JP6727059B2 - 吸音材 - Google Patents

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Description

本発明は吸音材に関する。
現在、生活レベルの向上により、様々な室内において、静粛性が求められている。例えば、自動車室内、居住室内において、静粛性が求められている。そのため、従来から、自動車、家電製品(例えば、掃除機、プリンタなど)に吸音材を設置することが行なわれている。この吸音材は熱源に近い箇所に設置されることもあるため、吸音性能に加えて難燃性能が要求されている。
このような吸音性能と難燃性能の要求を満足できる吸音材として、本願出願人は「通気性表皮材を通気性基材に積層した吸音材であって、前記通気性表皮層の単位厚さあたりの通気抵抗が、前記通気性基材の単位厚さあたりの通気抵抗の、20倍以上2514倍未満の大きさである、吸音材」であり、通気性表皮材および/または通気性基材が難燃性の有機ポリマーを含んでいると、難燃性に優れていることを開示し、実施例においてもモダアクリル繊維を使用した吸音材を開示している(特許文献1)。この吸音材は吸音性能に加え、難燃性にも優れるものであったが、弱い外力でも繊維が脱落しやすいため、吸音材製造時、吸音材設置時、又は吸音材設置後の外力によって繊維が脱落してしまい、製造環境が悪い、作業環境が悪い、所望性能を発揮できない、或いは設置機器に悪影響を及ぼす、などの問題が生じていた。
特開2015−121631号公報
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、モダクリル繊維を有する吸音材であって、吸音性能、難燃性能に優れ、しかも繊維の脱落しにくい吸音材を提供することを目的とする。
本発明は、目付が60g/m以上、かつ平均繊維径が4μm以下の極細不織布層と、モダクリル繊維を30〜60mass%含み、融着繊維を40〜70mass%含む難燃不織布層とを有する吸音材であり、前記吸音材を20cmの高さから落下させた場合に発生する、直径5μm以上の粒子の平均個数が100個以下の吸音材、である。

また、モダクリル繊維の繊度が5dtex以上であるのが好ましい。
更に、難燃不織布層を構成するモダクリル繊維が融着繊維の融着により固定されているのが好ましい。
本発明の吸音材は、目付が60g/m以上、かつ平均繊維径が4μm以下の極細不織布層を備えているため吸音性に優れ、モダクリル繊維を30〜60mass%含む難燃不織布層を有するため難燃性に優れ、しかも20cmの高さから落下させた場合に発生する、直径5μm以上の粒子の平均個数が100個以下と、繊維同士の接着が充分で、繊維が脱落しにくい吸音材である。
また、モダクリル繊維の繊度が5dtex以上であると、繊維同士の接着が充分で、繊維が脱落しにくい吸音材である。
更に、難燃不織布層を構成するモダクリル繊維が融着繊維の融着により固定されていると、モダクリル繊維が損傷していないため、繊維が脱落しにくい吸音材である。
本発明の吸音材は吸音性能に優れているように、目付が60g/m以上、かつ平均繊維径が4μm以下の極細不織布層を有するものである。このような極細不織布層を有し、極細不織布層を構成する繊維の平均繊維径が小さく、空気との接触面積が広いため、効率的に音を熱に変換することができ、吸音性に優れている。また、極細不織布層構成繊維の平均繊維径が小さくても、極細不織布層構成繊維の絶対量が少ないと、空気との接触面積が小さくなり、吸音性が不充分となるため、極細不織布層の目付は60g/m以上である。
本発明の極細不織布層構成繊維の平均繊維径は小さい方が吸音性に優れているため、3μm以下であるのが好ましく、2μm以下であるのがより好ましく、1.5μm以下であるのが更に好ましい。一方で、極細不織布層構成繊維の平均繊維径が小さ過ぎると、極細不織布層構成繊維が破断して繊維脱落しやすくなる傾向があるため、0.1μm以上であるのが好ましく、0.2μm以上であるのがより好ましい。
本発明の「平均繊維径」は、不織布層の主面における電子顕微鏡写真を撮影し、その電子顕微鏡写真から無作為に選んだ100本の繊維の繊維直径の算術平均値を意味し、「繊維直径」は電子顕微鏡写真において、確認できる繊維の伸びる方向に対して直交する方向における長さを意味する。
なお、極細不織布層構成繊維の繊維長は特に限定するものではない。
また、極細不織布層構成繊維を構成する樹脂は特に限定するものではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂;6ナイロン、66ナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;を挙げることができる。
本発明においては、極細不織布層の目付が60g/m以上であるため、吸音性に優れているが、目付が高い程、単位面積あたりにおける繊維量が多く、繊維の表面積が広いことを意味するため、目付は65g/m以上であるのが好ましく、70g/m以上であるのがより好ましく、75g/m以上であるのが更に好ましい。一方で、上限は特に限定するものではないが、難燃性、取り扱い性、又は生産性の点から500g/m以下であるのが好ましい。
なお、本発明における「目付」は、不織布層の一番広い主面1mあたりにおける質量を意味する。
また、本発明の吸音材における極細不織布層の厚さは、極細不織布層の目付が60g/m以上である限り、特に限定するものではない。
本発明における「厚さ」は、吸音材の主面に対して、660.5mmの面積(直径29mmの円の面積)あたり、0.0157Nの荷重を負荷した時に、荷重が作用する方向における長さを、高精度デジタル測長機[例えば、(株)ミツトヨ製のライトマチック(登録商標)]で測定した値をいう。
本発明の極細不織布層は特に限定するものではないが、例えば、メルトブロー不織布(以下、「MB不織布」と表記することがある)、静電紡糸不織布、又は特開2009−287138号公報に開示されているような、溶媒に高分子を溶解又は分散させた紡糸液を吐出し、この吐出された紡糸液に対してガスを作用させて繊維化し、集積して形成した不織布、から構成することができる。これらの中でもMB不織布は所望の通気度であることによって吸音性能が優れており、また、60g/m以上の目付であることが容易であり、しかもコストメリットがあるため好適である。
本発明の吸音材は上述のような極細不織布層に加えて、モダクリル繊維を30〜60mass%含む難燃不織布層を有するため、難燃性に優れている。つまり、前述のような極細不織布層は吸音性に優れているものの、目付が60g/m以上に高く、つまり繊維量が多くなると、難燃性に劣ることから、家電製品など難燃性を必要とする用途に対して適用することが困難であるが、前記難燃不織布層を有することによって、家電製品など難燃性を必要とする用途にも適用することができる。
本発明のモダクリル繊維は、アクリロニトリル単位を35〜85%含む繊維であり、例えば、アクリロニトリルと塩化ビニル又は塩化ビニリデンとの共重合体であり、カネカロン(登録商標)、プロテックス(登録商標)、ダイネルなどの商標で知られている。
このモダクリル繊維の繊度は特に限定するものではないが、繊度が大きいと、モダクリル繊維の強度が向上するとともに、絶対的な本数が減少し、結果として粒子の脱落数が少なくなるため、5dtex以上であるのが好ましく、6dtex以上であるのがより好ましく、7dtex以上であるのが更に好ましい。一方で、モダクリル繊維の繊度が大き過ぎると、モダクリル繊維が均一に分散した難燃不織布層であることが困難になり、難燃性が不充分な箇所が発生する傾向があるため、30dtex以下であるのが好ましく、25dtex以下であるのがより好ましく、20dtex以下であるのが更に好ましい。なお、本発明における「繊度」はJIS L 1015:2010、8.5.1(正量繊度)に規定されているA法により得られる値を意味する。
また、モダクリル繊維の繊維長は特に限定するものではないが、脱落しにくいという観点から長い方が好ましいため、50mm以上であるのが好ましく、60mm以上であるのがより好ましい。一方で、繊維長が長過ぎても、モダクリル繊維が均一に分散した難燃不織布層であることが困難になり、難燃性が不充分な箇所が発生する傾向があるため、105mm以下であるのが好ましい。
本発明の難燃不織布層において、モダクリル繊維量が30mass%未満であると、吸音材の難燃性が不充分となるため、30mass%以上含んでいる。より難燃性に優れるように、35mass%以上含んでいるのが好ましく、40mass%以上含んでいるのがより好ましい。一方で、モダクリル繊維量が60mass%を超えると、吸音材設置箇所に強固に固着する炭化物量が多くなり、この炭化物を通じて伝熱し、吸音材の炭化していない部分(例えば、有機繊維)の温度が上昇することによって、炭化していない部分が炭化物側に引き寄せられるように収縮してしまい、結果的に全焼してしまうなど、難燃性に劣る傾向があるため、モダクリル繊維量は60mass%以下であり、55mass%以下であるのが好ましく、50mass%以下であるのがより好ましい。
なお、極細不織布層の目付が高いと、それだけ可燃成分が多くなり、難燃性に劣る傾向があるため、モダクリル繊維量は1mあたり、極細不織布層の目付の0.9倍以上であるのが好ましく、1倍以上であるのがより好ましく、1.1倍以上であるのが更に好ましい。
本発明の難燃不織布層はモダクリル繊維を含んでいるが、モダクリル繊維以外に、融着繊維を含んでおり、この融着繊維によってモダクリル繊維が固定されているのが好ましい。このような融着繊維によれば、モダクリル繊維を損傷することなく、モダクリル繊維を固定することができ、繊維が脱落しにくい吸音材であることができるためである。例えば、難燃性不織布層がニードルパンチなどの外力によってモダクリル繊維を固定した難燃性不織布に由来する層であると、ニードルパンチによってモダクリル繊維が損傷しており、繊維が脱落しやすい傾向があるが、融着繊維の融着によってモダクリル繊維が固定されていると、モダクリル繊維が損傷しておらず、繊維の脱落が生じにくい吸音材であることができる。
この融着繊維としては、融着する際の熱によってモダクリル繊維に影響を及ぼさない低融点樹脂を繊維表面に備えているのが好ましい。より具体的には、融点が180℃以下の低融点樹脂を繊維表面に備えている融着繊維であるのが好ましい。この低融点樹脂としては、例えば、共重合ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデンなどを挙げることができる。
なお、融着繊維は低融点樹脂のみから構成された単一組成融着繊維であっても良いし、低融点樹脂に加えて、低融点樹脂よりも融点の高い高融点樹脂を含む複数組成融着繊維であっても良い。複数組成融着繊維であると、低融点樹脂の融着によってモダクリル繊維を固定しても、高融点樹脂によって繊維形態を維持することができ、機械的強度の優れる難燃不織布層であることができるため好適である。この好適である複数組成融着繊維における低融点樹脂と高融点樹脂との組合せは特に限定するものではないが、前記作用を発揮しやすいように、融点差が10℃以上であるのが好ましく、50℃以上であるのがより好ましく、80℃以上であるのが更に好ましい。例えば、低融点樹脂の融点が180℃以下である場合、高融点樹脂は、例えば、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリウレタン;ポリフェニレンサルファイド;ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂;であることができる。
なお、複数組成融着繊維の場合、低融点樹脂と高融点樹脂との配置状態は、例えば、繊維横断面において、芯鞘状、貼合せ状、オレンジ状、多層積層状、海島状であることができる。特に、低融点樹脂が繊維表面全体(繊維両端部を除く)を占めている芯鞘状又は海島状であると、モダクリル繊維の融着固定作用に優れているため好適である。
このような融着繊維の繊度は特に限定するものではないが、モダクリル繊維の融着固定に関与できる融着繊維の本数が多く、また、融着固定に関与できる低融点樹脂の表面積が広く、モダクリル繊維が脱落しにくいように、融着繊維の繊度は1〜20dtexであるのが好ましく、1.5〜19dtexであるのがより好ましく、2〜18dtexであるのが更に好ましい。
また、融着繊維の繊維長は特に限定するものではないが、繊維長が長い方が脱落しにくいため、30mm以上であるのが好ましく、50mm以上であるのがより好ましい。一方で、繊維長が長過ぎると、融着繊維が均一に分散することが困難になり、モダクリル繊維を充分に融着固定できない傾向があるため、105mm以下であるのが好ましい。
このような融着繊維はモダクリル繊維による難燃性を損なうことなく、モダクリル繊維を強固に固定できるように、難燃不織布層中、40〜70mass%含まれているのが好ましく、45〜65mass%含まれているのがより好ましく、50〜60mass%含まれているのが更に好ましい。
本発明の難燃不織布層は前述のようなモダクリル繊維を含み、好ましくは融着繊維を含んでいるが、モダクリル繊維以外の難燃繊維を含んでいることができる。例えば、ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ノボロイド樹脂、ポリクラール樹脂、アラミド樹脂、難燃剤(例えば、ハロゲン系、リン系、又は金属化合物系難燃剤)を含む樹脂を含む難燃繊維を含んでいることができる。
また、本発明の難燃不織布層は難燃性、繊維の脱落防止性を損なわない範囲内で、更に別の種類の繊維を含んでいることができる。例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂)、などの有機ポリマー1種類、又は2種類以上からなる繊維を含むことができる。
なお、モダクリル繊維以外の難燃繊維又は別の種類の繊維の繊度、繊維長は前記融着繊維と同じ範囲内であることができる。また、モダクリル繊維以外の難燃繊維又は別の種類の繊維の難燃不織布層中における含有量は、モダクリル繊維との関係から、70mass%以下であることができるが、前述の通り、モダクリル繊維と融着繊維を含んでいるのが好ましいため、30mass%以下であるのが好ましく、20mass%以下であるのがより好ましく、10mass%以下であるのが更に好ましい。
本発明の難燃不織布層は前述の通り、繊維の脱落が生じにくいように、融着繊維の融着によって不織布形態を保持しているのが好ましい。なお、液状バインダによって繊維同士を接着する方法であっても、繊維の損傷が生じないため、液状バインダの接着によって不織布形態を保持していても良い。また、融着繊維の融着と液状バインダの接着の両方によって不織布形態を保持していても良い。つまり、ニードルパンチなどの絡合作用による繊維同士の絡合によって不織布形態を保持していると、繊維が損傷し、繊維が脱落しやすいため、絡合作用を受けていないのが好ましい。
このような難燃不織布層の目付は特に限定するものではないが、難燃性に優れる吸音材であるように、200g/m以上であるのが好ましく、230g/m以上であるのがより好ましく、250g/m以上であるのが更に好ましい。一方で、難燃不織布層の目付が高すぎると、難燃性を維持するのが難しいため、650g/m以下であるのが好ましく、620g/m以下であるのがより好ましく、600g/m以下であるのが更に好ましい。
また、難燃不織布層の厚さは特に限定するものではないが、1000Hz付近の吸音性能に優れているように、4mm以上であるのが好ましく、4.3mm以上であるのがより好ましく、4.5mm以上であるのが更に好ましい。一方で、難燃不織布層が厚すぎると、繊維が脱落しやすくなる傾向があるため、12mm以下であるのが好ましく、11.5mm以下であるのがより好ましく、11mm以下であるのが更に好ましい。
更に、難燃不織布層の見掛密度は特に限定するものではないが、繊維同士の結合が充分で、繊維脱落しにくく、層間剥離も生じにくいように、20kg/m以上であるのが好ましく、22kg/m以上であるのがより好ましく、23kg/m以上であるのが更に好ましい。一方で、難燃不織布層の見掛密度が高すぎると、モダクリル繊維を含んでいても難燃性に劣る傾向があるため、60kg/m以下であるのが好ましく、57kg/m以下であるのがより好ましく、55kg/m以下であるのが更に好ましい。この見掛密度(=D)は難燃不織布層の目付(=M、単位:kg/m)と厚さ(T、単位:m)から算出される値である。つまり、次の式から算出される値である。
D=M/T
本発明の吸音材は前述のような極細不織布層と難燃不織布層とを有するものであるが、20cmの高さから落下させた場合に発生する、直径5μm以上の粒子の平均個数が100個以下の、繊維脱落が発生しにくいものである。この粒子数が少なければ少ない程、繊維脱落が少なく好適であるため、直径5μm以上の粒子の平均個数は90個以下であるのが好ましく、80個以下であるのがより好ましく、70個以下であるのが更に好ましい。
なお、「20cmの高さから落下させた場合」の値で表現しているのは、繊維脱落が発生するケースとして、例えば、吸音材使用時におけるコンプレッサエアなどの外力による脱落、吸音材施工時に作業者が吸音材に接触する外力による外力などがあるが、強力な外力として、吸音材をある程度の高さから落とした場合に加わる外力があり、実際の繊維の脱落と吸音材の落下高さとの関係を調べた結果、20cmの高さから落下させた場合の発生粒子の平均個数と繊維の脱落との間に相関関係が認められたためである。
また、「直径5μm以上の粒子」の平均個数で表現しているのは、極細不織布層を構成する繊維の平均繊維径が4μm以下であることから、従来問題としていた、難燃不織布層からの繊維の脱落を評価できるためである。
なお、本発明の「粒子5μm以上の粒子の平均個数」は、次の方法により得られる値である。
まず、光散乱方式パーティクルカウンタ[(株)リオン製、KC−01C]の粒子吸込口(直径:4mm)から、上方向(重力と反対方向)に2cmのスペースを設けて、10メッシュの金網を設置する。なお、外部環境の影響を受けないように、パーティクルカウンタ及び金網はアクリルボックス(たて:50cm、よこ:50cm、高さ:50cm)の中に収納する。
次いで、10cm角に切断した吸音材の極細不織布層を下向きにして、極細不織布層表面が金網から20cm高い位置から、吸音材を金網に落下させ、その際に発生した粒子をパーティクルカウンタで吸引し、直径5μm以上の粒子の数を計測する。この粒子数の計測操作を20回繰り返した後、1回あたりの粒子数を算出し、「粒子5μm以上の粒子の平均個数」とする。なお、1回あたりの粒子数は小数第1位を四捨五入する。
本発明の吸音材は前述のような極細不織布層と難燃不織布層とを有するものであるが、極細不織布層と難燃不織布層とは接合していても良いし、接合していなくても良い。しかしながら、各種部位に設置する際の作業等に優れているように、接合しているのが好ましい。極細不織布層と難燃不織布層とが接合している場合、例えば、難燃不織布層を構成する融着繊維による融着;粉体、繊維又は繊維シート形態を有する融着材による融着;エマルジョン、サスペンジョン又は溶液状態の接着剤による接着;極細不織布層構成繊維と難燃不織布層構成繊維との絡合;により接合していることができる。
この融着材としては、融着繊維を構成できる低融点樹脂と同様の低融点樹脂であることができる。つまり、融点が180℃以下の低融点樹脂であることができ、例えば、共重合ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデンであることができる。
また、接着剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の合成樹脂であることができ、例えば、ポリアクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、尿素系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテル・エーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、シリコーン系樹脂、などであることができる。
なお、融着材や接着剤により接合していると、難燃性が低下する傾向があり、また、極細不織布層と難燃不織布層との間の通気性を損ない、吸音性が悪くなる傾向があるため、融着材や接着剤の量は80g/m以下であるのが好ましく、20g/m以下であるのがより好ましく、5g/m以下であるのが更に好ましい。
本発明の吸音材は難燃不織布層を有するため、難燃性に優れるものであるが、具体的には、アンダーライター・ラボラトリーズ・インコーポレーテッドが定めるUL94の燃焼試験に準じて試験で、「HF−1」グレードの難燃性を有するものであることができる。
なお、吸音材全体におけるモダクリル繊維比率が低いと、難燃性に劣る傾向があるため、吸音材全体におけるモダクリル繊維比率は20mass%以上であるのが好ましく、22mass%以上であるのがより好ましく、23mass%以上であるのが更に好ましい。一方で、吸音性に優れるように、極細不織布層を有し、モダクリル繊維の脱落が生じにくいように、融着繊維を含んでいるのが好ましいため、モダクリル繊維比率は60mass%以下であるのが好ましく、55mass%以下であるのがより好ましく、53mass%以下であるのが更に好ましい。
また、極細不織布層及び/又は難燃不織布層がシリカ粒子などの無機粒子を含んでいることによって、吸音材全体の質量が高く、吸音性能に優れる吸音材であることができる。
更に、本発明の吸音材は吸音性、難燃性及び繊維の脱落防止性に更に優れるように、例えば、不織布、織物、編物などの繊維シート、通気性フィルム、発泡シートなどからなる層を更に有することができる。なお、これらの層は極細不織布層側、極細不織布層と難燃不織布層との間、又は難燃不織布層側に有することができる。
更に、吸音材を機器内部などに貼付して使用する場合には、極細不織布層表面又は難燃不織布層表面に、粘着剤、両面粘着テープ、又は面ファスナーなどの貼付手段を有することができる。本発明の吸音材は音源に対向して極細不織布層が位置するように設置するのが好ましいため、貼付手段は難燃不織布層表面に備えているのが好ましい。
更に、本発明の吸音材の外形は適用箇所によって異なり、特に限定するものではないが、例えば、二次元的なシート形状、三次元的なプリーツ形状、円筒形状などであることができる。なお、吸音材は適用箇所に適合しやすいように、切り抜き部、打ち抜き部、又は切れ込み部を有することができる。
このような本発明の吸音材は、例えば、極細不織布層と難燃不織布とをそれぞれ作製した後に、積層し、好ましくはこれら不織布を接合して、本発明の吸音材を製造することができる。また、難燃不織布上に、紡糸した繊維を直接積層して極細不織布層を形成し、本発明の吸音材を製造することもできる。
なお、極細不織布層は公知の方法により作製することができる。例えば、MB不織布からなる極細不織布層は、複数配置された直径0.1〜0.6mmのノズル群から、一穴当たり0.1〜1.0mL/min.の溶融樹脂を吐出させ、溶融樹脂の温度の±50℃に加熱されたエアを、吐出直後の溶融樹脂に吹き付けて繊維化し、ノズル下方に設置された捕集体上に、目付が60g/m以上となるように集積させて作製することができる。
また、難燃不織布も公知の方法により作製することができる。例えば、モダクリル繊維30〜60mass%と好ましくは融着繊維40〜70mass%とを混綿し、乾式法(例えば、カード法、エアレイ法など)又は湿式法により繊維ウエブを形成した後、融着繊維の低融点樹脂を融着させることにより、及び/又は液状バインダ(例えば、エマルジョン型バインダ、サスペンジョン型バインダ、溶液型バインダなど)の接着により、難燃不織布を作製することができる。このように、ニードルパンチなどの外力を作用させることなく難燃不織布を作製すると、繊維の脱落が生じにくいため好適である。
なお、繊維ウエブの形成をエアレイ法により実施すると、嵩高な繊維ウエブを形成でき、また、構成繊維を厚さ方向に配列させることによって硬さを調整してヘタリ防止性を付与でき、更に、難燃不織布層のバネ定数を調整して吸音材の共振周波数を調整し、吸音性能に優れる吸音材を製造できるため好適である。
更に、極細不織布と難燃不織布との接合は、例えば、融着繊維を含む難燃不織布と極細不織布とを積層した後、熱風乾燥機、オーブン、エンボス加工機、超音波加工機等により、融着繊維の融着力を発揮させる方法;難燃不織布と極細不織布との間に、粉体、繊維又は繊維シート形態を有する融着材を介在させた後、熱風乾燥機、オーブン、エンボス加工機、超音波加工機等により、融着材の融着力を発揮させる方法;難燃不織布と極細不織布との間に、エマルジョン、サスペンジョン又は溶液状態の接着剤を付与し、接着剤の接着力を発揮させる方法;難燃不織布と極細不織布とを積層した状態で、エマルジョン、サスペンジョン又は溶液状態の接着剤浴中に浸漬し、接着剤を付与した後に、接着剤の接着力を発揮させる方法;難燃不織布と極細不織布とを積層した後、ニードルにより絡合する方法;により実施できる。なお、極細不織布と難燃不織布とを接合する場合においても、ニードルパンチなどの外力を作用させることなく接合すると、極細不織布構成繊維と難燃不織布構成繊維が損傷せず、繊維の脱落が生じにくいため、ニードルパンチなどの外力を作用させる方法以外の方法により接合するのが好ましい。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における評価方法は次の通りである。
(吸音率)
吸音材から、円形の試験片(直径:29mm)を採取した。そして、JIS A1405−1:2007に準拠した測定方法により、試験片の垂直入射吸音率(%)を測定し、500〜6300Hzの周波数帯域における吸音率の挙動を測定した。なお、測定する際には、音源側に極細不織布層(MB不織布層)が露出するように試験片を配置した。
そして、自動車、家電製品等において、比較的低い周波数である1000Hzの静粛性が求められているため、1000Hzにおける吸音率を元に吸音材の良し悪しを判断した。
つまり、吸音材として汎用されているシンサレート(登録商標、スリーエム社製)N−300(目付:300g/m、厚さ:13mm)の1000Hzにおける吸音率が27%であることから、厚さが近接する比較例1〜16および実施例1〜7の吸音材に関しては、1000Hzにおける吸音率が27%以上の場合を○、27%未満の場合を×と評価した。
また、前記シンサレート(登録商標、スリーエム社製)N−300を熱圧着して、厚さを5mmに圧縮したところ、1000Hzにおける吸音率が11%であったことから、厚さが近接する比較例17〜19および実施例8〜11の吸音材に関しては、1000Hzにおける吸音率が11%以上の場合を○、11%未満の場合を×と評価した。
(難燃性)
UL94の燃焼性試験を行い、「HF−1」の規格に適合する場合を「○」、適合しない場合を「×」と評価した。具体的には、JISK6400−6:2004「軟質発泡材料−物理特性の求め方−第6部:燃焼性」に記載の水平燃焼特性の測定を行ない、評価した。
(粒子脱落性)
前述の方法により、20cmの高さから落下させた場合に発生する、直径5μm以上の粒子の平均個数を測定した。
(比較例1〜5)
(極細不織布層の準備)
ポリプロピレン樹脂からなり、表1のMB不織布層の欄に記載の目付、厚さ及び平均繊維径を有するMB不織布を作製し、極細不織布とした。
(融着不織布の準備)
ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度:0.9dtex、繊維長:38mm)80mass%と芯鞘型融着繊維[芯部:ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点:250℃)、鞘部:共重合ポリエステル樹脂(融点:160℃)、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm]20質量%とを混綿した後、エアレイ法により繊維ウエブを形成した。その後、繊維ウエブをエアースルードライヤーにより、温度170℃での熱処理を実施し、芯鞘型融着繊維が融着した融着不織布(目付:600g/m、厚さ11mm、密度:55kg/m)を作製した。
(吸音材の製造)
融着不織布にアクリル系接着剤(固形分量:5g/m)を塗布した後、MB不織布を積層し、円周が約8mのキャンドライヤにて温度105℃で乾燥して、MB不織布と融着不織布とが接着剤で接着した吸音不織布シートをそれぞれ製造した。これら吸音不織布シートの物性は表1に示す通りであった。
Figure 0006727059
表1の結果から、極細不織布層(MB不織布層)の目付が60g/m以上になると、吸音性能に優れているものの、難燃性が悪くなることがわかった。
(比較例6〜8)
(極細不織布の準備)
ポリプロピレン樹脂からなり、目付80g/m、厚さ1.1mm、平均繊維径1.2μmのMB不織布を作製し、極細不織布とした。
(難燃不織布の準備)
モダアクリル難燃繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:52mm)と芯鞘型融着繊維(芯部:ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点:250℃)、鞘部:共重合ポリエステル樹脂(融点:160℃)、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)とを、表2の難燃不織布層の欄に示す配合比率で混綿した後、エアレイ法により繊維ウエブを形成した。その後、繊維ウエブをエアースルードライヤーにより温度170℃での熱処理を実施し、芯鞘型融着繊維が融着した難燃不織布(目付:600g/m、厚さ11mm、密度:55kg/m)を作製した。
前記難燃不織布にアクリル系接着剤(固形分量:5g/m)を塗布した後、MB不織布を積層し、円周が約8mのキャンドライヤにて温度105℃で乾燥して、MB不織布と難燃不織布とが接着剤で接着した吸音不織布シートをそれぞれ製造した。これら吸音不織布シートの物性は表2に示す通りであった。
Figure 0006727059
表2の結果から、モダクリル繊維を含有していることによって、難燃性は向上するものの、モダクリル繊維の増加につれて、脱落粒子の発生数が多くなることがわかった。
(比較例9〜10)
(極細不織布層の準備)
ポリプロピレン樹脂からなり、目付83g/m、厚さ1.1mm、平均繊維径1.2μmのMB不織布を作製し、極細不織布とした。
(難燃不織布の準備)
モダアクリル難燃繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:52mm)と芯鞘型融着繊維(芯部:ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点:250℃)、鞘部:共重合ポリエステル樹脂(融点:160℃)、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)とを、表3に示す配合比率で混綿した後、エアレイ法により繊維ウエブを形成した。その後、繊維ウエブをエアースルードライヤーにより、温度170℃での熱処理を実施し、芯鞘型融着繊維が融着した難燃不織布を作製した。
(吸音材の製造)
前記難燃不織布にアクリル系接着剤(固形分量:5g/m)を塗布した後、MB不織布を積層し、円周が約8mのキャンドライヤにて温度105℃で乾燥して、MB不織布と難燃不織布とが接着剤で接着した吸音不織布シートをそれぞれ製造した。これら吸音不織布シートの物性は表3に示す通りであった。
(比較例11)
(極細不織布層の準備)
ポリプロピレン樹脂からなり、目付80g/m、厚さ1.1mm、平均繊維径1.2μmのMB不織布を作製し、極細不織布とした。
(難燃不織布の準備)
モダアクリル難燃繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:52mm)と芯鞘型融着繊維(芯部:ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点:250℃)、鞘部:共重合ポリエステル樹脂(融点:160℃)、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)とを、40対60の質量比率で混綿した後、カード法により繊維ウエブを形成した。その後、繊維ウエブを針密度10.5本/cm、針深さ11mmの条件でニードルパンチ処理を実施し、繊維同士が絡合した難燃不織布を作製した。
(吸音材の製造)
前記難燃不織布にアクリル系接着剤(固形分量:5g/m)を塗布した後、MB不織布を積層し、円周が約8Mのキャンドライヤにて温度105℃で乾燥して、MB不織布と難燃不織布とが接着剤で接着した吸音不織布シートを製造した。この吸音不織布シートの物性は表3に示す通りであった。
(比較例12〜13)
(極細不織布の準備)
ポリプロピレン樹脂からなり、表3のMB不織布層の欄に示す目付、厚さ及び平均繊維径を有するMB不織布を作製し、極細不織布とした。
(難燃不織布の準備)
モダアクリル難燃繊維(繊度:17dtex、繊維長:64mm)と芯鞘型融着繊維(芯部:ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点:250℃)、鞘部:共重合ポリエステル樹脂(融点:160℃)、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)とを、40対60の質量比率で混綿した後、カード法により繊維ウエブを形成した。その後、繊維ウエブを針密度10.5本/cm、針深さ11mmの条件でニードルパンチ処理を実施して繊維同士を絡合した後、更に、アクリル系接着剤をスプレー散布し、熱風乾燥機(温度170℃)で乾燥して、難燃不織布(比較例12、13)を製造した。なお、比較例12の難燃不織布は繊維量が160g/mで、接着剤量が140g/mであり、比較例13の難燃不織布は繊維量が151g/mで、接着剤量が156g/mであった。
(吸音材の製造)
前記難燃不織布にアクリル系接着剤(固形分量:5g/m)を塗布した後、MB不織布を積層し、円周が約8mのキャンドライヤにて温度105℃で乾燥して、MB不織布と難燃不織布とが接着剤で接着した吸音不織布シートをそれぞれ製造した。これら吸音不織布シートの物性は表3に示す通りであった。
Figure 0006727059
表3の比較例9、10から、難燃不織布層の目付が高くなると、粒子の脱落個数が多くなること、比較例11から、ニードルにより絡合すると、繊維が損傷し、粒子の脱落個数が多くなること、及び比較例12、13から、バインダにより脱落粒子個数を低減させることはできるものの、ニードルにより絡合しているため、充分な程度まで粒子の脱落を防止することができないことがわかった。
(実施例1〜4、比較例14〜16)
(極細不織布層の準備)
ポリプロピレン樹脂からなり、目付80g/m、厚さ1.1mm、平均繊維径1.2μmのMB不織布を作製し、極細不織布とした。
(難燃不織布の準備)
モダアクリル難燃繊維(繊度:7.8dtex、繊維長:64mm)と芯鞘型融着繊維(芯部:ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点:250℃)、鞘部:共重合ポリエステル樹脂(融点:160℃)、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)とを、表4に示す配合比率で混綿した後、エアレイ法により繊維ウエブを形成した。その後、繊維ウエブをエアースルードライヤーにより、温度170℃での熱処理を実施し、芯鞘型融着繊維が融着した難燃不織布(目付:600g/m、厚さ11mm、密度:55kg/m)を作製した。
(吸音材の製造)
前記難燃不織布にアクリル系接着剤(固形分量:5g/m)を塗布した後、MB不織布を積層し、円周が約8Mのキャンドライヤにて温度105℃で乾燥して、MB不織布と難燃不織布とが接着剤で接着した吸音不織布シートをそれぞれ製造した。これら吸音不織布シートの物性は表4に示す通りであった。
Figure 0006727059
表4の結果から、モダクリル繊維量が30〜60mass%であると、HF−1グレードの難燃性を示す、難燃性に優れる吸音材であることがわかった。また、比較例7、8と実施例2、4との比較から、モダクリル繊維が太いと、粒子の脱落が発生しにくいことがわかった。
(実施例5〜7)
(極細不織布の準備)
ポリプロピレン樹脂からなり、目付80g/m、厚さ1.1mm、平均繊維径1.2μmのMB不織布を作製し、極細不織布とした。
(難燃不織布の準備)
モダアクリル難燃繊維(繊度:7.8dtex、繊維長:64mm)と芯鞘型融着繊維(芯部:ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点:250℃)、鞘部:共重合ポリエステル樹脂(融点:160℃)、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)とを、表5に示す配合比率で混綿した後、エアレイ法により繊維ウエブを形成した。その後、繊維ウエブをエアースルードライヤーにより、温度170℃での熱処理を実施し、芯鞘型融着繊維が融着した難燃不織布(目付:250g/m、厚さ11mm、密度:23kg/m)を作製した。
(吸音材の製造)
前記難燃不織布にアクリル系接着剤(固形分量:5g/m)を塗布した後、MB不織布を積層し、円周が約8Mのキャンドライヤにて温度105℃で乾燥して、MB不織布と難燃不織布とが接着剤で接着した吸音不織布シートをそれぞれ製造した。これら吸音不織布シートの物性は表5に示す通りであった。
Figure 0006727059
表5の結果から、難燃不織布層の目付が実施例1〜3よりも低く(250g/m)、見掛密度が低く(23kg/m)となったとしても、モダクリル繊維量が30mass%以上であると、HF−1グレードの難燃性を示す、難燃性に優れる吸音材であることがわかった。
(実施例8〜11、比較例17〜19)
(極細不織布の準備)
ポリプロピレン樹脂からなり、目付80g/m、厚さ1.1mm、平均繊維径1.2μmのMB不織布を作製し、極細不織布とした。
(難燃不織布の準備)
モダアクリル難燃繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:52mm)と芯鞘型融着繊維(芯部:ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点:250℃)、鞘部:共重合ポリエステル樹脂(融点:160℃)、繊度:2.2dtex、繊維長:51mm)とを、表6の難燃不織布層の欄に示す配合比率で混綿し、エアレイ法により繊維ウエブを形成した。その後、繊維ウエブをエアースルードライヤーにより温度170℃での熱処理を実施し、芯鞘型融着繊維が融着した難燃不織布(目付:250g/m、厚さ:4.5mm、密度:56kg/m)を作製した。
(吸音材の製造)
前記難燃不織布にアクリル系接着剤(固形分量:5g/m)を塗布した後、MB不織布を積層し、円周が約8Mのキャンドライヤにて温度105℃で乾燥して、MB不織布と難燃不織布とが接着剤で接着した吸音不織布シートをそれぞれ製造した。これら吸音不織布シートの物性は表6に示す通りであった。
Figure 0006727059
表6の結果から、難燃不織布層の目付が実施例1〜3よりも低く(250g/m)、厚さが薄く(4.5mm)なったとしても、モダクリル繊維量が30〜60mass%であると、HF−1グレードの難燃性を示す、難燃性に優れる吸音材であることがわかった。
本発明の吸音材は吸音性能、難燃性能に優れ、しかも繊維の脱落しにくい吸音材であるため、これら性能を必要とする用途に使用することができる。例えば、一般家屋、工場、オフィス、病院などの建物内外における音を吸音する用途;航空機、船舶、鉄道車両、自動車などの乗り物内外における音を吸音する用途;工業用ロボット、加工機械、医療装置、又は情報機器装置(例えば、パソコン、プリンタ、スキャナなど)などの内部で発生した動作音を吸音する用途;家電製品(例えば、テレビ、掃除機、冷蔵庫、洗濯機、食器洗浄器、電子レンジ、高圧洗浄機、扇風機、ファンヒータなど)の内部で発生した動作音を吸音する用途に使用できる。

Claims (3)

  1. 目付が60g/m以上、かつ平均繊維径が4μm以下の極細不織布層と、モダクリル繊維を30〜60mass%含み、融着繊維を40〜70mass%含む難燃不織布層とを有する吸音材であり、前記吸音材を20cmの高さから落下させた場合に発生する、直径5μm以上の粒子の平均個数が100個以下であることを特徴とする吸音材。
  2. モダクリル繊維の繊度が5dtex以上であることを特徴とする、請求項1記載の吸音材。
  3. 難燃不織布層を構成するモダクリル繊維が融着繊維の融着により固定されていることを特
    徴とする、請求項1又は2記載の吸音材。
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