JP6727165B2 - 導電性磁性複合シートおよびアンテナ・デバイスの作製方法 - Google Patents

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Description

本実施形態は、近接場通信(near field communication)、無線電力充電(wireless power charging)、および磁気保護伝送(magnetic secure transmission)等の分野で使用され得る導電性磁性複合シートの作製方法、およびアンテナ・デバイスの作製方法に関する。
近頃、近接場通信(NFC)、無線電力充電(WPC)、および磁気保護伝送(MST)等の機能を実現するためのアンテナが、携帯電話、タブレット型PC、およびノートブック型PC等の携帯デバイス内に設置されている。しかしながら、他の金属製部品が携帯デバイス内に存在し、携帯デバイス内に形成された交流磁場が当該金属製部品に加わると渦電流が発生し、それによりアンテナの性能低下および認識距離の低減がもたらされる。
従来では、上記問題を解決するために、多数の用途を有するアンテナ・デバイスについては、他方の側にアンテナ・パターン層が形成されたポリイミド基板等の典型的な回路基板(アンテナ)の一方の側に高透過性フェライトシートを取り付けることにより作製していた。これは、フェライトシート等の磁性体がアンテナの磁束を集めるという原理を用いており、それによって、金属表面内への磁場侵入(又は貫通;penetration)および渦電流の発生が抑制され、かつ動作特性が改善され得る。
しかしながら、この場合、すなわち、磁性シートが貼り付けられた回路基板が携帯デバイス内にてアンテナ・デバイスとして搭載される場合、携帯デバイスの様々な部品の実装により必然的に制限される内部空間効率が減少する。また、回路基板と磁性シートとの間の密着性が弱いため、層間剥離が発生し得る。
そのため、当該磁性シートを基材とし、その上に導電箔を積層し、次いでエッチングによりアンテナ・パターンを形成することによって、アンテナ・デバイスを作製しようとする試みが既になされている。しかしながら、当該試みを達成するためには、アンテナ・デバイスの製造のために行われるリフロー若しくははんだ付け処理等の高温熱処理の間に、又は製品へのアンテナ・デバイスの適用の間に層間剥離が発生しないように、強固な中間層の接着を確保する必要がある。
従って、本実施形態の目的は、近接場通信(NFC)、無線電力充電(WPC)、および磁気保護伝送(MST)等の多くの用途に使用され得る磁性特性および層間接着性に優れた導電性磁性複合シートの作製方法を供することにある。また、本実施形態の他の目的は、導電性磁性複合シートを用いたアンテナ・デバイスの作製方法を供することにある。
一実施形態によれば、導電性磁性複合シートの作製方法であって、磁性粉末およびバインダー樹脂を含んで成る(又は有して成る又は含む;comprise)磁性シートを作製すること;磁性シートと第1導電箔(又は伝導箔;conductive foil)とを積み重ねること;並びに得られた積重体(又はスタック;stack)に熱および圧力を加えて、磁性シートと第1導電箔とを共に(又は一体的に;together)接合させることを含んで成る、方法が供される。
上記実施形態では、バインダー樹脂が熱硬化性樹脂であり、バインダー樹脂が、積重体に熱および圧力を加える工程で硬化される間に磁性シートを第1導電箔に接合し得る。
上記実施形態では、第1導電箔が該第1導電箔の一方の側に形成される第1プライマー層を有し、磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ね得る。
別の実施形態によれば、導電性磁性複合シートの作製方法であって、磁性粉末およびバインダー樹脂を含んで成る磁性シートを作製すること;第1導電箔と磁性シートと第2導電箔とを積み重ねること;並びに得られた積重体に熱および圧力を加えて、第1導電箔と、磁性シートと、第2導電箔とを共に接合することを含む、方法が供される。
別の実施形態によれば、アンテナ・デバイスの作製方法であって、磁性粉末およびバインダー樹脂を含んで成る磁性シートを作製すること;磁性シートと第1導電箔とを積み重ねること;得られた積重体に熱および圧力を加えて、磁性シートと第1導電箔とを接合させること;並びに第1導電箔をエッチングして第1導電箔にアンテナ・パターンを形成することを含む、方法が供される。
本実施形態によれば、NFC、WPC、およびMSTの周波数において優れた磁気特性を有すると共に、磁性シートと導電箔との間に層間接着性に優れた導電性磁性複合シートを作製し得る。特に、本実施形態により作製された導電性磁性複合シートの層間剥離は、過酷な環境条件下、例えば製品への適用のための高温熱処理の場合でさえも生じ得ない。
具体的な実施形態によれば、半硬化または未硬化の熱硬化性樹脂を含む磁性シートを導電箔と積み重ね、熱および圧力により熱硬化性樹脂を硬化させるため、磁性シートと導電箔とが別の接着剤層がなくても優れた接着強度で積層され得る。従って、接着剤を被覆し接着剤被覆層を乾燥させて接着剤層を形成する工程が必要ないため、製造効率および経済効率が向上され得る。また、接着剤層が存在しないために全厚さが減じられ、接着剤層による磁気特性の低下が防止され得る。
また、本発明の別の実施形態によれば、導電箔の片面に形成されたプライマー層は、磁性シートとの積層の間に熱と圧力によって硬化され、それにより導電箔と磁性シートとの間の接合強度を高めることができる。したがって、アンテナ・デバイスの製造又は製品へのアンテナ・デバイスの適用のために行われるリフロー又ははんだ付け処理等の高温熱処理の間に層間剥離が生じない。更に、硬化したプライマー層は、磁性シートの保護層としても機能することにより、様々な外部環境において磁性シート中の磁性粉末に生じ得る錆又は変形を防止することができ、およびアンテナ・デバイスの作製のためのパターニングに使用されるエッチング液からの磁性シートを保護する役割を担うことができる。
更に、磁性シートは、ポリマー系シートとして優れた可撓性を有するのみでなく、優れた磁気特性を有するために多くの磁性粉末を含み得る。
従って、本実施形態に係る方法により作製された導電性磁性複合シートおよびアンテナ・デバイスは、NFC、WPCおよびMSTに適したものとなり得る。
図1は、一実施形態に係る磁性シートの断面図を示す。 図2Aは、一実施形態に係る導電性磁性複合シートの断面図を示す。 図2Bは、一実施形態に係る導電性磁性複合シートの断面図を示す。 図3は、一実施形態に係る磁性シートの作製工程を示す。 図4は、一実施形態に係る導電性磁性複合シートの作製工程を示す。 図5は、ロール・ツー・ロール・プロセスを示す。 図6は、バッチプロセスを示す。 図7は、一実施形態に係る導電性磁性複合シートの作製工程を示す。 図8は、一実施形態に係る導電性磁性複合シートの作製工程を示す。 図9は、一実施形態に係るアンテナ・デバイスの断面図を示す。 図10Aは、一実施形態に係るアンテナ・デバイスの平面図を示す。(黒色のパターンで示される部分は前方パターンであり、ハッチングされた部分は後方パターンであり、および円として示される部分はビアである。) 図10Bは、一実施形態に係るアンテナ・デバイスの平面図を示す。(黒色のパターンで示される部分は前方パターンであり、ハッチングされた部分は後方パターンであり、および円として示される部分はビアである。) 図10Cは、一実施形態に係るアンテナ・デバイスの平面図を示す。(黒色のパターンで示される部分は前方パターンであり、ハッチングされた部分は後方パターンであり、および円として示される部分はビアである。) 図11Aは、一実施形態に係るアンテナ・デバイスの平面図を示す。 図11Bは、一実施形態に係るアンテナ・デバイスの断面図を示す。 図12Aは、一実施形態に係るアンテナ・デバイスの作製工程を示す。 図12Bは、一実施形態に係るアンテナ・デバイスの作製工程を示す。 図12Cは、一実施形態に係るアンテナ・デバイスの作製工程を示す。 図13は、外部端子を有する一実施形態に係るアンテナ・デバイスの信号伝送および受信を模式的に示す。 図14は、外部端子を用いた一実施形態に係るアンテナ・デバイスの信号伝送および受信を模式的に示す。 図15は、リフローテストでの熱処理条件を示す。 図16は、外部端子を用いた従来のアンテナ・デバイスの信号伝送および受信を示す。
一実施形態によれば、導電性磁性複合シートの作製方法であって、磁性粉末およびバインダー樹脂を含んで成る磁性シートを作製すること;磁性シートと第1導電箔とを積み重ねること;並びに得られた積重体に熱および圧力を加えて、磁性シートと第1導電箔とを共に接合させることを含んで成る、方法が供される。
この実施形態では、積重体に熱および圧力を加える工程を5MPa〜30MPaの圧力および150℃〜200℃の温度で行い得る。
更に、積み重ね工程および積重体に熱および圧力を加える工程をロール・ツー・ロール・プロセスにより実施し、該ロール・ツー・ロール・プロセスを、150℃〜200℃のロール温度、5MPa〜30MPaのロール圧力、および2〜10対のロールを用いることで1m/分〜5m/分の速度で実施し得る。
更に、磁性シートが、可撓性を有する厚さが10μm〜3000μmの非焼結シートであり得る。
更に、磁性シートが、該磁性シートの全重量基準で、70重量%〜90重量%の磁性粉末と、バインダー樹脂として6重量%〜12重量%のポリウレタン系樹脂、0.5重量%〜2重量%のイソシアネート系硬化剤および0.3重量%〜1.5重量%のエポキシ系樹脂とを含んで成り得る。
更に、磁性シートが、周波数が3MHzである交流に基づいて100〜300の透磁率、周波数が6.78MHzである交流に基づいて80〜270の透磁率、および周波数が13.56MHzである交流に基づいて60〜250の透磁率を有し得る。
更に、導電性磁性複合シートが、2度熱処理に付される際に磁性シートと第1導電箔との間に0.6kgf/cm以上の剥離強度を有し、該熱処理が200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱すること、および次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成され得る。
更に、バインダー樹脂が熱硬化性樹脂であり、バインダー樹脂が、積重体に熱および圧力を加える工程で硬化される間に磁性シートを第1導電箔に接合し得る。
この場合、導電性磁性複合シートが、2度熱処理に付される際に磁性シートと第1導電箔との間に0.6kgf/cm以上の剥離強度を有し、該熱処理が200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱すること、および次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成され、磁性シートが、可撓性を有する厚さが10μm〜3000μmの非焼結シートであり、磁性シートが、周波数が3MHzである交流に基づいて100〜300の透磁率;周波数が6.78MHzである交流に基づいて80〜270の透磁率;および周波数が13.56MHzである交流に基づいて60〜250の透磁率;2度熱処理に付される際に5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化;2N塩酸溶液中に30分間浸される際にて5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化;並びに2N水酸化ナトリウム溶液中に30分間浸される際にて5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化を有し、前記熱処理が200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱すること、および次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成され得る。
更に、第1導電箔が該第1導電箔の一方の側に形成される第1プライマー層を有し、磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ね得る。
この場合、第1プライマー層が熱硬化性樹脂を含んで成り、熱および圧力を積重体に加える工程で第1プライマー層内の熱硬化性樹脂を硬化させ得る。
又、熱硬化性樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、またはテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂を含んで成り得る。
更に、第1プライマー層が0.01μm〜1μmの厚さを有し得る。
別の実施形態によれば、導電性磁性複合シートの作製方法であって、磁性粉末およびバインダー樹脂を含んで成る磁性シートを作製すること;第1導電箔と磁性シートと第2導電箔とを積み重ねること;並びに得られた積重体に熱および圧力を加えて、第1導電箔と、磁性シートと、第2導電箔とを共に接合することを含む、方法が供される。
この実施形態では、バインダー樹脂が熱硬化性樹脂であり、バインダー樹脂が、積重体に熱および圧力を加える工程で硬化される間に第1導電箔、磁性シートおよび第2導電箔を共に接合し得る。
更に、第1導電箔は該第1導電箔の一方の側に形成された第1プライマー層を有し、第2導電箔は該第2導電箔の一方の側に形成された第2プライマー層を有し、
磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ね、磁性シートの他方の側が第2導電箔の第2プライマー層と接するように磁性シートと第2導電箔とを積み重ね、第1プライマー層および第2プライマー層は熱硬化性樹脂を含んで成り、熱および圧力を積重体に加える工程で第1プライマー層および第2プライマー層内の熱硬化性樹脂を硬化させ得る。
別の実施形態によれば、アンテナ・デバイスの作製方法であって、磁性粉末およびバインダー樹脂を含んで成る磁性シートを作製すること;磁性シートと第1導電箔とを積み重ねること;得られた積重体に熱および圧力を加えて、磁性シートと第1導電箔とを接合させること;並びに第1導電箔をエッチングして第1導電箔にアンテナ・パターンを形成することを含む、方法が供される。
この実施形態では、バインダー樹脂が熱硬化性樹脂であり、バインダー樹脂が、積重体に熱および圧力を加える工程で硬化される間に磁性シートと第1導電箔とを接合し得る。
更に、第1導電箔が該第1導電箔の一方の側に形成される第1プライマー層を有し、磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ね、第1プライマー層が熱硬化性樹脂を含んで成り、熱および圧力を積重体に加える工程で第1プライマー層内の熱硬化性樹脂を硬化させ得る。
更に、 磁性シートが、可撓性を有する厚さが10μm〜3000μmの非焼結シートであり、磁性シートが、周波数が3MHzである交流に基づいて100〜300の透磁率;周波数が6.78MHzである交流に基づいて80〜270の透磁率;および周波数が13.56MHzである交流に基づいて60〜250の透磁率;2度熱処理に付される際に5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化;2N塩酸溶液中に30分間浸される際にて5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化;並びに2N水酸化ナトリウム溶液中に30分間浸される際にて5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化を有し、前記熱処理が200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱すること、および次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成され得る。
下記実施形態の説明では、層、箔またはシートを、別の層、箔またはシートの「上に」または「下にある」と言及する際、「上」および「下」の用語は、 「直接的」および「間接的」の両方の意味を含む。また、各要素の上下についての説明は、図面に基づいて行うものとする。図面では、より良い理解のために、各要素の大きさ又は間隔は誇張されており、当業者に自明な内容は図示していない場合がある。
図1は、一実施形態に係る磁性シートの断面図である。
磁性シート100は、磁性粉末110およびバインダー樹脂120を含んで成る。
すなわち、磁性シート100は、高分子シート(PMS)であり得る。具体的には、磁性シート100は、磁性粉末110およびバインダー樹脂120を含む非焼結硬化シートであり得る。また、磁性シート100は、可撓性磁性シートであり得る。
磁性シート100は磁性粉末110を含む。
磁性粉末は、フェライト(Ni−Zn系、Mg−Zn系、Mn−Zn系フェライト)等の酸化物磁性粉末;パーマロイ、センダスト、Fe−Si−Cr合金、Fe−Siナノ結晶等の金属磁性粉末;またはこれらの混合粉末であり得る。例えば、磁性粉末は、Fe−Si−Al合金組成物を有するセンダスト粉末であってよい。
具体的な例として、磁性粉末は、下記式1の組成物を有し得る。
Figure 0006727165

式1において、Xはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、又はこれらの組合せであり;
Yはマンガン(Mn)、ホウ素(B)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、又はこれらの組合せであり;並びに
0.01≦a≦0.2、0.01≦b≦0.1および0≦c≦0.05である。
磁性粉末の粒径は、約3nm〜約1mmの範囲である。例えば、磁性粉末の粒径は、約1μm〜約300μm、約1μm〜約50μm、又は約1μm〜約10μmの範囲であってよい。磁性粉末の平均粒子径が上記好ましい範囲内である場合、十分な磁気特性が得られ、磁性シートにビアを形成する際のショートを抑制し得る。
磁性粉末は機能性材料で被覆され得る。例えば、磁性粉末の個々の粒子の表面は、腐食防止コーティングまたは絶縁コーティングされ得る。
例えば、磁性粉末は有機材料で被覆されていてよく、特に耐腐食性および/または絶縁性を有するポリマーで被覆されていてよい。
従って、磁性粉末の個々の粒子は、コアおよび当該コアの表面を取り囲むシェルから構成され得る。この場合、コアは、フェライト等の酸化物磁性材;パーマロイ、センダスト、Fe−Si−Cr合金、およびFe−Siナノ結晶等の金属磁性材;またはこれらの混合組成を含み得る。また、シェルは、耐腐食性および/または絶縁性を有するポリマー樹脂を含み得る。シェルの厚さは、0.1μm〜20μm、または1μm〜10μmの範囲であってよい。
硬化性樹脂はバインダー樹脂120として使用され得る。具体的には、バインダー樹脂は、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂および/または高耐熱性熱可塑性樹脂を含み得る。好ましくは、バインダー樹脂は熱硬化性樹脂を含み得る。
硬化して接着性を示し得る樹脂としては、グリシジル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、又はアミド基等の少なくとも1つの熱硬化性官能基又は部分を含む樹脂;またはエポキシド基、環状エーテル基、スルフィド基、アセタール基、またはラクトン基等の少なくとも1つの活性エネルギー硬化性官能基または部分を使用し得る。そのような官能基または部分は、例えば、イソシアネート基(−NCO)、ヒドロキシル基(−OH)、またはカルボキシル基(−COOH)であり得る。
具体的には、硬化性樹脂の例としては、上記のように少なくとも1つの官能基又は部分を有するポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、またはエポキシ樹脂が挙げられるが、硬化性樹脂はこれらに限定されるものではない。
一実施形態によれば、バインダー樹脂は、ポリウレタン系樹脂、イソシアネート系硬化剤(hardener)またはエポキシ系樹脂を含み得る。
ポリウレタン系樹脂は、下記の式2aおよび2bで表される繰り返し単位を含み得る。
Figure 0006727165

Figure 0006727165
式2aおよび2bにおいて、
およびRはそれぞれ独立してC1〜5アルキレン基、尿素基またはエーテル基であり;
およびRはそれぞれ独立してC1〜5アルキレン基であり;並びに
1〜5アルキレン基の各々は、非置換である、またはハロゲン、シアノ、アミノ、およびニトロからなる群から選択される少なくとも1つの置換基で置換される。
ポリウレタン系樹脂は、式2aで表される繰り返し単位と式2bで表される繰り返し単位とを1:10〜10:1のモル比で含み得る。
ポリウレタン系樹脂は、約500g/mol〜約50000g/mol、約10000g/mol〜約50000g/mol、又は約10000g/mol〜約40000g/molの数平均分子量を有し得る。イソシアネート系硬化剤は、有機ジイソシアネートであり得る。
例えば、イソシアネート系硬化剤は、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートまたはこれらの混合物であってよい。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、1〜2個のC6〜20アリール基を有するジイソシアネートが挙げられる。具体的には、芳香族ジイソシアネートは、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル−ジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ベンジルイソシアネート、ジアルキル−ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキル−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、またはキシレンジイソシアネートであってよい。
脂環式ジイソシアネートは、例えば1〜2個のC6〜20シクロアルキル基を有するジイソシアネートであってよい。具体的には、脂環式ジイソシアネートは、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、またはメチルシクロヘキサンジイソシアネートであってよい。
好ましくは、イソシアネート系硬化剤は、脂環式ジイソシアネートであり、特にイソホロンジイソシアネートである。
エポキシ系樹脂の例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂およびテトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、スピロ環型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;テルペン型エポキシ樹脂;トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、α−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ系樹脂は単独で用いられてよく、又2つ以上を組み合わせて用いられてよい。
これら樹脂の中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、又はテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂が接着性および耐熱性を考慮して使用され得る。
エポキシ系樹脂は、約80g/eq〜約1000g/eq、または約100g/eq〜約300g/eqのエポキシ当量を有し得る。また、エポキシ系樹脂は約10000g/mol〜50000g/molの数平均分子量を有し得る。
更に、磁性シート100は腐食防止剤を含み得る。腐食防止剤の例としては、有機腐食防止剤および無機腐食防止剤であってもよい。
有機腐食防止剤の具体例としては、アミン、尿素、メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、アルデヒド、複素環窒素化合物、硫黄含有化合物、アセチレン化合物、アスコルビン酸、コハク酸、トリプタミンまたはカフェインが挙げられる。
例えば、腐食防止剤は、N−ベンジル−N,N−ビス[(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−1−イル)メチル]アミン、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−N−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェニル]アニリン、トリス(ベンズイミダゾール−2−イルメチル)アミン、N−(2−フルフリル)−p−トルイジン、N−(5−クロロ−2−フルフリル)−p−トルイジン、N−(5−ニトロ−2−フルフリル)−p−トルイジン、N−(5−メチル−2−フルフリル)−p−トルイジン、N−(ピペリジノメチル)−3−[(ピリジリデン)アミノ]イサチン、テトラキス[エチレン−3−(3,5−ジ−3級(tert)ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、またはこれらの混合物であってよい。
磁性シートは、50重量%以上または70重量%以上の磁性粉末を含み得る。例えば、磁性シートは、50重量%〜95重量%、70重量%〜90重量%、70重量%〜90重量%、75重量%〜90重量%、75重量%〜95重量%、80重量%〜95重量%、又は80重量%〜90重量%の磁性粉末を含み得る。又、この場合、磁性粉末は式1の組成物を有し得る。
更に、磁性シートは、5重量%〜40重量%、5重量%〜20重量%、5重量%〜15重量%、又は7重量%〜15重量%のバインダー樹脂を含み得る。
また、磁性シートは、磁性シートの総重量を基準にして、バインダー樹脂として6重量%〜12重量%のポリウレタン系樹脂、0.5重量%〜2重量%のイソシアネート系硬化剤、0.3重量%〜1.5重量%のエポキシ系樹脂を含み得る。
更に、磁性シートは、1重量%〜10重量%、1重量%〜8重量%、又は3重量%〜7重量%の腐食防止剤を含み得る。
具体的な例によれば、磁性シートは、磁性シートの全重量基準で70重量%〜90重量%の磁性粉末、並びにバインダー樹脂として6重量%〜12重量%のポリウレタン系樹脂、0.5重量%〜2重量%のイソシアネート系硬化剤および0.3重量%〜1.5重量%のエポキシ系樹脂を含み得る。また、この場合、磁性粉末は式1の組成を有し、ポリウレタン系樹脂は式2aおよび式2bで表される繰り返し単位を含み、イソシアネート系硬化剤は脂環式ジイソシアネートであり、およびエポキシ系樹脂はビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂又はテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂であり得る。
磁性シートの厚さは約10μm〜約3000μmの範囲であり得る。例えば、磁性シート100の厚さは、約10μm〜約500μm、約40μm〜約500μm、約40μm〜約250μm、約50μm〜約250μm、約50μm〜約200μm、又は約50μm〜約100μmの範囲であってよい。
磁性シートは、周波数が3MHzの交流で約100〜約300の透磁率を有し、周波数が6.78MHzの交流で約80〜約270の透磁率を有し、周波数13.56MHzの交流で約60〜約250の透磁率を有し得る。
また、磁性シートは、周波数が3MHzの交流で約190〜約250の透磁率を有し、6.78MHzの周波数を有する交流で約180〜約230の透磁率を有し、周波数13.56MHzの交流で約140〜約180の透磁率を有し得る。
更に、磁性シートは、様々なデバイスで使用されるように可撓性を有し得る。
例えば、磁性シートは、90度および35RPMの条件下でのMIT折り曲げ試験において100回、1000回又は10000回の曲げの後でさえ切断され得ない。また、90度および35RPMの条件下でのMIT折り曲げ試験において100回、1000回、又は10000回の曲げ後の磁気シートの透磁率の変化は、約10%以下又は約5%以下であり得る。
また、熱処理を2回行った場合、磁性シートは約5%以下の厚み変化および約5%以下の透磁率変化を有し得る。当該熱処理は、200秒間一定割合で30度から240度まで加熱すること、次いで100秒間一定割合で240度から130度まで冷却することから構成される。具体的には、熱処理を2回繰り返す場合、磁性シートの厚み変化は約3%以下であり、磁性シートの透磁率変化は約3%以下であり得る。より具体的には、磁性シートの厚み変化は約1 %以下であり、磁性シートの透磁率変化は約1%以下であり得る。
また、磁性シートは、様々な環境に耐えることができる耐化学性を有し得る。例えば、2N塩酸溶液中に30分間浸した際の磁性シートの厚み変化は約5%以下であり、磁性シートの透磁率変化は約5%以下であり得る。2N水酸化ナトリウム溶液に30分間浸した際の磁性シートの厚み変化は約5%以下であり、磁性シートの透磁率変化は約5%以下であり得る。具体的には、2N塩酸溶液中に30分間浸した際の磁性シートの厚み変化は約3%以下であり、磁性シートの透磁率変化は約3%以下であり得る。2N水酸化ナトリウム溶液に30分間浸した際の磁性シートの厚み変化は約3%以下であり、磁性シートの透磁率変化は約3%以下であり得る。より具体的には、2N塩酸溶液中に30分間浸した際の磁性シートの厚み変化は約1%以下であり、磁性シートの透磁率変化は約1%以下であり得る。2N水酸化ナトリウム溶液に30分間浸した際の磁性シートの厚み変化は約1%以下であり、磁性シートの透磁率変化は約1%以下であり得る。
更に、磁性シートは、様々な腐食環境に耐えることができる耐食性を有し得る。例えば、KS D 9502に基づく塩噴霧試験では、磁気シートのレーティング数が9.8以上であり得る。例えば、レーティングナンバー法は、腐食の程度が有効面積に対する腐食面積の比により示される評価法であり、腐食の程度は0〜10の尺度で評価される。
また、約2NのNaCl溶液に10分間浸した場合、磁性シートの重量変化は約10%以下または約5%以下であり得る。さらに、約2NのNaCl溶液に10分間浸した場合、磁性シートの透磁率変化は約10%以下または約5%以下であり得る。
また、72時間85℃かつ85%RHの高温多湿条件に磁性シートを付す場合、磁性シートの厚さ変化および透磁率変化は、いずれも10%以下、具体的には5%以下、より具体的には2%以下であり得る。
また、磁性シートは高い破壊電圧を有し得る。例えば、磁性シートは、3kV以上、3.5kV以上、または4kV以上の破壊電圧を有し得る。具体的には、磁性シートは、3kV〜6kV、3.5kV〜5.5kV、4kV〜5kV、または4kV〜4.5kVの破壊電圧を有し得る。
さらに、磁性シートは優れた絶縁特性を有し得る。例えば、シート上にて500μm以上相互に離隔した2点間に電流を流す場合、磁性シートの抵抗値は1×10Ω以上、1×10Ω以上、又は1×10Ω以上であり得る。シート上にて500μm以上相互に離隔した2点間に電流を流す場合、磁性シートの抵抗値の測定が不可能である、又は磁性シートの抵抗値が無限大であることが好ましい。
本実施形態に係る磁性シートは、磁性粉末とバインダー樹脂とを混合する工程、シート状の混合物を成形する工程、および当該シートを乾燥させる工程を含む方法により作製され得る。この場合、上記例示したものと同じ種類および量の磁性粉末およびバインダー樹脂が使用され得る。
具体的には、(i)バインダー樹脂および溶媒に磁性粉末を分散させてスラリーを作製する工程;および(ii)スラリーをシート状に成形し、シートを乾燥させる工程を含む方法により、磁性シートが作製され得る。
一実施形態では、磁性シートの作製方法は、(1)ポリウレタン系樹脂、イソシアネート系硬化剤、およびエポキシ系樹脂を混合してバインダー樹脂を作製する工程;(2)バインダー樹脂と磁性粉末および有機溶媒とを混合してスラリーを作製する工程;および(3)スラリーをシート状に成形し、シートを乾燥させる工程を含む。当該磁性シートは、磁性シートの全重量基準で、バインダー樹脂として6重量%〜12重量%のポリウレタン系樹脂、0.5重量%〜2重量%のイソシアネート系硬化剤、および0.3重量%〜1.5重量%のエポキシ系樹脂を含む。
具体的な例としては、まず、ポリウレタン系樹脂、イソシアネート系硬化剤、およびエポキシ系樹脂に加えて磁性粉末を溶媒に加え、分散機(プラネタリーミキサー、ホモミキサー、ノービードミルなど)を用いて分散させて、約100cPs〜約10000cPsの粘度を有するスラリーを作製する。その後、コンマコーターによりキャリアフィルム上にスラリーを塗布し、乾燥磁性シートとして形成する。所望の厚さに応じて速度および温度を制御し、乾燥機を用いて溶媒を除去し、成形されたシートを巻き取ることにより、乾燥磁性シートを高分子磁性シート(PMS)に作製し得る。
図3を参照すると、乾式磁性シート101の作製工程をロール・ツー・ロール・プロセスで行う場合、キャリアフィルム400上にコーター500により磁性粉末とバインダー樹脂とを含むスラリーを塗布し、次いで乾燥させることで乾式磁性シート101を作製し得る。この場合、乾燥磁性シート101には、未硬化または半硬化状態のバインダー樹脂121が含まれていてよい。
すなわち、このようにして作製された乾式磁性シートは、バインダー樹脂の硬化が完了していない磁性シートであってよい。
また、乾燥後ホットプレスにより磁性シートを硬化させてよい。
すなわち、磁性シートの作製方法は、工程(3)実施後、1MPa〜100MPaの圧力および100℃〜300℃の温度で磁性シートをホットプレスすることにより、磁性シート中のバインダー樹脂を硬化させる工程を更に含んでいてよい。
その結果、得られる磁性シートは、バインダー樹脂の硬化が完了した磁性シートであり得る。
一実施形態に係る導電性磁性複合シートは、磁性シートおよび磁性シートの少なくとも一方の側に設けられた導電箔を含む。
図2Aおよび図2Bは、一実施形態に係る導電性磁性複合シートの断面図を示す。図2Aに示すように、一実施形態に係る導電性磁性複合シートは、磁性シート100、第1導電箔210、および第2導電箔220を有する。図2Bに示すように、一実施形態に係る導電性磁性複合シートは、第1プライマー層310および第2プライマー層320を更に有し得る。
ある好ましい実施形態では、導電性磁性複合シートは、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シート;および磁性シートの一方の側に直接接合された第1導電箔を含む。導電性磁性複合シートは、磁性シートの他方の側に直接接合された第2導電箔を更に含み得る。
別の好ましい実施形態では、導電性磁性複合シートは、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シート;磁性シートの一方の側に配置された第1導電箔;および磁性シートと第1導電箔との間に配置され、これらを互いに接合する第1プライマー層を含む。導電性磁性複合シートは、磁性シートの他方の側に配置された第2導電箔;および磁性シートと第2導電箔との間に配置され、これらを互いに接合する第2プライマー層を更に含み得る。
すなわち、導電性磁性複合シートは、導電箔および磁性シートが(プライマー層によって)積層された複合シートである。例えば、導電性磁性複合シートは、銅が積層された磁性複合シートであってよい。
導電性磁性複合シートに含まれる磁性シート100は、上述した実施形態の磁性シートと実質的に同一の組成および特性を有してよく、実質的に同じ方法で作製されてよい。
磁性シート100は、周波数3MHzの交流で100〜300の透磁率、周波数6.78MHzの交流で80〜270の透磁率、周波数13.56MHzの交流で60〜250の透磁率を有し得る。
具体的な例によれば、磁性シートは、磁性シートの全重量基準で70重量%〜90重量%の磁性粉末、並びにバインダー樹脂として6重量%〜12重量%のポリウレタン系樹脂、0.5重量%〜2重量%のイソシアネート系硬化剤および0.3重量%〜1.5重量%のエポキシ系樹脂を含み得る。また、この場合、磁性粉末は式1の組成を有し、ポリウレタン系樹脂は式2aおよび式2bで表される繰り返し単位を含み、イソシアネート系硬化剤は脂環式ジイソシアネートであり、およびエポキシ系樹脂はビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂又はテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂であり得る。
導電箔は、磁性シートの少なくとも一方の側に配置される。すなわち、導電箔は、磁性シートの一方の側および/または他方の側に配置される。
導電箔は導電性材料を含み得る。例えば、導電箔は導電性金属を含み得る。すなわち、導電箔は金属層であり得る。例えば、導電箔は、銅、ニッケル、金、銀、亜鉛およびスズからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含んでよい。具体的には、導電箔は金属箔であり得る。例えば、導電箔は銅箔であってよい。
導電箔の厚さは、約6μm〜約200μm、例えば、約10μm〜約150μm、約10μm〜約100μm、又は約20μm〜約50μmの範囲であり得る。
好ましい実施形態によれば、図2Aに示すように、第1導電箔210および第2導電箔220は、別個の接着剤層なしで磁性シート100に直接結合され得る。したがって、導電箔は、磁性シートの表面に直接接触され得る。この場合、導電箔は、磁性シートのバインダー樹脂に直接接合され得る。具体的には、導電箔は、バインダー樹脂を構成する熱硬化性樹脂に直接接合され得る。
また、磁性シートと導電箔との間に接着剤層が配置され得る。すなわち、導電性磁性複合シートは、磁性シートと導電箔との間に配置された接着剤層を更に含み得る。この場合、接着剤層は磁性シートおよび導電箔と直接接触し得る。
従って、接着剤層は導電箔を磁性シートに接着し得る。接着剤層の厚さは、約0.1μm〜約20μmの範囲であり得る。具体的には、接着剤層の厚さは、約0.1μm〜約10μm、約1μm〜約7μm、又は約1μm〜約5μmの範囲であり得る。
接着剤層は、熱硬化性樹脂または高耐熱性熱可塑性樹脂を含み得る。具体的には、接着剤層はエポキシ系樹脂を含み得る。接着剤層は、熱硬化によって磁性シートを導電箔に接合し得る。これにより、接着剤層は、高い耐熱性および高い接着性を有し得る。
例えば、接着剤層は、熱硬化性樹脂を含むことにより、高い耐化学性を有し得る。これにより、接着剤層は磁性シートを保護する役割を果たし得る。すなわち、エッチング液(又はエッチャント;etchant)を用いて導電箔をエッチングする場合、接着剤層はエッチング液から磁性シートを保護し得る。
従って、導電箔は磁性シートに直接接合され得る、又は接着剤層を介して磁性シートに接合され得るため、導電箔は高い接着強度で接合され得る。具体的には、磁性シートを構成する熱硬化性樹脂または接着剤層を硬化させて導電箔を接合するため、高温熱処理工程を経ても磁性シートと導電箔との間の接合強度は減じられ得ない。
別の好ましい実施形態によれば、図2Bに示すように、第1プライマー層310および第2プライマー層320は、磁性シート100と第1導電箔210との間および磁性シート100と第2導電箔220との間にそれぞれ配置される。すなわち、導電性磁性複合シートは、磁性シート100と第1導電箔210との間および磁性シート100と第2導電箔220との間にそれぞれ配置される第1プライマー層310および第2プライマー層320を更に含む。この場合、プライマー層は、磁性シート100並びに第1導電箔210および第2導電220と直接接触する。
したがって、プライマー層は導電箔を磁性シートに接合し得る。プライマー層の厚さは、約0.01μm〜約20μmの範囲であり得る。具体的には、プライマー層の厚さは、約0.01μm〜約10μm、約0.01μm〜約7μm、約0.01μm〜約5μm、または約0.01μm〜約3μmの範囲であり得る。
具体例として、第1プライマー層(および第2プライマー層)は、0.01μm〜1μmの厚みを有し得る。
プライマー層は、熱硬化性樹脂または高耐熱性熱可塑性樹脂を含み得、具体的にはエポキシ系樹脂を含み得る。
具体例として、第1プライマー層(および第2プライマー層)は熱硬化性樹脂を含み、第1プライマー層(および第2プライマー層)の熱硬化性樹脂は、積層体に熱および圧力を加える工程にて硬化され得る。
エポキシ系樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂およびテトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;スピロ環型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;テルペン型エポキシ樹脂;トリス(グリシジルオキシフェニル)メタンおよびテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、α−ナフトールノボラック型エポキシ樹脂および臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ系樹脂は、単一でまたは2つ以上を組み合わせて用いられ得る。
これらの樹脂の中でも、接着性および耐熱性を考慮して、第1プライマー層(および第2プライマー層)には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、またはテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂が使用され得る。
エポキシ系樹脂は、約80g/eq〜約1000g/eq、又は約100g/eq〜約300g/eqのエポキシ当量を有し得る。また、エポキシ系樹脂は、約10000g/mol〜50000g/molの数平均分子量を有し得る。
具体例として、第1プライマー層(および第2プライマー層)は、0.01μm〜1μmの厚みを有し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、またはテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂を含み得る。
プライマー層は、熱硬化によって磁性シートを導電箔に接合することができる。したがって、プライマー層は、高い耐熱性および高い接合強度を有し得る。
また、プライマー層は、熱硬化性樹脂を含むことにより耐化学性が高いものとなり得る。したがって、プライマー層は磁性シートを保護する役割を果たし得る。すなわち、導電性箔をエッチング液でエッチングすると、プライマー層はエッチング液から磁性シートを保護し得る。
磁性シートまたはプライマー層を構成する熱硬化性樹脂を硬化させて導電箔は接合されるため、製品への適用のために実施されるリフローまたははんだ付け工程等の高温熱処理工程に導電箔を付したとしても、磁性シートと導電箔との間の接合強度は低下され得ない。
好ましくは、導電性磁性複合シートは、導電箔と磁性シートとの間の剥離強度として0.6kgf/cm以上、例えば0.6kgf/cm〜20kgf/cm、0.6kgf/cm〜10kgf/cm、0.6kgf/cm〜5kgf/cm、又は0.6kgf/cm〜3kgf/cmを有する。
また、導電性磁性体を2回熱処理する場合(熱処理は200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱し、次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成される)、導電性磁性複合シートは、導電箔と磁性シートとの間の剥離強度として0.6kgf/cm以上、例えば0.6kgf/cm〜20kgf/cm、0.6kgf/cm〜10kgf/cm、0.6kgf/cm〜5kgf/cm、又は0.6kgf/cm〜3kgf/cmを有し得る。
更に、上記条件で熱処理を2回繰り返す場合、導電箔と磁性シートとの間の剥離強度の変化率(低下率)は、20%以下、15%以下、または10%以下であり得る。
従って、本実施形態に係る導電性磁性複合シートにつき、導電性磁性複合シートをリフロー処理等のはんだ付け処理に付しても、透磁率および厚み等の物性の変化がほとんどなく、かつ磁性シートと導電箔との層間剥離等の不具合は発生しない。
一実施形態に係る導電性磁性複合シートの作製方法は、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シートを作製する工程;および磁性シートと第1導電箔とを積み重ねる工程;および得られた積重体に熱と圧力を加えて磁性シートと第1導電性箔とを接合する工程を含む。
本実施形態においては、バインダー樹脂が熱硬化性樹脂であってよく、バインダー樹脂は、熱と圧力を積重体に加える工程で硬化される間に磁性シートを第1導電箔に接合し得る。
また、本実施形態では、第1導電箔はその一方の側に第1プライマー層を有し、磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように、磁性シートと第1導電箔とが積み重ねられ得る。
別実施形態に係る導電性磁性複合シートの作製方法は、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シートを作製する工程;第1導電箔、磁性シートおよび第2導電箔を積み重ねる工程;並びに得られた積重体に熱と圧力を加えて第1導電箔、磁性シートおよび第2導電箔とを共に接合する工程を含む。
本実施形態では、バインダー樹脂が熱硬化性樹脂であってよく、バインダー樹脂は、熱と圧力を積重体に加える工程で硬化される間に第1導電箔、磁性シートおよび第2導電箔を接合する。
更に、本実施形態では、第1導電箔はその一方の側に第1プライマー層を有し、第2導電箔はその一方の側に第2プライマー層を有し、磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とは積み重ねられ、磁性シートの他方の側が第2導電箔の第2プライマー層と接するように磁性シートと第2導電箔とは積み重ねられる。
好ましい実施形態では、導電性磁性複合シートの作製方法は、磁性粉末と熱硬化性バインダー樹脂とを含む磁性シートを作製する工程;磁性シートと第1導電箔とを積み重ねる工程;および得られた積重体に熱と圧力を加えてバインダー樹脂を硬化させることにより、磁性シートを第1導電箔に接合する工程を含む。
別の好ましい実施形態では、導電性磁性複合シートの作製方法は、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シートを作製する工程;第1導電箔、磁性シートおよび第2導電箔を積み重ねる工程;並びに得られた積重体に熱と圧力を加えてバインダー樹脂を硬化させることにより、第1導電箔、磁性シートおよび第2導電箔を共に接合する工程を含む。
別の好ましい実施形態では、導電性磁性複合シートの作製方法は、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シートを作製する工程;第1導電箔の一方の側に第1プライマー層を形成する工程;磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ねる工程;並びに得られた積重体に熱および圧力を加えて磁性シートを第1導電箔に接合させる工程を含む。
別の好ましい実施形態では、導電性磁性複合シートの作製方法は、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シートを作製する工程;第1導電箔の一方の側に第1プライマー層を形成する工程;第2導電箔の一方の側に第2プライマー層を形成する工程;磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ねる工程;磁性シートの他方の側が第2導電箔の第2プライマー層と接するように磁性シートと第2導電箔とを積み重ねる工程;並びに得られた積重体に熱と圧力を加えて、第1導電箔、磁性シートおよび第2導電箔を共に接合する工程を含む。
本実施形態の方法で用いられる磁性シートは、上記実施形態の磁性シートと実質的に同一の組成および特性を有することができ、実質的に同じ方法で作製され得る。
具体的には、磁性シートは、磁性シートの全重量基準で70重量%〜90重量%の磁性粉末、並びにバインダー樹脂として6重量%〜12重量%のポリウレタン系樹脂、0.5重量%〜2重量%のイソシアネート系硬化剤および0.3重量%〜1.5重量%のエポキシ系樹脂を含み得る。具体例として、ポリウレタン系樹脂は式2aおよび2bで表される繰り返し単位を含み、イソシアネート系硬化剤は脂環式ジイソシアネートであり、エポキシ系樹脂はビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂またはテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂であり得る。
磁性シートは、可撓性を有する厚さが10μm〜3000μmの非焼結シートであり得る。
また、磁性シートは、周波数が3MHzである交流で100〜300の透磁率、周波数が6.78MHzである交流で80〜270の透磁率、および周波数が13.56MHzである交流で60〜250の透磁率を有し得る。
その後、乾式磁性シートの一方の側または両側に導電箔を積み重ねる。導電箔は、金属箔であることができ、例えば銅箔であってよい。
好ましい実施形態によれば、図4に示すように、バインダー樹脂の硬化が完了すると同時に、第1導電箔210及び第2導電箔220が磁性シート100に接合され得る。第1導電箔210および第2導電箔220は熱硬化により磁性シート100に接合されるため、磁性シートと導電箔との間の接合強度を優れたものとし得る。特に、プレス700と同時にバインダー樹脂を硬化させる間に磁性シートと導電箔とを共に接合するため、接合強度が向上し得る。したがって、導電箔は、別個の接着剤層なしで磁性シートに容易に接合され得る。
別の好ましい実施形態では、導電箔はその一方の側に形成されるプライマー層を有し、乾式磁性シートの一方の側が導電箔のプライマー層と接するように乾式磁性シートと導電箔とが積み重ねられる。
プライマー層は、熱硬化性樹脂を含み得る。
第1プライマー層(および第2プライマー層)として用いられる熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ系樹脂が挙げられ得る。
例えば、第1プライマー層(および第2プライマー層)は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、又はテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂を含み得る。
プライマー層の厚さは、約0.01μm〜約10μm、約0.01μm〜約5μm、又は約0.01μm〜約1μmの範囲であり得る。更に、プライマー層の厚さは、約0.1μm〜10μm、又は約1μm〜5μmの範囲であり得る。
具体的には、第1プライマー層(および第2プライマー層)は熱硬化性樹脂を含み、第1プライマー層(および第2プライマー層)の熱硬化性樹脂は、積重体に熱および圧力を加える工程において硬化させ得る。また、バインダー樹脂は熱硬化性樹脂を含み、バインダー樹脂中の熱硬化性樹脂は、熱および圧力を積重体に加える工程において硬化させ得る。
その結果として、磁性シートおよびプライマー層の硬化が完了すると同時に、第1導電箔および第2導電箔を磁性シートに接合し得る。熱硬化した第1プライマー層および第2プライマー層により、第1導電箔および第2導電箔が磁性シートに接合されるため、磁性シートと導電箔との接着強度を優れたものにし得る。特に、プレスと同時にプライマー層を硬化させる間に磁性シートと導電箔とを接合するため接着強度が向上し得る。
熱および圧力を加える工程は、1MPa〜100MPaの圧力および100℃〜300℃の温度で実施され得る。また、熱および圧力を加える工程は、5MPa〜30MPaの圧力および150℃〜200℃の温度で実施され得る。更に、磁性シートおよび導電箔に熱および圧力を加える工程は、約0.1時間〜約5時間実施され得る。
熱および圧力を加える工程は、ロール・ツー・ロール・プロセスまたはバッチプロセスによって実施され得る。
図5に示すように、熱および圧力を加える工程は、ロールツーロールプロセスにより実施され得る。ロール・ツー・ロール・プロセスでは、バインダー樹脂の硬化が完了していない乾式磁性シート101の一方の側または両側に第1導電箔210および第2導電箔220を積層して、ロール600に通過させる。この場合、ロール自体が加熱されるため、ロールは積重体に熱および圧力の両方を加えることができる。すなわち、磁性シートおよび導電箔をロールで連続して積層する。その結果、バインダー樹脂の硬化が完了した磁性シート100が形成されると同時に、第1導電箔210および第2導電箔220が磁性シート100に接合され得る。
ロール・ツー・ロール・プロセスでは、ロールの温度は約100℃〜約300℃の範囲であり得る。また、ロールの圧力は、約1MPa〜約100MPaの範囲であり得る。更に、約1〜20対のロールがロール・ツー・ロール・プロセスで使用され得る。更に、積層体の移動速度は、約0.1m/分〜10m/分の範囲であり得る。
具体例によれば、積み重ね工程と熱および圧力を加える工程はロール・ツー・ロール・プロセスにより行うことができ、この場合、ロール・ツー・ロール・プロセスは、150℃〜200℃のロール温度、5MPa〜30MPaのロール圧、2〜10対のロールを用いて1m/分〜5m/分の速度で実施され得る。
図6に示すように、熱および圧力を加える工程はバッチプロセスにより実施され得る。具体的には、乾式磁性シートおよび導電箔を積み重ね、形成される積重体を多段で再び積み重ねる。その後、多段に積み重ねられた磁性シートおよび導電箔に圧力を加えた状態で熱処理を行う。その結果、磁性シートのバインダー樹脂とバインダー樹脂とが硬化され、硬化したバインダー樹脂により第1導電箔210および第2導電箔220が磁性シート100に接合された積重体10が得られ得る。
上記のバッチプロセスにおいて、熱処理温度は約100℃〜約300℃の範囲であり得る。また、多段に積み重ねられた積重体に加わる圧力は、約1MPa〜約100MPaの範囲であり得る。更に、熱および圧力が加えられる時間の長さは、約0.1時間〜約5時間の範囲であり得る。
一実施形態では、図7に示すように、第1導電箔210の一方の側に未硬化または半硬化の第1プライマー層311を形成し、第2導電箔220の一方の側に未硬化または半硬化の第2プライマー層321を形成する。その後、第1プライマー層311および第2プライマー層321を乾式磁性シート101の一方の側および他方の側とそれぞれ接触可能となるように、第1導電箔210および第2導電箔220をそれぞれ積み重ねる。
その後、図8に示すように、乾式磁性シート、プライマー層、および導電箔を熱および圧力700により積層させる。これにより、プライマー層を介して乾式磁性シートおよび導電箔を積層させ得る。この場合、積層は、加熱および加圧条件下で実施することができ、具体的には、前述した温度および圧力の条件で、上記のロール・ツー・ロール・プロセス又はバッチプロセスにより行うことができる。
その結果、積層工程での熱によりバインダー樹脂の硬化が完了する磁性シート100を形成し得る。また、積層時にプライマー層が硬化するため、硬化したプライマー層により磁性シートと導電箔とを共に接合し得る。すなわち、硬化したプライマー層は、磁性シートを導電箔に接合するように構成された接着剤層として機能し得る。これにより、硬化した第1プライマー層310および第2プライマー層320を介して磁性シート100と第1導電箔210と、かつ磁性シート100と第2導電箔220とが接合された導電性磁性複合シートを得ることができる。
一例によれば、第1プライマー層310および第2プライマー層320は熱硬化性樹脂を硬化させて形成されるため、第1プライマー層310および第2プライマー層320は耐化学性を有し得る。これにより、エッチング液を用いて導電箔をエッチングする場合、第1プライマー層310および第2プライマー層320は、磁性シートに含まれる磁性粉末を保護する役割を果たし得る。
一実施形態に係るアンテナ・デバイスは、磁性シートおよび磁性シートの少なくとも一方の側に配置されたアンテナ・パターンを含む。
アンテナ・デバイスに含まれる磁性シートは、上述した実施形態の磁性シートと実質的に同一の組成および特性を有することができ、実質的に同じ方法で作製され得る。
したがって、磁性シートは、周波数が3MHzの交流で100〜300の透磁率、周波数が6.78MHzの交流で80〜270の透磁率、および周波数が13.56MHzの交流で60〜250の透磁率を有し得る。
磁性シートは、バインダー樹脂、およびバインダー樹脂中に分散された磁性粉末を含み得る。
更に、磁性シートは、可撓性を有する厚さが10μm〜3000μmの非焼結シートであり得る。
具体例によれば、磁性シートは、磁性シートの全重量基準で70重量%〜90重量%の磁性粉末、並びにバインダー樹脂として6重量%〜12重量%のポリウレタン系樹脂、0.5重量%〜2重量%のイソシアネート系硬化剤および0.3重量%〜1.5重量%のエポキシ系樹脂を含み得る。また、この場合、磁性粉末は式1の組成を有し、ポリウレタン系樹脂は式2aおよび式2bで表される繰り返し単位を含み、イソシアネート系硬化剤は脂環式ジイソシアネートであり、およびエポキシ系樹脂はビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂又はテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂であり得る。
アンテナ・パターンは、磁性シートの一方の側または両側に配置される。
アンテナ・パターンは導電性材料を含み得る。例えば、アンテナ・パターンは、導電性金属を含み得る。具体的には、アンテナ・パターンは、銅、ニッケル、金、銀、亜鉛およびスズからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含み得る。
一実施形態に係るアンテナ・パターンのパターン形状は、特に限定されるものではない。例えば近接場通信(NFC)アンテナ、無線電力充電(WPC) アンテナおよび磁気保護伝送(MST)アンテナの機能を含む様々な機能を達成するよう当該パターンが形成され得る。パターン形状は必要に応じて多様に変更され得る。また、アンテナ・パターンは印刷回路パターンであり得る。アンテナ・パターンは、コイル形状またはスパイラル形状を有し得る。
アンテナ・パターンは磁性シートに直接接合されてよく、それによりアンテナ・パターンは磁性シートの一方の側または両側と直接接触し得る。また、アンテナ・パターンは、プライマー層によって磁性シートに強固に接合されてよい。
好ましい実施形態によれば、アンテナ・デバイスは、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シート;および磁性シートの一方の側に直接接合された第1アンテナ・パターンを含む。
別の好ましい実施形態によれば、アンテナ・デバイスは、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シート;磁性シートの一方の側に直接接合された第1アンテナ・パターン;および磁性シートの他方の側に直接接合された第2アンテナ・パターンを含む。
別の好ましい実施形態によれば、アンテナ・デバイスは、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シート;磁性シートの一方の側に配置された第1アンテナ・パターン;および磁性シートと第1アンテナ・パターンを共に接合するために磁性シートと第1アンテナ・パターンとの間に配置された第1プライマー層を含む。
別の好ましい実施形態によれば、アンテナ・デバイスは、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シート;磁性シートの一方の側に配置された第1アンテナ・パターン;磁性シートの他方の側に配置された第2アンテナ・パターン;磁性シートと第1アンテナ・パターンとを共に接合するために磁性シートと第1アンテナ・パターンとの間に配置された第1プライマー層;および磁性シートと第2アンテナ・パターンとを共に接合するために磁性シートと第2アンテナ・パターンとの間に配置された第2プライマー層を含む。
アンテナ・デバイスは、磁性シートを貫通するビアを更に含み得る。
つまり、アンテナ・デバイスは、磁性シート;磁性シートの一方の側または両側に配置されたアンテナ・パターン;および磁性シートを貫通してアンテナ・パターンに接続された少なくとも1つのビアを含み得る。
ビアは、磁性シートの両側に配置された両アンテナ・パターンと接触してアンテナ・パターン同士を電気的に接続する。ビアは、導電性材料を含み得る。例えば、ビアは、銅、ニッケル、金、銀、亜鉛およびスズからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含み得る。
更に、磁性シートは、垂直に貫通するビアホールを含み得る。ビアホールは、例えば、100μm〜300μm又は120μm〜170μmの直径を有し得る。
この場合、第1ビアホールの内壁はめっきされ、第1ビアホールは導電性材料で充填され、又ははんだ若しくは導電性バーが第1ビアホール内に挿入され、それにより第1ビアホールが第1ビアを構成し得る。例えば、磁性シートは、垂直に貫通する第1ビアホールを含み、この場合、第1ビアホールの内壁が第1ビアを構成するためにめっきされ得る。
本実施形態に係るアンテナ・デバイスは、アンテナ・パターンの形状、ビアと端子との接続、または追加の配線を含む種々の形態を有し得る。
一実施形態によれば、アンテナ・パターンは磁性シートの一方の側に配置された第1アンテナ・パターンを含み、アンテナ・デバイスは磁性シートの他方の側に配置された配線パターンを更に含み、およびビアは、磁性シートを貫通し、第1アンテナ・パターンの一端と配線パターンの一端とに接続された第1ビアを含む。
別実施形態によれば、アンテナ・パターンは、磁性シートの一方の側に互いに離隔するよう平行配置された複数の第1導電ラインパターン;および磁性シートの他方の側に互いに離隔するよう平行配置された複数の第2導電ラインパターンから成る。第1導電ラインパターンと第2導電ラインパターンの延在方向は同一であり、ビアは磁性シートを貫通し、第1導電ラインパターンと第2導電ラインパターンとを接続する複数のビアから構成される。
以下、アンテナ・デバイスの具体的な実施形態を例示説明する。
ある特定の実施形態によれば、図9を参照すると、アンテナ・デバイスは、磁性シート100;磁性シートの一方の側に配置された第1アンテナ・パターン230;磁性シートの他方の側に配置され、共に接合するための配線パターン240;および磁性シート100を貫通する第1ビア251を含む。この場合、第1ビア251は、第1アンテナ・パターン230の一端および配線パターン240の一端に接続される。
ある具体的な実施形態に係るアンテナ・デバイスは、磁性シート100の一方の側または他方の側に第1端子パターンおよび第2端子パターンを更に含み、磁性シート100を貫通する第2ビア252を含み、および様々なアンテナ・デバイスは、これらの構成要素の位置および接続構成に従って設計され得る。
また、図10A〜図10Cは、様々な形態例に従ったアンテナ・デバイスの平面図である(黒のパターンで示した部分が前方パターンであり、ハッチング部分が後方パターンであり、円で示した部分がビアである)。
以下、図面を参照しながら、ある具体的な実施形態に係るアンテナ・デバイスのより具体的な例について説明する。
まず、図10Aを参照すると、ある具体的な実施形態に係るアンテナ・デバイスは、磁性シート100の一方の側に配置された第1端子パターン271;および磁性シート100を貫通する第2ビア252を更に含む。この場合、第2ビア252は、第1端子パターン271の他端および配線パターン240の他端に接続され得る。この場合、アンテナ・デバイスは、磁性シート100の一方の側に配置された第2端子パターン272を更に含み得る。この場合、第1アンテナ・パターン230の他端部は第2端子パターン272に接続され得る。また、この場合、第1端子パターン271と第2端子パターン272は、互いに隣接するように配置され得る。
更に、図10Bを参照すると、ある具体的な実施形態に係るアンテナ・デバイスは、磁性シート100の他方の側に配置される第1端子パターン271を更に含むことができ、第1端子パターン271は配線パターン240の他端に接続され得る。この場合、アンテナ・デバイスは、磁性シート100の他方の側に配置された第2端子パターン272;および磁性シート100を貫通する第2ビア252を更に含むことができ、第2ビア252は、第2端子パターン272の他端および第1アンテナ・パターン230の他端に接続され得る。また、この場合、第1端子パターン271および第2端子パターン272は、互いに隣接して配置され得る。
更に、図10Cを参照すると、ある具体的な実施形態に係るアンテナ・デバイスは、磁性シート100の他方の側に配置された第1端子パターン271をさらに含むことができ、第1端子パターン271は配線パターン240の他端に接続され得る。この場合、別の形態例では、アンテナ・デバイスは、磁性シート100の一方の側に配置された第2端子パターン272を更に含み、第2端子パターン272は第1アンテナ・パターン230の他端に接続され得る。
ある具体的な実施形態に係るアンテナ・デバイスでは、第1アンテナ・パターンおよび配線パターンが導電性材料で形成され、第1アンテナ・パターンが磁性シートの一方の側に接合され、配線パターンは磁性シートの他方の側に接合され得る。
図13を参照すると、ある具体的な実施形態に係るアンテナ・デバイスは、第1アンテナ・パターンを流れる電流によって電磁信号50を生じさせ得る。電磁信号50は、アンテナ・デバイス20と外部端子40との間での信号の伝送(又は送信;transmission)および受信(reception)を可能にする。
ある具体的な実施形態に係るアンテナ・デバイスでは、第1アンテナ・パターンおよび配線パターンが磁性シートの異なる側にそれぞれ配置され、磁性シートを貫通するビアを通じて接続されるため、ショート回路を抑制するために配線のテーピング等の追加の処理が必要とされず、それにより処理効率が向上され得る。また、本実施形態に係るアンテナ・デバイスは、絶縁用の配線布による厚みの増加を防止し得るため、アンテナ・デバイスの薄膜特性がより向上され得る。
別の具体的な実施形態によれば、アンテナ・デバイスは磁性シート;磁性シートの一方の側に互いに離隔するよう平行配置された複数の第1導電ラインパターン;磁性シートの他方の側に互いに離隔するよう平行に配置された複数の第2導電ラインパターン;および磁性シートを貫通するよう配置された複数のビアを含む。この場合、第1導電ラインパターンおよび第2導電ラインパターンの延在方向は同一であり、当該ビアは第1導電ラインパターンおよび第2導電ラインパターンと接続する。
具体的には、ビアは、互いに離隔するよう平行配置される第1導電ラインパターンおよび第2導電ラインパターンに交互に接続するため、任意の第1導電ラインパターンの一端および他端は、互いに隣接する2つの第2導電ラインパターンにそれぞれ接続され、任意の第2導電ラインパターンの一端および他端が互いに隣接する2つの第1導電ラインパターンにそれぞれ接続され得る。
また、磁性シートをコア領域およびコア領域周囲の周囲領域に分割する場合、第1導電ラインパターンと第2導電ラインパターンの両端が周囲領域に配置され、第1導電ラインパターンと第2導電ラインパターンとがコア領域を横断し、および第1導電ラインパターンの端部と第2導電ラインパターンの端部とを接続可能となるようにビアが周囲領域に配置される。
この場合、第1導電ラインパターン、第2導電ラインパターン、およびビアがコア領域を囲むコイルを形成するために互いに接続され得る。
図11Aおよび図11Bに示すように、別の具体的な実施形態に係るアンテナ・デバイスは、磁性シート100、複数の第1導電ラインパターン231、複数の第2導電ラインパターン232、および複数のビア250を含む。
磁性シートは、コア領域CR、コア領域に隣接する周囲領域ORに分割され得る。
コア領域は磁性シートの中央部に配置される。コア領域は一方向に延在する形状を有し得る。
周囲領域はコア領域の周囲に配置される。周囲領域はコア領域と同じ方向に延在する形状を有し得る。周囲領域はコア領域の両側に配置され得る。
第1導電ラインパターンは磁性シート上に配置される。具体的には、第1導電ラインパターンは磁性シートの一方の側に接合される。
第1導電ラインパターンは、コア領域が延在する方向を横切る方向に延在し得る。具体的には、第1導電ラインパターンは、コア領域を横切るように延在し得る。第1導電ラインパターンは、コア領域の一方の側に配置された周囲領域からコア領域の他方の側に配置された周囲領域にまで延在し得る。
複数の第1導電ラインパターンは並ぶように延在し得る。また、第1導電ラインパターンは互いに離隔して配置され得る。
第2導電ラインパターンは、磁性シートの他方の側に配置される。具体的には、第2導電ラインパターンは、磁性シートの他方の側に接合される。
第2導電ラインパターンは、コア領域が延在する方向を横切る方向に延在し得る。具体的には、第2導電ラインパターンは、コア領域を横切るように延在し得る。第2導電ラインパターンは、コア領域の一方の側に配置される周囲領域からコア領域の他方の側に配置される周囲領域にまで延在し得る。
複数の第2導電ラインパターンは並ぶように延在し得る。また、第2導電ラインパターンは互いに離隔して配置され得る。
ビアは磁性シートを貫通する。ビアは、第1導電ラインパターンおよび第2導電ラインパターンと接続する。具体的には、ビアは、第1導電ラインパターンの一端および第2導電ラインパターンの一端に接続され得る。
ビアは、第1導電ラインパターンおよび第2導電ラインパターンと交互に接続し得る。例えば、第1導電ラインパターン、ビア、第2導電ラインパターン、ビア、第1導電ラインパターン、ビア、第2導電ラインパターン、およびビアが連続して接続され得る。
第1導電ラインパターン、第2導電ラインパターン、およびビアは、コア領域を螺旋状に囲むコイルを形成するように互いに接続され得る。
したがって、第1導電ラインパターン、第2導電ラインパターンおよびビアに交流が流れる場合、コア領域の両端を通るように電磁信号が形成され得る。
好ましい例として、磁性シートは薄く形成され、コア領域の両端を通じて高磁束密度で電磁信号が形成され得る。したがって、本実施形態に係るアンテナ・デバイスは、受信感度を向上させることができ、狭い隙間でも電磁信号を容易に送受信することができる。
本発明の一実施形態に係るアンテナ・デバイスの作製方法は、熱および圧力を磁性シートおよび導電箔に加えることで磁性シートおよび導電箔を共に接合させる工程;および導電箔をエッチングしてアンテナ・パターンを形成する工程を含む。
好ましい実施形態によれば、アンテナ・デバイスの作製方法は、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シートを作製する工程;磁性シートと第1導電箔とを積み重ねる工程;得られた積重体に熱および圧力を加えて磁性シートを第1導電箔に接合させる工程;および第1導電箔をエッチングして第1アンテナ・パターンを形成する工程を含む。
別の好ましい実施形態によれば、アンテナ・デバイスの作製方法は、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シートを作製する工程;第1導電箔、磁性シートおよび第2導電箔を積み重ねる工程;得られた積重体に熱および圧力を加えて第1導電箔、磁性シートおよび第2導電箔を共に接合する工程;並びに第1導電箔および第2導電箔をエッチングして第1アンテナ・パターンおよび第2アンテナ・パターンをそれぞれ形成する工程を含む。
別の好ましい実施形態によれば、アンテナ・デバイスの作製方法は、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シートを作製する工程;第1導電箔の一方の側に第1プライマー層を形成する工程;磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ねる工程;得られた積重体に熱および圧力を加えて磁性シートを第1導電箔に接合させる工程;および第1導電箔をエッチングして第1アンテナ・パターンを形成する工程を含む。
別の好ましい実施形態によれば、アンテナ・デバイスの作製方法は、磁性粉末とバインダー樹脂とを含む磁性シートを作製する工程;第1導電箔の一方の側に第1プライマー層を形成する工程;第2導電箔の一方の側に第2プライマー層を形成する工程;磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ねる工程;磁性シートの他方の側が第2導電箔の第2プライマー層と接するように磁性シートと第2導電箔とを積み重ねる工程;得られた積重体に熱および圧力を加えて、第1導電箔、磁性シートおよび第2導電箔を共に接合する工程;並びに前記第1導電箔および第2導電箔をエッチングして第1アンテナ・パターンおよび第2アンテナ・パターンをそれぞれ形成する工程を含む。
上記方法で用いられる磁性シートは、上記の一実施形態に係る磁性シートと実質的に同一の組成および特性を有し得る。
具体例として、磁性シートは、磁性シートの全重量基準で70重量%〜90重量%の磁性粉末、並びにバインダー樹脂として6重量%〜12重量%のポリウレタン系樹脂、0.5重量%〜2重量%イソシアネート系硬化剤および0.3重量%〜1.5重量%のエポキシ系樹脂を含み得る。また、この場合、磁性粉末は式1の組成を有し、ポリウレタン系樹脂は式2aおよび式2bで表される繰り返し単位を含み、イソシアネート系硬化剤は脂環式ジイソシアネートであり、およびエポキシ系樹脂はビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂又はテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂であり得る。
また、磁性シートは、上述した一実施形態に係る磁性シートの作製方法と実質的に同一の条件および方法で作製することができる。
具体的には、(a)ポリウレタン系樹脂、イソシアネート系硬化剤およびエポキシ系樹脂を混合してバインダー樹脂を作製する工程;(b)バインダー樹脂と磁性粉末および有機溶媒を混合してスラリーを作製する工程;および(c)当該スラリーをシート状に成形し、当該シートを乾燥する工程を含む方法により、磁性シートを作製し得る。
熱および圧力を加える工程により導電性磁性複合シートを作製し、具体的なプロセス条件および方法は、上述した導電性磁性複合シートの作製方法と同一である。
エッチング工程では、フォトレジストを用いて導電箔上にマスクパターンを形成し、パターン形成され得るマスクパターンを用いて導電箔をエッチングする。エッチングは、酸性水溶液等の典型的なエッチング液を用いて実施され得る。この場合、磁性シートがプライマー層により保護されているため、エッチング液による厚さまたは透磁率の低下を少なくし得る。また、エッチング液が磁性シートに浸透しても、磁性シートの優れた耐化学性により、エッチング液による厚みまたは透磁率の低下を少なくし得る。
好ましくは、熱および圧力を加える工程は1MPa〜100MPaの圧力および100℃〜300℃の温度で実施され、エッチングは酸性水溶液を用いて実施され得る。
アンテナ・デバイスの作製方法は、熱および圧力を加える工程とエッチング工程との間に、磁性シート(およびプライマー層)を貫通するように構成されるビアを形成する工程を更に含み得る。
図12A〜図12Cは、ビアを有するアンテナ・デバイスの作製方法の例を示す。
まず、図12Aに示すように、導電性磁性複合シートに複数のビアホール260を形成する。ビアホール260は、磁性シート100並びに第1導電箔210および第2導電箔220を貫通する。ビアホールの直径は、例えば、100μm〜300μm又は120μm〜170μmであり得る。
その後、図12Bに示すように、ビアホール260の内面にめっき層を形成してビア250を形成し得る。めっき法によりビアを形成する場合、大きな面積に形成されるビアを一度に形成し得る。すなわち、ビアをめっき層として形成する場合には、ビアを容易かつ効率的に形成し得る。また、ビアホール内に導電性粉末を充填し、次いで導電性粉末を焼結することによりビアを形成し得る。更に、はんだまたは導電バーをビアホール内に挿入することによってビアを形成し得る。
その後、第1導電箔210および第2導電箔220を覆うフォトレジスト処理等の処理によりマスクパターンを形成し、図12Cに示すように、マスクパターンにより第1導電箔210を選択的にエッチングして第1アンテナ・パターン230を形成する。
この場合、磁性シートのバインダー樹脂はアンテナ・パターンに密着している。すなわち、磁性シートのバインダー樹脂は、熱硬化処理によってアンテナ・パターンに接合される。したがって、エッチング工程では、エッチング液が磁性シートとアンテナ・パターンとの間に浸透しない。その結果、アンテナ・パターンは向上した接着強度で磁性シートに接合され得る。従って、ポリイミド等の絶縁性基板を用いずに磁性シート上に導電箔またはアンテナ・パターンを直接形成することで、厚さを減じかつ作製方法を簡略化し得る。
また、プライマー層を熱硬化させて磁性シートと導電箔とを互いに強固に接合させる場合には、エッチングにより形成される第1アンテナ・パターンを、向上した接着強度で磁性シートに接合し得る。これにより、本実施形態に係るアンテナ・デバイスにつき、磁性シートとアンテナ・パターンとの間に配置されるプライマー層により、磁性シートとアンテナ・パターンと間の接合強度を向上させ得る。また、プライマー層は外部環境から磁性シートを保護し得る。
また、本実施形態に係るアンテナ・デバイスは優れた磁気特性を有するため、当該アンテナ・デバイスはNFC、WPCおよびMST等の多数の用途に用いられ得る。更に、高分子磁性シートを用いるため、本実施形態に係るアンテナ・デバイスの可撓性を向上させることができ、かつロール・ツー・ロール・プロセスでアンテナ・デバイスを作製し得るため、加工性を向上させ得る。
特に、磁性シートでは、バインダー樹脂が熱により硬化して磁性粉末をより強固に保持することができるため、環境が変化しても重量変化および厚み変化がほとんどなく、例えばエッチング処理がパターニングのため実施され、またはリフローまたははんだ付け処理が磁性シートの製品への適用のために実施される。
一実施形態に係るポータブル端末は、ケースおよびケース内に配置されたアンテナ・デバイスを含む。ケースは、電磁波透過領域と電磁波非透過領域と含む。アンテナ・デバイスは、磁性シート;磁性シートの一方の側に互いに離隔するよう平行配置された複数の第1導電ラインパターン;磁性シートの他方の側に互いに離隔するよう平行配置された複数の第2導電ラインパターン;および磁性シートを貫通する複数のビアを含む。第1導電ラインパターンと第2導電ラインパターンの延在方向が同一であり、電磁波透過領域が第1導電ラインパターンおよび第2導電ラインパターンと平行に配置されている。
具体的には、磁性シートはコア領域およびコア領域の周辺の周囲領域に分割され、第1導電ラインパターンと第2導電ラインパターンの両端は周囲領域に配置される一方、第1導電ラインパターンと第2導電ラインパターンはコア領域を横切っており、およびビアは、第1導電ラインパターンと第2導電ラインパターンの端部を接続するように周囲領域に配置される。
更に、第1導電ラインパターン、第2導電ラインパターンおよびビアはコア領域を囲むコイルを形成するために互いに接続される。
アンテナ・デバイスは、第1導電ラインパターンおよび第2導電ラインパターンの延在方向と直交する方向に電磁信号を生じさせ、当該電磁信号は電磁波透過領域を介してケースの外側に進む。
例えば、電磁波透過領域はガラスまたはプラスチックを含み、電磁波非透過領域は金属を含む。
図14は、一実施形態に係るアンテナ・デバイスが使用されるポータブル端末の一部を示す。図14を参照すると、アンテナ・デバイス20がケース30内に配置されている。ケース30は、電磁波透過領域32および電磁波非透過領域31を有して成る。電磁波非透過領域は、電磁波を遮断する材料、例えば金属を含むことができる。電磁波透過領域は、電磁波が容易に透過し得る材料、例えばガラスまたはプラスチックを含むことができる。伝送(又は送信;transmission)領域が狭く形成されるとしても、本実施形態に係るアンテナ・デバイスは、外部端子40で電磁波信号50の送受信を効果的に行うことができる。
従来のアンテナ・デバイスは、ポリイミド等の絶縁基板層上にアンテナ・パターンを形成し、これに磁性シートを付加する方法で作製されるため、導電ラインパターンが基板層の両側に形成され、ビアを通じて交互に接続されるとしても、電磁信号は基板層の一方の側に追加される磁性シートにより遮断される。これに対して、本実施形態に係るアンテナ・デバイスでは、磁性シートが基板層として用いられてその両側に導電ラインパターンを形成し、導電ラインパターンがビアを介して交互に接続されてコイルを形成するため、電磁信号の透過性が阻害されず、磁性シートの優れた磁気特性により通信感度が向上され得る。
本願発明は以下の態様を含む。
(態様1)
導電性磁性複合シートの作製方法であって、
磁性粉末およびバインダー樹脂を含んで成る磁性シートを作製すること;
磁性シートと第1導電箔とを積み重ねること;並びに
得られた積重体に熱および圧力を加えて、磁性シートと第1導電箔とを接合させること
を含んで成る、方法。
(態様2)
積重体に熱および圧力を加える工程を5MPa〜30MPaの圧力および150℃〜200℃の温度で行う、態様1に記載の方法。
(態様3)
積み重ね工程および積重体に熱および圧力を加える工程をロール・ツー・ロール・プロセスにより実施し、該ロール・ツー・ロール・プロセスを、150℃〜200℃のロール温度、5MPa〜30MPaのロール圧力、および2〜10対のロールを用いることで1m/分〜5m/分の速度で実施する、態様1に記載の方法。
(態様4)
磁性シートが、可撓性を有する厚さが10μm〜3000μmの非焼結シートである、態様1に記載の方法。
(態様5)
磁性シートが、該磁性シートの全重量基準で、70重量%〜90重量%の磁性粉末と、バインダー樹脂として6重量%〜12重量%のポリウレタン系樹脂、0.5重量%〜2重量%のイソシアネート系硬化剤および0.3重量%〜1.5重量%のエポキシ系樹脂とを含んで成る、態様1に記載の方法。
(態様6)
磁性シートが、周波数が3MHzである交流に基づいて100〜300の透磁率、周波数が6.78MHzである交流に基づいて80〜270の透磁率、および周波数が13.56MHzである交流に基づいて60〜250の透磁率を有する、態様1に記載の方法。
(態様7)
導電性磁性複合シートが、2度熱処理に付される際に磁性シートと第1導電箔との間に0.6kgf/cm以上の剥離強度を有し、該熱処理が200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱すること、および次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成される、態様1に記載の方法。
(態様8)
バインダー樹脂が熱硬化性樹脂であり、
バインダー樹脂が、積重体に熱および圧力を加える工程で硬化される間に磁性シートを第1導電箔に接合する、態様1に記載の方法。
(態様9)
導電性磁性複合シートが、2度熱処理に付される際に磁性シートと第1導電箔との間に0.6kgf/cm以上の剥離強度を有し、該熱処理が200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱すること、および次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成され、
磁性シートが、可撓性を有する厚さが10μm〜3000μmの非焼結シートであり、
磁性シートが、
周波数が3MHzである交流に基づいて100〜300の透磁率;周波数が6.78MHzである交流に基づいて80〜270の透磁率;および周波数が13.56MHzである交流に基づいて60〜250の透磁率;
2度熱処理に付される際に5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化;
2N塩酸溶液中に30分間浸される際にて5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化;並びに2N水酸化ナトリウム溶液中に30分間浸される際にて5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化
を有し、
前記熱処理が200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱すること、および次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成される、態様8に記載の方法。
(態様10)
第1導電箔が該第1導電箔の一方の側に形成される第1プライマー層を有し、磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ねる、態様1に記載の方法。
(態様11)
第1プライマー層が熱硬化性樹脂を含んで成り、熱および圧力を積重体に加える工程で第1プライマー層内の熱硬化性樹脂を硬化させる、態様10に記載の方法。
(態様12)
熱硬化性樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、またはテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂を含んで成る、態様11に記載の方法。
(態様13)
第1プライマー層が0.01μm〜1μmの厚さを有する、態様10に記載の方法。
(態様14)
導電性磁性複合シートの作製方法であって、
磁性粉末およびバインダー樹脂を含んで成る磁性シートを作製すること;
第1導電箔と磁性シートと第2導電箔とを積み重ねること;並びに
得られた積重体に熱および圧力を加えて、第1導電箔と、磁性シートと、第2導電箔とを共に接合すること
を含む、方法。
(態様15)
バインダー樹脂が熱硬化性樹脂であり、バインダー樹脂が、積重体に熱および圧力を加える工程で硬化される間に第1導電箔、磁性シートおよび第2導電箔を共に接合する、態様14に記載の方法。
(態様16)
第1導電箔は該第1導電箔の一方の側に形成された第1プライマー層を有し、第2導電箔は該第2導電箔の一方の側に形成された第2プライマー層を有し、
磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ね、磁性シートの他方の側が第2導電箔の第2プライマー層と接するように磁性シートと第2導電箔とを積み重ね、
第1プライマー層および第2プライマー層は熱硬化性樹脂を含んで成り、
熱および圧力を積重体に加える工程で第1プライマー層および第2プライマー層内の熱硬化性樹脂を硬化させる、態様14に記載の方法。
(態様17)
アンテナ・デバイスの作製方法であって、
磁性粉末およびバインダー樹脂を含んで成る磁性シートを作製すること;
磁性シートと第1導電箔とを積み重ねること;
得られた積重体に熱および圧力を加えて、磁性シートと第1導電箔とを接合させること;並びに
第1導電箔をエッチングして第1導電箔にアンテナ・パターンを形成すること
を含む、方法。
(態様18)
バインダー樹脂が熱硬化性樹脂であり、バインダー樹脂が、積重体に熱および圧力を加える工程で硬化される間に磁性シートと第1導電箔とを接合する、態様17に記載の方法。
(態様19)
第1導電箔が該第1導電箔の一方の側に形成される第1プライマー層を有し、磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ね、第1プライマー層が熱硬化性樹脂を含んで成り、熱および圧力を積重体に加える工程で第1プライマー層内の熱硬化性樹脂を硬化させる、態様17に記載の方法。
(態様20)
磁性シートが、可撓性を有する厚さが10μm〜3000μmの非焼結シートであり、
磁性シートが、
周波数が3MHzである交流に基づいて100〜300の透磁率;周波数が6.78MHzである交流に基づいて80〜270の透磁率;および周波数が13.56MHzである交流に基づいて60〜250の透磁率;
2度熱処理に付される際に5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化;
2N塩酸溶液中に30分間浸される際にて5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化;並びに2N水酸化ナトリウム溶液中に30分間浸される際にて5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化
を有し、
前記熱処理が200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱すること、および次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成される、態様17に記載の方法。
以下、より具体的な例を例示して説明する。
下記の実施例で使用される材料は以下の通りである:
−センダストパウダー:CIF−02A、クリスタライトテクノロジー社
−ポリウレタン樹脂:UD1357、大日精化工業株式会社
−イソシアネート系硬化剤:イソホロンジイソシアネート、シグマアルドリッチ社
−エポキシ系樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量=189g/eq)、エピコートTM828、ジャパンエポキシレジン社
実施例1:磁性シートの作製
工程1)磁性粉末スラリーの作製
磁性粉末として42.8重量部のセンダスト粉末、15.4重量部のポリウレタン系樹脂分散液(25重量%のポリウレタン系樹脂、75重量%の2−ブタノン)、1.0重量部のイソシアネート系硬化剤分散液(62重量%のイソシアネート系硬化剤、25重量%のn−酢酸ブチル、13重量%の2−ブタノン)、0.4重量部のエポキシ系樹脂分散液(70重量%のエポキシ系樹脂、3重量%のn−酢酸ブチル、15重量%の2−ブタノン、13重量%のトルエン)、および40.5重量部のトルエンを、プラネタリーミキサーで約40rpm〜約50rpmの速度で2時間混合して磁性粉末スラリーを作製した。
工程2)磁性シートの作製
上記磁性粉末スラリーをキャリアフィルム上にコンマコーターで塗布し、約110℃の温度で乾燥して乾式磁性シートを作製した。約170℃の温度および約30分間約9MPaの圧力でホットプレス法を使用して乾式磁性シートを圧縮硬化させることによって、最終の磁性シートを得た。
実施例2:銅箔が積層された磁性複合シートの作製
厚さ約37μmの銅箔の一方の側にエポキシ系樹脂を塗布して厚さ約4μmのプライマー層を形成した。実施例1で得られた磁性シートの両側に銅箔を配置し、磁性シートと銅箔との間にプライマー層を配置するように積重体を形成した。その後、温度約170℃、約60分間圧力約9MPaでホットプレス法によりプライマー層を硬化させるために積重体を圧縮し、それによって銅箔が積層された磁性シートを作製した。
実施例3:アンテナ・デバイスの作製
実施例2で得られた銅箔が積層された磁性複合シートにドリルを用いて直径約0.15mmの複数のビアホールを形成した。その後、ビアホールの内部に銅メッキ法を通じて銅めっき層を形成した。めっき層は、銅箔の上面と底面を相互に接続するビアとして機能した。その後、銅箔が積層された磁性複合シートの上面と底面にマスクパターンを形成し、エッチングにより銅箔の一部をエッチングした。これにより、上部パターンと下部パターンとを有するアンテナ・デバイスが得られた。
実施例1で作製した磁性シート、実施例2で作製した銅箔が積層された磁性複合シート、および実施例3で作製したアンテナ・デバイスについて、以下の手順で試験を行った。
実験例1.透磁率測定
インピーダンス分析器を用いて磁性シートの透磁率および磁気損失を測定した。その結果を下記の表1に要約する。
[表1]
Figure 0006727165
表1に示すように、本実施形態に係る磁性シートは、3つのバンド全てにおいて優れた透磁率を有していた。
実験例2.耐熱性測定(リフロー試験)
所定の熱処理条件でリフロー試験を2度実施した。当該熱処理条件では、磁性シート、銅箔が積層された磁性複合シートおよびアンテナ・デバイスをオーブンに設置し、200秒間一定割合で30℃から240℃にオーブンの温度を上昇させ、次いで100秒間一定割合で240℃から130℃にオーブンの温度を下降させた(図15参照)。その後、磁性シート、銅箔が積層された磁性複合シートおよびアンテナ・デバイスの各々の厚み、透磁率および接合強度の変化を測定した。
その結果として、リフロー試験を2回行っても磁性シートの全面にブリスターが見られなかった。また、リフロー試験を2回行った後、磁性シートの厚みおよび透磁率の変化の測定値はそれぞれ5%未満であった。更に、リフロー試験を2回行った後、磁性シートと銅との間の剥離強度の測定値は0.6kgf/cm以上であった。
実験例3.耐熱性測定(Pbフローティング試験)
磁性シートと銅箔が積層された磁性複合シートとを溶融鉛浴中に浮かせて40秒間放置した後、これらの表面を観察した。その結果、磁性シートと銅箔が積層された磁性複合シートの全面にブリスターが見られなかった。
実験例4.耐化学性の測定
磁性シートを2NのHCl水溶液に約30分間浸し、次いで磁性シートの質量、厚み、および透磁率の変化を測定した。また、磁性シートを2NのNaOH水溶液に約30分間浸し、次いで磁性シートの質量、厚み、および透磁率の変化を測定した。その結果、溶液の底部では磁性粉末の沈澱が生じず、磁性シートの質量、厚み、透磁率の変化の測定値はそれぞれ5%以下であった。
実験例5.耐さび性測定
KS D9502に基づく塩噴霧試験に従い、35℃で72時間平均速度1mL/時間〜2mL/時間で磁性シートに濃度5%の中性NaClブラインを噴霧し、次いでさびの発生を観察した。面積法(レーティングナンバー法)によるさびの発生を測定した結果、レーティング数の測定値は9.8以上であった(レーティングナンバー法は、腐食の程度が有効面積に対する腐食面積の比により示される評価法であり、腐食の程度は0〜10の尺度で評価される。)
実験例6.剥離強度測定
ユニバーサル(又は万能;universal)試験機(UTM)を用いて、磁性シートと銅箔が積層された磁性シートの銅箔との間の剥離強度を測定した。その結果、0.6kgf/cm以上の剥離強度を測定した。
実験例7.接合強度測定(クロスカット試験)
クロスカット試験(ASTM D3369)により、磁性シートと銅箔が積層された磁性シートの銅箔との間の接合強度を測定した。クロスカット試験の結果、0/100〜5/100の接合強度を測定した。
実験例8.耐高温高湿測定
72時間85%RHの恒温恒湿オーブンに磁性シート放置した後、磁性シートの厚みおよび透磁率の変化を測定した。その結果、磁性シートの厚みおよび透磁率の変化の測定値はそれぞれ5%以下であった。
実施例4:磁気シートの作製
実施例1の工程(1)での磁性粉末として有機的に被覆されたセンダスト粉末を使用して実施例1の工程(1)および(2)の手順を繰り返して磁性シートを作製した。
実験例9.破壊電圧測定
実施例1および実施例4で得られた磁性シートの各々の両側に電極を設置し、電圧を徐々に増やしながら電圧を適用することで破壊電圧を測定した。
その結果、実施例1で得られた磁性シートは4kVの破壊電圧を有し、実施例4で得られた磁性シートは4.3kVの破壊電圧を有していた。
実験例10.絶縁特性測定
実施例4で得られた磁性シートを用いて、実施例2と同様にして銅箔が積層された磁性複合シートを作製した。その後、銅箔が積層された磁性複合シートに直径400μmを有するビアホールを2つ形成し、実施例3と同様にしてビアホール内に銅めっきを施した。また、実施例3と同様に銅箔をエッチングして上部パターンと下部パターンを形成したが、2つのビアホールをパターンと接続することができなかった。その後、2つのビアホールに電流を流しながら、2つのビアホール間の抵抗を測定した。
この場合、2つのビアホール間の間隔を500μm、700μm、900μm、1100μm、1400μm、2400μm、4400μm、6400μm、および8400μmに様々に変更しつつ抵抗を測定した。
更に、銅箔と磁性シートとの間にポリイミド層および接着剤層を更に挿入して複合シートを作製し、上記のように様々な間隔を有する2つのビアホールを形成した後の抵抗値を測定した。
その結果、実施形態の磁性シートは、ビアホール間の全ての間隔および複合シートの全ての形態にて無限の抵抗値を有していた。

Claims (18)

  1. 導電性磁性複合シートの作製方法であって、
    磁性粉末およびバインダー樹脂を含んで成る磁性シートを作製すること;
    磁性シートと第1導電箔とを積み重ねること;並びに
    得られた積重体に熱および圧力を加えて、磁性シートと第1導電箔とを接合させること
    を含んで成り、
    導電性磁性複合シートが、2度熱処理した後に、磁性シートと第1導電箔との間に0.6kgf/cm〜20kgf/cmの剥離強度を有し、該熱処理が200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱すること、および次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成され、
    該条件で熱処理を2回繰り返した後、導電性磁性複合シートは、磁性シートと第1導電箔との間の剥離強度の変化率(低下率)が10%以下であり、
    磁性シートが、周波数が3MHzである交流に基づいて100〜300の透磁率、周波数が6.78MHzである交流に基づいて80〜270の透磁率、および周波数が13.56MHzである交流に基づいて60〜250の透磁率を有し、
    磁性粉末が、以下の式1:
    Figure 0006727165

    (式中、Xはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、又はこれらの組合せであり;
    Yはマンガン(Mn)、ホウ素(B)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、又はこれらの組合せであり;並びに
    0.01≦a≦0.2、0.01≦b≦0.1および0≦c≦0.05である。)
    の組成を有する磁性粉末を含み、
    バインダー樹脂は、ポリウレタン系樹脂、イソシアネート系硬化剤およびエポキシ系樹脂を含み、
    磁性シートは、磁性シートの総重量を基準にして、50重量%〜95重量%の磁性粉末を含み、かつ5重量%〜40重量%のバインダー樹脂を含む、方法。
  2. 積重体に熱および圧力を加える工程を5MPa〜30MPaの圧力および150℃〜200℃の温度で行う、請求項1に記載の方法。
  3. 積み重ね工程および積重体に熱および圧力を加える工程をロール・ツー・ロール・プロセスにより実施し、該ロール・ツー・ロール・プロセスを、150℃〜200℃のロール温度、5MPa〜30MPaのロール圧力、および2〜10対のロールを用いることで1m/分〜5m/分の速度で実施する、請求項1に記載の方法。
  4. 磁性シートが、可撓性を有する厚さが10μm〜3000μmの非焼結シートである、請求項1に記載の方法。
  5. 磁性シートが、該磁性シートの全重量基準で、70重量%〜90重量%の磁性粉末と、バインダー樹脂として6重量%〜12重量%のポリウレタン系樹脂、0.5重量%〜2重量%のイソシアネート系硬化剤および0.3重量%〜1.5重量%のエポキシ系樹脂とを含んで成る、請求項1に記載の方法。
  6. バインダー樹脂が熱硬化性樹脂であり、
    バインダー樹脂が、積重体に熱および圧力を加える工程で硬化される間に磁性シートを第1導電箔に接合する、請求項1に記載の方法。
  7. 磁性シートが、可撓性を有する厚さが10μm〜3000μmの非焼結シートであり、
    磁性シートが、
    2度熱処理に付された後に5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化;
    2N塩酸溶液中に30分間浸された後にて5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化;並びに2N水酸化ナトリウム溶液中に30分間浸された後にて5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化
    を有し、
    前記熱処理が200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱すること、および次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成される、請求項6に記載の方法。
  8. 第1導電箔が該第1導電箔の一方の側に形成される第1プライマー層を有し、磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ねる、請求項1に記載の方法。
  9. 第1プライマー層が熱硬化性樹脂を含んで成り、熱および圧力を積重体に加える工程で第1プライマー層内の熱硬化性樹脂を硬化させる、請求項8に記載の方法。
  10. 熱硬化性樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、またはテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂を含んで成る、請求項9に記載の方法。
  11. 第1プライマー層が0.01μm〜1μmの厚さを有する、請求項8に記載の方法。
  12. 導電性磁性複合シートの作製方法であって、
    磁性粉末およびバインダー樹脂を含んで成る磁性シートを作製すること;
    第1導電箔と磁性シートと第2導電箔とを積み重ねること;並びに
    得られた積重体に熱および圧力を加えて、第1導電箔と、磁性シートと、第2導電箔とを共に接合すること
    を含み、
    導電性磁性複合シートが、2度熱処理した後に、磁性シートと導電箔との間に0.6kgf/cm〜20kgf/cmの剥離強度を有し、該熱処理が200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱すること、および次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成され、
    前記条件で熱処理を2回繰り返した後、導電性磁性複合シートは、磁性シートと導電箔との間の剥離強度の変化率(低下率)が10%以下であり、
    磁性シートが、周波数が3MHzである交流に基づいて100〜300の透磁率、周波数が6.78MHzである交流に基づいて80〜270の透磁率、および周波数が13.56MHzである交流に基づいて60〜250の透磁率を有し、
    磁性粉末が、以下の式1:
    Figure 0006727165

    (式中、Xはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、又はこれらの組合せであり;
    Yはマンガン(Mn)、ホウ素(B)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、又はこれらの組合せであり;並びに
    0.01≦a≦0.2、0.01≦b≦0.1および0≦c≦0.05である。)
    の組成を有する磁性粉末を含み、
    バインダー樹脂は、ポリウレタン系樹脂、イソシアネート系硬化剤およびエポキシ系樹脂を含み、
    磁性シートは、磁性シートの総重量を基準にして、50重量%〜95重量%の磁性粉末を含み、かつ5重量%〜40重量%のバインダー樹脂を含む、方法。
  13. バインダー樹脂が熱硬化性樹脂であり、バインダー樹脂が、積重体に熱および圧力を加える工程で硬化される間に第1導電箔、磁性シートおよび第2導電箔を共に接合する、請求項12に記載の方法。
  14. 第1導電箔は該第1導電箔の一方の側に形成された第1プライマー層を有し、第2導電箔は該第2導電箔の一方の側に形成された第2プライマー層を有し、
    磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ね、磁性シートの他方の側が第2導電箔の第2プライマー層と接するように磁性シートと第2導電箔とを積み重ね、
    第1プライマー層および第2プライマー層は熱硬化性樹脂を含んで成り、
    熱および圧力を積重体に加える工程で第1プライマー層および第2プライマー層内の熱硬化性樹脂を硬化させる、請求項12に記載の方法。
  15. アンテナ・デバイスの作製方法であって、
    磁性粉末およびバインダー樹脂を含んで成る磁性シートを作製すること;
    磁性シートと第1導電箔とを積み重ねること;
    得られた積重体に熱および圧力を加えて、磁性シートと第1導電箔とを接合させること;並びに
    第1導電箔をエッチングして第1導電箔にアンテナ・パターンを形成すること
    を含み、
    2度熱処理した後に、磁性シートと第1導電箔との間の剥離強度は0.6kgf/cm〜20kgf/cmであり、該熱処理が200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱すること、および次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成され、
    前記条件で熱処理を2回繰り返した後、磁性シートと第1導電箔との間の剥離強度の変化率(低下率)は10%以下であり、
    磁性シートが、周波数が3MHzである交流に基づいて100〜300の透磁率、周波数が6.78MHzである交流に基づいて80〜270の透磁率、および周波数が13.56MHzである交流に基づいて60〜250の透磁率を有し、
    磁性粉末が、以下の式1:
    Figure 0006727165

    (式中、Xはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、又はこれらの組合せであり;
    Yはマンガン(Mn)、ホウ素(B)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、又はこれらの組合せであり;並びに
    0.01≦a≦0.2、0.01≦b≦0.1および0≦c≦0.05である。)
    の組成を有する磁性粉末を含み、
    バインダー樹脂は、ポリウレタン系樹脂、イソシアネート系硬化剤およびエポキシ系樹脂を含み、
    磁性シートは、磁性シートの総重量を基準にして、50重量%〜95重量%の磁性粉末を含み、かつ5重量%〜40重量%のバインダー樹脂を含む、方法。
  16. バインダー樹脂が熱硬化性樹脂であり、バインダー樹脂が、積重体に熱および圧力を加える工程で硬化される間に磁性シートと第1導電箔とを接合する、請求項15に記載の方法。
  17. 第1導電箔が該第1導電箔の一方の側に形成される第1プライマー層を有し、磁性シートの一方の側が第1導電箔の第1プライマー層と接するように磁性シートと第1導電箔とを積み重ね、第1プライマー層が熱硬化性樹脂を含んで成り、熱および圧力を積重体に加える工程で第1プライマー層内の熱硬化性樹脂を硬化させる、請求項15に記載の方法。
  18. 磁性シートが、可撓性を有する厚さが10μm〜3000μmの非焼結シートであり、
    磁性シートが、
    2度熱処理に付された後に5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化;
    2N塩酸溶液中に30分間浸された後にて5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化;並びに2N水酸化ナトリウム溶液中に30分間浸された後にて5%以下の厚み変化および5%以下の透磁率変化
    を有し、
    前記熱処理が200秒間一定割合で30℃から240℃まで加熱すること、および次いで100秒間一定割合で240℃から130℃まで冷却することから構成される、請求項15に記載の方法。
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