JP6727647B2 - アゾ含鉄染料及びそれを含有する油性インク組成物 - Google Patents
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下記の式(2)
A+は、式(3)
で表すアンモニウムイオンまたは式(4)
で表すグアニジン誘導体のアンモニウムイオンである。)
で表すアゾ含鉄染料であることが好ましい。
本発明のアゾ含鉄染料は、前記式(1)または式(2)で表すアゾ含鉄染料のアルカリ金属イオンが1000ppm以下であるであることが好ましい。
本発明の油性インク組成物は、インクジェット用油性インク組成物であることが好ましく、特に産業用インクジェット用黒色油性インク組成物であることが好ましい。
好ましくは式(3)
で表すアンモニウムイオン
または式(4)
で表すグアニジン誘導体のアンモニウムイオンである。
式(1)に示すアゾ含鉄染料の置換基のニトロ基は、深色化する効果を有し、式(5)に示すアゾ基に対して、p-位に置換すると、深色化効果が最大となるため、漆黒の黒色を呈する。
更に式(5)に示すアゾ含鉄染料の対イオンが式(3)で表すアンモニウムイオンまたは式(4)で表すグアニジン誘導体のアンモニウムイオンであることが好ましい
式(3)で表すアンモニウムイオンまたは式(4)で表すグアニジン誘導体のアンモニウムイオンを混合して用いても良い。
また三原色を利用した減法混色を用いた黒色配合した着色剤では、各着色剤の堅牢性、溶解性、色相が違うため、退色した場合、大きく色相が変色する。それに対し、単一で黒色を呈する着色剤は、退色後の変色が少ないため、印字物に好適である。
更に、産業用インクジェットプリンターとして、広く用いられている荷電量制御式のコンティニュアス型(連続式)インクジェットプリンター用のインクにおいては、染料の電気伝導度が、重要なファクターになり、安定的な電導度特性が好まれる。
更に、インクジェットインクに添加される添加剤、例えば、特開2013−23636号公報のレベリング剤、ジメチルシロキサン鎖とポリアルコキシ基を有する化合物や特開2002−348508号公報に示すはじき防止剤の式(2)のシリコン化合物やシリコン系界面活性剤などのシリコン化合物とのNa錯体の生成を抑制することができる。このようなことにより、インクジェットプリンターのヘッドの目詰まりやインクジェットインクの吐出安定性の改善に貢献できる。
工程1:ジアゾ化カップリング反応でモノアゾ色素を得る工程
工程2:モノアゾ色素を鉄化して、アゾ含鉄染料を得る工程
工程3:得られたアゾ含鉄染料の対イオンを調節する工程
工程4:得られたアゾ含鉄染料を濾過・水洗する工程
工程5:濾過されたアゾ含鉄染料を乾燥する工程
を少なくとも有する。この製造方法によれば、高純度のアゾ含鉄染料を得ることができる。以下、各工程を詳しく説明する。
第1の工程である反応工程は、下記式(6)に示すように、特定構造の芳香族アミンを公知の方法でジアゾ化し、特定のジアルキルアミノを有するアミノフェノールに、常法により、ジアゾ化カップリング反応させて、モノアゾ色素を得る工程である。
前記工程では、モノアゾ色素を濾過、水洗し、ウェットケーキを得る。さらにそのウェットケーキを乾燥しても良い。また得られたモノアゾ色素の反応液を次の工程に使用しても良い。
第2の工程である金属化工程は、前記工程で得られたモノアゾ色素を鉄化してアゾ含鉄中間体(アゾ含鉄錯塩)を得る工程である。
鉄化剤として、硫酸第二鉄、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、塩化第一鉄、硝酸第二鉄、酢酸鉄、及び乳酸鉄が挙げられる。鉄化剤の量は、配位子となるモノアゾ色素1当量に対して、鉄の量が1/2〜2当量であることが好ましく、1/2〜2/3当量であることがより好ましい。また鉄化反応は、使用する溶媒の種類に適した温度で、加熱反応または還流撹拌しながら行うものであることが好ましい。鉄化反応は、反応促進剤やpH調整剤のような添加剤を加えて行ってもよい。酸や塩基を加えることによってpH調整を行うことにより、アゾ含鉄中間体の対イオンを、例えば、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンまたはこれらの混合物の対イオンに調製できる。
第3の工程であるイオン交換工程は、本発明に用いるアミン(炭素数3〜18のアルキル基を有する一価のアミンまたはグアニジン誘導体)を用いて、金属化工程で得られたアゾ含鉄中間体の対イオンを所望の対イオンに交換し、アゾ含鉄染料のウエットケーキを得る工程である。前記工程で得られたアゾ含鉄中間体の対イオンが水素イオンとする場合、水素イオンを、アンモニウム化剤(炭素数3〜18のアルキル基を有する一価のアミンまたはグアニジン誘導体)を用いて対イオンを再交換し、アゾ含鉄染料を得る。アンモニウム化剤(炭素数3〜18のアルキル基を有する一価のアミンまたはグアニジン誘導体)は、炭素数の異なるアミンの混合物であってもよい。
金属化工程の後、またはイオン交換工程の後、濾過工程を行ってもよい。濾過工程は、金属化工程(或いはその後のアルカリ処理)またはイオン交換工程で得られたアゾ含鉄染料を含む反応液を、濾過によってアゾ含鉄染料の固形物と溶媒とに分離して、アゾ含鉄染料のウエットケーキを得る工程である。濾過方法としては、濾紙濾過、袋濾過、遠心分離のような重圧濾過法;ヌッチェ、ムーアフィルター、ディスクフィルター、ドラムフィルター、オリバーフィルターを用いた真空濾過法;フィルタープレス、密閉式リーフフィルター、密閉式多段フィルターを用いた加圧濾過法を挙げることができる。濾過工程の後、洗浄工程を行ってもよい。水及び/または有機溶媒によってアゾ含鉄染料のウエットケーキを十分に洗浄する。洗浄液としては、水が好ましい。
上記アゾ含鉄染料のウエットケーキを用途目的に応じた組成物の中間体として用いることができる。
上記の工程を経た後、必要に応じて、乾燥工程を行う。得られたアゾ含鉄染料は、用途目的に応じて、公知の粉砕機を用い、解砕または粉砕することができる。
本発明の油性インク組成物は、少なくとも油性液媒体と黒色アゾ含鉄染料を含有している。
いずれの適切な有機溶媒も使用することができ、好ましくは揮発性有機溶媒が挙げられる。好適には、アルコール・グリコール系有機溶剤及びケトン系有機溶剤が挙げられる。
ケトン系有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトンなどの低級アルキルケトン又はシクロヘキサノンなどの環状ケトンが挙げられる。なかでも、メチルエチルケトンは、樹脂類の溶解性、顔料の分散性、導電性や、インクの乾燥性について考慮すると、コンティニュアス型インクジェットプリンター用インク組成物に好ましく用いることができる。
アルコール系有機溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びブタノール等の低級アルキルアルコールが挙げられる。
ジオキサン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルグリコール、エチレングリコールモノベンジルグリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルグリコール、ジエチレングリコールモノベンジルグリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙がられる。
コンティニュアス型インクジェットプリンターに用いられる場合、本発明のインク組成物は、本発明のアゾ含鉄染料が有する導電性の働きが充分な導電性をインクに与えるため、実際には導電性塩を添加する必要がない場合を除いて、更に、導電調整剤として、1種以上の導電性塩を含んでもよい。
インク組成物は、支持体上におけるインクの液滴サイズを制御可能するために、公知の任意の適切な湿潤剤を使用することができる。湿潤剤の例は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤または両性界面活性剤が使用できる。
カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩,第4級アンモニウム塩,アルキルピリジニウム塩,アルキルイミダゾリウム塩等を例示できる。
両イオン性活性剤としては、アルキルベタイン,アルキルアミンオキサイド,ホスファジルコリン等が例示できる。
以下、本発明のアゾ含鉄染料及びそれが含有された油性インク組成物の実施例について、詳細に説明する。
5−ニトロ−2−アミノフェノール7.5gと、35wt%の濃塩酸 13.6gとを、50.0gのイソプロパノールに加え溶解させ、氷浴で氷冷しながら36wt%亜硝酸ナトリウム水溶液 8.3gを徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。
20wt%水酸化ナトリウム水溶液26.1gを200gの水に加え、N、N−ジ−n−ブチル−3−アミノフェノール10.0gを加えて分散させ、この分散液に前記ジアゾニウム塩を滴下し、3時間反応させた。その後、pH2.6に調整して、析出したモノアゾ化合物を濾別、水洗し、86.6gのウェットケーキを得た。
得られた鉄錯体化合物のウェットケーキに水250gとメタノール50gを加えて40℃に加熱し、この溶液に予め水100.0gと35wt%の濃塩酸2.7g、1,3−ジ−O−トリルグアニジン(大内新興化学工業社製 商品名:ノクセラーDT)5.4gで調整した水溶液を徐々に加えて、40℃で30分間撹拌した後に濾別、水洗、乾燥させ、下記式で示されるアゾ含鉄染料A1が19.0g得られた。
得られたアゾ含鉄染料を、メチルエチルケトンを用いて10mg/1000mlの濃度に調整した溶液を作製し、紫外可視分光光度計(島津製作所社製 商品名:UV−1700)を用い、測定した。
得られたアゾ含鉄染料A1の可視吸収スペクトルを図1に示す。この図からもわかる通り、この濃度で十分な黒色である。
電気伝導度Kの測定方法
得られたアゾ含鉄染料を、メチルエチルケトンを用いて7wt%の濃度に調整した溶液を作製し、電気電導度計(Eutech Instruments社製 商品名:CyberScan CON100)を用いて測定した。
得られたアゾ含鉄染料A1の電気伝導度Kを測定すると、0.39mS/cmであった。
アルカリ金属イオンの測定方法
原子吸光測定器(バリアン テクノロジーズ ジャパンリミテッド社製 商品名:SpectrAA−220FS)を用い、アゾ含鉄染料中のNa含有量を測定した
得られたアゾ含鉄染料A1のアルカリ金属イオンが1000 ppm以下であった。
5−ニトロ−2−アミノフェノール7.5gと、35wt%の濃塩酸13.6gとを、50.0gのイソプロパノールに加え溶解させ、氷浴で氷冷しながら36wt%亜硝酸ナトリウム水溶液8.3gを徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。
20wt%水酸化ナトリウム水溶液26.1gを200gの水に加え、N、N−ジ−エチル−3−アミノフェノール7.5gを加えて分散させ、この分散液に前記ジアゾニウム塩を滴下し、3時間反応させた。その後、pH2.8に調整して析出したモノアゾ化合物を濾別、水洗し、80.5gのウェットケーキを得た。
得られたモノアゾウェットケーキ80.5gに、20wt%水酸化ナトリウム水溶液21.5gと水225gを加え90℃で2.5時間撹拌した後、40%第二硫酸鉄水溶液11.8gを徐々に加え、90℃で5時間反応を行った。反応後、室温まで冷却してpH3.0に調整し、析出した生成物を濾別、水洗し、ウェットケーキを得た。
得られたアゾ含鉄染料B1のアルカリ金属イオンが1000ppm以下であった。
調製比較例1は、溶解性、電気伝導度が低く、インクに使用できなかった。
5−ニトロ−2−アミノフェノール7.5gと、35wt%の濃塩酸13.6gとを、50.0gのイソプロパノールに加え溶解させ、氷浴で氷冷しながら36%亜硝酸ナトリウム水溶液8.3gを徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。
20wt%水酸化ナトリウム水溶液26.1gを200gの水に加え、N、N−ジ−n−ブチル−3−アミノフェノール10.0gを加えて分散させ、この分散液に前記ジアゾニウム塩を滴下し、3時間反応させた。その後、pH2.6に調整して、析出したモノアゾ化合物を濾別、水洗し、86.3gのウェットケーキを得た。
得られた鉄錯体化合物のウェットケーキに水250gとメタノール50gを加えて40℃に加熱し、この溶液に予め水83.2gと35wt%の濃塩酸2.3g、tert−アルキル一級アミン(ダウケミカル社製 商品名:PRIMENE 81-R)4.5gで調整した水溶液を徐々に加えて、40℃で30分間撹拌した。その後に濾別、水洗、乾燥させ、下記式で示されるアゾ含鉄染料A2が17.3g得られた。
得られたアゾ含鉄染料A2の電気伝導度Kを測定すると、0.99mS/cmであった。
得られたアゾ含鉄染料A2のアルカリ金属イオンが1000ppm以下であった。
溶解性データ
5−ニトロ−2−アミノフェノール7.5gと、35wt%の濃塩酸13.6gとを、50.0gのイソプロパノールに加え溶解させ、氷浴で氷冷しながら36wt%亜硝酸ナトリウム水溶液8.3gを徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。
20wt%水酸化ナトリウム水溶液26.1gを200gの水に加え、N、N−ジ−エチル−3−アミノフェノール 7.5gを加えて分散させ、この分散液に前記ジアゾニウム塩を滴下し、3時間反応させた。その後、pH2.8に調整して析出したモノアゾ化合物を濾別、水洗し、80.5gのウェットケーキを得た。
得られた鉄錯体化合物のウェットケーキに水250gとメタノール50gを加えて40℃に加熱し、この溶液に予め水83.2gと35wt%の濃塩酸2.3g、tert−アルキル一級アミン(ダウケミカル社製 商品名:PRIMENE 81-R)4.5gで調整した水溶液を徐々に加えて40℃で30分間撹拌した後に、濾別、水洗、乾燥させ下記式で示されるアゾ含鉄染料B2が15.6g得られた。
5−ニトロ−2−アミノフェノール16.1gと、35wt%の濃塩酸32.9gとを、125.0gのイソプロパノールに加え溶解させ、氷浴で氷冷しながら36%亜硝酸ナトリウム水溶液18.1gを徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。
20wt%水酸化ナトリウム水溶液57.0gを200gのメタノールに加え、N、N−ジ−n−ヘキシル−3−アミノフェノール27.7gを加えて溶解させ、この溶液に前記ジアゾニウム塩を滴下し、3時間反応させた。その後、pH2.6に調整して、析出したモノアゾ化合物を濾別、水洗し、117.0gのウェットケーキを得た。
得られた鉄錯体化合物にプロピレングリコールモノメチルエーテル375gとtert−アルキル一級アミン(ダウケミカル社製 商品名:PRIMENE 81-R)4.5gを加えて125℃で2時間撹拌して90℃に冷却した。この反応液を予め調整した水600g中に投入し、pH 7.0に調整し、濾別、水洗、乾燥させ、下記式で示されるアゾ含鉄染料A3が23.3g得られた。
得られたアゾ含鉄染料A3の電気伝導度Kを測定すると、0.92mS/cmであった。
得られたアゾ含鉄染料A3のアルカリ金属イオンが 1000ppm以下であった。
溶解性データ
5−ニトロ−2−アミノフェノール9.3gと、35wt%の濃塩酸17.1gとを、50.0gのイソプロパノールに加え溶解させ、氷浴で氷冷しながら36wt%亜硝酸ナトリウム水溶液11.2gを徐々に加え、ジアゾ化してジアゾニウム塩を得た。
20wt%水酸化ナトリウム水溶液28.9gを60gの水に加え、βーナフトール8.4gを加えて溶解させ、この溶液に前記ジアゾニウム塩を滴下し、3時間反応させた。その後、pH2.8に調整して析出したモノアゾ化合物を濾別、水洗し、85.0gのウェットケーキを得た。
得られた鉄錯体化合物のウェットケーキに水250gとメタノール50gを加えて40℃に加熱し、この溶液に予め水101gと35wt%の濃塩酸2.7g、tert−アルキル一級アミン(ダウケミカル社製 商品名:PRIMENE 81-R)5.5gで調整した水溶液を徐々に加えて40℃で30分間撹拌した後に濾別、水洗、乾燥させ下記式で示されるアゾ含鉄染料B3が18.5g得られた。
得られたアゾ含鉄染料B3の電気伝導度Kを測定すると、1.45mS/cmであった。
得られたアゾ含鉄染料B3のアルカリ金属イオンが1000ppm以下であった。
溶解性データ
実施例1
セルロース系樹脂6重量部、硝酸リチウム1重量部、アゾ含鉄染料A1 3重量部を、メチルエチルケトン70重量部、エタノール10重量部、イソプロピルアルコール10重量部を撹拌溶解する。その後、混合溶液を目開き1.0μmのフィルターでろ過して、インクジェットプリンター用のインクを得た。
インクジェットプリンターを用い、得られたインクを、インクカートリッジに装填して使用した結果、黒色の印字を得た。印字濃度及びインクの吐出安定性は実用的に問題はなかった。
実施例1のアゾ含鉄染料A1に代えて、アゾ含鉄染料A2を使用する以外、同じ手順でインクを得た。
得られたインクを、実施例1と同様に、インクジェットプリンターで、インクカートリッジに装填して使用した結果、黒色の印字を得た。印字濃度及びインクの吐出安定性は実用的に問題はなかった。
実施例1のアゾ含鉄染料A1に代えて、アゾ含鉄染料A3を使用する以外、同じ手順でインクを得た。
得られたインクを、実施例1と同様に、インクジェットプリンターで、インクカートリッジに装填して使用した結果、黒色の印字を得た。印字濃度及びインクの吐出安定性は実用的に問題はなかった。
実施例1のアゾ含鉄染料A1に代えて、アゾ含鉄染料B1を使用する以外、同じ手順でインクを得た。
得られたインクは溶剤への溶解性が悪く、インクジェットプリンター用インクとしては使用できなかった。
実施例1のアゾ含鉄染料A1に代えて、アゾ含鉄染料B2を使用する以外、同じ手順でインクを得た。
得られたインクを、実施例1と同様に、インクジェットプリンターで、インクカートリッジに装填して使用した結果、隠蔽性のない茶色の薄い印字を得た。
本発明のアゾ含鉄染料を含有するインク組成物は、茶色でなく良好な黒色を示し、産業用インクジェット油性インクとして、好適であり、吸収性並びに非吸収性の被記録媒体に対して、密着性が良好で、かつ印字適性も良好なコンティニュアス型インクジェットインク組成物が提供される。
Claims (6)
- 前記式(1)または式(2)で表すアゾ含鉄染料が、メチルエチルケトンに対して、7重量%の濃度の溶液にしたときの電気伝導度Kが、0.3〜2.6mS/cmである請求項1または2記載のアゾ含鉄染料。
- 前記式(1)または式(2)で表すアゾ含鉄染料のアルカリ金属イオンが1000ppm以下である請求項1〜3いずれか記載のアゾ含鉄染料。
- 請求項1〜4いずれか記載のアゾ含鉄染料と油性液媒体とを少なくとも有することを特徴とする油性インク組成物。
- 前記記載の油性インク組成物がインクジェット用油性インク組成物である請求項5記載の油性インク組成物。
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