目標操作パラメータ値A0を入力してから所定の時間が経過して値が収束した後の出力値の予測結果である。制御対象100は、操作パラメータ値Aの変化に対して出力値Cの収束が遅れるものであるため、このように偏差ΔCの算出で、現在の現在出力値C0と、収束後の予測出力値D0を用いることで、適切に制御を行うことができる。
また、偏差算出部40は、予測出力値D0の代わりに、目標出力値を用いて、偏差ΔCを算出してもよい。すなわち、偏差算出部40は、現在出力値C0と目標出力値との差分を、偏差ΔCとしてもよい。この場合の偏差ΔCも、現在出力値の目標出力値に対する偏差ということができる。
偏差ΔCは、現在出力値C0に基づき、目標出力値にするためにどれだけ出力値を変化させることが必要であるかを示す値であるということができる。このように、偏差ΔCは、現在出力値C0を用いたものであるため、偏差ΔCを用いた制御は、フィードバック制御を用いたものである。
図1に示す感度算出部42は、予測出力値D0と予測出力変位値D1とに基づき、感度を算出する。感度は、予測モデル上での予測出力値Dを単位量変化させるために必要な、操作パラメータの変化量を示す値である。感度をPとし、目標操作パラメータ値A0と目標操作パラメータ変位値A1の差分である変位量をQとしたとき、感度算出部42は、次の式(2)を用いて感度Pを算出する。
P=Q/(D0−D1) ・・・(2)
式(2)に示すように、感度算出部42は、予測出力値D0と予測出力変位値D1との差分に対する、変位量Qの割合を、感度Pとする。
ただし、感度算出部42は、予測出力値D0に基づき、予測モデル上での予測出力値Dを単位量変化させるために必要な操作パラメータの変化量、すなわち感度Pを算出するものであれば、予測出力値D0と予測出力変位値D1とに基づき感度Pを算出しなくてもよい。例えば、感度Pは、単位量における変化値を表すものなので、感度算出部42は、予測モデルを微分して、感度Pを算出してもよい。例えば、感度算出部42は、FF目標操作パラメータ値A0が入力されて予測出力値D0が出力された予測モデルについて、予測出力値D0をFF目標操作パラメータ値A0(操作パラメータが複数の場合、対象操作パラメータ)で微分して、感度Pを算出してもよい。また、感度算出部42は、予測計算部32の複数の算出結果に基づき、操作パラメータ(操作パラメータが複数の場合、対象操作パラメータ)の変化量と予測出力値Dの変化量との関係を算出し、その算出結果に基づき、感度Pを算出してもよい。なお、感度算出部42は、FF目標操作パラメータ値A0に近い値における感度Pを算出することが好ましい。
図1に示すFB補正値算出部44(フィードバック補正値算出部)は、偏差ΔCと感度Pとに基づき、操作パラメータ値Aのフィードバック補正値(FF補正値)を算出する。FB補正値をRとしたとき、FB補正値算出部44は、次の式(3)を用いてFB補正値Rを算出する。
R=r・ΔC・P ・・・(3)
ここで、rは、予め定められた所定の係数である。式(3)に示すように、FB補正値算出部44は、偏差ΔCと感度Pとを乗じて、FB補正値Rを算出する。なお、FB補正値算出部44は、FB補正値Rの算出に当たり、必ずしも係数rを乗じなくてもよい。
ここで、偏差ΔCは、現在出力値の目標出力値に対する偏差である。そして、感度Pは、予測出力値Dを単位量変化させるために必要な操作パラメータの値である。すなわち、FB補正値算出部44は、どれだけ出力値を変化させることが必要であるかを示す偏差ΔCに対し、単位量の出力値を変化させる場合に必要な操作パラメータ値の変化量である感度Pを乗じて、FB補正値Rを算出している。このように算出されるFB補正値Rは、現在出力値を目標出力値に補正するために必要な操作パラメータ値の変化量であるということができる。
図1に示す補正操作パラメータ値算出部28は、FF目標操作パラメータ値A0とFB補正値Rとに基づき、補正操作パラメータ値を算出する。操作パラメータが複数の場合、補正操作パラメータ値は、複数の操作パラメータのうち、対象操作パラメータに対する入力値である。FF目標操作パラメータ値は、予測モデルに基づいた、予測出力値Dを目標出力対応値とするための値であり、フィードフォワード制御に基づいて算出された入力値であるということができる。一方、FB補正値Rは、検出した現在出力値に基づき、現在出力値を目標出力値に補正するよう算出された値である。さらに言えば、感度Pがフィードフォワード制御用の予測モデルに基づいた値であるため、FB補正値Rは、当該フィードフォワード制御用の予測モデルを用いてフィードバック制御を行った場合の補正値であるということができる。このように、補正操作パラメータ値算出部28は、フィードフォワード制御用の予測モデルを用いたフィードフォワード制御によって算出されたFF目標操作パラメータ値と、当該フィードフォワード制御用の予測モデルを用いたフィードバック制御によって算出されたFB補正値Rとに基づき、補正操作パラメータ値を算出する。
具体的には、補正操作パラメータ値をAとしたとき、補正操作パラメータ値算出部28は、次の式(4)に示すように、FF目標操作パラメータ値A0にフィードバック補正値Rを加えて、補正操作パラメータ値Aを算出する。
=A0+R ・・・(4)
図1に示す制御対象制御部29は、補正操作パラメータ値算出部28が算出した補正操作パラメータ値Aの値を用いて、制御対象を制御する。具体的には、制御対象制御部29は、補正操作パラメータ値Aの値を操作部12に出力して、操作部12に対し、操作パラメータ値を、補正操作パラメータ値Aとするよう指令を出す。操作部12は、この指令に従い、操作パラメータの入力値を、補正操作パラメータ値Aとする。操作パラメータを複数有する場合、制御対象制御部29は、補正操作パラメータ値算出部28が算出した対象操作パラメータ補正操作パラメータ値A、及びFB補正を行われなかった、対象操作パラメータ以外の操作パラメータの目標操作パラメータ値を用いて、制御対象を制御する。制御部20は、以上説明した補正操作パラメータ値Aの算出を、所定の時間毎に繰り返し、操作部12は、その算出結果に応じて、操作パラメータの入力値を変化させる。
次に、制御部20による制御対象100の制御フローを、フローチャートを用いて説明する。図3は、第1実施形態における制御対象の制御フローを説明するフローチャートである。図3に示すように、制御部20は、最初に、現在条件パラメータ値取得部23により現在の条件パラメータ値Bを取得し(ステップS10)、目標出力値を取得する(ステップS11)。そして、制御部20は、FF目標操作パラメータ値取得部34により、FF目標操作パラメータ値A0を取得する(ステップS12)。FF目標操作パラメータ値取得部34は、予測計算部32による予測モデルを用いた計算結果に基づき、予測出力値Dが目標出力対応値となる場合における、操作パラメータの入力値を、FF目標操作パラメータ値A0として取得する。
FF目標操作パラメータ値A0を取得した後、制御部20は、予測出力値取得部36により予測出力値D0を取得し、予測出力変位値取得部38により予測出力変位値D1を取得する(ステップS14)。予測出力値D0は、FF目標操作パラメータ値A0を入力データとして、予測モデルによって算出された予測出力値Dである。予測出力変位値D1は、目標操作パラメータ変位値A1を入力データとして、予測モデルによって算出された予測出力値Dである。目標操作パラメータ変位値A1は、FF目標操作パラメータ値A0から所定の変位量の値を変化させたものである。
予測出力値D0を取得した後、制御部20は、現在出力値取得部24により、検出部10から現在出力値C0を取得し(ステップS15)、偏差算出部40により、現在出力値C0及び予測出力値D0に基づき、偏差ΔCを算出する(ステップS16)。偏差算出部40は、上述の式(1)により、現在出力値の目標出力値に対する偏差である偏差ΔCを算出する。
予測出力変位値D1を算出した後、制御部20は、感度算出部42により、予測出力値D0と予測出力変位値D1とに基づき、感度Pを算出する(ステップS18)。感度算出部42は、上述の式(2)により、感度Pを算出する。感度Pは、予測モデル上での予測出力値Dを単位量変化させるために必要な、操作パラメータの変化量を示す値である。
偏差ΔC及び感度Pを算出した後、制御部20は、FB補正値算出部44により、偏差ΔC及び感度Pに基づき、FB補正値Rを算出する(ステップS20)。FB補正値算出部44は、上述の式(3)により、現在出力値を目標出力値に補正するために必要な操作パラメータ値であるFB補正値Rを算出する。
FB補正値Rを算出した後、制御部20は、補正操作パラメータ値算出部28により、FF目標操作パラメータ値A0とFB補正値Rとに基づき、補正操作パラメータ値Aを算出し(ステップS22)、制御対象制御部29により、補正操作パラメータ値Aの値を用いて、制御対象100を制御する(ステップS24)。補正操作パラメータ値算出部28は、上述の式(4)により、補正操作パラメータ値Aを算出する。ステップS24の後はステップS26に移動し、処理を終了しない場合(ステップS26:No)、所定の時間経過後に、ステップS10に戻り、その時点での現在出力値を取得し、その後の処理を繰り返す。すなわち、制御部20は、FF目標操作パラメータ値A0、条件パラメータ値B、予測出力値D0、予測出力変位値D1、偏差ΔC、感度P、FB補正値R、及び補正操作パラメータ値Aを、その時点での最新の検出部10の検出結果に基づき、所定の時間毎に更新して算出する。特に、偏差ΔC及び感度Pをその都度算出することで、適切にFB補正値Rを算出することが可能となるため、制御精度を上げることができる。
ステップS26において処理を終了する場合(ステップS26:Yes)は、本処理を終了する。
以上説明したように、第1実施形態に係る制御装置、ここでは制御部20は、複数のパラメータの値に応じて出力値Cが変動する制御対象100に対して、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせで操作パラメータ値Aを操作する制御装置である。複数のパラメータとは、制御部20によって操作可能な操作パラメータと、制御部20によって操作不可能な条件パラメータとを含む。制御部20は、予測モデル記憶部22と、現在条件パラメータ値取得部23と、現在出力値取得部24と、FF目標操作パラメータ値取得部34と、偏差算出部40と、感度算出部42と、FB補正値算出部44と、補正操作パラメータ値算出部46と、制御対象制御部48とを有する。また、制御部20は、目標出力値記憶部21、及び予測出力値取得部36を有する。
予測モデル記憶部22は、操作パラメータ値Aと条件パラメータ値Bとの入力に応じて、出力値Cの予測値である予測出力値Dを算出する予測モデルを記憶する。現在出力値取得部24は、制御対象100の現在の出力値Cである現在出力値C0を取得する。目標出力値記憶部21は、目標出力値C0を記憶する。予測出力値取得部36は、予測モデルと現在の条件パラメータ値Bとに基づき、予測出力値D0を取得する。FF目標操作パラメータ値取得部34は、予測モデルと条件パラメータ値Bとに基づき、フィードフォワード制御により、予測出力値Dが目標出力値に対応する値(目標出力対応値)となる場合のFF目標操作パラメータ値A0を取得する。偏差算出部40は、現在出力値C0及び予測出力値D0に基づき、又は現在出力値C0及び目標出力値に基づき、フィードバック制御により、現在出力値C0の目標出力値に対する偏差ΔCを算出する。感度算出部42は、予測出力値D0に基づき、予測出力値Dを単位量変化させるために必要な操作パラメータ値Aの変化量を示す感度Pを算出する。FB補正値算出部44は、偏差ΔCと感度Pとに基づき、FF目標操作パラメータ値A0のFB補正値Rを算出する。補正操作パラメータ値算出部46は、FF目標操作パラメータ値A0とFB補正値Rとに基づき、補正操作パラメータ値Aを算出する。制御対象制御部48は、補正操作パラメータ値Aで制御対象100を制御する。
FF目標操作パラメータ値A0は、予測モデルに基づいた、予測出力値Dを目標出力値に近づけるための値であり、フィードフォワード制御に基づいて算出された値である。一方、FB補正値Rは、現在出力値の偏差ΔCと、予測モデルに基づいた感度Pとに基づいて算出された補正値である。すなわち、FB補正値Rは、フィードバック制御にフィードフォワード用の予測モデルを用いた値である。従って、これらのFF目標操作パラメータ値A0及びFB補正値Rに基づいて算出された補正操作パラメータ値Aは、フィードフォワード制御にフィードバック制御を組み合わせて算出された値である。制御部20は、この補正操作パラメータ値Aで制御対象100を制御するため、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを組み合わせて、制御精度を適切に向上することができる。また、制御部20は、フィードバック制御とフィードフォワード制御とで、共通する予測モデルを用いているため、互いに別々のモデルを構築する必要がなくなり、モデル構築の負荷を抑制する。また、制御部20は、同一モデルを用いることにより、ハンチングなどの制御発散を抑制することができる。また、制御部20は、フィードバック制御にフィードフォワード制御のモデルを用いることで、フィードフォワード制御の予測誤差に対してのみフィードバック制御を行うことができ、フィードフォワード制御及びフィードバック制御を同時に行うことが可能となる。その結果、制御部20は、フィードフォワード制御、フィードバック制御のいずれかのモデルで制御する為に、モデルを選択して切り替える必要がなくなる。
また、制御対象100は、複数の操作パラメータを有しており、補正操作パラメータ値Aは、複数の操作パラメータのうち、出力値Cに対する影響が最も大きいものとして予め選定された操作パラメータ、すなわち対象操作パラメータに対する値である。この制御部20は、出力値Cに対する影響が最も大きい操作パラメータを制御するため、制御結果を安定にすることができる。なお、制御対象100は、制御部20が制御する対象となる対象操作パラメータとして、出力値Cに対する影響が最も大きいものを選択しなくてもよい。例えば、制御部20は、操作が容易なものを対象操作パラメータとして選択してもよい。対象操作パラメータは、例えば操作者の設定などによって予め選択されているものであれば、その選択方法は任意である。また、制御部20は、対象パラメータを複数として、複数の操作パラメータを制御してもよい。
また、偏差算出部40及び感度算出部42は、偏差ΔC及び感度Pを、所定の時間毎に更新して算出する。この制御部20は、偏差ΔC及び感度Pを更新して算出するため、FB補正値Rの算出精度が向上し、制御精度をより適切に向上することができる。
また、制御部20は、予測出力変位値取得部38を更に有する。予測出力変位値取得部38は、FF目標操作パラメータ値A0から所定の変位量の値を変化させた目標操作パラメータ変位値A1と、予測出力値D0の算出に用いた条件パラメータ値Bとを予測モデルに入力して、目標予測出力変位値D1を取得する。感度算出部42は、予測出力値D0と目標予測出力変位値D1とに基づき、感度Pを算出する。この制御部20は、FF目標操作パラメータ値A0に対応するパラメータだけを変化させて目標予測出力変位値D1を算出する。そして、制御部20は、標出力予測値D0と目標予測出力変位値D1とに基づき、感度Pを算出する。従って、制御部20は、精度よく感度Pを算出することが可能となり、制御精度をより適切に向上することができる。
また、偏差算出部40は、現在出力値C0と予測出力値D0との差分、又は現在出力値C0と目標出力値との差分を、偏差ΔCとする。感度算出部42は、予測出力値D0と目標予測出力変位値D1との差分に対する、変位量の割合を感度Pとする。フィードバック補正値算出部44は、偏差ΔCと感度Pとを乗じてFB補正値Rを算出する。制御部20は、このようにしてFB補正値Rを算出することにより、制御精度を適切に向上することができる。
また、制御対象100は、操作パラメータ値Aの変化のタイミングに対して、出力値Cの変化が収束するタイミングが遅れる。制御部20は、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを組み合わせて制御することで、特にこのような制御対象100に対する制御精度を適切に向上することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る制御部20は、現在の偏差と過去の偏差とに基づき補正偏差を算出する点で、第1実施形態と異なる。第2実施形態において、第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
第2実施形態に係る偏差算出部40は、第1実施形態と同様の方法で、現在の偏差ΔCを算出する。さらに、第2実施形態に係る偏差算出部40は、過去に算出した偏差ΔCである過去偏差を記憶しておき、現在の偏差ΔCと過去偏差との積算値である補正偏差を算出する。そして、第2実施形態に係るFB補正値算出部44は、偏差ΔCの代わりに補正偏差を用いてFB補正値Rを算出する。つまり、FB補正値算出部44は、補正偏差と感度Pとに基づき、FB補正値Rを算出する。
さらに、偏差算出部40は、過去偏差の値を、実際にその過去偏差を偏差ΔCとして算出した際の値よりも所定の割合だけ小さくして、その小さくした過去偏差と現在の偏差ΔCとを積算して補正偏差を算出する。偏差算出部40は、その小さくする割合を、偏差を算出した時刻が古いものほど大きくする。
具体的には、偏差算出部40は、偏差を算出した時刻が古くなるに従って値が減衰する重み項S(t)を過去偏差に乗じて、過去偏差の値を小さくする。ただし、重み項S(t)は、0より大きく1以下の範囲内で、偏差を算出した時刻が古くなるに従って値が減衰する。偏差算出部40は、この重み項S(t)を過去偏差に乗じることによって、過去偏差の値を、実際にその過去偏差を算出した際の値よりも所定の割合だけ小さくし、その小さくする割合を、算出した時刻が古いものほど大きくすることができる。
図4は、重み項を示すグラフである。図4の横軸は、偏差を算出した時刻、又は現在出力値を検出した時刻であり、原点の0を現在の時刻とし、右側に行くに従って時刻が過去となる。すなわち、図4の横軸は、現在の時刻からのマイナス時間を示している。図4の線分L4は時刻ごとの重み項S(t)を示している。線分L4に示すように、重み項S(t)は、現在時刻において1であり、時刻が古くなるに従って減衰する。また、線分L4に示すように、重み項S(t)は、時刻が古くなるに従って、減衰率、すなわち値が減衰する割合が小さくなる。
ここで、補正偏差をΔC’とし、その前のタイミングにおいて算出した補正偏差をΔCt−1’とし、重み係数をSとする。重み係数Sは、予め定められた所定の係数である。さらに言えば、重み係数Sは、固定された一定の値であり、0より大きく1より小さい。本実施形態において、偏差算出部40は、直前の補正偏差ΔCt−1’と、 重み係数Sと、偏差ΔCとを用いて、補正偏差ΔC’を算出する。具体的には、偏差算出部40は、次の式(5)を用いて補正偏差ΔC’を算出する。
ΔC’=ΔC+S・ΔCt−1’ ・・・(5)
ただし、tが0である場合、すなわち最初に偏差を算出し、過去には偏差を算出していない場合、偏差算出部40は、補正偏差ΔC’を算出せず、FB補正値算出部44は、第1実施形態のように偏差ΔCを用いてFB補正値Rを算出する。
式(5)に示すように、偏差算出部40は、直前のタイミングで算出した補正偏差ΔCt−1’に、重み係数Sを乗じ、それに対して現在の偏差ΔCを加えることにより、補正偏差ΔC’を算出する。補正偏差ΔCt−1’に、重み係数Sを乗じることで、その前のタイミングで算出された補正偏差ΔCt−2’には、重み係数Sが2回乗じられているということができる。従って、偏差算出部40は、式(5)を用いて補正偏差ΔC’を算出することで、図4に示すような、過去偏差を所定の割合だけ小さくし、その小さくする割合を、算出した時刻が古いものほど大きくするという傾向を実現することが可能となる。さらに、偏差算出部40は、式(5)を用いることで、直前のタイミングの補正偏差ΔCt−1’だけを記憶していればよくなり、計算負荷が軽減する。ただし、偏差算出部40は、現在の偏差ΔCと過去偏差とを積算して補正偏差ΔC’を算出するものであれば、式(5)を用いて補正偏差ΔC’を算出することに限られない。
以上説明したように、第2実施形態に係る偏差算出部40は、偏差ΔCと過去偏差との積算値である補正偏差ΔC’を算出する。第2実施形態に係るFB補正値算出部44は、補正偏差ΔC’と感度Pとに基づき、FB補正値Rを算出する。第2実施形態に係る制御部20は、このように、過去に算出された偏差を考慮して補正偏差ΔC’を算出し、それに基づきFB補正値Rを算出する。第2実施形態に係る制御部20は、過去の偏差にも基づき制御を実行するため、制御精度をより好適に向上させることができる。
また、第2実施形態に係る偏差算出部40は、過去偏差の値を、実際に算出した際の値よりも所定の割合だけ小さくし、その割合を、算出された時刻が古いものほど大きくする。第2実施形態に係る制御部20は、このように、算出された時刻が古くなるほど、過去偏差の値を小さくして、算出された時刻の古い過去偏差が、制御に与える影響を小さくする。従って、第2実施形態に係る制御部20は、制御精度をより好適に向上させることができる。
また、第2実施形態に係る偏差算出部40は、直前のタイミングで算出した補正偏差ΔCt−1’に対し重み係数Sを乗じ、それに対して偏差ΔCを加えることで、補正偏差ΔC’を算出する。重み係数Sは、0より大きく1より小さい。偏差算出部40は、このように補正偏差ΔC’を算出することで、過去偏差の値を、実際に算出した際の値よりも所定の割合だけ小さくし、その割合を、算出された時刻が古いものほど大きくしている。さらに、偏差算出部40は、このように補正偏差ΔC’を算出することで、直前のタイミングの補正偏差ΔCt−1’だけを記憶していればよくなり、計算負荷を軽減することができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態から第5実施形態を説明する。第3実施形態から第5実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態で説明した制御システム1を、具体的な制御対象に適用した例を説明するものである。第3実施形態から第5実施形態で説明する制御システムによる補正操作パラメータ値Aの算出方法は、第1実施形態又は第2実施形態と同様である。
図5は、第3実施形態に係る制御システムの構成を模式的に示すブロック図である。図5に示すように、第3実施形態に係る制御システム1aは、制御対象としての凝集沈殿池100aを制御するものである。凝集沈殿池100aは、凝集沈殿を行うことによって原水を浄水処理する設備である。制御システム1aは、検出部10aと、操作部としての薬品注入部12a1及び撹拌部12a2と、制御部20aとを有する。凝集沈殿池100aは、内部に原水を貯留する。凝集沈殿池100aは、薬品注入部12a1により内部の原水に凝集剤が注入され、撹拌部12a2で凝集剤を注入した原水を撹拌することで、原水内の粒子を凝集させてフロック(凝集体)を生成、成長させ、そのフロックを除去することで、原水を浄水処理する。
凝集沈殿池100aは、操作パラメータとして、凝集剤の注入量と撹拌強度とを有する。凝集剤の注入量は、薬品注入部12a1によって操作される。撹拌強度は、撹拌部12a2によって操作される。また、凝集沈殿池100aは、条件パラメータとして、処理前の廃水の濁度と、処理前の原水の温度とを有している。凝集沈殿池100aは、これらの操作パラメータと条件パラメータとの値(入力値)に応じて、原水内の粒子を凝集させてフロック(凝集体)を生成、成長させる処理を行って原水を浄水処理する。本実施形態では、凝集沈殿池100aの処理後の処理水の濁度を、出力値とする。すなわち、凝集沈殿池100aにおける処理水の濁度は、凝集剤の注入量、撹拌強度、原水の濁度、及び原水の温度に応じて、所定の値となる。
制御部20aは、対象操作パラメータとして凝集剤の注入量を選定し、凝集剤の注入量を、補正操作パラメータ値Aとして算出する。制御部20aは、補正操作パラメータ値Aを薬品注入部12a1に出力し、薬品注入部12a1は、その補正操作パラメータ値Aの量の凝集剤を凝集沈殿池100aに注入する。制御部20aは、例えば、処理水の濁度と注入する凝集剤の費用とが所定値よりも低くなるようにFF目標操作パラメータ値A0を決定し、そのFF目標操作パラメータ値A0に基づき、補正操作パラメータ値Aを算出してもよい。
フロックは、凝集剤を注入及び撹拌がなされたタイミングに対して、遅れて生成及び成長する。従って、凝集沈殿池100aは、凝集剤を注入及び撹拌がなされたタイミング、すなわち操作パラメータ値が変化されたタイミングに対して、出力値である処理水の濁度の変化が収束するタイミングが、遅れる。
なお、制御部20aは、対象操作パラメータとして撹拌強度を選定してもよいし、凝集剤の注入量と撹拌強度との両方を対象操作パラメータとして選定してもよい。
(第4実施形態)
図6は、第4実施形態に係る制御システムの構成を模式的に示すブロック図である。図6に示すように、第4実施形態に係る制御システム1bは、制御対象としての焼却炉100bを制御するものである。焼却炉100bは、廃棄物を焼却する設備である。制御システム1bは、検出部10bと、操作部としての燃料導入部12b1及び空気導入部12b2と、制御部20bとを有する。焼却炉100bは、含水する廃棄物が内部に投入され、燃料導入部12b1から燃料が導入され、空気導入部12b2から空気が導入されることにより、廃棄物を焼却処理し、排ガスを発生させる。
焼却炉100bは、操作パラメータとして、導入する燃料量と導入する空気量とを有する。導入する燃料量は、燃料導入部12b1によって操作される。導入する空気量は、燃料導入部12b1によって操作される。また、焼却炉100bは、条件パラメータとして、廃棄物の含水量を有する。焼却炉100bは、これらの操作パラメータと条件パラメータとの値(入力値)に応じて、廃棄物を焼却し、その結果として所定の成分の排ガスを発生させる。本実施形態では、焼却炉100bから発生した排ガス中の窒素酸化物(NOx)の量を、出力値とする。
制御部20bは、対象操作パラメータとして、導入する燃料量を選定し、導入する燃料量を、補正操作パラメータ値Aとして算出する。制御部20bは、補正操作パラメータ値Aを燃料導入部12b1に出力し、燃料導入部12b1は、その補正操作パラメータ値Aの量の燃料を焼却炉100bに注入する。制御部20aは、例えば、排ガス中の窒素酸化物の量と使用する燃料の費用とが所定値よりも低くなるようにFF目標操作パラメータ値A0を決定し、そのFF目標操作パラメータ値A0に基づき、補正操作パラメータ値Aを算出してもよい。
燃料や空気を導入してから、廃棄物が燃焼して排ガスが発生するまでには、ある程度の時間を要する。従って、焼却炉100bは、燃料や空気を導入したタイミング、すなわち操作パラメータ値が変化したタイミングに対して、出力値である排ガス中の窒素酸化物量の変化が収束するタイミングが、遅れる。
なお、制御部20bは、対象操作パラメータとして空気導入量を選定してもよいし、燃料導入量と空気導入量の両方を対象操作パラメータとして選定してもよい。また、焼却炉100bは、排ガス中の二酸化炭素の量を出力値としてもよいし、窒素酸化物の量と二酸化炭素の量との両方を出力値としてもよい。
(第5実施形態)
図7は、第5実施形態に係る制御システムの構成を模式的に示すブロック図である。図7に示すように、第5実施形態に係る制御システム1cは、制御対象としてのエンジン100cを制御するものである。エンジン100cは、内燃機関であり、燃料をシリンダ内で燃焼させ、その熱エネルギーを用いて仕事をする設備である。制御システム1cは、検出部10cと、操作部としての燃料混合部12c1及び圧縮部12c2と、制御部20cとを有する。エンジン100cは、燃料混合部12c1によって空気と混同された燃料がシリンダに導入され、圧縮部12c2によってシリンダが圧縮されることにより、シリンダ内の燃料を燃焼させる。エンジン100cは、シリンダ内の燃料の燃焼により仕事をし、燃焼で生じた排ガスを発生させる。
エンジン100cは、操作パラメータとして、燃料と空気との混合比とシリンダの圧縮比とを有する。混合比は、燃料混合部12c1によって操作される。圧縮比は、圧縮部12c2によって操作される。また、エンジン100cは、条件パラメータとして、外気温度を有する。エンジン100cは、これらの操作パラメータと条件パラメータとの値(入力値)に応じて、シリンダ内の燃料を燃焼させ、その結果として所定の成分の排ガスを発生させる。本実施形態では、エンジン100cから発生した排ガス中の窒素酸化物(NOx)の量を、出力値とする。
制御部20cは、対象操作パラメータとして、混合比を選定し、混合比を補正操作パラメータ値Aとして算出する。制御部20cは、補正操作パラメータ値Aを燃料混合部12c1に出力し、燃料混合部12c1は、その補正操作パラメータ値Aの量の燃料をエンジン100cに注入する。制御部20cは、例えば、排ガス中の窒素酸化物の量と使用する燃料の費用とが所定値よりも低くなるようにFF目標操作パラメータ値A0を決定し、そのFF目標操作パラメータ値A0に基づき、補正操作パラメータ値Aを算出してもよい。
混合比や圧縮比を設定してから、燃料が燃焼して排ガスが発生するまでには、ある程度の時間を要する。従って、エンジン100cは、混合比や圧縮比が変化したタイミング、すなわち操作パラメータ値が変化したタイミングに対して、出力値である排ガス中の窒素酸化物量の変化が収束するタイミングが、遅れる。
なお、制御部20cは、対象操作パラメータとして圧縮比を選定してもよいし、混合比と圧縮比との両方を対象操作パラメータとして選定してもよい。また、エンジン100cは、排ガス中の二酸化炭素の量を出力値としてもよいし、窒素酸化物の量と二酸化炭素の量との両方を出力値としてもよい。
以上、第3実施形態から第5実施形態において、制御システム1を、具体的な制御対象に適用した例を説明したが、制御システム1は、第3実施形態から第5実施形態の制御対象に限られず、任意の制御対象に適用可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態等の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態等の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 制御システム
10 検出部
12 操作部
20 制御部
22 予測モデル記憶部
23 現在条件パラメータ値取得部
24 現在出力値取得部
26 FF制御部
27 FB制御部
28 補正操作パラメータ値算出部
29 制御対象制御部
32 予測計算部
34 FF目標操作パラメータ値取得部
36 予測出力値取得部
38 予測出力変位値取得部
40 偏差算出部
42 感度算出部
44 FB補正値算出部

Claims (12)

  1. 操作可能な操作パラメータ値と操作不可能な条件パラメータ値とを含む複数のパラメータの値に応じて出力値が変動する制御対象に対して、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせで前記操作パラメータ値を操作する制御装置であって、
    前記操作パラメータ値と前記条件パラメータ値との入力に応じて、前記出力値の予測値である予測出力値を算出する前記フィードフォワード制御用の予測モデルを記憶する予測モデル記憶部と、
    前記制御対象の現在の出力値である現在出力値を取得する現在出力値取得部と、
    前記制御対象の現在の条件パラメータ値を取得する現在条件パラメータ値取得部と、
    前記出力値の目標値である目標出力値を記憶する目標出力値記憶部と、
    前記予測モデルと前記現在の条件パラメータ値とに基づき予測出力値を取得する予測出力値取得部と、
    前記予測モデルと前記条件パラメータ値とに基づき、前記予測出力値が前記目標出力値に対応する値となる場合の操作パラメータ値である、前記フィードフォワード制御用のフィードフォワード目標操作パラメータ値を取得するフィードフォワード目標操作パラメータ値取得部と、
    前記現在出力値と前記目標出力値とに基づき、又は、前記現在出力値と前記予測出力値取得部が取得した予測出力値とに基づき、フィードバック制御により、前記現在出力値の前記目標出力値又は前記予測出力値に対する偏差を算出する偏差算出部と、
    前記予測出力値に基づき、前記予測出力値を単位量変化させるために必要な前記操作パラメータ値を示す感度を算出する感度算出部と、
    前記偏差と前記感度とを乗じて、前記フィードフォワード目標操作パラメータ値のフィードバック補正値を算出するフィードバック補正値算出部と、
    前記フィードフォワード目標操作パラメータ値と前記フィードバック補正値とに基づき、補正操作パラメータ値を算出する補正操作パラメータ値算出部と、
    前記補正操作パラメータ値を用いて前記制御対象を制御する制御対象制御部と、
    を有する制御装置。
  2. 前記制御対象は、複数の操作パラメータを有しており、
    前記補正操作パラメータ値は、前記複数の操作パラメータのうち、出力値に対する影響が最も大きいものとして予め選定された操作パラメータに対する入力値である、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記偏差算出部及び前記感度算出部は、前記偏差及び前記感度を、所定の時間毎に更新して算出する、請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記フィードフォワード目標操作パラメータ値から所定の変位量の値を変化させた目標操作パラメータ変位値と、前記予測出力値の算出に用いた前記条件パラメータ値とを前記予測モデルに入力して、予測出力変位値を取得する予測出力変位値取得部を更に有し、
    前記感度算出部は、前記予測出力値と前記予測出力変位値とに基づき、前記感度を算出する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. 前記偏差算出部は、前記現在出力値と前記予測出力値との差分、又は前記現在出力値と前記目標出力値との差分を、前記偏差とし、
    前記感度算出部は、前記予測出力値と前記予測出力変位値との差分に対する、前記変位量の割合を前記感度とし、
    前記フィードバック補正値算出部は、前記偏差と前記感度とを乗じて前記フィードバック補正値を算出する、請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記感度算出部は、前記予測出力値を前記フィードフォワード目標操作パラメータ値で微分して、前記感度を算出する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の制御装置。
  7. 前記偏差算出部は、前記偏差と過去に算出した前記偏差である過去偏差との積算値である補正偏差を算出し、
    前記フィードバック補正値算出部は、前記補正偏差と前記感度とに基づき、前記フィードバック補正値を算出する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の制御装置。
  8. 前記偏差算出部は、前記過去偏差の値を、実際に算出した際の値よりも所定の割合だけ小さくし、前記割合を、算出された時刻が古いものほど大きくする、請求項7に記載の制御装置。
  9. 前記偏差算出部は、直前のタイミングで算出した前記補正偏差に対し重み係数を乗じ、それに対して前記偏差を加えることで、前記補正偏差を算出し、前記重み係数は、0より大きく1より小さい、請求項8に記載の制御装置。
  10. 前記制御対象は、前記操作パラメータ値の変化のタイミングに対して、出力値の変化が収束するタイミングが遅れる、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の制御装置。
  11. 操作可能な操作パラメータ値と操作不可能な条件パラメータ値とを含む複数のパラメータの値に応じて出力値が変動する制御対象に対して、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせで前記操作パラメータ値を操作する制御方法であって、
    前記制御対象の現在の条件パラメータ値を取得する現在条件パラメータ値取得ステップと、
    前記出力値の目標値である目標出力値を取得する目標出力値取得ステップと、
    前記操作パラメータ値と前記条件パラメータ値との入力に応じて、前記出力値の予測値である予測出力値を算出する前記フィードフォワード制御用の予測モデルと前記現在の条件パラメータ値とに基づき予測出力値を取得する予測出力値取得ステップと、
    前記予測モデルと前記条件パラメータ値とに基づき、前記予測出力値が前記目標出力値に対応する値となる場合の操作パラメータ値である、前記フィードフォワード制御用のフィードフォワード目標操作パラメータ値を取得するフィードフォワード目標操作パラメータ値取得ステップと、
    前記制御対象の現在の出力値である現在出力値を取得する現在出力値取得ステップと、
    前記現在出力値と前記目標出力値とに基づき、又は、前記現在出力値と前記予測出力値取得ステップで取得した予測出力値とに基づき、フィードバック制御により、前記現在出力値の前記目標出力値又は前記予測出力値に対する偏差を算出する偏差算出ステップと、
    前記予測出力値に基づき、前記予測出力値を単位量変化させるために必要な前記操作パラメータ値を示す感度を算出する感度算出ステップと、
    前記偏差と前記感度とを乗じて、前記フィードフォワード目標操作パラメータ値のフィードバック補正値を算出するフィードバック補正値算出ステップと、
    前記フィードフォワード目標操作パラメータ値と前記フィードバック補正値とに基づき、補正操作パラメータ値を算出する補正操作パラメータ値算出ステップと、
    前記補正操作パラメータ値を用いて前記制御対象を制御する制御対象制御ステップと、
    を有する制御方法。
  12. 操作可能な操作パラメータ値と操作不可能な条件パラメータ値とを含む複数のパラメータの値に応じて出力値が変動する制御対象に対して、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせで前記操作パラメータ値を操作する情報処理装置を、
    前記操作パラメータ値と前記条件パラメータ値との入力に応じて、前記出力値の予測値である予測出力値を算出する前記フィードフォワード制御用の予測モデルを記憶する予測モデル記憶手段と、
    前記制御対象の現在の出力値である現在出力値を取得する現在出力値取得手段と、
    前記制御対象の現在の条件パラメータ値を取得する現在条件パラメータ値取得手段と、
    前記出力値の目標値である目標出力値を記憶する目標出力値記憶手段と、
    前記予測モデルと前記現在の条件パラメータ値とに基づき予測出力値を取得する予測出力値取得手段と、
    前記予測モデルと前記条件パラメータ値とに基づき、前記予測出力値が前記目標出力値に対応する値となる場合の操作パラメータ値である、前記フィードフォワード制御用のフィードフォワード目標操作パラメータ値を取得するフィードフォワード目標操作パラメータ値取得手段と、
    前記現在出力値と前記目標出力値とに基づき、又は、前記現在出力値と前記予測出力値取得手段が取得した予測出力値とに基づき、フィードバック制御により、前記現在出力値の前記目標出力値又は前記予測出力値に対する偏差を算出する偏差算出手段と、
    前記予測出力値に基づき、前記予測出力値を単位量変化させるために必要な前記操作パラメータ値を示す感度を算出する感度算出手段と、
    前記偏差と前記感度とを乗じて、前記フィードフォワード目標操作パラメータ値のフィードバック補正値を算出するフィードバック補正値算出手段と、
    前記フィードフォワード目標操作パラメータ値と前記フィードバック補正値とに基づき、補正操作パラメータ値を算出する補正操作パラメータ値算出手段と、
    前記補正操作パラメータ値を用いて前記制御対象を制御する制御対象制御手段と、
    として機能させるプログラム。
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