JP6726833B2 - 多機能ネット - Google Patents

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Description

本発明は、冷却塔やビル、病院などの空調機器の室外機の冷却効果向上や農産物成育などのための遮光、遮熱に使用される他、防風、防砂、防薬などにも使用される多機能ネットに関する。
工場の敷地内等に設置された冷却塔が直射日光に晒されると、冷却塔内の冷却水の温度上昇を招き、冷却能力、節電効果、エネルギー効率が低下する。そこで、冷却塔内の熱交換器として機能する充填材や、熱交換器の空気吸込み口の周辺、あるいは冷却塔の散水槽の上部にカバーやネットを張ることが行なわれている。特許文献1では、冷却塔の充填材の周辺にカバーを張って直射日光が当たらないようにしたものが記載されている。
また、農業や園芸の分野では、農産物や園芸作物の成育のため、通気性を有しつつ日除けする遮光ネットが使用されている。このネットは、編織して形成され、遮光の他、防風、防砂、防薬などとしても使用されている。
しかし、これらのカバーや遮光ネットは、直射日光に晒されたとき、それ自体が熱を帯びるため、冷却塔などの遮光対象物を覆っても昼間時間帯では大きな冷却効果は望めなかった。
そこで、遮光ネット自体に熱がこもるのを防止するために、遮熱効果を有する遮熱ネットが市販されている。特許文献2には、この種の遮熱ネットが記載されている。遮熱ネットは、アルミ蒸着テープやアルミ箔などが取り付けられているため、熱を帯びた面から出る長波長放射が透過するのを防止する。遮熱ネットは、アルミニウムによる高い遮熱力を発揮し、また、UV剤入りアルミ蒸着テープが採用されたものでは、耐候性、耐久性が向上している。
特開2008−215691号公報 特開2005−256204号公報
しかし、従来のネットは、遮光、遮熱の他、防風、防砂、防薬などの機能も発揮したり、耐候性、耐久性などにも優れるなど、各種の機能を一度に備えたものはなかった。このため、用途に応じてネットを使い分けなければならず、不便であり、取り扱い、管理も煩雑で、不経済でもあった。
そこで、本発明は、遮光、遮熱、防風、防砂など多くの機能を備えた多機能ネットの提供を課題とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、対象物を遮光する多機能ネットであって、遮光ネットと、帯状遮熱層が複数並設された遮熱ネットと、が平面的に重ね合わされた状態で一体化されており、前記遮光ネットが前記対象物側を向き、前記遮熱ネットが前記対象物と反対側を向くように張設可能に形成されており、前記多機能ネットは、平面状の本体部と、前記本体部の外周側に設けられる枠部と、を備え、前記枠部は、折り重ねられた状態で縫製された前記遮光ネット及び前記遮熱ネットの各周縁部により構成されており、前記遮光ネットと前記遮熱ネットは、前記本体部においても接合されており、前記遮光ネットの遮光率は65%〜75%であり、前記遮熱ネットの遮光率は45%〜70%であることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記本体部は、その一部が寄せ重ねられた状態で根元部分が縫製されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記本体部は、その一部にハトメが取り付けられていることを要旨とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記遮光ネット及び前記遮熱ネットは、それぞれの編織糸が黒色であることを要旨とする。
本発明の多機能ネットは、遮光ネットと、帯状遮熱層が複数並設された遮熱ネットと、が平面的に重ね合わされた状態で一体化されており、前記遮光ネットが前記対象物側を向き、前記遮熱ネットが前記対象物と反対側を向くように張設可能に形成されている。これにより、遮光ネットが有する遮光、防風、防砂、防薬などの機能を発揮するとともに、遮熱ネットが有する遮熱の機能や、帯状遮熱層にUV剤が添加されているものでは、耐候性、耐久性としての機能、特性を発揮する。このため、このネットは、冷却塔や空調室外機等の吸気温度上昇を防止して消費電力を削減するために使用できる他、防風ネット、防砂ネットなどとして各種用途に用いることができる。
また、前記遮光ネットの遮光率が40%〜75%であり、前記遮熱ネットの遮光率が45%〜90%である場合は、遮光ネット及び遮熱ネットの各機能の向上を相乗的に図ることができる。
また、前記遮光ネット及び前記遮熱ネットが、それぞれの編織糸が黒色である場合は、多機能ネットの遮光率を高め得るとともに、両ネットは紫外線の影響を同程度に受けるため、遮光ネット及び遮熱ネットの寿命を同程度のものとすることができる。
また、前記多機能ネットが、本体部と、枠部と、を備え、前記枠部が、折り重ねられた状態で縫製された前記遮光ネット及び前記遮熱ネットの各周縁部により構成されている場合は、枠部の強度が大きいため、強風により、対象物に結束するロープ等によって枠部が破れたり損傷するのを防止できる。
さらに、前記遮光ネットと前記遮熱ネットが、前記本体部においても接合されている場合は、本体部等が擦れて磨耗したり、強風により本体部等が破れたり、破損するのを防止でき、また、水平張りしたときにネットの本体部が垂れ下がってしまうのを防止でき、更に、冬季の降雪による堆積荷重によって破損するのを防止することができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部位を示す。
実施形態の多機能ネットを模式的に示し、(a)は正面図、(b)は一般平面部の拡大断面図である。 上記多機能ネットの枠部を示し、(a)は枠部の拡大正面図、(b)は図1(a)のA−A切断線による断面図である。 実施形態の遮光ネットを模式的に示す正面図である。 実施形態の遮熱ネットを模式的に示す正面図である。 上記多機能ネットの本体部の補強形態を示し、(a)は平面図、(b)は要部断面図、(c)は別の補強形態の要部断面図である。 更に別の補強形態を示し、(a)は正面図、(b)は小判形ハトメの拡大正面図である。 上記多機能ネットを冷却塔に使用した状態を示す正面図である。 上記多機能ネットの張設に使用する取付ブラケットの斜視図である。 上記多機能ネットの実験例1〜6及び比較例1〜3の試験結果を示す表である。 上記多機能ネットを、両側に対向して複数設置された空調室外機に使用した状態を示す斜視図である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
多機能ネットは、遮光、遮熱、防風、防砂など多くの機能を有するものである。本実施形態では、この多機能ネットで対象物としての冷却塔を遮光、遮熱するものを中心に説明する。
図1において、多機能ネット1は、遮光ネット11と遮熱ネット21とが平面的に重ね合わされた状態で一体に形成されている。この多機能ネット1は、平面状の本体部1aと、本体部1aの外周側に設けられる枠部1bと、を備えている。この枠部1bは、図2により後述するように、折り重ねられた状態で縫製された遮光ネット11及び遮熱ネット21の各周縁部14、25により構成されている。このように枠部1bが接合されることで、遮光ネット11と遮熱ネット21とは一体化されている。
前記遮光ネット11は、図3に示すように、編織(即ち、製編又は製織)して形成され、防風、防砂、防薬の特性をも有し、防風ネット、防砂ネット、防薬ネットとしても使用されるものである。具体的には、目合が1mmのネットの場合は、主に防砂ネット、防薬ネットとして使用され、目合が2mmのネットの場合は、主に防砂ネットとして使用される。糸は、素材にポリエチレン等が使用され、遮光率を上げるため、黒色が使用されている。
一方、遮熱ネット21は、図4に示すように、編織(即ち、製編又は製織)して形成されるとともに、間隔をおいて帯状遮熱層が複数並設されている。帯状遮熱層は、具体的には、アルミ蒸着テープ24で形成されており、更に、アルミ蒸着テープ24には紫外線対策としてUV剤(紫外線吸収剤)が添加されている。UV剤の添加により耐候性、耐久性が向上している。アルミ蒸着テープ24は、日光に向く表面が銀色で、反対側の裏面は黒色となっている。糸は、素材にポリエチレン、ポリエステル等が使用され、通常はラッセル網によって編織されている。また、糸は、黒色が使用されている。更に、糸は、遮熱ネット21の寿命を遮光ネット11と同程度にするため、遮光ネット11の糸と同一の太さとしている。さらに、遮光ネット11の糸と同一の材質が好ましい。なお、帯状遮熱層は、アルミニウムの粉をコーティング剤でネット上に落下させた後プレス加工して形成することもできる。また、UV剤は必ずしも添加を要するものではない。
なお、上記帯状遮熱層(アルミ蒸着テープ24)は、強度の強いモノフィラメントを用いて編み上げた鎖編23の列(帯状遮熱層と略同じ間隔)の間に一種の経糸として挿入し、帯状遮熱層の表裏を鎖編間を連結する表側ループ状緯糸と裏側ループ状緯糸で挟むように編成することにより、丈夫な遮熱ネット21が得られる。そして、鎖編23の列に対する帯状遮熱層の位置や個数を調整することで、遮熱率が変更される。
このように形成されている遮光ネット11と遮熱ネット21とは、平面的に重ね合わせ、図2に示すように、それぞれのネットの周縁部14,25を重ね合わせたまま遮光ネット11側に一体に折り返し、折り返し部15,26を周縁に沿って縫製することにより一体化されている。より詳細には、両ネット11、21の周縁部14,25の折り返し部15,26に、ポリ塩化ビニル製等の縁取りテープ31を幅の略中央で2等分して両ネットの折り返し部15,26を挟み込む。このとき、両ネットの周縁部14,25を折り返した端末16,27は縁取りテープ31から外側にはみ出さないようにする。次いで、折り返し部15,26から縁取りテープ31の幅方向の2箇所を多機能ネット1の側端部に沿って環縫い等により縫製する。その後、2本の縫製糸32,32の間において長さ方向に所定の間隔で、多機能ネット1の張設に使用する結束ロープを通すためのハトメ34をかしめて取り付ける。
なお、多機能ネット1は、特に外形寸法が大きい場合には、本体部1a等が擦れて磨耗したり、強風により本体部1a等が破れたり、破損することがある。また、多機能ネット1は、水平張りしたときにネットの本体部1aが垂れ下がってしまうことがあり、冬季の降雪による堆積荷重によって破損することもある。そこで、このような虞があるときには、これらによる破損等を防止するため、ネットの本体部1aを補強する。
上記補強形態としては、例えば、多機能ネット1の本体部1aの一部(例えば、中央部)が寄せ重ねられた状態で根本部分が縫製されている形態を挙げることができる。すなわち、図5(a)及び(b)に示すように、多機能ネット1の幅の中央部を寄せて垂直状態に折り重ねた後、根元部分を縫製糸35で縫製して所定高さの突起36を形成する。なお、図5(a)は、多機能ネット1を裏側から見た図であり、中央部においては突起36が表れている。遮光ネット11と遮熱ネット21とは突起36の部分で接合されたものとなる。また、突起36に対して、図5(c)に示すように、ネット平面上に倒して寝かせた状態で環縫い等して補強することもできる。なお、縫製による補強は、別途のテープを多機能ネット1の本体部1aの両面に配置し、このテープとともに遮光ネット11と遮熱ネット21とを縫い加工して行なってもよい。
また、上記補強形態としては、例えば、図6に示すように、多機能ネット1の本体部1aの一部(例えば、中央部)にハトメがかしめられている形態を挙げることもできる。この補強では、図6(b)に示すステンレス製等の小判形ハトメ38を中央部の複数箇所例えば3箇所にかしめている。小判形ハトメ38は、図6では縦方向に並設しているが、横方向に並設してもよく、すなわち任意の方向、位置に設けることができる。小判形ハトメ38による補強は、強度、耐久性に優れ、見映えが良い。なお、図6(a)は、多機能ネット1を裏側から見た図である。
次に、上記のように構成された多機能ネット1を冷却塔41に使用する例を説明する。
冷却塔41は、図示しない冷却チラーに循環使用する冷却水42を冷却するものである。冷却塔41は、図7に示すように、上部に設置されて冷却チラーから送られてきた冷却水42を溜めて冷却塔41内に散水する散水槽43と、冷却塔41の内部にあって散水槽43で散水された冷却水42を空気44によって冷却する充填材45と、上部中央に設置され、外気を側壁部に形成された入口ルーバからなる吸気口46から取り込んで充填材45の内部を通流させる送風機47と、下部に設けられ、充填材45で冷却されて落下してきた冷却水42を溜める下部水槽48とで構成されている。ここで、充填材45は、冷却水42を空気44と直接接触させて冷却する一種の熱交換器である。
冷却塔41は、散水槽43の冷却水42を上方から充填材45の間に散水するとともに、送風機47により吸気口46から取り込まれた空気44を充填材45に通流させることで、空気44と冷却水42とが直接接触し、冷却水42の一部が蒸発するときに周辺から気化熱を奪うことによって残りの冷却水42を冷やす。冷却水42を効率的に冷却するため、充填材45は表面積を大きくすることで、冷却水42と空気44との接触時間を長くしている。これにより冷やされた冷却水42は、下部水槽48に溜められた後、再度冷房装置に送られる。
本発明の多機能ネット1は、取付ブラケット49(図8参照)及びゴム製等の結束ロープ(図示省略)を使用して、冷却塔41の吸気口46の前方に所定の間隔をおいて、強風時の風当たりを緩和するなどのために少し上方を向く傾斜した状態に張設される。この場合、多機能ネット1は、遮光ネット11が対象物である冷却塔41の吸気口46側を向き、遮熱ネット21が吸気口46と反対側を向くように張設される。したがって、多機能ネット1を冷却塔41の外側前方から見たとき、遮熱ネット21は表側に配置されて太陽側を向き、直射日光が直接当たることとなり、遮光ネット11は裏側に配置されたものとなる。ここで、多機能ネット1は、一般には、遮光、遮熱効果や通風性の点などから、吸気口46との間隔が、上部では200mm以上、下部では300mm以上であるように離して取り付けるのが望ましい。多機能ネット1はこのように張設され、通気性を有するので、外気は多機能ネット1の糸の間を通って吸気口46から冷却塔41内に吸い込まれる。
更に、多機能ネット1は、図7に示すように、冷却塔41の散水槽43の上方にも張設される。この場合、多機能ネット1は、遮光ネット11が対象物である散水槽43側(下方)を向き、遮熱ネット21が散水槽43と反対側(上方)を向くように張設される。
次に、冷却塔41に取り付けた場合の多機能ネット1の作用を説明する。
屋外に設置されている冷却塔41は直射日光に晒され、特に夏場は50度以上の熱風を吸い込み、冷却性能が低下する。しかし、本実施形態において、冷却塔41は外気取り入れ口である吸気口46の前方及び散水槽43の上方に多機能ネット1が張設されて覆われており、多機能ネット1は、遮光ネット11と遮熱ネット21とが平面的に重ね合わされて形成され、遮光性を有するとともに、遮熱ネット21は遮熱性を有するので、日光の直射が遮断され、吸気口46及び散水槽43の周囲温度は下がり、冷却塔41内への吸気温度が下がる。このため、日光照射による冷却塔41の冷却性能の低下を防止することができる。その結果、電気使用量を大幅に削減でき、省エネ効果が得られ、電力基本料金を削減できる。
また、多機能ネット1の取り付けにより、日光によって藻が繁殖するのを防止することができる。藻が発生すると、充填材45に藻が大量に付着して通風抵抗が増し、通過風量が減少して熱交換効率を低下させると同時に冷却水42の温度が下がらなくなってエネルギー効率が低下してしまうが、多機能ネット1を取り付けることにより日光を遮断し、これらの不具合が発生するのを防止することができる。加えて、冷却塔41を常に清潔に保つことで、冷却能力の低下や故障トラブル、レオジネラ菌等の発生を未然に防ぐことができる。
さらに、遮光ネット11は、遮光の機能を有する他、防風、防砂、防薬などの機能も有する。このため、強風により冷却塔41への空気44の吸い込みに支障をきたすのを防止できる。また、吸気口46から砂埃や粉塵などを吸い込むと、循環する冷却水42が汚染されるが、多機能ネット1が砂埃や粉塵などの進入するのを防止するため、下部水槽48内への沈殿物を減らし、冷却水42の水質が悪化するのを防止できる。更には、従来、冷却塔41へは殺菌剤を投与しているが、多機能ネット1を取り付けることにより、冷却水42中の窒素濃度を下げることができるので、冬場での殺菌剤の投与が不要となり、薬剤費用を大幅に削減できる。
また、遮熱ネット21は、アルミ蒸着テープ24が設けられているので、温度上昇したネットから発生する放射熱が透過するのを遮断し、遮光、遮熱の機能を有する他、アルミ蒸着テープ24にはUV剤が添加されているため、耐候性、耐久性が向上する。
このように、多機能ネット1は、冷却設備の吸気温度上昇を防止して消費電力を削減するのに使用できる他、防風、防砂など多くの機能を有し、防風ネット、防砂ネットなどとしても使用でき、各種の用途に用いることができる。
加えて、遮光ネット11及び遮熱ネット21がいずれも黒色の糸で編織されているので、多機能ネット1の遮光率を高め得るとともに、両ネット11、21が紫外線の影響を受ける量は同程度であるため、遮光ネット11及び遮熱ネット21の寿命を同程度のものとすることができる。
更に、枠部1bは、折り重ねられた状態で縫製された遮光ネット11及び遮熱ネット21の各周縁部14、25により構成されているので、枠部1bの強度は大きく、強風により冷却塔41に結束するための結束ロープ等によって枠部1bが破れたり損傷するのを防止できる。
そして、多機能ネット1の平面の本体部1aにおいて、遮光ネット11と遮熱ネット21とが縫製手段や小判形ハトメ38等のかしめ手段によって接合されているので、本体部1a等が擦れて磨耗したり、強風により本体部1a等が破れたり、破損するのを防止でき、また、水平張りしたときにネットの本体部1aが垂れ下がってしまうのを防止でき、更には、冬季の降雪による堆積荷重によって破損するのを防止できる。
次に、図9を用いて、多機能ネット1の実験例1〜6(表裏ネット11、12の遮光率が異なる)、遮熱ネット21のみの比較例1、及び遮光ネット11のみの比較例2、3(遮光率が異なる)について説明する。これら実験例1〜6及び比較例1〜3では、試験室内(気温24℃、湿度38%)で投光器から距離約330mm離れた測定箇所での温度を計測した。そして、投光器と測定箇所との間に各ネットを配置しない場合の測定温度(37±0.2℃)に対して、投光器と測定箇所との間で投光器から距離約330mm離れた箇所に各ネットを配置した場合の測定温度がどの程度低減されたかを確認した。さらに、各気象条件(強風、豪雪地帯、砂埃多い、日差し強い)に応じて適否を検討した。なお、遮光ネット11として、ダイオ化成株式会社製の防風ネットとして市販されている商品名「ダイオネット」(黒色)を使用し、遮熱ネット21として、ダイオ化成株式会社製の商品名「ダイオミラー」を使用した。
その結果、比較例1では、低減温度が13.8℃と大きな値を示したが、強風や豪雪地帯では破損の恐れがあり、適当でない。また、比較例3では、低減温度が5.1℃と小さな値であり、適当でない。これらに対して、実験例1〜6では、低減温度が比較的大きな値を示し、気象条件でも良好又は適用可能であり、適当である。よって、遮熱ネット21の遮光率が45〜90%であり、遮光ネット11の遮光率が40〜75%である形態が好ましい。特に、実験例1〜3では、低減温度が極めて大きな値(実験例1;12.6℃、実験例2;11.9℃、実験例1;11.9℃)であり、好適である。さらに、実験例2、3では、各気象条件で良好であり、好適である。よって、遮熱ネット21の遮光率が45〜90%(特に45〜70%)であり、遮光ネット11の遮光率が65〜75%である形態が好ましい。
次に、多機能ネット1を、図10に示す、左右両側に所定距離離間して対向した状態で複数設置された空調室外機61に使用する場合を説明する。この場合、多機能ネット1は、空調室外機61毎に個別に取り付けることもできるが、図10に示すように、両側の空調室外機61の上端部間に水平状態に架け渡して取り付けることもできる。この場合、使用する多機能ネット1の量を少なくすることができ、また、設置が容易となる。そして、空調室外機61の吸気口62を多機能ネット1で覆うことで、室外機61からの排気温度を低下させ、省エネと高圧カットを防止する。これにより、冷房シーズンの使用電力量(kWh)を16〜20%削減、最大需要量(kW)を16〜20%低減し、電力基本料金を約20%削減する。
ところで、上記実施形態の遮光ネット11及び遮熱ネット21は、黒色の糸を用いているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他の、白色、青色、緑色等の糸を用いるのを妨げるものではない。
更に、上記実施形態の多機能ネット1は、遮光ネット11及び遮熱ネット21の周縁部14、25を遮光ネット11側に一体に折り返し、折り返し部15、26を周縁に沿って縫製しているが、逆に、遮光ネット11及び遮熱ネット21の周縁部14、25を遮熱ネット21側に一体に折り返し、縫製してもよい。
また、上記実施形態の多機能ネット1は、その本体部1aに直線状の突起部36を備えているが、これに替えて、十字状、交差状等の突起部を備えてもよい。
また、上記実施形態の帯状遮熱層として、アルミ蒸着テープ24を例示したが、これに替えて、不織布テープ(特に、白色の不織布テープ)やテープヤーン(特に白色)を採用してもよい。
更に、上記実施形態の多機能ネット1は、冷却塔41(例えば、直交流型、向流型等)の吸気口46の前方及び散水槽43の上方に張設するものを説明したが、本発明の多機能ネット1は、他に、空調機器の室外機の外側に設けたりすることができる。また、農業分野、園芸分野などで使用することもできる。農業分野、園芸分野では、農産物や園芸作物の成育のためのビニールハウス、温室などに使用することができる。この場合、多機能ネット1は、特に、防風ネット、遮光ネット、遮熱ネットとして機能する。
なお、本実施形態に係る遮光構造としては、例えば、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の多機能ネットを備える遮光構造であって、多機能ネットは、遮光ネットが対象物側を向き且つ遮熱ネットが対象物と反対側を向くように張設されている形態を挙げることができる。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
対象物を遮光するネットにおいて、遮光、遮熱、防風、防砂など多くの機能を備えたネットとする技術として広く利用される。
1;多機能ネット、1a;本体部、1b;枠部、11;遮光ネット、14;周縁部、15;折り返し部、21;遮熱ネット、24;アルミ蒸着テープ、25;周縁部、26;折り返し部、31;縁取りテープ、32;縫製糸、35;縫製糸、36;突起、38;小判形ハトメ、41;冷却塔、46;吸気口。

Claims (4)

  1. 対象物を遮光する多機能ネットであって、
    遮光ネットと、帯状遮熱層が複数並設された遮熱ネットと、が平面的に重ね合わされた状態で一体化されており、
    前記遮光ネットが前記対象物側を向き、前記遮熱ネットが前記対象物と反対側を向くように張設可能に形成されており、
    前記多機能ネットは、平面状の本体部と、前記本体部の外周側に設けられる枠部と、を備え、
    前記枠部は、折り重ねられた状態で縫製された前記遮光ネット及び前記遮熱ネットの各周縁部により構成されており、
    前記遮光ネットと前記遮熱ネットは、前記本体部においても接合されており、
    前記遮光ネットの遮光率は65%〜75%であり、
    前記遮熱ネットの遮光率は45%〜70%であることを特徴とする多機能ネット。
  2. 前記本体部は、その一部が寄せ重ねられた状態で根元部分が縫製されている請求項1記載の多機能ネット。
  3. 前記本体部は、その一部にハトメが取り付けられている請求項1又は2に記載の多機能ネット。
  4. 前記遮光ネット及び前記遮熱ネットは、それぞれの編織糸が黒色である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の多機能ネット。
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