JP6727551B2 - ガラス積層体の製造方法及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

ガラス積層体の製造方法及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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本発明は、ガラス積層体の製造方法及びガラス積層体を用いた電子デバイスの製造方法に関する。
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の薄型表示機器やセンサの基板、あるいは固体撮像素子やレーザーダイオード等の半導体パッケージ用カバー、さらには薄膜化合物太陽電池の基板等には、フィルム状に薄板化されたガラスフィルムが使用されている。
このガラスフィルムの表面には、透明電極の成膜処理や封止処理等のように加熱処理を伴う電子デバイス製造関連処理を施す場合がある。このような処理時には、ガラスフィルムが可撓性に富むこと等に起因して、ガラスフィルムの取り扱いが困難になり得る。そこで、ガラスフィルムと支持ガラスとを積層したガラス積層体の形態として、ガラスフィルムを取り扱うことが行われている。ガラスフィルムと支持ガラスとの積層では、ガラスフィルムと支持ガラスとの間に異物が挟み込まれるのに伴い、気泡が発生し、回路的な不良を引き起こすおそれがある。これを防止するため、ガラスフィルムと支持ガラスとの積層は、クラス1000又はそれよりも清浄なクリーンルーム内で行われる。
ここで、ガラス積層体は、電子デバイス製造関連処理における加熱(処理)後に、ガラスフィルムと支持ガラスが強固に接合し、両者を容易に分離できない事態が生じる場合がある。このような事態を防止するために、特許文献1には、支持ガラスに無機薄膜を形成し、無機薄膜を介してガラスフィルムを支持ガラスに積層することが開示されている。
特開2011−184284号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているように、支持ガラスに無機薄膜を形成するには、スパッタ法などによる成膜装置が必要となり、製造コストが増大する。また、支持ガラスから無機薄膜が剥離し、電子デバイスの製造工程自体に悪影響を与えるおそれもある。
本発明は、支持ガラスの接合面に無機薄膜を形成しなくても、ガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面とを容易に分離できるガラス積層体を提供することを技術的課題とする。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、ガラスフィルム及び支持ガラスを含み、ガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面とが分離可能に密着しているガラス積層体の製造方法であって、ガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面の少なくとも一方にガスを噴射して雰囲気中の分子状汚染物質を付着させる表面処理工程と、ガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面とを分子状汚染物質を介して密着させてガラス積層体を得る積層工程とを備えていることを特徴とする。
本発明において、「分子状汚染物質」とは、クリーンルーム内の雰囲気に含まれる分子状物質であって、フィルターによって物理的に除去することが困難な分子状物質を意味する。分子状汚染物質の詳細な説明については、後述する。
上記の構成によれば、ガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面の少なくとも一方に、雰囲気中の分子状汚染物質がガスによって運ばれて付着する。そのため、この状態でガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面とを密着させれば、ガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面との間に分子状汚染物質が存在するガラス積層体を製造することができる。このようなガラス積層体であれば加熱しても、分子状汚染物質の作用によって、ガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面とが強固に接合されるのが阻止される。そのため、加熱後であってもガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面を容易に分離することができる。
ここで、分子状汚染物質によって分離性が良好に維持される理由は次のように考えられる。すなわち、分子状汚染物質を付着させない場合、加熱前のガラス積層体の接合部はガラス表面のOH基の水素結合によって接合しているが、加熱後のガラス積層体の接合部ではガラス表面のOH基の水素結合が共有結合に変化する。この共有結合によって接合部が強固に接合され、分離できない事態が生じ得る。これに対し、分子状汚染物質を付着させた場合、ガラスフィルムと支持ガラスの間に分子状汚染物質が介在するので、接合部の水素結合が共有結合に変化するのが阻止され、接合部における過度な接合力の増加が防止される。また、加熱により分子状汚染物質が分解すれば、接合部の疎水性が増加する。この疎水性の増加によっても、接合部の水素結合が共有結合に変化するのが阻止され、接合部における過度な接合力の増加が防止される。
上記の構成において、積層工程の後に、ガラス積層体を加熱する加熱工程を備えていることが好ましい。このようにすれば、加熱工程後に、ガラス積層体の接合部の外縁部から液体が侵入(滲み)するのを効果的に防止することができる。液体の種類(例えば、レジストなどの樹脂)によっては、加熱などによってガラスフィルムと支持ガラスを接着してしまう場合もあるので、液体の侵入を防止し得る構成は非常に有用である。ここで、液体の侵入を防止できる理由は、分子状汚染物質の一部が加熱によって分解され、ガラス積層体の接合部における疎水性が増加するためと考えられる。
上記の構成において、加熱工程で、ガラス積層体を200〜300℃で加熱することが好ましい。このようにすれば、ガラス積層体の接合部の外縁部から液体の侵入を防止する効果を、短時間の加熱処理で実現することができる。
上記の構成において、表面処理工程の前に、ガラスフィルムの接合面及び支持ガラスの接合面を洗浄する洗浄工程を備えていることが好ましい。このようにすれば、ガラスフィルムの接合面及び支持ガラスの接合面の清浄度が上がる。そのため、ガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面とをしっかりと密着させることができる。
上記の構成において、ガラスフィルムの接合面及び支持ガラスの接合面のそれぞれの表面粗さRaが、2.0nm以下であることが好ましい。このようにすれば、ガラスフィルムの接合面及び支持ガラスの接合面の平滑性が良好になる。そのため、ガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面とをしっかりと密着させることができる。
上記の構成において、ガスがクリーンドライエアであることが好ましい。このようにすれば、次のような利点がある。第一に、ガスを発生原因とする異物が支持ガラスの接合面及び/又はガラスフィルムの接合面に付着するのを防止することができる。第二に、接合面の余分な水分(例えば、洗浄工程で付着した水分)を乾燥により除去し、分子状汚染物質を効率よく付着させることができる。第三に、使用済みガスの特別な処理が不要であるので、クリーンルーム内で安価に使用することができる。
上記の構成において、積層工程で、ガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面とを減圧雰囲気下で密着させることが好ましい。このようにすれば、ガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面との間に泡が形成されるのを抑制することができる。また、仮に泡が形成されたとしても、減圧下で形成された泡は、電子デバイス製造関連処理工程での減圧工程にて膨張することがない。このため、泡の膨張に伴うガラスフィルムの破損や形成される回路パターンに異常が発生することを防止できる。
上記の構成において、表面処理工程で、支持ガラスの接合面にのみガスを噴射するようにしてもよい。このようにすれば、分子状汚染物質を運ぶガスがガラスフィルムに対して噴射されないため、ガラスフィルムがガスの噴射による振動等で破損する事態を防止できる。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、ガラスフィルム及び支持ガラスを含み、ガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面とが分離可能に密着しているガラス積層体を製造するガラス積層体製造工程と、ガラス積層体のガラスフィルムに加熱処理を伴う電子デバイス製造関連処理を施す電子デバイス製造関連処理工程と、ガラス積層体の支持ガラスから電子デバイス製造関連処理が施されたガラスフィルムを分離させる分離工程とを備えている電子デバイスの製造方法であって、ガラス積層体製造工程では、上記ガラス積層体の製造方法により、ガラス積層体を得ることを特徴とする。このような構成によれば、ガラス積層体の状態でガラスフィルムに加熱処理を伴う電子デバイス製造関連処理を施しても、その後に、電子デバイス製造関連処理が施されたガラスフィルムを支持ガラスから容易に分離することができる。
上記の構成において、電子デバイス製造関連処理工程が、ガラス積層体を液体に接触させる液体処理工程を備え、液体処理工程の前に、ガラス積層体に加熱処理を施すことが好ましい。このようにすれば、液体処理工程で、ガラス積層体の接合部の外縁部から液体が侵入するのを効果的に防止することができる。
以上のような本発明によれば、支持ガラスの接合面に無機薄膜を形成しなくても、ガラスフィルムの接合面と支持ガラスの接合面とを容易に分離できるガラス板積層体を提供することができる。
(a)は、本発明の実施形態に係る電子デバイスの製造方法におけるガラス積層体製造工程で得られるガラス積層体の断面図であり、(b)はそのガラス積層体の平面図である。 本発明の実施形態に係る電子デバイスの製造方法における表面処理工程の実施状況を示す概略側面図である。 ガラス積層体の接合部に含まれる泡の一例を示す部分平面図である。 本発明の実施形態に係る電子デバイスの製造方法における電子デバイス製造関連処理工程の実施状況を示す概略斜視図である。 本発明の実施形態に係る電子デバイスの製造方法における剥離工程の実施状況を示す概略斜視図である。
本発明に係るガラス積層体の製造方法及び電子デバイスの製造方法の一実施形態について説明する。なお、以下では、電子デバイスの製造方法を説明する過程で、ガラス積層体の製造方法を併せて説明するが、ガラス積層体の製造方法は電子デバイスの製造方法から独立して単独実施することもできる。
本実施形態に係る電子デバイスの製造方法は、ガラス積層体製造工程と、電子デバイス製造関連処理工程と、分離工程とを、この順に備えている。ここで、ガラス積層体製造工程は、ガラス積層体の製造方法に相当する。
(ガラス積層体製造工程)
ガラス積層体製造工程は、ガラス積層体を製造する工程である。図1(a)及び(b)に示すように、ガラス積層体1は、ガラスフィルム2及び支持ガラス3を含み、ガラスフィルム2の接合面2aと支持ガラス3の接合面3aとが分離可能に密着している。
本実施形態では、支持ガラス3がガラスフィルム2よりも大きく、ガラスフィルム2の端面から支持ガラス3が食み出している。なお、支持ガラス3はガラスフィルム2と同じ大きさでもよいし、小さくてもよい。すなわち、支持ガラス3の端面とガラスフィルム2の端面が面一であってもよいし、支持ガラス3の端面からガラスフィルム2が食み出していてもよい。
ガラスフィルム2の厚みは、300μm以下であることが好ましく、50〜200μmであることがより好ましい。支持ガラス3の厚みは、700μm以下であることが好ましく、400〜500μmであることがより好ましい。
ガラスフィルム2の接合面2a及び支持ガラス3の接合面3aのそれぞれの表面粗さRaは、好ましくは2.0nm以下であり、より好ましくは1.0nm以下であり、更に好ましくは0.5nm以下であり、最も好ましくは0.2nm以下である。本発明において、表面粗さRaは、JIS R 1683:2014を準用する方法で測定するものとする。
ガラスフィルム2は、外縁部2yを除く中央部分が有効部2xとされる。なお、説明の便宜上、図1(b)では、有効部2xと外縁部2yの仮想的な境界線Xを記載している。
ガラスフィルム2及び支持ガラス3は、例えば、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法、ロールアウト法、フロート法、アップドロー法、リドロー法により製造される。本実施形態では、オーバーフローダウンドロー法により製造されたガラス基板を使用する。この場合、ガラスフィルム2の接合面2a及び支持ガラス3の接合面3aは、未研磨面であることが好ましい。
ガラス積層体製造工程は、本実施形態では、洗浄工程と、表面処理工程と、積層工程と、加熱工程とを、この順で備えている。表面処理工程、積層工程及び加熱工程は、クラス1000又はそれよりも清浄なクリーンルーム内で行われる。洗浄工程は、クリーンルーム内で行ってもよく、クリーンルーム外で行ってもよい。
洗浄工程では、ガラスフィルム2及び支持ガラス3を洗浄する。この洗浄により、ガラスフィルム2の接合面2a及び支持ガラス3の接合面3aのそれぞれの水の接触角度を10°以下にすることが好ましい。ガラスフィルム2の接合面2aや支持ガラス3の接合面3aに付着した異物や汚れは、積層工程で、両接合面2a,3aの間に泡を形成する核になり得るので、洗浄工程で除去するのが好ましい。ここで、異物は、HEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)で補足できる大きさであり、例えばガラス粉などが挙げられる。
表面処理工程では、図2に示すように、支持ガラス3の接合面3aに対して、複数のガス噴射ノズル4からガス5を噴射する。このガス5の噴射により、雰囲気中の分子状汚染物質6を支持ガラス3の接合面3a側に運び、支持ガラス3の接合面3aに付着させる。なお、図2において、説明の便宜上、分子状汚染物質6は拡大して図示しているが、実際の分子状汚染物質6は、微小である。分子状汚染物質6は、例えば、フィルター(例えばHEPAフィルター)で物理的に補足することができない(フィルターを通過可能な)有機分子である。
本実施形態では、ガス5は分子状汚染物質6のキャリアガスであり、分子状汚染物質6を実質的に含んでいない。この場合でも、クリーンルーム内にガラスフィルム2の接合面2a又は支持ガラス3の接合面3aにガス5を噴射することなく、クリーンルーム内にガラスフィルム2又は支持ガラス3を配置するだけで、雰囲気中の分子状汚染物質6が僅かに付着する。この分子状汚染物質6の付着を促進するため、本実施形態では、ガス5を噴射するとともに、ガス5とは別に分子状汚染物質6の発生源(芳香剤7)を配置する。これにより、発生源(芳香剤7)から浮遊した分子状汚染物質6は、ガス5の噴射によって支持ガラス3の接合面3a側に運ばれることとなる。
分子状汚染物質6としては、例えば、各種炭化水素、アルコール、シロキサン、油脂などが挙げられる。本実施形態では、分子状汚染物質6の発生源として芳香剤7を配置しているが、例えば、塗装、クリーナー、シーリング剤、潤滑剤、人体なども分子状汚染物質6の発生源になり得る。したがって、クリーンルーム内に発生源が十分に存在する場合は、芳香剤7のような発生源を配置しなくてもよい。なお、ガス5として、ある程度の含有量で分子状汚染物質を含むガスを用いることも考えられるが、分子状汚染物質を含むガスを生成する設備が必要であること、分子状汚染物質の付着量のコントロールが難しいこと、などの問題がある。
本実施形態では、表面処理工程は、ガラスフィルム2の接合面2aに対しても同様に行って、ガラスフィルム2の接合面2aにも分子状汚染物質6を付着させる。なお、表面処理工程は、支持ガラス3の接合面3aとガラスフィルム2の接合面2aのいずれか一方のみに行ってもよい。この場合、ガラスフィルム2の破損を防止するという観点からは、支持ガラス3の接合面3aに対してのみ行うことが好ましい。
分子状汚染物質6を付着させることによって、ガラスフィルム2の接合面2a及び/又は支持ガラス3の接合面3aの水の接触角を10°〜30°にすることが好ましく、20°〜30°にすることがより好ましい。このような水の接触角であれば、ガラス積層体1を加熱(例えば、250℃以上)した後であっても、ガラスフィルム2と支持ガラス3の分離性が良好になる。
ガス5の噴射流量は、0.05〜1m/minであることが好ましく、0.3〜1m/minであることがより好ましい。ガス5の噴射時間は、5分〜40分であることが好ましく、20分〜40分であることがより好ましい。ガス5の噴射流量や噴射時間によって、ガラスフィルム2の接合面2aや支持ガラス3の接合面3aの水の接触角は調整できる。本発明において、「ガスの噴射流量」は、ガラスフィルム2の接合面2a又は支持ガラス3の接合面3aの1mあたりの噴射流量を意味する。
ガス5は、不活性ガスでもよいが、クリーンドライエアであることが好ましい。クリーンドライエアの露点温度は、例えば、−10℃以下であることが好ましい。
ガス5は、ヒータなどの加熱手段(不図示)で、例えば50℃程度に加熱してもよい。このようにガス5を加熱して噴射すると、表面処理の対象となる、ガラスフィルム2の接合面2a及び/又は支持ガラス3の接合面3aに対する分子状汚染物質6の付着効率が向上する場合がある。
積層工程では、ガラスフィルム2の接合面2aと支持ガラス3の接合面3aとを分子状汚染物質6を介して密着させ、ガラス積層体1を得る。本実施形態では、分子状汚染物質6が付着した支持ガラス3の接合面3aに、分子状汚染物質6が付着したガラスフィルム2の接合面2aが密着される。このようなガラス積層体1であれば加熱しても、分子状汚染物質6の作用によって、ガラスフィルム2の接合面2aと支持ガラス3の接合面3aとが強固に接合されるのが阻止される。そのため、加熱後であってもガラスフィルム2の接合面2aと支持ガラス3の接合面3aを容易に分離することができる。
積層工程では、真空チャンバー内にガラスフィルム2と支持ガラス3を配置し、減圧雰囲気下でガラスフィルム2の接合面2aと支持ガラス3の接合面3aとを密着させることが好ましい。両接合面2a,3aの間に泡がない場合には特に問題ないが、泡が存在する場合、電子デバイス製造関連処理工程に真空工程が含まれているときに、泡が膨張してガラスフィルム2が破損するおそれがある。また、ガラスフィルム2の表面に泡を原因とする凹凸ができ、電子デバイス製造関連処理工程で電極等を形成する際に、パターン不良の原因となる。これに対して、減圧雰囲気下で両接合面2a,3aを密着させると、泡がつぶれる。そのため、泡を原因とするガラスフィルム2の破損やパターン不良が生じるのを防止できる。
減圧雰囲気の圧力は、0.1〜100Paであることが好ましく、0.1〜10Paであることがより好ましい。
加熱工程(第一の加熱工程)では、オーブン内でガラス積層体1を加熱する。加熱工程での加熱温度は、100℃以上であることが好ましく、200℃〜300℃であることがより好ましく、200℃〜250℃であることが更に好ましい。このようにすれば、加熱工程後に、ガラス積層体1の接合部の外縁部、すなわち、ガラスフィルム2の外縁部2yから液体が侵入するのを効果的に防止することができる。電子デバイス製造関連処理工程で使用する液体の種類によっては、加熱などによってガラスフィルム2の接合面2aと支持ガラス3の接合面3aを強固に接着してしまう場合もあるので、液体の侵入を防止し得る構成は非常に有用である。特に、図3に示すように、ガラスフィルム2の外縁部2yには、異物や汚れを核とし、ガラスフィルム2の外方空間に対して開放した泡Bが形成されやすい。このような泡Bは液体の侵入を招きやすいが、加熱工程でガラス積層体1を予め加熱することで、このような泡Bを起点とする液体の侵入も効果的に防止できる。
加熱温度を200℃〜300℃又は200℃〜250℃とする場合、加熱時間は、例えば10分〜30分とすることができる。
(電子デバイス製造関連処理工程)
電子デバイス製造関連処理工程では、透明電極の成膜処理や封止処理等に伴う加熱処理(第二の加熱工程)により、図4に示すように、ガラスフィルム2の有効部2xにデバイス部8が作り込まれた電子デバイス9が、支持ガラス3上に積層された状態となる。
電子デバイス製造関連処理工程の加熱処理では、ガラスフィルム2が例えば200℃〜400℃に加熱される。
電子デバイス製造関連処理工程は、ガラス積層体1に液体(例えば、薬液や樹脂など)を接触させる液体処理工程を備えていてもよい。液体処理工程としては、例えば、洗浄や、透明電極の成膜処理時に行われるウェットエッチングなどが挙げられる。このように液体処理工程を行う場合であっても、本実施形態では、ガラス積層体製造工程の加熱工程において、予めガラス積層体1が加熱されているので、液体処理工程でガラス積層体1の接合部の外縁部から液体が侵入するのを防止できる。ここで、加熱工程は、液体処理工程の前であれば、電子デバイス製造関連処理工程の中で行ってもよい。また、電子デバイス製造関連処理工程の中で、液体処理工程の前に行われる加熱処理を加熱工程として利用してもよい。これらの場合、ガラス積層体製造工程の加熱工程は省略してもよく、ガラス積層体製造工程の加熱工程を併用してもよい。電子デバイス製造関連処理工程の加熱工程又は加熱処理の好ましい条件は、ガラス積層体製造工程の加熱工程と同様である。
分離工程では、図5に示すように、電子デバイス製造処理が施されたガラスフィルム2、すなわち電子デバイス9を支持ガラス3から分離することで、単体の電子デバイス9が製品等として製造される。
以下、本発明に係るガラス積層体の製造方法及び電子デバイスの製造方法を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)支持ガラスとしては、縦寸法が1100mm、横寸法が1300mm、厚みが0.5mmの矩形状の板ガラスを使用した。
(2)ガラスフィルムとしては、縦寸法が1096mm、横寸法が1296mm、厚みが0.2mmの矩形状の薄板ガラスを使用した。
(3)支持ガラス及びガラスフィルムはいずれも、日本電気硝子株式会社製の無アルカリガラス(製品名:OA−10G)を使用した。
(4)支持ガラスの接合面及びガラスフィルムの接合面はいずれも、表面粗さRaが0.2nmであった。
(5)支持ガラスの端面は、R面取りされていた。ガラスフィルムの端面は、面取りされることなく、スクライブ切断されたままの面であった。
(6)支持ガラス及びガラスフィルムは、ロールブラシとpH10のアルカリイオン水を用いて洗浄機内で洗浄した後、リンス液でリンスすると共に、エアナイフで乾燥させた。
(7)支持ガラスとガラスフィルムの両方の接合面にガスを噴射してクリーンルーム内の分子状汚染物質を付着させた。ただし、後述する実施例4では、支持ガラスの接合面のみにガスを噴射してクリーンルーム内の分子状汚染物質を付着させた。ガスはクリーンドライエアとした。ガスの噴射流量は0.5m/minとした。分子状汚染物質の発生源として、クラス1000のクリーンルーム内に芳香剤を配置した。
(8)分子状汚染物質を付着させた後、支持ガラスの接合面と、ガラスフィルムの接合面とを減圧雰囲気下で密着させて積層した。この際、液晶ディスプレイ装置の製造に用いられるODF合着機を使用した。減圧雰囲気の圧力は1Paとした。
上記の(1)〜(8)によって得られた実施例1〜5に係るガラス積層体を、オーブン内で加熱し、その後の分離試験を行った。また、分子状汚染物質を付着する以外は上記の(1)〜(8)と同条件によって得られた比較例に係るガラス積層体についても、オーブン内で加熱し、その後の分離試験を行った。分離試験は、各実施例及び比較例において、同条件で製造されたガラス積層体を10個用意し、その中で、支持ガラスとガラスフィルムの両方を破損させることなく分離できた個数を確認することによって行った。分離試験における分離作業は、支持ガラスのコーナー部を曲げることでガラスフィルムを浮き上がらせ、ガラスフィルムの浮上部分を支持ガラスから引き剥がす方向に引っ張ることによって行った。また、各実施例及び比較例において、ガラス積層体の状態におけるガラスフィルムの有効部と外縁部の泡の個数をカウントし、泡の個数の平均値を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 0006727551
また、上記の実施例1に係るガラス積層体を熱処理前に洗浄液に浸漬すると、外縁部からの液体の浸透が確認された。これに対し、上記の実施例1に係るガラス積層体を250℃で10分間に亘って熱処理した後に洗浄液に浸漬すると、外縁部からの液体の浸透は確認されなかった。熱処理後に分離されたガラスフィルム及び支持ガラスの接合面の接触角は、いずれも21°であった。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、ガラスフィルム2及び/又は支持ガラス3を所定方向に搬送しながら、その搬送経路の途中で、搬送面とは反対側の面に対してガス5を噴射して雰囲気中の分子状汚染物質6を付着させてもよい。
1 ガラス積層体
2 ガラスフィルム
2a 接合面
2x 有効部
2y 外縁部
3 支持ガラス
3a 接合面
4 ガス噴射ノズル
5 ガス
6 分子状汚染物質
7 芳香剤(発生源)
8 デバイス部
9 電子デバイス

Claims (10)

  1. ガラスフィルム及び支持ガラスを含み、前記ガラスフィルムの接合面と前記支持ガラスの接合面とが分離可能に密着しているガラス積層体の製造方法であって、
    前記ガラスフィルムの前記接合面と前記支持ガラスの前記接合面の少なくとも一方の水の接触角が10°以上になるように、ガスを噴射して雰囲気中の分子状汚染物質を付着させる表面処理工程と、前記ガラスフィルムの前記接合面と前記支持ガラスの前記接合面とを前記分子状汚染物質を介して密着させて前記ガラス積層体を得る積層工程とを備えていることを特徴とするガラス積層体の製造方法。
  2. 前記積層工程の後に、前記ガラス積層体を加熱する加熱工程を備えていることを特徴とする請求項1に記載のガラス積層体の製造方法。
  3. 前記加熱工程で、前記ガラス積層体を200〜300℃で加熱することを特徴とする請求項2に記載のガラス積層体の製造方法。
  4. 前記表面処理工程の前に、前記ガラスフィルムの前記接合面及び前記支持ガラスの前記接合面を洗浄する洗浄工程を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス積層体の製造方法。
  5. 前記ガラスフィルムの前記接合面及び前記支持ガラスの前記接合面のそれぞれの表面粗さRaが、2.0nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス積層体の製造方法。
  6. 前記ガスがクリーンドライエアであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス積層体の製造方法。
  7. 前記積層工程で、前記ガラスフィルムの前記接合面と前記支持ガラスの前記接合面とを減圧雰囲気下で密着させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス積層体の製造方法。
  8. 前記表面処理工程で、前記支持ガラスの前記接合面にのみ前記ガスを噴射することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラス積層体の製造方法。
  9. ガラスフィルム及び支持ガラスを含み、前記ガラスフィルムの接合面と前記支持ガラスの接合面とが分離可能に密着しているガラス積層体を製造するガラス積層体製造工程と、前記ガラス積層体の前記ガラスフィルムに加熱処理を伴う電子デバイス製造関連処理を施す電子デバイス製造関連処理工程と、前記ガラス積層体の支持ガラスから前記電子デバイス製造関連処理が施されたガラスフィルムを分離させる分離工程とを備えている電子デバイスの製造方法であって、
    前記ガラス積層体製造工程では、請求項1〜8のいずれか1項に記載のガラス積層体の製造方法により、前記ガラス積層体を得ることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
  10. 前記電子デバイス製造関連処理工程が、前記ガラス積層体に液体を接触させる液体処理工程を備え、前記液体処理工程の前に、前記ガラス積層体に前記加熱処理を施すことを特徴とする請求項9に記載の電子デバイスの製造方法。
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